IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ナビタイムジャパンの特許一覧

特許7410540情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法
<>
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法 図1
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法 図2
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法 図3
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法 図4
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法 図5
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法 図6
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法 図7
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法 図8
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法 図9
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法 図10
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法 図11
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法 図12
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法 図13
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法 図14
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20231227BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20231227BHJP
【FI】
G06Q50/30
G06Q10/02
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019135417
(22)【出願日】2019-07-23
(65)【公開番号】P2021018727
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】廣田 正之
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-256702(JP,A)
【文献】国際公開第2018/100675(WO,A1)
【文献】特開2004-192357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通手段の指定席の予約実績に関する情報を取得する予約実績取得手段と、
前記予約実績に関する情報のうち、運行日時に関する情報、交通手段の種別に関する情報、停車地点周辺のイベント情報のうち少なくとも1つの情報を特徴量とし、当該特徴量と予め定められた満席率に到達するタイミングとを教師データとして機械学習を実行し、満席予測のための学習済みモデルを生成する学習済みモデル生成手段と、を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記学習済みモデルを利用し、対象とする交通手段の前記特徴量を入力として、対象とする交通手段の指定席が予め定められた満席率に到達するタイミングを予測する予測手段をさらに備える、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
交通手段の指定席の予約実績に関する情報のうち、運行日時に関する情報、交通手段の種別に関する情報、停車地点周辺のイベント情報のうち少なくとも1つの情報を特徴量とし、当該特徴量と予め定められた満席率に到達するタイミングとを教師データとして機械学習を実行することにより生成された学習済みモデルを利用し、対象とする交通手段の前記特徴量を入力として、対象とする交通手段の指定席が予め定められた満席率に到達するタイミングを予測する予測手段を備える情報処理システム。
【請求項4】
前記運行日時に関する情報は、曜日、時間帯、季節、お盆、年末年始のうちの少なくとも1つに関する情報である、請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記交通手段の種別に関する情報は、始発地点、終着地点、停車地点、愛称、車両設備または機体設備のうちの少なくとも1つに関する情報である、請求項1~4のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記特徴量は、前年同月同時間帯の予め定められた満席率に到達するタイミングの平均値を含む、請求項1~5のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記予測手段は、対象とする交通手段の指定席の現時点における予約実績に関する情報を取得し、前記学習済みモデルによる予測結果を、前記現時点における予約実績に関する情報のうち、予め定められた満席率に実際に到達したタイミングと比較し、そのズレ量に応じて前記学習済みモデルによる予測結果を修正する、請求項2、3および請求項2または3を引用する請求項4~6のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項8】
経路探索条件に基づいて経路情報を取得する経路情報取得手段と、
前記経路情報に含まれる交通手段の指定席が予め定められた複数の満席率に到達するタイミングを予測する予測手段と、
前記予測手段による予測結果に基づいて予約推奨情報を生成する予約推奨情報生成手段と、
前記予約推奨情報を前記経路情報とともに出力する出力手段と、を備える情報処理システム。
【請求項9】
経路探索条件に基づいて経路情報を取得する経路情報取得手段と、
前記予測手段による予測結果に基づいて予約推奨情報を生成する手段と、
前記予約推奨情報を前記経路情報とともに出力する出力手段と、
をさらに備え、
前記予測手段は、前記経路情報取得手段により取得された前記経路情報に含まれる交通手段の前記特徴量を入力として、前記学習済みモデルを利用して、当該交通手段の指定席
