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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】受信機
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20231227BHJP
   C09J 7/20 20180101ALI20231227BHJP
【FI】
G08B17/00 L
C09J7/20
G08B17/00 G
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019137802
(22)【出願日】2019-07-26
(65)【公開番号】P2021021005
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 尚幸
(72)【発明者】
【氏名】島本 夏希
【審査官】桜田 政美
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-268267(JP,A)
【文献】特開2007-154045(JP,A)
【文献】特開2009-227826(JP,A)
【文献】特開2011-178929(JP,A)
【文献】特開2005-301800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00
C09J 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物又は敷地で発生した所定の事象を検出した信号を視覚情報に変換して、前記事象及び前記事象が発生した場所を提示する受信機であって、
前記建物又は敷地の区画図が印刷された透明な樹脂フィルムからなる地図フィルムと、
前記地図フィルムの裏面に設けられ、透明な板材からなる光源パネルと、
前記所定の事象の検出場所に対して前記地図フィルムの前記区画図の所定の位置に対応する位置に配置され、前記信号により発光する光源と、
粘着シートと、を備え、
前記粘着シートは、
前記光源パネルに対向して接着される第1の粘着部と、
前記光源と接着される第2の粘着部と、
前記第1の粘着部および前記第2の粘着部との間に挟まれてそれぞれに接着され、中空板状に形成された有色の基材層と、を備え、
前記第1の粘着部が前記基材層に接着される粘着力、および前記第2の粘着部が前記基材層に接着される粘着力のいずれもが、前記第1の粘着部が前記光源パネルに接着される粘着力および前記第2の粘着部が前記光源に接着される粘着力のいずれよりも大きく、
前記第1の粘着部が前記光源パネルに接着される粘着力は、前記第2の粘着部が前記光源に接着される粘着力より大きく、
正面視で、前記地図フィルム、前記光源パネル、前記粘着シートおよび前記光源はこの順で配置される、
受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物や敷地等で火災等が発生した場合に、集中管理室に火災等が発生したこと及び発生場所等を認知させるために、火災感知器等から受け取った検出信号により、区画図上の火災等の発生場所に対応する位置に配置された光源を発光させる表示部分を持った受信機(表示装置)が設置されている。
【0003】
特許文献1には、建物や敷地等で発生した所定の事象を感知器等で検出した信号や、それに伴い作動した防排煙設備等の作動状態を伝える信号により、LEDを発光させる表示装置について記載されている。この表示装置は、LEDの光を、複数の区画域と文字情報とを含む表示図形上の所定の位置(感知器や防排煙設備等の対象区画や配置場所)に投影することによって、事象の発生、事象が発生した場所や設備の作動状況等を提示する。LEDは透光性を有する接着シートにより固定され、容易に位置変更が可能である。また、遮光筒と遮光シートを用いて、LEDの光の方向や範囲を調整することで、表示図形上に投影される表示形状を規定している。
特許文献2では、LEDの固定には、不透明の両面接着材が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4532104号公報
