(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】携帯端末及び販売システム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/01 20060101AFI20231227BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
G07G1/01 301E
G07G1/12 301E
(21)【出願番号】P 2019233565
(22)【出願日】2019-12-24
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】金子 知樹
(72)【発明者】
【氏名】黒崎 直人
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 和哉
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-220143(JP,A)
【文献】国際公開第2019/181034(WO,A1)
【文献】特開2010-157048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の操作によって商品の登録を行う携帯端末と、登録された商品の商品情報に基づいて精算を行う精算装置と、を備えた販売システムであって、
前記携帯端末は、
計時手段と、
商品の販売管理期限情報を含むバーコードを読み取り可能な読取手段
と、
前記計時手段で計時した時間と、前記読取手段で読み取ったバーコード
に含まれた商品の販売管理期限情報に基づく時間とに基づいて、当該商品が所定の期限を超過しているときには、
当該商品の販売に制限がある旨の報知を行う
報知手段と、を備え、
前記精算装置は、
前記商品情報を取得する取得手段と、
前記商品情報に応じた表示を行う表示手段と、を備え、
前記表示手段は、前記取得手段が取得した前記商品情報に所定の期限を超過している商品の商品情報が含まれていた場合、当該商品を回収することを促す表示を行なうと共に、当該商品の回収が完了した旨を確認するための表示を行うことを特徴とする販売システム。
【請求項2】
商品の販売管理期限情報を含む商品情報に基づいて精算を行う精算装置であって、
前記商品情報を取得する取得手段と、
前記商品情報に応じた表示を行う表示手段と、を備え、
前記表示手段は、前記取得手段が取得した前記商品情報に所定の期限を超過している商品の商品情報が含まれていた場合、当該商品を回収することを促す表示を行なうと共に、当該商品の回収が完了した旨を確認するための表示を行うことを特徴とする精算装置。
【請求項3】
さらに、所定の期限を超過している商品の回収が行われると、顧客に対して特典を付与する付与手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の販売システム。
【請求項4】
前記報知手段は、計時手段で計時した時間と、前記読取手段で読み取ったバーコードに含まれた商品の販売管理期限情報に基づく時間とに基づいて、当該商品が所定の期限を超過しているときには、当該商品の販売に制限がある旨の報知を行うと共に、新たな商品の提供を希望する旨の選択肢を含む複数の選択肢を提示し、
顧客が新たな商品の提供を希望することを選択した場合に、店員に対し新たな商品を生産することを指示することを特徴とする請求項1または3に記載の販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客自らの商品登録操作によって商品の登録処理を実行する携帯端末及び販売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客が所有するスマートフォンなどの携帯端末にショッピング用アプリケーションをインストールして、店舗において顧客が自らの商品登録を行う登録装置として利用するセルフ販売システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記セルフ販売システムにおいては、顧客が所有するスマートフォンを利用した商品の登録処理によって、レジによる商品登録処理を省くことができ、スムーズに買い物をすることができる。
【0005】
しかし、さらに使い勝手の良いセルフ販売システムが求められていた。
【0006】
本発明は、セルフ販売システムにおいて、良好な商品の販売管理を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、顧客の操作によって商品の登録を行う携帯端末と、登録された商品の商品情報に基づいて精算を行う精算装置と、を備えた販売システムであって、前記携帯端末は、計時手段と、商品の販売管理期限情報を含むバーコードを読み取り可能な読取手段と、前記計時手段で計時した時間と、前記読取手段で読み取ったバーコードに含まれた商品の販売管理期限情報に基づく時間とに基づいて、当該商品が所定の期限を超過しているときには、当該商品の販売に制限がある旨の報知を行う報知手段と、を備え、前記精算装置は、前記商品情報を取得する取得手段と、前記商品情報に応じた表示を行う表示手段と、を備え、前記表示手段は、前記取得手段が取得した前記商品情報に所定の期限を超過している商品の商品情報が含まれていた場合、当該商品を回収することを促す表示を行なうと共に、当該商品の回収が完了した旨を確認するための表示を行うことを特徴とする販売システムである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態の販売システムの全体構成を示す模式図の一例である。
【
図2】一実施形態の販売システムのデータを示す図である。
【
図3】一実施形態の販売システムの精算装置の一例の図である。
【
図4】一実施形態の販売システムの全体フローの一例である。
【
図5】一実施形態の販売システムの携帯端末の画面の一例である。
【
図6】一実施形態の販売システムの携帯端末の画面の一例である。
【
図7】一実施形態の販売システムの携帯端末の画面の一例である。
【
図8】一実施形態の販売システムの精算装置の画面の一例である。
【
図9】一実施形態の販売システムの商品に付されたバーコードの一例である。