が予め定められた満席率に到達するタイミングを予測する、請求項2、3および請求項2または3を引用する請求項4~7のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項10】
時刻表情報取得条件に基づいて時刻表情報情報を取得する時刻表情報取得手段と、
前記時刻表情報に含まれる交通手段の指定席が予め定められた複数の満席率に到達するタイミングを予測する予測手段と、
前記予測手段による予測結果に基づいて予約推奨情報を生成する予約推奨情報生成手段と、
前記予約推奨情報を前記時刻表情報とともに出力する出力手段と、を備える情報処理システム。
【請求項11】
時刻表情報取得条件に基づいて時刻表情報情報を取得する時刻表情報取得手段と、
前記予測手段による予測結果に基づいて予約推奨情報を生成する予約推奨情報生成手段と、
前記予約推奨情報を前記時刻表情報とともに出力する出力手段と、
をさらに備え、
前記予測手段は、前記時刻表情報取得手段により取得された前記時刻表情報に含まれる交通手段の前記特徴量を入力として、前記学習済みモデルを利用して、当該交通手段の指定席が予め定められた満席率に到達するタイミングを予測する、請求項2、3および請求項2または3を引用する請求項4~7のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項12】
旅行プランニング条件に基づいてスポット間経路情報を取得するスポット間経路情報取得手段と、
前記スポット間経路情報に含まれる交通手段の指定席が予め定められた複数の満席率に到達するタイミングを予測する予測手段と、
前記予測手段による予測結果に基づいて予約推奨情報を生成する予約推奨情報生成手段と、
前記予約推奨情報を前記スポット間経路情報とともに出力する出力手段と、を備える情報処理システム。
【請求項13】
旅行プランニング条件に基づいてスポット間経路情報を取得するスポット間経路情報取得手段と、
前記予測手段による予測結果に基づいて予約推奨情報を生成する予約推奨情報生成手段と、
前記予約推奨情報を前記スポット間経路情報とともに出力する出力手段と、
をさらに備え、
前記予測手段は、前記スポット間経路情報取得手段により取得された前記スポット間経路情報に含まれる交通手段の前記特徴量を入力として、前記学習済みモデルを利用して、当該交通手段の指定席が予め定められた満席率に到達するタイミングを予測する、請求項2、3および請求項2または3を引用する請求項4~7のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項14】
予め定められた満席率に到達するタイミングは、第1の満席率に到達したのち、キャンセルの発生により前記第1の満席率より低い第2の満席率まで下がるタイミングを含む、請求項1~13のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項15】
コンピュータを、
交通手段の指定席の予約実績に関する情報を取得する予約実績取得手段、および、
前記予約実績に関する情報のうち、運行日時に関する情報、交通手段の種別に関する情報、停車地点周辺のイベント情報のうち少なくとも1つの情報を特徴量とし、当該特徴量と予め定められた満席率に到達するタイミングとを教師データとして機械学習を実行し、
満席予測のための学習済みモデルを生成する学習済みモデル生成手段として機能させる、情報処理プログラム。
【請求項16】
コンピュータを、
交通手段の指定席の予約実績に関する情報のうち、運行日時に関する情報、交通手段の種別に関する情報、停車地点周辺のイベント情報のうち少なくとも1つの情報を特徴量とし、当該特徴量と予め定められた満席率に到達するタイミングとを教師データとして機械学習を実行することにより生成された学習済みモデルを利用し、対象とする交通手段の前記特徴量を入力として、対象とする交通手段の指定席が予め定められた満席率に到達するタイミングを予測する予測手段として機能させる、情報処理プログラム。
【請求項17】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
交通手段の指定席の予約実績に関する情報を取得する予約実績取得手段と、
前記予約実績に関する情報のうち、運行日時に関する情報、交通手段の種別に関する情報、停車地点周辺のイベント情報のうち少なくとも1つの情報を特徴量とし、当該特徴量と予め定められた満席率に到達するタイミングとを教師データとして機械学習を実行し、満席予測のための学習済みモデルを生成する学習済みモデル生成手段と、を備える情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを、上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項18】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって、請求項1~14のいずれかに記載の情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータのうちの少なくとも1つを、請求項1~14のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項19】
コンピュータを、請求項1~14のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項20】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
交通手段の指定席の予約実績に関する情報を取得するステップと、
前記予約実績に関する情報のうち、運行日時に関する情報、交通手段の種別に関する情報、停車地点周辺のイベント情報のうち少なくとも1つの情報を特徴量とし、当該特徴量と予め定められた満席率に到達するタイミングとを教師データとして機械学習を実行し、満席予測のための学習済みモデルを生成するステップと、を含む情報処理方法。
【請求項21】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
交通手段の指定席の予約実績に関する情報のうち、運行日時に関する情報、交通手段の種別に関する情報、停車地点周辺のイベント情報のうち少なくとも1つの情報を特徴量とし、当該特徴量と予め定められた満席率に到達するタイミングとを教師データとして機械学習を実行することにより生成された学習済みモデルを利用し、対象とする交通手段の前記特徴量を入力として、対象とする交通手段の指定席が予め定められた満席率に到達するタイミングを予測するステップを含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電鉄各社が座席指定制の「座れる通勤電車」の運行本数を増加させており、利用者の間で「座席予約」が日常的に行われるようになってきている。