【文献】特許第4521216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
建物や敷地等の区画割りや、感知器や防排煙設備等の配置は、変更される可能性があり、その場合には、区画図や光源の配置等を変更する必要がある。
【0006】
光源の配置を変更する場合、固定された光源及び接着材を外した後、所定の位置に着け直す必要がある。その際、接着材で固定された光源及び接着材を手作業により取り外し、着け直す必要がある。一般的に、従来用いられている接着材は、一つの光源に対し一つ設けられ、光源は多数あるため、各々の接着材の取り外しや着け直しには手間が少ないことが望まれる。しかし、特に接着材は、薄く、接着面に密着して貼付されるので、剥離する場合に、接着材に指や爪がかけにくく、剥離が困難となる場合がある。接着材は、硬すぎたり柔らかすぎたりしても、剥離する場合に、接着材の端を折り曲げて接着材と接着面との間に指や爪を差し込むことが困難になり、剥離が困難となる場合がある。また、接着材の貼付時には、適切に位置を合わせることで、LEDを適切な位置に固定しなければならない。そのため、光源の配置変更に手間がかかっていた。
【0007】
上記事情を踏まえ、本発明は、建物や敷地等の区画割りや、感知器や防排煙設備等の配置の変更に対し、容易に光源の配置変更が可能な受信機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の粘着シートは、建物又は敷地で発生した所定の事象を検出して前記事象及び前記事象が発生した場所を提示するために、前記検出からの信号により発光する光源を、前記建物又は敷地の区画図上の所定の位置に対応する位置に貼着させるための粘着シートであって、粘着性を有する第1面層と第2面層とを有し、前記第1面層が前記区画図に対向して接着される第1の粘着部と、第3面と第4面とを有し、前記第3面が前記第1の粘着部の前記第2面層に接着され、中空板状に形成された、有色の基材層と、粘着性を有する第5面層と第6面層とを有し、前記第5面層が前記基材層の前記第4面に接着され、前記第6面層が前記光源と接着される第2の粘着部と、を備え、前記第2面層及び前記第5面層の粘着力は前記第1面層及び前記第6面層の粘着力より大きく、前記第1面層の粘着力は、前記第6面層の粘着力より大きい、ことを特徴としている。
【0009】
本発明によれば、建物や敷地等の区画割りや、感知器や防排煙設備等の配置の変更に伴い光源の配置を変更する場合には、区画図側と第1の粘着部との接着力よりも第1の粘着部と基材層との粘着力が強く、光源と第2の粘着部との粘着力よりも第2の粘着部と基材層との粘着力が強いことで、区画図や光源から粘着シートを剥離する場合に必ず第1の粘着部及び第2の粘着部が基材層側に残り、配置変更後の位置に粘着シートを着け直すことが容易となる。また、接着面に残った粘着シートを剥離する場合には、粘着シートが、基材層を備えることで適度な硬さを有しているため、粘着シートの端を折り曲げて粘着シートと接着面との間に指や爪を差し込むことが容易であり、粘着シートを剥離することが容易である。さらに、粘着シートは有色であるため、粘着シートの端部が視認しやすく、区画図に対向して粘着シートを貼付する場合に、位置合わせが容易である。したがって、本発明によれば、光源の配置変更が容易である。
【0011】
また、光源と粘着シートとの接着が第2の粘着部の第6面層により行われ、粘着シートの区画図に対向する側の接着が第1の粘着部の第1面層により行われていることで、区画図側と粘着シートとの接着力よりも光源と粘着シートとの接着力が弱い。そのため、光源を掴んで引っ張ることで、必ず粘着シートから光源のみを剥離でき粘着シートが区画図側に残るので、粘着シートの着け直しの動作が均一化し、光源の配置変更が容易となる。
【0012】
本発明の粘着シートは、前記基材層の剛性が前記第1の粘着部及び前記第2の粘着部の剛性より大きくてもよい。
【0013】
本発明によれば、接着面に残った粘着シートを剥離するために粘着シートの端に指をかけた場合に、粘着シートの端にかかる力により、基材層に比べて剛性の小さい第1の粘着部が基材層より大きく凹み、基材層に指をかけることができ、粘着シートを剥離することが容易となる。
【0014】
本発明の粘着シートは、前記基材層の厚みは、前記第1の粘着部及び前記第2の粘着部の厚みより大きくてもよい。
