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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】判断システムおよび判断プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20231227BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20231227BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20231227BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/005
G01C21/26 C
G09B29/00 A
G09B29/10 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020105009
(22)【出願日】2020-06-18
(65)【公開番号】P2021196318
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小川 耕司
(72)【発明者】
【氏名】岩月 晃一
(72)【発明者】
【氏名】中村 元裕
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-195671(JP,A)
【文献】特開2010-181447(JP,A)
【文献】特開2003-121191(JP,A)
【文献】特開2010-210471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
23/00-25/00
G08G 1/00-99/00
G09B 23/00-29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
徒歩で通行可能な通路上に設定されたノードの位置を示すノードデータと、前記ノード同士の連結であるリンクを示すリンクデータと、前記リンクが示す区間の階層を示す階層情報と、前記リンクに対応付けられ、前記リンクの種別を示す連結種別情報と、を含む地図情報に基づいて、前記連結種別情報および前記階層情報を取得する情報取得部と、
前記種別が階段もしくは段差を示している場合、階段もしくは段差により接続される前記リンクが示す区間の階層が一致しているか否かに基づいて、前記種別を階段もしくは段差と判断する判断部と、を備える、判断システム。
【請求項2】
取得された前記連結種別情報および前記階層情報に基づいて、前記種別が階段を示しているとともに階段により接続される前記リンクが示す区間の階層が一致する場合、前記種別は段差と判断される、
請求項1に記載の判断システム。
【請求項3】
前記地図情報に基づいて地図を表示部に表示させる表示制御部をさらに備え、
前記種別が段差と判断された場合、段差を示すアイコンが前記表示部に表示される、
請求項2に記載の判断システム。
【請求項4】
前記連結種別情報には、階段および歩道橋であることを示す前記種別が含まれ、
取得された前記連結種別情報および前記階層情報に基づいて、前記種別が階段および歩道橋であることを示しているとともに階段および歩道橋により接続される前記リンクが示す区間の階層が一致する場合、階段を示すアイコンが前記表示部に表示される、
請求項3に記載の判断システム。
【請求項5】
取得された前記連結種別情報および前記階層情報に基づいて、前記種別が段差を示しているとともに段差により接続される前記リンクが示す区間の階層が異なる場合、前記種別は階段と判断される、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の判断システム。
【請求項6】
前記地図情報に基づいて地図を表示部に表示させる表示制御部をさらに備え、
前記種別が階段と判断された場合、階段を示すアイコンが前記表示部に表示される、
請求項5に記載の判断システム。
【請求項7】
徒歩による目的地までの経路を取得する経路取得部をさらに備え、
取得された経路上に存在する階段もしくは段差により接続される前記リンクが示す区間の階層が一致しているか否かに基づいて、前記種別が階段もしくは段差と判断される、
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の判断システム。
【請求項8】
コンピュータを、
徒歩で通行可能な通路上に設定されたノードの位置を示すノードデータと、前記ノード同士の連結であるリンクを示すリンクデータと、前記リンクが示す区間の階層を示す階層情報と、前記リンクに対応付けられ、前記リンクの種別を示す連結種別情報と、を含む地図情報に基づいて、前記連結種別情報および前記階層情報を取得する情報取得部、
前記種別が階段もしくは段差を示している場合、階段もしくは段差により接続される前記リンクが示す区間の階層が一致しているか否かに基づいて、前記種別を階段もしくは段差と判断する判断部、
として機能させる、判断プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判断システムおよび判断プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、案内対象者に対して目的地までの経路を案内する技術が知られている。例えば、特許文献1および2においては、階段や段差が存在する位置を示す情報を考慮して経路を探索する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-183878号公報
