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特許7410955超音波撮像プローブを使用して素材をスキャニングする方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】超音波撮像プローブを使用して素材をスキャニングする方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/08 20060101AFI20231227BHJP
【FI】
A61B8/08
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021541241
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2020051061
(87)【国際公開番号】W WO2020148405
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2023-01-16
(31)【優先権主張番号】62/793,357
(32)【優先日】2019-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508143775
【氏名又は名称】トロフィー エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カプリ アルノー
(72)【発明者】
【氏名】ルデルグ ディビッド
(72)【発明者】
【氏名】イングレーゼ ジーン マルク
(72)【発明者】
【氏名】ジョソ エルベ
【審査官】冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-196104(JP,A)
【文献】特開2004-064380(JP,A)
【文献】国際公開第2018/149948(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0119505(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0105665(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
A61B 1/24 - 1/253
A61C 3/00 - 3/16
A61C 19/00 - 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの放出コーン内で超音波信号を放出し、かつ対応するエコー超音波信号を受信するように構成された超音波装置を含む歯科用超音波撮像プローブ(100)を使用して素材をスキャニングし、前記少なくとも2つの放出コーンが異なる方向に延在しており、以下のステップを含む、歯科用超音波撮像プローブの作動方法であって、
超音波信号を放出する方向に関する情報の項目を受信すること、及び、
受信したエコー超音波信号又は放出される超音波信号を前記受信された情報の項目の関数として選択すること、を含む、歯科用超音波撮像プローブの作動方法。
【請求項2】
情報の項目を受信することは、
超音波信号を前記少なくとも2つの方向のそれぞれに放出すること、
エコー超音波信号を測定すること、及び、
前記測定されたエコー超音波信号を互いに比較し、及び/又は前記測定されたエコー超音波信号を閾値と比較すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
情報の項目を受信することは、
超音波信号を前記少なくとも2つの方向のそれぞれに放出すること、
エコー超音波信号を測定すること、
前記測定されたエコー超音波信号に基づき画像を構築すること、及び、
前記構築された画像を分析すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
情報の項目を受信することはユーザ入力を受信することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザ入力は、口腔内表面に対する前記歯科用超音波撮像プローブ(100)の所定の機械的圧力から生じる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザ入力は、前記歯科用超音波撮像プローブに配置された物理的ボタンの作動、及び/又は前記歯科用超音波撮像プローブ(100)に接続されたコンピュータでホストされたソフトウェアグラフィックインタフェースに表示される項目の選択から生じる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザ入力は、前記歯科用超音波撮像プローブ(100)の所定の動きから生じる、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記歯科用超音波撮像プローブは、前記選択された放出コーン又は選択された放出方向に関連する情報の項目を提供するように構成されたインジケータを少なくとも含み、ここで前記方法は、
前記インジケータを通電して、前記選択を示すこと、を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記インジケータは、複数の発光装置(130)を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
情報の項目を受信した後、前記方法は、
異なる幅のいくつかのファンビーム及び/又はコーンを事前に選択することを含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも2つの方向のそれぞれに放出された前記超音波信号のうちの1つを選択することは、
前記測定されたエコー超音波信号の関数として、前記事前に選択されたファンビーム及び/又はコーンの1つを選択すること、及び/又は前記事前に選択されたファンビーム及び/又はコーンの1つのサブセクタを選択することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記歯科用超音波撮像プローブは通電されて、前記情報の項目に従って超音波信号を選択的に放出する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも2つの放出コーンは、2つの異なるトランスデューサから、1つの移動トランスデューサから、又は移動デフレクタに関連付けられた固定トランスデューサから得られる、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
プログラム可能な装置用のコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、プログラム可能な装置にロードされて実行されるときに、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法の前記ステップの各々を実施するための一連の命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載の方法の前記ステップの各々を実行するように構成されたマイクロプロセッサを含む装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波撮像プローブ及び軟組織撮像用の超音波歯科用プローブの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波撮像は、多くの実装において口腔内使用に適合しており、別の従来の方法と比較して特定の有用性があることが判明している。歯肉炎などの状態は、例えば、組織の音響応答を感知することによって検出され得る。超音波はまた、病変の病理学的性質に関する正確な情報を提供し得る。
【0003】
電離放射線の非放出のため、超音波撮像はイオン化方法よりも本質的に安全であり、必要に応じて検査の再現性が可能である。超音波撮像は、様々なタイプの放射線撮影(コーンビームコンピュータ断層撮影又はCBCT、パノラマX線、あるいは口腔内X線撮像)、磁気共鳴撮像(MRI)、又は核医学の代替又は補足として使用され得る。
【0004】
超音波撮像は、通常1~100MHzの高周波音波を使用し得る。高周波は、所与の距離に対して低周波よりも減衰が大きく、高周波は主に、例えば皮膚科用の表面構造の撮像、又は歯科用撮像に適する。逆に、低周波は体の最深部構造を撮像するのに適する。
【0005】
超音波撮像装置は、一般に、1つ以上のトランスデューサを含み、それは超音波ビームエミッタ及び/又は超音波ビームレシーバとして機能し、放出された信号からエコーを受信する。更に、超音波撮像装置は、様々な処理及び表示構成要素を含み得て、それらは取得された信号から画像を生成して提示するために使用される。超音波ビームエミッタは電気信号から超音波信号を生成し、逆に、超音波レシーバは機械的超音波信号から電気パルスを生成する。
【0006】
