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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】作業用什器
(51)【国際特許分類】
   A47B 83/02 20060101AFI20231227BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20231227BHJP
   A47B 17/04 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
A47B83/02
A47B13/00 B
A47B17/04
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019154143
(22)【出願日】2019-08-26
(65)【公開番号】P2021029687
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】吉田 龍介
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-104950(JP,A)
【文献】特開2016-077620(JP,A)
【文献】特開平11-032855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 83/02
A47B 13/00
A47B 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向を長手方向として床面から立設されるとともに、インフラ線が挿通可能な挿通空間を有するコア部材と、
天板及び前記天板を下方から支持する支持構造体を有し、前記コア部材に対して前後方向の一方側において、前後方向から見て少なくとも一部が前記コア部材に重なり合って配置された天板付什器と、
座及び背凭れを有し、前記コア部材に対して前後方向の他方側において、前後方向から見て少なくとも一部が前記コア部材に重なり合って配置されたソファユニットと、を備え、
前記コア部材の上端縁は、前記背凭れの高さよりも上方、かつ前記天板の上面よりも上方に位置し、
前記コア部材は、前記背凭れよりも上方に位置する部分に、前記インフラ線との接続部を備え、
前記コア部材において、前記天板付什器及び前記ソファユニット間に位置する部分には、前記インフラ線が通過可能である作業用什器。
【請求項2】
前記コア部材は、前後方向に開口する開口部を有する枠状に形成され、
前記天板付什器及び前記ソファユニットは、前記コア部材を間に挟んで前後方向で対向して設けられ、
前記コア部材は、前記開口部の下端縁を構成するとともに、前記天板付什器の前記天板と前記ソファユニットの前記背凭れの間を架け渡すスペーサを備えている請求項に記載の作業用什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業用什器に関する。
【背景技術】
【0002】
実験や研究等を行う施設に設置される作業用什器として、天板付什器と、天板付什器の天板から上方に延びる棚と、がユニット化されたものが知られている(例えば、下記特許文献1,2参照)。
【0003】
近年では、作業用什器が設置される施設において、天板付什器を使用した作業空間の他に、気軽なミーティングや休息、コミュニケーション等を行うリラックス空間を設けることが要望されている。例えば、下記特許文献3では、天板付什器と、ソファと、が組み合わされた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6341591号公報
【文献】特開2015-047359号公報
【文献】特開2018-68979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献3の構成では、全体の統一感や各什器の使い勝手を向上させた上で、作業空間とリラックス空間とを切り分ける点で未だ改善の余地があった。
【0006】
