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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】車両用空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/22 20060101AFI20231227BHJP
【FI】
B60H1/22 651Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019155203
(22)【出願日】2019-08-28
(65)【公開番号】P2021030965
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】石関 徹也
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-101019(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱媒体を圧縮する圧縮機と、
圧縮した高圧の前記熱媒体を凝縮させる暖房時凝縮用熱交換器と、
凝縮した前記熱媒体を膨張させる暖房時膨張弁と、
膨張した低圧の前記熱媒体を蒸発させるか、又は圧縮した高圧の前記熱媒体を凝縮させる兼用熱交換器と、
凝縮した前記熱媒体を膨張させる冷房時膨張弁と、
膨張した低圧の前記熱媒体を蒸発させる冷房時蒸発用熱交換器と、を備え、
暖房時には、前記圧縮機、前記凝縮用熱交換器となる前記暖房時凝縮用熱交換器、前記膨張弁となる前記暖房時膨張弁、及び前記蒸発用熱交換器となる前記兼用熱交換器を順に経由するように、前記熱媒体を循環させ、
冷房時には、前記圧縮機、前記凝縮用熱交換器となる前記兼用熱交換器、前記膨張弁となる前記冷房時膨張弁、及び前記蒸発用熱交換器となる前記冷房時蒸発用熱交換器を順に経由するように、前記熱媒体を循環させ、
前記暖房時凝縮用熱交換器の容積が前記兼用熱交換器の容積より大きい場合、前記暖房時凝縮用熱交換器から前記暖房時膨張弁までの流路が、前記暖房時膨張弁から前記兼用熱交換器までの流路と比べて、長さが短い又は容積が小さく、
前記兼用熱交換器の容積が前記暖房時凝縮用熱交換器の容積より大きい場合、前記兼用熱交換器から前記冷房時膨張弁までの流路が、前記冷房時膨張弁から前記冷房時蒸発用熱交換器までの流路と比べて、長さが短い又は容積が小さいことを特徴とする車両用空気調和装置。
【請求項2】
前記暖房時凝縮用熱交換器の容積が前記兼用熱交換器の容積より小さい場合、前記暖房時凝縮用熱交換器から前記暖房時膨張弁までの流路が、前記暖房時膨張弁から前記兼用熱交換器までの流路と比べて、長さが短い又は容積が小さく、
前記兼用熱交換器の容積が前記暖房時凝縮用熱交換器の容積より小さい場合、前記兼用熱交換器から前記冷房時膨張弁までの流路が、前記冷房時膨張弁から前記冷房時蒸発用熱交換器までの流路と比べて、長さが短い又は容積が小さいことを特徴とする請求項に記載の車両用空気調和装置。
【請求項3】
流路を開閉する開閉弁と、
凝縮した前記熱媒体を膨張させる第一の分岐側膨張弁と、
膨張した低圧の前記熱媒体を蒸発させる第一の分岐側蒸発用熱交換器と、を備え、
前記暖房時凝縮用熱交換器と前記暖房時膨張弁との間にある第一の分岐点から分岐し、前記開閉弁、前記第一の分岐側膨張弁、及び前記第一の分岐側蒸発用熱交換器を順に経て、前記兼用熱交換器と前記圧縮機との間に合流させ、
前記第一の分岐点から前記開閉弁までの流路が、前記開閉弁から前記第一の分岐側膨張弁までの流路と比べて、長さが短い又は容積が小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空気調和装置。
【請求項4】
前記第一の分岐側蒸発用熱交換器は、前記冷房時蒸発用熱交換器であることを特徴とす
る請求項に記載の車両用空気調和装置。
【請求項5】
発熱体を冷却するために冷却用熱媒体を循環させ、
前記第一の分岐側蒸発用熱交換器は、膨張した低圧の前記熱媒体を、高温の前記冷却用熱媒体との熱交換によって蒸発させることを特徴とする請求項3又は4に記載の車両用空気調和装置。
【請求項6】
前記第一の分岐点から分岐した経路に対して、前記熱媒体の一部を流すか又は全部を流すかを切り替え可能であることを特徴とする請求項3~5の何れか一項に記載の車両用空気調和装置。
【請求項7】
凝縮した前記熱媒体を膨張させる第二の分岐側膨張弁と、
膨張した低圧の前記熱媒体を蒸発させる第二の分岐側蒸発用熱交換器と、を備え、
前記兼用熱交換器と前記冷房時膨張弁との間にある第二の分岐点から分岐し、前記第二の分岐側膨張弁、及び前記第二の分岐側蒸発用熱交換器を順に経て、前記兼用熱交換器と前記圧縮機との間に合流させ、
