(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】ネクローシス阻害剤としてのヘテロアリール化合物、それを用いた組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
C07D 417/14 20060101AFI20231227BHJP
A61K 31/4365 20060101ALI20231227BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20231227BHJP
A61K 31/4709 20060101ALI20231227BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20231227BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20231227BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20231227BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231227BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20231227BHJP
C07D 495/04 20060101ALI20231227BHJP
C07D 513/04 20060101ALI20231227BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
C07D417/14 CSP
A61K31/4365
A61K31/437
A61K31/4709
A61P3/00
A61P25/00
A61P29/00
A61P35/00
C07D471/04 104Z
C07D471/04 106C
C07D471/04 107Z
C07D495/04 105A
C07D513/04 301
C07D519/00 301
C07D519/00 311
(21)【出願番号】P 2021540061
(86)(22)【出願日】2020-01-11
(86)【国際出願番号】 US2020013258
(87)【国際公開番号】W WO2020146858
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-10-24
(31)【優先権主張番号】201910026967.X
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518445595
【氏名又は名称】ヂャン, シャオフー
(73)【特許権者】
【識別番号】521542487
【氏名又は名称】アクロ バイオサイエンス (エイチケー) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン, シャオフー
(72)【発明者】
【氏名】フー, スーダン
(72)【発明者】
【氏名】マー, ハイクォ
【審査官】藤代 亮
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-502423(JP,A)
【文献】REGISTRY(STN)[online],[検索日 2023.09.20],2012年,CAS Registry Number: 1414839-97-6
【文献】REGISTRY(STN)[online],[検索日 2023.09.20],2012年,CAS Registry Number: 1414839-88-5
【文献】REGISTRY(STN)[online],[検索日 2023.09.20],2012年,CAS Registry Number: 1414839-76-1
【文献】REGISTRY(STN)[online],[検索日 2023.09.20],2012年,CAS Registry Number: 1414839-62-5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 417/14
A61K 31/4365
A61K 31/437
A61K 31/4709
A61P 3/00
A61P 25/00
A61P 29/00
A61P 35/00
C07D 471/04
C07D 495/04
C07D 513/04
C07D 519/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)の化合物、又はその立体異性体、水和物
、溶媒和物、共結晶
、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩。
【化1】
(式中、
A
1、A
2及びA
3は独立してN又はCR
2であり、
X
1、X
2及びX
3は独立してN又はCR
3であり、
G
1及びG
2は独立してN又はCであり、
V
1及びV
2は独立してN、O、S、NR
4又はCR
4であり、
W
1はV
3
又はV
4-V
5
であり、V
3
はCR
5
であり、V
4及びV
5は独立してN、O、S又はCR
5であ
って、V
4
及びV
5
の一方はCR
5
であり、V
4はV
1と結合し、V
5はV
2と結合し、
W
2はV
6又はV
7=V
8であり、V
6、V
7、及びV
8は独立してN、O、S、NR
6又はCR
6であり、V
7はZと結合し、V
8はYと結合し、
YはN、O、S、S(=O)、S(=O)
2、NR
6又はCR
6であり、
ZはC又はNであり、ZがNである場合、V
6とYはNR
6ではなく、
Lは化学結合、O、S、NR
11又はCR
11R
12であり、
R
1は、C
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル、C
6-12スピロ環、フェニル、1~3個のヘテロ原子を有する5~6員ヘテロアリール、1~3個のヘテロ原子を有する3~8員複素環基又は1~3個のヘテロ原子を有する6~12員スピロ複素環基であり、それらはいずれも非置換であるか、又は1~3個のR
9基により置換されており、各ヘテロ原子は独立してN、O又はSであり、
各R
2、R
3、R
4、及びR
6は独立して、H、重水素、ハライド、-CN、-OH、アミノ、C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキルアミノ、C
1-6アルキルチオ、C
3-6シクロアルキル、C
1-6アルキル、1~3個のヘテロ原子を有する3~8員複素環基、フェニル、又は1~3個のヘテロ原子を有する5~6員ヘテロアリールからなる群より選ばれ、前記C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキルアミノ、C
1-6アルキルチオ、C
3-6シクロアルキル、C
1-6アルキル、3~8員複素環基、フェニル、及び5~6員ヘテロアリールはそれぞれ非置換であるか、又は1~3個の、重水素、ハライド、C
1-3アルキル若しくはC
1-3アルコキシにより置換されており、各ヘテロ原子は独立してN、O又はSであり、
R
5
はNR
7R
8であり、
R
7は水素原子、C
1-6アルキル又はC
3-6シクロアルキルであり、
R
8
はC(=O)R
10、C(=O)NR
10R
11
又はC(=O)OR
10
であり、
R
9は、H、重水素、ハライド、-OH、オキシ、-CN、アミノ、C
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキル又はC
1-6アルコキシであり、前記C
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキル、及びC
1-6アルコキシはそれぞれ非置換であるか、又は重水素、ハライド及びC
1-3アルキルからなる群より選ばれる1~3基により置換されており、
R
10、及びR
13はそれぞれ独立して、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-6シクロアルキル、フェニル、1~3個のヘテロ原子を有する3~6員複素環基、又は1~3個のヘテロ原子を有する5~6員ヘテロアリールであり、前記C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-6シクロアルキル、フェニル、3~6員複素環基及び5~6員ヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又は重水素、ハライド、-CN、-OH、-CF
3、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、C
3-6シクロアルキル及び1~3個のヘテロ原子を有する5~6員複素環基からなる群より選ばれる1~3基により置換されており、各ヘテロ原子は、独立してN、O又はSであり、
あるいは、R
10及びR
13はそれらに結合したN原子と共に4~6員環を形成し、
あるいは、R
10及びR
4はそれらに結合した隣接する原子と共に5~6員環を形成し、
R
11及びR
12は独立して、H、ハライド、-OH、C
1-3アルキル又はC
1-6アルコキシである。)
【請求項2】
Lは化学結合、CH
2、O又はNHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
部分基
【化2】
は、下記基からなる群より選ばれる、請求項1又は2に記載の化合物。
【化3】
【請求項4】
部分基
【化4】
は、下記基からなる群より選ばれ、
【化5】
前記部分基
【化6】
は、非置換であるか又は1若しくは3個のR
14基より置換されており、
前記R
14は独立して重水素、ハライド、-CN、-OH、アミノ、C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキルチオ、C
3-6シクロアルキル又はC
1-6アルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
前記R
1は、下記基からなる群より選ばれる、請求項1又は2に記載の化合物。
【化7】
【請求項6】
前記R
8は、下記基からなる群より選ばれる、請求項1又は2に記載の化合物。
【化8】
【請求項7】
下記化合物からなる群より選ばれる、請求項1に記載の化合物。
【化9】
【化10】
【請求項8】
部分基
【化11】
は、下記基からなる群より選ばれる、請求項1
又は2に記載の化合物。
【化12】
【請求項9】
部分基
【化13】
は、下記基からなる群より選ばれ、
【化14】
前記部分基
【化15】
は、非置換であるか又は1若しくは3個のR
14基により置換されており、
前記R
14は独立して重水素、ハライド、-CN、-OH、アミノ、C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキルチオ、C
3-6シクロアルキル又はC
1-6アルキルである、請求項1~
3のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
前記R
1は、下記基からなる群より選ばれる、請求項1~
4のいずれかに記載の化合物。
【化16】
【請求項11】
前記R
8は、下記基からなる群より選ばれる、請求項1~
5のいずかに記載の化合物。
【化17】
【請求項12】
前記A
1、A
2及びA
3の少なくとも1つはNである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
前記A
1はNである、請求項
12に記載の化合物。
【請求項14】
前記A
2及びA
3はCHである、請求項
13に記載の化合物。
【請求項15】
前記G
1及びG
2はCであり、V
1はSであり、WはCNR
7R
8であり、V
2はNである、請求項
13に記載の化合物。
【請求項16】
前記A
2及びA
3はCHであり、G
1及びG
2はCであり、V
1はSであり、WはCNR
7R
8であり、V
2はNである、請求項
13に記載の化合物。
【請求項17】
前記R
1は、下記基からなる群より選ばれる、請求項
12~
16のいずれかに記載の化合物。
【化18】
【請求項18】
前記R
8は、下記基からなる群より選ばれる、請求項
12~
17のいずかに記載の化合物。
【化19】
【請求項19】
前記LはO、CH
2又はNHであり、かつ、
前記R
1は、下記基からなる群より選ばれる、請求項2に記載の化合物。
【化20】
【請求項20】
前記A
1、A
2及びA
3の少なくとも1つはNである、請求項1又は
19に記載の化合物。
【請求項21】
前記A
1はNである、請求項
20に記載の化合物。
【請求項22】
前記A
2及びA
3はCHである、請求項
21に記載の化合物。
【請求項23】
前記G
1及びG
2はCであり、V
1はSであり、WはCNR
7R
8であり、V
2はNである、請求項
21に記載の化合物。
【請求項24】
前記A
2及びA
3はCHであり、G
1及びG
2はCであり、V
1はSであり、WはCNR
7R
8であり、V
2はNである、請求項
21に記載の化合物。
【請求項25】
前記R
8は、下記基からなる群より選ばれる、請求項
20~
24のいずれかに記載の化合物。
【化21】
【請求項26】
治療有効量の請求項1~
25のいずれかに記載の化合物、又はその立体異性体、水和物
、溶媒和物、共結晶
、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、希釈剤、補助剤又は賦形剤から選ばれる少なくとも1種の成分とを含む医薬組成物。
【請求項27】
治療有効量の少なくとも1の請求項1~
25のいずれかに記載の化合物又は請求項
26に記載の医薬組成物を
非ヒト哺乳類に投与することを含む、ネクローシス関連疾患に苦しむ
非ヒト哺乳類におけるネクローシス関連疾患の治療又は予防方法であって、前記ネクローシス関連疾患は、全身性炎症反応疾患、腫瘍、癌、代謝性疾患又は神経変性疾患である、ネクローシス関連疾患の治療又は予防方法。
【請求項28】
下記式(I)の化合物、又はその立体異性体、水和物、溶媒和物、共結晶、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩を含むネクローシス阻害剤。
【化22】
(式中、
A
1
、A
2
及びA
3
は独立してN又はCR
2
であり、
X
1
、X
2
及びX
3
は独立してN又はCR
3
であり、
G
1
及びG
2
は独立してN又はCであり、
V
1
及びV
2
は独立してN、O、S、NR
4
又はCR
4
であり、
W
1
はV
3
、V
4
-V
5
又はV
4
=V
5
であり、V
3
、V
4
及びV
5
は独立してN、O、S又はCR
5
であり、V
4
はV
1
と結合し、V
5
はV
2
と結合し、
W
2
はV
6
又はV
7
=V
8
であり、V
6
、V
7
、及びV
8
は独立してN、O、S、NR
6
又はCR
6
であり、V
7
はZと結合し、V
8
はYと結合し、
YはN、O、S、S(=O)、S(=O)
2
、NR
6
又はCR
6
であり、
ZはC又はNであり、ZがNである場合、V
6
とYはNR
6
ではなく、
Lは化学結合、O、S、NR
11
又はCR
11
R
12
であり、
R
1
は、C
1-6
アルキル、C
3-8
シクロアルキル、C
6-12
スピロ環、フェニル、1~3個のヘテロ原子を有する5~6員ヘテロアリール、1~3個のヘテロ原子を有する3~8員複素環基又は1~3個のヘテロ原子を有する6~12員スピロ複素環基であり、それらはいずれも非置換であるか、又は1~3個のR
9
基により置換されており、各ヘテロ原子は独立してN、O又はSであり、
各R
2
、R
3
、R
4
、及びR
6
は独立して、H、重水素、ハライド、-CN、-OH、アミノ、C
1-6
アルコキシ、C
1-6
アルキルアミノ、C
1-6
アルキルチオ、C
3-6
シクロアルキル、C
1-6
アルキル、1~3個のヘテロ原子を有する3~8員複素環基、フェニル、又は1~3個のヘテロ原子を有する5~6員ヘテロアリールからなる群より選ばれ、前記C
1-6
アルコキシ、C
1-6
アルキルアミノ、C
1-6
アルキルチオ、C
3-6
シクロアルキル、C
1-6
アルキル、3~8員複素環基、フェニル、及び5~6員ヘテロアリールはそれぞれ非置換であるか、又は1~3個の、重水素、ハライド、C
1-3
アルキル若しくはC
1-3
アルコキシにより置換されており、各ヘテロ原子は独立してN、O又はSであり、
R
5
はH、重水素、ハライド、-CN、-OH、C
1-6
アルコキシ、C
1-6
アルキル、C
3-6
シクロアルキル又はNR
7
R
8
であり、
R
7
は水素原子、C
1-6
アルキル又はC
3-6
シクロアルキルであり、
R
8
は水素原子、C(=O)R
10
、C(=O)NR
10
R
11
、C(=O)OR
10
、S(=O)
2
R
10
、S(=O)
2
NR
10
R
13
、C
1-6
アルキル、C
3-6
シクロアルキル、C
2-6
アルケニル、フェニル、1~3個のヘテロ原子を有する3~6員複素環基、又は1~3個のヘテロ原子を有する5~6員ヘテロアリールであり、前記C
1-6
アルキル、C
3-6
シクロアルキル、フェニル、3~6員複素環基、及び5~6員ヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はハライド、重水素、-CN、C
1-6
アルキル、C
3-6
シクロアルキル、C
1-6
アルコキシ及び1~3個のヘテロ原子を有する3~6員複素環基からなる群より選ばれる1~3基により置換されており、各ヘテロ原子は独立してN、O又はSであり、
R
9
は、H、重水素、ハライド、-OH、オキシ、-CN、アミノ、C
1-6
アルキル、C
3-6
シクロアルキル又はC
1-6
アルコキシであり、前記C
1-6
アルキル、C
3-6
シクロアルキル、及びC
1-6
アルコキシはそれぞれ非置換であるか、又は重水素、ハライド及びC
1-3
アルキルからなる群より選ばれる1~3基により置換されており、
R
10
、及びR
13
はそれぞれ独立して、H、C
1-6
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-6
シクロアルキル、フェニル、1~3個のヘテロ原子を有する3~6員複素環基、又は1~3個のヘテロ原子を有する5~6員ヘテロアリールであり、前記C
1-6
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-6
シクロアルキル、フェニル、3~6員複素環基及び5~6員ヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又は重水素、ハライド、-CN、-OH、-CF
3
、C
1-6
アルキル、C
1-6
アルコキシ、C
3-6
シクロアルキル及び1~3個のヘテロ原子を有する5~6員複素環基からなる群より選ばれる1~3基により置換されており、各ヘテロ原子は、独立してN、O又はSであり、
あるいは、R
10
及びR
13
はそれらに結合したN原子と共に4~6員環を形成し、
あるいは、R
10
及びR
4
はそれらに結合した隣接する原子と共に5~6員環を形成し、
R
11
及びR
12
は独立して、H、ハライド、-OH、C
1-3
アルキル又はC
1-6
アルコキシである。)
【請求項29】
Lは化学結合、CH
2
、O又はNHである、請求項28に記載のネクローシス阻害剤。
【請求項30】
V
3
及びV
5
は、それぞれ独立してCNR
7
R
8
である、請求項28又は29に記載のネクローシス阻害剤。
【請求項31】
部分基
【化23】
は、下記基からなる群より選ばれる、請求項28又は29に記載のネクローシス阻害剤。
【化24】
【請求項32】
部分基
【化25】
は、下記基からなる群より選ばれ、
【化26】
前記部分基
【化27】
は、非置換であるか又は1若しくは3個のR
14
基より置換されており、
前記R
14
は独立して重水素、ハライド、-CN、-OH、アミノ、C
1-6
アルコキシ、C
1-6
アルキルチオ、C
3-6
シクロアルキル又はC
1-6
アルキルである、請求項28又は29に記載のネクローシス阻害剤。
【請求項33】
前記R
1
は、下記基からなる群より選ばれる、請求項28又は29に記載のネクローシス阻害剤。
【化28】
【請求項34】
前記R
8
は、下記基からなる群より選ばれる、請求項28又は29に記載のネクローシス阻害剤。
【化29】
【請求項35】
下記化合物からなる群より選ばれる、請求項28に記載のネクローシス阻害剤。
【化30】
【化31】
【請求項36】
部分基
【化32】
は、下記基からなる群より選ばれる、請求項28~30のいずれかに記載のネクローシス阻害剤。
【化33】
【請求項37】
部分基
【化34】
は、下記基からなる群より選ばれ、
【化35】
前記部分基
【化36】
は、非置換であるか又は1若しくは3個のR
14
基により置換されており、
前記R
14
は独立して重水素、ハライド、-CN、-OH、アミノ、C
1-6
アルコキシ、C
1-6
アルキルチオ、C
3-6
シクロアルキル又はC
1-6
アルキルである、請求項28~31のいずれかに記載のネクローシス阻害剤。
【請求項38】
前記R
1
は、下記基からなる群より選ばれる、請求項28~32のいずれかに記載のネクローシス阻害剤。
【化37】
【請求項39】
前記R
8
は、下記基からなる群より選ばれる、請求項28~33のいずかに記載のネクローシス阻害剤。
【化38】
【請求項40】
前記A
1
、A
2
及びA
3
の少なくとも1つはNである、請求項28に記載のネクローシス阻害剤。
【請求項41】
前記A
1
はNである、請求項40に記載のネクローシス阻害剤。
【請求項42】
前記A
2
及びA
3
はCHである、請求項41に記載のネクローシス阻害剤。
【請求項43】
前記G
1
及びG
2
はCであり、V
1
はSであり、WはCNR
7
R
8
であり、V
2
はNである、請求項41に記載の化合物。
【請求項44】
前記A
2
及びA
3
はCHであり、G
1
及びG
2
はCであり、V
1
はSであり、WはCNR
7
R
8
であり、V
2
はNである、請求項41に記載のネクローシス阻害剤。
【請求項45】
前記R
1
は、下記基からなる群より選ばれる、請求項40~44のいずれかに記載のネクローシス阻害剤。
【化39】
【請求項46】