【文献】特開2003-121191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術において、経路を進行している案内対象者に対して経路上の階段が存在する位置を案内する場合、そのような階段の中には、階段と案内されるにも関わらず、階段の手前側と奥側において階層が変わる程度には重力方向の位置が変わらない階段がある。例えば、建物内に存在する階段として案内されるものの実際には2,3段程度の少数の段数からなる段差でしかないために、階段の手前側と奥側のいずれの階層も建物の1階であるという階段である。このような階段を案内された場合に、階層が変わる程度の段数からなる階段を進行すべきであると案内対象者が誤認することにより、そのような階段を見つけられずに案内対象者を混乱させる虞がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、案内対象者に案内を行う際に案内対象者を混乱させる可能性を低減することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の判断システムは、徒歩で通行可能な通路上に設定されたノードの位置を示すノードデータと、前記ノード同士の連結であるリンクを示すリンクデータと、前記リンクが示す区間の階層を示す階層情報と、前記リンクに対応付けられ、前記リンクの種別を示す連結種別情報と、を含む地図情報に基づいて、前記連結種別情報および前記階層情報を取得する情報取得部と、前記種別が階段もしくは段差を示している場合、階段もしくは段差により接続される前記リンクが示す区間の階層が一致しているか否かに基づいて、前記種別を階段もしくは段差と判断する判断部と、を備える。
【0007】
また、上記の目的を達成するため、本発明の判断プログラムは、コンピュータを、徒歩で通行可能な通路上に設定されたノードの位置を示すノードデータと、前記ノード同士の連結であるリンクを示すリンクデータと、前記リンクが示す区間の階層を示す階層情報と、前記リンクに対応付けられ、前記リンクの種別を示す連結種別情報と、を含む地図情報に基づいて、前記連結種別情報および前記階層情報を取得する情報取得部、前記種別が階段もしくは段差を示している場合、階段もしくは段差により接続される前記リンクが示す区間の階層が一致しているか否かに基づいて、前記種別を階段もしくは段差と判断する判断部、として機能させる。
【0008】
以上説明した本発明の構成によれば、リンクの種別が階段もしくは段差を示している場合、階段もしくは段差により接続されるリンクが示す区間の階層が一致しているか否かに基づいて、当該種別が階段もしくは段差と判断される。このため、階段もしくは段差により接続されるリンクが示す区間の階層が一致するか否かに応じて、当該種別が決定されることから、当該種別が階段であるか段差であるかを精度良く判断できる。したがって、このような判断によって特定された当該種別を案内対象者の案内に用いる場合には、案内対象者を混乱させる可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】判断システムのブロック図である。
図2図2Aは、階層情報を説明するための説明図である。図2Bおよび図2Cは、表示部に表示される画面の例を示す説明図である。
図3】第1判断処理のフローである。
図4】第2判断処理のフローである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)判断システムの構成:
(2)第1判断処理:
(3)第2判断処理:
(4)他の実施形態:
【0011】
(1)地図表示システムの構成:
図1は、本発明の一実施形態である判断システムとして機能する携帯端末10の構成を示すブロック図である。図1には、携帯端末10と通信可能であるサーバ50も図示されている。携帯端末10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20および図示しない記録媒体を備えており、制御部20は、当該ROMや記録媒体に記録された所望のプログラムを実行することができる。制御部20は、プログラムの1つとして、判断プログラム21を実行することができる。制御部20は、判断プログラム21の処理により、携帯端末10を保持する案内対象者が現在地から目的地まで徒歩により移動するための表示を行うことができる。本実施形態にかかる携帯端末10は、各種のプログラムにより各種の機能を実行可能な多機能端末である。携帯端末10は、各種の態様で実現可能であるが、本実施形態において、携帯端末10は、通話機能を含む各種の機能を実行可能なスマートフォンである。
【0012】
さらに、携帯端末10は、タッチパネルディスプレイ42と、GNSS受信部44と、通信部46と、を備えている。タッチパネルディスプレイ42は、各種画像を表示する表示部と、表示部の表示面において案内対象者の操作を受け付ける入力部とを構成する。
【0013】
GNSS受信部44は、Global Navigation Satellite Systemの信号を受信する装置であり、航法衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して携帯端末10の現在地を算出するための信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して携帯端末10の現在地を取得する。携帯端末10の現在地は、携帯端末10を保持する案内対象者の現在地である。
【0014】
通信部46は、外部の装置と無線通信を行うことが可能な装置である。本実施形態では、通信部46は、後述するサーバ50が備える図示しない通信部を介して、サーバ50と通信可能である。制御部20が実行する判断プログラム21については、サーバ50の構成を説明した後に説明する。
【0015】
サーバ50は、記録媒体60を備えている。記録媒体60は、地図情報60aを記録している。地図情報60aは、徒歩で通行可能な通路上に設定されたノードの位置等を示すノードデータ、ノード間の通路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ、ノード同士の連結であるリンクを示すリンクデータ,通路やその周辺に存在する施設の位置等を示すデータ等を含んでいる。