【
図10】一実施形態の販売システムの携帯端末の画面の一例である。
【
図11】一実施形態の販売システムの精算装置の画面の一例である。
【
図12】一実施形態の販売システムの販売期限管理部分のフローの一例である。
【
図13】一実施形態の販売システムの買い物カートの一例である。
【
図14】一実施形態の販売システムのブロック図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一実施形態の販売システムの一例について、図面を参考に説明する。
-販売システムの全体構成-
本実施形態の販売システム1は、
図1に示すように、管理装置(ストアコントローラ)10と、クラウドサーバ20と、精算装置30と、携帯端末40と、監視装置50等を備えており、店舗において携帯端末40を用いて顧客自らが購入する商品の登録処理を行い、顧客自身によって店舗に配置された精算装置30で精算処理を行うサービスを提供することができる。
【0010】
管理装置10と、精算装置30と、監視装置50は、店舗内に配置され、有線もしくは無線のネットワークを介して通信可能に接続されている。
管理装置10は、インターネット等のネットワークを介してクラウドサーバ20と通信可能である。
【0011】
管理装置10は、ネットワーク内の各装置を管理する装置である。例えば、管理装置10は、外部の装置(例えば、不図示の本部のサーバ、クラウドサーバ20)から、商品ファイル(商品マスタ)等を受信し、精算装置30等に供給する。
【0012】
クラウドサーバ20は、各種サービスを提供するサーバである。例えば、クラウドサーバは、顧客自身が携帯端末を使用して商品を登録するサービスを提供し、当該サービスに関係する各種情報(例えば、カートファイル等)を管理する。
また、クラウドサーバは、商品ファイルや、顧客ファイル、店舗ファイル等を管理する。
【0013】
商品ファイルは、
図2(a)に示すように、各商品に割り当てられた商品識別情報(例えば、JANコード,PLU)に対して、商品名(品名、アイテム名)、販売価格、値引情報などの商品情報が紐づけられて記憶されたファイルである。また、商品ファイルは、例えば商品の販売期限や商品を販売している店舗を示す店舗識別情報を含んでいてもよい。
【0014】
店舗ファイルは、
図2(b)に示すように、店舗識別情報(識別番号)と、店舗名と、店舗のGPS情報等の位置情報と、店舗を示す2次元コード等が紐づけて記憶されたファイルである。
店舗ファイルに記憶された情報によって、例えば、位置情報から店舗を検索することができる。
【0015】
顧客ファイルは、
図2(c)に示すように、店舗の会員となることで割り当てられる顧客識別情報(識別番号)と、会員となった顧客名等の会員情報(氏名、住所、クレジットカード番号等)が紐づけられて記憶されたファイルである。
顧客ファイルに記憶された情報によって、例えば、顧客識別情報から顧客が利用する店舗情報やクレジットカード情報を特定することができる。
【0016】
カートファイルは、
図2(d)に示すように、顧客の買い物を識別するカートID(識別番号)と、該買い物において登録した商品の商品識別情報(例えば、JANコード,PLU)、販売価格等が紐づけられて記憶されたファイルである。また、カートファイルは、例えば商品の販売期限を含んでいてもよい。
カートIDは、例えば店舗識別情報と日付とシリアル番号等の組合せで構成してもよい。
【0017】
精算装置30は、精算処理を実行する装置である。精算装置30は、例えば、携帯端末40を用いて商品登録を行った顧客によって使用される。
精算装置30は、2次元コード等を読み取るためのバーコードリーダー、プリセットキー、CCDカメラ、タッチパネル等の入力部350と、読み取った商品の情報等を表示するタッチパネル等の表示部360、レシート等を印刷する印刷部等を有する。
【0018】
精算装置30の一例としては、精算専用のPOS端末があげられる。
その他、店員が顧客の購入する商品の登録処理を行い、顧客が自ら精算処理を行う方式(セミセルフ式)のPOSであってもよい。セミセルフ式のPOSの場合、登録処理を行う登録装置と精算装置が分離しており登録装置によって登録処理がなされた登録情報を精算装置に出力して精算装置において顧客自らが精算処理を行うPOSであってもよいし、店員に向けられた登録処理を行う画面と顧客に向けられた精算処理を行う画面及び現金処理部を有する対面式のPOSであってもよい。
また、精算装置30は、顧客が自ら購入する商品の登録処理と精算処理を行う、すなわち店員が介在しない方式(フルセルフ式)のPOSであってもよい。
【0019】
また、精算装置30は、混雑状況や店員状況等に応じて切替えることで、上記顧客が自ら精算処理を行うセミセルフ式のPOSと、上記対面式のセミセルフPOSと、上記フルセルフ式のPOSのいずれかに切り替えることができる切換え型POSであってもよい。
切換え型POS端末(精算装置30)の一例を
図3に示す。
図3に示すPOS端末の例では、テーブル70aを備えている。
また、精算装置30は、店員が顧客の購入する商品の登録処理及び精算処理を行う通常のPOSレジであってもよい。
すなわち、精算処理ができる装置であれば、何ら限定されない。
【0020】
携帯端末40は、例えば、顧客が個人的に所有するスマートフォンに専用のアプリを導入したものが用いられる。
携帯端末40は、撮像するためのカメラ(入力部)450と、タッチパネル等の表示部(表示入力部)460等を備えている。また、携帯端末40は、GPS、姿勢を検出するジャイロセンサ、携帯端末40の移動加速度を検出する加速度センサ等を備えていている。
【0021】
携帯端末40を、例えば買い物カート90に装着して使用されることが好ましい。
例えば、
図12に示すように、店舗は、店舗で使用する買い物カート90として携帯端末ホルダ91を備えた専用の買い物カート90を準備しておき、顧客は、該専用の買い物カート90の携帯端末ホルダ91に携帯端末40を装着して買い物を行う。
顧客は、携帯端末ホルダ91に装着された携帯端末40に商品のバーコードを読み取らせ、そのまま買い物カート90の買い物かご92に装着された買い物バック95入れることで商品登録を行うことができる。
