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特許7411107霧化組立体、カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】霧化組立体、カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20231227BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20231227BHJP
   A24F 40/44 20200101ALI20231227BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20231227BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20231227BHJP
   A24F 40/50 20200101ALI20231227BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/10
A24F40/44
A24F40/42
A24F40/46
A24F40/50
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022549562
(86)(22)【出願日】2021-11-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-18
(86)【国際出願番号】 KR2021017524
(87)【国際公開番号】W WO2022119239
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2022-08-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0167665
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0167666
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0016285
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0020683
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、トン ソン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ヒョン チョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウォン キョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、チェ ソン
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-507647(JP,A)
【文献】特表2019-515692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00~47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成物質を霧化させる霧化器と、
前記エアロゾル生成物質が保存された保存部から前記エアロゾル生成物質を吸収する第1液体伝達手段と、
前記第1液体伝達手段と前記霧化器との間に前記霧化器の一側に向かうように配置され、前記第1液体伝達手段に吸収された前記エアロゾル生成物質を前記霧化器に伝達する第2液体伝達手段と、を含
前記第1液体伝達手段及び前記第2液体伝達手段の少なくとも1つは、前記霧化器から液滴(droplet)が飛び散る方向上に位置し、前記霧化器から飛び散る液滴の外部に向かう移動を防止するように配置される、エアロゾル生成装置用霧化組立体。
【請求項2】
前記霧化器で生成されたエアロゾルは、前記霧化器から第1方向に向かって排出され、
前記第1液体伝達手段と前記第2液体伝達手段は、前記第1液体伝達手段の少なくとも一部が前記第2液体伝達手段と重畳されるように前記第1方向に積層される、請求項1に記載のエアロゾル生成装置用霧化組立体。
【請求項3】
前記第1液体伝達手段は、前記第1方向を横切る第2方向に沿って延び、前記第2液体伝達手段の中心部と重畳されるように配置される、請求項2に記載のエアロゾル生成装置用霧化組立体。
【請求項4】
エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成物質を霧化させる霧化器と、
前記エアロゾル生成物質が保存された保存部から前記エアロゾル生成物質を吸収する第1液体伝達手段と、
前記第1液体伝達手段と前記霧化器との間に前記霧化器の一側に向かうように配置され、前記第1液体伝達手段に吸収された前記エアロゾル生成物質を前記霧化器に伝達する第2液体伝達手段と、を含み、
前記第1液体伝達手段は、
前記保存部から前記エアロゾル生成物質を伝達される吸収部分と、
前記吸収部分から前記エアロゾル生成物質を前記第2液体伝達手段に伝達し、前記吸収部分に比べてさらに狭幅を有する伝達部分と、を含む、エアロゾル生成装置用霧化組立体。
【請求項5】
前記霧化器、前記第1液体伝達手段及び前記第2液体伝達手段を収容するための収容空間を含む支持部材をさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置用霧化組立体。
【請求項6】
エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成物質を霧化させる霧化器と、
前記エアロゾル生成物質が保存された保存部から前記エアロゾル生成物質を吸収する第1液体伝達手段と、
前記第1液体伝達手段と前記霧化器との間に前記霧化器の一側に向かうように配置され、前記第1液体伝達手段に吸収された前記エアロゾル生成物質を前記霧化器に伝達する第2液体伝達手段と、
前記霧化器、前記第1液体伝達手段及び前記第2液体伝達手段を収容するための収容空間を含む支持部材と、を含み、
前記支持部材は、前記収容空間が内部に形成された収容本体をさらに含み、前記収容本体と前記第2液体伝達手段との間には、離隔空間が形成され、
前記第1液体伝達手段は、前記第2液体伝達手段を越えて延び、前記離隔空間を覆う、エアロゾル生成装置用霧化組立体。
【請求項7】
前記支持部材は、前記収容本体の外周面に配置される突起をさらに含む、請求項6に記載のエアロゾル生成装置用霧化組立体。
【請求項8】
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に位置し、エアロゾル生成物質を保存する保存槽(reservoir)と、
前記ハウジングの内部に位置し、超音波振動を発生させて前記エアロゾル生成物質をエアロゾルに霧化させる霧化器(atomizer)と、
前記保存槽に保存されたエアロゾル生成物質を吸収し、吸収されたエアロゾル生成物質を前記霧化器に伝達する複数の液体伝達手段と、を含
前記複数の液体伝達手段の少なくとも1つは、前記霧化器から飛び散る液滴(droplet)の前記ハウジングの外部に向かう移動を防止するように配置される、エアロゾル生成装置用カートリッジ。
【請求項9】
前記複数の液体伝達手段は、
前記保存槽と隣接して配置され、前記保存槽からエアロゾル生成物質を供給される第1液体伝達手段と、
前記第1液体伝達手段と前記霧化器との間に位置し、前記第1液体伝達手段に供給されたエアロゾル生成物質を前記霧化器に伝達する第2液体伝達手段と、を含む、請求項8に記載のエアロゾル生成装置用カートリッジ。
【請求項10】
前記エアロゾルを外部に排出するための排出口を含むマウスピースと、
前記霧化器と前記排出口を連通(fluid communication)する排出通路と、をさらに含み、
前記霧化器によって生成されたエアロゾルは、前記排出通路に沿って前記排出口に向かって移動する、請求項9に記載のエアロゾル生成装置用カートリッジ。
【請求項11】
前記第1液体伝達手段は、前記霧化器から飛び散る液滴(droplet)の前記排出通路に向かう移動を防止するように配置される、請求項10に記載のエアロゾル生成装置用カートリッジ。
【請求項12】
前記第2液体伝達手段と前記霧化器との間に位置し、前記霧化器で発生した振動を前記第2液体伝達手段に伝達する振動伝達パッドをさらに含む、請求項9に記載のエアロゾル生成装置用カートリッジ。
【請求項13】
前記ハウジングの外部と連通する少なくとも1つの空気流入通路をさらに含み、外部空気は、前記少なくとも1つの空気流入通路を通じて前記ハウジングの内部に流入される、請求項8に記載のエアロゾル生成装置用カートリッジ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの空気流入通路は、
前記ハウジングの一領域に形成される第1空気流入口を含む第1空気流入通路と、
前記ハウジングの他の一領域に形成される第2空気流入口を含む第2空気流入通路と、を含み、
前記第1空気流入通路は、前記ハウジングの円周方向に沿って前記第2空気流入通路と離隔されて配置される、請求項13に記載のエアロゾル生成装置用カートリッジ。
【請求項15】
請求項8に記載のエアロゾル生成装置用カートリッジと、
前記カートリッジと連結される本体と、
前記本体の内部に配置され、前記カートリッジに電力を供給するバッテリと、
前記本体の内部に配置され、前記バッテリから前記カートリッジに供給される電力を制御するプロセッサと、含む、エアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霧化組立体、カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置に係り、さらに詳細には、超音波振動を用いてエアロゾルを発生させうる霧化組立体、カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットを燃焼させてエアロゾルを供給する方法を代替するための技術の需要が増加している。例えば、液体状態や固体状態のエアロゾル生成物質からエアロゾルを生成した後、エアロゾルを固体状態の香媒体を通過させることで、香味を有するエアロゾルを供給するための研究が進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エアロゾル生成装置は、ヒータを用いて液体状態または固体状態のエアロゾル生成物質を加熱し、エアロゾルを生成することが一般的である。ユーザに風味豊かなエアロゾルを供給するためには、エアロゾル生成物質を適正温度に加熱することが重要する。しかし、ヒータを用いるエアロゾル生成装置では、折々エアロゾル生成物質が意図せず高温(例えば、約200゜C以上)に加熱される。その場合、ユーザが喫煙過程で焦げた味を感じる場合が発生していた。
【0004】
本開示の実施例を通じて解決しようとする課題が上述した課題によって制限されるものではなく、言及されていない課題は、本明細書及び添付図面から、実施例が属する技術分野において通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、超音波振動を用いてエアロゾルを生成することができるカートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置を提供することで、ヒータを用いるエアロゾル生成装置に比べて相対的に低温(例えば、約100~160℃)を保持しつつ、エアロゾルを生成してユーザの喫煙感を向上させようとする。
【0006】
一実施例に係わるエアロゾル生成装置用霧化組立体は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成物質を霧化させる霧化器、エアロゾル生成物質が保存された保存部から前記エアロゾル生成物質を吸収する第1液体伝達手段、及び前記第1液体伝達手段と前記霧化器との間に配置され、前記第1液体伝達手段に吸収された前記エアロゾル生成物質を前記霧化器に伝達する第2液体伝達手段を含む。
【0007】
一実施例に係わるカートリッジは、ハウジング、前記ハウジングの内部に位置し、液状のエアロゾル生成物質が保存される保存槽(reservoir)、前記ハウジングの内部に位置し、超音波振動を発生させて前記エアロゾル生成物質をエアロゾルに霧化させる霧化器(atomizer)、及び前記保存槽に保存されたエアロゾル生成物質を吸収し、吸収されたエアロゾル生成物質を前記霧化器に伝達する複数の液体伝達手段を含む。
【0008】
一実施例に係わるエアロゾル生成装置は、上述したカートリッジ、前記カートリッジと連結される本体、前記本体の内部に配置され、前記カートリッジに電力を供給するバッテリ、及び前記本体の内部に配置され、前記バッテリから前記カートリッジに供給される電力を制御するプロセッサを含む。
【発明の効果】
【0009】
上述した実施例に係わるエアロゾル生成装置は、ヒータを通じてエアロゾル生成物質を加熱する方式に比べて相対的に低い温度でエアロゾルを発生させ、その結果、ユーザの喫煙感が向上しうる。
【0010】
また、上述した実施例に係わるカートリッジ及びエアロゾル生成装置は、エアロゾルの霧化過程で液滴がユーザに飛び散ることを防止することで、ユーザの喫煙感が向上しうる。
【0011】
また、実施例に係わるカートリッジ及びエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質の液漏れを防止することで、エアロゾル生成装置の故障または誤作動を減らしうる。
【0012】
実施例による効果が上述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は、本明細書及び添付図面から、実施例が属する技術分野において通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施例に係わるエアロゾル生成装置のブロック図である。
図2図1に図示されたエアロゾル生成装置を概略的に示す図面である。
図3】一実施例に係わるエアロゾル生成装置用カートリッジの斜視図である。
図4】一実施例に係わるカートリッジの分解斜視図である。
図5A図4に図示されたカートリッジの構造体、第1支持部材及び第1ハウジングの結合過程を説明するための図面である。
図5B図4に図示されたカートリッジの構造体、第1支持部材及び第1ハウジングの結合過程を説明するための図面である。
図5C図4に図示されたカートリッジの第1ハウジングとマウスピースの結合過程を説明するための図面である。
図5D図4に図示されたカートリッジの第1ハウジングとマウスピースの結合過程を説明するための図面である。
図5E図4に図示されたカートリッジの第1ハウジング、複数の液体伝達手段、霧化器及び第2支持部材の結合過程を説明するための図面である。