【0016】
図2Aは、階層情報を説明するための説明図である。図2Aには、リンクLa、Lb、Lcを含む。リンクLa、Lb、Lcは、それぞれノードNa、Nb同士の連結、ノードNb、Nc同士の連結およびノードNc、Nd同士の連結を示す。リンクデータには、リンクが示す区間の階層を示す階層情報が対応づけられている。階層は、利用者が移動し得る2次元平面の高さを示し、リンクデータが示す区間の地表からの高さに応じて階層が変化するように、定義される。例えば、地表から第1高度までの範囲にあるリンクは第1階層と設定され、第1高度から第2高度までの範囲にあるリンクは第2階層と設定されるということである。リンクが示す区間の高度が一定である場合、階層情報は、当該区間の階層を示している。リンクが示す区間の高度が変化する場合、階層情報は、当該区間の端点が位置するノードの高度のいずれかを示している。図2Aを用いて説明すると、リンクLbが示す区間の高度が一定であり第1階層である場合、リンクLbに対して第1階層であることを示す階層情報が対応づけられている。リンクLbが階段や段差である場合、リンクLbが示す区間の高度が変化する。そして、リンクLaが示す区間の階層が第2階層、リンクLcが示す区間の階層が第1階層である場合、リンクLbに対して第2階層または第1階層であることを示す階層情報が対応づけられている。リンクLbが示す区間における高度変化が少ない場合、リンクLaが示す区間の階層が第1階層、リンクLcが示す区間の階層が第1階層という場合もある。この場合、リンクLbに対して第1階層であることを示す階層情報が対応づけられている。
【0017】
リンクデータには、さらに、リンクの種別を示す連結種別情報が対応づけられているものがある。種別には、リンクが示す区間の高度が変化することを示す階段や段差などがある。種別が階段を示す連結種別情報は、隣接するリンクが示す区間の階層が異なる場合に対応付けられるが、隣接するリンクが示す区間の階層が一致する場合でも対応付けられることがある。例えば、図2Aを用いて説明すると、種別が階段を示す連結種別情報がリンクLbに対応付けられている場合には、リンクLaが示す区間の階層情報が第1階層であるとともにリンクLbが示す区間の階層情報が第2階層である場合(隣接するリンクが示す区間の階層が異なる場合)もあるが、リンクLaが示す区間の階層情報が第1階層であるとともにリンクLbが示す区間の階層情報も第1階層である場合(隣接するリンクが示す区間の階層が一致する場合)もあるということである。同様に、種別が段差を示す連結種別情報は、隣接するリンクが示す区間の階層が一致する場合に対応付けられるが、隣接するリンクが示す区間の階層が異なる場合でも対応付けられることがある。例えば、図2Aを用いて説明すると、種別が段差を示す連結種別情報がリンクLbに対応付けられている場合には、リンクLaが示す区間の階層情報が第1階層であるとともにリンクLbが示す区間の階層情報も第1階層である場合(隣接するリンクが示す区間の階層が一致する場合)もあるが、リンクLaが示す区間の階層情報が第1階層であるとともにリンクLbが示す区間の階層情報が第2階層である場合(隣接するリンクが示す区間の階層が異なる場合)もあるということである。
【0018】
本実施形態において、制御部20の図示しない記録媒体には、リンクの種別ごとに表示するアイコンが記録されている。記録されているアイコンには、上述したように、階段や段差を表示するアイコンが含まれる。
【0019】
次に、制御部20が実行する判断プログラム21について説明する。判断プログラム21は、経路取得部21aと、情報取得部21bと、判断部21cと、表示制御部21dと、を備えている。経路取得部21aは、徒歩による目的地までの経路を取得する機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。具体的には、制御部20は、経路取得部21aの機能により、タッチパネルディスプレイ42の入力部を介して案内対象者による目的地の入力を受け付ける。また、制御部20は、GNSS受信部44の出力信号に基づいて、携帯端末10を保持する案内対象者の現在地を特定する。そして、制御部20は、通信部46を介して、サーバ50に対して経路の送信要求を送信するとともに、目的地および現在地を示す情報を送信する。経路の送信要求を受信したサーバ50では、図示しない制御部が、記録媒体60に記録された地図情報60aを参照し、徒歩により現在地から目的地まで到達するための経路を探索して取得する。ここで取得される経路上には、連結種別情報が対応付けられたリンクが含まれる場合がある。そして、制御部20は、送信要求を受信したサーバ50において取得された経路がサーバ50から送信されることによって経路を取得する。このとき、サーバ50からは、経路とともに、経路から一定距離以内の範囲に含まれる地図情報も送信される。そして、制御部20は、当該地図情報をRAMもしくは図示しない記録媒体に記録する。
【0020】
情報取得部21bは、地図情報に基づいて、連結種別情報および階層情報を取得する機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。具体的には、制御部20は、情報取得部21bの機能により、経路取得時に記録された地図情報を参照し、取得された経路に含まれる各々のリンクの階層情報を取得する。また、制御部20は、取得された経路に含まれる各々のリンクのうち連結種別情報が対応付けられているリンクから連結種別情報を取得する。
【0021】
