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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/14 20060101AFI20231227BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
H04N7/14 170
H04M11/00 302
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022101271
(22)【出願日】2022-06-23
(62)【分割の表示】P 2020553987の分割
【原出願日】2019-10-30
(65)【公開番号】P2022133329
(43)【公開日】2022-09-13
【審査請求日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】P 2018204208
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】518126904
【氏名又は名称】SUGAR株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】松井 厚憲
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/074516(WO,A1)
【文献】特開2018-067078(JP,A)
【文献】特開2016-152521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/14-7/15
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライブ配信を行う第1種ユーザにより用いられる第1種端末と、当該ライブ配信に参加する複数の第2種ユーザにより用いられる複数の第2種端末とを管理する他情報処理装置と通信をする、前記第2種端末として機能する情報処理装置において、
前記他情報処理装置により、前記情報処理装置自身の状態が、前記第1種ユーザによる前記ライブ配信に視聴して参加する視聴状態と、前記第1種ユーザによる前記ライブ配信にチャットする候補として参加するチャット候補状態と、前記第1種ユーザによる前記ライブ配信にチャットして参加するチャット対象状態と、のうちいずれの状態であるかが管理されており、前記第1種端末と、前記チャット対象状態にある前記第2種端末との夫々から提供されるチャットの内容を含むデータが、前記状態毎に夫々異なる動画像のデータに合成されて、前記複数の第2種端末の夫々に配信される場合において、
前記情報処理装置自身の状態の前記動画像のデータを受信して出力させる制御を実行する動画出力制御手段と、
前記他情報処理装置により、前記情報処理装置自身の状態が、前記視聴状態から前記チャット候補状態に遷移して、前記チャット対象状態に遷移する可能性がある旨が前記情報処理装置に報知される場合において、その報知の内容を出力する報知内容出力手段と、
を備え、
前記他情報処理装置により、前記視聴状態の第2種端末と、前記チャット候補状態の第2種端末と、前記チャット対象状態の第2種端末との夫々に配信される前記動画像のデータには、前記視聴状態から前記チャット候補状態に遷移する第2種端末が選定中である旨を示す情報と、前記チャット候補状態に遷移した第2種端末を用いる第2種ユーザを示す情報と、前記チャット候補状態から前記チャット対象状態に遷移した第2種端末を用いる第2種ユーザを示す情報との夫々が含まれる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記他情報処理装置により管理されている前記情報処理装置を含む前記複数の第2種端末のうち、前記視聴状態から前記チャット候補状態に遷移する第2種端末は、
前記第1種ユーザの選択と所定のアルゴリズムとのうち、少なくとも一方により決定された第2種端末である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定のアルゴリズムは、
ランダムな抽選により決定するアルゴリズムである、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置を含む前記複数の第2種端末のうち前記チャット対象状態に遷移する第2端末は、
前記第1種ユーザにより指定される、
請求項1乃至3に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動画配信サービスには、ライブ配信と共に文字等を利用したチャットを利用可能なものが存在する。このようなライブ配信の普及のため、あまりインターネットの知識がない人々に、ビデオライブチャットシステムを使ってもらうためのシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-105482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、先行文献1に記載の技術を含む従来技術のみでは、少数対多数(例えば1人の配信者に対して数万人の視聴者)における、文字等を利用したチャットを利用可能なライブ配信における配信者と視聴者の交流は十分に行われていなかった。つまり、このような場合、チャットの大半は配信者の目にとまらず、相互にやりとりを継続するようなチャットとしては提供されていなかった。
そこで、配信者と視聴者が文字等を利用したチャットのみならずテレビ電話のような通話を行うことも考えられる。しかしながら、例えば、配信の前に配信者に対して通話の相手となる1人の視聴者を予め抽選した場合、抽選で落選した(後の)視聴者は、実際に視聴する意欲が低下する可能性がある。また例えば、配信中に抽選を行い、抽選と同時に通話が始まる場合、通話の相手となる1人の視聴者は、通話の準備や心構えができていない可能性もある。
【0005】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、通話対象となりえる視聴者に対して利便性の高い情報を提供可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が適用される情報処理装置は、
ライブ配信を行う第1種ユーザにより用いられる第1種端末と、当該ライブ配信に参加する複数の第2種ユーザにより用いられる複数の第2種端末とを管理する情報処理装置において、
前記複数の第2種端末の夫々の状態が、
前記第1種ユーザによる前記ライブ配信に視聴して参加する視聴状態と、
前記第1種ユーザによる前記ライブ配信にチャットする候補として参加するチャット候補状態と、
