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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】ヘッドレストの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/879 20180101AFI20231227BHJP
   A47C 7/38 20060101ALI20231227BHJP
   A47C 31/02 20060101ALI20231227BHJP
   B68G 7/06 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
B60N2/879
A47C7/38
A47C31/02 J
B68G7/06 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020080677
(22)【出願日】2020-04-30
(65)【公開番号】P2021172314
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(72)【発明者】
【氏名】宮下 千夏
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-186965(JP,A)
【文献】特開2016-182909(JP,A)
【文献】特開2005-212653(JP,A)
【文献】特開2008-295595(JP,A)
【文献】特開平10-80337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00-90
A47C 7/38
A47C 31/02-06
B68G 7/00-12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表皮材の内側に弾性体が設けられたヘッドレスト本体の表面に露出するよう線状発光部が設けられると共に、前記ヘッドレスト本体から下方にステーが延出するよう形成されたヘッドレストの製造方法であって、
表皮形成材の縫合部位における当該表皮形成材の間に線状発光部を位置付けて、線状発光部の端部側に表皮形成材に縫合されない余剰部が形成されるように、当該表皮形成材と線状発光部を縫合することで袋状の表皮材を表裏が裏返った状態となるよう形成し、
前記表皮材に形成した引っ繰り返し用の開口を介して前記表皮形成材の表面が外側に露出するよう前記袋状の表皮材を引っ繰り返し、
前記表皮材の挿通孔を挿通するように前記ステーを挿通して、該ステーの前記ヘッドレスト本体に埋設される埋設部分を前記表皮材の内側に収容し、
前記表皮材の内側において、前記ヘッドレスト本体に埋設される埋設部分に形成した前記ステーの第1開口部に、前記線状発光部における余剰部を差し込んでステーの内部に線状発光部を挿通して、当該ステーの下端部に形成した第2開口部に線状発光部の端部が向くようにし、
成形型に収容した前記表皮材の内側で発泡原料を発泡させて前記弾性体を形成することで、前記ステーの内部に前記線状発光部が挿通する状態で当該線状発光部が表面に露出した前記ヘッドレスト本体を形成し、
前記ステーに形成した前記第2開口部に向く前記線状発光部の端部から入射した光により当該線状発光部を発光させ得るようにした
ことを特徴とするヘッドレストの製造方法。
【請求項2】
前記ステーの内部に挿通した前記線状発光部の端部を、当該ステーの第2開口部に取り付けた保持部材で保持することを特徴とする請求項記載のヘッドレストの製造方法。
【請求項3】
前記表皮材の表裏が裏返った状態で、発泡体により筒状に形成した被覆部材を、前記表皮材における前記ステーの挿通孔に連通するよう前記表皮形成材の裏面に固定し、
前記表皮形成材の表面が外側に露出するように前記袋状の表皮材を引っ繰り返した状態で、前記被覆部材の貫通孔および前記表皮材の挿通孔を挿通するように前記ステーを挿通し、
前記表皮材の内側において、前記被覆部材で塞がれない位置に位置付けた前記第1開口部に、前記線状発光部における余剰部の端部を差し込んで前記ステーの内部に線状発光部を挿通し、
前記被覆部材で前記第1開口部が塞がれるように前記ステーを前記表皮材の外側に引き出したもとで、当該表皮材の内側で発泡原料を発泡させて前記弾性体を形成するようにした請求項1または2記載のヘッドレストの製造方法。
【請求項4】
