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特許7410889ケーブル被覆用のポリマー化合物及びその製造プロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】ケーブル被覆用のポリマー化合物及びその製造プロセス
(51)【国際特許分類】
   H01B 3/44 20060101AFI20231227BHJP
   H01B 7/02 20060101ALI20231227BHJP
   C08L 23/06 20060101ALI20231227BHJP
   H01B 13/24 20060101ALI20231227BHJP
   H01B 7/18 20060101ALI20231227BHJP
   C08J 5/00 20060101ALI20231227BHJP
   B29C 48/154 20190101ALI20231227BHJP
【FI】
H01B3/44 F
H01B7/02 Z
C08L23/06
H01B13/24 Z
H01B7/18 H
C08J5/00 CES
B29C48/154
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020570054
(86)(22)【出願日】2019-05-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-11
(86)【国際出願番号】 US2019033054
(87)【国際公開番号】W WO2019240913
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-05-06
(31)【優先権主張番号】62/685,331
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】エッセガー、モハメッド
(72)【発明者】
【氏名】シン、アヌリマ
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】特表平10-508634(JP,A)
【文献】国際公開第2017/091996(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/166004(WO,A1)
【文献】特表2009-535787(JP,A)
【文献】特表2009-506163(JP,A)
【文献】米国特許第5338589(US,A)
【文献】国際公開第2003/099922(WO,A1)
【文献】特表2008-531832(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 3/44
H01B 7/02
C08L 23/06
H01B 13/24
H01B 7/18
H01B 7/17
C08J 5/00
B29C 48/154
C08L 23/06
C08L 23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆伝導体であって、
伝導体と、
前記伝導体を少なくとも部分的に取り囲むポリマー組成物と、を備え、
前記ポリマー組成物は、
(a) 広い分子量分布(「広MWD」)の高密度エチレン系ポリマーと、
(b) 狭い分子量分布(「狭MWD」)の線状低密度エチレン系ポリマーと、を含み、
前記広MWD高密度エチレン系ポリマーは、前記ポリマー組成物の総重量に基づいて50~70重量パーセントの量で前記ポリマー組成物中に存在し、
前記狭MWD線状低密度エチレン系ポリマーは、前記ポリマー組成物の総重量に基づいて20~45重量パーセントの量で前記ポリマー組成物中に存在し、
前記ポリマー組成物は、0.95~0.965g/cmの密度を有し、さらに
前記広MWDの高密度エチレン系ポリマーは、0.955から0.970g/cm の範囲の密度および60から80のメルトインデックス比(I 21 /I )を有する高密度ポリエチレン(「HDPE」)であり、前記狭MWDの線状低密度エチレン系ポリマーは、0.910から0.925g/cm の範囲の密度および35から50のメルトインデックス比(I 21 /I )を有する線状低密度ポリエチレン(「LLDPE」)である、被覆伝導体。
【請求項2】
前記LLDPEは、チーグラーナッタ触媒で調製されたエチレンおよび1-ヘキセンのコポリマーである、請求項1に記載の被覆伝導体。
【請求項3】
前記HDPEは、前記ポリマー組成物の総重量に基づいて50から70重量パーセントの範囲の量で前記ポリマー組成物中に存在し、前記LLDPEは、前記ポリマー組成物の総重量に基づいて25から45重量パーセントの範囲の量で前記ポリマー組成物中に存在する、請求項1に記載の被覆伝導体。
【請求項4】
前記ポリマー組成物は、ASTM D1693に準拠して、50℃および1.905mm(75ミル)で10%イゲパル溶液中で少なくとも500時間のF20環境応力亀裂耐性(「ESCR」)を示す、請求項1に記載の被覆伝導体。
【請求項5】
