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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】農業管理のためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20231228BHJP
【FI】
G06Q50/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020505314
(86)(22)【出願日】2018-07-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-08
(86)【国際出願番号】 EP2018070261
(87)【国際公開番号】W WO2019025272
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-07-26
(31)【優先権主張番号】17184426.9
(32)【優先日】2017-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】17184423.6
(32)【優先日】2017-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】17184422.8
(32)【優先日】2017-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516245885
【氏名又は名称】バイエル、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】BAYER AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】ディルク、シェーファー
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-072900(JP,A)
【文献】特開2011-198066(JP,A)
【文献】国際公開第2011/064445(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
農業管理のためのデバイス(10)であって、
- 入力ユニット(20)と、
- 処理ユニット(30)と、
- GPSユニット(40)と、
- 出力ユニット(50)とを含み、
前記入力ユニットが、前記処理ユニットに農業データを提供するように構成され、
前記処理ユニットが、農用地面積の少なくとも1つの地理的位置を決定するように構成され、前記決定が、前記GPSユニットの少なくとも1つの動きによる前記GPSユニットの利用を含み、
前記処理ユニットが、農業管理データを決定するように構成され、前記決定が、前記少なくとも1つの地理的位置および前記農業データの利用を含み、
前記出力ユニットが、前記農業管理データに基づいて前記デバイスのユーザに農業管理情報を出力するように構成され、
前記デバイスが、前記農用地面積の少なくとも1つの境界の周りを移動され、
前記デバイスが、地形の衛星画像を受信するように構成され、
前記デバイスが、カメラ(60)を含み、前記カメラが、前記農用地面積の少なくとも1つの部分の少なくとも1つの画像を取得するように構成され、前記農用地面積の前記少なくとも1つの地理的位置の決定が、前記少なくとも1つの画像の利用を含み、前記少なくとも1つの画像が、前記農用地面積の少なくとも境界の少なくとも1つの画像を含み、
前記処理ユニットが、前記衛星画像と、前記デバイスの前記カメラにより取得された前記少なくとも1つの画像とを使用することで、前記少なくとも1つの地理的位置を決定するように構成されている、
デバイス(10)。
【請求項2】
農業管理のための方法(100)であって、
a)デバイスの処理ユニットが、農用地面積の少なくとも1つの地理的位置を決定すること(110)であって、前記決定が、GPSユニットの少なくとも1つの動きによる前記GPSユニットの利用を含む、決定すること(110)と、
c)前記デバイスが、農業データを前記デバイスの入力ユニットから前記処理ユニットへ提供すること(120)と、
d)前記処理ユニットが、農業管理データを決定すること(130)であって、前記決定が、前記少なくとも1つの地理的位置および前記農業データの利用を含む、決定すること(130)と、
e)前記デバイスの出力ユニットが、前記農業管理データに基づいて前記デバイスのユーザに農業管理情報を出力すること(140)と、
f)前記デバイスが、前記農用地面積の少なくとも1つの境界の周りを移動することと、
g)前記デバイスが、地形の衛星画像を受信することと、
