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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】袋体及び袋詰め体
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/16 20060101AFI20231227BHJP
   B65D 30/16 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
B65D33/16
B65D30/16 C
B65D30/16 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019017589
(22)【出願日】2019-02-04
(65)【公開番号】P2020125123
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-12-14
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391042025
【氏名又は名称】ジオパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096770
【弁理士】
【氏名又は名称】四宮 通
(72)【発明者】
【氏名】臼井 正由樹
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-097151(JP,A)
【文献】特開2018-127243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/16
B65D 33/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋体の内部に収容物が収容されてなる袋詰め体であって、
前記袋体は、上端側に開口部を有し下端が閉塞された胴部を備え、内部に収容物が収容された後に前記開口部が閉塞されるようにヒートシールされる袋体であって、前記胴部は、前面部、後面部及び襠部分をなす両側部を有し、前記前面部及び前記後面部が、前記両側部よりも上方に延在し、合成樹脂製で一定幅の帯状部材であって、前記両側部の上端際の部分を覆った状態で、前記両側部の上端際の部分とともに前記前面部及び前記後面部のいずれかの内面にヒートシールされた当該帯状部材は、有していない、袋体であり、
前記袋体の前記上端側において前記両側部が内方に折り込まれて前記前面部と前記後面部とが重ねられた状態で、前記両側部の高さ位置を跨がる上下方向の幅を持つとともに側方へ延びる帯状領域において互いに対面する前記両側部と前記前面部との間、前記帯状領域において互いに対面する前記両側部と前記後面部との間、及び、前記帯状領域において互いに対面する前記前面部と前記後面部との間が、ヒートシールされることによって、前記開口部が閉塞された、
ことを特徴とする袋詰め体。
【請求項2】
前記袋体において、前記前面部の内面、前記後面部の内面及び前記両側部の内面がヒートシール性を有することを特徴とする請求項1記載の袋詰め体。
【請求項3】
前記袋体において、前記前面部及び前記後面部と前記両側部との高さの差が、100mm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の袋詰め体。
【請求項4】
前記袋体は前記胴部の前記下端を閉塞する角底部を備え、前記袋体が角底袋をなすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の袋詰め体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋体及び袋詰め体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、上端側に開口部を有し下端が閉塞された胴部を備え、内部に収容物が収容された後に前記開口部が閉塞されるようにヒートシールされる袋体が、提供されている。この従来の袋体では、前記胴部は、前面部、後面部及び襠部分をなす両側部を有し、前記前面部、前記後面部及び前記両側部の上端の高さはいずれも同一である。
【0003】
そして、この従来の袋体では、その内部に収容物が前記開口部から収容された後に、前記袋体の前記上端側において前記両側部が内方に折り込まれて前記前面部と前記後面部とが重ねられた状態で、前記前面部、前記後面部及び前記両側部の上端に沿って側方に延びる帯状領域において互いに対面する前記両側部と前記前面部との間、前記帯状領域において互いに対面する前記両側部と前記後面部との間、及び、前記帯状領域において互いに対面する前記前面部と前記後面部との間が、ヒートシールされることによって、前記開口部が閉塞され、袋詰め体とされる。
