特許 7410746 入金消込処理装置、入金消込処理方法、および、入金消込処理プログラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2023-12-26

(45)【発行日】2024-01-10

(54)【発明の名称】入金消込処理装置、入金消込処理方法、および、入金消込処理プログラム

(51)【国際特許分類】

   G06Q 40/12 20230101AFI20231227BHJP

【ＦＩ】

G06Q40/12

【請求項の数】 7

(21)【出願番号】P 2020031329

(22)【出願日】2020-02-27

(65)【公開番号】P2021135737

(43)【公開日】2021-09-13

【審査請求日】2022-07-19

(73)【特許権者】

【識別番号】398040527

【氏名又は名称】株式会社オービック

(74)【代理人】

【識別番号】110002147

【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】大岡 慎弥

(72)【発明者】

【氏名】上野 剛光

【審査官】加舎 理紅子

(56)【参考文献】

【文献】特開２０１７－１８２８０６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１３－１５６８９１（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２１－０９６５７２（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｇ０６Ｑ １０／００ － ９９／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

記憶部と制御部とを備えた入金消込処理装置であって、
前記記憶部は、
請求先データおよび請求明細データを含む請求データを記憶する請求記憶手段、
を備え、
前記制御部は、
前記請求先データおよび入金金額を含む入金データを企業内の経理部門の指示で取得し登録する入金手段と、
前記請求データに基づいて、前記入金データが所定条件を満たす場合、前記経理部門の指示で、当該入金データを変更不可とした確定入金データを取得し登録する確定手段と、
前記確定入金データに対する消込データを前記経理部門以外の前記企業内の部門の指示で取得し登録する消込手段と、
を備え、
前記請求データに基づいて、前記入金データが前記所定条件を満たす場合とは、前記入金データに対応する前記請求データに含まれる前記請求明細データが所定数以上の場合、または、前記入金データに対応する前記請求データに含まれる請求金額が所定額以上の場合、であること、
を特徴とする入金消込処理装置。

【請求項2】

前記確定手段は、
前記請求データに基づいて、前記入金データが前記所定条件を満たす場合、入金日、請求先および明細適用を設定可能に表示制御し、前記経理部門により入金確定登録指示が入力された場合、当該入金データを変更不可とした前記確定入金データを取得し登録することを特徴とする請求項１に記載の入金消込処理装置。

【請求項3】

前記消込手段は、
前記確定入金データに対する消込データを入力可能に表示制御し、前記経理部門以外の前記企業内の前記部門により消込登録指示が入力された場合、前記確定入金データに対する前記消込データを取得し登録することを特徴とする請求項１または２のいずれか一つに記載の入金消込処理装置。

【請求項4】

前記消込手段は、
更に、前記請求データに基づいて、前記入金データが前記所定条件を満たさない場合、当該入金データに対する消込データを前記経理部門の指示で取得し登録することを特徴とする請求項１または２のいずれか一つに記載の入金消込処理装置。

【請求項5】

前記入金手段は、
請求先データおよび入金金額を入力可能に表示制御し、前記経理部門により入金登録指示が入力された場合、当該請求先データおよび当該入金金額を含む前記入金データを取得し登録することを特徴とする請求項１から４のいずれか一つに記載の入金消込処理装置。

【請求項6】

記憶部と制御部とを備えた入金消込処理装置に実行させるための入金消込処理方法であって、
前記記憶部は、
請求先データおよび請求明細データを含む請求データを記憶する請求記憶手段、
を備え、
前記制御部で実行させる、
前記請求先データおよび入金金額を含む入金データを企業内の経理部門の指示で取得し登録する入金ステップと、
前記請求データに基づいて、前記入金データが所定条件を満たす場合、前記経理部門の指示で、当該入金データを変更不可とした確定入金データを取得し登録する確定ステップと、
前記確定入金データに対する消込データを前記経理部門以外の前記企業内の部門の指示で取得し登録する消込ステップと、
を含み、
前記請求データに基づいて、前記入金データが前記所定条件を満たす場合とは、前記入金データに対応する前記請求データに含まれる前記請求明細データが所定数以上の場合、または、前記入金データに対応する前記請求データに含まれる請求金額が所定額以上の場合、であること、
を特徴とする入金消込処理方法。

