(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/42 20060101AFI20231227BHJP
B65H 3/44 20060101ALI20231227BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20231227BHJP
【FI】
B41J29/42 F
B65H3/44 342
G06F3/0484
(21)【出願番号】P 2022199978
(22)【出願日】2022-12-15
(62)【分割の表示】P 2022073896の分割
【原出願日】2014-08-07
【審査請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】二ツ森 友基
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-034711(JP,A)
【文献】特開2012-001296(JP,A)
【文献】特開2006-162679(JP,A)
【文献】特開2003-223081(JP,A)
【文献】特開2005-222031(JP,A)
【文献】特開2016-036979(JP,A)
【文献】特開2004-070025(JP,A)
【文献】特開2007-050980(JP,A)
【文献】特許第6618571(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2008/0292329(US,A1)
【文献】米国特許第07319538(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/42
B65H 3/44
G06F 3/0484
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙をセットするための、第1用紙ユニット及び前記第1用紙ユニットとは異なる第2用紙ユニットと、
前記第1用紙ユニットに対するユーザー操作に基づいて、前記第1用紙ユニットの用紙設定に関する画面として第1画面を表示部に表示させ、前記第2用紙ユニットに対するユーザー操作に基づいて、前記第2用紙ユニットの用紙設定に関する画面として第2画面を前記表示部に表示させる表示制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記第2用紙ユニットに対するユーザー操作に基づいて前記第2画面が表示されている状態でユーザーにより前記第1用紙ユニットが操作された場合、当該操作に基づいて前記第1画面を表示し、さらに、当該第1画面内の所定アイテムへのユーザー指示に基づき前記第1画面を消し、前記第1画面が消えた後における前記第2用紙ユニットに対するユーザー操作なしにユーザー指示可能となった前記第2画面を介した前記第2用紙ユニットの用紙設定に対するユーザー指示を受け付けることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記第1画面内の所定アイテムへのユーザー指示に基づいて、前記第1画面における前記第1用紙ユニットの用紙設定は終了することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記第1画面内の前記所定アイテムへのユーザー指示に基づいて、前記第1画面を消すことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記第1画面内の前記所定アイテムは、登録ボタンであることを特徴とする請求項2又は3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記第1画面内の前記所定アイテムは、キャンセルボタンであることを特徴とする請求項2又は3に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記第1画面が表示されている状態でユーザーにより前記第2用紙ユニットが操作された場合、前記第1画面を消す前の状態では前記第2画面を介した前記第2用紙ユニットの用紙設定に対するユーザー指示を受け付けないことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記第1画面が表示されている状態で、ユーザーにより前記第2用紙ユニットが操作された場合、前記第1画面を消す前の状態では、前記第1画面を表示中の前記表示部の表示は、前記第2用紙ユニットの操作に基づいて変化させないことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記第1画面が表示されている状態で、ユーザーにより前記第1用紙ユニットが再操作された場合、前記第1画面を表示中の前記表示部の表示は前記再操作に基づいて変化させないことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記第2画面が表示されている状態で、ユーザーにより前記第2用紙ユニットが再操作された場合、前記第2画面を表示中の前記表示部の表示は前記再操作に基づいて変化させないことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記第1用紙ユニットは前記第2用紙ユニットよりも、優先度が高く設定されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記第1用紙ユニットから給紙されて搬送された用紙に記録が行われる場合のスループットは、前記第2用紙ユニットから給紙されて搬送された用紙に記録が行われる場合のスループットよりも高いことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記第1用紙ユニットから所定の搬送ローラまでの搬送経路上における距離は、前記第2用紙ユニットから前記所定の搬送ローラまでの搬送経路上における距離よりも近いことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記表示制御手段は、前記第1画面が表示されていない状態で、ユーザーにより前記第2用紙ユニットが操作された場合、前記第2用紙ユニットの操作に基づいて前記第2画面を表示することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項14】
