IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リブレ ワイヤレス テクノロジーズ インコーポレイテッドの特許一覧

特許7410640マルチプロトコルオーディオ/音声IoT機器及び関連システム
<>
  • 特許-マルチプロトコルオーディオ/音声IoT機器及び関連システム 図1
  • 特許-マルチプロトコルオーディオ/音声IoT機器及び関連システム 図2A
  • 特許-マルチプロトコルオーディオ/音声IoT機器及び関連システム 図2B
  • 特許-マルチプロトコルオーディオ/音声IoT機器及び関連システム 図3A
  • 特許-マルチプロトコルオーディオ/音声IoT機器及び関連システム 図3B
  • 特許-マルチプロトコルオーディオ/音声IoT機器及び関連システム 図3C
  • 特許-マルチプロトコルオーディオ/音声IoT機器及び関連システム 図4
  • 特許-マルチプロトコルオーディオ/音声IoT機器及び関連システム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】マルチプロトコルオーディオ/音声IoT機器及び関連システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/72415 20210101AFI20231227BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20231227BHJP
   H04W 4/00 20180101ALI20231227BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20231227BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20231227BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
H04M1/72415
H04W76/10
H04W4/00 110
H04W88/06
G06F3/16 630
G06F3/16 650
H04Q9/00 301E
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018191264
(22)【出願日】2018-10-09
(65)【公開番号】P2019087994
(43)【公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-08-20
(31)【優先権主張番号】15/788,201
(32)【優先日】2017-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517399893
【氏名又は名称】リブレ ワイヤレス テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Libre Wireless Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】2100 Geng Road, Suite 210 Palo Alto, CA 94303, USA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】カシェフ フーマン
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-221270(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0347114(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0279894(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00-11/00
H04W 4/00-99/00
G06F 3/16
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
DSP(Digital Signal Processor)と、少なくとも1つの無線通信モジュールと、前記DSP及び前記少なくとも1つの無線通信モジュールに接続されるMCU(Multipoint Control Unit)とを収容するパッケージを備え、
前記DSPは、少なくとも1つのマイクロホンに接続され、前記MCUに少なくとも1つの音声制御信号を提供し、
前記少なくとも1つの無線通信モジュールは、少なくとも1つのアンテナに接続され、
前記MCUは、複数の無線プロトコルによる無線RF(Radio Frequency)通信リンクを可能にし、
前記MCUは、前記少なくとも1つの音声制御信号に応じて前記複数の無線プロトコルによる前記無線RF通信リンクを可能にするマルチプロトコルオーディオ/音声機器。
【請求項2】
前記複数の無線プロトコルには、WiFi、ZigBee、Bluetooth、第3世代モバイル技術(3G)、第4世代モバイル技術(4G)、LoRa(Long Range)、Z-Wave及びDECT(Digital Enhanced Cordless Technology)が含まれる請求項に記載のマルチプロトコルオーディオ/音声機器。
【請求項3】
前記MCUは、前記パッケージの外部の別の無線通信モジュールに接続され、前記複数の無線プロトコルには、第3世代モバイル技術(3G)及び第4世代モバイル技術(4G)が含まれる請求項に記載のマルチプロトコルオーディオ/音声機器。
【請求項4】
前記MCUは、更に前記複数の無線プロトコルの中の1つを動的に選択する請求項に記載のマルチプロトコルオーディオ/音声機器。
【請求項5】
前記MCUは、前記無線RF通信リンクのエンドポイント機器に基づいて前記複数の無線プロトコルの中の前記1つを動的に選択する請求項に記載のマルチプロトコルオーディオ/音声機器。
【請求項6】
