(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】防災警報連携システム
(51)【国際特許分類】
G08B 27/00 20060101AFI20231227BHJP
G08B 29/12 20060101ALI20231227BHJP
G08B 21/10 20060101ALI20231227BHJP
H04H 20/59 20080101ALI20231227BHJP
【FI】
G08B27/00 C
G08B29/12
G08B21/10
H04H20/59
(21)【出願番号】P 2022091318
(22)【出願日】2022-06-06
(62)【分割の表示】P 2021033312の分割
【原出願日】2017-06-15
【審査請求日】2022-07-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【氏名又は名称】竹内 進
(72)【発明者】
【氏名】島 裕史
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-047942(JP,A)
【文献】特開2006-221458(JP,A)
【文献】特開2007-011828(JP,A)
【文献】特開2011-237954(JP,A)
【文献】特開2013-065195(JP,A)
【文献】特開2004-362537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00-31/00
H04H 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地域防災無線設備に設けられた緊急情報受信装置により、緊急情報放送の試験信号を受信した場合に前記地域防災無線設備から中継アダプタを介して警報器へ試験通報信号を送信して試験させる防災警報連携システムであって、
前記中継アダプタは、前記地域防災無線設備から前記試験通報信号を受信した場合に、試験連動信号に変換して送信し、
前記警報器は、
前記中継アダプタから前記試験連動信号を受信した場合に、表示灯を所定時間作動することにより試験防災情報を報知出力し、前記表示灯の作動中に所定の操作を検出した場合は、音声により試験防災情報を報知出力し、
前記試験連動信号を受信する毎に、前記音声による試験防災情報の報知出力がなかった回数を連続して計数し、連続回数が所定の閾値回数に達した場合に、前記音声による試験防災情報を報知出力することを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項2】
放送設備から中継アダプタを介して警報器へ試験通報信号を送信して試験させる防災警報連携システムであって、
前記中継アダプタは、前記放送設備から前記試験通報信号を受信した場合に、試験連動信号に変換して送信し、
前記警報器は、
前記中継アダプタから前記試験連動信号を受信した場合に、表示灯を所定時間作動することにより試験防災情報を報知出力し、前記表示灯の作動中に所定の操作を検出した場合は、音声により試験防災情報を報知出力し、
前記試験連動信号を受信する毎に、前記音声による試験防災情報の報知出力がなかった回数を連続して計数し、連続回数が所定の閾値回数に達した場合に、前記音声による試験防災情報を報知出力することを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項3】
請求項2記載の防災警報連携システムに於いて、
前記放送設備は、緊急情報受信装置により緊急情報放送の試験信号を受信した場合に前記試験通報信号を送信することを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項4】
請求項1又は2記載の防災警報連携システムに於いて、
前記警報器は、
前記試験連動信号を受信しない期間を計測し、当該期間が前記
試験連動信号を受信する周期である所定の試験周期を超えた場合は、前記表示灯の作動又は音声により、通信障害を報知出力することを特徴とする防災警報連携システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内に設置した火災やガス漏れなどの異状を検知して警報する警報器を利用して市町村防災無線設備などの地域防災無線設備から送信された地震や津波などの防災警報を出力させる防災警報連携システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅における火災やガス漏れなどの異状を検出して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用災警報器を住警器と言う。
【0003】
例えばこのような住警器にあっては、住警器内にセンサ部と警報部を一体に備え、センサ部で火災の検出信号から火災を検知すると警報部から所定パターンの火災警報を出力させるようにしており、専用の受信設備等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
【0004】
また、複数の住警器間で通信を行うことによって、任意の住警器で火災警報が出力されると、他の住警器でも連動して火災警報を出力させる連動型の警報システムも提案され、実用化されている。
【0005】
このような連動型の警報システムでは、住警器で火災を検知した場合には、火災を検知した連動元の住警器は、メッセージを含む所定パターンの火災警報音、例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を出力し、一方、連動先の住警器では例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった火災警報音を出力するようにしている。
【0006】
一方、市町村が防災行政のために市町村防災無線設備を設置して運用している。市町村防災無線設備は、操作卓を備えた親局、中継局、及び子局から構成され、子局には拡声器から警報を知らせる拡声子局が設置され、必要に応じて屋内に設置されて警報を知らせる戸別受信機も設けられる。
【0007】
このような市町村防災無線設備にあっては、緊急地震速報が受信されたり、津波警報が発令された場合、防災行政の担当者が操作卓の対応する警報操作釦を操作すると、音声信号を変調した緊急情報信号が親局から送信され、中継局を介して又は直接に屋外に設置した拡声子局及び住居に設置した戸別受信機で緊急情報信号が受信され、受信信号の復調により音声信号を再生し、拡声器から設定音量で警報を担当地区に流したり、戸別受信機から警報を出力ようにしている。
【0008】
また近年にあっては、国の施策により、従来のアナログシステムを破棄し、デジタルシステムへの移行が進められており、近い将来、全市町村にデジタルシステムが導入されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2014-018559号公報
【文献】特開2007-094719号公報
【文献】実用新案登録第3154579号公報
【文献】特開2009-244937号公報
【文献】特開2009-284237号公報
【文献】特開2008-299597号公報
【文献】実用新案登録第3167638号公報
【文献】特開2009-288897号公報
【文献】国際公開第2009/118951号公報
【文献】特開2011-022989号公報
【文献】特開2002-163713号公報
【文献】特開2013-047942号公報
【文献】社団法人電波産業界”市町村デジタル同報通信システム 標準規格 ARIB STD-T86 2.0版“、平成17年11月30日 2.0改定[平成23年5月30日検索]、インターネット(URL:www.arib.or.jp/tyosakenkyu/kikaku_tushin/tsushin_kikaku_number.html)
【文献】「Iネットサービス開始で加入者減に歯止め公共機関向けIP通信も」,テレコミュニケーション,株式会社リックテレコム,1999年 9月25日、第16巻 第10号,p.98~99
【文献】「全国瞬時警報システム(J-ALERT)についての検討会報告書、実証実験結果及び標準仕様書」,[online],平成18年 3月27日,消防庁,[平成28年2月8日検索],インターネット<URL:http://www.kokuminhogo.go.jp/shiryou><URL:http//www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/h18/180327_j-alert.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような従来の市町村防災無線設備にあっては、親局から送信した緊急情報信号を屋外に設置した拡声子局で受信して拡声器から大音量で管轄地域に警報を流すようにしているが、複数の拡声子局から同時に警報が出力された場合、両方からの音が届く場所では、複数の音が干渉して聞こえることで、警報内容が聞き取り辛いという問題があり、また締め切った屋内にいる場合には、拡声子局による屋外の警報が聞こえにくいという問題も残されている。
【0011】
この問題を解決するためには、全ての住戸に専用の戸別受信機を設置すれば良いが、その設置コストが大幅に増大し、維持管理に手間と時間がかり、現実的とはいえない。
【0012】
また戸別受信機を住戸に設置した場合、戸別受信機からの音が聞こえる範囲でしか緊急地震速報や津波警報などの警報を聴くことができず、戸別受信機を部屋毎に設置することは、コスト高になったり、各所に設置スペースを確保しなければならないといった問題がある。
【0013】
また、戸別受信機は、部屋によっては電波事情が悪く電波が充分な強度で受信できない場合があり、このような場所に設置しても有効に機能しない恐れもある。
【0014】
この問題を解決するため本願発明者にあっては、市町村防災無線設備から送信した緊急情報通報信号を、中継アダプタによりプロトコル変換して住宅内に設置した住警器に送信して防災情報を出力するようにした防災情報連携システムを提案している。
【0015】
このような防災情報連携システムにあっては、定期的な試験による住警器から防災情報を出力して動作を確認する必要があり、市町村防災無線設備に設けた親機の試験操作などにより実現可能であるが、人為的な運用では手間と時間がかかる問題もある。また住警器側に試験タイマを設けて自動試験を行うことも考えられるが、試験タイマは時刻情報を持たせることはコスト的に困難であり、試験タイマの初期スタート時刻やタイマ誤差の累積などにより、夜間の就眠中に防災情報の試験報知が行われる可能性が問題として残る。
【0016】
この問題を解決するため、地域防災無線設備から送信した緊急情報通報信号を、中継アダプタによりプロトコル変換し、住宅への設置が義務付けられた火災警報器等の警報器に送信して緊急地震速報や津波警報などの防災情報を出力する防災警報連携システムが提案されている(特許文献1)。
【0017】
このような防災警報連携システムによれば、低コストで住戸毎に緊急地震速報や津波警報を報知させるシステムを構築することができ、併せて、地域防災無線設備に設けた緊急情報受信装置により例えば毎月1日の正午前に送信される緊急地震放送の試験放送を検知し、中継アダプタによるプロトコル変換を経て警報器に試験連動信号を送信して試験するようにしたため、地域防災無線設備と警報器の連携動作および警報器の報知動作の試験を定期的且つ自動的に行うことができ、連携システム動作の信頼性を向上することができる。
【0018】
しかしながら、毎月1日の正午前に送信される緊急地震放送の試験放送に基づき試験連動信号を住警器に送信して試験するようにした場合には、試験連動信号を受信した住警器は、毎回、「ピーピー 緊急警報試験を行います 緊急警報が発令されました。」といった試験防災情報の音声メッセージを繰り返し報知出力することとなり、利用者によっては、試験防災情報の音声メッセージをうるさく感じる場合があり、使い勝手が悪くなる可能性が残る。
【0019】
本発明は、市町村防災無線設備などの地域防災無線設備との連携により屋内設置した警報器から緊急地震速報や津波到来などの防災情報を報知する場合の動作試験を簡単且つ適切に行うことを可能とする防災警報連携システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、地域防災無線設備に設けられた緊急情報受信装置により、緊急情報放送の試験信号を受信した場合に地域防災無線設備から中継アダプタを介して警報器へ試験通報信号を送信して試験させる防災警報連携システムであって、
中継アダプタは、地域防災無線設備から試験通報信号を受信した場合に、試験連動信号に変換して送信し、
警報器は、中継アダプタから試験連動信号を受信した場合に、表示灯を所定時間作動することにより試験防災情報を報知出力し、表示灯の作動中に所定の操作を検出した場合は、音声により試験防災情報を報知出力することを特徴とする。
【0021】
本発明の他の形態として、放送設備から中継アダプタを介して警報器へ試験通報信号を送信して試験させる防災警報連携システムであって、
中継アダプタは、放送設備から試験通報信号を受信した場合に、試験連動信号に変換して送信し、
警報器は、中継アダプタから試験連動信号を受信した場合に、表示灯を所定時間作動することにより試験防災情報を報知出力し、表示灯の作動中に所定の操作を検出した場合は、音声により試験防災情報を報知出力することを特徴とする。
【0022】
放送設備は、緊急情報受信装置により緊急情報放送の試験信号を受信した場合に試験通報信号を送信する。
【0023】
放送設備は、コミュニティFM放送又はワンセグ放送を行う。
【0024】
警報器は、監視領域の異状を検知した場合に警報を報知出力する。
【0025】
警報器は、試験連動信号を受信する毎に、音声による試験防災情報の報知出力がなかった回数を連続して計数し、連続回数が所定の閾値回数に達した場合に、音声による試験防災情報を報知出力する。
【0026】
地域防災無線設備又は放送設備は、所定の試験周期で試験通報信号を送信し、
警報器は、試験連動信号を受信しない期間を計測し、当該期間が所定の試験周期を超えた場合は、表示灯の作動又は音声により、通信障害を報知出力する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、地域防災無線設備から送信した緊急情報通報信号を、中継アダプタによりプロトコル変換し、住宅への設置が義務付けられた火災警報器等の警報器に送信して緊急地震速報や津波警報などの防災情報を出力することで、低コストで住戸毎に緊急地震速報や津波警報を報知させるシステムを構築することができ、併せて、地域防災無線設備に設けた緊急情報受信装置により例えば毎月1日の正午前に送信される緊急地震放送の試験放送を検知し、中継アダプタによるプロトコル変換を経て警報器に試験連動信号を送信して試験するようにしており、警報器の自動試験は例えば毎月1日の正午前の試験放送に基づき1ケ月単位に行うが、試験連動信号を受信した場合に、試験防災情報の音声メッセージは行わず、LED等の表示灯を所定時間作動して報知し、表示灯の作動中に警報停止スイッチの操作が検出された場合に、試験防災情報の音声メッセージによる報知出力を行うことから、定期的に受信される試験連動信号により試験防災情報の音声メッセージが出力されるという煩わしさを解消できる。
