(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】LED照明用のドライバ及びLED照明を駆動する方法
(51)【国際特許分類】
H05B 45/345 20200101AFI20231227BHJP
H02M 7/10 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
H05B45/345
H02M7/10 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018207663
(22)【出願日】2018-11-02
(62)【分割の表示】P 2015542131の分割
【原出願日】2012-11-21
【審査請求日】2018-11-30
【審判番号】
【審判請求日】2021-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】515134117
【氏名又は名称】ヴェルシテック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フイ、ロン シュー ユエン
【合議体】
【審判長】藤井 昇
【審判官】八木 誠
【審判官】中村 則夫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0270942(US,A1)
【文献】特表2010-516016(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0244727(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B45/00-45/60
H02M7/00-7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLEDを備えるLED照明用のドライバであって、
前記ドライバは、AC電源からのAC入力電力を受信するように構成され、光束を生成すべく、前記複数のLEDに整流出力電力を供給するための電圧増倍機と、前記AC電源と前記電圧増倍機との間を接続するように構成され、これにより、前記AC電源
からのAC電圧を
AC電流に変換して、制限されたAC電流を前記電圧増倍機に提供する入力インダクタと、
前記入力インダクタの上流に配置され、且つ、前記AC電源と前記電圧増倍機との間を接続して前記AC入力電力を補正するように構成された入力コンデンサと、前記整流出力電力を平滑化する平滑用コンデンサとを含み、
前記ドライバは、バレイフィル回路、アクティブスイッチ、及び電解コンデンサを含まず
、前記電圧増倍機および前記複数のLEDの間において
前記平滑用コンデンサを前記電圧増倍機
および前記複数のLEDと電気的に並列に配置することにより、ヒトの眼によって知覚されない前記光束の変動に対応する前記整流出力電力の変動を許可する、
ドライバ。
【請求項2】
前記複数のLEDは、直列に接続される
請求項1に記載のドライバ。
【請求項3】
前記電圧増倍機は、電圧2倍器、電圧3倍器、及び電圧4倍器、のうちの1つ又は任意の組み合わせである
請求項1又は請求項2に記載のドライバ。
【請求項4】
前記電圧増倍機は、デロン電圧2倍器及びグラナッシャー電圧2倍器のうちの1つ又は組み合わせである
請求項1又は請求項2に記載のドライバ。
【請求項5】
前記電圧増倍機と前記複数のLEDとの間の出力コンデンサ、及び、
前記電圧増倍機と前記複数のLEDとの間の出力インダクタ
のうちのいずれか1つ又は複数を含む
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のドライバ。
【請求項6】
前記複数のLEDは、直列に接続された複数の直列接続ストリングの形式である
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のドライバ。
【請求項7】
前記複数の直列接続ストリングは、並列に配置される
請求項6に記載のドライバ。
【請求項8】
複数のLEDを備えるLED照明を駆動する方法であって、
