(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】電気加熱式喫煙物品内に挿入可能なゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ、これを含む電気加熱式喫煙物品、並びに、このためのエアロゾル発生装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
A24B 15/167 20200101AFI20231227BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20231227BHJP
A24F 40/20 20200101ALN20231227BHJP
A24F 40/40 20200101ALN20231227BHJP
【FI】
A24B15/167
A24D1/20
A24F40/20
A24F40/40
(21)【出願番号】P 2021542369
(86)(22)【出願日】2020-01-28
(86)【国際出願番号】 KR2020001279
(87)【国際公開番号】W WO2020153829
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-09-13
(31)【優先権主張番号】10-2019-0009335
(32)【優先日】2019-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0111764
(32)【優先日】2019-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0112232
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0119221
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0119452
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0123735
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0150222
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0009697
(32)【優先日】2020-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521268886
【氏名又は名称】イノ-アイティー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】INNO-IT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】(KNN Walseok Art Hall,Udong)24,Centum seo-ro,Haeundae-gu Busan 48058,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,スンギュ
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】ハン,スンジュ
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-502136(JP,A)
【文献】特表2020-508660(JP,A)
【文献】特表2020-519263(JP,A)
【文献】国際公開第2018/158566(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/182736(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/206615(WO,A2)
【文献】国際公開第2017/207582(WO,A1)
【文献】特表2019-521654(JP,A)
【文献】特開平05-153946(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0120225(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B15/167
A24F40/00-47/00
A24D 1/00- 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気加熱式喫煙物品内に挿入され、燃焼ではない加熱方式によりエアロゾルを発生させることが可能な使い捨てのゲル状エアロゾル発生基材カートリッジであって、
常温を含む第1の温度範囲でゲル状、半固状又は固状で存在し、70℃を含む第2の温度範囲で液状に変化し、150乃至400℃の温度範囲でエアロゾルに気化する、グリセリン及びゼラチンを含むゲル状エアロゾル発生基材と、
ゲル状エアロゾル発生基材が収容されるゲル収容体と、
ゲル収容体を7乃至20mmの長さ及び5乃至8mmの直径を有するシリンダ形状で側面をラッピングする、ラッピングペーパーとを含み、
ゲル状エアロゾル発生基材は
、第1の温度範囲でゲル状、半固状又は固状でゲル収容体内に存在し、ラッピングペーパーによりラッピングされたゲル収容体の側面からゲル状エアロゾル発生基質が150乃至400℃の温度範囲で加熱されてエアロゾルに気化することを特徴とする、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ。
【請求項2】
ゲル状エアロゾル発生基材は、
水、寒天、増粘剤、澱粉粉末、セルロース類、カルボキシメチルエーテル類、天然食品香料又は果物抽出物の一つ以上をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ。
【請求項3】
ゲル状エアロゾル発生基材において、グリセリンの含有量は50重量%以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ。
【請求項4】
ゲル状エアロゾル発生基材は、
重量%として、80乃至100%のグリセリンVG、及び、0乃至20%のグリセリンPGからなる液状組成物を含むが、
60乃至80%の液状組成物、及び、20乃至40%の水の体積割合で混合された混合物100ml対比1乃至6gの重量のゼラチンを含み、
選択的に液状組成物の全体重量対比10%以下に加味される香味剤を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ。
【請求項5】
液状組成物は、ゲル収容体内に70乃至120mgの量で含まれることを特徴とする、請求項4に記載のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ。
【請求項6】
ゲル収容体は、メラミン系発泡樹脂であり、選択的に単位体積当たりの重量が0.01乃至0.013mg/mm
3であることを特徴とする、請求項1に記載のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ。
【請求項7】
ゲル収容体は、パルプ又はパルプを含む生地であり、選択的に単位体積当たりの重量が0.25乃至0.4mg/mm
3であることを特徴とする、請求項1に記載のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ。
【請求項8】
ゲル収容体は、綿の織造生地又は不織布生地であり、選択的に単位体積当たりの重量が0.2乃至0.35mg/mm
3であることを特徴とする、請求項1に記載のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ。
【請求項9】
ゲル収容体は、竹繊維の織造生地又は不織布生地であり、選択的に単位体積当たりの重量が0.15乃至0.25mg/mm
3であることを特徴とする、請求項1に記載のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ。
【請求項10】
80乃至100%のグリセリンVG、及び、0乃至20%のグリセリンPGからなる液状組成物は、ゲル収容体の単位体積当たり0.13乃至0.32mg/mm
3の量でゲル収容体に存在することを特徴とする、請求項6乃至9の何れか一項に記載のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ。
【請求項11】
ラッピングペーパーは、アルミニウムフォイルが紙に付着されて形成され、アルミニウムフォイルがゲル収容体に接触するようにシリンダ形状でラッピングされることを特徴とする、請求項1乃至10の何れか一項に記載のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ。
【請求項12】
燃焼ではない加熱方式によりエアロゾルを発生させることが可能な使い捨ての電気加熱式喫煙物品であって、
フィルターと、
フィルターに対して上流に提供される請求項1乃至11の何れか一項に記載のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジと、
フィルターに対して上流に提供されながら、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジに対して上流又は下流に提供されるタバコ刻葉を含むタバコ体とを含み、
フィルター、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ及びタバコ体は、ラッピングペーパーでラッピングされて巻きタバコを形成し、ラッピングペーパーによりラッピングされたゲル収容体の側面からゲル状エアロゾル発生基材が150乃至400℃の温度範囲で加熱されてエアロゾルに気化することを特徴とする、電気加熱式喫煙物品。
【請求項13】
フィルターの直上流にはチューブ体が提供されることを特徴とする、請求項12に記載の電気加熱式喫煙物品。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の電気加熱式喫煙物品のための、把持及び携帯が可能なサイズのエアロゾル発生装置であって、
装置内に提供される喫煙物品が挿入可能な空洞と、
装置内に提供される、喫煙物品のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジの外部を加熱することが可能な抵抗加熱方式の第1ヒータ及び誘導加熱方式の第2ヒータの少なくとも一つと、
装置内に提供される、喫煙物品のタバコ体の内部又は外部を加熱することが可能な抵抗加熱方式の第3ヒータ及び誘導加熱方式の第4ヒータの少なくとも一つと、
装置内に提供され、直流電源として働く再充電可能なバッテリと、
装置内に提供され、バッテリから直流電源を供給されてヒータを制御する制御部とを含むことを特徴とする、エアロゾル発生装置。
【請求項15】
抵抗加熱方式の第1及び第3ヒータは、喫煙物品の外部を加熱するパイプヒータ及び喫煙物品に挿入されて内部を加熱する侵入式ヒータの何れか一つであり、パイプヒータはゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ及び/又はタバコ体を加熱し、侵入式ヒータはタバコ体に挿入されてタバコ体内を加熱することを特徴とする、請求項14に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項16】
装置内に提供されて第1及び第3ヒータの少なくとも一つの温度をセンシングする温度センサをさらに含み、制御部は、温度センサからのセンシング値によって抵抗加熱方式の第1及び第3ヒータの少なくとも一つを制御することを特徴とする、請求項15に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項17】
誘導加熱方式の第2及び第4ヒータは、装置内に別途に提供される励磁コイルにより発熱する、喫煙物品の外部を加熱するサセプタ材質のヒートパイプ、及び、喫煙物品に挿入されて内部を加熱するサセプタ材質のヒットブレードの何れか一つであり、ヒートパイプはゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ及び/又はタバコ体を加熱し、ヒットブレードはタバコ体に挿入されてタバコ体内を加熱することを特徴とする、請求項14に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項18】
装置内に提供されて誘導加熱方式の第2及び第4ヒータの少なくとも一つの温度を得る温度獲得部をさらに含み、制御部は温度獲得部の入力によって励磁コイルに印加される電流を制御することを特徴とする、請求項17に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項19】
請求項12又は13に記載の電気加熱式喫煙物品と、
喫煙物品が挿入可能な空洞、喫煙物品のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジの外部を加熱することが可能な抵抗加熱方式の第1ヒータ及び誘導加熱方式の第2ヒータの少なくとも一つ、喫煙物品のタバコ体の内部又は外部を加熱することが可能な抵抗加熱方式の第3ヒータ及び誘導加熱方式の第4ヒータの少なくとも一つ、直流電源として働く再充電可能なバッテリ、並びに、バッテリから直流電源を供給されてヒータを制御する制御部を装置内に含むエアロゾル発生装置とからなり、