【0004】
前記従来の袋体や前記開口部を閉塞する際のシール部の一例が、下記特許文献1(特に、図20及び図23等)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3534580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の袋体では、内部に収容物を収容した後に前記開口部を閉塞するためにヒートシールするに際し、そのヒートシールの不良が生ずる場合があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、内部に収容物が収容された後に開口部が閉塞されるようにヒートシールするに際し、そのヒートシールの不良が生じ難い袋体、及び、これを用いた袋詰め体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段として、以下の各態様を提示する。第1の態様による袋体は、上端側に開口部を有し下端が閉塞された胴部を備え、内部に収容物が収容された後に前記開口部が閉塞されるようにヒートシールされる袋体であって、前記胴部は、前面部、後面部及び襠部分をなす両側部を有し、前記前面部及び前記後面部が、前記両側部よりも上方に延在したものである。
【0009】
この第1の態様によれば、前記前面部及び前記後面部が、前記両側部よりも上方に延在しているので、前記袋体の前記上端側において前記両側部が内方に折り込まれて前記前面部と前記後面部とが重ねられた状態で、内部に収容物が収容された後に開口部が閉塞されるようにヒートシールするに際し、前記両側部の上方において互いに対面する前記前面部と前記後面部との間もヒートシールすることができる。したがって、前記第1の態様によれば、内部に収容物が収容された後に前記開口部が閉塞されるようにヒートシールするに際し、前記従来の袋体に比べて、そのヒートシールの不良が生じ難くなる。
【0010】
なお、本願明細書において、上下は、単に一方及び他方を示し、必ずしも鉛直方向の上と下を示すものではない。
【0011】
第2の態様による袋体は、前記第1の態様において、前記前面部の内面、前記後面部の内面及び前記両側部の内面がヒートシール性を有するものである。
【0012】
この第2の態様によれば、前記前面部の内面、前記後面部の内面及び前記両側部の内面がヒートシール性を有するので、内部に収容物が収容された後に前記開口部が閉塞されるようにヒートシールするに際し、そのヒートシールを適切に行うことができる。
【0013】
第3の態様による袋体は、前記第1又は第2の態様において、前記前面部及び前記後面部と前記両側部との高さの差が、100mm以下であるものである。
【0014】
内部に収容物が収容された後に前記開口部が閉塞されるようにヒートシールするに際し、そのヒートシールの領域の幅を不必要に大きくしないためには、前記第3の態様のように前記高さの差は100mm以下であることが好ましく、50mm以下であることがより好ましく、30mm以下であることがより好ましく、10mm以下であることがより一層好ましい。
【0015】
また、内部に収容物が収容された後に前記開口部が閉塞されるようにヒートシールするに際し、そのヒートシールの不良を生じ難くする効果を比較的大きくするためには、前記前面部及び前記後面部と前記両側部との高さの差は、1mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましく、5mm以上であることがより一層好ましい。
【0016】
第4の態様による袋体は、前記第1乃至第3のいずれかの態様において、 前記胴部の前記他端を閉塞する角底部を備え、当該袋体が角底袋をなすものである。
【0017】
この第4の態様によれば、角底部を備えているので、当該袋体の自立性を高めることができる。もっとも、前記第1乃至第3の態様では、角底部を有しないガゼット型の袋体としてもよい。
【0018】
第5の態様による袋詰め体は、前記第1乃至第4のいずれかの態様による袋体の内部に収容物が収容されてなる袋詰め体であって、前記袋体の前記上端側において前記両側部が内方に折り込まれて前記前面部と前記後面部とが重ねられた状態で、前記両側部の高さ位置を跨がる上下方向の幅を持つとともに側方へ延びる帯状領域において互いに対面する前記両側部と前記前面部との間、前記帯状領域において互いに対面する前記両側部と前記後面部との間、及び、前記帯状領域において互いに対面する前記前面部と前記後面部との間が、ヒートシールされることによって、前記開口部が閉塞されたものである。
【0019】
