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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】蓄電装置およびその車両搭載構造
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/242 20210101AFI20231227BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20231227BHJP
   H01M 50/264 20210101ALI20231227BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20231227BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20231227BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M50/209
H01M50/264
H01M50/249
B60K1/04 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021116421
(22)【出願日】2021-07-14
(65)【公開番号】P2023012759
(43)【公開日】2023-01-26
【審査請求日】2022-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小村 哲司
【審査官】渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-125251(JP,A)
【文献】特開2012-018797(JP,A)
【文献】特開2017-111893(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数の第1蓄電セルを収納する第1ケースと、
積層された複数の第2蓄電セルを収納する第2ケースとを備え、
前記第1ケースは、第1方向に延びる第1補強部を有し、
前記第2ケースは、前記第1方向に交差する第2方向に延びる第2補強部を有し、
前記第1ケースおよび前記第2ケースは、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に沿って重ねて設けられ、互いに接合される、蓄電装置。
【請求項2】
前記第1ケースは第1底面を有し、前記第1補強部は前記第1底面から突出するように設けられ、
前記第2ケースは第2底面を有し、前記第2補強部は前記第2底面から突出するように設けられる、請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記第1方向と前記第2方向とは略直交する、請求項1または請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記第1補強部は、前記第1方向に沿って前記第1ケースの幅方向全体にわたって延び、
前記第2補強部は、前記第2方向に沿って前記第2ケースの幅方向全体にわたって延びる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記複数の第1蓄電セルは前記第1ケースの壁部に直接支持され、
前記複数の第2蓄電セルは前記第2ケースの壁部に直接支持される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記第1方向に沿って前記複数の第1蓄電セルを拘束する第1拘束部材と、
前記第2方向に沿って前記複数の第2蓄電セルを拘束する第2拘束部材とをさらに備え、
前記第1補強部は前記第1拘束部材を含み、
前記第2補強部は前記第2拘束部材を含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記第1ケースと前記第2ケースとは溶接により接合される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項8】
前記第1ケースおよび前記第2ケースの少なくとも一方は、凹凸部を含む端面を有し、
前記端面に形成された接着部により前記第1ケースおよび前記第2ケースが接合される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項9】
前記第1ケースおよび前記第2ケースの少なくとも一方は、傾斜面を含む端面を有し、
前記傾斜面の先端側に溶接部が形成される、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項10】
前記第1ケースおよび前記第2ケースの少なくとも一方は、前記第1ケースおよび前記第2ケースの外側に向けて突出するフランジ部を有し、
前記フランジ部に溶接部が形成される、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項11】