電気加熱式喫煙物品を空洞に挿入して、電気加熱式喫煙物品のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ及びタバコ体を電気加熱式により加熱させて、喫煙物品内でエアロゾルを発生させることを特徴とする、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気加熱式喫煙物品内に挿入可能なゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ、これを含む電気加熱式喫煙物品、並びに、このためのエアロゾル発生装置及びシステムに関し、より具体的には、燃焼方式ではない加熱方式によりエアロゾルを発生させることができるタバコ媒質体を含む電気加熱式喫煙物品内に挿入されて、加熱によりさらにエアロゾルを発生させることができる、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ、これを含む電気加熱式喫煙物品、並びに、このためのエアロゾル発生装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一般の巻きタバコの短所が克服できる代替方法に関する需要が増加している。例えば、巻きタバコを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、巻きタバコ内のエアロゾル発生物質の加熱によりエアロゾルを生成させる方法に関する需要が増加している。
【0003】
一般に、タバコ媒質の主原料であるスラリー板状葉シートの場合、引張力が弱くて製造適性が困難であり、タバコ媒質に保湿剤も多量含まれているため、物理性が脆弱である。また、グリセリン等のような液状を含有したタバコ媒質は、親水性により周囲環境の湿度にも敏感であるため、製造工程の環境を制御することに困難がある。タバコ媒質内に含有させることができる液状の量にも限界がある。
【0004】
タバコ媒質を含む巻きタバコの以外に、別途のカトマイザー(cartomizer)に液状を保管して、エアロゾルをさらに発生させてユーザが巻きタバコの吸入時に液状から由来するエアロゾルを巻きタバコを通じて吸入する場合(所謂、ハイブリッドタイプ)も提案されているが、カトマイザーに含まれた液状を管理することに困難(流通期限や変質など)があり、カトマイザーから生成されたエアロゾルが移動する気流パスに凝縮物が発生し、汚染が発生する恐れがある。
【0005】
これにより、使い捨ての電気加熱式喫煙物品内に液状を提供し、これからエアロゾルを得るためのニーズが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術の問題点が解決できる電気加熱式喫煙物品に挿入可能なゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ、これを含む電気加熱式喫煙物品、及び、このためのエアロゾル発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
よって、本発明は、常温を含む第1の温度範囲でゲル状、半固状又は固状で存在し、70℃を含む第2の温度範囲で液状に変化し、150乃至400℃の温度範囲でエアロゾルに気化する、グリセリン及びゼラチンを含むゲル状エアロゾル発生基材と、ゲル状エアロゾル発生基材が収容されるゲル収容体と、ゲル収容体を7乃至20mmの長さ及び5乃至8mmの直径を持つシリンダ形状で側面をラッピング(wrapping)する、ラッピングペーパーとを含む電気加熱式喫煙物品内に挿入可能なゲル状エアロゾル発生基材カートリッジを提供する。
【0008】
また、本発明は、フィルターと、フィルターに対して上流に提供される前記のようなゲル状エアロゾル発生基材カートリッジと、フィルターに対して上流に提供されながら、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジに対して上流又は下流に提供されるタバコ刻葉を含むタバコ体とを含むが、フィルター、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ及びタバコ体は、ラッピングペーパーでラッピングされて巻きタバコを形成する電気加熱式喫煙物品を提供する。
【0009】
また、本発明は、前記のような電気加熱式喫煙物品のための、把持及び携帯が可能なサイズのエアロゾル発生装置であって、装置内に提供される喫煙物品が挿入可能な空洞と、装置内に提供される、喫煙物品のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ及びタバコ体の内部又は外部が加熱できる抵抗加熱方式のヒータ及び誘導加熱方式のヒータの少なくとも一つと、装置内に提供され、直流電源として働く再充電可能なバッテリと、装置内に提供され、バッテリから直流電源を供給されてヒータを制御する制御部とを含むエアロゾル発生装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、前記のような電気加熱式喫煙物品と、喫煙物品が挿入可能な空洞と、喫煙物品のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ及びタバコ体の内部又は外部が加熱できる抵抗加熱方式のヒータ及び誘導加熱方式のヒータの少なくとも一つと、直流電源として働く再充電可能なバッテリと、バッテリから直流電源を供給されてヒータを制御する制御部とを、装置内に含むエアロゾル発生装置からなり、電気加熱式喫煙物品を空洞に挿入して、電気加熱式喫煙物品のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ及びタバコ体を電気加熱式で加熱させ、喫煙物品内でエアロゾルを発生させるエアロゾル発生システムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電気加熱式喫煙物品に挿入可能なゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ、及び、これを含む電気加熱式喫煙物品を提供することで、ユーザがゲル状エアロゾル発生基材から由来するエアロゾルと、タバコ基材から由来するエアロゾルとを共に吸入する際に、従来技術の問題点が解決できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の好適な一実施形態による電気加熱式喫煙物品の一部分解斜視図及び断面図を概念的に示す。
【
図2】
図1に示す喫煙物品の構成要素及びこれを囲むラッピングペーパーの構成を概念的に示す。
【
図3】
図2に示すゲル収容体を得るためにゲル収容体ロッドが製造される過程を示す概念図である。
【
図4】
図3に示すゲル収容体ロッドから本発明によるゲル状エアロゾル発生基材カートリッジを製造するためにゲル状エアロゾル発生基材カートリッジをカットするカット工程を概念的に示す。[
図5]乃至[
図12]本発明による電気加熱式喫煙物品からエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置の多様な実施形態の次のような概念図である。
【
図5】第1の実施形態により、パイプ形状抵抗加熱ヒータと、侵入式抵抗加熱ヒータとを組み合わせるエアロゾル発生装置に電気加熱式喫煙物品が適用された断面図を概略的に示す。
【
図6】第2の実施形態により、一つのピースからなるパイプ形状の抵抗加熱ヒータを有するエアロゾル発生装置に電気加熱式喫煙物品が適用された断面図を概略的に示す。
【
図7】第3の実施形態により、二つのピースからなるパイプ形状の抵抗加熱ヒータを有するエアロゾル発生装置に電気加熱式喫煙物品が適用された断面図を概略的に示す。
【
図8】第4の実施形態により、パイプ形状の抵抗加熱ヒータと、侵入式抵抗加熱ヒータとを組み合わせるが、第1の実施形態とは異なる、エアロゾル発生装置に電気加熱式喫煙物品が適用された断面図を概略的に示す。
【
図9】第5の実施形態により、誘導加熱によって発熱するサセプタ材質のヒートパイプ及びサセプタ材質のヒットブレードを有するエアロゾル発生装置に電気加熱式喫煙物品が適用された断面図を概略的に示す。
【
図10】第6の実施形態により、誘導加熱によって発熱するサセプタ材質のヒートパイプと、パイプ形状の抵抗加熱ヒータとを組み合わせるエアロゾル発生装置に電気加熱式喫煙物品が適用された断面図を概略的に示す。
【
図11】第7の実施形態により、誘導加熱によって発熱する一つのピースからなるサセプタ材質のヒートパイプを有するエアロゾル発生装置に電気加熱式喫煙物品が適用された断面図を概略的に示す。
【
図12】第8の実施形態により、誘導加熱によって発熱する二つのピースからなるサセプタ材質のヒートパイプを有するエアロゾル発生装置に電気加熱式喫煙物品が適用された断面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、常温を含む第1の温度範囲でゲル状、半固状又は固状で存在し、70℃を含む第2の温度範囲で液状に変化し、150乃至400℃の温度範囲でエアロゾルに気化する、グリセリン及びゼラチンを含むゲル状エアロゾル発生基材と、ゲル状エアロゾル発生基材が収容されるゲル収容体と、ゲル収容体を7乃至20mmの長さ及び5乃至8mmの直径を有するシリンダ形状で側面をラッピングする、ラッピングペーパーとを含む、電気加熱式喫煙物品内に挿入可能なゲル状エアロゾル発生基材カートリッジを提供する。
【0014】
ここで、ゲル状エアロゾル発生基材は、水、寒天(agar)、増粘剤、澱粉粉末、セルロース類、カルボキシメチルエーテル類、天然食品香料又は果物抽出物の一つ以上をさらに含むことができる。
【0015】
また、ゲル状エアロゾル発生基材において、グリセリンの含有量は50重量%以上であることが望ましい。
【0016】
ここで、ゲル状エアロゾル発生基材は、重量%として、80乃至100%のグリセリンVG、及び、0乃至20%のグリセリンPGからなる液状組成物を含むが、60乃至80%の液状組成物、及び、20乃至40%の水の体積割合で混合された混合物100ml対比1乃至6gの重量のゼラチンを含み、選択的に液状組成物の全体重量対比10%以下に加味される香味剤を含むことができる。
【0017】
ここで、液状組成物は、ゲル収容体内に70乃至120mgの量で含まれることができる。
【0018】
また、ゲル状エアロゾル発生基材は、第2の温度範囲で液体状態でゲル収容体内に導入され、第1の温度範囲でゲル状、半固状又は固状で存在することが望ましい。
【0019】
ここで、ゲル収容体は、メラミン系発泡樹脂からなる厚さ2乃至3mmの帯を折り又は巻きによりシリンダ形状で作ったり、メラミン系発泡樹脂をシリンダ形状で加工して作ったりしたものであり、選択的に単位体積当たりの重量が0.01乃至0.013mg/mm3であり得る。
【0020】
ここで、ゲル収容体は、パルプ又はパルプを含む生地を折り又は巻きによりシリンダ形状で作ったり、シリンダ形状で加工して作ったりしたものであり、選択的に単位体積当たりの重量が0.25乃至0.4mg/mm3であり得る。
【0021】
ゲル収容体は、綿の織造生地又は不織布生地を折り又は巻きによりシリンダ形状で作ったり、シリンダ形状で加工して作ったりしたものであり、選択的に単位体積当たりの重量が0.2乃至0.35mg/mm3であり得る。
【0022】
ゲル収容体は、竹繊維の織造生地又は不織布生地を折り又は巻きによりシリンダ形状で作ったり、シリンダ形状で加工して作ったりしたものであり、選択的に単位体積当たりの重量が0.15乃至0.25mg/mm3であり得る。
【0023】
80乃至100%のグリセリンVG、及び、0乃至20%のグリセリンPGからなる液状組成物は、ゲル収容体の単位体積当たり0.13乃至0.32mg/mm3の量でゲル収容体に存在することが望ましい。
【0024】
ラッピングペーパーは、アルミニウムフォイルが紙に付着されて形成され、アルミニウムフォイルがゲル収容体に接触するようにシリンダ形状でラッピングされることができる。
【0025】
また、本発明は、フィルターと、フィルターに対して上流に提供される前記のようなゲル状エアロゾル発生基材カートリッジと、フィルターに対して上流に提供されながら、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジに対して上流又は下流に提供されるタバコ刻葉を含むタバコ体とを含むが、フィルター、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ及びタバコ体は、ラッピングペーパーでラッピングされて巻きタバコを形成する電気加熱式喫煙物品を提供する。
【0026】
ここで、フィルターの直上流にはチューブ体が提供されることが望ましい。
【0027】
また、本発明は、前記のような電気加熱式喫煙物品のための、把持及び携帯が可能なサイズのエアロゾル発生装置であって、装置内に提供される喫煙物品が挿入可能な空洞と、装置内に提供される、喫煙物品のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ及びタバコ体の内部又は外部が加熱できる抵抗加熱方式のヒータ及び誘導加熱方式のヒータの少なくとも一つと、装置内に提供され、直流電源として働く再充電可能なバッテリと、装置内に提供され、バッテリから直流電源を供給されてヒータを制御する制御部とを含むエアロゾル発生装置を提供する。
【0028】
ここで、抵抗加熱方式のヒータは、喫煙物品の外部を加熱するパイプヒータ及び喫煙物品に挿入されて内部を加熱する侵入式ヒータの何れか一つであり、パイプヒータはゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ及び/又はタバコ体を加熱し、侵入式ヒータはタバコ体に挿入されてタバコ体内を加熱することができる。