AC電源から、入力電圧を有するAC入力電力を受信する段階と、
入力コンデンサによって前記AC入力電力を補正する段階と、
前記入力コンデンサの下流に配置された入力インダクタによって、前記AC電源
からのAC電圧を
AC電流に変換して、制限されたAC電流を提供する段階と、
前記入力インダクタの下流に配置された電圧増倍機によって前記入力電圧を増倍し、増倍された出力電圧を前記複数のLEDに供給する段階と、
前記AC入力電力を整流し、光束を生成すべく、整流出力電力を前記複数のLEDに供給する段階と、
平滑用コンデンサにより前記整流出力電力を平滑化する段階と
を備え、
バレイフィル回路、アクティブスイッチ、及び電解コンデンサを使用することなく
、前記電圧増倍機および前記複数のLEDの間において
前記平滑用コンデンサを前記電圧増倍機
および前記複数のLEDと電気的に並列に配置することにより、ヒトの眼によって知覚されない前記光束の変動に対応する前記整流出力電力の変動を許可する方法。
【請求項9】
前記複数のLEDは、直列に接続される
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記入力電圧は、2倍、3倍、又は4倍される
請求項8又は請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記入力電圧は、デロン電圧2倍器及びグラナッシャー電圧2倍器のうちの1つ又は組み合わせを用いて増倍される
請求項8又は請求項9に記載の方法。
【請求項12】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のドライバを備えるLED照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、LED照明用の複数のドライバ及びLED照明を駆動する方法に関する。本願発明は、本明細書において、主として、高出力照明用途に関するが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
複数のLEDドライバの最近の研究は、
図1に示される一例のような、複数のアクティブ電力電子スイッチ(「複数のアクティブLEDドライバ」)を利用する複数のスイッチモードLEDドライバ、及び
図2に示される一例のような、複数のアクティブ電力電子スイッチ(「複数のパッシブLEDドライバ」)を有さない複数のパッシブLEDドライバの両方が複数のLEDシステムのために提案されていることを示す。
図1は、ST Microelectronics Application Notes Power Supply And Power Management L6562A TSM1052 AN2711 データシートからの「アクティブ」オフラインLEDシステムを示す。複数のACメインに接続される複数のLEDシステムのオフライン用途のために、アクティブLEDドライバ及びパッシブLEDドライバは、メイン周波数でAC電圧源を複数のLEDストリングとして直列に通常接続された複数のLEDデバイスを駆動するための電流源に本質的に変化させる。
【0003】
コンパクトLEDドライバの設計のために、複数のアクティブLEDドライバが良い解決方法である。複数のアクティブLEDドライバは、スイッチモード電力供給技術に基づく。スイッチ周波数は、何百キロヘルツにもなり得るので、複数のインダクタ及び複数のコンデンサ等の複数のエネルギー貯蔵コンポーネントのコンポーネントサイズが削減され得る。しかしながら、複数の補助電源、複数の制御集積回路、複数の電力スイッチ用の複数のゲートドライブ回路などの複雑な電子回路に関する要求のために、複数のアクティブLEDドライバは、大きな温度変化及び大きな湿度変化並びに照明のような厳しい環境条件にさらされる屋外用途において信頼性が低い。
【0004】
