(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】電子時計および電子時計の制御方法
(51)【国際特許分類】
G04G 21/00 20100101AFI20231227BHJP
G04R 20/26 20130101ALI20231227BHJP
【FI】
G04G21/00 301Z
G04G21/00 D
G04R20/26
(21)【出願番号】P 2019059253
(22)【出願日】2019-03-26
【審査請求日】2022-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】及川 亮太
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-223605(JP,A)
【文献】特開2018-100911(JP,A)
【文献】特開昭60-056286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 3/00-99/00
G04R 20/00-60/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻を表示する時刻表示部と、
地理的名称を表示する地理的名称表示部と、
都市名、都市名の略称または都市名コードを含む情報であって、前記地理的名称表示部が表示可能な地理的名称を示す地理的名称情報が記憶される記憶部と、
現在位置を示す位置情報を取得するとともに当該位置情報が示す
複数の都市であって互いに同一の時差を有し、かつ互いに位置が異なる前記複数の都市を含み、当該都市の都市名、都市名の略称または都市名コードを地理情報として送信する外部機器から、前記地理情報を、表示対象の地理的名称を指定する地理的名称指定情報として受信する受信部と、
前記受信部が受信する前記地理的名称指定情報に基づく時刻を前記時刻表示部に表示させることにより、
前記時刻表示部が表示する時刻を制御する時刻表示制御部と、
前記記憶部に記憶される前記地理的名称情報に基づいて、前記受信部が受信する前記地理的名称指定情報が示す地理的名称を表示可能であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が表示可能であると判定した場合には、前記受信部が受信する前記地理的名称指定情報に対応する地理的名称を前記地理的名称表示部に表示させ、前記判定部が表示可能でないと判定した場合には、地理的名称を表示することができないことを示す情報を前記地理的名称表示部に表示させる地理的名称表示制御部と、
を備える電子時計。
【請求項2】
前記受信部は、
標準時刻に対する前記地理的名称指定情報が示す地域の時差を示す時差情報を前記外部機器からさらに受信し、
前記時刻表示制御部は、
前記受信部が前記外部機器から受信する前記時差情報に基づく時刻を、前記時刻表示部に表示させる
請求項1に記載の電子時計。
【請求項3】
前記受信部は、
前記記憶部に記憶されている前記地理的名称情報が示す複数の地域についての前記時差情報を前記外部機器からそれぞれ受信する
請求項2に記載の電子時計。
【請求項4】
前記受信部が前記外部機器から受信する複数の前記時差情報のうち、表示対象の前記時差情報を選択する選択操作を受け付ける操作受付部
をさらに備える請求項3に記載の電子時計。
【請求項5】
前記記憶部には、
前記地理的名称情報と、標準時刻に対する前記地理的名称情報が示す地域の時差を示す第二時差情報とが対応付けて記憶され、
前記時刻表示制御部は、
前記記憶部に記憶される前記第二時差情報に基づいて、前記受信部が前記外部機器から受信する前記地理的名称指定情報が示す地域の時刻を前記時刻表示部に表示させる
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電子時計。
【請求項6】
前記受信部は、
標準時刻を示す標準時刻情報を前記外部機器からさらに受信し、
前記時刻表示制御部は、
前記受信部が前記外部機器から受信する前記標準時刻情報に基づく時刻を、前記時刻表示部に表示させる
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電子時計。
【請求項7】
前記地理的名称指定情報には、自電子時計の現在地の地理的名称を指定する情報が含まれる
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電子時計。
【請求項8】
時刻を表示する時刻表示部と、地理的名称を表示する地理的名称表示部と
、前記地理的名称表示部が表示可能な地理的名称を示す地理的名称情報が記憶される記憶部と、現在位置を示す位置情報を取得するとともに当該位置情報が示す
複数の都市であって互いに同一の時差を有し、かつ互いに位置が異なる前記複数の都市を含み、当該都市の都市名、都市名の略称または都市名コードを地理情報として送信する外部機器から、前記地理情報を受信する受信部と、を備える電子時計の制御方法であって、
前記外部機器が送信する前記地理情報を、表示対象の地理的名称を指定する地理的名称指定情報として受信する受信手順と、
