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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】水充填機器の滅菌方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/16 20060101AFI20231227BHJP
   A61M 1/02 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
A61M1/16 185
A61M1/02 100
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020508625
(86)(22)【出願日】2018-08-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 EP2018072161
(87)【国際公開番号】W WO2019034714
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-07-28
(31)【優先権主張番号】17186610.6
(32)【優先日】2017-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501473877
【氏名又は名称】ガンブロ・ルンディア・エービー
【氏名又は名称原語表記】GAMBRO LUNDIA AB
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フリーグ,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】フロイデマン,ボルフガング
(72)【発明者】
【氏名】クネル,トルステン
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-033664(JP,A)
【文献】特開平10-057481(JP,A)
【文献】特開昭62-139663(JP,A)
【文献】特開昭57-206452(JP,A)
【文献】特表2009-529386(JP,A)
【文献】特開2007-038021(JP,A)
【文献】特開2011-092397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/16
A61M 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体充填医療機器を蒸気滅菌する方法であって、少なくとも1つの開口している液体ポートを特徴とする液体充填医療機器を用意することと、液体充填医療機器の少なくとも1つの開口している液体ポートをストッパで閉鎖することと、液体充填医療機器の残りのいずれかの開口しているポートを閉鎖することと、閉鎖された液体充填医療機器を蒸気滅菌することとを備え、ストッパが、エラストマ材料で構成されるカニューレ挿入されていないストッパに、0.4~1.0mmの範囲の外径を有するカニューレを突き刺し、続いてカニューレをストッパから取り外すことによって得られることを特徴とする、方法。
【請求項2】
液体充填医療機器が濾過および/または拡散機器である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
濾過および/または拡散機器が透析器である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
液体充填医療機器が吸着カラムである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
液体充填医療機器が粒子状材料を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
エラストマ材料がシリコーンゴムを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
カニューレの外径が0.6~0.8mmの範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ストッパが、エラストマ材料で構成されるカニューレ挿入されていないストッパに、0.4~1.0mmの範囲の外径を有するカニューレを突き刺し、続いてカニューレをストッパから取り外すことによって得られることを特徴とする、液体充填医療機器の蒸気滅菌におけるストッパの使用。
【請求項9】
エラストマ材料がシリコーンゴムを含む、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
ストッパが、カニューレ挿入されていないストッパに0.6~0.8mmの範囲の外径を有するカニューレを突き刺すことにより作製される、請求項8または9に記載の使用。
【請求項11】
