(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】商品管理装置及びその制御プログラム、セルフ登録システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20231227BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
G06Q30/06
G07G1/01 301D
G07G1/01 301E
(21)【出願番号】P 2019148595
(22)【出願日】2019-08-13
【審査請求日】2022-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】丸茂 宣之
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特許第6345366(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0011836(US,A1)
【文献】特表2008-536774(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
購買者が使用する端末を介して入力された商品コードに基づいて商品を特定
し、前記特定した商品を前記購買者の取引のために作成される取引ファイルに登録する商品登録手段と、
前記
取引ファイルに登録された商品が
常温下に置かれることで品質に影響が及ぶ商品である場合に、前記
登録されてからの経過時間を計時する計時手段と、
前記取引ファイルに登録された商品のなかに前記品質に影響が及ぶ商品が含まれている場合において、最初に前記品質に影響が及ぶ商品が登録されてからの前記経過時間が所定の時間を経過した場合に、前記端末に対して会計を促す通報を行う通報手段と、
を具備する商品管理装置。
【請求項2】
前記商品登録手段は、前記取引ファイルに、前記端末を識別する識別情報と関連付けて前記特定した商品を登録する、請求項1記載の商品管理装置。
【請求項3】
前記通報手段は、
最初に前記品質に影響が及ぶ商品が登録されてからの前記経過時間が第1の時間を経過した場合には前記端末に対して会計を促す通報を行い、前記経過時間が前記第1の時間よりも長い第2の時間を経過した場合には前記端末に対して店員への連絡を促す通報を行う、請求項1記載の商品管理装置。
【請求項4】
前記取引ファイルに登録された商品が前記品質に影響が及ぶ商品である場合に、前記取引ファイルに既に登録されている商品のなかに前記品質に影響が及ぶ商品が含まれているか否かを確認し、含まれていない場合には前記計時手段による経過時間の計時を開始し、含まれている場合には前記計時手段による経過時間の計時を継続する制御手段、
をさらに具備する請求項
1記載の商品管理装置。
【請求項5】
各商品を特定する商品コードと関連付けて、当該商品が冷蔵品に属するか冷凍品に属するかを識別可能な情報を記憶する記憶手段と、
前記冷蔵品が常温下に置かれることで品質に影響が及ぶと想定される冷蔵警告時間及び前記冷凍品が常温下に置かれることで品質に影響が及ぶと想定される冷凍警告時間を設定する設定手段と、
を具備し、
前記通報手段は、前記取引ファイルに登録された商品のなかに前記冷蔵品と前記冷凍品とが含まれている場合においては、最初に前記冷蔵品が登録されてからの前記経過時間が前記冷蔵警告時間に達するか、最初に前記冷凍品が登録されてからの前記経過時間が前記冷凍警告時間に達した場合に、前記端末に対して会計を促す通報を行う、請求項
1記載の商品管理装置。
【請求項6】
前記通報手段は、
さらに、店員が使用する端末に対して通報を行う、請求項
1記載の商品管理装置。
【請求項7】
商品コードを入力する入力手段を有し、購買者によって購入する商品の登録に使用される端末と、前記端末を介して入力された商品コードに基づいて商品を特定し、前記特定された商品を前記購買者の取引のために作成される取引ファイルに登録する商品登録手段を有する商品管理装置とを含むセルフ登録システムにおいて、
前記取引ファイルに登録された商品が常温下に置かれることで品質に影響が及ぶ商品である場合に、前記登録されてからの経過時間を計時する計時手段と、
前記取引ファイルに登録された商品のなかに前記品質に影響が及ぶ商品が含まれている場合において、最初に前記品質に影響が及ぶ商品が登録されてからの前記経過時間が所定の時間を経過した場合に、前記購買者に対して会計を促す情報を画像又は音声により出力する出力手段と、
を具備するセルフ登録システム。
【請求項8】
商品管理装置のコンピュータを、
購買者が使用する端末を介して入力された商品コードに基づいて商品を特定
し、前記特定した商品を前記購買者の取引のために作成される取引ファイルに登録する商品登録手段、
前記
取引ファイルに登録された商品が
常温下に置かれることで品質に影響が及ぶ商品である場合に、前記
登録されてからの経過時間を計時する計時手段、及び、
前記取引ファイルに登録された商品のなかに前記品質に影響が及ぶ商品が含まれている場合において、最初に前記品質に影響が及ぶ商品が登録されてからの前記経過時間が所定の時間を経過した場合に、前記端末に対して会計を促す通報を行う通報手段、
として機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品管理装置及びコンピュータを商品管理装置として機能させるための制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スーパーマーケットの食料品売場は、商品が陳列されている場所いわゆる商品陳列場と、会計を行う場所いわゆる会計場とが区分けされている。購買者である客は、商品陳列場から購入しようとする商品、つまりは購買商品を選択する。客は、購買商品を全て選択し終えると、会計場へ行き、購買商品の会計を行う。会計を終えると、客は、購買商品の袋詰めを行う。このとき、購買商品に冷凍食品、アイスクリーム等の冷凍品又は生肉、刺身、牛乳等の冷蔵品が含まれていると、大抵の客は、店からドライアイス、氷等を譲り受けて商品とともに袋詰めを行う。こうすることにより、持帰りの際に冷凍品が溶けてしまったり冷蔵品の鮮度が落ちたりするのを防いでいる。
【0003】
ところで、購買商品である冷凍品又は冷蔵品をドライアイス等とともに袋詰めできるのは会計の後である。このため、買物を始めてすぐに購買商品として冷凍品又は冷蔵品を選択してしまうと、その後の買物に要した時間によっては冷凍品又は冷蔵品が温まってしまい、品質が低下する。このような不具合は、冷凍品又は冷蔵品に限らず、時間の経過とともに品質が低下する商品であれば起こり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、購買商品を選び出してから会計を終えるまでの間にその購買商品の品質が著しく落ちないように管理できる商品管理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、商品管理装置は、特定手段と、計時手段と、通報手段とを備える。特定手段は、購買商品として選択された商品を特定する。計時手段は、特定手段により特定された商品が時間に制約を受ける商品である場合に、特定されてからの経過時間を計時する。通報手段は、経過時間に応じて通報を行う。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係るセルフ登録システムの全体構成図。
【
図2】同セルフ登録システムを導入した店舗の一レイアウト例を示す模式図。
【
図4】情報端末を備えたカートの一例を示す斜視図。
【
図5】仮想POSサーバの要部回路構成を示すブロック図。
【
図6】商品マスタテーブルの主要なデータ構造を示す模式図。
【
図7】設定時間テーブルの主要なデータ構造を示す模式図。
【
図8】取引ファイルの主要なデータ構造を示す模式図。
【
図9】カート管理テーブルの主要なデータ構造を示す模式図。
【
図10】監視端末の要部回路構成を示すブロック図。
【
図11】監視端末のタッチパネルに表示されるタグ画像の一例を示す模式図。
【
図12】情報端末のプロセッサが実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
【
図13】情報端末のプロセッサが実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
【
図14】仮想POSサーバのプロセッサが実行するログイン処理の手順を示す流れ図。
【
図15】仮想POSサーバのプロセッサが実行する商品登録処理の手順を示す流れ図。
【
図16】仮想POSサーバのプロセッサが実行する冷蔵品処理の手順を示す流れ図。
【
図17】仮想POSサーバのプロセッサが実行する冷凍品処理の手順を示す流れ図。
【
図18】仮想POSサーバのプロセッサが実行するタイマ割込み処理の手順を示す流れ図。
【
図19】仮想POSサーバのプロセッサが実行するタイマ割込み処理の手順を示す流れ図。
【
図20】仮想POSサーバのプロセッサが実行する会計処理の手順を示す流れ図。
【
図21】監視端末のプロセッサが実行する通報受信処理の手順を示す流れ図。
【
図22】情報端末のタッチパネルに表示される商品登録画面の一例を示す模式図。
【
図23】情報端末のタッチパネルに表示される商品登録画面の一例を示す模式図。
【
図24】情報端末のタッチパネルに表示される商品登録画面の一例を示す模式図。
【
図25】情報端末のタッチパネルに表示される商品登録画面の一例を示す模式図。
【
図26】情報端末のタッチパネルに表示される第1会計指示画面の一例を示す模式図。
【
図27】情報端末のタッチパネルに表示される第2会計指示画面の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、購買商品を選び出してから会計を終えるまでの間にその購買商品の品質が著しく落ちないように管理できる商品管理装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0009】
なお、本実施形態では、店舗の商品陳列場でショッピングカートを利用する客が、そのショッピングカートに備えられた情報端末を操作して購買商品の販売データを自ら登録するようにしたセルフ登録システム1を例示する。商品管理装置は、セルフ登録システム1の仮想POS(Point Of Sales)サーバ50(
図1を参照)によって実現される。
【0010】
図1は、本実施形態に係るセルフ登録システム1の全体構成図であり、
図2は、同セルフ登録システム1を導入した店舗の一レイアウト例を示す模式図である。はじめに、
図1及び
図2を用いて、セルフ登録システム1の概略について説明する。
【0011】
図1に示すようにセルフ登録システム1は、情報端末10、監視端末20、アクセスポイント30、会計機40、仮想POSサーバ50、店舗サーバ60、及びネットワーク70を含む。ネットワーク70は、例えばLAN(Local Area Network)である。セルフ登録システム1は、このネットワーク70に、アクセスポイント30、会計機40、仮想POSサーバ50及び店舗サーバ60を接続している。
【0012】
情報端末10は、購買者である客が、購買商品の登録に係るデータの入力をセルフで行うことを可能とした端末である。
図2に示すように情報端末10は、客M1とともに商品陳列場Pを移動自在なショッピングカートCに取り付けられている。以下では、ショッピングカートCを単にカートCと称する。カートCは、そのカートCのユーザである客M1の購買商品を搬送する搬送体の一例である。
【0013】
監視端末20は、各情報端末10及び会計機40の状態を表す画像を表示するためのものである。