前記受信部が受信する前記地理的名称指定情報に基づく時刻を前記時刻表示部に表示させることにより、
前記時刻表示部が表示する時刻を制御する時刻表示制御手順と、
前記記憶部に記憶される前記地理的名称情報に基づいて、前記受信手順において受信される前記地理的名称指定情報が示す地理的名称を表示可能であるか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順において表示可能であると判定された場合には、前記受信手順において受信される前記地理的名称指定情報に対応する地理的名称を前記地理的名称表示部に表示させ、前記判定手順において表示可能でないと判定された場合には、地理的名称を表示することができないことを示す情報を前記地理的名称表示部に表示させる地理的名称表示制御手順と、
を備える電子時計の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子時計および電子時計の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今いる場所に関連する時刻以外に、他の地域の時刻を知りたいという要望があった。このため、複数の異なる時刻の表示機能を備えた時計が様々、考案されている。特に、ワールドタイム機能を備え、各都市の時刻表示を行う時計がある。このようなワールドタイム機能を備えた時計においては、文字盤やベゼルへの印字・刻印等によって予め用意されている都市名を指針が指すことにより、現在表示されている時刻がどの都市の時刻を示しているのかを示す機能を有しているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この従来技術によるワールドタイム機能を備えた時計によると、予め用意されていない都市の時刻を表示する場合には、予め用意されている都市名のうち、表示対象の都市と同一の(または近い)タイムゾーンに属する都市名を指し示すことで表示を代用する場合があった。この場合には、実際に表示している時刻の都市名と、指針が指し示す都市名とが不一致となり、煩わしさが生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、現在位置とは異なる地域名が表示されることによる煩わしさを低減する電子時計および電子時計の制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る電子時計は、時刻を表示する時刻表示部と、地理的名称を表示する地理的名称表示部と、都市名、都市名の略称または都市名コードを含む情報であって、前記地理的名称表示部が表示可能な地理的名称を示す地理的名称情報が記憶される記憶部と、現在位置を示す位置情報を取得するとともに当該位置情報が示す複数の都市であって互いに同一の時差を有し、かつ互いに位置が異なる前記複数の都市を含み、当該都市の都市名、都市名の略称または都市名コードを地理情報として送信する外部機器から、前記地理情報を、表示対象の地理的名称を指定する地理的名称指定情報として受信する受信部と、前記受信部が受信する前記地理的名称指定情報に基づく時刻を前記時刻表示部に表示させることにより、前記時刻表示部が表示する時刻を制御する時刻表示制御部と、前記記憶部に記憶される前記地理的名称情報に基づいて、前記受信部が受信する前記地理的名称指定情報が示す地理的名称を表示可能であるか否かを判定する判定部と、前記判定部が表示可能であると判定した場合には、前記受信部が受信する前記地理的名称指定情報に対応する地理的名称を前記地理的名称表示部に表示させ、前記判定部が表示可能でないと判定した場合には、地理的名称を表示することができないことを示す情報を前記地理的名称表示部に表示させる地理的名称表示制御部と、を備える。
【0007】
また、本発明の一態様に係る電子時計において、前記受信部は、標準時刻に対する前記地理的名称指定情報が示す地域の時差を示す時差情報を前記外部機器からさらに受信し、前記時刻表示制御部は、前記受信部が前記外部機器から受信する前記時差情報に基づく時刻を、前記時刻表示部に表示させる。
【0008】
また、本発明の一態様に係る電子時計において、前記受信部は、前記記憶部に記憶されている前記地理的名称情報が示す複数の地域についての前記時差情報を前記外部機器からそれぞれ受信する。
【0009】
また、本発明の一態様に係る電子時計は、前記受信部が前記外部機器から受信する複数の前記時差情報のうち、表示対象の前記時差情報を選択する選択操作を受け付ける操作受付部をさらに備える。
【0010】
また、本発明の一態様に係る電子時計において、前記記憶部には、前記地理的名称情報と、標準時刻に対する前記地理的名称情報が示す地域の時差を示す第二時差情報とが対応付けて記憶され、前記時刻表示制御部は、前記記憶部に記憶される前記第二時差情報に基づいて、前記受信部が前記外部機器から受信する前記地理的名称指定情報が示す地域の時刻を前記時刻表示部に表示させる。
【0011】
