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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】追従型検査装置、及び、追従型検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/84 20060101AFI20231227BHJP
   G01N 21/90 20060101ALI20231227BHJP
   B65G 47/80 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
G01N21/84 B
G01N21/90 B
B65G47/80 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020086122
(22)【出願日】2020-05-15
(65)【公開番号】P2021179406
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】511122075
【氏名又は名称】テクノダイナミックス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000141886
【氏名又は名称】株式会社京都製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 平三郎
(72)【発明者】
【氏名】山下 学
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-294964(JP,A)
【文献】特開平10-142113(JP,A)
【文献】特開2009-69099(JP,A)
【文献】特開2013-44688(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1067641(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
G01B 11/00 - G01B 11/30
B65G 47/80
B65G 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物が支持され、中心軸を中心として回転可能な検査テーブルと、
前記検査テーブルを回転させるための検査テーブル駆動モーターと、
検査装置及び照明装置のうちの一方の装置が支持され、かつ、前記検査テーブルの径方向における内側において前記検査テーブルに軸受を介して取り付けられ、前記中心軸を中心として回転可能な内側テーブルと、
前記内側テーブルを回転させるための内側テーブル駆動モーターと、
検査装置及び照明装置のうちの他方の装置が支持され、かつ、前記検査テーブルの径方向における外側において前記検査テーブルに軸受を介して取り付けられ、前記中心軸を中心として回転可能な外側テーブルと、
前記外側テーブルを回転させるための外側テーブル駆動モーターと、
前記検査テーブル駆動モーターを駆動させ、かつ、前記内側テーブル駆動モーター及び前記外側テーブル駆動モーターを停止させることにより、前記検査テーブルと前記外側テーブルと前記内側テーブルとを一体的に回転させ、前記照明装置に照らされた前記検査対象物を前記検査装置で検査する検査処理と、
前記内側テーブル駆動モーター及び前記外側テーブル駆動モーターを駆動させて、前記検査テーブルに対し前記内側テーブル及び前記外側テーブルを相対移動させて前記検査装置で検査する検査対象物を変更する変更処理と、
を繰り返す制御部と、
を有することを特徴とする追従型検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の追従型検査装置であって、
前記内側テーブルには、前記内側テーブル駆動モーターが設けられており、
前記検査テーブルには、内側テーブル用ギア歯が備えられており、
前記内側テーブル用ギア歯と噛合する内側テーブル用駆動ギアと、
前記内側テーブル駆動モーターに連結され、かつ、前記内側テーブル用駆動ギアが設けられた内側テーブル用入力軸と、を有することを特徴とする追従型検査装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の追従型検査装置であって、
前記外側テーブルには、前記外側テーブル駆動モーターが設けられており、
前記検査テーブルには、外側テーブル用ギア歯が備えられており、
前記外側テーブル用ギア歯と噛合する外側テーブル用駆動ギアと、
前記外側テーブル駆動モーターに連結され、かつ、前記外側テーブル用駆動ギアが設けられた外側テーブル用入力軸と、を有することを特徴とする追従型検査装置。
