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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】機能水生成装置及び機能水生成方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/461 20230101AFI20231227BHJP
【FI】
C02F1/461 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022155238
(22)【出願日】2022-09-28
【審査請求日】2022-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】591201686
【氏名又は名称】株式会社日本トリム
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】小河原 賢一郎
(72)【発明者】
【氏名】三宅 正人
【審査官】石岡 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-209625(JP,A)
【文献】特開2021-013468(JP,A)
【文献】特開2012-022465(JP,A)
【文献】特開2008-253943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/28、1/44、1/46-1/48
E03C1/00-1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能水生成装置であって、
それぞれ異なる機能水を生成する複数のモードで動作する機能水生成部と、
ユーザーが前記モードを切り替えるために操作する操作部と、
前記操作部の操作に基づいて、前記複数のモードの中から1つのモードを決定し、そのモードで前記機能水生成部を動作させる制御部とを含み、
前記複数のモードは、浄化された浄水を生成する浄水モードと、電気分解された電解水を生成する電解水モードとを少なくとも含み、
前記操作部は、
ユーザーによってタッチ操作される操作面と、
前記操作面上でユーザーによってタッチされている位置を検出する位置検出部とを含み、
前記制御部は、
前記位置検出部から出力された信号に基づいて、前記操作面上でタッチが開始された第1位置と、前記操作面上でタッチが終了した第2位置とを特定し、
前記第1位置と前記第2位置との位置関係に基づいて、前記モードを決定し、
前記電解水モードは、電気分解によって還元水を生成する還元水モードと、電気分解によって酸性水を生成する酸性水モードとを含み、
前記操作面には、第1座標軸を含む座標系が予め定義されており、
前記制御部は、
前記第2位置が前記第1位置から前記第1座標軸上の第1方向にあるとき、前記モードを前記還元水モードに決定し、
前記第2位置が前記第1位置から前記第1座標軸上の前記第1方向とは逆の第2方向にあるとき、前記モードを前記酸性水モードに決定し、
前記制御部は、さらに、
前記第1位置から前記第2位置までの前記第1座標軸の方向の距離である第1距離に応じて、前記決定された動作モードでの前記機能水のpHを決定する、
機能水生成装置。
【請求項2】
機能水生成装置であって、
それぞれ異なる機能水を生成する複数のモードで動作する機能水生成部と、
ユーザーが前記モードを切り替えるために操作する操作部と、
前記操作部の操作に基づいて、前記複数のモードの中から1つのモードを決定し、そのモードで前記機能水生成部を動作させる制御部とを含み、
前記複数のモードは、浄化された浄水を生成する浄水モードと、電気分解された電解水を生成する電解水モードとを少なくとも含み、
前記操作部は、
ユーザーによってタッチ操作される操作面と、
前記操作面上でユーザーによってタッチされている位置を検出する位置検出部とを含み、
前記制御部は、
前記位置検出部から出力された信号に基づいて、前記操作面上でタッチが開始された第1位置と、前記操作面上でタッチが終了した第2位置とを特定し、
前記第1位置と前記第2位置との位置関係に基づいて、前記モードを決定し、
前記操作面には、第2座標軸を含む座標系が予め定義されており、
前記制御部は、さらに、
前記第1位置から前記第2位置までの前記第2座標軸の方向の距離である第2距離に応じて、前記機能水の溶存気体濃度を決定する、
機能水生成装置。
【請求項3】
機能水生成装置であって、
それぞれ異なる機能水を生成する複数のモードで動作する機能水生成部と、
ユーザーが前記モードを切り替えるために操作する操作部と、
前記操作部の操作に基づいて、前記複数のモードの中から1つのモードを決定し、そのモードで前記機能水生成部を動作させる制御部とを含み、
前記複数のモードは、浄化された浄水を生成する浄水モードと、電気分解された電解水を生成する電解水モードとを少なくとも含み、
前記操作部は、
ユーザーによってタッチ操作される操作面と、
前記操作面上でユーザーによってタッチされている位置を検出する位置検出部とを含み、
前記制御部は、
前記位置検出部から出力された信号に基づいて、前記操作面上でタッチが開始された第1位置と、前記操作面上でタッチが終了した第2位置とを特定し、
前記第1位置と前記第2位置との位置関係に基づいて、前記モードを決定し、
前記電解水モードは、電気分解によって還元水を生成する還元水モードと、電気分解によって酸性水を生成する酸性水モードとを含み、
前記操作面には、第1座標軸を含む座標系が予め定義されており、
前記制御部は、
前記第2位置が前記第1位置から前記第1座標軸上の第1方向にあるとき、前記モードを前記還元水モードに決定し、
前記第2位置が前記第1位置から前記第1座標軸上の前記第1方向とは逆の第2方向にあるとき、前記モードを前記酸性水モードに決定し、
前記座標系は、前記第1座標軸と交差する第2座標軸を含み、