前記被覆部材を形成する発泡体を、前記弾性体を形成する発泡体より軟質の発泡体で形成するようにしたことを特徴とする請求項3記載のヘッドレストの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ヘッドレストの製造方法造に関し、更に詳細には、ヘッドレスト本体の表面に露出するよう線状発光部が設けられたヘッドレストの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両や船舶、或いは航空機といった各種の乗物のシートや住宅等で利用される椅子の中には、座った人員の背部を支えるシートバックの上部に、頭部や頸部を支えて保護するヘッドレストを備えたものが知られている。このようなヘッドレストは、縫合などにより袋状に形成された軟質な表皮材の内側に弾力性を有する発泡体が充填されたヘッドレスト本体と、当該ヘッドレスト本体に部分的に埋設されて下方に延出するステーとを備えており、当該ヘッドレストのステーを、シートバッグに設けられたステー支持部に挿入することで取り付けられている。
【0003】
ところで、近年は、ヘッドレストの加飾性を高めることなどを目的として、ヘッドレストを発光するよう構成したものがある。例えば、ヘッドレストの表皮材の縫合部分に蛍光塗料や蓄光顔料を混入した玉縁などを設けて、ブラックライトの照射や蓄光作用により玉縁を発光させたり、特許文献1のように、シートバック側に設けた光源から導いた光を、ヘッドレストの稜線に沿うように設けた線状発光部の端部から入射させて発光させるものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-186965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、蛍光塗料にブラックライトを照射させて発光させる場合には、ヘッドレストの外側にブラックライトを照射する設備が必要になり、またブラックライトの照射範囲しか発光させられない。また蓄光顔料を利用する場合は、その蓄光作用が続く間しか発光させられないことから、何れも発光による加飾性が限定的になる問題がある。その一方で、線状発光部の端部から光を入射させて発光させる場合には、線状発光部に対して正確に光を照射する必要があり、特にヘッドレストを着脱可能に構成した場合には、シートバック側に設けた光源から導いた光を線状発光部の端部に正確に照射することが困難となり、線状発光部の発光による加飾効果が適切に発揮されない問題がある。
【0006】
すなわち本発明は、シートバックに対して着脱可能に構成されたヘッドレストを発光により効果的に装飾することができるヘッドレストの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
表皮材の内側に弾性体が設けられたヘッドレスト本体の表面に露出するよう線状発光部が設けられると共に、前記ヘッドレスト本体から下方にステーが延出するよう形成されたヘッドレストの製造方法であって、
表皮形成材の縫合部位における当該表皮形成材の間に線状発光部を位置付けて、線状発光部の端部側に表皮形成材に縫合されない余剰部が形成されるように、当該表皮形成材と線状発光部を縫合することで前記袋状の表皮材を表裏が裏返った状態となるよう形成し、
前記表皮材に形成した引っ繰り返し用の開口を介して前記表皮形成材の表面が外側に露出するよう袋状の表皮材を引っ繰り返し、
前記表皮材の挿通孔を挿通するように前記ステーを挿通して、該ステーの前記ヘッドレスト本体に埋設される埋設部分を前記表皮材の内側に収容し、
前記表皮材の内側において、前記ヘッドレスト本体に埋設される埋設部分に形成した前記ステーの第1開口部に、前記線状発光部における余剰部を差し込んでステーの内部に線状発光部を挿通して、当該ステーの下端部に形成した第2開口部に線状発光部の端部が向くようにし、
成形型に収容した前記表皮材の内側で発泡原料を発泡させて前記弾性体を形成することで、前記ステーの内部に前記線状発光部が挿通する状態で当該線状発光部が表面に露出した前記ヘッドレスト本体を形成し、
前記ステーに形成した前記第2開口部に向く前記線状発光部の端部から入射した光により当該線状発光部を発光させ得るようにしたことを要旨とする。
このように、ステーにおいてヘッドレスト本体に埋設される埋設部分に形成した第1開口部を介してステーの内部を挿通した線状発光部の端部を、ヘッドレスト本体から下方に延出したステーの下端部に形成した第2開口部に向けるようにしてヘッドレストを製造できる。このため、ステー支持部にステーを挿入した状態で、発光手段の光が第2開口部から線状発光部の端部に入射させることができる。すなわち、シートバックに対して着脱可能に構成されたヘッドレストの線状発光部に対して、当該シートバック側に設けた発光体の光を照射することができるようになるから、ヘッドレストをシートバックに対して着脱可能にしながらも、ヘッドレストに設けた線状発光部の発光により効果的に装飾することが可能になる。
【0008】
本願の請求項2に係る発明は、
前記ステーの内部に挿通した前記線状発光部の端部を、当該ステーの第2開口部に取り付けた保持部材で保持することを要旨とする。
このように、ステーの第2開口部に取り付けた保持部材に線状発光部の端部を保持することで、当該第2開口部に対して線状発光部の端部を一定位置にすることができる。これにより、ヘッドレストの線状発光部に対して、シートバック側に設けた発光体の光を一定の位置関係で照射することができ、発光手段の光を線状発光部の端部に正確に入射させて線状発光部を効果的に発光させることが可能になる。