一方、複数のパッシブLEDドライバは、複数の補助電源、複数の制御集積回路、複数の電力スイッチ用の複数のゲートドライブ回路などが不要な簡単な回路構造を有する。しかしながら、メイン周波数オペレーションのために、これらのパッシブドライバは、一般的により大きなサイズの複数のパッシブエネルギー貯蔵コンポーネントが必要である。これらのコンポーネントは、限られた寿命を有し、温度に非常に敏感である複数の電解コンデンサを含む。一般的に、LED照明にしばしば使用される複数の電解コンデンサは、15,000時間又は1.7年の寿命を有する。この寿命は、LED照明の動作温度が10℃低下した場合に2倍となり、動作温度が10℃上昇した場合に半分となる。にもかかわらず、厳しい環境に対するこれらの回路の簡易性及びロバスト性のために、複数のパッシブLEDドライバは、屋外用途においてより信頼性が高い。
【0005】
米国特許出願第13/129,793号は、複数の電解コンデンサが不要なパッシブドライバによる方法を使用する、厳しい環境用のロバストな複数のLEDドライバを開示する。これらの複数のパッシブLEDドライバは、
図2に開示されるようなフルブリッジダイオード整流器に基づく。ダイオード整流器の出力電圧は、非電解コンデンサC3によって平滑化され、出力インダクタは、このコンデンサ電圧をLED負荷の駆動用の電流源に変化させる。いくつかの場合、コンデンサC3は、
図3に示されたような複数のバレイフィル回路の様々な方式によって置き換えられ得る。
【0006】
道路照明に使用されるような、複数の高出力LED照明システムのために、複数のLEDデバイスは、通常、複数のLEDストリングを形成すべく直列に接続される。高出力が必要な場合、必要とされる電力及び輝度特性を達成するために、複数の並列接続ストリングを使用する必要がある場合がある。同一の製造業者によって製造されたとしても、複数のLEDデバイスが完全に一致しないので、同一のモデルタイプの複数のLEDデバイスの電圧電流(VI)特性は、正確には一致しない。このように、複数の並列接続LEDストリングのVI特性も異なる。このような違いは、電流不均衡問題をもたらし得、同様に、不均一な光と熱の分布をもたらし得、より重要なことに、意図されない過電流状態のために複数のLEDモジュールの寿命の減少をもたらし得る。
【0007】
複数の並列接続LEDストリングの電流不均衡問題に対処するために、IEEE Transactions on Power Electronics, Volume: 27, Issue: 4, 2012, Pages: 2153 - 2162で、Li S.N, Zhong W.Z., Chen W., 及びHui S.Y.Rにより著された"Novel Self-configurable Current Mirror Techniques for Reducing Current Imbalance in Parallel Light-Emitting Diode (LED) strings"において報告されたような、様々な技術が提案された。概して、カレントミラー技術及びスイッチモード電流制御方法は、複数の並列電流ストリングにおける電流不均衡を低減するために一般に使用されている。
図4には、そのような技術に使用されている電流平衡回路の一例が示されている。しかしながら、これらの方式にもかかわらず、これらの技術及び方法を使用することは、回路の複雑性及びコストを増加させるであろう。
【0008】
従来技術の不利なことの少なくとも1つを克服し、又は改善すること、又は役に立つ代わりの手段を提供することが本願発明の目的である。
【発明の概要】
【0009】
本願発明は、第1態様において、複数のLEDを備えるLED照明用のドライバであって、AC電源からのAC入力電力を受信し、光束を生成すべく、複数のLEDに整流出力電力を供給するための電圧増倍機を含むドライバを提供する。
【0010】
好ましくは、複数のLEDは、直列に接続される。
【0011】
様々な実施形態において、電圧増倍機は、電圧2倍器、電圧3倍器、及び電圧4倍器のうちの1つ又は任意の組み合わせである。いくつかの実施形態において、電圧増倍機は、デロン電圧2倍器及びグラナッシャー電圧2倍器のうちの1つ又は組み合わせである。
【0012】
好ましくは、ドライバは、ヒトの眼によって知覚されない光束の変動に対応する整流出力電力の変動を許可する。
【0013】
