(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】天板昇降式什器
(51)【国際特許分類】
A47B 13/10 20060101AFI20231227BHJP
A47B 9/20 20060101ALI20231227BHJP
A47B 9/18 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
A47B13/10
A47B9/20
A47B9/18
(21)【出願番号】P 2019147353
(22)【出願日】2019-08-09
【審査請求日】2022-07-06
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 将
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-329417(JP,A)
【文献】特開2018-068731(JP,A)
【文献】特表平07-505305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/10
A47B 9/20
A47B 9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚ユニットと、
前記脚ユニットに支持された天板と、
を備え、
前記脚ユニットは、
床面上に配置される一対の下部支持体と、一対の前記下部支持体それぞれから上方に延びるとともに上下方向に伸縮可能な一対の昇降機構ユニットと、一対の前記昇降機構ユニットの間に架け渡された連結フレームと、を備え、前記天板の下面を支持するベースユニットと、
前記天板の下面に沿って前記連結フレームの延在方向に対して交差する方向に延び、前記天板に固定された補助フレームと、
を備え、
前記天板は、
平面視において前記連結フレームの延在方向に延びる天板本体部と、
平面視において前記天板本体部から膨出する膨出部と、
を備え、
前記脚ユニットは、前記ベースユニットに対し、一方側の端部が前記連結フレームに連結され、他方側の端部が前記膨出部における外縁の近傍まで延びるように、前記膨出部の膨出量に応じた長さの前記補助フレームが取り付けられた構成であ
り、
前記連結フレームは、前記補助フレームの固定位置を前記連結フレームの延在方向において位置変更可能に固定するフレーム固定部を備える、天板昇降式什器。
【請求項2】
脚ユニットと、
前記脚ユニットに支持された天板と、
を備え、
前記脚ユニットは、
床面上に配置される一対の下部支持体と、一対の前記下部支持体それぞれから上方に延び延びるとともに上下方向に伸縮可能な一対の昇降機構ユニットと、一対の前記昇降機構ユニットの間に架け渡された連結フレームと、を備え、前記天板の下面を支持するベースユニットと、
前記天板の下面に沿って前記連結フレームの延在方向に対して交差する方向に延び、前記天板に固定された補助フレームと、
を備え、
前記天板は、
平面視において前記連結フレームの延在方向に延びる天板本体部と、
平面視において前記天板本体部から膨出する膨出部と、
を備え、
前記補助フレームは、一方の端部が前記連結フレームに連結された状態で、前記膨出部に向かって延び、
前記膨出部は、平面視において前記下部支持体よりも外側に膨出し
、
前記連結フレームは、前記補助フレームの固定位置を前記連結フレームの延在方向において位置変更可能に固定するフレーム固定部を備える、天板昇降式什器。
【請求項3】
脚ユニットと、
前記脚ユニットに支持された天板と、
を備え、
前記脚ユニットは、
床面に配置され上部が昇降可能な一対の昇降脚と、前記一対の昇降脚の間を連結する連結フレームと、を備え、前記一対の昇降脚の前記上部に設けられた天板固定部のそれぞれに前記天板が固定されたベースユニットと、
前記連結フレームの延在方向に対して交差する方向に延び、前記天板に固定された補助フレームと、
を備え、
前記天板は、平面視において前記ベースユニットの前記天板固定部に外接する直線に対して外側に膨出する膨出部、
を備え、
前記補助フレームは、前記膨出部に向かって延び、
前記床面に配置されるとともに前記補助フレームと連結されており、前記一対の昇降脚と連動して昇降する補助昇降脚をさらに備える、天板昇降式什器。
【請求項4】
脚ユニットと、
前記脚ユニットに支持された天板と、
を備え、
前記脚ユニットは、
床面に配置され上部が昇降可能な一対の昇降脚と、前記一対の昇降脚の間を連結する連結フレームと、を備え、前記一対の昇降脚の前記上部に設けられた天板固定部のそれぞれに前記天板が固定されたベースユニットと、
前記連結フレームの延在方向に対して交差する方向に延び、前記天板に固定された補助フレームと、
を備え、
前記天板は、平面視において前記ベースユニットの前記天板固定部に外接する直線に対して外側に膨出する膨出部、
を備え、
前記補助フレームは、前記膨出部に向かって延び、
前記連結フレームは、前記補助フレームの固定位置を前記連結フレームの長手方向において位置変更可能に固定するフレーム固定部を備える、天板昇降式什器。
【請求項5】
前記補助フレームは、平面視において前記膨出部と重なる範囲に延びており、前記膨出部と固定されている、
請求項1から
4の何れか1項に記載の天板昇降式什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板昇降式什器に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスや公共施設、自宅等の執務空間においては、執務者に作業エリア・作業平面を提供するために天板付き什器が配設されることが多い。このような天板付き什器は、執務以外にも、会議、打合せ、休憩等の会合に用いられる場合もある。
天板付き什器の天板の平面視形状としては、用途に応じて、矩形以外にも種々の形状が用いられる場合がある。
例えば、特許文献1には、矩形の天板の端部に拡張天板を継ぎ足すことによって平面視形状をL字型等の矩形以外の形状に変更可能なテーブルが記載されている。特に拡張天板が大きい場合には、拡張天板の先端部の下方に拡張天板を支持する支柱が設けられている。
例えば、特許文献2には、平面視L字型の異形天板を、コーナー脚、フレーム部材、および台の袖構造体を有する支持体で支持した天板付き家具が記載されている。
例えば、特許文献3には、平面視において略四分円状の天板を、平面視でハの字状に拡開して配置された脚体で支持したテーブルが記載されている。
近年、天板付き什器において、昇降機構によって天板の高さを変更可能な天板昇降式什器が広く用いられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3303756号公報
【文献】特許第4177680号公報
【文献】特開2011-103977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の天板昇降式什器には、以下のような問題がある。
特許文献1~3に記載されているように、天板付き什器において、天板の平面視形状が矩形以外の場合、天板をバランスよく支持するために、適宜の位置に支持脚が設けられる。
しかし、天板昇降式什器においては、脚体の内部に昇降機構およびその制御ユニットを設けるため、天板の形状ごとに、脚体の配置、形状、個数等にすると、脚体が天板の形状に応じた専用部品になり、脚体のコストが増大してしまう。
このため、天板昇降式什器では、平面視形状が矩形と大きく異なる異形天板は用いられない。
矩形天板を支持する昇降機能付きの脚体を、矩形以外の異形天板の支持に転用することも考えられるが、異形天板のうち、脚体の天板固定部から膨出する部分の天板がたわみやすくなるため、天板昇降式什器の安定性が低下するという問題がある。
【0005】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、矩形以外の平面視形状を有する天板が安定的に支持された簡素な構成の天板昇降式什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の態様の天板昇降式什器は、脚ユニットと、前記脚ユニットに支持された天板と、を備え、前記脚ユニットは、床面に配置され上部が昇降可能な一対の昇降脚と、前記一対の昇降脚の間を連結する連結フレームと、を備え、前記一対の昇降脚の前記上部に設けられた天板固定部のそれぞれに前記天板に固定された補助フレームと、を備え、前記天板は、平面視において前記ベースユニットの前記天板固定部に外接する直線に対して外側に膨出する膨出部と、を備え、前記補助フレームは、前記連結フレームから前記膨出部に向かって延びている。
【0007】
このような構成によれば、天板が膨出部に向かって延びる補助フレームに天板が固定されているので、補助フレームが固定された天板部分およびその近傍の補強構造として機能する。このため膨出部のたわみを低減することができる。
【0008】
上記天板昇降式什器においては、前記補助フレームは、平面視において前記膨出部と重なる範囲に延びており、前記膨出部と固定されていてもよい。
このような構成によれば、補助フレームが膨出部と重なる範囲において膨出部と固定されているので、膨出部自体が補助フレームによって補強される。
【0009】
上記天板昇降式什器においては、前記連結フレームの内部には、前記一対の昇降脚の昇降動作を制御するコントローラが収容されていてもよい。
このような構成によれば、コントローラが連結フレームの内部に収容されるので、コントローラを連結フレームの外部に配置する場合に比べて、装置の小型化、簡素化が図れる。
【0010】
上記天板昇降式什器においては、前記連結フレームの内部には、前記コントローラと前記一対の昇降脚とを電気的に接続する第1配線が収容されていてもよい。
このような構成によれば、第1配線が連結フレームの内部に収容されるので、第1配線同士、あるいは他の配線との干渉、絡み合いなどを抑制できる。また、第1配線の外部への露出を低減できるため、外観が向上する。
【0011】
上記天板昇降式什器においては、前記床面に配置されるとともに前記補助フレームと連結されており、前記コントローラと電気的に接続され、前記一対の昇降脚と連動して昇降する補助昇降脚をさらに備えてもよい。
このような構成によれば、床面上において、補助フレームが補助昇降脚によって、一対の昇降脚と連動して昇降可能に支持される。このため、補助フレームが、ベースユニットとともに補助昇降脚によっても支持されるので、補助フレームの補強機能がより向上する。さらに、膨出部に作用する外力による天板の回転を抑制できる点でも天板の安定性がさらに向上する。
【0012】
上記天板昇降式什器においては、前記補助フレームの内部には、前記コントローラと前記補助昇降脚とを電気的に接続する第2配線が収容されていてもよい。
このような構成によれば、第2配線が補助フレームの内部に収容されるので、第2配線同士、あるいは他の配線との干渉、絡み合いなどを抑制できる。また、第2配線の外部への露出を低減できるため、外観が向上する。
【0013】
上記天板昇降式什器においては、前記連結フレームは、前記補助フレームの固定位置を前記連結フレームの長手方向において位置変更可能に固定するフレーム固定部を備えてもよい。