前記ポリマー組成物は、0.951g/cmから0.965g/cmの範囲の密度を有する、請求項1に記載の被覆伝導体。
【請求項6】
伝導体外被を製造するためのプロセスであって、
広い分子量分布(「広MWD」)の高密度エチレン系ポリマーと狭い分子量分布(「狭MWD」)の線状低密度エチレン系ポリマーをブレンドして、ポリマー組成物を形成することと、
前記ポリマー組成物の少なくとも一部を毎秒1.02メートルを超える速度で伝導体上に押し出し、それにより前記伝導体外被を形成することと、を含み、
前記広MWD高密度エチレン系ポリマーは、前記ポリマー組成物の総重量に基づいて50~70重量パーセントの量で前記ポリマー組成物中に存在し、
前記狭MWD線状低密度エチレン系ポリマーは、前記ポリマー組成物の総重量に基づいて20~45重量パーセントの量で前記ポリマー組成物中に存在し、
前記ポリマー組成物は、0.95~0.965g/cmの密度を有する、プロセス。
【請求項7】
前記広MWDの高密度エチレン系ポリマーは、0.955から0.970g/cmの範囲の密度および60から80のメルトインデックス比(I21/I)を有する高密度ポリエチレン(「HDPE」)であり、前記狭MWDの線状低密度エチレン系ポリマーは、0.910から0.925g/cmの範囲の密度および35から50のメルトインデックス比(I21/I)を有する線状低密度ポリエチレン(「LLDPE」)である、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記HDPEは、前記ポリマー組成物の総重量に基づいて50から70重量パーセントの範囲の量で前記ポリマー組成物中に存在し、前記LLDPEは、前記ポリマー組成物の総重量に基づいて25から45重量パーセントの範囲の量で前記ポリマー組成物中に存在する、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記ポリマー組成物は、ASTM D1693に準拠して、50℃および1.905mm(75ミル)で10%イゲパル溶液中で少なくとも500時間のF20環境応力亀裂耐性(「ESCR」)を示し、前記ポリマー組成物は、10μインチから80μインチの範囲の表面平滑性を示す、請求項6に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
電力ケーブルまたは通信ケーブルのなどのケーブルは、金属ワイヤーまたはガラスファイバーなどの内部伝導要素、および遮蔽および保護目的の1つ以上の外部層を含む1種の伝導体である。ケーブルの最外層は、典型的には、外部シースまたは外被と称される保護層である。
【0002】
ケーブル外被製造用のエチレン系ポリマーが知られている。ケーブル外被に使用するためのエチレン系ポリマーは、広い加工温度範囲での良好な押出特性などの良好な加工性を有する必要がある。さらに、このようなエチレン系ケーブル外被は、一般的には、良好な機械的特性を有する必要がある。しかしながら、液相重合エチレン系樹脂(SP樹脂)から作製されるケーブル外被化合物は、押出装置でうまく加工されず、より広い分子量分布(MWD)の気相重合樹脂(GP樹脂)に基づく等価化合物と比較した場合、典型的な押出ライン速度で許容できない表面平滑性をもたらす。
【0003】
したがって、適切な加工性ならびに適切な機械的特性および性能特性を維持しながら、ケーブル外被用途での使用に利用可能なポリマー樹脂の種類を多様化および拡大することが望まれている。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態は、被覆伝導体であって、
伝導体と、
前記伝導体を少なくとも部分的に取り囲むポリマー組成物と、を備え、
前記ポリマー組成物は、
広い分子量分布(「広MWD」)の高密度エチレン系ポリマーと、
狭い分子量分布(「狭MWD」)の線状低密度エチレン系ポリマーと、を含み、
前記広MWD高密度エチレン系ポリマーは、前記ポリマー組成物の総重量に基づいて少なくとも50重量パーセントの量で前記ポリマー組成物中に存在し、
前記狭MWD線状低密度エチレン系ポリマーは、前記ポリマー組成物の総重量に基づいて少なくとも20重量パーセントの量で前記ポリマー組成物中に存在し、
前記ポリマー組成物は、少なくとも0.95g/cmの密度を有する。
【0005】
別の実施形態は、伝導体外被を製造するためのプロセスであって、このプロセスは、
広い分子量分布(「広MWD」)の高密度エチレン系ポリマーと狭い分子量分布(「狭MWD」)の線状低密度エチレン系ポリマーをブレンドして、ポリマー組成物を形成することと、
前記ポリマー組成物の少なくとも一部を毎秒1.02メートルを超える速度で伝導体上に押し出し、それにより前記伝導体外被を形成することと、を含み、
前記広MWD高密度エチレン系ポリマーは、前記ポリマー組成物の総重量に基づいて少なくとも50重量パーセントの量で前記ポリマー組成物中に存在し、
前記狭MWD線状低密度エチレン系ポリマーは、前記ポリマー組成物の総重量に基づいて少なくとも20重量パーセントの量で前記ポリマー組成物中に存在し、
