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特許7410851誤差指標情報に基づいてノードの位置特定のための距離推定値を適応的に選択するためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】誤差指標情報に基づいてノードの位置特定のための距離推定値を適応的に選択するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/06 20060101AFI20231227BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20231227BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20231227BHJP
【FI】
G01S5/06
H04W4/38
H04W64/00 130
H04W64/00 110
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2020510547
(86)(22)【出願日】2018-08-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 US2018047420
(87)【国際公開番号】W WO2019040556
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】15/684,891
(32)【優先日】2017-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518200503
【氏名又は名称】ザイナー, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Zainar, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】イラムルト,トミ
(72)【発明者】
【氏名】セス,マヌ
【審査官】藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-531372(JP,A)
【文献】国際公開第2017/031248(WO,A1)
【文献】特開2002-159041(JP,A)
【文献】特開2009-074974(JP,A)
【文献】特開2006-003187(JP,A)
【文献】特開2002-291026(JP,A)
【文献】特開2009-065394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00 ー 5/14
H04W 64/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が、既知の位置を有し、かつ、1又はそれ以上の処理ユニットと無線ネットワークアーキテクチャにおいて通信を送受信するためのRF回路とを備えた無線デバイスを含む、第1の複数の無線ノードと、
各々が、未知の位置を有し、かつ、無線ネットワークアーキテクチャにおいて通信を送受信するためのRF回路を備えた無線デバイスを含む、第2の複数の無線センサノードと、
を具備し、
前記第1の複数の無線ノードのうちの1つの無線ノードの前記1又はそれ以上の処理ユニットが、
位置特定のために十分な期間の間、前記第2の複数の無線センサノードをメッシュベースのネットワークアーキテクチャとして構成し、
位置特定のために前記第1の複数の無線ノードのうちの前記1つの無線ノードと前記第2の複数の無線センサノードの各々との間の距離推定値を決定し、
各距離推定値について誤差情報を決定し、
位置特定のために該誤差情報に基づいて前記決定された距離推定値を選択する、システム。
【請求項2】
前記誤差情報が、既知の位置を有する1つの無線ノードと未知の位置を有する1つの無線センサノードとの間の各距離推定値に関連する誤差指標を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の複数の無線ノードのうちの前記1つの無線ノードの前記1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
各誤差指標を誤差閾値と比較し、
該誤差閾値以下の誤差指標に基づいて、位置特定のために前記決定された距離推定値のサブセットを選択し、
位置特定が完了したときに前記無線ネットワークアーキテクチャをツリーベースのネットワークアーキテクチャで構成する、
ように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の複数の無線ノードのうちの前記1つの無線ノードの前記1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
前記決定された距離推定値のサブセットに基づいて、位置特定のために位置推定値を決定する、
ように構成され、
少なくとも1つの距離推定値、及び、既知の位置を有する関連する無線センサノードが、前記位置推定値を決定するために除外される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記誤差閾値が、環境、距離測定値、最適化手順、に基づいて事前に定義されるか、又は、前記位置特定の間に定義される、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の複数の無線ノードのうちの前記1つの無線ノードの前記1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
少なくとも1つの無線センサノードについて、改訂された位置を繰り返し決定することを、
前記第1の複数の無線ノードの既知の位置、前記第1の複数の無線ノードと前記第2の複数の無線センサノードとの間における位置特定からの前の距離推定値及び該距離推定値に関連する誤差指標、前記第2の複数の無線センサノードにおける複数の無線センサノード間の繰り返される距離推定値、前記第1の複数の無線ノードと前記第2の複数の無線センサノードとの間の位置特定からの又は以前に改訂された位置からの、前記第2の複数の無線センサノードの推定された位置、のうちの少なくとも2つを用い、
前記改訂された位置について用いられた前記決定された距離推定値を、改訂された位置特定の度に、選択する、
ことにより行うように、
構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の複数の無線ノードのうちの前記1つの無線センサノードの前記1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
前記距離推定値及び関連する誤差指標の第1のサブセットに基づいて又は前記距離推定値及び関連する誤差指標の第2のサブセットの変化した影響に基づいて、少なくとも1つの無線センサノードについて位置特定を繰り返し決定する、
ように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
コンピュータ実装方法であって、
既知の位置を有する第1の複数の無線センサノードの各々と未知の位置を有する第2の複数の無線センサノードとの間の距離推定値を決定すること、
各距離推定値について誤差情報を、飛行時間情報を用いて測定された距離推定値と三角測量を用いて計算された距離推定値との間の差に基づいて決定すること、
前記誤差情報に基づいて距離推定値を選択すること、
選択された前記距離推定値に基づいて、前記第2の複数の無線センサノードについて位置情報を決定すること、
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記誤差情報が、既知の位置を有する1つの無線センサノードと未知の位置を有する1つの無線センサノードとの間の各距離推定値に1つの誤差指標が関連している、複数の誤差指標を含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
各誤差指標を誤差閾値と比較し、該誤差閾値以下の誤差指標に基づいて、位置特定のために前記決定された距離推定値のサブセットを選択すること、
をさらに含む、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記決定された距離推定値のサブセットに基づいて、位置特定のために位置推定値を決定すること、
をさらに含み、
少なくとも1つの距離推定値、及び、既知の位置を有する関連する無線センサノードが、前記位置推定値を決定するために除外される、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記誤差閾値が、環境、距離測定値、最適化手順、に基づいて事前に定義されるか、又は、前記位置特定の間に定義される、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記第2の複数の無線センサノードの位置情報を決定することを少なくとも1回繰り返すこと、
をさらに含み、
少なくとも1つの距離推定値及び既知の位置を有する関連する無線センサノードが除外されるか、又は、少なくとも1つの距離推定値及び既知の位置を有し変化した影響を有する関連する無線センサノードが用いられる、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記誤差指標が、既知の位置を有する第1のノード及び未知の位置を有する第2のノードに対する、飛行時間情報を用いた距離推定値と、三角測量に基づく前記第1のノードと前記第2のノードとの間の計算された距離と、の間の差に基づいて決定される誤差指標を含む、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記誤差指標が、
干渉に基づく距離推定値が除外されるか、又は、干渉に基づく距離推定値の関連する誤差指標がより高い誤差指標を用いて調整されるように、
前記位置情報の位置推定値及び無線ネットワークアーキテクチャの環境の前の知識に基づいて決定される、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
装置であって、
命令を記憶するためのメモリと、
無線ネットワークアーキテクチャにおける複数のセンサノードを制御し、該複数のセンサノードの位置を決定するための命令を実行する1又はそれ以上の処理ユニットと、
前記複数のセンサノードに通信を送信し、該複数のセンサノードから通信を受信する無線周波数(RF)回路であって、該複数のセンサノードの各々が、送信機及び受信機を備えた無線デバイスを有して前記無線ネットワークアーキテクチャにおける当該装置の前記RF回路との双方向通信を可能にする、RF回路と、
を具備し、
前記装置の前記1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
位置特定のために十分な期間の間、前記複数の無線センサノードをメッシュベースのネットワークアーキテクチャとして構成し、
既知の位置を有する当該装置と未知の位置を有する前記複数の無線センサノードとの間の距離推定値を決定し、
各距離推定値について誤差情報を決定し、
該誤差情報に基づいて距離推定値を選択し、
選択された前記距離推定値に基づいて前記複数の無線センサノードについて位置情報を決定する、
するように構成される装置。
【請求項17】
前記誤差情報が、既知の位置を有する1つの無線センサノードと未知の位置を有する1つの無線センサノードとの間の各距離推定値に1つの誤差指標が関連している、複数の誤差指標を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
当該装置の前記1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
各誤差指標を誤差閾値と比較し、
該誤差閾値以下の誤差指標に基づいて、位置特定のために前記決定された距離推定値のサブセットを選択し、
位置特定が完了したときに前記無線ネットワークアーキテクチャをツリーベースのネットワークアーキテクチャで構成する、
ようにさらに構成される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
当該装置の前記1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
前記決定された距離推定値のサブセットに基づいて、位置特定のために位置推定値を決定する、
ようにさらに構成され、
少なくとも1つの距離推定値、及び、既知の位置を有する関連する無線センサノードが、前記位置推定値を決定するために除外される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記誤差指標が、通信の信号強度(RSSI)又は測距測定信号を含む信号の受信品質に基づいて決定される、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
当該装置と未知の位置を有する前記複数の無線センサノードとの間の前記距離推定値が、当該装置と前記複数の無線センサノードのうちの1つのノードとの間の複数の経路を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項22】
各々が、既知の位置と、1又はそれ以上の処理ユニット及び無線ネットワークアーキテクチャにおいて通信を送受信するためのRF回路を備えた無線デバイスと、を有する、第1の複数の無線センサノードと、
各々が、未知の位置と、前記無線ネットワークアーキテクチャにおいて通信を送受信するためのRF回路を備えた無線デバイスと、を有する、第2の複数の無線センサノードと、
1又はそれ以上の処理ユニットを有するリモートデバイスと、
を具備し、
前記リモートデバイスの前記1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