また、本発明の一態様に係る電子時計において、前記受信部は、標準時刻を示す標準時刻情報を前記外部機器からさらに受信し、前記時刻表示制御部は、前記受信部が前記外部機器から受信する前記標準時刻情報に基づく時刻を、前記時刻表示部に表示させる。
【0012】
また、本発明の一態様に係る電子時計において、前記地理的名称指定情報には、自電子時計の現在地の地理的名称を指定する情報が含まれる。
【0014】
また、本発明の一態様に係る電子時計の制御方法は、時刻を表示する時刻表示部と、地理的名称を表示する地理的名称表示部と、前記地理的名称表示部が表示可能な地理的名称を示す地理的名称情報が記憶される記憶部と、現在位置を示す位置情報を取得するとともに当該位置情報が示す複数の都市であって互いに同一の時差を有し、かつ互いに位置が異なる前記複数の都市を含み、当該都市の都市名、都市名の略称または都市名コードを地理情報として送信する外部機器から、前記地理情報を受信する受信部と、を備える電子時計の制御方法であって、前記外部機器が送信する前記地理情報を、表示対象の地理的名称を指定する地理的名称指定情報として受信する受信手順と、前記受信部が受信する前記地理的名称指定情報に基づく時刻を前記時刻表示部に表示させることにより、前記時刻表示部が表示する時刻を制御する時刻表示制御手順と、前記記憶部に記憶される前記地理的名称情報に基づいて、前記受信手順において受信される前記地理的名称指定情報が示す地理的名称を表示可能であるか否かを判定する判定手順と、前記判定手順において表示可能であると判定された場合には、前記受信手順において受信される前記地理的名称指定情報に対応する地理的名称を前記地理的名称表示部に表示させ、前記判定手順において表示可能でないと判定された場合には、地理的名称を表示することができないことを示す情報を前記地理的名称表示部に表示させる地理的名称表示制御手順と、を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、現在位置とは異なる地域名が表示されることによる煩わしさを低減する電子時計および電子時計の制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に係る電子時計の外観構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態における時計システムの構成を示した概略図である。
【
図3】本実施形態の電子時計の記憶部に記憶される都市名リスト情報の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態の携帯電子機器が送信する地理情報の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態の携帯電子機器が送信する地理情報の他の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態の携帯電子機器が送信する時差情報の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態における電子時計が実行する通信開始処理の処理手順を示す図である。
【
図8】本実施形態における電子時計が実行する時刻表示処理の処理手順を示す図である。
【
図9】本実施形態の現在時刻の表示の一例を示す図である。
【
図10】本実施形態の現在時刻の表示の他の一例を示す図である。
【
図11】本実施形態における電子時計が実行する通信終了処理の処理手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、電子時計100の外観構成の一例について説明する。
【0018】
[電子時計の外観構成]
図1は、実施形態に係る電子時計100の外観構成の一例を示す図である。電子時計100は、時刻を表示する時刻表示部と、地理的名称を表示する地理的名称表示部とを備える。
具体的には、電子時計100は、時刻表示部として、秒針120A、分針120B、時針120C、及び文字盤Dを備え、これら各部により現在時刻を示すアナログ時計である。電子時計100は、世界各地の現在時刻を示すワールドタイムモード機能を有する。電子時計100は、都市名指針120Fにより都市名を、秒針120A、分針120B、及び時針120Cにより当該都市の現在時刻を示す。つまり、都市名指針120Fは、時針120C、分針120B及び秒針120Aが現在表示している時刻の都市名を示す。
【0019】
なお、ここでいう都市名とは、電子時計100の都市名指針120Fが表示可能な地理的名称の一例である。電子時計100が表示可能な地理的名称には、都市名の他に、国名、群名、県名などの行政区画名や、当該地域の通称名などの行政区画名以外の地理的名称が含まれる。また、本願明細書において、地理的名称には、予め都市名等が指定された符号(A、B、C や、1、2、3、等)も含まれる。
【0020】
図示するように、電子時計100の文字盤Dには、都市名表示部D1(すなわち、地理的名称表示部)として、世界各地の都市名が印字されている。この一例では、文字盤Dには、パリ(Paris、又はP)、香港(Hong Kong、又はH)、東京(Tokyo、又はT)、ニューヨーク(New York、又はN)、ロンドン(London、又はL)、及びこれらいずれでもないことを示す印(…印、Other、又はO)が印字されている。