なお、携帯端末40は、店舗貸出用の専用の携帯端末を顧客に貸し出してもよく、専用の携帯端末40が備え付けられているカートを顧客に貸し出すようにしてもよい。
【0022】
監視装置50は、主にネットワーク内の各種装置を監視する装置である。監視装置は、他の装置(精算装置等)の可動状況等を監視し、他の装置における各種情報を表示したり、他の装置に対する各種命令を出力したりする。
【0023】
以上、本実施形態の販売システムについて説明したが、販売システム1の構成は、本実施形態に限定されるものではない。
例えば、クラウドサーバに代えて、他の装置(例えば、本部のサーバ)等が商品ファイル、カートファイルを管理してもよく、管理装置が監視装置を兼ねるものであってもよい。
また、複数種類の精算装置を備えたものでもよく、精算装置や携帯端末等の数についても特に限定されない。
【0024】
なお、本実施形態の販売システムは、携帯端末40を利用しない商品登録処理及び精算処理についても、対応可能である。
【0025】
-本実施形態の販売システムにおける取引の流れ-
本実施形態の販売システムにおける基本的な取引の流れについて、
図4に示すフローチャートを参考にして説明する。
図4に示すフローチャートは、顧客がある店舗に来店し、専用のアプリが導入された携帯端末40を用いて店舗に陳列されている商品を自ら登録し、登録した商品について精算装置30にて精算を完了するまでの各装置(携帯端末40、クラウドサーバ20、精算装置30)の処理の流れを示したものである。
【0026】
(ステップS401:店舗特定情報を取得)
携帯端末40は、店舗特定情報を取得する。
例えば、顧客が、携帯端末40に導入された専用のアプリを起動することで、携帯端末40は、GPS情報(位置情報)を取得し、取得した位置情報をクラウドサーバ20に送信する。
携帯端末40の現在の位置情報を受信したクラウドサーバ20は、携帯端末40の近くに存在する店舗を検索して携帯端末40に送信する。
【0027】
携帯端末40は、受信した店舗の情報に基づいて買い物(取引)を行う店舗を特定する店舗特定情報を取得する。
なお、顧客が携帯端末40によって店舗の入口付近に表示されている2次元コード等を読み取ることで、携帯端末40は、店舗を特定する店舗特定情報を取得してもよい。
【0028】
(ステップS402:店舗特定情報を送信)
店舗特定情報を取得した携帯端末40は、当該店舗特定情報を顧客識別情報とともにクラウドサーバ20に送信する。
【0029】
(ステップS201:カートフィルを生成)
携帯端末40から店舗特定情報及び顧客識別情報を受信したクラウドサーバ20は、当該取引のカート(買い物)ファイルを生成する。
【0030】
(ステップS202:商品ファイルへのアクセスを許可)
カートファイルを生成したクラウドサーバ20は、携帯端末40に対してカートファイルのカートIDを送信するとともに、当該店舗の商品ファイルへのアクセス許可を与える。
【0031】
(ステップS403:開始画面を表示)
カートIDを受信した携帯端末40は、カートIDを記憶するとともに、表示部460に、開始画面800を表示する。
開始画面800の一例を、
図5(a)に示す。
【0032】
携帯端末40は、開始画面800に、店舗における商品登録を開始することを宣言する買い物開始ボタン800aを表示する。
【0033】
(ステップS404:登録画面の表示)
顧客が開始画面800に配置された買い物開始ボタン800aを操作することで、携帯端末40は、表示部460に、登録画面810(初期登録画面)を表示する。
登録画面810の一例を、
図5(b)に示す。
【0034】
携帯端末40は、登録画面810の上方領域に、携帯端末40のカメラ(入力部)450が撮像している撮像データを表示する第1の表示領域811を配置する。
携帯端末40は、登録画面810の第1の表示領域811に、「商品バーコードを読み取ってください」等の操作を促す表示811aとともにバーコード(なお、バーコードに限定されない)を認識する読取範囲を示す目印811bを視認可能に表示する。
【0035】
(ステップS405:商品コードを読み取る)
登録画面810を表示した携帯端末40は、顧客が商品に付されたバーコードを撮像することで、商品コード(商品識別情報)を読み取る。
【0036】
例えば、顧客が、購入する商品を陳列棚から取り出して買い物バック95に入れる際に、商品に付されたバーコードを登録画面810の第1の表示領域811に表示された目印811b内に収めて撮像することで、携帯端末40は、商品コード
を読み取る。
【0037】
(ステップS406:商品コードを送信)
携帯端末40は、読み取った商品コードと、カートIDをクラウドサーバ20に送信する。
【0038】
(ステップS203:カートファイルの更新)
携帯端末40から商品コードとカートIDを受信したクラウドサーバ20は、カートIDからカートファイルを特定し、商品コードに基づいてカートファイルの情報を更新する。
【0039】
(ステップS204:取引情報を送信)
カートファイルを更新したクラウドサーバ20は、更新後のカートファイルに対応する取引情報をカートIDとともに携帯端末に送信する。
例えば、更新後のカートファイルに基づいて取引の小計金額もしくは概算金額を算出し、カートIDとともに携帯端末40に送信する。
【0040】
(ステップS407:取引情報を表示)
クラウドサーバ20からカートIDと取引情報を受信した携帯端末40は、当該カートIDが携帯端末40で記憶しているカートIDと一致するかを確認した後、受信した取引情報に基づいて登録画面810を更新して表示する。
更新された登録画面810を、
図6(a)に示す。
【0041】
図6(a)に示す登録画面810は、鯖缶が商品登録された状態を示している。
携帯端末40は、登録画面810の下方領域に、登録した商品の情報を表示する第2の表示領域812及び現時点での登録状況を表示する第3の表示領域813を表示する。
【0042】
携帯端末40は、第2の表示領域812に、商品名等の商品情報812a、購入数量812b及び商品の価格812cを表示し、第3の表示領域813に、現時点での登録点数813a、概算合計813bを表示する。また、会計指示を受け付ける会計ボタン813cを表示する。
