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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】容器回収機装置および関連する方法
(51)【国際特許分類】
   G07F 7/06 20060101AFI20231227BHJP
【FI】
G07F7/06
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021547949
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 EP2019079923
(87)【国際公開番号】W WO2020089436
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-09-27
(31)【優先権主張番号】18203814.1
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521185675
【氏名又は名称】トムラ、システムズ、アーエスアー
【氏名又は名称原語表記】TOMRA SYSTEMS ASA
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100202304
【弁理士】
【氏名又は名称】塙 和也
(72)【発明者】
【氏名】テルイェ、デーリ
(72)【発明者】
【氏名】アンデシュ、ホー.ハンセン
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-80862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック製、ガラス製または金属製のボトルや缶等の返却可能容器を受容するように構成された容器回収機を備える容器回収機装置であって、
前記容器回収機は、
前記返却可能容器の検出および検査中に返却可能容器を支持するための受容手段を有する受容室と、
返却可能容器に前記受容室へのアクセスを提供するように配置された供給口と、
返却可能容器が前記受容手段に受容され支持されているとき、当該返却可能容器の部分像または全体像を含む第1部分視野を有する光学センサと、
前記供給口の近傍に配置されるとともに、前記供給口に沿って延びるモニタ対象要素と、
前記容器回収機の内部に配置されたミラーであって、前記光学センサに前記モニタ対象要素をカバーする第2部分視野を提供するように構成されたミラーと、
前記モニタ対象要素を透過した直後に前記受容室の外側のスペースに主に向かう放射線を発することにより前記モニタ対象要素を背後から照明するように構成された照明装置と、
カバー要素であって、前記受容室へのアクセスが前記供給口を介して提供される開放状態と、前記カバー要素が前記供給口を覆うことで前記受容室へのアクセスが制限される閉鎖状態との間で作動するように構成されたカバー要素と、
を備え、
前記容器回収機装置は、処理回路をさらに備え、
前記処理回路は、前記光学センサから受信した、前記第2部分視野に関するデータに基づいて、前記モニタ対象要素が背後から照明されているときに物体が前記モニタ対象要素を覆っているかどうかを判定するように構成され;物体が前記モニタ対象要素を覆っているとの判定時には、前記物体および/または容器回収機装置を保護するために、前記カバー要素の作動を中止する、または前記カバー要素を前記開放状態に向かって移動させるように構成され;物体が前記モニタ対象要素を覆っているとの前記判定に応答して、前記光学センサから受信した、前記第1部分視野に関するデータに基づいて、前記受容室における潜在的な返却可能容器の存在を判定するように構成され、
前記受容室における潜在的な前記返却可能容器の存在の判定は、前記カバー要素が前記開放状態にあるときに実施され、
潜在的な返却可能容器が前記受容室に存在するとの前記判定に応答して、前記カバー要素の閉鎖が開始されることにより、前記カバー要素が前記閉鎖状態をとり、
前記カバー要素が前記閉鎖状態にあるときに、前記光学センサから受信した、前記第1部分視野に関するデータに基づいて、受け入れられた前記潜在的な返却可能容器を分類する、
容器回収機装置。
【請求項2】
前記モニタ対象要素は、前記照明装置が発した放射線の前記供給口に沿った均一な分布を提供するように配置された拡散要素をさらに備える、
請求項1に記載の容器回収機装置。
【請求項3】
前記照明装置の登録可能強度は、減衰後かつ検出可能な波長帯域内において、標準太陽スペクトルの強度の少なくとも1/1000、または少なくとも1/100、または少なくとも1/10である、
請求項2に記載の容器回収機装置。
【請求項4】
前記モニタ対象要素は、前記第1部分視野において、前記光学センサの視線から外れて配置される、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の容器回収機装置。
【請求項5】
前記モニタ対象要素は、前記供給口の内部においてその内側に配置される、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の容器回収機装置。
【請求項6】
前記容器回収機は、空のまたは使用済みの、食料容器および/または飲料容器を受容するように構成される、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の容器回収機装置。
【請求項7】
前記容器回収機は、返却可能容器が前記受容手段に受容され支持されている場合に、前記光学センサに対して返却可能容器の後方に配置された少なくとも1つの背景パネルをさらに備え、前記少なくとも1つの背景パネルは、前記光学センサから見た前記第1部分視野において、返却可能容器の背景を形成する、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の容器回収機装置。
【請求項8】
前記モニタ対象要素と前記背景パネルのうち、前記モニタ対象要素のみが、前記照明装置により背後から照明される、
請求項に記載の容器回収機装置。
【請求項9】
前記照明装置は、少なくとも1つのLEDを備える、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の容器回収機装置。
【請求項10】
容器回収機を備える容器回収機装置を操作するための方法であって、前記容器回収機は、当該容器回収機に返却される返却可能容器を受容するように構成され、
前記容器回収機は、
返却可能容器の検出および検査中に返却可能容器を支持するための受容手段を有する受容室と、
前記受容室へのアクセスを提供するように配置された供給口と、