好ましくは、ドライバは、AC電源と電圧増倍機との間に入力コンデンサを含む。好ましくは、ドライバは、電圧増倍機と複数のLEDとの間に出力コンデンサを含む。また好ましくは、ドライバは、AC電源と電圧増倍機との間に入力インダクタを含む。さらに、好ましくは、ドライバは、電圧増倍機と複数のLEDとの間に出力インダクタを含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、ドライバは、電圧増倍機と複数のLEDとの間にバレイフィル回路を含む。
【0015】
いくつかの他の実施形態において、ドライバは、電圧増倍機と複数のLEDとの間にスムージングコンデンサを含む。
【0016】
好ましくは、複数のLEDは、直列に接続された複数の直列接続ストリングの方式である。好ましくは、複数の直列接続ストリングは、並列に配置される。
【0017】
また、本願発明は、第2態様において、複数のLEDを備えるLED照明を駆動する方法であって、入力電圧を有するAC入力電力を受信する段階と、乗算された出力電圧を複数のLEDに供給すべく、入力電圧を乗算する段階と、光束を生成すべく、整流出力電力を複数のLEDに供給するためにAC入力電力を整流する段階とを備える方法を提供する。
【0018】
好ましくは、複数のLEDは、直列に接続される。
【0019】
様々な実施形態において、入力電圧は、2倍、3倍、又は4倍される。いくつかの実施形態において、入力電圧は、デロン電圧2倍器及びグラナッシャー電圧2倍器のうちの1つ又は組み合わせを用いて乗算される。
【0020】
好ましくは、方法は、ヒトの眼によって知覚されない光束の変動に対応する整流出力電力の変動を許可する段階を備える。
【図面の簡単な説明】
【0021】
添付の複数の図面を参照し、単に例示の方法によって、本願発明のベストモードに従った好ましい実施形態が、ここに開示されるであろう。
【0022】
【
図1】アクティブドライバを用いた従来技術のオフラインLEDシステムの概略図である。
【0023】
【
図2】パッシブドライバを用いた従来技術のオフラインLEDシステムの概略図である。
【0024】
【
図3】パッシブドライバを用いた他の従来技術のオフラインLEDシステムの概略図である。
【0025】
【
図4】複数の並列接続LEDストリングを備え、パッシブドライバ及び電流平衡回路を用いた更なる従来技術のオフラインLEDシステムの概略図である。
【0026】
【
図5】本願発明の実施形態に係るLED照明用のドライバの概略図である。
【0027】
【
図6】本願発明の他の実施形態に係るLED照明用のドライバの概略図である。
【0028】
【
図7】本願発明の更なる実施形態に係るLED照明用のドライバの概略図である。
【0029】
【
図8】本願発明の他の実施形態に係るLED照明用のドライバの概略図である。
【0030】
【
図9】本願発明のさらなる実施形態に係るLED照明用のドライバの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
複数の図を参照し、本願発明の実施形態は、複数のLED2を備えるLED照明用のドライバ1を提供する。ドライバ1は、AC電源3からAC入力電力を受信し、光束を生成すべく、複数のLED2に整流出力電力を供給するための電圧増倍機4を含む。
【0032】
固有の用途の要求に応じて、電圧増倍機は、電圧2倍器、電圧3倍器、及び電圧4倍器のうちの1つ又は任意の組み合わせであってよい。例えば、いくつかの実施形態において、電圧増倍機は、デロン電圧2倍器及びグラナッシャー電圧2倍器のうちの1つ又は組み合わせである。
【0033】
本願発明の複数のドライバは、道路照明用途及び他の屋外照明用途などの高出力用途のための複数のパッシブLEDドライバとして使用するのに特に適している。本願発明により提供される複数のドライバは、必要とされる複数の並列接続LEDストリングの数を減少させ、又は複数の並列接続LEDストリングの必要性を完全に回避する。最近の場合では、複数のLEDの全ては、直列に接続され、したがって、カレントミラー回路及び他の電流平衡回路などの追加の回路の必要性を回避し、複数の並列接続LEDストリングに生じる電流不均衡問題を防止する。
【0034】
