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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】水を分配するための混合蛇口
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/044 20060101AFI20231227BHJP
   E03C 1/042 20060101ALI20231227BHJP
   E03C 1/05 20060101ALI20231227BHJP
   E03C 1/10 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
E03C1/044
E03C1/042 F
E03C1/05
E03C1/10
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022162081
(22)【出願日】2022-10-07
(62)【分割の表示】P 2018555101の分割
【原出願日】2017-01-11
(65)【公開番号】P2022176368
(43)【公開日】2022-11-25
【審査請求日】2022-10-07
(31)【優先権主張番号】2016083
(32)【優先日】2016-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】518247265
【氏名又は名称】クーカー インターナショナル ベスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬
(72)【発明者】
【氏名】ペーテリー,ニルス セオドー
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0235091(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0368888(US,A1)
【文献】特表2015-514891(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0069520(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/044
E03C 1/042
E03C 1/05
E03C 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を分配するための混合蛇口であって、
蛇口本体であって、取付け開口内に又は上に前記蛇口本体を取り付けるための取付け端を持つ、前記蛇口本体と、
前記蛇口本体内に又は上に取り付けられ、分配端を備えた噴出口と、
前記蛇口本体内に配置された混合装置であって、冷水のための第1の取入れ口と、熱水のための第2の取入れ口と、混合水のための排出口とを有する、前記混合装置と、
少なくとも部分的に可撓性のホースであって、該可撓性のホースは流入端と流出端とを持つ第1の水導管を有し、前記流入端は前記排出口に接続され、前記流出端は前記混合水を分配するための前記噴出口の前記分配端の近くに備えられたノズルに終端する、前記可撓性のホースと、を備え、
前記混合蛇口は、前記取付け端から前記ホースの少なくとも一部を受けるための前記分配端へ延びる、収容ダクトを持ち、
前記ノズル付きホースは、前記噴出口に関して、前記ホースが前記分配端に関して突出する引き抜き位置と、前記ホースが前記分配端に関して延在しないかまたはより少ない程度だけ延在する通常位置との間で動かすことが可能であり、
前記ホースは、第2の流入端と第2の流出端とを持つ第2の水導管を持ち、前記第2の流入端は、水源から来る水供給導管を接続するための連結部に接続されており、前記第2の流出端は前記ノズルに終端しており、
前記ホースが前記通常位置にあるときのみ、前記混合蛇口は、前記水源からの水を分配するように構成されている、
ことを特徴とする混合蛇口。
【請求項2】
前記混合蛇口は、前記噴出口に関して前記ホースの実際の位置を判断するための位置センサを備える、請求項1に記載の混合蛇口。
【請求項3】
前記位置センサは、近接センサ又は接触センサである、請求項2に記載の混合蛇口。
【請求項4】