【請求項7】

記憶部と制御部とを備えた入金消込処理装置に実行させるための入金消込処理プログラムであって、
前記記憶部は、
請求先データおよび請求明細データを含む請求データを記憶する請求記憶手段、
を備え、
前記制御部において、
前記請求先データおよび入金金額を含む入金データを企業内の経理部門の指示で取得し登録する入金ステップと、
前記請求データに基づいて、前記入金データが所定条件を満たす場合、前記経理部門の指示で、当該入金データを変更不可とした確定入金データを取得し登録する確定ステップと、
前記確定入金データに対する消込データを前記経理部門以外の前記企業内の部門の指示で取得し登録する消込ステップと、
を実行させるためのプログラムであり、
前記請求データに基づいて、前記入金データが前記所定条件を満たす場合とは、前記入金データに対応する前記請求データに含まれる前記請求明細データが所定数以上の場合、または、前記入金データに対応する前記請求データに含まれる請求金額が所定額以上の場合、であること、
を特徴とする入金消込処理プログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、入金消込処理装置、入金消込処理方法、および、入金消込処理プログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１には、請求明細と入金データとが一対一で対応していない場合でも、入金データの回収先を特定することで、入金確定処理を行い、消込処理を実現する構成が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】特開２００５－１０７７８９号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、上記特許文献１記載の発明においては、経理部門にて入金処理時に消込処理まで併せて実施するパターン、または、経理部門にて入金処理後に営業部門にて消込処理を実施するパターンを、請求先毎等で、事前に選択適用することが通例であったという課題があった。

【0005】

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、入金処理時に入金消込処理まで実施するパターンと、入金処理時に入金確定処理を実施し、別途入金消込処理を実施するパターンとを所定条件により自動的に振り分けることができる入金消込処理装置、入金消込処理方法、および、入金消込処理プログラムを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る入金消込処理装置は、記憶部と制御部とを備えた入金消込処理装置であって、前記記憶部は、請求先データおよび請求明細データを含む請求データを記憶する請求記憶手段、を備え、前記制御部は、前記請求先データおよび入金金額を含む入金データを取得する入金手段と、前記請求データに基づいて、前記入金データが所定条件を満たす場合、当該入金データを変更不可とした確定入金データを取得する確定手段と、前記確定入金データに対する消込データを取得する消込手段と、を備えたことを特徴とする。

【0007】

また、本発明に係る入金消込処理装置において、前記確定手段は、前記入金データに対応する前記請求データに含まれる前記請求明細データが所定数以上の場合、当該入金データを変更不可とした前記確定入金データを取得することを特徴とする。

【0008】

また、本発明に係る入金消込処理装置において、前記確定手段は、前記請求データに基づいて、前記入金データが前記所定条件を満たす場合、入金日、請求先および明細適用を設定可能に表示制御し、入金確定登録指示が入力された場合、当該入金データを変更不可とした前記確定入金データを取得することを特徴とする。

【0009】

また、本発明に係る入金消込処理装置において、前記消込手段は、前記確定入金データに対する消込データを入力可能に表示制御し、消込登録指示が入力された場合、前記確定入金データに対する前記消込データを取得することを特徴とする。

【0010】

また、本発明に係る入金消込処理装置において、前記消込手段は、更に、前記請求データに基づいて、前記入金データが前記所定条件を満たさない場合、当該入金データに対する消込データを取得することを特徴とする。

【0011】

また、本発明に係る入金消込処理装置において、前記消込手段は、前記入金データに対応する前記請求データに含まれる前記請求明細データが所定数より少ない場合、当該入金データに対する消込データを取得することを特徴とする。

【0012】

また、本発明に係る入金消込処理装置において、前記入金手段は、請求先データおよび入金金額を入力可能に表示制御し、入金登録指示が入力された場合、当該請求先データおよび当該入金金額を含む前記入金データを取得することを特徴とする。

【0013】

また、本発明に係る入金消込処理装置において、前記確定手段は、前記入金データに対応する前記請求データに含まれる請求金額が所定額以上の場合、当該入金データを変更不可とした前記確定入金データを取得することを特徴とする。