【0029】
ここで、装置内に提供されてヒータの温度をセンシングする温度センサをさらに含み、制御部は、温度センサからのセンシング値によって抵抗加熱方式のヒータを制御することができる。
【0030】
ここで、誘導加熱方式のヒータは、装置内に別途に提供される励磁コイルにより発熱する、喫煙物品の外部を加熱するサセプタ材質のヒートパイプ、及び、喫煙物品に挿入されて内部を加熱するサセプタ材質のヒットブレードの何れか一つであり、ヒートパイプはゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ及び/又はタバコ体を加熱し、ヒットブレードはタバコ体に挿入されてタバコ体内を加熱することができる。
【0031】
ここで、装置内に提供されて誘導加熱ヒータの温度を得る温度獲得部をさらに含み、制御部は、温度獲得部の入力によって励磁コイルに印加される電流を制御することができる。
【0032】
また、本発明は、前記のような電気加熱式喫煙物品と、喫煙物品が挿入可能な空洞と、喫煙物品のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ及びタバコ体の内部又は外部が加熱できる抵抗加熱方式のヒータ及び誘導加熱方式のヒータの少なくと一つと、直流電源として働く再充電可能なバッテリと、バッテリから直流電源を供給されてヒータを制御する制御部とを、装置内に含むエアロゾル発生装置からなり、電気加熱式喫煙物品を空洞に挿入して、電気加熱式喫煙物品のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ及びタバコ体を電気加熱式により加熱させて、喫煙物品内でエアロゾルを発生させるエアロゾル発生システムを提供する。
【0033】
本発明は、多様な変換が可能であり、色々な実施形態を持つが、特定の実施形態を図に例示し、詳細な説明に詳しく説明する。本発明の効果及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、図と共に詳細に後述する実施形態を参照すれば明確になる。ところが、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されず、多様な形態で具現できる。
【0034】
以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上において明確に特定しない限り、複数の表現を含む。
【0035】
以下の実施形態において、「含む」又は「有する」などのような用語は、明細書上に記載された特徴や構成要素が存在することを意味し、一つ以上の異なる特徴や構成要素が付加される可能性を予め排除するものではない。
【0036】
以下の実施形態において、「上流」及び「下流」とは、ユーザが喫煙物品を用いて空気を吸引する方向を基準として、喫煙物品を構成するセグメント等の相対的な位置を示すために使用された用語である。喫煙物品は、上流端部(即ち、空気が入る部分)及びこれに対向する下流端部(即ち、空気が出る部分)を含む。喫煙物品の使用時、ユーザは喫煙物品の下流端部を銜え、喫煙物品の上流端部を通じて吸入されて喫煙物品内を通過して下流端部に出る空気が吸入できるようになる。下流端部は上流端部の下流に位置し、一方、「端部」という用語も「末端」として記述できる。
【0037】
図では、説明の便宜上、構成要素等がその大きさが誇張又は縮小され得る。例えば、図に示す各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示すので、本発明が必ずしも示すものに限定されない。
【0038】
以下では、添付図面に基づき、本発明の実施形態に関して、本発明が属する技術分野における通常の知識を有した者が容易に実施できるように詳細に説明する。ところが、本発明は、ここで説明する実施形態に限定されず、多様な異なる形態で具現できる。
【0039】
以下では、本発明の好適な一実施形態による加熱によってエアロゾルを発生させることができる電気加熱式喫煙物品に挿入可能なゲル状エアロゾル発生基材カートリッジと、このようなゲル状エアロゾル発生基材カートリッジを含む電気加熱式喫煙物品とを添付図面を参照して説明するが、説明の便宜上、電気加熱式喫煙物品の構成要素を各々説明しながら、それに含まれるゲル状エアロゾル発生基材カートリッジを説明する。ここで、電気加熱式喫煙物品とは、燃焼によらず、電気抵抗加熱方式や誘導加熱方式などにより喫煙物品を加熱することで、喫煙物品からエアロゾルを生成させ、ユーザがこのようなエアロゾルを吸入して使用する形態である。このような喫煙物品は、従来の巻きタバコ一本と類似な回数の吸入行為をするのに適当な量のエアロゾル発生基材及び /又はタバコ刻葉を喫煙物品内に含み、既定の量だけエアロゾルが発生した後には、それ以上エアロゾルを発生させず、ユーザによって使い捨てられる。
【0040】
本発明による電気加熱式喫煙物品は、エアロゾル発生基材として、後述するように、通常のタバコ刻葉及びグリセリンなどのような液状組成物を含むゲル状エアロゾル発生基材を含む。本発明の好適な一実施形態による電気加熱式喫煙物品50は、上流端部にエアロゾル発生基材としてタバコ刻葉を含むタバコ体58、その直下流にもう一つのエアロゾル発生基材として液状組成物を含むゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56、その直下流にエアロゾル移動通路を提供するペーパーチューブ54、及び、マウスピースとして働くフィルター52が積層された構造を有し、これらはラッピングペーパー60によりラッピングされる。液状組成物によるゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ刻葉によるタバコ体58の相対的な位置は反対になり得る。
【0041】
本発明によるゲル状エアロゾル発生基材カートリッジは、常温を含む第1の温度範囲(例えば、50℃の温度範囲)でゲル状、半固状又は固状(以下、簡略に「ゲル状」とする)で存在し、70℃を含む第2の温度範囲(例えば、50~100℃の温度範囲)で液状又は液体に変化し、150乃至400℃の温度範囲でエアロゾルに気化する、グリセリン及びゼラチンを含むゲル状エアロゾル発生基材と、ゲル状エアロゾル発生基材が収容されるゲル収容体56aと、ゲル収容体56aを7乃至20mmの長さ及び5乃至8mmの直径を有するシリンダ形状で側面をラッピングするラッピングペーパー61とを含む。7乃至20mmの長さ及び5乃至8mmの直径を有するシリンダ形状は、現在使用されている通常のタバコ又は電気加熱式喫煙物品の規格に符合するサイズであって、このような規格を持つゲル状エアロゾル発生基材カートリッジは、電気加熱式喫煙物品50に挿入されて別途のラッピングペーパー60でラッピングされる場合、ユーザの立場から見れば、通常のタバコ又は電気加熱式喫煙物品と差異がない。
【0042】
タバコ刻葉58aはタバコ刻葉だけで形状が維持できないので、別個のラッピングペーパー62によりラッピングされてタバコ体58を形成し、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56と同等なサイズ(直径)で用意して、前述したフィルター52、ペーパーチューブ54、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58をラッピングペーパー60でラッピングすることで、
図1に示すような電気加熱式喫煙物品50が得られる。
【0043】
具体的に、ゲル状エアロゾル発生基材は、グリセリン及びゼラチンの混合物であるが、一例として、グリセリンPG(Proplylene Glycol)又はVG(Vegetable Glycerine)、もしくはPG及びVGの混合物を加熱し、30分間攪拌して粘度を低下させ、ここにゲル化できる添加物であるゼラチン及び/又は水を10~50重量%添加して、添加物がグリセリンに溶解されるまで攪拌し、グリセリンとゼラチン及び/又は水とが混合された混合物が得られる。混合物は、常温を含む第1の温度範囲(約50℃未満の温度範囲)ではゲル状、半固状又は固状を維持し、加熱して70℃を含む第2の温度範囲(50~100℃の温度範囲)では液状に変化して液状で存在し、さらに加熱される場合、約150℃以上でエアロゾルを発生させる。
【0044】
以上のように、ゲル状エアロゾル発生基材は、水、寒天(agar)、増粘剤、澱粉粉末、セルロース類、カルボキシメチルエーテル類、天然食品香料又は果物抽出物の一つ以上をさらに含むことができる。合わせて、ゲル状エアロゾル発生基材において、グリセリンの含有量は50重量%以上であることが望ましい。水を含む場合、ゼラチンを軟化させてゲル状エアロゾル発生基材の混合物を形成する時間が低減できる。また、混合物は寒天(agar)をさらに含むことができ、この場合にもゲル状エアロゾル発生基材の混合物を形成するのに有利に作用する。これに付加して、ゲル状エアロゾル発生基材の混合物は、添加物として増粘剤、澱粉粉末、セルロース類及びカルボキシメチルエーテル類を含むことができる。また、ゲル状エアロゾル発生基材の混合物は、天然食品香料又は果物抽出物をさらに含むことができる。この場合、発生したエアロゾルを通してユーザに多様な味を加味することが可能となる。どのような場合でも、ゲル状エアロゾル発生基材の混合物におけるグリセリンの含有量は、50重量%以上であることが望ましいが、これにより、発生したエアロゾルから焦げた味が最小化できるようになる。ゲル状エアロゾル発生基材混合物は、ニコチンをさらに含んでもよく、含まなくてもよい。
【0045】
ここで、ゲル状エアロゾル発生基材は、重量%として、80乃至100%のグリセリンVG、及び、0乃至20%のグリセリンPGからなる液状組成物を含むが、60乃至80%の液状組成物、及び、20乃至40%の水の体積割合で混合された混合物100ml対比1乃至6gの重量のゼラチンを含み、選択的に液状組成物の全体重量対比10%以下に加味される香味剤を含む。ここで、液状組成物は、ゲル収容体に70乃至120mgの量で含まれることが望ましい。このような数値範囲は、一本の電気加熱式喫煙物品に提供されるタバコ刻葉によるタバコ体58からエアロゾルをユーザが吸入する時、液状組成物から由来するエアロゾルを共に提供できる液状組成物の量を示す。前記下限値(70mg)未満の液状組成物がゲル収容体56aにゲル状エアロゾル発生基材として含まれる場合には、ユーザが電気加熱式喫煙物品に提供されるタバコ刻葉によるタバコ体58から由来するエアロゾルを吸入する過程において、液状組成物から由来するエアロゾルが不足になり得るため、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56に含まれる液状組成物が、前記下限値(70mg)以上にならなければならない。前記上限値(120mg)を超過する液状組成物がゲル収容体56aに含まれる場合、混合物であるゲル状エアロゾル発生基材の体積が大き過ぎるため、前記の規格を持つゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56内のゲル収容体が液状組成物を保有し難しくなる。したがって、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジに含まれる液状組成物は、前記上限値(120mg)以下にならなければならない。望ましい範囲は80乃至110mgであり、より望ましい範囲は90乃至105mgである。
【0046】
本発明のもう一つの特徴は、ゲル状エアロゾル発生基材が、後述するように、製造プロセス上では液体状態で存在できるが、液状化しても前記のような規格を持つゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ内のゲル収容体56aが前記のような造成範囲を持つ液状組成物をゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ内に維持させるのに充分な吸湿率を持つことにある。すなわち、液状組成物は、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ内のゲル収容体56aに吸湿されたままに維持され、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジの外部に流出されない。ここで、吸湿とは、ゲル収容体が液状組成物により吸湿されるが、これが外部に流出されないことを示す。後述するように、フィルター52-ペーパーチューブ54-ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56-タバコ体58は、ラッピングペーパー60でラッピングされて電気加熱式喫煙物品50を形成し、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56は、上流又は下流の方に別個の部材なしにタバコ体58やペーパーチューブ54やフィルター52と直接的に接触するようになるが、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56内のゲル収容体56aに吸湿された液状組成物は、ゲル収容体に吸湿されて保存されるだけであり、タバコ体58やペーパーチューブ54やフィルター52の方に流出されない。このために、液状組成物は、ゲル収容体の単位体積当たり0.13乃至0.32mg/mm3の量でゲル収容体に吸湿されることが望ましい。この数値限定の理由は、本発明のゲル収容体56aに吸湿される液状組成物の量に対する数値限定の理由と類似する。すなわち、前記下限値(0.13mg/mm3)未満の場合には、ゲル収容体56aに吸湿される液状組成物の量が不充分になるため、ユーザが電気加熱式喫煙物品に提供されるタバコ刻葉から由来するエアロゾルを吸入する過程において、ゲル状エアロゾル発生基材から由来するエアロゾルが不足になり得るので、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジに吸湿される液状組成物は、前記下限値(0.13mg/mm3)以上にならなければならない。前記上限値(0.32mg/mm3)を超過する液状組成物がゲル収容体に吸湿される場合には、液状組成物が前記の規格を持つゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ内のゲル収容体が液状組成物を吸湿したままに維持し難いため、液状組成物がゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56から流出される恐れがある。