前記MCUは、位置推定に基づいて前記複数の無線プロトコルの中の前記1つを動的に選択する請求項に記載のマルチプロトコルオーディオ/音声機器。
【請求項7】
記マルチプロトコルオーディオ/音声機器は、ウェアラブルである請求項に記載のマルチプロトコルオーディオ/音声機器。
【請求項8】
前記少なくとも1つのマイクロホンは、マイクロホンアレイを含む請求項に記載のマルチプロトコルオーディオ/音声機器。
【請求項9】
マルチプロトコルオーディオ/音声機器のシステムであって、
消費者向け電子マルチプロトコルオーディオ/音声機器と、
請求項1から8のいずれか一項に記載のマルチプロトコルオーディオ/音声機器を備える、ユーザがアクセス可能なウェアラブルマルチプロトコルオーディオ/音声機器と、
を備え、
前記ウェアラブルマルチプロトコルオーディオ/音声機器は、前記消費者向け電子マルチプロトコルオーディオ/音声機器が受け付け可能な無線プロトコルを判定し、
前記ウェアラブルマルチプロトコルオーディオ/音声機器は、前記ユーザによる前記消費者向け電子マルチプロトコルオーディオ/音声機器の制御を行い、前記ユーザによる前記消費者向け電子マルチプロトコルオーディオ/音声機器の制御は、音声コマンドによって行われる、システム。
【請求項10】
複数の前記消費者向け電子マルチプロトコルオーディオ/音声機器を備え、前記ユーザによる前記複数の消費者向け電子マルチプロトコルオーディオ/音声機器の制御は、音声コマンドによって行われる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数の消費者向け電子マルチプロトコルオーディオ/音声機器のそれぞれは、請求項1から8のいずれか一項に記載のマルチプロトコルオーディオ/音声機器である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記消費者向け電子マルチプロトコルオーディオ/音声機器は、スピーカ、ルータ、テレビ、照明システム、電話、コンピュータ、プリンタ、フラッシュドライブ、OBD(On-Board Diagnostics)ドングル、冷蔵庫、コーヒーメーカー、家庭用警報機、防犯カメラ、サーモスタット及びHVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)機器から成る群より選択される、請求項9~11のいずれか一項に記載のシステム
【請求項13】
前記ウェアラブルマルチプロトコルオーディオ/音声機器は、ネックレス、ボタン、時計、眼鏡、ヘッドホン及びイヤホンから成る群より選択される、請求項9~11のいずれか一項に記載のシステム
【請求項14】
前記ウェアラブルマルチプロトコルオーディオ/音声機器は、スキャンに基づいて、前記消費者向け電子マルチプロトコルオーディオ/音声機器が受け付け可能な前記無線プロトコルを判定する、請求項9~11のいずれか一項に記載のシステム
【請求項15】
前記ウェアラブルマルチプロトコルオーディオ/音声機器は、位置推定に基づいて、前記消費者向け電子マルチプロトコルオーディオ/音声機器が受け付け可能な前記無線プロトコルを判定する、請求項9~11のいずれか一項に記載のシステム
【請求項16】
前記ウェアラブルマルチプロトコルオーディオ/音声機器は、前記ウェアラブルマルチプロトコルオーディオ/音声機器のメモリ内の情報に基づいて、前記消費者向け電子マルチプロトコルオーディオ/音声機器が受け付け可能な前記無線プロトコルを判定する、請求項9~11のいずれか一項に記載のシステム
【請求項17】
前記ウェアラブルマルチプロトコルオーディオ/音声機器は、ゲートウェイである請求項9~11のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマルチプロトコルオーディオ/音声IoT機器及び関連システムに関する。
【背景技術】
【0002】
IoT(Internet of Things)とは電子機器が組み込まれた物理的なモノのネットワークである。ネットワーク化されるモノが増えると、それらとやりとりを行う新しい方法が利用できるようになる。IoT機器は自動化、ユーザレポートの作成、遠隔操作などの目的のために、データ収集、処理、作用及び通信を行うことができる。IoT機器は家庭、産業、都市、及び環境の用途において急速に展開されており、使い易さのために音声制御を利用している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
複数のIoT機器は無線RF(Radio Frequency)通信リンクを使って接続することができる。しかしながら従来のIoT機器は種々の無線プロトコルを使用して通信リンクを確立する。WiFi、Bluetooth、ZigBeeなどを含む多数の無線プロトコルが存在する。様々なIoT機器のメーカーはこれら多数の無線プロトコルのうちのいずれかを使用することができる。多数の無線プロトコルが存在するため、利用できる全てのIoT機器をつなぐことができず、これは一般に「バスケット・オブ・リモート(basket of remotes)」問題と呼ばれている。
【0004】
一解決策においては、独自のソフトウェアアプリケーションをIoT機器にインストールし、種々の無線プロトコルを有するIoT機器との通信を可能にする。この解決策は、特にソフトウェアの複雑性、及びソフトウェア開発者が多数の無線プロトコルに精通している必要性があることから、実行するのは困難である。音声制御を使用する機器にインストールする場合、プロトコルの追加を考慮して、音声コマンドをプロトコルコマンドと関連付けるアルゴリズムをソフトウェアに再実装する必要がある。更に、ローカルネットワークのみで動作するIoT機器にソフトウェアをインストールするのは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、実質的に図面の少なくとも1つに示され、及び/又は記載され、そして特許請求の範囲に記載された、マルチプロトコルオーディオ/音声IoT(Internet of Things)機器及び関連システムに関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】従来の無線通信システムの一部を示す例示図である。
