(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】注出ノズルおよび飲料サーバー
(51)【国際特許分類】
B67D 3/04 20060101AFI20231227BHJP
【FI】
B67D3/04 B
(21)【出願番号】P 2019125462
(22)【出願日】2019-07-04
【審査請求日】2022-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】311007202
【氏名又は名称】アサヒビール株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】518440693
【氏名又は名称】株式会社ピース・テック
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】光畑 伸輔
(72)【発明者】
【氏名】松本 厚
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-327297(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0023488(US,A1)
【文献】中国実用新案第201909082(CN,U)
【文献】特開2015-101402(JP,A)
【文献】国際公開第2018/066703(WO,A1)
【文献】実開平07-017800(JP,U)
【文献】国際公開第2007/019852(WO,A1)
【文献】米国特許第5377878(US,A)
【文献】特許第3601823(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00- 3/04
B65D 47/06
G07F 13/00-13/10;15/00-15/12
A47J 31/00-31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトルに収容された飲料を容器に注出するための注出ノズルであって、
飲料が流入する流入口および飲料を流出させる流出口を有するチューブ
と、
一端が前記ボトルに接続され、他端が前記チューブの前記流入口に接続されるバルブアセンブリと、を備え、
前記チューブは、前記流入口の側の上流部分と、前記流出口の側の下流部分と、前記上流部分と前記下流部分との間の中間部分とを含み、前記中間部分は、前記チューブの中における前記飲料の流路にカーブを形成する屈曲部を含み、
前記屈曲部における前記上流部分の側の部分の流路断面積は、前記屈曲部における前記下流部分の側の部分の流路断面積より小さ
く、前記上流部分における前記流路の進行方向と前記バルブアセンブリに接続される前記ボトルの軸方向とが一致している、
ことを特徴とする注出ノズル。
【請求項2】
前記屈曲部の一部分を前記流路に直交する面で切断した断面において、前記流路に面する前記屈曲部の内面は、前記カーブの内側寄りの第1部分の曲率半径が前記カーブの外側寄りの第2部分の曲率半径より小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の注出ノズル。
【請求項3】
前記断面において、前記流路に面する前記屈曲部の前記内面のうち前記カーブの内側寄りの前記第1部分は、円弧形状を含み、前記流路に面する前記屈曲部の前記内面のうち前記カーブの外側寄りの前記第2部分は、直線形状を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の注出ノズル。
【請求項4】
前記断面において、前記流路に面する前記屈曲部の前記内面のうち前記カーブの内側寄りの前記第1部分の肉厚は、前記流路に面する前記屈曲部の前記内面のうち前記カーブの外側寄りの前記第2部分の肉厚より薄い、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の注出ノズル。
【請求項5】
前記上流部分における前記流路の進行方向と前記下流部分における前記流路の進行方向とがなす角度が、110度以上かつ125度以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の注出ノズル。
【請求項6】