前記第1用紙ユニットに対するユーザー操作に基づいて前記第1画面が表示されている状態では、前記第2用紙ユニットの用紙設定として、前記第2用紙ユニットから給紙される用紙に関する情報は表示されていないことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項15】
前記第1用紙ユニットが前記印刷装置の所定部に挿入されたことを検知する第1検知手段と、
前記第2用紙ユニットが前記印刷装置の所定部に挿入されたことを検知する第2検知手段と、
をさらに備え、
前記表示制御手段は、
前記第1用紙ユニットが挿入されたことを前記第1検知手段が検知した場合、当該検知に基づいて、前記第1画面を前記表示部に表示させ、
前記第2用紙ユニットが挿入されたことを前記第2検知手段が検知した場合、当該検知に基づいて、前記第2画面を前記表示部に表示させ、
前記第2画面が表示されている状態で、前記第1用紙ユニットが挿入されたことを前記第1検知手段が検知した場合、当該検知に基づいて前記第1画面を表示させ、さらに、当該第1画面を消し、前記第2用紙ユニットの挿入を前記第2検知手段が検知しなくとも、前記第1画面が消えた後における前記第2用紙ユニットに対するユーザー操作なしにユーザー指示可能となった前記第2画面を介した前記第2用紙ユニットの用紙設定に対するユーザー指示を受け付けることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項16】
前記第1用紙ユニットが前記印刷装置の所定部から抜かれたことを検知する第1検知手段と、
前記第2用紙ユニットが前記印刷装置の所定部から抜かれたことを検知する第2検知手段と、
をさらに備え、
前記表示制御手段は、
前記第1用紙ユニットが抜かれたことを前記第1検知手段が検知した場合、当該検知に基づいて、前記第1画面を前記表示部に表示させ、
前記第2用紙ユニットが抜かれたことを前記第2検知手段が検知した場合、当該検知に基づいて、前記第2画面を前記表示部に表示させ、
前記第2画面が表示されている状態で、前記第1用紙ユニットが抜かれたことを前記第1検知手段が検知した場合、当該検知に基づいて前記第1画面を表示させ、さらに、当該第1画面を消し、前記第2用紙ユニットが抜かれたことを前記第2検知手段が検知しなくとも、前記第1画面が消えた後における前記第2用紙ユニットに対するユーザー操作なしにユーザー指示可能となった前記第2画面を介した前記第2用紙ユニットの用紙設定に対するユーザー指示を受け付けることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項17】
前記第1画面は、前記第1用紙ユニットから給紙される用紙のサイズと種類に関する情報を登録するための画面であり、
前記第2画面は、前記第2用紙ユニットから給紙される用紙のサイズと種類に関する情報を登録するための画面であることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項18】
前記第1画面には、前回設定された、前記第1用紙ユニットから給紙される用紙のサイズと種類に関する情報が表示されており、
前記第2画面には、前回設定された、前記第2用紙ユニットから給紙される用紙のサイズと種類に関する情報が表示されていることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項19】
前記第1画面の第1領域に対するユーザー指示に基づいて、用紙のサイズに関する情報を選択するためのサイズ選択画面が表示され、前記第1画面の第2領域に対するユーザー指示に基づいて、用紙の種類に関する情報を選択するための種類選択画面が表示されることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項20】
前記サイズ選択画面において用紙サイズが選択され、かつ、前記種類選択画面において用紙種類が選択された後、前記第1画面内の前記所定アイテムである登録ボタンへのユーザー指示が行われた場合、当該ユーザー指示に基づいて、前記第1画面における前記第1用紙ユニットの用紙設定は終了し、前記第1画面が消えることを特徴とする請求項19に記載の印刷装置。
【請求項21】
前記第1用紙ユニットは、用紙がセットされる第1カセットであり、前記第2用紙ユニットは、用紙がセットされる第2カセットであることを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項22】
前記第1画面内における所定アイテムへのユーザー指示が行われた場合、前記第1用紙ユニットに対して前記用紙に関する情報が登録されることを特徴とする請求項1から21のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項23】
前記用紙に印刷を行う印刷手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から22のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項24】
前記印刷手段は、インクジェット方式により前記用紙に印刷を行うことを特徴とする請求項23に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置には、給紙カセットの挿入を検知し、その給紙カセットの登録画面を自動で表示する機能が知られている。特許文献1では、カセットの開閉状態とカセットの用紙有無とから用紙タイプ設定対象カセットを決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、給紙カセット挿入時に給紙カセット情報の設定画面が表示される装置において、ある給紙カセットに関する登録画面の表示中に同じ給紙カセットを再度挿抜した場合、再び登録画面が表示される。ユーザーが登録画面を操作中の場合、操作中の画面の上に新たに同じ給紙カセットの登録画面が表示されることになり、ユーザビリティが低下してしまう。