返却可能容器が前記受容手段に受容され支持されているとき、当該返却可能容器の部分像または全体像を含む第1部分視野を有する光学センサと、
前記供給口の近傍に配置されるとともに、前記供給口に沿って延びるモニタ対象要素と、
前記容器回収機の内部に配置されたミラーであって、前記光学センサに前記モニタ対象要素をカバーする第2部分視野を提供するように構成されたミラーと、
前記モニタ対象要素を透過した直後に前記受容室の外側のスペースに主に向かう放射線を発することにより前記モニタ対象要素を背後から照明するように構成された照明装置と、
カバー要素であって、前記受容室へのアクセスが前記供給口を介して提供される開放状態と、前記カバー要素が前記供給口を覆うことで前記受容室へのアクセスが制限される閉鎖状態との間で作動するように構成されたカバー要素と、
を備え、
前記方法は、
前記モニタ対象要素を前記照明装置により背後から照明するステップと、
前記モニタ対象要素に関するセンサデータを、前記光学センサから前記第2部分視野を介して受信するステップと、
物体が前記モニタ対象要素を覆っているかどうかを、処理回路により前記センサデータに基づいて判定するステップと、
物体が前記モニタ対象要素を覆っている場合、前記物体および/または容器回収機装置を保護するために、前記カバー要素の操作を中止するステップ、または前記カバー要素を前記開放状態に向かって移動させるステップと、
物体が前記モニタ対象要素を覆っているとの前記判定に応答して、前記光学センサから前記第1部分視野を介して第2センサデータを受信し、前記第2センサデータに基づいて、前記受容室における潜在的な返却可能容器の存在を判定するステップと、
を備え、
前記受容室における潜在的な前記返却可能容器の存在の判定は、前記カバー要素が前記開放状態にあるときに実施され、
潜在的な返却可能容器が前記受容室に存在するとの前記判定に応答して、前記カバー要素の閉鎖が開始されることにより、前記カバー要素が前記閉鎖状態をとり、
前記カバー要素が前記閉鎖状態にあるときに、前記光学センサから受信した、前記第1部分視野に関する第3センサデータに基づいて、受け入れられた前記潜在的な返却可能容器を分類する方法。
【請求項11】
前記受容室における潜在的な返却可能容器に関する第2センサデータを、前記光学センサから前記第1部分視野を介して受信するステップと、
前記潜在的な返却可能容器が前記受容室に受容されたかどうかを、前記処理回路により前記第2センサデータに基づいて判定するステップと、
をさらに備える請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記潜在的な返却可能容器が前記受容室に受容されたかどうかを判定するステップは、前記モニタ対象要素に関するセンサデータにさらに基づく、
請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される本発明の概念は、概して、返却可能なアイテム、例えば、空のまたは使用済みの、ボトルや缶のような飲料容器または食料容器を受容し、仕分け、選択的に収納するための容器回収機(RVM)に関する。特に、本発明の概念は、RVMの受容室に関する。
【背景技術】
【0002】
環境への懸念や経済的懸念から、缶および/またはボトル、ビン並びに他の容器等の使用済みのアイテムを収集するため、好適にはリサイクルを目的として材料を回収するための設備の分野において、開発が著しく進んでいる。近年、多くの異なるタイプの使用済み容器、または使用済み容器の部品を受容し、選択的に収納することができる完全自動システムが利用できる。RVMにおいて、返却されたアイテムは、お金やサービス券、または他の有価物や商品券と交換されることが多い。この場合、(例えば種類、サイズおよび材料に関して)どのような物をRVMによって収集すべきか、どのようなものを回収の返礼にすべきか、そして好適にはどのように回収システム内で金銭上の取引を処理すべきかを規制する国家基準が通常存在する。
【0003】
一部のRVMには、RVMの送入口を覆うように配置された閉鎖可能なカバーが設けられる場合がある。このようなカバーは、ユーザが装置の可動部品に手が届くことを防止し、怪我や損傷からユーザを保護し得る。欧州特許出願公開第3340192号明細書は、このような閉鎖可能なカバーを有するとともに、光ビームを有する光カーテンが設けられるというさらなる改良を加えたRVMを開示している。光カーテンは、装置の作動中に光ビームが遮断された場合、装置が直ちに停止するように機能する。したがって、カバーが開いていても、怪我や損傷のリスクが減少する。
【0004】
しかしながら、例えばより効率的でありながらシンプルで信頼性の高い、省スペース型のRVMを提供するニーズが存在している。
【発明の概要】
【0005】
本発明の概念の目的は、当技術分野における上述の欠点および不利な点の1つ以上を単独または組み合わせて軽減、緩和または排除することである。
【0006】
本発明の概念の第1態様によれば、上記および他の目的は、返却可能容器を受容するように構成された容器回収機を備える容器回収機装置であって、前記容器回収機は、前記返却可能容器の検出および/または検査中に返却可能容器を支持するための受容手段を有する受容室と、前記受容室へのアクセスを提供するように配置された供給口と、返却可能容器が前記受容手段に受容され支持されているとき、当該返却可能容器の部分像または全体像を含む第1部分視野を有する光学センサと、前記供給口の近傍に配置されるとともに、前記供給口に沿って延びるモニタ対象要素と、前記容器回収機の内部に配置されたミラーであって、前記光学センサに前記モニタ対象要素をカバーする第2部分視野を提供するように構成されたミラーと、前記モニタ対象要素を透過した直後に前記受容室の外側のスペースに主に向かう放射線を発することにより前記モニタ対象要素を背後から照明するように構成された照明装置と、カバー要素であって、前記受容室へのアクセスが前記供給口を介して提供される開放状態と、前記カバー要素が前記供給口を覆うことで前記受容室へのアクセスが制限される閉鎖状態との間で作動するように構成されたカバー要素と、を備え、前記容器回収機装置は、処理回路をさらに備え、前記処理回路は、前記光学センサから受信した、前記第2部分視野に関するデータに基づいて、前記モニタ対象要素が背後から照明されているときに物体が前記モニタ対象要素を覆っているかどうかを判定するように構成され;物体が前記モニタ対象要素を覆っているとの判定時には、前記物体および/または容器回収機装置を保護するために、前記カバー要素の作動を中止する、または前記カバー要素を前記開放形態に向かって移動させるように構成され;物体が前記モニタ対象要素を覆っているとの前記判定に応答して、前記光学センサから受信した、前記第1部分視野に関するデータに基づいて、前記受容室における潜在的な返却可能容器の存在を判定するように構成される容器回収機装置により、完全にまたは少なくとも部分的に達成される。