図5F図4に図示されたカートリッジの第1ハウジング、複数の液体伝達手段、霧化器及び第2支持部材の結合過程を説明するための図面である。
図5G図4に図示されたカートリッジの第1ハウジング、複数の液体伝達手段、霧化器及び第2支持部材の結合過程を説明するための図面である。
図5H図4に図示されたカートリッジの第1ハウジングと第2ハウジングの結合過程を説明するための図面である。
図5I図4に図示されたカートリッジの第1ハウジングと第2ハウジングの結合過程を説明するための図面である。
図6】一実施例に係わるカートリッジの一部領域の内部を示す斜視図である。
図7図6に図示されたカートリッジをA-A’方向に切断した断面図である。
図8図6に図示されたカートリッジをB-B’方向に切断した断面図である。
図9】一実施例に係わるエアロゾル生成装置用霧化組立体の概略的な斜視図である。
図10図9のエアロゾル生成装置用霧化組立体をC-C’方向に切断した断面図である。
図11図9のエアロゾル生成装置用霧化組立体の一部構成要素に係わる分解斜視図である。
図12A】一実施例による第1液体伝達手段を示す斜視図である。
図12B図12Aの第1液体伝達手段と第2液体伝達手段とが連結された状態を示す斜視図である。
図12C】他の実施例による第1液体伝達手段を示す斜視図である。
図12D図12Cの第1液体伝達手段と第2液体伝達手段とが連結された状態を示す斜視図である。
図13】他の実施例に係わるカートリッジの分解斜視図である。
図14】他の実施例に係わるエアロゾル生成装置用霧化組立体の概略的な斜視図である。
図15】他の実施例に係わるカートリッジの一部領域の内部を示す斜視図である。
図16図15に図示されたカートリッジをD-D’方向に切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施例で使用される用語は、本開示での機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本開示で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本開示の全般にわたる内容に基づいて定義されなければならない。
【0015】
本開示である部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、本開示に記載された「…部」、「…モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0016】
本開示で使用されたように、「少なくともいずれか1つの」のような表現が配列された構成要素の前に位置するとき、配列されたそれぞれの構成ではない全体構成要素を修飾する。例えば、「a、b、及びcのうち、少なくともいずれか1つ」という表現は、a、b、c、またはaとb、aとc、bとc、またはaとbとcを含むと解釈せねばならない。
【0017】
本開示で「エアロゾル(aerosol)」は、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気とが混合された状態の気体を意味する。
【0018】
また、本開示で「エアロゾル生成装置」は、ユーザの口を介してユーザの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生させるために、エアロゾル生成物質を用いてエアロゾルを生成する装置でもある。
【0019】
本開示において「パフ(puff)」は、ユーザの吸入を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を介してユーザの口腔内、鼻腔内または肺に吸い込む状況を意味する。
【0020】
あるエレメントまたはあるレイヤが他のエレメントまたは他のレイヤの「上方に」、「上に」、「連結された」または「結合された」と指称されるとき、それは、他のエレメントまたは他のレイヤに直接連結されたり、直接結合されたり、あるいはその間にエレメントまたはレイヤが存在すると理解されうる。
【0021】
以下、添付図面に基づいて本開示の実施例について本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本開示の実施例は、様々な互いに異なる形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0022】
図1は、一実施例に係わるエアロゾル生成装置のブロック図である。
【0023】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置1000は、バッテリ510、霧化器400、センサ520、ユーザインターフェース530、メモリ540及びプロセッサ550を含む。しかし、エアロゾル生成装置1000の内部構造は、図1に図示されたところに限定されない。エアロゾル生成装置1000の設計によって、図1に図示されたハードウェア構成のうち、一部が省略されるか、新たな構成がさらに追加されうることを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0024】
一例としてエアロゾル生成装置1000は、本体を含み、その場合、エアロゾル生成装置1000に含まれたハードウェア要素は、本体に位置する。
【0025】
他の実施例としてエアロゾル生成装置1000は、本体及びカートリッジを含み、エアロゾル生成装置1000に含まれたハードウェア要素は、本体及びカートリッジに分けられて位置する。または、エアロゾル生成装置1000に含まれたハードウェア要素のうち、少なくとも一部は、本体及びカートリッジそれぞれに位置してもよい。
【0026】
以下、エアロゾル生成装置1000に含まれた各要素が位置する空間を限定せず、各要素の動作について説明する。
【0027】
霧化器400は、プロセッサ550の制御によってバッテリ510から電力を供給される。霧化器400は、バッテリ510から電力を供給され、エアロゾル生成装置1000に保存されたエアロゾル生成物質を霧化させうる。
【0028】
霧化器400は、エアロゾル生成装置1000の本体に位置する。または、エアロゾル生成装置1000が本体及びカートリッジを含む場合、霧化器400は、カートリッジに位置するか、本体及びカートリッジに分けられて位置する。霧化器400がカートリッジに位置する場合、霧化器400は、本体及びカートリッジのうち、少なくともいずれか1箇所に位置したバッテリ510から電力を供給されうる。また霧化器400が本体及びカートリッジに分けられて位置する場合、霧化器400で電力供給が必要な部品は、本体及びカートリッジのうち、少なくともいずれか1箇所に位置したバッテリ510から電力を供給されうる。
【0029】
霧化器400は、カートリッジの内部のエアロゾル生成物質からエアロゾル(aerosol)を発生させる。エアロゾルは、気体中に液体及び/または固体微粒子が分散されている浮遊物を意味する。したがって、霧化器400から発生するエアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気とが混合された状態を意味する。例えば、霧化器400は、エアロゾル生成物質の相(phase)を気化及び/または昇華を通じて気相に変換させうる。また、霧化器400は、液相及び/または固相のエアロゾル生成物質を微粒子化して放出することで、エアロゾルを生成することができる。
【0030】
例えば、霧化器400は、超音波振動方式を用いることで、エアロゾル生成物質からエアロゾルを発生させうる。超音波振動方式は、振動子によって発生する超音波振動でエアロゾル生成物質を霧化させることで、エアロゾルを発生させる方式を意味する。
【0031】
図1に図示されていないが、霧化器400は、熱を発生させることで、エアロゾル生成物質を加熱するヒータを選択的に含んでもよい。エアロゾル生成物質は、ヒータによって加熱され、その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0032】
ヒータは、任意の適した電気抵抗性物質によっても形成される。例えば、適した電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、錫、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金でもあるが、それらに制限されない。また、ヒータは、金属熱線(wire)、導電性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによっても具現されるが、それらに制限されない。
【0033】
例えば、一実施例において、ヒータは、カートリッジ2000の一部でもある。また、カートリッジ2000は、後述する液体伝達手段及び液体保存部を含む。液体保存部に収容されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段に移動し、ヒータは、液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質を加熱し、エアロゾルを発生させうる。例えば、ヒータは、液体伝達手段に巻かれるか、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0034】
他の例としてエアロゾル生成装置1000は、シガレットを収容する収容空間を含み、ヒータは、エアロゾル生成装置1000の収容空間に挿入されたシガレットを加熱することができる。エアロゾル生成装置1000の収容空間にシガレットが収容されることにより、ヒータは、シガレットの内部及び/または外部に位置する。これにより、ヒータは、シガレット内のエアロゾル生成物質を加熱し、エアロゾルを発生させうる。
【0035】
一方、ヒータは、誘導加熱式ヒータでもある。ヒータは、シガレットまたはカートリッジを誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、シガレットまたはカートリッジには、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタが含まれうる。
【0036】
バッテリ510は、エアロゾル生成装置1000の動作に用いられる電力を供給する。すなわち、バッテリ510は、霧化器400がエアロゾル生成物質を霧化させうるように電力を供給する。また、バッテリ510は、エアロゾル生成装置1000内に備えられた他のハードウェア要素、すなわち、センサ520、ユーザインターフェース530、メモリ540及びプロセッサ550の動作に必要な電力を供給する。バッテリ510は、充電可能なバッテリであるか、使い捨てバッテリである。
【0037】
例えば、バッテリ510は、ニッケル系バッテリ(例えば、ニッケル金属ハイドライドバッテリ、ニッケルカドミウムバッテリ)、またはリチウム系バッテリ(例えば、リチウムコバルトバッテリ、リン酸鉄リチウムバッテリ、チタン酸リチウムバッテリ、リチウムイオンバッテリまたはリチウムポリマーバッテリ)を含む。但し、エアロゾル生成装置1000に使用されうるバッテリ510の種類は、上述したところによって制限されない。必要によって、バッテリ510は、アルカリバッテリ、またはマンガンバッテリを含んでもよい。
【0038】
エアロゾル生成装置1000は、少なくとも1つのセンサ520を含む。少なくとも1つのセンサ520でセンシングされた結果は、プロセッサ550に伝達され、センシング結果によってプロセッサ550は、霧化器400の動作制御、喫煙の制限、カートリッジ(または、シガレット)の挿入有/無の判断、お知らせ表示のような多様な機能が遂行されるように、エアロゾル生成装置1000を制御することができる。
【0039】
例えば、少なくとも1つのセンサ520は、パフ感知センサを含む。パフ感知センサは、外部から流入される気流の流量(flow)変化、圧力変化、及び音の検出のうち、少なくとも1つに基づいてユーザのパフを感知することができる。パフ感知センサは、ユーザのパフの開始タイミング及び終了タイミングを検出し、プロセッサ550は、検出されたパフの開始タイミング及び終了タイミングによってパフ期間(puff period)及び非パフ(non-puff)期間を判断することができる。
【0040】
また、少なくとも1つのセンサ520は、ユーザ入力センサを含む。ユーザ入力センサは、スイッチ、物理的ボタン、タッチセンサのようにユーザの入力を受信するセンサでもある。例えば、タッチセンサは、ユーザが金属材質によって形成された所定の領域をタッチする場合、キャパシタンス(capacitance)の変化が発生し、キャパシタンスの変化を検出することで、ユーザの入力を感知する静電容量型センサでもある。プロセッサ550は、静電容量型センサから受信したキャパシタンスの変化の前後値を比較することで、ユーザの入力が発生したか否かを決定する。キャパシタンスの変化前後値が既設定のしきい値を超過した場合、プロセッサ550は、ユーザの入力が発生したと決定する。
【0041】
また、少なくとも1つのセンサ520は、モーションセンサを含む。モーションセンサを通じてエアロゾル生成装置1000の傾度、移動速度及び加速度のようなエアロゾル生成装置1000の動きに係わる情報を獲得する。例えば、モーションセンサは、エアロゾル生成装置1000が動く状態、エアロゾル生成装置1000の停止状態、パフのためにエアロゾル生成装置1000が所定範囲内の角度で傾いた状態、及び各パフ動作の間でパフ動作時とは異なる角度でエアロゾル生成装置1000が傾いた状態に係わる情報を測定する。モーションセンサは、当該技術分野で知られた多様な方法を用いてエアロゾル生成装置1000の運動情報を測定することができる。例えば、モーションセンサは、x軸、y軸及びz軸3方向の加速度を測定する加速度センサ及び3方向の角速度を測定するジャイロセンサを含む。
【0042】
また、少なくとも1つのセンサ520は、近接センサを含む。近接センサは、接近する物体、あるいは近傍に存在する物体の有無または距離を電磁界の力または赤外線などを用いて機械的接触なしに検出するセンサを意味し、これにより、エアロゾル生成装置1000にユーザが接近するか否かを検出する。
【0043】
また、少なくとも1つのセンサ520は、イメージセンサを含む。イメージセンサは、例えば、物体のイメージを獲得するためのカメラを含む。イメージセンサは、カメラによって獲得されたイメージに基づいて物体を認識することができる。プロセッサ550は、イメージセンサを通じて獲得されたイメージを分析し、ユーザがエアロゾル生成装置1000を使用するための状況であるか否かを決定する。例えば、ユーザがエアロゾル生成装置1000を使用するためにエアロゾル生成装置1000を唇当たりに接近させるとき、イメージセンサは、唇のイメージを獲得する。プロセッサ550は、獲得されたイメージを分析して唇と判断される場合、ユーザがエアロゾル生成装置1000を使用するための状況であるか否かを決定する。これにより、エアロゾル生成装置1000は、霧化器400を予め動作させるか、ヒータを予熱させうる。
【0044】