図2A】本願の一実施形態に係る例示的マルチプロトコルオーディオ/音声IoT機器(Multiprotocol Audio/Voice Internet-of-Things Device:MAVID(商標))の一部を示すシステム図である。
図2B】本願の一実施形態に係る例示的マルチプロトコルオーディオ/音声IoT機器(MAVID(商標))の一部を示すシステム図である。
図3A】本願の一実施形態に係る無線通信システムの一部を示す例示図である。
図3B】本願の一実施形態に係る無線通信システムの一部を示す例示図である。
図3C】本願の一実施形態に係る無線通信システムの一部を示す例示図である。
図4】本願の一実施形態に係る無線通信システムの一部を示す例示図である。
図5】本願の一実施形態に係る無線通信システムの一部を示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の実施形態に関する具体的情報を以下に記載する。本願の図面及びそれに伴う詳細の説明は例示的実施形態のみに関するものである。特に明記しない限り、図中における同様の、又は相当する要素は、同様の又は対応する参照符号によって示すことができる。更に、本願における図は概して実物大ではなく、実際の相対寸法に対応するものではない。
【0008】
図1は従来の無線通信システムの一部を示す例示図である。図1に示すように、無線通信システム100は、ルータ102、スピーカ104、ラップトップコンピュータ106、ライト制御パネル108、ライト110a,110b及び110c、携帯電話112、スピーカ114、デスクトップコンピュータ116、キーボード118並びにマウス120を備える。
【0009】
図1に示すように、ルータ102は無線プロトコルとしてWiFiを使用し、スピーカ104及びラップトップコンピュータ106と無線接続して通信を行う。WiFiプロトコルにはIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 802.11規格が含まれる。例えばWiFiプロトコルはIEEE 802.11a、802.11b、802.11g及び/又は802.11n規格であってもよく、2.4GHz及び/又は5GHz周波数帯域を使用する。本実施形態において、ルータ102、スピーカ104及びラップトップコンピュータ106は、WiFiプロトコルの使用を可能にするWiFi統合モジュールを有する。WiFiプロトコルは、例えばルータ102からスピーカ104やラップトップコンピュータ106へそれぞれ音楽や映像をストリーミングするために使用することができる。スピーカ104はホームシアター受信機又はヘッドホンなどの任意のオーディオ制御システムとすることができる。ラップトップコンピュータ106は一般に、タブレットなどの任意のデータ記憶装置及びデータ処理装置とすることができる。
【0010】
また図1は、無線プロトコルとしてZigBeeを使用してライト110a,110b及び110cと無線接続及び通信を行うライト制御パネル108を示している。ZigBeeプロトコルにはZigBee 2006及び/又はZigBee PROなどのZigBeeアライアンス仕様バージョンが含まれる。ZigBeeプロトコルはIEEE 802.15.4規格に準拠し、868MHz、915MHz及び/又は2.4GHzの周波数帯域を使用する。本実施形態において、ライト制御パネル108とライト110a,110b及び110cとは、ZigBeeプロトコルの使用を可能にするZigBee統合モジュールを有する。ZigBeeプロトコルは、例えばライト制御パネル108からライト110a,110b及び110cへライト制御信号をストリーミングするために使用することができる。ライト制御信号は点灯パターンの変更、電源のオフ、色の変更、速度の変更を行ったり、デフォルトの色へライト110a,110b及び110cを戻すことができる。ライト制御パネル108は一般に、ZigBee統合リモートの壁取り付けパネル又は仮想ディスプレイパネルなどの、任意の制御パネルとすることができる。ライト110a,110b及び110cは一般に調光可能なライト、RGB LED(Red Green Blue Light-Emitting Diode)又はCCT LED(Correlated Color Temperature Light-Emitting Diode)などの任意の制御可能なライトとすることができる。
【0011】
図1に更に示すように、無線プロトコルとしてBluetoothを使用し、携帯電話112はスピーカ114と無線接続及び通信を行い、デスクトップコンピュータ116はキーボード118及びマウス120と無線接続及び通信を行う。Bluetoothプロトコルには、Bluetooth BR(Basic Rate)、Bluetooth EDR(Enhanced Data Rate)及び/又はBluetooth LE(Low Energy)などのBluetooth仕様バージョンが含まれる。BluetoothプロトコルはIEEE 802.15.1規格に準拠し、2.4GHz周波数帯域を使用する。本実施形態において、携帯電話112、スピーカ114、デスクトップコンピュータ116、キーボード118及びマウス120は、Bluetoothプロトコルの使用を可能にするBluetooth統合モジュールを有する。Bluetoothプロトコルは、例えば携帯電話112からスピーカ114へ音楽をストリーミングしたり、インターフェース制御信号をキーボード118及びマウス120からデスクトップコンピュータ116へストリーミングするために使用することができる。スピーカ114は、ホームシアター受信機又はヘッドホンなどの任意のオーディオ制御システムとすることができる。デスクトップコンピュータ116は一般にタブレットなどの任意のデータ記憶装置及びデータ処理装置とすることができる。キーボード118及びマウス120は一般にジョイスティックなどのヒューマン・インターフェース・デバイスとすることができる。
