(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】情報生成装置、コンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20231227BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
A61B5/00 A
H02J7/00 X
(21)【出願番号】P 2020058253
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2023-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 貴之
(72)【発明者】
【氏名】堀内 文人
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-169768(JP,A)
【文献】特開2016-028309(JP,A)
【文献】特開2016-081139(JP,A)
【文献】特開2008-211919(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0164391(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/01
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の電力により動作すると共に被検者の生体情報を連続的に取得して送信する端末装置から、前記生体情報を受信可能な受信部と、
前記電力が前記端末装置に供給されないことにより、前記端末装置が前記生体情報を前記受信部へ送信できない時間である未送信時間が、所定の時間以上かどうかを判定する判定部と、
前記判定部が、前記未送信時間は所定の時間以上であると判定したとき、前記未送信時間が所定の時間以上であることを示す第一注意喚起情報を生成する生成部と、
所定の期間において前記第一注意喚起情報が生成された回数に基づく数値データを含むデータセットを出力する出力部と、
を備える、情報生成装置。
【請求項2】
電池の電力により動作すると共に被検者の生体情報を連続的に取得して送信する端末装置から、前記生体情報を受信可能な受信部と、
前記電力が前記端末装置に供給されないことにより、前記端末装置が前記生体情報を前記受信部へ送信できない時間である未送信時間が、所定の時間以上かどうかを判定する判定部と、
前記判定部が、前記未送信時間は所定の時間以上であると判定したとき、前記未送信時間が所定の時間以上であることを示す第一注意喚起情報を生成する生成部と、を備え、
前記受信部が前記端末装置から前記未送信時間に対応する補完的生体情報を受信すると、前記判定部は、前記補完的生体情報が、被検者から取得された生体情報か前記被検者から生体情報が取得できなかったことを示す擬似生体情報かを判定する
、情報生成装置。
【請求項3】
電池の電力により動作すると共に被検者の生体情報を連続的に取得して送信する端末装置から、前記生体情報を受信可能な受信部と、
前記電力が前記端末装置に供給されないことにより、前記端末装置が前記生体情報を前記受信部へ送信できない時間である未送信時間が、所定の時間以上かどうかを判定する判定部と、
前記判定部が、前記未送信時間は所定の時間以上であると判定したとき、前記未送信時間が所定の時間以上であることを示す第一注意喚起情報を生成する生成部と、を備え、
前記判定部は、前記未送信時間の直前に取得された第一生体情報と、前記未送信時間の直後に取得された第二生体情報と、が同一の被検者に関する生体情報であるかどうかを、さらに判定可能であり、
前記判定部が、前記第一生体情報と前記第二生体情報は同一の被検者に関する生体情報であると判定したとき、前記生成部は前記第一注意喚起情報を生成する
、情報生成装置。
【請求項4】
電池の電力により動作すると共に被検者の生体情報を連続的に取得して送信する端末装置から、前記生体情報を受信可能な受信部と、
前記電力が前記端末装置に供給されないことにより、前記端末装置が前記生体情報を前記受信部へ送信できない時間である未送信時間が、所定の時間以上かどうかを判定する判定部と、
前記判定部が、前記未送信時間は所定の時間以上であると判定したとき、前記未送信時間が所定の時間以上であることを示す第一注意喚起情報を生成する生成部と、を備え、
前記生成された第一注意喚起情報は、前記被検者に関する情報、医療従事者に関する情報、病棟に関する情報、および前記第一注意喚起情報が生成された時刻に関する情報の少なくとも一つと紐付けられて記憶される
、情報生成装置。
【請求項5】
所定の期間における前記第一注意喚起情報と、前記所定の期間における前記被検者に関する情報、前記医療従事者に関する情報、前記病棟に関する情報、および前記時刻に関する情報の少なくとも一つと、を含むデータセットを出力する出力部をさらに備える、請求項4に記載の情報生成装置。
【請求項6】
前記受信部は、前記電池の残量に関する情報を端末装置から受信し、
前記判定部は、前記電池の残量に関する情報に基づいて、前記受信部が前記電池の残量が0になる時刻である電池切れ時刻から所定の時間内に前記生体情報を受信したかどうかを判定し、
前記判定部が、前記受信部は前記電池切れ時刻から所定の時間内に前記生体情報を受信していないと判定した場合、前記生成部は第二注意喚起情報をさらに生成する、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報生成装置。
【請求項7】
電池の電力により動作すると共に被検者の生体情報を連続的に取得して送信する端末装置から、前記生体情報を受信する機能と、
前記電力が前記端末装置に供給されないことにより、前記生体情報が前記端末装置から送信されない時間である未送信時間が、所定の時間以上かどうかを判定する機能と、
前記未送信時間は所定の時間以上であると判定されたとき、前記未送信時間が所定の時間以上であることを示す第一注意喚起情報を生成する機能と、
所定の期間において前記第一注意喚起情報が生成された回数に基づく数値データを含むデータセットを出力する機能と、をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項8】
電池の電力により動作すると共に被検者の生体情報を連続的に取得して送信する端末装置から、前記生体情報を受信する機能と、
前記電力が前記端末装置に供給されないことにより、前記生体情報が前記端末装置から送信されない時間である未送信時間が、所定の時間以上かどうかを判定する機能と、
前記未送信時間は所定の時間以上であると判定したとき、前記未送信時間が所定の時間以上であることを示す第一注意喚起情報を生成する機能と、