前記R
8
は、下記基からなる群より選ばれる、請求項40~45のいずかに記載のネクローシス阻害剤。
【化40】
【請求項47】
前記LはO、CH
2
又はNHであり、かつ、
前記R
1
は、下記基からなる群より選ばれる、請求項29に記載のネクローシス阻害剤。
【化41】
【請求項48】
前記A
1
、A
2
及びA
3
の少なくとも1つはNである、請求項28又は47に記載のネクローシス阻害剤。
【請求項49】
前記A
1
はNである、請求項48に記載のネクローシス阻害剤。
【請求項50】
前記A
2
及びA
3
はCHである、請求項49に記載のネクローシス阻害剤。
【請求項51】
前記G
1
及びG
2
はCであり、V
1
はSであり、WはCNR
7
R
8
であり、V
2
はNである、請求項49に記載のネクローシス阻害剤。
【請求項52】
前記A
2
及びA
3
はCHであり、G
1
及びG
2
はCであり、V
1
はSであり、WはCNR
7
R
8
であり、V
2
はNである、請求項49に記載のネクローシス阻害剤。
【請求項53】
前記R
8
は、下記基からなる群より選ばれる、請求項48~52のいずれかに記載のネクローシス阻害剤。
【化42】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2019年1月11日に出願された中国特許出願201910026967.Xの恩恵を主張する。これを参照により本明細書に援用する。
【0002】
<技術分野>
本発明は、概して、ヘテロアリール化合物に関し、より具体的には、哺乳類における炎症性疾患、腫瘍、代謝性疾患、及び、脳虚血及び脳卒中等の神経変性疾患を含む、ネクローシス媒介疾患を標的とした治療法において有用な新規なヘテロアリール化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
細胞死にはさまざまなタイプがあり、形態学的基準によって、細胞死はアポトーシスとネクローシスとの2つのタイプに大別できる。アポトーシスは、細胞収縮、クロマチン凝縮、システインアスパラギン酸特異的プロテアーゼ(cysteinyl asparatate-specific protease)又はカスパーゼ(caspases)の活性増加、及び、細胞のアポトーシス体への制御された分解によって特徴づけられる。アポトーシスは通常、生理学的異常であるため、炎症性ではない。ネクローシスは、ホメオスタシスを維持する細胞の能力の障害から始まり、細胞膜の完全性の損傷を引き起こし続け、細胞質及び細胞小器官の膨張が起こり、最終的に細胞溶解に至ると考えられている。細胞質内容物が周囲の細胞外腔に放出されるため、ネクローシスは、通常炎症反応を引き起こす。
【0004】
ネクローシスは、初期の研究では、根底にあるシグナル伝達事象を欠いた偶発的で制御不能な細胞死と考えられていた。しかし、その後の研究では、腫瘍壊死因子α(TNF-α)等の炎症性サイトカインによって刺激されると、一部の細胞はアポトーシス経路ではなくネクローシス経路を選択することが示されている。このような細胞型には、L929マウス線維芽細胞およびNIH 3T3Nマウス線維芽細胞が含まれる。TNF-α促進ネクローシス経路におけるRIP1/RIP3の機能に関する最近の研究は、ネクローシスのメカニズム解明の基礎を築いた(Cho.Y.S.ら、Cell、2009、137(6):1112-23.;Zhang.D.W.ら、Science、2009、325(5938):332-336.;He.S.ら、Cell、2009、137(6):l100-1111.)。
【0005】
アポトーシス経路が機能不全又は阻害されると、ネクローシス経路が活性化される。RIP 1、fas関連デスドメイン(FADD)、及びカスパーゼ-8によって形成されるリポソソーム複合体は、RIP 3のリン酸化を促進することができる。そして、(MLKL) のような混合系統キナーゼにおけるThr 357及びSer 358のRIP 3リン酸化の際に、MLKLはその単量体状態から活性オリゴマー状態に移行する。
オリゴマーMLKLは、ホスホイノシトール及び心筋リン脂質に結合することができ、その結果、ネクロソーム複合体は、細胞質から細胞膜又は細胞小器官膜へ移動し、膜構造における透過性チャネルを形成し、膜の完全性を破壊し、細胞死を誘導することができる。
【0006】
更に、リン酸化されたRIP3は、グリコーゲンホスホリラーゼ(PYGL)、グルタミン酸アンモニアリガーゼ(GLUL)、及び、グルタミン酸デヒドロゲナーゼl(GLUD1)を含む下流の生体エネルギー酵素と相互作用でき、それらによって、それらの触媒活性を増強する。グリコーゲン分解とグルタミン分解の増強は、リン酸化グルコースとケトグルタル酸のような呼吸基質を付加的に提供し、ミトコンドリアクエン酸サイクルを加速し、最終的に活性酸素種(ROS)の過剰生成を生じる。過剰なROSは、順に、ミトコンドリア膜透過性(MMP)を誘発し、それによってTNF誘導プログラムネクローシスを仲介する。従って、ネクローシスの阻害は糖尿病などの代謝性疾患の治療のための潜在的標的になる可能性がある。
【0007】
プログラムネクローシスは、中枢神経系の最も重要な構成要素である神経細胞(neuron)とグリア細胞の病変に関連する細胞死に関与している可能性がある。多くの研究プロジェクトは、プログラムネクローシスの阻害が神経系を保護することを示している。いくつかの研究プログラムでは、ネクローシスを逆行(reversing)させて組織損傷を減らすことにより、神経系への害を軽減しようとしている。従って、ネクローシスを阻害することは、しばしば神経系損傷の治療の標的となる。例えば、虚血性脳卒中では、脳循環の損失により、局地的又は全体的な脳虚血や低酸素症を引き起こすことがある。多くの神経細胞死が、対応する神経運動機能に影響を及ぼす可能性がある。従って、神経細胞死の減少は虚血性脳卒中の治療の目的となる可能性がある。
【0008】
従って、ネクローシスに起因する上記のような疾患を改善するためには、有効なネクローシス阻害剤が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示は、ネクローシス阻害剤としてのヘテロアリール化合物、ならびにその組成物及び用途を提供する。これらの開示されたヘテロアリール化合物、ならびにその組成物及び用途は、ネクローシスを効果的に阻害することができ、それによって、例えば、炎症、腫瘍、代謝性疾患、及び、脳虚血及び脳卒中などの神経変性疾患を含む壊死性経路関連疾患及び障害の治療における用途を見出すことができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の態様は、下記式(I)の化合物、又はその立体異性体、水和物、エステル、溶媒和物、共結晶、代謝物、立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩を提供する。
【化1】
(式中、
A
1
、A
2
及びA
3
は独立してN又はCR
2
であり、
X
1
、X
2
及びX
3
は独立してN又はCR
3
であり、
G
1
及びG
2
は独立してN又はCであり、
V
1
及びV
2
は独立してN、O、S、NR
4
又はCR
4
であり、
W
1
はV
3
、V
4
-V
5
又はV
4
=V
5
であり、V
3
、V
4
及びV
5
は独立してN、O、S又はCR
5
であり、V
4
はV
1
と結合し、V
5
はV
2
と結合し、
W
2
はV
6
又はV
7
=V
8
であり、V
6
、V
7
、及びV
8
は独立してN、O、S、NR
6
又はCR
6
であり、V
7
はZと結合し、V
8
はYと結合し、
YはN、O、S、S(=O)、S(=O)
2
、NR
6
又はCR
6
であり、
ZはC又はNであり、ZがNである場合、V
6
とYはNR
6
ではなく、
Lは化学結合、O、S、NR
11
又はCR
11
R
12
であり、
R
1
は、C
1-6
アルキル、C
3-8
シクロアルキル、C
6-12
スピロ環、フェニル、1~3個のヘテロ原子を有する5~6員ヘテロアリール、1~3個のヘテロ原子を有する3~8員複素環基又は1~3個のヘテロ原子を有する6~12員スピロ複素環基であり、それらはいずれも非置換であるか、又は1~3個のR
9
基により置換されており、各ヘテロ原子は独立してN、O又はSであり、
R
2
、R
3
、R
4
、及びR
6
はそれぞれ独立して、H、重水素、ハライド、-CN、-OH、アミノ、C
1-6
アルコキシ、C
1-6
アルキルアミノ、C
1-6
アルキルチオ、C
3-6
シクロアルキル、C
1-6
アルキル、1~3個のヘテロ原子を有する3~8員複素環基、フェニル、又は1~3個のヘテロ原子を有する5~6員ヘテロアリールからなる群より選ばれ、上記C
1-6
アルコキシ、C
1-6
アルキルアミノ、C
1-6
アルキルチオ、C
3-6
シクロアルキル、C
1-6
アルキル、3~8員複素環基、フェニル、5~6員ヘテロアリールはそれぞれ非置換であるか、又は1~3個の、重水素、ハライド、C
1-3
アルキル若しくはC
1-3
アルコキシにより置換されており、各ヘテロ原子はそれぞれ独立してN、O又はSであり、
R
5
はH、重水素、ハライド、-CN、-OH、C
1-6
アルコキシ、C
1-6
アルキル、C
3-6
シクロアルキル又はNR
7
R
8
であり、
R
7
はH、C
1-6
アルキル又はC
3-6
シクロアルキルであり、
R
8
はH、C(=O)R
10
、C(=O)NR
10
R
11
、C(=O)OR
10
、S(=O)
2
R
10
、S(=O)
2
NR
10
R
13
、C
1-6
アルキル、C
3-6
シクロアルキル、C
2-6
アルケニル、フェニル、1~3個のヘテロ原子を有する3~6員複素環基、又は1~3個のヘテロ原子を有する5~6員ヘテロアリールであり、上記C
1-6
アルキル、C
3-6
シクロアルキル、フェニル、3~6員複素環基、及び5~6員ヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はハライド、重水素、-CN、C
1-6
アルキル、C
3-6
シクロアルキル、C
1-6
アルコキシ、及び1~3個のヘテロ原子を有する3~6員複素環基からなる群より選ばれる1~3基により置換されており、各ヘテロ原子は独立してN、O又はSであり、
R
9
はH、重水素、ハライド、-OH、オキシ、-CN、アミノ、C
1-6
アルキル、C
3-6
シクロアルキル又はC
1-6
アルコキシであり、上記C
1-6
アルキル、C
3-6
シクロアルキル、及びC
1-6
アルコキシはそれぞれ非置換であるか、又は重水素、ハライド及びC
1-3
アルキルからなる群より選ばれる1~3基により置換されており、
R
10
及びR
13
はそれぞれ独立して、H、C
1-6
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-6
シクロアルキル、フェニル、1~3個のヘテロ原子を有する3~6員複素環基、又は1~3個のヘテロ原子を有する5~6員ヘテロアリールであり、上記C
1-6
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-6
シクロアルキル、フェニル、3~6員複素環基及び5~6員ヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又は重水素、ハライド、-CN、-OH、-CF
3
、C
1-6
アルキル、C
1-6
アルコキシ、C
3-6
シクロアルキル及び1~3個のヘテロ原子を有する5~6員複素環基からなる群より選ばれる1~3基により置換されており、各ヘテロ原子は、独立してN、O又はSであり、
あるいは、R
10
及びR
13
はそれらに結合したN原子と共に4~6員環を形成し、
あるいは、R
10
及びR
4
はそれらに結合した隣接する原子と共に5~6員環を形成し、
R
11
及びR
12
は独立して、H、ハライド、-OH、C
1-3
アルキル又はC
1-6
アルコキシである。)
【0011】
本明細書に提供される態様のいくつかの実施形態において、Lは化学結合、CH
2
、O又はNHである。いくつかの実施形態において、V
3
、V
5
はそれぞれ独立してCNR
7
R
8
である。いくつかの実施形態において、部分基
【化2】
は、下記基からなる群より選ばれる。
【化3】
【0012】
いくつかの実施形態において、部分基
【化4】
は、下記基からなる群より選ばれ、
【化5】
前記部分基
【化6】
は、非置換であるか又は1若しくは3個のR
14
基により置換されており、
前記R
14
は独立して重水素、ハライド、-CN、-OH、アミノ、C
1-6
アルコキシ、C
1-6
アルキルチオ、C
3-6
シクロアルキル又はC
1-6
アルキルである。
【0013】
いくつかの実施形態において、R
1
は下記基からなる群より選ばれる。
【化7】
【0014】
いくつかの実施形態において、R
8
は、下記基からなる群より選ばれる。
【化8】
【0015】
いくつかの実施形態において、上記化合物は、下記化合物からなる群より選択される。
【化9】
【化10】
【0016】
本明細書に提供される態様のいくつかの実施形態において、部分基
【化11】
は、下記基からなる群より選ばれる。
【化12】
【0017】
本明細書に提供される態様のいくつかの実施形態において、部分基
【化13】
は、下記基からなる群より選ばれ、
【化14】
前記部分基
【化15】
は、非置換であるか又は1若しくは3個のR
14
基により置換されており、
前記R
14
は独立して重水素、ハライド、-CN、-OH、アミノ、C
1-6
アルコキシ、C
1-6
アルキルチオ、C
3-6
シクロアルキル又はC
1-6
アルキルである。
【0018】
いくつかの実施形態において、R
1
は下記基からなる群より選ばれる。
【化16】
【0019】
いくつかの実施形態において、R
8
は、下記基からなる群より選ばれる。
【化17】
【0020】
本明細書に提供される態様のいくつかの実施形態において、式(I)に関して、A
1
、A
2
及びA
3
の少なくとも1つはNである。本明細書に提供される態様のいくつかの実施形態において、A
1
はNである。本明細書に提供される態様のいくつかの実施形態において、A
2
及びA
3
はCHである。本明細書に提供される態様のいくつかの実施形態において、G
1
及びG
2
はCであり、V
1
はSであり、WはCNR
7
R
8
であり、V
2
はNである。本明細書に提供される態様のいくつかの実施形態において、A
2
及びA
3
はCHであり、G
1
及びG
2
はCであり、V
1
はSであり、WはCNR
7
R
8
であり、V
2
はNである。
【0021】
本明細書に提供される態様のいくつかの実施形態において、式(I)に関して、
LはO、CH
2
又はNHであり、
R
1
は下記からなる群より選ばれる。
【化18】
本明細書に提供される態様のいくつかの実施形態において、A
1
、A
2
及びA
3
の少なくとも1つはNである。本明細書に提供される態様のいくつかの実施形態において、A
1
はNである。本明細書に提供される態様のいくつかの実施形態において、A
2
及びA
3
はCHである。本明細書に提供される態様のいくつかの実施形態において、G
1
及びG
2
はCであり、V
1
はSであり、WはCNR
7
R
8
であり、V
2
はNである。本明細書に提供される態様のいくつかの実施形態において、A
2
及びA
3
はCHであり、G
1
及びG
2
はCであり、V
1
はSであり、WはCNR
7
R
8
であり、V
2
はNである。
【0022】
本発明において使用される用語「異性体」としては、例えば、立体異性体、シス-トランス異性体、互変異性体及び同位体異性体(isotpomers又はisotopic isomers)等が挙げられ、同位体としては、
2
H、
3
H、
11
C、
13
C、
14
C、
15
N、
17
O、
18
O、
18
F、
32
P、
35
S、
36
Cl等が挙げられる。
【0023】
本開示の別の態様は、治療有効量の式(I)の化合物若しくは本明細書に開示される任意の化合物、又はその立体異性体、水和物、エステル、溶媒和物、共結晶、代謝物、立体異性体若しくは互変異性体、または薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、希釈剤、アジュバントおよび賦形剤のリストから選択される少なくとも1つの成分を含む組成物を提供する。
【0024】
本開示のさらに別の態様は、それに罹患している哺乳動物におけるネクローシス関連障害を治療または予防するための方法を提供し、この方法は、治療有効量の式(I)の少なくとも1つの化合物もしくは本明細書に開示されているいずれかの化合物、またはその立体異性体、水和物、エステル、溶媒和物、共結晶、代謝物、立体異性体もしくは互変異性体、または薬学的に許容される塩、またはその医薬組成物を哺乳動物に投与することを含み、ここで、ネクローシス関連障害は、系統的炎症反応、腫瘍、癌、代謝性疾患または神経変性疾患である。
【0025】
本開示のさらなる態様および利点は、以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかになるであろう。理解されるように、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、本開示から逸脱することなく、様々な明白な点で変更可能である。したがって、図面および説明は、本質的に例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、実施例42における化合物C3によるHT29細胞におけるTNF-α誘導ネクローシスの阻害を示す。
【0027】
【
図2】
図2は、実施例42における化合物C3によるL929細胞におけるTNF-α誘導ネクローシスの阻害を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
詳細な説明に進む前に、以下の詳細な説明は本質的に例示に過ぎず、本発明又はその用途及び使用を限定するものではないことを理解されたい。ゆえに、本開示は、説明の便宜上、特定の例示的実施形態に示されるように図示及び説明されるが、他の様々な実施形態及び等価物並びに他の様々なシステム及び環境で実施できることが理解されよう。また、上述の背景又は以下の詳細な説明に示すいかなる理論にも拘束されるものではない。
【0029】
参照による援用
本明細書で言及した刊行物、特許及び特許出願は全て、それぞれ個々の刊行物、特許又は特許出願が具体的に及び個別に参照により援用されると提示される場合と同程度に本明細書に参照により援用される。
【0030】
発明の詳細な説明
本発明の様々な実施形態を本明細書に示し、説明しているが、これら実施形態が例示に過ぎないことは当業者には明らかであろう。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多くの変形、変更及び置換を行うことができる。本明細書に記載した本発明の実施形態に対する様々な代替物を用いることができることを理解されたい。
【0031】
定義
本明細書において単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上そうでないことが明らかな場合を除き、指示物の複数を含む。したがって、例えば「a molecule(分子)」と言及した場合、該分子の複数等を含む。
【0032】
本明細書において「約」又は「ほぼ」という用語は、通常、指定した量の±15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%以内であることをいう。
【0033】
化合物は、通常、標準的な命名法を用いて本明細書に記載される。不斉中心を有する化合物の場合、(特に断りのない限り)光学異性体及びそれらの混合物が全て包含されることを理解すべきである。また、炭素炭素二重結合を有する化合物はZ型又はE型であってもよく、特に断りのない限り、該化合物の全ての異性体が本発明に含まれる。化合物が様々な互変異性体で存在する場合、記載した化合物はいかなる特定の一互変異性体にも限定されず、むしろ全ての互変異性体を包含することを意図している。
【0034】
本明細書において「アルキル」という用語は、通常、直鎖又は分岐鎖飽和脂肪族炭化水素をいう。アルキル基としては、炭素原子を1~8個(C
1
~C
8
アルキル)、1~6個(C
1
~C
6
アルキル)、1~4個(C
1
~C
4
アルキル)有する基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、2-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、及び3-メチルペンチルが挙げられる。いくつかの例では、アルキル基の置換基が具体的に示されている。例えば、「シアノアルキル」とは、少なくとも1個のシアノ置換基で置換されたアルキル基をいう。
【0035】
本明細書において「アルケニル」という用語は、通常、少なくとも1個の不飽和炭素炭素二重結合を有する直鎖又は分岐鎖アルケン基をいう。アルケニル基としては、炭素原子を2~8個有するC
2
~C
8
アルケニル、2~6個有するC
2
~C
6
アルケニル、2~4個有するC
2
~C
4
アルケニル基、例えば、エテニル、アリル又はイソプロペニルが挙げられる。本明細書において「アルキニル」という用語は、通常、少なくとも1個が三重結合である1個以上の不飽和炭素炭素結合を有する直鎖又は分岐鎖アルキン基をいう。アルキニル基としては、炭素原子を2~8個有するC
2
~C
8
アルキニル、2~6個有するC
2
~C
6
アルキニル、2~4個有するC
2
~C
4
アルキニル基が挙げられる。
【0036】
本明細書において「シクロアルキル」という用語は、通常、全環員が炭素である1個以上の飽和環を有する基をいい、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチルが挙げられる。シクロアルキル基は芳香環又は複素環を有さない。例えば、特定のシクロアルキル基として、全てが炭素である3~7環員の単環を含むC
3
~C
7
シクロアルキル基が挙げられる。本明細書において「シクロアルケニル」という用語は、通常、全環員が炭素である1個以上の不飽和環を有する基をいう。
【0037】
本明細書において「アルコキシ」という用語は、通常、酸素橋を介して結合した上述のアルキル基をいう。アルコキシ基としては、炭素原子を1~6個有するC