【0028】
また、試験連動信号を受信すると警報器のLED等の表示灯が所定時間作動していることから、必要な場合は警報器に設けられている警報停止スイッチを操作すると、試験防災情報の音声メッセージが出力され、試験により警報器が正常に動作していることが確認できる。
【0029】
さらに、試験連動信号の受信による表示灯の作動があっても、スイッチ操作により試験防災情報の音声メッセージの報知出力を行っていない場合は、試験連動信号が受信されてもスイッチ操作による音声メッセージの報知出力が行われていない連続回数を計数し、所定の閾値回数に達したら試験防災情報の音声メッセージの報知出力が自動的に行われ、閾値回数を例えば3回又は6回に設定しておくことで、3ケ月単位や6ケ月単位といった周期で試験による音声メッセージの報知出力を行わせることを可能とする。
【0030】
また、警報器に期間を計時するタイマ機能を設けることなく、試験防災情報の音声メッセージを報知出力させる周期を、簡単な構成で必要に応じて設定可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】市町村防災無線設備と住警器を組み合わせた本発明による防災警報連携システムの概略構成を示した説明図
【
図2】市町村防災無線設備の通信方式におけるフレーム構成を示した説明図
【
図3】中継アダプタで決まる通信サービス地域の分布を示した説明図
【
図5】
図1の親局に設けた緊急情報受信装置の概略構成を示したブロック図
【
図6】
図1の拡声子局の概略構成を示したブロック図
【
図7】
図1の戸別受信機の概略構成を示したブロック図
【
図8】本発明で使用する住警器の外観を示した説明図
【
図9】
図1の防災警報連携システムで屋外設置する中継アダプタと屋内設置する住警器の実施形態を示したブロック図
【
図10】
図9の住警器で使用する連動信号を示した説明図
【
図11】
図1における市町村防災無線設備の親局による処理の概略を例示したフローチャート
【
図12】
図9の住警器による処理の概略を例示したフローチャート
【
図15】音声信号に緊急情報制御データ信号を重畳させて住警器側に送信する市町村防災無線設備における親局の実施形態を示したブロック図
【
図16】
図15の親局から送信された通報信号から緊急情報制御データ信号を復調し、連動信号に変換して住警器側に送信する中継アダプタの実施形態を示したブロック図
【
図17】コミュニティFM放送局と住警器を組み合わせた本発明による防災警報連携システムの概略構成を示した説明図
【
図18】
図17における中継アダプタの実施形態を示したブロック図
【
図19】ワンセグ放送局と住警器を組み合わせた本発明による防災警報連携システムの概略構成を示した説明図
【
図20】
図19における中継アダプタの実施形態を示したブロック図
【発明を実施するための形態】
【0032】
[防災警報連携システムの構成]
(システムの概略)
図1は地域防災無線設備として市町村防災無線設備を例にとり、これと住警器を組み合わせた本発明による防災警報連携システムの概略を示した説明図である。
【0033】
図1において、本発明による防災警報連携システムは、市町村などの対象地域をサービスエリアとしてカバーする市町村デジタル同報通信システムとして知られた市町村防災無線設備10と、同じ対象地域に建てられている住宅24に設置した火災を検知して連動警報する無線式の住警器(住宅用火災警報器)100を備えた警報システムで構成される。
【0034】
ここで市町村防災無線設備10は所定の第1無線通信プロトコルに従って無線により信号を送信、受信及び中継し、一方、住警器100はこれとは異なる所定の第2無線通信プロトコルに従って連動信号を送信、受信及び中継することにより、連動警報を行う。なお、第1無線通信プロトコルは請求項の第1通信プロトコルに対応し、第2無線通信プロトコルは請求項の第2通信プロトコルに対応する。
【0035】
また住警器100は設置している住宅24毎に固有のグループを形成しており、住警器100から送信する連動信号には所定のグループ符号が含まれており、連動信号を受信した場合、当該連動信号を解読して得られたグループ符号が自己の属するグループ符号に一致した場合に、連動信号の有効受信を検知して連動警報を行う。
【0036】
市町村防災無線設備10は、親局12、操作卓14、拡声器18を備えた拡声子局16、戸別受信機20、中継局22などが適宜配置されて構成される。親局12は、市役所や村役場などに設けられる最上位局であって、中継局22や拡声子局16と双方向通信すると共に、親局12の近傍の戸別受信機14と下り方向の通信を行う。中継局22は、電波の届かない地域を考慮して例えば山頂に設置され、親局12と拡声子局16との間の双方向中継および親局12から戸別受信機20への中継を行う。
【0037】
尚、
図1にあっては、戸別受信機20は住宅24以外の場所、例えば公民館などの公共施設に設けた場合を示しており、必要に応じて住宅24に設けることもできるが、本実施形態にあっては、住宅24に設けた住警器100を利用して防災情報を報知出力させることから、住警器100が戸別受信機20の一部の機能をまかなうこととなり、このため住戸受信機20を住宅24に必ずしも設置する必要はない。尚、住宅24には住戸や家屋なども含まれる。
【0038】
また、市町村防災無線設備10は、これ以外に電波伝搬の悪い谷間などの限定された地域に電波を中継する再送信子局、操作卓14と有線接続され、親局12以外の場所から親局12を制御して子局の選択呼出しや拡声通報を行う遠隔制御局などが必要に応じて設置される。なお、
図1にあっては、中継局22を1つ配置した場合を例にとっているが、必要に応じて複数の中継局22や再送信子局を設置することで、親局12と複数の戸別受信機20及び拡声子局16との間を無線回線で結んだ防災無線ネットワークを構築している。
【0039】
更に本実施形態にあっては親局12に対し緊急情報受信装置15を設けている。緊急情報受信装置15は、緊急情報放送である緊急警報放送または緊急地震速報の受信を検知した場合に放送信号を自動的に再生出力し、また緊急警報放送の試験信号の受信を検知した場合は、親機12から試験通報信号を送信させる。更に緊急情報受信装置15は緊急地震速報の受信を検知した場合には、親局12から緊急地震速報通報信号を自動的に送信させる。
【0040】
市町村防災無線設備10の通信方式は、1つの無線キャリアをフレームに区切り、フレームを多重数に対応したスロットに分けることによってマルチチャネル化するTDMA(時分割多重:Time Division Multiple Access)-TDD(時分割複信:Time Division Duplex)方式とする。具体的には、無線設備規則第58条の2の12に規定される60MHz帯における市町村デジタル防災無線通信方式のTDMA-TDD方式による防災行政用のデジタル同報通信システムの無線区間インタフェースの規格に従う。
【0041】
図2は、市町村防災無線設備10の通信方式におけるフレーム構成(TDMA無線方式におけるフレーム構成)を示した説明図である。1フレームは、スロット#0~#5の6個のスロットでなり、スロット#0及びスロット#3が親局と子局が情報を転送するポイント・ツー・ポイントの双方向チャネルとなるシグナリングチャネルSCCHであり、スロット#1、スロット#2、スロット#4及びスロット#5が、ユーザが通信のために専用に使用するトラフィックチャネルTCHである。またスロット#0~スロット#2が基本的には下り方向のスロットであり、スロット#3~スロット#3が基本的には上り方向のスロットである。
【0042】
再び
図1を参照するに、本実施形態にあっては、市町村防災無線設備のサービス地域を地域の状況に応じて分割したサービス地区毎に中継アダプタ100を屋外に設置しており、中継アダプタ100は例えば拡声子局16を設置している支柱に設置している。中継アダプタ200は、親局12から送信されるか又は中継局22を経由して送信される第1無線通信プロトコルに従った通報信号を受信し、当該通報信号を住警器100側の第2無線通信プロトコルに従った連動信号に変換して送信する。
【0043】
中継アダプタ200から送信する連動信号には、共通グループ符号が含まれており、各住宅24に設置している住警器100は、連動信号を受信解読して共通グループ符号を検知した場合、自己の属するグループ符号に合致しなくとも、中継アダプタ200からの連動信号を有効受信して報知出力を行う。ここで、共通グループ符号を設定した連動信号は、請求項におけるグループ指定なしの連動信号を意味する。
【0044】
中継アダプタ200のサービス地区となる通信可能エリアは、例えば拡声子局16の拡声器18からの音が届く地区に存在する家屋の屋内に設置している住警器100を含むエリアとする。このため中継アダプタ200はその送信電力、アンテナの向きなどにより、必要とするサービス地区を通信可能エリアとしてカバーできるように設置する。
【0045】
また一台の中継アダプタ200では必要とするサービス地区をカバーできない場合には、中継アダプタ200を必要に応じて複数台設置する。また中継アダプタ200を拡声子局16の近傍、例えば支柱に設置することで、屋外設置している中継アダプタ200に対するAC電源として、拡声子局16のAC電源をそのまま使用することができ、中継アダプタ200に専用の屋外AC電源を確保する必要がないことで、設備構成を簡単にし、設置コストも低減できる。
【0046】
図3は、
図1の実施形態において中継アダプタで決まる通信のサービス地域の分布の例を示した説明図である。ここでサービス地域を分割したものを以下ではサービス地区若しくはサービス区域という。
【0047】
図3において、親局12及び中継局22による市町村防災無線設備のサービス地域(通信可能エリア)には、例えばサービス地区A1~A4に分けて中継アダプタ200を屋外設置しており、屋外設置した中継アダプタ200はそれぞれのサービス地区A1~A4に存在する住戸の屋内に設置している住警器100をカバーする通信可能エリアを設定している。
【0048】
このようにサービス地区A1~A4に対応して中継アダプタ200を屋外設置することにより、親局12は中継アダプタ200を送信先として選択することで、通報信号を送るサービス地区A1~A4を任意に選択することができ、必要に応じて1又は複数のサービス地区を選択して緊急通報に基づく防災情報を、選択したサービス地区の住戸の屋内に設置している住警器100から報知出力することができる。
【0049】
例えば緊急地震速報や緊急警報の場合は親局12での操作により全地域の中継アダプタ200を選択して緊急警報情報通報信号を送信するが、津波警報の場合には、海岸線に面した地区の中継アダプタ200を選択して緊急警報情報通報信号を送信するようになる。
【0050】
(親局12の構成)
図4は、親局12の概略構成を示したブロック図である。親局12は、ハードウェアとしてプロセッサ(コンピュータ)を使用し、そのプログラムの実行より実現する機能として制御部26、音声入力部28、電話制御部30を設け、更に、ハードウェアとして第1無線通信プロトコルに従った無線送受信を行うアンテナ34を接続した無線通信部32を設けている。
【0051】
親局12に対しては操作卓14が設けられ、操作卓14には操作部36、表示部38、放送用マイク40及び親電話機42などが設けられる。また本実施形態にあっては緊急情報受信装置15が設けられ、緊急警報放送または緊急地震速報の受信を検知した場合に、それぞれの放送内容を再生出力する。また緊急情報受信装置15で緊急地震速報の受信を検知した場合は、親局12に対し緊急地震速報検知信号を出力するようにしている。更に緊急情報受信装置15で緊急警報放送の試験信号の受信を検知した場合は、親局12に対し試験通報信号を出力するようにしている。
【0052】
操作部36には例えば全地区選択釦、中継アダプタ200の設置に対応した地区選択釦が設けられており、防災警報の種類に応じて防災担当者は全地区選択釦又は予め決めている所定の地区選択釦により通報地区を選択して通報信号を送信する操作を行う。
【0053】
親局12の制御部26には操作卓36に設けた操作部36と表示部38が接続され、制御部26は操作部36に設けている各種の通報釦及び地区選択釦の操作に基づく通報指示信号の入力を検知すると、対応する防災データを図示しないデータベースから取得して無線通信部32に出力し、送信データを所定のスロットに配置させて送信させる。
【0054】
また制御部26は無線通信部32で受信復調されたスロットから取り出された受信データを解読し、例えば操作卓上38の表示部38に出力して表示させる。音声入力部28は放送用マイク40から入力した音声信号を音声符号化し、無線通信部32に送信データとして出力して所定のスロットに配置させて送信させる。電話制御部30は拡声子局16などに設けた子電話機と操作卓14に設けた親電話機42との間の通話接続を制御する。
【0055】
無線通信部32は
図2に示したフレームの上りスロットを変調送信する送信動作と下りスロットを受信復調する受信動作を繰り返し行う。無線通信部32による第1無線通信プロトコルに従った無線通信は、無線周波数帯は60MHz帯(54~70MHz)とし、チャネル間隔は15KHzとする。アンテナ送信電力は10W以下であり、変調方式は16QAM方式(16値直交変調方式)とし、親局12から子局への下り回線と子局から親局12への上り回線を使用し、同報通信、単向通信、複信、半複信の通信を可能とする。
【0056】
親局12から子局に対する通信には、音声通信、非音声通信となるデータ、画像、ファクシミリ、文字情報等の通信が含まれる。また通信形態としては、特定の子局を相手として通信する戸別通信、複数の子局で構成されるグループを対象として通信するグループ通信、待受中の全子局を対象として一括通信を行う同報通信、緊急時、親局12で子局の発呼制御、通話時間制限などの通信統制を可能とする通信統制などがある。
【0057】
本実施形態にあっては、親局12から第1無線通信プロトコルに従って緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号及び緊急警報通報信号を送信し、これを屋外に設置した中継アダプタ200で対応する第2無線通信プロトコルに従った緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号及び緊急警報連動信号に変換し、屋内に設置した住警器100は、緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号又は緊急警報連動信号の有効受信を検知した場合に、それぞれに対応した防災情報を報知出力する。
【0058】
親局12の防災担当者は、緊急情報受信装置15により緊急情報放送を受信して非常通報の必要性を判断した場合、操作卓14に設けている緊急地震速報、津波警報又は緊急警報の通報釦及び通報地区の選択釦などを操作することで、同報通信又は戸別通信により緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号又は緊急警報通報信号を子局側へ送信して通報させる。
【0059】
この緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号又は緊急警報通報信号を子局側へ送信は、防災担当者の操作によらず、緊急警報受信装置15による緊急地震速報、津波警報又は緊急警報の放送信号の受信検知に基づく出力信号により、自動的に親局12から送信しても良い。
【0060】
ここで、テレビ受信機、FM受信機又はAM受信機により受信する緊急情報放送には、緊急地震速報(EEW:Earthquake Early Warning)と緊急警報放送(EWS:Emergency Warning System)がある。緊急地震速報は、一般向けの場合、推定最大震度5弱以上で気象庁から発表される警報であり、強い揺れが予想される地域に対し、地震動により重大な災害が起こるおそれのある旨を警告する放送である。緊急地震速報は例えば「(チャイム音2回)緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。・・・・・」といった放送を繰り返す。
【0061】
緊急警報放送は、地震などの大規模災害が発生した場合や、津波警報が発表された場合などに行われる警報であり、待機状態にあるテレビやラジオ受信機のスイッチを自動的にオンさせる。緊急警報放送の開始と終了には、第1種開始信号、第2種開始信号及び終了信号を使用する。第1種開始信号は、東海地震の警戒宣言が発表された場合、または自治体の知事や長から避難指示が発動された場合などに送信され、受信機を自動的にオンさせる。また、第2種開始信号は、津波警報が発表された場合にのみ送信され、同じは受信機を自動的にオンさせる。終了信号は第1種または第2種開始信号の送信から所定時間後に送信され、受信機を自動的にオフさせる。また受信機の動作を確認するために試験信号を例えば月1回所定の時刻、例えば毎月1日の正午前に送信しており、この試験信号は終了信号と同一であり、終了信号のみを受信した場合は受信機が正常に動作するかの確認動作を行わせる。
【0062】
なお、以下の説明では、緊急地震速報、津波警報および緊急警報をまとめて表す場合は、緊急情報といい、また、親局12から送信するこれらを表す信号を緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号および緊急警報通報信号といい、まとめて表す場合は緊急情報通報信号という。更に、緊急情報受信装置15による緊急警報放送の試験信号の受信検知に基づき親局12から送信する信号を試験通報信号という。
【0063】
また、警報システム内で住警器100同士が送受信する信号を「連動信号」といい、連動信号には、火災連動信号、火災復旧連動信号、警報停止連動信号及び障害連動信号などがある。また中継アダプタ200は親局12から第1無線通信プロトコルに従った緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号、緊急警報通報信号及び試験通報信号を受信した場合、当該通報信号に基づき第2無線通信プロトコルに従った共通グループ符号を含む連動信号(グループ指定無しの連動信号)に変換して中継送信することになり、この場合の連動信号を緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号、緊急警報連動信号及び試験連動信号という。更に、住警器100は中継アダプタ200又は他の住警器から緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号、緊急警報連動信号及び試験連動信号を受信した場合、当該連動信号に基づき自己の属する連動グループに割当てられたグループ符号を含む連動信号を生成して他の住警器に中継送信する。
【0064】
(緊急情報受信装置15の構成)
図5は
図1の親局に対し設けた緊急情報受信装置の概略構成を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0065】
図5において、緊急情報受信装置15は、プロセッサ82、FMアンテナ83を接続したFM受信部84、音声増幅部85、スピーカ86、表示部88、操作部90、メモリ192、インタフェース部94で構成され、プロセッサ82にはプログラムの実行で実現する機能として受信制御部96を設けている。
【0066】
FM受信部84は操作部90の操作で選局されたFM局にチューナを同調してその放送電波をFMアンテナ83により受信し、放送信号を復調して音声信号として出力する。音声増幅部85は待機状態で動作を停止しており、そのためスピーカ86から受信されたFM放送の再生出力は行われない。
【0067】
プロセッサ82に設けた受信制御部96の解析処理により、緊急地震速報信号、津波警報信号または緊急警報信号の有効受信を検知すると音声増幅部85を動作状態に切り替え、その時、FM受信部84から再生出力された緊急地震速報信号、津波警報信号または緊急警報信号の放送内容をスピーカ86から再生出力する。表示部88は待機受信表示、緊急地震速報受信表示、津波警報受信表示、緊急警報受信表示、選局周波数表示などのFM放送受信に必要な各種の表示を行う。
【0068】
プロセッサ82に設けた受信元制御部96は、FM受信部84で受信復調されたFM放送信号を入力して解析し、緊急地震速報信号、津波警報信号、緊急警報信号または緊急警報放送における試験信号の有効受信の有無を検知している。
【0069】
受信制御部96による緊急地震速報信号の解析と検知は、緊急地震速報放送信号の最初に流れる2回のチャイム音の解析処理により緊急地震速報信号が有効受信されたことを検知し、これに基づき音声増幅部85を例えば所定時間動作させて緊急地震速報を再生してスピーカ86から出力させる制御を行う。受信制御部96による緊急地震速報のチャイム音解析は、例えば特許文献3に記載されたベクトル相関法などで行う。
【0070】
また、受信制御部96による津波警報信号の解析と検知は、津波警報信号の最初の10秒間に流れる第2種開始信号の受信を解析して検知し、これに基づき音声増幅部85を例えば所定時間動作させて津波警報放送を再生させてスピーカ86から出力させる制御を行う。また第2種開始信号の解析検知から所定時間後、例えば10分後に送信されてくる終了信号の受信を解析して検知した場合、これに基づき音声増幅部85の動作を停止させてスピーカ86から放送音の出力を停止させる制御を行うようにしても良い。
【0071】
また、受信制御部96による緊急警報信号の解析と検知は、緊急警報信号の最初の10秒間に流れる第1種開始信号の有効を解析して検知した場合、これに基づき音声増幅部85を所定時間動作させて緊急警報放送を再生させてスピーカ86から出力させる制御を行う。また第1種開始信号の解析検知から所定時間後、例えば10分後に送信されてくる終了信号の受信を解析して検知した場合、これに基づき音声増幅部85の動作を停止させてスピーカ86から放送音の出力を停止させる制御を行うようにしても良い。
【0072】
また、受信制御部96による緊急警報放送の試験信号の解析と検知は、緊急警報放送の試験信号として例えばNHK(R)の場合、毎月1日の正午前に試験信号として、第一種開始信号や第2種開始信号を送信することなく、終了信号のみを送信してくることから、10秒間に流れる終了信号のみの有効を解析して検知した場合、試験信号の受信を判別し、これに基づき音声増幅部85を所定時間動作させて緊急警報試験放送を再生させてスピーカ86から出力させる制御を行い、更に、インタフェース部94から親局12に試験信号を出力し、親局12で第1通信プロトコルに従った試験通報信号を生成し、全住警器100を対象とした同報通信により送信させる。また受信制御部96は、終了信号の解析検知から所定時間後に再度送信されてくる終了信号の受信を解析して検知した場合、これに基づき音声増幅部85の動作を停止させてスピーカ86から放送音の出力を停止させる制御を行う。
【0073】
ここで、アナログ放送における第1種開始信号、第2種開始信号及び終了信号は、音声信号を使用し、デジタル信号のビット1を1024Hzの音声信号、ビット0を640Hzの音声信号に周波数変調したFSK信号を64bpsの通信速度で送信しており、ピロピロ音として聞くことができる。
【0074】
一方、デジタル放送では、緊急警報放送識別子として定められた所定のデータで送信されることから、これを受信解析して検知することになる。
【0075】
また受信制御部96は、音声増幅部85を動作させてその時の放送音を再生してスピーカ86から出力を開始させた後、緊急地震速報については所定時間が経過した場合、津波警報または緊急警報については例えば終了信号の有効受信を解析検知した場合、試験放送については例えば再度終了信号の有効受信を解析検知した場合、音声増幅部85の動作を停止させてスピーカ86から放送音の出力を停止させる制御を行う。
【0076】
ここで、親局12、操作卓14及び緊急情報受信装置15等の設備電源は商用AC電源であるが、停電時のバックアップのために電池電源を設けている。
【0077】
なお、
図5の緊急情報受信装置15にあっては、FM放送を受信しているが、テレビ放送(デジタルTV放送)を受信解析して緊急情報信号及び試験信号を検知も良い。この場合には、FMアンテナ83を接続したFM受信部84に代えて、TVアンテナを接続したデジタルTV受信部を設け、受信制御部96によりデジタルTV受信部で受信復調されたTV放送音声データ信号およびTV放送データ信号を入力して解析し、緊急地震速報信号、津波警報信号、緊急警報信号または緊急警報放送の終了信号の有効受信を検知すれば良い。なお、デジタルTV受信部にはワンセグとして知られた携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービスの受信部であっても良い。
【0078】
また
図5の緊急情報受信装置15としては、AM放送を受信解析して緊急情報信号及び試験信号を検知しても良い。この場合には、FMアンテナ83を接続したFM受信部84に代えて、AMアンテナを接続したAM受信部を設け、受信制御部96によりAM受信部で受信復調されたAM放送音声信号を入力して解析し、緊急地震速報信号、津波警報信号、緊急警報信号または緊急警報放送の試験信号の有効受信を検知すれば良い。
【0079】
(拡声子局16の構成)
図6は、拡声子局16の概略構成を示したブロック図である。拡声子局16は、ハードウェアとしてプロセッサ(コンピュータ)を使用し、そのプログラムの実行より実現する機能として制御部46及び電話制御部30を設け、更に、ハードウェアとして拡声器18を接続した音声出力部28と、第1無線通信プロトコルに従った無線送受信を行うアンテナ60を接続した無線通信部(第1無線通信部)58、AC100Vから直流電源を生成して各部に供給する電源回路部55及びバッテリーなどの二次電池を用いた予備電源部55aを設けている。
【0080】
制御部46には無線通信部58、操作部48、表示部50が接続され、制御部46は無線通信部58で受信復調されたスロットから取り出された受信データを入力して解読し、受信データとして音声データ(符号化音声信号)の有効受信を検知した場合、音声データから音声信号を復号して音声出力部52に出力し、設定レベルに増幅させて拡声器18から拡声出力させる。音声出力部52で増幅する設定レベルは、拡声子局16が担当する地区の全域に音が届いて放送内容が聞きとれるに充分な設定レベルとする。
また制御部46は送信データについては無線通信部58に出力して所定のスロットに配置させることで親局側へ送信させる。
【0081】
電話制御部54は子電話機56と親局などに設けた親電話機との間の通話接続を制御する。無線通信部58は
図4に示した親局12の無線通信部32と基本的に同じになるが、アンテナ送信電力はそれより低い値となる。
【0082】
(戸別受信機20の構成)
図7は、戸別受信機20の概略構成を示したブロック図である。戸別受信機20は、ハードウェアとしてプロセッサ(例えばワンチップコンピュータ)を使用し、そのプログラムの実行より実現する機能として制御部62を設け、更に、ハードウェアとして無線受信を行うアンテナ60を接続した無線通信部64、表示部68、操作部70、IFポート74を備えたIF回路部(インタフェース回路部)72、スピーカ78を接続した音声出力部76を設け、それぞれ制御部62に接続している。電源部80は商用交流電源を入力して所定の直流電源に変換して各部に供給しているが、携帯使用するために電池電源も備えている。
【0083】
無線通信部64は第1無線通信プロトコルに従った受信機能のみを持ち、親局12から送信された第1無線通信プロトコルに従った通報信号を受信復調して下りスロットを取り出し、受信データとして制御部62に出力する。制御部62は無線通信部64から入力した受信データを解読し、音声データ(符号化音声信号)の有効受信を検知した場合、受信データから音声信号を復号して音声出力部76に出力し、所定レベルに増幅させてスピーカ78から報知出力させる。
【0084】
また制御部62は受信データを解読して音声以外のデータの有効受信を検知した場合は、例えばIF回路部72からIFポート74に接続している装置に復調したデータを転送させる。なお、戸別受信機20は基本的に音声信号を復調出力するものであるが、これ以外に、文字データ、FAX用画像データなどを必要に応じて復調して外部接続した対応する機器に出力するようにしても良い。
【0085】
(住警器100の概要)
再び
図1を参照するに、住宅24に設置された住警器100は、連動信号を第2無線通信プロトコルに従って相互に送受信する機能を備え、住宅各所の、それぞれ対応する監視領域について火災発生の有無を監視している。
【0086】
いま、ある住宅24で万一、火災が発生したとすると、例えば住警器100が火災を検知して警報を開始する。この火災を検知して警報を開始することを、住警器における「発報」という。
【0087】
住警器100が発報するとき、住警器100は連動元として機能し、連動先となる他の住警器に対し、所定の第2無線通信プロトコルに従って火災連動信号を無線送信する。他の住警器は、連動元の住警器100からの火災連動信号を有効受信した場合に、警報音と警報表示により連動先としての警報動作を行う。
【0088】
ここで、住警器100は、受信した連動信号に含まれるグループ符号がメモリに記憶しているグループ符号に一致し、且つ信号内容を正常認識した場合に、この連動信号を有効受信したことを検知するようにしている。さらに、連動信号を有効受信した住警器100は必要に応じて連動信号の中継送信を行う。グループ符号は警報システム毎に固有の符号として設定されており、各住警器はこの符号によって自己の属する警報システムに関連する連動信号のみを識別処理することができる。
【0089】
連動元となった住警器100の警報動作としては、例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる火災警報音を出力する。一方、連動先の住警器100にあっては、「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる火災警報音を出力する。
【0090】
また連動元となった住警器100の火災警報に伴う警報表示としては、例えばLEDを点灯する。一方、連動先の住警器100にあっては、LEDを点滅する。これによって、連動元警報と連動先警報におけるLEDによる警報表示を区別できるようにしている。
【0091】