前記第二の分岐点から前記第二の分岐側膨張弁までの流路が、前記第二の分岐側膨張弁から前記第二の分岐側蒸発用熱交換器までの流路と比べて、長さが短い又は容積が小さいことを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の車両用空気調和装置。
【請求項8】
発熱体を冷却するために冷却用熱媒体を循環させ、
前記第二の分岐側蒸発用熱交換器は、膨張した低圧の前記熱媒体を、高温の前記冷却用熱媒体との熱交換によって蒸発させることを特徴とする請求項に記載の車両用空気調和装置。
【請求項9】
前記第二の分岐点から分岐した経路に対して、前記熱媒体の一部を流すか又は全部を流すかを切り替え可能であることを特徴とする請求項7又は8に記載の車両用空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空気調和装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を含む冷凍サイクルに熱媒体を循環させ、ヒートポンプによって車室内の温度を調整する車両用空気調和装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-184108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
R‐134aの代替として使用されるR‐1234yfのような熱媒体は高価なため、冷凍サイクルの回路に封入すべき熱媒体の充填量を削減することが望まれている。冷凍サイクルにおいて、圧縮され高圧となった熱媒体は、凝縮器を通過するときに凝縮液化するため、凝縮器の容積が大きいほど、且つ凝縮器から膨張弁までの距離が長いほど、冷凍サイクルの回路に封入すべき熱媒体の充填量が増え、コストが増大してしまう。
本発明の課題は、車両用空気調和装置において、冷凍サイクルの回路に封入すべき熱媒体の充填量を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る車両用空気調和装置は、熱媒体を圧縮する圧縮機と、圧縮した高圧の熱媒体を凝縮させる凝縮用熱交換器と、凝縮した熱媒体を膨張させる膨張弁と、膨張した低圧の熱媒体を蒸発させる蒸発用熱交換器と、を備え、圧縮機、凝縮用熱交換器、膨張弁、及び蒸発用熱交換器を順に経由するように、熱媒体を循環させる冷凍サイクルの回路のうち、凝縮用熱交換器から膨張弁までの流路が、膨張弁から蒸発用熱交換器までの流路と比べて、長さが短い又は容積が小さいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、高圧で液相の熱媒体が流れる流路の長さを短くする、又は容積を小さくするので、冷凍サイクルの回路に封入すべき熱媒体の充填量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態における車両用空気調和装置の一部を示す図である。
図2】第1実施形態における暖房運転を示す図である。
図3】第1実施形態における冷房運転を示す図である。
図4】第1実施形態における除湿暖房運転を示す図である。
図5】第1実施形態における暖房+冷却運転を示す図である。
図6】第2実施形態における車両用空気調和装置の一部を示す図である。
図7】第2実施形態における暖房運転を示す図である。
図8】第2実施形態における冷房運転を示す図である。
図9】第2実施形態における冷房+冷却運転を示す図である。
図10】第3実施形態における車両用空気調和装置の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0009】
《第1実施形態》
《構成》
図1は、第1実施形態における車両用空気調和装置の一部を示す図である。
車両用空気調和装置11は、自動車に搭載されるヒートポンプシステムからなり、車室側に設けられた室内熱交換ユニット12と、車室外に設けられた熱交換器13(凝縮用熱交換器、蒸発用熱交換器、兼用熱交換器)と、を備える。車室側と車室外とは、例えばダッシュパネルによって隔てられている。
室内熱交換ユニット12は、ダッシュボードの内部に配置されており、一端側から外気や内気を導入し、他端側から車室内へ空気を供給するダクトによって形成されている。室内熱交換ユニット12の内部には、送風ファン14と、蒸発器15(蒸発用熱交換器、冷房時蒸発用熱交換器、第一の分岐側蒸発用熱交換器)と、凝縮器16(凝縮用熱交換器、暖房時凝縮用熱交換器)と、エアミックスダンパ17と、が設けられている。
【0010】
送風ファン14は、室内熱交換ユニット12の一端側に設けられており、モータによって駆動されるときに、外気や内気を吸引し、他端側へと吐出する。
