(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/872 20060101AFI20231227BHJP
H01L 29/861 20060101ALI20231227BHJP
H01L 29/868 20060101ALI20231227BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20231227BHJP
H01L 29/739 20060101ALI20231227BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20231227BHJP
H01L 27/06 20060101ALI20231227BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
H01L29/86 301F
H01L29/91 K
H01L29/86 301D
H01L29/91 F
H01L29/78 653C
H01L29/78 655C
H01L29/78 655B
H01L29/78 657D
H01L27/06 102A
H01L27/06 311B
H01L29/78 301D
H01L29/78 301K
(21)【出願番号】P 2020154929
(22)【出願日】2020-09-15
【審査請求日】2022-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】花形 祥子
【審査官】岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-157930(JP,A)
【文献】特開2019-096708(JP,A)
【文献】国際公開第2017/149607(WO,A1)
【文献】特開2014-063980(JP,A)
【文献】特開2016-058654(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0231867(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0157466(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0061875(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0079235(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0030823(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第109817697(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108701722(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103681786(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105990411(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/872
H01L 29/861
H01L 29/78
H01L 29/739
H01L 21/8234
H01L 27/06
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極の上に設けられた第1導電形の複数の第1半導体領域と、
前記第1電極の上に設けられ、前記第1電極から前記複数の第1半導体領域への第1方向に垂直な第2方向において前記複数の第1半導体領域と並び、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に延びる、第2導電形の複数の第2半導体領域と、
前記第1半導体領域及び前記複数の第2半導体領域の上に設けられ、前記第1半導体領域よりも低い第1導電形の不純物濃度を有する第1導電形の第3半導体領域と、
前記第3半導体領域の上に設けられた第2導電形の複数の第4半導体領域と、
前記第3半導体領域の上に設けられ、前記第2方向において前記複数の第4半導体領域と並び、前記第3方向に延び、前記複数の第4半導体領域よりも高い第2導電形の不純物濃度を有する第2導電形であり、少なくとも一部が前記複数の第2半導体領域のそれぞれの直上に位置する複数の第5半導体領域と、
前記複数の第4半導体領域及び前記複数の第5半導体領域の上に設けられた第2電極と、
を備え、
前記第5半導体領域の前記第2方向における幅は、前記第2半導体領域の前記第2方向における幅よりも狭く、
前記複数の第2半導体領域の前記第2方向におけるピッチは、前記複数の第5半導体領域の前記第2方向におけるピッチの自然数倍である、半導体装置。
【請求項2】
前記第2半導体領域の前記第2方向における中心の直上に、前記第5半導体領域が位置する、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記複数の第2半導体領域は、前記第2方向において周期的に並び、