なお、連動元のLEDを点滅とし、連動先のLEDを点灯としても良いし、連動元警報と連動先警報のいずれについても、同じLEDの明滅または点滅、点灯表示であっても良い。また例えば赤色LEDと黄色LEDを設け、連動元は赤色LEDを駆動し、連動先は黄色LEDを駆動するといった2色表示としても良い。もちろん、2つのLEDを一体として、赤色と黄色の両方を発光可能な2色LEDも採用できる。
【0092】
住警器100が警報音を出している状態で、警報停止スイッチを操作すると、警報音及び警報表示の停止処理が行われる。このとき例えば、連動元である住警器100で警報停止操作が行われた場合には、全ての住警器100の警報を停止し、連動先である住警器100で警報停止操作が行われた場合には、連動元の住警器100の警報は停止せず、連動先の住警器100-2の警報を停止するようにし、火災発生場所が分かるようにしている。
【0093】
住警器100における所定の第2無線通信プロトコルによる送受信は、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD-30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD-T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠する。もちろん日本国内以外で使用する場合は、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。特定小電力無線局に準拠した住警器100の送信電力は、STD-30の場合は10mW以下であり、STD-T67の場合は10mW以下または1mW以下であり、見通し通信距離は概ね100メートル程度となる。
【0094】
住宅24の屋内に設置している住警器100は、屋外に設置した中継アダプタ200でプロトコル変換して送信された第2無線通信プロトコルに従った共通グループ符号を含む緊急情報連動信号となる緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号または緊急警報連動信号を受信し、これを解読して有効受信を検知した場合、それぞれに対応して所定の防災情報を報知出力するようにしている。
【0095】
また、中継アダプタ200でプロトコル変換して送信された第2無線通信プロトコルに従った共通グループ符号を含む試験連動信号を受信し、これを解読して有効受信を検知した場合、所定の試験防災情報を報知出力するようにしている。
【0096】
住警器100は、中継アダプタ200からの緊急地震速報連動信号の有効受信を検知した場合、緊急地震速報に対応する防災情報として例えば「ピーピー 緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」といった音声メッセージを繰り返し報知出力すると共にLEDを例えば点灯する。
【0097】
また、住警器100-1は、中継アダプタ200からの津波警報連動信号の有効受信を検知した場合、津波警報に対応する防災情報として例えば「ピーピー 津波警報が発令されました。海岸には近づかず、高台に避難してください。」といった音声メッセージを繰り返し報知出力すると共にLEDを例えば点灯する。
【0098】
また、住警器100-1は、中継アダプタ200からの緊急警報連動信号の有効受信を検知した場合、緊急警報に対応する防災情報として例えば「ピーピー 緊急警報が発令されました。」といった音声メッセージを繰り返し報知出力すると共にLEDを例えば点灯する。
【0099】
更に、住警器100-1は、中継アダプタ200からの試験連動信号の有効受信を検知した場合、LED122を所定時間のあいだ、点灯、点滅または明滅させることで、試験防災情報を報知出力させる。また、警報器100-1は、中継アダプタ200からの試験連動信号の有効受信を検知してLED122の作動中に警報停止スイッチ120のオン操作を検出した場合には、例えば「ピーピー 緊急警報試験を行います 緊急警報が発令されました。」といった音声メッセージを繰り返し報知出力する。なお、試験防災情報は実際の警報音量に対し低い音量を設定して行うことで、消費電力を低減する。
【0100】
更に、住警器100-1は、試験連動信号を受信する毎に、試験防災情報の音声メッセージによる報知出力がなかった回数Nを連続して計数し、連続回数Nが所定の閾値回数Nthに達した場合に、試験防災情報を音声メッセージにより報知出力させる。
【0101】
なお、住警器100から報知出力されたそれぞれの防災情報又は試験防災情報は、例えば所定時間経過後または所定回数報知後に停止する。
【0102】
また住警器100は、中継アダプタ200から第2無線通信プロトコルに従った共通グループ符号を含む緊急情報連動信号となる緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号または緊急警報連動信号或いは試験連動信号を受信し、これを解読して有効受信を検知した場合、それぞれに基づく自己の属する連動グループのグループ符号を含む第2無線通信プロトコルに従った緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号または緊急警報連動信号或いは試験連動信号を生成し、同じグループに属する他の住警器100へ送信して対応する防災情報或いは試験防災情報を、中継アダプタ200からそれぞれの連動信号を受信した場合と同様に、報知出力させる。
【0103】
ここで、
図1における各無線通信プロトコルによる通信経路を整理すると、町村防災無線設備10における親局12と中継局22、拡声子局16の戸別受信機20及び住警器100のそれぞれ間の経路、並びに中継局22と拡声子局16の戸別受信機20及び中継アダプタ200のそれぞれ間の経路は第1無線通信プロトコル経路11aとなり、中継アダプタ200と各住宅24の住警器100との間の経路は第2無線通信プロトコル経路11bとなる。
【0104】
(住警器100の外観)
図8は本発明で使用する無線連動型の煙式住警器の外観を示した説明図であり、
図8(A)に正面図を、
図8(B)に側面図を示している。なお、取付フック115を設けているほうを上側とする。
【0105】
図8において、本実施形態の住警器100の筐体はカバー112と本体114で構成されている。カバー112の中央には突出部を設け、突出部の周囲に複数の煙流入口を開口し、その内部には検煙部116を配置し、火災に伴う煙が検煙部116に流入して所定濃度に達した場合に後述する警報制御部で火災を検知するようにしている。検煙部116としては例えば、公知の散乱光式検煙機構が適用できる。
【0106】
カバー112の左下側には音響孔118が設けられ、この背後にブザーやスピーカを内蔵し、警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。カバー112の下側には警報停止スイッチ120が設けられている。
【0107】
警報停止スイッチ120は、半透明部材で形成されたスイッチカバーを押圧操作すると、内蔵のプッシュスイッチ(図示せず)が押圧されるようになっている。スイッチカバー内部のプッシュスイッチ近傍には、警報等の表示を行うLED122が配置されている。
【0108】
警報停止スイッチ120は外部から住警器100の機能の自己点検実施を指示する点検スイッチとしての機能を兼ねている。例えば、火災警報出力中に警報停止スイッチ120が操作されると火災警報を停止し、通常状態で警報停止スイッチ20が操作されると所定の機能について自己点検を実施し、LED122やスピーカ等により結果を報知する。ここで通常状態とは、少なくとも火災警報出力中または障害警報出力中でない状態を指す。
【0109】
また本体114の裏側上部にはその略中央部に挿通孔を有する取付フック115が設けられており、設置する部屋の壁面等にビスなどをねじ込み、この取付フック115の挿通孔にビスを通して引っかけることで、壁面に住警器100を所謂壁掛け状に固定設置することができる。
【0110】
(中継アダプタ200の構成)
図9は
図1の防災警報連携システムに設けた中継アダプタと住警器の実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0111】
図9において、まず中継アダプタ200を説明する。中継アダプ200はプロセッサ202を備え、プロセッサ202に対しては、市町村防災無線設備10の親局12から送信された第1無線通信プロトコルに従った通報信号を受信するアンテナ206を接続した第1受信回路216を備えた第1無線通信部204、住警器100へ第2無線通信プロトコルに従った通報信号を送信するアンテナ210を接続した第2送信回路218を備えた第2無線通信部208、AC100Vから直流電源を生成して各部に供給する電源回路部212及びバッテリーなどの二次電池を用いた予備電源部214を設けている。
【0112】
第1無線通信部204の第1受信回路216はアンテナ206を介して市町村防災無線設備10の親局12又は中継局22から送信された、例えば60MHz帯の市町村デジタル防災無線通信方式規格に準拠した第1無線通信プロトコルに従って緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号、緊急警報通報信号または試験通報信号を受信復調してプロセッサ202に出力する。
【0113】
プロセッサ202には中継制御部220の機能が設けられる。中継制御部220は第1無線通信部204のアンテナ206及び第1受信回路216を介して受信復調した緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号、緊急警報通報信号または試験通報信号を入力して解読し、その有効受信を検知した場合に、それぞれに基づき後に
図10に示す連動信号と同じフォーマット構成もつ例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に準拠した第2無線通信プロトコルに従った緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号、緊急警報連動信号または試験連動信号を生成して第2無線通信部208に出力する。
【0114】
ここで、中継アダプタ200から第2無線通信プロトコルに従った送信する連動信号に含まれるグループ符号は、全ての住警器で有効受信を可能とする共通グループ符号を設定して所謂グループ指定なしの連動信号としている点で、固有のグループ符号を設定した住警器相互間で送受信する連動信号と相違している。
【0115】
第2無線通信部208の第2送信回路218は、プロセッサ202から入力した緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号、緊急警報連動信号または試験連動信号を第2無線通信プロトコルに従ってアンテナ210を介して住警器100へ送信する。第2送信回路218によるアンテナ210からの送信電力は、屋外設置している中継アダプタ200が管轄するサービス地区の全域の住宅内に設置した住警器100に電波が充分に届くように例えば1W以下となる比較的大きな送信電力を設定する。このような1W以下となる送信電力は、10mW以下または1mW以下の送信電力となる400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格を外れることから、その設置に対しては必要な無線局の免許申請などの措置が必要となる。
【0116】
(住警器100の構成)
次に
図8の住警器100を説明する。住警器100はワンチップCPUとして知られたプロセッサ124を備え、プロセッサ124に対しては、所定の第2無線通信プロトコルに従った連動信号の送受信を行う第2無線通信部130、メモリ132、センサ部134、報知部136、操作部138、および電池電源140を設け、電池電源140は必要各部に電源を供給している。
【0117】
第2無線通信部130はアンテナ131を接続した第2送信回路146及び第2受信回路148を備えている。第2無線通信部130は、アンテナ131を介して他の住警器100-2との間で、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に準拠した第2無線通信プロトコルに従って火災、火災復旧、警報停止、障害などの各種連動信号を送受信すると共に、屋外に設置した中継アダプタ200から送信された緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号、緊急警報連動信号または試験連動信号を受信する。
【0118】
第2無線通信部130の第2送信回路146における第2無線通信プロトコルによる連動信号の送信は、所定時間T1、例えばT1=3秒に亘り連動信号を送信する動作を、所定時間T2、例えばT2=2秒の休止時間を空けて例えば4回繰り返している。このT1=3秒送信、T=2秒休止は特定小電力無線局の標準規格に準拠したものである。またT1=3秒の送信動作は、その内の最初から例えば2.8秒はダミー信号の送信であり、残り0.2秒の時間に連動信号の反復送信を行う。この第2送信回路146の送信動作は、中継アダプタ200に設けた第2送信回路218についても同じになる。
【0119】
また、第2無線通信部130の第2受信回路148における第2無線通信プロトコルによる受信は、住警器100と同じグループに属する他の住警器及び中継アダプタ200からの連動信号を間欠受信する。間欠受信は、所定周期T3毎に、例えばT3=7秒毎に受信可能時間T4、例えばT4=100ミリ秒のあいだ受信動作を繰り返しており、受信可能時間T4の間に送信ダミー信号をキャリアセンスにより検知すると所定時間のあいだ連続受信に切替えてダミー信号に続く連動信号を受信する。
【0120】
ここで、第2無線通信部130で受信した信号はプロセッサ124に設けた警報制御部160で解読される。以下、この解読までを含めて受信と呼ぶことがある。また特に、解読の結果有効な信号と判定されることを区別して表す場合には有効受信と呼ぶ。また請求項における「受信を検知」は、「有効受信」或いは「有効受信を検知」を意味する。
【0121】
また第2無線通信部130の第2無線通信プロトコルでは、住警器100自身が火災又は火災以外の事象を検知して連動信号を送信した場合、または中継アダプタ200からのグループ指定なしの緊急情報連動信号または試験連動信号を受信して、これに基づくグループ指定した緊急情報連動信号または試験連動信号を生成して他の住警器に送信した場合、住警器100と同じグループに属し、これを受信した他の住警器から、当該連動信号を正常に受信したことを示す確認応答信号(以下「ACK信号」と云う)が有効受信されるか否か監視している。
【0122】
他の住警器のうち、ACK信号が受信されないものを検知した場合、住警器100はACK信号が受信された他の住警器に対し中継要求有り連動信号を送信し、中継要求有りの連動信号を受信した住警器からAKC信号未応答の住警器へ中継要求有りの連動信号を中継送信させる。中継要求有りの連動信号を中継受信したAKC信号未応答の住警器は中継要求有りの連動信号に対しACK信号を返信し、このACK信号が他の住警器の中継(返信の中継)を経て連動元の住警器100で受信される。これによってもACK信号が受信されない住警器がある場合には、通信障害等と判定し、所定の報知処理や連動処理、後述する連携処理等を行う。
【0123】
上述した中継機能は、1つの連動グループ、例えば住宅24に3台以上の住警器が設置されている場合に役立つ。