このような構成によれば、膨出部の形状および大きさなどが異なる種々の天板に対しても、フレーム固定部において補助フレームの固定位置を変更することによって、同様の構成の脚ユニットを使用して天板昇降式什器を構成できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、矩形以外の平面視形状を有する天板が安定的に支持された簡素な構成の天板昇降式什器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1の実施形態の天板昇降式什器の構成例を示す模式的な斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態の天板昇降式什器の模式的な正面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態の天板昇降式什器の模式的な側面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態の天板昇降式什器の模式的な平面図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態の天板昇降式什器におけるベースユニットと連結フレームとの連結構造の一例を示す模式的な分解斜視図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態の天板昇降式什器における連結フレームと補助フレームとの連結構造の一例を示す模式的な分解斜視図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態の変形例(第1変形例)の天板昇降式什器における連結フレームと補助フレームとの連結構造の一例を示す模式的な分解斜視図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態の変形例(第2変形例)の天板昇降式什器の模式的な平面図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態の天板昇降式什器の模式的な平面図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態の天板昇降式什器の模式的な側面図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態の変形例(第3変形例)の天板昇降式什器の模式的な平面図である。
【
図12】本発明の第3の実施形態の天板昇降式什器の模式的な平面図である。
【
図13】本発明の第3の実施形態の変形例(第4変形例)の天板昇降式什器の模式的な平面図である。
【
図14】本発明の第4の実施形態の天板昇降式什器の模式的な平面図である。
【
図15】本発明の第4の実施形態の天板昇降式什器の使用例を示す模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
【0017】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の天板昇降式什器について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の天板昇降式什器の構成例を示す模式的な斜視図である。
図2は、本発明の第1の実施形態の天板昇降式什器の模式的な正面図である。
図3は、本発明の第1の実施形態の天板昇降式什器の模式的な側面図である。
図4は、本発明の第1の実施形態の天板昇降式什器の模式的な平面図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の天板昇降式デスク1(天板昇降式什器)は、脚ユニット10と、脚ユニット10に支持された天板11とを備える。
【0019】
脚ユニット10は、ベースユニット10Aと、補助ユニット10Bと、を備える。
図2に示すように、ベースユニット10Aは、互いに離間して配置された一対の脚体2R、2L(昇降脚)と、これら一対の脚体2R、2L間を連結する連結フレーム4と、を備える。
以下では特に断らない限り、水平方向に関して、脚体2R、2Lが互いに対向する方向を「左右方向」と称し、「左右方向」に直交する方向を「前後方向」と称する。図面において、両矢印X、Y、Zを記載している場合、それぞれに対応して、左右方向、前後方向、および上下方向を示している。
また、天板昇降式デスク1を「正面視」するとは、脚体2Rを右側、脚体2Lを左側にして天板昇降式デスク1の前側から天板昇降式デスク1を見ることを意味する。特に断らない限り「前側」は正面視における近位の位置および領域を意味する。同様に「後側」は正面視における遠位の位置および領域を意味する。
天板昇降式デスク1を「平面視」するとは、天板昇降式デスク1を上から下に向かって見ることを意味する。
【0020】
脚体2Rは、床面F上に配置される複数の接地部2aと、各接地部2aに跨がって各接地部2aと固定された下部支持体2bと、下部支持体2bの上方に配置されて後述する天板11の下面を支持する上部支持体2c(天板固定部)と、これら下部支持体2bと上部支持体2cとの間を上下方向に伸縮可能に連結する昇降機構ユニット3と、を有して構成されている。
脚体2Lも、脚体2Rと同様の複数の接地部2a、下部支持体2b、上部支持体2c、および昇降機構ユニット3を有して構成されている。以下、脚体2R、2Lに共通する各構成について説明する。
【0021】
複数の接地部2aの個数および平面視形状は、特に限定されない。
図1に示す例では、脚体2R、2Lのそれぞれにおいて、2個ずつ設けられている。各接地部2aの平面視形状は円形である。
特に図示しないが各接地部2aの上部には、床面Fからの高さの微調整が可能なアジャスターが設けられている。
【0022】
下部支持体2bは、前後方向に延在する板状であり、前後方向における各端部にそれぞれ接地部2aが設けられている。下部支持体2bの床面Fからの高さは、図示略のアジャスターにより微調整可能である。このため、床面Fに水平面からの狂いがあっても、すべての接地部2aを床面Fにガタつきなく当接させることが可能であるとともに、ベースユニット10Aの水平面に対する姿勢を微調整できる。以下では、天板昇降式デスク1の設置時に、天板11が水平面に沿って配置されているとして説明する。
【0023】
上部支持体2cは、
図3において脚体2Rの例を示すように、前後方向に延在して配置されている。本実施形態では、上部支持体2cの長さは、下部支持体2bと略同じであり、下部支持体2bと上下方向に互いに対向している。各上部支持体2cの上面は水平に配置されている。
例えば、上部支持体2cは、金属板が折り曲げられて形成される。上部支持体2cの形状は特に限定されないが、本実施形態では、後述する昇降機構ユニット3に制御信号および電力を供給する配線が挿通可能な中空構造を有する。
後述する天板11に対する上部支持体2cの固定方法は特に限定されない。例えば、上部支持体2cは、ネジ止めなどによって天板11と固定されていてもよい。
【0024】
昇降機構ユニット3は、従来公知の構成からなるもので、寸法の異なる複数の角筒が互いに相対移動可能に嵌り合っていることにより、内部に収容された駆動機構の駆動によって上下方向に伸縮可能になっている。
昇降機構ユニット3の下部支持体2bに対する固定位置は、特に限定されない。
図3に示す例では、昇降機構ユニット3の下端3aが、下部支持体2bにおける前後方向(図示の左右方向)の中央と後端部(図示右側との間の位置で、下部支持体2bの上面と固定されている。昇降機構ユニット3は、下部支持体2bの延在方向と直交する方向(上下方向)に伸縮可能となるように配置されている。このため、昇降機構ユニット3の伸縮に応じて上部支持体2cが昇降可能になっている。
昇降機構ユニット3の上端3bは、上部支持体2cにおける前後方向の中央と後端部との間の位置で、上部支持体2cの下面に固定されている。上部支持体2cには、図示略の開口部が形成されており、昇降機構ユニット3の上端3bを通して、昇降機構ユニット3と上部支持体2cとは互いに連通している。このため、昇降機構ユニット3の駆動に用いる配線は上部支持体2cの内部に延出可能である。
下部支持体2bおよび上部支持体2cに対する昇降機構ユニット3の固定方法は特に限定されない。例えば、昇降機構ユニット3の下端3aおよび上端3bは、それぞれ下部支持体2bおよび上部支持体2cと溶接などによって固定されてもよい。
このような構成により、脚体2Rは、左右方向から見る側面視では、横向きのH字状である。
【0025】
図4に示すように連結フレーム4は、左右方向に長く延びる箱形構造を有する。連結フレーム4の延在方向の両端部は、脚体2R、2Lにおける各上部支持体2cの互いに対向する側面に固定されている。各上部支持体2cの長手方向における連結フレーム4の固定位置は、特に限定されないが、
図4に示す例では、昇降機構ユニット3の固定位置と同様である。このため、各昇降機構ユニット3および連結フレーム4は、同一の鉛直面上に配置された門型フレームを構成している。
【0026】
連結フレーム4の構成例について説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態の天板昇降式什器におけるベースユニットと連結フレームとの連結構造の一例を示す模式的な分解斜視図である。
【0027】
図5に示すように、連結フレーム4は、上側フレーム4Aと、下側フレーム4Bとを備える。ただし、
図5には、脚体2Lとの連結構造を示すために、脚体2Lの近傍の連結フレーム4が描かれている。また、図示の都合上、連結フレーム4は破断されている。特に図示しないが、脚体2Rの近傍における連結フレーム4の構成および上部支持体2cとの連結構造も同様である。
【0028】
上側フレーム4Aは、金属板が折り曲げられて形成されており、接続板4a、下向板4b、4b、水平板4c、4c、および上向板4d、4dを備える。
接続板4aは、後述する天板11の下面に固定される平板部である。接続板4aは、左右方向に長い矩形板である。接続板4aの前後方向の幅は、昇降機構ユニット3の前後方向の幅と略等しい。接続板4aには、後述する天板11に固定するためのネジ14bを挿通する複数のネジ挿通孔4gが貫通している。
各下向板4bは、接続板4aの前後方向の各端縁から下方に向かって延設されている。図示は省略するが、後側の下向板4bには、後述する補助フレーム6を固定するための適宜の固定部が設けられている。例えば、本実施形態では、ネジを用いて補助フレーム6を連結フレーム4に固定するため、固定部の例として、雌ネジが設けられている。
各水平板4cは、各下向板4bの下端縁から内側に向かって接続板4aと平行に延設されている。ただし、各水平板4cの延在方向の先端は互いに離間している。各水平板4cの間の隙間は、一定でもよいし、左右方向において変化していてもよい。
特に図示しないが、各水平板4cには、後述する下側フレーム4Bをネジ止めするための雌ネジが適宜個数設けられている。
各上向板4dは、各水平板4cの内側縁(延在方向の先端)から上方に向かって延設されている。各上向板4dは、各水平板4cの左右方向の全長にわたって設けられていてもよいし、各水平板4cの一部の内側縁に設けられてもよい。例えば、上向板4dが後述する配線の配置ガイドに用いられる場合には、上向板4dは左右方向において離間して設けられてもよい。