1
~C
6
アルコキシ、1~4個有するC
1
~C
4
アルコキシ基が挙げられる。代表的なアルコキシ基として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、2-ペントキシ、3-ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキソキシ、2-ヘキソキシ、3-ヘキソキシ、及び3-メチルペントキシが挙げられる。
【0038】
本明細書において「アルキルアミノ」という用語は、通常、-NH-R1又は-N(R1)(R2)(式中、R1及びR2は、独立してアルキル、シクロアルキル及び(シクロアルキル)アルキル基から選択される。)の一般構造を有する第二級又は第三級アミンをいう。このような基としては、例えば、モノ-及びジ-(C
1
~C
6
アルキル)アミノ基(各C
1
~C
6
アルキルは同じであっても異なっていてもよい)が挙げられるが、これらに限定されない。「アルキルアミノ」という用語で用いる「アルキル」の定義が、シクロアルキル及び(シクロアルキル)アルキル基を含む他の全てのアルキル含有基で用いられる「アルキル」の定義と異なることは明らかであろう。
【0039】
本明細書において「アルキルチオ」という用語は、通常、アルキル基で置換されたチオ基をいい、このアルキルという用語は上記した定義と同様である。
【0040】
本明細書において「ハロゲン」又は「ハライド」という用語は、通常、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素をいう。本明細書において「ハロアルキル」という用語は、通常、独立して選択された1個以上のハロゲンで置換されたアルキル基をいう(例えば、「C
1
~C
6
ハロアルキル」基は、1~6個の炭素原子と少なくとも1個のハロゲンとを有する。)。ハロアルキル基の例としては、モノ-、ジ-又はトリ-フルオロメチル、モノ-、ジ-又はトリ-クロロメチル、モノ-、ジ-、トリ-、テトラ-又はペンタ-フルオロエチル、モノ-、ジ-、トリ-、テトラ-又はペンタ-クロロエチル、及び1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
本明細書において「ヘテロアリール」という用語は、通常、少なくとも1個の芳香環が、N、O及びSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有する芳香族基をいう。ヘテロアリールとしては、例えば5~12員ヘテロアリールが挙げられる。例としては、イミダゾール、フラン、フラザン、イソチアゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、テトラゾール、チアゾール及びチオフェンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
本明細書において「複素環」という用語は、通常、少なくとも1個の環原子が炭素であり、少なくとも1個の環原子がN、O及びSから選択されるヘテロ原子である3~12個の環原子を有する環構造をいう。複素環基は芳香族であっても非芳香族であってもよい。非芳香族複素環の例としてピペリジン及びオキセタンが挙げられるが、これらに限定されない。芳香族複素環の例としてチアゾール及びピリジンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
本明細書において「置換基」及び「置換された」という用語は、通常、分子部分が、例えば、水素原子を非水素原子又は基で置換する等、対象の分子内の原子に共有結合していることを意味する。例えば、環置換基は、環員である原子(好ましくは炭素又は窒素原子)に共有結合したハロゲン、アルキル基、ハロアルキル基等の基であってもよい。芳香族基の置換基は、通常、炭素環原子に共有結合している。直鎖置換基は、直鎖の鎖員である原子(好ましくは炭素又は窒素原子)に共有結合したハロゲン、アルキル基、ハロアルキル基等の基であってもよい。
【0044】
本明細書において「ビシクロヘテロアルキル」という用語は、通常、1又は2つの原子を共有し、環中のN、O及びSからなる群から独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む二重環構造をいう。本明細書において「ビシクロヘテロアルキレン」という用語は、通常、他の2つの基に結合し得るビシクロヘテロアルキル基のジラジカルをいう。
【0045】
本明細書において「シクロアルキルアミン」という用語は、通常、環内の炭素原子に結合したアミノ基を有する環構造、又は、環の部材として窒素原子を有する環構造のいずれかをいう。
【0046】
本明細書において「シクロアルキルアミド」という用語は、通常、アミド炭素を介して環内の炭素原子に結合したアミド基を有する環構造、又はアミド窒素及びアミド炭素原子の両方が環の部材となる環構造のいずれかを指す。
【0047】
本明細書において「シクロウレア」という用語は、通常、尿素炭素および両方の尿素窒素原子が環の部材となる環構造を指す。シクロウレアの一例はオキソイミダゾリジンである。
【0048】
本明細書に開示される化合物はまた、1つ以上の原子が異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置換されることによって同位体標識される式(I)の全ての薬学的に許容される化合物を包含することを意味する。開示された化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位体、例えば、
2
H、
3
H、
11
C、
13
C、
14
C、
13
N、
15
N、
15
O、
17
O、
18
O、
31
P、
32
P、
35
S、
36
Cl、
123
I、及び、
125
Iが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
本明細書に開示された化合物はまた、開示された化合物のインビボ代謝産物を包含することを意味する。そのような生成物は、例えば、主に酵素プロセスによる、投与された化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化、及び他の生化学的変換から生じ得る。従って、開示された化合物は、哺乳動物に開示された化合物をその代謝産物を産生するのに十分な時間投与することを含む方法によって産生された化合物を含む。代謝産物は、本開示の放射性標識化合物を検出可能な用量で、ラット、マウス、モルモット、サルなどの動物又はヒトに投与し、代謝反応が起こるのに十分な時間を与え、尿、血液又は他の生物学的試料から代謝産物を単離することによって同定することができる。
【0050】
本明細書において「薬学的に許容される」という用語は、通常、被験体への投与に対して安全な化合物の形態をいう。例えば、遊離塩基、塩形態、溶媒和物、水和物、プロドラッグ又は式(I)の化合物の誘導体形態であって、米国食品医薬品局(FDA)のような管理当局又は規制当局によって、経口摂取又はその他の投与経路を介して哺乳動物での使用が承認されているものは、薬学的に許容される。
【0051】
式(I)の化合物に含まれるのは、薬学的に許容される遊離塩基化合物の塩形態である。本明細書において「薬学的に許容される塩」という用語は、通常、アルカリ金属塩を形成し、遊離酸または遊離塩基の付加塩を形成するために一般的に使用される塩をいい、これらは規制当局によって承認されている。塩は、イオン会合、電荷-電荷相互作用、共有結合、錯体形成、配位などから形成される。塩の性質は、それが薬学的に許容されるならば、重要ではない。
【0052】
本明細書において「溶媒和物」という用語は、通常、本開示の化合物の1つ以上の分子と1つ以上の溶媒分子とを含む凝集体をいう。溶媒は水であってもよく、その場合、溶媒和物は「水和物」であってもよい。また、溶媒は有機溶媒であってもよい。従って、本開示の化合物は、一水和物、二水和物、半水和物、三二水和物、三水和物、四水和物等、ならびに対応する溶媒和形態を含む、水和物として存在していてもよい。本開示の化合物は、真の溶媒和物であり得るが、他の場合には、本開示の化合物は、単に外来性水を保持するか、又は水といくつかの外来性溶媒との混合物であってもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、医薬組成物として化合物を投与することによって被験体を治療するために使用される。この目的のために、1つの実施形態において、上記化合物(単数又は複数)は、担体、希釈剤又はアジュバントを含む1以上の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせられ、適切な組成物が形成される。これは本明細書において更に詳細に記載される。
【0054】
本明細書において「賦形剤」という用語は、通常、医薬品有効成分(API)以外の任意の薬学的に許容される添加剤、担体、アジュバント等の好適な成分をいい、典型的には製剤及び/又は投与目的で配合される。
【0055】
本明細書において「希釈剤」という用語は、通常、組成物の所望の体積又は重量を達成するために充填剤として使用される作用剤をいう。希釈剤は、単一化合物又は化合物の混合物として顆粒内の医薬組成物中に含まれていてもよい。希釈剤の例としては、ラクトース、デンプン、アルファ化デンプン、マイクロクリスタリンセルロース、ケイ酸化マイクロクリスタリンセルロース、酢酸セルロース、デキストロース、マンニトール、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム、フルクトース、マルトース、ソルビトール又はスクロースが挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
本明細書において「アジュバント」という用語は、通常、標的に対する本明細書に開示の化合物の有効性又は効力を高める任意の物質又は物質の混合物をいい、その際、アジュバントは本明細書に開示の化合物と一緒に使用される。しかしながら、アジュバントが単独で使用される場合、同標的に対して薬理学的効果は観察されない。
【0057】
本明細書において「治療する」(treat)、「治療」(treating)、「治療法」(treatment)及び「治療」(therapy)という用語は、通常、治療的治療、予防的治療(prophylactic therapy)、及び予防的治療(preventative therapy)を含む治療をいうが、これらに限定されない。予防的治療は、通常、完全に障害の発症を予防すること、あるいは個体の前臨床的に明らかな段階の障害の発症を遅延させることのいずれかに相当する。
【0058】
本明細書において「有効量」という用語は、通常、他の治療法に典型的に伴う有害な副作用を回避しつつ、各薬剤自体の処置中の障害重症度及び発生頻度を改善するという目標を達成する各薬剤の量を定量することをいう。一実施形態において、有効量は、単回投与形態又は複数回投与形態で投与される。
【0059】
選択された投与経路にかかわらず、適切な水和形態で使用され得る本開示の化合物、及び/又は本開示の薬学的組成物は、薬学的に許容される投薬形態に、又は当業者に公知の他の従来の方法によって処方される。
【0060】
本開示の薬学的組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、特定の患者、組成物、及び投与方法について、患者に毒性を及ぼすことなく、所望の治療応答を達成するための活性成分の有効量を得るために、変化させることができる。
【0061】
選択される投与量レベルは、使用される本開示の特定の化合物の活性、投与経路、投与時間、使用される特定の化合物の排泄速度、治療の期間、使用される特定のヘッジホッグ阻害剤と組み合わせて使用される他の薬物、化合物および/または材料、処置される患者の年齢、性別、体重、状態、一般的な健康及び以前の医療歴、ならびに医療分野において周知の同様の因子を含む様々な因子に依存する。
【0062】
当業者であれば、必要な医薬組成物の有効量を容易に決定し、処方することができる。例えば、医師または獣医師は、所望の治療効果を達成するために必要なレベルよりも低いレベルで薬学的組成物に使用される本開示の化合物の用量を開始し、所望の効果が達成されるまで用量を徐々に増加させることができる。
【0063】
一般に、本開示の化合物の適切な1日用量は、治療効果を生じるために有効な最小用量である化合物の量である。そのような有効用量は、通常、上述の因子に依存する。一般に、患者に対する本発明の化合物の静脈内、脳室内および皮下投与量は、約0.0001~約100mg/kg体重/日の範囲であろう。投与方法は投与量に大きな影響を与える。局所的な送達経路には,より高用量を使用してもよい。
【0064】
必要に応じて、活性化合物の有効な1日用量は、2、3、4、5、6又はそれ以上のサブ用量として、1日を通して適切な間隔で別々に、任意に、単位投与形態で投与することができる。当業者は、用量レベルが特定の化合物、症状の重篤度、および副作用に対する被験体の感受性の関数として変化し得ることを容易に理解するであろう。本明細書に開示される所定の化合物の用量は、当業者によって種々の手段によって容易に決定されうる。
【0065】
医薬組成物/製剤
一実施形態は、式(I)の化合物、又はその立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、及び、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。
【0066】
いくつかの態様において、本明細書に記載される化合物は、薬学的組成物に製剤化される。薬学的組成物は、薬学的に使用可能な製剤への活性化合物の加工を促進する1つ以上の薬学的に許容される不活性成分を使用する慣用的な様式で処方される。適切な処方は選択された投与経路に依存する。本明細書に記載される医薬組成物の要約は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed.,Easton,Pa.:Mack Publishing Company(1995);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania(1975);Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.(1980);及び、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug delivery Systems,Seventh Ed.,Lippincott Williams&Wilkins(1999)に見られ、これらは参照により本明細書に援用される。
【0067】
本明細書における医薬組成物とは、式(I)の化合物と、担体、賦形剤、結合剤、充填剤、懸濁剤、着香剤、甘味剤、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、着色剤、希釈剤、可溶化剤、湿潤剤、可塑剤、安定剤、浸透促進剤、湿潤剤、消泡剤、酸化防止剤、保存剤、又はこれらの1つ以上の組み合わせである他の化学成分(すなわち、薬学的に許容される不活性成分)との混合物をいう。上記医薬組成物は、生物への化合物の投与を容易にする。本明細書に提供される治療又は使用方法を実施する際に、本明細書に記載される治療有効量の化合物は、治療される疾患、障害、又は状態を有する哺乳動物に医薬組成物中で投与される。ある実施形態において、哺乳動物はヒトである。治療有効量は、疾患の重篤度、対象の年齢および相対的健康状態、使用される化合物の効力及び他の因子に応じて広く変動し得る。上記化合物は、混合物の成分として、単独で、又は1種以上の治療剤と組み合わせて使用することができる。
【0068】
本明細書に記載される薬学的製剤は、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内)、鼻腔内、頬、局所、直腸、又は経皮投与経路を含むがこれらに限定されない、適切な投与経路によって被験体に投与される。本明細書に記載される薬学的製剤は、水性液体分散液、自己乳化分散液、固溶体、リポソーム分散液、エアロゾル、固体剤形、粉末、即時放出製剤、制御放出製剤、速溶融製剤、錠剤、カプセル、ピル、遅延放出製剤、延長放出製剤、パルス放出製剤、多粒子製剤、及び、即時放出及び制御放出混合型製剤を含むが、これらに限定されない。
【0069】
経口投与のための全ての製剤は、そのような投与に適した用量である。このような用量単位の例は、錠剤又はカプセルである。いくつかの実施形態において、これらは、約1~2000mg、有利には約1~500mg、及び典型的には約5~150mgの量の活性成分を含有する。ヒトまたは他の哺乳動物に対する適切な1日用量は、患者の状態及び他の因子によって大きく変動するが、繰り返しになるが、ルーチンの方法及び実践を用いて決定することができる。
【0070】
従来の製剤技術としては、例えば、(1)乾式混合、(2)直接圧縮、(3)粉砕、(4)乾式若しくは非水性造粒、(5)湿式造粒、又は(6)融合の方法の1つあるいは組み合わせが挙げられる。他の方法としては、例えば、噴霧乾燥、パンコーティング、溶融造粒、造粒、流動層噴霧乾燥又はコーティング(例えば、ウルスターコーティング)、接線コーティング、トップスプレー、打錠、押し出し等が挙げられる。
【0071】
合成方法
本発明の方法は、広範囲の細胞、組織及び器官の修復、及び/又は、機能性能の制御におけるネクローシスを阻害する式(I)の少なくとも1種の化合物を使用するものであってもよく、神経組織の制御、骨及び軟骨形成及び修復、精子形成の制御、平滑筋の制御、肺、肝臓、及び原腸由来の他の器官の制御、造血機能の制御、皮膚及び毛髪成長の制御等にわたる治療用途及び化粧用途に使用できる。従って、本発明の方法及び組成物は、これら全ての用途において、関係し得るネクローシス阻害剤として主題の阻害剤を使用するものである。さらに、主題の方法は、培養物中に提供された細胞(インビトロ)、又は、動物個体中の細胞(インビボ)に対して実施することができる。
【0072】
以下の実施例及び製造例によって、本明細書に記載の化合物及び該化合物の製造方法を説明及び例示する。通常、本明細書に記載の化合物は、一般化学分野で公知の方法で製造できる。
【0073】
本発明の化合物は、市販の材料を出発材料として、以下に記載するものを含む様々な合成経路を用いて調製できる。本発明の出発材料は、公知の市販品であるか、あるいは当技術分野で公知の方法と同様に又はそれに従って合成することができる。多くの出発材料を公知方法に従って調製でき、特に実施例に記載する方法を用いて調製できる。出発材料の合成において、官能基は、必要に応じて好適な保護基で保護される場合もある。官能基は、当該分野で公知の手順に従って除去できる。
【0074】
保護基による官能基の保護、保護基自体及びその除去反応(一般的に「脱保護」という)は、例えば、J.F.W.McOmie,Protective Groups in Organic Chemistry,Plenum Press,London and New York(1973),T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,Wiley,New York (1981),The Peptides,Volume 3,E.Gross and J.Meienhofer editors,Academic Press, London and New York(1981)等の標準的な参考文献に記載されている。
【0075】
本明細書に記載の合成手順はいずれも、溶媒又は希釈剤を使用せずに又は使用して(通常)、公知の反応条件、有利には本明細書に記載する条件で実施できる。
【0076】
本発明は、所望の最終化合物を得る前の「中間」化合物(記載した合成手順で得られた単離された又はされていない構造体等)をさらに包含する。過渡的な出発材料を用いて各工程を実施して得られた構造体、記載された方法の任意の段階を変更して得られた構造体、及び反応条件下で出発材料を形成する構造体は、いずれも本発明に含まれる「中間体」である。さらに、反応性誘導体若しくは塩である出発材料、又は本発明に係る方法を用いて得られる化合物を使用して得られた構造体、及び本発明の化合物をその場で(in situ)処理して得られた構造体も本発明の範囲内に含まれる。
【0077】
同様に、新規の出発材料及び/又は中間体やそれらの調製方法も本発明の主題である。選択した実施形態において、そのような出発材料は、所望の化合物が得られるように選択された反応条件で使用される。
【0078】
本発明の出発材料は、公知の市販品であるか、あるいは当該技術分野で公知の方法と同様に又はそれに従って合成できる。多くの出発材料を公知方法に従って調製でき、特に実施例に記載する方法を用いて調製できる。出発材料の合成において、官能基は、必要に応じて好適な保護基で保護される場合もある。保護基、その導入及び除去は上述した通りである。
【0079】
特に言及されない限り、全ての試薬及び溶媒は市販品を用いた。特に言及されない限り、市販の試薬及び溶媒はいずれも精製しないで使用した。必要な場合、いくつかの試薬及び溶媒は標準的な方法で精製した。例えば、テトラヒドロフランは、ナトリウムを用いた蒸留により精製できる。他の溶媒は使用前に蒸留できる。無水溶媒は、標準的な方法又は文献の方法に従って処理できる。特に言及されない限り、薄層クロマトグラフィー(TLC、GF254)分析及びカラム精製(100~200メッシュ)は、いずれも石油エーテル(沸点60~90℃)/酢酸エチル(v/v)を溶離液としてシリカゲル(Qingdao Haiyang Chemical Co.Ltd.又はYantai Chemical Co.Ltd.)を用いて行い、スポットは、254nmでのUV可視化及びI
2
蒸気若しくはリンモリブデン酸を用いて検出した。特に言及されない限り、抽出後の有機層はいずれも無水Na
2
SO
4
上で乾燥させた。核磁気共鳴スペクトルは、いずれも内部標準をTMSとしてBruck-400分光計を用いて400MHzで記録した。LC-MSは、LC-MSDTrap記録装置、検出波長214nm及び254nmのダイオードアレイ検出器(DAD)、並びにESI源を使用したAgilent1100システムで行った。HPCLカラムは、Agela Durashell C18 3.5μm 4.6×50mmカラムである。グラジエントは、0.1%NH