【0014】

また、本発明に係る入金消込処理方法は、記憶部と制御部とを備えた入金消込処理装置に実行させるための入金消込処理方法であって、前記記憶部は、請求先データおよび請求明細データを含む請求データを記憶する請求記憶手段、を備え、前記制御部で実行させる、前記請求先データおよび入金金額を含む入金データを取得する入金ステップと、前記請求データに基づいて、前記入金データが所定条件を満たす場合、当該入金データを変更不可とした確定入金データを取得する確定ステップと、前記確定入金データに対する消込データを取得する消込ステップと、を含むことを特徴とする。

【0015】

また、本発明に係る入金消込処理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた入金消込処理装置に実行させるための入金消込処理プログラムであって、前記記憶部は、請求先データおよび請求明細データを含む請求データを記憶する請求記憶手段、を備え、前記制御部において、前記請求先データおよび入金金額を含む入金データを取得する入金ステップと、前記請求データに基づいて、前記入金データが所定条件を満たす場合、当該入金データを変更不可とした確定入金データを取得する確定ステップと、前記確定入金データに対する消込データを取得する消込ステップと、を実行させることを特徴とする。

【発明の効果】

【0016】

本発明によれば、入金入力の登録と同時に債権との消込処理を実施するパターン、または、入金入力後、確定処理を実施し、入金入力とは別組織にて入金消込処理を実施するパターンの双方の処理を併用可能となるという効果を奏する。これにより、本発明によれば、入金処理から入金消込処理の業務適用率が高まり、生産性を高めることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、入金から入金消込の処理手順適用率向上により、業務を効率化することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、消込業務を経理または営業のどちらに主動させるか、細やかな取り回しが可能となるという効果を奏する。また、本発明によれば、入金確定処理時に、入金日・請求先・入金時の摘要項目を指定可能であるため、別組織との役割分担を容易とすることができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【0017】

【図1】図１は、入金消込処理の一例を示す図である。

【図2】図２は、入金消込処理の一例を示す図である。

【図3】図３は、本実施形態における入金消込処理装置の構成の一例を示すブロック図である。

【図4】図４は、本実施形態における入金消込処理装置の処理の一例を示すフローチャートである。

【図5】図５は、本実施形態における入金入力画面の一例を示す図である。

【図6】図６は、本実施形態における入金データの一例を示す図である。

【図7】図７は、本実施形態における入金入力画面の一例を示す図である。

【図8】図８は、本実施形態における入金消込データの一例を示す図である。

【図9】図９は、本実施形態における入金確定画面の一例を示す図である。

【図10】図１０は、本実施形態における確定入金データの一例を示す図である。

【図11】図１１は、本実施形態における入金消込画面の一例を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0018】

本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。

【0019】

［１．概要］
まず、図１および図２を参照して、本発明の概要を説明する。図１および図２は、入金消込処理の一例を示す図である。

【0020】

従来、経理部門にて入金入力時に入金消込処理も実施する図１に示すケースと、経理部門にて入金入力時に入金確定処理を実施した後に、他部門にて入金消込処理を実施する図２に示すケースと、のいずれかを予め選択して会計業務を行っていたため、業務が非効率となる場合があった。なお、図２に示すケースにおいては、入金入力と別組織にて入金消込処理を実施するため、入金データを変更できないよう入金確定処理を経理部門にて実施し、入金データを修正不可としている。

【0021】

そこで、本実施形態においては、例えば、消込明細件数が少ない場合、未消込残を翌月繰越するケースも無いため、図１に示すように、経理部門にて入金入力時に入金消込処理を実施し、消込明細件数が多い場合、図２に示すように、経理部門にて入金入力時に入金確定処理を実施し、各取引を把握している営業部門にて入金消込処理を実施するように自動的に切り替える仕組みを提供している。

【0022】

［２．構成］
本実施形態に係る入金消込処理装置１００の構成の一例について、図３を参照して説明する。図３は、本実施形態における入金消込処理装置１００の構成の一例を示すブロック図である。