この第5の態様による袋詰め体は、前記第1乃至第4のいずれかの態様による袋体の内部に収容物が収容されてなる袋詰め体であり、前記帯状領域において互いに対面する前記前面部と前記後面部との間もヒートシールされるので、前記袋体の前記上端側において前記両側部が内方に折り込まれて前記前面部と前記後面部とが重ねられた状態で、内部に収容物が収容された後に開口部が閉塞されるようにヒートシールするに際し、前記両側部の上方において互いに対面する前記前面部と前記後面部との間もヒートシールされることになる。したがって、前記第5の態様によれば、内部に収容物が収容された後に前記開口部が閉塞されるようにヒートシールするに際し、前記従来の袋体を用いた袋詰め体に比べて、そのヒートシールの不良が生じ難くなる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、内部に収容物が収容された後に開口部が閉塞されるようにヒートシールするに際し、そのヒートシールの不良が生じ難い袋体、及び、これを用いた袋詰め体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施の形態による袋体の、開口部が中程度開口した状態を示す概略斜視図である。
図2図1に示す袋体の、開口部が完全に開口した状態を示す概略斜視図である。
図3図1に示す袋体の、扁平状態を示す概略正面図及び概略右側面図である。
図4図1に示す袋体の概略分解斜視図である。
図5図1に示す袋体の扁平状態における開口部の付近を示す概略正面図、及び、図1に示す袋体内に収容物が収容され開口部が閉塞されるようにヒートシールされてなる袋詰め体の開口部の付近を示す概略正面図である。
図6図1に示す袋体内に収容物が収容され開口部が閉塞されるようにヒートシールされてなる袋詰め体を示す概略斜視図である。
図7】比較例による袋体の扁平状態における開口部の付近を示す概略正面図、及び、比較例による袋体内に収容物が収容され開口部が閉塞されるようにヒートシールされてなる袋詰め体の開口部の付近を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明による袋体及び袋詰め体について、図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施の形態による袋体1の、開口部1aが中程度開口した状態を示す概略斜視図である。図2は、図1に示す袋体1の、開口部1aが完全に開口した状態を示す概略斜視図である。図3(a)は、図1に示す袋体1の扁平状態を示す概略正面図である。図3(a)において、ヒートシールされている領域R1,R2,R3にはハッチングを付している。図3(b)は、図1に示す袋体1の扁平状態を示す概略右側面図である。図4は、図1に示す袋体1の概略分解斜視図である。図4では、後述するノッチ31の図示は省略している。
【0024】
以下の説明では、図1中の紙面手前側を前側、図1中の紙面奥側を後側として説明するが、その逆でもよい。「前」及び「後」は、いずれの側が「前」で「いずれの側が「後」であるかは固定的に定まるものではなく、「前」をいずれか一方の側とした場合に、「後」はその反対側を意味するものである。
【0025】
本実施の形態による袋体1は、上端側に開口部1aを有し下端が閉塞された胴部を備え、内部に収容物が収容された後に開口部1aが閉塞されるようにヒートシールされるものである。前記胴部は、前面部11、後面部12及び襠部分をなす両側部13,14を有している。
【0026】
本実施の形態による袋体1は、前記胴部の下端を閉塞する角底部15を備えており、自立性を有する角底袋として構成されている。もっとも、本発明による袋体は、これに限らず、胴部を閉塞する底部を有しないガゼット型の袋体でもよいし、自立性を有していなくてもよい。
【0027】
本実施の形態では、前面部11、後面部12、右側部13、左側部14及び角底部15は、図4に示すようにそれぞれ別々の可撓性を有し内面がヒートシール性を有するシートで構成され、これらの5枚のシートがヒートシールされることにより袋体1が構成されている。これらのシートの材質については、後述する。
【0028】
袋体1の右側部13に折り線13a~13dが形成され、袋体1の左側部14に折り線14a~14dが形成され、袋体1の底部15に折り線15aが形成され、これにより、袋体1は、図3に示すように扁平状態に折り畳むことができるようになっている。この扁平状態では、開口部1aは閉じられる。
【0029】