【0009】
本願の請求項3に係る発明は、
前記表皮材の表裏が裏返った状態で、発泡体により筒状に形成した被覆部材を、前記表皮材における前記ステーの挿通孔に連通するよう前記表皮形成材の裏面に固定し、
前記表皮形成材の表面が外側に露出するように前記袋状の表皮材を引っ繰り返した状態で、前記被覆部材の貫通孔および前記表皮材の挿通孔を挿通するように前記ステーを挿通し、
前記表皮材の内側において、前記被覆部材で塞がれない位置に位置付けた前記第1開口部に、前記線状発光部における余剰部の端部を差し込んで前記ステーの内部に線状発光部を挿通し、
前記被覆部材で前記第1開口部が塞がれるように前記ステーを前記表皮材の外側に引き出したもとで、当該表皮材の内側で発泡原料を発泡させて前記弾性体を形成するようにしたことを要旨とする。
このように、ステーの第1開口部を被覆部材で塞ぐようにした後に、表皮材の内側で発泡原料を発泡させて弾性体を形成するようにしたことで、弾性体の形成時に発泡原料が第1開口部からステーの内部に漏出するのを防止できるから、適切な形状に弾性体を正確に成形することができる。また、発泡原料の発泡圧により、ステーの第1開口部を挿通している線状発光部に被覆部材が押し付けられることで、第1開口部に挿通した線状発光部の周りの隙間を被覆部材で効果的に塞ぐことができ、線状発光部の周りの隙間からの発泡原料の漏出も効果的に防ぐことができる。
【0010】
本願の請求項4に係る発明は、
前記被覆部材を形成する発泡体を、前記弾性体を形成する発泡体より軟質の発泡体で形成するようにしたことを要旨とする。
このように、被覆部材を形成する発泡体を、弾性体を形成する発泡体より軟質の発泡体で形成することで、弾性体により被覆部材を第1開口部側に押し付けるように弾性変形させることができ、被覆部材を第1開口部の開口縁部や線状発光部により密着するようにして隙間を塞ぐことができ、発泡原料の漏出をより効果的に防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ヘッドレストをシートバックに対して着脱可能にしながらも、発光により効果的に装飾することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係るヘッドレストの発光構造を備えた車両用シートを、シートバックからヘッドレストを取り外した状態で示す斜視図である。
図2】本実施形態に係るヘッドレストの発光構造を備えた車両用シートを、シートバックを透視した状態で示す正面図である。
図3図2のA-A線断面図である。
図4】本実施形態に係るヘッドレストのステー(延出支持部)と、ステー支持部の関係を示す説明図であって、(a)は、ヘッドレストのステーをステー支持部に挿入する状態を示し、(b)は、ヘッドレストのステーをステー支持部に挿入した状態を示す。
図5図2のA-A線位置におけるヘッドレストの構成部材の分解図であって、表皮材は表裏が裏返った状態で示してある。
図6】本実施形態に係るヘッドレストの製造工程を示す説明図であって、表面が外側に向くように引っ繰り返した袋状の表皮材の挿入孔および被覆部材の貫通孔に、ステー(延出支持部)挿入する状態を示している。
図7】本実施形態に係るヘッドレストの製造工程を示す説明図であって、袋状の表皮材の内側において、ステーの第1開口部に線状発光部を挿入する状態を示している。
図8】本実施形態に係るヘッドレストの製造工程を示す説明図であって、第1開口部に挿入した線状発光部をステーに挿通した状態を示している。
図9】本実施形態に係るヘッドレストの製造工程を示す説明図であって、ステー(延出支持部)の第2開口部から引き出した線状発光部に保持部材を取り付ける状態を示している。
図10】本実施形態に係るヘッドレストの製造工程を示す説明図であって、ステーの第1開口部を被覆部材で塞いだ状態を示している。
図11】本実施形態に係るヘッドレストの製造工程を示す説明図であって、成形型を型閉めして表皮材の内側で弾性体を発泡成形している状態を示す断面図である。
図12】本実施形態に係るヘッドレストの製造工程を示す説明図であって、成形型を型開きした状態で示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係るそのヘッドレストの製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【0014】