4
HCO
3
水溶液及びアセトニトリルを5/95から95/5の勾配で記載ランタイム(例えば5分)で使用し、流量1.8mL/分として行った。
【0080】
合成方法の大きさ及びスケールは、最終産物の所望量に応じて変動する。実施例には特定の反応物及び量が示されているが、当業者には、同じ化合物を生成することが同様に実行可能な他の代替の反応物が明らかであることが理解される。したがって、通常の酸化剤、還元剤、様々な性質(非プロトン性、無極性、極性等)の溶媒が用いられる場合、等価物は当該分野で公知であり、本方法で使用するために本明細書で考慮される。
【0081】
以下に示す工程の多くは、反応終了後の様々なワークアップを示している。ワークアップでは、通常、反応をクエンチして、残留した触媒活性及び出発試薬を終止する。その後、通常は、有機溶媒を添加し、有機層から水層を分離する。生成物は典型的には有機層から得られ、未使用反応物や他の偽の副生成物及び不要な薬品は、通常は水層に捕捉されて廃棄される。文献中に見られる標準的な有機合成手順におけるワークアップの後には、通常、無水Na
2
SO
4
等の乾燥剤に曝露して生成物を乾燥させて、有機層に部分的に溶解したままの余分な水又は水性副生成物を除去し、残った有機層の濃縮を行う。溶媒に溶解した生成物の濃縮は、例えば加圧蒸発、加温及び加圧下の蒸発等の任意の公知手段で実行できる。そのような濃縮は、例えばロータリーエバポレーター蒸留等の標準的な実験装置を用いて達成できる。その後、場合によっては、精製工程が1回以上行われる。該精製工程としては、フラッシュカラムクロマトグラフィー、様々な媒体によるろ過、及び/又は当該技術分野で公知の他の分取方法、及び/又は結晶化/再結晶が挙げられるが、これらに限定されない(例えば、Addison Ault,“Techniques and Experiments for Organic Chemistry,”6th Ed.,University Science Books,Sausalito,Calif.,1998,Ann B.McGuire,Ed.,pp.45-59を参照)。
【実施例】
【0082】
【0083】
工程1:N-(6-ブロモ-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)アセトアミド(A1-1)
【0084】
6-ブロモ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン(2.50g、10.7mmol)及びDMAP(1.33g、12.8mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、この溶液に0℃で無水酢酸(1.23mL、13.0mmol)をゆっくりと加え、室温で一晩撹拌した。次いで、混合物を1NのHCl溶液に入れ、吸引ろ過により固体を回収した。得られた固体を水で洗浄し、乾燥させて白色固体として表題化合物(2.30g、79%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ9.90(br s,1H),7.94(s,1H),7.61(d,J=10.4 Hz,1H),7.54(d,J=10.4 Hz,1H),2.30(s,3H).
【0085】
工程2:7-ブロモ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(C1-1)
【0086】
6-ブロモ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(97mg、0.5mmol)を無水THF(5mL)に溶解し、これに、室温でピリジン(120mg、1.5mmol)をゆっくり加えた後、シクロヘキシルカルボノクロリデート(162mg、1mmol)のTHF溶液(2mL)を添加した。室温で3時間撹拌した後、飽和NaCl溶液(20mL)を加えて反応をクエンチさせた。水層を酢酸エチル(3×)で抽出した後、合わせた有機層を合わせ、乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)で精製して、無色油状液体として表題化合物(120mg、75%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.58(s,2H),7.84(d,J=2.4 Hz,1H),8.77(d,J=3.6 Hz,1H),5.13-5.00(m,1H),2.13-1.97(m,2H),1.91-1.75(m,2H),1.72-1.33(m,6H).
【0087】
工程3:シクロヘキシル6-(2-アセトアミド-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル)ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C1)
【0088】
C1-1(112mg、0.35mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(132mg、0.52mmol)、酢酸カリウム(86mg、0.88mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(Pd(dppf)Cl
2
)(26mg、0.035mmol)を1,4-ジオキサン(15mL)に窒素(N
2
)下で順次に加えた。混合物を100℃で5h撹拌した。室温まで冷却した後、ろ過を行った。ろ液にA1-1(68mg、0.25mmol)、K
2
CO
3
(87mg、0.63mmol)、Pd(PPh
3
)
4
(29mg、0.025mmol)及び水(1mL)を窒素下で順次に加えた。混合物を、窒素下で、80℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、ろ過を行い、ろ液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)で精製して、白色固体を得た。さらに、酢酸エチル/エーテル(v/v=1:2、15mL)でトリチュレーションを行い、白色固体として表題化合物(20mg、19%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0089】
【0090】
工程1:シクロヘキシルN-(2-アミノ-5-ブロモ-3-ピリジル)カルバメート(C2-1)
【0091】
5-ブロモピリジン-2,3-ジアミン(187mg、1.0mmol)を無水THF(5mL)に溶解し、これに、0℃でピリジン(160mg、2.0mmol)を加えた後、シクロヘキシルカルボノクロリデート(162mg、1.0mmol)のTHF溶液(2mL)を添加した。室温で3時間撹拌した後、飽和NaCl溶液(20mL)を加えて反応をクエンチさせた。水層を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した後、有機層を回収して、乾燥させ、濃縮させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)で精製して、無色の油状液体として表題化合物(50mg、16%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ7.98(s,1H),7.81(br s,1H),6.19(br s,1H),4.81-4.69(m,1H),4.52(br s,2H),1.99-1.85(m,2H),1.82-1.68(m,2H),1.50-1.20(m,6H).
【0092】
工程2:シクロヘキシル6-ブロモイミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C2-2)
【0093】
C2-1(47mg、0.15mmol)をオルトギ酸トリメチル(3mL)に溶解した。そして、触媒量のp-トルエンスルホン酸(4mg、0.015mmol)を加え、90℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、濃縮した。残渣を酢酸エチル(20mL)に溶解した後、飽和NaHCO
3
水溶液(15mL×2)で洗浄した。有機層を単離して乾燥させ、濃縮させて、白色固体として表題化合物(40mg、83%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.62(s,1H),7.99(s,1H),7.63(s,1H),4.77(s,1H),2.05-1.90(m,2H),1.86-1.78(m,2H),1.56-1.21(m,6H).
【0094】
工程3:シクロヘキシル6-(2-アセトアミド-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル)イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C2)
【0095】
C2-2(45mg、0.14mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(53mg、0.014mmol)、酢酸カリウム(34mg、0.35mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(10mg、0.014mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)に、窒素下で順次に加え、100℃で5h撹拌した。室温まで冷却した後、ろ過を行った。ろ液にA1-1(27mg、0.1mmol)、K
2
CO
3
(35mg、0.25mmol)、Pd(PPh
3
)
4
(12mg、0.01mmol)及び水(1mL)を窒素下で順次に加えた。混合物を窒素下、80℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、ろ過を行い、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=70:1)で精製して、白色固体を得た。さらに、酢酸エチル/エーテル(v/v=1:2、10mL)でトリチュレーションを行い、白色固体として表題化合物(10mg、23%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0096】
【0097】
工程1:中間体テトラヒドロピラン-4-イルカルボノクロリデート(B17-1)
【0098】
テトラヒドロピラン-4-オール(3.54g、24.7mmol)とピリジン(2.74mL)をジクロロメタン(50mL)に溶解し、トリホスゲン(BTC)(4.04g、34.7mmol)を室温で徐々に加え、混合物を3時間反応させて、濃縮させた。酢酸エチル(100mL)を加え、室温で2時間撹拌して、ろ過し、ろ液を濃縮して無色の液体として表題化合物(5g、90%)を得た。
【0099】
工程2:中間体5-ブロモチアゾロ[5,4-b]ピリジン-2-アミン(B31-1)
【0100】
チオシアン酸カリウム(970mg、10.0mmol)を酢酸(2mL)に溶解し、0℃で6-ブロモピリジン-3-アミン(348mg、2.0mmol)を滴下し、5分間攪拌した。0℃で臭素(420mg、2.6mmol)の酢酸溶液(1mL)を滴下した。室温で一晩攪拌した後、ろ過し、濃縮させた。生成物を飽和NaHCO
3
で中和した後、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を回収し、乾燥させ、濃縮させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1)で精製し、白色固体として表題化合物(190mg、41%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ7.95(s,2H),7.56(d,J=8.4 Hz,1H),7.42(d,J=8.4 Hz,1H).
【0101】
工程3:中間体N-(5-ブロモチアゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イル)クロロプロパンカルボキサミド(B32-1)
【0102】
シクロプロパンカルボン酸(215mg、2.5mmol)をDMF(10mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、645mg、5mmol)、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム-3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU、950mg、2.5mmol)を順次に加え、室温で15分間撹拌した。次いで、B31-1(229mg、1mmol)を混合物に加え、90℃で48時間撹拌した後、室温まで冷却した。混合物を水(50mL)に注ぎ、褐色の固体が析出した。ろ過して得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)で精製して、赤色固体として表題化合物(190mg、64%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d
6
)δ12.90(s,1H),8.05(d,J=8.4 Hz,1H),7.67(d,J=8.0Hz,1H),2.06-1.95(m,1H),1.07-0.90(m,4H).
【0103】
工程4:中間体テトラヒドロピラン-4-イル 6-ブロモピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C3-1)
【0104】
6-ブロモ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(825mg、4.2mmol)を無水THF(50mL)に溶解し、この溶液にピリジン(1.0g、12.6mmol)及びB17-1(1.4g、8.4mmol)のTHF溶液(50mL)を加えた。これを室温で3時間撹拌した後、飽和塩水(saturated brine)(50mL)を加えて反応をクエンチさせた。水層を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した後、有機層を回収し、乾燥し、ろ過して、濃縮させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)で精製して、無色の油状液体として表題化合物(1.1g、81%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d
6
)δ8.60(s,1H),8.47(s,1H),8.09(d,J=2.4 Hz,1H),8.89(s,1H),5.25-5.15(m,1H),3.98-3.81(m,2H),3.56(t,J=8.8 Hz,2H),2.14-1.98(m,2H),1.91-1.64(m,2H).
【0105】
工程5:テトラヒドロピラン-4-イル 6-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)チアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル]ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C3)
【0106】
C3-1(91mg、0.28mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(137mg、0.54mmol)、酢酸カリウム(55mg、0.58mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(21mg、0.028mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)に窒素下で順次に加え、混合物を100℃で5時間撹拌した。室温まで冷却した後、ろ過を行った。ろ液にB32-1(60mg、0.2mmol)、K
2
CO
3
(70mg、0.5mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(15mg、0.02mmol)及び水(1mL)を窒素下で順次に加えた。混合物を窒素下で、100℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、ろ過を行い、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=75/1)で精製して、白色固体を得た。さらに、酢酸エチル/エーテル(v/v=1:2、15mL)でトリチュレーションを行い、白色固体として表題化合物(35mg、35%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0107】
【0108】
工程1:中間体N-(6-ブロモ-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド(A61-1)
【0109】
HATU(1.8g、4.4mmol)をシクロプロパンカルボン酸(380mg、4.4mmol)のDMF溶液(3mL)に加え、室温で15分撹拌した。6-ブロモ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン(500mg、2.2mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(850mg、6.6mmol)を加えて、さらに5時間撹拌した。混合物を水(20mL)に注ぎ、ろ過して白色固体として表題化合物(190mg、64%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.72(s,1H),8.23(s,1H),7.66(d,J=8.5 Hz,1H),7.56(d,J=8.5 Hz,1H),2.00(s,1H),0.97(d,J=7.5 Hz,4H).
【0110】
工程2:中間体N-[6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル]シクロプロパンカルボキサミド(A61-2)
【0111】
中間体A61-1(480mg、1.7mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(530mg、2.1mmol)をジメチルスルホキシド(5mL)に溶解し、酢酸カリウム(380mg、4mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(120mg、0.16mmol)を窒素下で加え、80℃で一晩撹拌した。混合物をろ過し、ろ液を酢酸エチル20mLで希釈した後、塩水で洗浄した(5mL×6)。有機層をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:1.2)で精製して、淡赤色固体として表題化合物(380mg、69%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.73(s,1H),8.25(s,1H),7.71(s,2H),2.01(s,1H),1.31(s,12H),1.16(s,8H),0.95(s,4H).
【0112】
工程3:中間体4,4-ジフルオロシクロヘキサノール(B70-1)
【0113】
4,4-ジフルオロシクロヘキサノン(5g、37.3mmol)をメタノール30mLに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(4.2g、112mmol)をバッチで加え、室温で1時間反応させた。水を加えて反応をクエンチさせ、メタノールを除去した。水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を回収して乾燥させ、ろ過し、ろ液を濃縮させて、褐色油状物として表題化合物(4.7g、94%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ3.92(s,1H),2.20-2.00(m,2H),1.94-1.79(m,4H),1.78-1.68(m,2H).
【0114】
工程4:中間体(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)カルボノクロリデート(B70-2)
【0115】
トリホスゲン(BTC)(870g、2.9mmol)をジクロロメタン溶液(20mL)に溶解し、0℃でピリジン(634mg、8.0mmol)を滴下し、同温度で10m分間攪拌した。B70-1(1g、7.3mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を混合物に滴下し、室温で4時間攪拌し、濃縮させた。酢酸エチルを加え、ろ過して固体を除いた。ろ液を濃縮し、淡黄色の油状粗生成物として表題化合物(1.5g)を得た。
【0116】
工程5:中間体(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)6-ブロモピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C4-1)
【0117】
6-ブロモ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(97mg、0.5mmol)を無水THF(8mL)に溶解した。室温でピリジン(120mg、1.5mmol)を加えた後、B70-2(198g、1mmol)のTHF溶液(2mL)を加えた。室温で3時間撹拌した後、飽和塩水(20mL)を加えて反応をクエンチさせた。水層を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した後、有機層を回収して、乾燥させ、ろ過して、濃縮させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20/1)で精製して、無色の油状液体として表題化合物(71mg、40%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d
6
)δ8.62(s,1H),8.49(s,1H),8.17(s,1H),8.89(s,1H),5.21(s,1H),2.17-1.92(m,8H).