前記複数の第5半導体領域は、前記第2方向において周期的に並ぶ、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記複数の第2半導体領域の前記第2方向における前記ピッチは、前記複数の第5半導体領域の前記第2方向における前記ピッチの1倍以上6倍以下である、請求項
1記載の半導体装置。
【請求項5】
前記複数の第2半導体領域の1つの前記第2方向における長さは、20μm以上120μm以下である、請求項1~
4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記複数の第1半導体領域の1つの前記第2方向における長さは、24μm以上144μm以下である、請求項1~
5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記複数の第5半導体領域の下端は、前記複数の第4半導体領域よりも下方に位置する、請求項1~
6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項8】
前記複数の第5半導体領域の上に設けられ、前記複数の第5半導体領域よりも高い第2導電形の不純物濃度を有する第2導電形の複数の第6半導体領域をさらに有し、
前記複数の第2半導体領域のそれぞれの直上に、前記複数の第6半導体領域の少なくとも一部が位置する、請求項1~
7のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1電極の上に設けられ、前記第1電極と電気的に接続された第2導電形の第7半導体領域と、
前記第3半導体領域の上に設けられ、前記第7半導体領域の上に位置し、前記第2電極と電気的に接続された第2導電形の第8半導体領域と、
前記第8半導体領域の上に設けられた第1導電形の第9半導体領域と、
前記第8半導体領域とゲート絶縁層を介して対向するゲート電極と、
をさらに有する請求項1~
8のいずれか1つに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイオードなどの半導体装置は、電力変換等の用途に用いられる。半導体装置において電流の遮断時の電気的特性の向上が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、電流の遮断時の電気的特性の向上が可能な半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、第1電極と、第1導電形の複数の第1半導体領域と、第2導電形の複数の第2半導体領域と、前記第1導電形の第3半導体領域と、第2導電形の複数の第4半導体領域と、第2導電形の複数の第5半導体領域と、第2電極と、を含む。前記複数の第1半導体領域は、前記第1電極の上に設けられる。前記複数の第2半導体領域は、前記第1電極の上に設けられ、前記第1電極から前記複数の第1半導体領域へ向かう第1方向に垂直な第2方向において前記複数の第1半導体領域と並び、前記前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に延びる。前記第3半導体領域は、前記第1半導体領域及び前記複数の第2半導体領域の上に設けられ、前記第1半導体領域よりも低い第1導電形の不純物濃度を有する。前記複数の第4半導体領域は、前記第3半導体領域の上に設けられる。前記複数の第5半導体領域は、前記第3半導体領域の上に設けられ、前記第2方向において前記複数の第4半導体領域と並び、前記複数の第4半導体領域よりも高い第2導電形の不純物濃度を有する。前記複数の第2半導体領域のそれぞれの直上に、前記複数の第5半導体領域の少なくとも一部が位置する。前記第2電極は、前記複数の第4半導体領域及び前記複数の第5半導体領域の上に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を表す断面図である。
【
図2】
図2(a)及び
図2(b)は、第1実施形態に係る半導体装置を表す平面図である。
【
図3】
図3(a)及び
図3(b)は、半導体装置を表す断面図である。
【
図4】
図4は、半導体装置のシミュレーション結果を表すグラフ図である。
【
図5】
図5は、半導体装置のシミュレーション結果を表すグラフ図である。
【
図6】
図6(a)~
図6(d)は、第1実施形態に係る半導体装置のシミュレーションを表す断面図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る半導体装置のシミュレーション結果を表すグラフ図である。
【
図8】
図8(a)及び
図8(b)は、第1実施形態の変形例に係る半導体装置を表す平面図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る半導体装置を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
以下の説明及び図面において、n
+、n、n
-及びp
++、p