前記屈曲部は、前記流路をカーブさせながら、前記屈曲部における流路断面積を、前記上流部分の側から前記下流部分の側に向かって変化させる、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の注出ノズル。
【請求項7】
前記バルブアセンブリは、前記ボトルに固定される固定部と、前記チューブに接続される接続口と、前記固定部と前記接続口との間に流路を構成する流路構成体と、前記流路に配置されたバルブと、を含み、前記流路構成体は、前記バルブと前記接続口との間に配置された通気口を有する、
ことを特徴とする請求項
1乃至6のいずれか1項に記載の注出ノズル。
【請求項8】
飲料サーバーであって、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の注出ノズルを保持するノズル保持部と、
ボトルを傾斜状態で保持するボトル保持部と、を備え、
前記ボトルに収容された飲料を前記注出ノズルを通して容器に注出することを特徴とする飲料サーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注出ノズルおよび飲料サーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
ビール瓶等の小型のボトルに収容された飲料を容器に注出する飲料サーバーとしては、ボトルの中に注出ノズルを挿入し、収納容器内に圧力を加えることによって飲料の液面を押し下げて注出ノズルを通して飲料を送り出す方式のものがある。
【0003】
特許文献1に記載された飲料サーバーは、上端が開放された本体と、本体の上部に設置される中蓋と、中蓋を覆って本体の上端に被せられる外蓋とを有する。中蓋は、複数の飲料缶にそれぞれ挿入される複数の揚液パイプと、複数の揚液パイプに連通し飲料を本体の外に排出するための飲料排出パイプとを有する。外蓋は、本体内の空間に空気を送り込むポンプと、飲料の排出と非排出の切り替え操作を行う操作部材とを有する。しかしながら、このような飲料サーバーでは、長い注出ノズルを必要とするために衛生管理等の保守面で不利である。
【0004】
特許文献2には、重力によって飲料を注ぎ出す飲料供給装置が記載されている。飲料供給装置は、瓶に取り付けられる瓶用注出バルブを有する。瓶用注出バルブは、瓶の注ぎ口部に冠着される取付基部と、取付基部に着脱可能に接続される注出ノズル部とから構成され、瓶、取付基部および注出ノズル部は、瓶用注粒バルブの縦軸線に同軸に配置されている。しかしながら、このような構成では、瓶の傾斜角を適正に調整すると、注出ノズル部の傾斜角が不適切になり、逆に、注出ノズル部の傾斜角を適切に調整すると、瓶の傾斜角が不適切になり、いずれにおいても、注出される飲料が飛び跳ねたり、泡立ったりする可能性がある。また、このような構成では、飲料供給装置および瓶が占有する横方向寸法が大きくなりうる。
【0005】
また、重力によって飲料を注出する方式では、収納容器内の飲料が多い時には注出バルブ中の飲料に高い圧力が作用し、収納容器内の飲料が少なくなるにつれて注出バルブ中の飲料に作用する圧力が低下する。飲料を注出する際には、重力によって飲料が収納容器から注出されると同時に、収納容器の口部を通して空気が流入する。この流入が息継ぎをするように起こると、飲料の注出流量が断続的に変化する脈動が起こりうる。このような脈動は、発泡性飲料の注出時には、容器に注出される発泡性飲料に粗い泡を発生させうる。また、非発泡性飲料の注出時においても、容器に注出される飲料の飛び跳ね等を発生させうる。脈動は、注出バルブ中の飲料に作用する圧力が適正範囲から外れると起こりやすい。したがって、重力によって飲料を注出する方式では、広い圧力範囲で脈動を抑える特性が要求されうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6062590号公報