図2に示すように、監視端末20は、アテンダントカウンタATに備えられている。アテンダントカウンタATには接客を担当する店員であるアテンダントM2が常駐する。アテンダントM2は、監視端末20を利用して、各情報端末10及び会計機40の状態を監視する。
【0014】
情報端末10及び監視端末20は、アクセスポイント30と無線通信を行うための無線ユニットを備えている。アクセスポイント30は、情報端末10及び監視端末20とネットワーク70に繋がる各機器との通信を中継する。アクセスポイント30は、
図1では一基のみを示しているが、店舗の規模等により二基以上あってもよい。
【0015】
会計機40は、購買商品の決済を客がセルフで行うようにした端末である。従来周知のセミセルフ方式の会計機をそのまま会計機40として利用することができる。あるいは、セルフ方式のPOS端末をそのまま会計機40として利用することも可能である。
【0016】
図2に示すように、会計機40は、会計場Rに設置されている。情報端末10を用いて購買商品の登録をセルフで行った客M1は、会計場Rへ行き、空いている会計機40で購買商品の決済を行う。そして決済を終えたならば、客M1は、必要に応じてサッカー台SUで袋詰めを行う。
【0017】
仮想POSサーバ50は、情報端末10と協働することで、その情報端末10がPOS端末として機能しているように見せかけるための支援を行うコンピュータである。そして仮想POSサーバ50は、その支援のための情報処理の中で、購買商品を選び出してから会計を終えるまでの間にその購買商品の品質が著しく落ちてしまうのを防ぐことができる商品管理装置としての機能を実現している。この機能については、後述する。
【0018】
店舗サーバ60は、店舗業務全般を支援するためのコンピュータである。例えば店舗サーバは、会計機40又は仮想POSサーバ50から得た各商品の売上データ、廃棄データ、在庫データ、発注データ等を処理することで、売上管理、在庫管理、発注管理等の店舗業務を支援する。
【0019】
仮想POSサーバ50及び店舗サーバ60は、通常、店舗事務室等に備えられる。ただしその設置場所は、特に限定されるものではない。例えばインターネットを介して提供されるクラウドサービス上に置かれていてもよい。また、仮想POSサーバ50としての機能と店舗サーバ60としての機能とを1つのサーバコンピュータで実現してもよい。あるいは3台以上のサーバコンピュータを使って、その機能を分散して実現するようにしてもよい。
【0020】
次に、情報端末10、監視端末20及び仮想POSサーバ50について詳細に説明する。
図3は、情報端末10の要部回路構成を示すブロック図である。情報端末10は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、無線ユニット14、タッチパネル15、スキャナ16、リーダ17、カメラ18、スピーカ19及びシステム伝送路110を備える。システム伝送路110は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。情報端末10は、システム伝送路110に、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、無線ユニット14、タッチパネル15、スキャナ16、リーダ17、カメラ18及びスピーカ19を接続する。情報端末10では、プロセッサ11、メインメモリ12及び補助記憶デバイス13と、これらを接続するシステム伝送路110とによってコンピュータが構成される。
【0021】
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、情報端末10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0022】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域において、カートIDを記憶する。カートIDは、各カートCにそれぞれ備えられた複数の情報端末10を個々に識別するために情報端末10毎に設定された一意のコードである。メインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。上記データは、不揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0023】
補助記憶デバイス13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス13となり得る。補助記憶デバイス13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ11での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス13は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0024】
メインメモリ12又は補助記憶デバイス13に記憶されるアプリケーションプログラムには、情報端末10で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ12又は補助記憶デバイス13にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ12又は補助記憶デバイス13にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0025】
無線ユニット14は、アクセスポイント30との間で無線通信プロトコルに従いデータの無線通信を行う。
【0026】
タッチパネル15は、情報端末10の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル15は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ11に出力する。
【0027】
スキャナ16は、商品に付されたバーコード、二次元データコード等のコードシンボルを読み取る。商品には、その商品特有のコードシンボルが付されている。スキャナ16は、読み取ったコードシンボルのデータをプロセッサ11に出力する。スキャナ16は、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0028】
リーダ17は、記録媒体に記録されたデータを読み取り、読み取ったデータをプロセッサ11に出力する。リーダ17は、記録媒体が磁気カードの場合には磁気カードリーダであり、接触式ICカードの場合にはICカードリーダである。非接触式ICカード又はスマートフォン等のようにRFID(Radio Frequency Identification)を使用した記録媒体の場合には、RFIDリーダがリーダ17として使用される。
【0029】
カメラ18は、カートCの籠受部に置かれた買物籠を撮影できるように、カートCに設けられている。カメラ18は、カートCのユーザである客が買上商品を買物籠に投入したり、取り出したりするのを監視するためのものである。
【0030】
スピーカ19は、カートCのユーザである客M1に対して通知すべき音声を発する報知機の一例である。
【0031】
以上のような回路構成要素を備えた情報端末10において、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、無線ユニット14及びタッチパネル15は、タブレット端末TMによって構成されている。そしてこのタブレット端末TMに、スキャナ16、リーダ17、カメラ18及びスピーカ19を電気的に接続することで、情報端末10が構成されている。なお、スキャナ16、リーダ17、カメラ18及びスピーカ19についても、少なくとも1つがタブレット端末TMに備えられていてもよい。
【0032】
図4は、情報端末10を備えたカートCの一例を示す斜視図である。カートCは、移動用のキャスタ部C1と、ハンドルフレーム部C2と、籠受部C3とを備えている。キャスタ部C1は、床面上を円滑に移動させるための4輪の車輪C11を有している。またキャスタ部C1は、買物籠SBに入らないような大きな荷物を置くための受け部C12を備えている。ハンドルフレーム部C2は、キャスタ部C1の後輪側に立設された一対の縦フレームC21,C21と、これら縦フレームC21,C21の上端を連結するハンドルバーC22と、を含む。籠受部C3は、ハンドルフレーム部C2の中途部位から前方にある。カートCは、籠受部C3に、店備え付けの買物籠SBを載置することができる。
【0033】
買物籠SBは、商品を収容する収容体として機能する。なお、収容体は、買物籠SBに限定されない。例えば買物籠SBを籠受部C3に載置することなくカートCを使用する場合もあり得る。この場合、籠受部C3が収容体となる。
【0034】
スキャナ16は、ハンドルバーC22の中途部にある。スキャナ16は、手前側に読取窓16Aが位置するようにハンドルバーC22に取り付けられている。手前側は、ハンドルバーC22を持ってカートCを押す客が立つ側である。
【0035】
一方の縦フレームC21に、ポールC4が取り付けられている。ポールC4は、その先端がハンドルバーC22よりも上方に位置している。タブレット端末TMは、タッチパネル15の画面を手前側にしてポールC4の先端部に取り付けられている。リーダ17は、カードスリットが手前側に位置するようにタブレット端末TMのフレームに取り付けられている。
図4においては、リーダ17を磁気カードリーダとしている。カメラ18は、籠受部C3に置かれた買物籠SBの全体を上方から撮影するように、ポールC4の中途部に取り付けられている。
【0036】
バッテリBTは、ハンドルフレーム部C2の下端側に、縦フレームC21,C21にわたって取り付けられている。バッテリBTは、タブレット端末TM、スキャナ16、リーダ17もカメラ18及びスピーカ19の駆動電源となる。
【0037】
図5は、仮想POSサーバ50の要部回路構成を示すブロック図である。仮想POSサーバ50は、プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、通信インターフェース54、時計55及びシステム伝送路56を備える。システム伝送路56は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。仮想POSサーバ50は、システム伝送路56に、プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、通信インターフェース54、時計55を接続する。仮想POSサーバ50では、プロセッサ51、メインメモリ52及び補助記憶デバイス53と、これらを接続するシステム伝送路56とによってコンピュータが構成される。
【0038】
プロセッサ51は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ51は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、仮想POSサーバ50としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ51は、例えばCPUである。
【0039】
メインメモリ52は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ52は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ52は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ52は、プロセッサ51が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ52は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ51によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0040】