位置特定のために前記第1の複数の無線センサノードと前記第2の複数の無線センサノードの間の距離推定値を決定し、
各距離推定値について誤差情報を、飛行時間情報を用いて測定された距離推定値と三角測量を用いて計算された距離推定値との間の差に基づいて決定し、
前記誤差情報に基づいて位置特定のために前記決定された距離推定値を選択する、
ように構成されるシステム。
【請求項23】
前記誤差情報が、既知の位置を有する1つの無線センサノードと未知の位置を有する1つの無線センサノードとの間の各距離推定値に関連する誤差指標を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記リモートデバイスの前記1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
各誤差指標を誤差閾値と比較し、
該誤差閾値以下の誤差指標に基づいて、位置特定のために前記決定された距離推定値のサブセットを選択する、
ように構成される、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記リモートデバイスが、前記無線ネットワークアーキテクチャの位置とは異なる位置を有する、請求項22に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2017年8月23日に出願された米国特許出願第15/684,891号の利益を主張し、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、2015年8月19日に出願され「メッシュベースの機能を備えたツリーネットワークアーキテクチャで無線センサノードの位置を特定するためのシステムと方法」と題された米国特許出願第14/830,668号および2016年6月3日に出願され「複数の通信経路の存在下での正確な無線周波数位置特定のためのシステムと方法」と題された米国特許出願第15/173,531号に関連し、これらは両方とも参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明の実施形態は、誤差指標情報に基づいてノードの位置特定のための距離推定値を適応的に選択するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0004】
家庭用電化製品およびコンピュータ業界では、無線センサネットワークが長年にわたって研究されてきた。典型的な無線センサネットワークでは、1つ以上のセンサが無線と組み合わせて実装され、ネットワーク内に配備された1つ以上のセンサノードからのデータの無線収集を可能にする。各センサノードは1つ以上のセンサを含むことができ、センサノードの動作に電力を供給するための無線機と電源を含む。屋内無線ネットワーク内のノードの位置検出は、多くのアプリケーションで有用かつ重要である。
【0005】
無線周波数測定を使用して実行される三角測量に基づく位置特定は、3次元空間内の無線装備オブジェクトの位置を特定するための魅力的な方法である。RFベースの位置特定は、様々な方法で実行され得る。複数のオブジェクトペア間の距離は、個々のペアの距離に基づいて、三角測量法(最小二乗法、グローバル検索、勾配降下法など)を介して3次元空間内の相対位置を計算できるように特定する必要がある。例示的な実装には、ハブと複数のセンサノードが含まれる。なお、ハブがノードに置き換えられる可能性があり、実際、1つ以上のノードがハブに置き換えられる場合がある。距離は、RF通信を介したすべての個々のペア間の無線周波数技術を使用して推定される。距離が推定されると、三角測量を使用して、各オブジェクトの3次元空間内での相対位置を特定できる。少なくとも2つのオブジェクトの位置が実空間で既知の場合、ネットワーク内の各オブジェクトの絶対位置を特定できる。実際、ネットワーク内で1つのオブジェクト(ハブなど)の位置が、少なくとも1つの他のノードへの角度経路と共に既知の場合は、ネットワーク内の各オブジェクトの絶対位置を再度特定できる。
【0006】
したがって、オブジェクトペア間の距離測定は、RFベースの位置特定における重要なステップである。距離の推定は、様々な方法で実行できる。通信の信号強度(RSSI:Signal strength of communication)をペア間で測定し、信号減衰の既知のモデルに基づいて距離を推定するために使用できる。飛行時間(TOF:Time of Flight)は、オブジェクト間で送信される信号について測定でき、距離は既知の伝搬遅延モデルに基づいて推定できる。さらに、信号強度の角度変動の分解能に基づいて、到来角(AOA:Angle of arrival)を推定できる。これらのうち、RSSIは減衰の変動により誤差を起こしやすいことが多く、そのため、距離推定ではTOFほど魅力的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
TOFベースの距離推定は、反射により2つのオブジェクト間に複数の経路が存在するため、誤差の影響を受けやすくなる。この状況では、反射経路が直接経路よりも長いため、推定経路が実際の経路よりも長いと検出される場合がある。システムが反射経路に基づいてTOFを推定すると、三角測量に誤差が導入される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態について、ネットワークアーキテクチャ内における無線センサノードの位置を特定するためのシステムおよび方法が本明細書で開示される。一例では、無線ネットワークアーキテクチャ内におけるノードの位置特定のためのシステムは、各々が既知の位置と、無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するための1つ以上の処理ユニットおよびRF回路を備えた無線デバイスとを有する第1の複数の無線センサノードを含む。このシステムはまた、各々が未知の位置と、無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するためのRF回路を備えた無線デバイスとを有する第2の複数の無線センサノードとを含む。第1の複数の無線ノードのうちの1つの無線センサノードの1つ以上の処理ユニットは、位置特定のために第1の複数の無線センサノードと第2の複数の無線センサノードの間の距離推定値を特定し、各距離推定値の誤差指標情報を特定し、誤差指標に基づいて位置特定のために特定された距離推定値を適応的に選択するための命令を実行するように構成される。
【0009】
別の一例では、無線ネットワークアーキテクチャ内の無線センサノードの位置特定のためのコンピュータ実装方法は、既知の位置を有する第1の複数の無線センサノードと未知の位置を有する第2の複数の無線センサノードとの間の距離推定値を特定することを含む。この方法は、各距離推定値の誤差指標情報を特定することと、誤差指標情報に基づいて距離推定値を適応的に選択することと、適応的に選択された距離推定値に基づいて、第2の複数の無線センサノードの位置情報を特定することとをさらに含む。
【0010】
本発明の実施形態の他の構成および利点は、添付の図面および以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0011】
本発明の実施形態は、添付図面の図に限定ではなく例として示されており、同様の参照番号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係る無線ノードの例示的なシステムを示す。
図2】一実施形態に係る、通信用の複数のハブを有する非対称ツリーおよびメッシュネットワークアーキテクチャを備えたシステムを示す。
図3】一実施形態に係る飛行時間測定システムを示す。
図4】一実施形態に係る飛行時間測定システムのブロック図を示す。
図5】一実施形態に係る距離推定に使用される完全同期システムを示す。
図6】一実施形態に係る、記録されたRF信号のパケットが、デバイス510から送信された信号の時間シフトされたバージョンである方法を示す。
図7A】一実施形態に係る理想的なチャネルの位相応答を示す。
図7B】一実施形態に係る非理想的なチャネルの位相応答を示す。
図8A】一実施形態に係る、誤差指標情報に基づいてノードの距離推定値を適応的に選択することによりノードの位置推定値を特定する位置特定方法を示す。
図8B】一実施形態に係る、誤差指標情報に基づいてノードの距離推定値を適応的に選択することによりノードの位置推定値を特定する位置特定方法を示す。
図8C】一実施形態に係る、誤差指標情報に基づいてノードの距離推定値を適応的に選択することによりノードの位置推定値を特定する位置特定方法を示す。
図9A】別の一実施形態に係る、誤差指標情報に基づいてノードの距離推定値を適応的に選択することにより、ノードの位置推定値を特定するための位置特定方法を示す。
図9B】別の一実施形態に係る、誤差指標情報に基づいてノードの距離推定値を適応的に選択することにより、ノードの位置推定値を特定するための位置特定方法を示す。
図9C】別の一実施形態に係る、誤差指標情報に基づいてノードの距離推定値を適応的に選択することにより、ノードの位置推定値を特定するための位置特定方法を示す。
図10A】一実施形態に係る、電力コンセント用のオーバーレイ1500として実装されるハブの例示的な一実施形態を示す。
図10B】一実施形態に係る、電力コンセント用のオーバーレイとして実装されるハブのブロック図の分解図の例示的な一実施形態を示す。
図11A】一実施形態に係る、コンピュータシステム、機器、または通信ハブ内に配備するためのカードとして実装されるハブの例示的な一実施形態を示す。
図11B】一実施形態に係る、コンピュータシステム、機器、または通信ハブ内に配備するためのカードとして実装されるハブ964のブロック図の例示的な一実施形態を示す。
図11C】一実施形態に係る、機器(例えば、スマート洗濯機、スマート冷蔵庫、スマートサーモスタット、他のスマート機器など)内に実装されたハブの例示的な一実施形態を示す。
図11D】一実施形態に係る、機器(例えば、スマート洗濯機、スマート冷蔵庫、スマートサーモスタット、他のスマート機器など)内に実装されたハブ1684のブロック図の分解図の例示的な一実施形態を示す。
図12】一実施形態に係るセンサノードのブロック図を示す。
図13】一実施形態に係る、ハブを有するシステムまたは機器1800のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書では、複数の通信経路が存在する場合の正確な無線周波数位置特定のためのシステムおよび方法を開示する。一例では、無線ネットワークアーキテクチャ内におけるノードの位置特定のためのシステムは、各々が既知の位置と、無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するための1つ以上の処理ユニットおよびRF回路を備えた無線デバイスとを有する第1の複数の無線センサノードを含む。このシステムはまた、各々が未知の位置と、無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するためのRF回路を備えた無線デバイスとを有する第2の複数の無線センサノードとを含む。第1の複数の無線ノードのうちの1つの無線センサノードの1つ以上の処理ユニットは、位置特定のために第1の複数の無線センサノードと第2の複数の無線センサノードの間の距離推定値を特定し、各距離推定値の誤差指標情報を特定し、誤差指標に基づいて位置特定のために特定された距離推定値を適応的に選択するための命令を実行するように構成される。
【0014】
無線センサネットワークの様々なアプリケーションでは、ネットワーク内のセンサノードの位置を特定することが望ましい場合がある。例えば、そのような情報は、セキュリティカメラ、運動センサ、温度センサ、および当業者には明らかな他のそのようなセンサなどのセンサの相対位置を推定するために使用され得る。そして、この情報を使用して、温度のマップ、運動経路、マルチビュー画像キャプチャなどの拡張情報を生成できる。したがって、特に屋内環境において、無線ネットワーク内のノードの正確で、低電力で、コンテキストを意識した位置特定を可能にする位置特定システムおよび方法が望まれる。この目的のために、屋内環境には、同様の問題(例えば、近くの壁の存在など)が存在する可能性のある建物やその他の構造物の周辺地域など、屋内に近い環境も含まれると想定される。
【0015】
無線センサネットワークは、家、アパート、オフィス、商業ビルを含む屋内環境、および駐車場、歩道、庭園などの近くの外部の位置で使用するために説明されている。無線センサネットワークはまた、電源を備えたあらゆるタイプの建物、構造物、エンクロージャ、乗り物、ボートなどでも使用できる。センサシステムは、長い通信距離を維持しながら、センサノードの良好な電池寿命を提供する。
【0016】
本発明の実施形態は、屋内環境内における位置検出のためのシステム、装置、および方法を提供する。参照により本明細書に組み込まれる、2015年8月19日に出願された米国特許出願第14/830,668号は、RFベースの位置特定の技術を開示する。具体的には、システム、装置、および方法は、位置特定が必要な場合の経路長推定のための周期的なメッシュベースの構成との通信にツリーネットワーク構造を主に使用する無線センサネットワーク内で位置特定を実行する。無線センサネットワークは、位置特定の精度を向上させると同時に、位置特定に高周波を使用し、通信により低い周波数を使用することで、屋内通信の良好な質を提供する。
【0017】