【0118】
工程6:(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)6-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C4)
【0119】
C4-1(71mg、0.2mmol)、A61-2(103mg、0.3mmol)、K
2
CO
3
(70mg、0.5mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(15mg、0.02mmol)を1,4-ジオキサン/水(10mL/0.5mL)に窒素下で順次に加えた。混合物を、窒素下、100℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、ろ過を行い、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=50:1)で精製して、白色固体を得た。さらに、酢酸エチル/エーテル(v/v=1:2、15mL)でトリチュレーションを行い、白色固体として表題化合物(40mg、40%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0120】
【0121】
工程1:テトラヒドロピラン-4-イル 6-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C5)
【0122】
C3-1(64mg、0.2mmol)、A61-2(103mg、0.3mmol)、K
2
CO
3
(70mg、0.5mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(15mg、0.02mmol)を1,4-ジオキサン/水(10mL/0.5mL)に順次に加えた。混合物を窒素下で、100℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、ろ過を行い、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=50:1)で精製して、白色固体を得た。さらに、酢酸エチル/エチルエーテル(v/v=1:2、15mL)でトリチュレーションを行い、白色固体として表題化合物(45mg、49%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0123】
【0124】
工程1:中間体N-(5-ブロモ-2-ピリジル)-4-メチル-ベンゼンスルホンアミド(C6-2)
【0125】
5-ブロモピリジン-2-アミン(308g、1.72mol)をピリジン(1.4L)に溶解し、この溶液に、p-TsCl(366g、1.9mol)のピリジン溶液(300mL)を加えた。そして、混合物を90℃で5時間撹拌した後、室温まで冷却し、濃縮させた。残渣に水(2.5L)を加え、30分撹拌した後、ろ過し、ろ過ケーキを水洗して乾燥させ、淡黄色の固体粗生成物として表題化合物(587g)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d
6
)δ11.24(br s,1H),8.27(s,1H),7.89(d,J=8.0Hz,1H),7.78(d,J=8.0Hz,2H),7.36(d,J=7.36 Hz,2H),7.02(d,J=8.8 Hz,1H),2.35(s,3H).
【0126】
工程2:中間体2-[(2E)-5-ブロモ-2-(p-トリルスルホニルイミノ)-1-ピリジル]アセトアミド(C6-3)
【0127】
C6-2(587g、1.8mol)をDMF(1.8L)に溶解し、ヨードアセトアミド(383g、2.07mol)、DIPEA(287g、2.16mol)を順次に加え、室温で一晩撹拌した。混合物を水(20L)に注ぎ、機械的に撹拌した後、ろ過を行った。ろ過により回収した固体を乾燥させた後、ジクロロメタン(4L)でトリチュレーションを行い、ろ過して白色固体として表題化合物(590g、90%)を得た。
【0128】
工程3:中間体N-(6-ブロモイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)-2,2,2-トリフルオロ-アセトアミド(C6-4)
【0129】
C6-3(150g)をジクロロメタン(1.5L)に懸濁させ、これに0℃でトリフルオロ無水酢酸(164g、783mmol)を滴下した。滴下完了後、混合物を室温まで昇温させて、2時間撹拌した。反応終了をTLCで確認した後、混合物を氷水(3L)に注ぎ、飽和NaHCO
3
水溶液を加えてpHが6~7となるように調整した。固体を回収して乾燥させた後、ジクロロメタン(1L×2)でトリチュレーションを行い、白色固体として表題化合物(120g、50%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d
6
)δ12.55(br s,1H),8.96(s,1H),8.24(s,1H),7.51(d,J=8.8 Hz,1H),7.41(d,J=8.8 Hz,1H).
【0130】
工程4:中間体6-ブロモイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-アミン(C6-4)
【0131】
C6-4(110g、357mmol)をMeOH(1L)に溶解した。室温で水酸化ナトリウム(17g、420mL中428mmol)水溶液を加えた後、80℃で一晩撹拌した。反応の完了を薄層クロマトグラフィー(TLC)で確認した後、室温まで冷却した。不溶性の固体物をろ別した後、ろ液を濃縮した。塩水(brine)(1L)を加えた後、ジクロロメタン(800mL×3)で抽出した。有機層を回収して、乾燥させ、ろ過して、ろ液を濃縮し、黄色固体として表題化合物(75g、99%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d
6
)δ8.60(s,1H),7.13(d,J=9.2 Hz,1H),7.07(d,J=8.0Hz,1H),7.00(s,1H),5.19(br s,2H).
【0132】
工程5:中間体N-(6-ブロモイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド(C6-5)
【0133】
C6-5(73g、346mmol)をジクロロメタン(1.5L)に溶解した。トリエチルアミン(42g、415mmol)を加えた後、0℃でシクロプロパンカルボニルクロリド(41g、398mmol)のジクロロメタン溶液(100mL)を滴下した。滴下完了後、室温まで昇温して3時間撹拌した。反応の完了をTLCで確認した後、飽和K
2
CO
3
溶液(100mL)を加えて反応をクエンチさせた。その後、2h撹拌し、黄色の固体が析出した。ろ過して黄色固体を得、乾燥させて、黄色固体として表題化合物を(97g、99%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d
6
)δ11.03(br s,1H),8.87(s,1H),8.06(s,1H),7.39(d,J=9.2 Hz,1H),7.31(d,J=9.6 Hz,1H),2.00-1.90(m,1H),0.79(d,J=7.6 Hz,4H).
【0134】
工程6:テトラヒドロピラン-4-イル 6-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)イミダゾ-[1,2-a]ピリジン-6-イル]ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C6)
【0135】
C3-1(91mg、0.28mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(137mg、0.54mmol)、酢酸カリウム(55mg、0.58mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(21mg、0.028mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)に窒素下で順次に加えた。混合物を100℃で5時間撹拌した。室温まで冷却した後、ろ過を行った。ろ液にC6-6(56mg、0.2mmol)、K
2
CO
3
(70mg、0.5mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(15mg、0.023mmol)及び水(1mL)を窒素下で順次に加えた。混合物を窒素下、100℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、ろ過を行い、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)で精製して、白色固体を得た。さらに、酢酸エチル/エーテル(v/v=1:2、15mL)でトリチュレーションを行い、白色固体として表題化合物(40mg、32%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0136】
【0137】
工程1:1-(6-ブロモー1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-3-メチル-ウレア(B73-1)
【0138】
6-ブロモ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン(1.0g、4.4mmol)をDMF(100mL)に溶解し、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI、2.1g、13.1mmol)をバッチで加え、40℃で一晩攪拌した。モノメチルアミン塩酸塩(877mg、13.1mmol)を混合物に加えて、さらに一晩反応させた。混合物を水に注ぎ、ろ過して白色固体中間体B73-1(1g、80%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.92(s,1H),8.13(s,1H),7.56-7.45(m,2H),6.62(s,1H),2.71(d,J=4.4 Hz,1H).
【0139】
工程2:テトラヒドロピラン-4-イル 6-[2-(メチルカルバモイルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C7)
【0140】
C3-1(91mg、0.28mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(137mg、0.54mmol)、酢酸カリウム(55mg、0.58mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(Pd(dppf)Cl
2
)(21mg、0.028mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)に窒素下で順次に加え、100℃で5時間撹拌した。室温まで冷却した後、ろ過を行った。ろ液にB73-1(58mg、0.2mmol)、K
2
CO
3
(70mg、0.5mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(15mg、0.02mmol)及び水(1mL)を窒素下で順次に加えた。混合物を窒素下、100℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、ろ過を行い、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)で精製して、白色固体を得た。さらに、酢酸エチル/エーテル(v/v=1:2、15mL)でトリチュレーションを行い、白色固体として表題化合物(25mg、20%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0141】
【0142】
工程1:中間体1-(6-ブロモピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル)-2-テトラヒドロピラン-4-イル-エタノン(C8-1)
【0143】
6-ブロモ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(40mg、0.21mmol)を無水THF(10mL)に溶解し、窒素下でNaHMDS(0.4mmol、0.2mL)溶液を徐々に滴下し、0℃で15分間撹拌した。これに、2-テトラヒドロピラン-4-イルアセチルクロリド(100mg、0.62mmol)のTHF溶液を滴下した。反応が完了した後、飽和NH
4
Cl水溶液(20mL)を加えて反応をクエンチさせた。酢酸エチル(20mL)で混合物を抽出し、有機層を分離し、乾燥させて濃縮し、黄色固体として表題化合物(20mg)を得た。
【0144】
工程2:N-[6-[1-(2-テトラヒドロピラン-4-イルアセチル)ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-イル]-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル]シクロプロパンカルボキサミド(C8)
【0145】
C8-1(30mg、0.08mmol)、A61-2(43mg、0.13mmol)、K
2
CO
3
(30mg、0.21mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(8mg、0.008mmol)を1、4-ジオキサン/水(10mL/1mL)に順次溶解し、窒素下、100℃で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却して、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=40:1)で精製して、白色固体として表題化合物(10mg、23%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0146】
【0147】
工程1:1-(5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)-2,2,2-トリクロロ-エタノン(C9-2)
【0148】
5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(C9-1)(1.97g、10mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解し、塩化アルミニウム(6.67g、50mmol)を加え、室温で10分撹拌した後、塩化トリクロロアセチル(2.73g、15mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ、ろ過して、ろ過ケーキをジクロロメタン(100mL)で洗浄し、減圧乾燥して、浅黄色固体として表題化合物C9-2(3.5g、100%)を得た。
【0149】
工程2:5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボン酸(C9-3)
【0150】
C9-2(3.5g、10mmol)をTHF(40mL)及び水(10mL)の混合物に溶解し、トリエチルアミン(5mL)を加え、室温で一晩撹拌した。上記混合物を濃縮し、残渣に0.5Nの塩酸水溶液(20mL)を加え、室温で20分間撹拌後、ろ過し、ろ過ケーキを水(20mL)で洗浄し、減圧乾燥させて、類白色固体として表題化合物C9-3(2.43g、100%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d
6
)δ12.66(s,1H),8.41(s,1H),8.39(s,1H),8.21(s,1H).
【0151】
工程3:5-ブロモ-N-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C9-4)
【0152】
中間体C9-3(430mg、1.78mmol)及び4-アミノテトラヒドロピラン塩酸塩(319mg、2.32mmol)をDMF(5mL)に加え、室温でDIPEA(805mg、6.24mmol)及びHATU(881mg、2.32mmol)を入れ、室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮し、残渣を水(10mL)及びジクロロメタン(20mL)で分配し、水層はさらにジクロロメタン(20mL)で抽出を行った。有機層を回収して、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)で精製して、粗生成物C9-4を得た。ジクロロメタン(20mL)を加えて20分間トリチュレーションを行い、ろ過して、ろ過ケーキをジクロロメタン(20mL)で洗浄し、減圧乾燥させて、白色固体として表題化合物(190mg、33%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d
6
)δ12.33(s,1H),8.56(d,J=2.4 Hz,1H),8.34(d,J=2.4 Hz,1H),8.25(d,J=2.8 Hz,1H),7.94(d,J=7.6 Hz,1H),4.06-3.95(m,1H),3.93-3.84(m,2H),3.43-3.39(m,2H),1.84-1.73(m,2H),1.61-1.47(m,2H)。
【0153】
工程4:5-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-N-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C9)
【0154】
C9-4(97mg、0.3mmol)、A61-2(155mg、0.45mmol)、K
2
CO
3
(104mg、0.75mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(22mg、0.03mmol)を1,4-ジオキサン/水(10mL/1mL)に加え、窒素下、100℃で一晩攪拌した。混合物を室温まで冷却し、濃縮させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20:1)で精製して、C9の粗生成物を得た。酢酸エチル(5mL)でトリチュレーションを30分間行い、ろ過して、ろ過ケーキを酢酸エチル(5mL)及びエーテル(5mL)で洗浄した。ろ過ケーキを減圧乾燥して、灰色固体として表題化合物(85mg、61%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0155】
【0156】
工程1:5-ブロモ-N-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C10-2)
【0157】
中間体5-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボン酸(C10-1)(250mg、1.03mmol)及び4-アミノテトラヒドロピラン塩酸塩(213mg、1.55mmol)をDMF(5mL)に加え、室温でDIPEA(400mg、3.1mmol)及びHATU(510mg、1.34mmol)を加えて、室温で2時間撹拌した。そして、混合物を濃縮し、残渣を飽和Na
2
CO
3
溶液(10mL)及びジクロロメタン(20mL)を加えて抽出した。有機層を単離し、濃縮した。残渣に酢酸エチル(5mL)を加えて5分間攪拌し、ろ過して、ろ過ケーキを酢酸エチル(5mL)及びジクロロメタン(10mL)で洗浄し、ろ過ケーキを減圧乾燥させて、類白色固体として表題化合物C10-2(150mg、45%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d
6
)δ8.51(s,1H),8.47(s,1H),8.25(s,1H),4.09-4.00(m,1H),3.90-3.84(m,2H),3.41-3.40(m,2H),1.79-1.59(m,4H)。
【0158】
工程2:5-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-N-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C10)
【0159】
C10-2(97mg、0.3mmol)、A61-2(155mg、0.45mmol)、K
2
CO
3
(104mg、0.75mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(22mg、0.03mmol)を1,4-ジオキサン/水(10mL/1mL)に加え、窒素下、100℃で一晩攪拌した。混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20:1)で精製して、C10の粗生成物を得た。これに酢酸エチル(10mL)でトリチュレーションを30分間行い、ろ過して、ろ過ケーキを酢酸エチル(5mL)及びエーテル(5mL)で洗浄した。ろ過ケーキを減圧乾燥させて灰色固体として表題化合物(33mg、24%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0160】
【0161】
工程1:N-(5-ブロモ-2-メチル-3-ピリジル)アセトアミド(C11-2)
【0162】
5-ブロモ-2-メチル-ピリジン-3-アミン(C11-1)(1.86g、10mmol)、Ac
2
O(1.73g、17mmol)、Et3N(2.32g、23mmol)をジクロロメタン(10mL)に加え、室温で一晩撹拌した。反応が完了した後、飽和NaHCO
3
水溶液(25mL)を加えて反応をクエンチさせ、酢酸エチル(30mL)で混合物を抽出した。有機層を無水Na
2
SO
4
で乾燥させ、ろ過し、ろ液を濃縮して、粗生成物C11-2を得た。
【0163】
工程2:1-(6-ブロモピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-イル)エタノン(C11-3)
【0164】
中間体C11-2(100mg、0.44mmol)、酢酸カリウム(94mg、0.96mmol)、無水酢酸(265mg、1.31mmol)をトルエン10mLに溶解し、窒素下で、120℃で20分還流させ、亜硝酸イソアミル(64mg、0.55mmol)を注射器で注入し、一晩反応させた。反応の進行をTLCで追跡した結果、反応がまだ完了していなかった。酢酸エチル20mLで抽出を行い、有機層を回収し、無水Na
2
SO
4
上で乾燥させて、ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5:1)で精製して、黄色固体として表題化合物(50mg、48%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.91(s,1H),8.75(s,1H),8.32(s,1H),2.80(s,3H)。
【0165】
工程3:6-ブロモ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン(C11-4)
【0166】
C11-3(50mg、0.15mmol)、K
2
CO
3
(40mg、0.31mmol)をメタノール(5mL)中で混合し、80℃で1h撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(20mL)で混合物を希釈した。有機層を無水Na
2
SO
4
上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を濃縮して、粗生成物として表題化合物(40mg)を得た。
【0167】
工程4:N-[6-(1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-6-イル)-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル]シクロプロパンカルボキサミド(C11-5)
【0168】
C11-4(40mg、0.20mmol)、A61-2(104mg、0.30mmol)、K
2
CO
3
(69mg、0.51mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(15mg、0.02mmol)を1、4-ジオキサン/水(10mL/1mL)に窒素下で加え、窒素下、100℃で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=40:1)で精製し、粗生成物C11-5(30mg、23.8%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ13.43(s,1H),12.73(s,1H),8.90(s,1H),8.45(s,1H),8.33(s,1H),8.23(s,1H),7.86(s,2H),2.00(s,1H),0.97(s,4H)。
【0169】
工程5:テトラヒドロピラン-4-イル 6-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C11)
【0170】
C11-5(30mg、0.09mmol)をTHF(10mL)に溶解し、ピリジン(36mg、0.45mmol)を加え、0℃で撹拌して、さらに、B17-1(15mg、0.089mmol)のTHF溶液を加えた。反応が完了した後、飽和NaHCO
3
水溶液(5mL)を加えて反応をクエンチさせ、酢酸エチルで抽出を行った。有機層を単離し、塩水で洗浄し(10mL×2)、無水Na
2
SO
4
上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)で精製して、白色固体として表題化合物(C11)(10mg、23%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0171】
【0172】
工程1:5-ブロモ-3-メチル-チエノ[2,3-b]ピリジン(C12-2)
【0173】
1-(5-ブロモ-2-クロロ-3-ピリジル)エタノン(C12-1)(500mg、2.1mmol)、メチル2-スルファニルアセテート(445mg、4.2mmol)及び炭酸セシウム(1.3g、4.2mmol)をジメチルアセトアミド(DMA)(10mL)に加え、100℃で一晩加熱した。混合物を室温まで冷却し、飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)、ジクロロメタン(20mL)を加えて抽出した。有機層を単離し、無水Na
2
SO
4
上で乾燥させて、ろ過し、ろ液を濃縮させた。残渣をキノリン(5mL)に溶解し、銅粉(265mg、4.2mmol)を加え、170℃で3h加熱した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=100:1)で精製して黄色固体として表題化合物(C12-2)(430mg、89%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.60(s,1H),8.10(s,1H),7.20(s,1H),2.41(s,3H).