判断部21cは、取得された種別が階段もしくは段差を示している場合、階段もしくは段差により接続されるリンクが示す区間の階層が一致しているか否かに基づいて、リンクの種別を階段もしくは段差と判断する機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。具体的には、制御部20は、判断部21cの機能により、経路に含まれる各々のリンクの中に連結種別情報に示された種別が階段を示すリンクが含まれている場合、当該リンクの階層情報と、経路の出発地点からみて当該リンクの手前側のリンクの階層情報と、を取得する。例えば、図2Aを用いて説明すると、種別が階段を示す連結種別情報がリンクLbに対応付けられている場合に、リンクLbの階層情報と、手前側のリンクLaの階層情報と、を取得するということである。そして、制御部20は、種別が階段を示すリンクの階層情報および手前側のリンクの階層情報に基づいて、種別が階段を示すリンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層とが一致しているか否か判定する。本実施形態では、階段もしくは段差により接続されるリンクが示す区間の階層は、種別が階段もしくは段差を示すリンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層とのことである。例えば、図2Aを用いて説明すると、種別が階段を示すリンクであるリンクLbが示す区間の階層と手前側のリンクであるリンクLaが示す区間の階層とが一致しているか否かを判定するということである。そして、制御部20は、種別が階段を示すリンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層とが一致する場合には、当該種別を、連結種別情報に示されている種別とは異なり、階段ではなく段差と判断する。すなわち、取得された連結種別情報および階層情報に基づいて、連結種別情報に示された種別が階段を示しているとともに階段により接続されるリンクが示す区間の階層が一致する場合、リンクの種別は段差と判断される。また、制御部20は、連結種別情報に示された種別が階段を示しているとともに種別が階段を示すリンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層とが異なる場合には、当該種別を、連結種別情報に示されている種別と同様に、階段と判断する。一方、制御部20は、判断部21cの機能により、経路に含まれる各々のリンクの中に連結種別情報に示された種別が段差を示すリンクが含まれている場合、種別が段差を示すリンクが示す区間の階層情報および手前側のリンクが示す区間の階層情報を取得する。そして、制御部20は、種別が段差を示すリンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層とが一致する場合には、当該種別を、連結種別情報に示されている種別と同様に、段差と判断する。また、制御部20は、連結種別情報に示された種別が段差を示しているとともに種別が段差を示すリンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層とが異なる場合には、当該種別を、連結種別情報に示されている種別とは異なり、段差ではなく階段と判断する。すなわち、取得された連結種別情報および階層情報に基づいて、連結種別情報に示された種別が段差を示しているとともに段差により接続されるリンクが示す区間の階層が異なる場合、リンクの種別は階段と判断される。このように、本実施形態では、取得された経路上に存在する階段もしくは段差により接続されるリンクが示す区間の階層が一致しているか否かに基づいて、リンクの種別が階段もしくは段差と判断される。
【0022】
表示制御部21dは、経路取得時に記録された地図情報に基づいて地図をタッチパネルディスプレイ42の表示部に表示させる機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。具体的には、表示制御部21dとして機能する制御部20は、GNSS受信部44の出力信号に基づいて案内対象者の現在地を取得する。また、制御部20は、経路取得時に記録された地図情報を参照して、表示部に表示される現在地周辺の地図の範囲を特定する。当該地図の範囲は、表示部の画面内において現在地を示す座標が配置される位置、表示部に表示される地図の縮尺および表示部の大きさに基づいて特定される。次に、制御部20は、経路取得時に記録された地図情報を参照して、表示部に表示される現在地周辺の地図の範囲に対応する部分の地図情報を取得する。そして、制御部20は、当該部分の地図情報に基づいて地図を描画し、当該地図を表示部に表示させる。このとき、経路取得部21aの機能により取得された経路のうち表示部に表示された地図内に含まれる区間は、地図上で強調表示される。さらに、制御部20は、表示部に表示された経路に含まれるリンクのうち連結種別情報に示された種別に応じて、当該連結種別情報が対応付けられたリンクに対して当該種別を示すアイコンを表示させる。すなわち、判断部21cの機能により種別が段差と判断された場合、段差を示すアイコンが表示部に表示される。また、種別が階段と判断された場合、階段を示すアイコンが表示部に表示される。制御部20は、連結種別情報が対応付けられたリンクにより連結が示されたノードのうち経路の出発地点からみて手前側のノードの位置を、当該種別を示すアイコンが表示される位置とする。なお、表示部に表示される地図の縮尺は、現在地が目的地に近付くにつれて自動的に狭域となるよう設定されている。
【0023】
図2Bは、表示部の画面に表示される内容の例を示す説明図である。図2Bには、案内対象者の現在地CLと、経路RTと、アイコンIC1と、が図示されている。経路RTは、リンクLn1、Ln2を含む。リンクLn1、Ln2は、それぞれノードNd1、Nd2同士の連結およびノードNd2、Nd3同士の連結を示す。アイコンIC1は、階段を表示するアイコンである。図2Bに図示されているように、アイコンIC1がノードNd2の位置に表示される場合には、以下の2通りの場合がある。リンクLn2に対応付けられた連結種別情報が階段を示しているとともにリンクL2が示す区間の階層とリンクL1が示す区間の階層とが異なる場合と、リンクLn2に対応付けられた連結種別情報が段差を示しているとともにリンクL2が示す区間の階層とリンクL1が示す区間の階層とが異なる場合と、である。