ヘッドレスト10は、図1図2に示すように、表面を形成する袋状の表皮材14の内側に発泡体からなる弾性体18が充填されたヘッドレスト本体12と、ヘッドレスト本体12の表面に露出するよう設けられた線状発光部20と、ヘッドレスト本体12から下方に延出するステー26とを備えるよう構成されている。表皮材14は、車両のシートバック50に使用されるシート表皮に合わせた材質のものが好適に採用され、合成樹脂製、織布、編布または本革等により形成された適宜形状の表皮形成材16を縫合することにより袋状に形成されている。そして、袋状に形成された表皮材14の内部に、ウレタンフォーム等の従来公知の発泡体が人員の頭部を支持する弾性体18として充填されている。なお、本実施形態のヘッドレスト本体12は、人員の頭部を支える前面部12aと、当該前面部12aの上部に連なる上面部12bとから側面視において逆L字状に形成してあるが、これに限られるものではなく、適宜の形態に形成することができる。
【0015】
線状発光部20は、図5に拡大して示すように、径方向に可撓変形可能な光透過性の光伝送体22と、当該光伝送体22の外表面を覆う被覆材24とから構成され、表皮形成材16の縫合部に縫合されている。具体的に、本実施形態の線状発光部20は、ヘッドレスト本体12において前面下部の左右方向に延在する稜線、前面左右の上下方向に延在する稜線、上面左右の前後方向に延在する稜線および背面左右の上下方向に延在する稜線を形成している縫合部に沿って連続した線状をなすよう設けられている(図1図2参照)。すなわち、線状発光部20は、ヘッドレスト10を加飾する所謂玉縁を形成するよう設けられており、光伝送体22が当該玉縁の芯材を構成している。
【0016】
ここで、光伝送体22は、長手方向端部から光を入射させることで、外周部から光が出射されるものであり、側面出射型光伝送体等と称されるものである。このような光伝送体22としては、例えば、ポリウレタン系の透明な合成樹脂材に光散乱剤を含有させたものや、光の屈折率の大きいコア層の外側にコアよりも光の屈折率の小さいクラッド層を配したもの等、従来公知のものを採用することができる。
【0017】
また、被覆材24は、織布、編布、合成樹脂フィルムまたは本革等により構成され、光伝送体22を透過する光が被覆材24の外側に出射可能な素材または形態で形成されている。具体的に、織布や編布などの繊維素材で被覆材24を構成する場合は、被覆材24を構成する繊維の隙間から光伝送体22を透過する光を外側に出射させるようにすることができる。また、織布や編布などの繊維素材の他、合成樹脂シートや本革などの光を透過しない素材で被覆材24を構成し、被覆材24に適宜形状で孔(図示せず)を形成するようにして、当該被覆材24の孔を介して光伝送体22を透過する光を外側に出射させるようにすることもできる。
【0018】
ステー26は、図1に示すように、中空の金属パイプ材を適宜箇所で折り曲げた単一部材であって、ヘッドレスト本体12に埋設されて支持する埋設部28と、当該ヘッドレスト本体12の下方へ延出する延出支持部30とを備えている。具体的に、本実施形態のステー26は、ヘッドレスト本体12に前面部12aを支持するように埋設された前面埋設部28Aと、前面埋設部28Aに連なってヘッドレスト本体12の上面部12bを支持するよう埋設された上面埋設部28Bと、当該上面埋設部28Bに連なるよう左右に離間して設けられると共にヘッドレスト本体12の下方へ延出する第1延出支持部30Aおよび第2延出支持部30Bとを備えている。なお、ステー26の形状は、ヘッドレスト本体12の形状に応じて適宜の形態に形成することができる。
【0019】
ここで、第1延出支持部30Aおよび第2延出支持部30Bに関する構成は、基本的に共通することから、共通する構成部分について単に延出支持部30と指称して説明する。なお、図1において左側に位置する延出支持部30を第1延出支持部30Aであり、右側に位置する延出支持部30を第2延出支持部30Bである。すなわち、ヘッドレスト10のステー26は、ヘッドレスト本体12に埋設部28が埋設された状態で、表皮材14に形成された挿通孔14a(図3図5参照)を挿通した各延出支持部30がヘッドレスト本体12の下方へ延出するようになっており、各延出支持部30において上面埋設部28Bに連なる上端側がヘッドレスト本体12に埋設されるようになっている。
【0020】
また、図3図5図7図8図10に示すように、各延出支持部30は、ヘッドレスト本体12に埋設される埋設部分に第1開口部32が形成されると共に、ヘッドレスト本体12から下方に延出した下端部に第2開口部34が形成されている。そして、ヘッドレスト本体12の背面左側の稜線に沿って延在する線状発光部20が、第1延出支持部30Aの第1開口部32を介して当該第1延出支持部30Aの内部に導かれて、その端部が第1延出支持部30Aの第2開口部34に向くと共に、背面右側の稜線に沿って延在する線状発光部20が、第2延出支持部30Bの第1開口部32を介して当該第2延出支持部30Bの内部に導かれて、その端部が第2延出支持部30Bの第2開口部34に向くよう構成されている。
【0021】