【0005】
また、給紙カセットが複数ある場合、ある給紙カセットの登録画面の表示中に異なる給紙カセットを連続して挿抜した場合、複数の給紙カセットに対する登録画面が給紙カセットの挿抜の度に交互に出ることになり、ユーザーユーザビリティが低下してしまう。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑み、被記録媒体の情報を設定する際のユーザビリティを向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る制御装置は、用紙をセットするための、第1用紙ユニット及び前記第1用紙ユニットとは異なる第2用紙ユニットと、前記第1用紙ユニットに対するユーザー操作に基づいて、前記第1用紙ユニットの用紙設定に関する画面として第1画面を表示部に表示させ、前記第2用紙ユニットに対するユーザー操作に基づいて、前記第2用紙ユニットの用紙設定に関する画面として第2画面を前記表示部に表示させる表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記第2用紙ユニットに対するユーザー操作に基づいて前記第2画面が表示されている状態でユーザーにより前記第1用紙ユニットが操作された場合、当該操作に基づいて前記第1画面を表示し、さらに、当該第1画面内の所定アイテムへのユーザー指示に基づき前記第1画面を消し、前記第1画面が消えた後における前記第2用紙ユニットに対するユーザー操作なしにユーザー指示可能となった前記第2画面を介した前記第2用紙ユニットの用紙設定に対するユーザー指示を受け付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、被記録媒体の情報を設定する際のユーザビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1に係る印刷装置の外観を示す概略図である。
【
図2】実施形態1に係る印刷装置の用紙搬送部分の構成を示す概略図である。
【
図3】実施形態1に係る印刷装置の制御の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態1に係る印刷装置の給紙カセット検知ハンドラーのフローチャートである。
【
図5】実施形態1に係る表示処理における用紙情報の設定画面の一例を示す図である。
【
図6】実施形態1に係る表示処理の概要を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態1に係る表示処理のフローチャートである。
【
図8】実施形態1の制御におけるユーザー動作と画面表示を説明した図である。
【
図9】実施形態1の制御におけるユーザー動作と画面表示を説明した別の図である。
【
図10】実施形態2の制御におけるユーザー動作と画面表示を説明した図である。
【
図11】実施形態3に係る表示処理における優先度の設定画面の一例を示す図である。
【
図12】実施形態3に係る表示処理における優先度テーブルの一例を示す図である。
【
図13】実施形態4に係る表示処理のフローチャートである。
【
図14】実施形態4に係る表示処理におけるスタックテーブルの一例を示す図である。
【
図15】実施形態4に係る表示処理における優先度テーブルの一例を示す図である。
【
図16】他の実施形態に係る用紙搬送部分の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、この実施形態で用いる装置の各構成要素の相対配置、装置形状等は、あくまで例示であり、これに限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置の外観を示す概略図である。本実施形態では、印刷装置として、読取機能(スキャナ)を有するMulti Function Printer(MFP)を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、印刷機能のみを有するものであってもよい。
【0011】
図1において、印刷装置100は、原稿台101と、原稿蓋102、複数の給紙カセット(給紙カセット1、給紙カセット2)、排紙トレイ105と、を有する。
【0012】
原稿台101はガラス状の透明な台であり、原稿を載せてスキャナで読み取る時に使用する。原稿蓋102は、スキャナで読取を行う際に読取光が外部に漏れないようにするための蓋であり、原稿台101を覆うことができるように構成されている。各給紙カセット(給紙カセット103、給紙カセット104)は、様々なサイズや紙種の用紙をセットすることができる。給紙カセット103~104にセットされた用紙は、一枚ずつ印刷部に搬送され、印刷部により印刷がされると、排紙トレイ105から排出される。なお、本実施形態では、
図1に示すように、給紙カセットを2つ搭載した装置を例に挙げて説明したが、給紙カセットは、1つ以上であればよく、1つであっても3つ以上であってもよい。
【0013】
また、印刷方式は、後述する画像印刷用液体インクを用いたインクジェット方式による画像の印刷には限らない。記録剤として固形インクを用いてもよいし、トナーを用いた電子写真方式や昇華方式など種々のものを採用可能である。また、複数色の記録剤を用いたカラー記録を行うものには限らず、黒色(グレーを含む)のみによるモノクロ記録を行うものとしてもよい。また、印刷は、可視画像の印刷には限らず、不可視もしくは視認が困難な画像の印刷としてもよいし、一般的な画像以外の、例えば配線パターン、部品の製造における物理的パターン、DNAの塩基配列等のプリントなど種々のものの印刷としてもよい。つまり、記録剤を記録材に付与可能なものであれば種々のタイプの印刷装置に適用可能である。