前記制御部は、さらに、
前記第1位置から前記第2位置までの前記第2座標軸の方向の距離である第2距離に応じて、前記決定された前記機能水の溶存気体濃度を決定する、
機能水生成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1距離が予め定められた第1閾値以下であるとき、前記モードを前記浄水モードに決定する、請求項1に記載の機能水生成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記機能水生成部が前記電解水モードで動作中に、前記位置検出部が前記第1位置を検出したとき、前記電解水モードでの動作を停止させる、請求項1ないし3のいずれかに記載の機能水生成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1距離が予め設定された第2閾値以上であるとき、前記第1距離に対応する前記機能水を生成する意思があるか、ユーザーに確認する機能を有する、請求項1に記載の機能水生成装置。
【請求項7】
前記タッチ操作に応じて、音を出力するスピーカー装置をさらに含み、
前記制御部は、前記第1位置からの前記第2位置の方向及び距離に応じて、前記スピーカー装置から出力される前記音の波長及び振幅を制御する、請求項1ないし3のいずれかに記載の機能水生成装置。
【請求項8】
前記タッチ操作に応じて、光を出力する発光装置をさらに含み、
前記制御部は、前記第1位置からの前記第2位置の方向及び距離に応じて、前記発光装置から出力される前記光の波長及び振幅を制御する、請求項1ないし3のいずれかに記載の機能水生成装置。
【請求項9】
前記操作面には、突起が形成されている、請求項1ないし3のいずれかに記載の機能水生成装置。
【請求項10】
前記突起は複数設けられ、前記操作面上の場所に応じて異なる形状を有している、請求項9に記載の機能水生成装置。
【請求項11】
前記タッチ操作に応じて、前記操作面を振動させる振動装置をさらに含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の機能水生成装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記第1位置から前記第2位置に至るタッチの軌跡を前記操作面に表示させる、請求項1ないし3のいずれかに記載の機能水生成装置。
【請求項13】
それぞれ異なる機能水を生成する複数のモードで機能水を生成する方法であって、
前記複数のモードは、浄化された浄水を生成する浄水モードと、電気分解された電解水を生成する電解水モードとを少なくとも含み、
ユーザーによってタッチ操作されている操作面上の位置を検出する第1ステップと、
前記第1ステップで検出された前記位置から前記操作面上でタッチが開始された第1位置と、前記操作面上でタッチが終了した第2位置とを特定する第2ステップと、
前記第1位置と前記第2位置との位置関係に基づいて、生成する前記機能水を生成する前記モードを決定する第3ステップとを含み、
前記操作面には、第1座標軸を含む座標系が予め定義されており、
前記第3ステップは、さらに、
前記第1位置から前記第2位置までの前記第1座標軸の方向の距離である第1距離に応じて、前記機能水のpHを決定する、
機能水生成方法。
【請求項14】
それぞれ異なる機能水を生成する複数のモードで機能水を生成する方法であって、
前記複数のモードは、浄化された浄水を生成する浄水モードと、電気分解された電解水を生成する電解水モードとを少なくとも含み、
ユーザーによってタッチ操作されている操作面上の位置を検出する第1ステップと、
前記第1ステップで検出された前記位置から前記操作面上でタッチが開始された第1位置と、前記操作面上でタッチが終了した第2位置とを特定する第2ステップと、
前記第1位置と前記第2位置との位置関係に基づいて、生成する前記機能水を生成する前記モードを決定する第3ステップとを含み、
前記操作面には、第2座標軸を含む座標系が予め定義されており、
前記第3ステップは、さらに、
前記第1位置から前記第2位置までの前記第2座標軸の方向の距離である第2距離に応じて、前記機能水の溶存気体濃度を決定する、
機能水生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
それぞれ異なる機能水を生成する複数のモードで機能水を生成する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、水を電気分解することにより電解水を生成する電解水生成装置が注目されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-209625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電解水としては、アルカリ性の電解水及び酸性の電解水が挙げられる。上記電解水生成装置のユーザーは、電解水生成装置に搭載されている操作部を介して生成したい電解水を入力する。
【0005】
例えば、上記特許文献1にあっては、操作部としてタッチパネルが開示されている。しかしながら、さらなる使い勝手の向上のため、新たな技術の提案が期待されている。
【0006】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、ユーザーの使い勝手を高めることができる電解水生成装置及び電解水生成方法を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、機能水生成装置であって、
それぞれ異なる機能水を生成する複数のモードで動作する機能水生成部と、
ユーザーが前記モードを切り替えるために操作する操作部と、
前記操作部の操作に基づいて、前記複数のモードの中から1つのモードを決定し、そのモードで前記機能水生成部を動作させる制御部とを含み、