また、図3図5に示すように、各延出支持部30には、当該各延出支持部30を挿通した線状発光部20の端部20aを保持する保持部材36が第2開口部34に取り付けられている。この保持部材36は、各延出支持部30の延在方向に貫通する貫通孔38aが形成された嵌合筒部38と、当該嵌合筒部38の端部から径方向外方へ延出する係止部40とを備えている。すなわち、線状発光部20の端部20aを嵌合筒部38の貫通孔38aに嵌合すると共に、この嵌合筒部38を各延出支持部30の第2開口部34に嵌合することで、線状発光部20の端部20aが一定の姿勢で第2開口部34に臨むように保持部材36に保持される。そして、嵌合筒部38を各延出支持部30の第2開口部34に嵌合した際に、第2開口部34の開口端に係止部40が係止することで、第2開口部34の奥行き方向に対して線状発光部20の端部20aを一定位置に位置させ得るようになっている。
【0022】
ここで、各延出支持部30に形成された第1開口部32は、図10に示すように、ヘッドレスト本体12の表皮材14の内側に設けられた被覆部材42により塞ぐよう構成されている。この被覆部材42は、表皮材14の挿通孔14aに略整合する貫通孔42aが形成された円筒状に形成されており、当該被覆部材42における貫通孔42aの一方の開口を当該挿通孔14aに整合するようにして表皮材14の裏面(内面)に固定されている。すなわち、各延出支持部30は、表皮材14の挿通孔14aおよび被覆部材42の貫通孔42aを挿通するようにしてヘッドレスト本体12の下方へ延出するようになっており、表皮材14の内側に充填された弾性体18によりステー26が所定位置に保持された状態において、各延出支持部30の第1開口部32の形成位置に対応付いた被覆部材42が当該第1開口部32を塞ぐようになっている。このように、各延出支持部30に形成された第1開口部32を被覆部材42で塞ぐことで、当該第1開口部32を介して表皮材14の内側に充填された弾性体18が各延出支持部30に進入するのを防止している。
【0023】
ここで、被覆部材42を形成する発泡体は、弾性体18を形成する発泡体より軟質の発泡体により構成されており、被覆部材42が弾性体18により押しつぶされるように弾性変形するようになっている。すなわち、第1開口部32に挿通した線状発光部20の外周囲に密着するように被覆部材42が弾性変形することで、線状発光部20を挿通したもとで第1開口部32が被覆部材42で塞がれるようになっている。ここで、被覆部材42を形成する発泡体の材質は特に限定されるものではないが、この実施形態ではスラブウレタンフォームにより被覆部材42が形成されている。
【0024】
ステー支持部52は、図4に示すように、ステー26(延出支持部30)を挿脱可能な挿通孔52aを有する筒状に形成されている。そして、シートバック50の骨格を形成するシートフレーム50aの上部に、挿通孔52aがシートバック50の上方に開口するようステー支持部52が取り付けられている。このステー支持部52には、挿通孔52aの下方開口を塞ぐように蓋体54が設けられると共に、当該ステー支持部52の内底部に位置するようLED(発光手段)56が蓋体54に設けられており、当該LED56の光がステー支持部52の内側に照射されるようになっている。この実施形態では、ヘッドレスト本体12の幅方向に離間して位置するよう設けられたステー26の各延出支持部30の夫々に対応するステー支持部52の内底部にLED56が設けられると共に、各延出支持部30に線状発光部20の端部20a側が挿通されており、当該線状発光部20の両端部からLED56の光が入射し得るように構成されている。すなわち、ステー支持部52にステー26(各延出支持部30)を挿入した状態で、LED56の光が第2開口部34から線状発光部20の端部20aに入射することにより、当該線状発光部20が発光するよう構成されており、当該線状発光部20の発光によりヘッドレスト10を加飾するようになっている。
【0025】
ここで、ステー支持部52の内面には、LED56の光を反射する光反射面58が設けられている。この光反射面58は、ステー支持部52の内面に金属メッキ処理したり、従来公知の光反射シートを貼付することで形成することができる。また、ステー支持部52を金属で形成する場合は、ステー支持部52の内面を光反射面58とすることも可能である。このように、ステー支持部52の内面に光反射面58を設けることで、LED56の光を光反射面で反射させてステー26(延出支持部30)に保持した線状発光部20の端部20aに効果的に導くことができる。
【0026】
また、ステー支持部52には、図4に示すように、当該ステー支持部52にステー26(延出支持部30)が挿入されている挿入状態を検出可能な検出センサ60が設けられている。この検出センサ60としては、近接センサのような非接触式のセンサや、マイクロスイッチのような接触式のセンサなど従来公知の各種センサを採用することができる。そして、検出センサ60およびLED56の夫々が制御装置70(図2参照)に配線接続されており、ステー支持部52の挿通孔52aに挿入されたステー26(延出支持部30)を検出する挿入状態の場合に、制御装置70がLED56を発光可能に構成される。ここで、制御装置70は、検出センサ60が挿入状態を検出する間、LED56を発光させるようにしてもよく、照度センサを別途設けて、照度センサが検出する明るさに応じてLED56を発光させるようにしてもよい。なお、照度センサを設ける場合に、照度センサの設置位置は、ヘッドレスト10の配置位置周囲(例えば車内)の明るさを検出可能な位置であればよく、例えばヘッドレスト10やシートバック50などの背面、或いは車内ルーフなど適宜位置に設けることができる。なお、LED56や制御装置70、検出センサ60等の電気部品に対する電源は、車両が備える電源装置(バッテリー)から供給するよう構成してもよく、当該電気部品に対する電源供給用の電源装置を別途備えるよう構成してもよい。