【請求項4】
検査対象物が支持され、中心軸を中心として回転可能な検査テーブルを、回転させるための検査テーブル駆動モーターを駆動させ、かつ、
検査装置及び照明装置のうちの一方の装置が支持され、かつ、前記検査テーブルの径方向における内側において前記検査テーブルに軸受を介して取り付けられ、前記中心軸を中心として回転可能な内側テーブルを、回転させるための内側テーブル駆動モーター、及び、検査装置及び照明装置のうちの他方の装置が支持され、かつ、前記検査テーブルの径方向における外側において前記検査テーブルに軸受を介して取り付けられ、前記中心軸を中心として回転可能な外側テーブル、を回転させるための外側テーブル駆動モーターを停止させることにより、
前記検査テーブルと前記外側テーブルと前記内側テーブルとを一体的に回転させ、前記照明装置に照らされた前記検査対象物を前記検査装置で検査する検査工程と、
前記内側テーブル駆動モーター及び前記外側テーブル駆動モーターを駆動させて、前記検査テーブルに対し前記内側テーブル及び前記外側テーブルを相対移動させて前記検査装置で検査する検査対象物を変更する変更工程と、
を有することを特徴とする追従型検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、追従型検査装置、及び、追従型検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
検査対象物が支持され、中心軸を中心として回転可能な検査テーブルと、検査装置及び照明装置のうちの一方の装置が支持され、前記中心軸を中心として回転可能な内側テーブルと、検査装置及び照明装置のうちの他方の装置が支持され、前記中心軸を中心として回転可能な外側テーブルと、これらのテーブルを駆動する駆動モーターを有する追従型検査装置は、既によく知られている。このような追従型装置では、検査テーブルの回転に応じて内側テーブル及び外側テーブルを回転させ、検査装置や照明装置を検査対象物の移動に追従させて移動させることにより、検査が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-294964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、追従型検査装置の検査精度の要求が厳しくなってきている。そして、検査精度を向上させるためには、検査処理が実行される際に、追従型検査装置になるべく振動が生じないようにすることが要請される。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、検査処理が実行される際に追従型検査装置の振動をなるべく抑えて、追従型検査装置の検査精度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、
検査対象物が支持され、中心軸を中心として回転可能な検査テーブルと、
前記検査テーブルを回転させるための検査テーブル駆動モーターと、
検査装置及び照明装置のうちの一方の装置が支持され、かつ、前記検査テーブルの径方向における内側において前記検査テーブルに軸受を介して取り付けられ、前記中心軸を中心として回転可能な内側テーブルと、
前記内側テーブルを回転させるための内側テーブル駆動モーターと、
検査装置及び照明装置のうちの他方の装置が支持され、かつ、前記検査テーブルの径方向における外側において前記検査テーブルに軸受を介して取り付けられ、前記中心軸を中心として回転可能な外側テーブルと、
前記外側テーブルを回転させるための外側テーブル駆動モーターと、
前記検査テーブル駆動モーターを駆動させ、かつ、前記内側テーブル駆動モーター及び前記外側テーブル駆動モーターを停止させることにより、前記検査テーブルと前記外側テーブルと前記内側テーブルとを一体的に回転させ、前記照明装置に照らされた前記検査対象物を前記検査装置で検査する検査処理と、
前記内側テーブル駆動モーター及び前記外側テーブル駆動モーターを駆動させて、前記検査テーブルに対し前記内側テーブル及び前記外側テーブルを相対移動させて前記検査装置で検査する検査対象物を変更する変更処理と、
を繰り返す制御部と、
を有することを特徴とする追従型検査装置である。
【0007】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】追従型検査装置10の上面図である。
図2】追従型検査装置10の縦断面図である。
図3】追従型検査装置10の概略ブロック図である。
図4】経過時間と内側テーブル駆動モーター61(外側テーブル駆動モーター62)の回転角との関係を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