前記端末装置から前記未送信時間に対応する補完的生体情報を受信すると、前記補完的生体情報が、被検者から取得された生体情報か前記被検者から生体情報が取得できなかったことを示す擬似生体情報かを判定する機能と、をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項9】
電池の電力により動作すると共に被検者の生体情報を連続的に取得して送信する端末装置から、前記生体情報を受信する機能と、
前記電力が前記端末装置に供給されないことにより、前記生体情報が前記端末装置から送信されない時間である未送信時間が、所定の時間以上かどうかを判定する機能と、
前記未送信時間は所定の時間以上であると判定されたとき、前記未送信時間が所定の時間以上であることを示す第一注意喚起情報を生成する機能と、
前記未送信時間の直前に取得された第一生体情報と、前記未送信時間の直後に取得された第二生体情報と、が同一の被検者に関する生体情報であるかどうかを判定する機能と、をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムであって、
前記第一生体情報と前記第二生体情報は同一の被検者に関する生体情報であると判定されたとき、前記第一注意喚起情報が生成される、コンピュータプログラム。
【請求項10】
電池の電力により動作すると共に被検者の生体情報を連続的に取得して送信する端末装置から、前記生体情報を受信する機能と、
前記電力が前記端末装置に供給されないことにより、前記生体情報が前記端末装置から送信されない時間である未送信時間が、所定の時間以上かどうかを判定する機能と、
前記未送信時間は所定の時間以上であると判定されたとき、前記未送信時間が所定の時間以上であることを示す第一注意喚起情報を生成する機能と、をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムであって、
前記生成された第一注意喚起情報は、前記被検者に関する情報、医療従事者に関する情報、病棟に関する情報、および前記第一注意喚起情報が生成された時刻に関する情報の少なくとも一つと紐付けられて記憶される、コンピュータプログラム。
【請求項11】
請求項7
から10のいずれか一項に記載のコンピュータプログラムが記録された非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報生成装置、コンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電池の電力により動作するテレメータ等の端末装置と、当該端末装置から送信される情報を受信して当該情報を表示する受信装置と、により構成される生体情報収集システムが知られている。例えば、特許文献1は、端末装置に備わる電池の残量が所定値よりも少なくなった場合、電池のアイコンのサイズが拡大されて画面に表示される端末装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、テレメータ等の端末装置に備わる電池が切れた場合、端末装置の動作が止まってしまうので、早急に電池を交換する必要がある。その一方で、端末装置から古い電池を取り外して新しい電池を入れるまでの間に、突発的に、緊急の用事が発生することがありうる。この場合、端末装置から古い電池を取り外して新しい電池を入れるまでの時間が長くなってしまう虞がある。しかし従来は、医療従事者が能動的に、端末装置から古い電池を取り外したらすぐに新しい電池を入れることを意識して行動するしかなく、この点において改善の余地があった。
【0005】
本発明の目的は、医療従事者が端末装置に備わる電池の交換を適切に行うことを支援することが可能な情報生成装置、コンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための一態様に係る容態情報生成装置は、
電池の電力により動作すると共に被検者の生体情報を連続的に取得して送信する端末装置から、前記生体情報を受信可能な受信部と、
前記電力が前記端末装置に供給されないことにより、前記端末装置が前記生体情報を前記受信部へ送信できない時間である未送信時間が、所定の時間以上かどうかを判定する判定部と、
前記判定部が、前記未送信時間は所定の時間以上であると判定したとき、前記未送信時間が所定の時間以上であることを示す第一注意喚起情報を生成する生成部と、
を備える。
【0007】
また、上記の目的を達成するための一態様に係るコンピュータプログラムは、
電池の電力により動作すると共に被検者の生体情報を連続的に取得して送信する端末装置から、前記生体情報を受信する機能と、
前記電力が前記端末装置に供給されないことにより、前記生体情報が前記端末装置から送信されない時間である未送信時間が、所定の時間以上かどうかを判定する機能と、
前記未送信時間は所定の時間以上であると判定されたとき、前記未送信時間が所定の時間以上であることを示す第一注意喚起情報を生成する機能と、をコンピュータに実現させる。
【0008】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る非一時的コンピュータ可読媒体は、
上記コンピュータプログラムを含む。
【0009】
上記のような構成によれば、判定部が、端末装置が受信部へ生体情報を送信できない未送信時間が、所定の時間以上であると判定すると、生成部は、未送信時間が所定の時間以上であることを示す第一注意喚起情報を生成する。このため、医療従事者は第一注意喚起情報を利用して、例えば未送信時間が所定の時間以上であった回数を把握することで、端末装置に備わる電池の交換が適切に行われていたかどうかを数値データ等として知ることができる。その結果、医療従事者に対し、端末装置に備わる電池の交換を適切に行うことを意識付けさせることができる。
このように、上記構成によれば、医療従事者がテレメータ等の端末装置に備わる電池の交換を適切に行うことを支援することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、医療従事者が端末装置に備わる電池の交換を適切に行うことを支援することが可能な情報生成装置、コンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る医療用システムの概略構成を例示する図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る医療用システムのブロック図である。
【
図3】第一実施形態に係るフローチャート図である。
【
図5】第二実施形態に係るフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態の一例について図面を参照しながら説明する。
【0013】
(第一実施形態)
図1は、本実施形態に係る医療用システム100の概略構成を例示する図である。
図2は、本実施形態に係る医療用システム100のブロック図である。医療用システム100は、例えば病院等の医療施設において適用されうる。