【0012】
とりわけ無線通信システム100において、異なる無線プロトコルを有する機器同士は接続及び通信を行わない。例えば、WiFi対応のルータ102はZigBee対応のライト制御パネル108と通信を行わず、WiFi対応のルータ102及びZigBee対応のライト制御パネル108はいずれもBluetooth対応のスピーカ114と通信を行わない。実際、多数のIoT機器を使用する場合、プロトコル毎に複数のゲートウェイが必要となり、ユーザに負担がかかる。
【0013】
図2Aは本願の一実施形態に係る例示的マルチプロトコルオーディオ/音声IoT機器(MAVID(商標))の一部を示すシステム図である。MAVID(商標)はリブレ ワイヤレス テクノロジーズ インコーポレイテッドの商標である。図2Aに示すように、MAVID(商標)230は、パッケージ232、アンテナ234a及び234b、ダイプレクサ236、RFスイッチ237及び238、WiFi通信モジュール242、Bluetooth通信モジュール244及びBluetooth LE通信モジュール245を有するデュアルバンド無線通信モジュール240、ZigBee通信モジュール246、第3世代、第4世代モバイル技術(3G/4G)通信モジュール248、MCU(Multipoint Control Unit)250、マイクロホン252、ライン280及び282、DSP(Digital Signal Processor)254、QSPI(Quad Serial Peripheral Interface)フラッシュメモリ256、RAM(Random Access Memory)257並びに電源258を備えている。
【0014】
図2Aに示すように、ダイプレクサ236、RFスイッチ237及び238、WiFi通信モジュール242、Bluetooth通信モジュール244及びBluetooth LE通信モジュール245を有するデュアルバンド無線通信モジュール240、ZigBee通信モジュール246、MCU250、DSP254並びに電源258はパッケージ232内に配置されている。パッケージ232はおよそ1インチ×1インチ(1”x1”)以下の小型フォームファクタパッケージとすることができる。また図2Aに示すように、アンテナ234a及び234b、3G/4G通信モジュール248、マイクロホン252、QSPIフラッシュメモリ256並びにRAM257は、パッケージ232の外部に配置されている。アンテナ234a及び234b、3G/4G通信モジュール248、マイクロホン252、QSPIフラッシュメモリ256並びにRAM257は、例えば図2Aに示さないプリント基板(PCB)に配置させてもよい。パッケージ232はPCB上にも配置させることができる。
【0015】
パッケージ232の外部に配置されたアンテナ234a及び234bは、種々の無線プロトコルに従ったRF信号の送受信を行うために使用される。例えば、アンテナ234aはWiFi及びBluetoothプロトコルに従ってRF信号の送受信を行うために使用され、アンテナ234bはZigBeeプロトコルに従ってRF信号の送受信を行うために使用される。アンテナ234a及び234bは、例えばパッチアンテナ、マイクロストリップアンテナ又はその他の種類のアンテナとすることができる。一実施形態において、アンテナ234a及び234bはそれぞれ複数の要素を有するアンテナアレイであってもよい。
【0016】
図2Aに示すように、アンテナ234aはWiFiプロトコル及びBluetoothプロトコルのいずれにも使用される。アンテナ234aはダイプレクサ236に接続される。ダイプレクサ236は異なる周波数帯域のRF信号を分離する。例えば、本実施形態において、ダイプレクサ236は2.4GHz周波数帯域の信号を5GHz周波数帯域から分離する。5GHz信号はRFスイッチ237に接続され、RFスイッチ237によって信号は送信ラインと受信ラインとの間で切り替えられ、次いでデュアルバンド無線通信モジュール240内のWiFi通信モジュール242に接続される。2.4GHz信号はRFスイッチ238に接続され、RFスイッチ238によって送信ラインと受信ラインとで切り替えられ、デュアルバンド無線通信モジュール240内のWiFi通信モジュール242及びBluetooth通信モジュール244に接続される。アンテナ234bはZigBee通信モジュール246に接続される。一実施形態において、アンテナ234bは複数の無線プロトコルに使用することができる。
【0017】
WiFi通信モジュール242、Bluetooth通信モジュール244及びZigBee通信モジュール246は、WiFiプロトコル規格、Bluetoothプロトコル規格及びZigBeeプロトコル規格に従ってRF信号を処理する。複数の無線プロトコルを同時に使用すると、一般に干渉及び衝突が生じるため、WiFi通信モジュール242、Bluetooth通信モジュール244及びZigBee通信モジュール246はMCU250からの制御信号にも応答し、これによって制御される。図2Aに示すように、WiFi通信モジュール242、Bluetooth通信モジュール244及びZigBee通信モジュール246は、SDIO(Secure Digital Input Output)、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)及びPCM(Pulse Code Modulation)などのハードウェア通信インターフェースによってMCU250に接続される。これらのインターフェースは双方向性であるため、通信モジュールはMCU250にデータを報告して追加処理を行うことができ、MCU250は通信モジュールに制御信号を送ることができる。例えば、WiFi通信モジュール242、Bluetooth通信モジュール244及びZigBee通信モジュール246は、現在の、そして計画された動作状態、ビット及びパケット誤り率、信号及びノイズパワーレベル、周波数及びチャネル並びにタイミングに関する情報を報告することができる。MCU250は通信モジュールによって報告された情報に基づいて干渉評価を行い、干渉評価に基づいて干渉ソリューションを決定し、決定された干渉ソリューションに基づいて制御信号を通信モジュールに送信する。このように、MCUはPTA(Packet Traffic Arbiter)として作用し、複数の無線プロトコルの共存を管理し、MAVID(商標)230がこれら複数の無線プロトコルによる無線RF通信リンクを同時に形成できるようにする。