蒸発器15は、送風ファン14よりも下流側に設けられており、吸熱器及び除湿器として、放熱フィンの周囲を通過する空気とチューブ内を通過する低温の熱媒体(冷媒)との間で熱交換を行なう。すなわち、チューブ内の熱媒体を蒸発気化させることで、放熱フィンの周囲の空気を冷却すると共に、放熱フィンの表面に結露を生じさせて除湿を行なう。送風ファン14から吹き出された空気は、全て蒸発器15を通過する。
【0011】
凝縮器16は、蒸発器15よりも下流側に設けられており、放熱器として、放熱フィンの周囲を通過する空気とチューブ内を通過する高温の熱媒体(熱媒)との間で熱交換を行なう。すなわち、チューブ内の熱媒体を凝縮液化させることで、放熱フィンの周囲の空気を加熱する。凝縮器16は、室内熱交換ユニット12の断面のうち、略半分を塞ぐように配置されることで、凝縮器16を通過する流路と、凝縮器16を迂回する流路と、が形成されている。すなわち、蒸発器15を通過した空気の一部が凝縮器16を通過し、残りが凝縮器16を迂回する。
【0012】
エアミックスダンパ17は、凝縮器16を通過する流路を開放して凝縮器16を迂回する流路を閉鎖する位置と、凝縮器16を通過する流路を閉鎖して凝縮器16を迂回する流路を開放する位置と、の間で回動可能である。エアミックスダンパ17が凝縮器16を通過する流路を開放して凝縮器16を迂回する流路を閉鎖する位置にあるときには、蒸発器15を通過した空気は全て凝縮器16を通過する。エアミックスダンパ17が凝縮器16を通過する流路を閉鎖して凝縮器16を迂回する流路を開放する位置にあるときには、蒸発器15を通過した空気は全て凝縮器16を迂回する。エアミックスダンパ17が凝縮器16を通過する流路と凝縮器16を迂回する流路の双方を開放する位置にあるときには、蒸発器15を通過した空気のうち、一部が凝縮器16を通過し、残りが凝縮器16を迂回する。そして、凝縮器16の下流側で、凝縮器16を通過した空気と、凝縮器16を迂回した空気とが混合される。
【0013】
熱交換器13は、エンジンルーム内又はモータルーム内に設けられており、放熱フィンの周囲を通過する外気とチューブ内を通過する熱媒体との間で熱交換を行なう。外気とは主に走行風であるが、十分な走行風が得られないときは、図示しない送風機が駆動されることで、放熱フィンに対して外気が送風される。
運転モードを暖房とするときには、熱交換器13を蒸発器、つまり吸熱器として機能させ、放熱フィンの周囲を通過する外気とチューブ内を通過する低温の熱媒体(冷媒)との間で熱交換を行なう。すなわち、チューブ内の熱媒体に吸熱させ、蒸発気化させる。
運転モードを冷房とするときには、熱交換器13を凝縮器、つまり放熱器として機能させ、放熱フィンの周囲を通過する外気とチューブ内を通過する高温の熱媒体(熱媒)との間で熱交換を行なう。すなわち、チューブ内の熱媒体に放熱させ、凝縮液化させる。
【0014】
次に、熱媒体の回路構成について説明する。
凝縮器16の出口は、流路21を介して熱交換器13の入口に連通している。流路21には、膨張弁31(暖房時膨張弁)が設けられている。
膨張弁31は、液相である高圧の熱媒体を霧状にして吹き出すことにより、気化しやすい低圧の熱媒体に減圧するものであり、開度が全閉から全開まで調整可能である。
熱交換器13の出口は、流路22を介して凝縮器16の入口に連通している。流路22には、熱交換器13の側から凝縮器16の側に向かって、開閉弁32、逆止弁33、アキュムレータ34、及び圧縮機35が、順に設けられている。
【0015】
開閉弁32は、流路22を開放又は閉鎖する。
逆止弁33は、開閉弁32の側からアキュムレータ34の側への通過を許容し、逆方向の通過を阻止する。
アキュムレータ34は、熱媒体の気液分離を行ない、気相の熱媒体だけを圧縮機35へと供給すると共に、冷凍サイクルの回路内で余剰分となる液相の熱媒体を貯留する。
圧縮機35は、例えばスクロール圧縮機であり、気相である低圧の熱媒体を圧縮することにより、液化しやすい高圧の熱媒体に昇圧させる。圧縮機35は、熱媒体と共に循環するオイルによって潤滑が行なわれ、熱媒体に対するオイル濃度は数%程度である。圧縮機35の駆動源は、エンジンや電動モータである。
【0016】
流路21のうち、凝縮器16と膨張弁31との間には分岐点26(第一の分岐点)があり、この分岐点26は、流路23を介して蒸発器15の入口に連通している。流路23には、分岐点の側から蒸発器15の側に向かって、開閉弁36、及び膨張弁37(冷房時膨張弁、第一の分岐側膨張弁)が、順に設けられている。
開閉弁36は、流路23を開放又は閉鎖する。
膨張弁37は、液相である高圧の熱媒体を霧状にして吹き出すことにより、気化しやすい低圧の熱媒体に減圧するものであり、開度が全閉から全開まで調整可能である。
【0017】
流路22のうち、熱交換器13と開閉弁32との間には分岐点があり、また流路23のうち、開閉弁36と膨張弁37との間には分岐点があり、これら分岐点同士は、流路24を介して連通している。流路24には、逆止弁38が設けられている。