医療機器が、中空糸膜を備える濾過および/または拡散機器である、請求項8~10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
医療機器が、中空糸膜を囲む空間に配置された粒子状材料を備える、請求項11に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体充填医療機器、例えば、限外濾過器や毛細管透析器などの濾過および/または拡散機器の蒸気滅菌方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体充填医療機器、例えば濾過および/または拡散機器の蒸気滅菌は、特定の課題を提起している。蒸気滅菌中の温度の上昇により、閉鎖されている液体充填機器内部の圧力が上昇し、これにより、ひいては部品の変形が生じ、機器の筐体に漏れや応力亀裂の形成が生じる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
液体充填医療機器に適した蒸気滅菌プロセスを有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、液体充填医療機器の蒸気滅菌方法を提供する。このプロセスでは、エラストマで構成されたカニューレ挿入されるストッパを使用して、医療機器の流体ポートを密封する。カニューレ挿入されるストッパは、医療機器内部の過圧を制限する圧力リリーフ弁として機能する。ストッパはセルフシール式であり、そのため、周囲の圧力では医療機器から液体が漏れない。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示は、液体充填医療機器、例えば濾過および/または拡散機器、例えば限外濾過器または毛細管透析器を蒸気滅菌するプロセスを提供する。
【0006】
このプロセスは、少なくとも1つの開口している液体ポートを特徴とする液体充填医療機器を提供することを含む。液体ポートは、医療機器内外への液体の輸送、すなわち液体の入口用または出口用に構成された、医療機器のポートである。通常、液体充填医療機器には複数の液体ポートがあるが、液体が機器から流出するのを防ぐために、それらのほとんどは閉鎖される。一実施形態では、液体充填医療機器の液体ポートの1つ以外が全て閉鎖される。別の実施形態では、液体充填医療機器の液体ポートの内の2つを除く全てが閉鎖される。
【0007】
液体充填医療機器の少なくとも1つの開口している液体ポートは、エラストマ材料で構成される、カニューレ挿入されるストッパで閉鎖される。液体充填医療機器の任意の残りの開口しているポートは、滅菌前に閉鎖され、その後閉鎖した液体充填医療機器は蒸気滅菌される。
【0008】
一実施形態では、液体充填医療機器は濾過および/または拡散機器である。一実施形態では、医療機器は、透析器、限外濾過器、若しくは血漿濾過器、または吸着カラム、例えば血液浄化カラムである。一実施形態では、医療機器は中空糸膜を含む。さらなる実施形態では、医療機器は、粒子状材料、例えばポリマービーズまたは炭素粒子を含む。特定の実施形態では、液体充填医療機器は、水または生理食塩水で満たされた、中空糸膜を含む濾過および/または拡散機器である。別の特定の実施形態では、医療機器は、中空糸膜および粒子状材料を含む液体充填濾過および/または拡散機器である。一実施形態では、粒子状材料は、中空糸膜を囲む空間に配置される。
【0009】
液体充填医療機器は、少なくとも1つの液体ポートを備えている。一実施形態では、液体充填医療機器は複数の液体ポート、例えば2つ、3つまたは4つの液体ポートを特徴とする。
【0010】
一実施形態では、液体充填医療機器は、半透膜によって分離された2つの区画を備え、2つの区画の少なくとも一方は、液体、例えば血液用の入口ポートおよび出口ポートを特徴とする。さらなる実施形態では、両方の区画はそれぞれ、液体の入口ポートおよび出口ポートを特徴とする。別の実施形態では、区画の1つは液体用の入口ポートのみを有する。別の実施形態では、区画の1つは液体ポートを特徴としていない、または恒久的に密封されたポートのみを特徴とする。一実施形態では、液体ポートは、DIN EN ISO 8637(2014年)に記載されているような、血液濾過、血液透析濾過または血液透析のための濾過および/または拡散機器のコネクタである。
【0011】
本開示のプロセスにおいて、蒸気滅菌される医療機器の少なくとも1つの液体ポートの開口部は、カニューレ挿入されるストッパで閉鎖される。一実施形態において、ポートの開口部は、カニューレ挿入されるストッパをポートの開口部の中に挿入することにより閉鎖される。一実施形態では、ストッパは円錐形状を有し、その最小直径はポートの開口部の直径よりも小さく、その最大直径はポートの開口部の直径よりも大きい。挿入後、プラグの一部がポートの開口部から突出する。別の実施形態では、ストッパは、円筒形または円錐形の部分を特徴とし、この部分の最大直径はポートの内径以下であり、頭部は、ポートの外径以上の直径を有する。挿入後、プラグの頭部がポートの開口部とリムを覆う。