顧客は、携帯端末40の登録画面810において登録した商品を確認することができ、購入数量812b等を操作することで、登録した商品の数量変更や削除等を行うことができる。
【0043】
(ステップS408:会計指示を受付)
登録画面810を更新した携帯端末40は、顧客による会計指示を受け付ける。具体的には、携帯端末40は、会計ボタン813cの操作を受け付ける。
なお、顧客が会計ボタン813cの操作を行うことなく、続けて商品に付されたバーコードを撮像した場合には、ステップS205に戻ってステップS207までの処理を会計ボタン813cが操作されるまで繰り返す。
複数回の商品コードが読み取られ、更新された登録画面810を、
図6(b) に示す。
【0044】
図6(b)に示す登録画面810は、顧客によって、鯖缶と、ヨーグルトと、プリンの商品コードが読み取られて更新された登録画面810であり、第2の表示領域812には、各商品の名称および価格が表示されるとともに、第3の表示領域813には、お買い物点数及び合計金額が表示されている。
【0045】
(ステップS209:会計情報を表示)
会計指示を受け付けた携帯端末40は、精算用の2次元コード840aを生成し、表示部460に表示する。つまり、携帯端末は、当該携帯端末40による登録商品についての精算処理を実行するために必要となる会計情報(例えば、カートID)を2次元コード化し、表示部460に表示する。
会計情報(2次元コード)840aを表示した会計画面840を、
図7(a)に示す。
【0046】
会計画面840には、会計情報(2次元コード)840aが表示されているとともに、買い物に戻るボタン840bが表示されている。
顧客が、買い物に戻るボタン840bを操作することで、携帯端末40は、登録画面810を表示する。
【0047】
(ステップS301:会計情報を読み取る)
顧客の読取操作に応じて、精算装置30は、携帯端末40の会計画面840に表示されている会計情報(2次元コード)840aを読み取る。
例えば、顧客が携帯端末40の表示部460に2次元コード840aを表示させ、精算装置30の入力部350に向けることで、精算装置30は、携帯端末40の表示部460に表示されている2次元コード840aを読み取る。
【0048】
(ステップS302:小計金額を要求)
2次元コード840aを読み取った精算装置30は、クラウドサーバ20に小計金額を要求する。例えば、精算装置30は、2次元コード840aから取得したカートIDと、小計金額を要求する小計要求情報をクラウドサーバ20に送信する。
【0049】
(ステップS205:小計金額を算出)
精算装置30からカートIDと小計要求情報を受信したクラウドサーバ20は、カートIDから当該取引で登録された商品情報を特定し、商品情報の情報に基づいて当該取引の小計金額を算出する。
【0050】
(ステップS206:小計金額を送信)
小計金額を算出したクラウドサーバ20は、カートファイルを更新するとともに、算出した小計金額をカートIDとともに精算装置30に送信する。
【0051】
(ステップS303:精算画面を表示)
クラウドサーバ20からカートID及び小計金額を受信した精算装置30は、表示部360に精算確認画面900を表示する。
精算確認画面900の一例を、
図8(a)に示す。
【0052】
顧客が、精算確認画面900において買い物の内容を確認し、会計ボタン900aを操作することで、精算装置30は、精算画面950を表示する。
精算画面950の一例を、
図8(b)に示す。
【0053】
(ステップS304:精算)
精算画面950には、支払金額と会計方法を選択する現金ボタン950aとクレジットカードボタン950bが表示されており、顧客が何れかのボタンを操作して精算を行うことで、精算装置30は、精算を実行して取引を完了する。
以上、本実施形態の販売システムにおける基本的な取引の流れについて、説明した。
【0054】
-販売期限切れ商品への対応-
通常、スーパーマーケット等の店舗においては、肉類、総菜等には消費期限等が設定されており、所定時間ごとに店員が販売期限切れの商品を回収している。
しかし、例えば顧客が購入しようと買い物かごに入れた後に陳列棚に戻したり、また、店員による回収漏れ等が生じたりすることによって、販売期限切れの商品が陳列棚に残ってしまう可能性があった。
【0055】
本実施形態の販売システムにおいては、顧客が携帯端末によって商品登録を行っていることを利用し、顧客に対して、販売期限超過もしくは販売期限間近の商品の回収を手助けしてもらい、販売期限超過した商品のスムーズな回収を実現するものである。以下、説明する。
【0056】
(携帯端末における対応)
本実施形態の販売システム1において、顧客が携帯端末40を用いて読み取った商品が販売期限超過の商品である場合には、携帯端末40は、所定の報知を行う。
【0057】
商品の販売期限は、商品に付されたバーコードに当該商品の販売期限(消費期限、賞味期限)の情報(販売管理期限情報)を含ませておき、携帯端末40によってバーコードを読み取ることで取得できるようにすればよい。
【0058】
賞味期限を含ませて商品に付するバーコードとして、例えば、
図9(a)に示す、GSIデータバー等を用いることができる。なお、バーコードは、CODE128を用いてもよい。
図9(a)に示す例では、GTIN(商品識別コード(情報))をAI=01で数字14桁で表し、賞味期限をAI=17で数字6桁で表し、ロット番号をAI=10で英数記号最大20桁でそれぞれ表されている。
【0059】
商品に付するバーコードはGSIデータバー等に限定されず、例えば、
図9(b)に示すように、13桁の10進法を表すバーコードとし、2桁(9桁目と10桁目)で消費期限日(販売期限日)を構成し、次の2桁(11桁目と12桁目)で消費期限時間(販売期限時間)を構成したバーコードでもよい。
【0060】
また、年情報、日情報を持たずに、2桁で99時間(約4日)を表してもよい。なお、時間は、3桁で999時間(約42日)を表したり、4桁で9999時間を表したりしてもよく、製造日等の情報と合わせて消費期限を取得できるようにしてもよい。
なお、消費期限が短い商品については、例えば4桁で166.6時間、3桁で16時間分を表すなどしてもよい。
【0061】