【0021】
なお、電子時計100は、都市名指針120Fが省略されている構成であってもよい。この場合、電子時計100は、秒針120Aが都市名を示し、分針120B及び時針120Cが当該都市の現在時刻を示すように構成されていてもよい。
【0022】
[時計システム1の機能構成]
図2は、本実施形態における時計システム1の構成を示した概略図である。図示する例では、時計システム1は、電子時計100と、電子時計100と通信可能な携帯電子機器200(通信機器)とを備える。
【0023】
[電子時計の機能構成]
図示する例では、電子時計100は、制御部101と、発振回路102と、分周回路103と、入力部104と、記憶部105と、太陽電池106と、充放電制御回路107と、二次電池108と、電池電圧検出部109と、スイッチ110と、無線通信制御部111と、秒針120Aと、分針120Bと、時針120Cと、都市名指針120Fと、輪列機構121Aと、輪列機構121Bと、輪列機構121Cと、輪列機構121Fと、ステッピングモータ122Aと、ステッピングモータ122Bと、ステッピングモータ122Cと、ステッピングモータ122Fとを備える。
【0024】
なお、電子時計100は、秒針120Aが省略されていてもよい。この場合、電子時計100において、秒針120Aの駆動機構であるステッピングモータ122Aも省略される。
【0025】
以下、秒針120Aと、分針120Bと、時針120Cとの指針と、都市名指針120Fの指針とを区別しない場合には、指針120と称する。また、輪列機構121Aと、輪列機構121Bと、輪列機構121Cと、輪列機構121Fとを区別しない場合には、輪列機構121と称する。また、ステッピングモータ122Aと、ステッピングモータ122Bと、ステッピングモータ122Cと、ステッピングモータ122Fとを区別しない場合には、ステッピングモータ122と称する。
【0026】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)であり、電子時計100が備える各部の制御を行う。制御部101は、電源制御部1011と、時刻カウント部1012と、通信制御部1013と、情報生成部1014と、情報送信部1015と、指針制御部1017とを備える。
【0027】
電源制御部1011は、無線通信制御部111の電源のオンまたはオフを制御する。具体的には、電源制御部1011は、無線通信制御部111が携帯電子機器200と通信するときにのみスイッチ110をオンにして二次電池108から無線通信制御部111に電力を供給する。また、電源制御部1011は、無線通信制御部111が携帯電子機器200と通信しないときにはスイッチ110をオフにして二次電池108から無線通信制御部111に電力を供給しない。
【0028】
時刻カウント部1012は、内部カウンタを備え、分周回路103から入力された計測信号に基づいて現在日時(日時分秒等)を計時し、計時した日時を示す針位置情報を内部カウンタに保持する。通信制御部1013は、無線通信制御部111における通信を制御する。
【0029】
情報生成部1014は、携帯電子機器200に送信するデータを生成する。情報送信部1015は、情報生成部1014が生成したデータを無線通信制御部111から携帯電子機器200に送信する。
【0030】
指針制御部1017は、指針120の位置を制御する。例えば、指針制御部1017は、ステッピングモータ122に駆動パルスを出力してステッピングモータ122を駆動し、指針120を移動させる。
すなわち、指針制御部1017は、時刻表示部が表示する時刻を制御する時刻表示制御部として機能する。
【0031】
発振回路102は、所定周波数(例えば、32768Hz)の発振信号を生成して分周回路103に出力する。分周回路103は、発振回路102から入力された発振信号の周波数を分周して計測の基準となる計測信号を生成し、生成した計測信号を制御部101に出力する。
【0032】
入力部104は、スイッチを備え、操作入力を受け付ける。なお、入力部104は、複数のスイッチから構成されていてもよいし、1つのスイッチから構成されていてもよい。
【0033】
記憶部105は、RAM(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)やROM(Read Only Memory、読み出し専用メモリ)等から構成され、種々の情報を記憶する。また、記憶部105は、制御部101が実行する動作用プログラムを予め記憶している。この動作用プログラムは、制御部101の起動時に読み出される。本実施形態の記憶部105には、都市名リスト情報が記憶されている。
【0034】
図3は、本実施形態の電子時計100の記憶部105に記憶される都市名リスト情報の一例を示す図である。都市名リスト情報は、電子時計100が表示可能な都市名のリスト情報である。つまり、この都市名リスト情報は、地理的名称表示部が表示可能な地理的名称を示す情報(地理的名称情報)である。図示するように、都市名リスト情報は、Noと、都市名との各項目を有する。
