(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】布団敷板装置
(51)【国際特許分類】
A47C 19/12 20060101AFI20231227BHJP
【FI】
A47C19/12 Z
(21)【出願番号】P 2019194072
(22)【出願日】2019-10-25
【審査請求日】2022-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】500281648
【氏名又は名称】株式会社めいじ屋
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【氏名又は名称】大竹 雅久
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和雄
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英次
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-037711(JP,A)
【文献】特開2010-270498(JP,A)
【文献】特開2005-066242(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 19/12
A47C 21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷き布団類の下に敷かれて前記敷き布団類を支える布団敷板装置であって、
逆V字状に折り曲げて立設可能に連結されている第1の敷板及び第2の敷板を備え、
前記第1の敷板と前記第2の敷板は、長手方向に延在する複数の縦材と、前記縦材の上に取り付けられて短手方向に延在する複数の横板と、を有し、
前記縦材は、前記第1の敷板及び前記第2の敷板のそれぞれの中央付近で分断されており、連結支持材によって連結固定され
、
前記連結支持材の前記縦材に当接する面には、長手方向に延在する凸部が形成されており、
前記縦材の前記連結支持材に当接する面には、前記凸部に係合する凹部が形成されていることを特徴とする布団敷板装置。
【請求項2】
敷き布団類の下に敷かれて前記敷き布団類を支える布団敷板装置であって、
逆V字状に折り曲げて立設可能に連結されている第1の敷板及び第2の敷板を備え、
前記第1の敷板と前記第2の敷板は、長手方向に延在する複数の縦材と、前記縦材の上に取り付けられて短手方向に延在する複数の横板と、を有し、
前記縦材は、前記第1の敷板及び前記第2の敷板のそれぞれの中央付近で分断されており、連結支持材によって連結固定され
、
前記連結支持材は、外周長辺を形成する前記縦材の内側面に取り付けられ、
前記縦材と前記連結支持材を固定する固定具は、前記縦材の外周面から突出しないことを特徴とする布団敷板装置。
【請求項3】
前記連結支持材は、外周長辺を形成する前記縦材の内側面に取り付けられ、
前記縦材と前記連結支持材を固定する固定具は、前記縦材の外周面から突出しないことを特徴とする
請求項1に記載の布団敷板装置。
【請求項4】
前記固定具は、前記連結支持材の内側面に、手動による前記縦材と前記連結支持材の固定及びその解除を可能とする摘部を有することを特徴とする
請求項2または請求項3に記載の布団敷板装置。
【請求項5】
前記縦材は、前記第1の敷板及び前記第2の敷板のそれぞれの中央付近においてV字状に折り曲げ自在に連結部材によって連結されていることを特徴とする
請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の布団敷板装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷き布団類の下に敷いて利用される布団敷板装置に関し、特に、すのこ状の敷板を起立させて布団類干し等として利用することができる布団敷板装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の布団敷板装置として、例えば、特許文献1に開示された布団敷板装置が知られている。
図11は、特許文献1に開示された布団敷板装置310の起立した状態を示す斜視図である。
図11に示すように、同文献に開示された布団敷板装置310は、各々すのこ状に形成された第1の敷板としての敷板311及び第2の敷板としての敷板312を有する。
【0003】
敷板311及び敷板312は、布団敷板装置310の長手方向に並べて設けられ、折り曲げ自在な連結部材317によって連結されている。詳しくは、敷板311及び敷板312は、長手方向に延在する複数の縦材313、314と、縦材313、314の上に取り付けられて短手方向に延在する複数の横板315と、を有する。
【0004】