【0014】
また、本実施形態では、被記録媒体として用紙を例に挙げて説明するが、被記録媒体の材質は紙には限らず、印刷処理可能なものであれば種々のものを用いることができる。
【0015】
図2は、本実施形態に係る印刷装置100における印刷機構部分の内部構成を示す概略図である。印刷装置100は、給紙カセット201、給紙カセット202、排紙トレイ203を有し、それぞれ、
図1の給紙カセット103、給紙カセット104、排紙トレイ105に対応する。また、印刷装置100は、印刷ユニットとして、印刷ヘッド212、キャリッジ213、及びガイドレール214を有する。
【0016】
給紙カセット201に積載された記録用紙S1は、不図示の搬送モータにより駆動される給紙ローラ204によりピックアップされ、搬送ローラ205、搬送ローラ206の間に送られ、搬送ローラ205及び206により搬送される。搬送ローラ205、搬送ローラ206により搬送された記録用紙S2は、用紙搬送ガイド207、用紙搬送ガイド208を含む搬送路によりUターン搬送され、搬送ローラ209及び搬送ローラ210へ送られる。図示しないが、給紙カセット202に積層された記録用紙をピックアップできるように給紙ローラが設けられ、ピックアップされた記録用紙を搬送できるように搬送ローラが設けられている。これにより、給紙カセット202に積層された記録用紙は、ピックアップされ、搬送路に搬送される。
【0017】
さらに、記録用紙S2は、プラテン211上を搬送される。記録用紙S2を挟んでプラテン211と対向する位置には、印刷ヘッド212を搭載したキャリッジ213が設けられている。キャリッジ213は、ガイドレール214に沿って不図示のキャリッジモータにより往復駆動される。印刷ヘッド212に駆動パルスを印加することにより記録用紙S2上に記録画像が形成される。画像が形成された記録用紙S2は、さらに、搬送ローラ209、搬送ローラ210よりも搬送方向の下流側に設けられている排紙ローラ215、排紙ローラ216により搬送され、排紙トレイ203に排出される。排紙トレイ203には、画像が形成された記録用紙S2、すなわち、印刷済みの記録用紙S2が積層される。
【0018】
キャリッジ213には、用紙センサ218が設けられており、プラテン211上に記録用紙S2が存在するか否かを検出することができる。用紙センサ218は、例えば、反射型の光学センサからなり、用紙センサ218の出力レベルを取得することにより、上述した検出を行うことができる。本実施形態では、用紙センサ218がキャリッジ213に設けられているため、キャリッジ213を移動しながら用紙センサ218の出力レベルを取得することにより、プラテン211上に搬送されている記録用紙S2の用紙の端部位置を検出することができる。
【0019】
また、給紙カセット201及び給紙カセット202には、それぞれカセットセンサ219及びカセットセンサ220が設けられており、給紙カセットが挿入もしくは抜去されたことを検知することができる。
【0020】
図3は、本実施形態における印刷装置100の制御の構成を示すブロック図である。印刷装置100は、CPU301、プログラムメモリ303、データメモリ304を有する。
また、印刷装置100は、インタフェース制御回路307、モータ制御回路309、ヘッド制御回路313、センサ制御回路314、パネル制御回路317、メモリカード制御回路321、スキャナ制御回路324を有する。これらは内部バス302を介して接続される。
【0021】
CPU301は、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)形態の中央演算処理部であり、プログラムの実行やハードウェアの起動により印刷装置100全体の動作を制御する。プログラムメモリ303は、ROMであり、CPU301が実行するためのプログラムや印刷装置100の各種動作に必要な固定データを格納する。データメモリ304は、RAMからなり、CPU301のワークエリアとして用いられたり、種々の受信データの一時格納領域として用いられたり、各種設定データを記憶させたりする。データメモリ304は、CPU301が制御プログラム実行に際して利用するワークメモリ305、記録用紙上に形成される画像データを格納する画像メモリ306などの用途に利用される。
【0022】
CPU301は、インタフェース制御回路307を制御し、外部インタフェースを経由して接続されているホストコンピュータ308から印刷するジョブデータを受け取ったり、印刷装置のステータスをホストコンピュータ308へ通知したりすることができる。
【0023】
CPU301は、モータ制御回路309を介して、印刷装置100の機構を駆動する各種モータを制御することができる。搬送モータ310は、給紙ローラ203、搬送ローラ205、206、209、210、排紙ローラ215、216を駆動し、記録用紙を給紙トレイから排紙トレイ203に至るまでの搬送を行う。キャリッジモータ311(
図3ではCRモータと記載)は、キャリッジ213の往復駆動を行う。回復モータ312は、ヘッド回復機構の駆動を行い、キャリッジ213の駆動と同期して制御することで印刷ヘッド212の状態を適切に保つための回復動作を実行する。
【0024】
CPU301は、ヘッド制御回路313を介して印刷ヘッド212を制御することができる。キャリッジ213の往復動作と同期して印刷ヘッド212を制御することで記録用紙上に画像形成を行う。
【0025】
CPU301は、センサ制御回路314を介して用紙センサ218のセンサ光源315を制御したり、用紙センサ218の光学センサ316の出力電圧を取得したりすることができる。また、CPU301は、センサ制御回路314を介して各種カセットセンサを制御することができる。給紙カセット1用のカセットセンサ219及び給紙カセット2用のカセットセンサ220は、例えば、フォトインタラプタとメカスイッチで構成されている。
【0026】
各カセットセンサは、印刷装置100に対してユーザーが給紙カセットを挿入、もしくは抜去したことを検知し、センサ制御回路314を介してCPU301がその検知を取得することができる。