前記位置センサは、前記蛇口本体内に取り付けられる、請求項2又は3に記載の混合蛇口。
【請求項5】
前記混合蛇口は、前記混合蛇口によって前記水源から来る水の前記分配を操作するための操作要素を備える、請求項1~4のいずれかに記載の混合蛇口。
【請求項6】
前記操作要素は、電気的操作信号を発するように構成されている、請求項5に記載の混合蛇口。
【請求項7】
前記操作要素は、前記蛇口本体の回りに延在する操作環である、請求項5又は6に記載の混合蛇口。
【請求項8】
前記ホースは、前記ノズル付きホースを前記通常位置に引っぱるため、及び/又は前記ノズル付きホースを前記通常位置に保持するためのバラスト要素を備えている、請求項1~7のいずれかに記載の混合蛇口。
【請求項9】
前記水源から来る前記水供給導管を接続するための前記連結部は、前記バラスト要素内に又は近くに配置されている、請求項8に記載の混合蛇口。
【請求項10】
前記ホースは、ループ部分と噴出部分とを持ち、前記噴出部分は、前記収容ダクト内に少なくとも部分的に延在して、前記ノズルに接続されており、前記ループ部分は、前記混合装置の前記排出口に接続されている、請求項8又は9に記載の混合蛇口。
【請求項11】
前記バラスト要素は、前記ホースの前記ループ部分と前記噴出部分との間に備えられている、請求項10に記載の混合蛇口。
【請求項12】
前記連結部は、前記ホースがある方向に延在する前記ホースの位置に備えられており、前記連結部は、同じ方向において前記水源から来る前記水供給導管を接続するように構成されている、請求項1~11のいずれかに記載の混合蛇口。
【請求項13】
前記方向は、前記混合蛇口の取付け位置と直角である、請求項12に記載の混合蛇口。
【請求項14】
前記ホース内の前記第1の水導管と前記第2の水導管とは、互いに同心に延びている、請求項1~13のいずれかに記載の混合蛇口。
【請求項15】
前記水源は、非常に熱い水又は沸騰水を分配するための装置である、請求項1~14のいずれかに記載の混合蛇口。
【請求項16】
前記水源は、冷水及び/又は冷やされた水及び/又はろ過された冷水及び/又はろ過され冷やされた水を分配するための装置である、請求項1~14のいずれかに記載の混合蛇口。
【請求項17】
請求項1~16のいずれかに記載の混合蛇口と、
付加的な種類の水を分配するための水源と、
前記水源から来て、前記混合蛇口の前記連結部に接続され、又は、接続するように向けられた、水供給導管と、
を備える、水を分配するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を分配するための混合蛇口に関し、特に、引き抜きノズルを持つ混合蛇口に関する。
【背景技術】
【0002】
混合蛇口は、混合水を分配するために使用される。そのような混合蛇口は、混合水を分配するための混合装置を備える。混合装置は、冷水用の第1の取入れ口と、熱水用の第2の取入れ口と、排出口とを備える。混合装置を操作することによって、熱水と冷水との所望の比が設定され、所望の量の混合水が排出口から分配され得る。混合装置のセッティングに依存して、混合水は冷水と熱水との混合物となり得るが、また、全て冷水また全て熱水であってもよい。
【0003】
混合装置は、混合水の体積流出量と、熱水と冷水との混合比との両方を設定するための単一の操作要素を持ってよい。混合装置は、また、2つ以上の操作要素を持ってもよく、例えば、冷水の体積流出量を設定するためのものと、熱水の体積流出量を設定するためのものであって、従って、混合比と混合水の量とを規定する。
【0004】
ある種の混合蛇口は、引き抜きノズルを備える。この目的のために、混合蛇口は、少なくとも部分的に可撓性のホースを備え、その可撓性のホースは、流入端と流出端とを持つ水導管を備える。流入端は、混合装置の排出口に接続され、流出端は、噴出口の分配端の近くに備えられた、混合水を分配するためのノズルに終端する。この場合、混合蛇口は、蛇口本体の取付け端から噴出口の分配端へ延びているホースの少なくとも一部を受けるための収容ダクトを備える。ノズル付きホースは、噴出口に関して、ホースが分配端から突出する引き抜き位置と、ホースが分配端から突出しないかまたは僅かな程度突出する通常位置との間で動かされ得る。
【0005】