放出された超音波信号の経路にある物体は、超音波エネルギーの一部分をトランスデューサに戻し、トランスデューサは検出された構造を示す電気信号を生成する。受信された超音波信号から生成された電気信号は、各トランスデューサに固有の選択された時間、遅延され得て、その結果、選択された領域から散乱された超音波エネルギーはコヒーレントに追加されるが、別の領域からの超音波エネルギーには知覚可能な影響がない。更に、超音波信号の放出は適応可能なフォーカシングを可能にするために遅延され得る。電子的適応可能なフォーカシングにより、撮像される器官の深度に応じて解像度を向上することが可能になる。
【0007】
受信された信号をこの方法で生成及び処理するために使用されるアレイ処理技術は、「ビーム形成」と呼ばれる。
【0008】
口腔内超音波撮像の特定の課題は、プローブの設計に関連し、それは口腔内構造の十分なセットを撮像するために、つまり、歯周検査の間、頬側面と舌側面の両方で口内の各歯の垂直軸に沿って超音波ファンビームを配置するために使用され得て、プローブ先端又は別の構成要素を大幅に修正、再構成、又は変更する必要がない。実際、効率的にするため、超音波プローブウィンドウが撮像される領域に面している必要がある。トランスデューサと撮像される領域との間の音響経路は、水性ゲルなどのカップリング材料を介して確保され、音響経路を最小の減衰で提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許出願公開第2017/119505号明細書
【非特許文献】
【0010】
【文献】シンジン ワン(Xingying Wang)ら,「超音波カプセル内視鏡のための高周波超音波トランスデューサを用いた機械的スキャニング装置の開発(Development of a Mechanical Scanning Device With High-Frequency Ultrasound Transducer for Ultrasonic Capsule Endoscopy)」、IEEE Transactions on Medical Imaging、第36巻、第9号、2017年9月、第1922~1929ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、歯、歯茎、及び別の口腔内特徴の超音波撮像のための装置及び方法を改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前述の懸念の1つ以上に対処するために考案された。
【0013】
これに関して、少なくとも2つの放出コーン内で超音波信号を放出し、対応するエコー超音波信号を受信するように構成された超音波装置を含む歯科用超音波撮像プローブを使用して素材をスキャニングする方法が提供され、少なくとも2つの放出コーンは異なる方向に延在し、方法は、
超音波信号を放出する方向に関する情報の項目を受信すること、
受信したエコー超音波信号又は放出される超音波信号を受信された情報の項目の関数として選択すること、を含む。
【0014】
いくつかの実施形態によると、情報の項目を受信することは、
超音波信号を少なくとも2つの方向のそれぞれに放出すること、
エコー超音波信号を測定すること、及び、
測定されたエコー超音波信号を互いに比較し、及び/又は測定されたエコー超音波信号を閾値と比較すること、を含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態によると、情報の項目を受信することは、
超音波信号を少なくとも2つの方向のそれぞれに放出すること、
エコー超音波信号を測定すること、
測定されたエコー信号に基づき画像を構築すること、及び、
構築された画像を分析すること、を含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態によると、情報の項目を受信することはユーザ入力を受信することを含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態によると、ユーザ入力は、口腔内表面に対する歯科用超音波撮像プローブの所定の機械的圧力から生じ得る。
【0018】
いくつかの実施形態によると、ユーザ入力は、歯科用超音波撮像プローブに配置された物理的ボタンの作動、及び/又は歯科用超音波撮像プローブに接続されたコンピュータでホストされたソフトウェアグラフィックインタフェースに表示される項目を選ぶことから生じ得る。
【0019】
いくつかの実施形態によると、ユーザ入力は、歯科用超音波撮像プローブの所定の動きから生じ得る。
【0020】
いくつかの実施形態によると、歯科用超音波撮像プローブは、選択された放出コーン又は選択された放出方向に関連する情報の項目を提供するように構成されたインジケータを少なくとも含んでもよく、ここでこの方法は、
インジケータを通電して、選択を示すこと、を含む。
【0021】
いくつかの実施形態によると、インジケータは、複数の発光装置を含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態によると、情報の項目を受信した後、方法は、
異なる幅のいくつかのファンビーム及び/又はコーンを事前に選択すること、を含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態によると、放出超音波信号のうちの1つを選択することは、
測定されたエコー超音波信号の関数として、事前に選択されたファンビーム及び/又はコーンの1つを選択すること、及び/又は事前に選択されたファンビーム及び/又はコーンの1つのサブセクタを選択すること、を含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態によると、超音波プローブは通電されて、情報の項目に従って超音波信号を選択的に放出し得る。
【0025】
いくつかの実施形態によると、少なくとも2つの放出コーンは、2つの異なるトランスデューサから、1つの移動トランスデューサから、又は移動デフレクタに関連付けられた固定トランスデューサから得られてもよい。
【0026】
本発明の第2の態様によると、プログラム可能な装置用のコンピュータプログラムが提供され、コンピュータプログラムは、プログラム可能な装置にロードされて実行されるときに、前述の方法の各ステップを実施するための一連の命令を含む。
【0027】
本発明の第3の態様によると、前述の方法の各ステップを実行するように構成されたマイクロプロセッサを含む装置が提供される。
【0028】
本発明の別の特徴及び利点は、添付の図面を参照して、非限定的な例示的な実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1a】剛性超音波撮像プローブの概略図である。
図1b】剛性超音波撮像プローブの概略図である。
図1c】剛性超音波撮像プローブの概略図である。
図2a】本発明の特定の実施形態による超音波撮像プローブの使用例を示す。
図2b】本発明の特定の実施形態による超音波撮像プローブの使用例を示す。
図2c】本発明の特定の実施形態による超音波撮像プローブの使用例を示す。
図2d】本発明の特定の実施形態による超音波撮像プローブの使用例を示す。
図3】超音波撮像プローブの超音波センサの例の断面図である。
図4】超音波撮像プローブの超音波センサの例の断面図である。
図5a】超音波撮像プローブの超音波センサの例の断面図である。
図5b】超音波撮像プローブの超音波センサの例の断面図である。
図6】超音波撮像プローブの電子システムの例を示す概略図である。
図7】本発明の特定の実施形態による素材をスキャニングするための方法の例の図である。
図8】本発明の特定の実施形態による素材をスキャニングするための方法の例の図である。
図9】本発明の特定の実施形態による素材をスキャニングするための方法の例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下は、本発明の特定の実施形態の詳細な説明であり、図面が参照され、図面において同じ参照番号は各図の構造の同じ要素を識別する。
【0031】
以下の図面及び本文において、同様の構成要素は、同様の参照番号で指定され、構成要素に関する同様の説明、及び既に説明した構成要素の配置又は相互作用は省略される。それらが使用される場合、「第1」、「第2」などの用語は、必ずしも任意の順序関係、優先関係を示すわけではなく、特に明記しない限り、単に1つの要素を別の要素からより明確に区別するために使用され得る。
【0032】
本明細書で使用されるように、「通電可能な(energizable)」という用語は、パワー受領時に、及び必要に応じてイネーブル信号の受信時に、示された機能を実行する1つの装置又は1セットの構成要素に関する。
【0033】
装置の形状に言及する場合、「剛性」という用語は、通常の使用において、装置の実質的に変形不可能な性質として理解されるべきであり、これは、装置の主要要素の相対位置が実質的に一定であることを意味する(すなわち、使用中に有意な形状変形はない)。例えば、剛性超音波撮像プローブのグリップ部分、支持部材、及び超音波装置の相対位置は、撮像プローブが口腔内構造を撮像するために使用される場合、実質的に一定である。これは、装置が構成ステップの間、例えば、装置の2つの要素がロック可能なヒンジを用いて固定されている場合などに、変形可能であることを妨げない。加えて、これは、装置がわずかに変形可能な部品を含むことを妨げない。例えば、剛性超音波撮像プローブのグリップ部分は、弾性フォームを含むハンドグリップなどの変形可能なハンドグリップを含んでもよい。