【0007】
本発明の概念の第2態様によれば、上記および他の目的は、
プラスチック製、ガラス製または金属製のボトルや缶等の返却可能容器を受容するように構成された容器回収機を備える容器回収機装置であって、
前記容器回収機は、
返却可能容器の検出および/または検査中に返却可能容器を支持するための受容手段を有する受容室と、
返却可能容器に前記受容室へのアクセスを提供するように配置された供給口と、
返却可能容器が前記受容手段に受容され支持されているとき、当該返却可能容器の部分像または全体像を含む第1部分視野を有する光学センサと、
前記供給口の近傍に配置されるとともに、前記供給口に沿って延びるモニタ対象要素と、
前記容器回収機の内部に配置されたミラーであって、前記光学センサに前記モニタ対象要素をカバーする第2部分視野を提供するように構成されたミラーと、
前記モニタ対象要素を背後から照明するように構成された照明装置と、
を備え、
前記容器回収機装置は、前記光学センサから受信した、前記第1部分視野に関するデータに基づいて、前記受容室における潜在的な返却可能容器の存在を判定するように構成された処理回路をさらに備え、前記処理回路は、前記光学センサから受信した、前記第2部分視野に関するデータに基づいて、前記モニタ対象要素が背後から照明されているときに物体が前記モニタ対象要素を覆っているかどうかを判定するように、かつ、物体が前記モニタ対象要素を覆っているとの判定時には、前記物体および/または容器回収機装置を保護するために安全動作を開始するようにさらに構成される、容器回収機装置により、完全にまたは少なくとも部分的に達成される。
【0008】
モニタ対象要素を光学センサおよび第2部分視野を介してモニタリングすることにより、容器回収機装置またはこれに収容された返却アイテムに、物体が干渉している、または干渉するおそれがあるということが判定され得る。特に、モニタ対象要素が供給口の近傍に配置されることにより、物体が供給口内に存在すると判定された場合に、安全動作を開始することができるであろう。
【0009】
第2部分視野をモニタ対象要素のモニタリングに専用のものとすることで、単一の光学センサを使用して、受容室における潜在的な有効容器の存在を判定し、かつ物体がモニタ対象要素を覆っているかどうかを判定すべくモニタ対象要素をモニタリングすることができる。したがって、本発明の概念により、コンパクトな容器回収機装置が提供され得る。
【0010】
本発明の概念は、照明装置が、選択的に、モニタ対象要素を透過した直後に受容室の外側のスペースに向かう放射線を発するように構成される点でさらに有利であり得る。一実施形態によれば、全ての放射線が、モニタ対象用を透過した直後に、受容室の外側のスペースに向かう。あるいは、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%の放射線が、モニタ対象用を透過した直後に、受容室の外側のスペースに向かう。これにより、照明装置が発した放射線が、受容室に受容された返却容器と相互作用したり、光学センサによって第1部分視野を介して検知されたりする可能性が低くなる。このような返却容器、すなわち空のまたは使用済みの容器との相互作用および/または光学センサによる検知は、返却容器、すなわち空のまたは使用済みの容器の、光学センサによる第1部分視野を介した検出、分類、判定および/または識別を阻害し得る。一部の実施形態において、容器回収機装置は、返却容器、すなわち空のまたは使用済みの容器と相互作用する放射線を発するように構成された他の照明装置を備えていてもよく、これにより返却容器、すなわち空のまたは使用済みの容器の分類、判定および/または識別を容易にする。明確性を期して、返却された容器の分類、判定および/または識別は、有効容器および/または返却可能な容器等のアイテムの存在の判定を含み得ることに留意されたい。
【0011】
処理回路は、光学センサから受信した、第2部分視野に関するデータに基づいて、光学センサのセンサマトリックスに関する所定のまたは専用のピクセルを読み取るように構成され得る。専用のピクセルは、好適には、第2部分視野に対応する。処理回路は、照明装置が発した放射線を検出するようにさらに構成され得る。光学センサに到達する放射線が覆われる場合、処理回路は、物体がモニタ対象要素を覆っていると判定し得る。この構成は、光学センサの第2部分視野におけるイベントが、処理回路に、物体がモニタ対象要素を覆っていると判定させる「境界線横断」機能の形態と見なされ得る。
【0012】
詳細な説明においてさらに検討するように、処理回路は、光学センサから受信した、第2部分視野に関するデータに基づいて、潜在的な返却可能容器が受容室に受容されたことを判定するように構成され得る。したがって、モニタ対象要素および光学センサの第2部分視野は、安全動作を開始すること、および、例えば潜在的な返却可能容器が受容室に受容されたかどうかを判定するような検出機能を開始することのうちの、一方または両方を提供し得る。したがって、モニタ対象要素が覆われていることにより、処理回路は、第1部分視野からのデータに基づいて、潜在的な返却可能容器が受容室に受容されたと判定し得る。選択的に、潜在的な返却可能容器が受容室に受容されたと判定された後、RVMにより、潜在的な返却可能容器の認識が、開始され得る。
【0013】
モニタ対象要素は、放射線を拡散し、供給口に沿った方向において、放射線の実質的に均一な分布を提供するように配置された拡散要素を備え得る。特に、拡散要素は、光学に向かう放射線を拡散するように配置され得る。モニタ対象要素を連続的におよび/または均一に背後から照明することは、モニタ対象要素を背後から照明することにおけるギャップを排除または低減し得るため有益であり得て、これにより、薄肉の物体の検出を容易にする。拡散要素は、照明装置が発した放射線の供給口に沿った均一な分布を提供するように配置され得る。拡散要素は、モニタ対象要素の一部を形成し得る。単独または組み合わされた上記の特徴は、モニタ対象要素に関連付けられた光学センサの各ピクセルによって第2部分視野を介して検出される放射線の強度が、標準化および/または同一にされ得ることを提供し得る。拡散要素は、第2部分視野を介して光学センサが受光した放射線の均一な強度を提供するように配置され得る。
【0014】
照明装置は、放射線のパルスを提供するように構成され得る。また、光学センサは、放射線のこのようなパルスと同期して作動するように構成され得る。これにより、エネルギー消費を低減しつつ、照明装置の高い強度、すなわち高ルクスが達成され得る。高ルクスの照明装置を有するということは、提供された放射線および/または光学センサにより第2部分視野を介して検出された放射線が、入射する太陽光または迷光よりも強くなり得るという点で有利であり得る。したがって、光学センサは、RVMの外側の光源から発生する入射光または迷光が存在する場合でも、モニタ対象要素を判別することができるであろう。