前記第1種ユーザによる前記ライブ配信にチャットして参加するチャット対象状態と、
のうちいずれの状態であるかを管理する状態管理手段と、
前記状態管理手段により管理されている前記複数の第2種端末のうち、前記視聴状態から前記チャット候補状態に遷移した第2種端末に、前記チャット対象状態に遷移する可能性がある旨を報知する報知手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、通話対象となりえる視聴者に対して利便性の高い情報を提供可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2図1の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図1の情報処理システムのうちサーバ及び視聴者端末の機能的構成例の一例を示す機能ブロック図である。
図4図3の機能的構成を有するサーバにより管理される視聴者端末に係る参加状態の遷移を示す状態遷移図である。
図5図4の視聴状態における視聴者端末の表示部の一例を示す画面例である。
図6図4のチャット候補状態における視聴者端末に表示される画面の一例を示す図である。
図7図4のチャット候補状態における配信者端末に表示される画面の一例を示す図である。
図8図4のチャット対象状態における視聴者端末に表示される画面の一例を示す図である。
図9図4のチャット対象状態における配信者端末に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
なお、以下において、単に「画像」と呼ぶ場合には、「動画像」と「静止画像」との両方を含むものとする。
また、「動画像」には、次の第1処理乃至第3処理の夫々により表示される画像を含むものとする。
第1処理とは、平面画像(2D画像)におけるオブジェクト(例えば自然人の像)の夫々の動作に対して、複数枚からなる一連の静止画像を時間経過と共に連続的に切り替えて表示させる処理をいう。具体的には例えば、2次元アニメーション、いわゆるパラパラ漫画的な処理が第1処理に該当する。
第2処理とは、立体画像(3Dモデルの画像)におけるオブジェクト(例えば自然人の像)の夫々の動作に対応するモーションを設定しておき、時間経過と共に当該モーションを変化させて表示させる処理をいう。具体的には例えば、3次元アニメーションが第2処理に該当する。
第3処理とは、オブジェクト(例えば自然人の像)の夫々の動作に対応した映像(即ち動画像)を準備しておき、時間経過と共に当該映像を流していく処理をいう。
ここで、「映像(即ち動画像)」は、複数のフレームやフィールド等の画像(以下、「単位画像」と呼ぶ)から構成される。なお以下の例では、単位画像はフレームであるものとして説明する。
【0011】
本発明が適用される情報処理システムを用いたサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)では、配信者が、ライブ配信を行うことができる。
なお、ライブ配信とは、チャットを含む各種コンテンツについてリアルタイムで行う配信をいう。また、配信者とは、ライブ配信を行う主体であり、本実施形態では1以上の視聴者とチャットを行う者をいう。また、視聴者とは、ライブ配信された画像を含む各種コンテンツ(チャット含む)を視聴する者をいう。
即ち、本実施形態では、チャットの内容は、配信者とチャットを行う視聴者対してのみならず、そのチャットの内容が画像を含むコンテンツとして、チャットを行う視聴者に限られない全ての視聴者にも、ライブ配信される。即ち、本実施形態におけるチャットは、いわゆる公開チャットである。
【0012】
ここで、本明細書において、チャットとは、必要に応じてインターネットを含むネットワークを通じて、複数端末間でメッセージ等をリアルタイムにやり取りするコミュニケーションをいう。コミュニケーションの手段としては、文字、音声、画像(静止画像及び動画像)等を用いることができる。これらの手段の夫々を用いたチャットは、「テキストチャット」、「ボイスチャット」及び「ビデオチャット」の夫々と呼ばれている。以下の説明では、ビデオチャットとボイスチャットを合わせた所謂テレビ通話等を想定しているが、特にこれに限定されず、テキストチャットやボイスチャットも採用することができる。ここで、ボイスチャットには、いわゆる「電話」も含めることができる。つまり、ネットワークが、携帯電話のキャリアが管理するキャリア網である場合、いわゆる「電話」もボイスチャットと把握することができる。また、ビデオチャットとテキストチャットを組み合わせて、画像中にメッセージテキストを重畳してスクロール表示させても良い。
【0013】
本実施形態では、ライブ配信は、n人(nは1以上の整数値)の視聴者により視聴されるものとする。
また、本実施形態では、視聴者は、テキストを入力することにより、画像としてn人の視聴者及び配信者に提供することができる。つまり、視聴者により入力されたテキストは、上述したビデオチャットとテキストチャットを組み合わせた形態で、n人の視聴者及び配信者に提供される。これにより、配信者は、視聴者により入力されたテキストを把握することで、任意のテキストを話題としたライブ配信をすることもできる。
また、本実施形態では、配信者は、n人の視聴者のうち、特定された1人の視聴者とチャットを行うことができるものとする。特に、本実施形態では、特定された1人の視聴者とのチャットは、音声及び画像を用いた所謂テレビ通話の形態で行われるものとして説明する。以下、配信者と通話を行う1人の視聴者を、「チャット対象者」と呼ぶ。つまり、配信者は、n人の視聴者により入力されたテキストと、n人の視聴者のうち1人の視聴者とのチャットを公開チャットとしてライブ配信することができる。この場合、チャット対象者は、リアルタイムにチャットを用いたやりとりを継続的に行うことができる。すなわち例えば、チャット対象者となった視聴者は、配信者と所定の期間だけ会話すると行ったことが可能となる。
また、後述するようにチャット対象者の選択の手法は、特に限定されないが、本実施形態では、配信者の指示に基づいて選択する手法が採用されているものとする。即ち、配信者は、n人の視聴者のうち1以上の視聴者の中から、チャット対象者を選択するものとする。以下、チャット対象者に選択される候補である視聴者を、「チャット候補者」と呼ぶ。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示す情報処理システムは、サーバ1と、配信者端末2と、n台の視聴者端末3-1乃至3-nの夫々とが、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されている。
【0016】