また、例えば生鮮食品を一つずつパックして販売する商品に付するバーコードに、例えば
図9(c)に示すように、各個体を特定する情報(パックID番号)を含ませるとともに、クラウドサーバ20等に記憶された商品ファイル等に各個体の情報(パックID)及び製造時間や賞味期限・消費期限日または日数を保持させることで、販売期限(賞味期限・消費期限)を判断するようにしてもよい。
【0062】
そして、携帯端末40は、取得した販売期限情報(消費期限)が計時した現在時刻よりも前であった場合など、当該商品の販売期限が超過している場合には、当該商品が販売期限超過であり、販売できないことを表示部460に表示する。
【0063】
また、携帯端末40は、バーコードを読み取った商品の販売期限が超過している場合には、当該商品を所定の回収位置に回収することを促す旨の報知をしてもよい。
また、携帯端末40は、バーコードを読み取った商品の消費期限が超過している場合には、当該商品を店員に渡すことを促す旨の報知をしてもよい。
また、携帯端末40は、バーコードを読み取った商品の消費期限が超過している場合には、当該商品をもとあった場所に戻してもらうことを促す旨の報知をしてもよい。
【0064】
例えば、携帯端末40は、表示部460に当該商品が販売期限超過であることを報知する小画面710を表示する。
小画面710の一例を、
図10(a)に示す。
【0065】
小画面710には、バーコードを読み取った商品は販売期限超過により販売できない旨、及び、当該商品を店員に渡すか、所定の回収位置に置くことを促す表示710aがされている
また、小画面710には、OKボタン710bが表示されている。
顧客が、OKボタン710bを操作することで、携帯端末40は、小画面710を消去する。
【0066】
なお、当該商品を店員に渡すタイミングは特に限定されるものではない。例えば、携帯端末40は、店舗内にいる店員に適宜渡すことを促してもよいし、店員を当該商品回収のために呼び出して、回収に呼び出された店員に渡すように促してもよい。また、携帯端末40は、商品の精算時に店員に渡すことを促す表示をしてもよい。
【0067】
また、商品を回収する回収場所は店舗内のどこに設けてもよく、精算装置30の近傍に設けられていてもよい。その場合に、携帯端末40は、商品の精算時に販売期限超過の商品を回収場所に置くことを促す表示をしてもよい。
【0068】
さらに、携帯端末40は、バーコードを読み取った商品の販売期限が超過している場合には、当該商品の替わりの商品を買い物かごに入れることを促す旨の報知をしてもよい。そのとき、販売期限が超過している商品は、特別な保留商品として登録してもよく、精算装置30で回収する旨を表示部460に表示してもよい。
【0069】
なお、替わりの商品は、全く同じ商品の在庫があれば、同じ商品を買い物かごに入れることを促せばよいが、同じ商品の在庫がないことが分かっている場合には、同様の商品を奨めるようにしてもよい。顧客が、販売期限が超過している商品に替わる商品を登録して、販売期限が超過している商品を回収場所や元の場所に置いた場合は、販売期限が超過している商品を特別な保留商品として登録しなくてもよい。すなわち、精算装置30において販売期限が超過している商品に関する処理を行う必要がない場合には、当該商品を保留商品としなくてもよい。
なお、顧客が、販売期限が超過している商品に替わる商品を登録した場合、もしくは、販売期限が超過している商品を回収場所や元の場所に置いた場合のいずれかの場合において、当該商品を保留商品としないようにしてもよい。
【0070】
また、販売システム1は、携帯端末40がバーコードを読み取った商品の販売期限が超過している場合には、販売期限超過商品が顧客によって登録されたことを店員が所有する携帯端末もしくは精算装置30等に送信してもよい。
【0071】
なお、販売システム1は、当該商品が販売期限超過であることを店員に送信するとともに、当該商品の陳列位置情報を併せて送信してもよい。
携帯端末もしくは精算装置30等によって販売期限超過の商品が顧客に登録されたこと、及び当該商品の陳列位置情報を知った店員は、販売期限超過の商品の回収のために店舗内を探しやすい。
また、商品がもとあった場所に戻された場合に、当該商品をスムーズに回収することができる。
【0072】
携帯端末40が行う所定の報知は、上記のいずれか一つの報知を実行してもよいが、上記の報知のいくつかをあわせて実行してもよく、その他、報知の対象、内容や方法は限定されるものではない。
【0073】
(精算装置における対応)
本実施形態の販売システム1においては、顧客が携帯端末40を用いて登録した商品に販売期限超過の商品が含まれていた場合には、精算装置30は、所定の報知を行う。
【0074】
例えば、精算装置30は、顧客の携帯する携帯端末40の表示部460に表示された2次元コードを読み取り、顧客が登録した商品に販売期限超過の商品(特別な保留商品等)が含まれている場合には、表示部360に当該商品が販売期限超過であることを表示する。
【0075】
また、精算装置30は、顧客が登録した商品に販売期限超過の商品が含まれている場合には、表示部360に当該商品を回収することを促す表示をする。
さらに、精算装置30は、当該商品の代替商品を探すことを指示する表示をしてもよい。
【0076】
具体的には、精算装置30は、表示部360に表示された精算確認画面900に販売期限超過の商品があることを報知する小画面720を表示する。
精算装置30の表示部360に表示された小画面720の一例を、
図11(a)に示す。
【0077】
小画面720には、顧客が登録した商品に販売期限超過により販売できない商品が含まれている旨、当該商品を回収する旨、及び、当該商品の代替商品を探す旨の表示720aがされている
また、小画面720には、回収完了ボタン720bが表示されている。
店員が、商品を回収し、回収完了ボタン720bを操作することで、精算装置30は、小画面720を消去する。
【0078】
なお、顧客が、販売期限超過の商品の替わりの商品を買い物かごに入れており、すでに販売期限超過の商品を所定の回収場所においた場合には、精算装置30は、表示部360に当該商品を回収することを促す表示や当該商品の代替商品を探すことを指示する表示をしなくてもよい。
【0079】
(特典の付与)