h)前記デバイスのカメラが、前記農用地面積の少なくとも1つの部分の少なくとも1つの画像を取得することと、
i)前記処理ユニットが、前記少なくとも1つの画像の利用により、前記農用地面積の前記少なくとも1つの地理的位置を決定することであって、前記少なくとも1つの画像が、前記農用地面積の少なくとも境界の少なくとも1つの画像を含む、決定することと、
j)前記処理ユニットが、前記衛星画像と、前記デバイスの前記カメラにより取得された前記少なくとも1つの画像とを使用することで、前記少なくとも1つの地理的位置を決定することと、
を含む方法(100)。
【請求項3】
請求項1に記載のデバイスを制御するためのコンピュータプログラムであって、
プロセッサによって実行されたときには、請求項2に記載の方法を実施し得るように構成されている、コンピュータプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のコンピュータプログラムを格納しているコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業管理のためのデバイスおよび農業管理のための方法、ならびにコンピュータプログラム要素およびコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の一般的背景は、農業管理である。統合された農業管理システム内において、洗練された機械を時には自動化された機械を操作する大規模農業企業に対しては、ますます洗練された農業管理システムが提供されている。しかしながら、世界が必要とする食料のかなりの割合は、非常に小さな耕地を1つだけしか有していないまたはいくつかの小さな耕地しか有していない、また、機械化された機械をまったく使用しないまたはほとんど使用しない、更には、上記のような洗練された農業管理システムが相応しくない、小規模農家によって生産されている。
【発明の概要】
【0003】
そのような小規模農家を支援し得るよう、農業管理ツールを提供することは有益であろう。本発明の目的は、独立請求項の主題によって達成され、更なる実施形態は、従属請求項内に組み込まれている。以下において説明する本発明の態様および例は、農業管理のためのデバイス、農業管理のための方法、および、コンピュータプログラム要素およびコンピュータ可読媒体、にも適用されるということに留意されたい。
【0004】
第1の態様によれば、農業管理のためのデバイスが提供され、このデバイスは、
- 入力ユニットと、
- 処理ユニットと、
- GPSユニットと、
- 出力ユニットと
を含む。
【0005】
入力ユニットは、処理ユニットに農業データを提供するように構成される。処理ユニットは、農用地面積の少なくとも1つの地理的位置を決定するように構成される。この決定は、GPSユニットの利用を含む。処理ユニットはまた、農業管理データを決定するように構成され、この決定は、少なくとも1つの地理的位置および農業データの利用を含む。出力ユニットは、農業管理データに基づいてデバイスのユーザに農業管理情報を出力するように構成される。
【0006】
このようにして、自分の農場が位置している位置をあるいは農場内において耕地が位置している位置を、必ずしも正確に知らない可能性のある農家に対して、自分の位置に合わせた農業アドバイスを提供することができる。言い換えれば、スマートフォンなどのデバイスは、デバイス自身のGPSユニットを使用することによって、スマートフォンの位置を決定することができる。その位置から、農業アドバイスおよび/または農業情報を、スマートフォンの画面を介して、農家に対して提供することができる。
【0007】
一例においては、、農用地面積の少なくとも1つの地理的位置の決定は、GPSユニットの少なくとも1つの動きを含む。このようにして、農家は、自分の耕地の位置を決定し得るよう、デバイスを移動させることができる。
【0008】
一例においては、少なくとも1つの動きは、デバイスが農用地面積の少なくとも1つの境界の周りを移動されることを含む。言い換えると、農家は、耕地の境界にデバイスを位置付けることにより耕地を線引きすることができる。一例においては、少なくとも1つの動きは、デバイスが農用地面積のすべての境界の周りを移動されることを含む。この様式では、農家は、自分の耕地の周りを歩く、または別の方式で移動することができる。したがって、農家にその農家の位置について説明する農業的助言/情報が提供されるだけでなく、助言/情報は、耕地のサイズについて説明することができる。
【0009】
一例においては、デバイスは、カメラを含む。カメラは、農用地面積の少なくとも1つの部分の少なくとも1つの画像を取得するように構成され、農用地面積の少なくとも1つの地理的位置の決定は、こののため、少なくとも1つの画像の利用を含むことができる。