この扁平状態において、前面部11と後面部12とがちょうど重なっており、前面部11と後面部12との間に、折り線13a~13dで折り畳まれた右側部13(図4参照)、折り線14a~14dで折り畳まれた左側部14(図4参照)及び折り線15aで折り畳まれた底部15が図3に示すように配置されている。そして、前面部11及び後面部12の右辺に沿った領域R1において、前面部11と右側部13との間、後面部12と右側部13との間、及び、底部15と右側部13との間がヒートシールされている。また、前面部11及び後面部12の左辺に沿った領域R2において、前面部11と左側部14との間、後面部12と左側部14との間、及び、底部15と左側部14との間がヒートシールされている。さらに、前面部11及び後面部12の下辺に沿った領域R3において、前面部11と底部15との間、及び、後面部12と底部15との間がヒートシールされている。
【0030】
図2及び図3において、21は領域R1における前面部11と右側部13との間のヒートシール部、22は領域R1における後面部12と右側部13との間のヒートシール部、23は領域R1における底部15と右側部13との間のヒートシール部、24は領域R2における前面部11と左側部14との間のヒートシール部、25は領域R2における後面部12と左側部14との間のヒートシール部、26は領域R2における底部15と左側部14との間のヒートシール部、27は領域R3における前面部11と底部15との間のヒートシール部、28は領域R3における後面部12と底部15との間のヒートシール部を、それぞれ示している。
【0031】
ヒートシール部21,22,24,25の上端側には、後述する帯状領域R4の下側位置において、図1乃至図3に示すように、ノッチ31が形成されている。ノッチ31は、当該袋体1の内部に収容物が収容された後に開口部1aが閉塞されるようにヒートシールされてなる袋詰め体51(図6参照)から、前記収容物を取り出すべく上端側部分を側方に引きちぎる際の、引きちぎるきっかけとなるものである。
【0032】
本実施の形態では、前面部11及び後面部12は、右側部13及び左側部14よりもΔhだけ上方に(底部15から開口部1aへ向かう方向に)延在している。内部に収容物が収容された後に前記開口部が閉塞されるように後述する帯状領域R4をヒートシールするに際し、そのヒートシールの帯状領域R4の幅(上下方向の幅)を不必要に大きくしないためには、前面部11及び後面部12と両側部13,14との高さの差Δhは、100mm以下であることが好ましく、50mm以下であることが好ましく、30mm以下であることがより好ましく、10mm以下であることがより一層好ましい。また、内部に収容物が収容された後に前記開口部が閉塞されるようにヒートシールするに際し、そのヒートシールの不良を生じ難くする効果を比較的大きくするためには、前記高さの差Δhは、1mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましく、5mm以上であることがより一層好ましい。以上説明した高さの差Δhの好ましい範囲の上限値と下限値とは任意に組み合わせてもよい。
【0033】
前面部11、後面部12、右側部13、左側部14及び底部15を構成するシートの材質は何ら限定されない。しかしながら、本実施の形態による袋体1は、ヒートシール性を考慮して各部の材質が選定されている。その材質の例を以下に挙げる。なお、袋体1の内面は、耐水性を持っていてもよいし、耐水性を持っていなくてもよい。また、各シートは、ガスバリア性等の所望の特性を有していてもよい。
【0034】
例えば、前面部11、後面部12、右側部13、左側部14及び底部15の全部を透明シート(無色透明のシートでもよいし、有色透明のシートでもよい)で構成してもよいし、その一部を透明シートで構成するとともに残りを不透明シートで構成してもよいし、前面部11、後面部12、右側部13、左側部14及び底部15の全部を不透明シートで構成してもよい。
【0035】
前記透明シートの例として、下記第1乃至第6の透明シートを挙げることができる。また、前記不透明シートの例として、下記第1乃至第6の不透明シートを挙げることができる。
【0036】
第1の透明シートは、袋体1の外側から順に積層した、ポリエステルフィルム、ポリエチレン層(溶融したポリエチレンによる接着層に相当)及びポリエチレンフィルムで構成した透明シートである。内側のポリエチレンが、耐水性を有するシーラント樹脂フィルムに相当している。ここで、耐水性を有するシーラント樹脂フィルムとして、前記ポリエチレンフィルムに代えて、CP(ポリプロピレンを原料とした無延伸フィルム)を用いてもよい。
【0037】
第2の透明シートは、袋体1の外側から順に積層した、ポリエステルフィルム、接着剤(ドライラミネート)及びポリエチレンフィルム(耐水性を有するシーラント樹脂フィルムに相当)で構成した透明シートである。ここで、耐水性を有するシーラント樹脂フィルムとして、前記ポリエチレンフィルムに代えて、CPを用いてもよい。
【0038】
第3の透明シートは、袋体1の外側から順に積層した、ナイロンフィルム、接着剤(ドライラミネート)及びポリエチレンフィルム(耐水性を有するシーラント樹脂フィルムに相当)で構成した透明シートである。ここで、耐水性を有するシーラント樹脂フィルムとして、前記ポリエチレンフィルムに代えて、CPを用いてもよい。