【0010】
検査対象物が支持され、中心軸を中心として回転可能な検査テーブルと、
前記検査テーブルを回転させるための検査テーブル駆動モーターと、
検査装置及び照明装置のうちの一方の装置が支持され、かつ、前記検査テーブルの径方向における内側において前記検査テーブルに軸受を介して取り付けられ、前記中心軸を中心として回転可能な内側テーブルと、
前記内側テーブルを回転させるための内側テーブル駆動モーターと、
検査装置及び照明装置のうちの他方の装置が支持され、かつ、前記検査テーブルの径方向における外側において前記検査テーブルに軸受を介して取り付けられ、前記中心軸を中心として回転可能な外側テーブルと、
前記外側テーブルを回転させるための外側テーブル駆動モーターと、
前記検査テーブル駆動モーターを駆動させ、かつ、前記内側テーブル駆動モーター及び前記外側テーブル駆動モーターを停止させることにより、前記検査テーブルと前記外側テーブルと前記内側テーブルとを一体的に回転させ、前記照明装置に照らされた前記検査対象物を前記検査装置で検査する検査処理と、
前記内側テーブル駆動モーター及び前記外側テーブル駆動モーターを駆動させて、前記検査テーブルに対し前記内側テーブル及び前記外側テーブルを相対移動させて前記検査装置で検査する検査対象物を変更する変更処理と、
を繰り返す制御部と、
を有することを特徴とする追従型検査装置。
【0011】
かかる場合には、検査処理が実行される際に追従型検査装置の振動をなるべく抑えて、追従型検査装置の検査精度を向上させることが可能となる。
【0012】
また、前記内側テーブルには、前記内側テーブル駆動モーターが設けられており、
前記検査テーブルには、内側テーブル用ギア歯が備えられており、
前記内側テーブル用ギア歯と噛合する内側テーブル用駆動ギアと、
前記内側テーブル駆動モーターに連結され、かつ、前記内側テーブル用駆動ギアが設けられた内側テーブル用入力軸と、を有することとしてもよい。
【0013】
かかる場合には、追従型検査装置の振動をより一層抑えることができ、追従型検査装置の検査精度をより向上させることが可能となる。
【0014】
また、前記外側テーブルには、前記外側テーブル駆動モーターが設けられており、
前記検査テーブルには、外側テーブル用ギア歯が備えられており、
前記外側テーブル用ギア歯と噛合する外側テーブル用駆動ギアと、
前記外側テーブル駆動モーターに連結され、かつ、前記外側テーブル用駆動ギアが設けられた外側テーブル用入力軸と、を有することとしてもよい。
【0015】
かかる場合には、追従型検査装置の振動をより一層抑えることができ、追従型検査装置の検査精度をより向上させることが可能となる。
【0016】
次に、検査対象物が支持され、中心軸を中心として回転可能な検査テーブルを、回転させるための検査テーブル駆動モーターを駆動させ、かつ、
検査装置及び照明装置のうちの一方の装置が支持され、かつ、前記検査テーブルの径方向における内側において前記検査テーブルに軸受を介して取り付けられ、前記中心軸を中心として回転可能な内側テーブルを、回転させるための内側テーブル駆動モーター、及び、検査装置及び照明装置のうちの他方の装置が支持され、かつ、前記検査テーブルの径方向における外側において前記検査テーブルに軸受を介して取り付けられ、前記中心軸を中心として回転可能な外側テーブル、を回転させるための外側テーブル駆動モーターを停止させることにより、
前記検査テーブルと前記外側テーブルと前記内側テーブルとを一体的に回転させ、前記照明装置に照らされた前記検査対象物を前記検査装置で検査する検査工程と、
前記内側テーブル駆動モーター及び前記外側テーブル駆動モーターを駆動させて、前記検査テーブルに対し前記内側テーブル及び前記外側テーブルを相対移動させて前記検査装置で検査する検査対象物を変更する変更工程と、
を有することを特徴とする追従型検査方法。
【0017】
かかる場合には、検査処理が実行される際に追従型検査装置の振動をなるべく抑えて、追従型検査装置の検査精度を向上させることが可能となる。
【0018】
===本実施の形態に係る追従型検査装置10及び追従型検査方法について===
ここでは、追従型検査装置10及び追従型検査方法の一例について、図1乃至図4を参照しながら説明する。図1は、追従型検査装置10の上面図である。図2は、追従型検査装置10の縦断面図である。図3は、追従型検査装置10の概略ブロック図である。図4については、後述する。
【0019】
<<<追従型検査装置10の構成例について>>>