【0047】
本発明で使用される「ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ」は、常温でゲル状で存在し、一例として70℃を含む50~100℃の温度範囲で液状化し、追加の加熱により、一例として約150乃至350℃の温度範囲でエアロゾルに気化する、ゲル状エアロゾル発生基材を有するカートリッジ56を示す。一例として、ゲル状エアロゾル発生基材は、常温を含む第1の温度範囲でゲル状で存在し、70℃を含む第2の温度範囲で液状に変化するグリセリンVG(選択的にグリセリンPGを含む)のような液状組成物とゼラチン及び水とのゲル状混合物であるが、別途のエアロゾル発生装置により電気誘導式や抵抗加熱式により加熱されることで、ゲル状エアロゾル発生基材が液状に変化し、追加の加熱により液状組成物がエアロゾルを生成させる。本発明の好適な一実施形態によれば、液状組成物は、重量%として、100%のグリセリンVGであり、好適な他の実施形態によれば、液状組成物は、重量%として、80%のグリセリンVG、及び、20%のグリセリンPGである。
【0048】
好適な他の実施形態によれば、前記のような液状組成物に熱を加え、30分間攪拌して粘度を低下させ、ここにゲル化できる添加物であるゼラチン及び/又は水を添加し、添加物がグリセリンに溶解されるまで攪拌して、グリセリンとゼラチン及び/又は水とが混合されたゲル状混合物が得られる。このとき、60乃至80%の液状組成物、及び、20乃至40%の水の体積割合で混合された混合物100ml対比1乃至6gの重量のゼラチンを含むようにした。
【0049】
好適なまた他の実施形態によれば、ゼラチン1g、1.5g、2gを各々冷水10mlに入れてゼラチンをふやかし、重量%として80%のグリセリンVGと、20%のグリセリンPGとが混合された液状組成物50mlを混合して溶解した後、常温で6時間以上放置した。常温で放置してもゲル化がよく進行され、ゼラチンの量が増加するほどゲル化がよく進行された。ゼラチン1g以上1.5g以下で粘度上昇及び弱い水準のゲル化が進行された。
【0050】
好適なまた他の実施形態によれば、ゼラチン5gを冷水50mlに入れて30分間ふやかし、重量%として80%のグリセリンVGと、20%のグリセリンPGとが混合された液状組成物100mlを投入して、75℃で90分間攪拌及び加熱して、ゲル状エアロゾル発生基材が得られた。
【0051】
ゲル状エアロゾル発生基材は、常温を含む第1の温度範囲(約50℃未満)ではゲル状を維持し、加熱して70℃を含む第2の温度範囲(50℃乃至100℃の温度範囲)では液状に変化して液状で存在し、追加の加熱により、約120℃以上でエアロゾルを発生させる。後述するように、ゲル状エアロゾル発生基材をゲル収容体56aに注入するために、製造プロセスの中に、ゲル状エアロゾル発生基材を第2の温度範囲で加熱して液体化し、液体をゲル収容体56aにスプレイしたり、ニードルなどで注入したりして、液体をゲル収容体56aに吸湿させる。以後、液体は、低温、一例として約4℃で5分~10分維持させたり、常温で1時間以上維持させたりすることで、ゲル収容体56aに吸湿された液体がゲル状に変化して、ゲル収容体56a内の表面、気孔、ネットワークなどに微細粒状に分散される。
【0052】
一方、ゲル収容体は、液状化したエアロゾル発生器質の液状組成物に対して充分な吸湿性を持つので、液状組成物がゲル収容体から流出されない。ゲル状エアロゾル発生基材は、前述したように、グリセリン及びゼラチンを主な構成要素とするが、水をさらに含むことが望ましい。水を含む場合、ゼラチンを軟化させてゲル状エアロゾル発生基材を形成する時間が低減できる。また、ゲル状エアロゾル発生基材は、寒天(agar)をさらに含むことができ、この場合にもゲル状を形成するのに有利に作用する。これに付加して、ゲル状エアロゾル発生基材は、添加物として増粘剤、澱粉粉末、セルロース類及びカルボキシメチルエーテル類を含むことができる。また、ゲル状エアロゾル発生基材には、天然食品香料又は果物抽出物をさらに含むことができる。このとき、発生したエアロゾルを通してユーザに多様な味を加味することが可能となる。どのような場合でも、ゲル状エアロゾル発生基材におけるグリセリンの含有量は、50重量%以上であることが望ましいが、これにより、発生したエアロゾルから焦げた味が最小化できるようになる。
【0053】
前述したように、液状組成物は、重量%として、80乃至100%のグリセリンVG及び0乃至20%のグリセリンPGを含み、このように得られた液状組成物の全体重量対比10%以下に加味される香味剤をさらに含む。好適な一実施形態によれば、本発明は、重量%として、100%のグリセリンVGからなる液状組成物を使用する。好適なまた他の実施形態によれば、本発明は、重量%として、80%のグリセリンVG及び20%のグリセリンPGからなる液状組成物を使用する。好適なまた他の実施形態によれば、本発明は、このように得られた液状組成物全体重量対比10%以下に加味される香味剤をさらに含む。例えば、香味剤(flavorant)としては、甘草、蔗糖、果糖シロップ、イソスイート(isosweet)、ココア、ラベンダ、シナモン、カルダモン、セロリ、コロハ、カスカリラ、白檀、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、キャラウェー、コニャック、ジャスミン、カモマイル、メントール、カッシア、イランイラン、セージ、スペアミント、ジンジャー、コリアンダー又はコーヒーなどを含むことができる。さらに、液状組成物はニコチンを含んでもよく、含まなくてもよい。
【0054】
本発明によれば、多様な材質のゲル収容体56aが適用できる。
図1及び
図2では、ゲル収容体56aを巻き取るものと示したが、これは、便宜のために表現されるだけであり、ゲル収容体56aの構成はそれに限定されない。次のような多様な種類のゲル収容体56aが考慮可能であり、基本的には
図3に示すパイプ構造物40の一側にゲル収容体56aを折り又は巻きにより押入れ、他側で多少断面が狭くなった形状で圧出しながら、ラッピングペーパー61でラッピングして、ゲル収容体ロッド57が得られるようになる。パイプ構造物40に導入される前に、ニードルのような液体注入部を通じて液体化したゲル状エアロゾル発生基材をゲル収容体56a内に吸湿させ、ゲル収容体56aはパイプ構造物40を通過しながら、液体化したゲル状エアロゾル発生基材を吸湿又は含有した状態になり、パイプ構造物40の他側で直ちにラッピングペーパー61によりラッピングされながら、適当な長さ、一例として80mm又は140mm程度でカットされて、ゲル収容体ロッド57を形成する。すなわち、ゲル状エアロゾル発生基材混合物は、70℃を含む第2の温度範囲で加熱して液体状態になり、ニードルのような注入部を通じてゲル収容体56a内に注入されて、ゲル収容体56aに吸湿される。ゲル収容体ロッド57に切断する前に、適切な冷却過程を経ることもでき、ゲル収容体56aが液体状態のゲル状エアロゾル発生基材に対して充分な 吸湿力を持つので、切断の後に常温で適切な時間、一例として1時間維持したり、低温、一例として4℃で5分~10分維持したりすることで、ゲル収容体56a内に導入された液体状態のゲル状エアロゾル発生基材がゲル化になり、後続作業(カートリッジに切断する作業や喫煙物品でラッピングする作業)中に液状組成物がゲル収容体56aから流出されることを防止及び最小化できる。すなわち、ゲル収容体ロッド57は、ゲル状エアロゾル発生基材を液体状態で含有したゲル収容体56aを、ラッピングペーパー61でラッピングした状態で提供されることもでき、パイプ構造物に適切な冷却構造を提供することで、ゲル収容体ロッド57が、ゲル状エアロゾル発生基材をゲル状でゲル収容体56a内に存在したままにラッピングペーパー61でラッピングされることもできる。これとは異なり、ゲル収容体ロッド57は、前述したように、所定時間常温を含む第1の温度範囲で維持するたけで、ゲル収容体内に導入されたエアロゾル発生基材を含む混合物をゲル化させて保有でき、後述するように、個別の喫煙物品50に挿入可能なサイズでカットされる。
【0055】
このような構成は、既存の巻きタバコの製造ラインにおいて一般化したプロセスであり、既存の巻きタバコの製造プロセス及び装備をそのまま用いられるという長所がある。すなわち、既存のフィルター、ペーパーチューブ及びタバコ刻葉の製造において、前記のようなプロセスがそのまま適用され、そのような現在の装備及び工程をそのまま用いてカートリッジ56が得られる。
【0056】
ゲル状エアロゾル発生基材は、70℃を含む、一例として50~100℃の第2の温度範囲で液体状態でゲル収容体内に導入されるため、後述するゲル収容体内に容易に吸湿され、常温を含む、一例として50℃未満の第1の温度範囲でゲル収容体内でゲル収容体に存在する表面、気孔及びネットワーク間の空間にゲル状で存在する。したがって、常温を含む第1の温度範囲でゲル状エアロゾル発生基材カートリッジが維持される場合、ゲル状エアロゾル発生基材に含まれた液状組成物がゲル状エアロゾルカートリッジから流出又は漏出される可能性がなかったり最小化したりできる。
【0057】
好適な一実施形態によれば、本発明によるゲル収容体は、メラミン系発泡樹脂からなる厚さ2乃至3mmの帯を折り又は巻きにより前述したパイプ構造物40に導入してシリンダ形状で作ったものであり、好適な他の実施形態によれば、本発明によるゲル収容体は、メラミン系発砲樹脂をシリンダ形状で加工して前述したパイプ構造物40に導入して圧出させて作られたものであるが、メラミン系発泡樹脂からなるゲル収容体は、より望ましくは0.01乃至0.013mg/mm3である単位体積当たりの重量を有する。100mgの液状組成物に対応するゲル状エアロゾル発生基材カートリッジを含む電気加熱式喫煙物品に対して行なった実験の結果によれば、実験中に液状組成物が外部に流出される問題なしにゲル収容体に吸湿されたままに維持され、既存の加熱式タバコよりも非常に豊富なエアロゾルが確認され、既存のハイブリッドタイプや液状組成物を吸湿した場合よりも、多くの液状組成物から由来する充分なエアロゾルが確認された。
【0058】
好適な他の実施形態によれば、本発明によるゲル収容体は、パルプ又はパルプを含む生地を折り又は巻きにより前述したパイプ構造物40に導入してシリンダ形状で作ったり、シリンダ形状で加工して前述したパイプ構造物40に導入して圧出させて作ったりしたものであるが、パルプ又はパルプを含む生地で作られたゲル収容体は、より望ましくは0.25乃至0.4mg/mm3の単位体積当たりの重量を有する。100mgの液状組成物に対応するゲル状エアロゾル発生基材カートリッジを含む電気加熱式喫煙物品に対して行なった実験の結果によれば、実験中に液状組成物が外部に流出される問題なしにゲル収容体に吸湿されたままに維持され、既存の加熱式タバコよりも非常に豊富なエアロゾルが確認され、既存のハイブリッドタイプや液状組成物を吸湿した場合よりも、多くの液状組成物から由来する充分なエアロゾルが確認された。
【0059】
好適な他の実施形態によれば、本発明によるゲル収容体は、綿の織造生地又は不織布生地を折り又は巻きにより前述したパイプ構造物40に導入してシリンダ形状で作ったり、シリンダ形状で加工して前述したパイプ構造物40に導入して圧出させて作ったりしたものであるが、綿の織造生地又は不織布生地で作られたゲル収容体は、より望ましくは0.2乃至0.35mg/mm3の単位体積当たりの重量を有する。100mgの液状組成物に対応するゲル状エアロゾル発生基材カートリッジを含む電気加熱式喫煙物品に対して行なった実験の結果によれば、実験中に液状組成物が外部に流出される問題なしにゲル収容体に吸湿されたままに維持され、既存の加熱式タバコよりも非常に豊富なエアロゾルが確認され、既存のハイブリッドタイプや液状組成物を吸湿した場合よりも、多くの液状組成物から由来する充分なエアロゾルが確認された。
【0060】
好適な他の実施形態によれば、本発明によるゲル収容体は、竹繊維の織造生地又は不織布生地を折り又は巻きにより前述したパイプ構造物40に導入してシリンダ形状で作ったり、シリンダ形状で加工して前述したパイプ構造物40に導入して圧出させて作ったりしたものであるが、竹繊維の織造生地又は不織布生地で作られたゲル収容体は、より望ましくは0.15乃至0.25mg/mm3の単位体積当たりの重量を有する。100mgの液状組成物に対応するゲル状エアロゾル発生基材カートリッジを含む電気加熱式喫煙物品に対して行なった実験の結果によれば、実験中に液状組成物が外部に流出される問題なしにゲル収容体に吸湿されたままに維持され、既存の加熱式タバコよりも非常に豊富なエアロゾルが確認され、既存のハイブリッドタイプや液状組成物を吸湿した場合よりも、多くの液状組成物から由来する充分なエアロゾルが確認された。
【0061】