ツリー状の無線センサネットワークは、無線信号受信機能に関連する電力要件の低減により、多くのアプリケーションにとって魅力的である。例示的なツリー状のネットワークアーキテクチャは、2015年1月29日に出願された米国特許出願第14/607,045号、2015年1月29日に出願された米国特許出願第14/607,047号、2015年1月29日に出願された米国特許出願第14/607,048号、および2015年1月29日に出願された米国特許出願第14/607,050号に記載されており、これらは参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0018】
よく使用される別の種類の無線ネットワークは、メッシュネットワークである。このネットワークでは、1つ以上のネイバー間で通信が行われ、その後、マルチホップアーキテクチャを使用してネットワークに沿って情報が渡される。これは、情報がより短い距離で送信されるため、送信電力要件を低減するために使用できる。一方、マルチホップ通信方式を有効にするには受信無線機を頻繁にオンにする必要があるため、受信無線機の電力要件が増加する可能性がある。
【0019】
無線ネットワーク内のノード間の信号の飛行時間の使用に基づいて、信号伝搬の速度が比較的一定であるという事実を活用することにより、無線ネットワーク内のノードの個々のペア間の距離を推定することができる。本ネットワークアーキテクチャの実施形態は、経路長の複数のペアを測定し、三角測量を実行し、次いで三次元空間内の個々のノードの相対位置を推定することを可能にする。
【0020】
図1は、一実施形態に係る無線ノードの例示的なシステムを示す。この例示的なシステム100は、無線ノード110~116を含む。ノードは、通信120-130と双方向に通信する(例えば、ノード識別情報、センサデータ、ノードステータス情報、同期情報、位置特定情報、無線センサネットワークに関するその他の情報、飛行時間(TOF)通信など)。飛行時間測定値の使用に基づいて、ノードの個々のペア間の経路の長さ(距離の推定など)を推定できる。例えば、ノード110と111の間の個々の飛行時間の測定は、ノード110からノード111へ既知の時間に信号を送信することにより達成され得る。ノード111は、信号を受信し、通信120の信号の受信のタイムスタンプを記録し、そして例えば、リターン信号の送信のタイムスタンプと共に、リターン信号をAに送り返すことができる。ノード110は信号を受信し、受信のタイムスタンプを記録する。これらの2つの送信および受信のタイムスタンプに基づいて、ノード110と111間の平均飛行時間を推定できる。このプロセスを複数回、複数の周波数で繰り返して、精度を改善し、特定の周波数での劣悪なチャネル品質による劣化を排除または低減できる。一連の経路長は、様々なノードペアに対してこのプロセスを繰り返すことで推定できる。例えば、図1では、経路長は、TOF 150~160である。次に、幾何モデルを使用して、三角測量のようなプロセスに基づいて個々のノードの相対位置を推定できる。
【0021】
一実施形態では、ノードの位置推定値を特定するための位置特定方法は、誤差指標情報に基づいてノードの距離推定値を適応的に選択することを含む。誤差閾値を超えるこれらの距離推定値の誤差指標に基づいて、1つ以上の距離推定値を除外できる。
【0022】
この三角測量プロセスは、ノードとハブ間の経路長のみを測定できるため、ツリー状のネットワークでは実行できない。そのため、これによって、ツリーネットワークの位置特定機能が制限される。位置特定を可能にしながらツリーネットワークのエネルギーの利点を維持するために、本発明の一実施形態では、通信のためのツリーネットワークは、位置特定のためのメッシュ状ネットワーク機能と組み合わされる。メッシュ状のネットワーク機能で位置特定が完了すると、ネットワークはツリー状の通信に戻り、ノードとハブ間の飛行時間のみが定期的に測定される。これらの飛行時間が比較的一定に保たれていれば、ネットワークはノードが移動せず、メッシュベースの位置特定を再実行しようとしているエネルギーを無駄にしないと推測する。一方、ツリーネットワークで経路長の変化が検出されると、ネットワークはメッシュベースのシステムに切り替わり、ネットワーク内の各ノードの位置を特定するために再度三角測量を行う。
【0023】
図2は、一実施形態に係る、通信用の複数のハブを有する非対称ツリーおよびメッシュネットワークアーキテクチャを備えたシステムを示す。システム700は、無線制御デバイス711を有する中央ハブ710、無線制御デバイス721を有するハブ720、無線制御デバイス783を有するハブ782、および無線制御デバイスnを有するハブnを含む追加のハブを含む。図示されていない追加のハブは、中央ハブ710、他のハブと通信することができるか、または追加の中央ハブとすることができる。各ハブは、他のハブおよび1つ以上のセンサノードと双方向に通信する。ハブはまた、デバイス780(クライアントデバイス、モバイルデバイス、タブレットデバイス、コンピューティングデバイス、スマート機器、スマートテレビなど)を含む他のデバイスと双方向に通信するように設計されている。
【0024】
センサノード730、740、750、760、770、788、792、n、およびn+1(または終端ノード)はそれぞれ、無線デバイス731、741、751、761、771、789、793、758、および753を含む。センサノードは、上位レベルのハブまたはノードとのアップストリーム通信のみがあり、別のハブまたはノードとのダウンストリーム通信がない場合、終端ノードである。各無線デバイスには、ハブまたは他のセンサノードとの双方向通信を可能にするための送信機と受信機(またはトランシーバ)を備えたRF回路が含まれる。
【0025】
一実施形態では、中央ハブ710は、ハブ720、782、ハブn、デバイス780、およびノード760および770と通信する。これらの通信には、無線非対称ネットワークアーキテクチャ内の通信722、724、774、772、764、762、781、784、786、714、および712が含まれる。無線制御デバイス711を有する中央ハブは、ノードのグループおよび各グループに対して保証された時間信号を割り当てることを含む無線非対称ネットワークアーキテクチャを制御および監視するために、他のハブに通信を送信し、他のハブから通信を受信するように構成される。
【0026】
ハブ720は、中央ハブ710と通信し、センサノード730、740、および750とも通信する。これらのセンサノードとの通信には、通信732、734、742、744、752、および754が含まれる。例えば、ハブ720の観点から、通信732はハブによって受信され、通信734はセンサノードに送信される。センサノード730の観点から、通信732はハブ720に送信され、通信734はハブから受信される。
【0027】
一実施形態では、中央ハブ(または他のハブ)は、ノード760および770をグループ716に、ノード730、740、および750をグループ715に、ノード788および792をグループ717に、ノードnおよびn+1をグループnに割り当てる。別の一例では、グループ716および715は単一のグループに結合される。
【0028】
図1図2に示すアーキテクチャを使用することで、長い電池寿命を必要とするノードは、通信に費やされるエネルギーを最小限に抑え、ツリー階層の上位レベルのノードは、利用可能なエネルギー源を使用して実装されるか、その代わりに、より高い容量を提供する電池を使用するか、より短い電池寿命を提供することができる。電池で動作する終端ノードでの長い電池寿命の達成を促進するために、それらのノードとそれらの上位レベルの相当物(以下、最下位レベルハブと呼ぶ)間の通信は、最下位レベルのハブと終端ノードとの間で最小限の送受信トラフィックが発生するように確立され得る。
【0029】
一実施形態では、ノードは、ほとんどの時間(例えば、時間の90%超、時間の95%超、時間の約98%または99%超)を低エネルギーの非通信状態で費やす。ノードが起動して通信状態に入ると、ノードはデータを最低レベルのハブに送信するように動作可能になる。このデータには、ノード識別情報、センサデータ、ノードステータス情報、同期情報、位置特定情報、および無線センサネットワークに関するその他のそのような情報が含まれる。
【0030】
RFに基づいて2つのオブジェクト間の距離を特定するには、測距測定を実行する(つまり、RF通信を使用してオブジェクトのペア間の距離を推定する)。これを実現するために、1つのデバイスから別のデバイスにRF信号が送信される。図3は、一実施形態に係る飛行時間測定システムを示す。図3に示すように、送信デバイス310はRF信号312を送信し、受信デバイス320はRF信号312を受信する。ここで、例示的な無線ネットワークでは、デバイス310はハブまたはノードであってもよく、デバイス320もハブまたはノードであってもよい。
【0031】
図4は、一実施形態に係る飛行時間測定システムのブロック図を示す。受信デバイス(例えば、デバイス320)は、送信デバイス(例えば、デバイス310)からの送信を受信し、RF信号412を処理して、粗分解能推定器440を使用して少なくとも1つの粗推定値442と、精密分解能推定器450を使用して無線による2つのデバイス間の伝搬遅延の少なくとも1つの精密推定値452を生成する。次いで、システム400は、コンバイナ460を利用して、粗時間推定値442と精密時間推定値452とを組み合わせて、正確な飛行時間測定値470を生成する。図4に示すように、その後、この飛行時間測定値470に光速度を掛けて距離を計算できる。
【0032】
飛行時間測定は、ネットワーク内の動作のタイミングに本質的に敏感であるため、測定を実行するデバイスのクロッキングが重要である。図5は、一実施形態に係る距離推定に使用される完全同期システムを示す。完全同期システム500、すなわち、両方のデバイスが同じクロック基準を共有する場合、デバイス510はまず、時間T1でデバイス520にRF信号512(例えば、パケットを有するRF信号)を送信する。パケットは、時間T2でデバイス520に到達し、この時間T2を登録するためにデバイス520のパケット検出アルゴリズムをトリガーする。同期システムであるため、飛行時間の粗い推定値はT2-T1として計算できる。ただし、この測定の分解能は、サンプリングクロックの時間分解能によって制限され、サンプリングクロックの周波数はf、時間分解能はTsである。時間分解能を図6に示す。ここで、サンプリングクロックは、システムの時間推定の最大精度を表し、例示的なシステムでは、送信または受信のタイミングを検出するために使用される回路を制御するために使用されるクロックの周波数によって設定され得る。例えば、サンプリングクロックが100MHzの場合、この測定の分解能は10ナノ秒(ns)になり、これは約10フィートの精度に相当する。
【0033】
この精度を改善するために、デバイス520でRF信号512を記録および分析することができる。図6は、一実施形態に係る、記録されたRF信号のパケットが、デバイス510から送信された信号の時間シフトされたバージョンである方法を示す。サンプルクロック時間間隔(Ts)で、T2でRF信号512のパケット514が検出される。受信パケット514の真の始まりは、T2よりも早いサンプリングクロック周期の端数周期(例えば、ΔT)である。
【0034】
複数の方法を使用して、この端数周期(例えば、ΔT)を推定できる。例えば、高速フーリエ変換(FFT)を使用して時間領域信号を周波数領域に変換し、元の信号のスペクトルで除算して、チャネルの周波数応答を取得できる。直交周波数分割多重化(OFDM)ベースのシステムでは、この情報はチャネル検知情報(CSI)から取得することもできる。理想的な無線チャネルでは、周波数領域のチャネル応答は以下である。
【0035】
H(f)=Aej2πfΔT
ここで、Aはチャネルの損失、ΔTはチャネルの遅延である。図7Aは、一実施形態に係る理想的なチャネルの位相応答を示す。垂直軸上の位相202および水平軸上の周波数204のプロットは、理想的なチャネル210を、2π*ΔTに対応する傾きを有する直線として示している。
【0036】
ΔTとT2-T1を組み合わせると、次のように正確な距離推定を確立できる。
【0037】
距離=(T2-T1-勾配/(2π))XC
ここで、Cは光速である。
【0038】
理想的でないチャネルの場合、環境からの複数の反射があり、全体的なチャネル応答は次のように注釈できる。
【0039】
H(f)=ΣAkej2πfΔTk
ここで、Aは各経路の振幅、ΔTは各経路の遅延である。その結果、チャネル応答は位相が直線と異なる。図7Bは、一実施形態に係る非理想的なチャネルの位相応答を示す。垂直軸上の位相252と水平軸上の周波数254のプロットは、理想的でないチャネル260を示している。
【0040】
マトリクスペンシル、MUSICなどの高度なアルゴリズムを使用して、複数の経路の最小遅延(ΔT)を推定することができ、この抽出された最小遅延から距離を計算できる。
【0041】
距離=(T2-T1-S{H(f)})×C
ここで、S{H(f)}は、チャネル応答測定からの最小遅延抽出の結果である。つまり、min{ΔT}に等しくなければならない。
【0042】
システムを粗推定と精密推定に分けることにより、高効率と高性能を同時に実現できる。粗時間推定器は、精度は低下するが、長距離をカバーできる。また、このような低い精度要件により、この推定器は干渉およびマルチパスの影響を受けにくくなる。これは、飛行時間測定の重要な誤差源である。粗時間推定を特定するために使用できる複数の方法がある。例えば、信号が送信された時間と信号が受信された時間を示すタイムスタンプから粗い時間を抽出できる。あるいはまた、複数の搬送周波数で受信した信号の位相の測定値は、中国の剰余定理を使用して展開して、粗遅延を推定できる。粗遅延を推定するために、特定の不均一搬送周波数のセットを使用した不均一離散フーリエ変換も使用できる。
【0043】
