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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】電解コンデンサ
(51)【国際特許分類】
   H01G 9/008 20060101AFI20231227BHJP
   H01G 9/10 20060101ALI20231227BHJP
   H01G 4/32 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
H01G9/008 303
H01G9/10 C
H01G4/32 305A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020145608
(22)【出願日】2020-08-31
(65)【公開番号】P2022040754
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001531
【氏名又は名称】弁理士法人タス・マイスター
(72)【発明者】
【氏名】米田 満
(72)【発明者】
【氏名】酒井 孝也
(72)【発明者】
【氏名】大下 賢一
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 吉峻
(72)【発明者】
【氏名】近藤 稜大
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-169575(JP,A)
【文献】実開昭62-124841(JP,U)
【文献】特開2001-210551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/32
H01G 9/008
H01G 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のリードタブが接続された弁金属の陽極箔と、第2のリードタブが接続された陰極箔とを、セパレータを介して重ね合わせ、巻回してなるコンデンサ素子と、
前記第1のリードタブのうち少なくとも前記陽極箔からはみ出した部分を覆う保護紙と、
前記コンデンサ素子を収納する有底円筒状の外装ケースと、
前記外装ケースの開口部を封止する封口体と、
を備えた電解質に電解液を含む電解コンデンサであって、
前記保護紙は、前記陽極箔の前記第1のリードタブが重ねられた表面側を覆う第1の保護紙と、前記陽極箔の裏面側を覆う第2の保護紙の少なくともいずれか一方とからなり、
前記第1のリードタブは、
前記陽極箔に接続される扁平部と、
前記封口体に設けられた挿通孔に挿通される丸棒部と、を備え、
前記丸棒部はリード線が溶接されており、
前記保護紙は少なくとも前記丸棒部と前記丸棒部の長さの0.5倍までの範囲の前記リード線を覆うことを特徴とする電解コンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解コンデンサに関し、電極箔にリードタブが接続された電解コンデンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電解コンデンサとして、陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子と、該コンデンサ素子を収納する有底筒状のコンデンサケースと、このコンデンサケースの開放端側を塞ぐ封口体とを有するものが知られている。封口体の外端面には陽極端子および陰極端子が引き出され、これらの端子の基端部には、陽極内部端子および陰極内部端子として陽極リードタブおよび陰極リードタブが、それぞれ陽極箔および陰極箔に接続されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、従来の電解コンデンサとして、リードタブと陽極箔との接続部分に絶縁紙を貼り付けることにより、リードタブの接続部分を保護するようにしたものが考えられている(特許文献2参照)。これにより、セパレータの破れによるショート不良を防止することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平04-352313号公報
【文献】特開2006-286959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電解コンデンサにおいては、電解液の蒸散によって発生する凝縮液の存在により、漏れ電流が発生し、陽極側のリードタブに腐食が発生する問題があった。