前記ポリマー組成物は、少なくとも0.95g/cmの密度を有する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示の様々な実施形態は、ケーブルなどの被覆伝導体で使用するためのポリマー組成物に関する。ポリマー組成物は、広い分子量分布(「広MWD」)の高密度エチレン系ポリマーと、狭い分子量分布(「狭MWD」)の線状低密度エチレン系ポリマーとを含む。ポリマー組成物は、充填剤などの1つ以上の添加剤をさらに含むことができる。
【0007】
広MWDのエチレン系ポリマー
上記のように、本開示のポリマー組成物は、広MWDのエチレン系ポリマーを含む。本明細書に記載の「エチレン系ポリマー」は、(重合性モノマーの総量に基づいて)50重量パーセント超の重合エチレンモノマーを含有するポリマーを示し、任意選択で、少なくとも1つのコモノマーを含有し得る。エチレン系ポリマーには、エチレンホモポリマー、およびエチレンコポリマー(エチレンおよび1つ以上のコモノマーに由来する単位を意味する)が含まれる。「エチレン系ポリマー」および「ポリエチレン」という用語は、互換的に使用され得る。エチレン系ポリマー(ポリエチレン)の非限定的な例としては、低密度ポリエチレン(「LDPE」)、線状低密度ポリエチレン(「LLDPE」)、超低密度ポリエチレン(「ULDPE」)、超低密度ポリエチレン(「VLDPE」)、多成分エチレン系コポリマー(「EPE」)、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー(オレフィンブロックコポリマー(「OBC」)としても知られる)、シングルサイト触媒線状低密度ポリエチレン(「m-LLDPE」)、実質的に線状または線状のプラストマー/エラストマー、中密度ポリエチレン(「MDPE」)、および高密度ポリエチレン(「HDPE」)が挙げられる。概して、ポリエチレンは、チーグラーナッタ触媒などの不均一触媒システム、4族遷移金属およびメタロセン、非メタロセン金属中心、ヘテロアリール、ヘテロ原子アリールオキシエーテル、ホスフィンイミンなどの配位子構造を含む均一触媒システムを用いて、気相流動床反応器、液相スラリープロセス反応器、または液相溶液プロセス反応器で製造することができる。不均一系触媒および/または均一系触媒の組み合わせもまた、単一反応器または二重反応器の構成のいずれかに使用することができる。
【0008】
本明細書で「広MWD」という用語は、少なくとも55のI21/Iメルトインデックス比を有するポリマーを示すために使用される。様々な実施形態において、広MWDのエチレン系ポリマーは、少なくとも60、少なくとも65、または55から100、55から90、60から80、または65から75の範囲のI21/Iメルトインデックス比を有することができる。メルトインデックスは、ASTM D1238に準拠して決定される。ここで、I21は190℃において21.6キログラムの重りを使用して決定され、Iは190℃において2.16キログラムの重りを使用して決定される。
【0009】
本明細書で有用な広MWDのエチレン系ポリマーは、高密度エチレン系ポリマー(「HDPE」)である。HDPEは、ASTM D792に準拠して決定される、0.940g/cm超の密度を有するエチレン系ポリマーである。1つ以上の実施形態では、広MWDのHDPEは、少なくとも0.945g/cm、少なくとも0.950g/cm、0.950から0.985g/cm、0.955から0.970g/cm、0.955から0.965g/cm、0.960から0.963g/cmの範囲の密度を有することができる。
【0010】
様々な実施形態において、広MWDのHDPEは、ASTM D-1238(190℃/2.16kg)に準拠して決定される、0.1g/10分、または0.2g/10分、または0.3g/10分、または0.4g/10分~最大5.0g/10分、または4.0g/10分、または3.0g/10、分または2.0g/10分、または1.0g/10分の範囲のIメルトインデックスを有し得る。広MWDのHDPEは、40g/10分、または45g/10分、または50g/10分、または55g/10分~最大80g/10分、75g/10分70g/10分、65g/10分、または60g/10分の範囲のI21メルトインデックスを有し得る。
【0011】
様々な実施形態において、広MWDのHDPEは、単峰性ポリマーである。「単峰性ポリマー」は、分子量分布を示すゲル浸透クロマトグラフィー(「GPC」)で1つの明瞭なピークを有するポリマーである。
【0012】
本明細書での使用に適した広MWD HDPEは、上記の特性を有するポリエチレンを調製するための当技術分野で既知であるか、または今後発見される任意の方法によって調製することができる。様々な実施形態において、広MWD HDPEは、酸化クロム触媒を使用する気相重合によって調製することができる。
【0013】
市販の広MWD HDPEの例としては、The Dow Chemical Company(米国ミシガン州ミッドランド)から入手可能なUNIVAL(商標)DMDA-6400 NT 7が挙げられるが、これに限定されない。