追従型検査装置10は、検査対象物1(例えば、バイアル、アンプル、シリンジ等の液体充填装置)を検査する装置である。すなわち、追従型検査装置10は、検査対象物1について品質上必要とされる項目、すなわち、外観上の傷、変形、割れ、欠け、液中の異物、液量の異常、液の変色等を検査する。
【0020】
追従型検査装置10は、固定部12と、検査テーブル20と、キャップ設置テーブル25と、メイン入力軸50と、検査テーブル駆動モーター60と、内側テーブル30と、内側テーブル用入力軸53と、内側テーブル駆動モーター61と、外側テーブル40と、外側テーブル用入力軸55と、外側テーブル駆動モーター62と、スピン駆動部73と、供給部80と、排出部82と、制御部90と、を備えている。
【0021】
固定部12は、検査が実行される際に、検査対象物1を固定するためのもの(検査対象物1が固定された状態を維持するためのもの)である。この固定部12は、設置部13とキャップ部15とを備えている。
【0022】
設置部13は、検査対象物1が設置される部分である。この設置部13は、後述する検査テーブル20の上面に複数設けられている。そして、複数の設置部13は、検査テーブル20の周方向において並ぶように備えられている。
【0023】
キャップ部15は、設置部13に設置された検査対象物1を上方から押さえつけて、検査対象物1の固定をより適切にするためのものである。このキャップ部15は、後述するキャップ設置テーブル25に複数設置されている。そして、複数のキャップ部15は、キャップ設置テーブル25の周方向において並ぶように備えられている。
【0024】
検査テーブル20は、中心軸Cを中心として回転可能であり、検査対象物1が前記固定部12(設置部13)を介して支持されるテーブルである。そして、当該検査テーブル20は、連続的に回転することにより設置部13に設置された検査対象物1を連続的に回転させるようになっている。この検査テーブル20は、上面視において円形状を有しており、ベース部70に取り付けられた固定軸18に検査テーブル軸受22を介して回転自在に取り付けられている。
【0025】
また、当該検査テーブル20の径方向における最も外側には、ギア歯(便宜上、検査テーブル外ギア歯20a(外側テーブル用ギア歯に相当)と呼ぶ)が設けられており、当該検査テーブル外ギア歯20aは、後述する検査テーブル用駆動ギア51及び外側テーブル用駆動ギア56と噛合している。また、検査テーブル外ギア歯20aよりも内側には、検査テーブル外ギア歯20aとは異なるギア歯(便宜上、検査テーブル内ギア歯20b(内側テーブル用ギア歯に相当)と呼ぶ)が設けられており、当該検査テーブル内ギア歯20bは、後述する内側テーブル用駆動ギア54と噛合している。
【0026】
キャップ設置テーブル25は、中心軸Cを中心として回転可能であり、検査対象物1が前記固定部12(キャップ部15)を介して支持されるテーブルである。そして、当該キャップ設置テーブル25は、検査テーブル20に同期して(検査テーブル20と同様の速度で)連続的に回転する。そして、このことにより、検査テーブル20と協働して、設置部13に設置された検査対象物1を連続的に回転させるようになっている。この検査テーブル20は、上面視において円形状を有しており、固定軸18に固定された固定部材71にキャップ設置テーブル軸受27を介して回転自在に取り付けられている。
【0027】
また、当該キャップ設置テーブル25の径方向における最も外側には、ギア歯(便宜上、キャップ設置テーブルギア歯25aと呼ぶ)が設けられており、当該キャップ設置テーブルギア歯25aは、後述するキャップ設置テーブル用駆動ギア52と噛合している。
【0028】
なお、本実施の形態において設けられている上述したキャップ部15、固定部材71、キャップ設置テーブル25、及び、キャップ設置テーブル軸受27は、検査対象物1の固定をより適切にするためのものであり、必ずしも必要な部材ではない。特に、検査対象物1の上下方向の長さ(高さ)が小さい場合には、容易に省略することが可能である。
【0029】
メイン入力軸50は、後述する検査テーブル駆動モーター60に連結され、かつ、検査テーブル外ギア歯20aと噛合する検査テーブル用駆動ギア51及びキャップ設置テーブルギア歯25aと噛合するキャップ設置テーブル用駆動ギア52が設けられた(取り付けられた)軸である。このメイン入力軸50は、固定軸18に固定された固定アーム72に、回転自在に取り付けられている。そして、メイン入力軸50が回転すると、検査テーブル用駆動ギア51及びキャップ設置テーブル用駆動ギア52も一体的に回転し、検査テーブル20とキャップ設置テーブル25を回転させることができるようになっている。
【0030】