補助記憶デバイス53は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス53となり得る。補助記憶デバイス53は、プロセッサ51が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ51での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス53は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0041】
メインメモリ52又は補助記憶デバイス53に記憶されるアプリケーションプログラムには、仮想POSサーバ50で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ52又は補助記憶デバイス53にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ52又は補助記憶デバイス53にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0042】
通信インターフェース54は、ネットワーク70に接続される。通信インターフェース54は、プロセッサ51の制御により、ネットワーク70を介して接続される他の機器との間で通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0043】
時計55は、時刻を計時し、日付を管理する。仮想POSサーバ50は、時計55によって計時されている時刻及び日付を現在日時として取り扱う。
【0044】
かかる構成の仮想POSサーバ50は、補助記憶デバイス53において商品マスタテーブル531と設定時間テーブル532とを記憶している。
図6は、商品マスタテーブル531の主要なデータ構造を示す模式図である。
図6に示すように、商品マスタテーブル531は、商品コード、商品名、単価、商品区分、冷蔵区分及び冷凍区分の各カラムを有する。
【0045】
商品コードのカラムには、店舗で販売されている各商品を個々に識別するために商品毎に設定された一意の商品コードがセットされる。因みに各商品には、商品コードを含むコード体系のコードシンボルとして、例えばバーコード又は二次元データコードが付されている。商品名のカラムには、対応する商品コードで識別される商品の固有名称がセットされる。以下では、対応する商品コードで識別される商品を当該商品と称する。単価のカラムには、当該商品の1点当たりの価格がセットされる。
【0046】
商品区分のカラムには、当該商品が属する分類を表す名称がセットされる。分類の名称には、例えば「菓子」、「乳製品」、「氷菓」、「葉菜類」、「根菜類」、「果実」、「生魚」、「乾物」、「生肉」、「加工肉」、「冷凍食品」等がある。
【0047】
冷蔵区分のカラムには、当該商品が冷蔵品として販売される商品については値“1”がセットされ、それ以外の商品については値“0”がセットされる。例えば、名称「乳製品」、「生魚」、「生肉」等の分類で区分される商品には、冷蔵区分として値“1”がセットされている。
【0048】
冷凍区分のカラムには、当該商品が冷凍品として販売される商品については値“1”がセットされ、それ以外の商品については値“0”がセットされる。例えば、名称「氷菓」、「冷凍食品」等の分類で区分される商品には、冷凍区分として値“1”がセットされている。
【0049】
図7は、設定時間テーブル532の主要なデータ構造を示す模式図である。
図7に示すように、設定時間テーブル532は、期間、冷蔵警告時間及び冷凍警告時間の各カラムを有する。
【0050】
期間のカラムには、冷蔵品又は冷凍品の品質に気温、湿度等が影響することを考慮して、1年を複数の期間に区分したときの各期間の開始日と終了日とがセットされる。冷蔵警告時間のカラムには、対応する期間の常温下で冷蔵品の品質が著しく低下すると想定される時間T11,T12,T13,T14がセットされる。冷凍警告時間のカラムには、対応する期間の常温下で冷凍品の品質が著しく低下すると想定される時間T21,T22,T23,T24がセットされる。
【0051】
因みに本実施形態では、1年を12月1日から3月20日までの第1期間(冬季)と、3月21日から6月10日までの第2期間(春季)と、6月11日から9月15日までの第3期間(夏季)と、9月16日から11月30日までの第4期間(秋季)との4つに区分している。そして、第1期間である冬季は、他の期間と比較して気温が低く湿度も低い傾向があるため、常温下に置かれた冷蔵品又は冷凍品の品質に影響が及ぶまでの時間が比較的長いと推定される。このため、冷蔵警告時間T11及び冷凍警告時間T21は、他の期間よりも長めの時間がセットされている。これに対し、第3期間である夏季は、他の期間と比較して高温多湿の傾向があるため、常温下に置かれた冷蔵品又は冷凍品の品質に影響が及ぶまでの時間が比較的短いと推定される。このため、冷蔵警告時間T13及び冷凍警告時間T23は、他の期間よりも短めの時間がセットされている。第2期間である春季及び第4周期である秋季に関しても、気温、湿度等を考慮して適切な冷蔵警告時間T12,T14及び冷凍警告時間T22,T24がセットされている。
【0052】
図5の説明に戻る。
仮想POSサーバ50は、メインメモリ52の揮発性メモリ領域の一部を、取引ファイル521の領域と、カート管理テーブル522の領域としている。取引ファイル521の領域には、カートCを利用して買物を行う客M1毎に取引ファイル521が作成される。
【0053】
図8は、取引ファイル521の主要なデータ構造を示す模式図である。
図8に示すように取引ファイル521は、カートIDと関連付けて複数の購買商品データを記憶するための領域を有したデータファイルである。購買商品データは、購買商品の商品コード、商品名、単価、数量、金額、冷蔵区分、冷凍区分を含んだデータである。
【0054】
図9はカート管理テーブル522の主要なデータ構造を示す模式図である。
図9に示すように、カート管理テーブル522は、カートID、冷蔵ステータス、冷蔵警告時間、冷蔵タイマ、冷凍ステータス、冷凍警告時間及び冷凍タイマの各カラムを有する。
【0055】
カートIDのカラムには、各カートCにそれぞれ設けられた情報端末10に設定されているカートIDがセットされる。
【0056】
冷蔵ステータスのカラムには、カートIDが設定された情報端末10を備えたカートCに収容されている商品のうち、冷蔵品の状態を表す値S1がセットされる。以下では、カートIDが設定された情報端末10を備えたカートCをカートCaと称する。また、値S1を冷蔵ステータスS1と称する。本実施形態では、冷蔵品の状態を“0”、“1”、“2”、“3”の4種類の冷蔵ステータスS1で表す。冷蔵ステータスS1の“0”は、カートCaに冷蔵品が収容されていない状態を表す。冷蔵ステータスS1の“1”は、カートCaに冷蔵品が収容されている状態を表す。冷蔵ステータスS1の“2”は、カートCaに収容されてからの経過時間が冷蔵注意時間に達した冷蔵品がある状態を表す。冷蔵注意時間は、冷蔵警告時間よりも短い任意の時間である。例えば冷蔵注意時間は、冷蔵警告時間の50%の時間とする。冷蔵ステータスS1の“3”は、カートCaに収容されてからの経過時間が冷蔵警告時間に達した冷蔵品がある状態を表す。
【0057】
冷蔵警告時間のカラムには、設定時間テーブル532に設定されている期間別の冷蔵警告時間T11,T12,T13,T14のうち、現在の日付が属する期間の冷蔵警告時間T1xがセットされる。
【0058】
冷蔵タイマのカラムには、カートCaに1品目の冷蔵品が収容されてからの経過時間を計時するための時間カウンタがセットされる。以下では、この時間カウンタを冷蔵タイマT1と称する。
【0059】
冷凍ステータスのカラムには、カートCaに収容されている商品のうち、冷凍品の状態を表す値S2がセットされる。以下では、値S2を冷凍ステータスS2と称する。本実施形態では、冷凍品の状態を“0”、“1”、“2”、“3”の4種類の冷凍ステータスS2で表す。冷凍ステータスS2の“0”は、カートCaに冷凍品が収容されていない状態を表す。冷凍ステータスS2の“1”は、カートCaに冷凍品が収容されている状態を表す。冷凍ステータスS2の“2”は、カートCaに収容されてからの経過時間が冷凍注意時間に達した冷凍品がある状態を表す。冷凍注意時間は、冷凍警告時間よりも短い任意の時間である。例えば冷凍注意時間は、冷凍警告時間の60%の時間とする。冷凍ステータスS2の“3”は、カートCaに収容されてからの経過時間が冷凍警告時間に達した冷凍品がある状態を表す。
【0060】
冷凍警告時間のカラムには、設定時間テーブル532に設定されている期間別の冷凍警告時間T21,T22,T23,T24のうち、現在の日付が属する期間の冷凍警告時間T2xがセットされる。
【0061】
冷凍タイマのカラムには、カートCaに1品目の冷凍品が収容されてからの経過時間を計時するための時間カウンタがセットされる。以下では、この時間カウンタを冷凍タイマT2と称する。
【0062】
図10は、監視端末20の要部回路構成を示すブロック図である。監視端末20は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、無線ユニット24、タッチパネル25及びシステム伝送路26を備える。システム伝送路26は、アドレスバス,データバス,制御信号線等を含む。監視端末20は、システム伝送路26に、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、無線ユニット24及びタッチパネル25を直接または信号入出力回路を介して接続する。監視端末20は、プロセッサ21、メインメモリ22及び補助記憶デバイス23と、これらを接続するシステム伝送路26とによってコンピュータを構成する。
【0063】
プロセッサ21は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、監視端末20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPUである。
【0064】
メインメモリ22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ22は、プロセッサが各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。上記データを不揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサによってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。例えば不揮発性のメモリ領域はROMである。揮発性のメモリ領域はRAMである。
【0065】
補助記憶デバイス23は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス23として使用される。補助記憶デバイス23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ21での処理によって作成されたデータを保存する。補助記憶デバイス23は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0066】
メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶されるアプリケーションプログラムには、監視端末20で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0067】
無線ユニット24は、アクセスポイント30との間で無線通信プロトコルに従い無線によるデータの送信または受信を行う。