【0039】
第4の透明シートは、袋体1の外側から順に積層した、ナイロンフィルム、ポリエチレン層(溶融したポリエチレンによる接着層に相当)及びポリエチレンフィルム(耐水性を有するシーラント樹脂フィルムに相当)で構成した透明シートである。ここで、耐水性を有するシーラント樹脂フィルムとして、前記ポリエチレンフィルムに代えて、CPを用いてもよい。
【0040】
第5の透明シートは、袋体1の外側から順に積層した、OP(ポリプロピレンを原料とする二軸延伸フィルム(OPPフィルム))、接着剤(ドライラミネート)及びポリエチレンフィルム(耐水性を有するシーラント樹脂フィルムに相当)で構成した透明シートである。ここで、耐水性を有するシーラント樹脂フィルムとして、前記ポリエチレンフィルムに代えて、CPを用いてもよい。
【0041】
第6の透明シートは、袋体1の外側から順に積層した、OP、ポリエチレン層(溶融したポリエチレンによる接着層に相当)及びポリエチレンフィルム(耐水性を有するシーラント樹脂フィルムに相当)で構成した透明シートである。ここで、耐水性を有するシーラント樹脂フィルムとして、前記ポリエチレンフィルムに代えて、CPを用いてもよい。
【0042】
第1の不透明シートは、袋体1の外側から順に積層された、樹脂フィルム、ポリエチレン、紙、ポリエチレン及びシーラント樹脂フィルムで構成されたシートである。前記樹脂フィルムとしては、耐水性を有するフィルムが用いられ、具体的には、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン又はナイロンのフィルムが用いられる。前記ポリエチレンは、例えば、押出ラミネート樹脂として用いられる。前記紙としては、例えば、クラフト紙又はコート紙などの植物繊維を有する紙や合成紙などが用いられる。シーラント樹脂フィルムとしては、耐水性及び熱溶着性(ヒートシール性)を有する樹脂フィルムが用いられ、具体的には、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのフィルムが用いられる。
【0043】
第2の不透明シートは、袋体1の外側から順に積層された、樹脂フィルム、接着剤、紙、接着剤及びシーラント樹脂フィルムで構成されたシートである。前記樹脂フィルムとしては、耐水性を有するフィルムが用いられ、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン又はナイロンのフィルムが用いられる。前記接着剤としては、例えば、ノンソルベントラミネートの接着剤が用いられる。前記紙としては、例えば、クラフト紙又はコート紙などの植物繊維を有する紙や合成紙などが用いられる。前記シーラント樹脂フィルムとしては、耐水性及び熱溶着性を有する樹脂フィルムが用いられ、具体的には、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのフィルムが用いられる。
【0044】
第3の不透明シートは、袋体1の外側から順に積層された、ワニス、植物繊維を有する紙、接着剤及びシーラント樹脂フィルムで構成されたシートである。前記ワニスとしては、撥水性を有することで耐水性を有するものが用いられ、例えば、印刷により形成される。前記紙としては、例えば、クラフト紙又はコート紙などの植物繊維を有する紙や合成紙などが用いられる。前記接着剤としては、例えば、ノンソルベントラミネートの接着剤が用いられる。前記シーラント樹脂フィルムとしては、耐水性及び熱溶着性を有する樹脂フィルムが用いられ、具体的には、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのフィルムが用いられる。
【0045】
第4の不透明シートは、袋体1の外側から順に積層された、耐水紙、接着剤及びシーラント樹脂フィルムで構成されたシートである。前記耐水紙としては、例えば、公知の耐水紙が用いられる。前記耐水紙は植物繊維を有する紙を含んでもよい。前記接着剤としては、例えば、ノンソルベントラミネートの接着剤が用いられる。前記シーラント樹脂フィルムとしては、耐水性及び熱溶着性を有する樹脂フィルムが用いられ、具体的には、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのフィルムが用いられる。あるいは、前記シーラント樹脂フィルムとして、耐水性及び熱溶着性を有する生分解樹脂フィルムを用いてもよい。
【0046】