一方、高分解能推定器は比較的短い範囲をカバーするだけでよいため、システムに必要なコンピューティングリソースが削減される。精密な推定は、1つの粗サンプル期間の最大遅延をカバーするためにのみ必要である。高度なアルゴリズムをこの推定器に適用して、干渉およびマルチパス環境でのパフォーマンスを改善することもできる。この精密な推定値はまた、複数の方法を使用して導出することもできる。例えば、受信信号と理想的なバージョンの信号との相互相関から導出できる。また、受信信号を使用したチャネル推定から導出することもできる。チャネル推定は、位相の勾配、逆FFT、マトリクスペンシル、MUSIC、またはその他の方法を使用して、精密な遅延推定に変換できる。
【0044】
線形代数では、マトリクスペンシルは複素変数λを有する行列値関数として定義される。
【0045】
L(λ)=Σ λ
測距測定のコンテキストでは、チャネル応答の形式は、
H(f)=H(n*fsub)=ΣAj2πfΔTk=ΣA(ej2πfsubΔTk=ΣA(λ)
の同様のフォーマットを有し、ここで、周波数領域の測定は、fsub(サブキャリア周波数)で等間隔に配置された周波数で実行される。
【0046】
したがって、マトリクスペンシル法を使用して、そのようなシステムの極(λ)を抽出して使用することができる。すべての可能な極(λ)が測定から抽出されると、各時間遅延は次のように計算できる。
【0047】
ΔT=log(λ)/(j 2π fsub
別の一実施形態では、多重信号分類(MUSIC:multiple signal classification)アルゴリズムが使用され得る。MUSICは、高調波信号の合計からなる信号モデリングに基づく。
【0048】
X(n)=ΣAj*wk*n
マトリクスペンシルの場合と同様に、チャネル応答は次のように記述できる。
【0049】
H(f)=H(n*fsub)=ΣAj*2πf*ΔTk=ΣAj*2π*fsub*ΔTk*n
次に、アルゴリズムは測定結果X(n)に基づいてAとwを抽出し、遅延要素は次のように計算できる。
【0050】
ΔT=w/(2π fsub))
合計経路遅延を推定する前に、チャネル推定を粗遅延推定と組み合わせることもできる。粗遅延は、線形位相シフトとしてチャネル推定に追加できる。同期の場合は次の通りである。
【数1】

【数2】
【0051】
非同期システムの場合、計算されたクロック位相オフセットはまた、順方向または逆方向のチャネル推定値に対する線形位相シフトの加算または減算としても適用される。
【数3】
【0052】
または
【数4】
【0053】
または
【数5】
【0054】
次に、マトリクスペンシル、MUSIC、またはその他の方法を、粗チャネル推定+精密チャネル推定に適用できる。これにより、推定された経路はすべて、距離0を基準にした実際の距離とすることができる。これは、偽の短い経路の除去と見通し線経路の選択に役立つ。
【0055】
ノードに同期クロックがある場合、複数のパケットまたは複数の無線伝送にわたって(粗遅延補正の有無にかかわらず)チャネル推定値を平均化できる。この平均化は、マトリクスペンシル、MUSIC、またはその他の経路推定方法を使用する前に実行できる。複数のチャネル推定値がチャネルの変化(チャネルコヒーレンス時間)に対して迅速に測定される限り、チャネル推定値の平均化により信号対雑音比(SNR)が向上する。SNRを高くすると、経路推定の精度が向上し、より弱い経路をノイズと区別できる。
【0056】
非同期システムでは、上記の位相オフセット補正方法により、複数のチャネル推定値を平均化することもできる。乗算法を使用する場合、結合されたチャネル応答H(f)またはHtot(f)は、複数の伝送にわたって平均化できる。除算法を使用する場合、Htot(f)は複数の伝送にわたって平均化できる。
【0057】
本明細書で説明するシステムでは、ノイズ、数値誤差、およびその他のそのような制限により、誤った遅延が推定される可能性がある。実際の時間よりも長い遅延が推定される場合、最短の遅延のみが距離関連の遅延計算に使用されるため、時間遅延の結果には影響しない。一方、飛行時間よりも短い遅延が推定される場合、実際の飛行時間遅延と誤解される可能性がある。したがって、時間遅延の推定精度を向上させるために、偽の短い経路を排除することが重要である。したがって、一実施形態では、この誤差を修正するシステムが実装される。
【0058】
一実施形態では、システムは、ノード間の距離推定値の誤った測定値を認識し、距離推定値の誤った測定値を使用することなく、または距離推定値の誤った測定値を強調解除することなく、ノードの位置を計算または再計算する。
【0059】
一例では、距離推定値の少なくとも1つの誤った測定値は、誤差閾値よりも大きい誤差指標情報の誤差指標に基づいて、位置推定値の使用から除外することができる。誤差指標情報は、測定された距離推定値(例えば、飛行時間情報)と、位置からのノード間の計算された距離推定値との差と、三角測量を使用した位置推定値とに基づいて特定できる。
【0060】
ノード間の距離推定値の誤差指標は、距離測定の質(例えば、RSSI、推定された極から生成されたチャネル応答と測定された応答間のフィッティングの質、推定見通し線信号の振幅など)と相関する可能性のある重み係数で重み付けできる。
【0061】
無線環境では、自由空間経路損失(free-space-path-loss)で説明されるように、信号の振幅は距離と共に二次的に減少する。したがって、遅延推定アルゴリズムから推定されたより短い経路は、より高い振幅を有すると予想される。次に、この事前知識を使用して、誤った短い経路推定値を排除する。受信信号の振幅は、推定距離の2乗に推定振幅を掛けることで正規化できる。この正規化された振幅が特定の閾値よりも低い場合、この経路の推定はノイズまたはアルゴリズムの制限によるものであることを示すため、排除することができる。
【0062】
実際には、実際の信号強度は、壁、窓、反射などを含む経路上で発生する追加の損失にも依存する。閾値は、これらの要因による予想される損失に応じて設定され得るか、経験的データに応じて設定され得る。
【0063】
ネットワーク上の様々なペア間の距離が確立されると、ネットワークの様々なメンバーの相対位置および/または絶対位置を推定するために、情報をネットワークの1つ以上のメンバーまたはネットワーク外のシステムに渡すことができる。これは、様々な手法を使用して実行できる。例えば、当業者に周知のように、三角測量法が使用されてもよい。最小二乗法などの誤差最小化手法を使用して、精度を改善し、位置推定の誤差を減らすことができる。そのような方法は、様々なペアの距離推定で生成される冗長情報を利用することにより、本明細書で説明される実施形態における距離推定に関連する誤差を低減するために使用され得る。特定された測距データに基づいて位置特定を実行するために使用できる他の手法には、多次元スケーリング、セルフポジショニングアルゴリズム、地形アルゴリズム、協調マルチラテレーション、分散最尤法、双曲線位置修正、モバイル地理分散位置特定、弾性位置特定アルゴリズム、他のそのようなアンカーフリーおよびアンカーベースの位置特定アルゴリズムが含まれる。
【0064】
本明細書で特定された位置特定情報は、無線センサネットワークの動作を促進または改善するために使用され得る。例示的な無線センサネットワークは、2015年8月19日に出願された米国特許出願第14/925,889号に開示されており、参照により本明細書に組み込まれる。位置特定は、ネットワーク内で論理的および/または機能的関係を確立するために使用できる。例示的な一実施形態では、位置特定情報を使用して、図2に示すような通常のツリー状ネットワークのコンスタレーションとのノード間通信を可能にするセンサネットワーク内のコンスタレーションメンバーシップを定義することができる。この実施形態では、位置特定は、同じコンスタレーション内にあるように割り当てられるべきノードを識別するために使用される。そして、これらは、ハブを経由せずに互いに直接通信できる。この方法の利点は、三角測量の計算に耐える距離推定の誤差がネットワークの壊滅的な障害を引き起こさず、むしろ、せいぜい、これらの誤差はコンスタレーションの誤った割り当てを引き起こすことである。重複するコンスタレーション割り当てまたは緩やかなコンスタレーション割り当てルールをさらに使用して、これが望ましくない方法でネットワークパフォーマンスに影響を与えるのを防ぐことができる。
【0065】
一実施形態では、位置アルゴリズムはアンカーベースの三角測量を含む。アンカーベースのシステムでは、アンカーノード(例えば、ハブ、センサ、デバイスなど)の位置は既知である。他のデバイスの未知の位置は、アンカーの既知の位置、ならびに各デバイスと各アンカー間の測定距離(例えば、距離推定値)に基づいて計算される。これらの未知のデバイスの位置は、同じ手順で1つずつ計算される。各デバイスについて、アンカーiを使用した距離測定は次の通りである。
【数6】
【0066】
ここで、x、y、およびzはi番目のアンカーの座標である。dは、未知のデバイスとi番目のアンカーとの間の測定距離である。x、y、およびzは、推定の目標である未知のデバイスの座標である。nは誤差である。推定に様々な誤差関数を設定することにより、線形最小二乗法を使用して未知のデバイスの位置(x、y、z)を計算できる。
【0067】
アンカーノードからの少なくとも1つの距離測定に誤差がある場合、未知の位置を有するデバイスの計算された位置は正確ではない可能性がある。この例では、無線システムはノード間の距離の一部を測定し、これらの測定距離を使用して、アンカーノード間測定を使用して計算された位置を調整できる。この方法を使用すると、個々の距離測定の誤差の指標も検索および集計できる。
【0068】
誤差指標が誤差閾値よりも大きい距離推定値を除外して、位置アルゴリズムを使用して位置推定値を改善できる。
【0069】
位置アルゴリズムの初期位置推定値は、ノードが物理的に配置されて無線ネットワークアーキテクチャを形成している環境の既知のマップと比較することもできる。マップが不利なノードからノードまたはノードからアンカーのペアを示す場合、これらのペアは除外されるか、位置アルゴリズムに対して低い強調を与える。不利な点には、壁、大きな物体、干渉などが含まれる。マップ情報を使用して、不可能な位置を特定したり、特定のノードの地形を強制したりすることもできる(例えば、ノードは壁にのみ配置でき、ノードは壁から離れた位置にのみ配置できる、など)。
【0070】
別の一実施形態では、アンカーレス三角測量セットアップの場合、どのデバイスにも既知の位置はない。アルゴリズムは、デバイスのペア間の距離測定を使用して、各デバイスの相対位置を特定する必要がある。目標は、距離測定の全体的な誤差を最小限に抑えるために、すべてのデバイスの相対位置を見つけることである。インクリメンタルアルゴリズムとコンカレントアルゴリズムを含む、複数のタイプのアルゴリズムがある。インクリメンタルアルゴリズムは、デバイスの小さなセットから始まり、距離測定に基づいて位置を計算する。その後、デバイスの小さなセットは、他のデバイスのアンカーノードとして使用される。それは単純なアルゴリズムであるが、先のノードの位置を更新する高度なアルゴリズムを使用しても、先に計算されたノードの誤差が後のノードに容易に伝播されるという欠点がある。
【0071】
すべての位置を同時に推定して、インクリメンタルアルゴリズムよりも低い誤差でグローバルな最適化を実現するコンカレントアルゴリズムにより、インクリメンタルアルゴリズムの問題をコンカレントアルゴリズムは解決する。通常、反復プロセスを使用してデバイスの位置を更新するため、より多くの計算能力とメモリを使用しながら収束するまでにより長い時間が掛かる。
【0072】
図8A図8B、および図8Cは、一実施形態に係る、誤差指標情報に基づいてノードの距離推定値を適応的に選択することによりノードの位置推定値を特定する位置特定方法を示す。方法800の動作は、処理回路または処理ロジックを含む無線デバイス、ハブ(例えば、装置)の無線制御デバイス、またはシステムによって実行され得る。処理ロジックには、ハードウェア(回路、専用ロジックなど)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステムまたは専用マシンまたはデバイス上で実行されるものなど)、または両方の組み合わせが含まれ得る。一実施形態では、アンカーノード、ハブ、無線デバイス、またはリモートデバイスまたはコンピュータが方法800の動作を実行する。様々な計算に関連するアルゴリズムは、距離測定に関連する関連データが送信されるリモートコンピュータ内で実行され得る。リモートデバイスまたはコンピュータは、複数の無線ノードを有する無線ネットワークアーキテクチャとは異なる位置にあってもよい。リモートデバイスまたはコンピュータは、無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信する特定のノードとは異なる無線ネットワークアーキテクチャ内の位置にあってもよい。
【0073】
既知の位置を有する第1の複数の無線ノード(例えば、アンカーノード)および未知の位置を有する第2の複数の無線ノードを有する無線ネットワークアーキテクチャは、ノードの一部がある期間(例えば、所定の期間、位置特定に十分な期間など)にメッシュベースのネットワークアーキテクチャとして構成され得るように動作801でハブにより初期化される。
【0074】
動作802では、無線周波数(RF)回路および少なくとも1つのアンテナを有する第1の複数の無線ノード(例えば、-、アンカーノードなど)のうちの1つの無線ノードは、無線ネットワークアーキテクチャ(例えば、無線非対称ネットワークアーキテクチャ)内の第2の複数の無線ノード(例えば、無線センサノード)のうちの無線ノードに通信を送信し、また位置特定のために第2の複数の無線ノードのうちの無線ノードから通信を受信して、無線ネットワークアーキテクチャ内で無線ノードのRF回路との双方向通信を可能にする。動作803では、アンカーノード、ハブ、無線デバイス、またはリモートデバイスまたはコンピュータは、第1の複数の無線ノードのうちの無線ノード(例えば、第1のアンカーノード)と第2の複数のセンサノードのうちの少なくとも1つの無線ノード(例えば、第1の無線ノード、第2の無線ノードなど)との間の距離推定値を特定する。一例では、動作803は、第1の複数の無線ノード(例えば、第1のアンカーノード)のうちの無線ノードと第2の複数のセンサノードとの間の距離推定値を特定する。