前後方向において互いに対向する各上向板4dの間には、下方に開口する空間部4h1が形成されている。
空間部4h1には、連結フレーム4の内部に配置される適宜の部材を配置することができる。例えば、空間部4h1には、制御ユニット7(コントローラ)が配置される。
制御ユニット7は、脚体2R、2Lおよび後述する補助脚体5に設けられた各昇降機構ユニット3をその昇降動作が互いに一致するように制御する。
【0029】
上側フレーム4Aの左側の端部には、脚体2Lの上部支持体2cと連結するための固定板4e、4eが設けられている。本実施形態では、各固定板4eは、各下向板4bの端縁からそれぞれ外側に向かって上部支持体2cの内側面2eと平行に延設されている。ここで、内側面2eは、上部支持体2cの前後方向に延びる鉛直面と平行な平面である。内側面2eには、連結フレーム4の内部と連通する開口部2fが開口している。
各固定板4eの下端部には、厚さ方向に貫通し、下方に開口するU字状の固定用溝4fが形成されている。固定用溝4fの開口幅は、上側フレーム4Aを内側面2eに固定するためのネジ14aを挿通できる大きさである。
【0030】
このような構成により、各固定用溝4fにそれぞれ挿通したネジ14aを内側面2eに設けられた図示略の雌ネジに螺合させることによって、各固定板4eが上部支持体2cに固定される。
特に図示しないが、上側フレーム4Aの右側の端部には、上述と同様の固定板4e、4eが設けられており、同様のネジ14aを用いて、上側フレーム4Aが脚体2Rの上部支持体2cに固定される。
上側フレーム4Aが各上部支持体2cと連結された状態では、脚体2L、2Rの各上面2dと、接続板4aと、は、同一平面上に配置されている。
【0031】
下側フレーム4Bは、上側フレーム4Aの側面および下面を覆うカバー部材であり、金属板が折り曲げられて形成されている。下側フレーム4Bは、上側フレーム4Aの各水平板4cおよび空間部4h1を下方から覆う下面板4iと、下面板4iの前後方向の各端縁からそれぞれ上向きに延設され、下向板4bの高さと同程度の高さに延びる側板4j、4jを備える。
下面板4iは、接続板4aの短手幅よりもわずかに大きな短手幅と、接続板4aの長さと同じ長さを有する矩形状に形成されている。
下面板4iにおいて、各水平板4cと重なる部位には、下面板4iを上側フレーム4Aに固定するためのネジ14cを挿通する複数のネジ挿通孔4kが貫通している。
下面板4iにおいて、左右方向の中央部には、制御ユニット7を固定するためのネジ14dを挿通する複数のネジ挿通孔4mが貫通している。各ネジ挿通孔4mのピッチは、制御ユニット7に設けられた図示略の雌ネジの位置に対応している。各ネジ挿通孔4mの位置は、制御ユニット7を空間部4h1に挿入可能な位置である。
【0032】
連結フレーム4の後側の側部には、後述する補助フレーム6を固定する固定部と、補助フレーム6の内部と連通する開口部とが形成されている。
例えば、上側フレーム4Aの後側の下向板4bには、図示略の固定部である雌ネジが設けられており、下側フレーム4Bの後側の側板4jには、この雌ネジと重なる位置に、後述するネジ14aを挿通するネジ挿通孔4pが貫通している。
さらに、下側フレーム4Bの後側の側板4jには、補助フレーム6と連通可能な位置に開口部4nが形成されている。上側フレーム4Aの後側の下向板4bには、開口部4nと重なる位置に、図示略の開口部が形成されている。
【0033】
このような構成により、下側フレーム4Bの下面板4i上には、複数のネジ14dによって、制御ユニット7が固定される。この状態で、下側フレーム4Bは、上側フレーム4Aの側面および下面を覆うように下方から装着された状態で、複数のネジ14cによって上側フレーム4Aに固定される。
脚ユニット10においては、このような構成の連結フレーム4によって、各上部支持体2cが互いに連結されている。
【0034】
図4に示すように、ベースユニット10Aにおいて、天板11を支持する上部フレームの平面視形状は、各上部支持体2cの長手方向の両端部の間で、連結フレーム4が各上部支持体2cを左右方向に連結したH字状である。このため、各上部支持体2cの間に天板11の凹部である前端縁11bが形成されている場合にも、連結フレーム4が前端縁11bよりも内側の天板本体部11Aに固定可能である。
ベースユニット10Aにおける各下部支持体2bは、各下部支持体2b上の各昇降機構ユニット3および連結フレーム4からなる門型フレーム(
図3参照)によって、平面視ではH字状に連結されている。
本実施形態のベースユニット10Aは、4つの接地部2aを介して床面F上に配置されている。このため、平面視において各接地部2aを囲む領域の内側において天板11に下向きに作用する力は、これら4つの接地部2aに分散されて床面Fに伝達される。
平面視において、各接地部2aに外接する直線で各接地部2aを囲む領域を以下では、接地領域Gと称する。本実施形態における接地領域Gは、左右方向に細長い略矩形状である。また、平面視において、各上部支持体2cに外接する直線で各上部支持体2cを囲む領域を天板取り付け領域Tと称する。本実施形態では、各上部支持体2cが左右方向に対向して前後方向に延びていることに対応して、天板取り付け領域Tは、左右方向に長い矩形状である。
本実施形態では、平面視では、脚体2R、2Lのそれぞれにおいて、各上部支持体2cは各下部支持体2bよりもわずかに短く、下部支持体2bの上方から重なっている。具体的には、上部支持体2cの前側の端部は下方の接地部2aの後端部と略重なる位置に延びており、上部支持体2cの後側の端部は下方の接地部2aと重なる位置に延びている。このため、天板取り付け領域Tは、接地領域Gの内側に重なって形成されており、接地領域Gよりもわずかに面積が小さい矩形状である。
【0035】
図3に示すように、本実施形態における補助ユニット10Bは、後述する天板11の後側膨出部11Bを補強するとともに、後側膨出部11Bにおいて天板11を下方から昇降可能に支持する。補助ユニット10Bは、ベースユニット10Aとともに、天板11を安定的に支持するために設けられている。
このため、補助ユニット10Bの構成は、天板11の形状に関係している。そこで、まず、天板11の詳細形状について説明する。
【0036】
図4に示すように、天板11の平面視形状は、略一定の幅でV字状に折れ曲がった帯状である。平面視における天板11の外縁としては、後端縁11a、前端縁11b、右端縁11c、および左端縁11dを備える。
後端縁11aは、左右方向における天板取り付け領域Tの中心部を中心として、天板取り付け領域Tよりも後側に張り出した凸部を有する山形状である。後端縁11aの頂部は円弧状に湾曲している。後端縁11aの両端部は、天板取り付け領域Tの後側の各角部の近くをそれぞれ通って、天板取り付け領域Tの左右方向の外側に直線状に延びている。
前端縁11bは、左右方向における天板取り付け領域Tの中心部を中心として、天板取り付け領域Tの内側に凹んだ凹状である。前端縁11bは、後端縁11aと並行しており、このため、前端縁11bと後端縁11aとの間の前後方向における距離は略一定である。前端縁11bの両端部は、天板取り付け領域Tの前側の各角部の近くをそれぞれ通って、天板取り付け領域Tの左右方向の幅と略同幅となるように延びている。
右端縁11cは、後端縁11aおよび前端縁11bの各右端を結ぶ直線状である。このため、右端縁11cは、前側の端部から後側の端部に向かうにつれて、天板取り付け領域Tの右端に対して漸次離間する斜め方向に延びている。
左端縁11dは、後端縁11aおよび前端縁11bの各左端を結ぶ直線状である。このため、左端縁11dは、前側の端部から後側の端部に向かうにつれて、天板取り付け領域Tの左端に対して漸次離間する斜め方向に延びている。
天板11の平面視形状は、前後方向に延びる天板11の中心軸線Cに関して線対称である。
【0037】
このような形状により、平面視において天板11は、天板取り付け領域Tと重なる天板本体部11Aと、天板取り付け領域Tよりも後側に膨出する後側膨出部11B(膨出部)と、天板取り付け領域Tよりも右側に膨出する右側膨出部11Cと、天板取り付け領域Tよりも左側に膨出する左側膨出部11Dとに分類できる。以下では、後側膨出部11B、右側膨出部11C、および左側膨出部11Dを総称して「各膨出部」と称する場合がある。
各膨出部は、天板11の外縁が天板取り付け領域Tに外接している場合以外は、定義上、互いに重複部分を有するが、本実施形態では、重複部分の面積は小さい。
図4では、簡単のため、概形状を二点鎖線で示している。
後側膨出部11Bの概形状は、天板取り付け領域Tの長辺部を底辺とする山形状である。右側膨出部11Cおよび左側膨出部11Dの概形状は、天板取り付け領域Tの短辺部を底辺し、頂角の位置が後側寄りの略直角三角形状である。
各膨出部の膨出量、すなわち天板取り付け領域Tの外形からの距離は、本実施形態の場合、右側膨出部11Cおよび左側膨出部11Dよりも、後側膨出部11Bの方が大きい。
【0038】
各膨出部は、その下面が支持部材で支持されていない場合には、下向きに力が作用すると、天板11はベースユニット10Aを支持端とする曲げを受ける。天板取り付け領域Tからの各膨出部の膨出量が多いほど、膨出部がたわみやすくなるため、天板11の安定感が損なわれるおそれがある。膨出部を厚くするなど剛性を向上することも考えられるが、この場合、天板11が重くなってしまう。
各膨出部のたわみが小さい場合でも、各膨出部に作用する下向きの外力が大きくなると、接地部2aを中心とした回転運動を発生させるので、接地部2aが浮いたり、天板11が傾いたりしやすくなる。本実施形態では、天板取り付け領域Tは接地領域Gと略重なるように形成されているので、膨出部の先端部に作用する下向きの力は、天板11の回転運動を生じさせやすくなる点でも、天板11の安定支持状態が損なわれるおそれがある。
【0039】
本実施形態における補助ユニット10Bは、上述の不安定要因を低減するため後側膨出部11Bを補強するとともに下方から支持している。
この理由としては、ベースユニット10Aが左右方向に長く延びており、かつ連結フレーム4が各上部支持体2cの後端よりも前側に位置しているため、天板取り付け領域Tの境界から同じ位置に同じ大きさの外力が作用する場合、右側膨出部11Cおよび左側膨出部11Dに比べて後側膨出部11Bの方がたわみやすくなっていることが挙げられる。さらに、本実施形態の場合、右側膨出部11Cおよび左側膨出部11Dの膨出量よりも、後側膨出部11Bの膨出量よりも大きい点でも、後側膨出部11Bを補強するとともに下方から支持することがより好ましい。
【0040】
補助ユニット10Bは、補助フレーム6と、補助脚体5(補助昇降脚)とを備える。
図4に示すように、補助フレーム6は、後側膨出部11Bの下面側に配置され、連結フレーム4から連結フレーム4の延在方向と交差する方向に延びている。本実施形態では、補助フレーム6は、天板11の中心軸線Cに沿って、連結フレーム4から連結フレーム4と直交する方向において後側に延びている。
補助フレーム6の長さは、後側膨出部11Bを必要な程度補強できれば特に限定されない。本実施形態では、補助フレーム6は、天板11の外縁の近傍まで延びている。このため、補助フレーム6は、連結フレーム4から後側膨出部11Bに向かって天板取り付け領域Tの外側に延びている。
補助フレーム6は、少なくとも、後側膨出部11Bと固定されている。補助フレーム6は、天板本体部11Aとも固定されていることがより好ましい。