【0027】
次に、前述したヘッドレスト10の製造方法について説明する。織布、編布、合成樹脂フィルムまたは本革等により形成した被覆材24を二つ折りにし、二つ折りした折り目の内側に光伝送体22を配置して、光伝送体22の外表面を被覆材24で覆うようにして線状発光部20を形成する。そして、表面を向き合わせるようにした表皮形成材16の縁部(縫合部位)の間に線状発光部20を位置付け、この状態で当該表皮形成材16の縁部および被覆材24を合わせて縫合することで、表裏が裏返った状態となるように袋状の表皮材14を形成する(図5参照)。このとき、線状発光部20は、その長手方向の中間位置を表皮形成材16に縫合するようになっており、当該線状発光部20の両端側に表皮形成材16に縫合されない余剰部20bが形成されるようになっている。
【0028】
ここで、ヘッドレスト本体12において前面下部の左右方向に延在する稜線、前面左右の上下方向に延在する稜線、上面左右の前後方向に延在する稜線および背面左右の上下方向に延在する稜線を形成する各表皮形成材16の端縁部に、線状発光部20を縫合し、背面左右の下端部側から線状発光部20の余剰部20bが延出するようになっている。また、表皮形成材16は、裏返った状態の表皮材14を表面が外側に向くように引っ繰り返すための引っ繰り返し用の開口14bを形成するように縫合される。
【0029】
そして、図5に示すように、表皮材14に形成したステー26(延出支持部30)の挿通孔14aの形成位置に、発泡体を円筒状に形成した被覆部材42の貫通孔42aの一方の開口を整合するようにして、当該被覆部材42を接着剤等により表皮材14の裏面(内面)に固定する。これにより、表皮材14におけるステー26の挿通孔14aに連通するよう被覆部材42が表皮形成材16の裏面に取り付けられる。ここで、被覆部材42を形成する発泡体は、弾性体18を形成する発泡体より軟質の発泡体で形成してある。そして、裏返し状態の表皮材14の表面が外側に露出するように引っ繰り返し用の開口14bを介して表皮材14を引っ繰り返し、表面が外側に向いた袋状の表皮材14の内側に、線状発光部20の余剰部20bが位置するようにする。この状態で、ステー26(延出支持部30)の端部を、一方の表皮材14の挿通孔14aおよび被覆部材42の貫通孔42aに差し込んで表皮材14の内側に臨ませる。次いで、表皮材14の内側に臨ませたステー26(延出支持部30)の端部を、他方の表皮材14の挿通孔14aおよび被覆部材42の貫通孔42aに差し込んで表皮材14の外側に臨ませ、表皮材14の外側に突出させた端部を引き出すようにステー26を表皮材14に対して移動することで、表皮材14の内側にステー26を順に送り込むようにする、これにより、表面が外側に向いた袋状の表皮材14の内側にステー26の埋設部28を位置させると共に、被覆部材42の貫通孔42aおよび表皮材14の挿通孔14aを挿通した各延出支持部30を、表皮材14の外側に延出させる(図7参照)。
【0030】
そして、図7に示すように、表皮材14の内側において各延出支持部30の第1開口部32が被覆部材42で塞がれない位置に位置付くようにステー26(各延出支持部30)を位置させる。そして、表皮材14の縫合部から延出する線状発光部20の余剰部20bの先端側の端部20aを、対応する第1開口部32に差し込んで各延出支持部30の内部に線状発光部20を挿通して、当該各延出支持部30の下端部に形成した第2開口部34に線状発光部20の端部20aが向くようにする(図8参照)。この状態で、第2開口部34から引き出した線状発光部20の端部20aを、保持部材36における嵌合筒部38の貫通孔38aに嵌合して固定すると共に、当該嵌合筒部38を第2開口部34に嵌合して、線状発光部20の端部20aを第2開口部34に臨むように保持する(図9参照)。
【0031】
更に、図10に示すように、ステー26(各延出支持部30)を表皮材14の外側に引き出して第1開口部32を被覆部材42で塞ぐようにした後に、この弾性体18を形成する前の表皮材14を所定の成形型100に収容して、表皮材14の内側に注入した発泡原料を発泡することにより弾性体18を形成する。これにより、ステー26(各延出支持部30)の内部に線状発光部20が挿通する状態で当該線状発光部30が表面に露出したヘッドレスト本体12が形成される。ここで、表皮材14の内側への発泡原料の注入は、引っ繰り返し用の開口14bを利用してもよい。なお、先述した線状発光部20を保持部材36で保持する工程は、弾性体18の形成後に行うようにしてもよい。