本実施形態の販売システム1は、顧客が販売期限超過の商品の回収に協力した場合には、顧客に対して特典を付与する。
【0080】
例えば、販売システム1は、携帯端末40の表示部460に表示される、商品を店員に渡すことを促す旨の報知に従って商品を店員に渡した顧客に対して、店舗で使用できるポイントを付与する。
【0081】
また、販売システム1は、販売期限超過の商品の回収に協力した顧客に対して、店舗で使用できるポイントを付与する。
販売システム1は、携帯端末40の表示部460に表示される商品を所定の回収位置に回収することを促す旨の報知に従って商品を回収位置に置いた顧客に対して、店舗で使用できるポイントを付与する。
【0082】
なお、顧客が回収位置に商品を置いたことを確認するために、商品の回収位置に回収確認バーコードを設けておき、顧客の携帯端末40よって回収確認バーコードを読み取った場合に、販売システム1は、携帯端末40が商品を回収したと判断して、店舗で使用できるポイントを付与する。なお、上記回収確認バーコードを設けることに代えて、回収確認ボタン等を配置してもよい。
また、顧客の携帯端末40が回収位置を含む処理のエリアに入ることで、近距離無線等によって検出し、回収したと判断して、店舗で使用できるポイントを付与してもよい。
【0083】
なお、販売システム1が顧客に対して与える特典は、ポイント付与に限定さえない。例えば、顧客に対してクーポン等を発行するようにしてもよいし、顧客の当該買い物に対して、所定の割引を行うようにしてもよい。
【0084】
顧客の買い物に対する所定の割引は、例えば、販売期限超過の商品の代替商品に対して、1割引などの割引をしてもよく、買い物全体に対して、数%引などの割引を行ってもよい。
【0085】
販売システム1が行う特典の付与は、上記のいずれか一つの特典を付与すればよいが、上記の特典のいくつかをあわせて付与してもよく、その他、付与の内容や方法は限定されるものではない。販売システム1は、どのような特典を付与するかを設定できるようにしてもよい。
【0086】
また、販売システム1は、顧客に対して、販売期限超過の商品を回収することで、特典が付与されることを知らせてもよい。
例えば、顧客が携帯端末40を用いて読み取った商品が販売期限超過の商品であった場合には、携帯端末40は、所定の報知を行うとともに、当該商品を回収することで特典が付与されることを報知してもよい。
【0087】
本実施形態の販売システム1は、商品が販売期限超過である場合に報知しているが、商品が販売期限超過に近づいている場合に、所定の報知を行うようにしてもよい。
【0088】
例えば、携帯端末40は、商品に付されているバーコードを読み取り、バーコードに基づいて取得した販売期限情報(消費期限)と現在時刻とを対比し、当該商品の販売期限が近付いている場合には、当該商品が販売期限が近い商品であることを表示部に表示する。
【0089】
なお、当該商品の販売期限が近い商品であること判断は、例えば、顧客によって異ならせてもよい。例えば、当該顧客の過去の購買実績や平均店内滞留時間とうに基づいて販売期限が近い商品であることを知らせる閾値を設定してもよい。
また、「○○時までに購入してください。」、「消費期限は、○○時です。」等の報知をしてもよい。
【0090】
また、携帯端末40は、バーコードを読み取った商品が、例えば弁当や総菜などで所定時間後に販売期限超過となる場合には、当該商品は販売期限が近い商品であることを表示部に表示するとともに、当該商品を購入する場合には、所定の値引きが適用されることをあわせて表示するようにしてもよい。
【0091】
また、携帯端末40は、キムチなどの販売期間において味が変化する商品である場合には、販売期限までの期間に応じて値引きを適用し、残りの期間の長さに応じて値引率が変化することを表示部に表示してもよい。
【0092】
(販売期限超過商品に対する生産指示)
携帯端末40が販売期限の超過している商品のバーコードを読み取った場合に、当該販売期限の超過している商品について、在庫の確認および陳列の指示ができるようにしてもよい。
また、当該商品が、生鮮商品のパック詰め商品等店舗で生産している商品である場合には、商品の生産の指示ができるようにしてもよい。
【0093】
例えば、顧客がバーコードを読み取った商品が販売期限の超過している商品であった場合で、替わりの同一商品が十分存在する場合や代わりとなる代替品が十分存在する場合には問題はないが、同一商品や代替品が存在しない場合などには、携帯端末40は、表示部460に当該商品についての対応を選択するための小画面730を表示してもよい。
小画面730の一例を、
図10(b)に示す。
【0094】
図10(b)に示す小画面730には、バーコードを読み取った商品は販売期限超過により販売できない旨を表示するとともに、当該商品について、「同一商品を購入する。」、「代替品を購入する。」、「在庫の確認を希望する。」、「新たな商品の生産を希望する。」、「購入を取り消す。」等の選択ボタン730aを表示して、顧客が対応を選択できるようにしてもよい。
なお、併せて当該商品を店員に渡すか、所定の回収位置に置くことを促す表示等をしてもよい。
【0095】
当該商品の在庫が存在しないことが分かっている場合や新たな商品を作るための材料の在庫が存在しないことが分かっている場合には、各場合に対応する「在庫の確認を希望する。」、「新たな商品の生産を希望する。」等の選択ボタン730aを非表示や操作不能に表示して選択できないようにすることが好ましい。
【0096】
顧客が「同一商品を購入する。」、「代替品を購入する。」、「購入を取り消す。」などの選択ボタンを選択することで、携帯端末40は、小画面730を消去する。その後、顧客は、必要に応じて同一商品や代替品のバーコードを読めばよい。
一方、顧客が「在庫の確認を希望する。」、「新たな商品の生産を希望する。」の選択ボタンを選択することで、携帯端末40は、店員に対して、在庫の確認及び陳列の指示を報知したり、新しい商品の追加生産の指示を報知したりしてもよい。
【0097】
なお、顧客が「新たな商品の生産を希望する。」の選択ボタンを選択した場合であって、生産に時間がかかるような場合には、携帯端末40は、表示部460に新たな商品の生産に時間がかかる旨の表示をするとともに、生産を待つか取り消すかを選択するボタンを表示してもよい。