本発明は、全体の統一感や使い勝手を向上させた上で、作業空間とリラックス空間とを切り分けることができる作業用什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る作業用什器は、左右方向を長手方向として床面から立設されるとともに、インフラ線が挿通可能な挿通空間を有するコア部材と、天板及び前記天板を下方から支持する支持構造体を有し、前記コア部材に対して前後方向の一方側において、前後方向から見て少なくとも一部が前記コア部材に重なり合って配置された天板付什器と、座及び背凭れを有し、前記コア部材に対して前後方向の他方側において、前後方向から見て少なくとも一部が前記コア部材に重なり合って配置されたソファユニットと、を備え、前記コア部材の上端縁は、前記背凭れの高さよりも上方に位置している。
【0008】
本態様によれば、例えば天板付什器は使用者が実験等に供する作業台として、ソファユニットはコミュニケーションや休息の場として利用することができる。したがって、作業用什器の使用者に対し、天板付什器による作業空間、及びソファユニットによるリラックス空間の双方を提供することができる。しかも、本態様では、コア部材の上端縁がソファユニットの背凭れよりも上方に位置している。そのため、作業空間及びリラックス空間をコア部材により仕切ることができ、各什器の使い勝手を向上させることができる。
特に、コア部材が床面から立設されているので、作業用什器全体としての統一感も向上させることができる。
よって、全体の統一感や各什器の使い勝手を向上させた上で、作業空間とリラックス空間とを切り分けることができる。
【0009】
上記態様の作業用什器において、前記コア部材の上端縁は、前記天板の上面よりも上方に位置していてもよい。
本態様によれば、天板付什器を使用する使用者からソファユニットを見え難くすることができ、作業空間とリラックス空間とをより仕切られた空間として確保し易くなる。
【0010】
上記態様の作業用什器において、前記コア部材は、前記背凭れよりも上方に位置する部分に、前記インフラ線との接続部を備えていてもよい。
本態様によれば、例えばソファユニットの使用者が自身の所有する電子機器等の充電に接続部を利用できる。これにより、使い勝手を向上させることができる。
【0011】
上記態様の作業用什器において、前記コア部材は、前後方向に開口する開口部を有する枠状に形成され、前記天板付什器及び前記ソファユニットは、前記コア部材を間に挟んで前後方向で対向して設けられ、前記コア部材は、前記開口部の下端縁を構成するとともに、前記天板付什器の前記天板と前記ソファユニットの前記背凭れの間を架け渡すスペーサを備えていてもよい。
本態様によれば、天板付什器とソファユニットとの隙間に物品や液体等が進入するのを抑制できるとともに、スペーサの上面を物品載置面として利用することができる。これにより、作業用什器としての体裁を向上させた上で、使い勝手を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
上記各態様によれば、全体の統一感や使い勝手を向上させた上で、作業空間とリラックス空間とを切り分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る作業用什器の斜視図である。
図2図1に示す作業用什器において、ソファユニット及び前側の棚板を取り外した状態の斜視図である。
図3図2のIII-III線に沿う断面図である。
図4図1のIV-IV線に沿う断面図である。
図5図1のV-V線に沿う断面図である。
図6図1のVI-VI線に沿う断面図である。
図7図1のVII-VII線に沿う断面図である。
図8】実施形態の変形例に係る作業用什器の斜視図である。
図9】実施形態の変形例に係る作業用什器の部分斜視図である。
図10】実施形態の変形例に係る作業用什器の平面図である。
図11】実施形態の変形例に係る作業用什器の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する各実施形態(及び変形例)において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、作業用什器1が設置された床面Fの法線方向を上下方向(矢印UPが上方)とし、上下方向に直交する方向をそれぞれ前後方向(矢印FRが前方)及び左右方向(矢印LHが左側)とする。また、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
【0015】
[作業用什器1]
図1は、作業用什器1の斜視図である。図2は、図1に示す作業用什器1において、ソファユニット11及び前側の棚板13,14を取り外した状態の斜視図である。