検査テーブル駆動モーター60は、検査テーブル20を回転させるためのものである。また、検査テーブル駆動モーター60は、本実施の形態のようにキャップ設置テーブル25が設けられているときには、キャップ設置テーブル25を回転させる役割も果たす。この検査テーブル駆動モーター60は、サーボモーターであり、ベース部70に設置されている。
【0031】
内側テーブル30は、中心軸Cを中心として回転可能であり、検査装置の一例としてのカメラ65及び照明装置66のうちの一方の装置(本実施の形態においては、照明装置66)が支持されるテーブルである。この内側テーブル30は、検査テーブル20の径方向における内側において検査テーブル20に軸受(便宜上、内側テーブル軸受32と呼ぶ)を介して取り付けられている。
【0032】
そして、当該内側テーブル30は、回転することにより検査テーブル20に対し周方向において相対移動する。このことにより、径方向において照明装置66と正対する検査対象物1が変更される。つまり、照明装置66で照らされる検査対象物1が別の検査対象物1に変わるようになっている。
【0033】
なお、内側テーブル30は、上面視において円形状を有している。
【0034】
内側テーブル用入力軸53は、内側テーブル駆動モーター61に連結され、かつ、検査テーブル内ギア歯20bと噛合する内側テーブル用駆動ギア54が設けられた(取り付けられた)回転可能な軸である。
【0035】
内側テーブル駆動モーター61は、内側テーブル30を回転させるためのものである。この内側テーブル駆動モーター61は、サーボモーターであり、内側テーブル30に設けられている。
【0036】
そして、内側テーブル駆動モーター61の駆動力により内側テーブル用入力軸53が回転すると、内側テーブル用駆動ギア54も一体的に回転する。そうすると、内側テーブル30が、検査テーブル20に対し周方向に相対移動する。そして、このことにより、検査テーブル20上の照明装置66(及び内側テーブル駆動モーター61)も周方向に相対移動する。
【0037】
外側テーブル40は、中心軸Cを中心として回転可能であり、カメラ65及び照明装置66のうちの他方の装置(本実施の形態においては、カメラ65)が支持されるテーブルである。この外側テーブル40は、検査テーブル20の径方向における外側において検査テーブル20に軸受(便宜上、外側テーブル軸受42と呼ぶ)を介して取り付けられている。
【0038】
そして、当該外側テーブル40は、回転することにより検査テーブル20に対し周方向において相対移動する。このことにより、径方向においてカメラ65と正対する検査対象物1が変更される。つまり、カメラ65によって撮影される検査対象物1が別の検査対象物1に変わるようになっている。
【0039】
なお、外側テーブル40は、上面視において略半円形状を有している。円形状としなかったのは、後述する供給部80及び排出部82との物理的干渉を回避するためである。
【0040】
外側テーブル用入力軸55は、外側テーブル駆動モーター62に連結され、かつ、検査テーブル外ギア歯20aと噛合する外側テーブル用駆動ギア56が設けられた(取り付けられた)回転可能な軸である。
【0041】
外側テーブル駆動モーター62は、外側テーブル40を回転させるためのものである。この外側テーブル駆動モーター62は、サーボモーターであり、外側テーブル40に設けられている。
【0042】
そして、外側テーブル駆動モーター62の駆動力により外側テーブル用入力軸55が回転すると、外側テーブル用駆動ギア56も一体的に回転する。そうすると、外側テーブル40が、検査テーブル20に対し周方向に相対移動する。そして、このことにより、検査テーブル20上のカメラ65(及び外側テーブル駆動モーター62)も周方向に相対移動する。
【0043】
スピン駆動部73は、検査が実行される際に、設置部13に設置された検査対象物1をスピンさせるためのものである。このスピン駆動部73は、スピンモーター73aと、スピンモーター73aに連結されたスピン軸73bと、スピン軸73bに架けられ、設置部13と接触するベルト73cと、を備えている。そして、スピンモーター73aの駆動力によりスピン軸73bが回転するとベルト73cも回転し、回転するベルト73cが設置部13(検査対象物1)をスピンさせるようになっている。なお、本実施の形態においては、図から明らかなように、3つの設置部13(検査対象物1)を同時にスピンさせるようになっている。
【0044】
供給部80は、検査対象物1を検査テーブル20に供給するためのものである。この供給部80は、供給部駆動モーター83(図3)の駆動力により回転して、検査対象物1を検査テーブル20に送り込むようになっている。
【0045】