【0098】
なお、買い物の精算を精算装置において済ませたのちに、生産を希望した新たな商品の受け取りを行えるようにしてもよい。
その場合には、生産中の商品のステータスを「生産中」として、
図11(b)に示すように、精算装置30の表示部に生産中の商品が存在する旨を伝える小画面740を表示するとともに、商品が生産中であることを示す表示900bをしてもよい。
また、
図7(b)に示すように、携帯端末40の表示部460に生産中の商品が存在する旨の表示840cするようにしてもよく、レシートに、生産中の商品が存在する旨及び後から商品を受け取るための受取番号等を印刷してもよい。
【0099】
商品の生産が完了したら、携帯端末40は、当該商品の生産が完了した旨、商品はサービスカウンター等で受け取る旨の表示をするようにしてもよく、顧客は、サービスカウンターにおいて、レシートに印刷された商品の受取番号やバーコードもしくは携帯端末40の2次元コードを再度読み取ることで、商品の受け取りができるようにしてもよい。
【0100】
-販売期限超過商品を読み取った際のフローチャート-
顧客が、携帯端末40によって、販売期限超過の商品を読み取った際に所定の報知を行うためのフローチャートの一例を、
図10に示す。
本フローチャートは、
図4に示すフローチャートのステップS203からステップS204の処理に関するフローチャートである。
図4のステップS203からステップS204の間の処理について説明する。
【0101】
(ステップS405:商品コードを読み取る)
登録画面810を表示した携帯端末40は、顧客が商品に付されたバーコードを撮像することで、商品コードを読み取る。
【0102】
(ステップS406:商品コードを送信)
携帯端末40は、読み取った商品コード(商品識別情報)と、カートIDを、登録指示情報とともにクラウドサーバ20に送信する。なお、商品に付されたバーコードに消費期限等の情報が含まれている場合には、該消費期限についての情報もあわせて送信する。
【0103】
(ステップS2031:商品情報を取得する)
商品コードを受信したクラウドサーバ20は、商品コードに基づいて商品ファイルから当該商品の商品情報を取得する。
【0104】
(ステップS2032:販売期限と現在時刻を比較)
商品情報を取得したクラウドサーバ20は、商品情報に含まれている販売期限もしくは送信された販売期限(消費期限)についての情報と現在時刻とを比較して、販売期限が現在時刻を超過していない場合には、ステップS2033に進む。一方、販売期限が現在時刻を超過している場合には、ステップS2033をスキップして、ステップS204に進む。
【0105】
(ステップS2033:カートファイルを更新)
商品情報を取得したクラウドサーバ20は、カートIDからカートファイルを特定し、商品情報に基づいてカートファイルの情報を更新する。
【0106】
(ステップS204:取引情報を送信)
クラウドサーバ20は、更新後のカートファイルもしくは送信された商品コードの商品が販売期限超過であることを携帯端末40に送信する。なお、クラウドサーバ20は、管理装置10に商品が販売期限超過である旨の情報を送信してもよい。
【0107】
(ステップS4061:取引情報を受信)
携帯端末40は、クラウドサーバ20から更新後のカートファイルもしくは送信された商品コードの商品が販売期限超過であることを受信する。
(ステップS4062:取引情報を表示)
更新後のカートファイルもしくは送信された商品コードの商品が販売期限超過であることを受信した携帯端末40は、受信した取引情報に基づいて登録画面810を更新して表示するか、販売期限超過であることを報知する。
【0108】
以上、携帯端末40によって、販売期限超過の商品を読み取った際のフローチャートの一例を、説明した。
【0109】
なお、携帯端末40によって販売期限超過の商品を読み取った際に所定の報知を行うためのフローチャートは、何ら限定されるものではない。
例えば、商品の販売期限超過を判断する処理、すなわち商品の販売期限と現在時刻とを比較する処理は、商品に付されたバーコードを読み取った携帯端末40が、バーコードに含まれる販売期限に関する情報と計時した時間に基づいて実行してもよい。
【0110】
また、商品の販売期限超過を判断する処理は、商品ファイルに販売期限超過フラグ等を記憶しておき、管理装置10が販売期限を超過した商品に対して販売期限超過フラグを立て、商品コードを読み取った商品の販売期限超過フラグを確認することで、商品の販売期限超過を判断してもよい。
【0111】
商品の販売期限超過を判断する処理は、商品に付されたバーコードに、当該商品の販売期限の情報を記憶しておき、携帯端末40でバーコードを読み取ることで取得する販売期限の情報と携帯端末の計時手段が計時する現在時刻とを比較することで、当該商品が販売期限超過であるかを判断するようにしてもよい。
【0112】
-販売システムの各手段―
本実施形態の販売システムの携帯端末40は、制御部と、カメラ等の入力部(撮像部)450、タッチパネル等の表示部460等を有している。
【0113】
本実施形態の販売システムは、携帯端末40全体を総括して制御する制御手段と、計時手段と、店舗特定手段と、読取手段と、報知手段と、表示手段と、取得手段等を備えている。
【0114】
前記計時手段は、現在時刻を計時する。店舗特定手段は、顧客が買い物を行う店舗を特定する。読取手段は、商品に付されているバーコード等から商品コードを読み取る。報知手段は、商品コードを読み取った商品が販売期限超過である場合に報知する。表示手段は、表示部460に登録した商品等の情報を表示したり、カートID等を表示したりする。取得手段は、読取手段404が読み取った商品コードに基づいて商品に関する情報を取得する。
【0115】
本実施形態の販売システムは、管理装置10全体を総括して制御する制御手段と、携帯端末に対して特典を付与する特典付与手段を有している。
その他、本実施形態の販売システムは、商品取引に必要な商品の登録を行う商品登録手段、精算処理を行う精算手段等を備えている。
なお、本実施形態の販売システムにおいて、各手段は販売システムを構成する何れの装置に備えていてもよい。
【0116】
-ブロック図-