そのような混合蛇口で、したがって、ノズル付きホースは、通常位置から、ホースが噴出口から突出する、引き抜き位置へと動かすことが可能である。ホースの可撓性のために、ノズルは、噴出口に関して引き抜き位置において揺り動かされ得、例えば、流しの隅に到達するために、ノズルから流れ出る水ジェットのリーチを増加することができる。また、これら混合蛇口は、引き抜きエアレータ(aerator)付き混合蛇口とも呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、水を分配するための改良された混合蛇口を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、請求項1に記載の水を分配するための混合蛇口を提供する。
【0008】
本発明によれば、周知の引き抜きノズル付き混合蛇口の機能性は、単一の引き抜きノズル付き噴射口から、例えば、非常に熱い水又は沸騰水の、付加的な種類の水を供給するためのこの種の蛇口に設計することによって、著しく増加される。
【0009】
この目的のために、第2の水導管が、水源からの発する水を供給し分配するためのノズル付き移動可能なホースに備えられる。水源は、例えば、非常に熱い水又は沸騰水、例えば、95℃より高い温度を持つ水を分配するための装置であって良く、又は、冷水及び/又は冷やされた水を分配するための装置であって良く、冷水及び/又は冷やされた水は、好ましくは、ろ過された冷水及び/又は冷やされた水である。
【0010】
ホース内に第2の水導管を提供することによって、またノズルを介して分配される水源から発する水は、この場合において、第1の水導管内の水とは接触せず、又は実質的に少しの程度だけ接触する。これは、特に、そのように非常に熱い水又は沸騰水及び/又はろ過された冷水又はろ過された冷やされた水を消費する傾向にある水に対して有利である。何故なら、新鮮な水が、他の水、特に、ボイラ等で上昇された温度にある熱水と混合されないからである。更に、水源から発する水の供給が開放されたとき、混合水と、混合蛇口のノズルへ水源から発する水との両方に対して共通の水導管を使用することの結果として、混合されない水が、最初に、ノズルを介して分配されるだろう。
【0011】
蛇口本体は、その蛇口本体を取付け開口内又は上に取り付けるための取付け端を持つ。取付け開口は、例えば、調理台に備えられる開口であり、この場合、冷水及び熱水用の水供給と水源から来る水供給導管とが調理台の下に配置され得る。
【0012】
蛇口本体が取り付けられた後、噴出口の分配端は、通常、調理台の上、特に、調理台に配置された流しの上に直接、位置される。噴出口は、曲線の形状を持っていてよい。また、噴出口は、調理台に関して枢軸回転可能であり、そこで、分配端そしてしたがってノズルは、調理台/流しに関して動かされ得る。
【0013】
混合装置は、冷水および熱水を混合してそれを分配するための蛇口本体に備えられた任意の装置であってよい。混合装置は、混合装置を操作するための操作弁を持つ1つ以上の操作要素を備えてよい。これら1つ以上の操作要素によって、混合水の体積流出量と、冷水と熱水との混合比との両方を調整することができる。好ましくは、混合装置は、混合水の体積流出量と、分配されるべき冷水と熱水との量の間の混合比の両方を調整するように構成された、操作要素から成る。そのような操作要素は、それ自体知られている。
【0014】
混合蛇口は、第1の水導管を持つ少なくとも部分的に可撓性のホースを備え、その第1の水導管は、混合装置の排出口からノズルへ混合水を通し、そのノズルは、噴出口の分配端の近くに備えられる。ノズルは、ホースに取付けられ、それによって、噴出口に関してホースと一緒に移動することができる。蛇口本体および噴出口の中に、収容ダクトが、ホースの少なくとも一部を受けるために備えられる。ホースは、噴出口に関して、ホースが分配端に関して突出する引き抜き位置と、ホースが突出しないか又は分配位置に関して僅かの程度だけ突出する通常位置との間で動かすことが可能である。ホースの可撓性又はホースの引き抜き位置における分配端に関して突出するホースの少なくとも一部の結果として、ホースの端に取り付けられたノズルは、噴出口に関して枢軸回転可能である。
【0015】
ホースは、種々のホース部品を備えてよく、例えば、第1のホース部分と、この第1のホース部分と一致して置かれた第2のホース部分とから成ってよい。第1のホース部分は、第1の水導管のみから成ってよく、第2のホース部分は、第1の水導管と第2の水導管とから成ってよく、水源から来る水供給導管を接続する連結部は、第1のホース部分と第2のホース部分との間に備えられる。