図1に例示するように、医療用システム100は、端末装置1と、情報生成装置2と、セントラルモニタ装置3と、を含む。なお、医療用システム100は、複数の端末装置1を含んでいてもよい。端末装置1は、例えば被検者Pによって携帯される医療用テレメータである。端末装置1は、所定の無線通信規格に従って病院の各所に設けられたアクセスポイントAPと通信し、アクセスポイントAPを介してネットワークNにアクセスする機能を有する。端末装置1は、アクセスポイントAPを介してネットワークNにアクセスすることで、情報生成装置2と通信することができる。情報生成装置2は、有線または無線により、セントラルモニタ装置3と通信可能に接続されている。セントラルモニタ装置3は、例えばナースステーション内に配置されている。
【0014】
端末装置1は、その内部に取り外し可能な電池B(
図2参照)を備えている。端末装置1は、電池Bから供給される電力により動作するように構成されている。このため、端末装置1の内部に電池Bが備わっていないとき、または端末装置1の内部に備わる電池Bの残量が0であるとき、端末装置1は動作しない。なお、本実施形態では、端末装置1が動作できる状態を動作可能状態、端末装置1が動作できない状態を動作不能状態とそれぞれ呼ぶ。
【0015】
図2に例示するように、端末装置1は、取得部11と、制御部12と、送信部13と、を備えている。取得部11、制御部12、送信部13は、バス14を介して互いに通信可能に接続されている。取得部11は、端末装置1が動作可能状態であるとき、被検者Pの真正生体情報を取得するように構成されている。真正生体情報とは被検者Pから取得される生体情報である。真正生体情報としては、例えば、心電図、脈拍、脳波、非観血動脈血酸素飽和度(SpO2)、体温、血圧、呼吸数等に関する生体波形データである。取得部11は、制御部12からの制御信号に基づいて、取得した真正生体情報を送信部13に送信する。
【0016】
制御部12は、ハードウェア構成として、メモリと、プロセッサと、を備えている。メモリは、例えば、各種プログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)やプロセッサにより実行される各種プログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成される。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であって、ROMに組み込まれた各種プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。制御部12は、例えば、制御部12のプロセッサがRAMとの協働でプログラムを実行することで、取得部11または送信部13の処理を実現するようこれらを制御する。
【0017】
制御部12は、端末装置1に備わる電池Bの残量を監視するように構成されている。制御部12は、端末装置1に備わる電池Bの残量が所定値以下になったとき、電池Bの残量が所定値以下になったことを示す電池切れ予告情報(電池Bの残量に関する情報の一例)を生成する。電池Bの残量の所定値は、例えば15%である。なお、制御部12は、端末装置1に備わる電池Bの残量が所定値以下になったとき、電池Bの残量と、電池Bの1分あたりの電力消費率と、に基づいて、電池Bの残量が0になる時刻(以下、電池切れ時刻という。)を判定するように構成されていてもよい。この場合、制御部12は、当該判定結果に基づいて電池切れ時刻情報(電池Bの残量に関する情報の一例)を生成する。
【0018】
残量が0ではない電池Bが端末装置1に備わっているとき、制御部12は、端末装置1とアクセスポイントAPの通信状態を監視するようにも構成されている。端末装置1とアクセスポイントAPの通信状態は、接続状態または未接続状態である。接続状態とは、端末装置1が動作可能状態であり、かつアクセスポイントAPに接続されている状態である。一方、未接続状態とは、端末装置1が動作可能状態であるものの、電波切れ等により、アクセスポイントAPに接続されていない状態である。なお、端末装置1とアクセスポイントAPの通信状態が未接続状態であっても、取得部11は、被検者Pから真正生体情報を取得することができる。
【0019】
制御部12は、真正生体情報や電池Bの残量に関する情報等の各種情報を情報生成装置2に送信するよう、送信部13を制御することもできる。制御部12は、取得部11が真正生体情報を取得しており、かつ端末装置1とアクセスポイント通信状態が接続状態である場合、アクセスポイントAPおよびネットワークNを介して真正生体情報を連続的に情報生成装置2に送信するよう、送信部13を制御する。この場合、真正生体情報は取得され次第、情報生成装置2に送信される。一方、端末装置1が動作不能状態または端末装置1とアクセスポイントAP通信状態が未接続状態であったために、端末装置1が真正生体情報を情報生成装置2へ送信することができなかった時間(未送信時間)が存在する場合、制御部12は、端末装置1が動作可能状態であり、かつ端末装置1とアクセスポイントAPの通信状態が接続状態になった時点で、未送信時間に対応する補完的生体情報を情報生成装置2へ送信するよう、送信部13を制御する。なお、本実施形態では、補完的生体情報に対応する生体波形をバックフィル波形と呼ぶ。また、本実施形態では、端末装置1が動作可能状態であり、かつ端末装置1とアクセスポイントAPの通信状態が接続状態になったときに、端末装置1から情報生成装置2に補完的生体情報を送信する機能をバックフィル機能と呼ぶ。
【0020】
補完的生体情報は、端末装置1とアクセスポイントAPの通信状態が未接続状態である時に取得された真正生体情報、または擬似生体情報である。擬似生体情報とは、例えば端末装置1が動作不能状態であったために、被検者Pから真正生体情報を取得することができなかったことを示す生体情報である。本実施形態において、擬似生体情報は三角形状の波形データである。例えば、端末装置1とアクセスポイントAPの通信状態が未接続状態であったために、送信部13が情報生成装置2へ真正生体情報を送信することができなかった場合における補完的生体情報は、当該未接続状態の時に取得された真正生体情報である。一方、端末装置1が動作不能状態であったために、送信部13が真正生体情報を情報生成装置2へ送信することができなかった場合における補完的生体情報は擬似生体情報である。なお、本実施形態では、真正生体情報および擬似生体情報を含む表現として、「生体情報」という語句を用いうる。
【0021】
送信部13は、制御部12からの制御信号に基づいて、Wi-Fi等の通信方式により、アクセスポイントAPおよびネットワークNを介して、生体情報や電池Bの残量に関する情報を情報生成装置2に送信するように構成されている。
【0022】