【0003】
ところで、通勤帰宅時に荷物が多い場合などには確実に着席できる電車を利用したいものの、仕事の終わる時間が不定であるなどして、利用する便を前もって決められない場合がある。この場合、「仕事が終わってからの予約でも大丈夫か(空席が残っているか)」を考える判断材料の提供があれば便利である。
【0004】
また、お盆や年末年始の帰省に新幹線を利用したいものの、仕事の都合もあり、利用予定の便をすぐには決められない場合がある。この場合、「指定席を確保するには何日前までに予定を確定させればよいか」を考える判断材料の提供があれば便利である。
【0005】
特許文献1では、各事業者のデータベースから空席情報を所定のタイミングで複数回取得し、取得時刻と空席数との関係を示すグラフを作成し、その近似曲線を利用して現在時刻での空席数や満席になる日時を予測するシステムが提案されている。しかしながら、このシステムでは、対象とする便についての予約開始前の時点では、グラフを作成できず、近似曲線を引くことができないから、満席になる日時を予測することができない。また、対象とする便についての予約がまだ少ない時点では、近似曲線を延ばした先の方の不定性が大きくなるから、満席になる日時の予測精度が大きく低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2003-256702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものである。本発明の目的は、対象とする交通手段の指定席が予め定められた満席率に到達するタイミングをいつでも予測できる情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る情報処理システムは、
交通手段の指定席の予約実績に関する情報を取得する予約実績取得手段と、
前記予約実績に関する情報のうち、運行日時に関する情報、交通手段の種別に関する情報、停車地点周辺のイベント情報のうち少なくとも1つの情報を特徴量とし、当該特徴量と予め定められた満席率に到達するタイミングとを教師データとして機械学習を実行し、満席予測のための学習済みモデルを生成する学習済みモデル生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、対象とする交通手段の指定席が予め定められた満席率に到達するタイミングをいつでも予測できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1の実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
図2図2は、予約実績データベースの一例を示すテーブルである。
図3図3は、学習済みモデルを生成する処理の一例を説明するための図である。
図4図4は、学習済みモデルを利用して予測する処理の一例を説明するための図である。
図5図5は、予測結果を修正する処理の一例を説明するための図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、第1の実施形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
図8図8は、第2の実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
図9図9は、第2の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、第2の実施形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
図11図11は、第2の実施形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
図12図12は、第2の実施形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
図13図13は、第3の実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
図14図14は、第3の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、第3の実施形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0012】
(第1の実施形態)
図1を参照し、第1の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図1は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。なお、同図において、各機能を行う機能部は、それぞれ各機能を行う手段ということができる。
【0013】
本実施の形態に係る情報処理システム1は、交通手段の指定席が予め定められた満席率に到達するタイミングを予測するシステムである。以下に説明する実施の形態では、「交通手段」として座席指定制の列車(有料特急、グリーン車、観光列車、座れる通勤電車など)を例に挙げて説明することがあるが、「交通手段」は座席指定制の列車に限られるものではなく、座席指定制の高速バスや飛行機など、予め定められた路線・運賃・運行時刻で旅客を輸送する各種の座席指定制の旅客輸送手段を含む表現である。
【0014】
図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置2と、サーバ3とを備えている。端末装置2とサーバ3とは、インターネット等のネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク4は、有線回線と無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。なお、端末装置2とサーバ3の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。
【0015】
端末装置2は、ユーザが使用するものであり、たとえば、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末、ノートブックコンピュータ、またはデスクトップコンピュータなどの電子機器である
【0016】
図1に示すように、端末装置2は、端末通信部21と、端末制御部22と、端末記憶部23と、端末入力部24と、端末表示部25とを有している。各部は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0017】