前記フランジ部は段差部を含む、請求項10に記載の蓄電装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の蓄電装置を車両に搭載する構造であって、
前記第1方向が前記車両の前後方向であり、前記第2方向が前記車両の幅方向である、車両搭載構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、蓄電装置およびその車両搭載構造に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電装置(電池パック)の車両搭載構造として、たとえば(特開2012-101663号公報)および特開2016-132314号公報(特許文献2)に記載のものが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-101663号公報
【文献】特開2016-132314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓄電装置の耐振動性を向上させることが求められる。他方、耐振動性を向上させるための補強構造を設けることにより、ケース内におけるセルの収容効率が低下し得る。この結果、蓄電装置が大型化し、エネルギー密度も低下することが懸念される。従来の補強構造は、上記懸念を解消し得るものとして、必ずしも十分なものではない。
【0005】
本技術の目的は、エネルギー密度の向上および小型化が図られるとともに、耐振動性が向上した蓄電装置およびその車両搭載構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術に係る蓄電装置は、積層された複数の第1蓄電セルを収納する第1ケースと、積層された複数の第2蓄電セルを収納する第2ケースとを備える。第1ケースは、第1方向に延びる第1補強部を有し、第2ケースは、第1方向に交差する第2方向に延びる第2補強部を有する。第1ケースおよび第2ケースは、第1方向および第2方向に交差する第3方向に沿って重ねて設けられ、互いに接合される。
【発明の効果】
【0007】
本技術によれば、エネルギー密度の向上および小型化が図られるとともに、耐振動性が向上した蓄電装置およびその車両搭載構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電池セルを示す図である。
図2】実施の形態1に係る電池パックの第1ケースを示す斜視図である。
図3】実施の形態1に係る電池パックの第2ケースを示す斜視図である。
図4】実施の形態1に係る電池パックの第1ケースに電池セルを収納した状態を示す上面図である。
図5】実施の形態1に係る電池パックの第2ケースに電池セルを収納した状態を示す上面図である。
図6】実施の形態1に係る電池パックの断面図である。
図7】実施の形態2に係る電池パックの第1ケースに電池セルを収納した状態を示す上面図である。
図8】実施の形態2に係る電池パックの第2ケースに電池セルを収納した状態を示す上面図である。
図9】実施の形態3に係る電池パックの第1ケースに電池セルを収納した状態を示す上面図である。
図10】実施の形態3に係る電池パックの第2ケースに電池セルを収納した状態を示す上面図である。
図11】ケースおよび電池セルの部分拡大図(その1)である。
図12】ケースおよび電池セルの部分拡大図(その2)である。
図13】第1ケースおよび第2ケースの接合構造の例(その1)を示す図である。
図14】第1ケースおよび第2ケースの接合構造の例(その2)を示す図である。
図15】第1ケースおよび第2ケースの接合構造の例(その3)を示す図である。
図16図15に示す接合構造に接着部を設けた状態を示す図である。
図17】第1ケースおよび第2ケースの接合構造の例(その4)を示す図である。
図18図17に示す接合構造に接着部を設けた状態を示す図である。
図19】第1ケースおよび第2ケースの接合構造の例(その5)を示す図である。
図20】第1ケースおよび第2ケースの接合構造の例(その6)を示す図である。
図21】第1ケースおよび第2ケースの接合構造の例(その7)を示す図である。
図22】第1ケースおよび第2ケースの接合構造の例(その8)を示す図である。
図23】電池パックの製造工程を示すフロー図である。
図24図23のフロー図を説明するための図(その1)である。
図25図23のフロー図を説明するための図(その2)である。
図26図23のフロー図を説明するための図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本技術の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
【0010】