【0018】
図2Aにおいて、3G/4Gモジュール248はMCU250に接続されている。MCU250は上述のその他の無線通信モジュールとほぼ同様に、3G/4Gモジュールとやりとりを行う。3G/4Gモジュールはサイズ、放熱、及び/又は絶縁などその他のことを考慮してパッケージ232の外に配置することもできる。図2Aに示すように、任意選択で、デュアルバンド無線通信モジュール240を、PTAインターフェースを介してZigBeeモジュール246に接続し、デュアルバンド無線通信モジュール240からのデータとZigBeeモジュール246からのデータとをより効率的に比較して、MCU250の処理負担を軽減させることができる。一実施形態において、MAVID(商標)230は、図2Aに示すものに代え、又はこれらに加え、その他の無線プロトコルによる無線RF通信リンクを形成することができる。例えば、MAVID(商標)230は、LoRa(Long Range)、Z-Wave、DECT(Digital Enhanced Cordless Technology)及びその他の任意の無線プロトコルを使用することができる。
【0019】
図2Aに示すように、MAVID(商標)230はマイクロホン252を備えている。マイクロホン252はユーザから音声を受信する。本実施形態において、マイクロホン252は3つのマイクロホン要素を含むマイクロホンアレイである。マイクロホン252はビームフォーミング能力を提供して遠隔音声の受信を向上させ、ボイストラッキングを可能にする。種々の実施形態において、マイクロホン252は単一のマイクロホン要素であってもよいし、図2Aに示すものよりも多い又は少ないマイクロホン要素を有するマイクロホンアレイであってもよい。マイクロホン要素の数は、音声がMAVID(商標)230にとってどの程度クリティカルであるかによって決められる。
【0020】
マイクロホン252はライン280を介してDSP254に接続される。DSP254はマイクロホン252から音声信号を受信して処理する。DSP254はノイズ除去、音声クリナップ及びゲインコントロールなどの音声信号の調節を行う。またDSP254は音声認識分析も行う。図2Aに示すように、任意選択でマイクロホン252をライン282によってMCU250に接続し、そしてDSP254に接続してもよい。一実施形態において、DSP254はウェイクアップ機構を使用する。その際MAVID(商標)230のコンポーネントは、DSP254がユーザの話した「ジャーヴィス(Jarvis)」又は別のキーワードを認識するなどの、検出可能な事象が発生するまで低電力動作状態に維持される。
【0021】
図2Aに示すように、DSP254はSPI(Serial Peripheral Interface)、I2C(Inter-Integrated Circuit)、GPIO(General Purpose Input Output)及びI2S(Inter-IC Sound)インターフェースなどのハードウェア通信インターフェースによってMCU250に接続される。これらのインターフェースによってMCU250はDSP254にフィードバックを行い、DSP254はMCU250に音声制御信号を提供することができる。MCU250はDSP254から受信した音声制御信号に応じて複数の無線プロトコルによる無線RF通信リンクを可能にする。例えば、MAVID(商標)230がBluetoothプロトコルによってオーディオをスピーカ(図2Aに示さず)にストリーミングする間、ユーザは「ライトショー(lights show)」という言葉を話すことができる。DSP254は「ライトショー」という言葉の音声認識に対応して音声制御信号をMCU250に提供することができる。MCU250は音声制御信号及びBluetooth通信モジュール244によって報告された情報をいずれも処理し、Bluetoothプロトコルによるスピーカへの接続を維持しつつ、MAVID(商標)230がZigBeeプロトコルによってライト(図2Aには示さず)へ接続できるようにする。他の例において、MCU250は、MAVID(商標)230が異なる言葉の音声認識に対応する音声制御信号に応じて複数の無線プロトコルで通信できるようにする。
【0022】
また図2Aに示すように、MAVID(商標)230はMCU250に接続されたQSPIフラッシュメモリ256を備えている。MCU250は音声制御信号及び無線通信モジュールによって報告された情報に加え、QSPIフラッシュメモリ256に記憶された情報を処理することができる。例えばQSPIフラッシュメモリ256は以前のマルチプロトコル接続構成を記憶し、その後の同様のマルチプロトコルに接続する際、MCU250がそのような構成にアクセスすることによってMCU250の処理負担を軽減させることができる。また図2Aに示すように、MAVID(商標)230はMCU250に接続されたRAM257を備えている。MCU250は、音声制御信号及び無線通信モジュールによって報告された情報に加え、RAM257に記憶された情報を処理することができる。RAM257は例えばDDR(Double Data Rate)、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)又はDDR SRAM(Static Random Access Memory)とすることができる。
【0023】