【0075】
動作804では、アンカーノード、ハブ、無線デバイス、またはリモートデバイスまたはコンピュータは、第1の複数のノードのうちの他のアンカーノードが距離推定を必要とするかどうかを判定する。そうでない場合、方法は動作805に進む。そうである場合、方法は、第1の複数の無線センサノードのうちの任意の追加のアンカーノードおよび第2の複数の無線ノードのうちの少なくとも1つの無線ノードに対して動作801~803を実行することに進む。一例では、動作803は、第2のアンカーノードと第2の複数のセンサノードとの間の距離推定値を特定する。別の一例では、動作803は、第3のアンカーノードと第2の複数のセンサノードとの間の距離推定値を特定する。
【0076】
既知の位置を有する第1の複数の無線センサノードと未知の位置を有する第2の複数の無線センサノードとの間の距離推定は、複数の経路を含み得る。複数の経路は、少なくとも1つの距離推定値またはすべての距離推定値に含めることができる。一例では、推定された最短経路距離(例えば、見通し線距離、直接経路距離、直接距離)、ならびに距離推定のための測距アルゴリズムで計算された他の経路距離が、位置特定のための位置アルゴリズムに含まれる。各経路の潜在的な位置が計算される。アンカーノード(またはすべてのアンカーノード)の特定の閾値について距離推定が完了すると、方法は、動作805で、第2の複数のセンサノードの第1のセンサノードの位置推定値を特定するために進む。
【0077】
動作806では、無線ノード(例えば、アンカーノード、ハブ、無線デバイス、またはリモートデバイスまたはコンピュータ)の処理ロジックは、各距離推定値および推定値に含まれる複数の経路の誤差指標情報を特定する。
【0078】
一実施形態では、誤差指標情報は、既知の位置を有する第1のノードと未知の位置を有する第2のノードとの距離推定値と、第1および第2のノード間の三角測量に基づいて計算された距離との差に基づいて特定される誤差指標を含む。
【0079】
動作807では、無線ノード(アンカーノード、ハブ、無線デバイス、またはデータが提供されたリモートデバイスまたはコンピュータ)の処理ロジックは、各誤差指標を誤差閾値と比較し、誤差閾値を超えている誤差指標を有する距離推定値を除去する。一実施形態では、誤差閾値は、環境、距離測定、最適化手順に基づいて事前に定義されるか、または位置特定中に適応的に定義される。一例では、最大の誤差指標を有する距離推定値が排除される。
【0080】
動作808では、無線ノードの、ネットワーク上の他のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、誤差指標情報に基づいて、位置特定(例えば、第1のセンサノードの位置特定)の距離推定値のサブセットを適応的に選択する。一例では、処理ロジックは、誤差閾値以下の誤差指標に基づいて、位置特定のために特定された距離推定値のサブセットを適応的に選択する。この例では、距離の推定値と、誤差閾値よりも大きい関連する誤差指標は、位置特定を特定するために選択されない。
【0081】
別の一例では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、追加の重み係数を誤差指標に適応的に適用して、(例えば、RSSI、推定された極から生成されたチャネル応答と測定された応答との間のフィッティングの質、推定見通し線信号の振幅に基づいて)距離測定の質が低い距離推定値を強調解除する。
【0082】
動作810では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、第2の複数の無線センサノードのうちの第1の無線ノードの位置情報(例えば、位置推定値)を、適応的に選択された距離推定値に基づいて2回目に特定する。一例では、無線ノードの処理ロジックは、少なくとも1つの距離推定値および関連する無線センサノードが位置推定値を特定するために既知の位置を除外している特定された距離推定値のサブセットに基づいて、位置特定のために位置推定値を特定する。
【0083】
動作812では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、追加のセンサノード(例えば、第2のセンサノード、第3のセンサ)の位置情報を計算する必要があるかどうかを判定する。そうでない場合、方法は動作814に進む。そうである場合、方法は動作801に戻り、第2の複数のセンサノードのうちの各センサノードの位置推定が完了するまで動作801~810(または動作801~810のサブセット)を繰り返す。
【0084】
一例では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、少なくとも1つの距離推定値を除外して、無線ノード(例えば、第2の複数の無線センサノード)の位置情報の特定を少なくとも1回繰り返す。任意で、既知の位置を有する少なくとも1つの無線センサノードもまた除外される。
【0085】
動作814では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、第2の複数のセンサノードのうちの第1のセンサノードに測距するための命令を提供する。動作815では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、第2の複数のセンサノードのうちの第2のセンサノードに測距するための命令を提供する。動作816では、第2の複数のセンサノードのうちの第1および第2のセンサノードは、測距目的で通信(例えば、双方向信号)を送受信する。動作817では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、双方向信号と位置情報に基づいて第1と第2のセンサノード間の距離推定値を特定する。
【0086】
動作818では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、追加のセンサノードに距離推定が必要かどうかを判定する。そうである場合、方法は、第2の複数のセンサノードのうちの追加のセンサノード(例えば、第3のセンサノード、第4のセンサノード)について動作814~817を繰り返す。そうでない場合、方法は操作820に進む。
【0087】
動作820では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、他のノードの位置は、方法800で事前に特定されていると仮定して、アンカーノードおよび他のノードからの推定値を使用することによって、第2の複数のセンサノードのうちの第1のセンサノードの位置推定値を特定する。
【0088】
動作821では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、センサ間の距離推定値の誤差指標情報を特定する。
【0089】
動作822では、無線ノード(アンカーノード、ハブ、無線デバイス、またはデータが提供されたリモートデバイスまたはコンピュータ)の処理ロジックは、各誤差指標を誤差閾値と比較し、誤差閾値を超えている誤差指標を有する距離推定値を排除する。一実施形態では、誤差閾値は、環境、距離測定、最適化手順に基づいて事前に定義されるか、または位置特定中に適応的に定義される。一例では、最大の誤差指標を有する距離推定値が排除される。
【0090】
動作823では、無線ノードの、ネットワーク上の他のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、誤差指標情報に基づいて、位置特定(例えば、第1のセンサノードの位置特定)のための距離推定値のサブセットを適応的に選択する。一例では、処理ロジックは、誤差閾値以下の誤差指標に基づいて、位置特定のために特定された距離推定値のサブセットを適応的に選択する。この例では、距離の推定値と、誤差閾値よりも大きい関連する誤差指標は、位置特定を特定するために選択されない。
【0091】
別の一例では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、追加の重み係数を誤差指標に適応的に適用して、(例えば、RSSI、推定された極から生成されたチャネル応答と測定された応答との間のフィッティングの質、推定見通し線信号の振幅に基づいて)距離測定の質が低い距離推定値を強調解除する。
【0092】
動作824では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、適応的に選択された距離推定値に基づいて、第2の複数の無線センサノードのうちの第1の無線ノードの位置情報(例えば、位置推定値)を2回目に特定する。一例では、無線ノードの処理ロジックは、少なくとも1つの距離推定値および関連する無線センサノードが位置推定値を特定するために既知の位置を除外している特定された距離推定値のサブセットに基づいて、位置特定のために位置推定値を特定する。
【0093】
動作825では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、追加のセンサノード(例えば、第2のセンサノード、第3のセンサ)の位置情報を計算する必要があるかどうかを判定する。そうである場合、方法は動作814に戻り、第2の複数のセンサノードのうちの各センサノードの位置推定が完了するまで、動作814および後続の動作を繰り返す。
【0094】
そうでない場合、方法は動作826に進み、第2の複数のセンサノードのうちの1つのセンサノード(例えば、第1のセンサノード)の位置情報が許容可能かどうかを判定する。許容できる場合、方法は完了する。許容できない場合、方法は動作814に戻り、動作826でセンサノードの許容可能な位置情報を達成するまで動作814および後続の動作を繰り返す。他のセンサノードの位置情報もまた、許容可能であることを検証され得る。
【0095】
動作828では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、位置特定の完了時に無線ネットワークをツリーベースまたはツリー状のネットワークアーキテクチャ(またはメッシュベースの構成を有さないツリーアーキテクチャ)で構成する。
【0096】
図9A図9B、および図9Cは、別の一実施形態に係る誤差指標情報に基づいてノードの距離推定値を適応的に選択することによりノードの位置推定値を特定するための位置特定方法を示す。方法900の動作は、処理回路または処理ロジックを含む、無線デバイス、ハブ(例えば、装置)の無線制御デバイス、またはシステムによって実行され得る。この方法はまた、リモートコンピュータまたはデバイス、またはネットワーク上のいくつかの他のノードを利用するために実行することもできる。
【0097】
一実施形態では、アンカーノード、ハブ、無線デバイス、またはリモートデバイスまたはコンピュータが方法900の動作を実行する。様々な計算に関連するアルゴリズムは、距離測定に関連する関連データが送信されるリモートコンピュータ内で実行できる。リモートデバイスまたはコンピュータは、複数の無線ノードを有する無線ネットワークアーキテクチャとは異なる位置にあってもよい。リモートデバイスまたはコンピュータは、無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信する特定のノードとは異なる無線ネットワークアーキテクチャ内の位置にあってもよい。
【0098】
処理ロジックには、ハードウェア(回路、専用ロジックなど)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステムまたは専用マシンまたはデバイス上で実行されるものなど)、または両方の組み合わせが含まれ得る。一実施形態では、アンカーノード、ハブ、または無線デバイスが、方法900の動作を実行する。
【0099】
既知の位置を有する第1の複数の無線ノード(例えば、アンカーノード)および未知の位置を有する第2の複数の無線ノードを有する無線ネットワークアーキテクチャは、ある期間(例えば、所定の期間、位置特定に十分な期間など)、ノードのいくつかがメッシュベースのネットワークアーキテクチャとして構成され得るように動作901でハブにより初期化される。
【0100】
動作902では、無線周波数(RF)回路および少なくとも1つのアンテナを有する第1の複数の無線ノード(例えば、無線センサノード、アンカーノード、ハブなど)の無線アンカーノードは、無線ネットワークアーキテクチャ(例えば、無線非対称ネットワークアーキテクチャ)内の第2の複数の無線ノード(例えば、無線センサノード)の無線ノードに通信を送信し、また位置特定のために第2の複数の無線ノードの無線ノードからの通信を受信して、無線ネットワークアーキテクチャ内の無線ノードのRF回路との双方向通信を可能にする。動作903では、アンカーノード、ハブ、無線デバイス、またはリモートデバイスまたはコンピュータは、第1の複数の無線ノードの無線ノード(例えば、第1のアンカーノード)と第2の複数のセンサノードのうちの少なくとも1つの無線ノード(例えば、第1の無線ノード、第2の無線ノードなど)との間の距離推定値を特定する。一例では、動作803は、第1の複数の無線ノード(例えば、第1のアンカーノード)の無線ノードと第2の複数のセンサノードとの間の距離推定値を特定する。
【0101】
動作904では、アンカーノード、ハブ、無線デバイス、またはリモートデバイスまたはコンピュータは、第1の複数のノードのうちの他のアンカーノードが距離推定を必要とするかどうかを判定する。そうでない場合、方法は動作9905に進む。そうである場合、方法は、第1の複数の無線センサノードのうちの任意の追加のアンカーノードおよび第2の複数の無線ノードのうちの少なくとも1つの無線ノードに対して動作901~903を実行することに進む。一例では、動作903は、第2のアンカーノードと第2の複数のセンサノードとの間の距離推定値を特定する。別の一例では、動作903は、第3のアンカーノードと第2の複数のセンサノードとの間の距離推定値を特定する。