送信部13は、生体情報を情報生成装置2に送信する際に、制御部12からの制御信号に基づいて、生体情報とは異なる他の情報を併せて送信しうる。送信部13は、例えば、端末装置1の識別情報、端末装置1に紐付く被検者に関する情報、当該被検者を担当している医療従事者に関する情報、当該被検者が属する病棟に関する情報、および取得部11が取得した生体情報の取得時刻に関する情報等を、生体情報と併せて送信することもできる。
【0023】
情報生成装置2は、受信部21と、記憶部22と、制御部23と、出力部24と、を備えている。受信部21、記憶部22、制御部23、出力部24は、バス25を介して互いに通信可能に接続されている。受信部21は、端末装置1から送信される生体情報を、アクセスポイントAPおよびネットワークNを介して、連続的に受信するように構成されている。受信部21は、受信した生体情報を記憶部22に送信する。
【0024】
記憶部22は、被検者Pの生体情報、端末装置1の識別情報と被検者Pまたは医療従事者を紐付けるためのテーブル情報、被検者Pまたは医療従事者と病棟を紐付けるためのテーブル情報、生体情報の取得時刻に関する情報等を記憶する。
【0025】
制御部23は、例えば制御部12と同様のハードウェア構成であってもよい。制御部23は、判定部231と生成部232を含む。制御部23は、例えば、制御部23のプロセッサがRAMとの協働でプログラムを実行することで、判定部231または生成部232の処理を実現するようこれらを制御する。制御部23は、例えば、端末装置1から受信した端末装置1の識別情報と、記憶部22に記憶されている各種テーブル情報と、に基づき、端末装置1の識別情報に紐付く被検者P、被検者Pを担当している医療従事者、被検者Pが属する病棟等を特定しうる。また、制御部23は、記憶部22および出力部24を制御することもできる。
【0026】
ここで、制御部23のプロセッサによって実行されるプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体としては、例えば、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM)である。
【0027】
判定部231は、補完的生体情報に対応する波形の形状等の特徴から、補完的生体情報が真正生体情報か擬似生体情報かを判定することができる。判定部231は、例えば、補完的生体情報に対応する生体波形(バックフィル波形)が三角波であるかどうかに基づいて、補完的生体情報が真正生体情報か擬似生体情報かを判定する。判定部231は、補完的生体情報が真正生体情報であると判定した場合、端末装置1とアクセスポイントAPの通信状態が未接続状態であったことが原因で未送信時間が発生したと判定する。一方、補完的生体情報が擬似生体情報であると判定した場合、判定部231は、電力が端末装置1に供給されず端末装置1が動作不能状態であったことが原因で未送信時間が発生したと判定する。
【0028】
判定部231は、補完的生体情報が擬似生体情報であると判定した場合、未送信時間の長さ(すなわち、端末装置1が情報生成装置2に補完的生体情報を送信した時刻と端末装置1が情報生成装置2に真正生体情報を送信できなくなった時刻との差)に基づいて、未送信時間が所定の時間以上であるかどうかを判定する。未送信時間が所定の時間以上であるとき、判定部231は、第一判定情報を生成する。第一判定情報とは、電力が端末装置1に供給されないことにより発生した未送信時間が所定の時間以上であることを示す情報である。なお、当該所定の時間は、医療従事者等によって任意に設定されうる。
【0029】
判定部231は、未送信時間の直前に取得された生体情報(以下、第一生体情報という)と、未送信時間の直後に取得された生体情報(以下、第二生体情報という)と、が同一の被検者に関する生体情報であるかどうかを判定することもできる。判定部231は、例えば、第一生体情報に対応する波形と第二生体情報に対応する波形をパターンマッチングすることにより、第一生体情報と第二生体情報が同一の被検者から取得されたかどうか判定する。
【0030】
判定部231は、端末装置1から受信した電池切れ予告情報に基づいて、端末装置1に備わっている電池Bの電池切れ時刻を判定することができる。判定部231は、例えば、電池切れ予告情報と電池Bの1分あたりの電力消費率に基づいて、電池切れ時刻を判定する。
【0031】
判定部231は、受信部21が電池切れ時刻から所定の時間内に、端末装置1から生体情報を受信したかどうかを判定することができる。判定部231は、電池切れ時刻から所定の時間内に、端末装置1から生体情報を受信していないと判定した場合、受信部21が電池切れ時刻から所定の時間内に端末装置1から生体情報を受信していないことを示す第二判定情報を生成する。つまり、電池Bの残量が0になった時刻以降に受信部21が端末装置1から生体情報を受信した時刻が、電池切れ時刻から所定の時間を経過した後であるとき、判定部231は第二判定情報を生成する。なお、当該所定の時間は、医療従事者等によって任意に設定されうる。
【0032】
生成部232は、第一判定情報に基づいて、第一注意喚起情報を生成するように構成されている。第一注意喚起情報とは、電力が端末装置1に供給されないことにより発生した未送信時間が所定の時間以上であることを医療従事者等に呈示するための情報である。第一注意喚起情報は記憶部22に送信される。
【0033】
生成部232は、第二判定情報に基づいて、第二注意喚起情報を生成するように構成されている。第二注意喚起情報とは、受信部21が電池切れ時刻から所定の時間内に端末装置1から生体情報を受信していないことを医療従事者等に呈示するための情報である。第二注意喚起情報は記憶部22に送信される。
【0034】
生成部232は、第一注意喚起情報が生成された時刻に関する情報等を生成することもできる。
【0035】
なお、制御部23が特定した、または端末装置1から受信した被検者に関する情報や、生成部232が生成した第一注意喚起情報または第一注意喚起情報および第二注意喚起情報が生成された時刻に関する情報等は、制御部23によって、第一注意喚起情報または第一注意喚起情報および第二注意喚起情報に紐付けられうる。この場合、紐付けられた情報は、記憶部22に送信される。
【0036】
出力部24は、制御部23からの制御信号に基づき、所定の期間における第一注意喚起情報または第一注意喚起情報および第二注意喚起情報と、当該所定の期間における被検者Pに関する情報、医療従事者に関する情報、病棟に関する情報、および第一注意喚起情報が生成された時刻に関する情報の少なくとも一つと、を含むデータセットを、記憶部22から出力する。例えば医療従事者が、後述するセントラルモニタ装置3に備わる操作部33に対して、ここ5日間におけるデータセットを出力させるための操作を行うと、当該期間におけるデータセットを出力させるための命令信号がセントラルモニタ装置3から情報生成装置2の制御部23に送信される。制御部23は、当該命令信号に基づき、当該期間におけるデータセットを出力し、出力されたデータセットに対応する出力信号OSを、セントラルモニタ装置3に出力するよう、出力部24を制御する。なお、当該所定の期間は、医療従事者等によって任意に設定されうる。