前記複数のモードは、浄化された浄水を生成する浄水モードと、電気分解された電解水を生成する電解水モードとを少なくとも含み、
前記操作部は、
ユーザーによってタッチ操作される操作面と、
前記操作面上でユーザーによってタッチされている位置を検出する位置検出部とを含み、
前記制御部は、
前記位置検出部から出力された信号に基づいて、前記操作面上でタッチが開始された第1位置と、前記操作面上でタッチが終了した第2位置とを特定し、
前記第1位置と前記第2位置との位置関係に基づいて、前記モードを決定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の前記機能水生成装置では、前記制御部は、前記位置検出部から出力された信号に基づいて、前記操作面上でタッチが開始された第1位置と、前記操作面上でタッチが終了した第2位置とを特定する。さらに、制御部は、前記第1位置と前記第2位置との位置関係に基づいて、前記モードを決定する。これにより、ユーザーは生成したい機能水をいわゆるスワイプ操作によって直感的に入力でき、前記機能水生成装置の使い勝手が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の機能水生成装置の概略を示す斜視図である。
図2図1の機能水生成装置の構成を示すブロック図である。
図3図1の操作部の構成を示す分解斜視図である。
図4図3の操作面に表示される画像の一例を示す図である。
図5図3の操作面に表示される画像の別の例を示す図である。
図6】本発明の機能水生成方法の各ステップを示すフローチャートである。
図7図3の操作面に表示される画像のさらに別の例を示す図である。
図8図2の機能水生成部の変形例を示すブロック図である。
図9図3の操作面に表示される画像のさらに別の例を示す図である。
図10図3の操作面の変形例を示す図である。
図11図3の操作部の変形例を示す図である。
図12図3の操作面に表示される画像のさらに別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1及び図2は、本実施形態の機能水生成装置1を示している。
【0011】
機能水生成装置1は、機能水を生成する機能水生成部2と、機能水生成部2を制御する制御部6と、機能水生成部2のモードを切り替えるための操作部7とを備える。
【0012】
機能水生成部2が生成する機能水には、浄化された浄水、電気分解によって生成された電解水が含まれる。すなわち、機能水生成部2のモードには、浄水を生成する「浄水モード」及び電解水を生成する「電解水モード」が含まれる。
【0013】
さらに、電解水には、陰極側で生成される還元水及び陽極側で生成される酸性水が含まれる。すなわち、「電解水モード」には、電気分解によって還元水を生成する「還元水モード」及び電気分解によって酸性水を生成する「酸性水モード」が含まれる。
【0014】
機能水生成部2は、原水を浄化して浄水を生成する浄水カートリッジ3と、浄水カートリッジ3を通過した浄水を電気分解することにより還元水又は酸性水を生成する電解槽4とを含む。
【0015】
原水には、一般的には水道水が利用されるが、その他、例えば、井戸水、地下水等を用いることができる。
【0016】
浄水カートリッジ3は、機能水生成装置1の本体に対して着脱可能に構成されている。本実施形態では、浄水カートリッジ3は、電解槽4の上流に設けられている。浄水カートリッジ3は、電解槽4の下流に設けられていてもよい。この場合、浄水カートリッジ3は、電解槽4によって生成された還元水、酸性水又は電解槽4を通過した原水を浄化し浄水を生成する。
【0017】
電解槽4は、浄水カートリッジ3から供給された水を電気分解することにより、電解水、すなわち、還元水及び酸性水を生成する。
【0018】
電解槽4は、電解室40と、第1給電体41と、第2給電体42と、隔膜43とを有している。電解室40は、隔膜43によって、第1給電体41側の第1極室40Aと、第2給電体42側の第2極室40Bとに区切られる。
【0019】
浄水カートリッジ3と電解槽4とは、給水路21によって接続されている。給水路21は、浄水カートリッジ3から電解槽4に至る途中の分岐部で二方に分岐し、第1極室40A及び第2極室40Bと接続されている。これにより、第1極室40A及び第2極室40Bの両方に、浄水カートリッジ3によって浄化された浄水が供給される。
【0020】
第1給電体41及び第2給電体42の一方は陽極給電体として適用され、他方は陰極給電体として適用される。第1給電体41及び第2給電体42の極性は、機能水生成部2のモード等に応じて適宜変更されうる。電解室40の第1極室40A及び第2極室40Bの両方に浄水が供給され、第1給電体41及び第2給電体42に直流電圧が印加されることにより、電解室40内で水の電気分解が生ずる。
【0021】
隔膜43は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)親水膜によって構成されている。このような電解槽4では、第1極室40A及び第2極室40Bで、還元水又は酸性水が生成される。還元水には、電気分解によって生じた水素ガスが溶け込み、酸性水には、電気分解によって生じた酸素ガスが溶け込んでいる。従って、上記還元水は、電解水素水とも称される。
【0022】
第1極室40Aは第1出水管23と接続され、第1極室40Aで生成された電解水は、第1出水管23から吐出される。一方、第2極室40Bは第2出水管24と接続され、第2極室40Bで生成された電解水は、第2出水管24から吐出される。図2では、第1極室40Aで生成された還元水が、第1出水管23から吐出される「還元水モード」での機能水生成装置1が示されている。
【0023】
電解槽4の動作は、制御部6によって制御される。制御部6は、例えば、各種の演算処理、情報処理等を実行するCPU(Central Processing Unit)及びCPUの動作を司るプログラム及び各種の情報を記憶するメモリ等を有している。