【0016】
ノズルは、第1の水導管からの混合水と、第2の水導管からの水源から来る水との両方を分配するために適している。この目的のために、ノズルは、2つの流出開口を備えてよい。
【0017】
一実施形態において、ホースは、ノズル付きホースを通常位置に引き込むため及び/又はノズル付きホースを通常位置に保持するためのバラスト要素を備えてよい。しばしば、混合蛇口が使用されないとき、ホース及びノズルを通常位置に置く又は保持することが望ましい。これが自動的に起こるのを可能とするため、又は、少なくともホース及びノズルの通常位置への移動を容易にするため、バラスト要素はホース上に備えられてよい。バラスト要素、例えば、ホースに取り付けられた比較的重いかたまりは、ホースしたがってノズルを通常位置の方向へ引くように提供され、もしホースおよびノズルが既に通常位置にあるなら、ホースおよびノズルを通常位置に保持するように提供される。
【0018】
一実施形態において、水源から来る水供給導管を接続するための連結部は、バラスト要素内又は近くに配置される。バラスト要素は、それが、引き出され例えば、調理台の下の空間に自由にその端がつるされた後、ホースを通常位置に連れていくために備えられる。連結部をバラスト要素内又は近くに備えることによって、それは蛇口本体内に備えられなくてよい。これは、蛇口本体の複雑さをより小さくし、連結部を容易にアクセスするのを可能とする。
【0019】
また、連結部を提供するためのバラスト要素の近く又は内により多くのスペースがある。何故なら、蛇口本体内よりもより有益な多くのスペースがあるからである。連結部は、また、それが付加的なバラストを提供するとき、ホースを通常位置に引き又は維持するのに役立つ。
【0020】
更なる実施形態において、バラスト要素は、ホースに、それが閉に置かれるように取り付けられ、好ましくは、ホースが引き抜き位置にあるとき、蛇口本体の取付け位置に出来るだけ近接するように取り付けられる。これは、連結部とノズルとの間の距離、すなわち、第2の水導管の長さを短くし、それによって、水は水源からノズルに比較的速く流れることができる。
【0021】
一実施形態において、ホースは、ループ部分と噴出部分とを持ち、噴出部分は、収容ダクト内に少なくとも部分的に延在して、ノズルに接続され、ループ部分は、混合装置の排出口に接続される。
【0022】
蛇口本体を、開口、例えば、調理台内のこの目的のために備えられる取付け開口に取り付けた後、ホースのループ部分は、調理台の下に延在してよく、噴出部分は、調理台の下から収容ダクトを介して、噴出口の分配端まで延在してよい。ループ部分は、通常位置と引き抜き位置との間の噴出部分の移動を容易するために使用される。
【0023】
第1の水導管は、ループ部分と噴出部分の両方を通って延びている。第2の水導管は、噴出部分を通って延びているが、部分的にループ部分を通って延びてもよい。連結装置は、ループ部分と噴出部分との間に備えられ、ループ部分と噴出部分とを通って延びる第1の水導管の部分を互いに接続する。もし第2の水導管が噴出部分のみを通って延びるなら、連結装置は、水源の水供給導管用の連結部から成ってよい。もし第2の水導管がループ部分を部分的に通って延びるなら、連結装置は、また、ループ部分と噴出部分とを通って延びる第2の水導管の部分を互いに接続するように構成される。
【0024】
バラスト要素付き装置の一実施形態において、バラスト要素は、ホースのループ部分と噴出部分との間に備えられる。
【0025】
一実施形態において、水源から来る水供給導管用の連結部は、ホースがある方向に、特に、垂直方向に延在する、ホースの位置に備えられ、連結部は、水源から実質的に同じ方向に来る水供給導管を接続するように構成される。ホースが引き抜き位置と通常位置との間を移動されるとき、バラスト要素は、バラスト要素に作用する重力の力の結果として、実質的に垂直方向に移動するだろう。水源から来る水供給導管がバラスト要素の移動をできるだけ小さくするのを防止するのを確実にするために、水源から来る水供給導管が実質的に垂直方向に延びるように連結部に接続されるように、連結部を構成するのが都合がよい。
【0026】