好適な一実施形態によれば、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56を形成するラッピングペーパー61は、アルミニウムフォイルが紙に付着されて形成された合紙として提供でき、アルミニウムフォイルがゲル収容体56aに接触するようにシリンダ形状でラッピングされる。これにより、アルミニウムフォイルは、ゲル収容体56aに含有された液体状態のゲル状エアロゾル発生基材がゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56の側面を通じて流出される可能性がなかったり最小化したりできる。すなわち、
図1及び
図2に示すゲル状エアロゾル発生基材カートリッジの構成から分かるように、ゲル収容体56aは喫煙物品形成のためのラッピングペーパー60によりラッピングされる前に、別個のラッピングペーパー61によりラッピングされるが、このとき、ラッピングペーパー61はアルミニウムフォイルが紙に付着された形態で提供でき、アルミニウムフォイルがゲル収容体56aに接触するようにシリンダ形状でラッピングされることが望ましい。
【0062】
タバコ体58は、板状葉タバコ、刻葉及び再構成タバコなどのようなタバコ原料に基づく固体物質を含むことができる。一実施形態において、タバコ体58は、しわを持つ板状葉シートで充填できる。板状葉シートは、シリンダ軸に実質的に横方向に巻き、折り、圧縮又は収縮によってしわが形成できる。しわを持つ板状葉シートの谷の間隔などの調節により、多孔度を決定することができる。
【0063】
他の実施形態において、タバコ体58はタバコ刻葉等で充填できる。ここで、タバコ刻葉等は、タバコシート(或いは、スラリー板状葉シート)を小切ることにより生成できる。また、タバコ体58は、複数のタバコストランドが互いに同一の方向(平行)に、或いは、ランダムに合わせて形成できる。具体的に、タバコ体58は、複数のタバコストランドを合わせて形成し、エアロゾルが通過できる縦方向の複数のチャンネルが形成できる。このとき、タバコストランドの大きさ及び配列により、縦方向のチャンネルは均一又は不均一になり得る。
【0064】
タバコ体58は、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールの少なくとも一つをさらに含むことができる。また、タバコ体は、グリセリン及びプロピレングリコールをさらに含むこともできる。
【0065】
また、タバコ体58は、香味剤及び/又は有機酸(organic acid)のような他の添加物質が含有できる。例えば、香味剤としては、甘草、蔗糖、果糖シロップ、イソスイート(isosweet)、ココア、ラベンダ、シナモン、カルダモン、セロリ、コロハ、カスカリラ、白檀、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、キャラウェー、コニャック、ジャスミン、カモマイル、メントール、カッシア、イランイラン、セージ、スペアミント、ジンジャー、コリアンダー又はコーヒーなどを含むことができる。一方、タバコ媒質収容部11a、11bは、グリセリン又はプロピレングリコールを一部含むこともできる。
【0066】
場合に応じては、タバコ刻葉からなるタバコ体なしに液状組成物がニコチンを含み、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジにチューブ及びフィルターを順次積層し、ラッピングペーパーでラッピングして、電気加熱式喫煙物品を製造することもできる。
【0067】
本発明による電気加熱式喫煙物品50は、
図1及び
図2に示すように、エアロゾルの移動通路を提供するペーパーチューブ54を含むことのできるが、チューブには、PLAが挿入されてエアロゾルの温度を低下させて、ユーザがエアロゾルの吸入時に火傷を負うことを防止することもできる。ペーパーチューブ54も、別個のラッピングペーパー(図示せず)によりラッピングできる。このとき、ペーパーチューブ54のためのラッピングペーパーは、ペーパー、すなわち紙も充分である。
【0068】
マウスピースの役割を果たすフィルター52は、
図1及び
図2に示すように、エアロゾルは通過し、液流入は防止する役割を果たす。前述したように、ゲル収容体56aに維持されるゲル状エアロゾル発生基材は、常温を含む第1の温度範囲でゲル状でゲル収容体56a内に維持されるが、喫煙物品が保管される周辺環境が第2の温度範囲に達する場合や、その状況で過度な外力がゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56だけに作用する場合のような、非正常な環境で一部の液状組成物が外部に流出される恐れがある。このとき、フィルターが液流入を防止する役割を遂行する(ペーパーチューブも類似に働く)。フィルターは、パルプで製作でき、円筒形又はチューブ形態で製作できる。一方、フィルターは香味剤を含み、ユーザの満足感を向上させることができる。香味剤は、例えば、甘草、蔗糖、果糖シロップ、イソスイート、ココア、ラベンダ、シナモン、カルダモン、セロリ、コロハ、カスカリラ、白檀、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、キャラウェー、コニャック、ジャスミン、カモマイル、メントール、カッシア、イランイラン、セージ、スペアミント、ジンジャー、コリアンダー又はコーヒーなどを含むことができる。
【0069】
本質的に、前述したゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56は、前記のように、フィルター52に香味剤を含有させるプロセス及び装備をそのまま用いて作られる。このとき、既存のプロセス及び装備をそのまま用いるので、量産性及び品質管理を充足させることに困難がない。
【0070】
電気加熱式喫煙物品50は、通常、複数層のラッピングペーパー60、61、62でラッピングされるが、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジが位置した部分をラッピングする第1のラッピングペーパー61、その下流又は上流にゲル状エアロゾル発生基材カートリッジとタバコ刻葉によるタバコ体とを共にラッピングする第2のラッピングペーパー62、その上にチューブを共にラッピングする第3のラッピングペーパー(図示せず)、及び、その上に電気加熱式喫煙物品の全ての部分をラッピングする第4のラッピングペーパー60のように、複数層のラッピングペーパーでラッピングできる。このように、色んな段階のラッピングにより電気加熱式喫煙物品が得られるが、場合に応じてはゲル状エアロゾル発生基材カートリッジを形成する工程が別個に行われてもよく、連続ラインを介して行われてもよい。
【0071】
これとは異なり、製造時間の短縮且つ製造コストの節減のために、電気加熱式喫煙物品の全ての部分をラッピングする最外周に位置したラッピングペーパー内に、互いに異なる材質又は互いに異なる厚さの包装材を重ねて一度にラッピングすることもできる。
【0072】
図1及び
図2に示すように、本発明の一実施形態によるゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56は、液状組成物を含むゲル状エアロゾル発生基材が収容されたゲル収容体56aをハウジングの役割を果たすラッピングペーパー61がラッピングする。また、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56の下流端部にはペーパーチューブ54及びフィルター52が順次積層されるように設置される。フィルター及びチューブは、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジと共にラッピングペーパー60によりラッピングされる。
【0073】
ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56内のゲル状エアロゾル発生基材は、第1の温度範囲でゲル収容体にゲル状でゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56内に維持され、ゲル状エアロゾル発生基材に含まれる液状組成物がゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56から流出されず、加熱により気化してエアロゾルを発生させる。
【0074】
ラッピングペーパー60、61、62は、高熱及び液状との接触によって変形されない、或いは、人体に有害な成分を発生させない、素材で製造されることが望ましい。又は、ラッピングペーパーは、金属薄膜や金属薄板(foil)で製造されることも可能であり、前述したように、紙材質のラッピングペーパーに金属薄膜や金属薄板が重畳した形態、或いは、合紙した形態であり得る。本発明の好適な実施形態によれば、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56のハウジングの役割を果たすラッピングペーパー61は、ペーパーとアルミニウムフォイルの合紙からなり、アルミニウムフォイルがゲル収容体56aと当接して、製造工程中や保管中に第2の温度範囲でゲル収容体56aが置かれることで、ゲル状エアロゾル発生基材が液体状態に変化して、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56の側面に流出されることを防止する。
【0075】
ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジの下流側に提供されるフィルター52は、気流形成のために中空部を有するが、中空部を有していない形態のフィルターを使用してもよい。フィルターは少なくとも一つのセグメントからなり、例えば、チューブフィルター、冷却構造物及びリセスフィルターの少なくとも一つを含むことができる。チューブフィルターは内部に中空を含む形態を持つ。チューブフィルター及びリセスフィルターは酢酸セルロースで製作され、冷却構造物として働くチューブは純粋なポリ乳酸で製作されたり、異なる分解性ポリマーとポリ乳酸とを組み合せて製作されたりできる。
【0076】
より具体的に、フィルター52は酢酸、紙、PPなどの材質で製造でき、フィルターをラッピングするフィルター巻紙(ラッピングペーパー)は、一般紙、多孔紙、穿孔紙及びNWA(Non Wrapped Acetate)などに分類できる。また、フィルターの形態は一つのセグメントからなるモノフィルター、多数のセグメントからなる複合(二重や三重等)フィルターに分類できる。フィルターは酢酸トウ(acetate tow)、可塑剤、活性炭、X-DNA、巻紙で製造できる。酢酸トウは、酢酸セルロースの連続フィラメントの集合体と言い、フィルターの最も重要な特性である吸引抵抗を決定するのに決定的な役割を果たす。酢酸トウの性質はデニアにより決定される。
【0077】
可塑剤は、 酢酸セルロース繊維を軟らかくて柔らかくすることで、繊維間の接触点で結合を形成し、繊維束を一層堅固になるようにする。タバコフィルター用可塑剤はトリアセチンを使用する。
【0078】
吸着剤の一つである活性炭は炭素を主成分とする物質であり、粒子の大きさ及び性状によって区分できる。活性炭に使用される原料としては、植物性原料として木材、木粉、果実殻(ヤシ殻、竹、桃の種)などが挙げられる。
【0079】
X-DNAは海藻類から抽出した後に濃縮加工した機能性粒子である。タバコフィルターに主に用いられる活性炭に比べてタバコ味に影響を及ぼさず、各種発癌物質の除去機能に優れる。
【0080】
巻紙(ラッピングペーパー)の機能は、フィルター製造の際に、フィルターフロックの形状を維持させる。巻紙の製造の際には、気孔度、引張強度、伸び率、厚さ、粘着性などの物性を満足させなければならない。
【0081】
例えば、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56の長さは14.0mmであり、フィルター52又はチューブ54の長さは各々2.5mmであり、タバコ刻葉を含むタバコ体58の長さは9.0mmであり得る。これとは異なり、一例として、フィルター52は10mm、ペーパーチューブ54は16mm、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56は10mm、タバコ体58は12mmになり得る。
【0082】
フィルター52、ペーパーチューブ54、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58の相対的な長さと、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58の相対的な配置とは、後述するエアロゾル発生装置100により電気加熱式喫煙物品で発生するエアロゾルをユーザが吸入する過程においてエアロゾルの温度と関連する。ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56で発生するエアロゾルの温度と、タバコ体58で発生するエアロゾルの温度とが異なり、ペーパーチューブ54の長さが長くなることにより、高温のエアロゾルをさらに冷却させることができるため、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58で発生するエアロゾルの温度と、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58の相対的な配置とを考慮して、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58の体積に依存する液状組成物及びタバコ刻葉の量と、後述するエアロゾル発生装置の加熱方式等とに基づいて、これらの相対的な長さ及び配置が変化し得る。現在市販中の電気加熱式喫煙物品と同様な大きさで電気加熱式喫煙物品を製造しながら、前記の多様な条件を充足させることが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に困難でない。