【0034】
本開示の文脈において、用語「観察者(viewer)」、「オペレータ(operator)」、及び「ユーザ(user)」は、同等であるとみなされ、観察中の施術者、技師、又はディスプレイモニタで歯科画像などの超音波画像を取得、観察、操作する別の人物を指す。「オペレータの指示(operator instruction)」、「ユーザの指示」又は「観察者の指示」は、観察者によって、例えば、超音波プローブ若しくはシステムハードウェアのボタンをクリックすることによって、又はコンピュータマウスを使用することによって、又はタッチスクリーン若しくはキーボード入力を使用することによって入力される明示的なコマンドから得られる。
【0035】
本開示の文脈において、語句「信号通信状態にある(in signal communication)」は、2つ以上の装置及び/又は構成要素が、何らかのタイプの信号経路を伝わる信号によって相互に通信可能であることを示す。信号通信は有線であってもよく、又は無線であってもよい。信号は、通信信号、電力信号、データ信号、又はエネルギー信号であり得る。信号経路は、第1の装置及び/又は構成要素と第2の装置及び/又は構成要素との間の物理的接続、電気的接続、磁気的接続、電磁的接続、光学的接続、有線接続及び/又は無線接続を含み得る。信号経路は、また、第1の装置及び/又は構成要素と第2の装置及び/又は構成要素との間に、追加の装置及び/又は構成要素を含み得る。
【0036】
用語「対象(subject)」は、撮像されている患者の歯又は別の部分を指し、光学的用語では、対応する撮像システムの「物体(object)」と同等であると見なし得る。
【0037】
図1a~図1cは、本発明の方法の特定の実施形態と併せて使用し得る剛性超音波撮像プローブの概略図である。図1aは、測定構成における剛性超音波撮像プローブの斜視図であり、図1bと図1cは、それぞれ、初期構成における同じ剛性超音波撮像プローブの上面図及び正面図を表す。説明のために、初期構成は別の測定構成と区別されるが、測定が初期位置にあるプローブを用いて実行されることを排除するものではない。
【0038】
プローブは、放出コーン内で超音波ビームを生成するための超音波パルス信号放出及び/又は機械的構成要素を提供する。超音波ビームは、放出コーンに含まれる円錐形のビーム又は扇形のビームであってもよい。円錐形の超音波ビームは、放出コーンに対応するか、又は放出コーンよりも小さくてもよい。扇形のビームは平面である。
【0039】
プローブはまた、ビーム形成機能の取得ロジックを提供する。コンピュータ(図示せず)は、受信されたパルスエコーに対応する獲得された信号データを、処理されたかどうかにかかわらず取得し、検査された物体の画像をディスプレイ(図示せず)でレンダリングする。画像コンテンツはまた、その後の使用のために記憶され、又は、別のシステム又はデータ記憶装置若しくはシステムに送信され得る。
【0040】
図示のように、超音波撮像プローブ100は、グリップ部分105、支持部材110、及び超音波装置115(超音波センサとも呼ばれる)を含む。図示の例によると、支持部材110は、110-1及び110-2で示される2つの主要部品を含み、部品110-2の長手方向軸は、グリップ部分105の長手方向軸とは異なる。別の例によると、部品110-2は、グリップ部分105に直接固定されることに留意する(すなわち、部品110-1を使用しない)。したがって、図示の例によると、超音波装置115は、グリップ部分からその長手方向軸に関してオフセットされるように、グリップ部分105に強固に固定される。図1aから明らかなように、超音波装置115は、グリップ部分105の長手方向軸(a)から距離dに配置される。距離dは、0~5cmの間で選択されてもよい。説明のために、それは2cmと同等であってもよい。超音波装置115とグリップ部分105との間の距離Dは、4~25cmの間で選択され得る。説明のために、それは10cmと同等とされ得る。
【0041】
特定の実施形態によると、支持部材110は、それらの長手方向軸との間に角度δを形成する2つの管状部材を含んでもよく、1つ以上の管状部材及び環状部材の一部分を含んでもよく、又は超音波装置をグリップ部分から軸方向にオフセットすることを可能にする任意の部材の構成要素を含んでもよい。
【0042】
図示のように、グリップ部分105は、ユーザが超音波撮像プローブ100の機能と、及び/又は超音波撮像プローブ100によって取得された信号を処理するコンピュータシステムとインタフェースすることを可能にする要素を含み得る。そのような要素は、一般的に120で参照されるディスプレイ(例えば、標準的なディスプレイ又はタッチスクリーン)及び一般的に125で参照されるボタンを含み得る。特定の実施形態によると、これらすべての要素又はこれらの要素のサブセットは重複されてもよく(120-1/120-2及び125-1/125-2)、その結果、ユーザは、超音波撮像プローブ100及び/又は超音波撮像プローブ100によって取得された信号を処理するコンピュータシステムと、超音波撮像プローブ100の位置が第1の位置と第2の位置との間でどのようであっても同様に相互作用し得る(第2の位置は、水平面の反対側で第1の位置に対して配置されている)。
【0043】
更に、グリップ部分105は、1セットのLED(発光装置の頭文字)、例えば、LED130のリングを含み得る。以下に説明するように、これらのLEDは、選択された放出コーンを示してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態によると、LED又はLEDのリングは、超音波装置上又は支持部材上に超音波センサの近くで配置される。
【0045】
図1bに示されるように、超音波装置115は、グリップ部分105の長手方向軸(a)を含む水平面に垂直な垂直面を参照して、2つの反対方向に従って測定を行うように構成されてもよい。超音波ファンビームは、図1bと図1cに示すように、角度コーンα及びαと、角度コーンβ及びβとを有する放出コーンに属し得て、それらは20°~160°の範囲にあり得る。以下、「放出コーン」という表現は、前述のように放出コーンを構成する2つの角度コーンに関する。
【0046】
超音波撮像プローブ100のトランスデューサは、Aモード、Bモード(又は2Dモード)、Cモード、Mモード、ドップラモード、カラードップラモード、連続ドップラモード、パルス波ドップラモード、二重モード、パルス反転モード、又は高調波モードタイプであり得て、これらはそれぞれ、当業者によく知られている。
【0047】
図1bと図1cに示される2つの放出コーン(すなわち、超音波ファンビームが放出され得るコーン)の方向は、グリップ部分105の長手方向軸と垂直面に垂直であるが、これらの方向は異なる場合があることに留意する。これらの方向は、グリップ部分105の長手方向軸に対して角度θ及びθを、かつグリップ部分105の長手方向軸に垂直な垂直軸に対して角度γ及びγを、それぞれ約20°~160°まで変化させて形成してもよく、ただし、これらの方向は、グリップ部分105の長手方向軸を含む平面に関してそれぞれ互いに反対である。
【0048】
図2a~図2dは、本発明の特定の実施形態による超音波撮像プローブの使用例を示す。
【0049】
図2aと図2bは、超音波撮像プローブ100の2つの使用例を、超音波装置115がグリップ部分の下(同時にグリップ部分の長手方向軸を含む水平面を考慮する)に配置される位置において示し、一方、図2cと図2dは、超音波撮像プローブ100の2つの使用例を、超音波装置115がグリップ部分の上(依然としてグリップ部分の長手方向軸を含む水平面を考慮する)にある位置において示す。
【0050】
図2aと図2cに示すように、測定は、プローブを保持しているオペレータから見て、プローブの右側でのみ行われる(矢印115aで示す)。これらの2つの測定では、同じトランスデューサが使用されてもよい。
【0051】
逆に、図2bと図2dでは、測定は、プローブを保持しているオペレータから見て、プローブの左側でのみ行われる(矢印115bで示される)。これらの2つの測定では、同じトランスデューサが使用されてもよいが、図2aと図2cの測定に使用したものとは異なってもよい。
【0052】
したがって、超音波撮像プローブ100の適切な向きを選ぶことによって、かつ超音波装置115の適切な側で測定を行うことにより、同じ超音波撮像プローブ100を使用して、患者の口内の正確かつ完全な検査を行うことが可能である。測定が行われる側は、例えば、手動セレクタ(例えば、ボタン125の1つ)を使用してユーザによって選択されてもよく、又は自動検出を使用して自動的に選択されてもよい。自動検出は、音響信号のタイミングなどの要因、又は画像値の分布若しくは画質などの画像の特徴に基づき得る。