しかしながら、複数のLEDの全てが直列に接続された場合に、複数のLEDは、複数の直列接続LEDストリング又は複数のモジュールの方式であり得ることが述べられている。これらの複数のLEDストリングは、順に、直列に接続され、全てが直列に接続された複数のLEDの単一チェーンを効果的に形成する。しかしながら、複数の直列接続LEDストリングは、並列に又は任意の他の構成で配置され得る。このように、これらは、複数の並列接続LEDストリングの任意の配置を再現し得る。
【0035】
本発明に係るドライバのここで開示された実施形態において、ドライバ1は、また、ヒトの眼によって知覚されない光束の変動に対応する整流出力電力の変動を許可する。実施形態は、最大12%の光束の変動を許可して、そのような大きさの光束の変動をヒトの眼が知覚できないことが示された。
【0036】
そのような光束の変動に対応する整流出力電力の変動は、大きなサイズの複数のエネルギー貯蔵コンポーネントを要求せず、特に、寿命が限られた複数の電解コンデンサの使用を要求しない。このように、整流出力電力のそのような変動を許可する本願発明の複数のドライバは、屋外用途などの厳しい環境用の、簡単、ロバスト、及び信頼性のある複数のパッシブLEDドライバとして機能するのに適していることが、予想外に発見された。
【0037】
さらに、電圧増倍機を有する上述の利点を考慮すると、光束の知覚できない変動に対応する整流出力電力の変動も許可する複数の電圧増倍機を有する本願発明の複数のドライバは、屋外照明用途及び道路照明用途などの、厳しい環境における高出力用途のための複数のパッシブLEDドライバとして使用される場合に、やや意外で予期せぬ利点を提供する。特に、これらの利点は、詳細に上述した様に、電流不均衡及び複数の電解コンデンサの限られた寿命に関連付けられたそのような用途における複数の問題を克服し、又は改善する。
【0038】
ドライバ1は、例えば、
図8で示したように、電圧増倍機4と複数のLED2との間のバレイフィル回路5を含み、ヒトの眼によって知覚されない光束の変動に対応する整流出力電力の変動を許可する。バレイフィル回路5及び電圧増倍機4は、いくつかの回路コンポーネントを共有し得ることが、実用的な実装において認識されるであろう。
図5を参照すると、電圧増倍機4は、デロン電圧2倍器の方式を取る。デロン電圧2倍器内の2つのコンデンサC
Dの各々は、バレイフィル回路5により置換えられて
図8に示されたドライバ1となり、その結果電圧増倍機4と複数のLED2との間にバレイフィル回路5を含む。
【0039】
別の実施形態において、ヒトの眼によって知覚されない光束の変動に対応する整流電力の変動を許可するために、バレイフィル回路5の代わりに、
平滑用コンデンサ6が電圧増倍機4と複数のLED2との間の電圧増倍機4の出力と交差して配置される。これは
図9に示される。この実施形態において、ドライバ1は、AC電源3と電圧増倍機4との間の入力インダクタ7(L
s)も含む。入力インダクタ7は、入力電流フィルタを提供するのに十分な大きさであり、入力電流は主として正弦関数であり、低い電流調和性を有する。このように、バレイフィル回路5を置き換える
平滑用コンデンサ6を有することは、光束の知覚されない変動を生成するのに要求される整流出力電力の変動を許可するのに十分である。
【0040】
ドライバ1の他の実施形態は、バレイフィル回路5又は平滑用コンデンサ6を含み、又は含まない入力インダクタ7(Ls)を備える。
【0041】
ドライバ1は、AC電源3と電圧増倍機4との間の入力コンデンサ8(Cs)も含み得る。ドライバ1は、電圧増倍機4と複数のLED2との間の出力インダクタ9(L)も含む。入力コンデンサ8及び出力インダクタ9は、バレイフィル回路5及び/又は平滑用コンデンサ6と一緒に、又は一緒ではなく含まれてよい。平滑用コンデンサ6が含まれるところでは、電圧増倍機4と平滑用コンデンサ9との間にそれが配置される。
【0042】
本願発明は、複数のLEDを備えるLED照明を駆動する方法も提供する。方法の実施形態は、上述の説明からすぐにわかる。例えば、複数の図を参照すると、方法の実施形態は、入力電圧を含むAC入力電力を受信する段階と、複数のLED2に乗算された出力電圧を供給すべく、入力電圧を乗算する段階と、光束を生成すべく、複数のLED2に整流出力電力を供給するためにAC入力電力を整流する段階とを備える。