また、少なくとも1つのセンサ520は、エアロゾル生成装置1000に使用されうる消耗品(例えば、カートリッジ、シガレットなど)の装着または脱去を感知する消耗品脱着センサを含む。例えば、消耗品脱着センサは、消耗品がエアロゾル生成装置1000に接触したか否かを感知するか、イメージセンサによって消耗品が脱着されたか否かを判断する。また消耗品脱着センサは、消耗品のマーカーと相互作用するコイルのインダクタンス値の変化を感知するインダクタンスセンサであるか、消耗品のマーカーと相互作用するキャパシタのキャパシタンス値の変化を感知するキャパシタンスセンサでもある。
【0045】
また、少なくとも1つのセンサ520は、温度センサを含む。温度センサは、霧化器400のヒータ(または、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を感知する。エアロゾル生成装置1000は、ヒータの温度を感知する別途の温度センサを含むか、別途の温度センサを含む代わりに、ヒータ自体が温度センサの役割を遂行する。または、ヒータが温度センサの役割を遂行すると共に、エアロゾル生成装置1000に別途の温度センサがさらに含まれうる。また、温度センサは、ヒータだけではなく、エアロゾル生成装置1000の印刷回路基板(PCB)、バッテリのような内部部品の温度を感知することもできる。
【0046】
また、少なくとも1つのセンサ520は、エアロゾル生成装置1000の周辺環境の情報を測定する多様なセンサを含む。例えば、少なくとも1つのセンサ520は、周辺環境の温度を測定する温度センサ、周辺環境の湿度を測定する湿度センサ、周辺環境の圧力を測定する大気圧センサなどを含む。
【0047】
エアロゾル生成装置1000に備えられるセンサ520は、上述した種類に限定されず、多様なセンサをさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置1000は、ユーザ認証及び保安のためにユーザの指から指紋情報を獲得する指紋センサ、瞳の虹彩パターンを分析する虹彩認識センサ、手の平を撮影したイメージから静脈内還元ヘモグロビンの赤外線の吸収量を感知する静脈認識センサ、目、鼻、口及び顔面輪郭などの特徴点を2Dまたは3D方式で認識する顔面認識センサ及びRFID(Radio-Frequency Identification)センサなどを含む。
【0048】
エアロゾル生成装置1000には、上の例示された多様なセンサ520の例示のうち、一部だけが取捨選択されて具現されうる。すなわち、エアロゾル生成装置1000は、前述したセンサのうち、少なくとも1つ以上のセンサでセンシングされる情報を組み合わせて活用することができる。
【0049】
ユーザインターフェース530は、ユーザにエアロゾル生成装置1000の状態に係わる情報を提供する。ユーザインターフェース530は、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカ、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する入/出力(I/O)インターフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)とデータ通信を行うか、充電電力を供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI, WI-FI Direct, Bluetooth(登録商標), NFC(Near-Field Communication)など)を遂行するための通信インターフェーシングモジュールなどの多様なインターフェーシング手段を含む。
【0050】
但し、エアロゾル生成装置1000には、上の例示された多様なユーザインターフェース530の例示のうち、一部だけが取捨選択されて具現されうる。
【0051】
メモリ540は、エアロゾル生成装置1000内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、メモリ540は、プロセッサ550で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリ540は、DRAM(dynamic random access memory), SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory), ROM(read-only memory), EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)などの多様な種類によっても具現される。
【0052】
メモリ540には、エアロゾル生成装置1000の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存されうる。
【0053】
プロセッサ550は、エアロゾル生成装置1000の全般的な動作を制御する。プロセッサ550は、多数の論理ゲートのアレイによって具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、プロセッサ550が他形態のハードウェアによっても具現されるということを、当該実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0054】
プロセッサ550は、少なくとも1つのセンサ520によってセンシングされた結果を分析し、後続して遂行される処理を制御する。
【0055】
プロセッサ550は、少なくとも1つのセンサ520によってセンシングされた結果に基づいて、霧化器400の動作が開始または終了されるように霧化器400に供給される電力を制御することができる。また、プロセッサ550は、少なくとも1つのセンサ520によってセンシングされた結果に基づいて、霧化器400が適量のエアロゾルを発生させるように、霧化器400に供給される電力の量及び電力が供給される時間を制御する。例えば、プロセッサ550は、霧化器400の振動子が所定の周波数で振動するように振動子に供給される電流または電圧を制御することができる。
【0056】
一実施例において、プロセッサ550は、エアロゾル生成装置1000に対するユーザ入力を受信した後、霧化器400の動作を開始する。また、プロセッサ550は、パフ感知センサを用いてユーザのパフを感知した後、霧化器400の動作を開始する。また、プロセッサ550は、パフ感知センサを用いてパフ回数をカウントした後、パフ回数が既設定の回数に到逹すれば、霧化器400に電力供給を中断させうる。
【0057】
プロセッサ550は、少なくとも1つのセンサ520によってセンシングされた結果に基づいて、ユーザインターフェース530を制御する。例えば、パフ感知センサを用いてパフ回数をカウントした後、パフ回数が既設定の回数に到逹すれば、プロセッサ550は、ランプ、モータ及びスピーカのうち、少なくともいずれか1つを用いてユーザにエアロゾル生成装置1000が直ぐ終了するということを予告する。
【0058】
一方、図1には、図示されていないが、エアロゾル生成装置1000は、別途のクレードルと共に、エアロゾル生成システムに含まれうる。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置1000のバッテリ510を充電するのに用いられうる。例えば、エアロゾル生成装置1000は、クレードル内部の収容空間に収容された状態で、クレードルのバッテリから電力を供給され、エアロゾル生成装置1000のバッテリ510を充電することができる。
【0059】
図2は、一実施例に係わるエアロゾル生成装置を概略的に示す図面である。
【0060】
図2に図示された実施例に係わるエアロゾル生成装置1000は、エアロゾル生成物質を保有するカートリッジ10、及びカートリッジ10を支持する本体20を含む。
【0061】
カートリッジ10は、内部にエアロゾル生成物質を収容した状態で本体20に結合する。一例として、カートリッジ10の少なくとも一部が本体20に挿入されることで、カートリッジ10と本体20とが結合されうる。他の例として、本体20の少なくとも一部がカートリッジ10に挿入されることで、カートリッジ10と本体20とが結合されうる。
【0062】
カートリッジ10と本体20は、スナップフィット(snap-fit)方式、螺合方式、磁力結合方式または締まり嵌め方式のうち、少なくとも1つの方式で結合されうるが、カートリッジ10と本体20との結合方式が上述した例示に限定されるものではない。
【0063】
一実施例において、カートリッジ10は、ユーザの吸入過程でユーザの口腔に挿入されるマウスピース160を含む。一実施例において、マウスピース160は、カートリッジ10の本体20と結合される一領域と反対方向に位置した一領域に配置されうる。マウスピース160は、エアロゾル生成物質から発生したエアロゾルを外部に排出する排出口160eを含む。
【0064】
ユーザの吸入またはパフ動作によってカートリッジ10の外部と内部との間には、カートリッジ10の内部で生成されたエアロゾルを、排出口160を介してカートリッジ10の外部に排出させる圧力差が発生する。すなわち、ユーザは、排出口160eを介してカートリッジ10の外部に排出されるエアロゾルを吸い込むことができる。
【0065】
一実施例において、カートリッジ10は、ハウジング100に配置され、エアロゾル生成物質を収容する保存槽200を含む。また、保存槽200は、エアロゾル生成物質を保存するための容器(container)として動作する。保存槽200は、例えば、スポンジ(sponge)や綿や布地や多孔性セラミック構造体のようなエアロゾル生成物質を収容(containing)する要素を含むことを意味する。
【0066】
カートリッジ10は、例えば、液体状態や、固体状態や、気体状態や、ゲル(gel)状態のうち、いずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保有する。エアロゾル生成物質は、液状組成物を含む。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体であるか、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0067】
液状組成物は、例えば、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、及びビタミン混合物のいずれか1つの成分や、それら成分の混合物を含む。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分など含んでもよいが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含む。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含む。
【0068】
例えば、液状組成物は、ニコチン塩が添加された任意の重量比のグリセリン及びプロピレングリコール溶液を含む。液状組成物には、2種以上のニコチン塩が含まれうる。ニコチン塩は、ニコチンに有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することで形成されうる。ニコチンは、自然に発生するニコチンまたは合成ニコチンであって、液状組成物の総溶液重量に対する任意の適切な重量の濃度を有する。
【0069】
ニコチン塩の形成のための酸は、血中ニコチン吸収速度、エアロゾル生成装置1000の作動温度、香味または風味、溶解度などを考慮して適切に選択されうる。例えば、ニコチン塩の形成のための酸は、安息香酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸またはリンゴ酸で構成された群から選択される単独の酸または前記群から選択される2以上の酸の混合でもあるが、それらに限定されない。
【0070】
エアロゾル生成装置1000は、カートリッジ10の内部のエアロゾル生成物質の相(phase)を変換してエアロゾル(aerosol)を発生させる霧化器400を含む。
【0071】
一例示において、保存槽200に保存または、収容されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段300によって霧化器400に供給され、霧化器400は、液体伝達手段300から供給されたエアロゾル生成物質を霧化させてエアロゾルを生成することができる。液体伝達手段300は、例えば、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックのうち、少なくとも1つを含む芯(wick)にもなるが、それに限定されるものではない。
【0072】
一実施例によれば、エアロゾル生成装置1000の霧化器400は、超音波振動でエアロゾル生成物質を霧化させることで、エアロゾル生成物質の相を変換することができる。
【0073】
例えば、霧化器400は、短周期の振動を発生させる振動子を含み、振動子から生成される振動は、超音波振動でもある。超音波振動の周波数は、約100kHz~3.5MHzでもあるが、それに限定されるものではない。
【0074】
振動子から生成された短周期の振動によって保存槽200から霧化器400に供給されたエアロゾル生成物質は、エアロゾルに霧化されうる。
【0075】
振動子は、例えば、圧電セラミックを含み、圧電セラミックは、物理的な力(例えば、圧力)によって電気(例えば、電圧)を発生させるか、逆に電気によって物理的な力を発生させうる。すなわち、振動子に電気が印加されることにより、短周期の振動が発生し、発生した振動は、エアロゾル生成物質を小粒子化し、エアロゾルに霧化させうる。
【0076】
振動子は、電気的連結部材を通じてエアロゾル生成装置1000の他の構成要素と電気的に連結されうる。例えば、振動子は、電気的連結部材を通じてエアロゾル生成装置1000のバッテリ510、プロセッサ550またはエアロゾル生成装置1000の回路のうち、少なくとも1つと電気的に連結されうる。振動子と電気的に連結される構成要素が上述した例示に限定されるものではない。
【0077】
振動子は、電気的連結部材を通じてバッテリ510から電流または電圧を供給されて超音波振動を発生させるか、プロセッサ550によって作動が制御されうる。
【0078】
電気的連結部材は、例えば、ポゴピン(Pogo Pin)またはC-クリップのうち、少なくとも1つを含んでもよいが、電気的連結部材が上述した例示に限定されるものではない。他の例として、電気的連結部材は、ケーブルまたは軟性印刷回路基板(FPCB)のうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0079】
他の実施例(図示せず)において、霧化器400は、またエアロゾル生成物質を吸収してエアロゾルに変換するための最適の状態に保持し、エアロゾル生成物質に振動を伝達してエアロゾルを発生させる機能をいずれも遂行するメッシュ状(mesh shape)や板状(plate shape)の振動受容部によっても具現される。その場合、別途の液体伝達手段300は、必要としない。