【0006】
本発明は、リードタブにおける腐食の発生を抑制し得る電解コンデンサを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電解コンデンサは、第1のリードタブが接続された弁金属の陽極箔と、第2のリードタブが接続された陰極箔とを、セパレータを介して重ね合わせ、巻回してなるコンデンサ素子と、前記第1のリードタブのうち少なくとも前記陽極箔からはみ出した部分を覆う保護紙と、前記コンデンサ素子を収納する有底円筒状の外装ケースと、前記外装ケースの開口部を封止する封口体と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、第1のリードタブのうち少なくとも陽極箔からはみ出した部分を保護紙によって覆うことにより、電解液の蒸散によって発生する凝縮液の付着に起因する腐食の発生を抑制することができる。
【0009】
また、本発明の電解コンデンサは、上記構成において、前記保護紙は、前記陽極箔の前記第1のリードタブが重ねられた表面側を覆う第1の保護紙と、前記陽極箔の裏面側を覆う第2の保護紙とからなることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、陽極箔の第1のリードタブが重ねられた表面側を覆う第1の保護紙と、陽極箔の裏面側を覆う第2の保護紙とによって、第1のリードタブを覆うことにより、一段と効果的に腐食の発生を抑制することができる。
【0011】
また、本発明の電解コンデンサは、上記構成において、前記第1のリードタブは、前記陽極箔に接続される扁平部と、前記封口体に設けられた挿通孔に挿通される丸棒部と、を備え、前記丸棒部はリード線が溶接されており、前記保護紙は少なくとも前記丸棒部と前記丸棒部の長さの0.5倍までの範囲の前記リード線を覆うことを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、丸棒部を封口体の挿通孔に挿通させる際に支障をきたすことなく、腐食の発生を抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電解コンデンサによると、リードタブにおける腐食の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る電解コンデンサの構成を示す断面図である。
図2】本発明の実施形態に係るコンデンサ素子を示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る保護紙の貼付範囲を示す側面図である。
図4】本発明の実施形態に係るリードタブの化成処理の説明に供する略線図である。
図5】本発明の実施形態に係る保護紙の貼付方法の説明に供する断面図である。
図6】本発明の実施形態に係る保護紙の貼付状態を示す斜視図である。
図7】本発明の他の実施形態に係る保護紙の貼付方法の説明に供する斜視図である。
図8】本発明の他の実施形態に係る保護紙の貼付状態を示す斜視図である。
図9】本発明の他の実施形態に係る保護紙の貼付状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態における巻回形の電解コンデンサ1は、主として、コンデンサ素子2と、外装ケース12と、封口体11とから構成される。
【0016】
図2に示すように、コンデンサ素子2は、エッチング処理および誘電体酸化皮膜形成処理が施された陽極箔(陽極アルミニウム箔)3aと陰極箔(陰極アルミニウム箔)3bとがセパレータ4を介して巻回され、素子止めテープ9(図1)で固定される。このコンデンサ素子2は、有底筒状の外装ケース12(図1)に収納される。
【0017】
外装ケース12の開口部には樹脂やゴム等で形成された封口体11が装着され、該開口部は絞り加工により密閉された構造を有する。
【0018】
コンデンサ素子2から引き出されるリードタブ5、15にはリード線6、16が溶接され、封口体11を介して外部に引き出されている。外装ケース12は、スリーブ13によって被覆される。
【0019】
リードタブ5は、陽極箔3aに対して加締めまたは溶接等の方法により接続された陽極側のリードタブであり、リードタブ15は、陰極箔3bに対して加締めまたは溶接等の方法により接続された陰極側のリードタブである。