端末通信部21は、端末装置2とネットワーク4との間の通信インターフェースである。端末通信部21は、ネットワーク4を介して端末装置2とサーバ3との間で情報を送受信する。
【0018】
端末制御部22は、端末装置2の各種処理を行う制御手段である。端末制御部22は、端末装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
【0019】
端末記憶部23は、たとえば内蔵メモリや外部メモリ(SDメモリカード等)などのデータストレージである。端末記憶部23には、端末制御部22が取り扱う各種データが記憶される。端末記憶部23は、必ずしも端末装置2内に設けられていなくてもよく、端末記憶部23の一部または全部は、ネットワーク4を介して端末装置2と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0020】
端末入力部24は、ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり、たとえばモバイル端末におけるタッチパネルやマイクロフォン、ノートブックコンピュータにおけるタッチパッド、キーボードまたはマウスなどである。
【0021】
端末表示部25は、端末装置2からユーザに対して各種情報を表示するインターフェースであり、たとえば液晶ディスプレイ等の映像表示手段である。具体的には、たとえば、端末表示部25は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示してもよい。
【0022】
次に、サーバ3について説明する。図1に示すように、サーバ3は、サーバ通信部31と、サーバ制御部32と、サーバ記憶部33とを有している。各部は、バスやネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0023】
このうちサーバ通信部31は、サーバ3とネットワーク4との間の通信インターフェースである。サーバ通信部31は、ネットワーク4を介してサーバ3と端末装置2との間で情報を送受信する。
【0024】
サーバ記憶部33は、たとえばハードディスク等の固定型データストレージである。サーバ記憶部33には、サーバ制御部32が取り扱う各種データが記憶される。たとえば、サーバ記憶部33は、交通ネットワーク情報を含む経路ネットワーク情報データベース33aと、地図情報を含む地図情報データベース33bと、予約実績データベース33cとを含んでいる。
【0025】
交通ネットワーク情報は、鉄道やバス等の交通網や道路網を規定する情報である。交通網の情報としては、交通機関の路線情報、時刻表情報、料金情報等を含む。道路網の情報は、例えば交差点等の道路網表現上の結節点であるノードのデータと、ノード間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。
【0026】
地図情報は、全国および各地方の道路地図などの地図データと、地図データに対応付けられた地図オブジェクト情報を含む。地図オブジェクト情報とは、地図上に表示される施設の形状についての形状情報、地図上に表示される注記についての注記情報、地図上に表示される記号についての記号情報などである。また、地図情報は公共交通機関の路線図に関する路線図情報を含んでいてもよい。
【0027】
上記の交通ネットワーク情報および地図情報は、所定のタイミングでアップデートされてもよい。交通ネットワーク情報および地図情報は、経路探索に用いられる。
【0028】
予約実績データベース33cには、各運行会社から提供された交通手段の指定席の過去の予約実績に関する情報として、交通手段ごとに、運行日時に関する情報、当該交通手段の種別に関する情報、停車地点(停車駅やバス停など)周辺のイベント情報のうちの少なくとも1つの情報と、当該交通手段の指定席が予め定められた満席率(たとえば80%、100%など)に到達したタイミング(たとえば「運行日の○○日前」、「出発時刻の○○分前」、「○○年○○月○○日」など)とが、互いに関連付けられて記憶されている。過去の予約実績に関する情報として、交通手段ごとに、前年同月同時間帯に予め定められた満席率(たとえば80%、100%など)に到達したタイミングの平均値がさらに記憶されていてもよい。
【0029】
運行日時に関する情報は、曜日、平日か土休日か、時間帯、季節、お盆か否か、年末年始か否か、繁忙期か閑散期か通常期(繁忙期でも閑散期でもない日)か、のうちの少なくとも1つに関する情報であってもよい。
【0030】
交通手段の種別に関する情報は、始発地点、終着地点、途中停車地点、愛称(たとえば「のぞみ」か「ひかり」か「こだま」か)、車両設備または機体設備(たとえばコンセントの有無)、優先席の有無、グリーン席等の有無、編成両数(何両編成か)、特急/急行等の属性、乗り放題チケットの対象列車か、自由席の有無、車いす対応座席の有無、展望車の有無、喫煙車の有無、2階建車両の有無のうちの少なくとも1つに関する情報であってもよい。
【0031】
停車地点周辺のイベント情報は、停車地点周辺でのイベント(たとえば花火大会やコンサートなど)の発生有無であってもよいし、当該イベントの規模(観客人数や会場の大きさなど)または停車地点からイベント会場までの距離であってもよい。
【0032】
図2は、予約実績データベース33cの一例を示すテーブルである。図2に示す例では、「東京駅10時発のぞみ221号」という列車について、運行日時に関する情報、当該列車の種別に関する情報、停車駅周辺のイベント情報のうちの少なくとも1つの情報と、当該列車の指定席が予め定められた満席率に到達したタイミングとが、互いに関連付けられて記憶されている。具体的には、たとえば、2018年8月12日(日)に運行した「東京駅10時発のぞみ221号」について、運行日の9日前に指定席の満席率が80%に到達し、運行日の3日前に指定席の満席率が100%に到達した(すなわち指定席が売り切れた)ことと、運行日が土休日かつお盆前後の土休日に該当し、10時台に東京駅を始発する列車であり、列車愛称が(「ひかり」や「こだま」ではなく)「のぞみ」であり、車両設備としてコンセントの利用が可能であり、停車駅周辺にてイベントが開催される日には該当せず、前年同月同時間帯において80%、100%の満席率に到達したタイミングの平均がそれぞれ8日前、3日前であったことと、が互いに関連付けられて記憶されている。また、2018年8月13日(月)に運行した「東京駅10時発のぞみ221号」について、運行日の10日前に指定席の満席率が80%に到達し、運行日の4日前に指定席の満席率が100%に到達した(すなわち指定席が売り切れた)ことと、運行日が土休日にもお盆前後の土休日にも該当しないが、10時台に東京駅を始発する列車であり、列車愛称が(「ひかり」や「こだま」ではなく)「のぞみ」であり、車両設備としてコンセントの利用が可能であり、停車駅周辺にてイベントが開催される日に該当し、前年同月同時間帯において80%、100%の満席率に到達したタイミングの平均がそれぞれ8日前、3日前であったことと、が互いに関連付けられて記憶されている。