【文献】特開2018-58632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、脈動を低減するために有利な注出ノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面は、ボトルに収容された飲料を容器に注出するための注出ノズルに係り、前記注出ノズルは、飲料が流入する流入口および飲料を流出させる流出口を有するチューブと、一端が前記ボトルに接続され、他端が前記チューブの前記流入口に接続されるバルブアセンブリと、を備え、前記チューブは、前記流入口の側の上流部分と、前記流出口の側の下流部分と、前記上流部分と前記下流部分との間の中間部分とを含み、前記中間部分は、前記チューブの中における前記飲料の流路にカーブを形成する屈曲部を含み、前記屈曲部における前記上流部分の側の部分の流路断面積は、前記屈曲部における前記下流部分の側の部分の流路断面積より小さく、前記上流部分における前記流路の進行方向と前記バルブアセンブリに接続される前記ボトルの軸方向とが一致している。
本発明の第2の側面は、飲料サーバーに係り、前記飲料サーバーは、前記第1の側面に係る注出ノズルを保持するノズル保持部と、ボトルを傾斜状態で保持するボトル保持部と、を備え、前記ボトルに収容された飲料を前記注出ノズルを通して容器に注出する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、脈動を低減するために有利な注出ノズルが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態の飲料サーバーの構成が示す側面図。
【
図2】一実施形態の飲料サーバーの構成が示す側面図(一部は断面図)。
【
図3】一実施形態の飲料サーバーのバルブアセンブリおよび注出ノズルの構成を示す図。
【
図4】一実施形態の飲料サーバーのバルブアセンブリおよび注出ノズルの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
図1、
図2は、一実施形態の飲料サーバー1の構成が示す側面図である。
図2では、飲料サーバー1の一部が切り欠かれて示されていて、斜線で示された部分は断面構成を示している。
図3、
図4には、飲料サーバー1のバルブアセンブリ30および注出ノズル50の構成が示されている。
図4では、バルブアセンブリ30の一部が切り欠かれていて示されていて、斜線が付された部分は断面構成を示している。
図5、
図6には、注出ノズル50の構成が示されている。
【0013】
飲料サーバー1は、ボトル10に収容された飲料をそれに作用する重力によって容器20に注出する。ボトルという用語は、広義に解釈されるべきであり、ボトル10を構成する材料は特定材料に制限されない。ボトル10は、例えば、ガラス、プラスチック、金属、木材または紙、あるいは、これらの2以上の材料の複合材によって構成されうる。飲料は、ビール等の発泡性飲料でありうるが、非発泡性飲料であってもよい。
【0014】
飲料サーバー1は、バルブアセンブリ30および注出ノズル50を備えうる。バルブアセンブリ30は、ボトル10の口部11に取り付けられる。バルブアセンブリ30は、
図4(a)、(b)に示されるように、飲料サーバー1からの飲料の注出を制御するバルブ35を含みうる。また、
図2、
図3(a)、
図3(b)に示されるように、バルブアセンブリ30は、バルブ35を開閉させるための操作部37を含みうる。注出ノズル50は、
図5に示さるように、その一端に、バルブアセンブリ30の流出口31を受け入れる受入口(流入口)51を有し、その他端に、注出口(流出口)52を有しうる。注出ノズル50は、ボトル10からバルブアセンブリ30を介して受入口51に流入する飲料を注出口52から容器20に注出しうる。
【0015】
飲料サーバー1は、ボトル保持部41およびノズル保持部42を備えうる。飲料サーバー1は、本体構造40を備えることができ、ボトル保持部41およびノズル保持部42は、本体構造40の一部を構成し、または、本体構造40によって支持されうる。ボトル保持部41は、口部11にバルブアセンブリ30が取り付けられたボトル10を傾斜状態で保持しうる。ここで、傾斜状態とは、ボトル10の軸LX1(例えば中心軸)が水平面に対して傾斜していることを意味する。
【0016】
ボトル10の軸LX1の傾斜角αは、
図3(b)に示されるように、水平面に対するボトル10の軸LX1の角度として定義される。ノズル保持部42は、注出ノズル50を保持しうる。注出口52の軸LX2の傾斜角βは、
図3(b)に示されるように、水平面に対する注出口52の軸LX2の角度として定義される。注出口52の軸LX2の傾斜角βは、ボトル保持部41によって保持されたボトル10の軸LX1の傾斜角αより大きい。ボトル10の軸LX1の傾斜角αと注出口52の軸LX2の傾斜角βとは、個別に決定される。これは、ボトル10に収容された飲料を静かに容器20に注出することを可能にし、例えば、注出される飲料に粗い泡を発生させたり、注出される飲料が飛び跳ねたりすることを抑制するために有利である。