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本技術の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本技術にとって必ずしも必須のものではない。また、本技術は、本実施の形態において言及する作用効果を必ずしもすべて奏するものに限定されない。
【0011】
なお、本明細書において、「備える(comprise)」および「含む(include)」、「有する(have)」の記載は、オープンエンド形式である。すなわち、ある構成を含む場合に、当該構成以外の他の構成を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0012】
また、本明細書において幾何学的な文言および位置・方向関係を表す文言、たとえば「平行」、「直交」、「斜め45°」、「同軸」、「沿って」などの文言が用いられる場合、それらの文言は、製造誤差ないし若干の変動を許容する。本明細書において「上側」、「下側」などの相対的な位置関係を表す文言が用いられる場合、それらの文言は、1つの状態における相対的な位置関係を示すものとして用いられるものであり、各機構の設置方向(たとえば機構全体を上下反転させる等)により、相対的な位置関係は反転ないし任意の角度に回動し得る。
【0013】
本明細書において、「電池」は、リチウムイオン電池に限定されず、ニッケル水素電池など他の電池を含み得る。本明細書において、「電極」は正極および負極を総称し得る。また、「電極板」は正極板および負極板を総称し得る。
【0014】
本明細書において、「蓄電セル」ないし「蓄電装置」なる用語が用いられる場合、「蓄電セル」ないし「蓄電装置」は電池セルないし電池モジュールに限定されず、たとえばキャパシタを含み得る。
【0015】
図1は、電池セル10を示す図である。図1に示すように、電池セル10は、平坦面状の略直方体形状に形成されている。電池セル10は、Y軸方向に積層される。電極端子11は、正極端子11Aと、負極端子11Bとを含む。正極端子11Aと負極端子11Bとは、X軸方向に並ぶ。電極端子11は、角型の筐体12の上面に設けられている。筐体12の上面および底面は、X軸方向が長辺方向、Y軸方向が短辺方向となるような略長方形形状を有する。筐体12には、電極体および電解液が収容されている。
【0016】
(実施の形態1)
図2図3は、各々、実施の形態1に係る電池パックの第1ケース100および第2ケース200を示す斜視図である。
【0017】
図2に示すように、第1ケース100は、本体110と、DR1方向(第1方向)に延びるリブ120(第1補強部)とを有する。リブ120は、第1ケース100の本体110の底面(第1底面)から突出するように設けられる。リブ120は、DR1方向に沿って第1ケース100の幅方向全体にわたって延びる。
【0018】
図3に示すように、第2ケース200は、DR1方向に略直交(交差)するDR2方向に延びるリブ220(第2補強部)を有する。DR1方向とDR2方向との交差は、必ずしも直交に限定されない。リブ220は、第2ケース200の本体210の底面(第2底面)から突出するように設けられる。リブ220は、DR2方向に沿って第2ケース200の幅方向全体にわたって延びる。リブ220は、DR1方向に並ぶように設けられた3つのリブ221,222,223を含む。
【0019】
図4図5は、各々、第1ケース100および第2ケース200に電池セル10を収納した状態を示す上面図である。
【0020】
図4に示すように、第1ケース100は、積層された複数の電池セル10A(第1蓄電セル)を収納する。第1ケース100の本体110は、DR1方向の両端に位置する第1壁面111と、DR2方向の両端に位置する第2壁面112とを有する。端部の電池セル10Aは、第1ケース100の第1壁面111(壁部)に直接支持される。
【0021】
図5に示すように、第2ケース200は、積層された複数の電池セル10B(第2蓄電セル)を収納する。第2ケース200の本体210は、DR1方向の両端に位置する第1壁面211と、DR2方向の両端に位置する第2壁面212とを有する。端部の電池セル10Bは、第2ケース200の第2壁面212(壁部)に直接支持される。
【0022】
このように、本実施の形態においては、電池セル10(10A,10B)の積層方向とリブ120,220の延在方向とが同じである。
【0023】
図6は、本実施の形態に係る電池パックの断面図である。図6に示すように、第1ケース100および第2ケース200は、DR1方向およびDR2方向に交差するDR3方向(第3方向)に沿って重ねられる。複数の電池セル10(10A,10B)の間には、絶縁性のセパレータ20が各々設けられている。
【0024】
重ねられた第1ケース100および第2ケース200は、互いに接合される。典型的な一例として、第1ケース100と第2ケース200とは溶接により接合されるが、第1ケース100と第2ケース200との接合の形態は溶接に限定されない。また、第1ケース100および第2ケース200に加えて、他のケースがさらに重ねられてもよい。
【0025】