サーバ1は、配信者端末2と、視聴者端末3-1乃至3-nとに対してライブ配信をする環境を提供する。
【0017】
図1に示すように、配信者端末2は、配信者U1が操作するものとする。
また、視聴者端末3-1乃至3-nの夫々は、視聴者U2-1乃至U2-nの夫々が操作するものとする。なお、視聴者端末3-1乃至3-nの夫々を個々に区別する必要が無い場合、これらをまとめて「視聴者端末3」と呼ぶ。また、「視聴者端末3」とまとめて呼んでいる場合、視聴者U2-1乃至U2-nをまとめて「視聴者U2」と呼ぶ。
【0018】
ここで、上述したように、視聴者U2には、チャット候補者とチャット対象者とが含まれる。
本サービスでは、まず、n人の視聴者U2が、単なる視聴者としてライブ配信に参加する。即ち、n人の視聴者U2は、単にライブ配信を視聴したりテキストチャットを送信したりすることが可能な状態となる。なお、以下、視聴者U2のうち後述するチャット候補者やチャット対象者ではない視聴者を、まとめて「一般視聴者U2-a」と呼ぶ。また、「一般視聴者U2-a」とまとめて呼んでいる場合、視聴者端末3のうち一般視聴者U2-aにより利用されるものを、「視聴者端末3-a」と呼ぶ。
【0019】
次に、本サービスでは、n人の視聴者U2のうちm(mは1以上、且つnより小さい整数値)人の視聴者が、チャット対象者に選択される候補であるチャット候補者として抽選される。即ち例えば、図1に示すように、n人の視聴者U2のうち、m人の視聴者U2-b1乃至U2-bmが、チャット候補者として抽選される。なお、以下、チャット候補者として抽選された視聴者U2-b1乃至U2-bmの夫々を、チャット候補者U2-b1乃至U2-bmの夫々と呼ぶ。また、チャット候補者U2-b1乃至U2-bmの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「チャット候補者U2-b」と呼ぶ。また、「チャット候補者U2-b」とまとめて呼んでいる場合、視聴者端末3のうちチャット候補者U2-bにより利用されるものを「視聴者端末3-b」と呼ぶ。
【0020】
次に、本サービスでは、m人のチャット候補者U2-bのうち配信者と通話を行う1人の視聴者が、「チャット対象者」として指定される。即ち例えば、図1に示すように、m人のチャット候補者U2-bのうち視聴者U2-3がチャット対象者として指定される。なお、以下、チャット対象者として抽選された1人の視聴者U2を、「チャット対象者U2-c」と呼ぶ。また、「チャット対象者U2-c」と呼んでいる場合、視聴者端末3のうちチャット対象者U2-cにより利用されるものを「視聴者端末3-c」と呼ぶ。
【0021】
また、本サービスでは、配信者U1は、視聴者U2のうち、特定の視聴者(例えば、従前から知っている友人や今回の配信でチャットをすることが決まっている自然人)を、ゲストとして上述のチャット対象者に指定することができる。即ち例えば、図1に示すように、ライブ配信におけるゲストの例である視聴者U2-kは、視聴者U2に含まれる。
詳細は後述するが、ゲストである視聴者U2-kは、ライブ配信において、配信者U1により指定され、チャット候補者となる。
【0022】
このように、本サービスでは、n人の一般視聴者U2-aから、m人のチャット候補者U2-bが抽選される。また、m人のチャット候補者U2-bから、チャット対象者U2-cが指定される。チャット対象者U2-cは、配信者U1とテレビ通話といった形態でチャットをすることができる。
【0023】
図2は、図1の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0025】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0026】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0027】
出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
【0028】
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(図1の例では配信者端末2や視聴者端末3)との間で通信を行う。
【0029】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0030】
なお、図示はしないが、図1の情報処理システムの配信者端末2及び視聴者端末3は図2に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有している。ただし、配信者端末2、又は視聴者端末3は、入力部の1つとして、カメラ等の撮像部を有していてもよく、タッチパネルを有していてもよい。
【0031】
このような図2のサーバ1、配信者端末2及び視聴者端末3の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、次のような一連の処理が実行可能となる。
【0032】
上述したように、本実施形態では、サーバ1は、視聴者端末3で公開チャットを視聴する視聴者の中から、1人以上のチャット候補者を任意の方法で抽出(例えば、抽選)する。サーバ1は、抽選した1人以上のチャット候補者の中から、例えば配信者端末2からの指示に基づいてチャット対象者を決定する。
サーバ1は、この様にして決定したチャット対象者の視聴者端末3と、配信者端末2との間で公開チャットを行うために必要な各種制御を実行し、そのチャット内容を含む所定のコンテンツを全ての視聴者端末3-1乃至3-nにライブ配信をする。
【0033】
ここで、チャット対象者に選択されていない1人以上のチャット候補者U2-bの視聴者端末3が撮像する画像(主に視聴者の顔画像)は、少なくとも配信者端末2に一覧表示されて、配信者U1側でいつでもチャット対象者に選択できる状態となっている。
この様にすることにより、例えば、アイドルタレント等が配信者U1となっているライブ配信において、配信者U1は、任意の視聴者U2(配信者がアイドルや芸能タレントといった著名人であれば、ファンである視聴者)との対話を自由に切り替えてライブ配信に載せることができる。これにより、本サービスは、視聴しているファンに「いつか選ばれるかもしれない」という期待感を醸成し、以て、より多くのファンがライブ配信の視聴者となる契機とすることができる。
【0034】
このように、情報処理システムは、ライブ配信をする一連の処理として、サーバ1が視聴者端末3へ画像やチャットの内容を配信する段階に係る一連の処理(以下、「配信処理」と呼ぶ)と、サーバ1がチャット候補者U2-bにチャット対象者U2-cとなる可能性がある旨を報知する段階に係る一連の処理(以下、「報知処理」と呼ぶ)と、から構成される一連の処理とを実行することができる。