【0017】
また、ボトル10の軸LX1の傾斜角αと注出口52の軸LX2の傾斜角βとを同じにし、かつ、傾斜角α(=β)を適切な傾斜角とした場合、ボトル10を飲料サーバー1に設置した時に、ボトル10および飲料サーバー1が占有する横方向寸法(水平方向寸法)が大きい。これに対して、注出口52の軸LX2の傾斜角βがボトル保持部41によって保持されたボトル10の軸LX1の傾斜角αより大きい場合、傾斜角α、βを適切な傾斜角としつつボトル10および飲料サーバー1が占有する横方向寸法(水平方向寸法)を小さくすることができる。
【0018】
ボトル保持部41によって保持されたボトル10の軸LX1の傾斜角αは、20度以上かつ45度以下、より好ましくは、25度以上かつ30度以下でありうる。このような傾斜角αは、ボトル10内に飲料が残ることを防止しつつ、注出時のボトル10内の飲料の液面の低下による圧力変動(例えば、バルブアセンブリ30内の飲料に作用する圧力の変化、あるいは、後述の屈曲部531内の飲料に作用する圧力の変化)を縮小するために有利である。圧力変動の縮小は、注出される飲料の泡立てや飛び跳ねを抑制するように注出ノズル50を設計することを容易にする。
【0019】
注出口52の軸LX2の傾斜角βは、例えば、70度以上かつ110度以下であることが好ましく、90度であることが最も好ましい。このような傾斜角βは、ボトル10および飲料サーバー1が占有する横方向寸法(水平方向寸法)を小さくために有利である。また、このような傾斜角βは、注出口52から離脱する飲料に加わる衝撃(この衝撃は、粗い泡の発生を誘発しうる)を低減するために有利である。
【0020】
図3(a)、(b)では、説明の便宜上、ノズル保持部42によって保持された注出ノズル50が
図1から抜き出されて示されている。つまり、実際には、注出ノズル50は、ノズル保持部42によって保持され飲料サーバー1に組み込まれている。ボトル10は、
図3(a)、(b)に示されるように、その口部11に取り付けられたバルブアセンブリ30の流出口31が受入口(流入口)51に挿入されるようにしてボトル保持部41に配置されうる。
【0021】
飲料サーバー1は、バルブアセンブリ30のバルブ35を駆動するバルブ駆動機構(不図示)を備えうる。該バルブ駆動機構は、
図2に例示されるように、バルブアセンブリ30の操作部37に係合する係合部43を有し、バルブアセンブリ30が取り付けられたボトル10がボトル保持部41に配置される時(この時、バルブ35は閉状態)に、操作部37が係合部43に係合しうる。該バルブ駆動機構は、操作部37を回動させることによって、バルブ35を閉状態から開状態にし、飲料の注出を開始させうる。
【0022】
図4(a)、(b)に示されるように、バルブアセンブリ30は、ボトル10に固定される固定部32と、チューブ55に接続される流出口(接続口)31と、固定部32と流出口(接続口)31との間に流路33を構成する流路構成体34と、流路33に配置されたバルブ35とを含みうる。流路構成体34は、バルブ35と流出口(接続口)31との間に配置された通気口36を有しうる。
【0023】
図1、
図2に示されるように、飲料サーバー1は、容器20を保持する容器保持部60と、ボトル10に収容された飲料の注出の進行に応じて容器20の傾斜角が変化するように容器保持部60を駆動する傾斜機構44とを備えてもよい。飲料サーバー1は、ボトル10からバルブアセンブリ30および注出ノズル50を通して容器20に注出される飲料に超音波を供給し細かい泡を発生させる超音波振動子70を備えてもよい。
【0024】
不図示の注出ボタンが押下されると、飲料サーバー1は、傾斜機構44によって容器20を正立状態から傾斜させ、バルブ駆動機構によって操作部37を回動させることによって、バルブ35を閉状態から開状態にし、飲料の注出を開始させうる。設定された時間の経過後、飲料サーバー1は、傾斜機構44によって容器20を正立状態(傾斜角=90度)に戻し、超音波振動子70を動作せることによって飲料に細かい泡を発生させてから容器20に注ぎ出す。
【0025】
以下、
図5、
