(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】受信機
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20231227BHJP
G08B 23/00 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
G08B17/00 L
G08B17/00 G
G08B23/00 510Z
(21)【出願番号】P 2019154460
(22)【出願日】2019-08-27
【審査請求日】2022-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【氏名又は名称】高田 尚幸
(72)【発明者】
【氏名】島本 夏希
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-258779(JP,A)
【文献】特開2019-028679(JP,A)
【文献】特開2019-079898(JP,A)
【文献】特開2016-192066(JP,A)
【文献】特開2000-268267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00
G08B 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物又は敷地で発生した所定の事象を検出した信号により発光する光源の光を、区画図上の所定位置に投影することによって前記事象及び前記事象が発生した場所を提示するための表示シートを筐体の表面に備えた受信機であって、
前記区画図を表示した表示シートと、
前記表示シートを表側で保持する光源パネルと、
を備え、
前記光源パネルの裏側には、前記区画図の所定位置を裏面から投影する前記光源が配置され、
前記光源パネルには、表裏方向からみて所定の取り付け位置に位置決めされた前記表示シートと対応する位置に形成された位置合わせ部を有
し、
前記筐体は、前記表示シートの下端部を上方から当接させて位置決めする下端位置決め部を備えることを特徴とする受信機。
【請求項2】
建物又は敷地で発生した所定の事象を検出した信号により発光する光源の光を、区画図上の所定位置に投影することによって前記事象及び前記事象が発生した場所を提示するための表示シートを筐体の表面に備えた受信機であって、
前記区画図を表示した表示シートと、
前記表示シートを表側で保持する光源パネルと、
を備え、
前記光源パネルの裏側には、前記区画図の所定位置を裏面から投影する前記光源が配置され、
前記光源パネルには、表裏方向からみて所定の取り付け位置に位置決めされた前記表示シートと対応する位置に形成された位置合わせ部を有し、
前記位置合わせ部は
、側端部
の一部に形成された定規部であることを特徴とする受信機。
【請求項3】
建物又は敷地で発生した所定の事象を検出した信号により発光する光源の光を、区画図上の所定位置に投影することによって前記事象及び前記事象が発生した場所を提示するための表示シートを筐体の表面に備えた受信機であって、
前記区画図を表示した表示シートと、
前記表示シートを表側で保持する光源パネルと、
を備え、
前記光源パネルの裏側には、前記区画図の所定位置を裏面から投影する前記光源が配置され、
前記光源パネルには、表裏方向からみて所定の取り付け位置に位置決めされた前記表示シートと対応する位置に形成された位置合わせ部を有し、
前記光源パネルの
少なくとも一部の角部には、切欠部が形成され、
前記切欠部の一部に定規部が設けられており、
前記定規部が前記位置合わせ部として機能することを特徴とする受信機。
【請求項4】
建物又は敷地で発生した所定の事象を検出した信号により発光する光源の光を、区画図上の所定位置に投影することによって前記事象及び前記事象が発生した場所を提示するための表示シートを筐体の表面に備えた受信機であって、
前記区画図を表示した表示シートと、
前記表示シートを表側で保持する光源パネルと、
を備え、
前記光源パネルの裏側には、前記区画図の所定位置を裏面から投影する前記光源が配置され、
前記光源パネルには、表裏方向からみて所定の取り付け位置に位置決めされた前記表示シートと対応する位置に形成された位置合わせ部を有し、
前記筐体は、前記光源パネルの下端部を係止する光源パネル下端部係止部を備え、
前記光源パネルは、前記光源パネル下端部係止部に前記光源パネルを係止させたとき、撓み変形により前記光源パネルの上端側を開放可能とし、前記表示シートが交換可能に設けられていることを特徴とす