図1図2に示すように、本実施形態の作業用什器1は、実験や研究を行う施設(例えば、学校やオフィス、各種研究機関等)に設置される。作業用什器1は、例えば施設の同一空間に複数台設置されることで、隣り合う作業用什器1同士の間に形成される通路を使用者が行き交い、各作業用什器1を使用できる什器システムを構成する。但し、作業用什器1は、1台で使用してもよい。
【0016】
作業用什器1は、コア部材10と、ソファユニット11と、天板付什器12と、上段棚板13と、下段棚板14と、を備えている。
【0017】
<コア部材10>
図2に示すように、コア部材10は、前後方向を厚さ方向とする枠状部材である。具体的に、コア部材10は、一対の支柱(第1支柱20及び第2支柱21)と、ダクト部材22,23と、横架材24,25と、取付機構26,27と、スペーサ28,29と、を備えている。
支柱20,21は、床面F上において左右方向に離間した位置から上方に立設された角筒状に形成されている。第1支柱20は、支柱ベース30及びハブ支柱31が左右方向に組み合わされて構成されている。
【0018】
図3は、図2のIII-III線に沿う断面図である。
図3に示すように、支柱ベース30は、平面視において、左右方向に扁平し、かつ左右方向の外側(作業用什器1の中心から離間する側)に開口するC字状に形成されている。支柱ベース30は、アジャスタ等を介して床面Fに接地している。支柱ベース30は、第1支柱20の前壁及び後壁の一部、並びに左壁を構成する。支柱ベース30の前壁及び後壁には、第1溝37が形成されている。第1溝37は、上下方向に沿って直線状に延在している。
【0019】
図4は、図1のIV-IV線に沿う断面図である。
図4に示すように、支柱ベース30には、左右方向に貫通する配線挿通口(上側配線挿通口35及び下側配線挿通口36)が形成されている。上側配線挿通口35は、支柱ベース30のうち、上下方向の中心よりも上方に位置する部分に形成されている。下側配線挿通口36は、支柱ベース30のうち、上下方向の中心よりも下方に位置する部分に形成されている。
【0020】
ハブ支柱31は、支柱ベース30を左右方向の外側からあてがうようにして、支柱ベース30に沿って上下方向に延在している。ハブ支柱31は、引き回し部31aと、延長部31bと、を備えている。
【0021】
図3に示すように、引き回し部31aは、平面視において、前後方向の幅が支柱ベース30と同等で、かつ左右方向の幅が支柱ベース30よりも広い角筒状に形成されている。引き回し部31aは、上下方向において、支柱ベース30の全長に亘って延在している。なお、第1支柱20は、少なくとも支柱ベース30が接地していればよい。この場合、ハブ支柱31は、例えば上述したアジャスタの高さ分、床面Fから離間していてもよい。
【0022】
引き回し部31aは、ハブベース33と、カバーパネル34と、を備えている。
ハブベース33は、左右方向の外側に開口する平面視でC字状に形成されている。すなわち、ハブベース33の前壁及び後壁は、支柱ベース30の前壁及び後壁とともに、第1支柱20の前壁及び後壁を構成する。本実施形態において、ハブベース33は、ねじ止めや係止等によって支柱ベース30に対して着脱可能に組み付けられている。
【0023】
カバーパネル34は、ハブベース33を左右方向の外側から覆っている。すなわち、カバーパネル34は、第1支柱20の右壁を構成している。本実施形態において、カバーパネル34は、ねじ止めや係止等によってハブベース33に対して着脱可能に組み付けられている。引き回し部31aの内側は、インフラ線(例えば、後述する配線L1,L2)が挿通可能な第1支柱挿通空間S1を構成している。本実施形態において、第1支柱挿通空間S1は、引き回し部31aにおける上下方向の全長に亘って形成されている。
【0024】
図4に示すように、ハブベース33には、左右方向に貫通する配線引出口(上側配線引出口38及び下側配線引出口39)が形成されている。上側配線引出口38は、上述した上側配線挿通口35と同等の高さに位置している。下側配線引出口39は、上述した下側配線挿通口36と同等の高さに位置している。
【0025】
延長部31bは、引き回し部31aと同様に、ハブベース40及びカバーパネル41によって角筒形状に形成されている。延長部31bは、下端縁を引き回し部31aの上端縁に突き合せた状態で、引き回し部31aに対して直線状に連結されている。延長部31bの内側は、第1支柱挿通空間S1に連通する延長空間S2を構成している。