【0102】
既知の位置を有する第1の複数の無線センサノードと未知の位置を有する第2の複数の無線センサノードとの間の距離推定は、複数の経路を含み得る。複数の経路は、少なくとも1つの距離推定値またはすべての距離推定値に含めることができる。一例では、推定された最短経路距離(例えば、見通し線距離、直接経路距離、直接距離)距離、ならびに距離推定のための測距アルゴリズムで計算された他の経路距離は、位置特定のための位置アルゴリズムに含まれる。各経路の潜在的な位置が計算される。アンカーノード(またはすべてのアンカーノード)の特定の閾値について距離推定が完了すると、方法は、動作805で、第2の複数のセンサノードの第1のセンサノードの位置推定値を特定するために進む。
【0103】
動作906では、無線アンカーノードの処理ロジックは、各距離推定値および推定値に含まれる複数の経路の誤差指標情報を特定する。
【0104】
一実施形態では、誤差指標情報は、既知の位置を有する第1のノードと未知の位置を有する第2のノードとの距離推定値と、第1および第2のノード間の三角測量に基づいて計算された距離との差に基づいて特定される誤差指標を含む。
【0105】
別の一実施形態では、誤差指標は、不利な距離推定値が除外されるか、または不利な距離推定値の関連する誤差指標がより高い誤差指標によって調整されるように、位置情報の位置推定値および無線ネットワークアーキテクチャの環境の事前知識に基づいて特定される。
【0106】
別の一実施形態では、誤差指標は、通信の信号強度(RSSI)または測距測定信号を含む信号の受信品質に基づいて特定される。
【0107】
動作908では、無線アンカーノードの処理ロジックは、各誤差指標を誤差閾値と比較し、誤差閾値を超える誤差指標を有する距離推定値を除去する。一実施形態では、誤差閾値は、環境、距離測定、最適化手順に基づいて事前に定義されるか、または位置特定中に適応的に定義される。一例では、最大の誤差指標を有する距離推定値が排除される。
【0108】
動作909では、無線アンカーノードの処理ロジックは、位置特定(例えば、第1のセンサノードの位置特定)のために距離推定値のサブセットを適応的に選択するか、または誤差指標情報に基づいて重み係数を距離推定値に適用する。一例では、処理ロジックは、誤差閾値以下の誤差指標に基づいて、位置特定のために特定された距離推定値のサブセットを適応的に選択する。この例では、距離の推定値と、誤差閾値よりも大きい関連する誤差指標は、位置特定を特定するために選択されない。
【0109】
別の一例では、無線ノードの処理ロジックは、誤差指標に基づいて位置特定のために特定された距離推定値に重み係数を適応的に適用し、誤差閾値を超える誤差指標を有する距離推定値を強調解除する。
【0110】
動作910では、無線アンカーノードの処理ロジックは、適応的に選択された距離推定値に基づいて、(例えば、第2の複数の無線センサノードのうちの)第1の無線ノードの位置情報(例えば、位置推定値)を2回目に特定する。一例では、無線ノードの処理ロジックは、少なくとも1つの距離推定値および関連する無線センサノードが位置推定値を特定するために既知の位置を除外している特定された距離推定値のサブセットに基づいて、位置特定のために位置推定値を特定する。
【0111】
動作912では、無線アンカーノードの処理ロジックは、追加のセンサノード(例えば、第2のセンサノード、第3のセンサ)の位置情報を計算する必要があるかどうかを判定する。そうでない場合、方法は動作914に進む。そうである場合、方法は動作901に戻り、第2の複数のセンサノードのうちの各センサノードの位置推定が完了するまで動作901~910(または動作901~910のサブセット)を繰り返す。
【0112】
別の一例では、無線アンカーノードの処理ロジックは、誤差閾値を超える誤差指標を有する距離推定値を強調解除するために、位置特定のために特定された距離推定値に重み係数を適用することに基づいて位置特定のための位置推定値を特定する。
【0113】
一例では、無線アンカーノードの処理ロジックは、少なくとも1つの距離推定値を除外して、無線ノード(例えば、第2の複数の無線センサノード)の位置情報の特定を少なくとも1回繰り返す。任意で、既知の位置を有する少なくとも1つの無線センサノードもまた除外される。最も低い誤差指標(例えば、誤差閾値を下回る誤差指標、誤差閾値を大幅に下回る誤差指標)を有する距離推定値を使用して、無線ノードの位置情報を特定できる。あるいはまた、少なくとも1つの距離推定値および既知の位置を有する関連する無線センサノードには、誤差指標情報による修正された影響が割り当てられる。
【0114】
一例では、無線ノードの処理ロジックは、初期ノード位置推定値、距離推定値および関連する誤差指標、および第1の複数の無線センサノードの位置に基づいて、少なくとも1つの無線センサノードの位置特定を繰り返し特定する。
【0115】
動作914では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、第2の複数のセンサノードのうちの第1のセンサノードに測距用の命令を提供する。動作915では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、第2の複数のセンサノードのうちの第2のセンサノードに測距用の命令を提供する。動作916では、第2の複数のセンサノードのうちの第1および第2のセンサノードは、測距目的のために通信(例えば、双方向信号)を送受信する。動作917では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、双方向信号と位置情報に基づいて第1と第2のセンサノード間の距離推定値を特定する。
【0116】
動作918では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、第2の複数のセンサノードのうちの追加のセンサノード(例えば、第3のセンサノード、第4のセンサノード)の動作914~917を繰り返す。
【0117】
動作920では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、他のノードの位置が、方法900で事前に特定されていると仮定して、アンカーノードおよび他のノードからの推定値を使用して、第2の複数のセンサノードのうちの第1のセンサノードの位置推定値を特定する。
【0118】
動作921では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、センサ間の距離推定値の誤差指標情報を特定する。
【0119】
動作922では、無線ノード(アンカーノード、ハブ、無線デバイス、またはデータが提供されたリモートデバイスまたはコンピュータ)の処理ロジックは、各誤差指標を誤差閾値と比較し、誤差閾値を超えている誤差指標を有する距離推定値を除去する。一実施形態では、誤差閾値は、環境、距離測定、最適化手順に基づいて事前に定義されるか、または位置特定中に適応的に定義される。一例では、最大の誤差指標を有する距離推定値が排除される。
【0120】
動作923では、無線ノードの、ネットワーク上のいくつかの他のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、誤差指標情報に基づいて、位置特定(例えば、第1のセンサノードの位置特定)のための距離推定値のサブセットを適応的に選択する。一例では、処理ロジックは、誤差閾値以下の誤差指標に基づいて、位置特定のために特定された距離推定値のサブセットを適応的に選択する。この例では、距離の推定値と、誤差閾値よりも大きい関連する誤差指標は、位置特定を特定するために選択されない。
【0121】
別の一例では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、追加の重み係数を誤差指標に適応的に適用して、(例えば、RSSI、推定された極から生成されたチャネル応答と測定された応答との間のフィッティングの質、推定見通し線信号の振幅に基づいて)距離測定の質が低い距離推定値を強調解除する。
【0122】
動作924では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、適応的に選択された距離推定値に基づいて、第2の複数の無線センサノードの第1の無線ノードの位置情報(例えば、位置推定値)を2回目に特定する。一例では、無線ノードの処理ロジックは、少なくとも1つの距離推定値および関連する無線センサノードが位置推定値を特定するために既知の位置を除外している特定された距離推定値のサブセットに基づいて、位置特定のために位置推定値を特定する。
【0123】
動作925では、無線ノードの、ネットワーク上の別のノードの、またはリモートコンピュータの処理ロジックは、追加のセンサノード(例えば、第2のセンサノード、第3のセンサ)の位置情報を計算する必要があるかどうかを判定する。そうである場合、方法は動作914に戻り、第2の複数のセンサノードのうちの各センサノードの位置推定が完了するまで、動作914および後続の動作を繰り返す。
【0124】
そうでない場合、方法は動作926に進み、第2の複数のセンサノードのうちの第1のセンサノードの位置情報が許容可能かどうかを判定する。許容できる場合、方法は完了する。許容できない場合、本方法は動作914に戻り、動作926で第1のセンサノードの許容可能な位置特定情報を達成するまで動作914および後続の動作を繰り返す。他のセンサノードの位置情報もまた、許容可能であることを検証され得る。
【0125】
動作928では、無線ノードの処理ロジックは、位置特定の完了時に、無線ネットワークをツリーベースまたはツリー状のネットワークアーキテクチャ(またはメッシュベースの構成を有さないツリーアーキテクチャ)で構成する。
【0126】
本明細書で説明するハブとノード間の通信は、無線周波数を使用した直接無線通信、家、アパート、商業ビルなどの中での電気配線に信号を変調することで達成される電力線通信、802.11a、802.11b、802.11n、802.11acなどの標準WiFi通信プロトコルおよび当業者には明らかな他のそのようなWifi通信プロトコルを使用したWiFi通信、GPRS、EDGE、3G、HSPDA、LTEなどのセルラー通信および当業者には明らかな他のセルラー通信プロトコル、Bluetooth通信、Zigbeeなどの周知の無線センサネットワークプロトコルを使用した通信、および当業者には明らかな他の有線ベースまたは無線通信スキームを含むが、これらに限定されない様々な手段を使用して達成できる。
【0127】
端末ノードとハブ間の無線周波数通信の実装は、狭帯域、チャネル重複、チャネルステッピング、マルチチャネル広帯域、およびウルトラワイドバンド通信を含む多様な方法で実装できる。
【0128】
ハブは、本発明の実施形態に係る多くの方法で物理的に実装されてもよい。図10Aは、一実施形態に係る、電力コンセント用のオーバーレイ1500として実装されるハブの例示的な一実施形態を示す。オーバーレイ1500(例えば、フェースプレート)は、ハブ1510と、ハブをコンセント1502に結合する接続1512(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を含む。代替的に(または追加的に)、ハブはコンセント1504に結合される。オーバーレイ1500は、安全性および美観を目的として、コンセント1502および1504を覆うかまたは囲む。
【0129】
図10Bは、一実施形態に係る、電力コンセント用のオーバーレイとして実装されるハブ1520のブロック図の分解図の例示的な一実施形態を示す。ハブ1520は、周期的に方向を反転させる交流(AC)を一方向のみに流れる直流(DC)に変換する電源整流器1530を含む。電源整流器1530は、接続1512(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコンセント1502からACを受け取り、ACをDCに変換して、接続1532(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコントローラ回路1540に電力を供給し、接続1534(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してRF回路1550に電力を供給する。コントローラ回路1540は、メモリ1542を含むか、または、本明細書で説明されるような無線非対称ネットワークの位置特定を形成、監視、および実行するためのハブの動作を制御するためのコントローラ回路1540の処理ロジック1544(例えば、1つ以上の処理ユニット)によって実行される命令を格納するメモリに結合される。RF回路1550は、(1または複数の)アンテナ1552を介して無線センサノードと双方向通信を送受信するためのトランシーバまたは別個の送信機1554および受信機1556機能を含むことができる。RF回路1550は、接続1534(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコントローラ回路1540と双方向に通信する。ハブ1520は、無線制御デバイス1520とすることができるか、またはコントローラ回路1540、RF回路1550、および(1または複数の)アンテナ1552の組み合わせは、本明細書で説明されるような無線制御デバイスを形成することができる。
【0130】
図11Aは、一実施形態に係る、コンピュータシステム、機器、または通信ハブ内に配備するためのカードとして実装されるハブの例示的な一実施形態を示す。カード1662は、矢印1663で示されるように、システム1660(例えば、コンピュータシステム、機器、または通信ハブ)に挿入することができる。
【0131】