【0027】
CPU301は、パネル制御回路317を介して印刷装置100の外面に設けられた操作パネル318を制御する。操作パネル318は、例えば、ハードキー群319と、表示装置320とを有する。パネル制御回路317は、操作パネル318上に配置された表示装置320に所望の情報を表示したり、同じく操作パネル318上のハードキー群319へのユーザーからの操作を監視したりすることができる。
【0028】
CPU301は、スキャナ制御回路324を介して
図1では不図示のスキャナ325を制御することができ、スキャナ325の原稿台に乗せられた原稿画像を読み取ることができる。
【0029】
CPU301は、メモリカード制御回路321を介して印刷装置100の外面に設けられたメモリカードスロット322に装着されたメモリカード323内の各種ファイルを読み書きすることができる。スキャナ325で読み取った画像は、データメモリ304中の画像メモリ306に格納された後、ホストコンピュータ308に送信したり、メモリカード323に画像ファイルとして保存したりすることができる。また、スキャナ325で読み取った画像をそのまま印刷機構を制御して印刷することで、コピー機能として利用することも可能である。
【0030】
ここで、印刷装置100に給紙カセットが挿入されたことを検知し、対応する用紙情報(被記録媒体情報)の設定画面を表示する際の制御について説明する。なお、設定画面により設定された用紙情報に基づいて、印刷装置の各種動作、例えば、印刷制御、搬送制御等が実行される。
【0031】
印刷装置100のCPU301は、プログラムメモリ303内のリアルタイムOSの周期ハンドラーを用いて、所定の周期で給紙カセット検知処理を実行する。給紙カセット検知処理を実行する周期は、あらかじめ決められており、給紙カセット挿抜による制御を行うのに十分な時間が設定される。本実施形態では、300ms周期としたが、周期はこれに限定されるものではない。カセットセンサ219又は220によって給紙カセットの挿入が検出された場合、操作パネル318を制御するCPUのパネルタスクにその検出を通知する。本実施形態では、給紙カセットが複数あるため、この処理は給紙カセット毎に行われ、異なる給紙カセットの挿入は、区別して検知される。
【0032】
図4を用いて、給紙カセット検知処理について説明する。
図4は、CPU301がプログラムメモリ303に格納されたプログラムをデータメモリ304にロードして実行する処理の流れである。なお、
図4に示す給紙カセット検知処理は1周期毎に行われる。給紙カセット検知処理を開始すると、S401では、カセット1の挿入を検知したか判定する。
【0033】
カセット1の挿入を検知したと判定したら、カセット挿入をCPU301に通知し(S402)、S403へ進む。カセット1の挿入を検知しない場合、そのままS403へ進む。S403では、カセット2の挿入を検知したか判定する。カセット2の挿入を検知したと判定したら、カセット挿入をパネルタスクに通知し(S404)、処理を終了する。
カセット1の挿入を検知しない場合、処理を終了する。このように、カセット1又はカセット2の挿入が検知されると、パネルタスクに通知され、通知されない場合はそのまま処理を終了する。
【0034】
カセットセンサにより給紙カセット挿入の検知がパネルタスクに通知されると、印刷装置100の表示装置320には、
図5に示すような用紙情報の設定画面が表示され、ユーザーの入力を受け付ける。ユーザーはこの設定画面を操作することで、挿入した給紙カセットに積載されている用紙の情報を入力する。
【0035】
図5は、カセットセンサ1が、給紙カセットの挿入を検知した場合に、表示装置320に表示される設定画面である。設定画面501には、カセット1に設定する用紙情報の設定を促すメッセージが表示される。本実施形態では、
図5(a)に示すように、「カセット1の用紙情報を登録してください。」と表示される。
【0036】
ここで、表示装置320の表示制御は、CPU301がパネル制御回路317を介して行う。本実施形態では、操作パネル318は、タッチパネルからなるものとするが、これに限定されず、タッチパネルセンサを備えていない通常のLCD等のディスプレイであってもよい。タッチパネルは、タッチパネルセンサを有し、指や導電性の媒体などの接触や近づくことにより生ずる静電容量の変化を静電容量の変化を検出することにより、タッチ操作の有無及びタッチされた位置を検出する。タッチパネルセンサは、CPU301の制御により、ユーザーが液晶ディスプレイの表面を触る「タッチ操作」、タッチした指を動かさずに離す「タップ操作」、タッチした指を移動させる「ドラッグ操作」を検出する。
【0037】
サイズの横の領域をタッチすると、
図5(b)に示すように、サブウィンドウ502が設定画面501を覆うように表示される。サブウィンドウ502で、所定のサイズをユーザーがタッチすることにより、サイズが選択される。また、種類の横の領域をタッチすると、
図5(c)に示すように、サブウィンドウ503が表示画面501を覆うように表示される。サブウィンドウ503で、所定の種類をユーザーがタッチすることにより、用紙の種類が選択される。なお、表示されるサブウィンドウ502やサブウィンドウ503は、表示数に制限があるため、リストに含まれるサイズ又は種類が多い場合は、プルダウンでユーザーが選択できるように表示する。また、設定画面において、ユーザー操作前のデフォルトの状態では、サイズ及び種類には、前回設定したサイズ及び種類がそれぞれ表示される。
【0038】
そして、
図5(a)の設定画面において、登録ボタンがタッチされると、ユーザー入力が受け付けられて、給紙カセット1の用紙情報の設定は終了する。なお、本実施形態では、設定画面501には、登録ボタンを表示するものとしたが、登録ボタンとキャンセルボタンを備えるものとしてもよい。この場合は、キャンセルボタンがタッチされた場合も、給紙カセット1の用紙情報の設定は終了する。
【0039】