【0053】
したがって、超音波撮像プローブ100を使用して、顎の各部分を検査し得る(以下に挙げる例は、患者から見た場合である)。
下顎の左舌側、図2aの200-2参照、
下顎の右頬側、図2aの200-1参照、
下顎の左頬側、図2bの205-1参照、
下顎の右舌側、図2bの205-2参照、
上顎の左舌側、図2cの210-1参照、
上顎の右頬側、図2cの210-2参照、
上顎の左頬側、図2dの215-1参照、及び
上顎の右舌側、図2dの215-2参照。
【0054】
いくつかの実施形態によると、支持部材110は変形され得て、超音波装置とグリップ部分の主軸との間の距離を修正して、例えば、超音波撮像プローブ100を歯列弓の異なるタイプ及び/又はサイズに適合させることを可能にする。これは、弾性材料を使用すること、及び/又は2つ以上のサブ部材を使用することから生じ得て、サブ部材はこれらのサブ部材の相対位置を変更することを可能にする固定手段を使用して互いに固定される。固定手段は有利にロック手段を含み、サブ部材の相対位置を誤って修正することを回避する。
【0055】
特定の実施形態によると、超音波撮像プローブ100は、移動素子(例えば、移動トランスデューサ及び/又は移動リフレクタ)を備える単一のトランスデューサ、2つ以上のトランスデューサ、又はトランスデューサの2つ以上のアレイを含み、それらはグリップ部分の長手方向軸に平行な超音波装置の軸の周りに、少なくとも超音波装置の両側に配置され(プローブ100の測定位置を考慮する場合)、図3図5を参照して説明される。
【0056】
トランスデューサは、超音波ビームエミッタのように機能するのみでなく、エコー超音波を測定するように構成された超音波ビームレシーバとしても機能する。文献の残りの部分では、トランスデューサは超音波ビームエミッタとレシーバの両方である。別の実施形態では、いくつかのトランスデューサは、超音波ビームエミッタ又は超音波ビームレシーバとしてのみ機能すると考えられ得る。
【0057】
エミッタとして機能する場合、トランスデューサは、放出コーンに関連付けられ、放出コーンは関連付けられたトランスデューサが超音波信号を放出できるボリュームを規定する。
【0058】
レシーバとして機能する場合、トランスデューサは受動型であり、センサとして機能して、受信したエコー超音波信号を検出及び測定するように構成される。言い換えれば、トランスデューサは入射波を検出して測定する。
【0059】
いくつかの実施形態によると、各トランスデューサは、いくつかの放出要素及び/又はいくつかの受信要素を含んでもよい。複数の受信要素を有することは、超音波ビームの受信を改善し、同時に受信した超音波信号へのノイズの影響を減少するのに役立つ。
【0060】
図3は、超音波装置の第1の例の断面図であり、その両側に配置された、超音波センサに強固に固定されている2つのトランスデューサ400-1、400-2(又はトランスデューサの2つのアレイ)を含む。それは、プローブが図1aに示すように配置されるとき、グリップ部分105の長手方向軸に垂直な平面による断面図である。
【0061】
図示のように、超音波装置115は、超音波装置115に強固に固定された2つのトランスデューサ(又はトランスデューサのアレイ)400-1及び400-2を含み、これらは、垂直面に関して、装置の長手方向軸405(すなわちプローブが図1aに示すように配置されるとき、グリップ部分105の長手方向軸に平行である)の両側に配置される。以下に詳述するように、測定を行うために用いる必要があるトランスデューサ又はトランスデューサのアレイは、ユーザによって選択され得るか、又は自動的に選択され得る。
【0062】
2つのトランスデューサ400-1及び400-2の各々は、それぞれコーン415-1又は415-2を規定し、ここで超音波ビームは、トランスデューサ400-1及び400-2によって放出又は受信され得る。2つのトランスデューサ400-1及び400-2は、いくつかの方向から来る反射波によって影響を受け得る。いくつかの実施形態によると、トランスデューサ400-1及び400-2は、選択的に活性化可能であることで、それらは選択的に活性化され得る。
【0063】
図4は、トランスデューサ400’-1~400’-nの(又はトランスデューサのアレイの)リングを含む超音波装置の第2の例の断面図である。この場合も、プローブが図1aに示すように配置される場合の、プローブのグリップ部分105の長手方向軸に垂直な平面による断面図である。
【0064】
図示のように、超音波装置115’は、装置の長手方向軸405’(グリップ部分105の長手方向軸に平行である)の周りに配置された、超音波装置115’に強固に固定されたトランスデューサ(又はトランスデューサのアレイ)400’-1から400’-nのリングを含む。特定の実施形態によると、1つ以上の隣接するトランスデューサ(又はトランスデューサのアレイ)を使用して、所与の時間に測定を行う。この場合も、これは、それらの一部のみを活性化するか、それらの一部のみから受信した信号を処理することによって実行され得て、使用するトランスデューサ(又はトランスデューサのアレイ)は、ユーザによって、又は自動的に選択される。
【0065】
図4に示すように、トランスデューサ400’-1~400’-nのそれぞれは、415’-1~415’-nで参照されるコーンに関連付けられ、400’-1~400’-nに関連付けられる超音波ビームは放出され、又はエコー超音波ビームは検討されたトランスデューサによって検出/受信され得る。
【0066】
図5aは、単一のトランスデューサ(又はトランスデューサのアレイ)を含む超音波装置の第3の例の断面図である。この場合も、プローブが図1aに示すように配置される場合の、グリップ部分105の長手方向軸に垂直な平面による断面図である。
【0067】
図示のように、単一のトランスデューサ(又はトランスデューサのアレイ)400”は、超音波装置115”のキャビティ410”内に回転可能に取り付けられ、その結果、グリップ部分の長手方向軸に平行な軸405”の周りを回転し得る。したがって、超音波装置は、超音波信号を、トランスデューサ(又はトランスデューサのアレイ)の特性に依存する所与の横方向の角度コーン(図5ではβで示される)に従って、かつ放出角度コーンβよりも大きい角度コーン、例えば半径360°全体にわたるトランスデューサ(又はトランスデューサのアレイ)の任意の角度位置に従って放出し得る。
【0068】
図5bは、単一のトランスデューサ(又はトランスデューサのアレイ)を含む超音波装置の第4の例の断面図である。これは、プローブが図1aに示すように配置される場合の、グリップ部分105の長手方向軸を含む、又はそれに平行な垂直面による断面図である。
【0069】
図示のように、単一のトランスデューサ(又はトランスデューサのアレイ)400’”は、超音波装置内に強固に固定され、420’”と示される反射素子又はデフレクタは、超音波装置115’”のキャビティ410’”内で、トランスデューサ(又はトランスデューサのアレイ)の前に回転可能に取り付けられ、トランスデューサ(又はトランスデューサのアレイ)が半径360°全体又は半径360°全体の一部分にわたって超音波信号を放出及び/又は受信できるようにする。
【0070】
図示の例によると、トランスデューサ(又はトランスデューサのアレイ)400’”は、超音波信号をプローブの長手方向軸に平行な軸405’”によって与えられる主方向に沿って放出及び受信するように配置される。反射素子420’”は、トランスデューサ(又はトランスデューサのアレイ)の前に回転可能に取り付けられ、横方向の角度セクタに従って放出及び/又は受信された超音波信号をリダイレクトする。
【0071】
この場合、固定トランスデューサ400’”は初期放出コーンを放出し、それは偏向されて、2つの異なる方向に延びる少なくとも2つの放出コーンを得る。
【0072】
いくつかの図示された例のトランスデューサ(複数可)は、キャビティ(410、410’、410”及び410’”)に取り付けられる。各トランスデューサの外面は、プローブ先端115のキャビティの内面から離れて配置される。トランスデューサからプローブ先端115の表面への音波の伝播を可能にするために、キャビティ(410、410’、410”及び410’”)は水性ゲルなどのカップリング材料で満たされ、音響経路を最小の減衰で提供する。いくつかのタイプのカップリング材料を使用することができ、例えば、水(水道水又はミネラルウォータ)、保水ゲル(Bioxtraの商標で周知の保水ゲル、Pierre FabreのSensileaveゲル、及びSunstarの保水ゲルなど)である。
【0073】
いくつかの実施形態によると、各トランスデューサの外面は、プローブ先端のキャビティの内面と接触して配置される。その場合、カップリング材料でキャビティを満たす必要はない。
【0074】