+、pの表記は、各不純物濃度の相対的な高低を表す。すなわち、「++」が付されている表記は、「+」が付されている表記よりも不純物濃度が相対的に高いことを示す。「+」が付されている表記は、「+」及び「-」のいずれも付されていない表記よりも不純物濃度が相対的に高いことを示す。「-」が付されている表記は、いずれも付されていない表記よりも不純物濃度が相対的に低いことを示す。これらの表記は、それぞれの領域にp形不純物とn形不純物の両方が含まれている場合には、それらの不純物が補償しあった後の正味の不純物濃度の相対的な高低を表す。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を表す断面図である。
図1に表した第1実施形態に係る半導体装置100は、ダイオードである。
半導体装置100は、第1電極11、第2電極12、複数のn
+形カソード領域31(複数の第1半導体領域)、複数のp
+形カソード領域32(複数の第2半導体領域)、n
-形ドリフト領域33(第3半導体領域)、複数のp形アノード領域34(複数の第4半導体領域)及び複数のp
+形アノード領域35(複数の第5半導体領域)を含む。この例では、さらに、半導体装置100は、複数のp
++形アノード領域36(複数の第6半導体領域)及びn形バッファ領域40を含む。
【0008】
ここでは、第1電極11から複数のn+形カソード領域31に向かう方向を第1方向D1とする。第1方向D1は、例えば、第1電極11の上面に垂直な方向である。第1方向D1に対して垂直であり、相互に直交する2方向を第2方向D2及び第3方向D3とする。また、説明のために、第1電極11からn+形カソード領域31に向かう方向を「上」と言い、その反対方向を「下」と言う。これらの方向は、第1電極11とn+形カソード領域31との相対的な位置関係に基づき、重力の方向とは無関係である。
【0009】
図2(a)及び
図2(b)は、第1実施形態に係る半導体装置を表す平面図である。
図2(a)は、
図1に示す矢印AA1から半導体装置100を見た平面図である。すなわち、
図2(a)は、半導体装置100の表面(上面)側を表す。
図2(b)は、
図1に示す矢印AA2から半導体装置100を見た平面図である。すなわち、
図2(b)は、半導体装置100の裏面(下面)側を表す。
図1は、
図2(a)のA1-A2断面図に対応し、
図2(b)のB1-B2断面図に対応する。なお、
図2(a)では、第2電極12、複数のP
++形アノード領域36が省略されている。
図2(b)では、第1電極11が省略されている。
【0010】
例えば、
図1に表したように、半導体装置100の下面には、第1電極11が設けられている。複数のn
+形カソード領域31は、第1電極11の上に設けられ、第1電極11と電気的に接続されている。複数のp
+形カソード領域32は、第1電極11の上に設けられ、第2方向D2において複数のn
+形カソード領域31と並び、第1電極11と電気的に接続されている。
【0011】
n形バッファ領域40は、複数のn+形カソード領域31及び複数のp+形カソード領域32の上に設けられている。n-形ドリフト領域33は、n形バッファ領域40の上(すなわち、複数のn+形カソード領域31及び複数のp+形カソード領域32の上)に設けられている。n形バッファ領域40におけるn形不純物濃度は、n+形カソード領域31におけるn形不純物濃度よりも低い。n-形ドリフト領域33におけるn形不純物濃度は、n形バッファ領域40におけるn形不純物濃度よりも低い。
【0012】
複数のp形アノード領域34は、n-形ドリフト領域33の上に設けられている。複数のp+形アノード領域35は、n-形ドリフト領域33の上に設けられている。複数のp+形アノード領域35の上部は、第2方向D2において複数のp形アノード領域34と並ぶ。複数のp+形アノード領域35におけるp形不純物濃度は、複数のp形アノード領域34におけるp形不純物濃度よりも高い。複数のp+形アノード領域35の下端は、複数のp形アノード領域34よりも下方に位置する。各p+形アノード領域35は、複数のp形アノード領域34よりも、下方に突出した形状である。各p+形アノード領域35の下部は、n-形ドリフト領域33と第2方向において並び、n-形ドリフト領域33に囲まれている。
【0013】
複数のp++形アノード領域36は、複数のp+形アノード領域35の上に設けられている。複数のp++形アノード領域36の下方及び側方は、複数のp+形アノード領域35に囲まれている。複数のp++形アノード領域36におけるp形不純物濃度は、複数のp+形アノード領域35おけるp形不純物濃度よりも高い。
【0014】
第2電極12は、複数のp形アノード領域34、複数のp+形アノード領域35及び複数のp++形アノード領域36の上に設けられている。第2電極12は、複数のp形アノード領域34、複数のp+形アノード領域35及び複数のp++形アノード領域36と電気的に接続されている。複数のp形アノード領域34と第2電極12との間は、ショットキーコンタクトである。
【0015】
図2(a)に表したように、複数のp形アノード領域34は、第2方向D2に並び、第3方向D3に延在する。例えば、複数のp形アノード領域34は、第2方向D2において周期的に、または等間隔で並ぶ。各p形アノード領域34の幅(第2方向D2に沿った長さ)は、他のp形アノード領域34の幅と同じでも良く、第3方向D3において一定でも良い。