【0174】
工程2:5-ブロモ-3-(トリブロモメチル)チエノ[2,3-b]ピリジン(C12-3)
【0175】
C12-2(430mg、1.9mmol)、N-ブロモスクシンイミド(NBS)(1g、5.7mmol)及び過酸化ベンジル(BPO)(145mg、0.6mmol)をテトラクロロメタン(10mL)に加え、窒素下で一晩還流させた。混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣に、塩水(10mL)とジクロロメタン(10mL)を加えて抽出を行った。有機層を分離し、無水Na
2
SO
4
上で乾燥させて、ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=100:1)で精製して黄色の固体として表題化合物(C12-3)(720mg、82%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.83(s,1H),8.70(s,1H),8.17(s,1H).
【0176】
工程3:5-ブロモチエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボン酸(C12-4)
【0177】
C12-3(100mg、0.21mmol)を酢酸(5mL)に溶解し、酢酸カリウム(62mg、0.63mmol)を加え、110℃で1時間加熱した。室温まで冷却し、ろ過して黄色の固体として生成物C12-5(45mg、83%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d
6
)δ13.41(s,1H),8.88(s,1H),8.83(s,1H),8.77(s,1H).
【0178】
工程4:5-ブロモ-N-テトラヒドロピラン-4-イル-チエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド;メタン(C12-5)
【0179】
C12-4(45mg、0.17mmol)及びHATU(99mg、0.26mmol)をDMF(5mL)に加え、室温で1時間撹拌した後、4-アミノテトラヒドロピラン(36mg、0.26mmol)及びDIPEA(66mg、0.51mmol)を混合物に加えて、さらに1時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、有機層を飽和NaHCO
3
溶液(10mL×3)で洗浄した。有機層を無水Na
2
SO
4
上で乾燥させて、ろ過し、ろ液を濃縮して、白色の粗生成物として表題化合物C12-5(61mg)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.93(s,1H),8.65(s,1H),7.91(s,1H),5.91(d,J=8.0Hz,1H),4.28-4.17(m,1H),4.05-4.00(m,2H),3.58-3.52(m,2H),2.07-2.02(m,2H),1.65-1.60(m,2H).
【0180】
工程5:5-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-N-テトラヒドロピラン-4-イル-チエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C12)
【0181】
C12-5(60mg、0.17mmol)、A61-2(89mg、0.26mmol)、K
2
CO
3
(83mg、0.6mmol)、Pd(PPh
3
)
4
(23mg、0.02mmol)、及び水(1mL)を1,4-ジオキサン(5mL)に加え、窒素雰囲気下、90℃で一晩攪拌した。混合物を室温まで冷却して、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1)で精製して白色固体として表題化合物C12(42mg、52%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0182】
【0183】
工程1:3-ブロモキノリン-5-カルボン酸(C13-2)
【0184】
キノリン-5-カルボン酸(C13-1)(620mg、3.58mmol)を酢酸(10mL)に加え、室温でNBS(956mg、5.37mmol)を加え、120℃で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却し、ろ過して、ろ過ケーキを酢酸エチル(5mL)で洗浄し、ろ過ケーキを減圧乾燥させて、灰色固体として表題化合物C13-2(粗生成物、700mg)を得た。
【0185】
工程2:3-ブロモ-N-テトラヒドロピラン-4-イル-キノリン-5-カルボキサミド(C13-3)
【0186】
C13-2(粗生成物、700mg)及び4-アミノテトラヒドロピラン塩酸塩(573mg、4.2mmol)をDMF(5mL)に加え、DIPEA(1.08g、8.3mmol)及びHATU(1.37g、3.6mmol)を加えて、室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮し、残渣を飽和炭酸ナトリウム水溶液(10mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL×2)で抽出を行った。有機層を回収し、無水Na
2
SO
4
上で乾燥させて、ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2:1)で精製して灰色固体として表題化合物C13-3(360mg)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.96-8.93(m,2H),8.17-8.13(m,1H),7.69-7.66(m,2H),6.09(d,J=8.0Hz,1H),4.39-4.20(m,1H),4.09-3.98(m,2H),3.57(td,J=12.0,2.0Hz,2H),2.15-2.04(m,2H),1.67-1.55(m,2H).
【0187】
工程3:3-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-N-テトラヒドロピラン-4-イル-キノリン-5-カルボキサミド(C13
【0188】
C13-3(134mg、0.4mmol)、A61-2(207mg、0.6mmol)、K
2
CO
3
(138mg、1mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(30mg、0.04mmol)及び水(1mL)を1,4-ジオキサン(10mL)に加え、窒素下で、100℃で一晩攪拌した。混合物を室温まで冷却し、ろ過して、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製してC13の粗生成物を得た。これを酢酸エチル(10mL)で30分間トリチュレーションを行い、ろ過し、ろ過ケーキを酢酸エチル(5mL)及びジエチルエーテル(5mL)で洗浄した。ろ過ケーキを減圧乾燥させて灰色固体として表題化合物(100mg、53%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0189】
【0190】
工程1:5-ブロモ-2-クロロ-ピリジン-3-カルボニルクロリド(C14-2)
【0191】
5-ブロモ-2-クロロ-ピリジン-3-カルボン酸(C14-1)(2.35g、10mmol)を塩化オキサリル(10mL)に溶解し、55℃で一晩加熱した。室温まで冷却し、濃縮して、黄色油状物として表題化合物(C14-2)(粗生成物、3g)を得た。
【0192】
工程2:ジエチル2-(5-ブロモ-2-クロロ-ピリジン-3-カルボニル)プロパンジオエート(C14-3)
【0193】
C14-2(粗生成物、3g)をトルエン(16mL)に溶解し、塩化マグネシウム(660mg、7.0mmol)、トリエチルアミン(2.5g、25mmol)を順次に加え、室温で45分間撹拌した。マロン酸ジエチル(1.9g、22mmol)をトルエンに溶解して混合物に滴下し、さらに3時間撹拌した。水(30mL)を加えて反応をクエンチさせた。酢酸エチル(38mL×2)で抽出を行い、回収した有機層を濃縮して、黄色の固体粗生成物として表題化合物(4.5g)を得た。LC-MS(m/z):377.5[M+H]
+
。
【0194】
工程3:1-(5-ブロモ-2-クロロ-3-ピリジル)エタノン(C14-4)
【0195】
C14-3(粗生成物、4.5g)をジメチルスルホキシド(10mL)に溶解し、濃塩酸を加えてpHを5に調整し、120℃で一晩加熱した。室温まで冷却し、水(50mL)及び酢酸エチル(80mL)を加えて抽出を行った。有機層を単離して濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=50:1)で精製して、黄色油状物として表題化合物C14-4(1.3g、55.8%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.52(d,J=2.4 Hz,1H),8.00(d,J=2.4 Hz,1H),2.68(s,3H).
【0196】
工程4:5-ブロモ-3-メチル-イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン(C14-5)
【0197】
C14-4(117mg、0.50mmol)、単体硫黄(18mg、0.55mmol)をアンモニア水(3mL)に溶解し、さらにメタノール(2mL)を加えて、110℃で一晩加熱した。室温まで冷却し、酢酸エチル(5mL)を加えて希釈した。有機層を単離して濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=30:1)で精製して、表題化合物C14-5(50mg、43.8%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.78(s,1H),8.33(s,1H),2.72(s,3H).LC-MS(m/z):377.5[M+H]
+
。
【0198】
工程5:5-ブロモ-3-(ブロモメチル)イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン(C14-6)
【0199】
C14-5(100mg、0.44mmol)、N-ブロモスクシンイミド(NBS)(85mg、0.04mmol)及び過酸化ベンジル(benzyl peroxide)(BPO)(10mg、0.04mmol)をCCl
4
(3mL)に溶解し、窒素下、70℃で一晩加熱した。室温まで冷却し、ろ過した。ろ過ケーキをCCl
4
(2×)で洗浄し、ろ液を回収して濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/ジクロロメタン=10:1)で精製して、白色固体として表題の化合物(C14-6)(90mg、66.8%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.83(s,1H),8.55(s,1H),4.78(s,2H).LC-MS(m/z):306.5[M+H]
+
。
【0200】
工程6:(5-ブロモイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-イル)メタノール(C14-7)
【0201】
C14-6(90mg)をジメチルスルホキシド(1.5mL)に溶解し、水(1mL)を加え、80℃に加熱し、1.5時間撹拌した。室温まで冷却し、水(50mL)、及び、酢酸エチル(15mL)を加えて抽出を行った。有機層を単離し、塩水(6mL×2)で洗浄し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/ジクロロメタン=3:1)で精製して、白色固体として表題化合物C14-7(20mg、74.5%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.81(s,1H),8.56(s,1H),5.08(s,2H).
【0202】
工程7:5-ブロモイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボン酸(C14-8)
【0203】
C14-7(20mg、0.08mmol)、水酸化カリウム(8.3mg、0.15mmol)、水(2mL)の混合物に、0℃で過マンガン酸カリウム(28mg、0.18mmol)水溶液を加え、室温で時間撹拌し、ろ過を行った。ろ液を酢酸エチル(5mL)で洗浄し、水層を単離した。水層のpHが1.5~2.6となるように調整し、褐色の固体として粗生成物(7mg、33.9%)を回収した。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ15.16-13.40(br s,1H),9.06(s,1H),9.04(s,1H).LC-MS(m/z):258.6[M+H]
+
。
【0204】
工程8:5-ブロモ-N-テトラヒドロピラン-4-イル-イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C14-9)
【0205】
C14-8(24mg、0.10mmol)、DIPEA(52mg、0.40mmol)、HATU(57mg、0.15mmol)、テトラヒドロピラン-4-アミン(27mg、0.20mmol)をDMF(2mL)に順次加え、室温で一晩撹拌した。次いで、酢酸エチル(15mL)を加えて希釈し、有機層を塩水(6mL×2)で洗浄し、有機層を単離して濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=30:1)で精製して固体として表題化合物(C14-9)(32mg、94.1%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.37(d,J=2.4 Hz,1H),8.82(d,J=2.0Hz,1H),4.20-4.15(m,1H),4.05-3.95(m,2H),3.60-3.50(m,2H),2.10-1.95(m,2H),1.35-1.32(m,2H).
【0206】
工程9:5-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-N-テトラヒドロピラン-4-イル-イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C14)
【0207】
C14-9(40mg、0.12mmol)、A61-2(62mg、0.18mmol)、K
2
CO
3
(41mg、0.30mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(7mg、0.01mmol)、水(0.5mL)を、窒素下で、1,4-ジオキサン(3mL)に加え、窒素下、110℃で一晩攪拌した。室温まで冷却し、ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)で精製して、黄色固体として表題化合物C14(20mg、34.7%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0208】
【0209】
工程1:シクロヘキシル6-ブロモピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C15-2)
【0210】
6-ブロモ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(C15-1)(200mg、1.03mmol)、ピリジン(489mg、3.08mmol)をTHF(5mL)に窒素下で溶解し、シクロヘキシルカルボノクロリデート(500mg、3.1mmol)のTHF(2mL)溶液を注射器でゆっくり加えた。反応が完了した後、飽和NaHCO
3
水溶液(20mL)を加えて、反応をクエンチさせ、ジクロロメタン(10mL)で抽出を行なった。有機層を単離し、無水Na
2
SO
4
上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)で精製して、黄色固体として、表題化合物(260mg、80%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.58(s,1H),7.84(s,1H),6.78(s,1H),5.05(s,1H),2.03-1.39(m,11H).
【0211】
工程2:シクロヘキシル6-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C15)
【0212】
C15-2(80mg、0.25mmol)、A61-2(127mg、0.37mmol)、K
2
CO
3
(85mg、0.62mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(18mg、0.025mmol)、及び水(0.5mL)を、窒素下で、1、4-ジオキサン(10mL)及び水(1mL)に加え、窒素下、100
o
Cで一晩撹拌した。室温まで冷却し、ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=90:1)で精製して、白色固体として表題化合物C15(50mg、44%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0213】
実施例16:化合物C17
【0214】
工程1:シクロヘキシル6-[2-(メチルカルバモイルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C16)
【化34】
【0215】
C15-2(100mg、0.3mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(152mg、0.6mmol)、酢酸カリウム(70mg、0.7mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(22mg、0.03mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)に窒素下で加え、100℃で8時間攪拌した。反応が完了した後、B73-1(50mg、0.2mmol)、K
2
CO
3
(70mg、0.5mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(15mg、0.02mmol)、水(2mL)を窒素下で順次に加え、窒素下、90℃で4時間攪拌した。室温まで冷却し、ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して白色固体として表題化合物C16(25mg、28%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0216】
【0217】
工程1:シクロヘキシル6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C17-2)
【0218】
C15-2(70mg、0.22mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(110mg、0.43mmol)、酢酸カリウム(53mg、0.54mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(16mg、0.02mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)に窒素下で加え、90℃で7時間攪拌した。反応が完了した後、混合物を次のステップに直接用いた。
【0219】
工程2:シクロヘキシル6-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル]ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C17)
【0220】
窒素下で、C6-6(41mg、0.15mmol)、K
2
CO
3
(50mg、0.36mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(11mg、0.02mmol)及び水(1mL)を、工程1で得られた混合物に順次に加え、窒素下、100℃で一晩攪拌した。室温まで冷却し、ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=80:1)で精製して、白色固体として表題化合物C17(20mg、39%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0221】
【0222】
工程1:5-ブロモ-N-シクロヘキシル-チエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C18-1)
【0223】
C12-3(250mg、1mmol)、HATU(570mg、1.5mmol)をDMF(15mL)に溶解し、室温で10分間撹拌した後、DIPEA(387mg、3mmol)、シクロヘキシルアミン(149mg、1.5mmol)を順次に加えた。室温で5時間撹拌した後、混合物を水(150mL)に注ぎ、ろ過した。ろ過ケーキを水で洗浄した後、乾燥させ、白色固体の粗生成物を得た。さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5:1)で精製して白色固体として表題化合物C18-1を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d
6
)δ8.92(s,1H),8.73(s,1H),8.59(s,1H),8.42(d,J=7.2 Hz,1H),3.83-3.63(m,1H),1.90-1.80(m,2H),1.77-1.70(m,2H),1.35-1.28(m,4H),1.26-1.20(m,2H).
【0224】
工程2:N-シクロヘキシル-5-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]チエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C18)
【0225】
C18-1(65mg、0.2mmol)、A61-2(103mg、0.3mmol)、K
2
CO
3
(70mg、0.5mmol)、Pd(PPh
3
)
4
(22mg、0.02mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)及び水(0.5mL)に窒素下で加え、窒素下、90℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)で精製して白色固体を得た。さらに、酢酸エチル/エーテル(v/v=1:2、15mL)でトリチュレーションを行い、白色固体として表題化合物C18(50mg、53%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0226】
【0227】
工程1:5-(2-アセトアミド-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル)-N-シクロヘキシル-チエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C19)
【0228】
C18-1(50mg、0.15mmol)、N-[6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル]アセトアミド(A1-2)(70mg、0.22mmol)、K
2
CO
3
(60mg、0.4mmol)、Pd(PPh
3
)
4
(11mg、0.015mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)及び水(0.5mL)に窒素下で加え、窒素下、90℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)で精製して白色固体を得た。さらに、酢酸エチル/エーテル(v/v=1:2、15mL)でトリチュレーションを行い、白色固体として表題化合物C18(12mg、18%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0229】
【0230】
工程1:N-シクロヘキシル-5-[2-(メチルカルバモイルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]チエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C20)
【0231】
C18-1(64mg、0.19mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(66mg、0.26mmol)、酢酸カリウム(42mg、0.43mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(12mg、0.017mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)に窒素下で順次に加え、窒素下、100℃で5時間撹拌した。室温まで冷却した後、ろ過を行った。ろ液にB73-1(48mg、0.17mmol)、K
2
CO
3
(59mg、0.43mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(12mg、0.017mmol)及び水(0.5mL)を窒素下で順次に加え、窒素下、100℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、ろ過を行い、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=50:1)で精製して白色固体を得た。さらに、酢酸エチル(15mL)でトリチュレーションを行い、白色固体として表題化合物(25mg、32%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0232】
【0233】
工程1:6-ブロモ-N-テトラヒドロピラン-4-イル-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキサミド;メタン(C21-1)
【0234】
6-ブロモ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(150mg、0.76mmol)、トリエチルアミンを無水ジクロロメタン(10mL)に窒素下で溶解し、トリホスゲン(BTC)(90mg、0.30mmol)を加え、室温で2時間撹拌して、A61-2(521mg、3.80mmol)を加えた。反応が完了した後、混合物を飽和NaHCO
3
水溶液(2mL)と酢酸エチル(20mL)を加えて抽出を行った。有機層を無水Na
2
SO
4
上で乾燥させ、ろ過して、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製して、黄色の固体として表題化合物C21-1(70mg、29%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.66(s,1H),8.54(s,1H),8.26-8.23(m,2H),3.92-3.89(m,3H),3.43-3.35(m,2H),1.87-1.83(m,2H),1.65-1.57(m,2H).
【0235】
工程2:6-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-N-テトラヒドロピラン-4-イル-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキサミド(C21)
【0236】
C21-1(50mg、0.15mmol)、A61-2(68mg、0.23mmol)、リン酸カリウム三水和物(101mg、0.38mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(22mg、0.03mmol)を1,4-ジオキサンに窒素下で順次に加えた。窒素下、95℃で水(0.5mL)を滴下し、一晩撹拌した。室温まで冷却した後、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=30:1)で精製して黄色の固体を得た。さらに、酢酸エチル/エーテル(v/v=1:2、15mL)でトリチュレーションを行い、白色固体として表題化合物C21(15mg、22%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0237】
【0238】
工程1:5-(2-アセトアミド-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル)-N-シクロヘキシル-イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C22)
【0239】
5-ブロモ-N-シクロヘキシル-イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C23-1)(80mg、0.23mmol)、A1-2(158mg、0.46mmol)、K
2
CO
3
(80mg、0.58mmol)、水0.5mL、Pd(dppf)Cl
2
(17mg、0.02mmol)を1,4-ジオキサン5mLに窒素下で加え、窒素下、80℃で一晩攪拌した。室温まで冷却し、ろ過して、ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=125:1)で精製して白色固体として化合物C22(45mg、43.4%)を得た。そのスペクトルデータを表1に示す。
【0240】
【0241】
工程1:5-ブロモ-N-シクロヘキシル-イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C23-1)
【0242】
5-ブロモイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボン酸(C14-8)(400mg、1.55mmol)、DIPEA(800mg、6.2mmol)、HATU(887mg、2.3mmol)、シクロヘキシルアミン(307mg、3.10mmol)をDMF(15mL)に溶解し、室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、塩水(50mL)で洗浄した。有機層を単離して濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/ジクロロメタン=10:1)で精製して黄色の固体として表題化合物C23-1(460mg、87.5%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ9.40(s,1H),8.81(s,1H),4.05-8.90(m,1H),2.10-2.00(m,2H),1.85-1.75(m,2H),1.70-1.55(m,3H),1.50-1.32(m,3H).