【0024】
図2Cは、表示部の画面に表示される内容の例を示す説明図である。図2Cには、アイコンIC1の代わりにアイコンIC2が図示されている点を除き、図2Bと同様である。アイコンIC2は、段差を表示するアイコンである。図2Cに図示されているように、アイコンIC2がノードNd2の位置に表示される場合には、以下の2通りの場合がある。リンクLn2に対応付けられた連結種別情報が段差を示しているとともにリンクL2が示す区間の階層とリンクL1が示す区間の階層とが一致する場合と、リンクLn2に対応付けられた連結種別情報が階段を示しているとともにリンクL2が示す区間の階層とリンクL1が示す区間の階層とが一致する場合と、である。
【0025】
以上説明した本実施形態の構成によれば、リンクの種別が階段もしくは段差を示している場合、階段もしくは段差により接続されるリンクが示す区間の階層が一致しているか否かに基づいて、当該種別が階段もしくは段差と判断される。このため、階段もしくは段差により接続されるリンクが示す区間の階層が一致するか否かに応じて、当該種別が決定されることから、当該種別が階段であるか段差であるかを精度良く判断できる。したがって、このような判断によって特定された当該種別を案内対象者の案内に用いる場合には、案内対象者を混乱させる可能性を低減することができる。具体的には、連結種別情報に示されたリンクの種別が階段を示していても、当該リンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層とが一致している場合には、当該リンクの種別は階段ではなく段差として判断される。同様に、連結種別情報に示されたリンクの種別が段差を示していても、当該リンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層とが異なる場合には、当該リンクの種別は段差ではなく階段として判断される。そして、連結種別情報に示されたリンクの種別が階段を示しているととも当該リンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層が異なる場合には、当該リンクの種別は階段と判断され、連結種別情報に示されたリンクの種別が段差を示しているととも当該リンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層が一致している場合には、当該リンクの種別は段差と判断される。したがって、本実施形態の構成によれば、リンクの種別を判断する際に、リンクに対応付けられた連結種別情報を参照しつつも、当該連結種別情報よりも優先すべき判断基準として、当該リンクが示す区間の階層情報および手前側のリンクが示す区間の階層情報を用いることにより、当該リンクの種別が判断される。このような判断によって特定される当該種別は、階層情報を用いずに連結種別情報のみを用いて特定される当該種別と比べて、当該リンクに対応する通路の実際の構造を反映している可能性が高い。このため、このような種別を用いた案内を案内対象者に行う場合には、案内対象者を混乱させる可能性を低減することができる。
【0026】
(2)第1判断処理:
次に、図3に示すフローチャートに基づいて、携帯端末10が実行する第1判断処理を説明する。第1判断処理は、制御部20が判断プログラム21を開始して経路を取得してから表示部に表示される地図の範囲および経路の範囲が特定されたのちに、当該地図および当該経路が表示部に表示される際に実行される。表示部に表示される経路の範囲とは、経路のうち表示部に表示される地図内に含まれる部分のことである。第1判断処理は、経路に含まれるリンクに対応付けられた連結種別情報のうち階段を示す種別について、当該リンクの階層情報および手前側のリンクの階層情報に基づいて、当該種別が階段であるか段差であるかを改めて判断する処理である。
【0027】
第1判断処理が実行されると、制御部20は、情報取得部21bの機能により、取得された経路に含まれる各々のリンクのうち連結種別情報が対応付けられているリンクから連結種別情報を取得する(ステップS110)。具体的には、制御部20は、経路取得時に記録された地図情報を参照し、取得された経路に含まれる各々のリンクのうち連結種別情報が対応付けられているリンクを特定し、当該リンクに対応付けられた連結種別情報を取得する。
【0028】
次に、制御部20は、情報取得部21bの機能により取得された連結種別情報の中に、リンクの種別が階段を示す連結種別情報が存在するか否か判定する(ステップS120)。リンクの種別が階段を示す連結種別情報が存在しない場合(ステップS120:NO)、制御部20は、第1判断処理を終了する。
【0029】
リンクの種別が階段を示す連結種別情報が存在する場合(ステップS120:YES)、制御部20は、階段を示す連結種別情報が対応付けられたリンクの階層情報を取得する(ステップS130)。具体的には、制御部20は、経路取得時に記録された地図情報を参照し、階段を示す連結種別情報が取得されたリンクを特定し、当該リンクの階層情報を取得する。
【0030】
次に、制御部20は、判断部21cの機能により、種別が階段を示すリンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層とが一致しているか否か判定する(ステップS140)。具体的には、制御部20は、種別が階段を示すリンクの階層情報と手前側のリンクの階層情報とを参照して、種別が階段を示すリンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層とが一致しているか否か判定する。
【0031】
階層が一致している場合(ステップS140:YES)、制御部20は、判断部21cとして機能することによりリンクの種別を段差と判断するとともに、表示制御部21dとして機能することにより段差を示すアイコンを表示部に表示させる(ステップS150)。このとき、制御部20は、制御部20の図示しない記録媒体を参照して、種別が階段を示すリンクにより連結が示されたノードのうち経路の出発地点からみて手前側のノードの位置に、段差を示すアイコンを表示させる。その後、制御部20は、第1判断処理を終了する。