【0041】
補助フレーム6の具体的な構成は特に限定されない。例えば、補助フレーム6は、以下に説明するように、前後方向に長く延びる連結フレーム4と同様の箱形構造を有していてもよい。
図6は、本発明の第1の実施形態の天板昇降式什器における連結フレームと補助フレームとの連結構造の一例を示す模式的な分解斜視図である。
【0042】
図6に示す例では、補助フレーム6は、上側フレーム6Aと、下側フレーム6Bとを備える。
上側フレーム6Aは、上側フレーム4Aと外形寸法が異なる以外は、上側フレーム4Aと略同様の構成を有する。以下、上側フレーム4Aと異なる点を中心に説明する。
上側フレーム6Aは、上側フレーム4Aと同様、金属板が折り曲げられて形成されている。上側フレーム6Aは、上側フレーム4Aの接続板4a、下向板4b、4b、水平板4c、4c、および上向板4d、4dに代えて、接続板6a、下向板6b、6b、水平板6c、6c、および上向板6d、6dを備える。
接続板6aは、後側膨出部11Bの下面に固定される平板部である。接続板6aは、前後方向に長い矩形板である。接続板6aの左右方向の幅は、後述する補助脚体5の左右方向の幅と略等しい。接続板6aには、接続板4aと同様の複数のネジ挿通孔4gが貫通している。
各下向板6bは、接続板6aの左右方向の各端縁から下方に向かって延設されている。
各水平板6cは、各下向板6bの下端縁から内側に向かって接続板6aと平行に延設されている。ただし、各水平板6cの延在方向の先端は互いに離間している。各水平板6cの間の隙間は、一定でもよいし、前後方向において変化していてもよい。
特に図示しないが、各水平板6cには、後述する下側フレーム6Bをネジ止めするための雌ネジが適宜個数設けられている。
各上向板6dは、各水平板6cの内側縁から上方に向かって延設されている。各上向板6dは、各水平板6cの左右方向の全長にわたって設けられていてもよいし、各水平板6cの一部の内側縁に設けられてもよい。例えば、上向板6dが後述する配線の配置ガイドに用いられる場合には、上向板6dは前後方向において離間して設けられてもよい。
左右方向において互いに対向する各上向板6dの間には、下方に開口する空間部6h1が形成されている。
空間部6h1には、補助フレーム6の内部に配置される適宜の部材、例えば配線ケーブルなどを配置することができる。
【0043】
上側フレーム6Aの前側の端部には、連結フレーム4と連結するための固定板6e、6eが設けられている。各固定板6eは、各下向板6bの後側の端部に設けられている以外は、それぞれ固定板4eと同様の構成を有する。
このような構成により、各固定板6eの各固定用溝4fにそれぞれ挿通したネジ14aを連結フレーム4の後側に設けられた図示略の雌ネジに螺合させることによって、各固定板6eが連結フレーム4に固定される。
上側フレーム6Aが連結フレーム4と連結された状態では、連結フレーム4の接続板4aと、接続板6aと、は、同一平面上に配置されている。
【0044】
下側フレーム6Bは、上側フレーム6Aの側面、下面、および後側の端部を覆うカバー部材であり、下側フレーム4Bと同様、金属板が折り曲げられて形成されている。以下、下側フレーム4Bと異なる点を中心に説明する。
下側フレーム6Bは、下側フレーム4Bの下面板4iおよび側板4j、4jに代えて、下面板6i、および側板6j、6j、6nを備える。
下面板6iは、上側フレーム6Aの各水平板6cおよび空間部6h1を下方から覆う。下面板6iは、接続板6aよりもわずかに大きな矩形状に形成されている。
下面板6iにおいて、各水平板6cと重なる部位には、下面板6iを上側フレーム6Aに固定するためのネジ14cを挿通する複数のネジ挿通孔6kが貫通している。
下面板6iにおいて、前後方向の後側には、後述する補助脚体5の内部と連通する開口部6pが貫通している。
側板6j、6jは、下面板6iの左右方向の各端縁からそれぞれ上向きに延設され、下向板6bの高さと同程度の高さに延びる。
側板6nは、下面板6iの前後方向の後側の端縁から上向きに延設され、下向板6bの高さと同程度の高さに延びる。
【0045】
このような構成により、下側フレーム6Bは、上側フレーム6Aの側面、下面、および後側の端縁を覆うように下方から装着された状態で、複数のネジ14cによって上側フレーム6Aに固定される。
このような構成の補助フレーム6は、連結フレーム4と連結されるとともに、後側膨出部11Bの下面に固定されている。
補助フレーム6の内部は、上述した開口部4n等の連結フレーム4の後側の側面に形成された開口部を通して、連結フレーム4の内部と連通している。
【0046】
図3に示すように、補助脚体5は、床面F上に配置される接地部2aと同様の接地部5aと、接地部5aに跨がって接地部5aと固定された下部支持体5bと、下部支持体5bと補助フレーム6との間を上下方向に伸縮可能に連結する脚体2R、2Lにおけると同様の昇降機構ユニット3と、を有して構成されている。
特に図示しないが接地部5aの上部には、接地部2aに設けられたと同様のアジャスターが設けられている。
【0047】
下部支持体5bは、図示略のアジャスターを介して接地部5aの上方に配置されている。下部支持体5bは、昇降機構ユニット3の下端3aを下方から支持する板状である。
補助脚体5における昇降機構ユニット3の下端3aは下部支持体5bに、上端3bは補助フレーム6の下面に、それぞれ固定されている。
下部支持体5bおよび補助フレーム6に対する昇降機構ユニット3の固定方法は、特に限定されない。例えば、補助脚体5における昇降機構ユニット3は、脚体2R、2Lにおける昇降機構ユニット3と同様に固定されてもよい。
このような構成により、補助脚体5は、補助フレーム6から床面Fに向かって上下方向に延びている。補助脚体5は、補助フレーム6を介して後側膨出部11Bの下面を、昇降可能に支持している。
【0048】
次に、天板昇降式デスク1における配線について説明する。
図2に示すように、脚体2Rの上部支持体2cの前端部には、各昇降機構ユニットに昇降動作信号を入力するための操作部16が設けられている。操作部16を通した入力信号は、操作部用配線ケーブル15を介して、図示略の制御ユニット7に伝送される。操作部用配線ケーブル15は、脚体2Rの上部支持体2cの内部を通して、上部支持体2cが連通する連結フレーム4の内部に挿通される。
図4に示すように、連結フレーム4内の制御ユニット7には、電力が供給される電源ケーブル13と、各昇降機構ユニット3と電気的に接続するユニット間配線ケーブル12A、12B、12Cとが接続されており、さらに操作部用配線ケーブル15も接続されている。
ここで、ユニット間配線ケーブル12A、12Bは、それぞれ脚体2R、2Lにおける各昇降機構ユニット3にそれぞれ電気的に接続された第1配線である。ユニット間配線ケーブル12Cは、補助脚体5における昇降機構ユニット3に電気的に接続された第2配線である。
図4に示す例では、電源ケーブル13およびユニット間配線ケーブル12Bが接続される接続端子は制御ユニット7の左側面に設けられており、ユニット間配線ケーブル12A、12Cおよび操作部用配線ケーブル15が接続される接続端子は制御ユニット7の右側面に設けられている。
【0049】
図1に示すように電源ケーブル13は、天板昇降式デスク1が配置される執務空間に設けられた電源(図示略)と、制御ユニット7との間を接続するもので、電源から引き回されて天板昇降式デスク1内に引き入れられる。その際、電源ケーブル13が天板11の下側に垂れ下がった状態で配置されていると、天板高さの変更時に電源ケーブル13がデスクの天板11周辺や天板11下方に配置された他の物品、さらには他の配線に引っ掛かる可能性があり、また、執務者が不測に電源ケーブル13に触れてしまう可能性があるため、好ましくない。
【0050】
そこで、本実施形態では電源から引き回されてきた電源ケーブル13は、まず、天板昇降式デスク1の後側から脚体2Lの上部支持体2cの内部に引き入れられる。そして、
図4に示すように、電源ケーブル13は、上部支持体2cに連通する連結フレーム4に形成された空間部4h1を通って制御ユニット7に接続される。なお、電源ケーブル13において、天板昇降式デスク1の近傍部にて上部支持体2c内に引き入れられるまでの間の部位は、電源ケーブル13の変位を規制する図示略の規制部材に保持されている。これにより、電源ケーブル13の自由な変位が規制されて天板高さの変更時に所定の方向にのみ変位するようになっている。このため、電源ケーブル13が天板11周辺の物品等に接触するのが防止されている。
【0051】
図4に示すように、ユニット間配線ケーブル12A、12Bは、それぞれが接続される昇降機構ユニット3から、各昇降機構ユニット3と連通する各上部支持体2cの内部に通線され、各上部支持体2cと連結フレーム4との間の開口部を通して、連結フレーム4の内部に通線されている。連結フレーム4の内部に通線されたユニット間配線ケーブル12A、12Bは、連結フレーム4の中央部に固定された制御ユニット7に結線されている。
【0052】
ユニット間配線ケーブル12Cは、補助脚体5における昇降機構ユニット3から、各降機構ユニット3と連通する補助フレーム6の内部に通線され、補助フレーム6と連結フレーム4との間の開口部を通して、連結フレーム4の内部に通線されている。連結フレーム4の内部に通線されたユニット間配線ケーブル12Cは、連結フレーム4の中央部に固定された制御ユニット7に結線されている。
【0053】
連結フレーム4の内部における電源ケーブル13、ユニット間配線ケーブル12A、12B、12C、および操作部用配線ケーブル15の配置は、特に限定されない。
本実施形態では、
図5に示すように、連結フレーム4の内部には、各上向板4d間の空間部4h1と、各水平板4cにおける下向板4bと上向板4dとの間の空間部4h2と、が左右方向に並行して形成されている。このため、各ケーブルを制御ユニット7の結線位置等に応じて、各空間部4h1、4h2に分けて通線することが可能である。例えば、電源ケーブル13を空間部4h1に通線し、ユニット間配線ケーブル12A、12B、12C、および操作部用配線ケーブル15を各空間部4h2に分けて通線してもよい。
【0054】
補助脚体5の内部におけるユニット間配線ケーブル12Cの配置は、特に限定されない。
本実施形態では、
図6に示すように、補助脚体5の内部には、各上向板6d間の空間部6h1と、各水平板6cの上方における下向板6bと上向板6dとの間の空間部6h2と、が前後方向に並行して形成されている。このため、ユニット間配線ケーブル12Cは、これらの空間部6h1、6h2のいずれかに通線することが可能である。例えば、ユニット間配線ケーブル12Cは、開口部6pを通して補助脚体5の内部に引き込んでから空間部6h1に通線してもよい。
【0055】
このような構成によって制御ユニット7は、電源ケーブル13から供給された電力を各昇降機構ユニット3に送ると共に、操作部16からの昇降動作信号を受信すると、受信した信号に基づいて各昇降機構ユニット3の昇降動作を同調して制御し、天板11の高さの変更を行うようになっている。
【0056】