【0243】
工程2:N-シクロヘキシル-5-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C23)
【0244】
5-ブロモ-N-シクロヘキシル-イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C23-1)(80mg、0.23mmol)、A61-2(158mg、0.46mmol)、K
2
CO
3
(80mg、0.58mmol)、水(0.5mL)、Pd(dppf)Cl
2
(17mg、0.02mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)に窒素下で加え、窒素下、100℃で一晩攪拌した。混合物を室温まで冷却し、ろ過して、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)で精製して、白色固体として表題化合物C23(65mg、59.2%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0245】
【0246】
工程1:1-エチルプロピルカルボノクロリデート(C24-1)
【0247】
トリホスゲン(BTC)(268mg、0.91mmol)、ピリジン(199mg、2.40mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、室温で10分間攪拌した。混合物に3-ペンタノール(200mg、2.27mmol)を加えた。反応が完了した後、混合物をろ過して、ろ液を濃縮し、粗生成物C24-1(300mg)を得た。
【0248】
工程2:1-エチルプロピル6-ブロモピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C24-2)
【0249】
6-ブロモ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(50mg、0.25mmol)、ピリジン(122mg、0.77mmol)をTHF(5mL)に溶解し、C24-1(300mg)のTHF溶液を注射器で加えた。反応が完了した後、飽和NaHCO
3
水溶液(2mL)を加えて反応をクエンチさせた。ジクロロメタン(10mL)で抽出を行い、有機層を単離し、無水Na
2
SO
4
上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を濃縮して、黄色の固体として表題化合物C24-2(80mg、95%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.59(d,J=1.6 Hz,1H),7.84(d,J=2.8 Hz,1H),6.78(d,J=3.6 Hz,1H),5.04-5.01(m,2H),2.17(s,1H),1.18-1.76(m,4H),1.05(d,J=7.4 Hz,6H).
【0250】
工程3:1-エチルプロピル6-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C24)
【0251】
C24-2(80mg、0.26mmol)、A61-2(133mg、0.39mmol)、フッ化セシウム(137mg、0.90mmol)、Pd(PPh
3
)
4
(30mg、0.026mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)及び水(1mL)に窒素下で加え、窒素下、100℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=90:1)で精製して、白色固体として表題化合物C24(35mg、30%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0252】
【0253】
工程1:N-[6-(1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-イル)-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル]シクロプロパンカルボキサミド(C25-1)溶液
【0254】
6-ブロモ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(100mg、0.51mmol)、A61-2(263mg、0.77mmol)、K
2
CO
3
(176mg、1.28mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(37mg、0.05mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)に溶解し、窒素下、100℃で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=40:1)で精製して、白色固体として表題化合物C25-1(50mg、36%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.69(s,1H),11.44(s,1H),8.69(s,1H),8.35(s,1H),8.04(s,1H),7.84-7.78(m,2H),7.69(s,1H),6.59(s,1H),2.02(s,1H)0.96(s,4H).
【0255】
工程2:N-[6-[1-(2-シクロヘキシルアセチル)ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-イル]-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル]シクロプロパンカルボキサミド(C25)
【0256】
C25-1(20mg、0.21mmol)を、再蒸留したTHF(10mL)に窒素下で溶解し、NaHMDS(0.4mmol、0.2mL)溶液を0℃で注射器で加えた。15分間撹拌した後、2-シクロヘキシルアセチルクロリド(100mg、0.62mmol)のTHF溶液を注射器で加えた。反応が完了した後、NH
4
Cl水溶液(20mL)を加えて反応をクエンチさせた。酢酸エチル(20mL)で抽出を行い、有機層を分離し、無水Na
2
SO
4
上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた粗生成物を酢酸エチル/石油エーテル(v/v=1:3)でトリチュレーションして、黄色固体として表題化合物C25(8mg、30%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0257】
【0258】
工程1:N-(6-ブロモ-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)プロパンアミド(C26-1)
【0259】
6-ブロモ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン(1.1g、5mmol)、プロピオン酸(960mg、13mmol)、HATU(5.0g、13mmol)及びDIPEA(1.9g、15mmol)をDMF(50mL)に溶解し、80℃で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却し、水に注ぎ、ろ過を行い、ろ過ケーキを乾燥させて、褐色固体として粗生成物の表題化合物C26-1(1.0g)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.40(br s,1H),8.24(s,1H),7.66(d,J=8.4 Hz,1H),7.55(d,J=8.4 Hz,1H),2.60-2.50(m,2H),1.11(t,J=7.6 Hz,3H)。
【0260】
工程2:N-[6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル]プロパンアミド(C26-2)
【0261】
100mLの丸底フラスコに、C26-1(700mg、2.5mmol)、4,4,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(927mg、3.7mmol)、KOAc(964mg、9.8mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(183mg、0.25mmol)をDMSO(50mL)に順次に加え、窒素下、90℃で8時間攪拌した。室温まで冷却し、ろ過した。ろ液を酢酸エチルで希釈し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣を石油エーテルで再結晶化させて、淡黄色固体(400g、49%)を得た。
1
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.39(br s,1H),8.26(s,1H),7.71(s,2H),2.58-2.50(m,2H),1.31(s,12H),1.11(t,J=7.2 Hz,3H)。
【0262】
工程3:シクロヘキシル6-ブロモピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C26-3)
【0263】
6-ブロモ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(100mg、1.03mmol)、ピリジン(489mg、3.08mmol)をTHF(5mL)に窒素下で溶解し、これに、シクロヘキシルカルボノクロリデート(B1-4)(500mg、3.1mmol)のTHF溶液(2mL)を、注射器で滴下した。反応が完了した後、混合物を飽和NaHCO
3
水溶液(2mL)に注ぎ、ジクロロメタン(10mL)で抽出を行なった。有機層を単離し、乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)で精製して、黄色固体として表題化合物(260mg、80%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.58(s,1H),7.84(s,1H),6.78(s,1H),5.05(s,1H),2.03-1.39(m,11H)。
【0264】
工程4:シクロヘキシル6-[2-(プロパノイルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C26)
【0265】
C26-3(100mg、0.31mmol)、C26-2(154mg、0.46mmol)、K
2
CO
3
(107mg、0.77mmol)及びPd(dppf)Cl
2
(23mg、0.038mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)及び水(1mL)に窒素下で加え、窒素下、100℃で一晩撹拌した。反応が完了した後、混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=90:1)で精製して、白色固体として表題化合物C26(35mg、25%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0266】
【0267】
工程1:N-シクロヘキシル-5-[2-(メチルカルバモイルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C27)
【0268】
5-ブロモ-N-シクロヘキシル-イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C27-1)(100mg、0.30mmol)、4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(127mg、0.50mmol)、酢酸カリウム(55mg、0.56mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(35mg、0.05mmol)を1,4-ジオキサン6mLに溶解し、窒素下、100℃で一晩攪拌した。室温まで冷却し、K
2
CO
3
(83mg、0.60mmol)、水(0.6mL)、B73-1(44mg、0.17mmol)及びPd(dppf)Cl
2
(17mg、0.02mmol)を加え、窒素下、100℃で攪拌し、室温まで冷却し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)で精製して、白色固体として表題化合物C27(17mg、15.8%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0269】
【0270】
工程1:tert-ブチルN-(2-ヒドロキシプロピル)-N-メチル-カルバメート(B79-1)
【0271】
2-メチルオキシラン(2.5g、43mmol)及び37%メチルアミンのエタノール溶液(20mL)を無水THF(30mL)に溶解し、得られた混合物を密閉管内で、50℃で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却した後、濃縮した。残渣を水(50mL)に溶解し、NaHCO
3
(7g、86mmol)及びジ-tert-ブチルジカルボネート(11g、52mmol)で処理し、室温で5時間撹拌した。混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL×2)で抽出を行った。合わせた有機層を乾燥して、ろ過し、ろ液を濃縮して、無色油状物として表題化合物B79-1(4.5g、56%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ4.07-3.93(m,1H),3.45-3.09(m,3H),2.92(s,3H),1.46(s,9H),1.16(d,J=6.4 Hz,3H).
【0272】
工程2:[2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-1-メチル-エチル]メタンスルホネート(C28-1)
【0273】
B79-1(1.9g、10mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解し、トリエチルアミン(3.0g、30mmol)及びメタンスルホニルクロリド(MsCl)(1.7g、1.5mmol)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、飽和NaHCO
3
水溶液(30mL)を加えて反応をクエンチさせた。有機層を単離し、塩水(40mL×3)で洗浄し、乾燥し、ろ過して、ろ液を濃縮し、淡黄色油状物として粗生成物の表題化合物C28-1(1.0g、56%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ5.03-5.82(m,1H),3.49-3.21(m,2H),2.96(s,3H),2.92(s,3H),1.44(s,9H),1.37(d,J=6.4 Hz,3H).
【0274】
工程3:tert-ブチルN-(2-アミノプロピル)-N-メチル-カルバメート(C28-2)
【0275】
C28-1(800mg、3mmol)をDMF(15mL)に溶解し、室温で、アジ化ナトリウム(585mg、9mmol)をバッチで加えた。混合物を、90℃で一晩撹拌し、室温まで冷却して、酢酸エチル(100mL)及び塩水(50mL)で希釈して、10分撹拌した。有機層を単離し、塩水(50mL×2)で洗浄し、乾燥させ、ろ過し、ろ液を濃縮して粗生成物(400mg)を得た。粗生成物をエタノール(20mL)に溶解し、混合物に10%パラジウム炭素(50mg)を加え、水素(H
2
)下、一晩で水素化させた。混合物をろ過し、ろ液を濃縮して、無色油状物として粗生成物の表題化合物C28-2(250mg、44%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ4.68-4.57(m,1H),3.20-3.08(m,2H),2.87(s,3H),1.46(s,9H),1.42(d,J=8.4 Hz,3H).
【0276】
工程4:tert-ブチルN-[2-[(5-ブロモチエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニル)アミノ]プロピル]N-メチル-カルバメート(C28-3)
【0277】
5-ブロモ-3-(トリブロモメチル)チエノ[2,3-b]ピリジン(C12-3)(147mg、0.57mmol)及びHATU(342mg、0.9mmol)をDMF(15mL)に溶解し、室温で10分間撹拌した。DIPEA(219mg、1.7mmol)及びC28-2(100mg、0.57mmol)を混合物に加え、5時間撹拌した。混合物を水(50mL)に注ぎ、酢酸エチル(15mL×2)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させて、ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=8:1)で精製して、白色固体として表題化合物C28-3(200mg、60%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ9.12(s,1H),8.62(s,1H),8.03(s,1H),7.56(s,1H),4.39-4.22(m,1H),3.88-3.74(m,1H),3.00-2.86(m,4H),1.40(s,9H),1.29(d,J=6.4 Hz,3H).
【0278】
工程5:tert-ブチルN-[2-[[5-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]チエノ[2,3-b]ピリジン]-3-カルボニル]アミノ]プロピル]-N-メチル-カルバメート(C28-4)
【0279】
C28-3(65mg、0.15mmol)、A61-2(65mg、0.22mmol)、K
2
CO
3
(52mg、0.38mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(11mg、0.015mmol)を1,4-ジオキサン(8mL)及び水(0.4mL)に加え、窒素下、100℃で一晩攪拌した。混合物を室温まで冷却し、ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1)で精製して、黄色固体として表題化合物C28-4(65mg、77%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ11.17(br s,1H),9.19(s,1H),8.89(s,1H),8.15(s,1H),8.10(s,1H),7.84(d,J=8.4 Hz,1H),7.76(d,J=8.0Hz,1H),7.66(d,J=5.6 Hz,1H),4.53-4.23(m,1H),3.94-3.79(m,1H),3.04-2.86(m,4H),1.85-1.75(m,1H),1.40(s,9H),1.33-1.19(m,5H),1.13-0.94(m,2H).
【0280】
工程6:5-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-N-[1-メチル-2-(メチルアミノ)エチル]チエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C28)
【0281】
C28-4(65mg、0.11mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、室温でトリフルオロ酢酸(1mL)を滴下した。混合物を一晩撹拌した。pHが8~9になるまで混合物に飽和NaHCO
3
水溶液を加え、白色沈殿物を形成した。沈殿物をろ過により回収し、乾燥して、白色交代として、表題化合物C28(50mg、89%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0282】
【0283】
工程1:エチルN-(6-ブロモ-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)カルバメート(C29-1)
【0284】
6-ブロモ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン(500mg、2.19mmol)及びピリジン(400mmol、4.80mmol)をTHF(5mL)に溶解し、0℃でエチルカルボノクロリデート(1g、9.26mmol)を加えた。反応が完了した後、混合物をろ過し、ろ液を酢酸エチル(50mL)でスラリー化して白色固体として表題化合物C29-1(500mg)を得た。
【0285】
工程2:エチルN-[6-[3-(シクロヘキシルカルバモイル)イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル]-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル]カルバメート(C29)
【0286】
5-ブロモ-N-シクロヘキシル-イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C23-1)(100mg、0.30mmol)、4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(152mg、0.60mmol)、酢酸カリウム(74mg、0.75mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(22mg、0.03mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)に溶解し、窒素下、100℃で一晩撹拌した。室温まで冷却し、K
2
CO
3
(104mg、0.75mmol)、水(1.0mL)、C29-1(72mg、0.24mmol)及びPd(dppf)Cl
2
(22mg、0.03mmol)を混合物に加え、窒素下で、80℃で6時間攪拌した。室温まで冷却した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1)で精製して白色固体として表題化合物C29(17mg、15.8%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0287】
【0288】
工程1:5-ブロモ-N-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C30-1)
【0289】
5-ブロモイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボン酸(C14-8)(130mg、0.50mmol)、4,4-ジフルオロシクロヘキサンアミン(135mg、1.0mmol)、DIPEA(258mg、2.0mmol)及びHATU(285mg、0.75mmol)をDMF(4mL)に溶解し、室温で一晩撹拌した。酢酸エチル(100mL)及び塩水(50mL)で抽出した。有機層を単離して濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=50:1)で精製して黄色固体として表題化合物C30-1(120mg、64.2%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ9.37(d,J=2.0Hz,1H),8.84(d,J=2.0Hz,1H),4.20-4.05(m,1H),2.25-2.10(m,4H),2.03-1.90(m,2H),1.80-1.70(m,2H).
【0290】
工程2:5-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾリチアゾール-6-イル]-N-(4,4-ジフルオロシクロヘキル)イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C30)
【0291】
C30-1(100mg、0.31mmol)、A61-2(158mg、0.46mmol)、K
2
CO
3
(80mg、0.58mmol)、水(0.5mL)及びPd(dppf)Cl
2
(17mg、0.02mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)に窒素下で溶解し、窒素下、100℃で一晩攪拌した。反応が完了した後、混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)で精製して、白色固体として表題化合物C30(65mg、59.2%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0292】
【0293】
工程1:5-ブロモ-N-(1-エチルプロピル)イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C31-1)
【0294】
5-ブロモイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボン酸(C14-8)(130mg、0.50mmol)、3-ペンチルアミン(135mg、1.0mmol)、DIPEA(258mg、2.0mmol)及びHATU(285mg、0.75mmol)をDMF(4mL)に溶解し、室温で一晩撹拌した。酢酸エチル(100mL)及び塩水(50mL)で抽出した。有機層を単離して濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=50:1)で精製して黄色固体として表題化合物C30-1(120mg、64.2%)の化合物30-1を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.42(s,1H),8.81(s,1H),77.08(s,1H),4.10-3.96(m,1H),1.78-1.60(m,2H),1.80-1.67(m,2H),1.05-0.96(m,6H).
【0295】
工程2:5-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-N-(1-エチルプロピル)イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C31)
【0296】
C31-1(120mg、0.37mmol)、A61-2(255mg、0.74mmol)、K
2
CO
3
(127mg、0.92mmol)及び水(0.6mL)、Pd(dppf)Cl
2
(29mg、0.04mmol)を1,4-ジオキサン(6mL)に窒素下で溶解し、窒素下、80℃で一晩攪拌した。反応が完了した後、室温まで冷却して、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=125:1)で精製して白色固体として表題化合物C30(65mg、37.8%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0297】
【0298】
工程1:tert-ブチルN-[2-[(5-ブロモイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボニル)アミノ]プロピル]-N-メチル-カルバメート(C32-1)
【0299】
5-ブロモイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボン酸(C14-8)(130mg、0.50mmol)及びHATU(190mg、0.50mmol)をDMF(10mL)に溶解し、室温で10分間撹拌した。混合物にDIPEA(98mg、0.76mmol)、C28-2(73mg、0.42mmol)を加え、5時間撹拌した。混合物を水(50mL)に注ぎ、酢酸エチル(15mL×2)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)で精製して、白色固体として表題化合物C32-1(60mg、28%)を得た。
【0300】
工程2:tert-ブチルN-[2-[[5-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボニル]アミノ]プロピル]-N-メチル-カルバメート(C32-2)
【0301】
C32-1(60mg、0.14mmol)、A61-2(62mg、0.21mmol)、K
2
CO
3
(48mg、0.35mmol)及びPd(dppf)Cl
2
(11mg、0.015mmol)を1,4-ジオキサン(8mL)及び水(0.4mL)に溶解し、窒素下、100℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=150:1)で精製して、黄色固体として表題化合物C32-2(28mg、35%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ10.70(br s,1H),9.44(s,1H),9.08(s,1H),8.15(s,1H),8.12-8.04(m,2H),7.92-7.84(m,1H),7.79-7.73(m,1H),4.51-4.32(m,1H),3.94-3.61(m,2H),2.94(d,J=11.2 Hz,3H),1.49(s,4H),1.37(s,5H),1.32(d,J=6.0Hz,3H),1.09-1.00(m,3H),0.91-0.83(m,1H).