第5の不透明シートは、袋体1の外側から順に積層された、生分解樹脂フィルム、接着剤、紙、接着剤及び生分解樹脂フィルムで構成されたシートである。前記生分解樹脂フィルムとしては、耐水性を有する公知の生分解樹脂フィルムが用いられる。前記接着剤としては、例えば、ノンソルベントラミネートの接着剤が用いられる。前記紙としては、例えば、クラフト紙又はコート紙などの植物繊維を有する紙や合成紙などが用いられる。前記生分解樹脂フィルムとしては、耐水性及び熱溶着性を有する公知の生分解樹脂フィルムが用いられる。
【0047】
第6の不透明シートは、前記第1乃至第6のいずれかの透明シートに印刷等を施すことで不透明にしたシートである。この場合、右側部13及び左側部14のベースとなる透明シートとして、前面部11及び後面部12と同じ透明シートを用いてもよく、その場合には、印刷等の有無によって透明・不透明を設定することができる。
【0048】
本実施の形態による袋体1では、図2に示すように開口部1aが開かれ、開口部1aから袋体1の内部に任意の収容物(粉体、粒体、その他の固体、液体など)が収容された後に、袋体1の上端側において図5(a)及び(b)に示すように両側部13,14が折り込まれて前面部11と後面部12とが重ねられた状態で、図5(b)に示すように両側部13,14の高さ位置を跨がる上下方向の幅を持つとともに側方へ(左右方向へ)延びる帯状領域R4においてヒートシールされることによって、開口部1aが閉塞される。図5(b)において、帯状領域R4にはハッチングを付している。すなわち、帯状領域R4において互いに対面する両側部13,14と前面部11との間、帯状領域R4において互いに対面する両側部13,14と後面部12との間、及び、帯状領域R4において互いに対面する前面部11と後面部12との間が、ヒートシールされることによって、開口部1aが閉塞される。これにより、図6に示すように、袋体1の内部に収容物が収容されてなる袋詰め体51が得られる。
【0049】
図5(a)は、図1に示す袋体1の扁平状態における開口部1aの付近を示す概略正面図である。図5(b)は、図1に示す袋体1内に収容物が収容され開口部1aが閉塞されるようにヒートシールされてなる袋詰め体51の開口部1aの付近を示す概略正面図である。図6は、前記袋詰め体51を示す概略斜視図である。図6において、52は、帯状領域R4におけるヒートシール部分である。
【0050】
袋詰め体51内から収容物を取り出す場合には、ノッチ31の箇所から袋詰め体51の上端側部分を側方に引きちぎって、当該上端部分を除去すればよい。
【0051】
図7(a)は、本実施の形態による袋体1と比較される比較例による袋体101の扁平状態における開口部1aの付近を示す概略正面図であり、図5(a)に対応している。図7(b)は、この比較例による袋体101の内に収容物が収容され開口部1aが閉塞されるようにヒートシールされてなる袋詰め体151の開口部1aの付近を示す概略正面図であり、図5(b)に対応している。図7(a)及び(b)において、図5(a)及び(b)中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0052】
この比較例による袋体101が本実施の形態による袋体1と異なる所は、本実施の形態による袋体1では、前面部11及び後面部12が右側部13及び左側部14よりもΔhだけ上方に延在し、ヒートシールされる帯状領域R4が両側部13,14の高さ位置を跨がる上下方向の幅を持つのに対し、前記比較例では、前面部11、後面部12及び両側部13,14の上端の高さはいずれも同一であり、ヒートシールされる帯状領域R4の上側縁が前面部11、後面部12及び両側部13,14の上端と一致している点である。
【0053】
前記比較例によれば、例えば、内方に折り込まれた両側部13,14の厚みによる生ずる段差付近の図7(b)中のA付近及びB付近で、ヒートシールの不良が生ずる場合がある。これに対し、本実施の形態によれば、図5(a)及び(b)に示すように袋体1の上端側において両側部13,14が内方に折り込まれて前面部11と後面部12とが重ねられた状態で、内部に収容物が収容された後に開口部1aが閉塞されるようにヒートシールするに際し、図5(b)中の帯状領域R4で示すように両側部13,14の上方において互いに対面する前面部11と後面部12との間もヒートシールすることができる。したがって、本実施の形態によれば、内部に収容物が収容された後に開口部1aが閉塞されるようにヒートシールするに際し、前記比較例による袋体101に比べて、そのヒートシールの不良が生じ難くなる。
【0054】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0055】
1 袋体
1a 開口部
11 前面部
11A 延在部分
12 後面部
12A 延在部分
13 右側部
14 左側部
15 底部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7