る受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物や敷地等で火災等が発生した場合に、集中管理室に火災等が発生したこと及び発生場所等を認知させるために、火災感知器等から受け取った検出信号により、区画図上の火災等の発生場所に対応する位置に配置された光源を発光させる表示部分を持った受信機(表示装置)が設置されている。このような受信機として、例えば特許文献1に示されるような、建物や敷地等で発生した所定の事象を感知器等で検出した信号や、それに伴い作動した防排煙設備等の作動状態を伝える信号により、LEDを発光させる表示装置を備えたものが知られている。
【0003】
特許文献1には、LEDの光を、複数の区画域と文字情報とを含む表示図形上の所定の位置(感知器や防排煙設備等の対象区画や配置場所)に投影することによって、事象の発生、事象が発生した場所や設備の作動状況等を提示する受信機の表示装置について記載されている。LEDは接着シートにより固定され、容易に位置変更が可能である。LEDの光は、遮光筒、表示図形の形状に合わせて形作られた導光パネル、反射フィルム及び反射テープ等を用いて、方向や範囲が制御され、表示図形上の対応する位置に投影されている。
【0004】
このような受信機では、区画図(地図)を表示した表示シートが表示装置の表示部の裏面側から差し替え可能で、その表示シートが複数のLEDが接着シートにより貼り付けられて固定された透明の光源パネルによって表面側に押さえつけられた状態で配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の受信機では、以下のような問題があった。
すなわち、従来の受信機の表示装置では、表示シートが表示装置の表示部の裏面側から差し替え可能な構成になっている。例えば、表示シートに記載される区画図のうち一部を修正したり変更する場合でも表示シートを差し替える必要がある。このような場合には、表示シートの裏面側の透明な光源パネルにはLEDが貼り付けられた状態であるから、この所定位置にLEDが固定されている光源パネルをそのまま利用することが効率的である。ところが、光源パネルに対して表示シートがずれた位置に配置されると、表示シートに記載される区画図のうち投影させたい所定の位置でLEDを発光させることができないという不具合が生じてしまう。
そのため、表示シートを差し替える際には、光源パネルに対する所定位置に表示シートを精度よく位置決め作業に手間と時間がかかり、作業効率が低下していることから、その点で改善の余地があった。
【0007】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、表示シートの位置決めを容易にかつ精度よく行うことができ、表示シートの差し替え作業を効率よく行うことができる受信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る受信機は、建物又は敷地で発生した所定の事象を検出した信号により発光する光源の光を、区画図上の所定位置に投影することによって前記事象及び前記事象が発生した場所を提示するための表示シートを筐体の表面に備えた受信機であって、前記区画図を表示した表示シートと、前記表示シートを表側で保持する光源パネルと、を備え、前記光源パネルの裏側には、前記区画図の所定位置を裏面から投影する前記光源が配置され、前記光源パネルには、表裏方向からみて所定の取り付け位置に位置決めされた前記表示シートと対応する位置に形成された位置合わせ部を有することを特徴としている。
【0009】
本発明では、表示シートを差し替える際に、表示シートを光源パネルの位置合わせ部にに一致させることで、表裏方向からみて左右方向の位置を容易にかつ精度よく位置決めすることができる。これにより、表示シートを光源パネルの表面側の所定の取り付け位置で位置決めさせることができ、表示シートが光源パネルに対してずれた位置で配置されることを防ぐことができる。
そのため、本発明では、表示シートに記載される区画図のうち光源によって投影させたい所定の位置を、光源パネルの光源の位置に一致させて配置することができることから、表示シートの差し替え作業を効率よく行うことができる。
【0010】
また、本発明に係る受信機は、前記筐体は、前記表示シートの下端部を上方から当接させて位置決めする下端位置決め部を備えることを特徴としてもよい。
【0011】
この場合には、表示シートを差し替える際に、表示シートの下端部を筐体の下端位置決め部に上方から当接させて上下方向の位置を位置決めした後に、上述したように表示シートを光源パネルの位置合わせ部に一致させることができるので、左右方向の位置をより容易にかつ精度よく位置決めすることができる。