【0026】
図5は、図1のV-V線に沿う断面図である。
図5に示すように、第2支柱21は、第1支柱20よりも左右方向に扁平した角筒状に形成されている。第2支柱21は、支柱ベース43及びカバーパネル44が左右方向に組み合わされて構成されている。
支柱ベース43は、第1支柱20と同様に、平面視において左右方向の外側に開口するC字状に形成されている。支柱ベース43は、アジャスタ等を介して床面Fに接地している。支柱ベース43は、第2支柱21の前壁及び後壁の一部、並びに右壁を構成する。支柱ベース43の前壁及び後壁には、第2溝45が形成されている。第2溝45は、上下方向に沿って直線状に延在している。
【0027】
図4に示すように、支柱ベース43には、左右方向に貫通する配線挿通口(上側配線挿通口47及び下側配線挿通口48)が形成されている。上側配線挿通口47は、上述した上側配線挿通口35と同等の高さに形成されている。下側配線挿通口48は、上述した下側配線挿通口36と同等の高さに形成されている。
【0028】
図5に示すように、カバーパネル44は、支柱ベース43を左右方向の外側から覆っている。すなわち、カバーパネル44は、第2支柱21の左壁を構成している。カバーパネル44は、支柱ベース43に対して着脱可能に組み付けられている。第2支柱21の内側は、インフラ線等が挿通可能な第2支柱挿通空間S3を構成している。
【0029】
このように、本実施形態では、第1支柱20において、支柱ベース30及びカバーパネル44の間にハブベース33を介在させるだけで、第1支柱挿通空間S1を確保することができる。すなわち、各支柱20,21において、支柱ベース30,43及びカバーパネル34,44を共通部材とした上で、ハブ支柱31の有無やハブ支柱31の左右位置を適宜変更することができる。
【0030】
ダクト部材22,23のうち、第1ダクト部材22は、各支柱20,21における支柱ベース30,43の上端部同士を架け渡している。第1ダクト部材22は、上下方向に扁平した角筒状に形成されている。第1ダクト部材22の内側は、インフラ線等が挿通可能な第1ダクト挿通空間S4が形成されている。第1ダクト挿通空間S4は、各支柱ベース30,43の上端部にそれぞれ形成された切欠き部30a,43aを通じて支柱挿通空間S1,S3に連通している。
【0031】
図6は、図1のVI-VI線に沿う断面図である。図7は、図1のVII-VII線に沿う断面図である。
図6図7に示すように、ダクト部材22,23のうち、第2ダクト部材23は、上述した上側配線挿通口35,47と同等の高さにおいて、支柱20,21同士の間を接続している。第2ダクト部材23は、角筒状に形成されている。第2ダクト部材23の内側は、各配線挿通口35,47を通じてインフラ線等が挿通可能な第2ダクト挿通空間S5を構成している。
【0032】
図4図7に示すように、第2ダクト部材23の前壁及び後壁には、接続部50が設けられている。接続部50は、例えばコンセントプラグの受けである。接続部50は、第2ダクト部材23の前壁及び後壁において、左右方向に間隔をあけて配設されている。接続部50の受け口は、第2ダクト部材23の前壁上及び後壁上でそれぞれ開口している。なお、接続部50は、USB(Universal Serial Bus)コネクタ、LAN(Local Area Network)コネクタ等の受けであってもよい。
【0033】
図2図6に示すように、本実施形態において、横架材24,25は、第1横架材24及び第2横架材25である。各横架材24,25は、例えば下方に開口するC字状断面に形成されている。但し、横架材24,25は、筒状等に形成されていてもよい。
第1横架材24は、上述した下側配線挿通口36,48よりも上方で、かつ第2ダクト部材23よりも下方において、支柱20,21同士を架け渡している。
第2横架材25は、上述した下側配線挿通口36,48よりも下方において、支柱20,21同士を架け渡している。したがって、第2横架材25の上方には、下側配線挿通口36,48を通じて引き出されたインフラ線L1~L3が通過可能に構成されている。第2横架材25には、上下方向に貫通する貫通孔52(図2参照)が左右方向に間隔をあけて複数形成されている。なお、ダクト部材22,23や横架材24,25の位置や数等は、適宜変更が可能である。
【0034】