【0043】
いくつかの実施形態において、方法は、ヒトの眼によって知覚されない光束の変動に対応する整流出力電力の変動を許可する段階を備える。
【0044】
より特定の詳細な複数の図を考慮すると、
図7は、本願発明によるオフラインパッシブLEDシステムの基本構造を示す。入力コンデンサ8(C
s)は、電力補正コンデンサとして追加され得る。小さなコンデンサの方式における出力コンデンサ10(C
o)は、複数のLED2のストリングで開回路障害がある場合、出力インダクタ電流用の連続電流パスを提供するための出力端子と交わって追加され得る。特に、出力コンデンサ10は、出力インダクタ9と複数のLEDとの間に配置される。上述したように、電圧増倍機は、電圧2倍器であり得、又は、オフラインパッシブLEDシステム用により多くの電力及び光出力が必要な場合、電圧増倍機構想は、電圧3倍器及び電圧4倍器に拡張され得る。
【0045】
予め説明した様に、複数の並列LEDストリングの使用は、出力電力を増加させ、それゆえに、複数のLED照明システムの光出力を増加させる。複数のパッシブLEDドライバでは、ダイオード整流器の整流出力電圧は、複数のACメインの入力電圧に関連する。そのようなDC電圧は、それぞれのLEDストリングにおいて、複数の直列接続LEDモジュールの可能な数の限界を決める。例えば、それぞれ、出力DC電圧が150Vであり、それぞれの直列接続LEDモジュールの電圧及び定格電流が10V、0.35Aである場合、その結果、それぞれのLEDストリングは、15個の直列接続LEDモジュールで構成され得、それぞれのストリングの電力は52.5Wである。したがって、パッシブLEDドライバの同一の出力電圧が用いられた場合、100W及び150Wの名目上の電力の複数のLEDシステムのために、2及び3のLEDストリングがそれぞれ必要であろう。
図4は、電力出力を拡張するための複数の並列接続LEDストリングの利用を図示する。
【0046】
電流不均衡を解消するための最も簡単な方法は、当然、1つのストリングを使用することである。しかしながら、全波ダイオード整流器及び入力インダクタL
sの使用に基づく複数のパッシブLEDドライバは、
図2及び
図3に図示された様に、出力電圧に関していくつかの制約がある。したがって、単一のLEDストリングの電力がLED照明システムにより要求される電力及び輝度特性を満足しない限り、
図2から4の複数のパッシブLEDドライバは、単一のLEDストリングの用途にとって適切でない。
【0047】
パッシブLEDドライバによって提供された同一のDC電圧出力用の複数の並列接続ストリングを用いる代わりに、本願発明は、(1の単一のLEDストリングを形成するために)複数の直列接続LEDストリング用の、拡張可能なDC出力電圧を提供するための電圧増倍機を使用する。
【0048】
図5は、電圧増倍機4として(ドット付のボックスに囲まれた)デロン電圧2倍器の形式のAC-DC電圧2倍器を使用する固有の例を示す。
図5の電圧2倍器の出力電圧は、
図4のフルブリッジダイオード整流器の出力電圧の2倍である。結果として、2つのLEDストリングの電力は、直列に接続された2つのLEDストリングを有することによって満足され得、元のストリングの2倍の電力で単一のLEDストリングを効果的に形成する。グラナッシャー電圧2倍器のような電圧2倍器の他の形式も、出力電圧を2倍にするのに使用され得る。
図6は、グラナッシャー電圧2倍器を有するドライバを図示する。
【0049】
上述されたように、本願発明は、単に単一の発光ダイオード(LED)ストリングに電力を供給するための、複数の回路トポロジー及び複数のLEDドライバのオペレーションの方法に関する。複数の高出力LEDシステムが、複数の並列接続ストリングに配置された複数のLEDを標準的に有する一方で、1つのLEDストリングの使用は複数の並列接続LEDストリング間に生じる電流不均衡問題を解消し得る。本願発明は、複数の補助電源、複数のアクティブ半導体スイッチ及び制御集積回路を必要としない複数のパッシブLEDドライバが、どのようにして、単一のLEDストリング配置において高電圧要求及び低電流要求に対処するように設計され得るのかを開示する。単一のストリングLED配置の使用により、平衡並列LEDストリング電流の要求が除去され得る。