【0014】
狭MWDのエチレン系ポリマー
上記のように、本開示のポリマー組成物は、狭MWDのエチレン系ポリマーを含む。「狭MWD」という用語は、本明細書では、50以下のI21/Iメルトインデックス比を有するポリマーを示すために使用される。様々な実施形態において、狭MWDのエチレン系ポリマーは、45以下、40以下、または20から50、25から45、30から40、または35から40の範囲のI21/Iメルトインデックス比を有することができる。
【0015】
本明細書で有用な狭MWDエチレン系ポリマーは、線状低密度エチレン系ポリマー(「LLDPE」)である。LLDPEは、一般に、不均一な分布のコモノマー(例えば、α-オレフィンモノマー)を有するエチレン系ポリマーであり、短鎖分岐によって特徴付けられる。例えば、LLDPEは、CからC20のα-オレフィンコモノマー等の、エチレンモノマーとα-オレフィンモノマーとのコポリマーであり得る。CからC20のα-オレフィンの例として、プロペン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、および1-オクタデセンが挙げられる。α-オレフィンは、シクロヘキサンまたはシクロペンタン等の環状構造も有し、3-シクロヘキシル-1-プロペン(アリルシクロヘキサン)およびビニルシクロヘキサン等のα-オレフィンをもたらし得る。一実施形態では、狭MWD LLDPEは、エチレンと、1-ブテン、1-ヘキセン、および1-オクテンからなる群から選択されるα-オレフィンとのコポリマーである。好ましい実施形態では、狭MWD LLDPEは、エチレンと1-ヘキセンのコポリマーである。
【0016】
本明細書での使用に適した狭MWD LLDPEは、0.910から0.925g/cm、0.915から0.925g/cm、0.917から0.923g/cm、または0.918から0.920g/cmの範囲の密度を有することができる。本明細書での使用に適した狭MWD LLDPEは、0.1g/10分、または0.2g/10分、または0.3g/10分、または0.4g/10分~5.0g/10分、または4.0g/10分、または3.0g/10分、または2.0g/10分、または1.0g/10分の範囲のIメルトインデックスを有することができ、10.0g/10分、または15.0g/10分、または20.0g/10分、または25g/10分、または30g/10分~50g/10分、または45g/10分、または40g/10分の範囲のI21メルトインデックス比を有することができる。
【0017】
様々な実施形態において、狭MWD LLDPEは、単峰性ポリマーである。
【0018】
本明細書での使用に適した狭MWD LLDPEは、上記の特性を有するポリエチレンを調製するための当技術分野で既知であるか、または今後発見される任意の方法によって調製することができる。様々な実施形態において、狭MWD LLDPEは、チーグラーナッタ触媒を使用する液相重合によって調製することができる。
【0019】
市販の狭MWD LLDPE(エチレン/1-ヘキサンコポリマー)の例としては、The Dow Chemical Company(米国ミシガン州ミッドランド)から入手可能なDOWLEX(商標)2645Gが挙げられるが、これに限定されない。
ポリマー組成物
【0020】
上記のように、広MWDの高密度エチレン系ポリマーと、狭MWDの線状低密度エチレン系ポリマーと、を含むポリマー組成物が提供される。広MWDのHDPEは、ポリマー組成物の総重量に基づいて、少なくとも50重量パーセント(「重量%」)の量で、または50~70重量%、または52~67重量%の範囲でポリマー組成物中に存在することができる。狭MWD LLDPEは、少なくとも25重量パーセントの量で、または25~45重量%、または28~42重量%の範囲でポリマー組成物中に存在することができる。
【0021】
ポリマー組成物は、ケーブル外被配合物に通常含まれる1つまたは複数の添加剤をさらに含むことができる。様々な実施形態において、ポリマー組成物は、カーボンブラックを含むことができ、これは、1重量%、または2重量%、または3重量%、または5重量%~7重量%、または9重量%、または10重量%のカーボンブラックの量で存在し得る。適切なカーボンブラックの非限定的な例は、DFNA-0037BKである。適切な添加剤の非限定的なさらなる例としては、酸化防止剤、着色剤、紫外線(UV)吸収剤または安定剤、ブロッキング防止剤、強化剤、難燃剤、相溶化剤、可塑剤、充填剤、加工助剤、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0022】
一実施形態では、ポリマー組成物は、酸化防止剤を含む。好適な酸化防止剤の非限定的な例としては、フェノール系酸化防止剤、チオ系酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤、およびヒドラジン系金属不活性化剤が挙げられる。さらなる実施形態では、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の総重量に基づいて、0.1重量%、または0.2重量%~0.3重量%の量で存在する、LOWINOX(商標)TBM-6などの酸化防止剤を含む。