【0015】
「有効アイテム」、「有効コンテナ」または「返却可能容器」という用語は、選択的に回収を対価としてRVMに受け入れられ、拒否されないアイテムまたは容器を指す。アイテムまたは容器という用語は、缶、ボトル、ビンといった使用済みまたは空の、飲料容器および/または食料容器を指し得る。また、好適には、容器の内容物は、RVMへの投入前に、完全に、部分的にまたは実質的に取り除かれている。
【0016】
「閉鎖要素」および「カバー要素」という用語は、交換可能に使用される。さらに、「形態」および「状態」という用語も交換可能に使用される。
【0017】
本発明に関連して、「潜在的な返却可能容器の存在」という用語は、RVMに投入されたアイテムを指す。これは、RVMに受け入れられるべきであるアイテム(有効アイテムまたは有効容器)かもしれないが、RVMにより拒否されるべき無効物体(および靴等の無効アイテム、または例えば回収システムの一部ではない無効容器)でもあるかもしれない。
【0018】
受容室における潜在的な返却可能容器の存在を判定するという文脈における「潜在的な返却可能容器」という用語は、受容室に受容された容器が、容器回収機装置が受け入れる有効容器であるかどうかを判定する必要がないかもしれないことを意味する。一部の実施形態において、容器回収機に受け入れられるべき有効容器に類似した物体が受容室に受容されたということ、または単に物体が受容室に受容されたということを判定すれば十分であり得る。受容した容器のさらなる判定は、例えば、容器回収機装置の閉鎖要素が閉鎖して受容室へのアクセスが制限された後に実施され得る。閉鎖要素は、本開示全体を通じてさらに検討されるであろう。
【0019】
「物体」という用語は、場合によりユーザ、特に、例えば、手、1本以上の指または腕といったユーザの一部を指し得る。このような場合、安全動作は、容器回収機が原因となるユーザの怪我を主として防止または軽減し得る。しかしながら、場合により、安全動作は、物体が原因となる容器回収機装置の損傷を同様に防止または軽減し得る。
【0020】
「物体」という用語は、場合により、潜在的な返却可能容器を指し得る。
【0021】
「物体」という用語は、場合により、受容室に既に受容されている潜在的な返却可能容器に対してさらに別の容器を指し得る。場合により、「物体」という用語は、未確認物体を指し得る。このような場合、安全動作は、物体が原因となる容器回収機装置の損傷を防止または軽減し得る。
【0022】
容器回収機は、閉鎖要素であって、受容室へのアクセスが供給口を介して提供される開放形態と、閉鎖要素が供給口を覆うことで受容室へのアクセスが制限される閉鎖形態との間で作動するように構成された閉鎖要素をさらに備え得る。安全動作は、閉鎖要素の操作を中止するステップまたは閉鎖要素を開放形態に向かって移動させるステップを備える。閉鎖要素は、外光が受容室に入射することを制限し得る。これは、室に受容された容器の特性を識別するために利用される種々の照明技術にとって有益であり得る。さらに、閉鎖要素は、容器回収機が受容した容器を処理している最中、例えば、容器を識別、分類、認証、細断および/または圧縮している最中に、ユーザが受容室にアクセスすることを制限または防止し得る。閉鎖要素の操作を中止するステップまたは閉鎖要素を開放形態に向かって移動させるステップを備える安全動作を有することにより、ユーザが閉鎖要素により怪我をすることが防止され得る。
【0023】
モニタ対象要素は、第1部分視野において、光学センサの視線から外れて配置され得る。モニタ対象要素のこのような配置は、光学センサが第1部分視野におけるモニタ対象要素についての視線を必要としないため、容器回収機装置のよりコンパクトな構成を提供し得る。
【0024】
モニタ対象要素は、RVMの内部において、選択的に供給口の内側に配置され得る。しかしながら、例えばモニタ対象要素の少なくとも一部が供給口の内側にあり、供給口の少なくとも一部が供給口の外側にあるようにモニタ対象要素を配置する他の配置も想定される。また、モニタ対象要素を供給口の外側でRVMの前面またはハウジングに配置することもできるかもしれない。
【0025】
一例によれば、照明装置の登録可能強度は、減衰後かつ検出可能な波長帯域内において、標準太陽スペクトルの強度の少なくとも1/1000、少なくとも1/100、または少なくとも1/10である。
【0026】
照明装置が発した放射線と、ミラーを介してモニタ対象要素によってセンサに反射した太陽光とを、センサが区別することができるため、すなわち、照明が太陽光よりも明るく輝くことができるように構成され得るため、高い強度は有利である。必要とされる光量は、機械が使用される場所に存在する太陽光および環境光の量によって異なり得る。照明装置の強度は、調整可能であり得る。
【0027】
本明細書において、「検出可能な波長帯域」とは、画像センサが、例えば、強度の変化(強度の変化は、検出可能であるほど十分に大きく、例えば背景ノイズレベルを超える)に関する情報等の情報/データを記録および出力することができる波長の範囲を指す。
【0028】
本明細書において、「照明装置の登録可能強度」という用語は、検出可能な波長帯域内において前記照明装置が発した放射線であって、モニタ対象要素を透過し、前記ミラーを介して反射され、前記光学センサに衝突する放射線の強度を指す。
【0029】
本明細書において、「光路における減衰」という用語は、前記光学センサに衝突する前に、ミラーを介して反射され、モニタ対象要素を透過した放射線強度がある場合に、その減衰を指す。事例:ミラーの後であって反射光が前記光学センサに衝突する前に、検出可能な波長帯域(透過波長と呼ばれる)の一部のみに対して高い透過率を有するフィルタが配置されている場合、透過率が低い波長は、透過波長と比較してより減衰が大きくなる。すなわち、放射線強度の減衰は、透過波長と比較して透過率が低い波長の方が大きくなるであろう。
【0030】
本明細書において、「標準太陽スペクトル」という用語は、米国材料試験協会により規定されたAM1.5からの標準スペクトルである。Laser Focus World、PHOTOVOTAICSにより2009年5月21日に発行された論文「Measuring the ‘Sun’」の図2も参照されたい。https://www.laserfocusworld.com/lasers-sources/article/16566681/photovoltaics-measuring-the-sun.