【0023】

図３に示すように、入金消込処理装置１００は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、入金消込処理装置１００は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、ＰＤＡ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｄｉｇｉｔａｌ Ａｓｓｉｓｔａｎｔｓ）、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。

【0024】

入金消込処理装置１００は、制御部１０２と通信インターフェース部１０４と記憶部１０６と入出力インターフェース部１０８と、を備えている。入金消込処理装置１００が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。

【0025】

通信インターフェース部１０４は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、入金消込処理装置１００をネットワーク３００に通信可能に接続する。通信インターフェース部１０４は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク３００は、入金消込処理装置１００とサーバ２００とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）等である。

【0026】

記憶部１０６には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部１０６には、ＯＳ（Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）と協働してＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部１０６として、例えば、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）・ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部１０６は、請求ファイル１０６ａと、入金ファイル１０６ｂと、消込ファイル１０６ｃとを備えている。

【0027】

請求ファイル１０６ａは、請求データを記憶する。ここで、請求ファイル１０６ａは、請求先データおよび請求明細データを含む請求データを記憶していてもよい。また、請求データは、請求先識別子（例えば、請求先名および／または請求先コード等）を含む請求先データ、明細識別子（例えば、伝票番号等）を含む請求明細データ、契約日付、売上日付、および／または、請求金額（例えば、伝票金額等）を含んでいてもよい。

【0028】

入金ファイル１０６ｂは、入金データを記憶する。ここで、入金ファイル１０６ｂは、請求先データおよび入金金額を含む入金データを記憶していてもよい。また、入金データは、入金日付、入金識別子（例えば、入金番号等）、入金区分（例えば、現金、振込、手数料、手形または小切手等）、入金口座識別子（例えば、口座名義、口座種別、口座番号、銀行名、銀行コード、支店名および／または支店コード等）、明細摘要データおよび／または確定フラグを含んでいてもよい。また、入金ファイル１０６ｂは、確定入金データを記憶していてもよい。ここで、確定入金データは、確定フラグが「確定」となっている（すなわち、確定フラグが立っている）入金データであってもよい。

【0029】

消込ファイル１０６ｃは、消込データを記憶する。ここで、消込ファイル１０６ｃは、入金データ、および／または、確定入金データに対する消込データを記憶していてもよい。また、消込データは、消込識別子（例えば、消込番号等）、入金識別子、入金（済）金額、消込（済）金額、今回消込金額、請求先データ、明細識別子、売上日付、入金日付および／または消込日付を含んでいてもよい。

【0030】

入出力インターフェース部１０８には、入力装置１１２および出力装置１１４が接続されている。出力装置１１４には、モニタ（タッチパネルを含む）の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置１１２には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置１１４をモニタ１１４またはプリンタ１１４とし、入力装置１１２をキーボード１１２またはマウス１１２として記載する場合がある。

【0031】

制御部１０２は、入金消込処理装置１００を統括的に制御するＣＰＵ等である。制御部１０２は、ＯＳ等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部１０２は、機能概念的に、入金部１０２ａと、確定部１０２ｂと、消込部１０２ｃとを備えている。

【0032】

入金部１０２ａは、入金データを取得する。ここで、入金部１０２ａは、請求先データおよび入金金額を含む入金データを取得してもよい。また、入金部１０２ａは、請求先データおよび入金金額を入力可能に表示制御し、入金登録指示が入力された場合、当該請求先データおよび当該入金金額を含む入金データを取得してもよい。また、入金部１０２ａは、入金データを入金ファイル１０６ｂに登録してもよい。

【0033】

確定部１０２ｂは、入金データを変更不可とした確定入金データを取得する。ここで、確定部１０２ｂは、請求データに基づいて、入金データが所定条件を満たす場合、当該入金データを変更不可とした確定入金データを取得してもよい。また、確定部１０２ｂは、入金データに対応する請求データに含まれる請求明細データが所定数以上の場合、当該入金データを変更不可とした確定入金データを取得してもよい。また、確定部１０２ｂは、請求データに基づいて、入金データが所定条件を満たす場合、入金日、請求先および明細適用を設定可能に表示制御し、入金確定登録指示が入力された場合、当該入金データを変更不可とした確定入金データを取得してもよい。また、確定部１０２ｂは、入金データに対応する請求データに含まれる請求金額が所定額以上の場合、当該入金データを変更不可とした確定入金データを取得してもよい。また、確定部１０２ｂは、確定入金データを入金ファイル１０６ｂに登録してもよい。