【0033】
なお、サーバ記憶部33は、必ずしもサーバ3内に設けられていなくてもよく、サーバ記憶部33の一部または全部は、ネットワーク4を介してサーバ3と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0034】
図1に示すように、サーバ制御部32は、予約実績取得部32aと、学習済みモデル生成部32bと、経路情報取得部32cと、予測部32dと、予約推奨情報生成部32eと、出力部32fとを有している。これらの各部は、サーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
【0035】
予約実績取得部32aは、予約実績データベース33cを参照して、列車の指定席の過去の予約実績に関する情報を取得する。
【0036】
学習済みモデル生成部32bは、予約実績取得部32aにより取得された過去の予約実績に関する情報のうち、運行日時に関する情報、交通手段の種別に関する情報、停車地点周辺のイベント情報のうち少なくとも1つの情報を特徴量とし、当該特徴量と予め定められた満席率(たとえば80%、100%など)に到達するタイミングとを教師データとして機械学習を実行し、満席予測のための学習済みモデルを生成する。予約実績取得部32aにより取得された過去の予約実績に関する情報のうち、前年同月同時間帯の予め定められた満席率(たとえば80%、100%など)に到達するタイミングの平均値が特徴量として利用されてもよい。
【0037】
機械学習の手法としては、特に限定されるものではないが、たとえば、ニューラルネットワーク(深層学習を含む)、サポートベクターマシン、ベイジアンアンネットワーク、クラスタリング、決定木、ランダムフォレストのうちの1つまたは2つ以上の組み合わせ(アンサンブル学習)が利用されてもよい。
【0038】
図3は、学習済みモデルを生成する処理の一例を説明するための図である。図3に示す例では、機械学習の手法として、入力層と、入力層に接続された1または2以上の中間層と、中間層に接続され出力層とを有する階層型のニューラルネットワークが利用される。図3に示すように、過去のある日時に運行した列車の指定席の予約実績に関する情報の特徴量1~Nがニューラルネットワークの入力層に入力され、それにより出力層から出力される出力結果と、当該列車の指定席が予め定められた満席率(たとえば80%、100%など)に実際に到達したタイミングとが比較され、その誤差に応じてニューラルネットワークを構成する各ノードのパラメータ(重みや閾値など)が更新される処理が、過去のそれぞれの日時に運行した列車の指定席の予約実績に関する情報を利用して繰り返される。これにより、過去の予約実績に関する情報の特徴量1~Nと、予め定められた満席率(たとえば80%、100%など)に到達するタイミングとの関係性を機械学習した学習済みモデル(図3の例では、チューニングされたニューラルネットワーク)が生成される。
【0039】
予め定められた満席率に到達するタイミングは、第1の満席率(たとえば100%)に到達したのち、キャンセルの発生により第1の満席率より低い第2の満席率(たとえば90%)まで下がるタイミング(すなわち、キャンセルが発生するタイミング)を含んでいてもよい。
【0040】
経路情報取得部32cは、ユーザの端末装置2から受け取る経路探索条件に基づいて、当該経路探索条件を満たすような経路情報を、経路ネットワーク情報データベース33aと地図情報データベース33bとを参照して取得する。
【0041】
予測部32dは、経路情報取得部32cにより取得された経路情報に含まれる交通手段の特徴量(すなわち、運行日時に関する情報、交通手段の種別に関する情報、停車地点周辺のイベント情報のうち少なくとも1つの情報)を入力として、学習済みモデル生成部32bにより生成された学習済みモデルを利用して、当該交通手段の指定席が予め定められた満席率に到達するタイミングを予測する。
【0042】
図4は、学習済みモデルを利用して予測する処理の一例を説明するための図である。図4に示す例では、経路情報取得部32cにより取得された経路情報が、2018年9月14日(月)に運行する「東京駅10時発のぞみ221号」を利用するものである場合に、学習済みモデルは、当該列車の特徴量1~N(すなわち、運行日時に関する情報、列車の種別に関する情報、停車駅周辺のイベント情報など)を入力として、たとえば、運行日の9日前に指定席の満席率が80%に到達し、運行日の3日前に指定席の満席率が100%に到達する(すなわち指定席が売り切れる)という予測値を出力する。
【0043】
予測部32dは、対象とする交通手段の指定席の現時点における予約実績に関する情報を、運行会社の予約管理システムから取得し、学習済みモデルによる予測結果を、運行会社の予約管理システムから取得した現時点における予約実績に関する情報のうち、予め定められた満席率に実際に到達したタイミングと比較し、そのズレ量に応じて学習済みモデルによる予測結果を修正してもよい。
【0044】
図5は、予測結果を修正する処理の一例を説明するための図である。図5に示す例では、2018年9月14日(月)に運行する「東京駅10時発のぞみ221号」について、学習済みモデルは、運行日の9日前に指定席の満席率が80%に到達し、運行日の3日前に指定席の満席率が100%に到達する(すなわち指定席が売り切れる)という予測値を出力するものの、運行会社の予約管理システムから取得される当該列車の現時点における実際の予約実績では、運行日の10日前に既に80%の満席率に到達していた場合に、予測部32dは、学習済みモデルによる予測結果を、運行会社の予約管理システムから取得した現時点における実際の予約実績と比較し、そのズレ量(=満席率80%到達日で比べると、予測値のほうが実際より1日遅い)を考慮して、学習済みモデルの予測値を(1日早いタイミングになるように)修正する。すなわち、予測部32dは、運行日の10日前に指定席の満席率が80%に到達し、運行日の4日前に指定席の満席率が100%に到達する、という予測結果に修正する。
【0045】