【0068】
タッチパネル25は、監視端末20の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。監視端末20は、仮想POSサーバ50で作成された画像データに基づきタッチパネル25に画像を表示するためのブラウザを実装している。
【0069】
図11は、タッチパネル25に表示されるタグ画像251の一例を示す模式図である。タグ画像251は、カートC毎に作成される。タッチパネル25には、商品陳列場Pで稼働しているカートCのタグ画像251が、例えばマトリクス状に配列されて表示されている。
【0070】
タグ画像251には、カートIDと、冷蔵品収容時間U1と、冷凍品収容時間U2と、記号とが表示されている。冷蔵品収容時間U1は、カートIDが設定された情報端末10を備えたカートCに最初の冷蔵品が収容されてからの経過時間である。以下では、カートIDが設定された情報端末10を備えたカートCをカートCbと称する。冷凍品収容時間U2は、カートCbに最初の冷凍品が収容されてからの経過時間である。記号は、「X」、「O」、「A」、「W」の4つからなる。記号「X」は、カートCbに冷蔵品又は冷凍品が収容されていないことを示す。記号「O」は、カートCbに冷蔵品又は冷凍品が収容されていることを示す。記号「A」は、カートCbに収容されている冷蔵品又は冷凍品の経過時間が注意時間を経過していることを示す。記号「W」は、カートCbに収容されている冷蔵品又は冷凍品の経過時間が警告時間を経過していることを示す。
【0071】
したがってアテンダントM2は、タグ画像251の記号が「X」であった場合には、カートCbに冷蔵品又は冷凍品が収容されていないことを知り得る。アテンダントM2は、記号が「O」であった場合には、カートCbに冷蔵品又は冷凍品が収容されていること、及びその収容時間を知り得る。アテンダントM2は、記号が「A」であった場合には、冷蔵品収容時間U1又は冷凍品収容時間U2が冷蔵注意時間又は冷凍注意時間を経過していることを知り得る。アテンダントM2は、記号が「W」であった場合には、冷蔵品収容時間U1又は冷凍品収容時間U2が冷蔵警告時間又は冷凍警告時間を経過していることを知り得る。
【0072】
図12及び
図13は、情報端末10が有するコンピュータの主体であるプロセッサ11が、メインメモリ12又は補助記憶デバイス13に記憶された制御プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。
図14乃至
図20は、仮想POSサーバ50が有するコンピュータの主体であるプロセッサ51が、メインメモリ52又は補助記憶デバイス53に記憶された制御プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。
図21は、監視端末20が有するコンピュータの主体であるプロセッサ21が、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶された制御プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。以下、これらの流れ図を用いて、セルフ登録システム1の主要な動作について説明する。なお、以下に説明する動作は一例である。同様な結果が得られるのであれば、その手順は特に限定されるものではない。
【0073】
はじめに、カートCに設けられた情報端末10を利用して購買商品の登録をセルフで行うこととした客M1は、情報端末10のタッチパネル15にタッチする。タッチパネル15がタッチされると、アイドル状態であったプロセッサ11が起動する。プロセッサ11は、
図12及び
図13の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
【0074】
先ず、プロセッサ11は、Act101としてタッチパネル15にログイン画面を表示させる。ログイン画面は、客M1に対してログイン操作を指示するための画面である。ログイン画面を確認した客は、ログイン操作を行う。例えば客は、ログインカードのデータをリーダ17に読み取らせる。ログインカードは、例えばポイント会員に対して発行されたポイントカードである。ログインカードは、入店時に店舗側から貸し出されたログイン専用のカードであってもよい。なお、ログイン操作は、ログインカードの読取りに限定されるものではない。例えば、タッチパネル15を介してログインコードを入力してもよい。
【0075】
リーダ17でログインカードのデータが読み取られると、そのデータがプロセッサ11へと与えられる。そこで、ログイン画面を表示させたプロセッサ11は、Act102としてログイン操作を待ち受ける。プロセッサ11は、ログインカードのデータを取得すると、ログイン操作が行われたと判定する。すなわちプロセッサ11は、Act102においてYESと判定し、Act103へと進む。
【0076】
プロセッサ11は、Act103としてログインコマンドを仮想POSサーバ50宛に送信するように無線ユニット14を制御する。この制御により、無線ユニット14は、ログインコマンドを無線送信する。ログインコマンドは、アクセスポイント30で受信され、ネットワーク70を経由して仮想POSサーバ50へと送られる。ログインコマンドには、情報端末10のカートIDが含まれている。
【0077】
仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、通信インターフェース54を介して情報端末10からコマンドを受信すると、そのコマンドの種類を確認する。そしてプロセッサ51は、受信コマンドがログインコマンドであった場合、
図14の流れ図に示す手順のログイン処理を開始する。
【0078】
プロセッサ51は、Act201としてログインコマンドからカートIDを検出する。そしてプロセッサ51は、Act202としてログインが有効であるか否かを判定する。例えばプロセッサ51は、そのカートIDを記述した取引ファイル521がメインメモリ52に存在するか否かを確認する。該当する取引ファイル521が存在する場合、当該カートIDが設定された情報端末10でログイン操作が重複して行われたエラーなので、プロセッサ51は、ログインを無効と判定する。すなわちプロセッサ51は、ACT202においてNOと判定し、ACT203へと進む。
【0079】
プロセッサ51は、Act203として情報端末10宛に否認応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は否認応答コマンドを送信する。否認応答コマンドは、ネットワーク70を介してアクセスポイント30から無線送信され、ログインコマンド送信元の情報端末10で受信される。
【0080】
プロセッサ51は、ログインを有効と判定した場合、例えば、ログインコマンドに含まれているカートIDを記述した取引ファイル521がメインメモリ52に存在しないとこを確認した場合には、ACT202においてYESと判定し、ACT204へと進む。プロセッサ51は、Act204として新規の取引ファイル521をメインメモリ52に形成する。そしてプロセッサ51は、ログインコマンドに含まれていたカートIDをその取引ファイル521に書き込む。またプロセッサ51は、ACT205としてカート管理テーブル522を検索する。そしてプロセッサ51は、ログインコマンドに含まれていたカートIDに対応した冷蔵ステータスS1と冷凍ステータスS2とを、いずれも“0”に初期化する。
【0081】
プロセッサ51は、Act206として情報端末10宛に承認応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。またプロセッサ51は、ACT207として情報端末10宛に商品登録画面に係るデータを送信するように通信インターフェース54を制御する。これらの制御により、通信インターフェース54は、承認応答コマンドと商品登録画面のデータとを送信する。なお、商品登録画面については、その一例を後述する。承認応答コマンド及び商品登録画面のデータは、ネットワーク70を介してアクセスポイント30から無線送信され、ログインコマンド送信元の情報端末10で受信される。
【0082】
プロセッサ51は、ACT203において否認応答コマンドの送信を制御するか、ACT206及びACT207において承認応答コマンドと商品登録画面のデータとの送信を制御すると、ログイン処理を終了する。
【0083】
図12の説明に戻る。
Act103においてログインコマンドの送信を制御した情報端末10のプロセッサ11は、Act104として仮想POSサーバ50からの応答コマンドを待ち受ける。この待ち受け状態において、仮想POSサーバ50から否認応答コマンドを受信すると、プロセッサ11は、Act104においてNOと判定し、ログインをエラーとする。
【0084】
因みに、ログインがエラーとなった場合、情報端末10のオペレータである客M1は、タッチパネル15からエラーの解除操作を行う。プロセッサ11は、解除操作が行われると、Act101から処理を再開する。したがって客は、再びログインを行うこととなる。
【0085】
仮想POSサーバ50から承認応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ11は、Act104においてYESと判定し、Act105へと進む。プロセッサ11は、Act105としてその承認応答コマンドとともに受信した商品登録画面のデータに基づき、タッチパネル15に商品登録画面SL1(
図22を参照)を表示させる。
【0086】
図22は、商品登録画面SL1の一例を示す模式図である。
図22に示すように、商品登録画面SL1には、購買商品の商品名、単価、販売点数、販売金額をリスト形式で表示するための領域AR1と、購買商品の合計点数、合計金額等を表示するための領域AR2と、ボタン画像の領域AR3とが形成されている。そして、領域AR3には、会計ボタンBT1の画像が表示されている。会計ボタンBT1は、客が会計を指示する場合に入力される操作子である。この他、商品登録画面SL1の上部には、メインメモリ12で記憶しているカートIDも表示されている。
【0087】
商品登録画面SL1を確認した客M1は、その後、売場を回り、購入しようとする商品、いわゆる購買商品をカートCに収容する。例えば客M1は、籠受部C3に載置された買物籠SBに購買商品を入れる。客M1は、購買商品を買物籠SBに入れる前に、スキャナ16を操作してその商品に付されているコードシンボルを読み取る。スキャナ16でコードシンボルが読み取られると、そのコードシンボルに含まれる商品コードが情報端末10に入力される。すなわち、商品コードで識別される商品が登録される。
【0088】
なお、生鮮食品などの一部の商品にはコードシンボルが付されていないことがある。購買商品にコードシンボルが付されていない場合、客は、タッチパネル15に表示される商品ボタンから購買商品に対応した商品ボタンにタッチする。商品ボタンがタッチされたことで、その商品ボタンに対応した商品の商品コードが情報端末10に入力される。すなわち、商品コードで識別される商品が登録される。
【0089】
プロセッサ11は、Act106として商品登録が行われたか否かを確認する。商品登録が行われていない場合、プロセッサ11は、Act106においてNOと判定し、Act107へと進む。プロセッサ11は、Act107として仮想POSサーバ50から通報コマンドを受信したか否かを確認する。通報コマンドについては後述する。通報コマンドを受信していない場合、プロセッサ11は、Act107においてNOと判定し、Act108へと進む。プロセッサ11は、Act108として会計が指示されたか否かを確認する。
【0090】