逆止弁38は、流路22の側から流路23の側への通過を許容し、逆方向の通過を阻止する。
流路22のうち、開閉弁32と逆止弁33との間には分岐点があり、この分岐点は、流路25を介して蒸発器15の出口に連通している。
【0018】
次に、付加的な回路構成について説明する。
流路23のうち、流路24への分岐点と膨張弁37との間には分岐点27(第二の分岐点)があり、また流路22のうち、逆止弁33とアキュムレータ34との間には分岐点があり、これら分岐点同士は、流路41を介して連通している。流路41には、流路23の側から流路22の側に向かって、膨張弁51(第一の分岐側膨張弁、第二の分岐側膨張弁)、及び熱交換器52(第一の分岐側蒸発用熱交換器、第二の分岐側蒸発用熱交換器)が、順に設けられている。
【0019】
膨張弁51は、液相である高圧の熱媒体を霧状にして吹き出すことにより、気化しやすい低圧の空調用熱媒体に減圧するものであり、開度が全閉から全開まで調整可能である。
熱交換器52は、内部を個別に通過する熱媒体と冷却用熱媒体との間で熱交換を行なう。
自動車には、発熱する発熱体53が搭載されている。発熱体53は、エンジン自動車であればエンジン、電気自動車であればモータ、インバータ、バッテリ等であり、冷却用熱媒体によって冷却される。冷却用熱媒体は、例えば水であるが、冷媒やクーラント等、他の流体を用いてもよい。
【0020】
熱交換器52のうち、熱媒体が通過する流路の入口は、膨張弁51の出口に連通し、熱媒体が通過する流路の出口は、流路22に連通する。
熱交換器52のうち、冷却用熱媒体が通過する流路の出口と入口は、流路42を介して連通する。流路42には、熱交換器52の出口側から入口側に向かって、ポンプ54、及び発熱体53が、順に設けられている。
ポンプ54は、冷却用熱媒体を熱交換器52の出口側から吸入し、発熱体53の側へ吐出する。
【0021】
凝縮器16の容積が熱交換器13の容積より大きいものとする。この場合、凝縮器16から膨張弁31までの流路を、膨張弁31から熱交換器13までの流路と比べて、長さを短くするか又は容積を小さくする。また、分岐点26から開閉弁36までの流路を、開閉弁36から膨張弁37又は膨張弁51までの流路と比べて、長さを短くするか又は容積を小さくする。一方、熱交換器13から膨張弁37までの流路を、膨張弁37から蒸発器15までの流路と比べて、長さを長くするか又は容積を大きくする。また、分岐点27から膨張弁51までの流路を、膨張弁51から熱交換器52までの距離と比べて、長さを長くするか又は容積を大きくする。
【0022】
次に、運転モードについて説明する。
[暖房運転]
図2は、第1実施形態における暖房運転を示す図である。
図中、低圧の熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、高圧の熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。
運転モードが暖房であるときには、膨張弁31を僅かに開放し、開閉弁32を開放し、開閉弁36を閉鎖し、膨張弁37を閉鎖し、膨張弁51を閉鎖した状態で、圧縮機35を駆動する。また、ポンプ54を停止する。
【0023】
これにより、熱媒体は、圧縮機35、凝縮器16、膨張弁31、熱交換器13、開閉弁32、逆止弁33、及びアキュムレータ34を順に経由して循環する。この循環経路において、気相の熱媒体は、圧縮機35で圧縮され高圧となり、凝縮器16で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の熱媒体は、膨張弁31で膨張され低圧となり、熱交換器13で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。
一方、室内熱交換ユニット12では、送風ファン14を駆動すると共に、エアミックスダンパ17で凝縮器16を通過する流路を開放する。これにより、導入された空気が凝縮器16で加熱され、温かい空気が車室内に供給される。
【0024】
[冷房運転]
図3は、第1実施形態における冷房運転を示す図である。
図中、低圧の熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、高圧の熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。
運転モードが冷房であるときには、膨張弁31を全開放し、開閉弁32を閉鎖し、開閉弁36を閉鎖し、膨張弁37を僅かに開放し、膨張弁51を閉鎖した状態で、圧縮機35を駆動する。また、ポンプ54を停止する。
【0025】