予約推奨情報生成部32eは、予測部32dによる予測結果に基づいて、予約推奨情報を生成する。具体的には、たとえば、予約推奨情報生成部32eは、予測部32dにより予測された満席率が100%に到達するタイミング(たとえば「運行日の○○日前」など)を予約推奨情報として生成してもよい。あるいは、たとえば、予約推奨情報生成部32eは、予測部32dにより予測された満席率が100%に到達する日時(予測値)と、現在の日時とを比較し、現在の日時が予測値より4日以上前であれば「〇」(まだ予約しなくても大丈夫)、3日以内であれば「△」(今すぐに予約すべき)、現在の日時が予測値より後であれば「×」(売り切れ)の3段階にランク分けし、そのランク(〇、△、×)を予約推奨情報として生成してもよい。予約推奨情報生成部32eは、第1の満席率(たとえば100%)に到達したのち、キャンセルの発生により第1の満席率より低い第2の満席率(たとえば90%)まで下がるタイミングの予測値(たとえば「キャンセル発生予測:運行日の○○日前」など)を予約推奨情報として生成してもよい。予約推奨情報生成部32eは、予約推奨情報を上記のように指標化した情報として生成してもよいし、「今すぐの予約をお勧めします」、「二日以内の予約をお勧めします」、「運行日前日の〇時頃に10席ほどキャンセルが発生する見込みです」といったように文字情報として予約推奨情報を生成してもよい。
【0046】
出力部32fは、予約推奨情報生成部32eにより生成された予約推奨情報を、経路情報取得部32cにより取得された経路情報とともに端末装置2へと送信して端末表示部25を介して出力する(図7参照)。
【0047】
次に、図6を参照して、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例について説明する。図6は、情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0048】
図6に示すように、まず、端末装置2のユーザが端末入力部24を介して経路探索条件を入力すると、端末装置2からサーバ3へと経路探索条件が送信され、経路情報取得部32cが経路探索条件を受け取る(ステップS11)。
【0049】
次いで、経路情報取得部32cは、端末装置2から受け取った経路探索条件に基づいて、当該経路探索条件を満たすような経路情報を、経路ネットワーク情報データベース33aと地図情報データベース33bとを参照して取得する(ステップS12)。
【0050】
次に、予測部32dが、経路情報取得部32cにより取得された経路情報に含まれる交通手段の特徴量(すなわち、運行日時に関する情報、交通手段の種別に関する情報、停車地点周辺のイベント情報のうち少なくとも1つの情報)を入力として、学習済みモデル生成部32bにより予め生成されている学習済みモデルを利用して、当該交通手段の指定席が予め定められた満席率(たとえば80%、100%など)に到達するタイミングを予測する(ステップS13)。
【0051】
次いで、予測部32dは、対象とする交通手段の指定席の現時点における予約実績に関する情報を、運行会社の予約管理システムから取得し、学習済みモデルによる予測結果を、運行会社の予約管理システムから取得した現時点における予約実績と比較し、そのズレ量に応じて学習済みモデルによる予測結果を修正する(ステップS14)。
【0052】
次に、予約推奨情報生成部32eは、予測部32dによる予測結果に基づいて、予約推奨情報を生成する(ステップS15)。
【0053】
そして、出力部32fは、予約推奨情報生成部32eにより生成された予約推奨情報を、経路情報取得部32cにより取得された経路情報とともに端末装置2へと送信して、図7に示すように、経路情報A1および予約推奨情報B1の両方を端末表示部25を介して出力する(ステップS16)。図7に示す例では、予約推奨情報B1は、満席率100%に到達する日時の予測値と現在の日時との差異(猶予時間)に応じたランク(「空席:△」)と、満席率100%に到達する日時の予測値(「売切予測:今から30分以内」)と、予約サイトへのリンク(「※予約はこちら」)とを含んでいる。図示は省略するが、予約推奨情報B1は、第1の満席率(たとえば100%)に到達したのち、キャンセルの発生により第1の満席率より低い第2の満席率(たとえば90%)まで下がる日時の予測値(たとえば「キャンセル発生予測:5分前」など)を予約推奨情報として生成してもよい。端末装置2のユーザは、指定席の予約をいつ行うべきか決める判断材料として、予約推奨情報B1に含まれる「空席:△」や「売切予測:今から30分以内」という表示を利用することが可能であり、すぐに予約を行うべきであると判断した場合には、「※予約はこちら」をタッチすることにより、すぐに予約サイトでの予約手続きに進むことができて便利である。
【0054】
以上のような本実施の形態によれば、交通手段の指定席の過去の予約実績に関する情報のうち、運行日時に関する情報、交通手段の種別に関する情報、停車地点周辺のイベント情報のうち少なくとも1つの情報を特徴量とし、当該特徴量と予め定められた満席率に到達するタイミングとを教師データとして機械学習を実行することにより生成された学習済みモデルを利用するため、対象とする交通手段の前記特徴量を入力として、対象とする交通手段の指定席が予め定められた満席率に到達するタイミングをいつでも予測することができる。これにより、対象とする便についての予約開始前の時点であったり、その予約がまだ少ない時点であっても、予約をいつまでに行うべきかを考える判断材料をユーザに提供することができるため、ユーザとしては猶予時間が明確になり安心して移動計画を立てることが可能となる。
【0055】
また、本実施の形態によれば、対象とする交通手段の指定席の現時点における予約実績に関する情報を取得し、学習済みモデルによる予測結果を、現時点における実際の予約実績と比較し、そのズレ量に応じて学習済みモデルによる予測結果を修正するため、対象とする交通手段の指定席が予め定められた満席率に到達するタイミングの予測精度(予測結果の出力精度)を高めることができる。
【0056】
また、本実施の形態によれば、ユーザの指定する経路探索条件に基づき経路情報を提示するとともに、当該経路情報に含まれる交通手段の指定席の予約推奨情報(満席タイミング情報)を提示するので、ユーザにとって移動計画と合わせて予約計画も立てることができて大変便利である。
【0057】
(第2の実施形態)
図8を参照し、第2の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図8は、第2の実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。第2の実施形態において、上述した第1の実施形態と同様に構成され得る部分については、上述した第1の実施形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略し、以下では相違点を中心に説明する。
【0058】
図8に示すように、第2の実施形態では、サーバ記憶部33が、時刻表情報データベース33dを有しており、サーバ制御部32が、時刻表情報取得部32gを有している。