買物を終えた客は、商品登録画面SL1の会計ボタンBT1にタッチする。プロセッサ11は、会計ボタンBT1がタッチされたことを検知すると、会計が指示されたと認識する。会計が指示されていない場合、プロセッサ11は、Act108においてNOと判定し、Act106へと戻る。ここにプロセッサ11は、Act106乃至Act108において、商品登録が行われるか、通報コマンドを受信するか、会計が指示されるのを待ち受ける。
【0091】
この待ち受け状態においてプロセッサ11は、商品登録が行われたことを確認すると、Act106においてYESと判定し、Act109へと進む。プロセッサ11は、Act109として商品登録コマンドを仮想POSサーバ50宛に送信するように無線ユニット14を制御する。この制御により、無線ユニット14は、商品登録コマンドを無線送信する。商品登録コマンドは、アクセスポイント30で受信され、ネットワーク70を介して仮想POSサーバ50へと送られる。商品登録コマンドには、カートIDと登録商品の商品コードとが含まれている。
【0092】
仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、受信コマンドが商品登録コマンドであった場合、
図15乃至
図17の流れ図に示す手順の商品登録処理を開始する。
【0093】
プロセッサ51は、Act301として商品登録コマンドからカートIDを検出する。そしてプロセッサ51は、Act302としてそのカートIDが記述された取引ファイル521を登録処理対象として選択する。以後、登録処理対象の取引ファイル521を取引ファイル521Aと称する。
【0094】
プロセッサ51は、ACT303として商品登録コマンドから商品コードを検出する。そしてプロセッサ51は、ACT304としてその商品コードを基に購買商品データを作成する。すなわちプロセッサ51は、その商品コードで商品マスタテーブル531を検索して、当該商品コードに関連付けられた商品名、単価、商品区分、冷蔵区分及び冷凍区分を取得する。そしてプロセッサ51は、その商品コード、商品名、単価、数量、金額、冷蔵区分及び冷凍区分によって購買商品データを作成する。なお、数量は“1”である。金額は、単価に数量を乗算した金額である。プロセッサ51は、ACT305としてその購買商品データを取引ファイル521Aに登録する。
【0095】
購買商品データを登録し終えると、プロセッサ51は、ACT306としてその商品コードで特定される購買商品が冷蔵品であるか否かを冷蔵区分によって確認する。冷蔵区分が“1”の場合には、購買商品は冷蔵品である。冷蔵区分が“0”の場合には、購買商品は冷蔵品でない。購買商品が冷蔵品でない場合、プロセッサ51は、ACT306においてNOと判定し、ACT307へと進む。
【0096】
プロセッサ51は、ACT307としてその商品コードで特定される購買商品が冷凍品であるか否かを冷凍区分によって確認する。冷凍区分が“1”の場合には、購買商品は冷凍品である。冷凍区分が“0”の場合には、購買商品は冷凍品でない。購買商品が冷凍品でない場合、プロセッサ51は、ACT307においてNOと判定し、ACT312へと進む。
【0097】
購買商品が冷蔵品の場合には、プロセッサ51は、ACT306においてYESと判定し、ACT308へと進む。プロセッサ51は、ACT308として商品登録コマンドから検出したカートIDでカート管理テーブル522を検索する。そしてプロセッサ51は、当該カートIDに対応した冷蔵ステータスS1が“0”であるか否かを確認する。冷蔵ステータスS1が“0”でない場合、すなわち購買商品として既に冷蔵品が登録されていた場合には、プロセッサ51は、ACT308においてNOと判定し、ACT312へと進む。
【0098】
冷蔵ステータスS1が“0”の場合、すなわち1点目の冷蔵品が登録された場合には、プロセッサ51は、ACT308においてYESと判定し、ACT309へと進む。プロセッサ51は、ACT309として冷蔵品処理を実行する。
【0099】
図16は、冷蔵品処理の手順を具体的に示す流れ図である。プロセッサ51は、冷蔵品処理に入ると、先ず、ACT401として冷蔵ステータスS1を“1”に更新する。またプロセッサ51は、ACT402として時計55から現在の日付を取得する。そしてプロセッサ51は、ACT403として設定時間テーブル532を参照して、現在の日付が含まれる期間を特定する。
【0100】
期間が特定されたならば、プロセッサ51は、ACT404として設定時間テーブル532からその期間に対応した冷蔵警告時間T1xを検出する。そしてプロセッサ51は、ACT405としてその冷蔵警告時間T1xを、カート管理テーブル522の当該カートIDに関連付けられた冷蔵警告時間としてセットする。またプロセッサ51は、ACT406としてカート管理テーブル522の当該カートIDに関連付けられた冷蔵タイマT1をリセットする。さらにプロセッサ51は、ACT407として冷蔵品初期通報コマンドを、商品登録コマンド送信元の情報端末10及び監視端末20へと送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、冷蔵品初期通報コマンドをネットワーク70へと送信する。冷蔵品初期通報コマンドは、ネットワーク70を介してアクセスポイント30から無線送信され、商品登録コマンド送信元の情報端末10と監視端末20とで受信される。冷蔵品初期通報コマンドには、送信先の情報端末10に設定されているカートIDが含まれている。
【0101】
冷蔵品初期通報コマンドを受信した情報端末10及び監視端末20の動作については、後述する。
プロセッサ51は、冷蔵品初期通報コマンドの送信を制御すると、冷蔵品処理を終了する。プロセッサ51は、ACT312へと進む。
【0102】
一方、購買商品が冷凍品の場合には、プロセッサ51は、ACT307においてYESと判定し、ACT310へと進む。プロセッサ51は、ACT310として商品登録コマンドから検出したカートIDでカート管理テーブル522を検索する。そしてプロセッサ51は、当該カートIDに対応した冷凍ステータスS2が“0”であるか否かを確認する。冷凍ステータスS2が“0”でない場合、すなわち購買商品として既に冷凍品が登録されていた場合には、プロセッサ51は、ACT310においてNOと判定し、ACT312へと進む。
【0103】
冷凍ステータスS2が“0”の場合、すなわち1点目の冷凍品が登録された場合には、プロセッサ51は、ACT308においてYESと判定し、ACT311へと進む。プロセッサ51は、ACT311として冷凍品処理を実行する。
【0104】
図17は、冷凍品処理の手順を具体的に示す流れ図である。プロセッサ51は、冷凍品処理に入ると、先ず、ACT411として冷凍ステータスS2を“1”に更新する。またプロセッサ51は、ACT412として時計55から現在の日付を取得する。そしてプロセッサ51は、ACT413として設定時間テーブル532を参照して、現在の日付が含まれる期間を特定する。
【0105】
期間が特定されたならば、プロセッサ51は、ACT414として設定時間テーブル532からその期間に対応した冷凍警告時間T2xを検出する。そしてプロセッサ51は、ACT415としてその冷凍警告時間T2xを、カート管理テーブル522の当該カートIDに関連付けられた冷凍警告時間としてセットする。またプロセッサ51は、ACT416としてカート管理テーブル522の当該カートIDに関連付けられた冷凍タイマT2をリセットする。さらにプロセッサ51は、ACT417として冷凍品初期通報コマンドを、商品登録コマンド送信元の情報端末10及び監視端末20へと送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、冷凍品初期通報コマンドをネットワーク70へと送信する。冷凍品初期通報コマンドは、ネットワーク70を介してアクセスポイント30から無線送信され、商品登録コマンド送信元の情報端末10と監視端末20とで受信される。冷凍品初期通報コマンドには、送信先の情報端末10に設定されているカートIDが含まれている。
【0106】
冷凍品初期通報コマンドを受信した情報端末10及び監視端末20の動作については、後述する。
プロセッサ51は、冷凍品初期通報コマンドの送信を制御すると、冷凍品処理を終了する。プロセッサ51は、ACT312へと進む。
【0107】
このようにプロセッサ51は、購買商品が冷蔵品の1点目であった場合には、冷蔵品処理を実行した後、ACT312へと進む。プロセッサ51は、購買商品が冷凍品の1点目であった場合には、冷凍品処理を実行した後、ACT312へと進む。購買商品が冷蔵品又は冷凍品の2点目以降又はその他の商品であった場合には、プロセッサ51は、冷蔵品処理又は冷凍品処理を行うことなくACT312へと進む。
【0108】
プロセッサ51は、ACT312として取引ファイル521Aに登録された購買商品データの商品名、単価、販売点数、販売金額等が商品登録画面に表示されるように、商品登録画面のデータを編集する。このとき、冷蔵区分が“1”の商品については、冷蔵マーク[冷蔵]が付加されるように商品登録画面のデータを編集する。同様に、冷凍区分が“1”の商品については、冷凍マーク[冷凍]が付加されるように商品登録画面のデータを編集する。そしてプロセッサ51は、ACT313として情報端末10宛に商品登録画面のデータを送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、商品登録画面のデータを送信する。商品登録画面のデータは、ネットワーク70を介してアクセスポイント30から無線送信され、商品登録コマンド送信元の情報端末10で受信される。
【0109】
プロセッサ51は、ACT313において商品登録画面データの送信を制御すると、商品登録処理を終了する。
【0110】
図12の説明に戻る。
Act109において商品登録コマンドの送信を制御した情報端末10のプロセッサ11は、Act105に戻る。すなわちプロセッサ11は、仮想POSサーバ50から受信した商品登録画面のデータに基づき、タッチパネル15に表示されている商品登録画面SL1を更新する。この更新により、商品登録画面SL1の領域AR1には、登録された購買商品の商品名、単価、販売点数及び販売金額が表示される。購買商品が冷蔵品であった場合には、冷蔵マーク[冷蔵]も表示される。購買商品が冷凍品であった場合には、冷凍マーク[冷凍]も表示される。領域AR2には、登録された購買商品の合計点数と合計金額とが表示される。
【0111】
ここで、仮想POSサーバ50のプロセッサ51が実行するタイマ割込み処理について説明する。
図18及び
図19は、タイマ割込み処理の手順を示す流れ図である。時計55が例えば1秒を計時する毎に、プロセッサ51は、
図18及び
図19の流れ図で示す手順の処理を開始する。
【0112】
プロセッサ51は、ACT501としてメインメモリ52の所定の領域に、当該割込み処理を未処理の取引ファイル521が存在するか否かを確認する。未処理の取引ファイル521が存在する場合、プロセッサ51は、ACT501としてYESと判定し、ACT502へと進む。プロセッサ51は、ACT502としてその未処理の取引ファイル521からカートIDを取得する。以後、この取得したカートIDを対象カートIDと称する。
【0113】
プロセッサ51は、ACT503としてカート管理テーブル522を参照し、対象カートIDに関連付けられた冷蔵ステータスS1が“0”であるか否かを確認する。冷蔵ステータスS1が“0”である場合、対象カートIDで識別されるカートCを利用している客は、冷蔵品をまだ購入していない。プロセッサ51は、ACT503においてYESと判定し、
図19のACT521へと進む。
【0114】
冷蔵ステータスS1が“0”でない場合には、対象カートIDで識別されるカートCを利用している客は、冷蔵品を購入している。プロセッサ51は、ACT503においてNOと判定し、ACT504へと進む。プロセッサ51は、ACT504としてカート管理テーブル522の対象カートIDに対応する冷蔵タイマT1を“1”だけカウントアップする。