【0016】
複数のp
+形アノード領域35は、第2方向D2に並び、第3方向D3に延在する。例えば、複数のp
+形アノード領域35は、第2方向D2において周期的に、または等間隔で並ぶ。各p
+形アノード領域35の幅は、他のp
+形アノード領域35の幅と同じでも良く、第3方向D3において一定でも良い。p
+形アノード領域35の数は、例えば240以上600以下である。複数のp
++形アノード領域36(
図1参照)についても、同様である。
【0017】
複数のp形アノード領域34と複数のp+形アノード領域35とは、第2方向D2において交互に並ぶ。すなわち、p+形アノード領域35の1つは、p形アノード領域34の1つと、p形アノード領域34の別の1つと、の間に位置する。また、p形アノード領域34の1つは、p+形アノード領域35の1つと、p+形アノード領域35の別の1つと、の間に位置する。
【0018】
図2(b)に表したように、複数のn
+形カソード領域31は、第2方向D2に並び、第3方向D3に延在する。例えば、複数のn
+形カソード領域31は、第2方向D2において周期的に、または等間隔で並ぶ。各n
+形カソード領域31の幅は、他のn
+形カソード領域31の幅と同じでも良く、第3方向D3において一定でも良い。
【0019】
複数のp+形カソード領域32は、第2方向D2に並び、第3方向D3に延在する。例えば、複数のp+形カソード領域32は、第2方向D2において周期的に、または等間隔で並ぶ。各p+形カソード領域32の幅は、他のp+形カソード領域32の幅と同じでも良く、第3方向D3において一定でも良い。p+形カソード領域32の数は、例えば18以上180以下である。
【0020】
複数のn+形カソード領域31と複数のp+形カソード領域32とは、第2方向D2において交互に並ぶ。すなわち、n+形カソード領域31の1つは、p+形カソード領域32の1つと、p+形カソード領域32の別の1つと、の間に位置する。また、p+形カソード領域32の1つは、n+形カソード領域31の1つと、n+形カソード領域31の別の1つと、の間に位置する。
【0021】
例えば
図1に表したように、複数のp
+形カソード領域32のそれぞれの直上に、複数のp
+形アノード領域35の少なくとも一部が位置する。例えば、1つのp
+形カソード領域32の直上には、少なくとも1つのp
+形アノード領域35が位置する。1つのp
+形カソード領域32の直上に、2以上のp
+形アノード領域35が配置されても良い。
【0022】
なお、「直上」とは、第1方向D1に平行に延びる直線上である。例えば、
図1に表したように、p
+形カソード領域32の1つとp
+形アノード領域35の1つとが、第1方向D1に平行な直線L1上に位置する。言い換えれば、各p
+形カソード領域32の少なくとも一部は、第1方向D1において、1以上のp
+形アノード領域35の少なくとも一部と重なる。
【0023】
この例では、複数のp+形カソード領域32のそれぞれの、第2方向D2における中心32cの直上に、複数のp+形アノード領域35の少なくとも一部及び複数のp++形アノード領域36の少なくとも一部が位置する。言い換えれば、各p+形カソード領域32の中心32cの少なくとも一部は、第1方向D1において、少なくとも1以上のp+形アノード領域35、及び、少なくとも1以上のp++形アノード領域36と重なる。
【0024】
なお「複数のp+形カソード領域32のそれぞれの直上に、複数のp+形アノード領域35(またはp++形アノード領域36)の少なくとも一部が位置する」とは、厳密に全てのp+形カソード領域32の直上にp+形アノード領域35(またはp++形アノード領域36)が位置しなくても良い。例えば第1方向D1に平行な断面を観察したときに、3個中1個以上のp+形カソード領域32の直上に、p+形アノード領域35(またはp++形アノード領域36)が位置すれば良いものとする。
同様に「複数のp+形カソード領域32のそれぞれの中心の直上に、複数のp+形アノード領域35(またはp++形アノード領域36)の少なくとも一部が位置する」とは、厳密に全てのp+形カソード領域32の中心の直上に、p+形アノード領域35(またはp++形アノード領域36)が位置しなくても良い。例えば第1方向D1に平行な断面を観察したときに、3個中1個以上のp+形カソード領域32の中心の直上に、p+形アノード領域35(またはp++形アノード領域36)が位置すれば良いものとする。
【0025】
複数のp+形カソード領域32の第2方向D2におけるピッチをピッチp32とする。なお、「ピッチ」とは、位置の繰り返しの単位の長さである。ピッチp32は、「複数のp+形カソード領域32の1つ」の第2方向D2における位置と、その「複数のp+形カソード領域32の1つ」の第2方向D2における隣の「複数のp+形カソード領域32の別の1つ」の第2方向D2における位置と、の間の第2方向D2に沿う長さに対応する。
【0026】
また、複数のp+形アノード領域35の第2方向D2におけるピッチをピッチp35とする。ピッチp35は、「複数のp+形アノード領域35の1つ」の第2方向D2における位置と、その「複数のp+形アノード領域35の1つ」の第2方向D2における隣の「複数のp+形アノード領域35の別の1つ」の第2方向D2における位置と、の間の第2方向D2に沿う長さに対応する。