【0015】
本発明によれば、粘着シートの基材層が第1の粘着部及び第2の粘着部より厚いことで、粘着シートの剛性が大きくなり、粘着シートの持ちやすさが向上する。
【0016】
前記建物又は敷地の区画図上の所定の位置には所定形状の点灯記号が表示され、前記基材層の内径又は外径が前記点灯記号の外径と略一致し、前記基材層の外径が前記光源の外径と略一致してもよい。
【0017】
本発明によれば、区画図に対向して粘着シートを貼付する場合に、基材層の内径又は外径を点灯記号の外径に沿わせながら貼付することができる。また、粘着シートに光源を貼着する場合に、光源の外径を粘着シートの外径に沿わせながら貼着することができるため、点灯記号に対し光源の位置を合わせることが容易となる。
【0018】
本発明の受信機は、建物又は敷地で発生した所定の事象を検出した信号を視覚情報に変換して、前記事象及び前記事象が発生した場所を提示する受信機であって、前記建物又は敷地の区画図が印刷された透明な樹脂フィルムからなる地図フィルムと、前記地図フィルムの裏面に設けられ、透明な板材からなる光源パネルと、前記所定の事象の検出場所に対して前記地図フィルムの前記区画図の所定の位置に対応する位置に配置され、前記信号により発光する光源と、を備え前記光源パネルの裏面に請求項1から請求項のいずれか一項に記載の粘着シートの前記第1面層が接着され、前記光源が前記粘着シートの前記第6面層に貼着され、正面視で、前記地図フィルム、前記光源パネル、前記粘着シート及び前記光源はこの順で配置されることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、建物や敷地等の区画割りや、感知器や防排煙設備等の配置の変更に伴い光源の配置を変更する場合には、光源と粘着シートとの接着が第2の粘着部により行われ、粘着シートの区画図に対向する側の接着が第1の粘着部により行われていることで、光源を掴んで引っ張ることで、粘着シートから光源のみを剥離できる。また、接着面に残った粘着シートを剥離する場合には、粘着シートが、基材層を備えることで適度な硬さを有しているため、粘着シートの端を折り曲げて粘着シートと接着面との間に指や爪を差し込むことが容易であり、粘着シートを剥離することが容易である。さらに、粘着シートは有色であるため、粘着シートの端部が視認しやすく、区画図に対向して粘着シートを貼付する場合に、位置合わせが容易である。したがって、本発明によれば、光源の配置変更が容易である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の粘着シート、及び受信機は、建物や敷地等の区画割りや、感知器や防排煙設備等の配置の変更に対し、容易に光源の配置変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る受信機の正面図である。
図2】本発明の実施形態に係る受信機の開状態時の斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る受信機の地図部の分解斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る受信機の粘着シートの左側面図である。
図5】本発明の実施形態に係る受信機の表示シート、光源パネル及び光源の設置時の左側面図である。
図6】区画図の一例の図である。
図7】区画図の一例であり、光源の発光時の図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る受信機1の正面図である。受信機1は、筐体10と、地図部20と、操作表示パネル部30と、を備える。筐体10は、扉部11と、本体部12(図2参照)と、を備える。扉部11と本体部12とは、図示しないヒンジで接続されており、開閉可能である。
【0023】
図2は、本発明の実施形態に係る受信機1の(本体部12に対して)扉部11を開状態としたときの斜視図である。図2に示すように、本体部12は、扉部11が配設される面が開口部となっている箱状に形成されている。本体部12には、本体基板12Sと、外線12Cと、外線ダクト12Dが収納されている。扉部11は、板状に形成され、本体部12に対向する側に、ボス穴11Bと、ビス穴11Hと、が形成されている(図3参照)。扉部11には、地図部20と、操作表示パネル部30と、が配設されている。