図2図3に示すように、取付機構26、27は、前側取付機構26及び後側取付機構27である。前側取付機構26は、第1支柱20の右壁及び第2支柱21の左壁における前端部にそれぞれ設けられている。前側取付機構26は、支柱20,21及びソファユニット11を連結する。
後側取付機構27は、及び第1支柱20の右壁及び第2支柱21の左壁における後端部にそれぞれ設けられている。後側取付機構27は、支柱20,21及び天板付什器12を連結する。なお、各取付機構26,27は前後対称の構成をなしているため、以下の説明では前側取付機構26を例にして説明する。
【0035】
前側取付機構26は、上側ステー60及び下側ステー61を一対ずつ備えている。
上側ステー60は、左右方向の内側に向かうに従い前方に突出するようにクランク状に折り曲げられている。上側ステー60における基端部(左右方向の外側端部)は、対応する支柱20,21に例えばねじ止め等によって固定されている。上側ステー60の先端部(左右方向の内側端部)は、支柱20,21よりも前方に突出している。
【0036】
下側ステー61は、第1支柱20の左壁及び第2支柱21の右壁において、上側ステー60よりも下方に位置するする部分に取り付けられている。下側ステー61は、左右方向の内側に向かうに従い前方に突出するようにクランク状に折り曲げられている。下側ステー61における基端部は、対応する支柱20,21に例えばねじ止め等によって固定されている。下側ステー61の先端部(左右方向の内側端部)は、支柱20,21よりも前方に突出している。但し、各ステー60,61は、支柱20,21から前後方向に突出しないように構成してもよい。
【0037】
図1図6に示すように、上述したスペーサ28,29のうち、第1スペーサ28は、各支柱20,21のうち、第1ダクト部材22の下方であって、第2ダクト部材23の上方に位置する部分を架け渡している。第1スペーサ28は、例えば下方に開口するC字状断面に形成されている。第1スペーサ28の上面は、前後方向の全体に亘って上下方向に直交する平坦面に形成されている。
【0038】
上述したスペーサ28,29のうち、第2スペーサ(閉塞部)29は、各支柱20,21のうち、第2ダクト部材23の下方であって、第1横架材24の上方に位置する部分を架け渡している。第2スペーサ29は、例えば下方に開口するC字状断面に形成されている。第2スペーサ29の上面は、前後方向の全体に亘って上下方向に直交する平坦面に形成されている。
【0039】
図4に示すように、本実施形態において、上述したインフラ線は、複数の配線(第1配線L1及び第2配線L2)を備えている。各配線L1,L2は、例えば施設の天井面から下方に引き出された後、延長部31bの上端開口部を通じてコア部材10内に進入している。第1配線L1は、延長部31b内(延長空間S2)を通過した後、引き回し部31a内(第1支柱挿通空間S1)を下方に延在している。その後、第1配線L1は、上側配線引出口38及び上側配線挿通口35を通じて第2ダクト部材23内(第2ダクト挿通空間S3)に進入している。第1配線L1の先端部には、テーブルタップ63が設けられている。テーブルタップ63は、第2ダクト部材23内に設置されている。テーブルタップ63には、複数の分岐配線64が接続されている。各分岐配線64は、上述した接続部50に各別に接続されている。
【0040】
第2配線L2は、延長部31b内(延長空間S2)を通過した後、第1ダクト部材22内(第1ダクト挿通空間S4)を通じて第2支柱21内(第2支柱挿通空間S3)に進入している。第2配線L2は、配線挿通口47を通じて第2ダクト部材23内(第2ダクト挿通空間S5)に進入している。第2配線L2の先端部には、テーブルタップ65が設けられている。テーブルタップ65は、第2ダクト部材23内に設置されている。テーブルタップ65には、複数の分岐配線66が接続されている。各分岐配線66は、上述した接続部50に各別に接続されている。なお、本実施形態において、インフラ線は、電源線や情報線等の各種配線以外に、水道管やガス管等の各種配管等であってもよい。
【0041】
<ソファユニット11>
図1に示すように、ソファユニット11は、コア部材10に対して前方に配置されている。ソファユニット11は、下部構造体70と、下部構造体70に支持された着座部71と、を備えている。
下部構造体70は、例えば左右一対の脚体70aと、脚体70aの左右方向の内側端部同士を接続する奥側フレーム70b(図3参照)と、を含んでいる。