図1の例では住宅24には住警器100が2台しか設置されていないので、住警器100は自己が送信した連動信号に対して他の住警器からACK信号(返信)が受信されない場合には、通信障害等と判定し、所定の報知処理や後述する連携処理等を行うことになる。
【0124】
第2無線通信部130の第2無線通信プロトコルで送受信する連動信号150は、
図10に示すように、連番152、送信元符号154、グループ符号155及び事象符号156を含むフォーマットとして構成されている。連番152は住警器毎に独立して生成される符号であり、連動信号150の生成順或いは送信順を示す連続番号である。これに基づいて例えば再中継の禁止等の管理を行うことができる。送信元符号154は各住警器を特定する例えば住警器のシリアル番号等であり、グループ符号155は
図1のように住宅24に設置した住警器100のグループ内で相互に連動を行う連動グループを構成するための符号である。
【0125】
また本実施形態にあっては、中継アダプタ200から送信した第2無線通信プロトコルに従った連動信号は、対象地域の住宅24に設置している全ての住警器100で有効受信できるようにする必要があることから、グループ符号155として全グループに共通な共通グループ符号を設定する。この共通グループ符号は、異なる連動グループを構成している全ての住警器100で有効受信されることから、グループ指定無し意味する符号となる。
【0126】
事象符号156は、火災などの事象内容を表す符号であり、本実施形態にあっては4ビット符号を使用しており、例えば、
0001=火災
0010=ACK
0011=警報停止
0100=復旧
0101=センサ障害
0110=ローバッテリー障害
としている。
【0127】
なお、先述した「中継要求有り」を示す符号はここでは省略しているが、ビット数を増やすことで、当然これも事象符号に追加することができる。
【0128】
更に本実施形態にあっては第2無線通信部130で受信した市町村防災無線設備10の親局12から中継アダプタ200のプロトコル変換を経て送信してくる緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号及び緊急警報通報信号に基づく連動信号、即ち緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号、緊急警報連動信号及び試験連動信号に対応した事象符号として、
0111=緊急地震速報
1000=津波警報
1001=緊急警報
1010=試験
を追加している。
【0129】
なお、住警器で中継送信する連動信号には、送信元(連動元)の住警器を示す識別符号と中継を行う住警器の識別符号の両方を付加する。更に、送信先を指定する識別符号を付加しても良い。
【0130】
また、先述した「中継要求有り」を示す符号はここでは省略しているが、例えば「1111」に割り当てることで当然これも事象符号に追加することができる。また、その他例えば「0000」を定期的な通信確認用に割り当てても良い。もちろん、ビット数を増やすことで更に多くの事象符号を割り当てることができる。
【0131】
センサ部134には、例えば散乱光式の煙検知原理によって煙を検知して、煙濃度に応じた煙検出信号を出力する検煙部116を設けている。
【0132】
報知部136には警報音等を出力する音響出力器であるスピーカ158と警報表示等を行うLED122を、図示しないそれぞれの駆動回路と共に設けている。スピーカ158は、警報制御部160からの制御を受けて、住警器100がメモリ132等に記憶している各種のデータ等に基づいて音声メッセージや警報音等を出力する。LED122は点滅や明滅、点灯などにより、火災などの異状その他事象を表示により報知する。
【0133】
操作部138には警報停止スイッチ120を設けている。警報停止スイッチ120は、報知部136からスピーカ158により火災や障害の警報音が出力されている場合又はLED122により警報表示が行われている場合にのみ警報停止スイッチとして機能する。例えば連動元を示す警報中に警報停止スイッチ120を操作すると、警報音及び警報表示は停止され、一方、連動先を示す警報中に警報停止スイッチ120を操作すると、警報音は停止されるが、警報表示は停止または所定時間後に停止されるといった警報停止処理が行われる。
【0134】
一方、連動元や連動先を示す警報が行われていない通常監視状態においては、警報停止スイッチ120は点検スイッチとして機能し、この状態で警報停止スイッ1チ20が操作すると、所定の自己点検動作が実行されて報知部136から点検結果を示す音声メッセージなどが出力される。
【0135】
メモリ132は、連動信号の生成に使用する連番152、送信元符号154、グループ符号155等を記憶している。
【0136】
電池電源140は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、必要各部へ電源を供給する。電池容量としては住警器100における回路部全体の低消費電力化により、例えば10年の寿命を保証している。
【0137】
プロセッサ124にはプログラムの実行により実現される機能として、警報制御部160の機能を設けている。
【0138】
警報制御部160は、センサ部134に設けた検煙部116からの煙検出信号に基づく火災の有無、操作部138による警報停止指示入力の有無、点検指示入力の有無及びモード設定の有無、センサ部134に設けた検煙部116からの検知信号が低下して火災検知状態が解消される火災復旧の有無、センサ障害や故障、ローバッテリー障害有無等の事象を検知する。
【0139】
また警報制御部160は第2受信回路148を介して他の住警器及び中継アダプタ200からの連動信号の解読結果として得られた連動信号有効受信の有無およびその連動内容等の情報を検知する。
【0140】
また警報制御部160は、センサ部134に設けた検煙部116の煙検出信号に基づき火災有りを検知した場合に、報知部136のスピーカ158から連動元を示す警報動作として火災警報音例えば「ウーウー 火事です 火事です 確認して下さい」の音声メッセージを繰り返し出力させる制御を行うと共に、LED122を点灯させて連動元を示す火災警報表示を行わせる制御を行い、また更に、第2無線通信部130の第2送信回路146に対して所定の第2無線通信プロトコルに従った火災連動信号をアンテナ131から他の住警器100-2に向けて送信させる制御を行う。
【0141】
また警報制御部160は、アンテナ131および第2無線通信部130の第2受信回路148を介して他の住警器100-2から送信または中継送信された火災連動信号の有効受信を検知した場合に、連動先を示す警報として報知部136のスピーカ158から警報音例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」となる音声メッセージを繰り返し出力させる制御を行うと共にLED122を例えば点滅させて連動先を示す警報表示を行わせる制御を行う。また更に、第2送信回路146に、連動元からの火災連動信号を受信したことに伴う応答信号(返信)としてACK信号を送信させる制御を行う。
【0142】
また警報制御部160は、連動元を示す火災警報音の出力中に火災復旧を検知した場合、報知部136を制御してスピーカ158からの警報音出力とLED122の警報表示出力による火災警報動作を停止させると共に、第2無線通信部130の第2送信回路146から火災復旧連動信号をアンテナ131を介して他の住警器100-2に向けて送信させる制御を行う。
【0143】
また警報制御部160は、連動元を示す火災警報音の出力中に自己の警報停止スイッチ120の操作を検知した場合、報知部136を制御してスピーカ158からの警報音出力とLED122の警報表示出力による火災警報動作を停止させると共に、第2無線通信部130の第2送信回路146から警報停止連動信号をアンテナ131を介して他の住警器100-2に向けて送信させる制御を行う。
【0144】
なお、住警器100は、連動元を示す火災警報音の出力中に他の住警器からの警報停止連動信号の有効受信を警報制御部160で検知した場合、警報制御部160は、火災警報音と火災警報表示のうち少なくとも一方を、少なくとも所定期間が経過するまで停止制御せずに、連動元が識別できるようにする。
【0145】
また警報制御部160は、連動先を示す警報音の出力中に警報停止スイッチ120の操作又は他の住警器から警報停止連動信号の有効受信を検知した場合、報知部136を制御してスピーカ158からの音声メッセージによる警報音とLED122の警報表示による火災警報を動作停止させる制御を行う。
【0146】
さらに、警報制御部160は、火災連動信号受信時と同様に、警報停止連動信号受信に伴うACK信号を返信する制御を行う。なお、後述する各ケースでも同様であるので、住警器間の通信に伴うACK信号の返信については説明を省略する。
【0147】
また警報制御部160には、図示しない電圧監視回路と協働して電池電源140から供給される電源電圧が所定レベル未満となるローバッテリー障害の監視機能を設けている。また警報制御部160には、センサ部134の障害(部品劣化や故障等含む)を監視するセンサ障害監視機能を設けている。
【0148】
また警報制御部160は、アンテナ131及び第2無線通信部130の第2受信回路148を介して、市町村防災無線設備10の親局12から送信された第1無線通信プロトコルに従った緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号または緊急警報通報信号を中継アダプタ200でプロトコル変換して送信した共通グループ符号を含む緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号または緊急警報連動信号が受信され、これを解読して有効受信を検知した場合、それぞれに対応した防災情報を示す所定の音声メッセージを報知部136のスピーカ158から出力させると共に例えばLED122を点灯させる制御を行う。
【0149】
ここで緊急地震速報に対応する防災情報としては例えば「ピーピー 緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」といった音声メッセージをスピース158から繰り返し報知出力させると共にLED122を例えば点灯させる。
【0150】
また津波警報に対応する防災情報としては例えば「ピーピー 津波警報が発令されました。海岸には近づかず、高台に避難してください。」といった音声メッセージをスピース158から繰り返し報知出力させると共にLEDを例えば点灯させる。
【0151】
更に緊急警報に対応する防災情報としては例えば「ピーピー 緊急警報が発令されました。」といった音声メッセージをスピース158から繰り返し報知出力させると共にLEDを例えば点灯させる。
【0152】
また、警報制御部160は、アンテナ131及び第2無線通信部130の第2受信回路148を介して、市町村防災無線設備10の親局12から送信された第1無線通信プロトコルに従った試験通報信号を中継アダプタ200でプロトコル変換して送信した共通グループ符号を含む試験連動信号が受信され、これを解読して有効受信を検知した場合、LED122を所定時間のあいだ、点灯、点滅または明滅させることで、試験防災情報を報知出力させる。
【0153】
また、警報制御部160は、中継アダプタ200からの試験連動信号の有効受信を検知してLED122の作動中に警報停止スイッチ120のオン操作を検出した場合、例えば「ピーピー 緊急警報試験を行います 緊急警報が発令されました。」といった音声メッセージを繰り返し報知出力する。なお、試験防災情報は実際の警報音量に対し低い音量を設定して行うことで、消費電力を低減する。
【0154】
更に、警報制御部160は、試験連動信号を受信する毎に、試験防災情報の音声メッセージによる報知出力がなかった回数Nを連続して計数し、連続回数Nが所定の閾値回数Nthに達した場合に、試験防災情報を音声メッセージにより報知出力させる。
【0155】
なお、住警器100から報知出力されたそれぞれの防災情報又は試験防災情報は、例えば所定時間経過後または所定回数報知後に停止する。
【0156】
また、警報制御部160は、中継アダプタ200によるプロトコル変換を経て送信された第2無線通信プロトコルに従った共通グループ符号を含む緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号、緊急警報連動信号または試験連動信号が受信され、これを解読して有効受信を検知した場合、これに基づき自己の属する連動グループのグループ符号を含む緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号、緊急警報連動信号または試験連動信号を生成し、第2無線通信部130の第2送信回路146及びアンテナ131を介して他の住警器へ送信させる制御を行う。
【0157】
(親局12の処理動作)
図11は
図1の親局12における処理の概略を例示したフローチャートであり、親局12に設けたプロセッサのプログラム実行による制御処理として行われる。
【0158】
図11において、親局12の電源を投入して運用が開始されると、ステップS1で初期化、自己診断、禁止モード設定の有無を含む各種設定情報の読み込み等を実行する。ステップS1で初期化異状があった場合には報知部36でその旨を報知して、動作を途中停止するか或いは再度ステップS1の処理を行うようにしているが、図示を省略している。
【0159】
続いてステップS2の操作待機動作に移行する。続いてステップS3で防災担当者による緊急地震速報の通報操作の有無又は緊急地震速報受信機による自動受信の有無を検知しており、緊急地震速報の通報操作有りまたは緊急地震速報の自動受信有りを検知するとステップS4に進み、緊急地震速報通報信号を生成して送信する。続いてステップ5で例えば所定時間の経過を検知した場合または停止操作を検知した場合に送信を停止する。
【0160】
続いてステップS6で防災担当者による津波警報の通報操作の有無を検知しており、津波警報の通報操作有りを検知するとステップS7に進み、津波通報信号を生成して送信する。この場合の津波警報の通報操作は、海岸線に面している地区を地区選択釦の操作により選択し、津波を受ける地区を特定した通報操作を行う。続いてステップ8で例えば所定時間の経過を検知した場合または停止操作を検知した場合に送信を停止する。
【0161】
続いてステップS9で防災担当者による緊急警報の通報操作の有無を検知しており、緊急警報の通報操作有りを検知するとステップS10に進み、津波通報信号を生成して送信する。続いてステップ11で例えば所定時間の経過を検知した場合または停止操作を検知した場合に送信を停止する。
【0162】
続いてステップS12で防災担当者によるその他の通報操作の有無を検知しており、通報操作有りを検知するとステップS13に進み、操作に対応する通報信号を生成して送信する。この場合にも、通報内容に対応して通報を必要とする地区を地区選択釦の操作により選択し、地区を特定した通報操作を行うこともできる。続いてステップ14で例えば所定時間の経過を検知した場合または停止操作を検知した場合に送信を停止する。
【0163】