【0012】
カニューレ挿入されるストッパはエラストマ材料で構成されている。適切なエラストマ材料の例は、シリコーンゴム、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)およびポリウレタンエラストマを含む。一実施形態では、ストッパはシリコーンゴムで構成される。一実施形態では、ストッパは射出成型によって製造される。
【0013】
カニューレ挿入されるストッパは、栓の上部からその底部まで延在するカニューレ挿入を特徴とし、カニューレ挿入が拡張状態にあるとき、液体充填医療機器の内部から外部まで貫通する導管を備える。周囲の圧力では、カニューレ挿入はエラストマ材料の弾性的復元力により閉鎖される。一実施形態では、カニューレ挿入は、エラストマ材料で構成されるストッパに、0.4~1.0mm、例えば0.6~0.8mmの範囲の外径を有するカニューレを突き刺すことによって作製される。
【0014】
蒸気滅菌される医療機器が複数の液体ポートを含む場合、機器を滅菌する前に全ての液体ポートを閉鎖しなければならない。一実施形態では、1つ除く全ての液体ポートは、カニューレ挿入されていないストッパによって閉鎖される。別の実施形態では、2つ以上の液体ポートが、カニューレ挿入されるストッパによって閉鎖される。一般に、医療機器の液体ポートの1つだけにカニューレ挿入されるストッパを使用すれば十分である。しかし、半透膜で隔てられた2つの区画を備えた医療機器の場合、各区画の1つの液体ポートにカニューレ挿入されるストッパを使用することは有利であり得る。
【0015】
液体充填医療機器の全ての液体ポートが閉鎖され、少なくとも1つの液体ポートの開口部がカニューレ挿入されるストッパで閉鎖された後、液体充填医療機器は蒸気滅菌される。蒸気滅菌は、当技術分野で周知の処置であり、当業者は、使用される機器およびパラメータに精通している。一実施形態では、医療機器は、少なくとも20分間、119~121℃の温度範囲の蒸気で滅菌される。
【0016】
本開示はまた、液体充填医療機器の蒸気滅菌において、エラストマ材料から構成されるカニューレ挿入されるストッパの使用を対象とする。一実施形態では、エラストマ材料はシリコーンゴムを含む。一実施形態では、カニューレ挿入されるストッパのカニューレ挿入は、カニューレ挿入されていないストッパに、0.4~1.0mm、特に0.6~0.8mmの範囲の外径を有するカニューレを突き刺すことにより作製される。
【0017】
一実施形態では、医療機器は、中空糸膜を含む濾過および/または拡散機器である。さらなる実施形態では、医療機器は、中空糸膜を囲む空間に配置された粒子状材料を含む。
【0018】
(実施例)
加熱中の医療機器の内圧を測定するためのセットアップの2つのバージョンである(a)および(b)が後述される。セットアップの両方のバージョンにおいて、濾過および/または拡散機器、例えば、下部血液ポート、上部血液ポート、下部透析液ポートおよび上部透析液ポートを有する透析器が提示される。下部血液ポートは、ストッパによって密封されている。下部透析液ポートは溶接により閉鎖されている。上部透析液ポートは、機器内の圧力Pを示す圧力計に接続されている。上部血液ポートはカニューレ挿入されるストッパで閉鎖されている。機器は、該機器内の温度を制御するために使用される加熱槽に部分的に浸漬される。セットアップの第2バージョン(b)は、ストッパのカニューレに接続されたシリンジをさらに含む。シリンジは、機器から流出する液体を収集し測定することを可能にする。
【0019】
シリコーンゴムで構成されるストッパは、2成分液体シリコーンゴム(ELASTOSIL(登録商標)LR 3003/60 A/B、Wacker Chemie AG、D-81737、ミュンヘンD-81737)の射出成型により製造された。金型内で165°Cで5分、換気された空気中で200°Cで4時間後硬化した後、材料は密度が1.13g/cm(ISO 1183-1 A)、硬度がショアA60である(DIN 53505)。DIN 53019に従って0.9s-1のせん断速度で測定した粘度は1,100,000mPa・sである。その引張強度は9.40N/mmであり、破断点伸びは340%である(いずれもDIN 53504 S 1に従って測定)。材料は、DIN 53512に従って測定されて67%の反発弾性を示す。
【0020】
(比較例1)
下部透析液ポートが溶接により閉鎖された、表面積2.3mの中空糸膜を具備する医療機器が水で満たされ、血液ポートはストッパで閉鎖され、上部透析液ポートは圧力計に接続された。機器が(80±2)℃の温度に保たれた水槽に浸漬され、機器内の圧力Pをモニタした。
【0021】
機器を浸漬した後、機器内の圧力Pは、2バール(g)を超える値まで急速に上昇した。圧力Pが3.9バール(g)に達した時点で実験を中止した。機器から水は漏れていない。