【0031】
本明細書において、「減衰後の標準太陽スペクトル」という用語は、光路における減衰が補償された後の「標準太陽スペクトル」を指す。
【0032】
照明装置は、例えばユーザに一定の照明として知覚されるレートでのパルス、例えば50または60Hzでのパルスとして、この強度を提供するように構成され得る。これにより、照明の高い強度が、機械のユーザの邪魔になることがない。
【0033】
照明装置は、少なくとも一時的に、少なくとも[放射量]10ルクス、少なくとも50ルクス、少なくとも100ルクス、少なくとも500ルクスまたは少なくとも750ルクスを、ミラーを介して光学センサに提供するように構成され得る。
【0034】
一実施形態によれば、モニタ対象要素は、供給口の一辺に沿って配置される。選択的に、モニタ対象要素は、閉鎖要素がその閉鎖動作において最後に到達する、供給口の一辺に沿って配置される。追加的または代替的に、供給口は矩形であり、モニタ対象要素は、矩形の供給口の長辺のうちの1つに沿って配置される。
【0035】
モニタ対象要素が背後から照明される領域は、連続的または不連続的であり得る。モニタ対象要素が背後から照明される領域は、供給口の少なくとも80%、少なくとも90%または少なくとも95%に沿って延び得る。モニタ対象要素が背後から照明される領域は、長尺または矩形等の任意の形状を有し得る。
【0036】
容器回収機は、空のまたは使用済みの、食料容器および/または飲料容器を受容するように構成され得る。
【0037】
光学センサは、例えば、ラインセンサ、マトリクスセンサまたはCCDカメラ等のカメラであり得る[このリストは非排他的である]。
【0038】
容器回収機は、容器が受容手段に受容され支持されている場合に、光学センサに対して容器の後方に配置された少なくとも1つの背景パネルをさらに備え得る。少なくとも1つの背景パネルは、光学センサから見た第1部分視野において、受容された容器の背景を形成する。これにより、受容室に受容された返却容器、すなわち空のまたは使用済みの容器の輪郭が、より明確になり、光学センサによって検出されやすくなる。少なくとも1つの背景は、好適にはモニタ要素を背後から照明するために使用される照明装置とは異なる背景照明装置により、背後から照明され得る。
【0039】
一実施形態によれば、モニタ対象要素は、背景パネルを超えて配置される。すなわち、光学センサとモニタ対象要素の中心との間の距離は、光学センサと背景パネルとの間の距離より長い。追加的または代替的に、モニタ対象要素は、鉛直方向において背景パネルの上方に配置される。また、背景パネルの上方に配置されると同時に、選択的にモニタ対象要素は、水平方向において背景パネルの脇に配置される。
【0040】
一実施形態によれば、モニタ対象要素と背景パネルのうち、モニタ対象要素のみが、照明装置により背後から照明される。本発明の開示において、上述のように、この構成のなし得る利点は、照明装置が発した放射線が、受容室に受容された返却可能容器と相互作用する可能性が低くなり得ることである。このような返却可能容器との相互作用は、光学センサによる第1部分視野を介した返却可能容器の検出、分類、判定および/または識別を阻害し得る。
【0041】
照明装置は、少なくとも1つのLEDを備え得る。少なくとも1つのLEDは、赤外線、紫外線および/または可視光を発するように構成され得る。これに応じて、光学センサは、赤外線、紫外線および/または可視光を検出するように構成され得る。光学センサは、画像センサであり得る。
【0042】
本発明の概念の第3態様によれば、上記および他の目的は、返却可能容器を受容するように構成された容器回収機と、返却可能容器の検出および/または検査中に返却可能容器を支持するための受容手段を有する受容室と、返却可能容器に前記受容室へのアクセスを提供するように配置された供給口と、返却可能容器が前記受容手段に受容され支持されているとき、当該返却可能容器の部分像または全体像を含む第1部分視野を有する光学センサと、前記供給口の近傍に配置されるとともに、前記供給口に沿って延びるモニタ対象要素と、前記容器回収機の内部に配置されたミラーであって、前記光学センサに前記モニタ対象要素をカバーする第2部分視野を提供するように構成されたミラーと、選択的に前記モニタ対象要素を透過した直後に前記受容室の外側のスペースに主に向かう放射線を発することにより前記モニタ対象要素を背後から照明するように構成された照明装置と、カバー要素であって、前記受容室へのアクセスが前記供給口を介して提供される開放形態と、前記カバー要素が前記供給口を覆うことで前記受容室へのアクセスが制限される閉鎖形態との間で作動するように構成されたカバー要素と、を備える容器回収機装置を操作するための方法であって、前記方法は、前記モニタ対象要素を前記照明装置により背後から照明するステップと、前記モニタ対象要素に関するセンサデータを、前記光学センサから前記第2部分視野を介して受信するステップと、物体が前記モニタ対象要素を覆っているかどうかを、処理回路により前記センサデータに基づいて判定するステップと、物体が前記モニタ対象要素を覆っている場合、前記物体および/または容器回収機装置を保護するために、前記カバー要素の操作を中止するステップまたは前記カバー要素を前記開放形態に向かって移動させるステップと、物体が前記モニタ対象要素を覆っているとの前記判定に応答して、前記光学センサから前記第1部分視野を介して第2センサデータを受信し、前記第2センサデータに基づいて、前記受容室における潜在的な返却可能容器の存在を判定するステップと、を備える方法により、完全にまたは少なくとも部分的に達成される。
【0043】
本方法は、前記受容室における潜在的な返却可能容器に関する第2センサデータを、前記光学センサから前記第1部分視野を介して受信するステップと、前記潜在的な返却可能容器が前記受容室に受容されたかどうかを、前記処理回路により前記第2センサデータに基づいて判定するステップと、をさらに備え得る。これらのステップは、物体がモニタ対象要素を覆っているかどうかを判定するステップの前に実施され得る。
【0044】
前記潜在的な返却可能容器が前記受容室に受容されたかどうかを判定するステップは、前記モニタ対象要素に関するセンサデータにさらに基づき得る。例えば、返却可能容器が受容室に受容されるとき、それは供給口を介して挿入される。したがって、返却可能容器は、ある時点で、第2部分視野において光学センサからモニタ対象要素を覆うであろう。返却可能容器が供給口を介して受容室に挿入されたことを判定するために、このような情報が処理回路によって利用され得る。
【0045】
本方法は、容器回収機装置の閉鎖要素の閉鎖を開始するステップをさらに備え得る。物体がモニタ対象要素を覆っているかどうかの判定は、閉鎖要素の開始に関連して実施され得る。例えば、容器回収機装置は、閉鎖要素が閉鎖形態に向かって移動しているときに、モニタ対象要素をモニタリングするように構成され得る。一部の実施形態において、容器回収機装置は、閉鎖要素が閉鎖形態に向かって移動しているときであって、開放形態と閉鎖形態との少なくとも中途にあるときに、モニタ対象要素をモニタリングするように構成され得る。