【0115】
プロセッサ51は、ACT505としてカウントアップ後の冷蔵タイマT1が、対象カートIDに対応する冷蔵警告時間T1xに達したか否かを確認する。冷蔵タイマT1が冷蔵警告時間T1xに達していない場合、プロセッサ51は、ACT505においてNOと判定し、ACT506へと進む。プロセッサ51は、ACT506として冷蔵警告時間T1xから冷蔵タイマT1の時間を減じることにより、冷蔵警告時間T1xまでの残り時間T10を算出する。そしてプロセッサ51は、ACT507として残り時間T10が冷蔵注意時間t1未満であるか否かを確認する。冷蔵注意時間t1は、例えば冷蔵警告時間T1xの5割である。すなわち冷蔵警告時間T1xが10分であれば、冷蔵注意時間t1は5分である。
【0116】
残り時間T10が冷蔵注意時間t1以上ある場合、プロセッサ51は、ACT507においてNOと判定し、ACT508へと進む。プロセッサ41は、ACT508として冷蔵品経過通報コマンドを、対象カートIDが設定された情報端末10及び監視端末20へと送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、冷蔵品経過通報コマンドをネットワーク70へと送信する。冷蔵品経過通報コマンドには、カートIDとともに冷蔵タイマT1のカウント値が含まれている。冷蔵品経過通報コマンドは、ネットワーク70を介してアクセスポイント30から無線送信され、対象カートIDが設定された情報端末10と監視端末20とで受信される。
【0117】
冷蔵品経過通報コマンドを受信した情報端末10及び監視端末20の動作については、後述する。
プロセッサ51は、冷蔵品経過通報コマンドの送信を制御すると、
図19のACT521へと進む。
【0118】
残り時間T10が冷蔵注意時間t1未満である場合には、プロセッサ51は、ACT507においてYESと判定し、ACT509へと進む。プロセッサ51は、ACT509として対象カートIDに対応する冷蔵ステータスS1が“2”であるか否かを確認する。冷蔵ステータスS1が“2”でない場合、プロセッサ51は、ACT509においてNOと判定し、ACT510へと進む。プロセッサ51は、ACT510としてその冷蔵ステータスS1を“2”とする。そしてプロセッサ51は、ACT511として冷蔵品注意通報コマンドを、対象カートIDが設定された情報端末10及び監視端末20へと送信するように通信インターフェース54を制御する。冷蔵品注意通報コマンドには、カートIDとともに冷蔵タイマT1のカウント値が含まれている。この制御により、通信インターフェース54は、冷蔵品注意通報コマンドをネットワーク70へと送信する。冷蔵品注意通報コマンドは、ネットワーク70を介してアクセスポイント30から無線送信され、対象カートIDが設定された情報端末10と監視端末20とで受信される。
【0119】
冷蔵品注意通報コマンドを受信した情報端末10及び監視端末20の動作については、後述する。
プロセッサ51は、冷蔵品注意通報コマンドの送信を制御すると、
図19のACT521へと進む。
【0120】
ACT509において冷蔵ステータスS1が“2”である場合には、既に冷蔵品注意通報コマンドを送信済である。プロセッサ51は、ACT509においてYESと判定し、ACT508へと進む。プロセッサ41は、ACT508として冷蔵品経過通報コマンドを、対象カートIDが設定された情報端末10及び監視端末20へと送信するように通信インターフェース54を制御する。その後、プロセッサ51は、
図19のACT521へと進む。
【0121】
一方、冷蔵タイマT1が冷蔵警告時間T1xに達している場合には、プロセッサ51は、ACT505においてYESと判定し、ACT512へと進む。プロセッサ51は、ACT512として対象カートIDに対応する冷蔵ステータスS1が“3”であるか否かを確認する。冷蔵ステータスS1が“3”でない場合、プロセッサ51は、ACT512においてNOと判定し、ACT513へと進む。プロセッサ51は、ACT513としてその冷蔵ステータスS1を“3”とする。そしてプロセッサ51は、ACT514として冷蔵品警告通報コマンドを、対象カートIDが設定された情報端末10及び監視端末20へと送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、冷蔵品警告通報コマンドをネットワーク70へと送信する。冷蔵品警告通報コマンドには、カートIDとともに冷蔵タイマT1のカウント値が含まれている。冷蔵品警告通報コマンドは、ネットワーク70を介してアクセスポイント30から無線送信され、対象カートIDが設定された情報端末10と監視端末20とで受信される。
【0122】
冷蔵品警告通報コマンドを受信した情報端末10及び監視端末20の動作については、後述する。
プロセッサ51は、冷蔵品警告通報コマンドの送信を制御すると、
図19のACT521へと進む。
【0123】
ACT512において冷蔵ステータスS1が“3”である場合には、既に冷蔵品警告通報コマンドを送信済である。プロセッサ51は、ACT512においてYESと判定し、ACT508へと進む。プロセッサ41は、ACT508として冷蔵品経過通報コマンドを、対象カートIDが設定された情報端末10及び監視端末20へと送信するように通信インターフェース54を制御する。その後、プロセッサ51は、
図19のACT521へと進む。
【0124】
ACT521へと進んだプロセッサ51は、カート管理テーブル522を参照し、対象カートIDに関連付けられた冷凍ステータスS2が“0”であるか否かを確認する。冷凍ステータスS2が“0”である場合、対象カートIDで識別されるカートCを利用している客は、冷凍品をまだ購入していない。プロセッサ51は、ACT521においてYESと判定し、
図18のACT501へと戻る。
【0125】
冷凍ステータスS2が“0”でない場合には、対象カートIDで識別されるカートCを利用している客は、冷凍品を購入している。プロセッサ51は、ACT521においてNOと判定し、ACT522へと進む。プロセッサ51は、ACT522としてカート管理テーブル522の対象カートIDに対応する冷凍タイマT2を“1”だけカウントアップする。
【0126】
プロセッサ51は、ACT523としてカウントアップ後の冷凍タイマT2が、対象カートIDに対応する冷凍警告時間T2xに達したか否かを確認する。冷凍タイマT2が冷凍警告時間T2xに達していない場合、プロセッサ51は、ACT523においてNOと判定し、ACT524へと進む。プロセッサ51は、ACT524として冷凍警告時間T2xから冷凍タイマT2の時間を減じることにより、冷凍警告時間T2xまでの残り時間T20を算出する。そしてプロセッサ51は、ACT525として残り時間T20が冷凍注意時間t2未満であるか否かを確認する。冷凍注意時間t2は、例えば冷凍警告時間T2xの6割である。すなわち冷凍警告時間T2xが10分であれば、冷凍注意時間t2は6分である。
【0127】
残り時間T20が冷凍注意時間t2以上ある場合、プロセッサ51は、ACT525においてNOと判定し、ACT526へと進む。プロセッサ41は、ACT526として冷凍品経過通報コマンドを、対象カートIDが設定された情報端末10及び監視端末20へと送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、冷凍品経過通報コマンドをネットワーク70へと送信する。冷凍品経過通報コマンドには、カートIDとともに冷凍タイマT2のカウント値が含まれている。冷凍品経過通報コマンドは、ネットワーク70を介してアクセスポイント30から無線送信され、対象カートIDが設定された情報端末10と監視端末20とで受信される。
【0128】
冷凍品経過通報コマンドを受信した情報端末10及び監視端末20の動作については、後述する。
プロセッサ51は、冷凍品経過通報コマンドの送信を制御すると、
図18のACT501へと戻る。
【0129】
残り時間T20が冷凍注意時間t2未満である場合には、プロセッサ51は、ACT525においてYESと判定し、ACT527へと進む。プロセッサ51は、ACT527として対象カートIDに対応する冷凍ステータスS2が“2”であるか否かを確認する。冷凍ステータスS2が“2”でない場合、プロセッサ51は、ACT527においてNOと判定し、ACT528へと進む。プロセッサ51は、ACT528としてその冷凍ステータスS2を“2”とする。そしてプロセッサ51は、ACT529として冷凍品注意通報コマンドを、対象カートIDが設定された情報端末10及び監視端末20へと送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、冷凍品注意通報コマンドをネットワーク70へと送信する。冷凍品注意通報コマンドには、カートIDとともに冷凍タイマT2のカウント値が含まれている。冷凍品注意通報コマンドは、ネットワーク70を介してアクセスポイント30から無線送信され、対象カートIDが設定された情報端末10と監視端末20とで受信される。
【0130】
冷凍品注意通報コマンドを受信した情報端末10及び監視端末20の動作については、後述する。
プロセッサ51は、冷凍品注意通報コマンドの送信を制御すると、
図18のACT501へと戻る。
【0131】
ACT527において冷凍ステータスS2が“2”である場合には、既に冷凍品注意通報コマンドを送信済である。プロセッサ51は、ACT527においてYESと判定し、ACT526へと進む。プロセッサ41は、ACT526として冷凍品経過通報コマンドを、対象カートIDが設定された情報端末10及び監視端末20へと送信するように通信インターフェース54を制御する。その後、プロセッサ51は、
図18のACT501へと戻る。
【0132】
一方、冷凍タイマT2が冷凍警告時間T2xに達している場合には、プロセッサ51は、ACT523においてYESと判定し、ACT530へと進む。プロセッサ51は、ACT530として対象カートIDに対応する冷凍ステータスS2が“3”であるか否かを確認する。冷凍ステータスS2が“3”でない場合、プロセッサ51は、ACT530においてNOと判定し、ACT531へと進む。プロセッサ51は、ACT531としてその冷凍ステータスS2を“3”とする。そしてプロセッサ51は、ACT532として冷凍品警告通報コマンドを、対象カートIDが設定された情報端末10及び監視端末20へと送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、冷凍品警告通報コマンドをネットワーク70へと送信する。冷凍品警告通報コマンドには、カートIDとともに冷凍タイマT2のカウント値が含まれている。冷凍品警告通報コマンドは、ネットワーク70を介してアクセスポイント30から無線送信され、対象カートIDが設定された情報端末10と監視端末20とで受信される。
【0133】
冷凍品警告通報コマンドを受信した情報端末10及び監視端末20の動作については、後述する。
プロセッサ51は、冷凍品警告通報コマンドの送信を制御すると、
図18のACT501へと戻る。
【0134】
ACT530において冷凍ステータスS2が“3”である場合には、既に冷凍品警告通報コマンドを送信済である。プロセッサ51は、ACT530においてYESと判定し、ACT526へと進む。プロセッサ41は、ACT526として冷凍品経過通報コマンドを、対象カートIDが設定された情報端末10及び監視端末20へと送信するように通信インターフェース54を制御する。その後、プロセッサ51は、
図18のACT501へと戻る。
【0135】
ACT501へと戻ったプロセッサ51は、再び、当該割込み処理を未処理の取引ファイル521が存在するか否かを確認する。未処理の取引ファイル521が存在する場合、プロセッサ51は、その取引ファイル521のカートIDを取得して、ACT503乃至ACT514及びACT521乃至ACT532の各処理を、前述したのと同様に実行する。