続いてステップS15で緊急情報受信装置15による緊急警報放送の試験信号の受信に基づく試験信号の有効受信有りを検知するとステップS16に進み、第1無線通信プロトコルに従った試験通報信号を生成し、同報通信により住警器100側へ送信する。
【0164】
尚、ステップS4、S7及びS10で緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号または緊急警報通報信号を送信する場合には、それぞれに対応した拡声通報信号を生成して多重送信し、
図1に示した拡声子局16の拡声器18から各警報を拡声報知させるが、図示を省略している。
【0165】
(住警器100の処理動作)
図12乃至
図14は
図9の住警器100における処理の概略を例示したフローチャートである。
図12において、住警器100の電池電源40による電源供給が開始されると、ステップS21で初期化、自己診断、各種設定情報の読み込み等を実行し、異状がなければステップS22に進み、火災の有無を検知している。ステップS21で初期化異状があった場合には報知部136でその旨を報知して、動作を途中停止するか或いは再度ステップS21の処理を行うようにしているが、図示を省略している。
【0166】
ステップS22において、センサ部134に設けた検煙部116から出力された煙検出信号が所定の火災レベルを超えるとステップS22で火災有りが検知されてステップS23に進み、第2無線通信プロトコルに従った火災連動信号を生成して他の住警器に送信すると共に、ステップS24で報知部136のスピーカ158からの警報メッセージ等による警報音とLED122の例えば点灯による警報表示とにより連動元を示す火災警報を出力する。
【0167】
続いて、ステップS25で検煙部116からの煙検出信号が低下して火災検知状態が解消する火災復旧の有無が検知しており、火災復旧有りを検知するとステップS26で第2無線通信プロトコルに従った火災復旧連動信号を生成して他の住警器に送信すると共に、ステップS27でスピーカ158からの音声メッセージ等による警報音とLED122の点灯による連動元を示す火災警報を停止する。ここで、LED122による警報表示は所定時間経過後に消灯しても良い。
【0168】
続いてステップS28で警報停止スイッチ120の警報停止指示操作の有無を検知しており、警報停止指示操作有りを検知した場合、ステップS29に進んで第2無線通信プロトコルに従った警報停止連動信号を生成して他の住警器100-2に送信し、ステップS30にスピーカ158からの連動元を示す警報音を停止すると共に、LED122の点灯による警報表示を消灯する。この場合、LED122による警報表示は所定時間経過後に消灯しても良い。
【0169】
続いて
図12のステップS31に進み、他の住警器から送信または中継送信された第2無線通信プロトコルに従った火災連動信号の有効受信の有無を検知している。他の住警器からの火災連動信号の有効受信有りを検知すると、ステップS12に進んで連動先を示す火災警報として自己の報知部136のスピーカ158から音声メッセージ等による警報音を出力すると共に、例えばLED122の点滅による警報表示を行う。
【0170】
次にステップS33で他の住警器から送信又は中継送信された第2無線通信プロトコルに従った火災復旧連動信号の有効受信の有無を検知しており、火災復旧連動信号の有効受信を検知すると、ステップS34に進んで連動先の警報音出力を停止すると共に警報表示も停止する。
【0171】
次にステップS35で他の住警器から送信または中継送信された第2無線通信プロトコルに従った警報停止連動信号の有効受信の有無を検知しており、警報停止連動信号の有効受信有りを検知すると、ステップS36に進んで連動先としての警報音出力を停止すると共に、警報表示も停止する。
【0172】
続いてステップS37に進み、市町村防災無線設備10の親局12から送信(中継局22から中継送信された場合を含む)された第1無線通信プロトコルに従った緊急地震速報通報信号を中継アダプタ200でプロトコル変換して送信した第2無線通信プロトコルに従った緊急地震速報連動信号を有効受信の有無を検知しており、共通グループ符号を含む緊急地震速報連動信号の有効受信有りを検知した場合はステップS38に進み、緊急地震速報に対応した防災情報である所定の音声メッセージを報知部136のスピーカ158から出力すると共に、例えばLED122を点灯する。またステップS38では、共通グループ符号を含む緊急地震速報連動信号の有効受信に基づき、第2無線通信プロトコルに従って自己の属する連動グループのグループ符号を設定した緊急地震速報連動信号を生成して他の住警器に送信する。
【0173】
続いてステップS39に進み、市町村防災無線設備10の親局12から送信された第1無線通信プロトコルに従った津波警報通報信号を中継アダプタ200でプロトコル変換して送信した第2無線通信プロトコルに従った津波警報連動信号の有効受信の有無を検知しており、共通グループ符号を含む津波警報連動信号の有効受信有りを検知した場合はステップS40に進み、津波警報に対応した防災情報となる所定の音声メッセージを報知部136のスピーカ158から出力すると共に、例えばLED122を点灯する。またステップS40では、共通グループ符号を含む津波警報連動信号に基づき、第2無線通信プロトコルに従って自己の属する連動グループのグループ符号を設定した津波警報連動信号を生成して他の住警器に送信する。
【0174】
続いてステップS41に進み、市町村防災無線設備10の親局12から送信された第1無線通信プロトコルに従った緊急警報通報信号を中継アダプタ200でプロトコル変換して送信した第2無線通信プロトコルに従った緊急警報連動信号の有効受信の有無を検知しており、共通グループ符号を含む緊急警報連動信号の有効受信有りを検知した場合はステップS42に進み、緊急警報に対応した防災情報となる所定の音声メッセージを報知部136のスピーカ158から出力すると共に、例えばLED122を点灯する。またステップS42では、共通グループ符号を含む緊急警報連動信号に基づき、第2無線警報連動信号を生成して他の住警器に送信する。
【0175】
続いて
図14のステップS43に進み、市町村防災無線設備10の親局12から送信された第1無線通信プロトコルに従った試験通報信号を中継アダプタ200でプロトコル変換して送信した第2無線通信プロトコルに従った試験連動信号の有効受信の有無を検知しており、共通グループ符号を含む試験連動信号の有効受信有りを検知した場合はステップS44に進み、LED122を点灯して試験防災情報を報知出力させる。
【0176】
続いてステップS45に進み、所定時間経過したか否か判別しており、所定時間の経過を判別するまではステップS46に進んで警報停止スイッチ120のオン操作の有無を判別している。
【0177】
ステップS45で所定時間の経過が判別される前にステップS46で警報停止スイッチ120のオン操作が判別されるとステップS47に進み、試験防災情報となる所定の音声メッセージを報知部136のスピーカ158から低い設定音量で出力し、続いてステップS48でカウンタNをN=0にクリアしてステップS49に進み、共通グループ符号を含む試験連動信号に基づき、自己の属する連動グループのグループ符号を含む第2無線通信プロトコルに従った試験連動信号を生成して他の住警器に送信する。
【0178】
一方、ステップS45で所定時間の経過を判別するまでにステップS46で警報停止スイッチ120のオン操作が判別されなかった場合はステップS50に進んでLED122を消灯し、続いてステップS51でカウンタNを1つカウントアップしてステップS52に進み、カウンタNの値が所定の閾値回数Nth、例えばNth=3回に達したか否か判別する。
【0179】
ステップS52でカウンタNの値が閾値回数Nth未満であることを判別した場合はステップS49に進み、共通グループ符号を含む試験連動信号に基づき、自己の属する連動グループのグループ符号を含む第2無線通信プロトコルに従った試験連動信号を生成して他の住警器に送信して
図12のステップS22に戻る。
【0180】
これに対しステップS52でカウンタNの値が閾値回数Nthに達したことを判別した場合はステップS47に進み、試験防災情報となる所定の音声メッセージを報知部136のスピーカ158から低い設定音量で出力し、続いてステップS48でカウンタNをN=0にクリアしてステップS49に進み、共通グループ符号を含む試験連動信号に基づき、自己の属する連動グループのグループ符号を含む第2無線通信プロトコルに従った試験連動信号を生成して他の住警器に送信し、
図12のステップS22に戻る。
【0181】
ここで、図示を省略しているが、ステップS38、S40、S42で出力した緊急地震速報、津波警報または緊急警報に対応する防災情報は、所定時間の経過後若しくは所定回数報知後に停止させる。
【0182】
また、図示を省略している障害処理は、住警器100自身でローバッテリー障害またはセンサ障害が検知された場合、又は、他の住警器からローバッテリー障害またはセンサ障害を示す障害連動信号の有効受信が検知された場合、連動元又は連動先を示すローバッテリー障害警報またはセンサ障害警報を所定の警報音と警報表示で行わせることになる。
【0183】
[制御データを音声信号に重畳して送信する防災警報連携システム]
(親局12側の構成)
図15は本発明による防災警報連携システムの他の実施形態で使用する親局側の概略構成を示したブロック図であり、本実施形態にあっては、住警器側で緊急地震速報や津波警報を報知出力させるための緊急情報制御データ信号を、音声信号に重畳させて送信することで、市町村防災無線設備における使用機器の改良や改修をほとんど必要とせずに、住警器側を連携できるようにしたことを特徴とする。
【0184】
図15において、親局12は、ハードウェアとしてプロセッサ(コンピュータ)を使用し、そのプログラムの実行より実現する機能として制御部26、音声入力部28、電話制御部30を設け、更に、ハードウェアとして第1無線通信プロトコルに従った無線送受信を行うアンテナ34と接続した無線通信部32を設けており、この点は
図4の実施形態と同じである。
【0185】
親局12に対しては操作卓14が設けられ、操作卓14には操作部36、表示部38及び親電話機42などが設けられる。また緊急地震速報受信機44が設けられ、緊急地震速報放送を自動受信して親局12に対し緊急地震速報検知信号を出力するようにしており、この点も
図4の実施形態と同じである。
【0186】
これに加え本実施形態にあっては、放送用マイク40のプラグを接続する操作卓14のマイクジャック端子94に通信データ発生器87を接続し、マイク接続用回路部96を介して親局12の音声入力部28に接続している。また通信データ発生器87はマイクジャック端子95を備え、ここに放送用マイク40を接続している。なお、マイク接続回路94は音声増幅器を備えるが、マイク接続回路96を設けず、マイクジャック端子94を直接音声入力部28に接続しても良い。
【0187】
通信データ発生器82は、複数の操作スイッチ89a~89nをデータ変調器86に接続している。操作スイッチ89a~89nには所定ビット長の緊急情報制御データ信号が割当てられており、例えば、
操作スイッチ84a:緊急地震警報制御データ信号
操作スイッチ84b:津波警報制御データ信号
操作スイッチ84c:緊急警報制御データ信号
等が割当てられている。これ以外に必要に応じてテスト制御データ信号といった適宜の制御データ信号を割当てることができる。
【0188】
データ変調器91は操作スイッチ89a~89nの操作によるオン信号を入力すると、所定ビット長の2進コードからなる緊急情報制御データ信号を発生し、デジタルデータの1/0に音声周波数帯域の搬送波信号として予め定めた例えば2400Hz/3600Hzを割当てることで、FSK変調(frequency shift keying:周波数偏移変調)またはMSK変調(minimum shift keying)により緊急情報制御データ信号を発生し、当該緊急情報制御データ信号を混合器93に入力する。混合器93は放送用マイク40から入力する音声信号を短時間切り離してデータ変調器91からの緊急情報制御データ信号の入力に切替えて挿入することで混合し、当該混合信号をマイク接続回路部96を介して音声入力部28に与え、音声入力部28により混合信号を音声符号化し、無線通信部32により第1無線通信プロトコル従った通報信号としてアンテナ34から送信させる。なお、混合器93としては2つの音声信号の入力を切替えて混合する以外に、2つの音声信号を加算合成して混合するなど適宜の混合回路を使用できる。
【0189】
ここで混合器93の切替えで音声信号に混合する緊急情報制御データ信号は例えば200ビット長のデータを送る場合でも、通信速度が2400bpsであれば、100msecを要するだけであり、この間、音声信号が断たれても、その時間が極短いため、端末側となる例えば拡声子局16で音声信号を再生報知した場合に音声内容を妨げるようなことはない。
【0190】
このように通信データ発生器87を操作卓14のマイクジャック端子94と放送用マイク40の間に接続するだけで、親局12側の改良や改修をほとんど必要とすることなく、通報制御内容に対応した操作スイッチ89a~89nのいずれかの操作で、必要とする緊急情報報知のための制御データ信号を住警器側に送信して報知出力させることができ、既設の設備機器についても簡単に対応できる。
【0191】
(中継アダプタ200の構成)
図16は
図15の親局から送信された通報信号を受信して住警器側に中継する中継アダプタの実施形態を示したブロック図である。
【0192】
図16において、中継アダプ200はプロセッサ202を備え、プロセッサ202に対しては、市町村防災無線設備10の親局12から送信された第1無線通信プロトコルに従った通報信号を受信するアンテナ206を接続した第1受信回路216を備えた第1無線通信部204、住警器100へ第2無線通信プロトコルに従った通報信号を送信するアンテナ210を接続した第2送信回路218を備えた第2無線通信部208、AC100Vから直流電源を生成して各部に供給する電源回路部212及びバッテリーなどの二次電池を用いた予備電源部214を設けており、この点は
図9の実施形態と同じである。
【0193】
プロセッサ202にはデータ復調部222が設けられ、データ復調部222は第1無線通信部204のアンテナ206及び第1受信回路216を介して受信復調した通報信号を入力し、通報信号に含まれている音声符号化データを復号して混合音声信号を復調し、復調した混合音声信号を更にFSK復調またはMSK復調し、緊急情報制御データ信号を復元する。この復調処理により緊急情報制御データ信号として、緊急地震速報制御データ信号、津波警報制御データ信号または緊急警報制御データ信号のいずれかの有効受信を検知した場合に、それぞれに基づき後に
図9に示す連動信号と同じフォーマット構成もつ例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に準拠した第2無線通信プロトコルに従った緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号または緊急警報連動信号を生成して第2無線通信部208に出力する。
【0194】
第2無線通信部208の第2送信回路218は、プロセッサ202から入力した緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号または緊急警報連動信号を第2無線通信プロトコルに従ってアンテナ210を介して住警器100へ送信し、住警器100から対応する防災情報を報知出力させる。