【0034】

消込部１０２ｃは、消込データを取得する。ここで、消込部１０２ｃは、確定入金データに対する消込データを取得してもよい。また、消込部１０２ｃは、確定入金データに対する消込データを入力可能に表示制御し、消込登録指示が入力された場合、確定入金データに対する消込データを取得してもよい。また、消込部１０２ｃは、請求データに基づいて、入金データが所定条件を満たさない場合、当該入金データに対する消込データを取得してもよい。また、消込部１０２ｃは、入金データに対応する請求データに含まれる請求明細データが所定数より少ない場合、当該入金データに対する消込データを取得してもよい。また、消込部１０２ｃは、消込データを消込ファイル１０６ｃに登録してもよい。

【0035】

［３．具体例］
本実施形態の具体例について、図４から図１１を参照して説明する。

【0036】

［入金消込処理］
ここで、図４を参照して、本実施形態における入金消込処理の一例について説明する。図４は、本実施形態における入金消込処理装置１００の処理の一例を示すフローチャートである。

【0037】

図４に示すように、入金部１０２ａは、経理部のユーザにより入力装置１１２を介して出力装置１１４に表示された入金入力画面にて、請求先データおよび入金金額が入力され、入金登録指示が入力された場合、当該請求先データおよび当該入金金額を含む入金データを取得し、入金データを入金ファイル１０６ｂに登録する（ステップＳＡ－１）。

【0038】

そして、確定部１０２ｂは、請求ファイル１０６ａに記憶された請求データに基づいて、入金データが所定条件を満たすか否かを判定する（ステップＳＡ－２）。

【0039】

そして、確定部１０２ｂは、入金データが所定条件を満たさないと判定した場合（ステップＳＡ－２：Ｎｏ）、処理をステップＳＡ－３に移行させる。

【0040】

そして、消込部１０２ｃは、入金データに対する消込データを入力可能な消込画面を出力装置１１４に表示させ、経理部のユーザにより入力装置１１２を介して入金データに対する消込データが入力され、消込登録指示が入力された場合、当該消込データを取得し、当該消込データを消込ファイル１０６ｃに登録し（ステップＳＡ－３）、処理を終了する。

【0041】

一方、確定部１０２ｂは、入金データが所定条件を満たすと判定した場合（ステップＳＡ－２：Ｙｅｓ）、処理をステップＳＡ－４に移行させる。

【0042】

そして、確定部１０２ｂは、入金日、請求先および明細適用を設定可能な入金確定画面を出力装置１１４に表示させ、経理部のユーザにより入力装置１１２を介して入金確定登録指示が入力された場合、入金データを変更不可とした確定入金データを取得し、当該確定入金データを入金ファイル１０６ｂに登録する（ステップＳＡ－４）。

【0043】

そして、消込部１０２ｃは、確定入金データに対する消込データを入力可能な消込画面を出力装置１１４に表示させ、営業部のユーザにより入力装置１１２を介して確定入金データに対する消込データが入力され、消込登録指示が入力された場合、当該消込データを取得し、当該消込データを消込ファイル１０６ｃに登録し（ステップＳＡ－５）、処理を終了する。

【0044】

ここで、図５から図１１を参照して、本実施形態における入金消込処理の具体例について説明する。図５および図７は、本実施形態における入金入力画面の一例を示す図である。図６は、本実施形態における入金データの一例を示す図である。図８は、本実施形態における入金消込データの一例を示す図である。図９は、本実施形態における入金確定画面の一例を示す図である。図１０は、本実施形態における確定入金データの一例を示す図である。図１１は、本実施形態における入金消込画面の一例を示す図である。

【0045】

本実施形態においては、図５に示すように、入金入力画面にて、経理部のユーザにより入金日付、請求先コード、入金区分、入金口座番号、明細摘要データおよび入金金額が入力され、登録ボタンがクリックされた場合、図６に示すように、入金Ｎｏ、行番号、入金日付、請求先コード、入金区分、入金口座番号、明細摘要データおよび入金金額を含み、確定フラグが「未確定」に設定された入金データが登録される。