【0083】
前述したように、
図3に示すゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56を製造するための好適な一実施形態によれば、まず、ゲル状エアロゾル発生基材を第2の温度範囲で加熱して液体に作った後、パイプ構造物40によりシリンダ形状で形成されるゲル収容体56aがパイプ構造物40に導入される前に、スプレイ装備又はニードルのような液体注入部を通過して、液体が充分にスプレイ又は注入されて、液体がゲル収容体56a内に提供され、ゲル収容体56aは、パイプ構造物40を通過しながら液体を含有するか、又は、液体により吸湿状態になる。以後、液体が吸湿されたゲル収容体は、例えば、紙(又は、アルミニウムフォイルが合紙されたペーパー)からなるラッピングペーパーによりラッピングされ、必要な長さ(一例として、140mm、100mm又は80mm)に切断され、ゲル収容体ロッド57を形成する。ゲル収容体ロッド57は、後述するように、所望の長さのゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56(一例として、14mm、10mm、8mm)に切断された後、他の電気加熱式喫煙物品のセグメント(チューブ、フィルター、タバコ体)と共にパッキング(ラッピング)して、エアロゾル発生用電気加熱式喫煙物品50として製造できる。前述したように、ゲル収容体56a内に導入された液体は、パイプ構造物40を通過する際や、ゲル収容体ロッド57に切断された後に保管される際や、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56に切断された後に保管される際、第1の温度範囲で維持されながらゲル化して、ゲル収容体56a内の表面、気孔及びネットワーク上に微細粒状に分散されて存在することになる。
【0084】
図4は、本発明のまた他の好適な実施形態によりゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56を製造するためにゲル収容体ロッド57をカットするカット工程を概略的に示す図である。前述したように、一例として140mm、100mm又は80mmの長さを有するゲル収容体ロッド57は、インデックステーブル70の溝内に流入され、インデックステーブルの回転によってコンベヤーベルト90に移動される。このとき、インデックステーブル70に沿って移動する経路上に回転刃80が配置され、回転刃により、ゲル収容体ロッド57は、所望の長さ、一例として14mm、10mm、80mmの長さに10個のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56に切断される。回転刃80は、10個が等間隔に配置され、140mmのゲル収容体ロッド57を10個の14mmのゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56に切断したり、100mmのゲル収容体ロッド57を10個の10mmのゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56に切断したり、80mmのゲル収容体ロッド57を10個の8mmのゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56に切断したりできる。前述したように、前記のプロセス及び装備は、既存の巻きタバコの製造において、フィルターに香味剤などを含有させる場合に適用されたものをそのまま利用するため、量産性及び品質管理をそのまま充足させることに困難がない。
【0085】
本発明の好適な一実施形態によれば、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56の下流端にマウスピースとして働くフィルター52が位置し、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56の上流端にタバコ刻葉を含むタバコ体58が位置する。これらの各セグメント(フィルター、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ、タバコ体)を共にパックキングして、エアロゾル発生用電気加熱式喫煙物品が製造できる。前述したように、フィルター52及びゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56間には、必要に応じてエアロゾルの移動通路を提供するチューブ54が位置できる。これらの各セグメントであるフィルター、チューブ、液状カートリッジ、タバコ体が並んで配列され、これらを共にパックキングしてエアロゾル発生用電気加熱式喫煙物品50が得られる。実際の製造ラインでは、これらが並んで10個セット以上に羅列されて、ラッピングの後に多数個の電気加熱式喫煙物品に切断できる。
【0086】
どのような場合でも、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56に含まれるエアロゾル発生基材である液状組成物は、ゲル化してゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ内のゲル収容体の表面、気孔、ネットワークなどに微細粒状に分散されて存在し、液状化してもゲル収容体56aに吸湿されるので、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジの外部に流出されないが、電気加熱式喫煙物品を製造する過程又は電気加熱式喫煙物品を完成した後に、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジに付加される高温や物理的圧力により、液状組成物が外部に流出される場合や、エアロゾルに気化して外部に出る場合を考慮し得る。まず、本発明の好適な実施形態によれば、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジの上流にはタバコ体が位置し、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジの下流にはフィルターが位置するので、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジに高温が付加されたり外部から物理的圧力が付加されたりしても、液状組成物がフィルター又はタバコ体を経て外部に流出される可能性は低い。ゲル状エアロゾル発生基材は70℃を含む第2の温度範囲で液体化し、液状組成物は約120℃以上でエアロゾルを発生し始めるので、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジのラッピング又は製造工程において、工程管理を100℃以下、望ましくは50℃未満の第1の温度範囲にすることで、製造過程中の液状組成物の損失が防止できる。製造工程中において不可避に液状組成物の気化開始温度以上の高温が必要な場合は、工程中に損失し得る液状組成物の量を推算し、要求量に損失予想量を加算して、さらに液状組成物を吸湿させて管理できる。
【0087】
以下では、本発明による電気加熱式喫煙物品50を加熱によりエアロゾルを発生させることができるエアロゾル発生装置100の実施形態を説明する。以下で説明するエアロゾル発生装置100は、本発明で説明した電気加熱式喫煙物品50のように、喫煙物品内に液状組成物やタバコ刻葉のようなエアロゾル形成基材を含み、既存の巻きタバコ形態でラッピングペーパーによりラッピングされた電気加熱式喫煙物品50が挿入可能な空洞を有し、空洞に挿入された喫煙物品のエアロゾル形成基材をエアロゾル発生装置内に提供されるヒータにより加熱してエアロゾルを形成させる、把持及び携帯が可能なサイズのエアロゾル発生装置である。ヒータは、後述するように、抵抗加熱方式又は誘導加熱方式により提供できるが、一例として100~400℃の温度まで加熱して、エアロゾル発生装置の空洞内に挿入される電気加熱式喫煙物品50内に提供されるエアロゾル形成基材を加熱させてエアロゾルを発生させる。望ましい一例によれば、そのターゲット温度は200乃至350℃の範囲になり得、より望ましい一例によれば、そのターゲット温度は250乃至320℃の範囲になり得る(一例として280℃をターゲットとする)。場合に応じては、そのターゲット温度が150乃至250℃の範囲であり得るが(一例として180℃をターゲット温度とする)、これは、エアロゾルを発生させようとする対象が、液状組成物(グリセリン等)であるか、タバコ体であるか、もしくはグリセリンのような液状組成物が吸湿されたタバコ体であるかによって変化し得る。どのような場合でも、電気加熱式喫煙物品50内で発生したエアロゾルは、チューブ54及びフィルター52を介してユーザの口の中に吸入されるので、吸入過程で冷却されることを考慮しても、発生したエアロゾルの温度が過度に高くなると、ユーザに不快感を与えるか、或いは、火傷の危険があり、過度なエアロゾルの発生による数回のパフに困難があるので、このような点を勘案して発熱体のターゲット温度が予め決定されなければならない。また、前記理由のため、発熱体のターゲット温度の上限が前記のように制限される。
【0088】
好適な実施形態によれば、発生したエアロゾルがチューブ54及びフィルター52を経て出る温度がマウスエンド温度(mouth end temperature)として測定できるが、ユーザに不快感を与えないために、エアロゾルの温度は50℃未満、望ましくは45℃以下の温度にならなければならない。望ましいエアロゾルのマウスエンド温度は25乃至45℃の温度範囲を有し、より望ましいエアロゾルのマウスエンド温度は30乃至40℃の温度範囲を有する。
【0089】
エアロゾル発生装置100は、装置内に提供されて直流電源として働く再充電可能なバッテリ110と、バッテリ110からの出力を制御する制御部120とを含む。
図5では、このようなエアロゾル発生装置100の概念図を電気加熱式喫煙物品50と共に示し、各々の実施形態において加熱方式を説明するための用途で断面図として概略的に示す。説明の便宜のために、喫煙物品である電気加熱式喫煙物品50は、基本的にフィルター52-チューブ54-ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56-タバコ体58の順に配列されて、ラッピングペーパー60でラッピングされて構成されたものを基準として説明する。各々の場合において、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58の相対的な位置が互いに変化し得ることは既に説明した。
【0090】
また、次の説明は例示のために提供されるだけであり、本発明の範囲はこれに限定されるものではい。本発明が属する技術分野における通常の知識を有した者であれば、次に例示したエアロゾル発生装置の構成から、一部を削除したり、一部を追加したり、他の装置と組み合せたりして、本発明の範囲に属するエアロゾル発生システムが構成できることを容易に分かるはずである。
【0091】
図5は、前述したように、本発明が適用できる一例のエアロゾル発生システムの概念図と共に、本発明の第1の実施形態によるエアロゾル発生装置100の断面を概略的に示す図である。
【0092】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置100及び電気加熱式喫煙物品50を含む。ここで、喫煙物品である電気加熱式喫煙物品50は、前述したように、フィルター52、ペーパーチューブ54、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58がラッピングペーパー60によりラッピングされて構成され、エアロゾル発生装置100に提供される中空に挿入される。
【0093】
エアロゾル発生装置100は、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56に吸湿された液状組成物を加熱してエアロゾルを発生させるための電気抵抗によるパイプヒータ130bと、タバコ体58のタバコ刻葉などを加熱してエアロゾルを発生させるための電気抵抗による侵入式ヒータ130aとを含む。合せて、これらのヒータ130a、130bに電力を供給するためのバッテリ110と、このバッテリ110からヒータ130a、130bへの電力供給を制御するように構成された制御部120とを含む。
【0094】
前述した第1の実施形態による侵入式ヒータ130aは、ヒータパターンが外部に印刷されたブレード形状、或いは、棒針形状であり得る。どのような場合にもヒータパターンと共に温度センサパターンも提供され、侵入式ヒータ130aの表面での温度がセンシングされ、そのセンシング値によって侵入式ヒータ130aに電力供給が制御できるようにする。第1の実施形態のように、侵入式ヒータがタバコ体58内に挿入され、タバコ体58を加熱して、タバコ体58内でエアロゾルを形成させる場合、タバコ体58と接触して加熱するため、直ぐにエアロゾルを発生させるのに役立つ。ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56は、前述したように、互いに物理的に連結された材質を折り又は巻きにより形成したので、侵入式ヒータ130aが正しく挿入されない場合や、挿入されても再除去する時にゲル収容体が正しく分離されない場合があり得るため、侵入式ヒータ130aはタバコ体58だけまで挿入されることが望ましい。