【0032】
ここで、ヘッドレスト本体12の弾性体18を成形する成形型80は、弾性体18を成形可能な構成であれば特に限定されるものではないが、その一例を説明する。本実施形態の成形型80は、下型をなす第1型82と、第1型82の一方の縁部にヒンジ連結されて上型をなす第2型84と、第1型82の他方の縁部にヒンジ連結されて上型をなす第3型86とを備え。当該第1~第3型82,84,86を型締めすることで、ヘッドレスト本体12の外径に合致するキャビティが形成されるようになっている。また第2型84および第3型86には、ステー26の各延出支持部30を支持する溝状のステー支持溝84b,86bが設けられている。この成形型80では、先ず、第1~第3型82,84,86を型開き状態として、ステー26の一部(埋設部28)を中に挿入した袋状の表皮材14から延出したステー26(各延出支持部30)を第3型86のステー支持溝86bに支持させる。そして、第1型82および第3型86を型閉め後、第2型を型締めし、ステー26(各延出支持部30)を第2型84のステー支持溝86bに支持させて、袋状の表皮材14の内側に発泡原料を注入して、発泡原料の発泡により弾性体18(ヘッドレスト本体12)を成形する(図11参照)。そして、所要の時間の経過後に、第1~第3型82,84,86を型開き状態として、ステー26を第3型86のステー支持溝86bから離脱させることで、ヘッドレスト10が取り出される(図12参照)。
【0033】
本実施形態のヘッドレスト10は、ヘッドレスト本体12に埋設されるステー26(各延出支持部30)の埋設部分に第1開口部32が形成されており、当該第1開口部32を介してステー26(各延出支持部30)の内部を挿通させた線状発光部20の端部20aが、ヘッドレスト本体12から下方に延出したステー26(各延出支持部30)の下端部で開口する第2開口部34に向くように構成されている。この一方で、シートバック50に設けたステー支持部52には、当該ステー支持部52の内側に光を照射するLED56が内底部に設けられている。このように、ステー26(各延出支持部30)の第1開口部32を介してステー26の内部を挿通した線状発光部20の端部を、ステー26(各延出支持部30)の第2開口部34に向けることで、ステー支持部52にステー26を挿入した状態において、LED56の光が第2開口部34から線状発光部20の端部に入射させることができる。すなわち、シートバック50に対して着脱可能に構成されたヘッドレスト10の線状発光部20に対して、当該シートバック50側に設けたLED56の光を照射することが可能になるから、ヘッドレスト10をシートバック50に対して着脱可能にしながらも、ヘッドレスト10に設けた線状発光部20の発光により効果的に装飾することができる。
【0034】
しかも、ヘッドレスト本体12の幅方向に離間して位置するように第1延出支持部30Aおよび第2延出支持部30Bが設けられたステー26の幅方向の夫々に第1開口部32および第2開口部34を形成して、各延出支持部30に対応するステー支持部52の内底部にLED56を設けるよう構成し、線状発光部20の両端部からLED56の光が入射するようになっている。すなわち、線状発光部20の両端部からLED56の光が入射するよう構成することで、LED56の光を線状発光部20の全体に導くことができる。このため、線状発光部20を長尺に形成しつつ線状発光部20を全体的に発光させることができ、線状発光部20の発光による装飾効果を高めることができる。
【0035】
更に、各延出支持部30に挿通した線状発光部20の余剰部20bの端部20aは、各延出支持部30の第2開口部34に取り付けた保持部材36(嵌合筒部38)の貫通孔38aに挿通して保持してあるから、当該第2開口部34に対して線状発光部20の端部20aを一定位置にすることができる。従って、ヘッドレスト10の線状発光部20に対して、シートバック50側に設けたLED56を一定の位置関係で対向位置させて、当該LED56の光を一定の位置関係で照射することができる。これにより、LED56の光を線状発光部20の端部20aに正確に入射させて線状発光部20を効果的に発光させることが可能になる。更に、第2開口部34の開口端に保持部材36の係止部40が係止することで、第2開口部34の奥行き方向に対して線状発光部20の端部20aを一定位置に位置させることができるから、LED56の光を線状発光部20の端部20aにより正確に入射させて線状発光部20を効果的に発光させることが可能になる。
【0036】