本実施の形態に係る電池パックは、DR1方向に延びるリブ120を有する第1ケース100と、DR2方向に延びるリブ220を有する第2ケース200とが接合された構造を有する。本構造においては、DR1方向の剛性をリブ120により向上させ、DR2方向の剛性はリブ220により向上させることができる。したがって、各ケースには一方向(DR1方向およびDR2方向)のリブ(リブ120またはリブ220)を設けるだけであっても、直交する二方向(DR1方向およびDR2方向)の耐振動性を向上させることが可能である。この結果、電池セル10の収容効率を向上させ、エネルギー密度の向上および小型化を図りながら電池パックの耐振動性を向上させることが可能となる。
【0026】
(実施の形態2)
図7図8は、各々、実施の形態2に係る電池パックの第1ケース100および第2ケース200に電池セル10を収納した状態を示す上面図である。
【0027】
図7に示すように、第1ケース100は、本体110と、DR1方向(第1方向)に延びるリブ120(第1補強部)とを有する。第1ケース100は、DR2方向に積層された複数の電池セル10A(第1蓄電セル)を収納する。
【0028】
図8に示すように、第2ケース200は、本体210と、DR2方向(第2方向)に延びるリブ220(第2補強部)とを有する。第2ケース200は、DR1方向に積層された複数の電池セル10B(第2蓄電セル)を収納する。
【0029】
このように、本実施の形態においては、電池セル10(10A,10B)の積層方向とリブ120,220の延在方向とが略直交する。
【0030】
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、DR1方向の剛性をリブ120により向上させ、DR2方向の剛性はリブ220により向上させることができる。したがって、各ケースには一方向(DR1方向およびDR2方向)のリブ(リブ120またはリブ220)を設けるだけであっても、直交する二方向(DR1方向およびDR2方向)の耐振動性を向上させることが可能である。この結果、電池セル10の収容効率を向上させ、エネルギー密度の向上および小型化を図りながら電池パックの耐振動性を向上させることが可能となる。
【0031】
(実施の形態3)
図9図10は、各々、実施の形態3に係る電池パックの第1ケース100および第2ケース200に電池セル10を収納した状態を示す上面図である。
【0032】
図9図10に示すように、本実施の形態に係る電池パックは、DR1方向に沿って複数の電池セル10Aを拘束する拘束部材30A(第1拘束部材)と、DR2方向に沿って複数の電池セル10Bを拘束する拘束部材30B(第2拘束部材)とを含む。拘束部材30A,30Bは、複数の電池セル10A,10Bの両端に設けられたエンドプレート40A,40Bに固定される。
【0033】
拘束部材30A,30Bおよびエンドプレート40A,40Bを含む組電池を製造する際は、まず、複数の電池セル10A,10BをY軸方向に沿って積層する。次に、積層された複数の電池セル10A,10Bの両端にエンドプレート40A,40Bが設けられる。そして、複数の電池セル10およびエンドプレート40A,40Bが、拘束部材30A,30BによってY軸方向に拘束される。このように構成された組電池は、第1ケース100および第2ケース200の内部に固定される。
【0034】
本実施の形態においては、実施の形態1,2において説明したリブ120,220が設けられていない。しかし、DR1方向に延びる拘束部材30Aが、リブ120と同様に「第1補強部」として機能し得る。また、DR2方向に延びる拘束部材30Bが、リブ220と同様に「第2補強部」として機能する。したがって、リブ120,220を設けることなく直交する二方向(DR1方向およびDR2方向)の耐振動性を向上させることが可能である。この結果、電池セル10の収容効率を向上させ、エネルギー密度の向上および小型化を図りながら電池パックの耐振動性を向上させることが可能となる。
(ケースの形状)
図11図12は、ケースおよび電池セルの部分拡大図である。
【0035】
図11の例では、電池セル10を直接支持する第1壁面111の厚み(T1)を第2壁面112の厚み(T2)よりも厚く形成している。このようにすることで、電池セル10からの反力を受ける第1壁面111の強度を向上させることができる。
【0036】
図12の例では、電池セル10を直接支持する第1壁面111に空洞113を形成している。このようにすることで、第1ケース100と第2ケース200とを溶接により接合するときに発生する熱が電池セル10に伝達しにくくなり、電池セル10への熱影響を低減することが可能となる。
【0037】
(ケースの接合構造)
図13図22は、第1ケース100および第2ケース200の接合構造の例を示す図である。
【0038】
図13の例において、第1ケース100および第2ケース200は、第1ケース100および第2ケース200の外側に向けて突出するフランジ部1を有する。フランジ部1どうし、またはフランジ部1と上蓋300とがボルト締結部2により接合される。