【0024】
地図部20は、表示部20Iと、地図部基板20Sと、内線ダクト20Dと、地図部配線20Cと、を備える。
図3は、地図部20の分解斜視図である。図3に示すように、地図部20はさらに、筐体10の扉部11に設けられた透明板11Wと、表示シート21と、光源パネル22と、粘着シート50と、光源23と、押え板24と、を備える。表示シート21は、地図フィルム21Aと、背景シート21Bと、を備える。
【0025】
操作表示パネル部30は、盤面30Iと、操作表示パネル部基板30Sと、操作表示パネル部配線30Cと、を備える。
【0026】
外線12Cは、図示しない火災感知器や防排煙設備等の端末機器からの検出信号や作動状態を伝える信号等、外部からの信号や電力供給を受信機1が受け取るためのものであり、一端が端末機器や電源に接続されており、他端が本体部12に引き込まれ、本体基板12Sに接続されている。外線ダクト12Dは、本体部12内の本体基板12Sへの各接続箇所に引き回した外線12Cを保護、整理及び収容するために設けられている。本体基板12Sは、外線12Cを介して端末機器からの信号を受け取って処理を行い、地図部配線20Cや操作表示パネル部配線30Cを介して、地図部基板20Sや操作表示パネル部基板30Sに制御信号を送る。
【0027】
透明板11Wは、筐体10の扉部11に形成された開口11Oに取り付けられている。透明板11Wは、ガラスやアクリルなどの透明な材料を用いることができ、表示シート21の表示部20Iを汚れや傷等から保護するために設けられている。
【0028】
表示シート21の地図フィルム21Aは、正面視して透明板11Wの裏に配置されており、透明な樹脂フィルムで形成され、表面が表示部20Iとなり、表示部20Iに建物や敷地の区画図21Sが印刷されたものである。区画図21Sの中には、区画割りの他に、防排煙設備等の設備の配置や、例えば、区画に対応した番号又は記号や、防排煙設備等の設備に対応した番号又は記号が描かれており、これらの記号が、光源23の光を投影する対象である点灯記号21Lとなる。なお、地図フィルム21Aへの区画図21Sの印刷は、レーザプリントやインクジェットプリント等の方法による印刷でよく、事務用のプリンタ等で行うことが可能である。
【0029】
表示シート21の背景シート21Bは、正面視して地図フィルム21Aの裏に配置されており、例えば、透明な樹脂のシートを、UV印刷等により半透明に塗色したものである。
【0030】
光源パネル22は、正面視して背景シート21Bの裏に配置されており、透明な板材であり、例えば、ガラスやアクリルなどを用いることができる。光源パネル22は、例えば、ビス22Bを、光源パネル22に形成された図示しない貫通孔を通して、扉部11に形成されビス穴11Hに螺合することによって、地図フィルム21A及び背景シート21Bを扉部11に押えつけながら固定される。
【0031】
光源23は、例えばLEDが用いられ、円筒状の側壁の中空部に発光素子を配置して形成される。光源23は、点灯記号21Lの位置に合わせて配置され、粘着シート50を介して光源パネル22に接着される。また、光源23は、地図部配線20Cを介して地図部基板20Sに接続されており、本体基板12Sから地図部基板20Sに伝達された制御信号に基づいて、発光又は点滅する。
【0032】
図3に示すように、粘着シート50はリング状の形状を有しており、リング形状の穴から、光源23の光を区画図21S側へ通すことが可能となっている。粘着シート50の内径又は外形は、点灯記号21Lの外径と略一致している。粘着シート50の外径は、光源23の側壁の外径と略一致している。また、粘着シート50は、例えば黒色等の色を有している。図4は粘着シート50の左側面図である。粘着シート50は、基材層51と、第1の粘着部52と、第2の粘着部53と、を備える。設置時は、正面視して第1の粘着部52、基材層51、第2の粘着部53の順番に配置されている。
【0033】
第1の粘着部52は、第1面層52Aと、第2面層52Bと、を備える。基材層51は、第3面51Aと、第4面51Bと、を備える。第2の粘着部53は、第5面層53Aと、第6面層53Bと、を備える。