一実施形態において、ホース内の第1の水導管と第2の水導管とは、互いに関して同心に延びる。この場合、例えば、第1の水導管又は第2の水導管の一方は、円形断面を持ち、第1の水導管又は第2の水導管の他方は、円形断面の周りに配置された円環断面を持つ。第1の水導管と第2の水導管が同心に延びるために、ホースは、長手軸に関して対称な断面を持つ。この結果として、ホースは異なる曲げ方向において実質的に同じ特性を持ち、ホースは丸い外円周を持ち、断面の比較的大きな表面領域が、第1および第2の水導管のために使用される。ホースの断面領域は、したがって、各流入開口から各流出開口へ水を効率的に通すように使用される。
【0027】
さらに、ノズルは、好ましくは、同心になるように設計され、ノズルは、第1の水導管又は第2の水導管のいずれか一方に対して中心円形流出開口を持ち、
第1および第2の水導管の他方に対して円形流出開口の周りに配置された、円環状の第2の流出開口を持つ。
【0028】
一実施形態において、混合蛇口は、噴出口に関してホースの位置を決定するための位置センサを備える。ある実施形態において、それは、噴出口に関してホースの位置を決定するのが望ましい。例えば、水源が非常に熱い水または沸騰水の源であるとき、それは、ホースおよびノズルが通常位置にあるとき、非常に熱い水または沸騰水のみを分配するのが望まれてよい。これを可能にする為に、位置センサは、噴出口に関してホースの位置を決定するように備えられてよく、非常に熱い水又は沸騰水をそれに依存して水源から分配されるのを可能とする。
【0029】
そのような位置センサは、近接センサや接触センサのような、任意の適当なセンサであってよい。位置センサは、好ましくは、蛇口本体内に取り付けられる。
【0030】
一実施形態において、混合蛇口は、この混合蛇口によって水源から来る水の分配を操作するための操作要素を備える。それは、水を分配するための水源を操作することが可能であり、それによって、それは、もし望まれるなら、第2の水導管を介して水を分配することができる。この目的のために、混合蛇口は、好ましくは、蛇口本体に取り付けられた、操作要素を備えてよい。
【0031】
一実施形態において、操作要素は、電気的操作信号を発するように構成される。操作要素によって発せられた電気的操作信号は、電気的に作動され得る弁を操作するために容易に使用され得、例えば、水源の近くのある距離に置かれる。
【0032】
代わりの実施形態において、操作要素は、第2の水導管内の及び/又は連結部への水源の水供給導管内の弁に機械的に接続され、それで、水源からの水の分配は、操作要素によって弁を操作することによって直接的に制御され得る。
【0033】
一実施形態において、操作要素は、蛇口本体の回りに延在する操作環である。蛇口本体の回りに延在する操作環は、ユーザによって容易に操作され得る、付加的な魅力的な操作要素を形成する。
【0034】
その上に、本発明は、水を分配するシステムであって、
請求項1~16のいずれか1項に記載の混合蛇口と、
付加的な種類の水を分配するための水源と、
水源から来て、混合蛇口の連結部に接続されまたは接続するように向けられた水供給導管と、を備えるシステムを提供する。
【0035】
付加的な種類の水は、例えば、非常に熱い水又は沸騰水、又は冷及び/又は冷やされた水、好ましくは、ろ過された冷水及び/又は冷やされた水である。
【0036】
本発明の更なる特徴や詳細は、添付した図面を参照する、本発明の一実施形態の説明によって以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】通常位置におけるホース及びノズルを持つ、水を分配するための一実施形態の全体図である。
図2】引き抜き位置におけるホース及びノズルを持つ、図1の実施形態の全体図である。
図3図1の実施形態から、蛇口本体及び噴出口を通る長手方向断面図である。
図4】バラスト要素と、水源から来る水供給導管を接続するための連結部での、図1の実施形態からのホースの断面図である。
図5図3からの蛇口の断面の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、参照符号1によって一般的に示された、水を分配するための混合蛇口を示す。
【0039】
混合蛇口1は、蛇口本体2であって、調理台101の取付け開口100において蛇口本体2を取り付けるための取付け端3を持つ蛇口本体2と、噴出口32と、水を分配するための分配端4とを備える。