【0095】
前述した第1の実施形態によるパイプヒータ130bも、ヒータ線や面状発熱体パターンが外部に印刷又は提供されたパイプである。パイプヒータ130bにも侵入式ヒータ130aのように温度センサパターンが提供されて温度がセンシングされ、そのセンシング値によってパイプヒータ130bに電力供給が制御できるようにする。パイプヒータ130bは、電気加熱式喫煙物品50のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56の側面でゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56を加熱することで、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ内にゲル状で存在するエアロゾル発生基材が加熱されて、エアロゾルを発生させるようにする。
【0096】
前記のヒータにより150~350℃の温度範囲までエアロゾル発生基材を加熱させてエアロゾルが発生でき、ユーザの吸入により発生されたエアロゾルは、ペーパーチューブ54及びフィルター52を経て、ユーザの口を通じて吸入される。一例として、侵入式ヒータ130aがタバコ体58のタバコ刻葉を150~250℃の温度範囲で加熱して、タバコ刻葉から由来するエアロゾルを発生させることができ、パイプヒータ130bがゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56のゲル収容体を250~350℃の温度範囲で加熱して、ゲル収容体の液状組成物から由来するエアロゾルを発生させることができる。前記の温度条件は互いに反対であり得る。前記の温度範囲で加熱させても、ラッピングペーパーが燃焼せず、ラッピングペーパーの一部が焦げることができる。
【0097】
勿論、各ヒータ130a、130bのヒータパターン、センシング部及び制御部は各々電気的に連結され、バッテリ及び制御部も電気的に連結される。
【0098】
図6は、本発明の第2の実施形態によるエアロゾル発生システムの断面を概略的に示す図である。
【0099】
電気加熱式喫煙物品50の構成は、第1の実施形態の場合と同様である。
【0100】
第2の実施形態によるエアロゾル発生装置100は、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58に対応する一つの抵抗加熱方式のパイプヒータ132を有する場合である。前述した第1の実施形態によるパイプヒータ130bのように、ヒータ線や面状発熱体パターンが外部に印刷又は提供されたパイプである。第2の実施形態によるパイプヒータ132にも温度センサパターンが提供されて温度がセンシングされ、そのセンシング値によってパイプヒータ132に電力供給が制御できるようにする。パイプヒータ132は、電気加熱式喫煙物品50のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56の側面でゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56を加熱して、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ内にゲル状で存在するエアロゾル発生基材からエアロゾルを発生させるだけでなく、電気加熱式喫煙物品50のタバコ体58の側面でタバコ体58を加熱して、タバコ体58内に提供されるタバコ刻葉等からエアロゾルを発生させる。第2の実施形態のパイプヒータ132は、本質的に同一の温度でゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58を加熱することになる。その目標温度は150~350℃の温度範囲であり得、温度センシング値によってその温度が調節できる。前記の温度範囲で加熱させても、ラッピングペーパーが燃焼せず、ラッピングペーパーの一部が焦げることができる。
【0101】
このような装置に使用するための電気加熱式喫煙物品のために、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58の相対的な位置を調整したり、これらの相対的な体積(又は高さ)を調整したりすることで、液状組成物から発生するエアロゾルの量と、タバコ刻葉から発生するエアロゾルの量とを適切に調整できる。
【0102】
勿論、パイプヒータ132のヒータパターン、センシング部及び制御部120は各々電気的に連結され、バッテリ及び制御部も電気的に連結され、パイプヒータ132は、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58だけを囲むことが望ましく、ペーパーチューブ54やフィルター52を囲まないことが望ましい。
【0103】
図7は、本発明の第3の実施形態によるエアロゾル発生システムの断面を概略的に示す図である。
【0104】
電気加熱式喫煙物品50の構成は、前述した実施形態の場合と同様である。
【0105】
第3の実施形態によるエアロゾル発生装置100は、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56に対応する抵抗加熱方式のパイプヒータ132a及びタバコ体58に対応する抵抗加熱方式のパイプヒータ132bを各々有する場合である。前述した実施形態によるパイプヒータのように、ヒータ線や面状発熱体パターンが外部に印刷又は提供されたパイプである。第3の実施形態によるパイプヒータ132a、132bにも温度センサパターンが提供されて温度がセンシングされ、そのセンシング値によってパイプヒータ132a、132bに電力供給が制御できるようにする。パイプヒータ132aは、電気加熱式喫煙物品50のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56の側面でゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56を加熱して、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ内にゲル状で存在するエアロゾル発生基材からエアロゾルを発生させ、パイプヒータ132bは、電気加熱式喫煙物品50のタバコ体58の側面でタバコ体58を加熱して、タバコ体58内に提供されるタバコ刻葉等からエアロゾルを発生させる。第3の実施形態のパイプヒータ132a、132bは、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58を互いに異なる温度で加熱することができる。その目標温度は150~350℃の温度範囲であり得、温度センシング値によってその温度が調節でき、発生されたエアロゾルは、ユーザの吸入によりペーパーチューブ54及びフィルター52を経て、ユーザの口を通じて吸入される。一例として、パイプヒータ132bがタバコ体58のタバコ刻葉を150~250℃の温度範囲で加熱して、タバコ刻葉から由来するエアロゾルを発生させることができ、パイプヒータ132aがゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56のゲル収容体を250~350℃の温度範囲で加熱して、ゲル収容体の液状組成物から由来するエアロゾルを発生させることができる。前記の温度条件は互いに反対であり得る。前記の温度範囲で加熱させても、ラッピングペーパーが燃焼せず、ラッピングペーパーの一部が焦げることができる。
【0106】
第3の実施形態の構成を採用する場合、侵入式ヒータが持つ問題点(使用後の電気加熱式喫煙物品から発生する残留物の問題点や、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジに容易に挿入されないという問題点)を持つことなく、図に示す構成を持つ電気加熱式喫煙物品において、並びに、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58の相対的な位置が変化した電気加熱式喫煙物品においても、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58から適切にエアロゾルを発生させると同時に、各エアロゾル形成基材の最適のエアロゾル発生温度に合うようにパイプヒータ132a 、132bの温度を設定及び制御することが可能となる。
【0107】
勿論、パイプヒータ132a 、132bのヒータパターン、センシング部及び制御部120は各々電気的に連結され、バッテリ及び制御部も電気的に連結され、パイプヒータ132a 、132bは、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58だけを囲むことが望ましく、ペーパーチューブ54やフィルター52を囲まないことが望ましい。
【0108】
図8は、本発明の第4の実施形態によるエアロゾル発生システムの断面を概略的に示す図である。
【0109】
電気加熱式喫煙物品50の構成は、前述した実施形態の場合と同様である。
【0110】
第4の実施形態によるエアロゾル発生装置100は、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58に対応する高さを持つ一つの抵抗加熱方式のパイプヒータ134bと、タバコ体58に挿入可能な侵入式ヒータ134aとを有する。
【0111】
パイプヒータ134bには、前述したパイプヒータのように、ヒータ線や面状発熱体パターンが外部に印刷又は提供され、温度センサパターンも提供されて温度がセンシングされ、そのセンシング値によってパイプヒータ134bに電力供給が制御できるようにする。パイプヒータ134bは、電気加熱式喫煙物品50のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56の側面でゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56を加熱して、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ内にゲル状で存在するエアロゾル発生基材からエアロゾルを発生させるだけでなく、電気加熱式喫煙物品50のタバコ体58の側面でタバコ体58を加熱して、タバコ体58内に提供されるタバコ刻葉等からエアロゾルを発生させる。第4の実施形態のパイプヒータ134bも、本質的に同一の温度でゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58を加熱することになる。しかしながら、第2の実施形態とは異なり、第4の実施形態では、タバコ体58に挿入可能な前述したような構成を持つ侵入式ヒータ134aがさらに提供される。このような構成は、タバコ体58に追加の加熱源が提供できるという意味であるので、電気加熱式喫煙物品内に提供されるエアロゾル発生基材により効果的に対応できる。どのような場合でも、その目標温度は150~350℃の温度範囲であり得、温度センシング値によってその温度が調節できる。一例として、パイプヒータ134bがゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56のゲル収容体にゲル状で存在するエアロゾル発生基材及びタバコ体58のタバコ刻葉を150~250℃の温度範囲で加熱して、これらから由来するエアロゾルを発生させることができ、さらに、侵入式ヒータ134aがタバコ体58のタバコ刻葉を250~350℃の温度範囲で加熱して、タバコ刻葉から由来するエアロゾルを発生させることができる。前記の温度条件は互いに反対であり得る。前記の温度範囲で加熱させても、ラッピングペーパーが燃焼せず、ラッピングペーパーの一部が焦げることができる。
【0112】
勿論、侵入式ヒータ134a及びパイプヒータ134bのヒータパターン、センシング部及び制御部120は各々電気的に連結され、バッテリ及び制御部も電気的に連結され、パイプヒータ134bは、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58だけを囲むことが望ましく、ペーパーチューブ54やフィルター52を囲まないことが望ましく、 侵入式ヒータ134aは、前述した理由のため、タバコ体58だけに挿入されることが望ましい。
【0113】
図9乃至
図12による本発明の第5の実施形態乃至第8の実施形態は、誘導加熱方式のヒータを適用したエアロゾル発生システムの例示である。誘導加熱のために使用される電装品等は、誘導加熱のための部品として、円筒形で数回巻線された励磁コイル136a、136c、138b、140a、140bと、励磁コイル136a、136c、138b、140a、140bと反応して渦電流損失によって誘導加熱されるサセプタ(susceptor:磁化発熱体)とが具備される。ここで、サセプタは、装置内において励磁コイル136a、136c、138b、140a、140bにより囲まれるように、励磁コイル136a、136c、138b、140a、140b内に提供される、喫煙物品である電気加熱式喫煙物品50が挿入可能な空洞を定義する中空円筒形状の薄板からなり、励磁コイル136a、136c、138b、140a、140bと反応して渦電流損失による誘導加熱によって400℃以下の温度まで加熱される金属材質のヒートパイプ136、136d、138a、142a、142bである。励磁コイル136a、136c、138b、140a、140bに印加される交流電流の大きさにより、サセプタの温度は1000℃以上の温度まで加熱できるが、本発明は前述したように発熱体として働くサセプタを400℃以下の温度まで加熱する。ヒートパイプ136、136d、138a、142a、142bの温度は、ヒートパイプ136、136d、138a、142a、142bの表面に物理的に接触する温度センサによりセンシングされるか、或いは、ヒートパイプ136、136d、138a、142a、142bとして働くサセプタの温度変化によって変化するインダクタンス又はリアクタンスの値によってサセプタを加熱する電流と電圧が変化することを測定する電流センサ及び電圧センサからの電流と電圧の変化によってサセプタの温度を計算することもできる。