敷板311と敷板312が連結部材317で連結されていることにより、布団敷板装置310は、逆V字状に折り曲げて立設可能であり、布団類干しとして利用できる。また、布団敷板装置310は、移動時や保管時には、敷板311及び敷板312が重なり合うように連結部材317を折り曲げて、小さく畳むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した従来技術の布団敷板装置では、安全性を確保しつつ、移動時や保管時の取り扱いを容易にするために改善すべき点があった。特に、布団敷板装置を製造した工場から、これを購入した消費者まで運送する工程においては、運送効率を向上させ、消費者が購入し易い製品を提供することが求められている。
【0007】
詳しくは、特許文献1に開示された従来技術のように、敷板311及び敷板312の2枚の敷板が連結部材317によって折り曲げ自在に連結されている構成では、布団敷板装置310を2つ折りにして敷板311及び敷板312を重ね、上面の面積を約1/2にできる。しかし、布団敷板装置310を運送するには、梱包サイズが大きく、扱いが容易ではないという問題点があった。
【0008】
具体的には、例えば、製品寸法が縦約200cm、横約100cm、高さ約4cmの布団敷板装置であれば、2つ折りにして畳むことにより、縦約100cm、横約100cm、高さ約8cmとすることができる。これにより製品上面の面積は約1/2になる。しかし、梱包サイズ、即ち、縦、横及び高さの合計寸法は、208cmであり、運送時の取り扱いは容易ではない。
【0009】
また例えば、上記よりも大きなサイズの製品についても同様に、製品寸法が縦約200cm、横約120cm、高さ約4cmであれば、折り畳むことにより、縦約100cm、横約120cm、高さ約8cmにできる。折り畳みにより製品上面の面積は約1/2になるが、梱包サイズは約228cmと大きく、その取り扱いは更に難しいものとなる。よって、流通過程の取り扱いを容易にする改善が望まれていた。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、安全性が高く、搬送時や保管時の取り扱いが容易な布団敷板装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の布団敷板装置は、敷き布団類の下に敷かれて前記敷き布団類を支える布団敷板装置であって、逆V字状に折り曲げて立設可能に連結されている第1の敷板及び第2の敷板を備え、前記第1の敷板と前記第2の敷板は、長手方向に延在する複数の縦材と、前記縦材の上に取り付けられて短手方向に延在する複数の横板と、を有し、前記縦材は、前記第1の敷板及び前記第2の敷板のそれぞれの中央付近で分断されており、連結支持材によって連結固定され、前記連結支持材の前記縦材に当接する面には、長手方向に延在する凸部が形成されており、前記縦材の前記連結支持材に当接する面には、前記凸部に係合する凹部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の布団敷板装置は、敷き布団類の下に敷かれて前記敷き布団類を支える布団敷板装置であって、逆V字状に折り曲げて立設可能に連結されている第1の敷板及び第2の敷板を備え、前記第1の敷板と前記第2の敷板は、長手方向に延在する複数の縦材と、前記縦材の上に取り付けられて短手方向に延在する複数の横板と、を有し、前記縦材は、前記第1の敷板及び前記第2の敷板のそれぞれの中央付近で分断されており、連結支持材によって連結固定され、前記連結支持材は、外周長辺を形成する前記縦材の内側面に取り付けられ、前記縦材と前記連結支持材を固定する固定具は、前記縦材の外周面から突出しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の布団敷板装置によれば、逆V字状に折り曲げて立設可能に連結されている第1の敷板及び第2の敷板を備え、第1の敷板及び第2の敷板を構成する長手方向に延在する縦材は、第1の敷板及び第2の敷板のそれぞれの中央付近で分断されており、連結支持材によって連結固定される。
【0013】
このような構成により、連結支持材を取り外して第1の敷板及び第2の敷板をそれぞれ小さく折り曲げることができる。即ち、第1の敷板と第2の敷板が連結されている布団敷板装置の長手方向中央近傍を山折り状に折り曲げ、縦材が分断されている第1の敷板及び第2の敷板のそれぞれの長手方向中央付近を谷折り状に折り曲げることにより、布団敷板装置を約1/4の面積に重ね折りすることができる。そして、梱包サイズを小さくして運送時の取り扱いを容易にすることができる。
【0014】
具体的には、布団敷板装置を4つ折りにできるので、例えば、製品寸法が縦約200cm、横約100cm、高さ約4cmの布団敷板装置であれば、縦約50cm、横約100cm、高さ約16cmに折り畳むことができる。これにより製品上面の面積は約1/4になり、梱包サイズは、約166cmになる。よって、搬送時の作業者負担を軽減することができる。