【0046】
1つの態様に関して説明した特徴は、他の態様にも組み込まれ得る。当該特徴の利点は、これが組み込まれる全ての態様に適用され得る。
【0047】
本発明の概念の他の目的、特徴および利点が、以下の詳細な開示から、添付の特許請求の範囲から、および図面から明らかになるであろう。
【0048】
概して、特許請求の範囲において使用される全ての用語は、別途に明記されない限り、当技術分野における通常の意味に従って解釈されるべきである。さらに、「第1」、「第2」および「第3」等の用語の使用は、順序や量または重要性を示すものではなく、ある要素を別の要素から区別するために使用される。別途に明記されない限り、「a/an/the(要素、装置、部品、手段、ステップ等)」は、前記要素、装置、部品、手段、ステップ等の少なくとも1つの例を指すものとしてオープンに解釈されるべきである。別途に明記されない限り、本明細書に開示されるあらゆる方法のステップは、開示された正確な順序で実施される必要はない。
【0049】
本発明の概念の上述および追加の目的、特徴および利点は、添付図面を参照してなされる本発明の概念の種々の実施形態についての以下の例示的かつ非限定的な詳細な説明を通じて、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1図1は、容器回収機装置の一部を断面図で概略的に示す図である。
図2図2は、容器回収機の一部を斜視図で概略的に示す図である。
図3図3は、容器回収機を斜視図で概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図面は、必ずしも原寸に比例しておらず、全体として本発明の概念を明瞭にするために必要な部分のみを示しており、他の部分は、省略されている場合があるか、または単に示唆されている場合がある。
【0052】
図1は、容器回収機100の部分図である。容器回収機100は、容器回収機100に返却される返却可能容器102を受容するように配置されている。容器回収機100は、容器回収機装置の一部を形成し得る。容器回収機100は、返却可能容器102、すなわち空のまたは使用済みの容器を、その検出、分類、判定および/または識別中に支持するための受容手段106を備える受容室104を備えている。受容手段106は、支持面103を備え得る。また、受容手段106は、返却可能容器102が容器回収機によって受け入れられる返却可能な容器であると判定されたとき、返却可能容器102を重力によりさらに移送して、容器回収機100でさらに処理するように、格納可能であり得る。支持面103は、プレートであり得る。
【0053】
容器回収機100は、受容室104へのアクセスを提供するように配置された供給口108と、第1部分視野Fを有する光学センサ110をさらに備えている。第1部分視野Fは、返却可能容器102が受容手段106に受容され支持されているとき、当該返却可能容器102の部分像または全体像を含む。容器回収機100は、供給口108の近傍に配置されるとともに、供給口108に沿って延びるモニタ対象要素112をさらに備えている。光学センサ110は、光学室111に配置され得る。光学センサ110が感知可能である放射線を透過する仕切り113が、光学室111を受容室104から分離し得る。光学センサ110および支持面103は、第1部分視野Fにおいて、支持面103が光学センサ110の視線から外れるように配置され得る。
【0054】
モニタ対象要素112は、供給口108の少なくとも1つの辺に沿って延び得る。本例において、モニタ対象要素112は、図示の断面の内方および外方方向に延びている。モニタ対象要素112の延びる様子は、図2において、より明瞭に示されている。また、モニタ対象要素112は、第1部分視野Fにおいて、光学センサ110の視線から外れて配置され得る。
【0055】
本例では、モニタ対象要素112は、容器回収機の内部において供給口108の内側に配置されている。モニタ対象要素が、内部の外側に配置され得ること、供給口108の外側に配置され得ること、またはモニタ対象要素112の一部が供給口108の内側にありモニタ対象要素112の一部が供給口108の外側にある状態で配置され得ることも想定される。
【0056】
モニタ対象要素112は、以下で説明する照明装置が発した放射線を透過するプレートであり得る。モニタ対象要素112は、その長軸が供給口の辺に沿って延びる半円筒として形成され得る。
【0057】
容器回収機100は、容器回収機100の内部に配置されたミラー114をさらに備えている。ミラー114は、光学センサ110に、モニタ対象要素112をカバーする第2部分視野Fを提供するように構成されている。本例において、ミラー114は、内部の上面に配置され、容器回収機100の使用時において、重力に対して、受容室104の上方に配置されている。これにより、ミラー114は、光学センサ110にモニタ対象要素112の第2部分視線Lを提供し得る。第2視線は、受容室104の中心の実質的に上方を通る、および/または受容室104に受容された返却可能容器の上方を通る。
【0058】
容器回収機100は、照明装置116をさらに備えている。照明装置116は、モニタ対象要素112を透過した直後に受容室104の外側のスペースに主に向かう放射線を発することによりモニタ対象要素112を背後から照明するように構成されている。照明装置116は、少なくとも1つのLEDを備え得る。本例において、照明装置は、照明装置室118に配置されている。
【0059】
容器回収機装置は、光学センサ110から受信した、第1部分視野Fに関するデータに基づいて、受容室104内の潜在的な返却可能容器の存在を判定するように構成された処理回路(図示せず)をさらに備えている。処理回路は、光学センサ110から受信した、第2部分視野Fに関するデータに基づいて、モニタ対象要素112が背後から照明されているときに、物体がモニタ対象要素112を覆っているかどうかを判定するように構成されている。また、処理回路は、物体がモニタ対象要素112を覆っているとの判定時には、物体および/または容器回収機装置を保護するために、安全動作を開始するように構成されている。
【0060】
容器回収機100は、閉鎖要素120をさらに備え得る。閉鎖要素120は、受容室104へのアクセスが供給口108を介して提供される開放形態と、閉鎖要素120が供給口108を覆うことで受容室104へのアクセスが制限される閉鎖形態との間で作動するように構成されている。閉鎖要素120は、容器回収機100の内部に格納されるとともに、容器回収機100の内部から引き出されるように構成された閉鎖プレートを備え得る。特に、閉鎖要素120は、開放形態から閉鎖形態に向かって移動するとき、供給口108の第1の辺122に向かって移動する。モニタ対象要素112は、供給口108の前記第1の辺122に、またはその近傍に配置され得る。
【0061】