これにより、熱媒体は、圧縮機35、凝縮器16、膨張弁31、熱交換器13、逆止弁38、膨張弁37、蒸発器15、逆止弁33、及びアキュムレータ34を順に経由して循環する。この循環経路において、気相の熱媒体は、圧縮機35で圧縮され高圧となり、熱交換器13で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の熱媒体は、膨張弁37で膨張され低圧となり、蒸発器15で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。
一方、室内熱交換ユニット12では、送風ファン14を駆動すると共に、エアミックスダンパ17で凝縮器16を通過する流路を閉鎖する。これにより、導入された空気が蒸発器15で冷却及び除湿された後に、凝縮器16を迂回し、除湿された涼しい空気が車室内に供給される。
【0026】
[除湿暖房運転]
図4は、第1実施形態における除湿暖房運転を示す図である。
図中、低圧の熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、高圧の熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。
運転モードが除湿暖房であるときには、膨張弁31を僅かに開放し、開閉弁32を開放し、開閉弁36を開放し、膨張弁37を僅かに開放し、膨張弁51を閉鎖した状態で、圧縮機35を駆動する。また、ポンプ54を停止する。
【0027】
これにより、熱媒体は、圧縮機35、凝縮器16、膨張弁31、熱交換器13、開閉弁32、逆止弁33、及びアキュムレータ34を順に経由して循環する。この循環経路において、気相の熱媒体は、圧縮機35で圧縮され高圧となり、凝縮器16で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の熱媒体は、膨張弁31で膨張され低圧となり、熱交換器13で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。さらに、一部の熱媒体は、分岐点26から分流し、開閉弁36、膨張弁37、蒸発器15を順に経由して、開閉弁32と逆止弁33との間に合流する。この分岐経路において、液相の熱媒体は膨張弁37で膨張され低圧となり、蒸発器15で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。
一方、室内熱交換ユニット12では、送風ファン14を駆動すると共に、エアミックスダンパ17で凝縮器16を通過する流路を開放する。これにより、導入された空気が蒸発器15で除湿された後に、凝縮器16で加熱され、乾燥した温かい空気が車室内に供給される。
【0028】
[暖房+冷却運転]
図5は、第1実施形態における暖房+冷却運転を示す図である。
図中、低圧の熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、高圧の熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、冷却用熱媒体が通過する流路を太い破線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。
運転モードが暖房+発熱体53の冷却であるときには、膨張弁31を僅かに開放し、開閉弁32を開放し、開閉弁36を開放し、膨張弁37を閉鎖し、膨張弁51を僅かに開放した状態で、圧縮機35を駆動する。また、ポンプ54を駆動する。
【0029】
これにより、熱媒体は、圧縮機35、凝縮器16、膨張弁31、熱交換器13、開閉弁32、逆止弁33、及びアキュムレータ34を順に経由して循環する。この循環経路において、気相の熱媒体は、圧縮機35で圧縮され高圧となり、凝縮器16で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の熱媒体は、膨張弁31で膨張され低圧となり、熱交換器13で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。さらに、一部の熱媒体は、分岐点26から分流し、開閉弁36、膨張弁51、熱交換器52を順に経由して、逆止弁33とアキュムレータ34との間に合流する。この分岐経路において、液相の熱媒体は膨張弁51で膨張され低圧となり、熱交換器52で冷却用熱媒体から吸熱することで蒸発気化し、高温となる。冷却用熱媒体は、発熱体53で吸熱することで高温となり、熱交換器52で放熱することで低温となり、この循環経路により、発熱体53の冷却が促される。
一方、室内熱交換ユニット12では、送風ファン14を駆動すると共に、エアミックスダンパ17で凝縮器16を通過する流路を開放する。これにより、導入された空気が蒸発器15で除湿された後に、凝縮器16で加熱され、乾燥した温かい空気が車室内に供給される。
【0030】
《作用》