【0015】
また例えば、製品寸法が縦約200cm、横約120cm、高さ約4cmの大きいサイズの製品であっても、縦約50cm、横約120cm、高さ約16cmに小さくすることができる。製品上面の面積は約1/4になり、梱包サイズは約186cmと小さくできる。よって、流通過程の取り扱いが容易になる。その結果として、運送コストの削減につながり、消費者が購入し易い製品価格にすることができる。
【0016】
また、布団敷板装置を小さく折り畳むことができるので、利用者が布団敷板装置を移動する作業も容易になり、また、布団敷板装置を片付けて狭い収納場所に保管することも可能となる。
【0017】
また、本発明の布団敷板装置によれば、前記縦材は、前記第1の敷板及び前記第2の敷板のそれぞれの中央付近においてV字状に折り曲げ可能に連結部材によって連結されていても良い。これにより、分断されている縦材は、それらを連結固定している連結支持材を取り外しても、折り曲げ可能な連結部材によって連結支持されている。よって、連結支持材を取り外しても、第1の敷板及び第2の敷板の中央付近は、切り離されてばらばらに分解されることはなく、折り曲げ可能な連結部材によって連結支持されている。これにより、連結支持材を取り外した布団敷板装置の折り曲げ作業や搬送作業を安全且つ容易に行うことができる。
【0018】
また、本発明の布団敷板装置によれば、前記連結支持材の前記縦材に当接する面には、
長手方向に延在する凸部が形成されており、前記縦材の前記連結支持材に当接する面には、前記凸部に係合する凹部が形成されていても良い。これにより、連結支持材と縦材との当接面における滑りが抑えられ、縦材は連結支持材によって安全に連結固定される。よって、例えば、布団敷板装置を逆V字状に起立して布団類干しとして使用する際にも、布団類の荷重に耐え得る十分な強度が得られる。連結支持材近傍の縦材連結部の曲がりや、連結支持材の外れ、布団敷板装置の倒れ等を防止して、布団敷板装置を安全に使用することができる。
【0019】
また、本発明の布団敷板装置によれば、前記連結支持材は、外周長辺を形成する前記縦材の内側面に取り付けられ、前記縦材と前記連結支持材を固定する固定具は、前記縦材の外周面から突出しない。これにより、縦材と連結支持材を固定する固定具が布団敷板装置の外周から突出して布団類や利用者の足等に接触することを防止することができる。よって、前記連結支持材を安全に利用することができる。
【0020】
また、本発明の布団敷板装置によれば、前記固定具は、前記連結支持材の内側面に、手動による前記縦材と前記連結支持材の固定及びその解除を可能とする摘部を有しても良い。これにより、連結支持材を縦材に取り付けて縦材を連結固定する作業を容易に行うことができる。例えば、利用者は、特殊な工具等を使用することなく、固定具の摘部を手で摘まんで、縦材と連結支持材を固定する作業または切り離す作業を、容易に、そして安全に、実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係る布団敷板装置の概略を示す平面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る布団敷板装置の概略を示す底面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る布団敷板装置の起立した状態を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る布団敷板装置の起立した状態を示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る布団敷板装置の起立した状態を示すA矢視図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る布団敷板装置の畳まれた状態を示す側面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る布団敷板装置の連結支持材近傍を示す断面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る布団敷板装置の連結支持材近傍の他の例を示す断面図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る布団敷板装置の連結支持材近傍の他の例を示す断面図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る布団敷板装置の連結支持材を固定する固定具を示す断面図である。
【