【0023】
一実施形態では、ポリマー組成物は、充填剤を含む。適切な充填剤の非限定的な例としては、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、ホウ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、硫化亜鉛、有機粘土、およびこれらの組み合わせが挙げられる。充填剤は、難燃特性を有していても、または有していなくてもよい。
【0024】
一実施形態では、ポリマー組成物は、加工助剤を含む。好適な加工助剤の非限定的な例は、油、有機酸(ステアリン酸など)、および有機酸の金属塩(ステアリン酸亜鉛など)を含む。さらなる実施形態では、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の総重量に基づいて、0.01重量%、または0.02重量%~0.1重量%、または0.05重量%の量で存在する、DYNAMAR FX 5912などの加工助剤を含む。
【0025】
一実施形態では、ブレンドした組成物は、プロピレンを欠いているか、そうでなければプロピレンを含まない。
【0026】
ポリマー組成物は、当技術分野で既知であるか、または今後発見される任意のポリマー配合方法によって調製することができる。一実施形態では、ポリマー組成物は、広MWD HDPEと、狭MWD LLDPEと、上記の添加剤のいずれか1つまたは複数をブレンドすることによって調製することができる。一実施形態では、このブレンドは、溶融ブレンドによって行われる。「溶融ブレンド」は、それによって少なくとも2つの成分が組み合わされるか、そうでなければ一緒に混合され、成分のうちの少なくとも1つが溶融状態にあるプロセスである。溶融ブレンドは、バッチ混合、押出ブレンド、押出成形、およびこれらの任意の組み合わせによって達成することができる。
【0027】
得られるポリマー組成物は、少なくとも0.95g/cmの量、または0.951~0.965g/cm、または0.953~0.960g/cm、または0.953~0.958g/cmの範囲の密度を有することができる。
【0028】
得られるポリマー組成物は、0.1から2g/10分、0.2から1.5g/10分、または0.5から1.0g/10分の範囲のIメルトインデックスを有することができる。さらに、ポリマー組成物は、35から60g/10分、または40から55g/10分の範囲のI21メルトインデックスを有することができる。ポリマー組成物は、30から80、35から75、40から70、または45から65の範囲のI21/Iメルトインデックス比を有することができる。
【0029】
得られるポリマー組成物は、20から40メガパスカル(「MPa」)、または15から35MPAの範囲の引張強度を有することができる。さらに、得られるポリマー組成物は、700から1,100パーセント、または800から1,000パーセントの範囲の引張伸びを有することができる。引張特性は、以下の「試験方法」セクションで詳述されている試験方法に従って決定される。
【0030】
得られるポリマー組成物は、少なくとも500時間、少なくとも550時間、少なくとも600時間、少なくとも650時間、または少なくとも700時間のF20環境応力亀裂耐性(「ESCR」)を有することができる。ESCRは、以下の「試験方法」セクションで詳述されている試験方法に従って決定される。
被覆伝導体
【0031】
上述のように、上記ポリマー組成物は、被覆伝導体を作製する際に使用することができる。このプロセスは、毎秒1.02メートル(m/秒)(毎分200フィート(フィート/分))を超える速度で、伝導体(または伝導体上の介在層)上にポリマー組成物を押し出すことを含む。得られる伝導体コーティングは、80μインチ未満、70μインチ未満、60μインチ未満、50μインチ未満、40μインチ未満、30μインチ未満、20μインチ未満、または15μインチ未満の表面平滑性を有することができ、平滑性の値が低いほど、表面平滑性が向上する。さらに、得られる伝導体コーティングは、10から80μインチ、10から50μインチ、または13から35μインチの範囲の表面平滑性を有することができる。
【0032】