ここで、トランスデューサ又はトランスデューサのアレイが超音波センサ内で回転できるようにするメカニズムが存在することに留意し、例えば、Xingying Wangらによって、「Development of a Mechanical Scanning Device With High-Frequency Ultrasound Transducer for Ultrasonic Capsule Endoscopy」と題して、IEEE Transactions on Medical Imaging、36巻、No.9、2017年9月、1922~1929ページに書かれた文献に記載されるものである。
【0075】
したがって、超音波信号は、任意の所与の角度位置に従って放出され得て、関心のある角度コーンについて測定を行う。エコー超音波信号は、入射超音波を検出するように構成された回転可能なトランスデューサに到達し得る。このために、トランスデューサは連続的に回転され(所与の位置でのみ放出し、トランスデューサの位置に関連してエコー信号を測定する)、又は必要なときに移動して、超音波信号が放出及び/又は測定される位置に到達する。いくつかの実施形態によると、到達した各位置で、トランスデューサは、エコー超音波信号を放出し、次に可能な場合は測定する。
【0076】
そのような場合、所与の角度位置は、設定によって、又はユーザによって規定されてもよく、あるいは、例えば受信された超音波信号の分析の結果として動的に適合されてもよい。
【0077】
上記のように、図1aと図1bを参照して、超音波撮像プローブ100は、例えば、回転可能なスリーブ又はカラーの形態をとり得るボタン、スイッチ、又はボタンのリングを含んで、測定が行われる方向を制御し得る。超音波撮像プローブ100に配置されたタッチセンサ式スクリーンを使用して、これらの方向を選択してもよい。超音波撮像プローブ100はまた、機械的圧力を測定するためのセンサを含み得て、その結果、測定の方向は、ユーザがプローブ100を下顎又は上顎に押し付けたときに自動的に設定される。
【0078】
代替的に、超音波信号は、360/βの角度位置のそれぞれから放出されて測定され得て、その結果、測定は半径360°全体で実行される。そのような場合、意味のある測定信号のみが処理されて、画像をレンダリングすることが好ましい。
【0079】
<超音波撮像プローブの電子要素>
図6は、超音波撮像プローブ100の電子システムの例を示す概略図である。
【0080】
図示のように、電子システム600はバス及び/又は電気接続を含み、
マイクロコントローラ605、
超音波撮像プローブ100を操作するための実行可能なコードと、変数及びパラメータを記録するように適合されたレジスタを記憶するための、RAMで示されるランダムアクセスメモリ610、
超音波撮像プローブ100及び/又は構成パラメータを操作するコンピュータプログラムを記憶するための、ROMで示される読み取り専用メモリ615、
超音波撮像プローブ100を遠隔コンピュータと信号通信状態にするように設定し、超音波撮像プローブ100を遠隔コンピュータとインタフェースして、例えば、測定された信号を送信し、及び/又は超音波撮像プローブ100の操作のいくつかを制御するためのコマンドを受信する、入力/出力インタフェース620であって、有線又は無線インタフェース、例えば、WiFi及び/又はBluetooth規格に準拠する無線インタフェース(WiFi及びBluetooth(登録商標))である、入力/出力インタフェース、
例えば、超音波撮像プローブ100の状態、実行するステップ若しくは次のステップ、及び/又は測定が行われる、若しくは行われる予定の方向をユーザに示唆する、ディスプレイ及び/又はLED625、
例えば、加速度計及びジャイロスコープを含み、超音波撮像プローブ100の位置、向き、速度、及び/又は加速度を決定することを可能にし、例えば、ジェスチャタイプによってコマンドを識別するために使用されてもよい(例えば、特定のジェスチャを使用して、測定を行う方向を選択してもよい)動きセンサ、位置センサ、及び/又は方位センサ630、
上記のような1つ以上のトランスデューサ又はトランスデューサのアレイを含む超音波装置635、
超音波センサの部品、例えば、トランスデューサ、トランスデューサのアレイ、又は反射素子を移動するためのモータ640、
電子システムの構成要素に電力を供給するための、充電式又はそうではない電池645、及び、
プローブの状態又は実行された測定に関連する情報などをユーザに示唆するスピーカ650、と接続される。
【0081】
超音波撮像装置は、別の電子要素を含んでもよく、その結果、上記の電子構成要素のいくつかは必要とされ得ないことに留意する。例えば、モータは、超音波撮像プローブ100が複数の固定トランスデューサ又はトランスデューサのアレイを含む場合、必要とされない。同様に、内部電力は、超音波撮像プローブ100が有線で遠隔コンピュータに接続されている場合、必要とされなくてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態によると、実行可能なコードは、読み取り専用メモリ615、又は例えばマイクロメモリカードなどの取り外し可能なデジタル媒体のいずれかに記憶され得る。変形例によると、プログラムの実行可能なコードは、入力/出力インタフェースを介して遠隔コンピュータから受信され得て、通信装置600の記憶手段の1つに記憶される。
【0083】
マイクロコントローラ605は、本発明の特定の実施形態による、超音波撮像プローブ100を操作するためのプログラム又は複数のプログラムの命令又はソフトウェアコードの一部分の実行を制御及び示すように適合され、命令は、前述の記憶手段の1つに記憶される。電源を入れた後、マイクロコントローラ605は、ソフトウェアアプリケーションに関連するメインRAMメモリ610からの命令を、例えば、それらの命令がROM615から、又は遠隔コンピュータからロードされた後に実行することができる。
【0084】
マイクロコントローラ605、RAM610、及び/又はROM615は、機械又は専用構成要素、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)によってハードウェアに実装され得る。
【0085】
受信により、取得された超音波信号は、電子システム600によって、例えばマイクロコントローラ605によって処理され、例えばフィルタリングされ得て、その後、遠隔コンピュータに入力/出力インタフェース620を介して送信される。特定の実施形態によると、取得された超音波信号は処理され、遠隔コンピュータに送信される画像を生成し得る。代替的に、取得された超音波信号は遠隔コンピュータに生データとして直接送信されてもよい。電子システム600の処理力及び能力は、取得された超音波信号に適用される処理に依存し得る。
【0086】
動きセンサ及び/又は方位センサを使用して、所定のコマンドを検出し得る。例えば、超音波撮像プローブ100の右への動きは、測定が超音波撮像プローブ100の右側で行われることを示し得る。同様に、超音波撮像プローブ100の左への動きは、測定が超音波撮像プローブ100の左側で行われることを示し得る。
【0087】
動きセンサ及び/又は方位センサを使用して、超音波撮像プローブ100の位置をデフォルト位置に関して決定することもできる。超音波撮像プローブ100の決定された位置を使用して、受信された超音波信号から生成された画像を適切に配向し得る。
【0088】
上記のように、表示は、ディスプレイ上に、又は1つ以上のLEDのサブセットとして表示されて、測定が行われる方向に関する表示を提供し得る。いくつかの実施形態によると、受信領域を囲む圧電素子を使用して、エネルギーを生成し、プローブ先端115の近くの局所インジケータ(例えば、小さなLED)に通電する。
【0089】
そのために、トランスデューサで使用されるような、電気的励起によって機械的波を生成し、逆に、機械的ストレス下に置かれると電気パルスを生成する両方の能力を有する圧電素子が使用される。超音波撮像プローブ100を使用する場合、トランスデューサは、観察された組織によって反射され偏向される多数の超音波を生成する。信号の取得中、画像を生成するために、入射波はトランスデューサに影響を与えるのみでなく、トランスデューサ表面の外側の領域にも影響を与え、そこは信号のキャプチャリングに使用されない圧電材料の部分を含み、明確化のために圧電ウェルと呼ばれる。したがって、その他の方法で失われる余剰のエネルギーの一部を、実際に測定に使用されるエミッタとレシーバの近くで、環境発電用の多くの圧電源を考慮することにより使用することができる。これらの圧電ウェルは、反射された音響信号の一部としてキャプチャされない余剰のエネルギーをキャプチャし、小さなLEDと関連する容量素子に通電するのに十分な電流を生成し得る。上記のように、この環境発電から生成された照明は、ユーザに情報を提供して、放出された超音波ビームの位置又は角度方位を視覚的に強調し得る。生成された照明は、スキャンされた領域を照らすのに十分な強さでさえあり得る。
【0090】