図11】従来技術の布団敷板装置の例を示す布団敷板装置が起立した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る布団敷板装置を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る布団敷板装置10の概略を示す平面図である。
図2は、布団敷板装置10の概略を示す底面図である。
図1及び
図2に示すように、布団敷板装置10は、平面視略矩形状のすのこ状の形態をなし、敷き布団類の下に敷かれて敷き布団類を支えるものである。
【0023】
布団敷板装置10は、各々すのこ状に形成された第1の敷板としての敷板11及び第2の敷板としての敷板12を有する。敷板11及び敷板12は、布団敷板装置10の長手方向に並べて設けられ、折り曲げ可能な連結部材17によって連結されている。
【0024】
敷板11及び敷板12は、布団敷板装置10の長手方向に延在する複数の縦材13及び縦材14を有する。縦材13、14は、床面等に載置されて布団敷板装置10を支える部材であり、略棒状の形態をなしている。縦材13は、敷板11及び敷板12の中央側に一対、縦材13は、外周側に一対、設けられている。
【0025】
縦材13、14の上面には、布団敷板装置10の短手方向に延在する複数の横板15が取り付けられている。横板15は、略矩形板状の形態をなし、横板15の上面は、布団類が載置される面となる。
【0026】
縦材13、14は、敷板11及び敷板12のそれぞれの中央付近の分断部30及び分断部31で分断されている。具体的には、敷板11及び敷板12の短手方向中央側にある一対の縦材13は、それぞれ長手方向略中央の分断部30において、布団敷板装置10の中央側の縦材13aと、外周側の縦材13bと、に分かれている。敷板11及び敷板12の短手方位外周側にある一対の縦材14は、それぞれ長手方向略中央の分断部31において、布団敷板装置10の中央側の縦材14aと、外周側の縦材14bと、に分かれている。
【0027】
中央側の縦材13a、13bは、分断部30において、それぞれの端部近傍がV字状に折り曲げ自在な連結部材35によって連結されている。外周側の縦材14a、14bは、分断部31において、それぞれの端部近傍が連結支持材36によって連結されている。
【0028】
布団敷板装置10を構成する各部材の材質としては、特に限定されるものではないが、本実施形態に係る布団敷板装置10では、木材が用いられている。布団敷板装置10の材質として、例えば、桐材等は、軽量で湿気対策に適しており、また、檜材等は、防虫効果や芳香作用が期待できるので好ましい。
【0029】
図3ないし
図5は、布団敷板装置10の起立した状態を示す図であり、
図3は、布団敷板装置10を敷板11側から見た斜視図、
図4は、布団敷板装置10を敷板12側から見た斜視図、
図5は、
図4に示すA矢視図である。
【0030】
図3ないし
図5に示すように、布団敷板装置10は、長手方向の略中央において連結部材17が折り曲げられることにより、逆V字状に折り曲げられて起立する。これにより、起立した布団敷板装置10に布団類を載せることができ、布団敷板装置10を布団類干しとして用いることができる。
【0031】
敷板11及び敷板12を連結する連結部材17は、例えば、布等によって略帯状に形成されている。連結部材17は、その両端部近傍が縦材13、14と横板15とによって挟まれて固定されている。
【0032】
具体的には、縦材13、14の端部近傍の横板15に対向する面には、連結部材17の厚みに略対応する深さの凹部が形成されており、この凹部に連結部材17が取り付けられている。連結部材17は、例えば、スクリュー釘等の図示しない固定具によって、縦材13、14の端面に固定されている。連結部材17の上方には、連結部材17を覆うように布等によって略帯状に形成されたカバー部材が設けられても良い。
【0033】
布団敷板装置10は、敷板11に回動自在に取り付けられている支持体20を有する。支持体20は、布団敷板装置10が逆V字状に折り曲げられた状態において、敷板11に対して回動して、床面等に載置される。
【0034】
そして、
図4及び
図5に示す如く、敷板12の端部近傍に設けられた横板15が支持体20の先端部近傍の上部に置かれて係止部材24に係合することにより、支持体20は、敷板11及び敷板12を支えて、布団敷板装置10を起立させた状態で支持することができる。
【0035】
支持体20は、
図1に示す如く、布団敷板装置10が展開された状態において布団敷板装置10の長手方向に延在する一対の縦材21を有する。縦材21は、敷板11の中央側に設けられる一対の縦材13に沿ってそれぞれ設けられ、縦材13に対して回動自在に軸支されている。
【0036】
一対の縦材21の上部には、布団敷板装置10の短手方向に延在する横板22及び横板23が取り付けられている。横板22、23は、略矩形板状に形成されており、横板22、23の幅は、敷板11に取り付けられている横板15の幅と略同じである。