図11Bは、一実施形態に係る、コンピュータシステム、機器、または通信ハブ内に配備するためのカードとして実装されるハブ1664のブロック図の例示的な一実施形態を示す。ハブ1664は、接続1674(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコントローラ回路1668に電力(例えば、DC電源)を供給し、接続1676(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してRF回路1670に電力を供給する電源1666を含む。コントローラ回路1668は、メモリ1661を含むか、または本明細書で説明されるような無線非対称ネットワークの位置特定を形成、監視、および実行するためのハブの動作を制御するためのコントローラ回路1668の処理ロジック1663(例えば、1つ以上の処理ユニット)によって実行される命令を格納するメモリに結合される。RF回路1670は、(1または複数の)アンテナ1678を介して無線センサノードと双方向通信を送受信するためのトランシーバまたは別個の送信機1675および受信機1677機能を含むことができる。RF回路1670は、接続1672(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコントローラ回路1668と双方向に通信する。ハブ1664は、無線制御デバイス1664とすることができるか、またはコントローラ回路1668、RF回路1670、および(1または複数の)アンテナ1678は組み合わせて、本明細書で説明されるような無線制御装置を形成することができる。
【0132】
図11Cは、一実施形態に係る、機器(例えば、スマート洗濯機、スマート冷蔵庫、スマートサーモスタット、他のスマート機器など)内に実装されたハブの例示的な一実施形態を示す。機器1680(例えば、スマート洗濯機)は、ハブ1682を含む。
【0133】
図11Dは、一実施形態に係る、機器(例えば、スマート洗濯機、スマート冷蔵庫、スマートサーモスタット、他のスマート機器など)内に実装されたハブ1684のブロック図の分解図の例示的な一実施形態を示す。ハブは、接続1696(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコントローラ回路1690に電力(例えば、DC電源)を供給し、接続1698(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してRF回路1692に電力を供給する電源1686を含む。コントローラ回路1690は、メモリ1691を含むか、または本明細書で説明されるような無線非対称ネットワークの位置特定を形成、監視、および実行するためのハブの動作を制御するためのコントローラ回路1690の処理ロジック1688(例えば、1つ以上の処理ユニット)によって実行される命令を格納するメモリに結合される。RF回路1692は、(1または複数の)アンテナ1699を介して無線センサノードと双方向通信を送受信するためのトランシーバまたは別個の送信機1694および受信機1695機能を含むことができる。RF回路1692は、接続1689(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコントローラ回路1690と双方向に通信する。ハブ1684は、無線制御装置1684とすることができるか、またはコントローラ回路1690、RF回路1692、および(1または複数の)アンテナ1699を組み合わせて、本明細書で説明されるような無線制御デバイスを形成することができる。
【0134】
一実施形態では、無線非対称ネットワークアーキテクチャを提供するための装置(例えば、ハブ)は、命令を格納するメモリと、無線非対称ネットワークアーキテクチャ内で通信を確立および制御するための命令を実行するハブの処理ロジック(例えば、1つ以上の処理ユニット、処理ロジック1544、処理ロジック1663、処理ロジック1688、処理ロジック1763、処理ロジック1888)と、無線非対称ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するための複数のアンテナ(例えば、(1または複数の)アンテナ1552、(1または複数の)アンテナ1678、(1または複数の)アンテナ1699、アンテナ1311、1312、1313など)を含む無線周波数(RF)回路(例えば、RF回路1550、RF回路1670、RF回路1692、RF回路1890)とを含む。RF回路と複数のアンテナは、無線非対称ネットワークアーキテクチャ内の装置のRF回路との双方向通信を可能にする送信機と受信機(またはトランシーバの送信機と受信機の機能)を備えた無線デバイスをそれぞれ有する複数のセンサノード(例えば、ノード1、ノード2)に通信を送信する。
【0135】
一例では、第1の無線ノードは、第1のパケットを有する第1のRF信号を含む無線ネットワークアーキテクチャ内における通信を送受信するための1つ以上の処理ユニットおよびRF回路を備えた無線デバイスを含む。第2の無線ノードは、第2のパケットを有する第2のRF信号を含む無線ネットワークアーキテクチャ内における第1の無線ノードとの双方向通信を可能にする送信機および受信機を備えた無線デバイスを含む。第1の無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、既知の位置を有する第1の複数の無線センサノードと未知の位置を有する第2の複数の無線センサノードとの間の距離推定値を特定するための命令を実行し、各距離推定のための誤差指標情報を特定し、誤差指標情報に基づいて距離推定値を適応的に選択し、適応的に選択された距離推定値に基づいて第2の複数の無線センサノードの位置情報を特定するように構成される。
【0136】
一例では、装置は主電源によって電力を供給され、複数のセンサノードはそれぞれ電池源によって電力を供給されて無線ネットワークアーキテクチャを形成する。
【0137】
リチウムイオン、リチウムポリマー、リン酸リチウムなどのリチウムベースの化学物質、および当業者には明らかな他のそのような化学物質を含む、様々な電池を無線センサノード内で使用できる。使用できる追加の化学物質には、ニッケル水素、標準アルカリ電池の化学物質、銀亜鉛および亜鉛空気電池の化学物質、標準炭素亜鉛電池の化学物質、鉛酸電池の化学物質、または当業者に明らかであるような他の化学物質が含まれる。
【0138】
本発明はまた、本明細書に記載の動作を実行するための装置に関する。この装置は、必要な目的のために特別に構築されてもよいし、またはコンピュータ内に保存されたコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成される汎用コンピュータを備えてもよい。そのようなコンピュータプログラムは、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、および光磁気ディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カードまたは光カード、または電子命令の保存に適したあらゆるタイプの媒体を含む任意のタイプのディスクなどが挙げられるが、それらに限定されないコンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよい。
【0139】
本明細書で提示されるアルゴリズムおよびディスプレイは、特定のコンピュータまたは他の装置に本質的に関連するものではない。本明細書の教示に従って、様々な汎用システムをプログラムと共に使用することができるか、または必要な方法操作を実行するためにより特化した装置を構築することが便利であることが判明する場合がある。
【0140】
図12は、一実施形態に係るセンサノードのブロック図を示す。センサノード1700は、接続1774(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコントローラ回路1720に電力(例えば、DC電源)を供給する電源1710(例えば、エネルギー源、電池源、一次セル、充電式セルなど)を含み、接続1776(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してRF回路1770に電力を供給し、接続1746(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介して検知回路1740に電力を供給する。コントローラ回路1720は、メモリ1761を含むか、または本明細書で説明されているような無線非対称ネットワークを形成および監視するためのセンサノードの動作を制御するためのコントローラ回路1720の処理ロジック1763(例えば、1つ以上の処理ユニット)によって実行される命令を格納するメモリに結合される。RF回路1770(例えば、通信回路)は、(1または複数の)ハブおよびオプションの無線センサノードとの(1または複数の)アンテナ1778を介した双方向通信を送受信するためのトランシーバまたは別個の送信機1775および受信機1777機能を含むことができる。RF回路1770は、接続1772(例えば、電気接続)を介してコントローラ回路1720と双方向に通信する。検知回路1740は、(1または複数の)画像センサと回路1742、(1または複数の)水分センサと回路1743、(1または複数の)温度センサと回路、(1または複数の)湿度センサと回路、(1または複数の)空気質センサと回路、(1または複数の)光センサと回路、(1または複数の)運動センサと回路1744、(1または複数の)音声センサと回路1745、(1または複数の)磁気センサと回路1746、および(1または複数の)センサと回路nなどを含む様々なタイプの検知回路および(1または複数の)センサを含む。
【0141】
本明細書で開示される無線位置特定技術は、他の感知された情報と組み合わされて、ネットワーク全体の位置特定精度を改善し得る。例えば、1つ以上のノードにカメラが含まれる無線センサでは、キャプチャされた画像を画像処理および機械学習の手法で使用して、監視されているセンサノードが同じシーンを見ているかどうか、したがって同じ部屋にある可能性があるかどうかを判定できる。周期的な照明と光検出器を使用することで、同様の利点を実現できる。照明をストロボし、光検出器を使用して検出することにより、光路の存在を検出でき、ストロボと検出器の間に不透明な壁がないことを示す可能性がある。他の実施形態では、磁気センサをセンサノードに統合し、監視されているセンサノードの向きを検出するためのコンパスとして使用することができる。次に、この情報を位置特定情報と共に使用して、センサが壁、床、天井、またはその他の位置にあるかどうかを判定できる。
【0142】
一例では、各センサノードは画像センサを含むことができ、家の各周囲壁は1つ以上のセンサノードを含む。ハブは、位置特定情報と共に画像データおよび任意で方向データを含むセンサデータを分析して、各センサノードの絶対位置を特定する。次に、ハブは、ユーザーの建物の各部屋の3次元画像を構築できる。壁、窓、ドアなどの位置を有するフロアプランを生成できる。イメージセンサは、家の保全性の問題(例えば、水、屋根の漏れなど)を示し得る反射の変化を示す画像をキャプチャする場合がある。
【0143】
図13は、一実施形態に係るハブを有するシステム1800のブロック図を示す。システム1800は、無線非対称ネットワークアーキテクチャのハブ1882または中央ハブを含むか、またはそれと統合される。システム1800(例えば、コンピューティングデバイス、スマートTV、スマート機器、通信システムなど)は、あらゆるタイプの無線デバイス(例えば、携帯電話、無線電話、タブレット、コンピューティングデバイス、スマートTV、スマート機器など)と無線通信の送受信用に通信することができる。システム1800は、コントローラ1820および処理ユニット1814を含む処理システム1810を含む。処理システム1810は、ハブ1882、入力/出力(I/O)ユニット1830、無線周波数(RF)回路1870、オーディオ回路1860、1つ以上の画像またはビデオをキャプチャするための光学デバイス1880、システム1800用の運動データ(例えば、三次元の)を特定するためのオプションの運動ユニット1844(例えば、加速度計、ジャイロスコープなど)、電力管理システム1840、および機械アクセス可能な非一時的媒体1850と、1つ以上の双方向通信リンクまたは信号線1898、1818、1815、1816、1817、1813、1819、1811を介してそれぞれ通信する。
【0144】
ハブ1882は、接続1885(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコントローラ回路1884に電力(例えば、DC電源)を提供し、RF回路1890に接続1887(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介して電力を提供する電源1891を含む。コントローラ回路1884は、メモリ1886を含むか、または本明細書で説明されるような無線非対称ネットワークを形成および監視するためのハブの動作を制御するためのコントローラ回路1884の処理ロジック1888(例えば、1つ以上の処理ユニット)によって実行される命令を格納するメモリに結合される。RF回路1890は、無線センサノードまたは他のハブとの(1または複数の)アンテナ1896を介した双方向通信を送受信するためのトランシーバまたは別個の送信機(TX)1892および受信機(RX)1894機能を含み得る。RF回路1890は、接続1889(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコントローラ回路1884と双方向に通信する。ハブ1882は、無線制御デバイス1884またはコントローラ回路1884、RF回路1890、および(1または複数の)アンテナ1896とすることができ、組み合わせて、本明細書で説明するような無線制御デバイスを形成することができる。