排出部82は、検査テーブル20から受け取った検査対象物1を追従型検査装置10外へ排出するためのものである。この排出部82は、排出部駆動モーター84(図3)の駆動力により回転して、検査対象物1を追従型検査装置10外へ送り出すようになっている。
【0046】
制御部90は、追従型検査装置10の動作を制御するためのもの(換言すれば、追従型検査方法を実現するためのもの)である。つまり、制御部90は、各種モーター(すなわち、検査テーブル駆動モーター60、内側テーブル駆動モーター61、外側テーブル駆動モーター62、スピンモーター73a、供給部駆動モーター83、排出部駆動モーター84)を制御して、検査対象物1の検査を実行する。
【0047】
<<<追従型検査装置10の動作例について>>>
次に、追従型検査装置10の動作例について説明する。なお、以下に説明する追従型検査装置10の各種動作は、主として制御部90により実現される。
【0048】
追従型検査装置10(制御部90)は、以下で説明する処理(工程)、すなわち、照明装置66に照らされた検査対象物1をカメラ65で検査する検査処理(検査工程)とカメラ65で検査する検査対象物1を変更する変更処理(変更工程)とを繰り返す。
【0049】
検査処理の実行の際に、制御部90は検査テーブル駆動モーター60を駆動させる(駆動を継続する)。すると、メイン入力軸50が回転し、メイン入力軸50に取り付けられた検査テーブル用駆動ギア51及びキャップ設置テーブル用駆動ギア52も回転する。そして、これらの駆動ギアの回転により、検査テーブル20が回転する。
【0050】
一方で、検査処理の実行の際に、制御部90は内側テーブル駆動モーター61及び外側テーブル駆動モーター62を停止させる(なお、駆動モーターへの通電は行っている)。そのため、内側テーブル30や外側テーブル40は、検査テーブル20に対して相対移動を行わない。つまり、内側テーブル30及び外側テーブル40は、検査テーブル20と一体的に回転することとなる。
【0051】
例えば、図1において、符号Aで示した検査対象物1には、カメラ65と照明装置66が正対(対向)している(換言すれば、カメラ65、検査対象物1、照明装置66が一直線上に配置されている)。そして、かかる状態で、内側テーブル30、外側テーブル40、検査テーブル20が一体的に回転すると、カメラ65と照明装置66が検査対象物1に正対(対向)した状態(カメラ65、検査対象物1、照明装置66が一直線上に配置された状態)を維持しつつ、カメラ65、照明装置66、及び、検査対象物1が移動する(回転する)。すなわち、カメラ65と照明装置66が検査対象物1の移動に追従して移動する。そして、検査対象物1が符号Bで示した位置に、また、カメラ65及び照明装置66が点線で示された位置に移動するまで、内側テーブル30、外側テーブル40、検査テーブル20が一体的に回転する。そして、この一体的な回転が行われている間に(つまり、検査対象物1が位置Aから位置Bまで移動する間に)、照明装置66に照らされた検査対象物1をカメラ65で検査する検査処理が行われる。
【0052】
次に、変更処理が実行される。本実施の形態においては、当該変更処理の際に、制御部90が検査テーブル駆動モーター60の駆動を維持する。したがって、変更処理の際にも、メイン入力軸50が回転し、メイン入力軸50に取り付けられた検査テーブル用駆動ギア51及びキャップ設置テーブル用駆動ギア52も回転する。そして、これらの駆動ギアの回転により、検査テーブル20が回転する(検査テーブル20の回転が、検査処理に引き続いて維持される)。
【0053】
また、変更処理の実行の際には、制御部90は内側テーブル駆動モーター61及び外側テーブル駆動モーター62を駆動させる。すると、内側テーブル用入力軸53及び外側テーブル用入力軸55が回転し、内側テーブル用入力軸53及び外側テーブル用入力軸55に取り付けられた内側テーブル用駆動ギア54及び外側テーブル用駆動ギア56も回転する。そして、これらの駆動ギアの回転により、内側テーブル30及び外側テーブル40が、検査テーブル20に対し周方向に相対移動する。
【0054】
例えば、図1において、検査対象物1が符号Bで示した位置に、また、カメラ65及び照明装置66が点線で示された位置に移動すると、変更処理が開始される。すなわち、内側テーブル30及び外側テーブル40が、検査テーブル20に対し周方向に相対移動される。そのため、検査対象物1に対しカメラ65及び照明装置66が周方向に相対移動する。そして、当該相対移動が暫く行われると、やがて、カメラ65及び照明装置66は、次の検査対象となる検査対象物1(図1において、符号Xで示す)に正対(対向)した状態(カメラ65、次の検査対象となる検査対象物1、照明装置66が一直線上に配置された状態)となる。このように、カメラ65で検査する検査対象物1が変更されることとなる。