【0035】
本実施形態の一例では、電子時計100は、パリ、香港、東京、ニューヨーク、ロンドン、及びその他の各都市の現在時刻を表示可能である。この一例の場合、都市名リスト情報には、No1と都市名「パリ、Paris、又はP」が、No2と都市名「香港、Hong Kong、又はH」が、No3と都市名「東京、Tokyo、又はT」が、No4と都市名「ニューヨーク、New York、又はN」が、No5と都市名「ロンドン、London、又はL」が、それぞれ対応づけられて記憶されている。
【0036】
なお、本実施形態の一例では、都市名リスト情報には、都市名を示す文字列が記憶されているとして説明するが、これに限られない。都市名リスト情報には、都市名を識別する識別情報(例えば、都市名コードなど)が記憶されていてもよい。
【0037】
また、都市名リスト情報は、都市名毎のUTCからの時差の項目(第二時差情報)を有していてもよい。この場合、第二時差情報、つまりUTCからの時差の項目には、UTCからの時差を分単位で示した数値が記憶される。
すなわち、記憶部105には、地理的名称情報と、標準時刻(例えば、UTC)に対する地理的名称情報が示す地域の時差を示す第二時差情報とが対応付けて記憶されていてもよい。またこの場合、制御部101は、記憶部105に記憶される第二時差情報に基づいて、受信する地理的名称指定情報が示す地域の時刻を、時刻表示部に表示させる。
このように構成された電子時計100によれば、携帯電子機器200などから時差情報を受信しなくても、各都市の現在時刻を表示することができる。
【0038】
図2に戻り、太陽電池106は、光(太陽、照明など)を受光して電気エネルギーに変換する発電部である。太陽電池106は、二次電池108を充電する。充放電制御回路107は、二次電池108における充放電を制御する。例えば、充放電制御回路107は、太陽電池106が発電した電気エネルギーを二次電池108に充電する。また、充放電制御回路107は、二次電池108の電圧が所定の電圧以上となった場合には、放電させる、もしくは充電を止める。二次電池108は、電子時計100が備える各部に、動作するための電力を供給する。
【0039】
電池電圧検出部109は、二次電池108の電圧を検出し、検出した電圧値を制御部101に出力する。スイッチ110は、二次電池108から無線通信制御部111への電力の供給をオンオフするためのスイッチである。
【0040】
無線通信制御部111は、アンテナ1111と、近距離無線通信部1112とを備える。アンテナ1111は、近距離無線通信部1112が通信するためのアンテナである。近距離無線通信部1112は、ブルートゥース(登録商標)等の規格による近距離無線通信により他の通信機器(例えば、携帯電子機器200)と通信する。当該通信は、ブルートゥース(登録商標)に限定されず、種々の通信方式を採用可能であり、また、省電力に対応する通信方式であれば尚好ましい。
【0041】
ステッピングモータ122Aは、輪列機構121Aを回転させることにより秒針120Aを移動させるステッピングモータである。ステッピングモータ122Bは、輪列機構121Bを回転させることにより分針120Bを移動させるステッピングモータである。ステッピングモータ122Cは、輪列機構121Cを回転させることにより時針120Cを移動させるステッピングモータである。ステッピングモータ122Fは、輪列機構121Fを回転させることにより都市名指針120Fの指針を移動させるステッピングモータである。
【0042】
輪列機構121Aは、秒針120Aを回す輪列機構である。輪列機構121Bは、分針120Bを回す輪列機構である。輪列機構121Cは、時針120Cを回す輪列機構である。輪列機構121Fは、都市名指針120Fの指針を回す輪列機構である。
【0043】
[携帯電子機器の機能構成]
図1に戻り携帯電子機器200の機能構成の一例ついて説明する。携帯電子機器200は、例えば、スマートフォンや、携帯電話機や、タブレット端末等の携帯可能な電子機器である。携帯電子機器200は、制御部201と、入力部202と、表示部203と、記憶部204と、アンテナ205と、近距離無線通信部206と、位置情報取得部207とを備える。
【0044】
制御部201は、CPUから構成され、携帯電子機器200が備える各部の制御を行う。入力部202は、各種スイッチや表示部203の表示画面に設置されたタッチパネル等であり、入力を受け付ける。表示部203は、液晶ディスプレイ等であり、情報を表示する。
記憶部204は、RAMやROM等から構成され、種々の情報を記憶する。本実施形態の記憶部204には、電子時計100の文字盤Dに示される世界各地の都市名を含む。
【0045】
アンテナ205は、近距離無線通信部206が通信するためのアンテナである。近距離無線通信部206は、ブルートゥース等の規格による近距離無線通信により他の通信機器(例えば、電子時計100)と通信する。
【0046】