【0302】
工程3:5-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-N-[1-メチル-2-(メチルアミノ)エチル]イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C32)
【0303】
C32-2(28mg、0.05mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(TFA)(0.5mL)を室温で滴下し、一晩撹拌した。pHが8~9になるまで混合物に飽和NaHCO
3
水溶液を加え、白色の沈殿物を形成した。ろ過を行い、沈殿物を回収した。回収した沈殿物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=10:1)で精製して表題化合物C32(12mg、52%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0304】
【0305】
工程1:6-ブロモ-N-シクロヘキル-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキサミド(C33-2)
【0306】
6-ブロモ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(200mg、1.03mmol)、トリエチルアミン(155mg、1.53mmol)を無水ジクロロメタン(5mL)に溶解し、窒素下で、BTC(122mg、0.41mmol)を加えて、室温で4時間撹拌し、シクロヘキシルアミン(505mg、5.1mmol)を加えた。反応が完了した後、混合物に飽和NaHCO
3
水溶液(15mL)及び酢酸エチル(10mL)を加えて抽出を行った。有機層を単離し、乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)で精製して、黄色固体として表題化合物C33-2(150mg、60%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.73(s,1H),8.57(s,1H),7.63(s,1H),6.80(s,1H),3.25-3.23(m,1H),2.11-1.13(m,10H).
【0307】
工程2:N-シクロヘキシル-6-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキサミド(C33)
【0308】
C33-2(60mg、0.19mmol)、A61-2(96mg、0.28mmol)、リン酸カリウム三水和物(77mg、0.56mmol)及びPd(dppf)Cl
2
(14mg、0.02mmol)を1,4-ジオキサン/水(10mL/1mL)に窒素下で添加し、窒素下、100℃で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=90:1)で精製して、白色固体として表題化合物C33(20mg、23%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0309】
【0310】
工程1:シクロヘキシル6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C34-1)
【0311】
シクロヘキシル6-ブロモピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C15-2)(100mg、0.31mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ-1,3,2-ジオキサボロラン(158mg、0.62mmol)、酢酸カリウム(76mg、0.77mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(23mg、0.03mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)に溶解し、90℃で一晩攪拌した。反応が完了した後、反応物を次のステップに用いた。
【0312】
工程2:シクロヘキシル6-[2-(エトキシカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C34)
【0313】
エチルN-(6-ブロモ-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)カルバメート(C29-1)(62mg、0.21mmol)、K
2
CO
3
(85mg、0.62mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(15mg、0.02mmol)、及び水(1mL)を、工程1で得られた反応物に加え、窒素下、100℃で一晩攪拌した。反応混合物を室温まで冷却して、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:1)で精製して、白色固体として表題化合物C34(25mg、25%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0314】
【0315】
工程1:5-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)イミダゾール[1,2-a]ピリジン-6-イル]-N-テトラヒドロピラン-4-イル-イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C35)
【0316】
5-ブロモ-N-テトラヒドロピラン-4-イル-イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C14-9)(120mg、0.35mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ-1,3,2-ジオキサボロラン(237mg、0.70mmol)、酢酸カリウム(86mg、0.88mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(29mg、0.04mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)に溶解し、100℃で一晩攪拌した。反応が完了した後、室温まで冷却し、K
2
CO
3
(120mg、0.87mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(22mg、0.03mmol)、N-(6-ブロモイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド(C6-6)(68mg、0.24mmol)及び水(0.9mL)を加え、窒素下、80℃で8時間攪拌した。混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:1)で精製して、白色固体として表題化合物C35(37mg、15.8%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0317】
【0318】
工程1:[2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-1-メチル-エチル]カルボノクロリデート(B-79-2)
【0319】
tert-ブチルN-(2-ヒドロキシプロピル)-N-メチル-カルバメート(B79-1)(950mg、5mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解した。ピリジン(514mg、6.5mmol)を加えた後、トリホスゲン(BTC)(592mg、2mmol)のジクロロメタン溶液(5mL)を滴下した。混合物を室温で2時間撹拌した後、ろ過を行い、ろ液を濃縮した。残渣に酢酸エチル(30mL)を加えて撹拌し、再度ろ過した。ろ液を濃縮して、無色油状物として表題化合物B79-2(930mg、74%)を得て、次の工程で直接用いた。
【0320】
工程2:[2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-1-メチル-エチル]6-ブロモピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C36-1)
【0321】
6-ブロモ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(200mg、1.03mmol)及びピリジン(122mg、0.77mmol)をTHF(5mL)に溶解し、窒素下で、B79-2(500mg、2mmol)を注射器でゆっくり注入した。反応が完了した後、飽和NaHCO
3
水溶液(20mL)及びジクロロメタン(10mL)で抽出を行った。有機層を単離して、無水Na
2
SO
4
上で乾燥させ、ろ過してろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5:1)で精製して、黄色固体として表題化合物C36-1(260mg、80%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.67(s,1H),8.59(s,1H),7.86-7.80(m,1H),6.78(s,1H),5.36(s,1H),3.61-3.39(m,1H),3.37-3.19(m,1H),2.96-2.92(m,3H),1.45-1.36(m,12H).
【0322】
工程3:[2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-1-メチル-エチル]6-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート(C36-2)
【0323】
C36-1(200mg、0.49mmol)、A61-2(251mg、0.73mmol)、K
2
CO
3
(168mg、1.22mmol)及びPd(dppf)Cl
2
(36mg、0.05mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)及び水(1mL)に溶解し、窒素下で、100℃で一晩撹拌した。反応が完了した後、混合物を室温まで冷却し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:1)で精製して、白色固体として表題化合物C36-2(130mg、49%)を得た。
【0324】
工程4:[1-メチル-2-(メチルアミノ)エチル]6-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-カルボキシレート塩酸塩(C36)
【0325】
C36-2(20mg、0.036mmol)の酢酸エチル(1mL)溶液に、HCl/酢酸エチル(1mL)を加えた。反応が完了した時に、酢酸エチル(3mL)を更に加え、ろ過を行って、黄色固体として表題化合物C36を得た。その分析データを表1に示す。
【0326】
【0327】
工程1:5-ブロモ-N-(1-エチルプロピル)チエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C37-1)
【0328】
5-ブロモチエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボン酸(C37-1)(110mg、0.42mmol)、DIPEA(108mg、0.84mmol)、HATU(239mg、0.63mmol)、3-ペンチルアミン(73mg、0.84mmol)をDMF(4mL)に溶解し、室温で一晩撹拌した。混合物に酢酸エチル(100mL)を加えて希釈し、塩水(35mL)で洗浄した。有機層を単離して、乾燥させ、ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:ジクロロメタン=1:1)で精製して、黄色固体として表題化合物C37-1(100mg、73.0%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.96(s,1H),8.65(s,1H),7.88(s,1H),5.75-5.65(m,1H),4.15-3.90(m,1H),1.80-1.65(m,2H),1.55-1.45(m,2H),1.05-0.93(m,6H).
【0329】
工程2:5-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-N-(1-エチルプロピル)チエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C37)
【0330】
C37-1(100mg、0.31mmol)、A61-2(213mg、0.62mmol)、K
2
CO
3
(108mg、0.78mmol)及びPd(dppf)Cl
2
(25mg、0.03mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)及び水(0.5mL)に溶解し、窒素下、100℃で一晩攪拌した。反応が完了した後、室温まで冷却し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)で精製して、白色固体として表題化合物C37(37mg、26.7%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0331】
【0332】
工程1:5-ブロモ-N-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)チエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C38-1)
【0333】
5-ブロモチエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボン酸(C12-3)(80mg、0.31mmol)及びHATU(178mg、0.47mmol)をDMF(5mL)に溶解し、15分間撹拌した。混合物にDIPEA(120mg、0.93mmol)及び4,4-ジフルオロシクロヘキサンアミン(80mg、0.47mmol)を加えた。室温で一晩撹拌した後、飽和NaHCO
3
水溶液に注ぎ、ジクロロメタン(10mL)で抽出した。有機層を単離し、塩水(10mL×2)で洗浄し、無水Na
2
SO
4
上で乾燥させ、ろ過してろ液を濃縮し、黄色固体として表題化合物C38-1(110mg、95%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ8.93(s,1H),8.66(s,1H),7.90(s,1H),5.88(s,1H),4.13(s,1H),2.16(d,J=8.8 Hz,4H),2.01-1.90(m,2H),1.69-1.58(m,2H).
【0334】
工程2:5-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-N-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)チエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C38)
【0335】
C38-1(110mg、0.29mmol)、A61-2(151mg、0.44mmol)、K
2
CO
3
(121mg、0.88mmol)及びPd(dppf)Cl
2
(21mg、0.03mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)及び水(1mL)に加え、窒素下、100℃で一晩攪拌した。反応が完了した後、混合物を室温まで冷却し、ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)で精製して、白色固体として表題化合物C38(15mg、23%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0336】
【0337】
工程1:N-シクロヘキシル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)チエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C39-1)
【0338】
5-ブロモ-N-シクロヘキシル-チエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C18-1)(180mg)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ-1,3,2-ジオキサボロラン(200mg、0.80mmol)、酢酸カリウム(127mg、1.3mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(38mg、0.053mmol)を無水1,4-ジオキサンに加え、窒素下、100℃で一晩撹拌した。反応が完了した後、室温まで冷却し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)で精製して、白色固体として表題化合物C39-1(200mg、98%)を得た。
【0339】
工程2:エチルN-[6-[3-(シクロヘキシルカルバモイル)チエノ[2,3-b]ピリジン-5-イル]-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル]カルバメート(C39)
【0340】
C39-1(78mg、0.2mmol)、C29-1(30mg、0.1mmol)、K
2
CO
3
(35mg、0.25mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(7mg、0.01mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)及び水(0.3mL)に懸濁させ、窒素下、100℃で一晩撹拌した。反応が完了した後、混合物を室温まで冷却し、水(30mL)に注いだ後、ろ過した。ろ過により回収した固体を6NのHCl(10mL)とジクロロメタン(10mL)との二相に溶解し、室温で10分撹拌した。混合物をろ過し、ろ液を沈降させた。水層を単離した後、ジクロロメタン(5mL×3)で洗浄し、更にNaOH水溶液(6N)でpH7~8に調整し、ろ過を行った。得られた固体をエタノール(5mL)に加え、70℃で30分間トリチュレーションし、次いで、室温まで冷却し、ろ過して白色固体として表題化合物C39(12mg、25%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0341】
【0342】
工程1:5-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル]-N-テトラヒドロピラン-4-イル-チエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C40)
【0343】
5-ブロモ-N-テトラヒドロピラン-4-イル-チエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C12-4)(140mg、0.41mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ-1,3,2-ジオキサボロラン(208mg、0.82mmol)、酢酸カリウム(98mg、1.0mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(29mg、0.04mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)に溶解し、100℃で一晩攪拌した。反応が完了した後、混合物を室温まで冷却し、K
2
CO
3
(120mg、0.87mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(22mg、0.03mmol)、N-(6-ブロモイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド(C6-6)(68mg、0.24mmol)及び水(0.9mL)を加えた。混合物を窒素下、80℃で8時間攪拌した。混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)で精製して、白色固体として表題化合物C40(40mg、15.8%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0344】
【0345】
工程1:N-シクロヘキシル-5-[2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル]チエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C41)
【0346】
5-ブロモ-N-シクロヘキシル-チエノ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C18-1)(133mg、0.39mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ-1,3,2-ジオキサボロラン(198mg、0.78mmol)、酢酸カリウム(95mg、0.97mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(29mg、0.04mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)に溶解し、100℃で一晩攪拌した。反応が完了した後、混合物を室温まで冷却し、リン酸カリウム三水和物(258mg、0.97mmol)、Pd(dppf)Cl
2
(29mg、0.04mmol)、N-(6-ブロモイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド(C6-6)(75mg、0.27mmol)、及び水(0.4mL)を加え、窒素下、80℃で8時間攪拌した。混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)で精製して、白色固体として表題化合物C41(40mg、15.8%)を得た。その分析データを表1に示す。
【0347】
【0348】
工程1:5-ブロモ-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C42-1)
【0349】
5-ブロモイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボン酸(C14-8)(100mg、0.39mmol)、DIPEA(138mg、1.07mmol)、HATU(74mg、0.77mmol)、及び1-メチルピペリジン-4-アミン(64mg、0.58mmol)をDMF(5mL)に溶解し、室温で一晩攪拌した。混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、塩水(35mL×5)で洗浄した。有機層を単離し、乾燥させ、ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)で精製して、黄色固体として化合物C42-1(100mg、73%)を得た。
1
H NMR(400MHz,CDCl
3
)δ9.36(s,1H),8.81(s,1H),4.09-3.92(m,1H),3.04-2.80(m,2H),2.38(s,3H),2.32-2.20(m,2H),2.15-2.00(m,2H),1.81-1.73(m,2H).
【0350】
工程2:5-(2-(シクロプロパンカルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C42)
【0351】
C42-1(100mg、0.28mmol)、A61-2(110mg、0.43mmol)、K
2
CO
3
(120mg、0.85mmol)、及びPd(dppf)Cl
2
(25mg、0.03mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)及び水(0.5mL)に溶解し、窒素下、100℃で一晩攪拌した。反応が完了した後、混合物を室温まで冷却し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20:1)で精製して、白色固体として表題化合物C42(10mg、23%)を得た。分析データを表1に示す。
【0352】
【0353】
工程1:5-ブロモ-N-(1-メチルピペリジン-3-イル)イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C43-1)
【0354】
5-ブロモイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボン酸(C14-8)(80mg,0.26mmol)、DIPEA(130mg、1.00mmol)、HATU(80mg、0.21mmol)、及び1-メチルピペリジン-3-アミン(50mg、0.44mmol)をDMF(5mL)に溶解し、室温で一晩攪拌した。混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、塩水(35mL×5)で洗浄した。有機層を単離し、濃縮して、黄色固体として、粗化合物C43-1(70mg、64%)を得た。MS(ESI/APCI)m/z 354.7[M+H]
+
.
【0355】
工程2:5-(2-(シクロプロパンカルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-N-(1-メチルピペリジン-3-イル)イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-3-カルボキサミド(C43)
【0356】
C43-1(70mg、0.20mmol)、A61-2(102mg、0.30mmol)、K
2
CO
3
(81mg、0.59mmol)、及びPd(dppf)Cl
2
(25mg、0.03mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)及び水(0.5mL)に溶解し、窒素下、100℃で一晩攪拌した。反応が完了した後、混合物を室温まで冷却し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20:1)で精製して、白色固体として表題化合物C43(10mg、23%)を得た。分析データを表1に示す。
【0357】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【0358】
生物活性
実施例42:
【0359】
ネクロトーシスアッセイ(necroptosis assay)における阻害活性に関する化合物C1~C42の有効性を、以下のように試験した。
【0360】
1.化合物のHT29細胞アッセイにおけるネクロトーシス阻害活性についての試験
本アッセイについては、HT29細胞を96ウェルプレートに加え、そして、被検化合物10μMを1時間予備処理した。次いで、腫瘍壊死因子α(TNF-α、40ng/mL)、Smacmimetic(cIAP阻害剤)(100nM)及びZ-VAD(カスパーゼ阻害剤、calbiochem)(20μM)を併用して上記細胞を更に48時間処理した後、細胞生存率を定量化した。
DMSO前処理グループを陰性対照とし、Nec-1(公知のネクロトーシス阻害剤、Biomol)前処理グループを陽性対照とした。化合物C3を例として採り上げ、その結果を図1に示す。図1に示すとおり、インビトロでのHT29細胞アッセイにおける化合物C3のIC
50
値は、9.6nMであった。
【0361】
2.化合物のL929細胞アッセイにおけるネクロトーシス阻害活性についての試験
【0362】
マウス線維芽細胞L929を96ウェルプレートに加え、そして被検化合物10μMを1時間前処理した。次いで、TNF-α(40ng/mL、自ら調製)及びz-VAD(カスパーゼ阻害剤、calbiochem)(20μM)を併用して上記細胞を更に48時間処理した後、アデノシン三リン酸(ATP)レベルを検出することにより細胞生存率を定量化した。DMSO前処理グループを陰性対照とし、Nec-1(公知のネクロトーシス阻害剤、Biomol)前処理グループを陽性対照とした。化合物C3を例として採り上げ、その結果を図2に示す。図2に示すとおり、インビトロでのHT29細胞アッセイにおける化合物C3のIC
50
値は、72.82nMであった。
【0363】
表2:選択化合物のネクロトーシス阻害活性
【表2】
【0364】
(備考)NDは「測定なし」を意味する。
【0365】
図1、図2及び表2に示すように本発明のヘテロアリール化合物は、有効なネクローシス阻害剤となり得、ネクローシスシグナル経路を有効的にブロックすることが、ネクローシスシグナル経路の異常に起因若しくは関連する疾患の治療又は予防に用いることができる。
【0366】
本発明の用途は、様々な実施形態を含むことができる。同等の変形又は同等の改変によって形成される技術的解決法はいずれも本発明の保護範囲内である。