このような配信処理及び報知処理を実現すべく、図1の情報処理システムは図3に示すような機能的構成を有している。
【0035】
図3は、図1の情報処理システムのうちサーバ及び視聴者端末の機能的構成例の一例を示す機能ブロック図である。
なお、図3において、説明の簡単のため、視聴者U2のうち、視聴者端末3-a,3-b,3-cの夫々は、夫々1つを図示している。即ち、図3において、一般視聴者U2-a、チャット候補者U2-b、チャット対象者U2-cの夫々は、夫々1人であるものとして図示している。
【0036】
以下、まず、一般視聴者U2-a、チャット候補者U2-b、チャット対象者U2-cは、既に決まっているものとして、配信処理について説明する。次に、一般視聴者U2-aから、チャット候補者U2-bやチャット対象者U2-cが決められる過程を含む報知処理について説明する。
【0037】
配信処理が実行される場合には、サーバ1のCPU11において、状態管理部111と、チャット管理部112と、配信制御部113とが機能する。
【0038】
状態管理部111は、視聴者端末3の夫々の状態を管理する。
なお、視聴者端末3の状態とその遷移の条件の詳細については、図4を用いて後述する。また、実際の配信者端末2や視聴者端末3における画面の例は、図5乃至図9を用いて後述する。
【0039】
即ち例えば、状態管理部111は、視聴者端末3-aを、配信者U1によるライブ配信に視聴して参加する視聴状態であるものとして管理する。具体的には例えば、上述したように、状態管理部111は、一般視聴者U2-aにより利用される視聴者端末3-aを、テキストチャットのデータを送信し、他の視聴者端末3に提供する状態として管理することができる。
【0040】
また例えば、状態管理部111は、視聴者端末3-bを、配信者U1によるライブ配信にチャットする候補として参加するチャット候補状態であるものとして管理する。具体的には例えば、上述したように、状態管理部111は、チャット候補者U2-bにより利用される視聴者端末3-bを、後述するチャット対象状態に遷移する可能性がある状態として管理することができる。また、状態管理部111は、チャット候補者U2-bにより利用される視聴者端末3-bを、ビデオチャットのデータを送信し、他の視聴者端末3に提供する状態として管理することができる。
【0041】
また例えば、状態管理部111は、視聴者端末3-cを、配信者U1によるライブ配信にチャットして参加するチャット対象状態であるものとして管理する。具体的には例えば、上述したように、状態管理部111は、チャット対象者U2-cにより利用される視聴者端末3-cを、配信者U1のチャットの対象である状態として管理することができる。また、状態管理部111は、チャット対象者U2-cにより利用される視聴者端末3-cを、ビデオチャット及びボイスチャット(所謂テレビ通話)のデータを送信し、他の視聴者端末3に提供する状態として管理することができる。
【0042】
このように、状態管理部111は、複数の視聴者端末3の夫々の状態が、視聴状態と、チャット候補状態と、チャット対象状態と、のうちいずれの状態であるかを管理することができる。
【0043】
上述したように、本サービスにおいて、視聴者端末3-a乃至3-cは、利用可能なチャットが異なる。
即ち、視聴者端末3-aは、視聴状態として管理され、ライブ配信にテキストチャットの送信が可能となる。
また、視聴者端末3-bは、チャット候補状態として管理され、ライブ配信にビデオチャットの送信が可能となる。
また、視聴者端末3-cは、チャット対象状態として管理され、ライブ配信にビデオチャット及びボイスチャットの送信が可能となる。
【0044】
チャット管理部112は、配信者端末2及び視聴者端末3から送信されてくるチャットの内容を管理する。
【0045】
まず、配信者U1は、チャットとして配信者U1自身を撮影した動画像と音声を用いたライブ配信をするため、自身を撮影したり発声したりする。即ち、配信者U1のビデオチャット及びボイスチャットの内容は、配信者端末2に備えられた図示せぬカメラやマイクを介して取得される。また、取得された配信者U1のチャットの内容のデータは、サーバ1に送信される。
チャット管理部112は、配信者端末2から送信されてきた配信者U1のチャットの内容のデータを管理する。即ち、チャット管理部112は、通信部19を介して取得した配信者U1のチャットの内容のデータを、視聴者端末3に配信等するために管理する。
【0046】
また、一般視聴者U2-aは、チャットとしてテキストチャットを送信するため、テキストを入力する。即ち、一般視聴者U2-aのテキストチャットの内容は、視聴者端末3-aに備えられた図示せぬキーボード等を介して取得される。また、取得された一般視聴者U2-aのチャットの内容のデータは、サーバ1に送信される。
チャット管理部112は、視聴者端末3-aから送信されてきた一般視聴者U2-aのチャットの内容のデータを管理する。即ち、チャット管理部112は、通信部19を介して取得した一般視聴者U2-aのチャットの内容のデータを、配信者端末2や視聴者端末3に配信等するために管理する。
【0047】
また、チャット候補者U2-bは、チャットとしてビデオチャットを送信するため、自身を撮影する。即ち、チャット候補者U2-bのビデオチャットの内容は、視聴者端末3-bに備えられた図示せぬカメラを介して取得される。また、取得されたチャット候補者U2-bのチャットの内容のデータは、サーバ1に送信される。
チャット管理部112は、視聴者端末3-bから送信されてきたチャット候補者U2-bのチャットの内容のデータを管理する。即ち、チャット管理部112は、通信部19を介して取得したチャット候補者U2-bのチャットの内容のデータを、配信者端末2や視聴者端末3に配信等するために管理する。
【0048】
また、チャット対象者U2-cは、チャットとしてビデオチャット及びボイスチャットを送信するため、自身を撮影したり発声したりする。即ち、チャット対象者U2-cのビデオチャット及びビデオチャットの内容は、視聴者端末3-cに備えられた図示せぬカメラやマイクを介して取得される。また、取得されたチャット対象者U2-cのチャットの内容のデータは、サーバ1に送信される。
チャット管理部112は、視聴者端末3-cから送信されてきたチャット対象者U2-bのチャットの内容のデータを管理する。即ち、チャット管理部112は、通信部19を介して取得したチャット候補者U2-bのチャットの内容のデータを、配信者端末2や視聴者端末3に配信等するために管理する。
【0049】
このように、チャット管理部112は、配信者端末2や視聴者端末3の夫々から送信されてきた各種チャットの内容のデータを、配信者端末2や視聴者端末3に配信等するために管理する。