【0040】
取付け端3は、取付け開口100に配置された、ねじ山を付けられた取付けブッシュ30を持つ。調理台101の下面上に、対応するねじ山を付けられた取付け環31は、取付けブッシュ30に取り付けられ、蛇口本体2を調理台101に固定する。
【0041】
噴出口32は、湾曲した形状をしており、それで、分配端4は、調理台101に配置された、流し102上に置かれる。
【0042】
混合装置5は、蛇口本体2内に配置される。混合装置5は、冷水用の第1の取入れ口6と、熱水用の第2の取入れ口7と、混合水を分配するための排出口8とを備える。
【0043】
混合装置5は、冷水と熱水とを混合するための混合機構5a(図3参照)を備える。排出口8での混合装置5によって分配される水量の体積流出量と、その冷水と熱水との間の比は、操作要素9によって調整され得る。操作要素9を使用して、冷水と熱水との間の任意の所望の比が設定され得る。従って、混合水に対して、冷水のみ又は熱水のみを含めることが可能である。
【0044】
混合装置の第1の取入れ口6は、冷水導管110に接続され、第2の取入れ口7は、熱水導管120に接続される。
【0045】
排出口8は、少なくとも部分的に可撓性のホース10に接続され、そのホースは、ループ部分11と、バラスト要素15と、噴出部分12とから成る(図3をまた参照)。ループ部分11と噴出部分12とは、ホースを少なくとも部分的に可撓性にするために、例えば、可撓性プラスチックから作られる。
【0046】
ループ部分11の一端は、排出口8に接続される。噴出部分12は、収容ダクト13を通って延びており、収容ダクトは、蛇口本体2の取付け端3から、噴出口32の分配端4へ延在している。ノズル14は、噴出口32の分配端4に備えられ、ホース10にしっかりと接続される。
【0047】
ホース10の噴出部分12とそれに接続されたノズル14とは、通常位置と引き抜き位置との間で、動かすことが可能なように、特に摺動可能に、収容ダクト13内に収容される。図1は、ノズル14が噴出口32内に大きく引込められている、通常位置での噴出部分12とノズル14とを示す。
【0048】
図2は、引き抜き位置におけるホース10とノズル14とを示す。ホース10とノズル14とは、ノズル14を手動で引っぱることによって、通常位置から引き抜き位置へ移動される。この目的のために、ノズル14は突出部14aを備え、それによって、ノズル14は、噴出口32から離れるように、容易に下方へ移動され得る。
【0049】
バラスト要素15は、ループ部分11と噴出部分12との間に備えられる。バラス要素15は、比較的重い要素であって、それは、噴出部分12に下方向の力を及ぼすために備えられる。この下方向の力の結果として、ホース10とノズル14とは、通常位置に引っぱられる。この下方向の力は、ノズル14付きホース10を通常位置に自動的に引込めるのに十分であるか、又は、ノズル14が噴出口32に上方へ押されたときに、ホース10とノズル14とを通常位置に移動するのを助けるものであってよい。
【0050】
混合蛇口1は、水を分配するためのシステムの一部である。このシステムは、更に、非常に熱い水又は沸騰水、すなわち、95℃以上の温度の水を分配するための沸騰水装置50を備える。そのような沸騰水を分配するための沸騰水装置50は、それ自体知られている。
【0051】
沸騰水装置50は、100℃より高い温度で加圧された水を保持するための容器を備える。容器は、もし望まれるなら、水が水供給導管52に分配されてよい、排出口51を備える。容器は、冷水導管110に接続され、沸騰水が分配されるとき、容器を新鮮な水で満たす。
【0052】
混合蛇口1は、ノズル14を介して沸騰水を分配するように構成されている。この目的のために、バラスト要素15は、連結部16を備え、それによって、水供給導管52がホース10に接続され得る。
【0053】
ループ部分11と噴出部分12とは、図3をまた参照すると、第1の水導管17を規定し、その流入端は、混合装置15の排出口8に接続され、その流出端は、ノズル14に接続されて、混合水を混合装置5からループ部分11および噴出部分12を介してノズル14へ通している。
【0054】
噴出部分12は、更に、第1の水導管18を備え、それは、バラスト要素15を介して連結部16に接続された流入端と、ノズル14に接続された流出端とを持ち、非常に熱い水又は沸騰水を水供給導管52からノズル14へ通している。