【0024】
機能水生成部2のモードが還元水モード又は酸性水モードであるとき、制御部6は、第1給電体41及び第2給電体42に直流電圧を印加する。制御部6は、機能水生成部2のモードに応じて、第1給電体41及び第2給電体42の極性を制御する。
【0025】
さらに、制御部6は、機能水のpHに応じて、第1給電体41及び第2給電体42に供給する電解電流Iを制御する。より具体的には、制御部6は、給水路21に設けられている流量センサー22から入力された単位時間あたりの流量に相当する信号に基づいて、上記メモリに格納された情報を参照し、給電体41、42に供給する電解電流Iを制御する。電解電流Iの制御は、制御部6が第1給電体41と第2給電体42との間に印加する直流電圧を制御することによって実現される。これにより、電解槽4での電解レベルが制御される。
【0026】
操作部7は、ユーザーによって操作される。操作部7は、例えば、機能水生成部2のモードを切り替える際に操作される。
【0027】
図3は、操作部7の構成を示している。操作部7は、その前面に配されるフロントパネル71と、フロントパネル71に操作領域を表示する表示部72と、操作された操作面上の位置を検出する位置検出部73を有する。本実施形態では、フロントパネル71、位置検出部73及び表示部72等が積層されてなるいわゆる投影型のタッチパネルが適用されている
【0028】
フロントパネル71には、例えば、ガラス板等の透光性を有する板状部材が適用されている。フロントパネル71は、ユーザーによってタッチ操作される操作面71aを有する。なお、ユーザーは、自身の指先の他、タッチペン等を操作した、タッチ操作を行なうことができる。
【0029】
表示部72は、位置検出部73の背面側に設けられている。表示部72には、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等が適用される。表示部72は、制御部6によって制御され、フロントパネル71の側に各種の画像を投影する。制御部6は、メモリに記憶されている各種の情報を参照し、表示部72を制御する。従って、表示部72は、各種の情報を種々の形態で表示可能である。例えば、表示部72は、各モードに対応する操作領域を、操作面71a上に並べて表示できる。
【0030】
表示部72が投影した画像は、位置検出部73及びフロントパネル71を透過して、ユーザーに伝達される。従って、位置検出部73には、透光性が付与されている。
【0031】
位置検出部73は、ユーザーによってタッチ操作された操作面71a上の一つの位置を検出し、その位置情報を制御部6に出力する。例えば、操作面71aがユーザーによってタッチ操作されると、制御部6は、何らかの指令がユーザーによって入力されたことを認識する。そして、制御部6は、ユーザーによって入力された指令を特定し、機能水生成装置1の各部を制御する。
【0032】
本実施形態では、投影式の表示部72が適用されているが、反射式の表示部(例えば、後述する操作領域等の各種の情報が印刷されたシート)が適用されていてもよい。この場合、表示部は、フロントパネル71の正面側又は背面側に配置され、透光性を有さない位置検出部73を適用可能である。表示部がフロントパネル71の正面側に配置される形態では、透光性を有さないフロントパネル71を適用可能である。このような表示部を用いることにより、操作部7の構成が簡素化され、機能水生成装置1のコストダウンを図ることが可能となる。
【0033】
図4、5は、操作面71aに表示される画像700の一例を示している。本発明の制御部6及び操作部7は、スワイプ操作の検出に対応する。
【0034】
より具体的には、図4に示されるように、位置検出部73は、操作面71a上の第1位置P1でタッチが開始されたとき、その旨の第1信号を制御部6に出力する。これにより、制御部6は、位置検出部73から入力された第1信号に基づいて、操作面71a上での第1位置P1を特定する。
【0035】
さらに、図5に示されるように、位置検出部73は、操作面71a上の第2位置P2でタッチが終了されたとき、その旨の第2信号を制御部6に出力する。第2信号は、第1信号とは異なる信号であり、制御部6によって区別して処理される。これにより、制御部6は、第2信号に基づいて、操作面71a上での第1位置P1と第2位置P2とを特定する。
【0036】
図6は、機能水生成装置1で実行される機能水生成方法100の各ステップを示している。機能水生成方法100は、第1ステップS1ないし第3ステップS3を含んでいる。
【0037】
第1ステップS1では、位置検出部73が、ユーザーによってタッチ操作されている操作面71a上の位置を検出し、制御部6に上記第1信号及び第2信号を出力する。
【0038】
第2ステップS2では、第1ステップS1で検出された位置に関する信号に基づいて、制御部6が操作面71a上でタッチが開始された第1位置P1と、操作面71a上でタッチが終了した第2位置P2とを特定する。
【0039】
第3ステップS3では、制御部6が、第1位置P1と第2位置P2との位置関係に基づいて、機能水を生成するモードを決定する。その後、ユーザーによる開栓操作により、浄水カートリッジ3に原水が流入し、機能水の生成が開始される。
【0040】
上記開栓操作は、第3ステップS3でのモード決定より先に実行されてもよい。この場合、ユーザーによるタッチ操作を経ることなく、制御部6が自動的にモードを決定するように構成されていればよい。例えば、制御部6は、直近で実行したモードを記憶し、そのモードに決定してもよく、予め設定された特定のモードに決定してもよい。後者の場合、ユーザーが上記特定のモードを予め設定できるように構成されていてもよい。これにより、同じ機能水を繰り返し生成する際に、その都度タッチ操作を行う必要がなくなり、ユーザーの利便性が向上する。
【0041】