【0080】
図面上には、液体伝達手段300及び霧化器400がカートリッジ10に配置される実施例についてのみ図示されているが、実施例が、それに限定されるものではない。他の実施例において、液体伝達手段300は、カートリッジ10に配置され、霧化器400は、本体20に配置されうる。
【0081】
エアロゾル生成装置1000のカートリッジ10は、排出通路150を含む。排出通路150は、霧化器400とマウスピース160の排出口160eを流体連通することができる。これにより、霧化器400で発生したエアロゾルは、排出通路150に沿って流動し、排出口160eを通じてエアロゾル生成装置1000の外部に排出されてユーザに伝達されうる。
【0082】
例えば、排出通路150は、カートリッジ10の内部に保存槽200によって取り囲まれるようにも配置されるが、それに限定されるものではない。
【0083】
図面上に図示されていないが、エアロゾル生成装置1000のカートリッジ10は、空気(すなわち、「外部から流入される外部空気」)をエアロゾル生成装置1000の内部に流入させる少なくとも1つの空気流入通路を含む。
【0084】
外部空気は、少なくとも1つの空気流入通路を介してカートリッジ10の内部の排出通路150または霧化器400によって、エアロゾルが発生する空間に流入されうる。流入された外部空気は、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と混合し、その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0085】
エアロゾル生成装置1000においてカートリッジ10(または、本体20)の長手方向を横切る方向から見た断面は、ほぼ円形、楕円形、正方形、長方形または様々な形態の多角形の断面形状でもある。但し、エアロゾル生成装置1000の断面形状が上述した形状に限定されるものではない。また、エアロゾル生成装置1000が直線的に延びる構造に限定されるものではない。
【0086】
他の実施例において、エアロゾル生成装置1000は、ユーザが手にしやすいように流線形に湾曲されるか、特定領域で既設定の角度で折り曲げられうる。また、エアロゾル生成装置1000の断面形状は、長手方向に沿って変化することができる。
【0087】
図3は、一実施例に係わるエアロゾル生成装置用カートリッジの斜視図であり、図4は、一実施例に係わるカートリッジの分解斜視図である。
【0088】
図3及び図4に図示されたカートリッジ10は、図2の実施例に適用され、以下で重複説明は、省略する。
【0089】
図3及び図4を参照すれば、一実施例に係わるカートリッジ10は、カートリッジ10の全体的な外観を形成するハウジング100、及びハウジング100の一領域と連結されるマウスピース160を含む。
【0090】
カートリッジ10の構成要素が上述した例示に限定されるものではなく、実施例によって少なくとも1つの構成が追加されるか、いずれか1つの構成(例えば、マウスピース160)が省略されうる。
【0091】
ハウジング100は、カートリッジ10の構成要素が配置されうる内部空間を含み、カートリッジ10の全体的な外観を形成することができる。図面上には、ハウジング100が全体として円柱状である実施例についてのみ図示されているが、ハウジング100の形状が、それに限定されるものではない。他の実施例(図示せず)によれば、ハウジング100は、全体として多角柱状(例えば、三角柱状、四角柱状)にも形成される。
【0092】
一実施例によれば、ハウジング100は、互いに結合される第1ハウジング110及び第2ハウジング120を含み、第1ハウジング110と第2ハウジング120は、第1ハウジング110及び第2ハウジング120の結合によって形成される内部空間に配置されるカートリッジ10の構成要素を保護することができる。
【0093】
例えば、第2ハウジング120(または「下部ハウジング」)は、第1ハウジング110(または「上部ハウジング」)の下端(例えば、-z方向の一端)に結合されうるが、それに限定されるものではない。
【0094】
本開示において「第1ハウジングの下端」は、第1ハウジング110の-z方向の一端を意味し、「第1ハウジングの上端」は、第1ハウジング110の+z方向の一端を意味する。
【0095】
マウスピース160は、ユーザの口腔に挿入されうる。マウスピース160は、ハウジング100の一領域に連結されうる。例えば、マウスピース160は、第1ハウジング110の第2ハウジング120と結合される一領域と反対方向に位置した他の領域(例えば、第1ハウジング110の上端領域)に結合されうる。
【0096】
一実施例において、マウスピース160は、ハウジング100の一領域に着脱自在に結合されうるが、実施例によってマウスピース160とハウジング100は、一体に形成されうる。
【0097】
マウスピース160は、カートリッジ10の内部で生成されたエアロゾルをカートリッジ10の外部に排出するための少なくとも1つの排出口160eを含む。ユーザは、マウスピース160の排出口160eを介して外部に排出されるエアロゾルを吸い込むようにマウスピース160にユーザの口腔を接触し、カートリッジ10は、ハウジング100の内部空間に配置される保存槽200(例えば、図2の保存槽200)及び霧化組立体20を含む。
【0098】
一実施例によれば、保存槽200は、第1ハウジング110の内部に位置し、保存槽200には、エアロゾル生成物質が保存されうる。例えば、保存槽200には、液状のエアロゾル生成物質が保存され、保存槽200に保存された液状のエアロゾル生成物質は、液体伝達手段300によって霧化器400に伝達されうる。
【0099】
一実施例によれば、霧化組立体20は、液体伝達手段300(例えば、図2の液体伝達手段300)及び霧化器400(例えば、図2の霧化器400)を含み、保存槽200に保存されたエアロゾル生成物質からエアロゾルを発生させうる。
【0100】
一実施例によれば、液体伝達手段300は、保存槽200からエアロゾル生成物質を供給され、供給されたエアロゾル生成物質を霧化器400に伝達する役割を遂行する。例えば、液体伝達手段300は、保存槽200から液体伝達手段300方向に移動するエアロゾル生成物質を吸収し、吸収されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段300に沿って移動して霧化器400に供給されうる。
【0101】
一実施例によれば、液体伝達手段300は、複数の液体伝達手段を含む。例えば、液体伝達手段300は、第1液体伝達手段310及び第2液体伝達手段320を含む。
【0102】
第1液体伝達手段310は、保存槽200と隣接して配置されて保存槽200から液状のエアロゾル生成物質を供給されうる。例えば、第1液体伝達手段310は、保存槽200から排出されるエアロゾル生成物質の少なくとも一部を吸収することで、保存槽200からエアロゾル生成物質を供給されうる。
【0103】
第2液体伝達手段320は、第1液体伝達手段310と霧化器400との間に位置し、第1液体伝達手段310に供給されたエアロゾルを霧化器400に伝達しうる。
【0104】
例えば、第1液体伝達手段310は、第2液体伝達手段320と接触することができる。また、第2液体伝達手段320は、霧化器400と接触することができる。
【0105】
すなわち、霧化器400、第2液体伝達手段320及び第1液体伝達手段310は、カートリッジ10またはハウジング100の長手方向(例えば、z方向)に沿って順次に配置され、その結果、霧化器400上に第2液体伝達手段320、第1液体伝達手段310が順次に積層されうる。
【0106】
保存槽200から第1液体伝達手段310に供給されたエアロゾル生成物質の少なくとも一部は、第1液体伝達手段310と接触する第2液体伝達手段320に移動する。また、第2液体伝達手段320に移動したエアロゾル生成物質は、第2液体伝達手段320と接触した霧化器400に到逹する。
【0107】
図面上には、液体伝達手段300の2個の液体伝達手段で構成された実施例についてのみ図示されているが、実施例によって液体伝達手段300は、1つまたは3つ以上の液体伝達手段を含んでもよい。
【0108】
一実施例によれば、霧化器400は、液体伝達手段300から供給されるエアロゾル生成物質を霧化させてエアロゾルを生成することができる。
【0109】
例えば、霧化器400は、超音波振動を発生させる振動子を含む。振動子で発生する超音波振動の周波数は、約100kHz~10MHzでもあり、望ましくは、約100kHz~3.5MHzでもある。上述した周波数帯域によって振動子は、カートリッジ10またはハウジング100の長手方向(または「上下方向」)に沿って振動することができる。
【0110】
超音波方式によって霧化器400によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成物質を加熱して生成されたエアロゾルに比べて相対的に低い温度を有する。ヒータを用いてエアロゾル生成物質を加熱する方式である場合、エアロゾル生成物質が意図せず200℃以上の温度に加熱される状況が発生し、ユーザがエアロゾルから焦げた味を感じてしまう。
【0111】
一方、一実施例に係わるカートリッジ10は、超音波方式を用いる加熱方式に比べて低い約100~160℃の温度範囲のエアロゾルを生成することができる。これにより、カートリッジ10は、エアロゾルから焦げ味を減らすことができる。
【0112】
一実施例によれば、カートリッジ10の外部の空気(以下、「外部空気」)は、ハウジング100に形成された空気流入口130iを介してカートリッジ10の内部に流入されうる。
【0113】
空気流入口130iを介してハウジング100の内部に流入されたエアロゾルは、空気流入口130iと霧化器400とを流体連通する空気流入通路(図8の130)に沿って流動して霧化器400に到逹する。霧化器400に到逹した外部空気は、霧化器400から生成された蒸気化された粒子と混合されてエアロゾルが形成されうる。
【0114】
外部空気及び霧化器400から生成された粒子が混合することにより、形成されたエアロゾルは、排出通路(例えば、図2の排出通路150)に沿って流動してマウスピース160の排出口160eを介してカートリッジ10の外部に排出されてユーザに供給されうる。エアロゾルの流動方向に係わる具体的な説明は、後述する。
【0115】
一実施例に係わるカートリッジ10は、霧化器400から飛び散る液滴(droplet)がユーザに供給されることを防止するための構造体140及び構造体140を固定または支持(support)する第1支持部材141をさらに含んでもよい。エアロゾル生成物質が霧化器400で発生する超音波振動によって霧化される過程で一部のエアロゾル生成物質は、まだ霧化されず、液滴が生成されうる。生成された液滴は、霧化器400で発生する超音波振動によって飛び散って(splattering)排出口160eを介してカートリッジ10の外部に排出される場合が発生する。
【0116】
そのような点で、構造体140は、排出通路150と隣接した位置に配置されて飛び散った液滴がマウスピース160の排出口160eに向かう方向に移動または流動することを制限する。
【0117】
例えば、構造体140は、霧化器400から飛び散る液滴を吸収することができる材料(例えば、フェルト(felt)素材)を含み、液滴の排出口160eに向かう移動または流動することを制限することができるが、それに限定されるものではない。
【0118】
霧化器400から飛び散る液滴が排出口160eを介してカートリッジ10の外部に排出されてユーザに伝達される場合、ユーザが不快感を感じてしまい、その結果、ユーザの喫煙感が低下する。本開示において「喫煙感」は、喫煙過程でユーザが感じる感覚を意味する。
【0119】
一実施例に係わるカートリッジ10は、上述した構造体140を通じて霧化されず、霧化器400から飛び散る液滴が排出口160eに向かう方向に移動することを制限することで、飛び散る液滴(droplet splatter)によるユーザの喫煙感低下が生じない。本開示において「飛び散る液滴」は、霧化器400で発生する振動によって霧化されていない液滴が飛び散り、ユーザに伝達される現象を意味する。
【0120】
第1支持部材141は、構造体140の少なくとも一領域を収容し、収容された構造体140を第1ハウジング110に固定させうる。例えば、第1支持部材141は、構造体140を第1ハウジング110のマウスピース160と隣接した一領域(例えば、上端領域)に保持または固定させうるが、それに限定されるものではない。
【0121】
一実施例において、第1支持部材141は、構造体140の少なくとも一領域を取り囲むように配置され、構造体140を収容した第1支持部材141が第1ハウジング110の一領域に結合されることにより、構造体140が第1ハウジング110の一領域に固定されうる。
【0122】
構造体140を収容した第1支持部材141と第1ハウジング110は、第1支持部材141の少なくとも一部が第1ハウジング110に締まり嵌め方式で結合されうる。但し、第1ハウジング110と第1支持部材141との結合方式が上述した例示に限定されるものではない。他の例示において、第1ハウジング110と第1支持部材141は、スナップフィット方式、螺合方式または磁力結合方式のうち、少なくとも1つの方式で結合されうる。
【0123】
第1支持部材141は、所定の剛性を有しつつ、防水性を有する材料(例えば、ゴム)を含み、構造体140を第1ハウジング110に固定させるだけではなく、保存槽200で発生するエアロゾル生成物質の液漏れを防止することができる。例えば、第1支持部材141は、保存槽200のマウスピース160に向かう領域を遮断することで、エアロゾル生成物質の液漏れを防止することができる。
【0124】
一実施例に係わるカートリッジ10は、液体伝達手段300及び/または霧化器400を第1ハウジング110の内部に保持させるための第2支持部材340をさらに含んでもよい。
【0125】
第2支持部材340は、第1液体伝達手段310、第2液体伝達手段320及び/または霧化器400を収容することができる。第1液体伝達手段310、第2液体伝達手段320及び/または霧化器400を収容する第2支持部材340は、第1ハウジング110に結合され、その結果、第1液体伝達手段310、第2液体伝達手段320及び/または霧化器400は、第1ハウジング110に固定されうる。
【0126】
例えば、第2支持部材340は、第1支持部材141が結合される第1ハウジング110の他領域と反対に位置した一領域(例えば、下端領域)に結合されうるが、それに限定されるものではない。
【0127】