給紙カセット2の用紙情報の設定の場合は、「カセット1の用紙情報を登録してください。」の代わりに、「カセット2の用紙情報を登録してください。」と表示される以外は、
図5と同様であるので、説明を省略する。
【0040】
なお、設定画面の表示方法は、
図5に示すものに限定されるものではない。例えば、
図5では、登録ボタンを表示するものとしたが、これを表示せずに、操作パネル318の表示装置320の外部に設けられたボタンの押下に応じて、設定を終了するようにしてもよい。また、進むボタンを表示し、進むボタンのタッチの検知に基づいて、設定を終了するようにしてもよい。
【0041】
また、各給紙カセットには、それぞれ優先度が設定されている。本実施形態では、2つの給紙カセットに同じ用紙が積載されることを想定し、スループットが高い給紙カセットの優先度を高く設定する。本実施形態の場合、給紙カセットと搬送ローラとの距離がより近い給紙カセット1の方が給紙カセット2よりもスループットは高いので、給紙カセット1の優先度を高く設定する。
【0042】
ここで、
図6を用いて、給紙カセットの用紙情報の設定画面が表示されている最中に、他の給紙カセットが挿入された時の、画面表示制御を説明する。
図6は、本実施形態に係る表示処理の概要を表したフローチャートである。
図6は、CPU301がプログラムメモリ303に格納されたプログラムをデータメモリ304にロードして実行される。
【0043】
S601で、印刷装置100の表示部に用紙情報の設定画面が表示されているとする。
このとき、設定画面の表示は、任意の給紙カセットの挿入が検知されたことに基づき実行されたものであってもよいし、用紙情報の設定登録がユーザー操作により指示されたことに基づき実行されたものであってもよい。
【0044】
その後、ステップS602で給紙カセットの挿入検知を受けると、挿入を検知した給紙カセットの優先度に応じて動作を変える。具体的には、表示部に表示中の設定画面に対応する給紙カセット(
図5の場合、給紙カセット1)の優先度と、挿入を検知した給紙カセットの優先度を比較することにより表示方法を決定する。
【0045】
1つ目のパターンは、表示中の設定画面に対応する給紙カセットが、設定画面の表示中に再び挿入された場合である。設定画面の表示中に検知した給紙カセットが、設定画面が表示されている給紙カセットと同一である場合(S603)、その検知に応じた用紙情報の登録画面を表示させない(S604)。残りのパターンは、複数の給紙カセットを持つ印刷装置において、表示中の設定画面に対応する給紙カセットとは異なる給紙カセットが挿入された場合である。設定画面の表示中に挿入が検知された給紙カセットが、表示中の設定画面に対応する給紙カセットよりも優先度が低い場合(S605)、その検知に対する表示動作は延期し、現在の設定画面の表示を続ける(S606)。一方、設定画面の表示中に挿入された給紙カセットが、表示中の設定画面に対応する給紙カセットよりも優先度が高い場合(S607)、その検知に対する表示動作を割り込ませる(S608)。具体的には、現在の設定画面の表示を挿入された給紙カセットの設定画面の表示に切り替える。
【0046】
なお、本実施形態では、この3パターンの処理を複合して実装することを想定しているが、独立して実装されていても良い。また、本実施形態では、表示部に表示中の設定画面に対応する給紙カセットの優先度と、挿入を検知した給紙カセットの優先度が同じ場合は、給紙カセットが同一である場合である。しかしながら、給紙カセットを3以上含む場合は、給紙カセットの優先度が同じであっても異なる給紙カセットの場合もある。この場合は、S606と同様に、表示動作を延期すればよい。
【0047】
図7は、
図6に示す表示処理をさらに詳細に示したフローチャートの一例である。S701で、給紙カセットについて、用紙情報の設定画面が表示されている。ここで、表示されている設定画面は、複数の給紙カセットの挿入が検知された状態の場合は、現在検知している給紙カセットの中で一番優先度が高いものが表示される。
【0048】
S702において、設定画面を介した用紙情報の設定が終了したか判定し、設定が終了した場合は、S708へ進み、設定が終了していない場合は、S703へ進む。
【0049】
S703において、給紙カセットの挿入を検知したか判定する。給紙カセットの挿入を検知しない場合は、S702へ戻る。これにより、新たに給紙カセット挿入を検知するまで、装置の状態を監視する。一方、S703で、給紙カセットの挿入を検知すると、その給紙カセットが現在表示中の設定画面に対応する給紙カセット、もしくはサスペンドしている給紙カセット(保留している給紙カセット)と同一であるかを判断する(ステップS704)。本実施形態では、給紙カセットには、それぞれ異なる優先度を設定しているため、優先度を用いて同一か否かを判断する。なお、3以上の給紙カセットを備える場合も、それぞれ異なる優先度を設定している場合は、給紙カセットが同一かの判断に優先度を用いることができる。なお、挿入した給紙カセットと同じか否かの判定は、これに限定されず、例えば、給紙カセットの挿入の通知元が同じであるかに基づいて、挿入した給紙カセットが同じか判定してもよい。
【0050】
S704において、同一であると判断された場合、その給紙カセットに対する設定画面を表示せず、S701に戻り、用紙情報の設定画面の表示を続行する。これにより、同一の給紙カセットに対する設定画面の再表示は行われない。一方、同一でないと判断された場合、S705に進み、優先度は、後から挿入された給紙カセットが、現在表示中の設定画面に対応する給紙カセットの優先度よりも高いか判定する。後から挿入した給紙カセットの優先度が高い場合(S705でYeS)、その給紙カセットを現カセットに変更し、今まで表示していた設定画面の給紙カセットをサスペンド状態(保留状態)とする(S706)。すなわち、その給紙カセットの用紙情報の設定画面を表示する。そして、S701へ戻る。一方、後から挿入した給紙カセットの優先度が低い場合(S705でNo)、その給紙カセットに対する用紙情報の設定画面をサスペンド状態とし(S707)、現在の画面表示を継続し、S701へ戻る。このように、判定結果に基づいて、現在表示中の設定画面を保留するか、挿入した給紙カセットの設定画面を保留するかを決定する。ここで、本実施形態では、表示装置320に表示する設定画面を入れ替えるようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、既に表示中の設定画面の上に、優先度の高い給紙カセットに対応する設定画面を表示することにより、既に表示されていた設定画面をサスペンド状態とするようにしてもよい。そして、優先度の高い給紙カセットに対応する設定画面の設定が終了すると、当該設定画面が消えることにより、既に表示されていた設定画面が最上面に表示されるようにすればよい。