次に、販売システムの携帯端末40のブロック図の一例を、
図13(a)を用いて説明する。
本実施形態の販売システムの携帯端末40は、制御部として、CPU41と、ROM42と、RAM43と、メモリ44と、ネットワークI/F45と、入力部I/F46と、表示部I/F47などを有している。
【0117】
CPU41は、コンピューターを構成し、ソフトウエアプログラムの命令を実行する。ROM42は、CPU41で動作するためのプログラム等を予め記憶している。なお、プログラム等は、CD-ROMなどの可搬型記憶媒体に記憶させ、CD-ROMドライブなどの外部装置により読み取るように構成してもよい。
【0118】
RAM43は、プログラムの記憶及びソフトウエアが動作するために必要なワーク記憶エリアとして使用される。
メモリ44は、ハードディスク装置等から構成され商品マスタ等の情報を記憶している。
ネットワークI/F45は、ネットワーク上に接続された手段とデータのやり取りを行うための回路である。
入力部I/F46は、入力部450との入出力を行うための回路である。
表示部I/F47は、タッチパネル等の表示部460との入出力を行うための回路である。
【0119】
次に、販売システムの精算装置30ブロック図の一例を、
図13(b)を用いて説明する。
本実施形態の販売データ処理システムは、制御部として、CPU31と、ROM32と、RAM33と、メモリ34と、ネットワークI/F35と、入力部I/F36と、表示部I/F37と、印刷部I/F38などを有している。
【0120】
CPU31は、コンピューターを構成し、ソフトウエアプログラムの命令を実行する。ROM32は、CPU31で動作するためのプログラム等を予め記憶している。なお、プログラム等は、CD-ROMなどの可搬型記憶媒体に記憶させ、CD-ROMドライブなどの外部装置により読み取るように構成してもよい。
【0121】
RAM33は、プログラムの記憶及びソフトウエアが動作するために必要なワーク記憶エリアとして使用される。
メモリ34は、ハードディスク装置等から構成され商品マスタ等の情報を記憶している。
ネットワークI/F35は、ネットワーク上に接続された手段とデータのやり取りを行うための回路である。
入力部I/F36は、入力部750との入出力を行うための回路である。
表示部I/F37は、タッチパネル等の表示部760との入出力を行うための回路である。
印刷部I/F78は、プリンタ等の印刷部770との入出力を行うための回路である。
【0122】
-本実施形態の販売システムによる効果-
従来、顧客が所有するスマートフォンなどの携帯端末にショッピング用アプリケーションをインストールして、店舗において顧客が自らの商品登録を行う登録装置として利用するセルフ販売システムが知られている。
【0123】
そして、セルフ販売システムにおいては、顧客が所有するスマートフォンを利用した商品の登録処理によって、レジによる商品登録処理を省くことができ、スムーズに買い物をすることができる。
しかし、さらに使い勝手の良いセルフ販売システムが求められていた。
【0124】
本実施形態の販売システムによれば、顧客が所有する携帯端末を用いて商品の登録処理を行うので、店舗における人手不足の解消ができるとともに、セルフ販売システムにおいて、良好な商品の販売管理を実現することができる。
【0125】
また、本実施形態の販売システムによれば、顧客が携帯端末によって商品の登録処理を行う際に、販売期限超過の商品が読み取られた場合には、報知することで、誤って販売期限超過の商品を販売する危険性を回避することができる。
【0126】
また、販売期限超過の商品であることを報知するとともに、当該商品を回収することを促す報知を行うことで、販売期限超過の商品がいつまでも陳列棚に残ることを抑制することができる。
【0127】
また、販売期限超過の商品の回収に協力してくれた顧客に対しては、特典を付与することで、顧客の気分が害されることを抑制する。
【0128】
また、販売期限が近い商品が読み取られた場合にも、その旨を表示することで、店舗に対する信用度を向上させることができる。
さらに、販売期限が近い商品に対しては、自動的に割引を行うことを商品の登録時に携帯端末に表示することで、顧客は、比較的割安な販売期限が近い商品の購入を選択することができ、販売期限超過による商品の廃棄を減少させることができる。
【0129】
また、顧客による販売期限超過の商品の回収を管理することで、特典目的の行為を抑制することができるとともに、店員の商品回収業務を確認することができる。
例えば、販売期限超過の商品の回収を複数回行った顧客に対しては、ウオッチングをするなどしてもよい。
【0130】
また、販売期限が近い商品を自動的に値引きすることで、割引シール等の貼付の手間を省くとともに、販売期限の長い商品を陳列棚の奥から取り出して購入することを抑制することができ、また、販売期限超過による商品の廃棄を少なくすることが期待できる。
また、携帯端末40は、肉類や総菜のパック詰め商品に対しては、個々の販売期限に合わせて商品の個別管理することができるので、商品管理に有効である。
【0131】
本実施形態の販売システムにおいて実施されている各処理は、管理装置10、クラウドサーバ20、精算装置30及び携帯端末40等の何れにおいて実施されてもよく、どの装置で実行されるかは限定されない。
また、販売システムは、精算装置において精算処理を行わない空中決済の取引についても適用できる。
【0132】
また、販売システム1は、販売期限の超過を監視するだけでなく、例えば冷凍食品等の商品コードを読み取ってカートに入れた後に、登録をキャンセルした場合などに、冷凍庫等の正しい箇所に返却するように報知をしてもよい。
なお、正しい箇所に返却してくれた場合には、常習にならない程度の何らかの特典を付与しても良い。
【0133】
また、以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0134】
1 :販売システム
10 :管理装置
101 :制御手段
102 :特典付与手段
20 :クラウドサーバ
30 :精算装置
40 :携帯端末
402 :計時手段
404 :読取手段
405 :報知手段
406 :表示手段
407 :取得手段
460 :表示部