【0114】
誘導加熱のためには、制御部が、バッテリ110から直流電源を供給されて、共振周波数の交流電流又は共振周波数と差がある周波数の交流電流を励磁コイルに供給するが、サセプタの温度変化によって励磁コイルに印加される交流電流を制御して、サセプタを所望の温度で発熱させ、維持させ、変化させることができる。
【0115】
図9は、本発明の第5の実施形態によるエアロゾル発生システムの断面を概略的に示す図である。
【0116】
電気加熱式喫煙物品50の構成は、前述した実施形態の場合と同様である。
【0117】
第5の実施形態によるエアロゾル発生装置100は、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジに対応する誘導加熱方式のヒートパイプ136と、タバコ体58に対応する誘導加熱方式のヒットブレード136bとを各々有する場合である。ヒートパイプ136及びヒットブレード136bの全部がサセプタからなり、誘導加熱により発熱される。ヒートパイプ136は、電気加熱式喫煙物品50のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56の側面でゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56を加熱して、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ内にゲル状で存在するエアロゾル発生基材からエアロゾルを発生させ、ヒットブレード136bは、電気加熱式喫煙物品50のタバコ体58内のタバコ刻葉などを加熱してエアロゾルを発生させる。
【0118】
サセプタとして働くヒートパイプ136及びヒットブレード136bは、互いに別個に提供されるので、その材質や厚さなどを調節して所望の加熱温度条件をなすことも可能である。
【0119】
制御によりなされる温度条件は、前述と同様又は類似であり得る。すなわち、第5の実施形態のヒートパイプ136及びヒットブレード136bは、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58を互いに異なる温度で加熱することができる。その目標温度は150~300℃の温度範囲であり得、温度センシング値によってその温度が調節でき、発生されたエアロゾルはユーザの吸入によりペーパーチューブ54及びフィルター52を経て、ユーザの口を通じて吸入される。一例として、ヒットブレード136bがタバコ体58のタバコ刻葉を150~200℃の温度範囲で加熱して、タバコ刻葉から由来するエアロゾルを発生させることができ、ヒートパイプ136がゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56のゲル収容体を250~300℃の温度範囲で加熱して、ゲル収容体の液状組成物から由来するエアロゾルを発生させることができる。前記の温度条件は互いに反対であり得る。前記の温度範囲で加熱させても、ラッピングペーパーが燃焼せず、ラッピングペーパーの一部が焦げることがあり得る。
【0120】
勿論、励磁コイル136a、センシング部及び制御部120は各々電気的に連結され、バッテリ及び制御部も電気的に連結され、ヒートパイプ136は、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56だけを囲むことが望ましく、ペーパーチューブ54やフィルター52を囲まないことが望ましい。また、ヒットブレード136bは、電気抵抗方式の侵入式ヒータのように、タバコ体58だけまで挿入されることが望ましい。
【0121】
図10は、本発明の第6の実施形態によるエアロゾル発生システムの断面を概略的に示す図である。
【0122】
電気加熱式喫煙物品50の構成は、前述した実施形態の場合と同様である。
【0123】
第6の実施形態によるエアロゾル発生装置100は、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジに対応する誘導加熱方式のヒートパイプ136dと、タバコ体58に対応する抵抗加熱方式のパイプヒータ136eとを組み合わせる例である。
【0124】
サセプタとして働くヒートパイプ136dは、電気加熱式喫煙物品50のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56の側面でゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56を加熱して、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ内にゲル状で存在するエアロゾル発生基材からエアロゾルを発生させる。
【0125】
合わせて、抵抗加熱によるパイプヒータ136eは、電気加熱式喫煙物品50のタバコ体58の側面でタバコ体58を加熱して、タバコ体58内にあるタバコ刻葉等からエアロゾルを発生させる。
【0126】
このような装置に使用するための電気加熱式喫煙物品のために、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58の相対的な位置を調整したり、これらの相対的な体積(又は高さ)を調整したりすることで、液状組成物から発生するエアロゾルの量と、タバコ刻葉から発生するエアロゾルの量とを適切に調整できる。
【0127】
第6の実施形態のヒートパイプ136d及びパイプヒータ136eは、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58を互いに異なる温度で加熱することができる。その目標温度は150~350℃の温度範囲であり得、温度センシング値によってその温度が調節でき、発生されたエアロゾルは、ユーザの吸入によりペーパーチューブ54及びフィルター52を経て、ユーザの口を通じて吸入される。一例として、ヒットブレード136bがタバコ体58のタバコ刻葉を150~250℃の温度範囲で加熱して、タバコ刻葉から由来するエアロゾルを発生させることができ、ヒートパイプ136dがゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56のゲル収容体を250~350℃の温度範囲で加熱して、ゲル収容体の液状組成物から由来するエアロゾルを発生させることができる。前記の温度条件は互いに反対であり得る。前記の温度範囲で加熱させても、ラッピングペーパーが燃焼せず、ラッピングペーパーの一部が焦げることができる。
【0128】
勿論、励磁コイル136c、パイプヒータ136eのヒータパターン、センシング部及び制御部120は各々電気的に連結され、バッテリ及び制御部も電気的に連結され、ヒートパイプ136d及びパイプヒータ136eは、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58だけを囲むことが望ましく、ペーパーチューブ54やフィルター52を囲まないことが望ましい。
【0129】
図11は、本発明の第7の実施形態によるエアロゾル発生システムの断面を概略的に示す図である。
【0130】
電気加熱式喫煙物品50の構成は、前述した実施形態の場合と同様である。
【0131】
第7の実施形態によるエアロゾル発生装置100は、誘導加熱方式のヒートパイプ138aにより、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58の全部が加熱される方式を示す。ヒートパイプ138aの発熱によりゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56のゲル収容体内にゲル状で存在するエアロゾル発生基材からエアロゾルが発生されるだけでなく、タバコ体58内にあるタバコ刻葉等からエアロゾルが発生される。第7の実施形態のヒートパイプ138aは、本質的に同一の温度でゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58を加熱することになる。その目標温度は150~350℃の温度範囲であり得、温度センシング値によってその温度が調節できる。前記の温度範囲で加熱させても、ラッピングペーパーが燃焼せず、ラッピングペーパーの一部が焦げることができる。
【0132】
このような装置に使用するための電気加熱式喫煙物品のために、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58の相対的な位置を調整したり、これらの相対的な体積(又は高さ)を調整したりすることで、液状組成物から発生するエアロゾルの量と、タバコ刻葉から発生するエアロゾルの量とを適切に調整できる。
【0133】
勿論、励磁コイル138b、センシング部及び制御部120は各々電気的に連結され、バッテリ及び制御部も電気的に連結され、ヒートパイプ138aは、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58だけを囲むことが望ましく、ペーパーチューブ54やフィルター52を囲まないことが望ましい。
【0134】
図12は、本発明の第8の実施形態によるエアロゾル発生システムの断面を概略的に示す図である。
【0135】
電気加熱式喫煙物品50の構成は、前述した実施形態の場合と同様である。
【0136】
第8の実施形態によるエアロゾル発生装置100は、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56に対応する誘導加熱方式のヒートパイプ142aと、タバコ体58に対応する誘導加熱方式のヒートパイプ142bとを各々有する場合である。これを誘導加熱するための励磁コイル140a、140bも各々別個に提供される。ヒートパイプ142aは、電気加熱式喫煙物品50のゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56の側面でゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56を加熱して、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ内にゲル状で存在するエアロゾル発生基材からエアロゾルを発生させ、ヒートパイプ142bは、電気加熱式喫煙物品50のタバコ体58の側面でタバコ体58を加熱して、タバコ体58内に提供されるタバコ刻葉等からエアロゾルを発生させる。第8の実施形態のヒートパイプ142a、142bは、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58を互いに異なる温度で加熱することができる。その目標温度は150~350℃の温度範囲であり得、温度センシング値によってその温度が調節でき、発生されたエアロゾルは、ユーザの吸入によりペーパーチューブ54及びフィルター52を経て、ユーザの口を通じて吸入される。一例として、ヒートパイプ142bがタバコ体58のタバコ刻葉を150~250℃の温度範囲で加熱して、タバコ刻葉から由来するエアロゾルを発生させることができ、ヒートパイプ142aがゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56のゲル収容体を250~350℃の温度範囲で加熱して、ゲル収容体の液状組成物から由来するエアロゾルを発生させることができる。前記の温度条件は互いに反対であり得る。前記の温度範囲で加熱させても、ラッピングペーパーが燃焼せず、ラッピングペーパーの一部が焦げることができる。
【0137】
このような装置に使用するための電気加熱式喫煙物品のために、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58の相対的な位置を調整したり、これらの相対的な体積(又は高さ)を調整したりすることで、液状組成物から発生するエアロゾルの量と、タバコ刻葉から発生するエアロゾルの量とを適切に調整できる。
【0138】
勿論、励磁コイル140a、140b、センシング部及び制御部120は各々電気的に連結され、バッテリ及び制御部も電気的に連結され、ヒートパイプ142a、142bは、ゲル状エアロゾル発生基材カートリッジ56及びタバコ体58だけを囲むことが望ましく、ペーパーチューブ54やフィルター52を囲まないことが望ましい。
【0139】
本実施形態による技術分野における通常の知識を有した者は、前記の記載の本質的な特性から逸脱しない範囲内で変形された形態で具現できることを理解することができる。したがって、開示の方法等は、限定的な観点でなく、説明的な観点で考慮しなければならない。本発明の範囲は、前述した説明でなく、特許請求の範囲に記載されており、これと同等な範囲内にある全ての差異点は本発明に含まれたものと解析されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0140】
本発明によれば、電気加熱式喫煙物品に挿入可能なゲル状エアロゾル発生基材カートリッジと、これを含む電気加熱式喫煙物品とを提供することで、ユーザが液状から由来するエアロゾル及びタバコ基材から由来するエアロゾルを共に吸入するのに用いられる。