【0012】
また、本発明に係る受信機は、前記位置合わせ部は、少なくとも一方の側端部と同じ位置に形成された定規部であることが好ましい。
【0013】
このような構成とすることで、上述したように表示シートの少なくとも一方の側端部を光源パネルの定規部に合せた位置に一致させることができるので、左右方向の位置をより容易にかつ精度よく位置決めすることができる。
【0014】
また、本発明に係る受信機は、前記定規部は、前記光源パネルの上角部に設けられていることを特徴としてもよい。
【0015】
このような構成とすることで、光源パネルの上角部の定規部と、表示シートの側端部のうち上部と、を一致させて位置決めすることができる。この場合には、表示シートにおける位置決め箇所が上部に位置しているので、目視による位置決め作業がし易く、表示シートの差し替え作業をより効率的に行うことができる。
【0016】
また、本発明に係る受信機は、前記光源パネルは、前記表示シートを所定の取り付け位置に位置決めした状態で前記筐体に係止部材によって着脱可能に係止されることを特徴としてもよい。
【0017】
この場合には、表示シートを所定の取り付け位置に位置決めした後、光源パネルを係止部材によって筐体に係止することで、光源パネルと筐体との間に表示シートを保持することができる。
【0018】
また、本発明に係る受信機は、前記光源パネルの上角部には、切欠部が形成され、前記切欠部の一部に前記定規部が設けられている構成であってもよい。
【0019】
この場合には、表示シートを差し替える作業の際に、光源パネルの上角部に形成された切欠部に指を進入させることができるので、光源パネルの着脱作業がし易い。
また、表示シートの側端部の位置に合せた定規部が切欠部の一部であるので、定規部と表示シートの側端部とを合わせる位置が見やすく、差し替え作業を効率よく行うことができる。
【0020】
また、本発明に係る受信機は、前記筐体は、前記光源パネルの下端部を係止する光源パネル下端部係止部を備え、前記光源パネルは、前記光源パネル下端部係止部に前記光源パネルを係止させたとき、撓み変形により前記光源パネルの上端側を開放可能とし、前記表示シートが交換可能に設けられていることを特徴としてもよい。
【0021】
この場合には、光源パネルの下端部を光源パネル下端部係止部で係止したまま、光源パネルの上端側を撓み変形させることにより光源パネルの上側を開いて筐体との間に表示シートを出し入れ可能な空間を形成することができる。そのため、光源パネルを取り外すことなく表示シートの差し替えを行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の受信機によれば、表示シートの位置決めを容易にかつ精度よく行うことができ、表示シートの差し替え作業を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態による受信機を斜め正面から見た斜視図である。
【
図2】
図1に示す受信機の開状態時の斜視図である。
【
図3】
図1に示す受信機の地図部の分解斜視図である。
【
図4】扉部の裏面側で表示シートを取り付ける作業状態を示した斜視図である。
【
図5】扉部の裏面側から地図部の光源パネルを見た背面図である。
【
図6】光源パネルを取り外す作業状態を示した斜視図である。
【
図7】光源パネルの切欠部の構成を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態による受信機について、図面に基づいて説明する。
【0025】
図1に示す本実施形態による受信機1は、建物や敷地等で火災等が発生した場合に、集中管理室に火災等が発生したこと及び発生場所等を認知させるために、火災感知器等から受け取った検出信号により、区画
図4上の火災等の発生場所に対応する位置に配置された光源を発光させる表示部分を有している。すなわち、受信機1は、建物又は敷地で発生した所定の事象を検出した信号により発光する光源の光を、区画
図4上の所定位置に投影することによって事象及び事象が発生した場所を提示するための表示シート21を筐体10の表面に備えた構成となっている。
【0026】
受信機1は、筐体10と、地図部2と、操作表示パネル部3と、を備えている。
筐体10は、配線を収容可能な本体部11と、本体部11の表面を開閉可能な扉部12(
図3参照)と、を備えている。扉部12は、本体部11の側部に対して図示しないヒンジにより開閉可能に接続されている。
【0027】