【0050】
配信制御部113は、視聴者端末3の夫々に対して、各種チャットの内容をライブ配信として配信する制御を実行する。
即ち例えば、視聴者配信制御部121乃至チャット対象者配信制御部123は、各種チャットの内容をリアルタイムにストリーミングすることで、ライブ配信として配信することができる。
ここで、ストリーミングとは、主に音声や動画像等のコンテンツのデータを、インターネット等のネットワークを介して送受信する方式(技術)である。例えば、ストリーミングの方式でコンテンツのデータを受信する情報処理装置は、コンテンツのデータのダウンロードと再生とを並行して行う。
【0051】
配信制御部113は、視聴者配信制御部121と、チャット候補者配信制御部122と、チャット対象者配信制御部123とを有する。
配信制御部113は、状態管理部111により管理されている視聴者端末3の夫々の状態に応じて、配信者端末2及び視聴者端末3から提供されるチャットの内容のデータを配信する制御を実行する。即ち、視聴者端末3は、状態管理部111により管理されている状態に基づいて、視聴者配信制御部121乃至チャット対象者配信制御部123の何れかにより配信する制御が実行された各種チャットのデータを取得する。
【0052】
視聴者配信制御部121は、配信者端末2及び視聴者端末3から提供される各種チャットを視聴者端末3-aに配信する制御を実行する。ここで、視聴者端末3-aは、n-m台存在する。具体的には例えば、配信者U1が著名である場合、10000人の視聴者U2によりライブ配信が視聴される。このような場合、多数の端末にストリーミングとして配信する場合、Content Delivery Network(以下、「CDN」と呼ぶ)の仕組みを活用して、配信されるのが好適である。なお、CDNの利用に係るコストは、ストリーミングの数に依存する。そこで、上述の各種チャットは個々にストリーミングとして視聴者端末3-aに配信されるのではなく、視聴者配信制御部121により1つの動画として合成された上でストリーミングとして配信されてよい。これにより、ストリーミングの数が抑制され、CDNの利用に係るコストを削減することができる。
【0053】
チャット候補者配信制御部122は、配信者端末2及び視聴者端末3から提供される各種チャットを視聴者端末3-bに配信する制御を実行する。
ここで、視聴者端末3-bは、m台存在する。具体的には例えば、10人程度のチャット候補者U2-bが抽選される。上述したように、抽選された10人程度のチャット候補者U2-bのうち、配信者U1により指定されたチャット候補者U2-bが、後のチャット対象者U2-cとなる。このような場合、CDNの仕組みを活用した配信である場合、配信に遅延が発生する。そこで、配信者U1とチャット候補者U2-b(及びチャット対象者U2-c)とは、図示せぬ単一の配信サーバに接続されてストリーミングされるのが好適である。これにより、チャット候補者U2-bがチャット対象者U2-cに切り替わる際のタイムラグや、配信によるビデオチャット及びボイスチャットの遅延を削減することができる。
【0054】
チャット対象者配信制御部123は、配信者端末2及び視聴者端末3から提供される各種チャットを視聴者端末3-cに配信する制御を実行する。
ここで、視聴者端末3-cは、1台存在する。上述したように、指定された1人のチャット対象者U2-cに対する背信は、上述したように、図示せぬ単一の配信サーバに接続されてストリーミングされるのが好適である。これにより、配信によるビデオチャット及びボイスチャットの遅延を削減することができる。
【0055】
このように、サーバ1は、ライブ配信をする一連の処理として、サーバ1が視聴者端末3へ画像やチャットの内容を配信する配信処理を実行することができる。
また、以下のように、サーバ1は、チャット候補者U2-bにチャット対象者U2-cとなる可能性がある旨を報知する報知処理を実行することができる。
【0056】
報知処理が実行される場合には、サーバ1のCPU11において、状態管理部111と、抽選部114と、報知部115と、チャット対象者指定取得部116とが機能する。
なお、以下の説明において、抽選されたチャット候補者U2-b(即ち、視聴者端末3-b)はまだおらず、指定されたチャット対象者U2-c(即ち、視聴者端末3-c)もまだいないものとして説明する。
【0057】
状態管理部111は、視聴者端末3の夫々の状態を管理する。報知処理における状態管理部111の機能は、配信処理における状態管理部111の機能と基本的に同様である。
上述したようにチャット候補者U2-b及びチャット対象者U2-cがいない場合、状態管理部111は、視聴者端末3の夫々の状態を、視聴状態として管理する。
【0058】
抽選部114は、n台の視聴者端末3-aのうちm台の視聴者端末3を、視聴者端末3-bとして抽選する。即ち、抽選部114は、m台の視聴者端末3-bをランダムな抽選により決定する。
抽選部114による抽選は、n台の視聴者端末3-aの夫々を均等の確率となるように抽選してもよいし、均等でない確率となるように抽選してもよい。具体的には例えば、抽選部114による抽選は、所定の条件(例えば、抽選における当選確率が向上するための操作を行ったという条件)を満たした視聴者端末3-aの当選確率を向上させてよい。
なお、抽選部114による抽選は、所定の間隔(例えば1分毎)に実行されてもよく、配信者U1による所定の操作により実行されてもよい。
【0059】
抽選部114により抽選されて当選した視聴者端末3-bに関する情報は、状態管理部111に提供される。これにより、状態管理部111は、視聴状態として管理されていた視聴者端末3-aを、チャット候補状態として管理する。
これにより、上述の配信処理で説明した通り、視聴者端末3-bの配信の制御は、視聴者配信制御部121による配信の制御から、チャット候補者配信制御部122による配信の制御に切り替わる。
【0060】
報知部115は、状態管理手段111により管理されている複数の視聴者端末3のうち、視聴状態からチャット候補状態に遷移した視聴者端末3に、チャット対象状態に遷移する可能性がある旨を報知する。即ち、報知部115は、視聴者端末3-bの図示せぬ表示部に所定の表示を行ったり、図示せぬスピーカから所定の音声を再生したりすることにより、チャット候補者U2-bに、チャット対象状態に遷移する可能性がある旨を報知する。これにより、チャット候補者U2-bは、通話の準備や心構えをすることができる。即ち例えば、配信者U1のファンであるチャット候補者U2-bは、次は自分が通話することができるかもしれないとワクワク感やドキドキ感を感じることができる。
【0061】