第2支持部材340と第1ハウジング110は、第2支持部材340の少なくとも一部が第1ハウジング110に締まり嵌め方式で結合されうるが、第1ハウジング110と第2支持部材340との結合方式が上述した例示に限定されるものではない。他の例示において、第1ハウジング110と第2支持部材340は、スナップフィット方式、螺合方式または磁力結合方式のうち、少なくとも1つの方式で結合されうる。
【0128】
第2支持部材340は、所定の剛性を有しつつ防水性を有する材料(例えば、ゴム)を含み、液体伝達手段300及び霧化器400を第1ハウジング110に固定させるだけではなく、保存槽200で発生するエアロゾル生成物質の液漏れを防止することができる。例えば、第2支持部材340は、保存槽200の液体伝達手段300または霧化器400と隣接した領域を遮断することで、エアロゾル生成物質の液漏れを防止することができる。
【0129】
【表1】
【0130】
表1は、一実施例に係わるカートリッジ10の最初重さ(評価前)とカートリッジ10を60℃の温度、80%の湿度を保持した状態で96時間保管した後、常温に2時間放置した後、測定したカートリッジ10の重さ(評価後)を比較した実験結果である。
【0131】
エアロゾル生成物質がカートリッジ10の外部に漏出される場合、カートリッジ10の重さは、経時的に減る。
【0132】
しかし、表1に図示されたように一実施例に係わるカートリッジ10の重さは、評価前の重さに比べて、平均約0.321gだけ増加する。これにより、一実施例に係わるカートリッジ10では、液漏れ(leakage)が発生しないことを確認することができる。
【0133】
この際、表1の結果において評価前に比べて、評価後のカートリッジ10の重さが増加する理由は、カートリッジ10が相対的に高い湿度(80%)で保管された後、常温への環境変化時に生成される水分(moisture)のためである。
【0134】
すなわち、一実施例に係わるカートリッジ10は、上述した第1支持部材141及び/または第2支持部材340を通じて保存槽200でエアロゾル生成物質の液漏れを防止し、その結果、液漏れによるカートリッジ10の故障または誤作動を最小化することができる。
【0135】
以下、図5Aないし図5Dを参照して、カートリッジ10の構成要素の結合方式について説明する。
【0136】
図5Aないし図5Dは、図3に図示されたカートリッジ10の構成要素の結合過程を説明するための図面である。
【0137】
具体的に、図5A図5Bは、図4に図示されたカートリッジ10の構造体140、第1支持部材141及び第1ハウジング110の結合過程を説明するための図面であり、図5C図5Dは、図4に図示されたカートリッジ10の第1ハウジング110とマウスピース160との結合過程を説明するための図面である。
【0138】
また、図5E図5F図5Gは、図4に図示されたカートリッジ10の第1ハウジング110、複数の液体伝達手段300、霧化器400及び第2支持部材340の結合過程を説明するための図面であり、図5H図5Iは、図4に図示されたカートリッジ10の第1ハウジング110と第2ハウジング120との結合過程を説明するための図面である。
【0139】
図5A及び図5Bを参照すれば、構造体140及び第1支持部材141は、第1ハウジング110の一領域に結合されうる。
【0140】
第1支持部材141は、構造体140の外周面の少なくとも一部を取り囲むように配置されて構造体140を収容することができる。構造体140を収容した第1支持部材141は、第1ハウジング110の一領域(例えば、上端領域)に結合され、その結果、構造体140は、第1ハウジング110に固定されうる。
【0141】
第1支持部材141と第1ハウジング110は、第1支持部材141の少なくとも一部が第1ハウジング110の内部空間に締まり嵌め方式で結合されうるが、それに限定されるものではない。図面上に図示されていないが、第1ハウジング110と第1支持部材141は、スナップフィット方式、螺合方式または磁力結合方式のうち、少なくとも1つの方式で結合されうる。
【0142】
図5C及び図5Dを参照すれば、マウスピース160は、第1ハウジング110に結合されうる。一実施例において、マウスピース160は、構造体140と第1支持部材141と隣接した第1ハウジング110の一領域に結合されうる。例えば、マウスピース160は、第1ハウジング110の上端領域に結合されうる。
【0143】
一実施例によれば、第1ハウジング110の少なくとも一部は、マウスピース160に挿入されてマウスピース160が第1ハウジング110の外周面の一部を取り囲んでもよいが、第1ハウジング110とマウスピース160の結合方式が、それに限定されるものではない。
【0144】
他の実施例において、第1ハウジング110の一領域には、第1溝111が形成され、マウスピース160には、マウスピース160の内側壁から突出する少なくとも1つの突出部(または「フック(hook)」)(図示せず)が形成されうる。第1ハウジング110の少なくとも一部がマウスピース160に挿入されるとき、マウスピース160の少なくとも1つの突出部は、第1ハウジング110の第1溝111に挿入され、その結果、マウスピース160が第1ハウジング110に結合されうる。
【0145】
図5E図5F及び図5Gを参照すれば、液体伝達手段300、霧化器400及び第2支持部材340は、第1ハウジング110に結合されうる。例えば、液体伝達手段300、霧化器400及び第2支持部材340は、第1ハウジング110の構造体140と第1支持部材141が第1ハウジング110に結合された領域と反対に位置した第1ハウジング110の一領域に結合されうる。
【0146】
第2支持部材340は、第1液体伝達手段310、第2液体伝達手段320及び霧化器400の外周面の少なくとも一部を取り囲むように配置され、第1液体伝達手段310、第2液体伝達手段320及び霧化器400が第2支持部材340に収容されうる。
【0147】
第1液体伝達手段310、第2液体伝達手段320及び霧化器400を収容する第2支持部材340は、第1ハウジング110の一領域(例えば、下端領域)に結合され、その結果、第1液体伝達手段310、第2液体伝達手段320及び霧化器400が第1ハウジング110に固定されうる。
【0148】
第2支持部材340と第1ハウジング110は、第2支持部材340の少なくとも一部が第1ハウジング110の内部空間に締まり嵌め方式で結合されうるが、それに限定されるものではない。図面上に図示されていないが、第1ハウジング110と第2支持部材340は、スナップフィット方式、螺合方式または磁力結合方式のうち、少なくとも1つの方式で結合されうる。
【0149】
図5H及び図5Iを参照すれば、第2ハウジング120は、第1ハウジング110に結合されうる。一実施例において、第2ハウジング120は、液体伝達手段300、霧化器400及び/または第2支持部材340が第1ハウジング110に結合された領域と隣接した第1ハウジング110の一領域に結合されうる。例えば、第2ハウジング120は、第1ハウジング110の下端領域に結合されうる。
【0150】
一実施例によれば、第1ハウジング110の少なくとも一部が第2ハウジング120に挿入されて第2ハウジング120が第1ハウジング110の外周面の一部を取り囲んでもよいが、第1ハウジング110と第2ハウジング120との結合方式が、それに限定されるものではない。
【0151】
他の実施例において、第1ハウジング110には、第2溝112が形成され、第2ハウジング120には、第2ハウジング120の内側壁から突出する少なくとも1つの突出部(図示せず)が形成されうる。第1ハウジング110の少なくとも一部が第2ハウジング120に挿入されるとき、第2ハウジング120の少なくとも1つの突出部は、第1ハウジング110の第2溝112に挿入され、その結果、第2ハウジング120が第1ハウジング110に結合されうる。
【0152】
例えば、第2溝112は、第1ハウジング110の長手方向に沿って形成される第1部分112a及び第1部分112aを横切る第2部分112bを含む。第2部分112bは、第1部分112aの上端方向の一端から第1ハウジング110の長手方向と実質的に垂直な水平方向に延設されうるが、それに限定されるものではない。
【0153】
第1ハウジング110と第2ハウジング120との結合過程で、第2ハウジング120の少なくとも1つの突出部は、まず第2溝112の第1部分112aに挿入されうる。第2ハウジング120の少なくとも1つの突出部が第2溝112の第1部分112aに挿入された状態で第2ハウジング120が第1ハウジング110を回転軸として時計回り方向または逆時計回り方向に回転する場合、少なくとも1つの突出部は、第1部分112aから第2部分112bに移動し、その結果、第1ハウジング110と第2ハウジング120とが結合されうる。
【0154】
第1ハウジング110に結合された第2ハウジング120は、第1ハウジング110に結合された液体伝達手段300、霧化器400及び/または第2支持部材340を取り囲むように配置され、液体伝達手段300、霧化器400及び/または第2支持部材340がカートリッジ10の外部に露出されないようにすることができる。
【0155】
上述した配置構造によって、液体伝達手段300、霧化器400及び/または第2支持部材340は、第1ハウジング110及び第2ハウジング120によってカートリッジ10の外部から加えられる衝撃またはカートリッジ10の外部から流入される異物から保護されうる。
【0156】
以下、エアロゾルを生成して放出する過程について具体的に説明する。
【0157】
図6は、一実施例に係わるカートリッジの一部領域の内部を示す斜視図であり、図7は、図6に図示されたカートリッジをA-A’方向に切断した断面図であり、図8は、図6に図示されたカートリッジをB-B’方向に切断した断面図である。
【0158】
図6ないし図8において一点鎖線は、エアロゾル生成物質の移動経路を示し、点線は、外部空気の移動経路を示し、実線は、エアロゾルの移動経路を示す。
【0159】
一実施例に係わるカートリッジ10は、ハウジング100、空気流入通路130、構造体140、第1支持部材141、排出通路150、マウスピース160、保存槽200、第1液体伝達手段310、第2液体伝達手段320、第2支持部材340及び霧化器400を含む。
【0160】
図6ないし図8に図示されたカートリッジ10の構成要素の一部は、先立って図3及び4を参照して説明しており、以下で重複説明は、省略する。
【0161】
図6及び7を参照すれば、液体伝達手段300は、保存槽200に保存された液状のエアロゾル生成物質を霧化器400に伝達する役割を行い、霧化器400は、液体伝達手段300から伝達されたエアロゾル生成物質を小粒子に霧化させうる。
【0162】
保存槽200に保存されたエアロゾル生成物質は、保存槽200の内部空間と液体伝達手段300を流体連通する連結通路210を通じて液体伝達手段300に供給されうる。
【0163】
液体伝達手段300は、保存槽200の下端(例えば、図6及び図7のz方向の一端)に位置し、保存槽200に保存されたエアロゾル生成物質は、重力(gravity)によって連結通路210に沿って液体伝達手段300に向かう下方(例えば、図6図7のz方向)に移動する。本開示において「-z方向」は、重力方向を意味する。
【0164】
一実施例において、保存槽200に保存されたエアロゾル生成物質は、連結通路210に沿って移動して第1液体伝達手段310に到逹し、第1液体伝達手段310は、エアロゾル生成物質を吸収することができる。
【0165】
一例示において、第1液体伝達手段310は、ハウジング100の長手方向(例えば、z軸方向)を横切る方向に沿って延設されうる。例えば、第1液体伝達手段310は、ハウジング100の長手方向と実質的に垂直な水平方向(例えば、y軸方向)に沿って延設されうるが、それに限定されるものではない。
【0166】
第1液体伝達手段310の保存槽200の連結通路210と隣接した一領域は、第1液体伝達手段310の他の領域に比べてさらに大きい面積を有するように形成されうる。例えば、第1液体伝達手段310の両端は、第1液体伝達手段310の他の領域に比べてさらに大きい面積を有するように形成されうるが、実施例が、それに限定されるものではない。
【0167】
第1液体伝達手段310の連結通路210と隣接した一領域が第1液体伝達手段310の他の領域に比べてさらに大きい面積を有するように形成されることにより、第1液体伝達手段310が大きい面積を通じてエアロゾル生成物質を吸収することができる。その結果、第1液体伝達手段310のエアロゾル生成物質吸収量が増加して霧化器400に伝達されるエアロゾル生成物質の量が増加する。
【0168】
第1液体伝達手段300に吸収されたエアロゾル生成物質は、第1液体伝達手段310に沿って水平方向(例えば、y軸方向)に移動した後、第1液体伝達手段310の下端に(under)位置した第2液体伝達手段320に伝達することができる。
【0169】
一実施例において、第2液体伝達手段320は、第1液体伝達手段310及び霧化器400と接触する。例えば、第2液体伝達手段320の第1液体伝達手段310に向かう一面(例えば、+z方向に向かう面)は、第1液体伝達手段310と接触し、他面(例えば、-z方向に向かう面)は、霧化器400と接触するが、実施例が、それに限定されるものではない。
【0170】
第2液体伝達手段320は、第1液体伝達手段310と霧化器400との間に位置し、第1液体伝達手段310及び霧化器400と接触する。これにより、第1液体伝達手段310に吸収されたエアロゾル生成物質を霧化器400に伝達することができる。
【0171】
例えば、第1液体伝達手段310から第2液体伝達手段320に伝達されたエアロゾル生成物質は、第2液体伝達手段320に沿って-z方向に移動して霧化器400に到逹する。
【0172】
第2液体伝達手段320が霧化器400より小さな断面積を有する円柱状にも形成されるが、第2液体伝達手段320の形状及び大きさが、それに限定されるものではない。例えば、第2液体伝達手段320は、多角柱状にも形成される。また、第2液体伝達手段320は、霧化器400と実質的に同じ断面積を有する。
【0173】
霧化器400は、第1液体伝達手段310及び第2液体伝達手段320を通じて伝達されたエアロゾル生成物質を小粒子に気化(すなわち、霧化)させうる。例えば、霧化器400は、+z方向及び/または-z方向の超音波振動を発生させ、霧化器400に伝達されたエアロゾル生成物質は、超音波振動によって霧化されうる。
【0174】
霧化器400に伝達されたエアロゾル生成物質の一部は、霧化器400から発生する超音波振動によって霧化されず、その結果、ユーザの喫煙感を低下させる液滴が霧化器400からユーザの口に飛び散る場合がある。
【0175】
但し、一実施例に係わるカートリッジ10は、第1液体伝達手段310及び/または第2液体伝達手段320を通じて液滴が飛び散ることを制限し、その結果、液滴によってユーザの喫煙感が低下しない。
【0176】
一実施例において、第1液体伝達手段310及び/または第2液体伝達手段320は、カートリッジ10の外部に飛び散る液滴を防ぐことができる。そのために、第1液体伝達手段310と第2液体伝達手段320は、霧化器400と排出通路150との間に配置されうる。