【0136】
プロセッサ51は、未処理の取引ファイル521が存在しないことを確認した場合には、ACT501においてNOと判定し、タイマ割込み処理を終了する。
【0137】
このように、購買商品として冷蔵品が登録された情報端末10に対しては、仮想POSサーバ50から周期的に、冷蔵品経過通報コマンド、冷蔵品注意通報コマンド又は冷蔵品警告通報コマンドが送信される。同様に、購買商品として冷凍品が登録された情報端末10に対しては、仮想POSサーバ50から周期的に、冷凍品経過通報コマンド、冷凍品注意通報コマンド又は冷凍品警告通報コマンドが送信される。
【0138】
図12の説明に戻る。
ACT106乃至ACT108の待ち受け状態において、プロセッサ11は、通報コマンドを受信すると、ACT107においてYESと判定し、ACT110へと進む。プロセッサ11は、ACT110として通報コマンドの種類に応じた通報処理を実行する。
【0139】
例えば、冷蔵品初期通報コマンドを受信した場合には、プロセッサ11は、スピーカ19から「冷蔵品が登録されました」という音声を再生するための処理を実行する。例えば、冷凍品初期通報コマンドを受信した場合には、プロセッサ11は、スピーカ19から「冷凍品が登録されました」という音声を再生するための処理を実行する。これらの処理により、購買者である客に対して冷蔵品又は冷凍品を購入したことを意識させることができる。
【0140】
例えば、冷蔵品経過通報コマンドを受信した場合には、プロセッサ11は、タッチパネル15の商品登録画面LS1に、冷蔵タイマT1のカウント値を、冷蔵品購入からの経過時間として表示させる処理を実行する。例えば、冷凍品経過通報コマンドを受信した場合には、プロセッサ11は、タッチパネル15の商品登録画面LS1に、冷凍タイマT2のカウント値を、冷凍品購入からの経過時間として表示させる処理を実行する。
【0141】
図23は、購買商品として冷蔵品と冷凍品を登録した客M1が使用する情報端末10のタッチパネル15に表示された商品登録画面LS2の一表示例である。
図23に示すように、ボタン画像の領域AR3に、冷蔵品購入からの経過時間と冷凍品購入からの経過時間とが表示されている。したがって、客M1は、冷蔵品または冷凍品を購入してからの経過時間を容易に知ることができる。
【0142】
例えば、冷蔵品注意通報コマンド又は冷凍品注意通報コマンドを受信した場合には、プロセッサ11は、タッチパネル15の商品登録画面LS1に、会計を急ぐように注意を促す画像を表示させる処理を実行する。またプロセッサ11は、スピーカ19から注意を促すブザー音が発せられるように制御する。
【0143】
図24は、冷蔵品注意通報コマンド又は冷凍品注意通報コマンドを受信した情報端末10のタッチパネル15に表示された商品登録画面LS2の一表示例である。
図24に示すように、商品登録画面LS2上に、会計を急ぐように注意を促すメッセージが含まれた画像PU1がポップアップで表示される。したがって、購買商品として冷蔵品又は冷凍品を登録してから冷蔵品注意時間又は冷凍品注意時間を経過した客M1に対し、迅速な会計を促すことができる。
【0144】
例えば、冷蔵品警告通報コマンド又は冷凍品警告通報コマンドを受信した場合には、プロセッサ11は、タッチパネル15の商品登録画面LS1に、直ぐに会計をするように警告する画像を表示させる処理を実行する。またプロセッサ11は、スピーカ19から注意を促すブザー音が発せられるように制御する。このときのブザー音は、冷蔵品注意通報コマンド又は冷凍品注意通報コマンドを受信したときと異ならせるとよい。
【0145】
図25は、冷蔵品警告通報コマンド又は冷凍品警告通報コマンドを受信した情報端末10のタッチパネル15に表示された商品登録画面LS2の一表示例である。
図25に示すように、商品登録画面LS2上に、直ぐに会計をするように警告するメッセージが含まれた画像PU2がポップアップで表示される。したがって、購買商品として冷蔵品又は冷凍品を登録してから冷蔵品警告時間又は冷凍品警告時間を経過した客M1に対し、強制的に会計をするように警告することができる。
【0146】
ところで、種々の通報コマンドは、情報端末10だけでなく監視端末20にも送信される。通報コマンドを受信した監視端末20のプロセッサ21は、
図21の流れに示す手順の処理を開始する。
【0147】
先ず、プロセッサ21は、ACT601としてその通報コマンドからカートIDを検出する。そしてプロセッサ21は、ACT602としてそのカートIDが表示されたタグ画像251を選択する。
【0148】
プロセッサ21は、ACT603として通報コマンドが冷蔵品初期通報コマンド又は冷凍品初期通報コマンドであるか否かを確認する。いずれかの初期通報コマンドである場合、プロセッサ21は、ACT603においてYESと判定し、ACT604へと進む。プロセッサ21は、ACT604として当該タグ画像251に表示されている記号が「X」であるか否かを確認する。記号が「X」である場合、プロセッサ21は、ACT604においてYESと判定し、ACT605へと進む。プロセッサ21は、ACT605としてその記号を「X」から「O」へ変更する。
【0149】
通報コマンドが初期通報コマンドでない場合、プロセッサ21は、ACT603においてNOと判定し、ACT606へと進む。プロセッサ21は、ACT606として通報コマンドが冷蔵品経過通報コマンド又は冷凍品経過通報コマンドであるか否かを確認する。いずれかの経過通報コマンドである場合、プロセッサ21は、ACT606においてYESと判定し、ACT607へと進む。プロセッサ21は、ACT607として当該タグ画像251に表示されている冷蔵品収容時間U1又は冷凍品収容時間U2を、その通報コマンドに含まれている冷蔵タイマT1又は冷凍タイマT2の値に変更する。
【0150】
通報コマンドが経過通報コマンドでない場合、プロセッサ21は、ACT606においてNOと判定し、ACT608へと進む。プロセッサ21は、ACT608として通報コマンドが冷蔵品注意通報コマンド又は冷凍品注意通報コマンドであるか否かを確認する。いずれかの注意通報コマンドである場合、プロセッサ21は、ACT608においてYESと判定し、ACT609へと進む。プロセッサ21は、ACT609として当該タグ画像251に表示されている記号が「O」であるか否かを確認する。記号が「O」である場合、プロセッサ21は、ACT609においてYESと判定し、ACT610へと進む。プロセッサ21は、ACT610としてその記号を「O」から「A」へ変更する。また、プロセッサ21は、ACT611として当該タグ画像251に表示されている冷蔵品収容時間U1又は冷凍品収容時間U2を、その通報コマンドに含まれている冷蔵タイマT1又は冷凍タイマT2の値に変更する。
【0151】
通報コマンドが注意通報コマンドでない場合、プロセッサ21は、ACT608においてNOと判定し、ACT612へと進む。プロセッサ21は、ACT612として通報コマンドが冷蔵品警告通報コマンド又は冷凍品警告通報コマンドであるか否かを確認する。いずれかの警告通報コマンドである場合、プロセッサ21は、ACT612においてYESと判定し、ACT613へと進む。プロセッサ21は、ACT613として当該タグ画像251に表示されている記号が「A」であるか否かを確認する。記号が「A」である場合、プロセッサ21は、ACT613においてYESと判定し、ACT614へと進む。プロセッサ21は、ACT614としてその記号を「A」から「W」へ変更する。また、プロセッサ21は、ACT615として当該タグ画像251に表示されている冷蔵品収容時間U1又は冷凍品収容時間U2を、その通報コマンドに含まれている冷蔵タイマT1又は冷凍タイマT2の値に変更する。
【0152】
以上で、プロセッサ21は、通報コマンドを受信したときの処理を終了する。なお、ACT604において記号が「X」以外であった場合、ACT609において記号が「O」以外であった場合、又は、ACT613において記号が「A」以外であった場合には、プロセッサ21はいずれもNOと判定し、この処理を終了する。
【0153】
図12の説明に戻る。
会計を行う客は、前述したように、商品登録画面LS2の会計ボタンBT1にタッチする。ACT106乃至ACT108の待ち受け状態において、プロセッサ11は、会計ボタンBT1がタッチされたことを検知すると、ACT108においてYESと判定し、
図13のACT111へと進む。プロセッサ11は、ACT111として会計コマンドを仮想POSサーバ50宛に送信するように無線ユニット14を制御する。この制御により、無線ユニット14は、会計コマンドを無線送信する。会計コマンドは、アクセスポイント30で受信され、ネットワーク70を経由して仮想POSサーバ50へと送られる。会計コマンドには、情報端末10のカートIDが含まれている。
【0154】
仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、受信コマンドが会計コマンドであった場合には、
図20の流れ図に示す手順の会計処理を開始する。プロセッサ51は、ACT601として会計コマンドからカートIDを検出する。そしてプロセッサ51は、Act602としてそのカートIDが記述された取引ファイル521を会計対象として選択する。以後、会計対象の取引ファイル521を取引ファイル521Bと称する。また、取引ファイル521Bに含まれるカートIDを会計カートIDと称する。
【0155】
プロセッサ51は、ACT603として新規の会計コードを生成する。例えばプロセッサ51は、現在の日時と会計カートIDとを組み合わせて一意の会計コードを生成する。
【0156】
プロセッサ51は、ACT604としてカート管理テーブル522を参照し、会計カートIDに対応した冷蔵ステータスS1が“3”であるか否かを確認する。冷蔵ステータスS1が“3”でない場合、プロセッサ51は、ACT604においてNOと判定し、ACT605へと進む。プロセッサ51は、ACT605として会計カートIDに対応した冷凍ステータスS2が“3”であるか否かを確認する。冷凍ステータスS2も“3”でない場合、プロセッサ51は、ACT605においてNOと判定し、ACT606へと進む。プロセッサ51は、ACT606として会計コマンド送信元の情報端末10宛に第1許諾応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。またプロセッサ51は、ACT607として情報端末10宛に第1会計指示画面のデータを送信するように通信インターフェース54を制御する。これらの制御により、通信インターフェース54は、第1許諾応答コマンドと第1会計指示画面のデータとを送信する。
【0157】
第1許諾応答コマンドは、第1会計指示画面のデータが送信されることを通知するためのコマンドである。第1会計指示画面については、その一例を後述する。第1許諾応答コマンドと第1会計指示画面のデータは、ネットワーク70を介してアクセスポイント30から無線送信され、会計コマンド送信元の情報端末10で受信される。
【0158】
プロセッサ51は、ACT607において第1許諾応答コマンドと第1会計指示画面のデータとの送信を制御すると、会計処理を終了する。
【0159】
ACT604において会計カートIDに対応した冷蔵ステータスS1が“3”である場合、あるいはACT605において冷凍ステータスS2が“3”である場合には、プロセッサ51はYESと判定し、ACT608へと進む。プロセッサ51は、ACT608として会計コマンド送信元の情報端末10宛に第2許諾応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。またプロセッサ51は、ACT609として情報端末10宛に第2会計指示画面のデータを送信するように通信インターフェース54を制御する。これらの制御により、通信インターフェース54は、第2許諾応答コマンドと第2会計指示画面のデータとを送信する。