【0051】
S702の判定で設定が終了すると、S708でサスペンドした給紙カセットがあるかの判定を行う。サスペンドした給紙カセットが無い場合(S708でNo)、もう表示する用紙情報の設定画面は無いので、処理を終了する。サスペンドしたカセットがある場合(S708でYes)、ステップS709でその給紙カセットを現カセットに変更し、用紙情報の設定画面を表示し、S701へ戻る。
【0052】
図8は、同じ給紙カセットが再挿入された場合の制御を、ユーザーの動作と表示部の画面表示に注目して説明する図である。本実施形態では、ユーザーが給紙カセットを抜き去ったタイミングではなく、ユーザーが給紙カセットの挿入動作をしたタイミングで、装置の表示部に、その給紙カセットに対する用紙情報の設定画面を表示する。なお、ユーザーが給紙カセットを抜き去ったタイミングで用紙情報の設定画面を表示するようにしてもよい。その後、再びユーザーが同じ給紙カセットの挿抜を行った場合、画面には設定画面を表示しない。すなわち、同じ給紙カセットが再挿入された場合は、設定画面の再表示を行わない。
【0053】
図9は、設定画面表示中に異なる給紙カセットが挿入された場合の制御を、ユーザーの動作と表示部の画面表示に注目して説明する図である。ここでは、給紙カセット1と給紙カセット2の2つの給紙カセットを持つ装置において、給紙カセット1、給紙カセット2の順に挿抜を行ったケースを例に挙げて説明する。
【0054】
図9は、給紙カセット1の優先度が高い場合の処理である。ユーザーが給紙カセット1を挿入したタイミングで、装置の表示部には、その給紙カセット1に対する用紙情報の設定画面を表示する。その後ユーザーが給紙カセット2の挿抜を行った場合、給紙カセット2の優先度は、現在表示中の設定画面に対応する給紙カセット1の優先度よりも低いため、画面表示はサスペンドされる。その後、給紙カセット1の設定が終了すると、サスペンドされていた給紙カセット2に対する設定画面を表示する。
【0055】
本実施形態では、給紙カセットの情報の設定画面が表示されている間は、同じ給紙カセットによる新たな挿入検知に基づく表示動作を無視することができる。また、優先度が高い給紙カセットに関する設定画面が表示されている間は、その給紙カセットより優先度の低い給紙カセットの挿入検知に基づく表示動作を延期できる。さらに、優先度が低い給紙カセットの情報の設定画面が表示されている場合は、その給紙カセットより優先度の高い給紙カセットの挿入検知に基づく表示動作を割り込ませることができる。したがって、ユーザーが同じ設定を複数回行うことを防ぐことができると共に、常に優先度が高い給紙カセットの設定画面を表示するので、優れたユーザビリティを実現することができる。また、優先度に応じて設定画面が表示されるので、設定すべき給紙カセットの順番が明確になる。
【0056】
(実施形態2)
実施形態1では、給紙カセット同士の優先度を、印刷スループットに基づいて決定することについて説明した。これに対し、本実施形態では、使用頻度に基づいて、各給紙カセットの優先度を決定する。なお、所定期間における使用回数を取得し、取得した使用回数に基づいて、優先度を決定するようにしてもよいし、予め使用頻度を予測して、優先度を決定するようにしてもよい。
【0057】
印刷装置によっては、例えば、各給紙カセットに対応する用紙、すなわち、各給紙カセットに収納可能な用紙が異なる場合がある。具体的には、たとえば、給紙カセット1が写真紙などの小さいサイズの特殊紙、給紙カセット2が、写真紙などの小さいサイズの特殊紙に加えて、普通紙や大きいサイズの用紙などに対応している場合がある。この場合、全ての用紙に対応する給紙カセット2の使用頻度が高いことが想定される。したがって、本実施形態では、ユーザビリティを向上させるために、ユーザーの使用頻度が高いと想定される給紙カセット2の優先度を予め高く設定する。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0058】
図10は、設定画面表示中に異なる給紙カセットが挿入された場合の制御を、ユーザーの動作と表示部の画面表示に注目して説明する図である。ここでは、給紙カセット1と給紙カセット2の2つの給紙カセットを持つ装置において、給紙カセット1、給紙カセット2の順に挿抜を行ったケースを例に挙げて説明する。
図9とは異なる点は、給紙カセット2の優先度が高い点である。
【0059】
ユーザーが給紙カセット1を挿入したタイミングで、装置の表示部には、その給紙カセット1に対する用紙情報の設定画面を表示する。その後ユーザーが給紙カセット2の挿入を行った場合、給紙カセット2の優先度が現在表示中の設定画面に対応する給紙カセット1の優先度よりも高いため、給紙カセット2の画面表示を割り込ませ、表示していた給紙カセット1の画面表示はサスペンドされる。その後、給紙カセット2の設定が終了すると、サスペンドされていた給紙カセット1に対する設定画面を再び表示する。
【0060】
本実施形態では、実施形態1と同じ効果を得ることができる。
【0061】
なお、ここでは、使用頻度に基づいて、優先度を設定するものとしたが、給紙カセットの優先度の設定は、これに限定されず、製品仕様等によって適宜設定すればよい。
【0062】
(実施形態3)