容器回収機100は、返却可能容器102が受容手段106に受容され支持されている場合に、光学センサ110に対して返却可能容器102の後方に配置された少なくとも1つの背景パネル124をさらに備え得る。少なくとも1つの背景パネル124は、光学センサ110から見たときに、第1部分視野Fにおいて、返却可能容器102の背景を形成する。背景パネル124は、背景照明装置(図示せず)によって背後から照明され得る。照明装置116に関して、モニタ対象要素112と背景パネル124のうち、モニタ対象要素112のみが、照明装置116により背後から照明され得る。
【0062】
図示のように、モニタ対象要素は、背景パネルを超えて配置されている。すなわち、光学センサとモニタ対象要素の中心との間の距離は、光学センサと背景パネルとの間の距離より長い。また、モニタ対象要素は、鉛直方向において背景パネルの上方に配置されるとともに、水平方向において背景パネルの脇に配置されている。
【0063】
図2に、図1で説明された同一の特徴を概して示す、容器回収機100の一部の斜視図が示されている。
【0064】
図3に、容器回収機100が斜視図で示されている。本図において、供給口108およびモニタ対象要素112がより明瞭に示され得る。特に、モニタ対象要素112が、供給口108の第1の辺122に沿って延びていることがわかる。
【0065】
以下の段落では、本発明の概念に関する方法について説明する。明瞭性および簡潔性を期して、当該方法を「ステップ」の観点から説明する。ステップは必ずしも時間的に区切られた、または互いに別個のプロセスである必要はなく、複数の「ステップ」が同時に並行した態様で実施され得る、ということが重要である。
【0066】
図4を参照すると、ステップ250において、ユーザは、例えば容器回収機装置のユーザインターフェースを介して返却セッションを開始し得る。返却セッションが開始されると、ステップ252において、容器回収機の閉鎖要素が、開放形態に設定され得る。ステップ254において、返却可能容器等のアイテムが、供給口を介して、容器回収機の内部に、特に受容室の内部に挿入され得る。返却可能容器を受容室に挿入する際、光学センサから、ミラーおよび第2部分視野を介して見たときに、モニタ対象要素は少なくとも部分的に返却可能容器によって覆われ得る。より詳細には、多くの場合、RVMは、異なるサイズの容器を受け入れるように構成されており、大きいボトルは光学センサから見たときに、モニタ対象要素を覆い得るが、小さいボトルは光学センサから見たときに、モニタ対象要素を覆わない。あるいは、全ての返却可能ボトルがモニタ対象要素を覆う、またはいずれの返却可能ボトルもモニタ対象要素を覆わない。
【0067】
ステップ256において、これに応じて、容器回収機装置の処理回路は、光学センサからの、第2部分視野に関するデータに基づいて、潜在的な返却可能容器が受容室に受容されたと判定し得る。さらに、このような判定時に、処理回路は、光学センサからの、第1部分視野に関するデータに基づいて、潜在的な返却可能容器が受容室に存在するという判定を選択的に開始し得る。これに加えてまたは代えて、処理回路は、このような判定を、光学センサからの、第1部分視野に関するデータに基づいて、第2部分視野に関する判定とは独立して行い得る。本発明の概念は、光学センサおよび第1部分視野を介して潜在的な返却可能容器が受容室に受容されたと判定する際に特に有利であろう。なぜならば、照明装置が発した放射線は、透過後に受容室の外側のスペースに向かうからである。したがって、照明装置が発した放射線により引き起こされる第1部分視野における光学センサとの干渉が、低減され得るか、または完全に防止され得る。
【0068】
ステップ258において、潜在的な返却可能容器が受容室に受容されたと判定されると、閉鎖要素の閉鎖が開始され得る。すなわち、閉鎖要素が、閉鎖形態に設定され得る。閉鎖要素の閉鎖中に、光学センサは、ステップ260においてモニタ対象要素をモニタリングし得る。閉鎖要素の閉鎖中に、光学センサから、第2部分視野を介して見たときに、モニタ対象要素が物体によって覆われた場合、処理回路は、ステップ262において、物体がモニタ対象要素を覆っていると判定し得る。そして、閉鎖要素の閉鎖が中止され得るか、または閉鎖要素が開放形態に向けて移動され得る。
【0069】
次いで、容器回収機装置は、例えば所定時間の経過後、またはユーザが容器回収機に返却セッションを続行する指示を得た時点で、ステップ264において、閉鎖要素の閉鎖を試みる。
【0070】
閉鎖要素が閉鎖すると、すなわち、閉鎖要素が閉鎖形態になると、ステップ266において、処理回路は、光学センサから受信した、第1部分視野を介したデータに基づいて、潜在的な返却可能容器を分類、判定および/または識別し得る。背景パネルおよび背景パネルを背後から照明する背景照明装置は、このような分類、判定および/または識別を容易にし得る。閉鎖形態にある閉鎖要素は、外光が受容室に至ることを制限することで、このような分類、判定および/または識別をさらに容易にし得る。
【0071】
潜在的な返却可能容器が、容器回収機に受け入れられる返却可能な容器であると判定された場合、ステップ268において、受容室で返却可能容器を支持する受容手段が、移動、格納および/または開放され得る。これにより、返却可能容器が受容室から例えば重力によって移動し、容器回収機によってさらに処理され得る。
【0072】
返却可能容器が受容室から移動した後、ステップ250と同様に閉鎖要素は開放され得る。そして、新しいサイクルが開始され得る。例えば、別の潜在的な返却可能容器が供給口を介して受容領域に挿入され、処理回路は、光学センサからの、第2部分視野および/または第1部分視野に関するデータに基づいて、潜在的な返却可能容器が受容室に受容されたと再び判定し得る。
【0073】
受容室に潜在的な返却可能容器があるという判定がない状態で所定時間が経過した後、および/またはユーザが容器回収機装置のユーザインターフェースを介して終了を開始した時点で、返却セッションはステップ270において終了され得る。
【0074】
図5を参照して、容器回収機装置を操作するための方法について説明する。容器回収機装置は、容器回収機を備え、容器回収機は、容器回収機に返却される返却可能容器を受容するように配置されている。容器回収機は、返却可能容器の検出および/または検査中に返却可能容器を支持するための受容手段を備えた受容室と、前記受容室へのアクセスを提供するように配置された供給口と、返却可能容器が前記受容手段に受容され支持されているとき、当該返却可能容器の部分像または全体像を含む第1部分視野を有する光学センサと、前記供給口の近傍に配置されるとともに、前記供給口に沿って延びるモニタ対象要素と、前記容器回収機の内部に配置されたミラーであって、前記光学センサに前記モニタ対象要素をカバーする第2部分視野を提供するように構成されたミラーと、前記モニタ対象要素を透過した直後に前記受容室の外側のスペースに主に向かう放射線を発することにより前記モニタ対象要素を背後から照明するように構成された照明装置と、を備える。本方法は、前記モニタ対象要素を前記照明装置により背後から照明するステップ280と、前記モニタ対象要素に関するセンサデータを、前記光学センサから前記第2部分視野を介して受信するステップ282と、物体が前記モニタ対象要素を覆っているかどうかを、処理回路により前記センサデータに基づいて判定するステップ284と、物体がモニタ対象要素を覆っている場合に、物体および/または容器回収機装置を保護するために安全動作を開始するステップ286と、を備える。