押出工程は、押出機によって行われる。押出機は、クロスヘッドダイを有し、これは所望の層(壁または被覆)の厚さを提供する。使用することができる押出機の非限定的な例としては、クロスヘッドダイ、冷却機、および連続巻取り装置で改造された単軸スクリュー型がある。典型的な単軸スクリュー型押出機は、その上流端にホッパーを、その下流端にダイを有するものとして記載することができる。ホッパーは、スクリューを含むバレル内に供給する。下流端には、スクリューの端部とダイとの間に、スクリーンパックとブレーカープレートがある。押出機のスクリュー部分は、供給セクション、圧縮セクション、および計量セクションの3つのセクション、ならびに上流から下流にかけての複数のセクションに伴う後部加熱域から前部加熱域までの複数の加熱域に分割されると考えられる。バレルの長さ対直径の比は、16:1から30:1の範囲内である。溝付きバレル押出機または二軸スクリュー押出機もまた、芯材被覆プロセスにおいて用いられ得る。外被押出プロセスは、160℃、または180℃、または200℃~220℃、または240℃、または260℃の範囲内の温度で行われ得る。クロスヘッドダイは、溶融したポリマー組成物が均一な速度で出て、伝導体に塗布されるように、ポリマー組成物を流動チャネルに分配する。このようにして、ブレンド(溶融ブレンド)および押出しは、同じ単一の押出機で行われる。伝導体は、クロスヘッドの中心を通過し、それが出る際に、ブレンド組成物の均一な層がチューブオン工具の圧力または半圧力のいずれかを用いて円周方向に塗布される。ポリマー組成物(または他の材料)の1つまたは複数の層は、複数のクロスヘッドを使用して塗布することができる。次いで、被覆伝導体を水トラフ内で十分に冷却して、巻取りリール上での塗布されたブレンド組成物層の変形を防ぎ、伝導体外被を得る。
【0033】
溶融ブレンドは、押出しの前に連続して行われてもよい。あるいは、溶融ブレンドは、押出しと同時に、または実質的に同時に行われてもよい(すなわち、溶融ブレンドおよび押出しは同じ押出機内で行われる)。カーボンブラックは、溶融ブレンド中および/または押出し中に添加され得る。
【0034】
押出速度は、1.02m/秒を超える(>200フィート/分)。一実施形態では、押出速度は、1.02m/秒超、または1.14m/秒、または1.27m/秒、または1.40m/秒~1.52m/秒、または1.65m/秒である。
【0035】
一実施形態では、ブレンド組成物からなるケーブル外被は、0.508mm、または0.762mm、または1.016mm、または1.27mm~1.524mm、または1.778mm、または2.032mm、または2.286mm、または2.54mmの厚さを有する。
【0036】
2ポリマーのポリマー組成物を利用する本プロセスは、同時に、伝導体外被のために許容できる表面平滑性(30から80μインチ)を達成し、外被の引張り強さおよび引張り伸びを向上させながら、向上した加工性(すなわち、1.02m/秒を超えるライン速度で押出する能力)を有利に提供する。さらに、2ポリマーのポリマー組成物は、広MWD HDPE樹脂単独、または広MWD HDPEと低濃度(例えば、20重量%未満)の狭MWD LLDPEとのブレンドと比較して、改善されたESCRを示す。
定義
【0037】
本明細書における元素周期表への全ての言及は、CRC Press,Inc.によって2003年に出版および著作権化されている元素周期表を指すものとする。また、族への全ての参照は、族の番号付けに関してIUPACシステムを使用するこの元素周期表に反映される族とする。反対のことが記載されないか、文脈から示唆されないか、または当該技術分野で慣習的でない限り、全ての部およびパーセントは、重量に基づく。米国の特許実務の目的上、本明細書で参照されるあらゆる特許、特許出願、または刊行物の内容は、特に合成技術、定義(本明細書で提供される任意の定義と矛盾しない範囲まで)、および当該術分野における一般知識の開示に関して、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる(またはそのように、それらの同等の米国版が参照により組み込まれる)。
【0038】
本明細書に開示される数値範囲は、下限値および上限値からの、それらを含む全ての値を含む。明確な値(例えば、1もしくは2、または3~5、または6、または7)を含有する範囲については、いずれかの2つの明確な数値間の任意の部分範囲が含まれる(例えば、1~2、2~6、5~7、3~7、5~6など)。
【0039】
別途記載がない限り、文脈から暗黙的に、または本技術分野において慣習的でない限り、全ての試験方法は本開示の出願日の時点で現行のものである。
【0040】
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、組成物を含む材料の混合物、ならびに組成物の材料から形成される反応生成物および分解生成物を指す。
【0041】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、およびそれらの派生語は、任意の追加の構成要素、ステップ、または手順の存在を、それらが具体的に開示されているか否かにかかわらず、除外することを意図するものではない。いかなる疑念も避けるために、「含む(comprising)」という用語の使用を通して特許請求される全ての組成物は、別段矛盾する記述がない限り、ポリマー性かまたは別のものであるかにかかわらず、いかなる追加の添加剤、アジュバント、または化合物を含んでもよい。対照的に、「から本質的になる」という用語は、操作性に必須ではないものを除き、任意の以降の記述の範囲から任意の他の成分、ステップ、または手順を除外する。「からなる」という用語は、具体的に描写または列挙されていない任意の成分、ステップ、または手順を排除する。