【0037】
セントラルモニタ装置3は、通信インターフェース(以下、通信IFという)31と、表示部32と、操作部33と、制御部34と、を備えている。通信IF31、表示部32、操作部33、制御部34は、バス35を介して互いに通信可能に接続されている。通信IF31は、情報生成装置2への接続を可能にするインターフェースである。セントラルモニタ装置3は、通信IF31を介して、情報生成装置2と適宜通信することができる。
【0038】
表示部32は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置である。表示部32には、第一注意喚起情報や第二注意喚起情報等の各種情報が表示されうる。
【0039】
操作部33は、セントラルモニタ装置3を操作する操作者の入力操作を受け付けると共に、当該入力操作に対応する指示信号を生成するように構成されている。操作部33は、例えば、表示部32上に重ねて配置されたタッチパネル、セントラルモニタ装置3の筐体に取り付けられた操作ボタン等である。操作部33は、所定の情報を表示部32に表示させるための入力操作や、情報生成装置2の出力部24に所定の指示を行うための入力操作等を受け付けて、当該入力操作に対応する指示信号を生成する。生成された指示信号は、バス35を介して制御部34に送信される。例えば、情報生成装置2の出力部24に所定の指示を行うための入力操作に対応する指示信号が制御部34に送信されると、制御部34は、当該指示信号を情報生成装置2に送信する。
【0040】
制御部34は、例えば制御部12と同様のハードウェア構成であってもよい。制御部34は、通信IF31、表示部32、および操作部33を制御することができる。
【0041】
(第一実施形態)
次に
図3および
図4を参照しつつ、第一実施形態においてデータセットが出力されるまでの流れを説明する。
図3は、第一実施形態に係るフローチャート図である。
図4は、取得された生体情報の一例を示す図である。なお、
図4は2020年2月7日20:10から20:50までの間に取得された被検者Pの生体情報を例示している。また、本実施形態において、被検者Pから取得される真正生体情報は、心電図波形データである。さらに、本実施形態では、端末装置1から情報生成装置2への生体情報の未送信時間が10分以上である場合、判定部231は、電池Bの交換が適切に行われなかったと判定するものとする。
【0042】
図3に例示するように、端末装置1が被検者Pから心電図波形データを取得し始めると、情報生成装置2の制御部23は、端末装置1から被検者Pの心電図波形データを受信していないかどうかを判断する(STEP01)。受信部21が端末装置1から被検者Pの心電図波形データを受信している場合(STEP01においてNO)、STEP01が繰り返される。一方、受信部21が端末装置1から被検者Pの心電図波形データを受信していない場合(STEP01においてYES)、STEP02に進む。
【0043】
図4の(a)に例示するように、本実施形態において、受信部21は20:10から20:31までは心電図波形データを端末装置1から受信しているが、20:31以降は端末装置1から心電図波形データを受信していない。したがって、制御部23は、20:10から20:31まではSTEP01を繰り返し、20:32の時点において、受信部21は端末装置1から被検者Pの心電図波形データを受信していないと判断し(STEP01においてYES)、STEP02の処理を開始する。
【0044】
図3のSTEP02において、制御部23は、受信部21が端末装置1から生体情報を受信したかどうかを判断する。受信部21が端末装置1から生体情報を受信していない場合(STEP02においてNO)、STEP02が繰り返される。一方、受信部21が端末装置1から生体情報を受信した場合(STEP02においてYES)、STEP03に進む。
【0045】
図4の(b)に例示するように、本実施形態において、受信部21は、端末装置1から心電図波形データを受信しなくなった後、20:45の時点で端末装置1から生体情報を受信している。したがって、制御部23は、20:45において、受信部21は端末装置1から生体情報を受信したと判断し、STEP03の処理を開始する。またこの場合、未送信時間(20:32から20:44)の直前、すなわち、20:31以前に取得された心電図波形データは第一生体情報に当たる。さらに、未送信時間(20:32から20:44)の直後、すなわち、20:45以降に取得された生体情報は第二生体情報に当たる。
【0046】
図3のSTEP03において、制御部23は、STEP02で受信した生体情報がバックフィル波形を含むかどうかを判定する。STEP02において受信された生体情報がバックフィル波形を含まない場合(STEP03においてNO)、制御部23は本処理を終了させる。一方、STEP02において受信された生体情報がバックフィル波形を含む場合(STEP03においてYES)、STEP04に進む。
【0047】
図4の(b)に例示するように、本実施形態では、20:32から20:44までの時間が未送信時間である。また、受信部21は、20:45において、未送信時間に対応する補完的生体情報と、20:45における心電図波形データと、を端末装置1から受信している。したがって、制御部23は、STEP02で受信した生体情報はバックフィル波形を含んでいると判断し(STEP03においてYES)、STEP04の処理を開始する。なお、端末装置1がバックフィル機能を有していない場合、端末装置1は、未送信時間に対応する補完的生体情報を情報生成装置2に送信することができない。この場合、受信部21は、20:45の時点で、20:45における心電図波形データのみを端末装置1から受信する。したがって、制御部23は、STEP02で受信した生体情報はバックフィル波形を含んでいないと判断し(STEP03においてNO)、本処理を終了させる。
【0048】
図3のSTEP04において、判定部231は、STEP03で特定されたバックフィル波形が三角波かどうか判定する。すなわち、判定部231は、未送信時間に対応する補完的生体情報が真正生体情報か擬似生体情報かを判定する。当該バックフィル波形が三角波ではない場合(STEP04においてNO)、判定部231は、未送信時間に対応する補完的生体情報は真正生体情報であると判定する。この場合、判定部231は、端末装置1とアクセスポイントAPの通信状態が未接続状態であったために未送信時間が発生したと判定し、制御部23は当該判定に基づいて、本処理を終了させる。一方、当該バックフィル波形が三角波である場合(STEP04においてYES)、判定部231は、未送信時間に対応する補完的生体情報は擬似生体情報であると判定する。この場合、判定部231は、電力が端末装置1に供給されず端末装置1が動作不能状態であったために未送信時間が発生したと判定し、制御部23は当該判定に基づいて、STEP05の処理を開始する。