位置情報取得部207は、一例として、GPS(Global Positioning System)等により、協定世界時(UTC)と、現在位置を示す位置情報(例えば、緯度・経度)と、現在位置のUTCからの時差を示す時差情報とを取得する。なお、UTC、位置情報、及び時差情報を取得する方法は、GPSによって得られる情報に限定されない。
位置情報取得部207は、取得した位置情報と時差情報とを制御部201に出力する。制御部201は、取得された位置情報に基づいて、現在位置を示す地理的名称を判定する。一例として、電子時計100と携帯電子機器200との現在位置が(例1)韓国のソウルである場合及び(例2)日本の東京である場合について説明する。
【0047】
(例1)現在位置が「ソウル」である場合
図4は、本実施形態の携帯電子機器200が送信する地理情報の一例を示す図である。
位置情報取得部207は、GPSによりUTC(例えば、01:08)と、位置情報(例えば、北緯37.3度、東経126.6度)と、時差情報(UTC+540分)を取得する。制御部201は、位置情報が現在位置の緯度・経度と、予め取得されている各都市の緯度経度情報(不図示)とに基づいて、現在位置の都市名が「ソウル」であると判定する。制御部201は、UTCと、時差情報と、都市名(ソウル、Seoul、又はS)とを地理情報として、近距離無線通信部206を介して電子時計100に送信する。
【0048】
(例2)現在位置が「東京」である場合
図5は、本実施形態の携帯電子機器200が送信する地理情報の他の一例を示す図である。
位置情報取得部207は、GPSによりUTC(例えば、01:08)と、位置情報(例えば、北緯35.4度、東経139.4度)と、時差情報(UTC+540分)を取得する。制御部201は、位置情報が現在位置の緯度・経度と、予め取得されている各都市の緯度経度情報(不図示)とに基づいて、現在位置の都市名が「東京」であると判定する。制御部201は、UTCと、時差情報と、都市名(東京、Tokyo、又はT)とを地理情報として、近距離無線通信部206を介して電子時計100に送信する。
【0049】
すなわち、地理情報(地理的名称指定情報)には、電子時計100及び携帯電子機器200の現在地の地理的名称を指定する情報が含まれる。
【0050】
なお、本実施形態において、携帯電子機器200が位置情報取得部207を備え、電子時計100は、携帯電子機器200から地理情報を受信するものとして説明するが、この限りではない。電子時計100は、位置情報取得部207に相当する機能を備えていてもよい。すなわち、電子時計100は、自電子時計の現在地に基づいて地理的名称指定情報を生成する地理的名称指定情報生成部(不図示)をさらに備え、制御部101(受信部)は、地理情報を地理的名称指定情報生成部から受信するように構成されていてもよい。
【0051】
[各都市の時差情報の送信]
なお、携帯電子機器200は、現在位置の地理情報に加えて、電子時計100が表示可能な各都市の時差情報を、電子時計100に送信してもよい。
図6は、本実施形態の携帯電子機器200が送信する時差情報の一例を示す図である。時差情報は、Noと、都市名と、UTCからの時差との各項目を有する。
【0052】
すなわち、制御部101は、標準時刻(例えば、UTC)を示す標準時刻情報を受信する受信部として機能する。また制御部101は、受信する標準時刻情報に基づく時刻を、時刻表示部に表示させる時刻表示制御部として機能する。
このように構成された時計システム1によれば、受信される標準時刻(例えば、UTC)に基づいて、表示時刻の時刻合わせをすることができる。
【0053】
携帯電子機器200は、
図3に示した電子時計100の記憶部105に記憶されている都市名リスト情報に含まれる各都市についての時差情報を、近距離無線通信部206を介して電子時計100に送信する。
本実施形態の一例では、携帯電子機器200は、パリ、香港、東京、ニューヨーク、ロンドンの各都市についてのUTCからの時差を、時差情報として電子時計100に送信する。
このように構成された時計システム1によれば、電子時計100に時差情報が記憶されている場合であっても、その時差情報を更新することが可能となる。これにより、時計システム1によれば、例えばサマータイムの実施によってUTCからの時差が変更された場合であっても、各都市の正確な現在時刻を表示することができる。
【0054】
[電子時計100の動作]
次に、
図7~
図11を参照して時計システム1の動作の一例について説明する。
【0055】
[(その1)通信開始処理]
図7は、本実施形態における電子時計100が実行する通信開始処理の処理手順を示す図である。電子時計100は、携帯電子機器200との通信を開始する際に、本図に示す処理を実行する。
【0056】
(ステップS101)制御部101は、無線通信制御部111による通信を開始するための所定のボタン操作を入力部104が受け付けたか否かを判定する。操作を受け付けたと制御部101が判定した場合には、ステップS102の処理に進む。また、操作を受け付けていないと制御部101が判定した場合には、ステップS101の処理を再度実行する。
【0057】