ここで、受信機1において、表示面(後述する表示シート21の表示部21a)に直交する方向を表裏方向とし、表裏方向で表示部21aを正面から見る側を表側又は正面側とし、その表側の反対側を裏側とする。また、表裏方向に直交する水平方向を左右方向として以下説明する。
【0028】
本体部11は、
図2に示すように、扉部12が配設される面に開口部11aを有する箱形状に形成されている。本体部11には、本体基板13と、外線14と、外線ダクト15が収納されている。
【0029】
外線14は、図示しない火災感知器や防排煙設備等の端末機器からの検出信号や作動状態を伝える信号等、外部からの信号や電力供給を受信機1が受け取るためのものであり、一端が端末機器や電源に接続されており、他端が本体部11に引き込まれ、本体基板13に接続されている。
外線ダクト15は、本体部11内の本体基板13への各接続箇所に引き回した外線14を保護、整理及び収容するために設けられている。
本体基板13は、外線14を介して端末機器からの信号を受け取って処理を行い、地図部配線28や操作表示パネル部配線33を介して、地図部基板26や操作表示パネル部基板32に制御信号を送る。
【0030】
扉部12は、
図2に示すように、板状に形成され、本体部11の開口部11aに対向する後面12aに、ボス穴12bと、ビス穴12cと、が形成されている(
図4参照)。扉部12には、地図部2と、操作表示パネル部3と、が配設されている。
【0031】
図3に示すように、地図部2は、筐体10の扉部12に設けられた透明板20と、表示シート21と、光源パネル22と、光源23と、押え板24と、を備えている。さらに、地図部2は、地図部基板26と、内線ダクト27と、地図部配線28と、を備えている。
【0032】
透明板20は、筐体10の扉部12の板面に形成された開口12dに取り付けられている。透明板20は、ガラスやアクリルなどの透明な材料を用いることができ、表示シート21の表示部21aを汚れや傷等から保護するために設けられている。
【0033】
表示シート21は、地図フィルム21Aと、背景シート21Bと、を備えている。地図部2は、設置時の状態において、正面視して表示シート21の地図フィルム21A、背景シート21B、光源パネル22、及び光源23が表面から裏面に向けた順番で配置されている。
表示シート21は、正面視で矩形形状に形成されている。
【0034】
地図フィルム21Aは、正面視して透明板20の裏側に配置されており、透明な樹脂フィルムで形成され、表面が表示部21aとなり、表示部21aに建物や敷地の区画
図4が印刷されたものである。区画
図4の中には、区画割りの他に、防排煙設備等の設備の配置や、例えば、区画に対応した番号又は記号や、防排煙設備等の設備に対応した番号又は記号が描かれている。これらの記号は、光源23の光を投影する対象である点灯記号21Lとなる。なお、地図フィルム21Aへの区画
図4の印刷は、レーザプリントやインクジェットプリント等の方法による印刷でよく、事務用のプリンタ等で行うことが可能である。
表示シート21の背景シート21Bは、正面視して地図フィルム21Aの裏に配置されており、例えば、透明な樹脂のシートを、UV印刷等により半透明に塗色したものである。
【0035】
光源パネル22は、
図4乃至
図6に示すように、正面視して背景シート21Bの裏に配置されており、透明な板材であり、例えば、ガラスやアクリルなどを用いることができる。光源パネル22は、表示シート21を表側の所定の取り付け位置に位置決めさせた状態で保持するものである。具体的に光源パネル22は、光源パネル22に形成された図示しない貫通孔を通してビス22a(係止部材)を扉部12に形成されているビス穴12c(
図3参照)に螺合することによって、地図フィルム21A及び背景シート21Bを扉部12に押えつけながら固定される。
【0036】
ビス22aは、例えば、光源パネル22の裏面側から裏側に引く(
図6の符号E方向)ことでビス穴12cから緩んだ状態で外れて光源パネル22を筐体10(扉部12)から離脱でき、外れた状態から表側に押し込むことでビス穴12cにワンタッチで係止できる構成のものを採用できる。
表示シート21を差し替える際には、上側のビス22aのみビス穴12cから外して、下側のビス22aは緩んだ状態のみとしておくことで、
図6に示すように光源パネル22の下端部を係止して符号F方向に撓み変形させて上部側のみを開いた状態にして表示シート21を光源パネル22と透明板20との間で出し入れすることができる。
【0037】
ここで、扉部12の後面12aには、
図4及び