【0049】
図4の(b)に例示するように、本実施形態では、補完的生体情報に対応するバックフィル波形は三角波であるので(STEP04においてYES)、判定部231は、未送信時間に対応する補完的生体情報は擬似生体情報であると判定する。その結果、判定部231は、電力が端末装置1に供給されず端末装置1が動作不能状態であったために未送信時間が発生したと判定し、制御部23は当該判定に基づいて、STEP05の処理を開始する。
【0050】
図3のSTEP05において、判定部231は、未送信時間の長さに基づいて、三角波に対応する時間が所定時間以上であるかどうかを判定する。未送信時間が所定の時間未満である場合(STEP05においてNO)、制御部23は本処理を終了させる。一方、未送信時間が所定の時間以上である場合(STEP05においてYES)、第一判定情報が生成部232によって生成され、STEP06に進む。
【0051】
図4の(b)に例示するように、本実施形態において、端末装置1が情報生成装置2に補完的生体情報を送信した時刻は20:45であり、端末装置1が情報生成装置2に心電図波形データを送信できなくなった時刻は20:32であるので、未送信時間(三角波に対応する時間)の長さは13分間である。したがって、未送信時間は10分以上であるので(STEP05においてYES)、制御部23は、STEP06の処理を開始する。
【0052】
図3のSTEP06において、判定部231は、第一生体情報に対応する波形と第二生体情報に対応する波形をパターンマッチングすることで、第一生体情報と第二生体情報は被検者Pから取得されたものであるかどうか判定する。第一生体情報と第二生体情報の一方が被検者Pから取得された生体情報ではない場合(STEP06においてNO)、制御部23は本処理を終了させる。一方、第一生体情報と第二生体情報が共に被検者Pから取得された生体情報である場合(STEP06においてYES)、STEP07に進む。
【0053】
本実施形態では、2020年2月7日20:31までに取得された第一生体情報と20:45から取得された第二生体情報は、被検者Pの心電図波形データである。したがって、判定部231は、第一生体情報に対応する波形と第二生体情報に対応する波形をパターンマッチングすることにより、第一生体情報と第二生体情報が共に被検者Pから取得されたものであると判定し(STEP06においてYES)、制御部23はSTEP07の処理を開始する。
【0054】
図3のSTEP07において、生成部232は、第一判定情報に基づいて、第一注意喚起情報を生成する。このとき、生成部232は、第一注意喚起情報が生成された時刻に関する情報を生成する。また、制御部23は、例えば、端末装置1の識別情報と、記憶部22に記憶されている各種テーブル情報と、に基づいて、端末装置1の識別情報に紐付く被検者Pに関する情報、医療従事者に関する情報、病棟に関する情報等を特定する。第一注意喚起情報が生成された時刻に関する情報や被検者Pに関する情報等は、STEP07で生成された第一注意喚起情報に紐付けられた上で記憶部22に送信される。なお、例えば、三角波に対応する時間が所定時間未満であるために第一注意喚起情報が生成されない場合(STEP05においてNO)、生成部232は、三角波に対応する時間が所定時間未満であると判定部231が判定した時刻に関する情報を生成する。またこのとき、制御部23は、端末装置1の識別情報と、記憶部22に記憶されている各種テーブル情報と、に基づいて、端末装置1の識別情報に紐付く被検者Pに関する情報、医療従事者に関する情報、病棟に関する情報等を特定する。三角波に対応する時間が所定時間未満であると判定部231が判定した時刻に関する情報や被検者Pに関する情報等は、記憶部22に送信される。
【0055】
第一注意喚起情報が生成された後、医療従事者がセントラルモニタ装置3の操作部33に対して、所定の期間における第一注意喚起情報と、当該所定の期間における被検者Pや医療従事者に関する情報等と、を含むデータセットを出力させるための操作を行うと、当該期間におけるデータセットを出力させるための命令信号がセントラルモニタ装置3から情報生成装置2に送信される。出力部24は当該命令信号に基づき、当該期間におけるデータセットを出力し、出力されたデータセットに対応する出力信号OSを、セントラルモニタ装置3に出力する(STEP08)。その結果、セントラルモニタ装置3の表示部32には、出力信号OSに基づく表示画面が表示される。
【0056】
例えば医療従事者が、セントラルモニタ装置3の操作部33に対して、ここ5日間におけるデータセットを出力させるための操作を行うと、出力部24は、2020年2月3日から2020年2月7日までのデータセットを出力し、出力されたデータセットに対応する出力信号OSを、セントラルモニタ装置3に出力する。医療従事者は、表示部32に表示された表示画面を閲覧することで、2020年2月3日から2020年2月7日において、端末装置1から電池Bを取り外してから新たな電池を端末装置1に入れるまでの時間が適切であったかどうかを把握することができる。また、例えば、出力されたデータセットに医療従事者に関する情報が含まれている場合、医療従事者は、表示部32に表示された表示画面を閲覧することで、どの医療従事者が端末装置1に備わる電池Bの交換を適切に行えていなかったかどうかを把握することができる。
【0057】
ところで、端末装置1に備わる電池Bの残量が0になると、端末装置1は動作不能状態になってしまうので、早急に電池を交換する必要がある。その一方で、端末装置1から電池Bを取り外してから新しい電池を入れるまでの間に、突発的に、緊急の用事が発生することがありうる。この場合、端末装置1から電池Bを取り外して新しい電池を入れるまでの時間が長くなってしまう虞がある。従来は、電池の交換時間が長くならないように、医療従事者自らが能動的に意識して行動するしかなかった。
【0058】
上記のような構成によれば、端末装置1に電力が供給されなかったために未送信時間が発生し、当該未送信時間が所定の時間以上である場合、生成部232は第一注意喚起情報を生成する。そして例えば、所望の期間において第一注意喚起情報が生成された回数をセントラルモニタ装置3の表示部32に表示させることで、医療従事者は、所望の期間における端末装置1に備わる電池Bの交換が適切に行われていたかどうかを数値データとして知ることができる。つまり、医療従事者は表示部32に表示された情報を視認することで、自己または他の医療従事者がどの程度、端末装置1に備わる電池Bの交換を適切に行うことができていたかを客観的に把握できる。このように、情報生成装置2によれば、医療従事者に対し、端末装置1に備わる電池Bの交換を適切に行うことを意識付けさせることができる。
【0059】