いくつかの実施形態によると、プローブは自律的であり得る。言い換えると、プローブは、遠隔コンピュータなどの別のシステムなしで使用可能であってもよい。この場合、プローブは、超音波信号を放出し、エコー超音波信号を取得し、超音波画像を構築し、測定を実行し、次に超音波プローブのLCDディスプレイに通知を表示するように構成され得る。その結果、プローブは、取得されたエコー超音波信号を処理するように構成されたメモリ(RAM及びROMなど)に関連付けられたマイクロコントローラを含んでもよい。したがって、プローブのマイクロコントローラは、プローブの組み込みメモリに記録されたソフトウェアアプリケーションの命令を実行するように構成される。そのようなプローブは、超音波画像の再構築、エコー超音波の測定、及び測定の通知及び/又はオペレータへの再構築のために自律的である。
【0091】
<放出コーンの選択>
前述のように、撮像測定に適合したプローブは、少なくとも2つの放出コーン内で超音波信号を放出し、対応するエコー超音波信号を受信するように構成された超音波装置を有利に含み、少なくとも2つの放出コーンは異なる方向に延び、図1b、図1c、図3図4、及び図5に示す。
【0092】
しかしながら、消費電力を削減し、寄生信号を回避することによって結果の品質を改善するために、使用される放出コーン(複数可)を選択することは有利である。
【0093】
図7は、本発明の特定の実施形態による、素材をスキャニングするための一般的な方法のステップの例を示す図である。
【0094】
図に示すように、方法は、超音波信号を放出し、受信する方向に関する情報の項目を受信するステップ(ステップ700)を含む。
【0095】
いくつかの実施形態によると、情報の項目は、ユーザ及び/又はシステムが超音波信号の放出を望む方向に対応する。例えば、患者の口内の関心のある領域に応じて選ばれ得る。それは、プローブの基準位置に対する角度位置の関数として決定される角度として表されてもよい。空間参照枠(spatial frame of reference)は、例えば、プローブの基準位置として使用され得る。
【0096】
別の実施形態によると、情報の項目は、基準位置の関数として決定される方向と、コーン角度(立体角)とによって表され得る所望の放出コーンに対応する。
【0097】
更に、方法は、受信された情報の項目の関数として、プローブの1つ以上の放出コーンを選択するステップ(ステップ705)を含む。いくつかの実施形態によると、検査が実行されて、受信された情報の項目に関連する方向が、プローブ100のトランスデューサに関連する放出コーンに対応することを確認してもよい。受信された情報の項目に関連付けられた方向に対応する放出コーンがない場合、プロセスは終了する。そうでない場合は、1つ以上の放出コーンは、受信された情報の項目に関連付けられた方向に基づいて、及び必要に応じて、所定のコーン角度又は受信された情報の項目に関連付けられたコーン角度に基づいて選択される。
【0098】
次に、方法は、超音波プローブ100に通電し、選択された放出コーン(複数可)内で、すなわち情報の項目に従って超音波信号を選択的に放出するステップ(ステップ710)を含む。このステップは、プローブ100を制御することで、選択された放出コーン(複数可)に関連するトランスデューサ(複数可)のみが超音波信号を放出することを目的とする。したがって、オペレータが観察を希望する、又はプロトコルを使用して制御する必要がある口腔内構造に従って、方法は、最適な放出コーン(複数可)に関連するトランスデューサを容易に選択することを可能にする。更に、関心のある領域が患者の口内の異なる領域に配置される場合でさえ、本方法は、関心のある領域ごとに最適に配置されたトランスデューサ間の転流を容易にする。
【0099】
いくつかの実施形態によると、選択するステップは、受信されたエコー超音波信号を選択することを含み得る。この場合、超音波プローブ100は、両方の放出コーンで放出し、エコー超音波信号を選択的に受信する。言い換えると、選択されたトランスデューサ(複数可)によって検出された、受信されたエコー信号のみが処理される。
【0100】
いくつかの実施形態によると、選択するステップは、受信された超音波信号を選択すること、及び受信された情報の項目の関数として放出される超音波信号を選択することを含み得る。
【0101】
超音波信号を放出する方向に関連する情報の項目を受信する方法のステップは、選択基準に応じて別のステップを含んでもよい。
【0102】
以下、方法の詳細を、放出コーン(複数可)の選択が手動、半自動、又は自動である場合について提供する。
【0103】
<放出コーンの手動選択>
放出コーン(複数可)の選択が手動である場合、情報の項目を受信するステップは、ユーザ入力を受信することを含む。
【0104】
患者の口内の口腔内構造を調査する場合、ユーザは、観察される関心のある領域の位置に関する入力をプローブに供給し得る。
【0105】
ユーザ入力を受信すると、情報の項目が決定される。以前に説明したように、情報の項目は、プローブ又は所望の放出コーンに関連する空間参照枠の関数として決定される角度であってもよい(これは、基準位置の関数として決定される方向として、及び立体角によって表されてもよい)。
【0106】
ユーザ入力からの情報の項目の決定は、ユーザ入力のタイプと使用されたプローブの構成に依存する。
【0107】
いくつかの実施形態によると、ユーザ入力は、口腔内表面に対する超音波撮像プローブ100の所定の機械的圧力から生じる。特に、ユーザ入力は、オペレータが測定を行いたい方向に応じて、口腔内表面に対するプローブ100の機械的圧力から生じる場合がある。例えば、方向は、関心のある領域が位置する方向、又は関心のある領域の反対側であり得る。
【0108】
いくつかの実施形態によると、機械的圧力は、長手方向軸に対して、プローブの環状表面上の任意の角度位置について検出されてもよい。したがって、機械的圧力センサを、プローブに関連付けられた参照枠の関数として決定された角度位置に関連付け、放出コーンの立体角のデフォルト値を規定することにより、所望される放出コーンは検出された機械的圧力から規定され得る。通常、放出コーンの立体角のデフォルト値は、トランスデューサの放出コーンの立体角に対応する。いくつかの実施形態によると、立体角の値は、ユーザによって、例えば、機械的圧力持続時間に応じて、又は取得ソフトウェアインタフェースのユーザ設定を通じ変更され得る。
【0109】
図3図4に示されるようなプローブを使用する場合、選択された放出コーン(複数可)は、所望の放出コーンに最も近いトランスデューサ(複数可)に関連付けられたもの(複数可)である。
【0110】
図5に示されるようなプローブを使用する場合、所望の放出コーンはトランスデューサの1つ以上の角度位置を規定し、トランスデューサは、機械的圧力が検出された規定された角度位置(複数可)で超音波信号を放出する。
【0111】
いくつかの実施形態によると、選択されたトランスデューサ(又は放出コーン若しくは放出ファンビーム(使用時に疑似放出コーンをもたらす))の数は、所望する放出コーンに最も近い選択された放出コーン(又は放出ファンビーム)を選択することによって制限することが可能である。このために、いくつかの解決策は、例えば、所望の放出コーンとの最大の交差面積を有する放出ファンビームを選択することによって可能である。所定の閾値よりも大きい所望のコーンとの交差領域を有する放出ファンビームを選択することも可能である。
【0112】
いくつかの実施形態によると、圧力センサはいくつかの要素を含み、各要素は、プローブの長手方向軸に対して所定の角度位置に関連付けられた個別の圧力センサとして機能する。各要素は、放出コーンに関連付けられてもよく、その結果、機械的圧力を検出すると、対応する放出コーンは直接選択される。
【0113】
例えば、図3図4に示されるようなプローブに関して、各要素はトランスデューサの近位に配置され得て、その結果、機械的圧力の検出は1つのトランスデューサを直接選択することを可能にする。
【0114】
したがって、患者の口腔内構造を調査するときにプローブ100を手に保持しているユーザは、プローブ100の先端115を観察したい関心のある領域に対して押圧できる。次に、関心のある領域に対する機械的圧力の方向は、超音波信号が放出される方向を示すユーザ入力と見なされる。次に、圧力は、選択された放出コーン(複数可)に関連付けられたトランスデューサ(複数可)を転流するように構成された信号に変換されて、超音波信号を所望のコーンに放出させる。オペレータは、別のトランスデューサを、患者の口腔内の別の関心のある領域を調査するとき選択し得る。このために、オペレータは次の関心のある領域に対して機械的圧力を加える。
【0115】
当然、圧力センサ(及びその要素)は、所定の力及び/又は所定の持続時間で圧力を検出することができる。
【0116】
いくつかの実施形態によると、ユーザ入力は、超音波撮像プローブ100の所定の動きから生じる。したがって、プローブ100の任意の動きは、動きセンサ及び/又は方位センサによって検出され、それはプローブ100に埋め込まれ、所定のコマンドの動きを検出するように構成される。当然、動き及び/又は方位センサは、所定の速度及び/又は持続時間での動き、及び/又は幾何学的形状を形成する動きを検出することができる。
【0117】