【0037】
一対の縦材21の先端部には、布団敷板装置10の短手方向に延在する係止部材24が取り付けられている。係止部材24は、略四角柱状の形態をなし、一対の縦材21を連結するように、一対の縦材21の先端面に固定されている。
【0038】
即ち、一対の縦材21は、先端部近傍において、横板23及び係止部材24によって連結されて固定されており、
図3に示す如く、敷板11に支持されている端部近傍において、横板22によって連結されて固定されている。
【0039】
図1及び
図4を参照して、係止部材24の幅は、敷板11の横板15の幅よりも狭く形成されている。また、
図5に示すように、横板23と係止部材24との間の縦材21の上面には、下方に凹む凹部25が形成されている。凹部25には、敷板12の端部側の横板15が載置される。
【0040】
図3に示すように、敷板11の略中央、及び支持体20が支持されている端辺近傍には、横板15が配設されていない空所16が形成されている。即ち、空所16が設けられている箇所においては、横板15は、延在方向の略中央部において分断されており、敷板11の両側部側に長さの短い横板15が設けられている。
【0041】
更に詳しくは、空所16は、
図1に示す如く布団敷板装置10が展開された状態において、支持体20の横板22、23及び係止部材24に対応する位置に形成されている。これにより、支持体20の横板22、23及び係止部材24は、
図1に示す如く布団敷板装置10が平らに展開された状態、及び、
図6に示す如く布団敷板装置10が折り畳まれた状態においては、敷板11の空所16に収められる。
【0042】
ここで、支持体20の横板22、23及び係止部材24は、布団敷板装置10が展開されて平らになった状態において、敷板11の横板15と共に敷板11の上面を構成する。つまり、布団敷板装置10が平らにされた状態において、敷板11の横板15及び支持体20の横板22、23並びに係止部材24の上面は、略面一になり、敷板11の布団等が敷かれる上面となる。
【0043】
図5に示すように、布団敷板装置10は、支持体20の先端近傍と、連結部材17の近傍と、をつなぐように掛けられた紐26を有する。詳しくは、紐26は、支持体20の先端近傍において、一対の縦材21に形成された貫通孔に挿通されている。また、紐26は、
図3に示す如く、敷板11及び敷板12の間を通り、縦材13を連結している連結部材17の上に掛けられている。布団敷板装置10が逆V字状に起立した状態から、
図1に示す如く平らに展開された状態、または、
図6に示す如く折り畳まれた状態に戻される際に、利用者は、紐26を引いて支持体20の先端部を容易に引き上げることができる。
【0044】
図6は、布団敷板装置10の畳まれた状態を示す側面図である。
図3ないし
図6を参照して、分断部30において、縦材13aと縦材13bの端部近傍を連結する連結部材35は、例えば、布等によって略帯状に形成されている。連結部材35は、その両端部近傍が縦材13と横板15によって挟まれて固定されている。
【0045】
縦材13の端部近傍の横板15に対向する面には、連結部材35の厚みに略対応する深さの凹部が形成されても良く、この凹部に連結部材35が取り付けられても良い。連結部材35は、例えば、スクリュー釘等の図示しない固定具によって、縦材13の上面に固定されても良い。また、連結部材35の上方には、連結部材35を覆うように布等によって略帯状に形成されたカバー部材が設けられても良い。
【0046】
図6に示すように、布団敷板装置10は、連結支持材36(
図2参照)を取り外して、4つ折りに畳むことができる。即ち、布団敷板装置10は、敷板11と敷板12が連結されている長手方向略中央の連結部材17において逆V字状、即ち山折り状、に折り曲げられ、且つ、敷板11及び敷板12がそれぞれ長手方向略中央の分断部30、31においてV字状、即ち谷折り状、に折り曲げられる。そして、折り返された敷板11及び敷板12が重なり合うように折り畳まれる。
【0047】
上記のように布団敷板装置10を4つ折り状に畳むことにより、布団敷板装置10の上面は、約1/4の面積になる。そして、梱包サイズを小さくして運送時の取り扱いを容易にすることができる。
【0048】
具体的には、例えば、製品寸法が縦約200cm、横約100cm、高さ約4cmの布団敷板装置10であれば、4つ折りによって、縦約50cm、横約100cm、高さ約16cmに折り畳むことができる。これにより製品上面の面積は約1/4になり、梱包サイズは、約166cmになる。よって、搬送作業の作業者負担を軽減することができる。
【0049】