図6を参照しながら注出ノズル50の構成について説明する。注出ノズル50は、ボトル10に収容された飲料を容器20に注出するために使用される。注出ノズル50は、飲料サーバー1において、バルブアセンブリ30を介してボトル10に接続されて使用されうるが、使用者が手でボトル10を持つようにして使用されてもよい。また、注出ノズル50には、ボトル10に注出ノズル50を直接に接続するための接続部が設けられてもよい。また、注出ノズル50の注出口(流出口)52の側には、他のチューブ状部材等の部材が接続されてもよい。
【0026】
注出ノズル50は、飲料が流入する受入口(流入口)51および飲料を流出させる注出口(流出口)52を有するチューブ55を含みうる。注出ノズル50は、操作用の取っ手511を有してもよい。取っ手511は、例えば、チューブ55に接続されうる。チューブ55は、受入口(流入口)51の側の上流部分510と、注出口(流出口)52の側の下流部分520と、上流部分510と下流部分520との間の中間部分530とを含みうる。中間部分530は、チューブ55の中における飲料の流路550にカーブCを形成する屈曲部531を含みうる。
【0027】
図6(a)は、屈曲部531における上流部分510の側の部分の断面、より具体的には、
図5のA-A’断面を示している。
図6(b)は、屈曲部531における下流部分520の側の部分の断面、より具体的には、
図5のB-B’断面を示している。屈曲部531における上流部分510の側の部分(A-A’断面)の流路断面積A1は、屈曲部531における下流部分520の側の部分(B-B’断面)の流路断面積A2より小さいことが好ましい。このような構成は、飲料の注出流量が断続的に変化する脈動を低減させるために効果を有することが確認された。
【0028】
屈曲部531の一部分を流路550に直交する面で切断した断面、より具体的には、
図6(a)(
図5のA-A’断面)において、流路550に面する屈曲部531の内面は、カーブCの内側寄りの第1部分P1の曲率半径がカーブCの外側寄りの第2部分P2の曲率半径より小さい構成を有することが好ましい。換言すると、
図6(a)(
図5のA-A’断面)において、流路550に面する屈曲部531の内面は、カーブCの内側寄りの第1部分P1の曲率がカーブCの外側寄りの第2部分P2の曲率より大きい構成を有することが好ましい。このような構成は、脈動の低減に極めて効果的であることが確認された。一つの例では、
図6(a)(
図5のA-A’断面)において、流路550に面する屈曲部531の内面のうちカーブCの内側寄りの第1部分P1は、円弧形状を含み、流路550に面する屈曲部531の内面のうちカーブCの外側寄りの第2部分P2は、直線形状を含みうる。また、一つの例では、
図6(a)(
図5のA-A’断面)において、流路550に面する屈曲部531の内面のうちカーブCの内側寄りの第1部分P1の肉厚は、流路550に面する屈曲部531の内面のうちカーブCの外側寄りの第2部分P2の肉厚より薄い。
【0029】
上流部分510における流路550の進行方向と下流部分520における流路550の進行方向とがなす角度γは、110度以上かつ125度以下、より好ましくは、115度以上かつ120度以下でありうる。このような角度γは、ボトル10内に飲料が残ることを防止しつつ、注出時のボトル10内の飲料の液面の低下による圧力変動を小さくするために有利である。
【0030】
上記の説明では、バルブアセンブリ30は、注出ノズル50とは異なる部品として扱われているが、上記の説明におけるチューブ55とバルブアセンブリ30との集合体が注出ノズルとして理解されてもよい。
【0031】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0032】
1:飲料サーバー、10:ボトル、11:口部、20:容器、30:バルブアセンブリ、31:流出口、32:固定部、33:流路、34:流路構成体、35:バルブ、36:通気口、40:本体構造、41:ボトル保持部、42:ノズル保持部、43:係合部、44:傾斜機構、50:注出ノズル、51:受入口(流入口)、52:注出口(流出口)、70:超音波振動子、510:上流部分、520:下流部分、530:中間部分、531:屈曲部、550:流路、P1:第1部分、P2:第2部分、A1:A-A’断面における流路断面積、A2:B-B’断面における流路断面積、C:カーブ