MCU250は、外部I2S(Inter-IC Sound)(図2Aでは「Aux In(I2S)で示す」)、SPI(Serial Peripheral Interface)、I2C(Inter-Integrated Circuit)、GPIO(General Purpose Input Output)、PWM(Pulse Width Modulation)、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)、SD/SDIO(Secure Digital / Secure Digital Input Output)及び/又はUSB(Universal Serial Bus)インターフェースなどの外部ハードウェア通信インターフェースからの情報を処理することができる。電源258はMAVID(商標)230のコンポーネントに電力を供給する。
【0024】
図2Bは本願の一実施形態に係る例示的マルチプロトコルオーディオ/音声IoT機器(MAVID(商標))の一部を示すシステム図である。図2Bに示すように、MAVID(商標)231は、アンテナ235a及び235bを有するパッケージ233と、マイクロホン入力インターフェース253とを備えている。図2Bにおいて、パッケージ233はPCB又はセラミックSiP(Ceramic System-in-Package)などのシステム・レベルパッケージであり、図2Aに示すスモールフォームファクタパッケージ232よりも大きくすることもできる。マイクロホン入力インターフェース253はMAVID(商標)231がユーザから音声を受信できるようにする。例えばパッケージ233は、マイクロホン入力インターフェース253によってユーザから音声を受信する1つ以上のMEMS(Microelectromechanical System)マイクロホンを収容することができる。MEMSマイクロホンは、例えば、コンデンサ、エレクトレット又はピエゾ抵抗型MEMSマイクロホンとすることができる。マイクロホン入力インターフェース253は、例えば、MEMSマイクロホンの振動板、及びその他のコンポーネントが外部のユーザ音声とやりとりを行えるようにする開口部とすることができる。MAVID(商標)231は上述の外部ハードウェア通信インターフェースなどによっての種々のホスト/制御インターフェースに接続する。これらのホスト/制御インターフェースにより、外部ハードウェアはMAVID(商標)231内のドライブと通信できるようになる。またMAVID(商標)231は種々のメモリ拡張オプションに接続する。種々の実施形態において、メモリ拡張部はパッケージ233の外部に配置させても内部に配置させてもよく、又は一部を外部もしくは内部に配置させてもよい。メモリ拡張部はQSPIフラッシュメモリ、DDR SDRAM、DDR SRAM又はその他の任意のタイプのメモリとすることができる。
【0025】
図2BのMAVID(商標)231は、図2AのMAVID(商標)230の代替実施形態であり、図2BのMAVID(商標)231は、デュアルバンド無線通信モジュール240、WiFi通信モジュール242、Bluetooth通信モジュール244、Bluetooth LE通信モジュール245、ZigBee通信モジュール246、3G/4G通信モジュール248、DSP254、MCU250、ダイプレクサ236、RFスイッチ237及び238、QSPIフラッシュメモリ256、RAM257並びに/又はマイクロホン252の機能を個別に行う物理的又は論理的特徴を持つモジュールに分けられるのではなく、図2BのMAVID(商標)231は、個別の物理的又は論理的特徴を持つモジュールを必要とせずに図2AのMAVID(商標)230と同様の機能を行うことができる。例えば、図2BのMAVID(商標)231において独自に結合された回路は、図2AのMAVID(商標)230のデュアルバンド無線通信モジュール240、WiFi通信モジュール242、Bluetooth通信モジュール244、Bluetooth LE通信モジュール245、ZigBee通信モジュール246、3G/4G通信モジュール248、DSP254、MCU250、ダイプレクサ236、RFスイッチ237及び238、QSPIフラッシュメモリ256、RAM257並びに/又はマイクロホン25によって個別に行われる機能の全て又は一部を行うことができる。
【0026】
図2Bのアンテナ235a,235b及び235cは、種々の無線プロトコルに従ったRF信号の送受信に使用される。本実施形態において、アンテナ235a,235b及び235cはパッケージ233内のイネーブリング回路に接続される。アンテナ235aはWiFi及びBluetoothプロトコルに従ったRF信号の送受信に使用される。アンテナ235b及び235cはZigBeeプロトコル及び3G/4Gプロトコルに従ったRF信号の送受信にそれぞれ使用される。アンテナ235a,235b及び235cは、例えば、パッチアンテナ、マイクロストリップアンテナ又はその他のタイプのアンテナとすることができる。一実施形態において、アンテナ235a、235b及び235cはそれぞれ複数の要素を有するアンテナアレイであってもよい。図2Bのアンテナ235a及び235bはそれぞれ図2Aのアンテナ234a及び234bに対応させることができる。図2Bに示すように、アンテナ235aはWiFiプロトコル及びBluetoothプロトコルのいずれにも使用することができる。種々の実施形態において、アンテナ235b及び235cの各々、又はいずれかを複数の無線プロトコルで使用してもよい。
【0027】
単に例として、MAVID(商標)231の例示的な使用方法を以下に説明する。MAVID(商標)231がアンテナ235aを使ってBluetoothプロトコルによってオーディオをスピーカ(図2Bに示さず)にストリーミングしている間、ユーザは「ライトショー(lights show)」という言葉を話すことができる。MAVID(商標)231はユーザの言葉及びRF信号に関する情報をアンテナ235aで処理し、MAVID(商標)231はアンテナ235aを使ってBluetoothプロトコルによるスピーカへの接続を維持しながら、アンテナ235bを使ってZigBeeプロトコルによってライト(図2Bに示さず)に接続することができる。このように図2BのMAVID(商標)231は、独自のソフトウェアアプリケーションをインストールする必要なく、ユーザからの音声コマンドに応じて複数の無線プロトコルで通信する。