このような構成からなる天板昇降式デスク1にあっては、操作部16を操作して昇降動作信号を送信することで各昇降機構ユニット3を共に駆動させ、天板11の高さを各昇降機構ユニット3の伸縮範囲で任意に変更することができる。その際、電源ケーブル13、ユニット間配線ケーブル12A、12B、および操作部用配線ケーブル15を、連結フレーム4の内部に、ユニット間配線ケーブル12Cを補助フレーム6および連結フレーム4の内部に配置しているので、これら配線ケーブルが外部にほとんど露出することない。このため、執務時はもちろん、天板11の高さの変更時にも配線ケーブルどうしが互いに干渉することが防止される。
また、配線ケーブルの露出量を低減できるので、天板昇降式デスク1の外観を向上できる。
【0057】
さらに、天板昇降式デスク1では、脚ユニット10として、ベースユニット10Aと補助ユニット10Bとを備える。
ベースユニット10Aは、天板取り付け領域Tが矩形状なので特に略矩形状の天板を好適に支持することができる構成を有している。このようなベースユニット10Aは、天板昇降式什器において汎用的に共通使用可能である。
ベースユニット10Aのみによって天板11のような矩形状ではない異形天板を支持すると、例えば、後側膨出部11Bのような天板取り付け領域Tからの膨出部が発生することによって、天板11が下向きの外力によってたわみやすくなるため、天板11の安定支持が損なわれるおそれがある。さらに、天板取り付け領域Tの外側かつ接地領域Gの外側に作用する外力が天板11を回転させる力のモーメントとして作用する点でも、天板11の安定支持が損なわれるおそれがある。
しかし、本実施形態によれば、後側膨出部11Bの下面に連結フレーム4と連結された補助フレーム6と固定しているので、後側膨出部11B自体が補強され、たわみ変形しにくくなる。さらに、補助フレーム6は、補助脚体5によって下方から支持されている。このため、補助フレーム6および補助フレーム6に固定された後側膨出部11Bは、補助脚体5の両端部で、ベースユニット10Aおよび補助脚体5によって下方から支持されている。
この結果、後側膨出部11Bがより安定して支持される。例えば、後側膨出部11Bに作用する下向きの外力は、補助フレーム6を通して、ベースユニット10Aおよび補助脚体5に分散して伝達されるので、後側膨出部11B自体の変形が生じにくくなる。
さらに、後側膨出部11Bの膨出方向における先端部の変位が補助脚体5によって規制されるので、補助脚体5の支持位置における後側膨出部11Bの先端部のたわみが抑制される。
また、脚ユニット10は、各接地部2aの他に、天板取り付け領域Tの外部に配置された補助脚体5の接地部5aによっても床面Fと接地しているので、接地面積が拡大されたのと同等になる。このため、天板11に作用する下向きの外力が、後側膨出部11Bに加わっても、天板11の回転が生じにくくなり、天板11の安定性がさらに向上する。
【0058】
天板昇降式デスク1によれば、脚ユニット10に設けられた3つの昇降機構ユニット3は、すべて連結フレーム4に設けられた制御ユニット7によって制御される。このため、昇降機構ユニット3ごとにコントローラを備える場合に比べて、簡素かつ安価な構成になり、各昇降機構ユニット3の同期性も向上する。
天板昇降式デスク1によれば、連結フレーム4および補助フレーム6がT字状に連結されており、T字の連結部の近傍に制御ユニット7が配置されている。これにより、通線経路が簡素となり、制御ユニット7から各昇降機構ユニット3に向かう第1配線および第2配線の線長が短くて済む。
本実施形態では、制御ユニット7を連結フレーム4の内部に収容するので、制御ユニット7を連結フレーム4の外部に配置する場合のように、天板昇降式デスク1の外形が増大することが抑制できる。また、制御ユニット7を覆うためのカバー部材などを設けなくてもよいので、構成の簡素化が図れる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態によれば、矩形以外の平面視形状を有する天板11が安定的に支持された簡素な構成の天板昇降式デスク1を提供することができる。
【0060】
[第1変形例]
次に、第1の実施形態の変形例(第1変形例)の天板昇降式什器について説明する。
図2に示すように、本変形例の天板昇降式デスク1A(天板昇降式什器)は、第1の実施形態の天板昇降式デスク1の連結フレーム4に代えて、連結フレーム34を備える。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0061】
図7は、本発明の第1の実施形態の変形例(第1変形例)の天板昇降式什器における連結フレームと補助フレームとの連結構造の一例を示す模式的な分解斜視図である。
図7に示すように、連結フレーム34は、第1の実施形態の上側フレーム4A、下側フレーム4Bに代えて、上側フレーム34A、下側フレーム34Bを備える。
【0062】
上側フレーム34Aは、後側の下向板4bに、ネジ14aを螺合する複数の雌ネジ34a(フレーム固定部)と、図示略のユニット間配線ケーブル12Cを挿通する複数の開口部34mが形成されている点が、上側フレーム4Aと異なる。
各雌ネジ34aは、左右方向に配列されており、各開口部34mを挟んでそれぞれ一対ずつ設けられている。一対の雌ネジ34aの左右方向におけるピッチは、上側フレーム6Aにおける一対の固定用溝4fのピッチに等しい。このため、開口部34mを挟んだ一対の雌ネジ34aは、いずれも上側フレーム6Aを固定可能である。
各開口部34mの形状は、ユニット間配線ケーブル12Cが挿通可能な大きさであり、一対の雌ネジ34aにおいて上側フレーム6Aが連結フレーム34に固定されたときに、上側フレーム6Aの内部に連通することができれば特に限定されない。
【0063】
下側フレーム34Bは、後側の側板4jに、ネジ14aを挿通する複数のネジ挿通孔34bと、図示略のユニット間配線ケーブル12Cを挿通する複数の開口部34nが形成されている点が、下側フレーム4Bと異なる。
各ネジ挿通孔34bは、下側フレーム34Bを上側フレーム34Aに固定したときに複数の雌ネジ34aが露出可能な形状および位置に形成されている。
各開口部34nは、下側フレーム34Bを上側フレーム34Aに固定したときに各開口部34mが露出可能な形状および位置に形成されている。
【0064】
このような構成の天板昇降式デスク1Aによれば、補助フレーム6を、連結フレーム34に第1の実施形態と同様の位置に連結した場合、第1の実施形態と同様の作用を備える。したがって、本変形例によれば、第1の実施形態と同様にして、矩形以外の平面視形状を有する天板11が安定的に支持された簡素な構成の天板昇降式デスク1Aを提供することができる。
【0065】
さらに本実施形態のベースユニット10Aは、連結フレーム34を有することにより、連結フレーム34に対する補助フレーム6の連結位置を、ネジ14aが螺合する雌ネジ34aの位置に応じて変更することができる。
この場合、例えば、補助フレーム6の連結位置を変更することによって、ベースユニット10Aを天板11と形状が異なる天板を支持するために使用することが容易となる。このため、ベースユニット10Aを共通使用して、種々の形状の天板を有する天板昇降式什器を製造することができる。
さらに、本実施形態によれば、天板11を使用する場合でも、連結フレーム34において、第1の実施形態と異なる連結位置に補助フレーム6と同様な構成を有し長さが異なる補助フレームを追加することによって後側膨出部11Bに複数の補助フレームを固定することができる。
この場合、後側膨出部11Bをより高強度に補強することができる。
この場合、すべての補助フレームのそれぞれに補助脚体5が連結されてよいし、補助脚体5に連結されない補助フレームが設けられてもよい。補助脚体5に連結されない補助フレームを設ける場合、補助脚体5を連結しない補助フレームが固定される雌ネジ34aの間には、開口部34m、34nは形成されていなくてもよい。
【0066】
[第2変形例]
次に、第1の実施形態の変形例(第2変形例)の天板昇降式什器について説明する。
図8は、本発明の第1の実施形態の変形例(第2変形例)天板昇降式什器の模式的な平面図である。なお、簡単のため、
図8には主要部のみを図示している。このため、例えば、操作部16、電源ケーブル13、ユニット間配線ケーブル12A、12B、12C、操作部用配線ケーブル15などの図示は省略している。
【0067】
図8に示すように、本変形例の天板昇降式デスク1B(天板昇降式什器)は、第1の実施形態の天板昇降式デスク1の天板11、脚ユニット10に代えて、天板41、脚ユニット40を備える。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0068】
天板41の平面視形状は、円形の一部が凹んだ弓形(三日月形)である。天板11の外縁としては、中心角が180度よりも大きい凸円弧状の後端縁41aと、中心角が180度未満であり約90度程度の凹円弧状の前端縁41bと、を備える。天板41の平面視の外形は左右対称である。
【0069】
脚ユニット40は、第1の実施形態の脚ユニット10の補助ユニット10Bに代えて、補助ユニット40Bを備える。補助ユニット40Bは、補助ユニット10Bの補助フレーム6に代えて、補助フレーム46を備える。補助フレーム46は、天板41の形状の相違に応じて、前後方向における長さが異なる以外は、補助フレーム6と同様の構成を有する。
脚ユニット40の上部には、天板11と同様にして、天板41の中心軸線Cがベースユニット10Aの左右方向の中心に一致するように固定されている。ただし、脚ユニット40におけるベースユニット10Aの天板取り付け領域Tは、後端縁41aの内側において、後端縁41aに略内接する位置関係にある。特にベースユニット10Aにおける前側の各接地部2aは、後端縁41aと前端縁41bとの交差部の近傍に位置している。
このため、平面視において天板41は、天板取り付け領域Tと重なる天板本体部41Aと、天板取り付け領域Tよりも後側に膨出する後側膨出部41B(膨出部)と、天板取り付け領域Tよりも右側に膨出する右側膨出部41Cと、天板取り付け領域Tよりも左側に膨出する左側膨出部41Dとに分類できる。
後側膨出部41B、右側膨出部41C、および左側膨出部41Dの各概形状は、円弧を直線で切り取った弓形状である。ただし、後側膨出部41Bの膨出量は、右側膨出部41Cおよび左側膨出部41Dの膨出量に比べて大きく、第1の実施形態における後側膨出部11Bの膨出量に比べても大きい。
【0070】
本実施形態における補助ユニット40Bは、後側膨出部41Bを補強するとともに下方から支持している。ただし、後側膨出部41Bの膨出量が第1の実施形態における後側膨出部11Bの膨出量に比べて大きいことに対応して、補助フレーム46は、連結フレーム4の後側の側面から最も後側の後端縁41aの近傍まで延びる長さを有する。
補助フレーム46と補助脚体5との平面視における連結位置は、補助フレーム46の後端の近傍である。このため、本実施形態における補助脚体5は、第1の実施形態と比べると、平面視において、天板取り付け領域Tからより遠くに離れた位置で、補助フレーム46と連結されている。
【0071】
このような補助ユニット40Bによれば、第1の実施形態に比べて膨出量が大きくより不安定性が大きくなる後側膨出部11Bを補強するとともに、安定的に支持することができる。
【0072】
このような天板昇降式デスク1Bの脚ユニット40は、第1の実施形態におけるベースユニット10Aに補助フレーム46および補助脚体5からなる補助ユニット40Bを連結することによって製造できる。このため、天板昇降式デスク1、1Bにおいて、ベースユニット10Aが共通化できるので、製造コストが低減できる。