【0027】
例えば、ピッチp32は、ピッチp35の自然数倍である。
図1に示す例では、ピッチp32は、ピッチp35の2倍である。なお、「自然数倍」という範囲は、「実質的」に自然数倍であることを含むものとする。「実質的」とは、例えば製造誤差程度の範囲を含む。
【0028】
半導体装置100の各構成要素の材料の一例を説明する。
複数のn+形カソード領域31、複数のp+形カソード領域32、n形バッファ領域40、n-形ドリフト領域33、複数のp形アノード領域34、複数のp+形アノード領域35、及び、複数のp++形アノード領域36は、半導体材料として、シリコン、炭化シリコン、窒化ガリウム、またはガリウムヒ素を含む。半導体材料としてシリコンが用いられる場合、n形不純物として、ヒ素、リン、またはアンチモンを用いることができる。p形不純物として、ボロンを用いることができる。
【0029】
第1電極11及び第2電極12は、アルミニウムなどの金属を含む。例えば、第2電極12が比較的仕事関数の大きい材料を含むとき、複数のp+形アノード領域35と第2電極12との間にオーミック接触を形成するために、複数のp++形アノード領域36が設けられる。例えば、第2電極12は、アルミニウム及びシリコンを含む。又は、第2電極12は、チタン又はタングステンを含む。これらの場合、複数のp++形アノード領域36が設けられることが望ましい。
【0030】
半導体装置100の動作を説明する。
第1電極11に対して第2電極12に正の電圧が印加されると、n-形ドリフト領域33と複数のp+形アノード領域35(キャリア注入領域)との間のpn接合面に順方向電圧が加わる。複数のp+形アノード領域35からn-形ドリフト領域33へ正孔が注入され、複数のn+形カソード領域31からn-形ドリフト領域33へ電子が注入される。第2電極12から第1電極11へ電流が流れ、半導体装置100がオン状態となる。オン状態では、n-形ドリフト領域33に正孔及び電子が蓄積され、n-形ドリフト領域33の電気抵抗が大きく低下する。なお、第2電極12とのショットキーコンタクトにより、複数のp形アノード領域34からはキャリアは注入されない。
【0031】
その後、第2電極12に対して第1電極11に正の電圧が印加されると、第2電極12から第1電極11へ流れていた電流が遮断され、半導体装置100がオフ状態となる。n-形ドリフト領域33へ蓄積された正孔は、複数のp+形アノード領域35を通して第2電極12へ排出される。蓄積された電子は、複数のn+形カソード領域31を通して第1電極11へ排出される。n-形ドリフト領域33と複数のp+形アノード領域35とのpn接合面から、電圧に応じてn-形ドリフト領域33に空乏層が広がる。n-形ドリフト領域33に広がる空乏層により、耐圧が保持される。
【0032】
n形バッファ領域40におけるn形不純物濃度は、n-形ドリフト領域33におけるn形不純物濃度よりも高い。このため、空乏層が、第1方向D1においてn-形ドリフト領域33の全体に亘って広がり、n形バッファ領域40に達すると、空乏層の広がりが抑えられる。これにより、空乏層が、n+形カソード領域31に達することを防止できる。
【0033】
また、複数のp+形アノード領域35の下端が、複数のp形アノード領域34よりも下方に突出していることで、半導体装置100をオン状態からオフ状態に切り替えて電流を遮断したときに、複数のp形アノード領域34の表面へのパンチスルーが生じ難くなり、半導体装置100の遮断耐量が向上する。
【0034】
複数のp+形カソード領域32が設けられていると、半導体装置100がターンオフしたときに、第1電極11からn-形ドリフト領域33へ、複数のp+形カソード領域32を通して正孔が注入される。これにより、例えば、ターンオフ時に、第1電極11と第2電極12との電位差の急峻な増大が抑制される。例えば、第1電極11の電位の振動を抑制し、電位の振動によって生じるノイズを低減できる。
【0035】
第1実施形態の効果を説明する。
既に述べたとおり、実施形態においては、複数のp+形カソード領域32のそれぞれの直上に、複数のp+形アノード領域35の少なくとも一部が位置する。これにより、半導体装置100をターンオフしたときに、第1電極11と第2電極12との間の電位差の振動が抑制される。例えば、ターンオフ時の第1電極11の電位の振動、および、第1電極11と第2電極との間を流れる電流の振動を抑制することができる。したがって、電流の遮断時(ターンオフ時)の電気的特性が向上できる。
【0036】
例えば、半導体装置100がオン状態のとき、キャリア注入箇所である複数のp+形アノード領域35の下には多くのキャリアが存在する。そのため、ターンオフ時にも、複数のp+形アノード領域35の下にも多くのキャリアが残存している。つまり、n形ドリフト領域33及びn形バッファ領域40に多くのホールが存在する。この場合、p+形カソード領域32からn形ドリフト領域33及びn形バッファ領域40への障壁が低くなる。そのため、複数のp+形カソード領域32の直上に、複数のp+形アノード領域35が位置することで、例えば、複数のp+形カソード領域32から複数のp+形アノード領域35へのPNP輸送効率が向上し、リカバリー時に、複数のp+形カソード領域32から正孔が注入されやすくなると考えられる。これにより、ターンオフ時の電位や電流の振動が抑制できると考えられる。