【0177】
一実施例において、第1液体伝達手段310は、第2液体伝達手段320に比べて水平方向(例えば、y軸方向)にさらに長く延びる形状にも形成される。
【0178】
第2液体伝達手段320と、第2液体伝達手段320を収容する第2支持部材340との間には、空き空間vが形成され、空き空間vでは、液滴が飛び散る。
【0179】
一実施例に係わるカートリッジ10では、第1液体伝達手段310が第2液体伝達手段320に比べて水平方向にさらに長く形成され、その結果、第1液体伝達手段310が第2液体伝達手段320を越えて延びる。
【0180】
上述した配置構造によって第1液体伝達手段310は、第2液体伝達手段320と第2支持部材340との間の空き空間vの少なくとも一部を覆い、これにより、第1液体伝達手段310は、空き空間vから液滴が排出通路150に向かって飛び散ることを防止することができる。
【0181】
図6及び図8を参照すれば、外部空気は、ハウジング100に形成された少なくとも1つの空気流入通路130を介してカートリッジ10の内部に流入されうる。例えば、外部空気は、ハウジング100の外周面に形成された空気流入口130iを介してカートリッジ10の内部に流入されうる。
【0182】
少なくとも1つの空気流入通路130は、霧化器400とカートリッジ10の外部との間を流体連通させうる。これにより、外部空気は、少なくとも1つの空気流入通路130を介してカートリッジ10の内部に位置した霧化器400に移動する。霧化器400に移動した外部空気は、霧化器400から発生した蒸気化された粒子と混ぜ合わされ、その結果、エアロゾルが形成されうる。
【0183】
一実施例において、少なくとも1つの空気流入通路130は、第1ハウジング110の内部に保存槽200と隣接して配置されうるが、少なくとも1つの空気流入通路130と保存槽200の配置構造が上述した実施例に限定されるものではない。
【0184】
一実施例によれば、少なくとも1つの空気流入通路130は、第1空気流入通路131及び第2空気流入通路132を含む。
【0185】
第1空気流入通路131は、第1ハウジング110内で第2空気流入通路132と離隔されて配置されうる。例えば、第1空気流入通路131は、第1ハウジング110の内部空間の右側に位置し、第2空気流入通路132は、第1ハウジング110の内部空間の左側に位置する。
【0186】
図8に図示されたように、外部空気の少なくとも一部は、第1空気流入通路131の第1空気流入口131iを介してカートリッジ10の内部に流入された後、第1空気流入通路131に沿って霧化器400に向かう方向に移動する。
【0187】
また、外部空気は、第2空気流入通路132の第2空気流入口132iを介してカートリッジ10の内部に流入された後、第2空気流入通路132に沿って霧化器400に向かう方向に移動する。
【0188】
第1空気流入通路131及び/または第2空気流入通路132を通じて霧化器400に移動した外部空気は、霧化器400から発生した蒸気化された粒子と混合されてエアロゾルが形成されうる。
【0189】
【表2】
【0190】
表2は、第1空気流入通路131と第2空気流入通路132との直径による空気流入通路の断面積の和と吸引抵抗(draw resistance)を示す。
【0191】
エアロゾルが含有された外部空気の比率により、エアロゾルの吸引抵抗が変更されうる。上述したように、一実施例に係わるカートリッジ10は、約1.0mm~1.3mmの直径Фを有する第1空気流入通路131及び/または第2空気流入通路132を含み、エアロゾルの吸引抵抗は、約30mmHO~70mmHOの範囲に保持されうる。
【0192】
エアロゾルの吸引抵抗が30mmHOより小さい場合、ユーザがエアロゾルの吸入を感じることができない。逆に、エアロゾルの吸引抵抗が70mmHOより大きい場合、大きい吸引抵抗によってユーザが吸入過程で不便さを感じてしまう。
【0193】
一実施例に係わるカートリッジ10は、吸引抵抗を上述した第1空気流入通路131と第2空気流入通路132を通じて約30mmHO~70mmHOに保持することで、ユーザの喫煙感が向上しうる。
【0194】
外部空気と霧化器400から発生した蒸気化された粒子が混合されて形成されたエアロゾルは、排出通路150を介してカートリッジ10の外部に排出されてユーザに供給されうる。
【0195】
一実施例によれば、排出通路150は、霧化器400とマウスピース160の排出口160eを流体連通させうる。したがって、エアロゾルは、排出通路150に沿って移動または流動した後、排出口160eを介してカートリッジ10の外部に排出されうる。
【0196】
一実施例において、排出通路150は、少なくとも一部外周面が保存槽200によって取り囲まれるようにも配置されるが、排出通路150と保存槽200の配置構造が上述した実施例に限定されるものではない。
【0197】
一実施例において、排出通路150は、第1排出通路151及び第2排出通路152に分岐されうる。
【0198】
排出通路150は、マウスピース160と隣接した排出通路150の一領域(P領域)で分岐されうる。排出通路150の一領域Pに到逹したエアロゾルは、第1排出通路151及び/または第2排出通路152に移動した後、排出口160eを介してカートリッジ10の外部に排出されうる。
【0199】
霧化器400に上述した第1液体伝達手段310と第2液体伝達手段320が配置されたにもかかわらず、霧化器400から飛び散る液滴が排出通路150に流入されてカートリッジ10の外部に排出される場合が発生する。
【0200】
一実施例に係わるカートリッジ10では、排出通路150がマウスピース160と隣接した一領域Pで第1排出通路151及び第2排出通路152に分岐されるように形成されることで、霧化器400から飛び散る液滴がカートリッジ10の外部に排出されることを2次的に遮断することができる。
【0201】
例えば、排出通路150に流入された液滴は、排出通路150の一領域Pから天井(ceiling)と衝突した後、一領域Pと隣接した構造体140に吸収されうる。これにより、液滴がカートリッジ10の外部に排出されない。
【0202】
すなわち、一実施例に係わるカートリッジ10は、第1液体伝達手段310と第2液体伝達手段320を通じて1次的には、液滴がユーザに伝達されることを遮断し、排出通路150の分岐された構造と構造体140を通じて第1液体伝達手段310及び/または第2液体伝達手段320によって遮断されていない液滴を2次的に遮断することができる。
【0203】
図9は、一実施例に係わる霧化組立体の概略的な斜視図であり、図10は、図9の霧化組立体をC-C’方向に切断した断面図であり、図11は、図9の霧化組立体の一部構成要素に係わる分解斜視図である。
【0204】
図9図10及び図11を参照すれば、一実施例に係わる霧化組立体20は、保存槽(例えば、図5図6の保存槽200)に保存されたエアロゾル生成物質を霧化させてエアロゾルを生成する。一実施例に係わる霧化組立体20は、図1図2のエアロゾル生成装置1000及び/または図3及び図4図6ないし図8のカートリッジ10に含まれ、以下で重複説明は、省略する。
【0205】
一実施例に係わる霧化組立体20は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成物質を霧化させる霧化器400、保存槽に連結され(すなわち、直接接触するか、または、流体連通する)エアロゾル生成物質を吸収する第1液体伝達手段310、及び第1液体伝達手段310と霧化器400との間に配置されて第1液体伝達手段310に吸収されたエアロゾル生成物質を霧化器400に伝達する第2液体伝達手段320を含む。
【0206】
上述した霧化組立体20を含むエアロゾル生成装置(例えば、図1図2のエアロゾル生成装置1000)は、次のような特徴と効果を有する。
【0207】
第一に、第2液体伝達手段320は、霧化器400を覆うことにより、蒸気化されていない粒子が直ちにユーザの口腔に吸入されることを防止する物理的な障壁として機能する。したがって、一実施例に係わる霧化組立体20は、エアロゾルの香味を向上させうる。
【0208】
第二に、一実施例に係わる霧化組立体20は、第1液体伝達手段310及び第2液体伝達手段320の配置によって保存槽に保存されたエアロゾル生成物質を霧化器400に円滑に移送させうる。したがって、一実施例に係わる霧化組立体20は、エアロゾルが生成される霧化速度が増加させうる。
【0209】
以下、霧化器400、第1液体伝達手段310、及び第2液体伝達手段320について添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0210】
霧化器400は、エアロゾル生成物質の相(phase)を変換してエアロゾル(aerosol)を発生させる機能を担当する。霧化器400は、ハウジング(例えば、図4のハウジング100)の内部に配置されうる。
【0211】
一例として、霧化器400は、超音波振動方式を用いることで、エアロゾル生成物質からエアロゾルを発生させうる。超音波振動方式は、振動子によって発生する超音波振動でエアロゾル生成物質を霧化させることで、エアロゾルを発生させる方式を意味する。
【0212】
他の例として、霧化器400は、エアロゾル生成物質を霧化させるための加熱要素でもある。その場合、霧化器400は、フラット形状の加熱要素でもある。
【0213】
霧化器400は、熱を発生させることで、エアロゾル生成物質を加熱することができるヒータを含む。ヒータは、導電性トラック(track)を含み、導電性トラックに電流が流れることにより、ヒータが加熱されうる。しかし、ヒータは、上述した例に限定されず、希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに該当しうる。液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質は、ヒータによって加熱され、その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0214】
ヒータは、任意の適した電気抵抗性物質によっても形成される。例えば、適した電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、錫、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金でもあるが、それらに制限されない。また、ヒータは、金属熱線(wire)、導電性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによっても具現されるが、それらに制限されない。
【0215】
第1液体伝達手段310は、エアロゾル生成物質を霧化器400に移送または伝達する機能を担当する。第1液体伝達手段310は、保存槽に連結され、エアロゾル生成物質を吸収することができる。また、第1液体伝達手段310は、第2液体伝達手段320に接触することができる。これにより、第1液体伝達手段310は、保存槽に保存されたエアロゾル生成物質を第2液体伝達手段320に移送または伝達することができる。
【0216】
第1液体伝達手段310は、霧化器400で生成されたエアロゾルが排出される第1方向(例えば、図9のz軸方向)を横切る第2方向(例えば、図9のx軸方向)に沿って延びる。その場合、第1液体伝達手段310の一端と他端は、保存槽に連結されうる。本開示で「第1方向」は、エアロゾルが排出され、排出通路(例えば、図6の排出通路150)が延びる方向を指称する。
【0217】
第1液体伝達手段310は、エアロゾル生成物質を吸収可能な素材によって形成されうる。第1液体伝達手段310は、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックのうち、少なくとも1つを含む芯(wick)にもなるが、それらに限定されるものではない。第1液体伝達手段310は、エアロゾル生成物質を吸収してエアロゾルに変換するための最適の状態を保持する。
【0218】
例えば、第1液体伝達手段310は、SPL 30(H)、SPL 50(H)V、NP 100(V8)、SPL 60(FC)、メラミン(melamine)のうち、少なくとも1つの素材を含む。本開示で「SPL」、「NP」は、樹脂(resin)の種類を示すコードである。
【0219】
第1液体伝達手段310、第2液体伝達手段320、及び霧化器400は、エアロゾル生成物質の移送方向に沿って順次に配置されうる。その場合、一実施例に係わる霧化組立体20では、エアロゾル生成物質が重力(gravity)方向(例えば、-z方向)に沿って移送されうるので、エアロゾル生成物質が霧化器400にさらに円滑に移送されうる。エアロゾル生成物質の伝達方向は、エアロゾルが排出される第1方向と反対となる方向を指称し、またマウスピース(例えば、図6のマウスピース)から霧化器400に向かう方向を指称する。
【0220】
第1液体伝達手段310は、全体として直方体状にも形成されるが、第1液体伝達手段310の形状が、それに限定されるものではない。図面上に図示されていないが、第1液体伝達手段310は、エアロゾル生成物質を移送することができる限り、円環状など他の形状にも形成される。
【0221】
図9及び図11を参考にすれば、第1液体伝達手段310は、吸収部分311、及び伝達部分312を含む。
【0222】
吸収部分311は、保存槽に連結され、エアロゾル生成物質を伝達される第1液体伝達手段310の一部でもある。例えば、吸収部分311は、保存槽と接触するか、または接触なしに保存槽の下に配置されうる。吸収部分311は、それぞれ保存槽と連結されうる。吸収部分311は、伝達部分312に連結されうる。吸収部分311は、第1液体伝達手段310の一端及び他端のそれぞれに位置する。吸収部分311の第2方向(例えば、x軸方向)に切った断面は、全体として円形にも形成される。しかし、吸収部分311の形状がそれに限定されるものではなく、エアロゾル生成物質を伝達されうる限り、他の形状にも形成される。
【0223】
伝達部分312は、吸収部分311と第2液体伝達手段320のそれぞれに連結されうる。伝達部分312は、エアロゾル生成物質を第2液体伝達手段320に伝達する第1液体伝達手段310の一部でもある。このために、伝達部分312は、第2液体伝達手段320に接触することができる。伝達部分312は、吸収部分311と一体に形成されうる。伝達部分312の第2方向(例えば、x軸方向)に切断した断面は、全体として長方形にも形成されるが、伝達部分312の形状が、それに限定されるものではない。伝達部分312は、エアロゾル生成物質を第2液体伝達手段320に伝達できる限り、他の形状にも形成される。
【0224】
図11を参照すれば、伝達部分312の幅312wは、吸収部分311の幅311wに比べてさらに狭い。すなわち、吸収部分311は、伝達部分312に比べてさらに広幅を有する。伝達部分312の幅312w及び吸収部分311の幅311wは、第1方向(例えば、z軸方向)と第2方向(例えば、x軸方向)を横切る第3方向(例えば、y軸方向)に測定されうる。