さらに補助ユニット40Bにおいて、より高価な補助脚体5は補助ユニット10Bと共通使用可能である。また、補助フレーム46は、補助フレーム6よりも長い以外は共通の構成を有するので、補助フレーム6と製造工程を部分的に共通化できるため、製造コストを低減できる。
【0073】
本変形例の天板昇降式デスク1Bによれば、後側膨出部41Bのように膨出量が大きい天板41を使用する場合でも、天板昇降式デスク1と略同様の簡素な構成によって、天板41を安定的に支持することができる。
以上説明したように、本変形例によれば、第1の実施形態と同様にして、矩形以外の平面視形状を有する天板41が安定的に支持された簡素な構成の天板昇降式デスク1Bを提供することができる。
【0074】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の天板昇降式什器について説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態の天板昇降式什器の模式的な平面図である。
図10は、本発明の第2の実施形態の天板昇降式什器の模式的な側面図である。
【0075】
図9に示すように、本変形例の天板昇降式デスク1C(天板昇降式什器)は、第1の実施形態の天板昇降式デスク1の天板11、脚ユニット10に代えて、天板51、脚ユニット50を備える。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0076】
天板51の平面視形状は、左右方向の延びる矩形状の本体部51Pと、本体部51Pの左端部から前側に突出する略矩形状の突出部51Qと、を有するL字状である。具体的には、天板51の平面視の外形状は、後側端縁51a、左側端縁51b、第1前側端縁51c、第1右側端縁51d、凹円弧状端縁51e、第2前側端縁51f、および第2右側端縁51gからなる。
後側端縁51aは、本体部51Pの後側の端縁であり、左右方向に直線状に延びている。
左側端縁51bは、本体部51Pおよび突出部51Qの左側の端縁であり、後側端縁51aの左端から前後方向において前側に直線状に延びている。
第1前側端縁51cは、突出部51Qの前側の端縁であり、後側端縁51aの前端から左右方向において右側に直線状に延びている。
第1右側端縁51dは、突出部51Qの右側の端縁の一部であり、第1前側端縁51cの右端から後に向かって直線状に延びている。
凹円弧状端縁51eは、第1右側端縁51dを除く突出部51Qの右側の端縁であり、第1右側端縁51dの後端から本体部51Pの前側の端縁に向かって円弧状に湾曲している。
第2前側端縁51fは、本体部51Pの前側の端縁であり、凹円弧状端縁51eの右端から左右方向においてさらに右側に直線状に延びている。
第2右側端縁51gは、本体部51Pの右側の端縁であり、後側端縁51aの右端と第2前側端縁51fの右端とを、前後方向に結ぶ直線状に延びている。
【0077】
本体部51Pの大きさは、後述するベースユニット50Aの天板取り付け領域Tよりもわずかに大きい。
突出部51Qの突出方向の長さおよび突出方向に直交する短手方向の幅は特に限定されない。例えば、
図9に示す例では、突出部51Qの突出方向の長さは、本体部51Pの短手方向の幅である前後方向の幅よりも長い。突出部51Qの短手方向の幅は、本体部51Pの短手方向の幅よりも短い。
【0078】
脚ユニット50は、第1の実施形態の脚ユニット10のベースユニット10A、補助ユニット10Bに代えて、ベースユニット50A、補助ユニット50Bを備える。
ベースユニット50Aは、ベースユニット10Aの連結フレーム4に代えて、連結フレーム54を備える以外は、ベースユニット10Aと同様に構成される。
連結フレーム54は、補助フレーム56を固定するための固定部(図示略)およびユニット間配線ケーブル12Cを挿通するための開口部(図示略)が、前側の側面部において左側寄りの位置に設けられている以外は、連結フレーム4と同様の構成を有する。
固定部および開口部の位置は、後述する補助フレーム56の固定位置に応じた適宜位置に設定される。
ベースユニット50Aは、ベースユニット10Aと同様の天板取り付け領域Tを形成している。
【0079】
補助ユニット50Bは、補助フレーム56と、補助脚体55(補助昇降脚)とを備える。
補助フレーム56は、補助フレーム56は、天板11と天板51との形状の相違に応じて、前後方向における長さが異なる以外は、補助フレーム6と同様の構成を有する。
補助フレーム56の後側の端部は、連結フレーム54の前側の側面部に設けられた固定部によって固定されている。補助フレーム56の左右方向における配置位置は、天板51の突出部51Qの短手幅を二等分する位置である。
補助フレーム56の前側の端部は、突出部51Qの前側の外縁の近傍に位置している。
【0080】
補助脚体55は、床面F上に配置される2つの接地部2aと、各接地部2aに跨がって各接地部2aと固定された下部支持体55bと、昇降機構ユニット3と、を有して構成されている。特に図示しないが各接地部2aの上部には、床面Fからの高さの微調整が可能なアジャスターが設けられている。
下部支持体55bは、左右方向に延在する板状であり、左右方向における各端部にそれぞれ接地部2aが設けられている。下部支持体55bの床面Fからの高さは、図示略のアジャスターにより微調整可能である。
下部支持体55bの左右方向の中央部には、昇降機構ユニット3が立設されている。
図10に示すように、補助脚体55における昇降機構ユニット3の下端3aは、脚体2Rにおけると同様にして、下部支持体55bの上面に固定されている。補助脚体55における昇降機構ユニット3の上端3bは、補助脚体5におけると同様にして、補助フレーム56の下面に固定されている。
【0081】
脚ユニット50の上部には、天板11と同様にして、天板51が固定されている。ベースユニット50Aの天板取り付け領域Tは、平面視では、本体部51Pによって覆われている。ベースユニット50Aにおける脚体2R、2Lの各上部支持体2cは、それぞれ本体部51Pの左右方向の右端、左端の近傍において、本体部51Pの下面に固定されている。
突出部51Qの下面には、その短手方向の幅の中央を通るように、補助フレーム56が固定されている。平面視において、突出部51Qの突出方向の先端の近傍には、補助脚体55の下部支持体55bおよび昇降機構ユニット3が突出部51Qの内側に重なるように配置されている。
【0082】
このような構成により、平面視で天板取り付け領域Tに重なる範囲の天板本体部51Aよりも前方には、突出部51Qの全体と、天板取り付け領域Tよりも前側の本体部51Pと、を含む前側膨出部51B(膨出部)が形成されている。前側膨出部51Bの膨出量が最大となるのは、突出部51Qの先端であり、前側膨出部51Bにおいて膨出量が大きくなる領域は左側に偏っている。
前側膨出部51Bの膨出量は、突出部51Qの前後方向の長さよりもわずかに長い。このため、前側膨出部51Bの膨出量は、天板本体部11Aの前後方向の幅よりも大きいので、不安定性が格段に高くなっている。
その他、天板取り付け領域Tの左側、右側、および後側にも膨出部が形成されているが、いずれも前側膨出部51Bの膨出量に比べると、膨出量はきわめて小さい。
本実施形態における補助ユニット50Bは、前側膨出部51Bを補強するとともに下方から支持している。
【0083】
このような補助ユニット50Bによれば、第1の実施形態に比べて膨出量が大きくより不安定性が大きくなる前側膨出部51Bを補強するとともに、安定的に支持することができる。
その際、補助ユニット50Bにおける昇降機構ユニット3は、互いに左右方向に離間した2つの接地部2aに跨がった下部支持体55bを有するので、第1の実施形態におけるように1つの接地部5aで接地する補助脚体5よりも、より安定的に前側膨出部51Bを支持することができる。
【0084】
天板昇降式デスク1Cにおいて、操作部16は、第1の実施形態と同様、脚体2Rの上部支持体2cの前端部に設けられている。
天板昇降式デスク1Cにおいては、第1の実施形態と同様、電源ケーブル13、ユニット間配線ケーブル12A、12B、12C、および操作部用配線ケーブル15が備えられている。電源ケーブル13、ユニット間配線ケーブル12A、12B、および操作部用配線ケーブル15は、連結フレーム4に代えて連結フレーム54の内部に通線されている以外は、第1の実施形態と同様に通線されている。
制御ユニット7と補助脚体55の昇降機構ユニット3とを接続するユニット間配線ケーブル12Cは、連結フレーム54と補助フレーム56とが連通する図示略の開口部を通して、連結フレーム54および補助フレーム56の内部に通線されている。
このため、本実施形態の天板昇降式デスク1Cにおいても、各配線ケーブルの露出を低減できるので外観が向上し、かつ各配線ケーブル同士の干渉を防止できる。
【0085】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様にして、矩形以外の平面視形状を有する天板51が安定的に支持された簡素な構成の天板昇降式デスク1Cを提供することができる。
【0086】
[第3変形例]
次に、第2の実施形態の変形例(第3変形例)の天板昇降式什器について説明する。
図11は、本発明の第2の実施形態の変形例(第3変形例)の天板昇降式什器の模式的な平面図である。
【0087】
図11に示すように、本変形例の天板昇降式デスク1D(天板昇降式什器)は、第2の実施形態の天板昇降式デスク1Cの天板51、脚ユニット50に代えて、天板61、脚ユニット60を備える。以下、第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0088】
天板61の平面視形状は、第2の実施形態における突出部51Qの突出方向を前側に進むにつれて左側に傾斜する方向に突出させた略L字状に相当する。ただし、
図11に示す例では、突出部の突出方向の長さは、突出部51Qに比べると短い。
天板61の平面視の外形状は、後側端縁51a、左側端縁61b、第1前側端縁61c、第1右側端縁61d、凹円弧状端縁51e、第2前側端縁51f、および第2右側端縁51gからなる。
左側端縁61bは、後側端縁51aの左端から、前側に進むにつれて左側に鋭角θだけ傾斜する方向に直線状に延びている。
第1前側端縁61cは、後側端縁51aの前端から、右側に進むにつれて前側に鋭角θだけ傾斜する方向に直線状に延びている。
第1右側端縁61dは、第1前側端縁61cの右端から左側端縁61bと平行に直線状に延びている。
本変形例における凹円弧状端縁51eは、第1右側端縁61dの後端と、第2前側端縁51fの左端とを結んでいる。
このような外形により、天板61において、第2前側端縁51fよりも前側には、前側に進むにつれて左側に鋭角θだけ傾斜する方向に延びる中心軸線Mに沿って、片状の突出部61Q(二点鎖線参照)が突出している。
【0089】
脚ユニット60は、第2の実施形態の脚ユニット50の補助ユニット50Bに代えて、補助ユニット60Bを備える。
補助ユニット60Bは、補助ユニット50Bの補助フレーム56に代えて、補助フレーム66を備える。