【0050】
また、本願発明は、ヒトの眼により知覚されない複数のLEDによって生成された光束の変動に対応する整流出力電力の変動を許可する複数のドライバに関する。これは、複数のドライバ内で、寿命が限られた複数の電解コンデンサを使用する必要性を軽減し、これは、ロバストで信頼性のあるかなり長い寿命を有する複数のドライバをもたらす。そのような複数のドライバは、屋外照明用途及び道路照明用途において引き起こされるような、厳しい環境に特に適する。
【0051】
このように、本願発明の特徴の組み合わせは、電流平衡技術及びこれらに関連付けられた電気回路を要求しない長い寿命を有する、ロバストで信頼性のある複数のLEDドライバを提供する。したがって、本願発明は、屋外及び道路照明などの高出力LED照明用途のために特に適しているが、これらに限定されるものではない。
【0052】
発明が固有の複数の例を参照して開示されたにもかかわらず、発明が多くの他の形式によって具現化され得ることが当業者に明らかであろう。開示された様々な例の特徴が他の組み合わせに組み合され得ることも、当業者に明らかであろう。
(項目1)
複数のLEDを備えるLED照明用のドライバであって、
上記ドライバは、AC電源からのAC入力電力を受信し、光束を生成すべく、上記複数のLEDに整流出力電力を供給するための電圧増倍機と、上記電圧増倍機と上記複数のLEDとの間のスムージングコンデンサとを含み、バレイフィル回路および複数のアクティブスイッチを必要としない
ドライバ。
(項目2)
上記複数のLEDは、直列に接続される
項目1に記載のドライバ。
(項目3)
上記電圧増倍機は、電圧2倍器、電圧3倍器、及び電圧4倍器、のうちの1つ又は任意の組み合わせである
項目1又は2に記載のドライバ。
(項目4)
上記電圧増倍機は、デロン電圧2倍器及びグラナッシャー電圧2倍器のうちの1つ又は組み合わせである
項目1又は2に記載のドライバ。
(項目5)
上記ドライバは、ヒトの眼によって知覚されない上記光束の変動に対応する上記整流出力電力の変動を許可する
項目1から4のいずれか一項に記載のドライバ。
(項目6)
上記AC電源と上記電圧増倍機との間に入力コンデンサを含む
項目1から5のいずれか一項に記載のドライバ。
(項目7)
上記電圧増倍機と上記複数のLEDとの間に出力コンデンサを含む
項目1から6のいずれか一項に記載のドライバ。
(項目8)
上記AC電源と上記電圧増倍機との間に入力インダクタを含む
項目1から7のいずれか一項に記載のドライバ。
(項目9)
上記電圧増倍機と上記複数のLEDとの間に出力インダクタを含む
項目1から8のいずれか一項に記載のドライバ。
(項目10)
上記複数のLEDは、直列に接続された複数の直列接続ストリングの形式である
項目1から9のいずれか一項に記載のドライバ。
(項目11)
上記複数の直列接続ストリングは、並列に配置される
項目10に記載のドライバ。
(項目12)
複数のLEDを備えるLED照明を駆動する方法であって、
入力電圧を有するAC入力電力を受信する段階と、
上記入力電圧を乗算し、上記複数のLEDに乗算された出力電圧を供給する段階と、
光束を生成すべく、整流出力電力を上記複数のLEDに供給するために上記AC入力電力を整流する段階と、
バレイフィル回路および複数のアクティブスイッチを必要とせずに、ヒトの眼によって知覚されない上記光束の変動に対応する上記整流出力電力の変動を許可すべく、スムージングコンデンサにより上記AC入力電力をスムージングする段階と
を備える方法。
(項目13)
上記複数のLEDは、直列に接続される
項目12に記載の方法。
(項目14)
上記入力電圧は、2倍、3倍、又は4倍される
項目12又は13に記載の方法。
(項目15)
上記入力電圧は、デロン電圧2倍器及びグラナッシャー電圧2倍器のうちの1つ又は組み合わせを用いて乗算される
項目12又は13に記載の方法。