また、上記のような構成によれば、受信部21が端末装置1から真正生体情報を受信することができない状態になった後、端末装置1から生体情報を受信できる状態になると、受信部21は、未送信時間に対応する補完的生体情報を受信する。判定部231は、当該補完的生体情報が、真正生体情報か擬似生体情報かを判定する。例えば判定部231が、受信部21が受信した補完的生体情報は擬似生体情報であると判定すると、判定部231は、電力が端末装置1に供給されないことにより、受信部21は端末装置1から生体情報を受信することができなかったと判定することができる。したがって、医療従事者は、情報生成装置2が生成する第一注意喚起情報により、未送信時間が、例えば電波切れにより発生したのか、それとも電池切れにより発生したのかを認識することができる。
【0060】
また、上記のような構成によれば、第一生体情報と第二生体情報が同一の被検者Pに関する生体情報である場合に、生成部232は第一注意喚起情報を生成する。したがって、例えば、端末装置1に紐付く被検者を変更する際に未送信時間が発生した場合等において、生成部232は第一注意喚起情報を生成しない。同一の被検者Pから連続的に生体情報を取得する場合、未送信時間が発生することは好ましくない。情報生成装置2は、第一生体情報と第二生体情報が同一の被検者Pに関する生体情報である場合に第一注意喚起情報を生成するので、医療従事者が端末装置1に備わる電池Bの交換を適切に行うことをより正確に支援することができる。
【0061】
また、上記のような構成によれば、生成部232によって生成された第一注意喚起情報は、被検者Pに関する情報、医療従事者に関する情報、病棟に関する情報、および第一注意喚起情報が生成された時刻に関する情報の少なくとも一つと紐付けられ、記憶部22に記憶される。したがって、例えば、医療従事者は第一注意喚起情報によって、端末装置1に備わる電池Bの交換を適切に行うことができなかった医療従事者や病棟、端末装置に備わる電池Bの交換を適切に行うことが難しい時間帯等を容易に特定することができる。
【0062】
また、上記のような構成によれば、出力部24は、所定の期間における第一注意喚起情報と、所定の期間における被検者Pに関する情報等と、を含むデータセットを出力する。したがって、医療従事者は、ある期間における、端末装置に備わる電池Bの交換を適切に行うことができなかった医療従事者や病棟、端末装置に備わる電池Bの交換を適切に行うことが難しい時間帯等を一覧的に把握することができる。
【0063】
(第二実施形態)
次に、
図5を参照しつつ、第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態の説明において、第一実施形態と重複する部分については省略する。また、第二実施形態においても、
図4に例示する生体情報が被検者Pから取得されたものとする。なお、第二実施形態では、2020年2月7日20:32において、電池Bの残量が0になったことが原因で、端末装置1から情報生成装置2に真正生体情報が送信されなくなったものとして説明する。つまり、第二実施形態において、電池切れ時刻は2020年2月7日20:32である。
【0064】
第二実施形態では、端末装置1に備わる電池Bの残量が所定値以下になると、制御部12は、電池Bの残量が所定値以下になったことを示す電池切れ予告情報を生成する。本実施形態では、説明の便宜上、当該所定値は15%に設定されているものとして説明する。この場合、電池Bの残量が15%以下になると、制御部12は電池切れ予告情報を生成する。生成された電池切れ予告情報が、アクセスポイントAPおよびネットワークNを介して、送信部13から情報生成装置2に送信されることで、受信部21は端末装置1から電池切れ予告情報を受信する(STEP11)。
【0065】
受信部21が電池切れ予告情報を受信すると、制御部23の判定部231は、受信した電池切れ予告情報に基づいて、電池Bの電池切れ時刻を判定する(STEP12)。例えば、電池Bの電力が1分あたり1%ずつ消費され、かつ電池切れ予告情報が生成された時刻が2020年2月7日20:17であるとき、判定部231は、電池切れ時刻は2020年2月7日20:32であると判定する。
【0066】
図5のSTEP13~14は、
図3のSTEP01~02と同様である。
【0067】
STEP15において、判定部231は、受信部21が電池切れ時刻から所定の時間以上経過した後に、端末装置1から生体情報を受信したかどうかを判定する。本実施形態において、受信部21は、端末装置1から真正生体情報を受信しなくなった後、20:45の時点で端末装置1から生体情報を受信している。したがって、例えば、所定の時間が3分間である場合、生体情報を受信した時刻(20:45)は電池切れ時刻(20:32)から3分を経過しているので(STEP15においてYES)、STEP16に進む。なお、この場合、判定部231は、第二判定情報を生成する。一方、例えば、所定の時間が15分間である場合、生体情報を受信した時刻(20:45)は電池切れ時刻(20:32)から15分を経過していないので(STEP15においてNO)、STEP22に進む。
【0068】
図5のSTEP16~STEP19は、
図3のSTEP03~06と同様である。
【0069】
STEP20において、生成部232は、第一判定情報に基づいて第一注意喚起情報を生成し、かつ第二判別情報に基づいて第二注意喚起情報を生成する。このとき、生成部232は、第一注意喚起情報および第二注意喚起情報が生成された時刻に関する情報を生成する。またこのとき、制御部23は、例えば、端末装置1の識別情報と、記憶部22に記憶されている各種テーブル情報と、に基づいて、端末装置1の識別情報に紐付く被検者Pに関する情報、医療従事者に関する情報、病棟に関する情報等を特定する。第一注意喚起情報および第二注意喚起情報が生成された時刻に関する情報や被検者Pに関する情報等は、STEP20において生成された第一注意喚起情報および第二注意喚起情報に紐付けられた上で記憶部22に送信される。なお、例えば、三角波に対応する時間が所定時間未満であるために第一注意喚起情報および第二注意喚起情報が生成されない場合(STEP18においてNO)、生成部232は、三角波に対応する時間が所定時間未満であると判定部231が判定した時刻に関する情報を生成する。またこのとき、制御部23は、端末装置1の識別情報と、記憶部22に記憶されている各種テーブル情報と、に基づいて、端末装置1の識別情報に紐付く被検者Pに関する情報、医療従事者に関する情報、病棟に関する情報等を特定する。三角波に対応する時間が所定時間未満であると判定部231が判定した時刻に関する情報や被検者Pに関する情報等は、記憶部22に送信される。
【0070】
第一注意喚起情報および第二注意喚起情報が生成された後、セントラルモニタ装置3の操作部33に対して、所定の期間における第一注意喚起情報および第二注意喚起情報と、当該所定の期間における被検者Pや医療従事者に関する情報等と、を含むデータセットを出力させるための操作を行うと、当該期間におけるデータセットに対応する出力信号OSがセントラルモニタ装置3に出力される(STEP21)。その結果、セントラルモニタ装置3の表示部32には、出力信号OSに基づく表示画面が表示される。