【0032】
一方、階層が一致していない場合(ステップS140:NO)、すなわち、階層が異なる場合、制御部20は、判断部21cとして機能することによりリンクの種別を階段と判断するとともに、表示制御部21dとして機能することにより階段を示すアイコンを表示部に表示させる(ステップS160)。このとき、制御部20は、上述したステップS150における表示態様と同様に、制御部20の図示しない記録媒体を参照して、種別が階段を示すリンクにより連結が示されたノードのうち経路の出発地点からみて手前側のノードの位置に、階段を示すアイコンを表示させる。その後、制御部20は、第1判断処理を終了する。
【0033】
(3)第2判断処理:
次に、図4に示すフローチャートに基づいて、携帯端末10が実行する第2判断処理を説明する。第2判断処理は、第1判断処理と同様に、制御部20が判断プログラム21を開始して経路を取得してから表示部に表示される地図の範囲および経路の範囲が特定されたのちに、当該地図および当該経路が表示部に表示される際に実行される。第2判断処理は、経路に含まれるリンクに対応付けられた連結種別情報のうち段差を示す種別について、当該リンクにより連結が示されたノードの階層情報に基づいて、当該種別が段差であるか階段であるかを改めて判断する処理である。
【0034】
第2判断処理が実行されると、制御部20は、第1判断処理のステップS110と同様に、情報取得部21bの機能により、取得された経路に含まれる各々のリンクのうち連結種別情報が対応付けられているリンクから連結種別情報を取得する(ステップS210)
【0035】
次に、制御部20は、情報取得部21bの機能により取得された連結種別情報の中に、リンクの種別が段差を示す連結種別情報が存在するか否か判定する(ステップS220)。リンクの種別が階段を示す連結種別情報が存在しない場合(ステップS220:NO)、制御部20は、第2判断処理を終了する。
【0036】
リンクの種別が段差を示す連結種別情報が存在する場合(ステップS220:YES)、制御部20は、段差を示す連結種別情報が対応付けられたリンクの階層情報を取得する(ステップS230)。具体的には、制御部20は、経路取得時に記録された地図情報を参照し、段差を示す連結種別情報が取得されたリンクを特定し、当該リンクの階層情報を取得する。ステップS240、ステップS250およびステップS260の処理は、第1判断処理におけるステップS140、ステップS150およびステップS160の処理と同様である。
【0037】
図3および図4を用いて説明した第1判断処理および第2判断処理によって種別が階段もしくは段差と判断されたリンクについては、携帯端末10からサーバ50に送信されて、地図情報60aに含まれるリンクデータに対応付けられた連結種別情報の更新に用いられる。その後、更新された連結種別情報が対応付けられたリンクを含む経路が経路取得部21aに取得された場合、当該リンクに対応付けられた連結種別情報については、第1判断処理および第2判断処理の対象となることなく、当該連結種別情報に示された種別が示す階段もしくは段差を示すアイコンが表示部に表示される。
【0038】
(4)他の実施形態:
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、判断システムは、複数の装置(例えば、クライアントとサーバや、ナビゲーション装置内の制御部とユーザーI/F部内の制御部等)によって実現されるシステムであってもよい。判断システムは、他のシステム(例えば、ナビゲーションシステム)の一部であってもよい。判断システムを構成する経路取得部21a、情報取得部21b、判断部21c、表示制御部21dの少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在してもよい。むろん、上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。判断システムの少なくとも一部が代替可能装置で代替されていてもよい。
【0039】
経路取得部は、徒歩による目的地までの経路を取得することができればよい。すなわち、経路取得部は、徒歩による目的地までの経路を探索してもよいし、外部装置にて探索された当該経路を、外部装置との通信を介して取得してもよい。
【0040】
情報取得部は、徒歩で通行可能な通路上に設定されたノードの位置を示すノードデータと、ノード同士の連結であるリンクを示すリンクデータと、リンクが示す区間の階層を示す階層情報と、リンクに対応付けられ、リンクの種別を示す連結種別情報と、を含む地図情報に基づいて、連結種別情報および階層情報を取得することができればよい。すなわち、情報取得部は、リンクの種別を判断するために必要となる情報を取得することができればよい。連結種別情報は、リンクの種別を示すために予め定義された情報である。
【0041】
判断部は、リンクの種別が階段もしくは段差を示している場合、階段もしくは段差により接続されるリンクが示す区間の階層が一致しているか否かに基づいて、リンクの種別を階段もしくは段差と判断することができればよい。すなわち、リンクの種別が階段を示している場合に、種別が階段を示すリンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層とが一致しているならば当該種別を階段と判断し、種別が階段を示すリンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層とが異なるならば当該種別を段差と判断できればよい。また、リンクの種別が段差を示している場合に、種別が段差を示すリンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層とが一致しているならば当該種別を段差と判断し、種別が段差を示すリンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層とが異なるならば当該種別を階段と判断できればよい。