【0059】
時刻表情報データベース33dには、各運行会社から提供された各乗降地点(駅やバス停、空港)における時刻表情報が、路線、運行期間ごとに分かれて記憶されている。時刻表情報は、所定のタイミングでアップデートされてもよい。
【0060】
時刻表情報取得部32gは、ユーザの端末装置2から受け取る時刻表取得条件(乗降地点名、路線、指定日時など)に基づいて、当該時刻表取得条件を満たすような時刻表情報を、時刻表情報データベース33dを参照して取得する。
【0061】
第2の実施形態では、予測部32dは、時刻表情報取得部32gにより取得された時刻表情報に含まれる各交通手段の特徴量(すなわち、運行日時に関する情報、交通手段の種別に関する情報、停車地点周辺のイベント情報のうち少なくとも1つの情報)を入力として、学習済みモデル生成部32bにより生成された学習済みモデルを利用して、当該交通手段の指定席が予め定められた満席率に到達するタイミングを予測する。
【0062】
出力部32fは、予約推奨情報生成部32eにより生成された予約推奨情報を、時刻表情報取得部32gにより取得された時刻表情報とともに端末装置2へと送信して端末表示部25を介して出力する(図10参照)。
【0063】
次に、図9を参照して、第2の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例について説明する。図9は、情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0064】
図9に示すように、まず、端末装置2のユーザが端末入力部24を介して時刻表取得条件を入力すると、端末装置2からサーバ3へと時刻表取得条件が送信され、時刻表情報取得部32gが時刻表取得条件を受け取る(ステップS21)。
【0065】
次いで、時刻表情報取得部32gは、端末装置2から受け取った時刻表取得条件に基づいて、当該時刻表取得条件を満たすような時刻表情報を、時刻表情報データベース33dを参照して取得する(ステップS22)。
【0066】
次に、予測部32dが、時刻表情報取得部32gにより取得された時刻表情報に含まれる各交通手段について、当該交通手段の特徴量(すなわち、運行日時に関する情報、交通手段の種別に関する情報、停車地点周辺のイベント情報のうち少なくとも1つの情報)を入力として、学習済みモデル生成部32bにより予め生成されている学習済みモデルを利用して、当該交通手段の指定席が予め定められた満席率(たとえば80%、100%など)に到達するタイミングを予測する(ステップS23)。
【0067】
次いで、予測部32dは、対象とする交通手段の指定席の現時点における予約実績に関する情報を、運行会社の予約管理システムから取得し、学習済みモデルによる予測結果を、運行会社の予約管理システムから取得した現時点における予約実績と比較し、そのズレ量に応じて学習済みモデルによる予測結果を修正する(ステップS14)。
【0068】
次に、予約推奨情報生成部32eは、予測部32dによる予測結果に基づいて、予約推奨情報を生成する(ステップS15)。
【0069】
そして、出力部32fは、予約推奨情報生成部32eにより生成された予約推奨情報を、時刻表情報取得部32gにより取得された時刻表情報とともに端末装置2へと送信して、図10に示すように、時刻表情報A2および各交通手段の予約推奨情報B21~B24の両方を端末表示部25を介して出力する(ステップS26)。図10に示す例では、予約推奨情報B21~B24は、各列車の指定席が満席率100%に到達する日時の予測値(「売切予測:発車4時間前」など)を含んでおり、ユーザがいずれかの列車を選択する(予約推奨情報B21~B24の表示をタップする)と、図11に示すように、選択された列車の予約推奨情報の詳細が表示される。満席率100%に到達する日時の予測値(「発車4時間前」)を表示するだけでは、今すぐに予約すべきなのかが分かりにくかったとしても、図11に示すように、満席率100%に到達する日時の予測値(発車4時間前)と現在の日時(▽マーク)との差異(猶予時間)が表示されることで、今すぐに予約を行うべきかが分かりやすくなる。また、図11に示すように、予約サイトへのリンク(「ご予約はこちらから」)が表示されることにより、今すぐに予約を行うべきであると判断したユーザは、「ご予約はこちらから」をタッチすることにより、すぐに予約サイトでの予約手続きに進むことができて便利である。
【0070】
一変形例として、図12に示すように、出力部32fは、時刻表情報A2および各交通手段の予約推奨情報B21~B24とともに、利用人数を設定するための欄C2を出力し、ユーザが端末入力部24を介して当該欄C2に利用人数を入力すると、予測部32dは、当該利用人数を考慮して、満席率(たとえば80%、100%など)に到達するタイミングの予測をやり直し、その予測結果に基いて、各交通手段の予約推奨情報B21~B24の表示が更新されてもよい。あるいは、利用人数の代わりに、または利用人数に加えて、窓際か通路側か、最前列か最後列かそれ以外か、席の並び、車いす対応座席か否か、展望車か否か、喫煙車か禁煙車か、1階か2階か、などの条件を設定可能であり、予測部32dは、当該条件を考慮して、満席率(たとえば80%、100%など)に到達するタイミングの予測をやり直し、その予測結果に基いて、各交通手段の予約推奨情報B21~B24の表示が更新されてもよい。
【0071】
また、図11および図12に示すような時刻表情報A2の表示画面上において、予約推奨情報B21~B24の値に応じて、各交通手段の表示順序をソート(並べ替え)できるようになっていてもよい。
【0072】
図11および図12に示す例では、出力部32fは、時刻表情報A2に含まれる複数の列車の全てに対して予約推奨情報B21~B24を出力したが、これに限定されるものではなく、たとえば、出力部32fは、時刻表情報A2に含まれる複数の列車のうち、売切予測の予測値が予め定められた閾値レベル以上の人気の列車のみに対して予約推奨情報を出力してもよいし、臨時列車や割引対象の列車のみに対して予約推奨情報を出力してもよい。
【0073】
以上のような第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0074】
(第3の実施形態)
図13を参照し、第3の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図13は、第3の実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。第3の実施形態において、上述した第1および第2の実施形態と同様に構成され得る部分については、上述した第1および第2の実施形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略し、以下では相違点を中心に説明する。