次に、第1実施形態の主要な作用効果について説明する。
暖房時に、熱媒体は、圧縮機35で圧縮され、凝縮器16で凝縮液化し、膨張弁31で膨張され、熱交換器13で蒸発気化する。そのため、凝縮器16の容積が熱交換器13の容積より大きい場合、凝縮器16から膨張弁31までの流路に、凝縮液化した熱媒体が流れる。そこで、凝縮器16から膨張弁31までの流路を、膨張弁31から熱交換器13までの流路と比べて、長さを短くするか又は容積を小さくする。すなわち、高圧で液相の熱媒体が流れる流路の長さを短くする、又は容積を小さくする。これにより、冷凍サイクルの回路に封入すべき熱媒体の充填量を低減することができる。R‐134aの代替として使用されるR‐1234yfのような熱媒体は高価なため、冷凍サイクルの回路に封入すべき熱媒体の充填量を削減することが望まれている。冷凍サイクルの回路に封入すべき熱媒体の充填量を低減することで、コストの増大を抑制できる。
【0031】
また、分岐点26から開閉弁36までの流路にも、凝縮液化した熱媒体が溜まる。そこで、分岐点26から開閉弁36までの流路を、開閉弁36から膨張弁37又は膨張弁51までの流路と比べて、長さを短くするか又は容積を小さくする。すなわち、高圧で液相の熱媒体が流れる流路の長さを短くする、又は容積を小さくする。これにより、冷凍サイクルの回路に封入すべき熱媒体の充填量を低減することができる。
分岐点26から分岐した経路に対して、熱媒体の一部を流すか又は全部を流すかは、膨張弁31及び開閉弁36によって切り替え可能である。これにより、必要に応じて運転モードを自由に切り替えることができる。
【0032】
一方、熱交換器13から膨張弁37までの流路を、膨張弁37から蒸発器15までの流路と比べて、長さを長くするか又は容積を大きくする。このように、蒸発器15の直前で熱媒体を膨張させることで、熱交換効率が向上する。また、分岐点27から膨張弁51までの流路が、膨張弁51から熱交換器52までの距離と比べて、長さを長くするか又は容積を大きくする。このように、発熱体53の冷却時に、蒸発器として機能する熱交換器52の直前で熱媒体を膨張させることで、熱交換効率が向上する。
【0033】
《変形例》
本実施形態では、蒸発器15、凝縮器16、熱交換器13を採用しているが、これに限定されるものではない。夫々、水‐冷媒熱交換器を使用し、クーラントを介して間接的に熱交換を行なってもよい。
本実施形態では、凝縮器16から膨張弁31までの流路の主に長さを短くする構成を示しているが、これに限定されるものではない。例えば配管を細くすることで、流路の容積を小さくしてもよい。
【0034】
本実施形態では、凝縮器16の容積が熱交換器13の容積より大きい場合について説明したが、これに限定されるものではない。凝縮器16の容積が熱交換器13の容積より小さい場合でもよい。暖房時と冷房時とで回路が切り替わるため、必要とされる熱媒体の流量が異なり、より多く必要とされる方に合わせて、封入すべき全体の充填量が定まる。そのため、凝縮器16の容積が熱交換器13の容積より小さく、且つ双方の容積差が大きい場合は、凝縮器16から膨張弁31までの流路を短くする効果が低いと考えられる。しかしながら、双方の容積差が小さい場合は、凝縮器16から膨張弁31までの流路を短くする効果を望める。したがって、凝縮器16の容積が熱交換器13の容積より小さい場合でも実施する価値がある。
【0035】
《第2実施形態》
《構成》
第2実施形態は、熱交換器13の容積が凝縮器16の容積より大きい場合の回路構成を示す。ここでは、膨張弁31、分岐点26、開閉弁36、膨張弁37、分岐点27、膨張弁51の夫々の配置が異なることを除いては、前述した第1実施形態と同様であるため、共通する部分については説明を省略する。
【0036】
図6は、第2実施形態における車両用空気調和装置の一部を示す図である。
熱交換器13の容積が凝縮器16の容積がより大きいものとする。この場合、熱交換器13から膨張弁37までの流路を、膨張弁37から蒸発器15までの流路と比べて、長さを短くするか又は容積を小さくする。また、分岐点27から膨張弁51までの流路を、膨張弁51から熱交換器52までの流路と比べて、長さを短くするか又は容積を小さくする。一方、凝縮器16から膨張弁31までの流路を、膨張弁31から熱交換器13までの流路と比べて、長さを長くするか又は容積を大きくする。また、分岐点26から開閉弁36までの流路を、開閉弁36から膨張弁37又は膨張弁51までの距離と比べて、長さを長くするか又は容積を大きくする。
【0037】
次に、運転モードについて説明する。
[暖房運転]
図7は、第2実施形態における暖房運転を示す図である。
図中、低圧の熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、高圧の熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。