【0195】
[コミュニティFM放送を用いた防災警報連携システム]
(システム概要)
図17はコミュニティFM放送局と住警器を組み合わせた本発明の他の実施形態となる防災警報連携システムを示した説明図である。
【0196】
図17において、放送設備となるコミュニティFM放送局400は、地理的なコミュニティを放送対象地域とする放送局であり、市区町村あるいは政令指定都市の行政区内の一部の地域などを放送エリアとする。放送周波数はVHF(超短波)の放送帯(76.0~90.0MHz)の中の周波数を使用し、変調方式にはFM(周波数変調)を使用し、市販のFM対応ラジオで聴取できる。また空中線電力1W以下の受信エリアは半径約2~3Km、空中線電力10W以下の受信エリアは半径約5~10Km、空中線電力20W以下の受信エリアは半径約15~20Kmとなる。
【0197】
コミュニティFM放送局400は、ヘッドエンド402と接続され、ヘッドエンド402には全国瞬時警報システム受信機404と市町村防災操作卓406を接続し、市町村防災操作卓406には緊急警報受信装置15を接続している。
【0198】
全国瞬時警報システムは、J-ALERTとして知られており、大規模災害や武力攻撃事態が発生した際に、国民の保護のために必要な情報を、通信衛星を利用して、瞬時に地方公共団体に伝達すると共に、地域衛星通信ネットワークに接続された同報系市町村防災行政無線を自動起動させ、住民へ緊急情報を伝達するシステムである。
【0199】
全国瞬時警報システムで伝達される情報は、気象関連情報と有事関連情報に大別され、23種類の情報が送信されている。どの情報について同報系市町村防災行政無線を自動起動させるかを市町村で決定できることとなっているが、緊急地震速報、大津波警報、津波警報、噴火警報、有事関連情報については自動起動が原則とされている。
【0200】
全国瞬時警報システムは、情報を配信する場合、情報の種類を識別する情報番号と地域対象コード情報を放送内容と一緒に送信する。
【0201】
本実施形態の全国瞬時警報システム受信機404は、緊急地震速報、大津波警報、津波警報等を受信した場合、情報番号と地域対象コード情報を含む放送内容を復調して緊急情報通報信号としてヘッドエンド402へ出力する。
【0202】
ヘッドエンド402は、全国瞬時警報システム受信機404から出力された緊急情報通報信号を受信し、例えば緊急地震速報、大津波警報、津波警報については、放送内容の自動選択と自動配信のフィルタリング機能を設定しており、受信した地域対象コード情報が予め設定した地域対象コード情報に一致した場合に、放送内容を選択し、この放送内容に少なくとも情報番号を一緒にした緊急情報通報信号を生成し、コミュニティFM放送局400へ配信する。
【0203】
コミュニティFM放送局400は、ヘッドエンド402から配信された例えば緊急地震速報、大津波警報又は津波警報の放送内容及び情報番号を含む緊急情報通報信号をFM変調して送信する。
【0204】
コミュニティFM放送局400の対象地域となる屋外には中継アダプタ500を設置し、中継アダプタ500から中継する信号の受信可能エリアとなる住宅24には、住警器100を1又は複数台設置している。中継アダプタ500はAC電源を必要とすることから、例えば
図1の実施形態と同様、市町村防災無線設備10を併設している場合には、拡声子局16の近傍、例えば支柱に設置し、拡声子局16のAC電源をそのまま使用して、設備構成を簡単にする。
【0205】
中継アダプタ500は、コミュニティFM放送局400から送信された緊急情報通報信号を受信した場合、これに含まれる情報番号を解読し、情報番号に対応した住警器100側の第2無線通信プロトコルに従った緊急情報連動信号、即ち緊急地震速報連動信号、大津波警報連動信号または津波警報連動信号に変換して住警器100へ送信し、住警器100から所定の警報音声メッセージにより緊急地震速報、大津波警報又は津波警報を出力させる。
【0206】
ここで、中継アダプタ500から第2無線通信プロトコルに従った送信する連動信号に含まれるグループ符号は、全ての住警器100で有効受信を可能とする共通グループ符号を設定して所謂グループ指定なしの連動信号としている。
【0207】
住警器100から出力する音声メッセージは、警報音と音声放送の組合せとなり、緊急地震速報の場合は例えば「キュン キュン 大地震です」とし、大津波警報の場合は例えば「ウー ウー ウー 大津波警報が発表されました 海岸付近の方は高台へ避難してください」とし、津波警報の場合は例えば「「ウー ウー 津波警報が発表されました 海岸付近の方は高台へ避難してください」とする。
【0208】
また市町村防災操作卓406は、ヘッドエンド402に自動起動配信のために設定した以外の情報を全国瞬時警報システム受信機404で受信した場合に、市町村の担当職員が必要に応じて配信指示操作を行い、ヘッドエンド402へ配信指示信号を出力する。この配信指示信号を受信したヘッドエンド402は、そのとき全国瞬時警報システム受信機404から受信した放送内容と情報番号を含む緊急情報通報信号をコミュニティFM放送局400へ配信し、FM電波に乗せて送信させる。
【0209】
更に本実施形態にあっては、防災警報連携システムの自動試験を行うため、市町村防災操作卓406に対し緊急情報受信装置15を設けている。緊急情報受信装置15は、緊急情報放送である緊急警報放送(EWS)または緊急地震速報(EEW)の受信を検知した場合に放送信号を再生出力し、また緊急警報放送(EWS)の試験信号の受信を検知した場合は試験通報信号を自動的に出力する。
【0210】
緊急警報放送(EWS)は、地震などの大規模災害が発生した場合や、津波警報が発表された場合などに行われる警報であり、待機状態にあるテレビやラジオ受信機のスイッチを自動的にオンさせるが、受信機の動作を確認するために試験信号を例えば月1回所定の時刻、例えば毎月1日の正午前に送信しており、この試験信号を緊急情報受信装置15で受信して試験通報信号を出力することで、防災警報連携システムを試験する。
【0211】
例えばNHK(R)の場合、毎月1日の正午前に試験信号として、第1種開始信号や第2種開始信号を送信することなく、終了信号のみを送信してくることから、緊急情報受信装置15は当該終了信号のみの受信に基づき試験通報信号を出力する。
【0212】
緊急警報受信装置15から出力された試験通報信号は、市町村防災操作卓406を経由してヘッドエンド402へ送信され、試験通報信号を受信したヘッドエンド402は、システム試験を示す所定の情報番号と試験放送内容を含む試験通報信号を生成し、コミュニティFM放送局400に配信し、試験通報信号をFM変調して送信させる。
【0213】
コミュニティFM放送局400から送信された試験通報信号は中継アダプタ500で受信され、中継アダプタ500は受信した試験通報信号に含まれる情報番号を解読してシステム試験を認識し、住警器100側の第2無線通信プロトコルに従った試験連動信号に変換して住警器100へ送信し、住警器100から試験防災情報を報知出力させる。
【0214】
ここで、中継アダプタ500から第2無線通信プロトコルに従った送信する試験連動信
号に含まれるグループ符号は、全ての住警器で有効受信を可能とする共通グループ符号を設定して所謂グループ指定なしの連動信号としている。
【0215】
住警器100による試験防災情報の報知出力は、LED122を所定時間のあいだ、点灯、点滅または明滅させることで、報知出力させる。また、警報器100-1は、LED122の作動中に警報停止スイッチ120のオン操作を検出した場合、例えば「ピーピー 緊急警報試験を行います 緊急警報が発令されました。」といった音声メッセージを繰り返し報知出力する。なお、試験防災情報は実際の警報音量に対し低い音量を設定して行うことで、消費電力を低減する。
【0216】
更に、住警器100は、試験連動信号を受信する毎に、試験防災情報の音声メッセージによる報知出力がなかった回数Nを連続して計数し、連続回数Nが所定の閾値回数Nthに達した場合に、試験防災情報を音声メッセージにより報知出力させる。
【0217】
なお、住警器100から報知出力されたそれぞれの防災情報又は試験防災情報は、例えば所定時間経過後または所定回数報知後に停止する。
【0218】
また、住警器100は、中継アダプタ500からの試験連動信号を受信した場合、同じ住宅に配置している他の住警器100へ自己の属するグループ符号を設定した試験連動信号を送信し、同じグループに属する他の住警器100からも試験防災情報を出力させる連動試験を行わせる。
【0219】
なお、全国瞬時警報システム(J-ALERT)にあっては、必要に応じて試験放送や訓練放送を行っているが、緊急警報放送(EWS)のように、試験放送を定期的には行っていないことから、現状では、定期的なシステム試験には利用できないが、全国瞬時警報システム(J-ALERT)が定期的に試験放送を行う場合には、全国瞬時警報システム受信機404で受信した試験放送の情報番号をヘッドエンド402で判別して、同様なシステム自動試験を行うようにしても良い。この場合には緊急警報受信装置15は不要となる。
【0220】
また、必要な場合は、市町村防災操作卓406による試験操作で試験通報信号をヘッドエンド402に出力してシステム自動試験を行うことも可能である。
【0221】
(中継アダプタ500の構成)
図18は
図17に設けた中継アダプタ500の実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0222】
図18において、中継アダプ500は、中継制御部520を備えたプロセッサ502、FM受信アンテナ506を接続したFM受信部504、アンテナ210を接続すると共に第2送信回路218を備えた第2無線通信部208で構成し、AC100Vから直流電源を生成して各部に供給する電源回路部512により動作し、更にバッテリーなどの二次電池を用いた予備電源部514を設けている。
【0223】
FM受信部504は、FM受信アンテナ506を介してコミュニティFM放送局400から送信された放送信号を、76.0~90.0MHz帯の中の特定の放送周波数を選局して受信復調し、プロセッサ502に出力する。なお、中継アダプタ500が予備電源部514で動作する場合、FM受信部504は間欠受信動作を行い、予備電源部514の寿命を延ばすように動作する。
【0224】
プロセッサ502には中継制御部520の機能が設けられる。中継制御部520はFM受信部504で受信復調した信号を入力し、この信号に含まれる緊急地震速報、大津波警報又は津波警報、又は試験を示す情報番号を解読した場合、それぞれに基づき
図5に示した連動信号と同じ全ての住警器で有効受信を可能とする共通グループ符号を設定して所謂グループ指定なしとしたフォーマット構成もつ第2無線通信プロトコルに従った緊急地震速報連動信号、大津波警報連動信号、津波警報連動信号又は試験連動信号を生成して第2無線通信部208に出力する制御を行う。
【0225】
第2無線通信部208の第2送信回路218は、プロセッサ502から入力した緊急地震速報連動信号、大津波警報連動信号、津波警報連動信号又は試験連動信号を、アンテナ210を介して住警器100へ送信する。これは
図8に示した中継アダプタ200の場合と同様となる。
【0226】
中継アダプタ500から送信された緊急地震速報連動信号、大津波警報連動信号、津波警報連動信号などの緊急情報連動信号又は試験連動信号は住警器100で受信され、それぞれに対応した警報メッセージ又は試験メッセージを音声出力させると共に警報表示を行う。住警器100の構成及び機能は、
図8の住警器100の場合と同様となる。
【0227】
このように住宅24にコミュニティFM放送局400から送信された緊急地震速報、大津波警報または津波警報などの緊急情報通報信号を、住警器100側の第2無線通信プロトコルに従った連動信号に変換する中継アダプタ500を設けたことで、義務化に伴い設置されている住警器100をそのまま利用して、コミュニティFM放送局400から送信された緊急地震速報、大津波警報又は津波警報に対応した報知出力を各住宅の住警器100から行うことができる。
【0228】
また、コミュニティFM放送局400側に設けた緊急情報受信装置15により、例えば毎月1日の正午前に送信される緊急地震放送(EWS)の試験放送を検知し、中継アダプタ500によるプロトコル変換を経て住警器100へ試験連動信号を送信して試験防災情報を報知出力するようにしたため、緊急情報通報信号を送信するヘッドエンド402、コミュニティFM放送局400、中継アダプタ500及び住警器100の連携動作と報知動作の試験を定期的且つ自動的に行うことができ、連携システム動作の信頼性を向上することができる。
【0229】
[ワンセグ放送を用いた防災警報連携システム]
(システム概要)
図19はワンセグ放送局と住警器を組み合わせた本発明の他の実施形態となる防災警報連携システムを示した説明図である。
【0230】
図19において、放送設備となるワンセグ放送局600は、携帯電話や移動体端末向けの1セグメント部分受信サービスを提供する放送局であり、地上デジタル放送推進協会によりワンセグという名称が決定されていることから、本実施形態ではワンセグ放送局600としている。
【0231】
地上デジタル放送法式では、1チャンネルが13のセグメントに分割されており、セグメントをいくつか束ねて映像データや音声データを送信している。必要とするセグメント数は、ハイビジョン放送では12セグメント、通常画質の放送では4セグメントで済むことから、3つの異なる番組を同時に放送することを可能とする。13セグメントの内、1つのセグメントが移動体向け放送に予約されており、これを使って放送を行うのがワンセグ放送である。ワンセグ放送は、帯域が通常放送の1/4と狭いため、例えば320×320ピクセルサイズの低解像度の画像を伝送する。
【0232】
また本実施形態のワンセグ放送局600は、地理的なコミュニティを放送対象地域とするコミュニティワンセグ放送局であり、市区町村あるいは政令指定都市の行政区内の一部の地域などを放送エリアとする。
【0233】
ワンセグ放送局600は、ヘッドエンド402と接続され、ヘッドエンド402には全国瞬時警報システム受信機404と市町村防災操作卓406を接続し、市長さん防災操作卓406には緊急警報受信装置15を接続している。
【0234】
全国瞬時警報システム受信機404は、緊急地震速報、大津波警報、津波警報等を受信した場合、情報番号と地域対象コード情報を含む放送内容を復調してヘッドエンド402へ緊急情報通報信号として出力する。
【0235】
ヘッドエンド402は全国瞬時警報システム受信機404から出力された緊急情報通報信号を受信し、例えば緊急地震速報、大津波警報、津波警報については、放送内容の自動選択と自動配信のフィルタリング機能を設定しており、受信した地域対象コード情報が予め設定した地域対象コード情報に一致した場合に、放送内容を選択すると共に例えば放送内容を示した文字画面を生成し、放送内容、文字画面及び情報番号と一緒にした緊急情報通報信号をワンセグ放送局600へ配信する。
【0236】
ワンセグ放送局600は、ヘッドエンド402から配信された例えば緊急地震速報、大津波警報又は津波警報の放送内容、文字画面及び情報番号を含む緊急情報通報信号を、例えばワンセグのデータ放送部分に配置し、これを地上デジタル放送波に載せて送信する。