【0037】
図3(a)及び
図3(b)は、半導体装置を表す断面図である。
図3(a)は、第1の実施形態に係る半導体装置101を表す。
図3(b)は、比較例に係る半導体装置190を表す。
図4及び
図5は、半導体装置101及び半導体装置190のシミュレーション結果を表すグラフ図である。
【0038】
図3(a)に表したように、半導体装置101においては、ピッチp32(
図1参照)は、ピッチp35(
図1参照)の1倍である。これ以外については、半導体装置101には、半導体装置100と同様の説明を適用することができる。
図3(b)に表したように、半導体装置190は、p
+形カソード領域とp
+形アノード領域との位置関係において、半導体装置101と異なる。これ以外については、半導体装置190には、半導体装置101と同様の説明を適用できる。すなわち、半導体装置190においても、第1電極11r、n
+形カソード領域31r、p
+形カソード領域32r、n形バッファ領域40r、n
-形ドリフト領域33r、p形アノード領域34r、p
+形アノード領域35r、p
++形アノード領域36r及び第2電極12rが設けられている。半導体装置190においては、p
+形カソード領域32rの直上には、p
+形アノード領域35rが位置しない。n
+形カソード領域31rの直上に、p
+形アノード領域35rが位置する。
【0039】
図4は、半導体装置における正孔電流密度J(A/cm
2)と、深さ方向の位置Y(μm)と、の関係を表す。横軸の左側がアノード側に対応し、横軸の右側がカソード側に対応する。正孔電流密度J101は、半導体装置101の断面C1-C2(
図3(a)参照)に沿った正孔電流密度である。正孔電流密度J190は、半導体装置190の断面D1-D2(
図3(b)参照)に沿った正孔電流密度である。半導体装置101の正孔電流密度は、半導体装置190の正孔電流密度よりも高い。
【0040】
図5(a)及び
図5(b)は、半導体装置の第1、2電極間における、ターンオフ時の電流IF(A)及び電圧VR(V)の時間変化を表す。電圧V101及び電流I101は、半導体装置101の特性を示す。電圧V190及び電流I190は、半導体装置190の特性を示す。
図5(b)は、
図5(a)の一部の拡大図である。
図5(a)に示すように、半導体装置101の電圧V101の振動は、半導体装置190の電圧V190の振動よりも小さい。また、
図5(b)に示すように、半導体装置101の電流I101の振動は、半導体装置190の電流I190の振動よりも小さい。
【0041】
以上説明したように、半導体装置101においては、半導体装置190に比べて、正孔電流密度が高く、ターンオフ時の電流や電位の振動を抑制することができる。
【0042】
また、複数のp
+形カソード領域32のそれぞれの第2方向D2の中心32c(
図1参照)の直上に、p
+形アノード領域35(及びp
++形アノード領域36)が位置する場合には、ターンオフ時に正孔がより注入されやすくなり、電位や電流の振動をより抑制できると考えられる。
【0043】
また、複数のp+形アノード領域35は、第2方向D2において周期的に並び、複数のp+形カソード領域32は、第2方向D2において周期的に並ぶ。このような周期的パターンにより、例えば、キャリア密度がコントロールしやすい。例えば、キャリア密度の均一性を制御して、電気的特性をより安定させることができる。
【0044】
さらに、複数のp+形アノード領域35の第2方向D2におけるピッチp35は、複数のp+形カソード領域32の第2方向D2におけるピッチp32の自然数倍である。このようにカソード側の周期パターンとアノード側の周期パターンとを揃えることで、各p+形カソード領域32の直上に、より確実に複数のp+形アノード領域35が位置する。
【0045】
図6(a)~
図6(d)は、第1実施形態に係る半導体装置のシミュレーションを表す断面図である。
図6(a)に表した半導体装置102においては、ピッチp32はピッチp35(
図1参照)の1倍である。ピッチp32は34μmであり、p
+形カソード幅W32(複数のp
+形カソード領域32の1つの第2方向D2における長さ)は、10μmである。
図6(b)に表した半導体装置103においては、ピッチp32はピッチp35(
図1参照)の2倍である。ピッチp32は68μmであり、p
+形カソード幅W32は、20μmである。
図6(c)に表した半導体装置104においては、ピッチp32はピッチp35(
図1参照)の3倍である。ピッチp32は102μmであり、p
+形カソード幅W32は、30μmである。
図6(d)に表した半導体装置105においては、ピッチp32はピッチp35(
図1参照)の6倍である。ピッチp32は204μmであり、p
+形カソード幅W32は、60μmである。
これ以外については、半導体装置102~105には、半導体装置100と同様の説明を適用できる。
【0046】
図7は、第1実施形態に係る半導体装置のシミュレーション結果を表すグラフ図である。
図7は、
図6(a)~