【0225】
本開示で第1方向、第2方向、第3方向は、必ずしもZ軸、X軸、Y軸方向のように互いに直交する方向に限定されるものではなく、第1方向と第2方向と第3方向は、互いに直交せず、互いに横切る方向でもある。
【0226】
一実施例に係わる霧化組立体20は、伝達部分312に比べてさらに広幅を有する吸収部分311を含み、エアロゾル生成物質を吸収する領域を増加させうる。したがって、第1液体伝達手段310の吸収量が増加しうる。
【0227】
また、一実施例に係わる霧化組立体20は、伝達部分312が吸収部分311に比べてさらに狭幅を有することで、エアロゾル生成物質を第2液体伝達手段320に集中的に移送させうる。
【0228】
第2液体伝達手段320は、霧化器400の一側400aに向かうように配置される。本開示で第1要素が第2要素に「向かう」か、第2要素と「連結される」という表現は、第1要素が第2要素と接触するか、接触なしに第2要素と流体連通することを意味する。このような点で、第2液体伝達手段320は、霧化器400と接触するか、第2液体伝達手段320の一面は、霧化器400の一面から微細に離隔されうる。
【0229】
一例示において、第2液体伝達手段320の表面と霧化器400の表面が互いに直接接触する場合、第2液体伝達手段320に吸収されたエアロゾル生成物質が霧化器400に直接伝達されうる。
【0230】
他の例示において、第2液体伝達手段320の表面と霧化器400の表面とが互いに離隔された場合、第2液体伝達手段320に吸収されたエアロゾル生成物質が第2液体伝達手段320と霧化器400との間隙を通過した後、霧化器400に伝達されうる。第2液体伝達手段320が霧化器400の一側400aに向かうように配置され、第2液体伝達手段320が霧化器400の一側400aの少なくとも一部を覆うか、遮蔽することができる。
【0231】
したがって、霧化器400から飛び散る液体は、第2液体伝達手段320によって遮断され、これにより、液体は、排出通路に移動しない。
【0232】
一例示において、霧化器400の一側400aは、エアロゾルが排出される第1方向に向かう。すなわち、霧化器400の一側400aは、排出通路150に向かう。他の例示において、霧化器400の他側400bは、反対方向(例えば、-z方向)に向かう。
【0233】
第2液体伝達手段320が霧化器400の一側400aに向かうように配置された場合、第1液体伝達手段310の少なくとも一部は、第2液体伝達手段320と重畳されるように配置される。すなわち、第2液体伝達手段320と第1液体伝達手段310は、第1方向(例えば、z軸方向)に沿って順次に積層されるように配置され、互いに重畳されうる。
【0234】
これにより、一実施例に係わる霧化組立体20は、蒸気化されていない粒子が直ちにユーザの口腔に吸入されることを防止する物理的な2重障壁(すなわち、第1液体伝達手段310及び第2液体伝達手段320)を含む。その結果、エアロゾル生成組立体20は、飛び散る液滴を効果的に防止することができる。
【0235】
一実施例によれば、第2液体伝達手段320は、全体として円板状にも形成される。しかし、それは、例示的なものであって、第2液体伝達手段320は、飛び散る液滴発生を防止する物理的な障壁として機能することができる限り、直方体状にも形成される。
【0236】
第2液体伝達手段320は、第1液体伝達手段310と霧化器400の間に配置されうる。これにより、第2液体伝達手段320は、第1液体伝達手段310からエアロゾル生成物質を伝達されて霧化器400にエアロゾル生成物質を伝達することができる。
【0237】
第2液体伝達手段320は、一面が霧化器400に接触し、他面が伝達部分312に接触する。第2液体伝達手段320は、一面が霧化器400に接触して霧化器400によって支持されうる。
【0238】
第2液体伝達手段320の霧化器400と接触する一面は、霧化器400の一側400aに比べてさらに小さいサイズに形成されうる。但し、実施例によって第2液体伝達手段320の一面は、霧化器400の一側400aと同一であるか、さらに大きなサイズに形成されうる。
【0239】
第2液体伝達手段320は、エアロゾル生成物質を吸収可能な素材によって形成されうる。したがって、第1液体伝達手段310及び第2液体伝達手段320は、いずれもエアロゾル生成物質を吸収し、これにより、一実施例による霧化組立体20の全体としての吸収量を増加させうる。したがって、一実施例に係わる霧化組立体20は、エアロゾル生成物質の外部への液漏れを効果的に防止することができる。
【0240】
第2液体伝達手段320は、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックのうち、少なくとも1つを含む芯(wick)にもなるが、それらに限定されるものではない。第2液体伝達手段320は、エアロゾル生成物質をエアロゾルに変換するための最適の状態を保持する。
【0241】
例えば、第2液体伝達手段320は、SPL 30(H)、SPL 50(H)V、NP 100(V8)、SPL 60(FC)、メラミン(melamine)のうち、いずれか1つの素材を含む。
【0242】
一実施例によれば、第2液体伝達手段320は、第1液体伝達手段310と異なる素材を含んでもよいが、それに限定されるものではない。他の実施例において、第2液体伝達手段320は、第1液体伝達手段310と同一素材を含んでもよい。
【0243】
以下、第1液体伝達手段310及び第2液体伝達手段320の多様な実施例を説明する。
【0244】
第1実施例として、第1液体伝達手段310は、第2液体伝達手段320に比べてさらに大きい吸収量を有する。これにより、一実施例に係わる霧化組立体20は、吸収量及びエアロゾル生成物質を移送する移送力を向上させうる。
【0245】
これは、次のような実験1によって証明されうる。
【0246】
[実験1]
【0247】
まず、20.0℃、相対湿度65.0%の実験空間で試片(Test piece)を24時間コンディショニング(Conditioning)させる。ここで、試片は、第1液体伝達手段310、または第2液体伝達手段320でもある。
【0248】
次いで、コンディショニングが完了された試片の質量を測定する。
【0249】
次いで、試片を液体に十分に浸漬する。ここで、液体は、エアロゾル生成物質(例えば、水)でもある。
【0250】
次いで、液体が30秒以上滴下されなくなるまで試片を垂直に固定させる。
【0251】
次いで、液体が30秒以上滴下されないとき、試片の質量を測定する。
【0252】
次いで、試片の素材を変えつつ、前記過程を繰り返し、素材の質量増加の比率を記録する。
【0253】
下記表3は、実験1の結果である。
【0254】
【表3】
【0255】
前記表3で素材の質量増加の比率は、試片の吸収量に比例する。前記表3から分かるように、最も高い素材の質量増加の比率は、試片がSPL 60の場合に示される。したがって、霧化組立体200の全体としての吸収量は、第1液体伝達手段310がSPL 60素材を含むとき、向上しうる。
【0256】
また、第1液体伝達手段310が第2液体伝達手段320に比べてさらに高い吸収量を有する場合、第1液体伝達手段310及び第2液体伝達手段320に吸収されたエアロゾル生成物質の密度差が発生しうる。
【0257】
一実施例に係わる霧化組立体20によれば、密度差によって、エアロゾル生成物質は、第1液体伝達手段310から第2液体伝達手段320に円滑に移送されうる。したがって、一実施例に係わる霧化組立体20は、エアロゾル生成物質の移送力を向上させて霧化速度を増大させうる。
【0258】
一例として、第1液体伝達手段310がSPL 60素材を含む場合、第2液体伝達手段320は、メラミン素材を含みうる。他の例として、第1液体伝達手段310がSPL 60素材を含む場合、第2液体伝達手段320は、SPL50(H)素材を含んでもよい。
【0259】
第1液体伝達手段310が第2液体伝達手段320に比べてさらに高い吸収量を有する実施例は、上述した2種の組合わせ以外にも、他の素材の組合わせによっても具現される。
【0260】
第2実施例として、第1液体伝達手段310は、第2液体伝達手段320に比べてさらに速い吸収速度を有する素材を含む。これにより、一実施例に係わる霧化組立体20は、エアロゾル生成物質が霧化される霧化速度及びエアロゾル生成物質を移送する移送力を向上させうる。
【0261】
これは、下の実験2、及び実験3によって証明されうる。
【0262】
[実験2]
【0263】
まず、2.5cm(横)x13.0cm(縦)の試片及び180mlの浸漬液が入っているビーカーを準備する。ここで、試片は、第1液体伝達手段310、または第2液体伝達手段320でもある。また、浸漬液は、エアロゾル生成物質(例えば、水)でもある。
【0264】
次いで、ピンセットなどを用いて試片の上端から1cm離隔された部分を取り、試片の下端の1cm部分を浸漬液に浸漬させる。
【0265】
次いで、試片を5分間浸漬させた後、浸漬液が吸収された高さを測定する。
【0266】
次いで、試片の素材を変えつつ、前記過程を繰り返し、浸漬液が吸収された高さを記録する。
【0267】
下記表4は、実験2の結果である。
【0268】
【表4】
【0269】
浸漬液が吸収された高さは、エアロゾル生成物質が試片に吸収される吸収速度の大きさと比例する。
【0270】
[実験3]
【0271】
まず、2.5cm(横)x13.0cm(縦)の試片及び180mlの浸漬液が入っているビーカーを準備する。ここで、試片は、第1液体伝達手段310または第2液体伝達手段320でもある。また、浸漬液は、エアロゾル生成物質として、例えば、水でもある。
【0272】
次いで、ピンセットなどを用いて試片の上端から1cm離隔された部分を取り、試片の下端の1cm部分を浸漬液に浸漬させる。
【0273】
次いで、試片を5分間浸漬させた後、浸漬液が1cmまで(試片下端から2cm部分まで)吸収された時間を測定する。
【0274】
次いで、試片の素材を変えつつ、前記過程を繰り返し、浸漬液の吸収にかかる時間を記録する。
【0275】
下記表5は、実験3の結果である。
【0276】
【表5】
【0277】
浸漬液の吸収にかかる時間は、エアロゾル生成物質が試片に吸収される吸収速度の速さと反比例する。すなわち、エアロゾル生成物質の試片吸収にかかる時間が短いほど、吸収速度は速くなることを意味する。前記表4及び表5から分かるように、最も速い吸収速度は、試片がSPL 60(FC)である場合に示される。したがって、前記表4及び表5から分かるように、第1液体伝達手段310がSPL 60素材を含むと、一実施例に係わる霧化組立体20の全体的な吸収速度が増加しうる。結果として、エアロゾル生成物質が霧化される霧化速度が向上しうる。
【0278】
また、第1液体伝達手段310が第2液体伝達手段320に比べてさらに速い吸収速度を有する場合、第1液体伝達手段310及び第2液体伝達手段320に吸収されたエアロゾル生成物質の密度差が発生しうる。これにより、一実施例に係わる霧化組立体20によれば、密度差によって、エアロゾル生成物質は、第1液体伝達手段310から第2液体伝達手段320に円滑に移送されうる。
【0279】
一例として、第1液体伝達手段310がSPL 60素材を含む場合、第2液体伝達手段320は、メラミン素材を含む。他の例として、第1液体伝達手段310がSPL 60素材を含む場合、第2液体伝達手段320は、SPL50(H)素材を含んでもよい。
【0280】
第1液体伝達手段310が第2液体伝達手段320に比べてさらに速い吸収速度を有する実施例は、上述した2種の組合わせ以外にも、他の組合わせによっても具現される。
【0281】
一実施例に係わる霧化組立体20は、第2支持部材340をさらに含んでもよい。
【0282】
第2支持部材340は、霧化器400、第1液体伝達手段310、及び第2液体伝達手段320を収容する。第2支持部材340は、霧化器400、第1液体伝達手段310、及び第2液体伝達手段320を全体として取り囲むように形成されうる。第2支持部材340は、外部から霧化器400、第1液体伝達手段310、及び第2液体伝達手段320を保護する機能を遂行する。霧化器400、第1液体伝達手段310、及び第2液体伝達手段320は、第2支持部材340に収容され、第2支持部材340によって支持されうる。
【0283】
例えば、第2支持部材340は、20N/mm~85N/mm以下の硬度(Hardness)を有する軟質のゴム素材を含む。この際、第2支持部材340の硬度は、軟質のゴム素材、または軟質のプラスチック素材などの非金属素材の硬度を測定する硬度測定器の一種であるShore Aで測定されうる。
【0284】
第2支持部材340は、全体として中空円筒状にも形成されるが、それは、例示的なものであって、霧化器400、第1液体伝達手段310、及び第2液体伝達手段320を収容することができる直方体など他の形状にも形成される。
【0285】
第2支持部材340は、霧化器400、第1液体伝達手段310、及び第2液体伝達手段320を収容するための収容空間340aを含む。収容空間340aは、収容本体341の内部に形成されうる。収容本体341は、第2支持部材340の外形をなす。
【0286】
収容空間340aは、第1液体伝達手段310を収容する第1収容空間、第2液体伝達手段320を収容する第2収容空間及び霧化器400を収容する第3収容空間を含む。例えば、第3収容空間、第2収容空間、及び第1収容空間は、互いに流体連通されうる。また、第3収容空間、第2収容空間、及び第1収容空間は、霧化器400、第2液体伝達手段320、及び第1液体伝達手段310それぞれに対応する形態に形成されうる。
【0287】
第2支持部材340は、離隔空間340bを含む。
【0288】
離隔空間340bは、収容本体341と第2液体伝達手段320との間に形成されうる。その場合、第1液体伝達手段310は、一端及び他端が第2液体伝達手段320から突出して離隔空間340bを覆う。すなわち、第1液体伝達手段310は、第2方向を基準に第2液体伝達手段320に比べてさらに長く延びる。
【0289】
これにより、一実施例に係わる霧化組立体20は、蒸気化されていない粒子が離隔空間340bを脱出することを防止することで、飛び散る液滴の発生可能性をさらに減少させうる。離隔空間340bは、第2収容空間の一部でもある。
【0290】
図10を参考にすれば、第2支持部材340は、連結空間340cを含む。
【0291】
連結空間340cは、第2支持部材340に収容された第1液体伝達手段310が保存槽からエアロゾル生成物質を移送または伝達されるための空間である。連結空間340cは、保存槽と第1液体伝達手段310を流体連通させうる。連結空間340cは、吸収部分311が位置した部分で収容本体341に形成されうる。連結空間340cは、吸収部分311と対応する形態に形成されうる。
【0292】