脚体70aは、平面視において、左右方向を厚さ方向とする板状に形成されている。各脚体70aうち、一方の脚体70aは第1支柱20と前後方向で対向し、他方の脚体70aは第2支柱21と前後方向で対向している。ソファユニット11は、脚体70aを介して床面Fに接地している。
【0042】
奥側フレーム70bは、前後方向を厚さ方向とする板状に形成されている。図3に示すように、奥側フレーム70bは、一対の脚体70aにおける前後方向の内側端縁に対して前後方向の外側に位置している。
【0043】
図1に示すように、着座部71は、座71aと、背凭れ71bと、を備えている。座71a及び背凭れ71bは、例えばフレーム上に設けられたクッション材が外皮に覆われて構成されている。
座71bは、下部構造体70上において、脚体70aの上端部同士の間を架け渡している。
【0044】
背凭れ71bは、座71aの後端部から上方に立設されている。背凭れ71bの下端部は、座71aの後端部に締結部材等を用いて連結されている。背凭れ71bの上端縁は、コア部材10の上端よりも下方に位置している。具体的に、本実施形態では、背凭れ71bの上端縁が第2ダクト部材23よりも下方であって、第2スペーサ29の上面と同等の位置に配置されている。
【0045】
ソファユニット11は、上述した前側取付機構26を介してコア部材10に固定されている。具体的に、ソファユニット11は、下部構造体70の奥側フレーム70bや背凭れ71bにおいて、ステー60,61にねじ止めされることでコア部材10に固定されている。これにより、ソファユニット11は、コア部材10(支柱20,21)に前方から近接又は当接した状態で配置される。なお、ソファユニット11と各前側取付機構26との固定方法は、ねじ止めに限らず、フック部による係止、凹凸嵌合等、適宜変更が可能である。
【0046】
<天板付什器12>
図1図6に示すように、天板付什器12は、コア部材10に対して後側に取り付けられている。天板付什器12は、例えば天板固定式の実験台である。天板付什器12は、支持構造体81と、天板82と、を備えている。
支持構造体81は、平面視において、後方に開口するC字状に形成されている。具体的に、支持構造体81は、左右一対の脚体83と、脚体83における前後方向の内側端部同士を接続する奥幕板84と、を備えている。なお、天板付什器12は、天板昇降式の実験台や棚、引き出し等であってもよい。
【0047】
脚体83は、左右方向を厚さ方向とする板状に形成されている。各脚体83の上端縁は、第1横架材24よりも上方に位置している。各脚体83のうち、一方の脚体83は第1支柱20と前後方向で対向し、他方の脚体83は第2支柱21と前後方向で対向している。
【0048】
奥幕板84は、前後方向を厚さ方向とする板状に形成されている。図3に示すように、奥幕板84は、一対の脚体83における前後方向の内側端縁に対して前後方向の外側に位置している。
【0049】
奥幕板84は、上述した後側取付機構27を介してコア部材10に固定されている。具体的に、奥幕板84は、各ステー60,61の先端部が奥幕板84における左右方向の両端部にねじ止めされることでコア部材10に固定されている。これにより、天板付什器12は、コア部材10に後方から近接又は当接した状態で配置される。なお、奥幕板84は、床面Fに接地していても、接地していなくてもよい。
【0050】
天板82は、脚体83及び奥幕板84の上端縁上に上方から支持される。天板82の上面は、上述した第2スペーサ29の上面を経て背凭れ71bの上端縁に滑らかに連なっている。すなわち、第2スペーサ29は、ソファユニット11及び天板付什器12の間を架け渡し、ソファユニット11及び天板付什器12の間の隙間を上方から閉塞している。支柱20,21、第2ダクト部材23及び第2スペーサ29で囲まれた部分は、コア部材10を前後方向に開口する開口部86を構成する。この場合、第2スペーサ29は、開口部86の下端縁を構成している。この場合、第2スペーサ29の上面は、例えば接続部50に接続された電子機器(スマートフォン等)が載置される物品載置面として機能する。
【0051】
<棚板13,14>
図1図6に示すように、上段棚板13は、各支柱20,21のうち、第2ダクト部材23よりも上方に位置する部分に、前後一対で設けられている。各上段棚板13は、上段載置部91と、取付ブラケット92と、を備えている。