また例えば、製品寸法が縦約200cm、横約120cm、高さ約4cmの大きいサイズの布団敷板装置10であっても、縦約50cm、横約120cm、高さ約16cmに小さくすることができる。製品上面の面積は約1/4になり、梱包サイズは約186cmと小さくできる。よって、流通過程の取り扱いが容易になる。その結果として、運送コストの削減につながり、消費者が購入し易い製品価格にすることができる。
【0050】
また、布団敷板装置10を小さく折り畳むことができるので、利用者が布団敷板装置10を移動する作業も容易になる。また、布団敷板装置10を片付けて狭い収納場所に保管することも可能となる。
【0051】
前述のとおり、縦材13は、敷板11及び敷板12のそれぞれの中央付近においてV字状に折り曲げ自在に連結部材35によって連結されている。即ち、分断されている縦材13は、縦材14を連結固定している連結支持材36を取り外しても、折り曲げ自在な連結部材35によって連結支持されている。よって、連結支持材36を取り外しても、敷板11及び敷板12の中央付近は、切り離されてばらばらに分解されることはなく、折り曲げ自在な連結部材35によって連結支持される。これにより、連結支持材36を取り外した布団敷板装置10の折り曲げ作業や搬送作業を安全且つ容易に行うことができる。
【0052】
次に、敷板11及び敷板12を折り畳み自在とする縦材14の中央部近傍の構成について詳細に説明する。
図7は、布団敷板装置10の連結支持材36近傍を示す横断面図である。
図7に示すように、連結支持材36は略四角柱状の形態をなし、連結支持材36の縦材14に当接する面には、縦材14の内側面に向かって突出する凸部37が形成されている。凸部37は、布団敷板装置10の短手方向に突出する断面形態をなし、布団敷板装置10の長手方向に延在している。
【0053】
換言すれば、連結支持材36の縦材14に当接する面には、布団敷板装置10の短手方向内側に向かって凹む断面形態をなし、長手方向に延在する凹部38が形成されている。
連結支持材36の凸部37は、布団敷板装置10の上面側、即ち、横板15側に形成されており、凹部38は、底面側に形成されている。
【0054】
連結支持材36の凸部37に対応して、縦材14の連結支持材36に当接する内側面には、外側に向かって凹み長手方向に延在する凹部33が形成されている。
また、縦材14の連結支持材36に当接する内側面には、連結支持材36の凹部38に対応して、内側に向かって突出し長手方向に延在する凸部32が形成されている。
【0055】
分断されている縦材14a(
図2参照)と縦材14b(
図2参照)が連結支持材36によって連結固定される際には、上述した連結支持材36の凸部37が縦材14の凹部33に係合し、連結支持材36の凹部38が縦材14の凸部32に係合する。
【0056】
詳しくは、前述のとおり連結支持材36の凸部37は、布団敷板装置10の上面側に形成され、凹部38は、底面側に形成されている。そのため、布団敷板装置10に連結支持材36が取り付けられた際には、連結支持材36の凸部37は、縦材14の凸部32と横板15との間に挟まれることになる。
【0057】
これにより、連結支持材36と縦材14との当接面における滑りが抑えられ、縦材14は連結支持材36によって安全に連結固定される。例えば、
図3に示す如く布団敷板装置10を逆V字状に起立して布団類干しとして使用する際にも、布団類の荷重に耐え得る十分な強度が得られる。よって、連結支持材36近傍の縦材14連結部の曲がりや、連結支持材36の外れ、布団敷板装置10の倒れ等を防止して、布団敷板装置10を安全に使用することができる。
【0058】
また、連結支持材36の凸部37、凹部38、及び縦材14の凸部32、凹部33は布団敷板装置10の長手方向に延在する形態であるので、上記の如く高強度が得られるという利点に加え、これらの形状を形成するための切削加工が容易であるという利点もある。
【0059】
図8は、連結支持材36の接合部近傍の他の例として連結支持材136の接合部近傍を示す横断面図である。
図8に示す縦材114及び連結支持材136は、
図1ないし
図6を参照して既に説明した縦材14及び連結支持材36と略同等の構成であり、当接面の形態を変更した例である。
【0060】
連結支持材136の縦材114に当接する面には、その面の上下方向略中央に、縦材114の内側面に向かって突出する凸部137が形成されている。凸部137は、布団敷板装置10の短手方向に突出する断面形態をなし、長手方向に延在している。
【0061】
また、連結支持材136の凸部137に対応して、縦材114の連結支持材136に当接する内側面の略中央には、外側に向かって凹み長手方向に延在する凹部133が形成されている。
【0062】
そして、連結支持材136に形成された凸部137は、縦材114に形成された凹部133に嵌合し、これにより、連結支持材136と縦材114が安全に固定される。