【0237】
コミュニティFM放送局400の対象地域となる屋外には中継アダプタ700を設置し、中継アダプタ700から中継する信号の受信可能エリアとなる住宅24には、住警器100を1又は複数台設置している。中継アダプタ700はAC電源を必要とすることから、例えば
図1の実施形態と同様、市町村防災無線設備10を併設している場合には、拡声子局16の近傍、例えば支柱に設置し、拡声子局16のAC電源をそのまま使用して、設備構成を簡単にする。
【0238】
中継アダプタ700は、ワンセグ放送局600から送信された緊急情報通報信号を受信した場合、このデータ放送部分に含まれる情報番号を解読し、情報番号に対応した住警器100側の第2無線通信プロトコルに従った緊急情報連動信号、即ち緊急地震速報連動信号、大津波警報連動信号または津波警報連動信号に変換して住警器100へ送信し、住警器100から所定の警報音声メッセージにより緊急地震速報、大津波警報又は津波警報を出力させる。
【0239】
ここで、中継アダプタ700から第2無線通信プロトコルに従った送信する連動信号に含まれるグループ符号は、全ての住警器で有効受信を可能とする共通グループ符号を設定して所謂グループ指定なしの連動信号としている。また、警報器100から出力する警報音声メッセージは、
図17の場合と同様である。
【0240】
また市町村防災操作卓406は、ヘッドエンド402に自動起動配信のために設定した以外の全国瞬時警報システムの情報を全国瞬時警報システム受信機404で受信した場合に、市町村の担当職員が必要に応じて配信指示操作を行い、配信指示信号をヘッドエンド402へ出力する。この配信指示信号を受信したヘッドエンド402は、全国瞬時警報システム受信機404から受信した放送内容と情報番号を含む緊急情報通報信号をワンセグ放送局600へ配信し、地上デジタル放送波に乗せて送信させる。
【0241】
更に本実施形態にあっては、防災警報連携システムの自動試験を行うため、市町村防災操作卓406に対し緊急情報受信装置15を設けている。緊急情報受信装置15は、
図7に示したと同様であり、緊急情報放送である緊急警報放送(EWS)または緊急地震速報(EEW)の受信を検知した場合に放送信号を再生出力し、また緊急警報放送(EWS)の試験信号の受信を検知した場合は試験通報信号を自動的に出力する。この緊急情報受信装置15が試験通報信号を出力する機能は、
図17の場合と同様である。
【0242】
緊急警報受信装置15から出力された試験通報信号は、市町村防災操作卓406を経由してヘッドエンド402へ送信され、試験通報信号を受信したヘッドエンド402は、システム試験を示す所定の情報番号、試験放送内容及び試験内容を示した文字画面を含む試験通報信号を生成し、ワンセグ放送局600に配信し、試験通報信号を例えばワンセグのデータ放送部分に配置し、これを地上デジタル放送波に載せて送信する。
【0243】
ワンセグ放送局600から送信された試験通報信号は中継アダプタ700で受信され、中継アダプタ700は受信した試験通報信号に含まれる情報番号を解読してシステム試験を認識し、住警器100側の第2無線通信プロトコルに従った試験連動信号に変換して住警器100へ送信し、住警器100から試験防災情報を報知出力させる。
【0244】
ここで、中継アダプタ700から第2無線通信プロトコルに従った送信する試験連動信号に含まれるグループ符号は、全ての住警器で有効受信を可能とする共通グループ符号を設定して所謂グループ指定なしの連動信号としている。
【0245】
住警器100による試験防災情報の報知出力は、LED122を所定時間のあいだ、点灯、点滅または明滅させることで、報知出力させる。また、警報器100-1は、LED122の作動中に警報停止スイッチ120のオン操作を検出した場合、例えば「ピーピー 緊急警報試験を行います 緊急警報が発令されました。」といった音声メッセージを繰り返し報知出力する。なお、試験防災情報は実際の警報音量に対し低い音量を設定して行うことで、消費電力を低減する。
【0246】
更に、住警器100は、試験連動信号を受信する毎に、試験防災情報の音声メッセージによる報知出力がなかった回数Nを連続して計数し、連続回数Nが所定の閾値回数Nthに達した場合に、試験防災情報を音声メッセージにより報知出力させる。
【0247】
なお、住警器100から報知出力されたそれぞれの防災情報又は試験防災情報は、例えば所定時間経過後または所定回数報知後に停止する。
【0248】
また、住警器100は、中継アダプタ700からの試験連動信号を受信した場合、同じ住宅に配置している他の住警器100へ自己の属するグループ符号を設定した試験連動信号を送信し、同じグループに属する他の住警器100からも試験防災情報を報知出力させる連動試験を行わせる。
【0249】
なお、全国瞬時警報システム(J-ALERT)にあっては、必要に応じて試験放送や訓練放送を行っているが、緊急警報放送(EWS)のように、試験放送を定期的には行っていないことから、現状では、定期的なシステム試験には利用できないが、本実施形態にあっても、全国瞬時警報システム(J-ALERT)が定期的に試験放送を行う場合には、全国瞬時警報システム受信機404で受信した試験放送の情報番号をヘッドエンド402で判別して、同様なシステム自動試験を行うようにしても良い。この場合には緊急警報受信装置15は不要となる。
【0250】
また、必要な場合は、市町村防災操作卓406による試験操作で試験通報信号をヘッドエンド402に出力してシステム自動試験を行うことも可能である。
【0251】
(中継アダプタ700の構成)
図20は
図19に設けた中継アダプタ700の実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0252】
図20において、中継アダプ700は、中継制御部720を備えたプロセッサ702、ワンセグ受信アンテナ706を接続したワンセグ受信部704、アンテナ210を接続し第2送信回路218を備えた第2無線通信部208で構成し、AC100Vから直流電源を生成して各部に供給する電源回路部712により動作し、更にバッテリーなどの二次電池を用いた予備電源部714を設けている。
【0253】
ワンセグ受信部704はワンセグ受信アンテナ706を介してワンセグ放送局600から送信された、所定チャンネルのワンセグ放送信号を選局して復調し、プロセッサ702に出力する。なお、中継アダプタ700が予備電源部714で動作する場合、ワンセグ受信部704は間欠受信動作を行い、予備電源部514の寿命を延ばすように動作する。
【0254】
プロセッサ702には中継制御部720の機能が設けられる。中継制御部720はワンセグ受信部704で受信復調した信号を入力し、この信号に含まれる緊急地震速報、大津波警報、津波警報、又は試験を示す情報番号を解読した場合、それぞれに基づき
図5に示した連動信号と同じ全ての住警器で有効受信を可能とする共通グループ符号を設定して所謂グループ指定なしとしたフォーマット構成もつ第2無線通信プロトコルに従った緊急地震速報連動信号、大津波警報連動信号、津波警報連動信号、又は試験連動信号を生成して第2無線通信部208に出力する制御を行う。
【0255】
第2無線通信部208の第2送信回路218は、プロセッサ702から入力した緊急地震速報連動信号、大津波警報連動信号、津波警報連動信号、又は試験連動信号を、アンテナ210を介して住警器100へ送信する。これは
図8に示した中継アダプタ200の場合と同様となる。
【0256】
中継アダプタ700から送信された緊急地震速報連動信号、大津波警報連動信号または津波警報連動信号などの緊急情報通報信号、又は試験連動信号は住警器100で受信され、住警器100は緊急地震速報連動信号、大津波警報連動信号、津波警報連動信号、又は試験連動信号の有効受信を検知した場合、それぞれに対応した警報メッセージ又は試験メッセージを音声出力させると共に警報表示を行う。住警器100の構成及び機能は、
図8の住警器100の場合と同様となる。
【0257】
このように住宅24にワンセグ放送局600から送信された緊急地震速報、大津波警報または津波警報などの緊急情報通報信号を、住警器100側の第2無線通信プロトコルに従った連動信号に変換する中継アダプタ700を設けたことで、義務化に伴い設置されている住警器100をそのまま利用して、ワンセグ放送局600から送信された緊急地震速報、大津波警報又は津波警報に対応した報知出力を各住宅の住警器100から行うことができる。
【0258】
また、ワンセグ放送局600側に設けた緊急情報受信装置15により、例えば毎月1日の正午前に送信される緊急地震放送(EWS)の試験放送を検知し、中継アダプタ700によるプロトコル変換を経て住警器100へ試験連動信号を送信して試験防災情報を報知
出力するようにしたため、緊急情報通報信号を送信するヘッドエンド402、ワンセグ放送局600、中継アダプタ700及び住警器100の連携動作と報知動作の試験を定期的且つ自動的に行うことができ、連携システム動作の信頼性を向上することができる。
【0259】
[本発明の変形例]
なお、上記の実施形態に加え、住警器100で緊急警報試験信号の受信ができない期間をタイマにより計測し、通信アダプタ200との間の通信障害等に起因して3ケ月又は6ケ月といった試験周期を超えても緊急警報試験信号が受信されない場合、表示部の表示又はスピーカからの音声メッセージにより試験信号の通信できていない旨を報知するようにしても良い。
【0260】
また、上記実施形態では、緊急情報制御データ信号(デジタル信号)により音声周波数帯域の搬送波信号を変調するデジタル変調として、FSK変調信号とMSK変調信号を例に挙げたが、DTMF(Dual Tone Multi Frequency)変調などのトーンを組み合わせたものでも良い。もちろん、他の方式によるものでも良く、搬送波信号をデジタル信号により変調するデジタル変調であっても、搬送波信号をアナログ信号で変調するアナログ変調であっても良い。アナログ変調の場合には、緊急情報制御信号(アナログ信号)により音声周波数帯域の搬送波信号を変調することになる。
【0261】
また、上記の実施形態における屋内に設置した連動型の警報システムは、グループ内警報器(住警器)同士の連動について親警報器(親器)と子警報器(子器)を設ける所謂親子式のシステムであっても親子を区別しない方式であっても良く、本発明の連携連動による市町村防災無線設備からの警報を、同警報システム内の複数の警報器で連動報知できるものであればどのよう方式であっても良い。このとき、複数の警報器を設けた警報システム内の全ての警報器から警報を出力する必要は無く、少なくとも1台の警報器から出力できれば良い。
【0262】
また、上記の実施形態は火災を検知して警報する住警器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器その他各種の警報器を配置した警報システムについても同様に適用できる。この場合、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器その他各種の警報器については、前述したSTD-30以外に、STD-T108ノ920MHz帯の通信やWiFi、ZigBee(登録商標)といった近距離無線通信を使用することもできる。
【0263】
また市町村防災無線設備の親局からの緊急情報通報信号を受信して防災情報を報知出力する機器としては、警報器以外に、警報器からの連動信号を受信して白色LEDなどのフラッシュランプを駆動する音声警報機能を備えたフラッシャー装置、浴室リモコン装置、インターホン装置、告知放送受信機等の音声出力機能を備えた他の機器であっても良い。
【0264】
また市町村防災無線設備の親局から住警器側で報知出力するために送信する通報信号は、緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号または緊急警報通報信号以外に、火災発生の知らせ、消防団員の召集、鎮火報告、朝昼晩の時報を知らせる音楽、鐘、チャイム、児童の帰宅を促す放送など、必要に応じて適宜の通報信号を送信して警報器から報知出力させても良い。
【0265】
また、警報器にフラッシュライト等の表示装置を設けて、警報の報知出力の効果を高めても良い。
【0266】
また上記の実施形態は、中継アダプタを拡声子局の近傍に設置する場合を例にとるものであったが、中継アダプタを必要に応じて単独で設置しても良いし、他の無線設備機器である例えば再送信子局などの近傍に設置しても良い。
【0267】
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入する等が出来る。
【0268】
また、上記実施の形態で示した各機器のプロセッサは、その機能の一部又は全部を、例えばワイヤードロジック等による他の手段に代えることが出来る。
【0269】
また、上記の実施形態では、電池電源によって動作する住警器を例に取ったが、電池電源以外の電源で動作するものにも本発明を適用できる。
【0270】
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用でき、さらに用途の異なる警報器を適宜組み合わせたシステムにも適用できる。
【0271】
また、警報器同士は必ずしも連動するものでなくても良く、所定の警報器が市町村防災無線設備の親局から送信した通報信号を受信して報知出力できるものであれば良い。
【0272】
また、警報器や中継アダプタ間の各連動は無線通信によるものでなくても良く、有線通信によっても、また有線通信と無線通信を適宜混在させるものであっても良い。
【0273】
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0274】
10:市町村防災無線設備
12:親局
14:操作卓
15:緊急情報受信装置
16:拡声子局
18:拡声器
20:戸別受信機
22:中継局
24:住宅
26,46,62:制御部
28:音声入力部
30,54:電話制御部
32,58,64:無線通信部
34,60,66,131,206,210,506,706:アンテナ
36,48,70,90,138:操作部
38,50,68,88:表示部
40:放送用マイク
42:親電話機
44:緊急地震速報受信機
52,76:音声出力部
55,212,512:電源回路部
55a,214,514,714:予備電源部
56:子電話機
78,86,158:スピーカ
82,124,202,502,702:プロセッサ
83:FMアンテナ
84:FM受信部
85:音声増幅部
86,158:スピーカ
92,132:メモリ
94:インタフェース部
96:受信制御部
100:住警器
112:カバー
114:本体
115:取付フック
116:検煙部
118:音響孔
120:警報停止スイッチ
122:LED
130,208:第2無線通信部
134:センサ部
136:報知部
140:電池電源
146,218:第2送信回路
148:第2受信回路
150:連動信号
152:連番
154:送信元符号
155:グループ符号
156:事象符号
160:警報制御部
200,500,700:中継アダプタ
204:第1無線通信部
216:第1受信回路
220,520,720:中継制御部
400:コミュニティFM放送局
402:ヘッドエンド
404:全国瞬時警報システム受信機
406:市町村防災操作卓