【0160】
第2許諾応答コマンドは、第2会計指示画面のデータが送信されることを通知するためのコマンドである。第2会計指示画面については、その一例を後述する。第2許諾応答コマンドと第2会計指示画面のデータは、ネットワーク70を介してアクセスポイント30から無線送信され、会計コマンド送信元の情報端末10で受信される。
【0161】
プロセッサ51は、ACT609において第2許諾応答コマンドと第2会計指示画面のデータとの送信を制御すると、会計処理を終了する。
【0162】
図13の説明に戻る。
Act111において会計コマンドの送信を制御した情報端末10のプロセッサ11は、仮想POSサーバ50からの応答コマンドを待ち受ける。そして応答コマンド受信すると、プロセッサ11は、ACT112としてその応答コマンドが第1許諾応答コマンドであるか否かを確認する。第1許諾応答コマンドでない場合、プロセッサ11は、ACT112においてNOと判定し、ACT113へと進む。プロセッサ11は、ACT113としてその応答コマンドが第2許諾応答コマンドであるか否かを確認する。第2許諾応答コマンドでもない場合、プロセッサ11は、ACT113においてNOと判定し、エラーとする。
【0163】
プロセッサ11は、第1許諾応答コマンドを受信した場合には、ACT112においてYESと判定し、ACT114へと進む。プロセッサ11は、ACT114としてその第1許諾応答コマンドとともに受信した第1会計指示画面のデータに基づき、タッチパネル15に第1会計指示画面SL3(
図26を参照)を表示させる。
【0164】
図26は、第1会計指示画面SL3の一例を示す模式図である。
図26に示すように、第1会計指示画面SL3には、会計バーコードを表示するための領域AR4と、合計金額を表示するための領域AR5と、ボタン画像の領域AR6とが形成されている。そして、領域AR4には、会計コードをバーコード体系で表した会計バーコードBC1が、会計機で決済することを促すメッセージME1とともに表示される。また、領域AR6には、戻りボタンBT2が表示される。戻りボタンBT2は、客が会計を中止して買物に戻る場合に入力される操作子である。
【0165】
第1会計指示画面SL3を確認した客M1は、会計場Rへ移動し、空いている会計機40を操作して会計を行う。具体的には、第1会計指示画面SL3に表示された会計バーコードBC1を会計機40のスキャナで読み取らせる。そうすると、会計機40から仮想POSサーバ50に対し、会計バーコードBC1を解析して得られた会計コードが送信される。仮想POSサーバ50においては、その会計コードに含まれるカートIDが記述された取引ファイル521が検索され、この取引ファイル521に保存されている購買商品のリストデータが会計機40へとダウンロードされる。以後、会計機40においては、その購買商品のリストデータを基に、現金決済、クレジット決済、電子マネー決済などの決済方法で会計が行われる。会計が終了すると、仮想POSサーバ50を経由して情報端末10に対し、会計終了コマンドが送信される。
【0166】
プロセッサ11は、第2許諾応答コマンドを受信した場合には、ACT113においてYESと判定し、ACT115へと進む。プロセッサ11は、ACT115としてその第2許諾応答コマンドとともに受信した第2会計指示画面のデータに基づき、タッチパネル15に第2会計指示画面SL4(
図27を参照)を表示させる。
【0167】
図27は、第2会計指示画面SL4の一例を示す模式図である。
図27に示すように、第2会計指示画面SL4が第1会計指示画面SL3と異なる点は、領域AR4に表示されるメッセージME2の内容である。すなわち、第2会計指示画面SL4においては、アテンダントカウンタに立ち寄った後に会計を行うことを指示する内容のメッセージME2が、会計バーコードBC1とともに表示される。
【0168】
したがって、第2会計指示画面SL4を確認した客M1は、先ず、アテンダントカウンタATに立ち寄る。第2会計指示画面SL4が表示されるということは、当該客が使用する情報端末10のカートIDに関連付けられた冷蔵ステータスS1又は冷凍ステータスS3が“3”、つまりは、冷蔵品又は冷凍品を購入してからの経過時間が冷蔵品警告時間又は冷凍品警告時間を経過していることを意味する。このとき、監視端末20においては、当該カートIDに対応したタグ画像251に警告を表す記号「W」が表示されている。そこで、アテンダントM2は、客の購買商品の中から警告時間を経過した冷蔵品又は冷凍品を取出し、新たな品と交換する。そうすることにより、傷んだ冷蔵品又は溶けた冷凍品が店外へ持ち出されるのを未然に防ぐことができる。
【0169】
客は、その後、会計場Rへ移動し、会計機40で会計を行うこととなる。会計を行うことで、情報端末10に会計終了コマンドが送信されるのは、前述した通りである。
【0170】
図13の説明に戻る。
第1会計指示画面SL3又は第2会計指示画面SL4を表示させたプロセッサ11は、ACT116として会計終了コマンドを待ち受ける。会計終了コマンドを受信すると、プロセッサ11は、ACT116においてYESと判定し、ACT117へと進む。プロセッサ11は、ACT117としてタッチパネル15の画面をクリアする。以上で、プロセッサ11は、
図12及び
図13を用いて説明した処理を終了する。
【0171】
ここに、仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、
図15のACT303乃至ACT307の処理を実行することにより、特定手段を構成する。すなわちプロセッサ51は、情報端末10から受信した商品登録コマンドに含まれる商品コードに基づき購買商品として選択された商品を特定する。
【0172】
また、プロセッサ51は、
図15のACT309及びACT311の処理と、
図18のACT501乃至ACT504の処理、さらには
図19のACT521及びACT522の処理を実行することにより、計時手段を構成する。すなわちプロセッサ51は、特定された商品が冷蔵品又は冷凍品のように時間に制約を受ける商品である場合に、冷蔵タイマT1又は冷凍タイマT2をカウントアップすることで、特定されてからの経過時間を計時する。
【0173】
また、プロセッサ51は、
図18のACT505乃至ACT514の処理及び
図19のACT523乃至ACT532の処理を実行することにより、通報手段を構成する。すなわちプロセッサ51は、購買商品として冷蔵品を登録してからの経過時間あるいは冷凍品を登録してからの経過時間が注意時間を超えると注意通報コマンドを送信し、警告時間を超えると警告通報コマンドを送信する。
【0174】
このように、仮想POSサーバ50のプロセッサ51に、特定手段、計時手段及び通報手段としての機能を持たせたので、本実施形態によれば、冷蔵品又は冷凍品のように時間に制約を受ける購買商品を客が選び出してから会計を終えるまでの間にその購買商品の品質が著しく落ちないように管理することができる。
【0175】
特にプロセッサ51は、注意通報コマンド及び警告通報コマンドを、購買者である客M1が使用する情報端末10だけでなく、アテンダントカウンタATの店員であるアテンダントM2が使用する監視端末20にも出力するようにしている。したがって、客M1に冷蔵品、冷凍品等の品質を意識させるだけでなく、アテンダントM2が介在して品質の落ちた商品を交換するなどのサービス性の良い対応も容易にとることができる。
【0176】
しかも、プロセッサ51は、警告時間については、現在の日付が属する期間に対応した警告時間を設定時間テーブルから取得し、経過時間が警告時間に達すると、警告通報コマンドを送信するようにしている。なおかつ、警告時間を基に注意時間を算出し、経過時間が注意時間に達した場合に注意通報コマンドを送信するようにしている。したがって、管理者が気温、湿度等を意識することなく適切に商品の品質を管理することができる。
【0177】
また、プロセッサ51は、
図16のACT407の処理又は
図17のACT417の処理を実行することにより、通知手段を構成する。すなわちプロセッサ51は、特定された商品が冷蔵品又は冷凍品のように時間に制約を受ける商品である場合に、初期通報コマンドを送信して通知を行う。そしてこの場合も、プロセッサ51は、初期通報コマンドを、購買者である客M1が使用する情報端末10だけでなく、アテンダントカウンタATの店員であるアテンダントM2が使用する監視端末20にも出力する。したがって、客M1だけでなくアテンダントM2に対しても、購買商品として冷蔵品又は冷凍品が登録されたことを意識づけさせることができる。
【0178】
以上、購買商品を選び出してから会計を終えるまでの間にその購買商品の品質が著しく落ちないように管理できる商品管理装置の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0179】
例えば前記実施形態では、情報端末10がカートCに取り付けられたセルフ登録システム1を例示ししたが、必ずしも情報端末10は、カートCに取り付けられていなくてもよい。例えばスマートフォン等の情報端末を客が携帯して購買商品の登録を行うようなセルフ登録システムであっても、本実施形態の商品管理装置は同様に適用することができる。
【0180】
前記実施形態では、通報コマンドを情報端末10と監視端末20の両方に出力する場合を例示したが、いずれか一方の端末に出力するだけであってもよい。例えば情報端末10だけに出力することによって、その情報端末10を使用する購買者に対して冷蔵品又は冷凍品を登録してからの経過時間、その経過時間が注意時間を超えたこと、さらには警告時間に達したこと等を通知することができる。この通知により、冷蔵品、冷凍品等の品質が落ちるのを防ぐことができる。一方、監視端末20に出力するだけでも、アテンダントM2等の店員に対し、冷蔵品又は冷凍品を登録してから時間が経過している客がいることを通知できるので、効果的である。
【0181】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]購買商品として選択された商品を特定する特定手段と、前記特定手段により特定された商品が時間に制約を受ける商品である場合に、前記特定されてからの経過時間を計時する計時手段と、前記経過時間に応じて通報を行う通報手段と、を具備する商品管理装置。
[2]前記通報手段は、前記購買商品を購入する購買者が使用する端末及び店員が使用する端末の少なくとも一方に対して通報を行う、付記[1]記載の商品管理装置。
[3]前記特定手段により特定された商品が時間に制約を受ける商品である場合に、通知を行う通知手段、をさらに具備する付記[1]又は[2]記載の商品管理装置。
[4]前記通知手段は、前記購買商品を購入する購買者が使用する端末及び店員が使用する端末の少なくとも一方に対して通知を行う付記[3]記載の商品管理装置。
[5]前記通報手段は、経過時間が設定時間に達した場合に通報を行う手段を含み、前記設定時間は現在日付を基に決定される付記[1]乃至[4]のうちいずれか1項記載の商品管理装置。
[6]商品管理装置のコンピュータを、購買商品として選択された商品を特定する特定手段、前記特定手段により特定された商品が時間に制約を受ける商品である場合に、前記特定されてからの経過時間を計時する計時手段、及び、前記経過時間に応じて通報を行う通報手段、として機能させるための制御プログラム。
【符号の説明】
【0182】
1…セルフ登録システム、10…情報端末、20…監視端末、30…アクセスポイント、40…会計機、50…仮想POSサーバ、60…店舗サーバ、70…ネットワーク、11,21,51…プロセッサ、12,22,52…メインメモリ、13,23,53…補助記憶デバイス、251…タグ画像、521…取引ファイル、522…カート管理テーブル、531…商品マスタテーブル、532…設定時間テーブル。