補助フレーム66は、連結フレーム54の前側の側面から、突出部61Qの中心軸線Mに平行に延びている以外は、補助フレーム56と同様の構成を有する。すなわち、補助フレーム66は、補助フレーム56において連結フレーム54との固定に用いられる端部形状の取り付け角度のみが変更されている。
【0090】
このような構成により、天板61において平面視で天板取り付け領域Tに重なる範囲の天板本体部51Aよりも前方には、前側膨出部61B(膨出部)が形成されている。前側膨出部61Bの膨出量が大きくなるのは、突出部61Qの領域であり、膨出方向は、前後方向に対して、鋭角θだけ傾いている。
【0091】
天板昇降式デスク1Dにおいて、操作部16は、第2の実施形態と同様の位置に設けられている。
図11における図示は省略するが、天板昇降式デスク1Dにおいては、第2の実施形態と同様、電源ケーブル13、ユニット間配線ケーブル12A、12B、12C、および操作部用配線ケーブル15を備える。これらの配線ケーブルの通線形態は、ユニット間配線ケーブル12Cが補助フレーム56に代えて、補助フレーム66の内部に通線される以外は、第2の実施形態と同様である。
【0092】
本変形例によれば、第2の実施形態と同様にして、矩形以外の平面視形状を有する天板61が安定的に支持された簡素な構成の天板昇降式デスク1Dを提供することができる。
天板61における前側膨出部61Bを支持する場合、例えば、第2の実施形態における補助フレーム56の長さを前側膨出部61Bの長さに合わせた以外は補助ユニット50Bと同様の構成を有する補助ユニットを用いてもよい。ただしその場合、下部支持体55bが左右方向に延びるため、突出部61Qの下側において使用できる空間が狭くなってしまう。
本変形例によれば、下部支持体55bが第1前側端縁61cに平行に配置されるため、突出部61Qの下側において使用できる空間を広くとることが可能である。
このように本変形例は、平面視において連結フレームおよび補助フレームのなす角が直角と異なる場合に好適な例になっている。
本変形例によれば、第2の実施形態における補助脚体55において、補助フレーム56を補助フレーム66に代えるだけで、補助脚体55を共通使用できる。また、補助フレーム66は、補助フレーム56において連結フレーム54との固定に用いられる端部形状の取り付け角度のみを変更すればよい。
【0093】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態の天板昇降式什器について説明する。
図12は、本発明の第3の実施形態の天板昇降式什器の模式的な平面図である。
【0094】
図12に示すように、本実施形態の天板昇降式デスク1E(天板昇降式什器)は、第1の実施形態の天板昇降式デスク1の天板11、脚ユニット10に代えて、天板71、脚ユニット70を備える。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0095】
天板71の平面視形状は、正三角形の各辺を外側に突出する凸円弧に置き換えた形状に相当する。天板71の平面視の外形は、それぞれ円弧状の第1外縁71a、第2外縁71b、および第3外縁71cによって形成されている。第1外縁71aと第2外縁71bとの交点をP1、第2外縁71bと第3外縁71cとの交点をP2、第3外縁71cと第1外縁71aとの交点をP3とすると、点P1、P2、およびP3を結ぶ三角形は正三角形である。天板71において、線分P1P2の中点および点P3を通る中心軸線Cに関して線対称の形状を有する。さらに天板71の中心を点Oで表すと、天板71は、点Oに関して三回回転対称の形状を有する。
天板71がこのような対称性を有するため、例えば、天板昇降式デスク1Eは、第1外縁71a、第2外縁71b、および第3外縁71cの前に、それぞれ執務者が座って執務を行うことも可能である。
本実施形態は、天板71の平面視形状が凹部を有しない例になっている。
【0096】
脚ユニット70は、第1の実施形態の脚ユニット10のベースユニット10A、補助ユニット10Bに代えて、ベースユニット70A、補助ユニット70Bを備える。
ベースユニット70Aは、ベースユニット10Aと同様の脚体2R、2Lを有し、連結フレーム4に代えて連結フレーム74を備える。
以下では特に断らない限り、「前側」、「後側」に関して第1の実施形態と同様に使用する。すなわち、右手に脚体2R、左手に脚体2Lを見て天板昇降式デスク1Eの前に立つときの前側および後側を意味する。
ただし、この場合の前後は、天板昇降式デスク1Eの使用時の前後とは必ずしも関係ない。
連結フレーム74は、連結フレーム4における固定部および開口部が、左右方向の中心部において前側の側面部に設けられている点が連結フレーム4と異なる。連結フレーム74における図示略の固定部は後述する補助フレーム76を固定するために用いられ、連結フレーム74における開口部は連結フレーム74の内部と後述する補助フレーム76の内部とを連通させるために用いられる。
【0097】
補助ユニット70Bは、補助ユニット10Bの補助フレーム6に代えて、補助フレーム76を備える。補助フレーム76は、天板71の形状の相違に応じて、前後方向における長さが異なるとともに、連結フレーム74の前側の側面部に固定されている以外は、第1の実施形態における補助フレーム6と同様の構成を有する。
【0098】
脚ユニット70の上部には、天板71が固定されている。
本実施形態のベースユニット10Aは、点Oよりも後側において天板71の下側に配置されている。平面視の左右方向において、脚体2Rは第1外縁71aの後端部の近傍、脚体2Lは第2外縁71bの後端部の近傍に位置している。平面視において、天板取り付け領域Tの後側の端縁は、線分P1P2と平行に延びており、かつ線分P1P2の近傍に位置している。
このため、平面視において天板71は、天板取り付け領域Tと重なる天板本体部71Aと、天板取り付け領域Tよりも前側に膨出する前側膨出部71B(膨出部)と、天板取り付け領域Tよりも後側に膨出する後側膨出部71Cと、を有する。
前側膨出部71Bは、点P3が頂点となる山形である。後側膨出部71Cは、円弧を直線で切り取った弓形状である。ただし、前側膨出部71Bの膨出量は、後側膨出部71Cの膨出量に比べて大きく、第1の実施形態における後側膨出部11Bの膨出量および天板取り付け領域Tの前後方向の幅に比べても大きい。
【0099】
本実施形態における補助ユニット70Bは、前側膨出部71Bを補強するとともに下方から支持している。ただし、後側膨出部41Bの膨出量が第1の実施形態における後側膨出部11Bの膨出量に比べて大きいことに対応して、補助フレーム76は、連結フレーム4の前側の側面から点P3の近傍まで延びる長さを有する。
補助フレーム76と補助脚体5との平面視における連結位置は補助フレーム76の前端の近傍である。このため、本実施形態における補助脚体5は、第1の実施形態と比べると、平面視において、天板取り付け領域Tからより遠くに離れた位置で、補助フレーム76と連結されている。
【0100】
このような補助ユニット70Bによれば、第1の実施形態に比べて膨出量が大きくより不安定性が大きくなる前側膨出部71Bを補強するとともに、安定的に支持することができる。
【0101】
このような天板昇降式デスク1Eの脚ユニット70は、第1の実施形態におけるベースユニット10Aの補助フレーム4に代えて補助フレーム74を備えるベースユニット70Aと、補助ユニット70Bを連結することによって製造できる。このため、例えば、だい1の実施形態における連結フレーム4の前後方向の両側面において、補助フレーム46、76をそれぞれ固定可能にしておくことによって、天板昇降式デスク1、1Eにおいて、ベースユニット10Aが共通化できる。このため、天板昇降式デスク1、1Eの製造コストが低減できる。
さらに補助ユニット70Bにおいて、より高価な補助脚体5の構成は補助ユニット10Bと共通使用可能である。また、補助フレーム76は、補助フレーム6よりも長い以外は共通の構成を有するので、補助フレーム6と製造工程を部分的に共通化できるため、製造コストを低減できる。
【0102】
本実施形態の天板昇降式デスク1Eによれば、前側膨出部71Bのように膨出量が大きい天板71を使用する場合でも、天板昇降式デスク1と略同様の簡素な構成によって、天板71を安定的に支持することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様にして、矩形以外の平面視形状を有する天板71が安定的に支持された簡素な構成の天板昇降式デスク1Eを提供することができる。
【0103】
[第4変形例]
次に、第3の実施形態の変形例(第4変形例)の天板昇降式什器について説明する。
図13は、本発明の第3の実施形態の変形例(第4変形例)の天板昇降式什器の模式的な平面図である。
【0104】
図13に示すように、本変形例の天板昇降式デスク1F(天板昇降式什器)は、第3の実施形態における脚ユニット70に代えて、脚ユニット80を備える。脚ユニット80は、ベースユニット70Aに代えてベースユニット80Aを備え、さらに補助フレーム86A、86B、86Cを追加して構成されている。以下、第3の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0105】
ベースユニット80Aは、ベースユニット70Aの連結フレーム74に代えて、連結フレーム84を備える。
連結フレーム84は、後述する補助フレーム86A、86B、86Cを固定する固定部が、前側および後側の側面部に設けられている点が連結フレーム74と異なる。ただし、本変形例では、補助フレーム86A、86B、86Cには、配線ケーブルが通線されないので、連結フレーム84には補助フレーム86A、86B、86Cに通線するための開口部は設けられていない。
【0106】
補助フレーム86Aは、脚体2Rと補助フレーム76の固定部との間における連結フレーム84の前側の側面から前側膨出部71Bに向かって前後方向に延びている。補助フレーム86Aの上面は、天板71の下面に沿って配置されている。補助フレーム86Aの後側の端部は連結フレーム4の側面に固定されている。補助フレーム86Aの上面は、天板71の下面に固定されている。補助フレーム86Aの固定方法は特に限定されない。例えば、補助フレーム76と同様の固定方法が用いられてもよい。
補助フレーム86Aの長さは、天板71の下面の範囲であれば特に限定されない。
図13に示す例では、補助フレーム86Aの先端は、平面視において、脚体2Rの昇降機構ユニット3の固定位置と補助ユニット70Bの昇降機構ユニット3の固定位置とを結ぶ線上まで延びている。
【0107】
補助フレーム86Aは、天板71を補強可能な適宜のフレーム構造を有する。例えば、補助フレーム76と同様にして金属板を折り曲げて形成されてもよい。ただし、補助フレーム86Aの内部には配線ケーブルを通線しなくてもよいので、上向板6d、開口部6pなどの構成は省略されてもよい。
【0108】
補助フレーム86Bは、中心軸線Cに関して線対称な位置に配置された補助フレーム86Aと同様な部材である。
補助フレーム86Cは、補助フレーム86Aと配置位置および長さが異なる以外は、補助フレーム86Aと同様な部材である。
補助フレーム86Cは、連結フレーム4の後側の側面から中心軸線Cに沿って後側膨出部71Cに向かって前後方向に延びている。補助フレーム86Cの上面は、天板71の下面に沿って配置されている。補助フレーム86Cの前側の端部は連結フレーム84の側面に、補助フレーム86Cの上面は天板71の下面に、補助フレーム86Aと同様にして、それぞれ固定されている。