この実施形態における情報の項目の決定は、例えば長手方向軸に関して、プローブに関連付けられた空間参照枠による角度位置に関連する所定の動きによって実行され得る。加えて、所定の動きは、放出コーンの立体角の所定の値に関連付けられてもよい。
【0118】
次に、ユーザがジェスチャを実行すると、その動きが分析されて、そのジェスチャが所定の動きと同様であるかどうかを決定する。したがって、所定の動きを、プローブに関連付けられた空間参照枠の関数として決定された角度位置に関連付けることによって、また放出コーンの立体角のデフォルト値を規定することによって、所望の放出コーンを、検出された動きから規定してもよい。通常、放出コーンの立体角のデフォルト値は、トランスデューサの放出コーンの立体角に対応する。
【0119】
図3図4に示されているようなプローブを使用する場合、選択された放出コーン(複数可)は、所望の放出コーンに最も近いトランスデューサ(複数可)に関連付けられたもの(複数可)である。
【0120】
図5に示すようなプローブを使用する場合、所望の放出コーンはトランスデューサの1つ以上の角度位置を規定し、トランスデューサは、動きが検出された規定された角度位置(複数可)で超音波信号を放出する。例えば、患者の口腔内構造を調査するときにプローブ100を手に保持しているオペレータは、プローブ100の先端115を用いて短くて速い動きを加え得る。特に、左又は右への動きは、測定が行われる方向、したがって超音波信号が放出される方向を示すユーザ入力と見なし得る。
【0121】
いくつかの実施形態によると、ユーザ入力は、超音波撮像プローブ100上に配置された物理的ボタンの作動から生じる。図1aと図1bに関連して説明されるように、各ボタン125-1、125-2は、放出コーンに関連付けられたトランスデューサにリンクされるように構成され得る。
【0122】
同様に、ユーザ入力は、プローブのタッチセンサ式スクリーンとの相互作用又はプローブに接続された結果として生じ得る。
【0123】
情報の項目は、ユーザ入力の性質に応じて異なる方法で決定される。物理的なボタンの場合、ボタンはそれぞれプローブのトランスデューサ(又は可動トランスデューサの位置)に関連付けられるようにプログラムされる。したがって、ユーザがボタンを作動すると、情報の項目は、活性化されるトランスデューサに対応し得る。
【0124】
タッチセンサ式スクリーンの場合、ユーザは、1つ以上の角度位置及び/又は角度を、例えば、プローブの上部ディスプレイ上に、使用される放出コーンを示す円弧状セクタを描くことによって示してもよい。そのような場合、情報の項目は、例えば、1つの角度位置及び立体角又は2つの角度位置を含み、所望の放出コーンを規定してもよい。
【0125】
図3図4に示されるようなプローブを使用する場合、選択された放出コーン(複数可)は、所望の放出コーンに最も近いトランスデューサ(複数可)に関連付けられたもの(複数可)である。
【0126】
図5に示すようなプローブを使用する場合、所望の放出コーンはトランスデューサの1つ以上の角度位置を規定し、トランスデューサは、2つの角度位置の間の規定された角度位置(複数可)で超音波信号を放出する。
【0127】
いくつかの実施形態によると、ユーザ入力は、超音波撮像プローブ100に接続されたコンピュータでホストされたソフトウェアグラフィックインタフェースに表示される項目の選択からも生じる。図6に示されるように、撮像プローブ100の電子システムは、入力/出力インタフェースを介して遠隔コンピュータとインタフェースされ得る。この場合、コンピュータは、プローブ100を操作するように、特に、タッチスクリーンについて前述したように、ユーザが測定を行いたい方向を示すように構成されたプログラムをホストする。
【0128】
前述のように放出コーンの選択は、(図3図4に示されるようなプローブの場合)2つ以上のトランスデューサの選択となり得る。
【0129】
<放出コーンの半自動選択>
いくつかの実施形態によると、使用される放出コーン(複数可)の選択は半自動である。 超音波信号を放出する方向に関する入力は、プローブ100に接続された遠隔コンピュータ上でホストされたソフトウェアによって(入力/出力インタフェースを介して)供給される。
【0130】
情報の項目は、ソフトウェアによって供給される入力から推定される。例えば、ソフトウェアは、プロトコルに応じて観察される関心のある領域に従って、プローブの長手方向軸に対して1つ以上の角度位置(複数可)を供給する。したがって、角度位置(複数可)を考慮し、放出コーンの立体角のデフォルト値を規定することによって、所望の放出コーンはソフトウェア入力から規定され得る。通常、放出コーンの立体角のデフォルト値は、トランスデューサの放出コーンの立体角に対応する。
【0131】
前述のように、超音波信号は、円錐形又は扇形のビーム形状を有し得る。その結果、放出コーン又は放出ファンビームは異なって選択される。
【0132】
いくつかの実施形態によると、図3図4に示されるようなプローブを使用する場合、選択された放出コーンは、所望の放出コーンと交差するものである。特定の実施形態によると、選択されたコーンの数は、所望の放出コーンに最も近く配置される放出コーンを識別することによって制限することが可能である。このために、いくつかの解決策は、例えば、情報の項目によって規定された所望のコーンとの最大の交差面積を有する放出コーンを選ぶことによって可能となる。所定の閾値よりも大きい所望のコーンとの交差領域を有する放出コーンを選択することも可能である。
【0133】
いくつかの実施形態によると、選択された放出コーンに含まれる超音波ファンビームは、選択されてもよく/選ばれてもよい。
【0134】
いくつかの実施形態によると、選択された超音波ファンビームは、所望の放出コーンと交差するものの中から選ばれてもよい。選択された超音波ファンビームの数を制限するために、最も近い超音波ファンビームは、例えば、情報の項目によって規定される所望のコーンとの最大の交差面積を有する超音波ファンビームを選ぶことによって識別される。所定の閾値よりも優れた所望のコーンとの交差領域を有する放出ファンビームを選択することも可能である。
【0135】
図5aと図5bに示されるようなプローブを使用する場合、所望の放出コーンは、超音波信号が放出されるトランスデューサの角度位置(複数可)を決定することを可能にする。
【0136】
次に、プローブ100を保持しているオペレータは、取得プロセスを通じてソフトウェアによって案内される。ソフトウェアは、ある放出コーンから別の放出コーンへの切り替えを制限することにより、最も効率的な方法で患者の口腔内のスキャンを保証するプロトコルを供給し得る。例えば、ポケット深度測定は、最初に左舌側の下顎、右前庭の下顎、右舌側の上顎、及び左前庭の上顎に対して実行でき、次にプローブの反対側を使用して別の歯列弓領域に対して実行して、システムを切り替える必要のある回数を制限し得る。次に、スキャニングプロセスが最適化され、患者の口腔内の完全な検査を行うための時間が短縮される。
【0137】
この実施形態では、選択された放出コーンに関連付けられた活性トランスデューサは、例えば、プローブ100及び/又は遠隔コンピュータの取得インタフェース上のLEDの補助を用いて、オペレータに示されてもよい。
【0138】
当然、スキャニング中に、オペレータは手動モードに切り替え、次に、前述のように、超音波信号が放出される方向を手動で選択し得る。
【0139】
<放出コーンの自動選出>
特定の実施形態によると、使用される放出コーン(複数可)の選択は自動的である。説明のために、超音波信号を放出する方向に関連する情報の項目を受信するステップの2つの例は、図8図9に示される。
【0140】
図8は、自動選択のための第1の実施形態の図を示す。この実施形態は、プローブ100の直接環境における生体組織の存在の自動検出を実行し、したがって、これらの生体組織の測定を実行することを可能にするトランスデューサ(複数可)を選択することを目的とする。言い換えると、この方法は、超音波信号が放出される方向の検出を可能にして、口腔内組織(生体組織がプローブ100に対して配置される相対的な方向に対応する)を観察する。次に、その方向を含む放出コーン(複数可)に関連するトランスデューサ(複数可)が自動的に活性化される。
【0141】
図示の例によると、干渉を制限するため、トランスデューサは次々に通電されてもよい。
【0142】
図示のように、情報の項目を受信するために、方法は、複数の放出コーンのうちの1つ内で超音波信号を放出するステップ800を含む。そのために、対応するトランスデューサは通電され、関連する放出コーンで超音波信号を放出する。
【0143】
超音波信号を放出した直後に、方法は、エコー超音波信号を測定するステップ805を含む。実際に、超音波信号を放出した後、超音波信号は反射され、周囲の組織によって偏向される。
【0144】
示されるように、前のステップ(ステップ800とステップ805)は、すべての(又はいくつかの)トランスデューサに対して繰り返される。
【0145】
生体組織の存在の有無を決定するために、方法は、測定されたエコー超音波信号を互いに比較するステップ、及び/又は測定されたエコー超音波信号を閾値と比較するステップ(ステップ810)を含む。