本発明の機能水生成装置1及び機能水生成方法100では、第1ステップS1において位置検出部73から出力された第1信号及び第2信号に基づいて、第2ステップS2において制御部6は、操作面71a上でタッチが開始された第1位置P1とタッチが終了した第2位置P2とを特定する。さらに、第3ステップS3において制御部6は、第1位置P1と第2位置P2との位置関係に基づいて、モードを決定する。これにより、ユーザーは生成したい機能水をいわゆるスワイプ操作によって直感的に「電解水モード」入力でき、機能水生成装置1の使い勝手が高められる。
【0042】
図4、5に示されるように、操作面71aには、第1座標軸Xを含む座標系が予め定義されている。本実施形態では、第1座標軸Xは、表示部72に表示されているが、表示部72に表示されてなくてもよい。
【0043】
本実施形態の第1座標軸Xは、水平方向にのびている。第1座標軸Xは、水平方向以外の任意の方向にのびていてもよい。第1座標軸Xによって第1座標軸X上の2つの方向、すなわち、第1方向Dr1及び第2方向Dr2が定義される。第1方向Dr1は、第1座標軸Xがのびる方向であり、第2方向Dr2は、第1方向Dr1とは逆の第2方向Dr2である。
【0044】
制御部6は、タッチが開始された第1位置P1に対するタッチが終了した第2位置P2の相対位置に基づいて、機能水生成装置1のモードを決定する。例えば、制御部6は、第1位置P1を基準とした第2位置P2の方向に基づいて、機能水生成装置1のモードを決定する。
【0045】
より具体的には、図5に示されるように、第2位置P2が第1位置P1から第1座標軸X上の第1方向Dr1にあるとき、機能水生成装置1のモードを還元水モード、すなわち、機能水のpHを7より大きい値に決定する。一方、第2位置P2が第1位置P1から第1座標軸X上の第2方向Dr2にあるとき、機能水生成装置1のモードを酸性水モード、すなわち、機能水のpHを7より小さい値に決定する。このような構成により、機能水生成装置1の使い勝手がより一層高められる。
【0046】
本実施形態の制御部6は、位置検出部73から出力された第1信号及び第2信号に基づいて、第1位置P1から第2位置P2までの第1座標軸Xの方向の距離である第1距離Ds1を計算する。さらに、制御部6は、第1距離Ds1に応じて、決定されたモードでの機能水のpHを決定する、ように構成されているのが望ましい。
【0047】
例えば、第2位置P2が第1位置P1から第1座標軸X上の第1方向Dr1にある場合、制御部6は、第1距離Ds1が大きくなるに従い、機能水のpHを大きい値に決定する。機能水生成装置1によって生成されるpHの値が大きい機能水は、溶存水素濃度の高い水素水でもある。
【0048】
一方、第2位置P2が第1位置P1から第1座標軸X上の第2方向Dr2にある場合、制御部6は、第1距離Ds1が大きくなるに従い、機能水のpHを小さい値に決定する。機能水生成装置1によって生成されるpHの値が小さい機能水は、溶存酸素濃度の高い酸素水でもある。
【0049】
このような構成により、ユーザーは簡単な操作によって所望のpHの機能水を得ることができ、機能水生成装置1の使い勝手がより一層高められる。
【0050】
制御部6は、第1距離Ds1が予め定められた第1閾値以下であるとき、機能水生成装置1のモードを浄水モードに決定する、のが望ましい。このような構成により、ユーザーは簡単な操作によって電気分解を伴わない浄水を得ることができ、機能水生成装置1の使い勝手がより一層高められる。
【0051】
浄水モードでは、第1給電体41と第2給電体42との間に電解電圧は、印加されない。これにより、第1給電体41及び第2給電体42に電解電流Iは供給されず、浄水カートリッジ3から電解槽4に流入した浄水は、そのまま電解槽4を通過し、第1出水管23及び第2出水管24へと流出する。
【0052】
図2において、隔膜43には、例えば、スルホン酸基を有するフッ素系の樹脂材料からなる固体高分子電解質膜が用いられていてもよい。このような電解槽4で電気分解によって生成される機能水は中性であり、第1極室40A及び第2極室40Bでは、水素が溶け込んだ中性の水素水又は酸素が溶け込んだ中性の酸素水が生成される。電解槽4で生成される水素水の溶存水素濃度又は酸素水の溶存酸素濃度は、電解槽4での電解レベル、すなわち電解電流Iに依存する。
【0053】
図7は、隔膜43に固体高分子電解質膜が用いられている機能水生成装置1の操作面71aに表示される画像700Aを示している。画像700Aにおいて、以下に説明されていない構成については、上記画像700の構成が適宜適用されうる。
【0054】
図7に示されるように、操作面71aには、第2座標軸Yを含む座標系が予め定義されていてもよい。本実施形態では、第2座標軸Yは、表示部72に表示されているが、表示部72に表示されてなくてもよい。
【0055】
本実施形態の第2座標軸Yは、鉛直方向にのびている。第2座標軸Yは、鉛直方向以外の任意の方向にのびていてもよい。
【0056】
本実施形態の制御部6は、位置検出部73から出力された第1信号及び第2信号に基づいて、第1位置P1から第2位置P2までの第2座標軸Yの方向の距離である第2距離Ds2を計算する。さらに、制御部6は、第2距離Ds2に応じて、決定されたモードでの機能水の溶存気体濃度を決定する、ように構成されているのが望ましい。
【0057】
例えば、制御部6は、第2距離Ds2が大きくなるに従い、機能水の溶存気体濃度を大きい値に決定する。このような構成により、ユーザーは簡単な操作によって所望の溶存気体濃度の機能水を得ることができ、機能水生成装置1の使い勝手がより一層高められる。
【0058】
溶存気体濃度が大きい機能水を生成するには、第1給電体41及び第2給電体42に供給する電解電流Iを大きく設定すればよい。
【0059】