補助フレーム86Cの長さは、天板71の下面の範囲であれば特に限定されない。
図13に示す例では、補助フレーム86Cの先端は、第2外縁71bの近傍まで延びている。
【0109】
本変形例によれば、天板71が、連結フレーム84および補助フレーム76の他に、連結フレーム4と固定された補助フレーム86A、86B、86Cとも固定されている。このため、天板71は、補助フレーム86A、86B、86Cの各固定部分が補強される。
特に、前側膨出部71Bと、後側膨出部71Cとは、補助フレーム86A、86B、86Cによって、より強固に連結フレーム84と一体化するので、天板71上に下向きに作用する力に対して、天板71の姿勢がより安定する。
【0110】
以上説明したように、本変形例によれば、第3の実施形態と同様にして、矩形以外の平面視形状を有する天板71が安定的に支持された簡素な構成の天板昇降式デスク1Fを提供することができる。
本変形例は、天板昇降式什器が、補助昇降脚と連結されていない補助フレームを備える例になっている。
【0111】
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態の天板昇降式什器について説明する。
図14は、本発明の第4の実施形態の天板昇降式什器の模式的な平面図である。
【0112】
図14に示すように、本実施形態の天板昇降式デスク1E(天板昇降式什器)は、第1の実施形態の天板昇降式デスク1の天板11に代えて、天板91を備える。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0113】
天板91の平面視形状は、天板昇降式デスク1と同様、略一定の幅でV字状に折れ曲がった帯状である。
平面視における天板91の外縁としては、後端縁91a、前端縁91b、右端縁91c、および左端縁91dを備える。
後端縁91aは、左右方向における天板取り付け領域Tの中心部において天板取り付け領域Tよりも後側に張り出した凸部を有する山形状である。後端縁91aの頂部は、円弧状に湾曲している。後端縁91aにおいて頂部から延びる端縁は中心軸線Cに対して傾斜した直線状である。
前端縁91bは、左右方向における天板取り付け領域Tの中心部において、天板取り付け領域Tの内側に凹んだ山形状である。前端縁91bの頂部は後端縁91aよりも緩やかに湾曲している。前端縁91bにおいて湾曲した頂部を除く部位は、後端縁91aの直線部分と平行に延びている。
右端縁91cは、後端縁91aおよび前端縁91bの各左端を結ぶ直線状であり、前後方向に延びる天板11の中心軸線Cと平行に延びている。
左端縁91dは、後端縁91aおよび前端縁91bの各左端を結ぶ直線状であり、中心軸線Cと平行に延びている。
天板91の平面視形状は、中心軸線Cに関して線対称である。
【0114】
天板91における左右方向の幅(右端縁91cおよび左端縁91dの間の距離)は、ベースユニット10Aの天板取り付け領域Tの左右方向の幅よりもわずかに大きい。
右端縁91cおよび左端縁91dの長さは、ベースユニット10Aの天板取り付け領域Tの前後向の幅よりもわずかに大きい。
【0115】
このような構成により、天板91は、平面視において右端縁91cおよび左端縁91dがそれぞれ脚体2R、2Lの各上部支持体2cと隣接した状態で、各上部支持体2cおよび各上部支持体2c間の連結フレーム4の上面に固定されている。
このとき、補助フレーム6は、連結フレーム4の後側の側面から後端縁91aの頂部の近傍まで延びている。
平面視において天板91は、天板取り付け領域Tと重なる天板本体部91Aと、天板取り付け領域Tよりも後側に膨出する後側膨出部91B(膨出部)と、を有する。
後側膨出部91Bは、左右方向に延びる天板取り付け領域Tの後側の端縁と後端縁91aに囲まれた山形である。
【0116】
このような天板昇降式デスク1Gは、第1の実施形態における天板11を天板91に置き換えることによって製造できる。このため、天板昇降式デスク1、1Gにおいて、脚ユニット10が共通化できる。このため、天板昇降式デスク1、1Gの製造コストが低減できる。
【0117】
このような構成の天板昇降式デスク1Gの使用方法の一例について説明する。
図15は、本発明の第4の実施形態の天板昇降式什器の使用例を示す模式的な平面図である。
上述したように、天板91の後端縁91aは中心軸線Cに関して線対称な山形であり、右端縁91cおよび左端縁91dは前後方向に延びる直線状である。このため、
図15に示すように、左右方向に略隙間無く配列された複数台の天板昇降式デスク1Gからなるデスク列100Aは、後端縁91aによって、平面視においてジグザグ状の凹凸が形成される。すなわち、デスク列100Aにおいて、互いに隣り合う天板昇降式デスク1Gの後端側には、各後端縁91aの組合せによるV字状の凹部が形成されている。この凹部は、他の天板昇降式デスク1Gの後端縁91aが隙間なく配置できる凹部になっている。
このため、デスク列100Aの後側の各凹部に、それぞれ後端縁91a向けた他の天板昇降式デスク1Gを配置することによって、デスク列100Bを並べることができる。
これにより、前端縁91bが左右方向においてずれた状態で互いに向かい合う二列のデスク列100A、100Bを適宜の長さに形成できる。各デスク列100A、100Bは、対向方向および左右方向において互いに隣接する天板昇降式デスク1G同士の間の隙間を略なくすことができるので、デスク列100A、100Bの全体は左右方向に延びる長尺のデスクを構成することができる。
【0118】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様にして、矩形以外の平面視形状を有する天板91が安定的に支持された簡素な構成の天板昇降式デスク1Gを提供することができる。
さらに本実施形態の天板昇降式デスク1Gによれば、適宜の長さのデスク列100A、100Bの形成し、それぞれを略隙間なく対向配置することによって、適宜の長さの昇降可能な長尺のデスクを必要に応じて構成できる。
【0119】
なお、上記各実施形態および各変形例の説明では、上部支持体と連結フレームとの固定方法、および連結フレームと補助フレームとの固定方法がネジを用いたネジ止めの例で説明した。しかし、これらの固定方法はネジ止めには限定されない。例えば、フレーム固定部から突出した雄ネジ付きのスタッドにナットを螺合して固定してもよい。例えば、互いに固定する部材を溶接して固定してもよい。
【0120】
上記第1変形例の説明では、連結フレーム34に設けられたフレーム固定部が雌ネジ34aの例で説明した。しかし、フレーム固定部は、雌ネジには限定されない。例えば、フレーム固定部は、連結フレーム34から突出し、固定用溝4fに挿通可能な雄ネジ付きのスタッドであってよい。この場合、スタッドの雄ネジにナットを螺合させることによって、固定板6eにおいて補助フレーム6の端部を連結フレーム34に固定することができる。
例えば、フレーム固定部は、ネジ以外の凹凸嵌合部によって形成されてもよい。この場合、補助フレームの端部にフレーム固定部と凹凸嵌合する凹凸嵌合部を設けることによって、フレーム固定部と補助フレームの端部とを互いに固定することができる。
なお、補助フレームが天板と強固に固定されている場合、補助フレームの端部と連結フレームとは、あまり強固に固定されなくてもよい。例えば、上述の凹凸嵌合部は、フレーム固定部と補助フレームとが、互いに係止した状態でもよい。
連結フレームと補助フレームとは、適宜の連結補助部材を介して固定されてもよい。例えば、連結補助部材の例としては、連結フレームと補助フレームを部分的に挟んでクランプするクランパが挙げられる。この場合、フレーム固定部としては、クランパによってクランプ可能な適宜の形状であれば特に限定されない。
【0121】
上記各実施形態および各変形例の説明では、少なくとも1つの補助フレームに補助昇降脚が連結されている場合の例で説明した。しかし、膨出部の膨出量、天板昇降式什器において想定される負荷荷重などによっては、補助昇降脚は省略されてもよい。この場合、補助フレームにおいては、第4変形例における補助フレーム86A、86B、86Cと同様、配線ケーブルを挿通する開口部を省略することができる。
【0122】
上記第4変形例では、脚ユニット80が補助フレーム86A、86B、86Cを備える例で説明した。しかし、膨出部の膨出量、天板昇降式什器において想定される負荷荷重などによっては、脚ユニット80において、補助フレーム86A、86B、86Cのいずれかは省略されてもよい。また、膨出部の膨出量、天板昇降式什器において想定される負荷荷重などによっては、補助フレーム86A、86B、86C以外の補助フレームがさらに追加されてもよい。
【0123】
上記各実施形態および各変形例の説明では、補助フレームが膨出部の下面まで延びており、少なくとも膨出部に固定された例で説明した。しかし、膨出部の膨出量、天板昇降式什器において想定される負荷荷重などによっては、補助フレームは、膨出部に向かっていれば、膨出部まで延びていなくてもよい。
例えば、膨出部の膨出量が小さくても、ベースユニットにおける各上部支持体の配置間隔が広い、連結フレームから天板取り付け領域の端縁までの距離が長いといった場合には、膨出部に下向きの力が作用すると、連結フレームと天板取り付け領域の端縁に重なる範囲の天板本体部のたわみが大きくなりすぎるおそれがある。例えば、天板昇降式什器の使用目的によっては、天板の下面から突出する補助フレームを膨出部の下側に配置することを控えたい場合もある。
このような場合、補助フレームが天板取り付け領域と重なる範囲に設けられているだけでも、天板本体部のたわみを低減することができ、この結果、天板本体部に隣接する膨出部のたわみ減できる。
【0124】
上記各実施形態および各変形例の説明では、連結フレームが1本からなる場合の例で説明した。しかし、連結フレームは2本以上設けられてもよい。
【0125】
以上、本発明の好ましい各実施形態および各変形例を説明したが、本発明はこの各実施形態および各変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0126】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G 天板昇降式デスク(天板昇降式什器)
2a、5a 接地部
2b、5b、55b 下部支持体
2c 上部支持体(天板固定部)
2L、2R 脚体(昇降脚)
3 昇降機構ユニット
4、34、54、74、84 連結フレーム
5、55 補助脚体(補助昇降脚)
6、76、86A、86B、86C 補助フレーム
7 制御ユニット
10、40、50、60、70、80 脚ユニット
10A、50A、70A、80A ベースユニット
10B、40B、50B、60B、70B 補助ユニット
11、41、51、61、71、91 天板
11A、41A、51A、71A、91A 天板本体部
11B、41B、91B 後側膨出部(膨出部)
12A、12B ユニット間配線ケーブル(第1配線)
12C ユニット間配線ケーブル(第2配線)
13 電源ケーブル
15 操作部用配線ケーブル
16 操作部
34a 雌ネジ(フレーム固定部)
51B、61B、71B 前側膨出部(膨出部)
C、M 中心軸線
F 床面
G 接地領域
T 天板取り付け領域