【0055】
なお、本実施の形態においては、上述した通り、当該変更処理の際に、検査テーブル20が回転する。より具体的には、変更処理の際に、(検査済みの)検査対象物1が符号Bで示した位置に位置する状態から次の検査対象物Xが符号Aで示した位置に位置する状態となるまで検査テーブル20が回転する。そして、この検査テーブル20の回転の間に、カメラ65及び照明装置66が、位置Aの次の検査対象物Xに正対(対向)する位置(図2において実線で示された位置)まで戻るようになっている。つまり、内側テーブル30及び外側テーブル40は、検査テーブル20の回転方向とは逆方向に回転して、図1の点線位置から実線位置へ戻ることとなる。
【0056】
そして、上述した検査処理及び変更処理が繰り返されることにより、周方向に並んだ複数の検査対象物1の各々を順次検査することができるようになっている。なお、図4に、経過時間と内側テーブル駆動モーター61(外側テーブル駆動モーター62)の回転角との関係を示している。図4に示されているように、検査処理が行われる毎にモーターが停止され、変更処理が行われる毎にモーターが駆動される。
【0057】
なお、検査対象物1は、供給部駆動モーター83が駆動され供給部80が回転することにより、検査テーブル20に順次送り込まれる(セットされる)。また、検査済みの検査対象物1は、排出部駆動モーター84が駆動され排出部82が回転することにより、追従型検査装置10外へ送り出される(排出される)。また、検査対象物1のスピン動作は、少なくとも検査処理が行われる際に、スピンモーター73aが駆動されベルト73cが回転することにより実行される。
【0058】
===本実施の形態に係る追従型検査装置10等の有効性について===
上述した通り、本実施の形態に係る追従型検査装置10は、検査対象物1が支持され、中心軸Cを中心として回転可能な検査テーブル20と、検査テーブル20を回転させるための検査テーブル駆動モーター60と、検査装置(カメラ65)及び照明装置66のうちの一方の装置が支持され、かつ、検査テーブル20の径方向における内側において検査テーブル20に内側テーブル軸受32を介して取り付けられ、中心軸Cを中心として回転可能な内側テーブル30と、内側テーブル30を回転させるための内側テーブル駆動モーター61と、カメラ65及び照明装置66のうちの他方の装置が支持され、かつ、検査テーブル20の径方向における外側において検査テーブル20に外側テーブル軸受42を介して取り付けられ、中心軸Cを中心として回転可能な外側テーブル40と、外側テーブル40を回転させるための外側テーブル駆動モーター62と、検査テーブル駆動モーター60を駆動させ、かつ、内側テーブル駆動モーター61及び外側テーブル駆動モーター62を停止させることにより、検査テーブル20と外側テーブル40と内側テーブル30とを一体的に回転させ、照明装置66に照らされた検査対象物1をカメラ65で検査する検査処理と、内側テーブル駆動モーター61及び外側テーブル駆動モーター62を駆動させて、検査テーブル20に対し内側テーブル30及び外側テーブル40を相対移動させてカメラ65で検査する検査対象物1を変更する変更処理と、を繰り返す制御部90と、を有することとした。そのため、検査処理が実行される際に追従型検査装置10の振動をなるべく抑えて、追従型検査装置10の検査精度を向上させることが可能となる。
【0059】
すなわち、従来においても、検査対象物が支持され、中心軸を中心として回転可能な検査テーブルと、検査装置及び照明装置のうちの一方の装置が支持され、前記中心軸を中心として回転可能な内側テーブルと、検査装置及び照明装置のうちの他方の装置が支持され、前記中心軸を中心として回転可能な外側テーブルと、これらのテーブルを駆動する駆動モーターを有する追従型検査装置はあったが、以下の点で、本実施の形態に係る追従型検査装置10とは異なっていた。
【0060】
従来例においては、検査を実行する際に、検査テーブル(検査対象物)を検査テーブル用駆動モーターで駆動することにより移動(回転)させ、内側テーブル及び外側テーブル(検査装置及び照明装置)を検査テーブル用駆動モーターとは別の駆動モーターで駆動することにより検査テーブルの移動に応じて移動(揺動)させていた。そして、このような従来例においては、検査を実行する際に、検査テーブル用駆動モーターだけではなく、前記別の駆動モーターも駆動しなければならず、追従型検査装置の振動が顕著となり、追従型検査装置の検査精度が良好とは言えなかった。
【0061】