【0042】
「伝導体」は、熱、光、および/または電気を伝導するための、1つ以上のワイヤー、または1つ以上のファイバーである。伝導体は、単一ワイヤー/ファイバーもしくは複数ワイヤー/ファイバーであってもよく、または撚線の形態もしくは管状の形態であってもよい。好適な伝導体の非限定的な例としては、炭素、銀、金、銅、およびアルミニウムなどの様々な金属が挙げられる。伝導体はまた、ガラスまたはプラスチックのいずれかから作製された光学ファイバーであり得る。伝導体は、保護シース内に配置されてもされなくてもよい。「ケーブル」は、2つ以上のワイヤー、または2つ以上の光ファイバーが束ねられ、任意選択で、一般的な絶縁被覆内で束ねられている伝導体である。被覆内部の個々のワイヤーまたはファイバーは、露出していても、被覆されていても、または絶縁されてもよい。組み合わせケーブルは、電気ワイヤーおよび光ファイバーの両方を含有し得る。ケーブルは、低、中、および/または高電圧用途のために設計され得る。
【0043】
「外被」は、伝導体の最も外側の被覆である。
【0044】
「線状低密度ポリエチレン」(または「LLDPE」)は、エチレン由来の単位と、少なくとも1つのC~C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC~Cα-オレフィンコモノマー由来の単位とを含む、不均一短鎖分岐分布を含有する線状エチレン/α-オレフィンコポリマーである。LLDPEは、従来のLDPEとは対照的に、長鎖分岐があるとしてもわずかであることを特徴とする。LLDPEは、0.910g/cc~0.925g/ccの密度を有する。LLDPEの非限定的な例としては、TUFLIN(商標)ポリエチレン樹脂(The Dow Chemical Companyから入手可能)、DOWLEX(商標)ポリエチレン樹脂(The Dow Chemical Companyから入手可能)、およびMARLEX(商標)ポリエチレン(Chevron Phillipsから入手可能)が挙げられる。
【0045】
インデックI21/Iまたは「I21/I比」。I21/I比は、高剪断速度および低剪断速度での粘度比の間接的な尺度であり、それぞれが加工性に著しく影響する、分子量分布ならびに長鎖分岐の存在の両方に関連する剪断減粘性挙動を示す。一般に、長鎖分岐を含有するポリエチレンは、高い溶融強度を有し、高剪断速度条件下で低い粘度を示し、長鎖分岐をほとんどまたは全く有さないポリエチレンと比較して、高い加工速度を可能にする。
【0046】
「ポリマー」は、同一の種類または異なる種類であるかにかかわらず、重合モノマーによって調製される化合物であり、重合形態で、ポリマーを成す複数ならびに/または反復「単位」もしくは「構造単位」を提供する。したがって、ポリマーという総称は、1つのタイプのモノマーのみから調製されたポリマーを指すために通常用いられるホモポリマーという用語、および少なくとも2つのタイプのモノマーから調製されたポリマーを指すために通常用いられるコポリマーという用語を包含する。また、例えば、ランダム、ブロック等の全ての形態のコポリマーも包含する。「エチレン/α-オレフィンポリマー」および「プロピレン/α-オレフィンポリマー」という用語は、エチレンまたはプロピレンを、それぞれ1種以上の追加の重合可能なα-オレフィンモノマーと重合させることにより調製される、上述のようなコポリマーを示す。ポリマーは、多くの場合、特定のモノマーまたはモノマーの種類に「基づいて」、特定のモノマー含有量を「含む」など、1つ以上の特定のモノマー「から作られる」ものと言及されるが、この文脈では、「モノマー」という用語は、特定されたモノマーの重合残留物を指し、非重合種には言及していないことが理解されることに留意されたい。一般に、本明細書におけるポリマーは、対応するモノマーの重合形態である「単位」に基づくものと称される。
【0047】
例として、限定するものではないが、本開示の実施例を提供する。
【実施例
【0048】
試験方法
密度密度は、立方センチメートル当たりのグラム数で報告された値とASTM D792に準拠して測定される(g/ccまたはg/cm)。
【0049】
環境応力亀裂耐性50℃および75ミルの10%イゲパル溶液中で、ASTM D1693に準拠してESCRを決定する。
【0050】
メルトインデックスメルトインデックスは、ASTM D1238に準拠して決定される。ここで、I21は190℃において21.6キログラムの重りを使用して決定され、I10は190℃において10キログラムの重りを使用して決定され、Iは190℃において2.16キログラムの重りを使用して決定され、I0.5は190℃において0.5キログラムの重りを使用して決定される。
【0051】
サイクリックシュリンクバック