【0028】
図3Aは本願の一実施形態に係る無線通信システムの一部を示す例示図である。図3Aに示すように、無線通信システム300aは、スピーカ314、ルータ302、テレビ362、クラウドプラットホーム363、ユーザ360及びウェアラブルMAVID(商標)330を備えている。図3Aのスピーカ314及びルータ302は一般にそれぞれ図1のスピーカ114及びルータ102に対応する。本実施形態において、テレビ362及びルータ302はWiFi統合モジュールを有し、スピーカ314はBluetooth統合モジュールを有する。ウェアラブルMAVID(商標)330は実質的にユーザの邪魔にならずに着用されるように、人間工学的に設計された任意のMAVID(商標)とすることができる。本実施形態において、ウェアラブルMAVID(商標)330はネックレスである。種々の実施形態において、ウェアラブルMAVID(商標)は例えばボタン、時計、眼鏡、ヘッドホン又はイヤホンでもよい。図3AにおけるウェアラブルMAVID(商標)330は図2AのMAVID(商標)230に関して説明したような、任意のその他の実施形態及び利点を有し得る。
【0029】
図3Aにおいて、無線通信システム300aは「家庭内(in-home)」設定に対応することができる。図3Aに示すように、ウェアラブルMAVID(商標)330はBluetoothプロトコルによってスピーカ314に接続し、WiFiプロトコルによってテレビ362に接続している。ウェアラブルMAVID(商標)330はユーザ360からの音声コマンドによってスピーカ314及びテレビ362を制御することができる。例えばウェアラブルMAVID(商標)330はユーザ360からの音声コマンドに応じてBluetooth対応のスピーカ314及びWiFi対応のテレビ362の電源をオンにすることができる。またウェアラブルMAVID(商標)330はWiFiプロトコルによってルータ302に接続し、その後ルータ302はWiFiプロトコルによってテレビ362に接続し、IP(Internet Protocol)によってクラウドプラットホーム363に接続する。ウェアラブルMAVID(商標)330はユーザ360からの音声コマンドによってルータ302を制御することができる。例えばウェアラブルMAVID(商標)330は、ユーザ360からの音声コマンドに応じて、ルータ302に、テレビ362及びクラウドプラットホーム363に接続してこれを利用するよう指示することができる。
【0030】
図3Bは本願の一実施形態に係る無線通信システムの一部を示す例示図である。図3Bに示すように、無線通信システム300bは、照明システム310を有する家庭364、ユーザ360及びウェアラブルMAVID(商標)330を含んでいる。図3Bにおいて、無線通信システム300bは「近所の(near-home)」設定に対応することができる。図3Bに示すように、ウェアラブルMAVID(商標)330はZigBeeプロトコルによって照明システム310に接続する。ウェアラブルMAVID(商標)330はユーザ360からの音声コマンドによって照明システム310を制御することができる。例えば、ウェアラブルMAVID(商標)330はユーザ360からの音声コマンドに応じてZigBee対応の照明システム310の電源をオフにすることができる。
【0031】
図3Cは本願の一実施形態に係る無線通信システムの一部を示す例示図である。図3Cに示すように、無線通信システム300cは、基地局366、ユーザ360及びウェアラブルMAVID(商標)330を含んでいる。図3Cにおいて、無線通信システム300cは「家から離れた(away-from home)」設定に対応することができる。図3Cに示すように、ウェアラブルMAVID(商標)330は3G/4Gプロトコルによって基地局366に接続する。ウェアラブルMAVID(商標)330はユーザ360からの音声コマンドによって基地局366と通信することができる。例えば、ウェアラブルMAVID(商標)330はユーザ360からの音声コマンドに応じて、基地局366によって通話を開始することができる。図3A図3Cに示すように、同じウェアラブルMAVID(商標)330を種々の設定に使用し、種々の無線プロトコルを使ってIoT機器に接続して音声制御を行うことができる。
【0032】
図4は本願の一実施形態に係る無線通信システムの一部を示す例示図である。図4に示すように、無線通信システム400は、ユーザ460、MAVID(商標)430並びにルータ402、ライト制御パネル408、家庭用電気製品409、スピーカ414、基地局466、パーキングメータ468、電子ドアロック470及びフォンドック472を含む複数のエンドポイント機器を備えている。図4のルータ402、ライト制御パネル408及びスピーカ414は一般に図1のルータ102、ライト制御パネル108及びスピーカ114に相当する。基地局466、パーキングメータ468、電子ドアロック470及びフォンドック472は適切なモジュールと一体化され、3G/4G、LoRa、Z-Wave及びDECTプロトコルがそれぞれ使用できるようになる。家庭用電気製品409は、テレビ、コンピュータ、プリンタ、フラッシュドライブ、OBD(On-Board Diagnostics)ドングル、冷蔵庫、コーヒーメーカー、家庭用警報機、防犯カメラ、洗濯機、ドライヤー、サーモスタット又はHVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)機器などの、ZigBeeモジュールが一体化された任意の家庭用IoT機器とすることができる。
【0033】