【0042】
段差は、当該段差の前後において、重力方向における上下位置は若干変化するが、階層が変わる程度には変化しない構造のことである。したがって、ここでいう段差には、当該構造の前後において階層が変わらない程度の段数を既定段数として既定段数以下の段数からなる構造の他に、スロープや坂道なども含まれる。一方、階段は、既定段数より多い段数からなる構造である。すなわち、階段の前後において、重力方向における上下位置は階層が変わる程度に変化する。
【0043】
表示制御部は、地図情報に基づいて地図を表示部に表示させることができればよい。上述した実施形態では、階層情報が比較されたノードのうち経路の出発地点からみて手前側のノードの位置に、階段を示すアイコンもしくは段差を示すアイコンを表示させていたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、階段を示すアイコンもしくは段差を示すアイコンの表示される位置は、種別が階段もしくは段差を示すリンクにより連結が示されたノードのうち経路の出発地点からみて手前側のノードの位置から更に手前側の位置であってもよい。
【0044】
上述した実施形態では、連結種別情報には、階段や段差であることを示す種別があるとしていたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、連結種別情報には、階段および歩道橋であることを示す種別が含まれていてもよい。このような場合、制御部は、リンクの種別が階段および歩道橋であることを示しているとともに、階段および歩道橋により接続されるリンクが示す区間の階層が一致している場合には、当該種別を階段であると判断し、表示部には階段を示すアイコンが表示される。すなわち、取得された連結種別情報および階層情報に基づいて、リンクの種別が階段および歩道橋であることを示しているとともに階段および歩道橋により接続されるリンクが示す区間の階層が一致する場合、階段を示すアイコンが表示部に表示される。歩道橋を通行する場合、一方の階段を上って車道を横断するための通路を通行してから他方の階段を下る。一方の階段を上る前の階層と他方の階段を下った後の階層とが同じであるならば、このような歩道橋に対応するリンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層は同じ階層であるとして階層情報に記録される。このため、上述した実施形態では、リンクの種別が階段であることを示しているとともに種別が階段を示すリンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層とが一致している場合には、当該種別は段差であると判断されていたが、リンクの種別が階段および歩道橋であることを示しているとともに種別が階段および歩道橋を示すリンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層とが一致している場合には、当該種別は段差と判断されず階段と判断されるということである。また、リンクの種別が階段および歩道橋であることを示しているとともに種別が階段および歩道橋を示すリンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層とが異なっている場合にも、当該種別は段差と判断されず階段と判断されるものとする。したがって、ここで説明した実施形態の場合、図3で説明した第1判断処理のステップS120の処理において、取得された連結種別情報の中にリンクの種別が階段を示す連結種別情報が存在するか否かが判定される際に、同時に当該連結種別情報に示された種別が階段および歩道橋であることも判定されてもよい。そして、当該連結種別情報に示された種別が階段および歩道橋である場合には、ステップS130およびステップS140の処理を実行することなく、リンクの種別は階段と判断されて階段を示すアイコンが表示部に表示される。
【0045】
上述した実施形態では、階段もしくは段差により接続されるリンクが示す区間の階層は、種別が階段もしくは段差を示すリンクが示す区間の階層と手前側のリンクが示す区間の階層とのことであるとして、判断部は、これらの階層が一致しているか否かに基づいて、リンクの種別が階段もしくは段差と判断していたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、階段もしくは段差により接続されるリンクが示す区間の階層は、種別が階段もしくは段差を示すリンクから見て、手前側のリンクが示す区間の階層と奥側のリンクが示す区間の階層とのことであってもよい。図2Bを用いて説明すると、種別が階段を示すリンクLn2の手前側のリンクであるリンクLn1が示す区間の階層と奥側のリンクLn3が示す区間の階層とのことである。このような実施形態の場合、図3で説明した第1判断処理において、制御部は、ステップS120の処理を実行したのち、ステップS130の処理の代わりに、階段を示す連結種別情報が対応付けられたリンクの手前側のリンクが示す区間の階層情報と奥側のリンクが示す区間の階層情報とを取得し、ステップS140の代わりに、手前側のリンクが示す区間の階層と奥側のリンクが示す区間の階層とが一致するか否かを判定してもよい。そして、制御部は、手前側のリンクが示す区間の階層と奥側のリンクが示す区間の階層が一致する場合には、種別を段差と判断して段差を示すアイコンを表示部に表示させ、手前側のリンクが示す区間の階層と奥側のリンクが示す区間の階層が異なる場合には、種別を階段と判断して階段を示すアイコンを表示部に表示させてもよい。
【0046】