チャット対象者指定取得部116は、視聴者端末3-bのうち、配信者U1により指定された視聴者端末3を特定する情報を取得することができる。即ち例えば、チャット候補者U2-bのビデオチャットは、配信者端末2に表示される。配信者U1は、配信者端末2に表示されたチャット候補者U2-bのビデオチャットを見て、後の配信者端末3-cとしたい配信者端末3-bを選択する。配信者端末2に入力された後の配信者端末3-cに関する情報は、サーバ1に送信される。チャット対象者指定取得部116は、配信者端末2から送信されてきた後の配信者端末3-cに関するの情報を取得する。
【0062】
チャット対象者指定取得部116により取得された後の視聴者端末3-cに関する情報は、状態管理部111に提供される。これにより、状態管理部111は、チャット候補状態として管理されていた視聴者端末3-bを、チャット対象状態として管理する。
これにより、上述の配信処理で説明した通り、視聴者端末3-bの配信の制御は、チャット候補者配信制御部122による配信の制御から、チャット対象者配信制御部123による配信の制御に切り替わる。
【0063】
このように、サーバ1は、チャット候補者U2-bにチャット対象者U2-cとなる可能性がある旨を報知する報知処理を実行することができる。
なお、上述の説明では、チャット候補者U2-bは、一般視聴者U2-aから抽選されるものとしたが、特にこれに限定されない。即ち例えば、図1で説明した通り、配信者U1が従前から知っている友人や今回の配信でチャットをすることが決まっている自然人を、ゲストとして上述のチャット対象者に指定することができる。
この場合、ゲストである視聴者U2-kは、抽選ではなく、配信者U1の所定の操作等により、チャット候補者U2-bとなる。この場合においても、上述と同様に報知処理が実行されてよい。即ち例えば、サーバ1は、ゲストである視聴者U2-kに、配信者U1からゲストとしてライブ配信に参加が要請されているためチャット対象者U2-cとなる可能性がある旨を報知することができる。
【0064】
以上、配信処理及び報知処理を実現すべく、図1のサーバ1が有する機能的構成について、図3を用いて説明した。
以下、図4乃至図9を用いて、視聴者端末3の夫々の状態と、当該状態の夫々における配信者端末2及び視聴者端末3の画面の例を説明する。
【0065】
図4において、各状態は、1つの楕円で示されており、その楕円に引かれた“S”を含む符号により判別される。
1つの状態から1つの状態への状態遷移は、所定の条件(以下、「状態遷移条件」と呼ぶ)が満たされると実行される。
このような状態遷移条件は、図4おいては、1つの状態から1つの状態への遷移を表す矢印に、“A”を含む符号を付して表されている。
【0066】
本実施形態においては、視聴状態S1が基本の状態になる。視聴状態S1における視聴者端末3-aの表示部に表示される画面の例は、図5を用いて後述する。
【0067】
視聴状態S1において、報知処理の説明で上述したように、視聴者端末3-aが抽選部114による抽選により当選すると、状態遷移条件A1が満たされる。
すると、状態はチャット候補状態S2に遷移する。この場合、報知処理の説明で上述したように、サーバ1は、チャット候補者U2-bに、チャット対象状態に遷移する可能性がある旨を報知する。チャット候補状態S2における視聴者端末3-bの表示部に表示される画面の例は、図6を用いて後述する。
【0068】
チャット候補状態S2において、報知処理の説明で上述したように、配信者U1により指定されると、状態遷移条件A2が満たされる。配信者U1が指定する際に利用する配信者端末2の表示部に表示される画面の例は、図7を用いて後述する。
すると、状態はチャット対象状態S3に遷移する。チャット対象状態S3における視聴者端末3-cの表示部に表示される画面の例は、図8を用いて後述する。配信者U1チャット対象者U3-cとチャットする際に利用する配信者端末2の表示部に表示される画面の例は、図9を用いて後述する。
【0069】
また、チャット対象状態S3において、配信者U1がチャット対象者U2-cとのチャットを終了したり、他のチャット候補者U2-bを選択しなおされたりすると、状態遷移条件A3が満たされる。
すると、状態は視聴状態S1に遷移する。
【0070】
また、チャット候補状態S2において、配信者U1によりチャット対象者U2-cとして指定されなかったり、チャット候補者U2-bの抽選を再度行ったりすると、状態遷移条件A4が満たされる。
すると、状態は視聴状態S1に遷移する。
【0071】
図5は、図4の視聴状態における視聴者端末の表示部の一例を示す画面例である。
図5乃至図9の説明における視聴者端末3の所有者は、ユーザ名が「Abc」である。そこで、以下の説明において、ユーザ名が「Abc」であるユーザをユーザAbcと呼ぶ。他のユーザ名(例えば、ユーザ名「Def」や「Ghi」等)のユーザについても同様とする。
図5に示す画面例は、視聴状態における視聴者端末3-aの画面例である。
即ち、図5の画面例は、抽選部114によりチャット候補者U2-bを抽選中であり、ユーザAbcにより利用される視聴端末3-aが視聴状態であるときの画面例である。
【0072】
視聴者端末3-aの画面の領域R11には、配信者U1のビデオチャットが表示されている。
視聴者端末3-aの画面の領域R12には、視聴者端末3-aの所有者であるユーザAbcの画像とユーザ名「Abc」とが表示されている。
視聴者端末3-aの画面の領域R13には、ユーザAbcと異なる視聴者U2であるユーザDefのテキストチャットが表示されている。また、領域R13の下には、ユーザGhiやユーザJklのテキストチャットが表示されている。このテキストチャットには、チャット候補者U2-bの抽選やチャット対象者U2-cとのビデオチャットと関係なく、一般視聴者U2-aにより入力されたテキストチャットが表示される。
視聴者端末3-aの画面の領域R14には、「抽選中」の文字列が示されている。即ち、「抽選中」の表示は、報知処理の説明で上述したように抽選部114によりチャット候補者U2-bを抽選中である旨を示す表示である。
視聴者端末3-aの画面の領域R15には、チャット候補者U2-bのビデオチャットが表示される。しかしながら、抽選中には、チャット候補者U2-bは存在しないため、抽選中である旨のアイコンが表示される。
【0073】
図6は、図4のチャット候補状態における視聴者端末に表示される画面の一例を示す図である。
図6に示す画面例は、チャット候補状態S2における視聴者端末3-bの画面例である。即ち、図6に示す画面例は、抽選部114により抽選された結果チャット候補者U2-bとして当選することで、ユーザAbcにより利用される視聴端末3-bの状態がチャット候補状態S2であるときの画面例である。
【0074】