【0020】
陽極箔3aに接続されたリードタブ5は、保護紙41、42によって覆われており、腐食の発生を抑制するようになっている。具体的には、図3に示すように、陽極側のリードタブ5は、コンデンサ素子2(図2)の封口体側端面から突出する(すなわち、陽極箔3aからはみ出した)丸棒部5aと、この丸棒部5aの一端に形成されており陽極箔3aが接続される扁平部5bとから構成されている。
【0021】
このように、リードタブ5は、アルミニウムからなる丸棒状の部材の一端部を、所定長さだけプレスして扁平部5bを形成し、残りの部分を丸棒部5aとすることによって形成されている。
【0022】
また、丸棒部5aの先端(扁平部5bと反対側の端部)には、リード線6が溶接されている。
【0023】
また、陰極側のリードタブ15も、陽極側のリードタブ5と同様に、コンデンサ素子2の封口体側端面から突出する(すなわち、陽極箔3aからはみ出した)丸棒部15a(図2)と、この丸棒部15aの一端に形成されており、陰極箔3bが加締めによって接続される扁平部(図示せず)とから構成されている。
【0024】
このように、リードタブ15は、アルミニウムからなる丸棒状の部材の一端部を、所定長さだけプレスして扁平部を形成し、残りの部分を丸棒部15aとすることによって形成されている。
【0025】
また、丸棒部15aの先端(扁平部15bと反対側の端部)には、リード線16が溶接されている。
【0026】
本実施形態においては、かかる構成の陽極側のリードタブ5を保護紙で覆うことにより、リードタブ5に腐食が発生することを抑制する。具体的には、陽極箔3aのリードタブ5が接続された面(以下、表面と呼ぶ)に対して、丸棒部5aおよび扁平部5bを覆うように所定の大きさの保護紙41を接着剤によって貼付し、また、陽極箔3aのリードタブ5が接続された側の面の裏面側(以下、裏面と呼ぶ)に対して、所定の大きさの保護紙42を接着剤によって貼付する。
【0027】
保護紙は、マニラ紙、クラフト紙、エスパルト紙、再生セルロースなどを単独または混抄した抄紙であり、セパレータと同一材質または異なった材質であってもよい。
【0028】
図4に示すように、保護紙41の大きさは、リードタブ5の丸棒部5aおよび扁平部5bとリード線6の一部を覆う大きさとなっており、リード線6に対しては、丸棒部5aの長さL1の0.5倍(図4において長さL2)までの範囲でリード線6を覆うことが可能な大きさとなっている。
【0029】
このように、少なくとも丸棒部5a全体(長さL1)を覆うことができる大きさとしたことにより、丸棒部5aにおいて、保護紙41によって覆われない部分が生じることを回避することができる。すなわち、丸棒部5aは、陽極箔3aからはみ出しているため、当該丸棒部5aの全体が保護紙41に覆われていないとすると、露出した部分には、電解液の蒸散により発生した凝縮液が蓄積され、腐食発生の原因となる。従って、保護紙41の大きさとしては、少なくとも丸棒部5a全体(長さL1)を覆うことができる大きさを有するものとすることにより、丸棒部5aに腐食が発生することを抑制することができる。
【0030】
また、保護紙41の大きさの上限として、リード線6に対して、丸棒部5aの長さL1の0.5倍の長さL2を覆い得る大きさとしたのは、丸棒部5aを封口体11に設けられた挿通孔から挿通させる際に、リード線6の保護紙41によって覆われる部分が支障をきたさない程度の大きさに抑える必要があるためである。
【0031】
なお、本実施形態においては、陽極箔3aからリードタブ5の扁平部5bの一部がはみ出した構成となっており、この部分も保護紙41、42によって覆われる構成となっている。
【0032】
また、本実施形態の場合、裏面側に貼付される保護紙42の大きさも、表面側に貼付される保護紙41と同様の大きさとなっており、少なくとも、丸棒部5a全体を覆うことができるようになっている。
【0033】
このような大きさの保護紙41、42を、リードタブ5が接続された陽極箔3aの表面および裏面に貼付することにより(図5(a))、陽極箔3a、リードタブ5を挟み込むように覆うことができる(図5(b))。
【0034】
かくして、図6に示すように、保護紙41、42によって陽極箔3aおよびリードタブ5が覆われた状態となるが、この状態では、丸棒部5aを封口体11の挿通孔から挿通させることが困難であるため、当該丸棒部5aおよびリード線6の周囲の保護紙41、42を丸棒部5aおよびリード線6の形状に沿って丸める、または形状に沿って切り取ることにより、図2に示したように丸棒部5aおよびリード線6の形状に沿った被覆状態とすることができ、封口体11の挿通孔へこれを容易に挿入することができる。