【0022】
(実施例2)
シリコーンゴムで構成されるストッパに、外径0.45mmのカニューレを突き刺して、カニューレ挿入されるストッパを作製した。
【0023】
表面積2.3mの中空糸膜を具備し、下部透析液ポートが溶接により閉鎖された医療機器に水を満たし、下部血液ポートをストッパで閉鎖し、上部血液ポートをカニューレ挿入されるストッパで閉鎖して、上部透析液ポートを圧力計に接続した。機器を(80±2)℃の温度に保たれた水槽に浸漬し、機器内の圧力Pをモニタした(セットアップa)。
【0024】
機器を浸漬した後、機器内の圧力Pは最大1.59バール(g)まで上昇し、その後徐々に減少した。実験の終了時、圧力Pは1.17バール(g)で、7.5gの水が機器から漏れていた。
【0025】
(実施例3)
シリコーンゴムで構成されるストッパに、外径0.60mmのカニューレを突き刺して、カニューレ挿入されるストッパを作製した。
【0026】
表面積2.3mの中空糸膜を具備し、下部透析液ポートが溶接により閉鎖された医療機器に水を満たし、下部血液ポートをストッパで閉鎖し、上部血液ポートをカニューレ挿入されるストッパで閉鎖して、上部透析液ポートを圧力計に接続した。機器を(80±2)℃の温度に保たれた水槽に浸漬し、機器内の圧力Pをモニタした(セットアップa)。
【0027】
機器を浸漬した後、機器内の圧力Pは最大1.50バール(g)まで上昇し、その後徐々に減少した。実験の終了時、圧力Pは1.26バール(g)で、7.0gの水が機器から漏れていた。
【0028】
(実施例4)
シリコーンゴムで構成されるストッパに、外径0.80mmのカニューレを突き刺して、カニューレ挿入されるストッパを作製した。
【0029】
表面積2.3mの中空糸膜を具備し、下部透析液ポートが溶接により閉鎖された医療機器に水を満たし、下部血液ポートをストッパで閉鎖し、上部血液ポートをカニューレ挿入されるストッパで閉鎖して、上部透析液ポートを圧力計に接続した。機器を(80±2)℃の温度に保たれた水槽に浸漬し、機器内の圧力Pをモニタした(セットアップa)。
【0030】
機器を浸漬した後、機器内の圧力Pは最大1.15バール(g)まで上昇し、その後徐々に減少した。実験の終了時、圧力Pは0.5バール(g)で、6.5gの水が機器から漏れていた。
【0031】
(実施例5)
シリコーンゴムで構成されるストッパに、外径0.90mmのカニューレを突き刺して、カニューレ挿入されるストッパを作製した。
【0032】
表面積2.3mの中空糸膜を具備し、下部透析液ポートが溶接により閉鎖された医療機器に水を満たし、下部血液ポートをストッパで閉鎖し、上部血液ポートをカニューレ挿入されるストッパで閉鎖して、上部透析液ポートを圧力計に接続した。機器を(80±2)℃の温度に保たれた水槽に浸漬し、機器内の圧力Pをモニタした(セットアップa)。
【0033】
機器を浸漬した後、機器内の圧力Pは最大0.08バール(g)まで上昇し、その後徐々に減少した。実験の終了時、圧力Pは0.0バール(g)で、7.5gの水が機器から漏れていた。
【0034】
(実施例6)
シリコーンゴムで構成されるストッパに、外径0.45mmのカニューレを突き刺して、カニューレ挿入されるストッパを作製した。
【0035】
2.3mの表面積を有する中空糸膜と、中空糸膜を取り囲む空間内のポリマービーズとを具備する医療機器が、実験のために使用された。機器の下部透析液ポートは、溶接により閉鎖された。機器は水で満たされ、下部血液ポートはストッパで閉鎖され、上部血液ポートはカニューレ挿入されるストッパで閉鎖され、上部透析液ポートは圧力計に接続された。機器を(80±2)℃の温度に保たれた水槽に浸漬し、機器内の圧力Pをモニタした(セットアップa)。
【0036】
機器を浸漬した後、機器内の圧力Pは最大1.8バール(g)まで上昇し、その後徐々に減少した。実験の終了時、圧力Pは1.05バール(g)で、機器から5.6gの水が漏れていた。
【0037】
(実施例7)
シリコーンゴムで構成されるストッパに、外径0.45mmのカニューレを突き刺して、カニューレ挿入されるストッパを作製した。30mlのシリンジ20を、長さ10mmのカニューレに接続した。
【0038】
表面積2.3mの中空糸膜を具備し、下部透析液ポートが溶接により閉鎖された医療機器に水を満たし、下部血液ポートをストッパで閉鎖し、上部血液ポートをシリンジに接続されるカニューレ挿入されるストッパで閉鎖して、上部透析液ポートを圧力計に接続した。機器を(80±2)℃の温度に保たれた水槽に浸漬し、機器内の圧力Pをモニタした(セットアップb)。
【0039】
実験中に到達した機器内部の圧力Pの最大値は0.18バール(g)であった。圧力Pが0.05バール(g)に達したとき、シリンジのプランジャーが動き始めた。実験中、最大7.5mlの水がシリンジに流入した。水槽を取り外し、機器を室温まで冷却した後、シリンジ内に1mlの体積の残留物が残っていた。