【0052】
上段載置部91は、左右方向に沿って延在している。上段載置部91の上面は、物品を載置可能に構成されている。本実施形態において、上段棚板13の上面は、上述した第1スペーサ28の上面と面一に設定されていることが好ましい。これにより、前後一対の上段棚板13の上面同士が、第1スペーサ28の上面を介して一体に連なる。
【0053】
取付ブラケット92は、上段載置部91における左右両端部に位置している。各上段棚板13のうち、前側に位置する上段棚板13の取付ブラケット92は、上述した第1溝37内で例えば係止等によって支柱20,21に固定されている。一方、各上段棚板13のうち、後側に位置する上段棚板13の取付ブラケット92は、上述した第2溝45内で例えば係止等によって支柱20,21に固定されている。これにより、上段棚板13は、各支柱20,21間を架け渡した状態で、コア部材10に支持されている。
【0054】
下段棚板14は、各支柱20,21のうち、第2ダクト部材23と同等の高さに、前後一対で設けられている。各下段棚板14は、下段載置部95と、取付ブラケット96と、を備えている。
【0055】
下段載置部95は、左右方向に沿って延在している。下段載置部95の上面は、物品を載置可能に構成されている。本実施形態において、下段棚板14の上面は、第2ダクト部材23の上面と面一に設定されていることが好ましい。これにより、前後一対の下段棚板14の上面同士が、第2ダクト部材23の上面を介して一体に連なる。
【0056】
取付ブラケット96は、下段載置部95における左右両端部に位置している。各下段棚板14のうち、前側に位置する下段棚板14の取付ブラケット96は、上述した第1溝37内で例えば係止等によって支柱20,21に固定されている。一方、各下段棚板14のうち、後側に位置する下段棚板14の取付ブラケット96は、上述した第2溝45内で例えば係止等によって支柱20,21に固定されている。これにより、下段棚板14は、各支柱20,21間を架け渡した状態で、コア部材10に支持されている。
【0057】
このように、本実施形態では、コア部材10に対して前後方向の一方側に天板付什器12が配置され、前後方向の他方側にソファユニット11が配置される構成とした。
この構成によれば、例えば天板付什器12は使用者が実験等に供する作業台として、ソファユニット11は使用者同士のコミュニケーションや休息の場として利用することができる。したがって、作業用什器1の使用者に対し、天板付什器12による作業空間、及びソファユニット11によるリラックス空間の双方を提供することができる。しかも、本実施形態では、コア部材10の上端縁がソファユニット11の背凭れ71bよりも上方に位置している。そのため、作業空間及びリラックス空間をコア部材10により仕切ることができ、各什器の使い勝手を向上させることができる。
特に、コア部材10が床面Fから立設されているので、作業用什器1全体としての統一感も向上させることができる。
よって、全体の統一感や各什器の使い勝手を向上させた上で、作業空間とリラックス空間とを切り分けることができる。
【0058】
本実施形態では、コア部材10の上端縁が天板72の上面よりも上方に位置している構成とした。
この構成によれば、天板付什器12を使用する使用者からソファユニット11を見え難くすることができ、作業空間とリラックス空間とをより仕切られた空間として確保し易くなる。
【0059】
本実施形態では、コア部材10のうち、背凭れ71bよりも上方に位置する部分に接続部50が設けられている構成とした。
この構成によれば、例えばソファユニット11の使用者が自身の所有する電子機器等の充電に接続部50を利用できる。これにより、使い勝手を向上させることができる。
【0060】
本実施形態では、コア部材10は、開口部86の下端縁を構成するとともに、天板付什器12の天板82とソファユニット11の背凭れ71bの間を架け渡す第2スペーサ29を備えている構成とした。
この構成によれば、天板付什器12とソファユニット11との隙間に物品や液体等が進入するのを抑制できるとともに、第2スペーサ29の上面を物品載置面として利用することができる。これにより、作業用什器1としての体裁を向上させた上で、使い勝手を向上させることができる。
【0061】
(変形例)
図8は、変形例に係る作業用什器1の斜視図である。本変形例では、コア部材100を板状に形成した点で上述した実施形態と相違している。