図6に示すように、表示シート21の下端部21bを上方から当接させて上下方向の位置を決めする下端位置決め部16が設けられている。下端位置決め部16は、扉部12の後面12aから後方に向けて突出し、横方向(扉部12の幅方向)に沿って延在している。表示シート21は、下端部21bを下端位置決め部16の上面16a(光源パネル下端部係止部)に当接させて係止することで上下方向に位置決めされる。
【0038】
光源パネル22の四隅に位置する角部には、
図5及び
図6に示すように、それぞれ切欠部22Aが形成されている。切欠部22Aは、
図7に示すように、水平方向に延びる水平部22bと、上下方向に延びる定規部22c(位置合わせ部)と、が形成されている。定規部22cは、表示シート21と対応する位置に形成され、具体的には所定の位置に位置決めされる表示シート21の左右両側の側端部21c、21c(
図3参照)の左右方向の位置を一致させることで位置決めできるように形成されている。
【0039】
表示シート21は、
図3に示すように、地図フィルム21Aの区画
図4に表示される点灯記号21Lの位置と、光源パネル22に固定された光源23の位置とが一致するように位置決めされて配置されている。
【0040】
光源23は、例えばLEDが用いられ、
図3に示す点灯記号21Lの位置に合わせて配置され、図示しない粘着シート等で光源パネル22の裏側に接着される。また、光源23は、地図部配線28を介して地図部基板26に接続されており、本体基板13から地図部基板26に伝達された制御信号に基づいて、発光又は点滅する。
【0041】
押え板24は、
図3及び
図4に示すように、例えば、ネジ24aを、押え板24の四隅に形成された貫通孔24bを通して、扉部12に形成されたボス穴12bに螺合することによって、光源23を光源パネル22に押えつけながら固定される。
【0042】
操作表示パネル部3は、
図1及び
図2に示すように、盤面31と、操作表示パネル部基板32と、操作表示パネル部配線33と、を備えている。
操作表示パネル部3は、盤面31の図示しない操作スイッチが操作表示パネル部配線33を介して操作表示パネル部基板32に接続されている。操作表示パネル部3は、本体部11内の本体基板13から操作表示パネル部基板32に伝達された制御信号に基づいて、図示しないスピーカーにより警報音を発信したり、盤面31に配置された図示しない操作スイッチの操作に基づいて、警報音の停止等をすることが可能である。
【0043】
上述した構成の受信機1では、所定の事象の検出による、受信機1の動作について説明する。検出対象となる事象には、例えば火災の発生がある。
図1は区画
図4の一例である。例えば区画
図4の左側の「(1)」で示される第1区画に対応する区画で火災が発生したことを想定する。火災が発生すると、受信機1に接続された、図示しない火災感知器が火災を検出する。火災感知器からの検出信号は、
図2に示すように、外線14を介して、本体基板13に送られる。
【0044】
次に、地図部基板26から地図部配線28を介して、第1区画に対応する光源23に電源が供給され、第1区画に対応する光源23が発光する。光源23が発光すると、光源23の光が、透明な光源パネル22及び半透明な背景シート21Bを透過し、地図フィルム21Aに印刷された、第1区画に対応した点灯記号21Lに投影される。光源23の光が点灯記号21Lに投影されると、受信機1を正面視した場合に、第1区画に対応した点灯記号21Lが点灯又は点滅して見える。
【0045】
次に、上述した受信機の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態では、
図4~
図6に示すように、表示シート21を差し替える際に、表示シート21の下端部21bを扉部12の下端位置決め部16の上面16aに上方から当接させて上下方向の位置を位置決めするとともに、表示シート21の側端部21cを光源パネル22の定規部22cに合せた位置に一致させて表裏方向からみて左右方向の位置を容易にかつ精度よく位置決めすることができる。これにより、表示シート21を光源パネル22の表面側の所定の取り付け位置で位置決めさせることができ、表示シート21が光源パネル22に対してずれた位置で配置されることを防ぐことができる。
そのため、本実施形態では、表示シート21に記載される区画
図4のうち光源23によって投影させたい所定の位置を、光源パネル22の光源23の位置に一致させて配置することができることから、表示シート21の差し替え作業を効率よく行うことができる。
【0046】
また、本実施形態では、定規部22cが光源パネル22の上角部に設けられているので、その上角部に位置する定規部22cと、表示シート21の側端部21cのうち上部と、を一致させて位置決めすることができる。この場合には、表示シート21における位置決め箇所が上部に位置しているので、目視による位置決め作業がし易く、表示シート21の差し替え作業をより効率的に行うことができる。