一方、制御部6は、第2距離Ds2が予め定められた閾値以下であるとき、機能水生成装置1のモードを浄水モードに決定する、のが望ましい。このような構成により、ユーザーは簡単な操作によって電気分解を伴わない浄水を得ることができ、機能水生成装置1の使い勝手がより一層高められる。
【0060】
図8は、機能水生成部2の変形例である機能水生成部2Aを示している。機能水生成部2Aにおいて、以下に説明されていない構成については、上記機能水生成部2の構成が適宜適用されうる。
【0061】
機能水生成部2Aは、浄水カートリッジ3と、一対の電解槽4,5とを含む。電解槽4と電解槽5とは、直列に接続されている。
【0062】
下流側の電解槽5の構成は、上記電解槽4の構成と同等である。すなわち、電解槽5は、電解室50と、第1給電体51と、第2給電体52と、隔膜53とを有している。電解室50は、隔膜53によって、第1給電体51側の第1極室50Aと、第2給電体52側の第2極室50Bとに区切られる。電解槽4の第1極室40Aと電解槽5の第1極室50Aとは、連結管25によって接続されている。電解槽4の第2極室40Bと電解槽5の第2極室50Bとは、連結管26によって接続されている。電解室50は、制御部6によって制御される。すなわち、電解槽5での電解レベル、すなわち電解電流は、制御部6によって制御される。
【0063】
機能水生成部2Aでは、隔膜43又は53のうち、一方はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)親水膜によって構成され、他方はスルホン酸基を有するフッ素系の樹脂材料からなる固体高分子電解質膜によって構成されている。例えば、図8では、電解槽4の隔膜43が固体高分子電解質膜によって構成され、電解槽5の隔膜53がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)親水膜によって構成されている。
【0064】
上記機能水生成部2Aによれば、隔膜53を有する電解槽5によって、機能水の溶存ガス濃度が高められる。従って、機能水のpHを機能水生成部2と同等に維持しつつ、溶存ガス濃度をより一層高めることが可能となる。換言すると、機能水生成部2Aでは、機能水の溶存ガス濃度をpHとは独立して設定可能である。
【0065】
図9は、機能水生成部2Aを備えた機能水生成装置1の操作面71aに表示される画像700Bを示している。画像700Bにおいて、以下に説明されていない構成については、上記画像700及び700Aの構成が適宜適用されうる。
【0066】
画像700Bでは、図1の画像700における第1座標軸Xに加えて、機能水の溶存ガス濃度を示す第2座標軸Yが表示されている。画像700Bで示される座標系は、第1座標軸X及び第2座標軸Yを含んでいる。そして、第2座標軸Yは、第1座標軸Xと交差している。
【0067】
画像700の第1座標軸Xと同様に、画像700Bの第1座標軸Xは、ユーザーが機能水のpHを入力するために用いられる。一方、画像700Aの第2座標軸Yと同様に、画像700Bの第2座標軸Yは、ユーザーが機能水の溶存ガス濃度を入力するために用いられる。これにより、画像700Bでは、機能水の溶存ガス濃度をpHとは独立して設定可能となる。
【0068】
より具体的な設定動作は以下の通りである。ユーザーによるスワイプ操作により、位置検出部73から制御部6に第1位置P1に対応する第1信号及び第2位置P2に対応する第2信号が主力されると、制御部6は、第1位置P1及び第1位置を特定し、第1座標軸Xの方向の第1距離Ds1及び第2座標軸Yの方向の第2距離Ds2を計算する。そして、第1距離Ds1に応じた機能水のpH及び第2距離Ds2に応じた機能水の溶存ガス濃度を決定し、所望の機能水が得られるように、電解槽4の電解電流及び電解槽5の電解電流を制御する。このような構成により、ユーザーは簡単な操作で所望の機能水のpH及び溶存ガス濃度を入力できるようになり、機能水生成装置1の使い勝手が高められる。
【0069】
画像700Bでは、第2座標軸Yと第1座標軸Xとは、直交しているのが望ましい。第2座標軸Yと第1座標軸Xとが直交することにより、ユーザーは所望の機能水のpH及び溶存ガス濃度を直感的に入力できるようになる。例えば、第1座標軸Xが水平方向にのび、第2座標軸Yが鉛直方向にのびる構成により、ユーザーは、スワイプの水平方向成分で機能水のpHを入力し、スワイプの鉛直方向成分で機能水の溶存ガス濃度を入力できるようになる。
【0070】
図1に示される機能水生成装置1においては、機能水生成部2が電解水モードで動作中に、位置検出部73が第1位置P1を検出したとき、制御部6は、電解水モードでの動作を停止させる、すなわち、電解槽4等への電解電流の供給を停止するように構成されているのが望ましい。このような構成により、電解水を生成中の機能水生成装置1において、操作面71aに入力されたタッチ操作は、電解の緊急停止またはキャンセルの指令の入力として処理される。従って、電解の緊急停止等の指令を入力するためのボタンやキー等を別途設けることなく、機能水生成装置1の使い勝手が高められる。
【0071】
なお、上記タッチ操作は、操作面71aの任意の領域で入力可能に構成されているのが望ましい。これにより、ユーザーは、上述した電解の緊急停止等の指令を迅速に入力できるようになる。また、操作面71aのダブルタップ、すなわち、素早く連続的に2回タッチ操作することにより、電解の緊急停止等の指令が入力されるように構成されていてもよい。
【0072】
画像700を用いた機能水のpH値の入力においては、第1距離Ds1が予め設定された第2閾値以上であるとき、制御部6は、当該第1距離Ds1に対応する機能水を生成する意思があるか、ユーザーに確認する機能を有する、のが望ましい。これにより、ユーザーがスワイプ操作を誤り、pH値が過度に高い又は低い機能水が生成されることが抑制される。なお、ユーザーへの確認は、表示部72を用いたメッセージの出力又は後述するスピーカー装置81を用いた音声の出力により実現される。
【0073】