【0046】

そして、本実施形態においては、入金データに対応する請求データに含まれる請求明細データ（消込対象の伝票数）が所定数より少ない場合、図７に示す入金入力画面が表示され、経理部のユーザにより入金消込日付、請求先コード、伝票番号、売上日付、伝票金額、消込済金額および今回消込額が入力され、登録ボタンがクリックされた場合、図８に示すように、入金消込Ｎｏ、行番号、入金Ｎｏおよび入金済金額を含む入金消込データが登録される。このように、本実施形態においては、入金入力時に、消込データも同時に登録される。

【0047】

一方、本実施形態においては、入金データに対応する請求データに含まれる請求明細データ（消込対象の伝票数）が所定数以上の場合、図９に示す請求先および明細適用を設定可能な入金確定画面が表示され、経理部のユーザにより登録ボタンがクリックされた場合、図１０に示すように、入金Ｎｏ、行番号、入金日付、請求先コード、入金区分、入金口座番号、明細摘要データおよび入金金額を含み、確定フラグが「確定」に設定された、図６に示す入金データを変更不可とした確定入金データが登録される。

【0048】

そして、本実施形態においては、図１１に示す入金消込画面にて、営業部のユーザにより確定入金データが呼び出され、入金消込日付、請求先コード、伝票番号、売上日付、伝票金額、消込済金額および今回消込額が入力され、登録ボタンがクリックされた場合、図８に示すように、入金消込Ｎｏ、行番号、入金Ｎｏおよび入金済金額を含む入金消込データが登録される。このように、本実施形態においては、まず、入金データのみ登録され、入金データの確定フラグが「確定」となっている確定入金データのみ呼び出し可能にしておき、他部署からの呼び出しにより消込データが登録される。

【0049】

［４．他の実施形態］
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。

【0050】

例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。

【0051】

また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。

【0052】

また、入金消込処理装置１００に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。

【0053】

例えば、入金消込処理装置１００が備える処理機能、特に制御部１０２にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、ＣＰＵおよび当該ＣＰＵにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて入金消込処理装置１００に機械的に読み取られる。すなわち、ＲＯＭまたはＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）などの記憶部などには、ＯＳと協働してＣＰＵに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、ＲＡＭにロードされることによって実行され、ＣＰＵと協働して制御部を構成する。

【0054】

また、このコンピュータプログラムは、入金消込処理装置１００に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。

【0055】

また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、ＵＳＢ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｓｅｒｉａｌ Ｂｕｓ）メモリ、ＳＤ（Ｓｅｃｕｒｅ Ｄｉｇｉｔａｌ）カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ＲＯＭ、ＥＰＲＯＭ（Ｅｒａｓａｂｌｅ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＥＥＰＲＯＭ（登録商標）（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓａｂｌｅ ａｎｄ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＣＤ－ＲＯＭ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｋ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＭＯ（Ｍａｇｎｅｔｏ－Ｏｐｔｉｃａｌ ｄｉｓｋ）、ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｋ）、および、Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。

【0056】

また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、ＯＳに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。

【0057】

記憶部１０６に格納される各種のデータベース等は、ＲＡＭ、ＲＯＭ等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。

【0058】

また、入金消込処理装置１００は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、入金消込処理装置１００は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア（プログラムまたはデータ等を含む）を実装することにより実現してもよい。

【0059】

更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。

【産業上の利用可能性】

【0060】

本発明は、法人税の申告に関する技術であるため、業種や業界に関係なく全ての業界において有用である。

【符号の説明】

【0061】

１００ 入金消込処理装置
１０２ 制御部
１０２ａ 入金部
１０２ｂ 確定部
１０２ｃ 消込部
１０４ 通信インターフェース部
１０６ 記憶部
１０６ａ 請求ファイル
１０６ｂ 入金ファイル
１０６ｃ 消込ファイル
１０８ 入出力インターフェース部
１１２ 入力装置
１１４ 出力装置
２００ サーバ
３００ ネットワーク

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】