【0075】
図13に示すように、第3の実施形態では、サーバ制御部32が、スポット間経路情報取得部32hを有している。
【0076】
スポット間経路情報取得部32hは、ユーザの端末装置2から受け取る旅行プランニング条件(指定日時、訪問先となる複数のスポット、各スポットの訪問順序など)に基づいて、当該旅行プランニング条件を満たすようなスポット間経路情報(あるスポットから次のスポットまでの経路情報)を、経路ネットワーク情報データベース33aと地図情報データベース33bとを参照して取得する。
【0077】
第3の実施形態では、予測部32dは、スポット間経路情報取得部32hにより取得されたスポット間経路情報に含まれる交通手段の特徴量(すなわち、運行日時に関する情報、交通手段の種別に関する情報、停車地点周辺のイベント情報のうち少なくとも1つの情報)を入力として、学習済みモデル生成部32bにより生成された学習済みモデルを利用して、当該交通手段の指定席が予め定められた満席率に到達するタイミングを予測する。
【0078】
出力部32fは、予約推奨情報生成部32eにより生成された予約推奨情報を、スポット間経路情報取得部32hにより取得されたスポット間経路情報とともに端末装置2へと送信して端末表示部25を介して出力する(図15参照)。
【0079】
次に、図14を参照して、第3の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例について説明する。図14は、情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0080】
図14に示すように、まず、端末装置2のユーザが端末入力部24を介して旅行プランニング条件を入力すると、端末装置2からサーバ3へと旅行プランニング条件が送信され、スポット間経路情報取得部32hが旅行プランニング条件を受け取る(ステップS31)。
【0081】
次いで、スポット間経路情報取得部32hは、端末装置2から受け取った旅行プランニング条件に基づいて、当該旅行プランニング条件を満たすようなスポット間経路情報を、経路ネットワーク情報データベース33aと地図情報データベース33bとを参照して取得する(ステップS32)。
【0082】
次に、予測部32dが、スポット間経路情報取得部32hにより取得されたスポット間経路情報に含まれる交通手段の特徴量(すなわち、運行日時に関する情報、交通手段の種別に関する情報、停車地点周辺のイベント情報のうち少なくとも1つの情報)を入力として、学習済みモデル生成部32bにより予め生成されている学習済みモデルを利用して、当該交通手段の指定席が予め定められた満席率(たとえば80%、100%など)に到達するタイミングを予測する(ステップS33)。
【0083】
次いで、予測部32dは、対象とする交通手段の指定席の現時点における予約実績に関する情報を、運行会社の予約管理システムから取得し、学習済みモデルによる予測結果を、運行会社の予約管理システムから取得した現時点における予約実績と比較し、そのズレ量に応じて学習済みモデルによる予測結果を修正する(ステップS14)。
【0084】
次に、予約推奨情報生成部32eは、予測部32dによる予測結果に基づいて、予約推奨情報を生成する(ステップS15)。
【0085】
そして、出力部32fは、予約推奨情報生成部32eにより生成された予約推奨情報を、スポット間経路情報取得部32hにより取得されたスポット間経路情報とともに端末装置2へと送信して、図15に示すように、スポット間経路情報A3および予約推奨情報B3の両方を端末表示部25を介して出力する(ステップS36)。図15に示す例では、予約推奨情報B3は、満席率100%に到達する日時の予測値と現在の日時との差異(猶予時間)に応じたランク(「空席:△」)と、満席率100%に到達する日時の予測値(「売切予測:今から7日以内」)と、予約サイトへのリンク(「特急/新幹線 予約」)とを含んでいる。端末装置2のユーザは、指定席の予約をいつ行うべきか決める判断材料として、予約推奨情報B2に含まれる「空席:△」や「売切予測:今から7日以内以内」という表示を利用することが可能であり、すぐに予約を行うべきであると判断した場合には、「特急/新幹線 予約」をタッチすることにより、すぐに予約サイトでの予約手続きに進むことができて便利である。
【0086】
以上のような第3の実施形態によっても、第1および第2の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0087】
なお、上述した実施形態で説明した情報処理システム1の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ハードウェアで構成する場合には、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0088】
また、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0089】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システム1を機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システム1の少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0090】
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実現するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
【0091】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や様々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 情報処理システム
2 端末装置
21 端末通信部
22 端末制御部
23 端末記憶部
24 端末入力部
25 端末表示部
3 サーバ
31 サーバ通信部
32 サーバ制御部
32a 予約実績取得部
32b 学習済みモデル生成部
32c 経路情報取得部
32d 予測部
32e 予約推奨情報生成部
32f 出力部
32g 時刻表情報取得部
32h スポット間経路情報取得部
33 サーバ記憶部
33a 経路ネットワーク情報データベース
33b 地図情報データベース
33c 予約実績データベース
33d 時刻表データベース
4 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15