図4に示すように、MAVID(商標)430はそのそれぞれのプロトコルによって各エンドポイント機器に接続してそれらをユーザ460からの音声コマンドによって制御することができる。具体的には、MAVID(商標)430は、ルータ402、ライト制御パネル408、家庭用電気製品409、スピーカ414、基地局466、パーキングメータ468、電子ドアロック470及びフォンドック472にWiFi、ZigBee、ZigBee、Bluetooth、3G/4G、LoRa、Z-Wave及びDECTプロトコルでそれぞれ接続する。MAVID(商標)430は、この接続の一部として各エンドポイント機器が受け付け可能な無線プロトコルを判定することができる。例えば、ユーザ460からの音声コマンドに応じて、MAVID(商標)430は1つのエンドポイント機器がその音声コマンドに十分対応していると判断するまで種々のプロトコルを使用し、そのエンドポイント機器に接続してもよい。別の例として、MAVID(商標)430は全てのプロトコルを完全にスキャンし、どのエンドポイント機器がその音声コマンドに最も密接に対応しているかを判断してもよい。音声コマンドと所望されるエンドポイント機器との間の対応を決定するためには種々のアルゴリズムを使用することができる。一実施形態において、これらのアルゴリズムは、例えば、MAVID(商標)430における信号電力レベル又はMAVID(商標)430とインターフェースするGPS(Global Positioning System)モジュールから導かれる位置推定に一部基づくものであってもよい。別の実施形態において、これらのアルゴリズムは、図2AのQSPIフラッシュメモリ256に記憶された以前の接続情報などの、MAVID(商標)430のメモリに記憶された情報に一部基づくものであってもよい。MAVID(商標)430がエンドポイント機器に接続されると、MAVID(商標)430もまたユーザ460からの音声コマンドに応じてエンドポイント機器を制御することができる。種々のアルゴリズムを使用して、ユーザ460からの音声コマンドが特定の無線プロトコルでどのように対応するのかを決定することもできる。例えば、図2AのMCU250によって実行されるアルゴリズムは、ユーザ460からの音声コマンド「もっと大きな声で(louder)」がプロトコルの標準オーディオプロファイルの「音量を上げる」に対応すると決定することができる。
【0034】
本実施形態においてマルチプロトコル機器を使用する場合、種々の無線プロトコルを有するIoT機器は、単一のMAVID(商標)ゲートウェイから音声コマンドによって便利に制御することができる。また、独自の無線プロトコルを有する各IoT機器に接続するための独自のアプリケーションをインストールする必要性は低減され、音声制御アルゴリズムを再実装する必要は通常なく、IoT機器、特にローカルネットワークのみで動作するIoT機器には新しいソフトウェアをインストールする必要は通常ない。
【0035】
図5は本願の一実施形態に係る無線通信システムの一部を示す例示図である。図5に示すように、無線通信システム500は、ユーザ560、MAVID(商標)530、並びにルータ502、ライト制御パネル508、家庭用電気製品509、スピーカ514、基地局566、パーキングメータ568、電子ドアロック570、フォンドック572及びMAVID(商標)チップ531を含む複数の消費者向け電子MAVID(商標)を含んでいる。図5において、ルータ502、ライト制御パネル508、家庭用電気製品509、スピーカ514、基地局566、パーキングメータ568、電子ドアロック570及びフォンドック572は、図5の場合のような単一の無線プロトコルモジュールではなく、それぞれに1つのMAVID(商標)チップ531が一体化されている。
【0036】
MAVID(商標)チップ531を各消費者向け電子MAVID(商標)に組み込むことにより、1つのゲートウェイから音声コマンドによって複数の消費者向け電子機器を便利に制御することができる。本実施形態において、MAVID(商標)530はゲートウェイである。種々の実施形態において、MAVID(商標)531のいずれかを、MAVID(商標)530に代わる、又はこれに加えるゲートウェイとすることができる。更に、各消費者向け電子MAVID(商標)にMAVID(商標)チップ531を使用すると、無線プロトコルの動的選択が容易に行えるようになる。例えば、MAVID(商標)530及びMAVID(商標)チップ531の1つが一体化された消費者向け電子MAVID(商標)は、Bluetoothプロトコルで通信し、距離計算、信号強度、ビット誤り率、スキャン又はメモリに記憶された情報に基づいて相互に調整を行い、それが有利であると判断された場合、ZigBeeプロトコルによる通信に切り替えることができる。
【0037】
本実施形態においてマルチプロトコル機器を使用する場合、種々の無線プロトコルを有するIoT機器を、1つのMAVID(商標)ゲートウェイから音声コマンドによって便利に制御することができる。更に本実施形態において、独自のソフトウェアアプリケーション(すなわち独自の「アプリ」)は、それ自体が消費者向け電子MAVID(商標)、すなわちそれ自身にMAVID(商標)チップが組み込まれた各IoT機器に接続させる必要はないため、音声制御アルゴリズムを再実装する必要はなく、MAVID(商標)対応のIoT機器に新しいソフトウェアをインストールする必要もない。
【0038】
このように、本願の種々の実施形態により、無線IoTアプリケーションで使用するマルチプロトコルオーディオ/音声機器を向上させることができる。これまで記載してきたことより、種々の技術を使用して、本願に記載された概念をこれらの概念の範囲から逸脱することなく実施することができるのは明白である。更に、特定の実施形態を具体的に参照してこれらの概念を説明したが、当業者であれば、それらの概念の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細を変更することが可能であることを認識するであろう。よって上述の実施形態は全ての点において例示的なものであり、限定的なものではないと解釈されよう。また、本願は上述した特定の実施形態に限定されず、本開示の範囲から逸脱せずに、多くの再配置、変更、及び置換が可能であると理解されたい。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4
図5