(ステップS102)制御部101は、スイッチ110をオンにして無線通信制御部111の電源をオンにする。その後、ステップS103の処理に進む。
(ステップS103)制御部101は、無線通信制御部111の起動が完了したか否かを判定する。起動が完了したと制御部101が判定した場合には、ステップS104の処理に進む。また、起動が完了していないと制御部101が判定した場合には、ステップS103の処理を再度実行する。
【0058】
(ステップS104)制御部101は、無線通信制御部111へ通信開始を設定する。
その後、ステップS105の処理に進む。
(ステップS105)制御部101は、携帯電子機器200との接続が確立されたか否かを判定する。接続が確立されたと制御部101が判定した場合には、ステップS106の処理に進む。また、接続が確立されていないと制御部101が判定した場合には、ステップS105の処理を再度実行する。
【0059】
(ステップS106)制御部101は、無線通信制御部111を介して、通常の通信開始準備完了を携帯電子機器200に送信する。その後、処理を終了する。
【0060】
[(その2)各都市の現在時刻表示処理]
図8は、本実施形態における電子時計100が実行する時刻表示処理の処理手順を示す図である。
(ステップS10)制御部101は、無線通信制御部111を介して、携帯電子機器200から地理情報を受信する。
【0061】
ここで、地理情報には、上述した文字盤Dの都市名表示部D1が表示可能な地理的名称を示す地理的名称情報を含んでいる。すなわち、制御部101は、地理的名称指定情報を受信する受信部として機能する。
【0062】
また、上述したように、地理情報には、表示対象の都市についての、標準時刻(例えば、協定世界時)からの時差を示す情報が含まれている。すなわち、制御部101は、標準時刻に対する地理的名称指定情報が示す地域の時差を示す時差情報をさらに受信する受信部として機能する。
また、制御部101は、この時差に基づいて、現在時刻を表示する。すなわち、制御部101は、受信した時差情報に基づく時刻を、時刻表示部に表示させる。
【0063】
なお、携帯電子機器200が各都市の時差情報を送信する構成の場合には、制御部101は、無線通信制御部111を介して、携帯電子機器200から各都市の時差情報を受信する。
すなわち、制御部101は、記憶部105に記憶されている地理的名称情報が示す複数の地域についての時差情報をそれぞれ受信する受信部として機能する。
【0064】
(ステップS20)制御部101は、ステップS10において受信した地理情報に含まれる都市名が、記憶部105に記憶されている都市名リスト情報に含まれているか否かを判定する。具体的には、制御部101は、地理情報に含まれる都市名を検索キーにして、記憶部105に記憶されている都市名リスト情報を検索する。
(ステップS30)制御部101は、受信した都市名が、都市名リスト情報に含まれていると判定した場合(ステップS30;YES)には、処理をステップS40に進める。制御部101は、受信した都市名が、都市名リスト情報に含まれていないと判定した場合(ステップS30;NO)には、処理をステップS60に進める。
【0065】
すなわち、制御部101は、記憶部105される地理的名称情報に基づいて、上述した地理的名称指定情報が示す地理的名称を表示可能であるか否かを判定する判定部として機能する。
【0066】
[都市名の表示が可能である場合]
図9は、本実施形態の現在時刻の表示の一例を示す図である。この一例では、ステップS10において受信した都市名が「東京」である場合、すなわち、電子時計100の現在位置が「東京」である場合を一例にして説明する。上述したように、電子時計100の文字盤Dには、東京を示す記号「T」が印字されている。つまり、本実施形態の電子時計100は、都市名「東京」を表示可能である。
【0067】
(ステップS40)制御部101は、ステッピングモータ122Fを制御し、都市名指針120Fの指示位置を、東京を示す記号「T」にする。
(ステップS50)制御部101は、ステップS10において受信した地理情報に含まれるUTC及びUTCからの誤差に基づいて、現在時刻を算出する。具体的には、制御部101は、ステップS10において受信したUTC「01:08」と、東京でのUTCからの時差「+540」とに基づいて、東京での現在時刻「10:08」を算出する。制御部101は、算出した現在時刻に基づいて、ステッピングモータ122A~122Cを制御し、秒針120A、分針120B及び時針120Cの指示位置を、東京での現在時刻「10:08」に変更して、計時動作を継続する。
【0068】
[都市名の表示が不可能である場合]
図10は、本実施形態の現在時刻の表示の他の一例を示す図である。この一例では、ステップS10において受信した都市名が「ソウル」である場合、すなわち、電子時計100の現在位置が「ソウル」である場合を一例にして説明する。上述したように、電子時計100の文字盤Dには、ソウルを示す記号「S」が印字されていない。つまり、本実施形態の電子時計100は、都市名「ソウル」を表示不可能である。
【0069】