図8に示す作業用什器1において、コア部材100は、実施形態のコア部材10に比べて高さが低くなっていてもよい。コア部材100は、上述した開口部86(図1等参照)を閉塞する仕切パネル101を備えている。
仕切パネル101は、前後方向を厚さ方向とする板状に形成されている。仕切パネル101は、第2ダクト部材23の下方に位置する部分で、支柱20,21間を架け渡すように設けられている。これにより、ソファユニット11における背凭れ71bと第2ダクト部材23との間、天板付什器12における天板82と第2ダクト部材23との間が前後方向に仕切られる。
【0062】
このように、本実施形態では、コア部材100を板状に形成することで、作業空間とリラックス空間をより仕切られた空間として確保し易くなる。この場合、例えば天板付什器12からソファユニット11側への液体や物品の移動をコア部材100で遮ること等も可能である。
【0063】
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
上述した実施形態では、コア部材が背凭れ71b及び天板82よりも高い構成について説明したが、この構成に限られない。コア部材は、少なくとも背凭れ71bよりも高い構成であればよい。この場合、例えば図9に示すように、高さの異なるコア部材10を左右方向に並べてもよい。
上述した実施形態では、コア部材における左右方向の幅全体に対して一つの機能構成要素(ソファユニット11や天板付什器12)が取り付けられる構成について説明したが、この構成に限られない。機能構成要素は、コア部材における前後方向の一方側に左右方向に複数並べて取り付けてもよい。
【0064】
上述した実施形態では、コア部材10,100を間に挟んでソファユニット11及び天板付什器12が前後方向で対向する構成について説明したが、この構成に限られない。ソファユニット11及び天板付什器12は、コア部材10,100を間に挟んで前後両側に少なくとも一つずつ配置されていればよい。この場合、図10に示すように、ソファユニット11及び天板付什器12は、前後方向から見て重なり合っていなくてもよい。また、図11に示すように、コア部材10に対して一方側にソファユニット11及び天板付什器12が左右方向に並び、コア部材10に対して他方側にソファユニット11及び天板付什器12が左右方向に並んでいてもよい。
【0065】
上述した実施形態では、延長空間S2を通じて上方からインフラ線が引き出される構成について説明したが、この構成に限られない。インフラ線は、床面Fからコア部材10に引き入れてもよい。
【0066】
上述した実施形態では、コア部材10が支柱20,21から前後両側に突出する脚部を備えない構成について説明したが、この構成に限られない。例えば、機能構成要素が取り付けられる前の仮止め用の補助脚等であれば、コア部材10の下端部に設けることが可能である。この構成においても、機能構成要素と干渉しない程度の突出量に補助脚の長さを制限できるので、カスタマイズ性の向上を図ることができる。
【0067】
上述した実施形態では、コア部材10にソファユニット11及び天板付什器12が固定された構成について説明したが、この構成に限られない。ソファユニット11及び天板付什器12は、コア部材10に前後方向で近接する構成であれば、コア部材10に固定されていなくてもよい。この場合、コア部材10は、自立可能に構成してもよい。
上述した実施形態では、ソファユニット11及び天板付什器12の左右方向における全体がコア部材10に対向する構成について説明したが、この構成に限られない。ソファユニット11及び天板付什器12は、左右方向の少なくとも一部でコア部材10に対向していればよい。
【0068】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1…作業用什器
10…コア部材
11…ソファユニット
12…天板付什器
29…第2スペーサ(閉塞部)
71b…背凭れ
81…支持構造体
82…天板
86…開口部
96…取付ブラケット
L1…第1配線(インフラ線)
L2…第2配線(インフラ線)
S1…第1支柱挿通空間(挿通空間)
S2…延長空間(挿通空間)
S3…第2支柱挿通空間(挿通空間)
S4…第1ダクト挿通空間(挿通空間)
S5…第2ダクト挿通空間(挿通空間)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11