図6(d)に関して説明した半導体装置102~105におけるオン電圧VF(V)を示す。すなわち、電圧V102~V105は、それぞれ、導体装置102~105のオン電圧VFを表す。
【0047】
図7に示すように、ピッチp32がピッチp35の3倍である半導体装置104において、オン電圧VFが極小となる。
【0048】
半導体装置104に比べて、ピッチp32及びp+形カソード幅W32が広い半導体装置105においては、オン電圧VFが増大する。これは、半導体装置105では、複数のp+形カソード領域32の上の領域において、キャリア密度が低くなるためと考えられる。
【0049】
一方、半導体装置104に比べて、ピッチp32及びp+形カソード幅W32が狭い半導体装置102、103においても、オン電圧VFが増大する。これは、半導体装置102、103では、カソード側からのキャリア注入量が減少するためと考えられる。
【0050】
オン電圧VFの観点から、ピッチp32は、ピッチp35の1倍以上6倍以下が好ましく、2倍以上がより好ましい。また、p
+形カソード幅W32は、10μm以上120μm以下が好ましく、20μm以上60μm以下がより好ましい。また、例えば、
図6(a)~
図6(d)に示すように、p
+形カソード幅W32は、n
+形カソード幅W31(複数のn
+形カソード領域31の1つの第2方向D2における長さ)よりも狭い。n
+形カソード幅W31は、24μm以上144μm以下が好ましい。これにより、オン電圧VFの増大を抑制することができる。
【0051】
例えば、電位や電流の振動を抑制するためにカソードの一部にp+形半導体領域を設けると、カソードのn+形半導体領域が減るため、導通時の特性の悪化(例えばオン電圧VFの増大)が生じる場合がある。これに対して、実施形態においては、複数のp+形カソード領域32のそれぞれの直上に、p+形アノード領域35が位置することで、電位や電流の振動をより抑制しやすい。そのため、複数のp+形カソード領域32を小さく抑えることができる。これにより、カソードの一部にp+形半導体領域を設けることによる特性の悪化、すなわちカソードのn+形半導体領域が減ることによる特性の悪化を抑制することができる。
【0052】
(変形例)
図8(a)及び
図8(b)は、第1実施形態の変形例に係る半導体装置を表す平面図である。
図8(a)、
図8(b)は、それぞれ、
図2(a)、
図2(b)と同様に、半導体装置106の表面側、裏面側を表す。
変形例に係る半導体装置106は、アノード側の半導体領域の平面パターン及びカソード側の半導体領域の平面パターンにおいて、半導体装置101と異なる。これ以外については、半導体装置106には、半導体装置101と同様の説明を適用できる。
【0053】
図8(a)に表したように、半導体装置106においても、複数のp形アノード領域34及び複数のp
+形アノード領域35が設けられている。この例では、複数のp
+形アノード領域35の1つと、複数のp
+形アノード領域35の別の1つとが、平面視において連続しており、略矩形の環状を形成している。言い換えれば、複数のp
+形アノード領域35は、平面視において環状のp
+形半導体領域の一部(第3方向D3に延びる部分)である。
【0054】
同様に、この例では、複数のp形アノード領域34の1つと、複数のp形アノード領域34の別の1つとが、平面視において連続しており、略矩形の環状を形成している。言い換えれば、複数のp形アノード領域34は、平面視において環状のp形半導体領域の一部(第3方向に延びる部分)である。
【0055】
複数のp形アノード領域34を含む環状のp形半導体領域と、複数のp+形アノード領域35を含む環状のp+形半導体領域とが、同心状に交互に並んでいる。
【0056】
図8(b)に表したように、半導体装置106においても、複数のn
+形カソード領域31及び複数のp
+形カソード領域32が設けられている。この例では、複数のp
+形カソード領域32の1つと、複数のp
+形カソード領域32の別の1つとが、平面視において連続しており、略矩形の環状を形成している。言い換えれば、複数のp
+形カソード領域32は、平面視において環状のp
+形半導体領域の一部(第3方向D3に延びる部分)である。
【0057】
同様に、この例では、複数のn+形カソード領域31の1つと、複数のn+形カソード領域31の別の1つとが、平面視において連続しており、略矩形の環状を形成している。言い換えれば、複数のn+形カソード領域31は、平面視において環状のn+形半導体領域の一部(第3方向に延びる部分)である。
【0058】
複数のp+形カソード領域32を含むp+形半導体領域と、複数のn+形カソード領域31を含むn+形半導体領域とが、同心状に交互に並んでいる。
【0059】
半導体装置106においても、複数のp+形カソード領域32のそれぞれの直上に、p+形アノード領域35が位置する。これにより、ターンオフ時の第1電極11の振動、および、第1電極11と第2電極との間を流れる電流の振動を抑制することができる。したがって、電流の遮断時の電気的特性が向上できる。
【0060】
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態に係る半導体装置を表す断面図である。