【0071】
例えば医療従事者が、セントラルモニタ装置3の操作部33に対して、ここ5日間におけるデータセットを出力させるための操作を行うと、出力部24は、2020年2月3日から2020年2月7日までのデータセットを出力し、出力されたデータセットに対応する出力信号OSを、セントラルモニタ装置3に出力する。医療従事者は、表示部32に表示された表示画面を閲覧することで、2020年2月3日から2020年2月7日において、端末装置1に備わる電池Bの残量が0になってから長時間放置されていないかどうかと、端末装置1から電池Bを取り外してから新たな電池を端末装置1に入れるまでの時間が適切であったかどうかと、を把握することができる。また、例えば、出力されたデータセットに医療従事者に関する情報が含まれている場合、医療従事者は、表示部32に表示された表示画面を閲覧することで、どの医療従事者が端末装置1に備わる電池Bの交換を適切に行えていなかったかどうかを把握することができる。
【0072】
図5のSTEP22~STEP27は、
図3のSTEP03~08と同様である。
【0073】
上記のような構成によれば、判定部231が、端末装置1から受信した電池切れ予告情報(電池の残量に関する情報の一例)に基づく電池切れ時刻から所定の時間内に受信部21が生体情報を受信していないと判定した場合、生成部232は、さらに第二注意喚起情報を生成する。このため、医療従事者は第二注意喚起情報を利用して、例えば端末装置1の電池Bが切れてから新たな電池が端末装置1に入れられるまでの時間が所定時間を超えていた回数を把握することで、端末装置1に備わる電池Bの交換が適切に行われていたかどうかを数値データ等として知ることができる。その結果、医療従事者に対し、端末装置1に備わる電池Bの交換を適切に行うことを意識付けさせることができる。
【0074】
上記の実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良され得る。
【0075】
上記の実施形態において、真正生体情報は被検者Pの心電図波形データであるが、脈拍、脳波、非観血動脈血酸素飽和度(SpO2)、体温、血圧、呼吸数等の他の生体情報に関する生体波形データであってもよい。
【0076】
第一実施形態では、STEP06が実行されているが、STEP06は実行されなくてもよい。つまり、STEP05においてYESの場合、STEP06が実行されることなく、第一注意喚起情報が生成されてもよい。
【0077】
第二実施形態では、STEP19またはSTEP25が実行されているが、STEP19またはSTEP25は実行されなくてもよい。つまり、STEP18においてYESの場合、STEP19が実行されることなく、第一注意喚起情報および第二注意喚起情報が生成される。また、STEP24においてYESの場合、STEP25が実行されることなく、第一注意喚起情報が生成される。
【0078】
上記の実施形態では、セントラルモニタ装置3の表示部32に、出力信号OSに基づく表示画面が表示されることで、第一注意喚起情報または第一注意喚起情報および第二注意喚起情報が医療従事者に呈示されているがこれに限られない。例えば、情報生成装置2またはセントラルモニタ装置3に紐付く印刷機から、出力信号OSに基づく情報が表示された印刷物が出力されることで、第一注意喚起情報または第一注意喚起情報および第二注意喚起情報が医療従事者に呈示されてもよい。
【0079】
上記の実施形態では、セントラルモニタ装置3に、操作部33が備わっているが、例えば、端末装置1、情報生成装置2、他の外部装置のいずれかに操作部が備わっていてもよい。例えば、情報生成装置2に操作部が備わっている場合、医療従事者が情報生成装置2に備わっている操作部に対して所定の操作を行うと、当該操作部は所定の期間におけるデータセットを出力させるための命令信号を生成し、当該命令信号を制御部23に送信する。
【0080】
第一実施形態のSTEP07または第二実施形態のSTEP26において、生成部232は、第一注意喚起情報が生成された時刻に関する情報を生成しているが、第一注意喚起情報のみを生成してもよい。また、第一実施形態のSTEP07または第二実施形態のSTEP26において、制御部23は、端末装置1の識別情報と、記憶部22に記憶されている各種テーブル情報と、に基づいて、端末装置1の識別情報に紐付く被検者Pに関する情報、医療従事者に関する情報、病棟に関する情報等を特定しなくてもよい。
【0081】
第二実施形態では、STEP20において生成部232は、第一注意喚起情報および第二注意喚起情報が生成された時刻に関する情報を生成しているが、第一注意喚起情報および第二注意喚起情報のみを生成してもよい。また、STEP20において、制御部23は、端末装置1の識別情報と、記憶部22に記憶されている各種テーブル情報と、に基づいて、端末装置1の識別情報に紐付く被検者Pに関する情報、医療従事者に関する情報、病棟に関する情報等を特定してなくてもよい。
【0082】
上記の実施形態では、情報生成装置2の制御部23は、端末装置1から受信した端末装置1の識別情報と、記憶部22に記憶されている各種テーブル情報と、に基づき、端末装置1の識別情報に紐付く被検者P等を特定しているが、この例に限られない。例えば、端末装置1が、端末装置1に紐付く被検者Pに関する情報、医療従事者に関する情報、病棟に関する情報等を情報生成装置2に送信してもよい。この場合、情報生成装置2の制御部23は、生成部232が生成した第一注意喚起情報または第一注意喚起情報および第二注意喚起情報と、端末装置1から受信した被検者Pに関する情報等と、を紐付ける。紐付けられた情報は、記憶部22に送信される。
【0083】
第二実施形態では、情報生成装置2の判定部231が電池切れ予告情報に基づいて電池Bの電池切れ時刻を判定しているが、これに限られない。例えば、端末装置1の制御部12が、電池Bの残量と、電池Bの1分あたりの電力消費率と、に基づいて、電池Bの電池切れ時刻を判定してもよい。この場合、制御部12は、当該判定結果に基づいて電池切れ時刻情報を生成し、情報生成装置2に送信する。
【0084】
上記の実施形態では、情報生成装置2はセントラルモニタ装置3とは別の装置として説明したが、例えば、情報生成装置2が、セントラルモニタ装置3の表示部32、操作部33および制御部34に対応する機能を備えていてもよい。この場合、医療用システム100は、セントラルモニタ装置3を含まない。
【符号の説明】
【0085】
1:端末装置、2:情報生成装置、3:セントラルモニタ装置、11:取得部、12:制御部、13:送信部、14:バス、21:受信部、22:記憶部、23:制御部、24:出力部、25:バス、31:通信インターフェース、32:表示部、33:操作部、34:制御部、35:バス、100:医療用システム、231:判定部、232:生成部