【0047】
また、本実施形態では、表示シート21を所定の取り付け位置に位置決めした後、光源パネル22をビス22aによって扉部12に係止することで、光源パネル22と扉部12との間に表示シート21を保持することができる。
【0048】
さらに、本実施形態では、表示シート21を差し替える作業の際に、光源パネル22の上角部に形成された切欠部22Aに指を進入させることができるので、光源パネル22の着脱作業がし易い。
また、表示シート21の側端部21cの位置に合せた定規部22cが切欠部22Aの一部であるので、定規部22cと表示シート21の側端部21cとを合わせる位置が見やすく、差し替え作業を効率よく行うことができる。
【0049】
また、本実施形態では、光源パネル22の下端部を下端位置決め部16の上面16aに当接させて係止したまま、光源パネル22の上端側を撓み変形させることにより光源パネル22の上側を開いて扉部12との間に表示シート21を出し入れ可能な空間を形成することができる。そのため、光源パネル22を取り外すことなく表示シート21の差し替えを行うことができる。
【0050】
上述のように本実施形態による受信機では、表示シート21の位置決めを容易にかつ精度よく行うことができ、表示シート21の差し替え作業を効率よく行うことができる。
【0051】
以上、本発明による受信機の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0052】
例えば、本実施形態では、光源パネル22の四隅の角部に切欠部22Aが形成され、その切欠部22Aの一部に定規部22cが設けられているが、定規部22cの位置や切欠部22Aの位置はこれに限定されることはない。例えば、切欠部22Aは光源パネル22の上角部にのみ設けられていてもよい。また、定規部22cは上角部のみでもよいし、角部に限定されずに上下方向の中央部に配置されていてもよい。さらに定規部22cは、本実施形態では、光源パネル22における左右方向の両側に設けられているが、表示シート21の少なくとも一方の側端部21cと同じ位置に形成されていてもよい。
【0053】
また、本実施形態では、筐体10において表示シート21の下端部を上方から当接させて位置決めする下端位置決め部16を備えているが、この下部位置決め部16を省略することも可能である。
さらに、位置合わせ部として、表示シート21の少なくとも一方の側端部と同じ位置に形成された定規部22cとしているが、定規部22cに代えて他の形態の位置合わせ部を採用することも可能である。
【0054】
また、本実施形態では、光源パネル22の下側のビス22aを緩めて、上側のビス22aを取り外すことで、光源パネル22が下端部を回転中心として回動自在に設けられ、光源パネル22の上部が扉部12に対して着脱可能に固定される構成としているが、このような光源パネルの着脱構造であることに限定されることはない。すなわち、表示シート21を差し替える際に、光源パネル22全体を取り外すようにしてもかまわない。
【0055】
さらに、光源パネル22を表示シート21を挟んだ状態で扉部12に固定する係止手段としてビス22aを採用しているが、他の形態の係止手段を採用してもよい。
【0056】
また、表示シート21や光源23の構成についても、上述した実施形態に限定されることはなく、他の形態であってもよい。例えば、背景シート21Bは、光源23の光を透過させつつ地図部配線を見えなくするものであればよい。背景シート21Bは、透明な樹脂のシートを、半透明に塗色したものでなく、例えば、紙材に、紙面を貫く微細な多数の穴を形成して光を透過させる光路穴とし、光路穴から光源23の光を透過させつつ、地図部配線を見えなくするものとしてもよい。
また、光源23は、光源23が発する光が背景シート21Bを透過するものであればLED以外のものを用いてもよく、白熱電球や蛍光ランプを用いてもよい。
【0057】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 受信機
2 地図部
3 操作表示パネル部
4 区画図
10 筐体
11 本体部
12 扉部
16 下端位置決め部
16a 上面(光源パネル下端部係止部)
21 表示シート
21A 地図フィルム
21B 背景シート
21L 点灯記号
21b 下端部
21c 側端部
22 光源パネル
22A 切欠部
22a ビス(係止部材)
22b 水平部
22c 定規部(位置合わせ部)
23 光源
24 押え板