【0145】
システムのRF回路1870および(1または複数の)アンテナ1871またはハブ1882のRF回路1890および(1または複数の)アンテナ1896は、無線リンクまたはネットワークを介して本明細書で説明するハブまたはセンサノードの1つ以上の他の無線デバイスに情報を送受信するために使用される。オーディオ回路1860は、オーディオスピーカー1862およびマイクロフォン1064に結合され、音声信号を処理するための既知の回路を含む。1つ以上の処理ユニット1814は、コントローラ1820を介して1つ以上の機械アクセス可能な非一時的媒体1850(例えば、コンピュータ可読媒体)と通信する。媒体1850は、1つ以上の処理ユニット1814によって使用されるコードおよび/またはデータを格納できる任意のデバイスまたは媒体(例えば、記憶装置、記憶媒体)とすることができる。媒体1850には、キャッシュ、メインメモリ、および2次メモリを含むがこれらに限定されないメモリ階層を含めることができる。
【0146】
媒体1850またはメモリ1886は、本明細書で説明される方法論または機能のいずれか1つ以上を実施する1つ以上の命令セット(またはソフトウェア)を格納する。ソフトウェアは、オペレーティングシステム1852と、無線非対称ネットワークアーキテクチャを確立、監視、および制御するためのネットワークサービスソフトウェア1856と、通信モジュール1854と、アプリケーション1858(例えば、家または建物のセキュリティアプリケーション、家または建物の完全性アプリケーション、開発者アプリケーション等)とを含み得る。ソフトウェアはまた、デバイス1800によるその実行中に、媒体1850、メモリ1886、処理ロジック1888内、または処理ユニット1814内に、完全にまたは少なくとも部分的に存在してもよい。図18に示すコンポーネントは、1つ以上の信号処理および/または特定用途向け集積回路を含む、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせ内に実装されてもよい。
【0147】
通信モジュール1854は、他のデバイスとの通信を可能にする。I/Oユニット1830は、異なるタイプの入出力(I/O)デバイス1834(例えば、ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、陰極線管(CRT)、ユーザー入力を受信して出力を表示するためのタッチディスプレイデバイスまたはタッチスクリーン、オプションの英数字入力デバイス)と通信する。
【0148】
以下の例はいずれも単一の実施形態に組み合わせることができるか、またはこれらの例は別個の実施形態とすることができる。一例では、無線ネットワークアーキテクチャ内におけるノードの位置特定のためのシステムは、各々が既知の位置と、無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するための1つ以上の処理ユニットおよびRF回路を備えた無線デバイスとを有する第1の複数の無線センサノードを含む。このシステムは、各々が未知の位置を有する第2の複数の無線センサノードと、無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するためのRF回路を備えた無線デバイスとを含む。第1の複数の無線ノードのうちの1つの無線センサノードの1つ以上の処理ユニットは、位置特定のために第1の複数の無線センサノードと第2の複数の無線センサノードの間の距離推定値を特定し、各距離推定値の誤差指標情報を特定し、誤差指標に基づいて位置特定のために特定された距離推定値を適応的に選択するための命令を実行するように構成される。
【0149】
別の一例では、誤差指標情報は、既知の位置を有する無線センサノードと未知の位置を有する無線センサノードとの間の各距離推定値に関連付けられた誤差指標を含む。
【0150】
別の一例では、第1の複数の無線ノードのうちの無線センサノードの1つ以上の処理ユニットは、各誤差指標を誤差閾値と比較し、誤差閾値以下の誤差指標に基づいて、位置特定のために特定された距離推定値のサブセットを適応的に選択するための命令を実行するように構成される。
【0151】
別の一例では、第1の複数の無線ノードのうちの無線センサノードの1つ以上の処理ユニットは、少なくとも1つの距離推定値および関連する無線センサノードが位置推定値を特定するために既知の位置を除外している特定された距離推定値のサブセットに基づいて、位置特定のために位置推定値を特定するための命令を実行するように構成される。
【0152】
別の一例では、誤差閾値は、環境、距離測定、最適化手順に基づいて事前に定義されるか、または位置特定中に適応的に定義される。別の一例では、第1の複数の無線ノードのうちの無線センサノードの1つ以上の処理ユニットは、各誤差指標を誤差閾値と比較するか、または重み係数を指標に適応的に適用して距離測定の質が低い距離推定値を強調解除するための命令を実行するように構成される。
【0153】
別の一例では、第1の複数の無線ノードのうちの無線センサノードの1つ以上の処理ユニットは、第1の複数の無線ノードの既知の位置、前の距離推定値、および前記第1のおよび第2の複数のセンサノード間の位置特定からのそれらの関連する誤差指標、前記第2の複数のノードのうちの前記ノード間の反復距離推定値、前記第1および第2の複数のセンサノード間の位置特定または以前の改訂位置からの前記第2の複数のノードの推位置特定置、および改訂された各位置特定ラウンド内の位置に対して使用される特定された距離推定値の適応的選択のうちの少なくとも2つを使用して、少なくとも1つの無線センサノードの改訂された位置を繰り返し特定するための命令を実行するように構成される。
【0154】
別の一例では、第1の複数の無線ノードのうちの無線センサノードの1つ以上の処理ユニットは、距離推定値および関連する誤差指標の第1のサブセットまたは前記距離推定値および関連する誤差指標の第2のサブセットの変更された影響に基づいて少なくとも1つの無線センサノードの位置特定を繰り返し特定するための命令を実行するように構成される。
【0155】
一例では、無線ネットワークアーキテクチャ内の無線センサノードの位置特定のためのコンピュータ実装方法は、既知の位置を有する第1の複数の無線センサノードのそれぞれと未知の位置を有する第2の複数の無線センサノードとの間の距離推定値を特定することと、各距離推定値の誤差指標情報を特定することと、前記誤差指標情報に基づいて距離推定値を適応的に選択することと、適応的に選択された距離推定値に基づいて、前記第2の複数の無線センサノードの位置情報を特定することとを含む。
【0156】
別の一例では、誤差指標情報は、既知の位置を有する無線センサノードと未知の位置を有する無線センサノードとの間の各距離推定値に1つの誤差指標が関連している誤差指標を含む。
【0157】
別の一例では、コンピュータ実装方法は、各誤差指標を誤差閾値と比較することと、誤差閾値以下の誤差指標に基づいて、位置特定のために特定された距離推定値のサブセットを適応的に選択することをさらに含む。
【0158】
別の一例では、コンピュータ実装方法は、少なくとも1つの距離推定値および既知の位置を有する関連する無線センサノードが位置推定値を特定するために除外している特定された距離推定値のサブセットに基づいて、位置特定のために位置推定値を特定することをさらに含む。
【0159】
別の一例では、誤差閾値は、環境、距離測定、最適化手順に基づいて事前に定義されるか、または位置特定中に適応的に定義される。
【0160】
別の一例では、コンピュータ実装方法はさらに、少なくとも1つの距離推定値および関連する無線センサノードが既知の位置を除外したか、または少なくとも1つの距離推定値および関連する無線センサノードが変更された影響を有する既知の位置を有する、第2の複数の無線センサノードの位置情報の特定を少なくとも1回繰り返すことをさらに含む。
【0161】
別の一例では、誤差指標は、既知の位置を有する第1のノードおよび未知の位置を有する第2のノードに対する距離推定値と、三角測量に基づく第1および第2のノード間の計算距離との間の差に基づいて特定される誤差指標を含む。
【0162】
別の一例では、前記誤差指標は、不利な距離推定値が除外されるか、または不利な距離推定値の関連する誤差指標がより高い誤差指標で調整されるように、位置情報の位置推定値および無線ネットワークアーキテクチャの環境の前の知識に基づいて特定される。
【0163】
一例では、装置は、命令を保存するためのメモリと、無線ネットワークアーキテクチャ内で複数のセンサノードを制御し、複数のセンサノードの位置を特定するための命令を実行する1つ以上の処理ユニットと、送信機と受信機を備えた無線デバイスをそれぞれ有する複数のセンサノードと通信を送受信する無線周波数(RF)回路であって、無線ネットワークアーキテクチャ内の装置のRF回路との双方向通信を可能にするRF回路とを含む。装置の1つ以上の処理ユニットは、既知の位置を有する第1の複数の無線センサノードと未知の位置を有する第2の複数の無線センサノードとの間の距離推定値を特定し、各距離推定値に対する誤差指標情報を特定し、誤差指標情報に基づいて距離推定値を適応的に選択し、適応的に選択された距離推定値に基づいて第2の複数の無線センサノードの位置情報を特定するための命令を実行するように構成される。
【0164】
別の一例では、誤差指標情報は、既知の位置を有する無線センサノードと未知の位置を有する無線センサノードとの間の各距離推定値に1つの誤差指標が関連している誤差指標を含む。
【0165】
別の一例では、装置の1つ以上の処理ユニットは、各誤差指標を誤差閾値と比較し、誤差閾値以下の誤差指標に基づいて、位置特定のために特定された距離推定値のサブセットを適応的に選択するための命令を実行するようにさらに構成される。
【0166】
別の一例では、装置の1つ以上の処理ユニットは、少なくとも1つの距離推定値および関連する無線センサノードが位置推定値を特定するために既知の位置を除外している特定された距離推定値のサブセットに基づいて、位置特定のために位置推定値を特定するための命令を実行するように構成される。
【0167】
別の一例では、誤差指標は、通信の信号強度(RSSI)または測距測定信号を含む信号の受信品質に基づいて特定される。
【0168】
別の一例では、既知の位置を有する第1の複数の無線センサノードと未知の位置を有する第2の複数の無線センサノードとの間の距離推定値は、第1の複数の無線センサノードのうちの第1のノードと第2の複数の無線ノードのうちの第2のノードとの間に複数の経路を含む。
【0169】
別の一例では、無線ネットワークアーキテクチャ内のノードの位置特定システムは、各々が既知の位置と、前記無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するための1つ以上の処理ユニットおよびRF回路を備えた無線デバイスとを有する第1の複数の無線センサノードと、各々が未知の位置と、前記無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するためのRF回路を備えた無線デバイスとを有する第2の複数の無線センサノードと、1つ以上の処理ユニットを有するリモートデバイスとを含む。リモートデバイスの1つ以上の処理ユニットは、位置特定のために第1の複数の無線センサノードと第2の複数の無線センサノードの間の距離推定値を特定し、各距離推定値の誤差指標情報を特定し、誤差指標に基づいて位置特定のために特定された距離推定値を適応的に選択するための命令を実行するように構成される。
【0170】
別の一例では、誤差指標情報は、既知の位置を有する無線センサノードと未知の位置を有する無線センサノードとの間の各距離推定値に関連付けられた誤差指標を含む。
【0171】
別の一例では、リモートデバイスの1つ以上の処理ユニットは、各誤差指標を誤差閾値と比較し、誤差閾値以下の誤差指標に基づいて、位置特定のために特定された距離推定値のサブセットを適応的に選択するための命令を実行するように構成される。
【0172】
別の一例では、リモートデバイスの位置は、無線ネットワークアーキテクチャの位置とは異なる。
【0173】
別の一例では、無線ネットワークアーキテクチャ内のノードの位置特定システムは、各々が既知の位置を有し、無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するための1つ以上の処理ユニットおよびRF回路を備えた無線デバイスを含む第1の複数の無線センサノードと、各々が未知の位置を有し、無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するためのRF回路を備えた無線デバイスを含む第2の複数の無線センサノードとを含み、第1の複数の無線ノードのうちの1つの無線センサノードの前記1つ以上の処理ユニットは、位置特定に十分な期間、第2の複数の無線センサノードをメッシュベースのネットワークアーキテクチャとして構成し、第1の複数の無線センサノードの無線センサノードと位置特定のための第2の複数の無線センサノードのそれぞれとの間の距離推定値を特定し、各距離推定値の誤差指標情報を特定し、誤差指標情報に基づいて位置特定のために特定された距離推定値を適応的に選択し、位置特定の完了時にツリーベースのネットワークアーキテクチャ内に無線ネットワークアーキテクチャを構成するための命令を実行するように構成される。
【0174】
前述の明細書では、本発明をその特定の例示的な実施形態を参照して説明した。しかしながら、本発明のより広い主旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更がそれになされ得ることは明らかであろう。したがって、明細書および図面は、制限的な意味ではなく、例示的な意味で見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
図13