【0055】
したがって、第1の水導管17は、ループ部分11と噴出部分12とを通って延び、第2の水導管18は、噴出部分12のみを通って延びる。噴出部分12において、第1の水導管17と第2の水導管18とは、互いに関して同心に延びており、第2の水導管18は円形断面を持ち、第1の水導管17は前者を囲む円環状断面を持つ。
【0056】
ノズル14は、共通の通気装置を備え、そこにおいて、第2の水導管18は円形流出開口19aに終端し、第1の水導管17は前者を囲む円環状流出開口19bに終端する。第1および第2の水導管と関連する流出開口の任意の他の構成がまた使用され得る。
【0057】
沸騰水を分配するための沸騰水装置50を操作するための電気的操作要素20は、蛇口本体2上に備えらえる。操作要素20は、電気的操作接続線53によって沸騰水装置50の弁(図示せず)に接続される。操作要素20を押し下げる及び/又は回すことによって、沸騰水装置50は、水供給導管52を介して沸騰水を分配するように作動され得る。
【0058】
図4は、バラスト要素15の断面を示す。例えば、金属から成る、バラストかたまり22は、バラスト要素15のハウジング21内に備えられ、バラスト要素15に、ホース10上に下方向の力を作用するための所望の質量を与える。
【0059】
図4は、ループ部分11と噴出部分12とがバラスト要素15で延在するように、どのようにして水供給導管52が同じ垂直方向に連結部16で取り付けられているかを示す。これは、連結部16とそれに取り付けられた水供給導管52との圧力のため、ループ部分11とバラスト要素15との移動を塞ぐリスクを著しく減少する。
【0060】
バラスト要素15は、更に、ループ部分11における水導管17からの混合水と水供給導管52からの沸騰水とを、噴出部分12において、沸騰水が第2の水導管18において中心に流れるように、かつ、混合水がそれを囲む同心円の第1の水導管17を流れるように、流すのを可能するように構成される。
【0061】
図5は、蛇口本体2の一部の断面を示す。電気的な伝導性材料から作られた円環23は、ホース10の噴出部分12の回りに取り付けられる。この円環23は、制御ユニット25に取り付けられたセンサ24によって探知可能である。センサ24は、電磁気場を介して電気的に伝導性円環23の圧力を検出ように構成されている。
【0062】
制御ユニット25は、操作要素20が、沸騰水を分配させるように操作されたとき、操作接続線53を介して沸騰水装置50に操作信号を送出するように構成されている。加えて、制御ユニット25は、センサ24からの信号を沸騰水装置50へ送出する。
【0063】
図5において、ホース10、特に、その噴出部分12は、通常位置に示される。噴出部分12が引き抜き位置に移動されたとき、円環23と噴出部分12とは、収容ダクト13を介して上方に移動し、センサ24によって検出されず、すなわち、別の方向にある。従って、センサ24によって、ホース10が通常位置にあるか、引き抜き位置にあるかを判断することができる。
【0064】
ノズル14が手によって噴出口32から引き出されるので、ノズルが通常位置にないとき、沸騰水に対して分配させるのが望ましくない。この目的のために、センサ24によってホース10の位置判断が使用され得る。この場合において、制御ユニット25は、例えば、もしセンサ24が、円環23が図5に示される位置、すなわち、通常位置にあることを検出して、操作要素20が操作されたときのみに、操作信号を操作接続線53を介して沸騰水装置50へ送出するだろう。
【0065】
当業者であれば、噴出口20に関してホース10の位置を適切に判断するための任意の他の位置センサが、ホース10とノズル14とが通常位置にあるときのみ沸騰水を分配するために使用され得る。
【0066】
図示の実施形態において、引き抜きノズル付き混合蛇口は、沸騰水を分配するための沸騰水装置50と組み合わされる。代わりの実施形態において、引き抜きノズル付き混合蛇口は、また、好ましくはろ過された、冷水または冷やされた水を備えた及び/又は炭酸水を備えた水源に接続され得る。そのような実施形態において、この水源は、沸騰水装置50が連結部16に接続されるのと同様の方法で、混合蛇口に接続されてよい。
図1
図2
図3
図4
図5