【0010】
このように取得された画像は、GPS提供データを増加させるために使用され得る。このやり方では、地理的位置は、例えば、画像内のランドマークの処理により、より良好に決定され得る。一例においては、少なくとも1つの画像は、農用地面積の少なくとも境界の少なくとも1つの画像を含む。
【0011】
言い換えると、境界の画像は、耕地の境界を決定することを含め、耕地をより良好に位置特定するために使用され得る。これは、衛星画像の利用を伴い得る。一例においては、少なくとも1つの画像は、農用地面積のすべての境界の画像を含む。
【0012】
言い換えると、農家は、自分の耕地の周りを歩く、または別の方式で移動することができ、画像処理は、GPSデータを増加させて、耕地の位置だけでなくその境界もより良好に決定することができる。したがって、画像の空間的なサイズは、耕地境界における特徴部のサイズを決定するために使用され得、耕地境界における特徴部のサイズから境界の範囲が決定され得る。一例においては、デバイスは、移動を測定するように構成される慣性センサを有し、この情報は、耕地の外側境界を決定し、その境界を決定するためにGPSデータを増加させるために画像と一緒に使用される。
【0013】
GPS派生データを増加させるために画像を利用することは、10m幅または20m幅しかない場合があり、また絶対GPS誤差が、決定された耕地境界内に著しい誤差をもたらし得る、非常に小さい耕地には特に重要であり得る。
【0014】
一例においては、デバイスは、トランスミッタを含む。処理ユニットは、農用地面積の少なくとも1つの地理的位置を含む情報を送信するためにトランスミッタを利用するように構成される。デバイスはまた、レシーバを含む。農業データは、このため、レシーバによって受信された農用地面積に関する特定の農業データを含むことができる。
【0015】
この様式では、耕地およびその境界の絶対位置などの地理的情報は、例えば、リモートサーバに送信され得る。次いで、特定の農業的助言が、その位置について農家に送信され得る。一例においては、送信情報は、ユーザによって入力される情報を含む。言い換えると、ユーザに提供される特定の農業的助言は、耕地の正確な境界を含むことができるその地理的位置について、ユーザによって栽培されている作物、それがいつ蒔かれたか、農家によって使用される除草剤および殺虫剤などの農業処置、どのようにおよびいつ使用されるか、いつ耕地に水やりが行われたか、などの情報を考慮することができ、害虫および病気に関する情報もまた、農家によって取得され得、これらは、文字または画像形式であり得、この情報のすべてまたは一部は、農家が、自分が行っていることに関連する特注の農業的助言を受けるために送信される。
【0016】
一例においては、農業データは、ユーザによって入力される情報を含む。
【0017】
第2の態様によれば、農業管理のための方法が提供され、
a)デバイスの処理ユニットによって、農用地面積の少なくとも1つの地理的位置を決定することであって、この決定が、デバイスのGPSユニットの利用を含む、決定すること、
c)農業データをデバイスの入力ユニットから処理ユニットへ提供することと、
d)処理ユニットによって、農業管理データを決定することであって、この決定が、少なくとも1つの地理的位置および農業データの利用を含む、決定することと、
e)デバイスの出力ユニットによって、農業管理データに基づいてデバイスのユーザに農業管理情報を出力することと、
を含む。
【0018】
一例においては、ステップa)は、GPSユニットを移動させることを含む。
【0019】
一例においては、デバイスは、トランスミッタおよびレシーバを含み、本方法は、ステップb)として、農用地面積の少なくとも1つの地理的位置を含む情報をトランスミッタにより送信するために処理ユニットを利用することを含み、かつ、ステップc)において、処理ユニットに提供される前記農業データは、レシーバによって受信された農用地面積に関する特定の農業データを含む。
【0020】
他の態様によれば、第1の態様のデバイスによる装置を制御するためのコンピュータプログラム要素が提供され、このコンピュータプログラム要素は、プロセッサによって実行されたときには、第2の態様の方法を実施し得るように構成されている。
【0021】
他の態様によれば、プログラム要素を格納したコンピュータ可読媒体が提供される。有利には、上記の態様の任意のものによって提供される利点は、他のすべての態様に対して同等に適用され、逆も同様である。上記の態様および例は、以下に記載される実施形態を参照して明らかになり解明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
好ましい実施形態は、以下の図面を参照して以下において説明される。
【0023】