【0075】
本方法は、前記受容室内の潜在的な返却可能容器に関する第2センサデータを、前記光学センサから第1部分視野を介して受信するステップ288と、前記処理回路により前記第2センサデータに基づいて、前記潜在的な返却可能容器が受容室に受容されたかどうかを判定するステップ290と、さらに備え得る。
【0076】
図4で開示されたステップのうちのいずれか1つが、図5で開示された方法に組み込まれ得ることが理解されるべきである。
【0077】
本発明の概念を、主に数個の実施形態を参照して説明した。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、上記の開示されたもの以外の実施形態が、添付の特許請求の範囲により定義されるように、本発明の概念の範囲内で等しく可能である。
【0078】
[実施例のアイテムリスト]
アイテム1
プラスチック製、ガラス製または金属製のボトルや缶等の返却可能容器を受容するように構成された容器回収機を備える容器回収機装置であって、
前記容器回収機は、
返却可能容器の検出および/または検査中に返却可能容器を支持するための受容手段を有する受容室と、
返却可能容器に前記受容室へのアクセスを提供するように配置された供給口と、
返却可能容器が前記受容手段に受容され支持されているとき、当該返却可能容器の部分像または全体像を含む第1部分視野を有する光学センサと、
前記供給口の近傍に配置されるとともに、前記供給口に沿って延びるモニタ対象要素と、
前記容器回収機の内部に配置されたミラーであって、前記光学センサに前記モニタ対象要素をカバーする第2部分視野を提供するように構成されたミラーと、
前記モニタ対象要素を透過した直後に前記受容室の外側のスペースに主に向かう放射線を発することにより前記モニタ対象要素を背後から照明するように構成された照明装置と、
を備え、
前記容器回収機装置は、前記光学センサから受信した、前記第1部分視野に関するデータに基づいて、前記受容室における潜在的な返却可能容器の存在を判定するように構成された処理回路をさらに備え、前記処理回路は、前記光学センサから受信した、前記第2部分視野に関するデータに基づいて、前記モニタ対象要素が背後から照明されているときに物体が前記モニタ対象要素を覆っているかどうかを判定するように、かつ、物体が前記モニタ対象要素を覆っているとの判定時には、前記物体および/または容器回収機装置を保護するために安全動作を開始するようにさらに構成される、
容器回収機装置。
【0079】
アイテム2
前記容器回収機は、閉鎖要素をさらに備え、前記閉鎖要素は、前記受容室へのアクセスが前記供給口を介して提供される開放形態と、前記閉鎖要素が前記供給口を覆うことで前記受容室へのアクセスが制限される閉鎖形態との間で作動するように構成され、
前記安全動作は、前記閉鎖要素の操作を中止するステップまたは前記閉鎖要素を前記開放形態に向かって移動させるステップを備える、
アイテム1に記載の容器回収機装置。
【0080】
アイテム3
前記モニタ対象要素は、前記第1部分視野において、前記光学センサの視線から外れて配置される、
アイテム1または2に記載の容器回収機装置。
【0081】
アイテム4
前記モニタ対象要素は、前記供給口の内部においてその内側に配置される、
先行アイテムのいずれか1つに記載の容器回収機装置。
【0082】
アイテム5
前記容器回収機は、空のまたは使用済みの、食料容器および/または飲料容器を受容するように構成される、
先行アイテムのいずれか1つに記載の容器回収機装置。
【0083】
アイテム6
前記容器回収機は、返却可能容器が前記受容手段に受容され支持されている場合に、前記光学センサに対して返却可能容器の後方に配置された少なくとも1つの背景パネルをさらに備え、前記少なくとも1つの背景パネルは、前記光学センサから見た前記第1部分視野において、返却可能容器の背景を形成する、
先行アイテムのいずれか1つに記載の容器回収機装置。
【0084】
アイテム7
前記モニタ対象要素と前記背景パネルのうち、前記モニタ対象要素のみが、前記照明装置により背後から照明される、
アイテム6に記載の容器回収機装置。
【0085】
アイテム8
前記照明装置は、少なくとも1つのLEDを備える、
先行アイテムのいずれか1つに記載の容器回収機装置。
【0086】
アイテム9
容器回収機を備える容器回収機装置を操作するための方法であって、前記容器回収機は、前記容器回収機に返却される返却可能容器を受容するように構成され、
前記容器回収機は、
返却可能容器の検出および/または検査中に返却可能容器を支持するための受容手段を有する受容室と、
前記受容室へのアクセスを提供するように配置された供給口と、
返却可能容器が前記受容手段に受容され支持されているとき、当該返却可能容器の部分像または全体像を含む第1部分視野を有する光学センサと、
前記供給口の近傍に配置されるとともに、前記供給口に沿って延びるモニタ対象要素と、
前記容器回収機の内部に配置されたミラーであって、前記光学センサに前記モニタ対象要素をカバーする第2部分視野を提供するように構成されたミラーと、
前記モニタ対象要素を透過した直後に前記受容室の外側のスペースに主に向かう放射線を発することにより前記モニタ対象要素を背後から照明するように構成された照明装置と、
を備え、
前記方法は、
前記モニタ対象要素を前記照明装置により背後から照明するステップと、
前記モニタ対象要素に関するセンサデータを、前記光学センサから前記第2部分視野を介して受信するステップと、
物体が前記モニタ対象要素を覆っているかどうかを、処理回路により前記センサデータに基づいて判定するステップと、
物体が前記モニタ対象要素を覆っている場合、前記物体および/または容器回収機装置を保護するために安全動作を開始するステップと、
を備える方法。
【0087】
アイテム10
前記受容室における潜在的な返却可能容器に関する第2センサデータを、前記光学センサから前記第1部分視野を介して受信するステップと、
前記潜在的な返却可能容器が前記受容室に受容されたかどうかを、前記処理回路により前記第2センサデータに基づいて判定するステップと、
をさらに備えるアイテム9に記載の方法。
【0088】
アイテム11
前記潜在的な返却可能容器が前記受容室に受容されたかどうかを判定するステップは、前記モニタ対象要素に関するセンサデータにさらに基づく、
アイテム10に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5