なお、凸部137、凹部133の数については、1つに限定されるものではなく、それぞれ複数形成されても良い。
【0063】
図9は、連結支持材36の接合部近傍の他の例として連結支持材236の接合部近傍を示す横断面図である。
図1ないし
図6を参照して既に説明した縦材14及び連結支持材36は、
図9に示す連結支持材236の縦材214のように、互いに当接する面が略波状の凹凸形状に形成されても良い。なお、連結支持材236の縦材214の当接面以外の構成については、既に説明した縦材14及び連結支持材36と同等である。
【0064】
詳しくは、連結支持材236の縦材214に当接する面には、縦材214の内側面に向かって突出する凸部237と、内側に向かって凹む凹部238が波線状に連続する凹凸形状が形成されている。凸部237及び凹部238からなる断面略波線状の凹凸形状は、長手方向に延在している。
【0065】
また、連結支持材236の略波状の凹凸形状に対応して、縦材214の連結支持材136に当接する内側面も略波状の凹凸形状に形成されている。即ち、連結支持材236の凸部237に対応して、縦材214には、外側に向かって凹む凹部233が、連結支持材236の凹部238に対応して、縦材214には、内側に向かって膨らむ凸部232が形成されている。凹部233及び凸部232からなる凹凸形状は、連結支持材236の凹凸形状と同様に、長手方向に延在している。
【0066】
そして、連結支持材236に形成された凸部237、凹部238は、縦材114に形成された凹部233、凸部232に当接し、これにより、連結支持材236と縦材214が安全に固定される。
【0067】
なお、凸部237、凹部238、凹部233、凸部232の数は、
図8に記載した例に限定されるものではない。また、連結支持材236及び縦材214の当接面に形成される凹凸形状は、上記の例に限定されるものではなく、例えば、断面略鋸刃状であっても良い。
【0068】
図10は、布団敷板装置10の連結支持材36を固定する固定具を示す横断面図である。
図10に示すように、連結支持材36は、布団敷板装置10の外周長辺を形成する縦材14の内側面に取り付けられており、縦材14と連結支持材36は、固定具としての固定ねじ40及びナット41によって固定されている。
【0069】
固定ねじ40は、例えば、ねじ軸側の頭部の径が小さく形成されている皿ねじである。縦材14には、固定ねじ40を挿入する貫通孔34が、連結支持材36には、貫通孔39が形成されている。
【0070】
詳しくは、連結支持材36には、2か所に貫通孔39が形成されており、縦材14には、連結される一方の縦材14a(
図3参照)に1つの貫通孔34が、他方の縦材14b(
図3参照)にもう一つの貫通孔34が形成されている。
【0071】
固定ねじ40は、布団敷板装置10の外側から貫通孔34、貫通孔39の順に挿通され、布団敷板装置10の内側からナット41に螺合される。これにより、連結支持材36が縦材14a、14bに固定され、切断されている縦材14aと縦材14bが連結固定される。
【0072】
縦材14に形成された貫通孔34の外周側には、固定ねじ40の頭部に対応する皿穴、または、座繰りが形成されている。これにより、固定ねじ40の頭部は、縦材14の外周面から突出しない。このような形態により、縦材14と連結支持材36を固定する固定ねじ40が布団敷板装置10の外周から突出して布団類や利用者の足等に接触することを防止することができる。よって、連結支持材36を安全に利用することができる。
【0073】
ナット41は、利用者が手で摘まん回すことが可能な、例えば、蝶ナットやアイナットである。即ち、ナット41は、利用者が手動により縦材14と連結支持材36の固定及びその解除を行うための摘部となる。
【0074】
このような構成により、利用者は、連結支持材36を縦材14に取り付けて縦材14を連結固定する作業を容易に行うことができる。利用者は、例えば、ドライバや六角レンチ、その他の特殊な工具等を使用することなく、固定具の摘部となるナット41を手で摘まんで、縦材14と連結支持材36を固定する作業または切り離す作業を、容易に、そして安全に、実行することができる。
【0075】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
【符号の説明】
【0076】
10 布団敷板装置
11 敷板
12 敷板
13、13a、13b 縦材
14、14a、14b 縦材
15 横板
16 空所
17 連結部材
20 支持体
21 縦材
22 横板
23 横板
24 係止部材
25 凹部
26 紐
30 分断部
31 分断部
32、232 凸部
33、133、233 凹部
34 貫通孔
35 連結部材
36、136、236 連結支持材
37、137、237 凸部
38、238 凹部
39 貫通孔
40 固定ねじ
41 ナット