【0035】
次に、電解コンデンサ1の製造工程について説明する。
所定の幅に切断された陽極箔3a(陽極アルミニウム箔)および陰極箔3b(陰極アルミニウム箔)に外部引き出し電極用のリードタブ5および15(アルミニウム製)を加締め接続する。陽極箔3aは弁金属としてアルミニウム箔を用い、弁金属の表面にエッチング処理および化成処理を施すことによって、誘電体酸化皮膜が形成されたものを用いる。また、陰極箔3bも陽極箔3aと同様にアルミニウム箔を用い、アルミニウム箔の表面にエッチング処理が施されるとともに自然酸化皮膜が形成されている。なお、陰極箔3bについても誘電体酸化皮膜を形成したり、表面にカーボン、チタン、窒化チタン、炭化チタン等を形成してもよい。図3図6において上述した保護紙41、42が貼付された陽極箔3aおよび陰極箔3bとを、セルロースを主体としたセパレータ4を介して巻回し、コンデンサ素子2を作製する。
【0036】
そして、電解質を含浸したコンデンサ素子2をアルミニウム金属ケース(外装ケース12)に収納し、外装ケース12の開口部をカーリングして封止した。電解質には、エチレングリコールやγ―ブチロラクトン等を主溶媒とし電解質を溶解した電解液、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸等の導電性高分子を主成分とする固体電解質と電解液との両方を使用することができる。その後、所定温度に設定された恒温槽内で、外装ケース12にコンデンサ素子2を収納したアルミニウム電解コンデンサ(電解コンデンサ1)に定格電圧を印加し、エージング処理を施すことにより、電解コンデンサ1の製造工程を終了する。
【実施例
【0037】
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
【0038】
アルミニウムリードタブを陽極アルミニウム箔に加締め接続するとともに、アルミニウムリードタブを陰極アルミニウム箔に加締め接続する。そして、保護紙を陽極側のリードタブおよび陽極箔に貼付し、セパレータを介して陽極アルミニウム箔と陰極アルミニウム箔を重ね合わせ、巻回したアルミニウム電解コンデンサ素子に電解液を含浸する。そして、アルミニウム電解コンデンサ素子から引き出されている陽極側のリードタブおよび陰極側のリードタブの丸棒部をそれぞれ封口体の挿通孔から挿通させた後、アルミニウム電解コンデンサ素子を封口体とともに外装ケース内に挿入する。次に、外装ケースの開口部をカーリング加工するとともに外周面に絞り加工を施し封止する。これにより、定格400V/150μFのアルミニウム電解コンデンサ(外形寸法:直径φ18mm×長さ40mmのアルミニウム電解コンデンサ)を製作し、カテゴリ上限温度を超える115℃の環境下にて定格電圧(400V)を印加した場合に、陽極側のリードタブ(陽極箔からはみ出した扁平部5bおよび丸棒部5a)に腐食が発生するまでの時間を測定した。腐食の発生とは、腐食生成物の付着、またはアルミニウムの溶解が見られた状態を意味する。この測定結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
(実施例1)
実施例1は、保護紙を陽極箔3aの表面のみに貼付した場合(すなわち、図3において陽極箔3aの表面側の保護紙41のみをリードタブ5の扁平部5b、丸棒部5a、リード線6の一部を覆うように陽極箔3aに貼付した場合。L1は4.0mm、L2は0.5mm)における、腐食発生時間を測定した結果であり、4000~4500時間でリードタブ5に腐食が発生した。
【0041】
(実施例2)
実施例2は、保護紙を陽極箔3aの裏面のみに貼付した場合(すなわち、図3において陽極箔3aの裏面側の保護紙42のみをリードタブ5の加締め接続部、丸棒部5a、リード線6の一部を覆うように陽極箔3aに貼付した場合。L1は4.0mm、L2は0.5mm)における、腐食発生時間を測定した結果であり、3000~3500時間でリードタブ5に腐食が発生した。
【0042】
(実施例3)