視聴者端末3-bの画面の領域R21には、「当たるかも!!」の文字列が示されている。即ち、「当たるかも!!」の表示は、報知処理の説明で上述したように抽選部114によりチャット候補者U2-bを抽選した結果当選したことを示す表示である。つまり、「当たるかも!!」の表示は、チャット対象状態に遷移する可能性がある旨を報知する表示である。
視聴者端末3-bの画面の領域R22には、チャット候補者U2-bのビデオチャットが表示される。図6の例では、チャット候補者U2-bとして4人のチャット候補者U2-bのアイコンが表示されている。
その結果、視聴者端末3-bの画面の領域R23には、チャット候補者U2-bの1人である、ユーザAbcのビデオチャットが表示されている。
【0075】
図7は、図4のチャット候補状態における配信者端末に表示される画面の一例を示す図である。
図7に示す画面例は、チャット候補状態の視聴者端末3-bが存在し、チャット対象状態の視聴者端末3-cが存在しない場合における、配信者端末2の画面の例である。
即ち、図7の画面例は、抽選部114により抽選された結果チャット候補者U2-bとして当選したユーザAbcを含むビデオチャットが表示されるときの画面例である。
【0076】
配信者端末2の画面の領域R31には、4人のチャット候補者U2-bのビデオチャット等が表示されている。
配信者端末2の画面の領域R31には、再抽選ボタンB31と、キャンセルボタンB32と、チャット対象者指定ボタンB33等が表示されている。
配信者U1は、再抽選ボタンB31をタップ操作することにより、チャット候補者U2-bを再度抽選することができる。
また、配信者U1は、キャンセルボタンB32をタップ操作することにより、チャット候補者U2-bを選択するモードをキャンセルし、通話相手を選択せずに1人で配信を続けることができる。
また、配信者U1は、チャット対象者指定ボタンB33をタップ操作することにより、チャット対象者指定ボタンB33に対応するユーザAbcをチャット対象者U3-cとして指定することができる。
このように、配信者U1は、チャット候補者U2-bのビデオチャットを閲覧して、チャット対象者U2-cを指定することができる。
【0077】
図8は、図4のチャット対象状態における視聴者端末に表示される画面の一例を示す図である。
図8に示す画面例は、ユーザAbcにより利用されるの視聴者端末3-bが、配信者U1により指定された場合における、チャット対象者端末3-cの画面の例である。
【0078】
視聴者端末3-cの画面の領域R41には、配信者U1のビデオチャットが表示されている。
視聴者端末3-cの画面の領域R42には、チャット対象者U2-cであるユーザAbcのビデオチャットが、配信者U1のビデオチャットに重畳して表示されている。
視聴者端末3-cの画面の領域R43には、「当たりました!通話中!」の文字列が示されている。即ち、「当たりました!通話中!」の表示は、報知処理の説明で上述したように配信者U1によりチャット候補者U2-cとして指定されたことを示す表示である。
視聴者端末3-cの画面の領域R44には、チャット候補者U2-bのビデオチャットが表示される。図8の例では、既にチャット対象者とされたユーザAbcを除く、3人のチャット候補者U2-bのアイコンが表示されている。
【0079】
図9は、図4のチャット対象状態における配信者端末に表示される画面の一例を示す図である。
図9に示す画面例は、チャット対象状態の視聴者端末3-cが存在する場合における、配信者端末2の画面の例である。
即ち、図9の画面例は、配信者U1によりチャット対象者U2-bとして指定されたユーザAbcを含むビデオチャットが表示されるときの画面例である。
【0080】
配信者端末2の画面の領域R51には、配信者U1のビデオチャットが表示されている。
配信者端末2の画面の領域R52には、チャット対象者U2-cであるユーザAbcのビデオチャットが、配信者U1のビデオチャットに重畳して表示されている。
配信者端末2の画面の領域R52の下には、一人での配信に戻すボタンB51が表示されている。配信者U1がこのボタンB51をタップ操作すると、チャット対象者U2-cであるユーザAbcにより利用される配信者端末3-cの状態は、視聴状態S1に遷移する。
配信者端末2の画面の領域R53には、チャット候補者U2-bのビデオチャットが表示される。図8の例では、既にチャット対象者とされたユーザAbcを除く、3人のチャット候補者U2-bのアイコンが表示されている。
配信者端末2の画面の領域R53には、再抽選ボタンB52が表示されている。
配信者U1は、再抽選ボタンB31をタップ操作することにより、チャット候補者U2-bを再度抽選することができる。
【0081】
以上、図5乃至図9を用いて、視聴者端末3の夫々の状態と、当該状態の夫々における配信者端末2及び視聴者端末3の画面の例を説明した。
【0082】
このように、本サービスでは、一般視聴者U2-aからチャット候補者U2-bが抽選されたり、チャット対象者U2-cが指定されたりする。この際、上述したように、サーバ1の報知部115により、チャット候補者U2-bはチャット候補者U2-bとして特定されたことを認識することができる。つまり、チャット候補者U2-bは、更にチャット対象者U2-cとして特定されるかどうかという点でワクワク感やドキドキ感を得ることができる。
また、例えば、配信者U1にとっての従前から知っている友人や今回の配信でチャットをすることが決まっている自然人といったゲストである視聴者U2-kは、サーバ1の報知部115により、ライブ配信において配信者U1により指定され、チャット候補者となった旨を報知されることができる。
このように、サーバ1の報知部115により、通話対象となりえる視聴者に対して利便性の高い情報を提供可能とすることができる。つまり、このような報知をされた視聴者は、通話の準備や心構えをすることができる。
【0083】
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0084】
本実施形態では、配信者U1とチャット対象者U2-cとがビデオチャットを行う本サービスに適用されるとしたが、特にこれに限定されない。更に言えば、配信者U1と、一般視聴者U2-aと、チャット候補者U2-bと、チャット対象者U2-cとが送信できるチャットは、上述の例に限定されず、テキストチャットやビデオチャット、ボイスチャット等を任意の組合せで送信できてよい。
【0085】
また例えば、本実施形態における配信はテレビやラジオによる放送であって、本実施形態におけるチャットは電話であってよい。テレビやラジオによる放送において、放送をその時視聴しているかしていないか不明である者に、チャット(通話)対象となる可能性がある旨を報知することができる。
【0086】