また、線状発光部20を挿通したステー26(各延出支持部30)の第1開口部32を、ヘッドレスト本体12の表皮材14の内側に設けた被覆部材42で塞ぐように構成してある。このため、ヘッドレスト本体12を構成する弾性体18が第1開口部32に侵入するのを防止できる。これにより、第1開口部32の開口縁部との接触により弾性体18が削られるのを防ぐことができ、ステー26の内側に入った弾性体18の削り屑による異音等の発生を効果的に防ぐことができる。また、弾性体18を所定の形状に保つことができるから、ヘッドレスト本体12の性能を維持することができる。
【0037】
また、ステー支持部52にステー26(延出支持部30)が挿入されている挿入状態を検出可能な検出センサ60を設けるようにし、ステー支持部52の挿通孔52aに挿入されたステー26(延出支持部30)を検出する挿入状態の場合に、制御装置70がLED56を発光可能に構成してある。従って、ヘッドレスト10を取り外した状態でLED56が無駄に発光しないようにすることができる。
【0038】
ここで、前記ヘッドレスト10は、表皮材14の内側において、ヘッドレスト本体12に埋設される埋設部分に形成したステー26(各延出支持部30)の第1開口部32を、被覆部材42で塞がれない位置に位置付けた状態で、線状発光部20における余剰部20bの端部20aを第1開口部32に差し込み、ステー26(各延出支持部30)を表皮材14の外側に引き出して第1開口部32を被覆部材42で塞ぐようにした後に、当該表皮材14の内側で発泡原料を発泡させて弾性体18を形成することで形成される。このように、ステー26の第1開口部32を被覆部材42で塞ぐようにした後に、表皮材14の内側で発泡原料を発泡させて弾性体18を形成することで、弾性体18の形成時に発泡原料が第1開口部32からステー26の内部に漏出するのを防止できるから、適切な形状に弾性体18を正確に成形することができる。また、発泡原料の発泡圧により、ステー26の第1開口部32を挿通している線状発光部20に被覆部材42が押し付けられることで、第1開口部32に挿通した線状発光部20の周りの隙間を被覆部材42で効果的に塞ぐことができ、線状発光部20の周りの隙間からの発泡原料の漏出も効果的に防ぐことができる。
【0039】
また被覆部材42を形成する発泡体は、弾性体18を形成する発泡体より軟質の発泡体で形成するようにしたことで、弾性体18により被覆部材42を第1開口部32側に押し付けるように弾性変形させることができる。これにより、被覆部材42を第1開口部32の開口縁部や線状発光部20に対し、より密着させるようにして隙間を塞ぐことができるから、発泡原料の漏出をより効果的に防止できる。
【0040】
(変更例)
本発明に係るヘッドレストの製造方法は、前述した構成に限定されるものではなく、例えば以下のように変更することができる。
(1) 実施形態のヘッドレスト10は、ステー26においてヘッドレスト本体12の幅方向に離間して位置する第1延出支持部30Aおよび第2延出支持部30Bの夫々に線状発光部20を挿通するよう構成したが、何れか一方の延出支持部30A,30Bにのみ第1開口部32および第2開口部34を形成して線状発光部20を挿通するよう構成してもよい。
(2) 実施形態のヘッドレスト10は、ヘッドレスト本体12の表面に露出する1本の線状発光部20を設けて、当該線状発光部20の各端部20aを対応する第1延出支持部30Aおよび第2延出支持部30Bに挿通するよう構成したが、複数(例えば2本)の線状発光部20を設けるようにして、延出支持部30A,30B毎に異なる線状発光部20の端部20aを挿通するようにしてもよい。
(3) また、1つの延出支持部30A,30Bに複数の線状発光部20の端部20aを挿通して、1つステー支持部52の内底部に設けたLED56の光が複数の線状発光部20の端部20aに入射するよう構成してもよい。
(4) 実施形態では、延出支持部30に挿通した線状発光部20の端部20aを保持部材36で保持するよう構成したが、当該保持部材36を省略することも可能である。例えば線状発光部20の端部20aを延出支持部30の内周面に接着等することで保持部材36を省略できる。
(5) 実施形態では、被覆部材42を円筒状に形成したが、延出支持部30の外形形状に応じて角筒状など任意の形態に形成することができる。
(6) 実施形態では、被覆部材42を形成する発泡体を、ヘッドレスト本体12の弾性体18を形成する発泡体より軟質の発泡体で形成するようにしたが、被覆部材42と弾性体18とを同じ発泡体で形成するようにしてもよく、ヘッドレスト本体12の弾性体18を、被覆部材42を形成する発泡体を形成する発泡体より軟質の発泡体で形成するようにしてもよい。この場合でも、第1開口部32を被覆部材42で塞ぐことで、第1開口部32を介して延出支持部30内へ発泡原料が漏出するのを防止できる。
【符号の説明】
【0041】
12 ヘッドレスト本体,14 表皮材,18 弾性体,20 線状発光部
20a 端部,26 ステー,32 第1開口部,34 第2開口部
36 保持部材,38a 貫通孔,42 被覆部材,52 ステー支持部
56 LED(発光手段)


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12