一実施例によれば、第2支持部材340は、第1支持面341aをさらに含んでもよい。
【0293】
第1支持面341aは、第1液体伝達手段310を支持する機能を遂行する。第1液体伝達手段310は、一端及び第1支持面341aによって支持される他端を含む。これにより、第2液体伝達手段320は、霧化器400と第1液体伝達手段310との間に保持されて安定して飛び散る液滴を防止する機能を遂行する。
【0294】
第1支持面341aは、第1液体伝達手段310の一端及び他端を支持する。例えば、第1支持面341aは、吸収部分311を支持する。
【0295】
第1支持面341aは、第1収容空間に向かう。第1支持面341aは、収容本体341の内部に形成されうる。
【0296】
図10を参考にすれば、第2支持部材340は、第2支持面341bをさらに含んでもよい。
【0297】
第2支持面341bは、霧化器400を支持する機能を遂行する。第2支持面341bは、第3収容空間に向かう。第2支持面341bは、第1支持面341aから離隔された位置で収容本体341の内部に形成されうる。
【0298】
図10を参考にすれば、第2支持部材340は、突起343をさらに含んでもよい。
【0299】
突起343は、収容本体341の外面に形成されうる。突起343は、ハウジングの内面と接触することができる。一実施例に係わる霧化組立体20によれば、突起343は、第2支持部材340とハウジングとの間でエアロゾル生成物質の液漏れを防止することができる。
【0300】
突起343は、収容本体341の外周面の周囲方向に沿って延びる。複数の突起343は、第1方向に沿って形成されうる。突起343は、収容本体341と一体に形成されうる。
【0301】
突起343は、収容本体341の下面(例えば、下端面)に形成されうる。複数の突起343は、収容本体341の下面に形成されうる。
【0302】
図12Aないし図12Dは、液体伝達手段に関する様々な実施例を示す図面である。
【0303】
図12Aは、一実施例による第1液体伝達手段を示す斜視図であり、図12Bは、図12Aの第1液体伝達手段と第2液体伝達手段が連結された状態を示す斜視図である。また、図12Cは、他の実施例による第1液体伝達手段を示す斜視図であり、図12Dは、図12Cの第1液体伝達手段と第2液体伝達手段が連結された状態を示す斜視図である。
【0304】
下 記表6は、液体伝達手段の形状及び素材によって霧化速度、霧化量、飛び散る液滴程度を示す実験結果である。下記表6は、第2液体伝達手段320がメラミン素材を含み、第2液体伝達手段320が全体として円板状である条件での実験結果を示すものである。
【0305】
【表6】
【0306】
前記表6において、霧化速度は、エアロゾル生成物質からエアロゾルが生成されるまでかかる時間を意味し、霧化量(g)は、同一時間(例えば、3秒)の間に生成されるエアロゾルの量を意味し、飛び散る液滴は、ユーザが喫煙時に蒸気化されていない粒子を感じることができるか否かを意味する。第1実施例において、霧化組立体20は、第1液体伝達手段310のみを含む。また、第1実施例において、第1液体伝達手段310は、全体として円環状にも形成される。
【0307】
第2実施例において、霧化組立体20は、第1液体伝達手段310及び第2液体伝達手段320を含む。また、第2実施例において、第1液体伝達手段310は、全体として円環状に形成されるが、第2液体伝達手段320の縁部と重畳されるように配置される。
【0308】
第3実施例及び第5実施例において、霧化組立体20は、第1液体伝達手段310のみを含む。また、第3実施例及び第5実施例において、第1液体伝達手段310は、全体として直方体状に形成されるが、第2方向に沿って延びる。
【0309】
第4実施例及び第6実施例において、霧化組立体20は、第1液体伝達手段310及び第2液体伝達手段320を含む。また、第4実施例及び第6実施例において、第1液体伝達手段310は、全体として直方体状に形成されるが、第2方向に沿って延びる。その場合、第1液体伝達手段310は、第2液体伝達手段320の中心部と重畳されるように配置される。
【0310】
前記実施例の実験結果を順次に説明すれば、次の通りである。
【0311】
第一に、霧化速度と係わって、前記表6を参考にすれば、第4実施例及び第6実施例での霧化速度が相対的に速いということが分かる。
【0312】
また、前記表6を参考にすれば、第1液体伝達手段310の素材の差によって第6実施例での霧化速度が第4実施例での霧化速度に比べてさらに速いということが分かる。これは、霧化速度が実験2及び実験3を通じて証明された吸収速度と関連していることを意味する。
【0313】
第二に、霧化量と係わって、前記表6を参考にすれば、第2実施例、第4実施例、及び第6実施例での霧化量が相対的に多いということが分かる。これは、第2実施例、第4実施例、及び第6実施例に係わる霧化組立体20が第1液体伝達手段310のみを含む実施例に比べて吸収量が高いという点に起因する。
【0314】
また、前記表6を参考にすれば、第6実施例での霧化量が第4実施例での霧化量に比べて多いということが分かるが、これは、第1液体伝達手段310の素材差によるものである。すなわち、第1液体伝達手段310がSPL 60素材を含む場合、第1液体伝達手段310がメラミン素材を含む場合に比べてさらに多くの霧化量を生成することができる。
【0315】
第三に、飛び散る液滴の程度と係わって、前記表6を参考にすれば、第2実施例、及び第4実施例、及び第6実施例での飛び散る液滴の程度が相対的に低いということが分かる。これは、第2実施例、第4実施例、及び第6実施例に係わる霧化組立体20が第1液体伝達手段310のみを含む実施例に比べて、飛び散る液滴が発生する領域をさらに大きく遮蔽するという点に起因する。
【0316】
また、前記表6を参考にすれば、第4実施例及び第6実施例での飛び散る液漏れ程度は、第2実施例に比べて高いということが分かる。これは、第1液体伝達手段310が第2方向に沿って延びるが、第2液体伝達手段320の中心部320bに配置された点に起因する。
【0317】
すなわち、第2実施例は、第1液体伝達手段310が第2液体伝達手段320の周辺部320a(図11参照)に配置されるので、エアロゾル生成物質が第2液体伝達手段320の周辺部320aに集中されうる。したがって、第2実施例は、エアロゾル生成物質が第2液体伝達手段320の周辺部320aへの液漏れ可能性及び第2液体伝達手段320の周辺部320aを通じて飛び散る液滴の発生可能性を増大させうる。
【0318】
一方、第4実施例及び第6実施例は、第1液体伝達手段310が第2方向に沿って延びるが、第2液体伝達手段320の中心部320bに配置されるので、エアロゾル生成物質が第2液体伝達手段320の中心部320bに集中されうる。したがって、第4実施例及び第6実施例は、エアロゾル生成物質が第2液体伝達手段320の周辺部320aへの液漏れ可能性及び第2液体伝達手段320の周辺部320aを通じて飛び散る液滴の発生可能性を減少させうる。
【0319】
図13は、他の実施例に係わるカートリッジの分解斜視図であり、図14は、他の実施例に係わる霧化組立体の概略的な斜視図である。
【0320】
また、図16は、他の実施例に係わるカートリッジの一部領域の内部を示す斜視図であり、図17は、図16に図示されたカートリッジをD-D’方向に切断した断面図である。
【0321】
図13図15及び図16において一点鎖線は、エアロゾル生成物質の移動経路を示し、点線は、外部空気の移動経路を示し、実線は、エアロゾルの移動経路を示す。
【0322】
図13図14図15及び図16を参照すれば、一実施例に係わるカートリッジ10は、霧化組立体20、ハウジング100、空気流入通路130、構造体140、第1支持部材141、排出通路150、マウスピース160及び保存槽200を含む。
【0323】
霧化組立体20は、第1液体伝達手段310、第2液体伝達手段320、振動伝達手段330、第2支持部材340(または「支持部材」)及び霧化器400を含む。
【0324】
一実施例に係わるカートリッジ10は、図6図7及び8に図示されたカートリッジ10の霧化組立体20に振動伝達手段330が追加されたカートリッジでもある。以下、他の構成要素の重複説明は、省略する。
【0325】
振動伝達手段330は、液体伝達手段300と霧化器400との間に位置し、霧化器400で発生した超音波振動を液体伝達手段300に伝達する媒介体の役割が可能である。振動伝達手段330は、例えば、超音波振動を伝達する媒介体として動作するように所定の剛性を有する材料を含んでもよいが、それに限定されるものではない。
【0326】
振動伝達手段330は、一面(例えば、z方向に向かう面)が第2液体伝達手段320と接触し、他面(例えば、-z方向に向かう面)が霧化器400と接触するように配置されることで、霧化器400で生成される超音波振動を第2液体伝達手段320に伝達することができる。
【0327】
一実施例によれば、保存槽200に保存された液状のエアロゾル生成物質は、連結通路210に沿って第1液体伝達手段310に向かう方向に移動し、第1液体伝達手段310は、保存槽200から供給されたエアロゾル生成物質を吸収することができる。
【0328】
第1液体伝達手段310に吸収されたエアロゾル生成物質は、第1液体伝達手段310に沿って水平方向(例えば、y軸方向)に移動した後、第1液体伝達手段310の一領域と接触する第2液体伝達手段320に伝達されうる。すなわち、保存槽200に保存されたエアロゾル生成物質は、第1液体伝達手段310を経て第2液体伝達手段320に伝達されうる。
【0329】
第1液体伝達手段310から第2液体伝達手段320に供給されたエアロゾル生成物質は、振動伝達手段330から伝達された超音波振動によって微粒子化されうる。
【0330】
微細粒子は、空気流入通路130を介してカートリッジ10の外部から霧化器400に流入された外部空気と混合されてエアロゾルが形成され、形成されたエアロゾルは、排出通路150を介してカートリッジ10の外部に排出されてユーザに供給されうる。
【0331】
一実施例によれば、振動伝達手段330は、超音波振動の損失を最小化して霧化器400で発生する超音波振動を第2液体伝達手段320に効果的に伝達するように、霧化器400と実質的に同一面積を有するように形成されうる。例えば、振動伝達手段330は、z軸方向から見たとき、霧化器400と対応するようにも配置される。
【0332】
但し、振動伝達手段330の形状が上述した実施例に限定されるものではない。他の実施例において、振動伝達手段330は、霧化器400より小さい面積を有するように形成されるか、霧化器400より広い面積を有するようにも形成される。
【0333】
一実施例によれば、振動伝達手段330は、第2液体伝達手段320に供給された液状のエアロゾル生成物質と霧化器400とが直接的に接触することを防止する。
【0334】
液状のエアロゾル生成物質が霧化器400と直接接触する場合、一部のエアロゾル生成物質が霧化器400と本体(例えば、図2の本体20)とを連結する電気的連結部材(例えば、ポゴピン)に流入されてカートリッジ10の故障または誤作動が発生する。
【0335】
上述したように、一実施例に係わるカートリッジ10は、振動伝達手段330を通じて液状のエアロゾル生成物質が霧化器400との直接接触によって発生するカートリッジ10の故障または誤作動を最小化することができる。
【0336】
一実施例によれば、振動伝達手段330は、第2支持部材340の内部に配置されうる。例えば、振動伝達手段330は、第2支持部材340の収容空間(例えば、図10の収容空間340a)に収容されうる。
【0337】
一実施例によれば、振動伝達手段330は、霧化器400と第2液体伝達手段320のそれぞれに比べてさらに大きいサイズに形成されうる。これにより、他の実施例に係わる霧化組立体20は、霧化器400と第2液体伝達手段320との直接的な接触を遮断する領域を増大させうる。
【0338】
また、振動伝達手段330は、全体として円板状にも形成される。但し、これは、例示的なものであって、霧化器400と第2液体伝達手段320との間に配置される限り、他の形状にも形成される。
【0339】
例えば、振動伝達手段330は、ステンレス(Stainless)素材を含んでもよいが、それに限定されるものではない。
【0340】
上述した実施例に係わるカートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置は、超音波振動を用いることで、ヒータを用いてエアロゾル生成物質を気化させるときに比べて、相対的に低い温度でエアロゾルを発生させうる。その結果、ユーザの喫煙感が向上しうる。
【0341】
また、上述した実施例に係わるカートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置は、霧化器から液滴が飛び散り、液滴がユーザの口に到逹することを防止し、その結果、ユーザの喫煙感が向上しうる。
【0342】
また、上述した実施例に係わるカートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質の液漏れを防止することで、カートリッジまたはエアロゾル生成装置の故障または誤作動を減らすことができる。
【0343】
一実施例は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態にも具現されうる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセスされうる任意の可用媒体でもあり、揮発性及び不揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。また、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記録媒体及び通信媒体をいずれも含む。コンピュータ記録媒体は、コンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールまたはその他データのような情報の保存のための任意の方法または技術によって具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。通信媒体は典型的にコンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他データ、またはその他伝送メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0344】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態によっても具現されるということを理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれていると解釈されねばならない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図14
図15
図16