第2実施形態に係る半導体装置200は、RC-IGBTである。半導体装置200は、
図9に表したように、複数のn
+形カソード領域31(第1半導体領域)、複数のp
+形カソード領域32(第2半導体領域)、n形バッファ領域40、n
-形ドリフト領域33(第3半導体領域)、複数のp形アノード領域34(第4半導体領域)、複数のp
+形アノード領域35(第5半導体領域)、第1電極11、第2電極12、絶縁層15、p
+形コレクタ領域37(第7半導体領域)、p形ベース領域38(第8半導体領域)、n
+形エミッタ領域39(第9半導体領域)、及びゲート電極24を含む。
【0061】
複数のn+形カソード領域31、複数のp+形カソード領域32、及びp+形コレクタ領域37は、第1電極11の上に設けられ、第1電極11と電気的に接続されている。p+形コレクタ領域37は、第1方向D1に垂直な一方向において、複数のn+形カソード領域31と並んでいる。図示した例では、p+形コレクタ領域37は、第2方向D2において、複数のn+形カソード領域31と並んでいる。
【0062】
n形バッファ領域40の一部は、第1方向D1に垂直な第1面に沿って複数のn+形カソード領域31、複数のp+形カソード領域32及びp+形コレクタ領域37の周りに設けられている。n形バッファ領域40の別の一部は、複数のn+形カソード領域31、複数のp+形カソード領域32及びp+形コレクタ領域37の上に設けられている。
【0063】
複数のp形アノード領域34は、n-形ドリフト領域33の上に設けられ、複数のn+形カソード領域31及び複数のp+形カソード領域32の上に位置している。p形ベース領域38は、n-形ドリフト領域33の上に設けられ、p+形コレクタ領域37の上に位置している。p形ベース領域38は、第1方向D1に垂直な一方向において、複数のp形アノード領域34と並んでいる。図示した例では、p形ベース領域38は、第2方向D2において、複数のp形アノード領域34と並んでいる。p形ベース領域38は、複数のp形アノード領域34から離れていても良いし、複数のp形アノード領域34と連続していても良い。
【0064】
n+形エミッタ領域39は、p形ベース領域38の上に設けられている。第2電極12は、複数のp形アノード領域34、複数のp+形アノード領域35、p形ベース領域38、及びn+形エミッタ領域39と電気的に接続されている。ゲート電極24は、ゲート絶縁層24aを介して、p形ベース領域38と対向している。図示した例では、ゲート電極24は、第1方向D1に垂直な一方向において、p形ベース領域38と対向している。ゲート電極24は、p形ベース領域38の上に設けられ、第1方向D1においてゲート絶縁層24aを介してp形ベース領域38と対向していても良い。ゲート電極24は、第2電極12とは電気的に分離されている。
【0065】
半導体装置200は、ダイオード領域R1及びIGBT領域R2を含む。複数のn+形カソード領域31、複数のp+形カソード領域32、複数のp形アノード領域34及び複数のp+形アノード領域35は、ダイオード領域R1に設けられている。p+形コレクタ領域37、p形ベース領域38、n+形エミッタ領域39、及びゲート電極24は、IGBT領域R2に設けられている。半導体装置200では、1つのダイオード領域R1及び1つのIGBT領域R2が設けられている。
【0066】
半導体装置200においても、複数のp+形カソード領域32のそれぞれの直上に、p+形アノード領域35が位置する。これにより、ターンオフ時の第1電極11の振動、および、第1電極11と第2電極との間を流れる電流の振動を抑制することができる。したがって、電流の遮断時の電気的特性が向上できる。
【0067】
以上で説明した各実施形態における、各半導体領域の間の不純物濃度の相対的な高低については、例えば、SCM(走査型静電容量顕微鏡)を用いて確認することが可能である。なお、各半導体領域におけるキャリア濃度は、各半導体領域において活性化している不純物濃度と等しいものとみなすことができる。従って、各半導体領域の間のキャリア濃度の相対的な高低についても、SCMを用いて確認することができる。また、各半導体領域における不純物濃度については、例えば、SIMS(二次イオン質量分析法)により測定することが可能である。
【0068】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0069】
11 第1電極、 12 第2電極、 15 絶縁層、 24 ゲート電極、 24a ゲート絶縁層、 31 n+形カソード領域、 32 p+形カソード領域、 32c 中心、 33 n-形ドリフト領域、 34 p形アノード領域、 35 形アノード領域、 36 p++形アノード領域、 37 p+形コレクタ領域、 38 p形ベース領域、 39 n+形エミッタ領域、 40 n形バッファ領域、 100~106、190、200 半導体装置、 I101、I190、IF 電流、 J、J101、J190 正孔電流密度、 L1 直線、 R1 ダイオード領域、 R2 IGBT領域、 V101~V105、V190、VR 電圧、 VF オン電圧、 W31 n+形カソード幅、 W32 p+形カソード幅、 Y 位置、 p32、p35 ピッチ