これに対し、本実施の形態においては、検査テーブル20を回転させるための検査テーブル駆動モーター60とは別に、内側テーブル30(外側テーブル40)を回転させるための内側テーブル駆動モーター61(外側テーブル駆動モーター62)が用意されるものの、内側テーブル駆動モーター61(外側テーブル駆動モーター62)が駆動されるのは変更処理のときのみであり、検査処理の際には内側テーブル駆動モーター61(外側テーブル駆動モーター62)は停止される。そのため、検査を実行する際に、内側テーブル駆動モーター61(外側テーブル駆動モーター62)の駆動がない分、追従型検査装置10の振動が、従来例に比べて抑えられることとなる。つまり、本実施の形態に係る追従型検査装置10によれば、検査処理が実行される際に追従型検査装置10の振動をなるべく抑えて、追従型検査装置10の検査精度を向上させることが可能となる。
【0062】
また、本実施の形態に係る追従型検査装置10においては、内側テーブル30には、内側テーブル駆動モーター61が設けられており、検査テーブル20には、検査テーブル内ギア歯20bが備えられており、検査テーブル内ギア歯20bと噛合する内側テーブル用駆動ギア54と、内側テーブル駆動モーター61に連結され、かつ、内側テーブル用駆動ギア54が設けられた内側テーブル用入力軸53と、を有することとした。
【0063】
そのため、検査処理が実行される際に、内側テーブル駆動モーター61のみならず、内側テーブル用駆動ギア54が設けられた内側テーブル用入力軸53も停止されることとなる。したがって、追従型検査装置10の振動をより一層抑えることができ、追従型検査装置10の検査精度をより向上させることが可能となる。
【0064】
また、本実施の形態に係る追従型検査装置10においては、外側テーブル40には、外側テーブル駆動モーター62が設けられており、検査テーブル20には、検査テーブル外ギア歯20aが備えられており、検査テーブル外ギア歯20aと噛合する外側テーブル用駆動ギア56と、外側テーブル駆動モーター62に連結され、かつ、外側テーブル用駆動ギア56が設けられた外側テーブル用入力軸55と、を有することとした
そのため、検査処理が実行される際に、外側テーブル駆動モーター62のみならず、外側テーブル用駆動ギア56が設けられた外側テーブル用入力軸55も停止されることとなる。したがって、追従型検査装置10の振動をより一層抑えることができ、追従型検査装置10の検査精度をより向上させることが可能となる。
【0065】
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る追従型検査装置等を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0066】
上記実施の形態においては、変更処理の際に、カメラ65及び照明装置66を、次の検査対象となる検査対象物1に正対(対向)した状態とすることとしたが、当該次の検査対象は、一つ先の検査対象物であることとした(一本送り)。
【0067】
しかしながら、これに限定されるものではなく、以下の例であってもよい。すなわち、カメラ65や照明装置66を、複数置いたり広範囲をカバーできるものとしたりすることにより、二つの検査対象物を同時に検査するようにしてもよい。そして、この場合には、変更処理の際に、カメラ65及び照明装置66を、次の検査対象となる検査対象物1に正対(対向)した状態とするが、この場合に、当該次の検査対象を、二つ先の二つの検査対象物とすることとしてもよい(二本送り)。
【0068】
なお、同様にして、三本送りや四本送り以上としてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 検査対象物
10 追従型検査装置
12 固定部
13 設置部
15 キャップ部
18 固定軸
20 検査テーブル
20a 検査テーブル外ギア歯
20b 検査テーブル内ギア歯
22 検査テーブル軸受
25 キャップ設置テーブル
25a キャップ設置テーブルギア歯
27 キャップ設置テーブル軸受
30 内側テーブル
32 内側テーブル軸受
40 外側テーブル
42 外側テーブル軸受
50 メイン入力軸
51 検査テーブル用駆動ギア
52 キャップ設置テーブル用駆動ギア
53 内側テーブル用入力軸
54 内側テーブル用駆動ギア
55 外側テーブル用入力軸
56 外側テーブル用駆動ギア
60 検査テーブル駆動モーター
61 内側テーブル駆動モーター
62 外側テーブル駆動モーター
65 カメラ
66 照明装置
70 ベース部
71 固定部材
72 固定アーム
73 スピン駆動部
73a スピンモーター
73b スピン軸
73c ベルト
80 供給部
82 排出部
83 供給部駆動モーター
84 排出部駆動モーター
90 制御部
図1
図2
図3
図4