図1に示されるように、機能水生成装置1は、タッチ操作に応じて、音を出力するスピーカー装置81をさらに含んでいてもよい。この場合、制御部6は、第1位置P1からの第2位置P2の方向及び距離に応じて、スピーカー装置81から出力される音の波長及び振幅を制御する、のが望ましい。第1距離Ds1又は第2距離Ds2に応じて、スピーカー装置81から出力される音の波長及び振幅が変更されてもよい。このような構成により、視覚に障害のあるユーザーにとっても使い易い機能水生成装置1が実現される。
【0074】
図1に示されるように、機能水生成装置1は、タッチ操作に応じて、光を出力する発光装置82をさらに含んでいてもよい。発光装置82には、例えば、発光ダイオードが適用される。この場合、制御部6は、第1位置P1からの第2位置P2の方向及び距離に応じて、発光装置82から出力される光の波長及び振幅を制御する、のが望ましい。第1距離Ds1又は第2距離Ds2に応じて、発光装置82から出力される光の波長及び振幅が変更されてもよい。このような構成により、ユーザーは、自ら行なったタッチ操作を視覚により確認できる。このような構成により、聴覚に障害のあるユーザーにとっても使い易い機能水生成装置1が実現される。また、発光装置82には、表示部72の一部または全体が適用されてもよい。
【0075】
図10は、操作面71aの変形例である操作面71bの正面図である。操作面71bのうち、以下で説明されてない部分については、上述した操作面71aの構成が採用されうる。
【0076】
操作面71bには、突起74が形成されている、のが望ましい。視覚に障害のあるユーザーは、突起74によって操作面71bの存在を確認できる。
【0077】
操作面71bには、突起74が複数設けられている。そして、操作面71b上の場所に応じて異なる形状を有している、のが望ましい。本操作面71bでは、中央部の突起74aと、突起74aよりも第1方向Dr1に配された突起74bと、突起74aよりも第2方向Dr2に配された突起74cとが異なる形状に形成されている。また、突起74aからの距離に応じて突起74b(または突起74c)の個数が増加する。このような構成により、ユーザーは、自ら行なったタッチ操作を触覚により確認できる。このような構成により、視覚に障害のあるユーザーにとっても使い易い機能水生成装置1が実現される。
【0078】
操作面71bでは、突起74a、74b、74cは、水平方向に配置されている。突起74a、74b、74cは、鉛直方向に配置されていてもよい。また、突起74a、74b、74cが水平方向に配置され、これらとは異なる形状の別の突起が鉛直方向に配置されていてもよい。
【0079】
図11は、操作部7の変形例である操作部7Aの斜視図である。操作部7Aのうち、以下で説明されてない部分については、上述した操作部7の構成が採用されうる
【0080】
操作部7Aは、振動装置75をさらに含んでいる。振動装置75は、操作面71aのタッチ操作に応じて、操作面71aを振動させる。操作部7Aに操作面71bが適用されていてもよい。
【0081】
この場合、制御部6は、第1位置P1からの第2位置P2の方向及び距離に応じて、振動装置75の振動モード(例えば、波長、振幅及び振動の間隔)を制御する、のが望ましい。第1距離Ds1又は第2距離Ds2に応じて、振動装置75の振動モードが変更されてもよい。このような構成により、ユーザーは、自ら行なったタッチ操作を触覚により確認できる。また、このような構成により、聴覚や視覚に障害のあるユーザーにとっても使い易い機能水生成装置1が実現される。
【0082】
図12は、機能水生成装置1の操作面71a等に表示される画像700Cを示している。画像700Cにおいて、以下に説明されていない構成については、上記画像700等の構成が適宜適用されうる。
【0083】
機能水生成装置1において、制御部6は、第1位置P1から第2位置P2に至るタッチの軌跡76を操作面71aに表示させる、ように構成されていてもよい。この場合、制御部6は、第1位置P1からの第2位置P2の方向及び距離に応じて、軌跡76の色相及び彩度(又は明度)を制御する、のが望ましい。第1距離Ds1又は第2距離Ds2に応じて、軌跡76の色相及び彩度が変更されてもよい。このような構成により、ユーザーは、自らのタッチの軌跡76を確認しながら、タッチ操作を入力でき、機能水生成装置1の使い勝手が高められる。
【0084】
以上、本発明の機能水生成装置1及び機能水生成方法100が詳細に説明されたが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施される。
【0085】
すなわち、本発明の機能水生成装置1は、少なくとも、それぞれ異なる機能水を生成する複数のモードで動作する機能水生成部2と、ユーザーがモードを切り替えるために操作する操作部7と、操作部7の操作に基づいて、複数のモードの中から1つのモードを決定し、そのモードで機能水生成部2を動作させる制御部6とを含み、複数のモードは、浄化された浄水を生成する浄水モードと、電気分解された電解水を生成する電解水モードとを少なくとも含み、操作部7は、ユーザーによってタッチ操作される操作面71aと、操作面71a上でユーザーによってタッチされている位置を検出する位置検出部73とを含み、制御部6は、位置検出部73から出力された信号に基づいて、操作面71a上でタッチが開始された第1位置P1と、操作面71a上でタッチが終了した第2位置P2とを特定し、第1位置P1と第2位置P2との位置関係に基づいて、モードを決定する、ように構成されていればよい。
【0086】
[付記]
本発明は以下の態様を含む。
【0087】
[本発明1]
機能水生成装置であって、
それぞれ異なる機能水を生成する複数のモードで動作する機能水生成部と、
ユーザーが前記モードを切り替えるために操作する操作部と、
前記操作部の操作に基づいて、前記複数のモードの中から1つのモードを決定し、そのモードで前記機能水生成部を動作させる制御部とを含み、