図1図1は、農業管理のためのデバイスの例の概略配置を示す図である。
図2図2は、農業管理のための方法を示す図である。
図3図3は、ユーザによって操作される農業管理のためのデバイスの例の概略配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、農業管理のためのデバイス10の例を示す。デバイス10は、入力ユニット20、処理ユニット30、GPSユニット40、および出力ユニット50を含む。入力ユニット20は、処理ユニット30に農業データを提供するように構成される。処理ユニット30は、農用地面積の少なくとも1つの地理的位置を決定するように構成される。この決定は、GPSユニット40の利用を含む。処理ユニット30はまた、農業管理データを決定するように構成される。農業管理データの決定は、少なくとも1つの地理的位置および農業データの利用を含む。出力ユニット50は、農業管理データに基づいてデバイスのユーザに農業管理情報を出力するように構成される。
【0025】
一例においては、デバイスは、地形の衛星画像を受信し得るように構成されている。このようにして、GPSによって決定された位置を、衛星画像に対して関連付けることもでき、これにより、衛星画像において観測された耕地境界から、農家の耕地の範囲および境界を決定することができる。一例においては、処理ユニットは、エッジ検出フィルタなどの画像処理を使用して、耕地境界を決定し得るように構成されている。
【0026】
農家へのアドバイスは、栽培対象をなす作物、作物の栽培方法、使用対象をなす除草剤または殺虫剤または肥料、除草剤または殺虫剤または肥料を使用する時期および理由、除草剤または殺虫剤または肥料を使用する必要がないかどうか、必要がない場合にはその理由、作物に水をやる時期、作物の種をまく時期、作物を収穫する時期、などの情報に関連することができる。農家に対して提供される情報は、どの病気が作物に対して影響を与えるのか、どの害虫が作物に対して影響を与えるか、除草剤または殺虫剤の適用などを通じて状況を改善する方法、および、いつどのようにして除草剤または殺虫剤を適用すべきか、に関連することができる。提供される情報は、作物に対して予測され得る価格はいくらか、それが地元の近隣においてどこで販売され得るか、およびその作物の価格がどのように変化しているかに関し得る。
【0027】
一例によれば、農用地面積の少なくとも1つの地理的位置の決定は、GPSユニットの少なくとも1つの動きを含む。一例によれば、少なくとも1つの動きは、デバイスが農用地面積の少なくとも1つの境界の周りを移動されることを含む。一例によれば、少なくとも1つの動きは、デバイスを農用地面積のすべての境界の周りを移動させることを含む。
【0028】
一例によれば、デバイスは、カメラ60を含む。カメラ60は、農用地面積の少なくとも1つの部分の少なくとも1つの画像を取得するように構成される。この例における農用地面積の少なくとも1つの地理的位置の決定は、このため、少なくとも1つの画像の利用を含み得る。
【0029】
一例においては、デバイスは、地形の衛星画像を受信し得るように構成され、処理ユニットは、衛星画像と、デバイスのカメラによって取得された少なくとも1つの画像と、を使用することによって、少なくとも1つの地理的位置を決定し得るように構成されている。言言い換えれば、取得した画像内の特徴点を、衛星画像と比較することができ、および/または、衛星画像上において関連付けることができ、これにより、GPS情報を補強して、少なくとも1つの地理的位置を決定することができる。
【0030】
このやり方では、GPS決定された位置はまた、農家の耕地の範囲および境界を衛星画像において観察される耕地境界から決定するために、衛星画像に相関され得る。一例においては、処理ユニットは、耕地境界を決定するために、エッジ検出フィルタなどの画像処理を使用するように構成される。一例においては、概略のGPS決定された位置から、衛星画像が、境界のあるいくつかの耕地を農家に提供するために問い合わされ得、境界のあるいくつかの耕地のうちの任意の1つまたは複数はその農家の耕地であり得る。これらは、例えば、色分けされ得る。耕地のこれらの画像は、次いで、例えばスマートフォンの画面上で、農家に提示される。農家は、衛星画像内にあるために位置特定されるこれらの耕地を見て、自分の耕地には角に大きな木がある、または自分の耕地は小川の隣である、または三角形の耕地であるなどの地理的な文脈情報から、これらの耕地のうちのどれが自分の耕地であるかを直ちに示すことができる。これは、自分の耕地の場所における画面をタッチすることによって行われ得る。可能性のある耕地は異なる色で農家に提示され得、構造に関して、および周囲の地理的情報の文脈において、異なる耕地を見ることをより簡単にする。