周期的な温度収縮が、40℃から100℃までの0.5℃/分の温度傾斜の速度でオーブン内で調整され、100℃で60分間保持され、その後、温度を0.5℃/分の速度で40℃に戻し、40℃で20分間保持したワイヤー試験片(伝導体を取り外した状態)に対して実施される。定規(1/16インチ(0.0625インチまたは1.59 mm)の精度)を使用して行われる収縮測定の前に、温度サイクルを5サイクル繰り返す。試験方法は、IEC 60811-503(シースの収縮試験)に準拠している。
【0052】
表面平滑性伝導体外被の表面平滑度は、Surftest SV-400シリーズ178表面テクスチャ測定装置を介して、ANSI 1995に準拠して測定される。ワイヤー試料をVブロックに置いて、スタイラス(10urn)を特定の開始位置まで下げる(約1グラムの力をワイヤーに加える)。2(ミリメートル毎秒)の固定速度で、スタイラスを横方向に動かして測定する。ワイヤー試料当たり4つの読み取り値および4つの試料を試験し、次いでそれらをμインチで報告される値で平均する。
【0053】
引張り特性本組成物は、それらの破断点引張り強さ(メガパスカル、MPa)および破断点伸び(%)(「TE」)によって特徴付けることができる。引張り強さ(「TS」)および破断点伸びは、ASTM D4703に準拠して調製される圧縮成形試料について、ASTM D638試験手順に準拠して測定される。破断点伸び(Elongation at break)、または破断点伸び(Elongation to break)は、破断したときの、パーセントで示される試料のひずみである。
材料
【0054】
以下の実施例で使用される材料を、以下の表1に提供する。
【表1】
例1-実験室で作成された試料とミニワイヤー押し出し
【0055】
ワイヤー試料を作製する前に、比較試料CS1~CS7および試料S1~S3を、まず実験室規模のブラベンダー(Brabender)混合器内で混合する。250ccの容量を有するブラベンダーミキシングボウルおよびカム型ミキシングブレードを使用して、試料を溶融混合する。混合器温度を、180℃に設定する。混合プロセスは、最初に毎分15回転(rpm)の混合速度で、ミキシングボウルに樹脂を加えることを含む。両方の加熱域を、180℃に設定する。樹脂が溶融し始めた後、カーボンブラックマスターバッチ、加工助剤、および酸化防止剤を加え、50rpmで6分間混合する。次いで、溶融材料を取り出し、マイラーシートの間に置き、Wabash圧縮成形プレスを用いて室温(23℃)でシートにプレスする。試料をペレット化するために、Berlynペレタイザーを使用する。
【0056】
Brabender Mini-Wireラインを用いて、14ゲージ銅ワイヤー上に、各材料に対して、被覆されたワイヤー押出しを行う。機械設定を以下の表2に示す。この装置を用いて、1.63mm(0.064インチ)直径の14 AWGの固体銅伝導体上に、最終直径約0.125インチ、壁厚約0.03インチの試料を生成する。押出し後、表面平滑度をプロフィロメータで測定する。
【表2】
【0057】
比較試料CS1~CS7と試料S1~S3は、以下の表3に示されている配合を使用して調製され、上記の試験方法を使用して試験される。表3に示されている成分濃度は、それぞれの試料の総重量に基づいた重量パーセントである。定性的平滑性は、視覚的に決定される。結果を表3に示す。
【表3】
例2-パイロットプラントの配合試料と標準のワイヤー押し出し
【0058】
比較試料CS8~CS10および試料S4~S6を、バンバリーミキサー/メルトフィードペレット化押出機配合ラインを使用して調製する。バンバリーシステムによって、通常は、調合温度が非常に良好に制御される。175℃の低下温度を有する3段階混合サイクルが使用される。
【0059】
CS8~CS10およびS4~S6の絶縁ワイヤー押出試験は、6.35cm(2.5インチ)のDavis標準ワイヤーラインで完了される。6.35cmのDavis Standardワイヤーおよびケーブル押出機は、24:1のL/Dバレルを備えている。押出機は、3:1の圧縮比を有するポリエチレン型のMaddox混合ヘッドスクリューを用いて設定される。この押出機からの吐出物は、調整可能な中央クロスヘッド内の9/32インチ×5/8インチのGuill型を通り、さらに特定のチューブ先端部およびコーティングダイを通って流れて、試料押出のための溶融体流動を形成する。この装置を用いて、14 American Wire Gauge(AWG)の固体銅伝導体(直径1.63mm/0.064インチ)上に、最終直径約2.9mm(0.114インチ)、壁厚約0.635mm(0.025インチ)を有する試料を生成する。
【0060】
比較試料CS8~CS10と試料S4~S6は、以下の表4に示されている配合を使用して調製され、上記の試験方法を使用して試験される。表4に示されている成分濃度は、それぞれの試料の総重量に基づいた重量パーセントである。定性的平滑性は、視覚的に決定される。結果を表4に示す。
【表4】
【0061】
本開示は、本明細書に含まれる実施形態および図に限定されず、実施形態の一部分、および以下の特許請求の範囲の範囲に含まれる異なる実施形態の要素の組み合わせを含む、これらの実施形態の改変形態を含むことが特に意図される。