【0034】
第1の粘着部52は、例えば両面テープが用いられ、第1面層52Aと、第2面層52B層とが粘着性を有している。第1の粘着部52の第1面層52Aは光源パネル22に接着され、第1の粘着部52の第2面層52Bは基材層51の第3面51Aに接着される。
【0035】
基材層51は、例えばポリエステル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料でリング状の中空板状に形成されている。基材層51の厚みは、0.1mm~0.3mmが好ましく、0.2mm程度がより好ましい。基材層51の第3面は第1の粘着部52の第2面層52Bに接着され、基材層51の第4面51Bは第2の粘着部53の第5面層53Aと接着される。
【0036】
第2の粘着部53は、例えば両面テープが用いられ、第5面層53Aと、第6面層53Bとが粘着性を有している。第2の粘着部53の第5面層53Aは基材層51の第4面51Bに接着され、第2の粘着部53の第6面層53Bは光源23に接着される。
【0037】
第1の粘着部52の第1面層52Aの粘着力は第2の粘着部53の第6面層53Bの粘着力より大きく、第1の粘着部52の第2面層及び第2の粘着部53の第5面層53Aの粘着力は、第1面層52Aの粘着力よりさらに大きい。
【0038】
基材層51の厚みは、第1の粘着部52及び第2の粘着部53の厚みより大きい。また、基材層51の剛性は、第1の粘着部52及び第2の粘着部53の剛性より大きい。
【0039】
押え板24は、例えば、ネジ24Sを、押え板24の四隅に形成された図示しない貫通孔を通して、扉部11に形成されたボス穴11Bに螺合することによって、光源23を光源パネル22に押えつけながら固定される。
【0040】
図5は、地図フィルム21A、背景シート21B、光源パネル22、粘着シート50及び光源23の設置時の左側面図である。設置時は、正面視して地図フィルム21A、背景シート21B、光源パネル22、粘着シート50、光源23の順番に配置されている。光源パネル22を貫通するビス22Bの頭部を光源パネル22に係止し、先端を扉部11のビス穴11Hに螺合することにより、地図フィルム21A、背景シート21B及び光源パネル22が、受信機1に対して固定される。
【0041】
操作表示パネル部30は、盤面30Iの図示しない操作スイッチが操作表示パネル部配線30Cを介して操作表示パネル部基板30Sに接続されている。操作表示パネル部30は、本体基板12Sから操作表示パネル部基板30Sに伝達された制御信号に基づいて、図示しないスピーカーにより警報音を発信したり、盤面30Iに配置された図示しない操作スイッチの操作に基づいて、警報音の停止等をすることが可能である。
【0042】
次に、所定の事象の検出による、受信機1の動作について説明する。検出対象となる事象には、例えば火災の発生がある。
【0043】
図6は区画図21Sの一例である。例えば区画図21Sの左側の区画「1」に対応する区画で火災が発生したことを想定する。火災が発生すると、受信機1に接続された、図示しない火災感知器が火災を検出する。火災感知器からの検出信号は、外線12Cを介して、本体基板12Sに送られる。
【0044】
本体基板12Sは、受け取った検出信号の発信源の火災感知器を特定し、区画「1」に対応する光源23を発光させるように、地図部配線20Cを介して、地図部基板20Sに信号を送る。
【0045】
そして、地図部基板20Sから地図部配線20Cを介して、区画「1」に対応する光源23に電源が供給され、区画「1」に対応する光源23が発光する。
【0046】
光源23が発光すると、光源23の光が、透明な光源パネル22及び半透明な背景シート21Bを透過し、地図フィルム21Aに印刷された、区画「1」に対応した点灯記号21Lに投影される。
【0047】
光源23の光が点灯記号21Lに投影されると、受信機1を正面視した場合に、図7に示すように、区画「1」に対応した点灯記号21Lが点灯又は点滅して見える。
【0048】
次に、建物や敷地等の区画割りや、感知器や防排煙設備等の配置が変更された場合の光源23の配置変更方法について説明する。
【0049】