(ステップS60)制御部101は、ステッピングモータ122Fを制御し、都市名指針120Fの指示位置を、その他の都市を示す記号「…」にする。
(ステップS70)制御部101は、ステップS10において受信した地理情報に含まれるUTC及びUTCからの誤差に基づいて、現在時刻を算出する。具体的には、制御部101は、ステップS10において受信したUTC「01:08」と、ソウルでのUTCからの時差「+540」とに基づいて、ソウルでの現在時刻「10:08」を算出する。制御部101は、算出した現在時刻に基づいて、ステッピングモータ122A~122Cを制御し、秒針120A、分針120B及び時針120Cの指示位置を、ソウルでの現在時刻「10:08」に変更して、計時動作を継続する。
【0070】
すなわち、制御部101は、表示可能であると判定した場合には、受信した地理的名称指定情報に対応する地理的名称を地理的名称表示部に表示させ、表示可能でないと判定した場合には、地理的名称を表示することができないことを示す情報を地理的名称表示部に表示させる地理的名称表示制御部として機能する。
【0071】
なお、制御部101は、電子時計100のユーザの操作に基づいて、現在時刻の表示対象の都市名を変更することができる。例えば、制御部101は、「東京」から「パリ」に都市名を切り替えるユーザの操作を受け付けると、都市名指針120Fの指示位置を、パリを示す記号「P」にする。また、制御部101は、記憶部105に記憶されている時差情報に基づいて、パリでのUTCからの時差(+060)を取得し、パリでの現在時刻を算出する。
すなわち、制御部101は、受信する複数の時差情報のうち、表示対象の時差情報を選択する選択操作を受け付ける操作受付部として機能する。
ここで、記憶部105に記憶されている時差情報は、上述したステップS10において携帯電子機器200から受信済みである。つまり、電子時計100は、表示対象の都市名を変更するごとに携帯電子機器200から時差情報を取得しなくても、各都市の現在時刻を表示することができる。
【0072】
[(その3)通信終了処理]
図11は、本実施形態における電子時計100が実行する通信終了処理の処理手順を示す図である。電子時計100は、携帯電子機器200との通信を終了する際に、本図に示す処理を実行する。
【0073】
(ステップS301)制御部101は、携帯電子機器200から切断要求を受信したか否かを判定する。切断要求を受信したと制御部101が判定した場合には、ステップS302の処理に進む。また、切断要求を受信していないと制御部101が判定した場合には、ステップS301の処理を再度実行する。
【0074】
(ステップS302)制御部101は、スイッチ110をオフにして、無線通信制御部111の電源をオフにする。その後、処理を終了する。
【0075】
[実施形態のまとめ]
上述したとおり、本実施形態における時計システム1は、指針120が現在位置の地域名を指し示すことができない場合に、その他の地域であることを示す記号「…、Other又はO」を指し示すことができる。
【0076】
ここで、従来の構成の時計によると、例えば、現在位置が「ソウル」であって、指針がソウルを指し示すことができない場合には、ソウルと同一の時差を有する地域(例えば、東京)を指し示すことにより、現在位置の表示を代用することがあった。しかしながら、このような従来の構成の時計によると、現在位置がソウルであるにもかかわらず、時計が東京を指し示すため、ユーザの現在位置と時計が示す位置とが不一致となり、ユーザにとっての煩わしさが生じていた。
【0077】
本実施形態の時計システム1によれば、現在位置とは異なる地域名が表示されることによる煩わしさを低減することができる。
【0078】
なお、上述した実施形態における電子時計100または携帯電子機器200が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0079】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0080】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0081】
例えば、上述した実施形態では、各指針120がそれぞれ対応する個々のステッピングモータ122の駆動により独立して移動する場合について説明したが、これに限らず、複数の指針120が1つのステッピングモータ122により連動して動くものであってもよい。例えば、秒針120Aは独立して移動し、分針120B及び時針120Cは連動して移動するものであってもよい。或いは、時針120Cは独立して移動し、分針120B及び秒針120Aは連動して移動するものであってもよい。
【符号の説明】
【0082】
1…時計システム、100…電子時計、101…制御部、104…入力部、105…記憶部、110…スイッチ、111…無線通信制御部、112…表示部、120…指針、121…輪列機構、122…ステッピングモータ、200…携帯電子機器、201…制御部、202…入力部、203…表示部、204…記憶部、205…アンテナ、206…近距離無線通信部、207…位置情報取得部