【0039】
図14の例において、第1ケース100、第2ケース200、および上蓋300は、接着部3により接合される。
【0040】
図15図16の例においても、第2ケース200と上蓋300とが接着部3により接合される。ここで、接着部3が形成される第2ケース200の端面は、凹凸部4を有する。
【0041】
図17図18の例においても、第2ケース200と上蓋300とが接着部3により接合される。ここで、接着部3が形成される第2ケース200の端面は、凹部5を有する。上蓋300の凹部5に対向する位置には、凸部6が形成される。凸部6は、凹部5内に収まる。
【0042】
図15図18の例のように、第2ケース200と上蓋300との接合面に凹凸部を設けることにより、接合面に接着剤が確実に残り、接着強度を確保することができる。また、凹凸部により接着面積が増大するため、接着強度を向上させることができる。
【0043】
図15図18に示す凹凸構造は、第1ケース100と第2ケース200との接合面に適用されてもよい。
【0044】
図19の例において、第1ケース100、第2ケース200、および上蓋300は、溶接部7により接合される。
【0045】
図20の例においても、第2ケース200と上蓋300とが溶接部7により接合される。ここで、溶接部7が形成される第2ケース200の端面は、傾斜面8を有する。傾斜面8は、第2ケース200の外側から内側に向かって上蓋300の下面(対向面)から離れるように傾斜する。溶接部7は、傾斜面8の先端側、すなわち第2ケース200の外側から形成される。このようにすることで、溶接部7が形成される第2ケース200と上蓋300とを近づけることができるので、溶接を確実に行うことができる。
【0046】
図20に示す傾斜面8は、第1ケース100と第2ケース200との接合面に適用されてもよい。
【0047】
図21の例においても、第1ケース100、第2ケース200、および上蓋300は、溶接部7により接合される。溶接部7は、第1ケース100および第2ケース200のフランジ部1に形成される。
【0048】
図21に示すように、下側に位置する部材にフランジ部1を形成することで、溶接部7を上側から形成することができるので、溶接の作業性が向上する。
【0049】
図22の例においても、フランジ部1に溶接部7が形成される。ここで、フランジ部1には段差部9が形成されている。段差部9により、溶接される部材の位置決めを行うことができる。
【0050】
(製造工程)
図23は、電池パックの製造工程を示すフロー図である。図24図26は、図23中の各工程の状態を示す図である。なお、図24図26においては、図示および説明の便宜上、第1ケース100のみを示すが、第2ケース200についても同様である。
【0051】
図23図26に示すように、電池パックの製造工程は、第1ケース100の底面100Aに接着剤を塗布する工程(S10:図24)と、第1ケース100に電池セル10を挿入する工程(S20:図25)と、バスバーおよび電圧検出線が取り付けられたバスバープレート50を電池セル10上に挿入する工程(S30:図26)と、電池セル10の電極端子とバスバーとを締結する工程(S40)と、外部接続用のコネクタ60を締結する工程(S50:図26)と、第1ケース100と第2ケース200とを積層して固定する工程(S60)と、上蓋300を取り付ける工程(S70)とを備える。
【0052】
図24図25に示すように、コネクタ60を設けるための孔部100Bは、電池セル10の積層方向(Y軸方向)に対して垂直な方向に開口する。
【0053】
(車両への搭載)
以上に説明した電池パックは、車両に搭載することが可能である。このとき、たとえばDR1方向を車両の前後方向とし、DR2方向を車両の幅方向とすることができる。このようにすることで、車両の前後方向および幅方向における耐振動性が高い車両搭載構造が得られる。
【0054】
以上、本技術の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本技術の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0055】
1 フランジ部、2 ボルト締結部、3 接着部、4 凹凸部、5 凹部、6 凸部、7 溶接部、8 傾斜面、9 段差部、10,10A,10B 電池セル、11 電極端子、11A 正極端子、11B 負極端子、12 筐体、20 セパレータ、30A,30B 拘束部材、40A,40B エンドプレート、50 バスバープレート、60 コネクタ、100 第1ケース、100A 底面、100B 孔部、110 本体、111 第1壁面、112 第2壁面、113 空洞、120,121,122 リブ、200 第2ケース、210 本体、211 第1壁面、212 第2壁面、220,221,222,223 リブ、300 上蓋。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26