変更があった場合には、まず、表示部20Iの更新が行われる。表示部20Iを更新するには、新たに透明な樹脂フィルムを用意し、事務用のプリンタ等によるレーザプリントやインクジェットプリントなどで、樹脂フィルムの表面の表示部20Iに変更後の区画図21Sを印刷して新たな地図フィルム21Aを作成し、変更前の地図フィルム21Aと差し替える。
【0050】
また、光源23を新たな点灯記号21Lの位置に対応する位置に配置するように貼りかえることで、変更後の区画割りや、感知器や防排煙設備等の配置に、受信機1を対応させることができる。
【0051】
光源23の配置を変更するには、まず、光源23及び粘着シート50を光源パネル22から剥離するため、光源23を掴んで引っ張り、粘着シート50から光源23を剥離する。
【0052】
光源パネル22に残った粘着シート50の端に指や爪をかけ、粘着シート50の端を折り曲げつつ、粘着シート50の端を光源パネル22から剥離する。粘着シート50の端と光源パネル22との間にできた隙間に指や爪を差し込み、粘着シート50を掴んで剥離する。
【0053】
次に、光源23及び粘着シート50を再び配置するため、粘着シート50を光源パネル22に貼付する。粘着シート50を光源パネル22に貼付する場合は、粘着シート50の内径又は外径と、点灯記号21Lの外径とが、正面視して重なるか同軸上に位置するように貼付する。
【0054】
光源23を粘着シート50に接着する場合は、粘着シート50の外径と、光源23の外径とが、正面視して重なるように接着する。
【0055】
より好適には点灯記号21Lの外径と粘着シート50の内径及び光源23の側壁の内径とを略一致させ、粘着シート50の外径と光源23の側壁の外径とを略一致させる。このような構成とすることで、点灯記号21Lの外径と粘着シート50の内径とが、正面視して重なるか同軸上に位置するように貼付し、粘着シート50の外径と光源23の側壁の外径とが、正面視して重なるか同軸上に位置するように貼付することが可能となる。さらに、粘着シート50の内径と光源23の側壁の内径とが略一致していることで、光源23を点灯記号21Lの位置に合わせて貼付する際に視認不可能となってしまう光源23の側壁の内径と点灯記号21Lの外径とを正面視して重なるか同軸上に位置するように貼付することが可能となる。そのため、光源23の側壁により点灯記号21Lに光が投影される範囲を狭めてしまうことなく光源23を配置変更することが可能となる。
【0056】
以上のような構成をとり運用される本実施形態の受信機1は、建物や敷地等の区画割りや、感知器や防排煙設備等の配置の変更に伴い光源の配置を変更する場合には、区画図21S側と第1の粘着部52との接着力よりも第1の粘着部52と基材層51との粘着力が強く、光源と第2の粘着部53との粘着力よりも第2の粘着部53と基材層51との粘着力が強いことで、区画図21Sや光源23から粘着シート50を剥離する場合に必ず第1の粘着部52及び第2の粘着部53が基材層51側に残り、配置変更後の位置に粘着シート50を着け直すことが容易となる。また、接着面に残った粘着シート50を剥離する場合には、粘着シート50が、基材層51を備えることで適度な硬さを有しているため、粘着シート50の端を折り曲げて粘着シート50と接着面との間に指や爪を差し込むことが容易であり、粘着シート50を剥離することが容易である。さらに、粘着シート50は有色であるため、粘着シート50の端部が視認しやすく、区画図21Sに対向して粘着シート50を貼付する場合に、位置合わせが容易である。したがって、本発明によれば、光源23の配置変更が容易である。
【0057】
以上、本発明に係る受信機の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0058】
第1の粘着部52の第1面層52Aと第2面層52Bとの間、又は第2の粘着部53の第5面層53Aと第6面層53Bとの間に、接着性を向上させるためのシート状等の支持部材を設けてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 受信機
21 表示シート
21A 地図フィルム
21B 背景シート
21S 区画図
23 光源
50 粘着シート
51 基材層
52 第1の粘着部
53 第2の粘着部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7