上述した実施形態では、階層情報は、リンクデータに対応づけられていたが、本発明の実施形態はこれに限られない。すなわち、階層情報は、リンクデータに加えてノードデータに対応付けられていてもよいし、ノードデータのみに対応付けられていてもよい。階層情報がノードデータに対応付けられている場合、各ノードに対して当該ノードが位置する階層についての情報が対応付けられている状態である。ノードデータに階層情報が対応付けられている場合、判断部は、種別が階段もしくは段差を示すリンクにより連結が示されたノードの階層が一致しているか否かに基づいて、種別を階段もしくは段差と判断してもよい。すなわち、第1判断処理において、制御部は、ステップS120の処理を実行したのち、ステップS130の処理の代わりに、階段を示す連結種別情報が対応付けられたリンクにより連結が示されたノードの階層情報を取得し、ステップS140の代わりに、当該ノード同士の階層情報が示す階層が一致するか否かを判定してもよい。そして、制御部は、ノード同士の階層が一致する場合には、種別を段差と判断して段差を示すアイコンを表示部に表示させ、ノード同士の階層が異なる場合には、種別を階段と判断して階段を示すアイコンを表示部に表示させてもよい。
【0047】
上述した実施形態では、第1判断処理および第2判断処理の両方が実行されていたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、第1判断処理および第2判断処理のうちいずれか一方の処理だけが実行されてもよい。すなわち、情報取得部により取得された連結種別情報が示す種別が階段である場合に、階段により接続されるリンクが示す区間の階層が一致しているか否かに基づいて、当該種別が階段もしくは段差と判断する処理と、情報取得部により取得された連結種別情報が示す種別が段差である場合に、段差により接続されるリンクが示す区間の階層が一致しているか否かに基づいて、当該種別が階段もしくは段差と判断する処理と、のうちいずれか一方の処理だけが実行されてもよいということである。
【0048】
上述した実施形態では、第1判断処理および第2判断処理によってリンクの種別が階段もしくは段差と判断されたリンクについては連結種別情報が更新されて、次回以降の第1判断処理および第2判断処理の対象となることなく、当該連結種別情報に示された種別が示す階段もしくは段差を示すアイコンが表示部に表示されていたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、地図情報に記録された連結種別情報は更新されることなく、リンクに対応付けられた連結種別情報に示された種別は、当該リンクが経路に含まれるたびに、第1判断処理もしくは第2判断処理の対象とされてもよい。換言すれば、上述した実施形態では、1度でも第1判断処理もしくは第2判断処理の対象となった連結種別情報は、次回以降の第1判断処理もしくは第2判断処理の対象となることはなかったが、他の実施形態においては、1度でも第1判断処理もしくは第2判断処理の対象となった連結種別情報であっても、次回以降も第1判断処理もしくは第2判断処理の対象となってもよいということである。
【0049】
上述した実施形態では、経路が取得されてから第1判断処理および第2判断処理が実行されていたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、第1判断処理および第2判断処理は、経路取得部もしくは外部装置(上述した実施形態におけるサーバ50)にて経路が探索される際に実行されてもよい。このような場合、リンクデータには、通路区間のコストを示すコスト情報が対応づけられており、周知のダイクストラ法等の探索アルゴリズムを利用して、地図情報に基づいて出発地から目的地までの経路が探索される。このとき、経路の候補の中に連結種別情報が対応付けられているリンクが存在する場合、当該連結種別情報に対して第1判断処理と第2判断処理とのうち一方が実行されて、リンクの種別が階段であるか段差であるかが改めて判断される。リンクの種別が階段および段差を示すリンクには、当該種別によるコストが対応付けられているとする。このため、経路が探索される際に、経路の中に階段や段差を含むリンクが含まれにくくなる。また、リンクの種別が階段を示すリンクのコストが、リンクの種別が段差を示すリンクのコストよりも高くなるように設定されている場合には、経路の中に段差を示すリンクが含まれる可能性と比べて、経路の中に階段を示すリンクが含まれる可能性を低くすることができる。
【0050】
上述した実施形態では、地図情報を記録したサーバにおいて探索された経路を携帯端末が取得し、当該経路に含まれるノードの階層情報およびリンクの連結種別情報を取得したのち、第1判断処理および第2判断処理によって、リンクの種別が階段であるか段差であるかが改めて判断されていたが、本発明の実施形態はこれに限られない。すなわち、上述した実施形態では、サーバに記録された地図情報は、第1判断処理および第2判断処理による処理が施されていない地図情報であったが、他の実施形態では、サーバに記録された地図情報は、第1判断処理および第2判断処理による処理が施された後の地図情報であってもよい。このような形態の構成によれば、携帯端末は経路を取得したのち階層情報や連結種別情報の取得、第1判断処理および第2判断処理を実行しなくても、リンクの種別が階段であるか段差であるかが精度良く判断された経路を取得することができる。
【0051】
さらに、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、複数の装置で共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、ナビゲーションシステムに地図表示システムが組み込まれていてもよい。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0052】
10…携帯端末、20…制御部、21…判断プログラム、21a…経路取得部、21b…情報取得部、21c…判断部、21d…表示制御部、42…タッチパネルディスプレイ、44…GNSS受信部、46…通信部、50…サーバ、60…記録媒体、60a…地図情報
図1
図2
図3
図4