前記複数のモードは、浄化された浄水を生成する浄水モードと、電気分解された電解水を生成する電解水モードとを少なくとも含み、
前記操作部は、
ユーザーによってタッチ操作される操作面と、
前記操作面上でユーザーによってタッチされている位置を検出する位置検出部とを含み、
前記制御部は、
前記位置検出部から出力された信号に基づいて、前記操作面上でタッチが開始された第1位置と、前記操作面上でタッチが終了した第2位置とを特定し、
前記第1位置と前記第2位置との位置関係に基づいて、前記モードを決定する、
機能水生成装置。
[本発明2]
前記電解水モードは、電気分解によって還元水を生成する還元水モードと、電気分解によって酸性水を生成する酸性水モードとを含む、本発明1に記載の機能水生成装置。
[本発明3]
前記操作面には、第1座標軸を含む座標系が予め定義されており、
前記制御部は、
前記第2位置が前記第1位置から前記第1座標軸上の第1方向にあるとき、前記モードを前記還元水モードに決定し、
前記第2位置が前記第1位置から前記第1座標軸上の前記第1方向とは逆の第2方向にあるとき、前記モードを前記酸性水モードに決定する、本発明2に記載の機能水生成装置。
[本発明4]
前記制御部は、さらに、
前記第1位置から前記第2位置までの前記第1座標軸の方向の距離である第1距離に応じて、前記決定された動作モードでの前記機能水のpHを決定する、本発明3に記載の機能水生成装置。
[本発明5]
前記制御部は、
前記第1距離が予め定められた第1閾値以下であるとき、前記モードを前記浄水モードに決定する、本発明4に記載の機能水生成装置。
[本発明6]
前記操作面には、第2座標軸を含む座標系が予め定義されており、
前記制御部は、さらに、
前記第1位置から前記第2位置までの前記第2座標軸の方向の距離である第2距離に応じて、前記決定された前記機能水の溶存気体濃度を決定する、本発明1に記載の機能水生成装置。
[本発明7]
前記座標系は、前記第1座標軸と交差する第2座標系を含み、
前記制御部は、さらに、
前記第1位置から前記第2位置までの前記第2座標軸の方向の距離である第2距離に応じて、前記決定された前記機能水の溶存気体濃度を決定する、本発明3ないし5のいずれかに記載の機能水生成装置。
[本発明8]
前記制御部は、
前記機能水生成部が前記電解水モードで動作中に、前記位置検出部が前記第1位置を検出したとき、前記電解水モードでの動作を停止させる、本発明1ないし6のいずれかに記載の機能水生成装置。
[本発明9]
前記制御部は、
前記第1距離が予め設定された第2閾値以上であるとき、前記第1距離に対応する前記機能水を生成する意思があるか、ユーザーに確認する機能を有する、本発明4に記載の機能水生成装置。
[本発明10]
前記タッチ操作に応じて、音を出力するスピーカー装置をさらに含み、
前記制御部は、前記第1位置からの前記第2位置の方向及び距離に応じて、前記スピーカー装置から出力される前記音の波長及び振幅を制御する、本発明1ないし9のいずれかに記載の機能水生成装置。
[本発明11]
前記タッチ操作に応じて、光を出力する発光装置をさらに含み、
前記制御部は、前記第1位置からの前記第2位置の方向及び距離に応じて、前記発光装置から出力される前記光の波長及び振幅を制御する、本発明1ないし6のいずれか10に記載の機能水生成装置。
[本発明12]
前記操作面には、突起が形成されている、本発明1ないし11のいずれかに記載の機能水生成装置。
[本発明13]
前記突起は複数設けられ、前記操作面上の場所に応じて異なる形状を有している、本発明12に記載の機能水生成装置。
[本発明14]
前記タッチ操作に応じて、前記操作面を振動させる振動装置をさらに含む、本発明1ないし13のいずれかに記載の機能水生成装置。
[本発明15]
前記制御部は、前記第1位置から前記第2位置に至るタッチの軌跡を前記操作面に表示させる、本発明1ないし14のいずれかに記載の機能水生成装置。
[本発明16]
それぞれ異なる機能水を生成する複数のモードで機能水を生成する方法であって、
前記複数のモードは、浄化された浄水を生成する浄水モードと、電気分解された電解水を生成する電解水モードとを少なくとも含み、
ユーザーによってタッチ操作されている操作面上の位置を検出する第1ステップと、
前記第1ステップで検出された前記位置から前記操作面上でタッチが開始された第1位置と、前記操作面上でタッチが終了した第2位置とを特定する第2ステップと、
前記第1位置と前記第2位置との位置関係に基づいて、生成する前記機能水を生成する前記モードを決定する第3ステップとを含む、
機能水生成方法。
【符号の説明】
【0088】
1 :機能水生成装置
2 :機能水生成部
2A :機能水生成部
6 :制御部
7 :操作部
7A :操作部
71a :操作面
71b :操作面
73 :位置検出部
74 :突起
74a :突起
74b :突起
74c :突起
75 :振動装置
76 :軌跡
81 :スピーカー装置
82 :発光装置
100 :機能水生成方法
Dr1 :第1方向
Dr2 :第2方向
Ds1 :第1距離
Ds2 :第2距離
P1 :第1位置
P2 :第2位置
S1 :第1ステップ
S2 :第2ステップ
S3 :第3ステップ
X :第1座標軸
Y :第2座標軸
【要約】
【課題】ユーザーの使い勝手を高めることができる電解水生成装置を提供する。
【解決手段】 機能水生成装置1は、複数のモードで動作する機能水生成部2と、モードを切り替えるためにユーザーに操作される操作部7と、決定したモードで機能水生成部2を動作させる制御部6とを含む。制御部6は、位置検出部から出力された信号に基づいて、タッチが開始された第1位置とタッチが終了した第2位置とを特定し、第1位置と第2位置との位置関係に基づいて、モードを決定する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12