運転モードが暖房であるときには、膨張弁31を僅かに開放し、開閉弁32を開放し、開閉弁36を閉鎖し、膨張弁37を閉鎖し、膨張弁51を閉鎖した状態で、圧縮機35を駆動する。また、ポンプ54を停止する。
【0038】
これにより、熱媒体は、圧縮機35、凝縮器16、膨張弁31、熱交換器13、開閉弁32、逆止弁33、及びアキュムレータ34を順に経由して循環する。この循環経路において、気相の熱媒体は、圧縮機35で圧縮され高圧となり、凝縮器16で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の熱媒体は、膨張弁31で膨張され低圧となり、熱交換器13で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。
一方、室内熱交換ユニット12では、送風ファン14を駆動すると共に、エアミックスダンパ17で凝縮器16を通過する流路を開放する。これにより、導入された空気が凝縮器16で加熱され、温かい空気が車室内に供給される。
【0039】
[冷房運転]
図8は、第2実施形態における冷房運転を示す図である。
図中、低圧の熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、高圧の熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。
運転モードが冷房であるときには、膨張弁31を全開放し、開閉弁32を閉鎖し、開閉弁36を閉鎖し、膨張弁37を僅かに開放し、膨張弁51を閉鎖した状態で、圧縮機35を駆動する。また、ポンプ54を停止する。
【0040】
これにより、熱媒体は、圧縮機35、凝縮器16、膨張弁31、熱交換器13、逆止弁38、膨張弁37、蒸発器15、逆止弁33、及びアキュムレータ34を順に経由して循環する。この循環経路において、気相の熱媒体は、圧縮機35で圧縮され高圧となり、熱交換器13で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の熱媒体は、膨張弁37で膨張され低圧となり、蒸発器15で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。
一方、室内熱交換ユニット12では、送風ファン14を駆動すると共に、エアミックスダンパ17で凝縮器16を通過する流路を閉鎖する。これにより、導入された空気が蒸発器15で冷却及び除湿された後に、凝縮器16を迂回し、除湿された涼しい空気が車室内に供給される。
【0041】
[冷房+冷却運転]
図9は、第2実施形態における冷房+冷却運転を示す図である。
図中、低圧の熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、高圧の熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、冷却用熱媒体が通過する流路を太い破線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。
運転モードが冷房+発熱体53の冷却であるときには、膨張弁31を全開放し、開閉弁32を閉鎖し、開閉弁36を閉鎖し、膨張弁37を僅かに開放し、膨張弁51を僅かに開放した状態で、圧縮機35を駆動する。また、ポンプ54を駆動する。
【0042】
これにより、熱媒体は、圧縮機35、凝縮器16、膨張弁31、熱交換器13、逆止弁38、膨張弁37、蒸発器15、逆止弁33、及びアキュムレータ34を順に経由して循環する。この循環経路において、気相の熱媒体は、圧縮機35で圧縮され高圧となり、熱交換器13で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の熱媒体は、膨張弁37で膨張され低圧となり、蒸発器15で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。さらに、一部の熱媒体は、分岐点27から分流し、膨張弁51、熱交換器52を順に経由して、逆止弁33とアキュムレータ34との間に合流する。この分岐経路において、液相の熱媒体は膨張弁51で膨張され低圧となり、熱交換器52で冷却用熱媒体から吸熱することで蒸発気化し、高温となる。冷却用熱媒体は、発熱体53で吸熱することで高温となり、熱交換器52で放熱することで低温となり、この循環経路により、発熱体53の冷却が促される。
一方、室内熱交換ユニット12では、送風ファン14を駆動すると共に、エアミックスダンパ17で凝縮器16を通過する流路を閉鎖する。これにより、導入された空気が蒸発器15で冷却及び除湿された後に、凝縮器16を迂回し、除湿された涼しい空気が車室内に供給される。
【0043】