実施例3は、保護紙を陽極箔3aの表面および裏面の両面に貼付した場合(すなわち、図3において表面側の保護紙41をリードタブ5の扁平部5b、丸棒部5aを覆うように陽極箔3aに貼付するとともに、陽極箔3aの裏面側に保護紙42を貼付した場合。L1は4.0mm、L2は0mm)における、腐食発生時間を測定した結果であり、9000時間を超えてもリードタブ5に腐食が発生しなかった。
【0043】
(比較例1)
比較例1は、保護紙を用いない場合(すなわち、図3において表裏いずれの保護紙41、42も貼付しない場合)における、腐食発生時間を測定した結果であり、1500~1700時間でリードタブ5に腐食が発生した。
【0044】
(比較例2)
比較例2は、保護紙を陽極箔3aの表面のみ、かつ、リードタブと陽極箔3aとの接続部のみに貼付した場合(すなわち、図3において表面側の保護紙41のみをリードタブ5の扁平部5bのみを介して陽極箔3aに貼付し、丸棒部5aを保護紙41によって覆わなかった場合)における、腐食発生時間を測定した結果であり、1500~1700時間でリードタブ5に腐食が発生した。
【0045】
このように、保護紙を用いない場合(比較例1)、および保護紙を用いてもリードタブ5の丸棒部5aを覆わず扁平部5bのみを覆った場合(比較例2)は、腐食が発生するまでの時間が1500~1700時間であったのに対して、少なくとも丸棒部5aを保護紙によって覆った場合(実施例1~3)は、いずれも腐食が発生するまでの時間を延ばすことができた。
【0046】
また、丸棒部5aを保護紙によって覆う場合において、陽極箔3aの裏面側のみに保護紙42を貼付した場合、陽極箔3aの表面側のみに保護紙41を貼付した場合、陽極箔3aの表裏両面から保護紙によって覆う場合の順に、腐食抑制の効果が高くなることが判明した。
【0047】
以上の測定結果から以下のことが分かる。
少なくとも、陽極側のリードタブ5の丸棒部5aを保護紙によって覆うことにより、腐食が発生するまでの時間を延ばすことができることが分かる(実施例1~3)。
【0048】
なお、上述の実施形態においては、図3に示したように、陽極箔3aの表裏両面に同様の大きさの保護紙41、42を貼付する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、図7および図8に示すように、裏面側の保護紙42として、少なくともリードタブ5の丸棒部5aを覆うことができる大きさのものを用いるようにしても、腐食発生時間を延ばすことができる。
【0049】
また、上述の実施形態においては、図3に示したように、陽極箔3aの表裏両面において、リードタブ5の丸棒部5aおよび扁平部5bを覆うことができる程度の大きさの保護紙41、42を用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、図9に示すように、保護紙41、42として、陽極箔3aの封口体側端面の一部、リードタブ5の扁平部5bの一部および丸棒部5aを覆うことができる程度の大きさのものを用いるようにしても、腐食発生時間を延ばすことができる。
【0050】
また、上述の実施形態においては、少なくともリードタブ5の丸棒部5aを保護紙41、42によって覆うように陽極箔3aに貼付した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、陽極箔3aに接続されたリードタブのうち、電極箔(陽極箔3a)からはみ出した部分(本実施形態においては扁平部5bの一部および丸棒部5a)を覆うことにより、腐食が発生するまでの時間を延ばすことができる。
【0051】
また、上述の実施形態においては、陽極箔側のみリードタブ5を保護紙41、42によって覆う場合について述べたが、本発明はこれに限らず、陽極箔側に加えて陰極箔側においても同様にして、保護紙41、42によってリードタブ15を覆うようにしてもよい。
【0052】
また、上述の実施形態においては、定格400V/150μFのアルミニウム電解コンデンサ(外形寸法:直径φ18mm×長さ40mmのアルミニウム電解コンデンサ)について述べたが、本発明はこれに限らず、他の種々の電解コンデンサに広く適用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 電解コンデンサ
2 コンデンサ素子
3a 陽極箔
3b 陰極箔
4 セパレータ
5、15 リードタブ
5a 丸棒部
5b 扁平部
11 封口体
12 外装ケース
13 スリーブ
41、42 保護紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9