【0146】
エコー超音波信号が生体組織によって反射された超音波信号に対応するかどうかを決定するために、測定されたエコー超音波信号のエネルギーが分析され、閾値と比較されて、これらの信号が生体組織の検出に対応するか、又はノイズに対応するかを決定する。
【0147】
また、すべての測定されたエコー超音波を互いに比較して、他よりも大きい同様の値を有するものを識別することができる。例えば、測定されたエコー超音波信号の最大値の約90%の値を有する測定されたエコー超音波を選択することが可能である。
【0148】
超音波信号閾値が組織の存在又は所望の素材応答に対応して確立されると、閾値よりも大きい測定されたエコー超音波に関連付けられた放出コーンが選択される。
【0149】
図9は、放出コーンの自動選択のための第2の実施形態の図を示す。この実施形態は、測定されたエコー信号から構築されたリアルタイム画像を、プローブ100のいくつかのトランスデューサから(又は可動トランスデューサ/可動デフレクタのいくつかの位置から)超音波信号を放出した後に分析することを目的とする。放出コーンの選択は、構築された画像の特徴に従って行われる。方法は、意味のある画像(又は画像の一部分)を提供することを可能にするトランスデューサのみを選択する必要があるという事実に基づく。
【0150】
情報の項目を受信するために、方法は、放出コーンの1つ内で超音波信号を放出するステップ(ステップ900)を含む。
【0151】
次に、エコー超音波信号が測定され(ステップ905)、前のステップ(ステップ900とステップ905)が、すべての(又はいくつかの)トランスデューサに対して繰り返される。
【0152】
次に、エコー超音波信号がトランスデューサによって測定され、画像が構築されると、構築された画像は、例えば、標準的な特徴分析アルゴリズムを使用して分析される(ステップ915)。このステップは、構築された画像で見ることができる物体を識別することを目的とする。特に、目的は、画像内の口腔内構造を検出することであり、画像が意味のあるものであることを示している。
【0153】
関心のある領域(すなわち、オペレータが観察したい領域)は、生体構造が続くカップリング剤の厚さ(例えば、ゲル)によって特徴付けられる。その結果、これらの特徴が構築された画像で検出されると、超音波信号が由来する放出コーン(複数可)が選択される。いくつかの実施形態によると、情報の項目を図8図9に示される方法の1つを使用して受信した後、1つ以上の放出コーンが選択され得る。実際、生体組織は、2つ以上の放出コーンにおいて、2つ以上の放出コーンで放出された超音波信号からのエコー超音波信号から、及び/又は関心のある領域を示す構築された画像から検出されることが起こり得る。
【0154】
1つの放出コーンのみが選択される場合、選択はいくつかの基準、例えば、構築された画質又は生体組織の近接性に基づいて行われ得る。
【0155】
いくつかの実施形態によると、放出コーンの1つを選択するステップは、事前に選択されたコーンの1つのサブセクタを測定されたエコー超音波信号の関数として選択するステップを含む。例えば、サブセクタは、超音波ファンビーム、又は事前に選択されたコーンの1つに含まれるか、若しくは所望のコーンに含まれるコーンであってもよい。実際、プローブ100は、トランスデューサに関連付けられた各放出コーン内にサブセクタを含み、超音波信号が送信される方向をより正確に監視し得る。
【0156】
放出コーンのサブセクタは、最大の交差面積を有する一方で、選択された放出コーンに含まれていることを意味する、所望のコーンに最も近いものとして選択される。
【0157】
いくつかの実施形態によると、方法は、インジケータに通電して、受信されたエコー超音波又は放出される超音波のいずれかの選択を受信された情報の項目に従って示すステップを含む。放出コーンが選択されると、図1aと図1bに示されるようにプローブ100上に配置された1つ以上の発光装置(LED)としてのインジケータ、ディスプレイを使用して、オペレータにどの関連するトランスデューサが使用されるかを示し得る。オペレータは、測定が行われる方向に関する指示をすばやく得ることができる。
【0158】
当然、物理的なボタンの補助を用いて、及び/又はプローブ100を操作するソフトウェアのグラフィカルインタフェース上で、オペレータは、手動、半自動、及び自動モードを切り替えることが可能である。
【0159】
図5bに示すようなプローブを使用する場合、放出コーン又はファンビームの自動選択により、ファンビーム(又は放出コーン)の角度を、関心のある領域が配置される角度範囲に適合させることが可能である。実際、回転トランスデューサ(図5a)又は回転デフレクタ(図5b)のいずれかの各角度位置は、放出コーンに関連付けられる。その場合、自動選択では、生体組織が検出され得る回転デフレクタ又は回転トランスデューサの角度位置の範囲を特定することが可能である。その結果、超音波ファンビーム又はコーンの放出角度は適応性があり、カップリング剤を含む生体組織の位置に応じてサイズが決定され得る。以下に本発明の付記を示す。
(付記1)
少なくとも2つの放出コーン(400-1、400-2)内で超音波信号を放出し、かつ対応するエコー超音波信号を受信するように構成された超音波装置を含む歯科用超音波撮像プローブ(100)を使用して素材をスキャニングし、前記少なくとも2つの放出コーン(400-1、400-2)が異なる方向に延在している、方法であって、
超音波信号を放出する方向に関する情報の項目を受信すること、
受信したエコー超音波信号又は放出される超音波信号を前記受信された情報の項目の関数として選択すること、を含む方法。
(付記2)
情報の項目を受信することは、
超音波信号を前記少なくとも2つの方向のそれぞれに放出すること、
エコー超音波信号を測定すること、及び、
前記測定されたエコー超音波信号を互いに比較し、及び/又は前記測定されたエコー超音波信号を閾値と比較すること、を含む、付記1に記載の方法。
(付記3)
情報の項目を受信することは、
超音波信号を前記少なくとも2つの方向のそれぞれに放出すること、
エコー超音波信号を測定すること、
前記測定されたエコー信号に基づき画像を構築すること、及び、
前記構築された画像を分析すること、を含む、付記1に記載の方法。
(付記4)
情報の項目を受信することはユーザ入力を受信することを含む、付記1~3のいずれか一項に記載の方法。
(付記5)
前記ユーザ入力は、口腔内表面に対する前記歯科用超音波撮像プローブ(100)の所定の機械的圧力から生じる、付記4に記載の方法。
(付記6)
前記ユーザ入力は、前記歯科用超音波撮像プローブに配置された物理的ボタン(125-1、125-2)の作動、及び/又は前記歯科用超音波撮像プローブ(100)に接続されたコンピュータでホストされたソフトウェアグラフィックインタフェースに表示される項目の選択から生じる、付記4に記載の方法。
(付記7)
前記ユーザ入力は、前記歯科用超音波撮像プローブ(100)の所定の動きから生じる、付記4に記載の方法。
(付記8)
前記歯科用超音波撮像プローブは、前記選択された放出コーン又は選択された放出方向に関連する情報の項目を提供するように構成されたインジケータを少なくとも含み、ここで前記方法は、
前記インジケータを通電して、前記選択を示すこと、を含む、付記1~7のいずれか一項に記載の方法。
(付記9)
前記インジケータは、複数の発光装置(130)を含む、付記8に記載の方法。
(付記10)
情報の項目を受信した後、前記方法は、
異なる幅のいくつかのファンビーム及び/又はコーンを事前に選択することを含む、付記2又は3に記載の方法。
(付記11)
前記放出超音波信号のうちの1つを選択することは、
前記測定されたエコー超音波信号の関数として、前記事前に選択されたファンビーム及び/又はコーンの1つを選択すること、及び/又は前記事前に選択されたファンビーム及び/又はコーンの1つのサブセクタを選択することを含む、付記10に記載の方法。
(付記12)
前記超音波プローブは通電されて、前記情報の項目に従って超音波信号を選択的に放出する、付記1~11のいずれか一項に記載の方法。
(付記13)
前記少なくとも2つの放出コーンは、2つの異なるトランスデューサから、1つの移動トランスデューサから、又は移動デフレクタに関連付けられた固定トランスデューサから得られる、付記1~12のいずれか一項に記載の方法。
(付記14)
プログラム可能な装置用のコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、プログラム可能な装置にロードされて実行されるときに、付記1~13のいずれか一項に記載の方法の前記ステップの各々を実施するための一連の命令を含む、コンピュータプログラム。
(付記15)
付記1~13のいずれか一項に記載の方法の前記ステップの各々を実行するように構成されたマイクロプロセッサを含む装置。
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図2c
図2d
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9