《作用》
次に、第2実施形態の主要な作用効果について説明する。
冷房時に、熱媒体は、圧縮機35で圧縮され、熱交換器13で凝縮液化し、膨張弁37で膨張され、蒸発器15で蒸発気化する。そのため、熱交換器13の容積が凝縮器16の容積より大きい場合、熱交換器13から膨張弁37までの流路に、凝縮液化した熱媒体が流れる。そこで、熱交換器13から膨張弁37までの流路を、膨張弁37から蒸発器15までの流路と比べて、長さを短くするか又は容積を小さくする。すなわち、高圧で液相の熱媒体が流れる流路の長さを短くする、又は容積を小さくする。これにより、冷凍サイクルの回路に封入すべき熱媒体の充填量を低減することができる。
【0044】
また、分岐点27から膨張弁51までの流路にも、凝縮液化した熱媒体が溜まる。そこで、分岐点27から膨張弁51までの流路を、膨張弁51から熱交換器52までの流路と比べて、長さを短くするか又は容積を小さくする。すなわち、高圧で液相の熱媒体が流れる流路の長さを短くする、又は容積を小さくする。これにより、冷凍サイクルの回路に封入すべき熱媒体の充填量を低減することができる。
【0045】
分岐点27から分岐した経路に対して、熱媒体の一部を流すか又は全部を流すかは、膨張弁37及び膨張弁51によって切り替え可能である。これにより、必要に応じて運転モードを自由に切り替えることができる。
一方、凝縮器16から膨張弁31までの流路を、膨張弁31から熱交換器13までの流路と比べて、長さを長くするか又は容積を大きくする。このように、熱交換器13の直前で熱媒体を膨張させることで、熱交換効率が向上する。
【0046】
《変形例》
本実施形態では、熱交換器13の容積が凝縮器16の容積より大きい場合について説明したが、これに限定されるものではない。熱交換器13の容積が凝縮器16の容積より小さい場合でもよい。暖房時と冷房時とで回路が切り替わるため、必要とされる熱媒体の流量が異なり、より多く必要とされる方に合わせて、封入すべき全体の充填量が定まる。そのため、熱交換器13の容積が凝縮器16の容積より小さく、且つ双方の容積差が大きい場合は、熱交換器13から膨張弁37までの流路を短くする効果が低いと考えられる。しかしながら、双方の容積差が小さい場合は、熱交換器13から膨張弁37までの流路を短くする効果を望める。したがって、熱交換器13の容積が凝縮器16の容積より小さい場合でも実施する価値がある。
【0047】
《第3実施形態》
《構成》
第3実施形態は、熱交換器13の容積と凝縮器16の容積とが同等である場合の回路構成であり、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせた内容になっている。
図10は、第3実施形態における車両用空気調和装置の一部を示す図である。
すなわち、凝縮器16から膨張弁31までの流路を、膨張弁31から熱交換器13までの流路と比べて、長さを短くするか又は容積を小さくする。また、分岐点26から開閉弁36までの流路を、開閉弁36から膨張弁37又は膨張弁51までの流路と比べて、長さを短くするか又は容積を小さくする。一方、熱交換器13から膨張弁37までの流路を、膨張弁37から蒸発器15までの流路と比べて、長さを短くするか又は容積を小さくする。また、分岐点27から膨張弁51までの流路を、膨張弁51から熱交換器52までの流路と比べて、長さを短くするか又は容積を小さくする。
【0048】
《作用》
次に、第3実施形態の主要な作用効果について説明する。
暖房時には、凝縮器16から膨張弁31までの流路に、凝縮液化した熱媒体が流れる。そこで、高圧で液相の熱媒体が流れる流路の長さを短くする、又は容積を小さくする。これにより、冷凍サイクルの回路に封入すべき熱媒体の充填量を低減することができる。そして、冷房時には、熱交換器13から膨張弁37までの流路に、凝縮液化した熱媒体が流れる。そこで、高圧で液相の熱媒体が流れる流路の長さを短くする、又は容積を小さくする。これにより、冷凍サイクルの回路に封入すべき熱媒体の充填量を低減することができる。
【0049】
以上、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。
【符号の説明】
【0050】
11…車両用空気調和装置、12…室内熱交換ユニット、13…熱交換器、14…送風ファン、15…蒸発器、16…凝縮器、17…エアミックスダンパ、21…流路、22…流路、23…流路、24…流路、25…流路、26…分岐点、27…分岐点、31…膨張弁、32…開閉弁、33…逆止弁、34…アキュムレータ、35…圧縮機、36…開閉弁、37…膨張弁、38…逆止弁、41…流路、42…流路、51…膨張弁、52…熱交換器、53…発熱体、54…ポンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10