また例えば、一般視聴者U2-aからチャット候補者U2-bを抽出する方法は、ランダムな抽選に限定されない。即ち例えば、配信者U1のマネージャやライブ配信のプロデューサにより選択されるというアルゴリズムを採用してもよい。
【0087】
また例えば、ランダムな抽選により一般視聴者U2-aからチャット候補者U2-bを抽選する場合、一般視聴者U2-aの夫々の行動の履歴等に基づいて、当選の確率を変動させてもよい。具体的には例えば、指定の商品を購買した一般視聴者U2-aの当選の確率を向上させることができる。また例えば、配信者U1の出演したドラマを視聴した視聴者U2-aの当選の確率を向上させることができる。
【0088】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェア、モバイルアプリ、ウェブサービスにより実行させることもできる。
換言すると、図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能がサーバに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図3の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図3に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバ1の機能ブロックを視聴者端末3等に移譲させてもよい。逆に視聴者端末3の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0089】
また例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォン、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサーやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0090】
また例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0091】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0092】
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理システムは、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
【0093】
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば、図3のサーバ1)は、
ライブ配信を行う第1種ユーザ(例えば、図1の配信者U1)により用いられる第1種端末(例えば、図1の配信者端末2)と、当該ライブ配信に参加する複数の第2種ユーザ(例えば、図1の視聴者U2-1乃至U2-n)により用いられる複数の第2種端末(例えば、図1の視聴者端末3-1乃至3-n)とを管理する情報処理装置において、
前記複数の第2種端末の夫々の状態が、
前記第1種ユーザによる前記ライブ配信に視聴して参加する視聴状態(例えば、図4の視聴状態S1)と、
前記第1種ユーザによる前記ライブ配信にチャット(例えば、1対1のビデオチャット及びボイスチャット)する候補として参加するチャット候補状態(例えば、図4のチャット候補状態S2)と、
前記第1種ユーザによる前記ライブ配信にチャットして参加するチャット対象状態(例えば、図4のチャット対象状態S3)と、
のうちいずれの状態であるかを管理する状態管理手段(例えば、図3の状態管理部111)と、
前記状態管理手段により管理されている前記複数の第2種端末のうち、前記視聴状態から前記チャット候補状態に遷移した第2種端末(例えば、図4の状態遷移条件A1を満たした視聴者端末3)に、前記チャット対象状態に遷移する可能性(例えば、図4の状態遷移条件A2を満たす可能性)がある旨を報知する報知手段(例えば、図3の報知部115)と、
を備える情報処理装置であれば足りる。
【0094】
これにより、報知手段により、チャットの対象となり得る第2種ユーザに対して利便性の高い情報を提供可能とすることができる。例えば、チャットの対象となりえる第2ユーザに対して、例えば、「当たるかも!!」という表示により、チャット対象状態に遷移する可能性を利便性の高い形で提供可能とすることができる。このような報知をされた第2種ユーザは、通話の準備や心構えをすることができる。
【0095】
さらに、前記状態管理手段により管理されている前記複数の第2種端末のうち、前記視聴状態から前記チャット候補状態に遷移する第2種端末は、
前記第1種ユーザの選択と所定のアルゴリズム(例えば、ランダムな抽選により決定するアルゴリズムや、配信のプロデューサの選択により決定するアルゴリズム)とのうち、少なくとも一方により決定された第2種端末、とすることができる。
【0096】
これにより、第2種ユーザにより操作できない事由により当該第2種ユーザにより利用される第2種端末がチャット候補状態に遷移した際に、当該第2種ユーザにチャット対象状態に遷移する可能性がある旨報知される。例えば、単なる一般視聴者であった第2種ユーザが、チャット候補者となった際に、チャット対象者になる可能性がある旨を報知することができる。このように、チャット対象状態に遷移する可能性がある旨が報知され、当該第2種ユーザは、通話の準備や心構えをすることができる。
【0097】
さらに、前記所定のアルゴリズムは、
ランダムな抽選により決定するアルゴリズム、とすることができる。
【0098】
これにより、第2種ユーザは、抽選により運よくチャット対象状態に遷移する可能性がある旨が報知されることで、ワクワク感やドキドキ感を得ることができる。
【0099】
さらに、前記複数の第2種端末のうち前記チャット対象状態に遷移する第2端末は、
前記第1種ユーザにより指定される、とすることができる。
【0100】
これにより、第2種ユーザは、第1種ユーザに指定されるべく、ビデオチャット等でアピールをする等することが期待される。このように、チャットの対象となりえる第2種ユーザにより、ライブ配信が盛り上がることが期待される。
【符号の説明】
【0101】
1・・・サーバ、2・・・配信者端末、3・・・視聴者端末、11・・・CPU、19・・・通信部、111・・・状態管理部、112・・・チャット管理部、113・・・配信制御部、121・・・視聴者配信制御部、122・・・チャット候補者配信制御部、123・・・チャット対象者配信制御部、114・・・抽選部、115・・・報知部、116・・・チャット対象者指定取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9