実施形態1及び2では、印刷装置に予め優先度が設定されているものとしたが、本実施形態では、優先度をユーザーによって任意に設定できるものとする。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0063】
図11は、表示装置320に表示する優先度の設定画面の一例である。この優先度の設定画面は、ユーザー操作に基づいて表示するようにしてもよいし、装置の初期起動や再起動等の所定のタイミングで表示するようにしてもよい。ユーザーは、表示装置320に表示される設定画面を介して、各給紙カセットに対して優先度を設定する。CPU301は、その入力に対応して、給紙カセットと優先度の対応テーブルを作成する。テーブルの例は
図12に示す。作成されたテーブルは、
図7のS705の判定の際に、ルックアップテーブルとして参照する。
【0064】
本実施形態では、実施形態1と同様の効果を得ることができる。さらに、任意に優先度を変更できるので、ユーザーの装置の利用の仕方に合わせて、より各ユーザーのユースケースに合った設定が可能であり、ユーザビリティを向上させることができる。
【0065】
(実施形態4)
実施形態1では、給紙カセットが2つの場合を説明したが、これに限定されず、3つ以上の給紙カセットにも対応可能である。本実施形態では、3つ以上の給紙カセットを備える場合について
図13~15を用いて説明する。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0066】
図13は、
図7のフローチャートを3つ以上の給紙カセットに対応させたものであり、基本的な処理の流れは
図7と同じである。
図14は、CPU301がプログラムメモリ303に格納されたプログラムをデータメモリ304にロードして実行される。
【0067】
図13では、S706及びS707において、優先度が低い給紙カセットをサスペンドするが、3つ以上の給紙カセットに対応する場合、サスペンドされる給紙カセットは複数になる。このため、本実施形態では、サスペンドされた給紙カセットを記憶しておく領域をRAMに用意する。サスペンドされた給紙カセットは、自身の優先度と共にRAMにスタックされる。
図13(a)はその概念図である。ここではカセット1、カセット3、カセット2の順にスタックされており、優先度はカセット3、カセット2、カセット1の順に高いとする。この優先度は、実施形態3のようにユーザーが任意に設定できても良く、その場合は、
図12で示した優先度テーブルは、
図15のように複数カセットに対応した形で作成する。
【0068】
S708において、サスペンドしたかセットがあると判定された場合、ステップS1409でサスペンドした給紙カセットを現カセットに変更する。このとき、スタックされた給紙カセットの中から、最も優先度が高い給紙カセットを検索し、それを現カセットとする。すなわち
図14(a)の例では、カセット3が現カセットに変更され、スタックから削除されることで、
図14(b)の状態になる。
【0069】
本実施形態では、給紙カセットが3つ以上の場合でも、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0070】
(他の実施形態)
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、給紙カセットの優先度は、予め装置に設定されている優先度をユーザーが変更できるようにしてもよい。
【0071】
また、上述した実施形態では、給紙ユニットとして給紙カセットを例に挙げて説明したが、給紙カセット以外の給紙ユニットであってもよい。給紙ユニットとしては、例えば、ASF(AutoSheetFeeder)や手差しユニット等が挙げられる。
図16に示す印刷装置は、
図2の構成図にASFを加えたものであり、給紙ユニット以外の部分は同じであるため、説明を省略する。ASFは、ASFトレイ1701、カバー軸1702、インナーカバー1703、ASFセンサ1704を備える。ASFでは、記録用紙がASFトレイ1701の上に積載され、搬送される。カバー軸1702を軸として開閉するインナーカバー1703の開閉を給紙カセットの挿抜と同等に扱えばよい。すなわち、インナーカバー1703を閉じる操作を、給紙カセット挿入と同等の操作として扱う。インナーカバー1703の開閉の検出は、ASFセンサ1704で行う。センサ1704は、例えば、カセットセンサ219、220と同じ構成とする。また、優先度の設定については、例えば、ASFはユーザーが使用したい時に特殊紙を積載するケースが多いため、最も高く設定する。そして、残りの給紙カセットは実施形態1と同様に、スループットの高い給紙カセット1の優先度を給紙カセット2よりも高く設定する。すなわち、給紙ユニットの優先度は、ASF、給紙カセット1、給紙カセット2の順に高く設定する。なお、勿論、実施形態2と同様に、使用頻度に基づいて決定してもよいし、他の条件に基づいて決定してもよいし、ユーザーが決定してもよい。
【0072】
また、給紙カセットが1つの場合、操作中の画面の上に新たに同じ給紙カセットの登録画面が表示されないように制御する。
【0073】
また、上述した実施形態では、印刷装置が制御装置を備えるものとしたが、これに限定されるものではない。
図1の印刷装置と接続されたプリンタドライバを有する外部装置の表示部に設定画面を表示する場合や、外部装置からの指示で当該印刷装置の表示部に設定画面を表示する場合は、この外部装置が制御装置となる。
【0074】
上述した実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウエア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。また、プログラムは、1つのコンピュータで実行させても、複数のコンピュータを連動させて実行させるようにしてもよい。また、上記した処理の全てをソフトウエアで実現する必要はなく、処理の一部または全部をASIC等のハードウェアで実現するようにしてもよい。また、CPUも1つのCPUで全ての処理を行うものに限らず、複数のCPUが適宜連携をしながら処理を行うものとしてもよい。