【0031】
一例によれば、少なくとも1つの画像は、農用地面積の少なくとも境界の少なくとも1つの画像を含む。一例によれば、少なくとも1つの画像は、農用地面積のすべての境界の画像を含む。一例によれば、デバイスは、トランスミッタ70を含む。処理ユニットは、このため、農用地面積の少なくとも1つの地理的位置を含む情報を送信するためにトランスミッタを利用するように構成される。デバイスは、この例では、レシーバ80も含む。処理ユニットに提供される農業データは、このため、レシーバによって受信された農用地面積に関する特定の農業データを含む。一例によれば、送信情報は、ユーザによって入力される情報を含む。一例によれば、農業データは、ユーザによって入力される情報を含む。一例においては、少なくとも1つの入力ユニットは、ユーザ入力インターフェース90を含む。
【0032】
図2は、農業管理のための方法100をその基本ステップ内で示す。方法100は、
ステップa)とも称される、決定するステップ110において、デバイス10の処理ユニット30によって、農用地面積の少なくとも1つの地理的位置を決定することであって、この決定が、デバイスのGPSユニット40の利用を含む、決定することと、
ステップc)とも称される、提供するステップ120において、農業データをデバイスの入力ユニット20から処理ユニットへ提供することと、
ステップd)とも称される、決定するステップ130において、処理ユニットによって、農業管理データを決定することであって、この決定が、少なくとも1つの地理的位置および農業データの利用を含む、決定することと、
ステップe)とも称される、出力するステップ140において、デバイスの出力ユニットによって、農業管理データに基づいてデバイスのユーザに農業管理情報を出力することと、
を含む。
【0033】
一例によれば、ステップa)は、GPSユニットを移動させることを含む。一例においては、GPSユニットを移動させることは、農用地面積の少なくとも1つの境界の周りでデバイスを移動させることを含む。一例においては、デバイスを移動させることは、農用地面積のすべての境界の周りでデバイスを移動させることを含む。
【0034】
一例においては、デバイスは、カメラを含み、カメラは、農用地面積の少なくとも1つの部分の少なくとも1つの画像を取得するように構成され、農用地面積の少なくとも1つの地理的位置の決定は、少なくとも1つの画像の利用を含む。一例においては、少なくとも1つの画像は、農用地面積の少なくとも境界の少なくとも1つの画像を含む。一例においては、少なくとも1つの画像は、農用地面積のすべての境界の画像を含む。
【0035】
一例によれば、デバイスは、トランスミッタおよびレシーバを含む。本方法は、このため、ステップb)農用地面積の少なくとも1つの地理的位置を含む情報をトランスミッタにより送信するために処理ユニットを利用すること150を含むことができる。この例では、ステップc)において、処理ユニットに提供される農業データは、このため、レシーバによって受信された農用地面積に関する特定の農業データを含む。
【0036】
一例においては、送信情報は、ユーザによって入力される情報を含む。一例においては、農業データは、ユーザによって入力される情報を含む。一例においては、入力ユニットは、ユーザ入力インターフェースを含む。
【0037】
一例においては、出力ユニットは、農業管理情報を表すように構成されるディスプレイを含む。
【0038】
図3は、ユーザがデバイスを使用する方法の一例を示している。ユーザは、スマートフォン上にアプリを有している。自分の耕地がどこにあるかを規定するように求められたとき、ユーザは、実際には、確信を持てない。このユーザは、田舎のコミュニティに住んでいて、耕地が非常に狭く、地元の市場で売るための様々な季節作物を栽培している。ユーザは、成功と失敗から得た知識と、隣人から得た知識と、を使用して、作物を栽培している。しかしながら、ユーザは、自分がよりうまくできると信じており、本明細書において説明しているデバイスを操作している。デバイスは、この例においては、アプリ(アプリケーション)を駆動するスマートフォンである。このユーザの問題に戻ると、ユーザの耕地がどこに位置しているかに関し、デバイスは、ユーザが自分の耕地の境界まわりを歩くように要求する。また、デバイスは、耕地境界まわりの経路上において、ユーザが境界の画像を撮影し得ることを求める。しかしながら、これは、必須ではない。これを行った後、ユーザは、終了したことを表明する。
【0039】
この時点で、携帯電話は、通常の通信送信を介して、リモートサーバにアクセスし、情報がスマートフォンに対してダウンロードされる。この情報は、その耕地で栽培するにどの作物が最適であるかを示している。耕地のサイズがわかっているので、農家に対しては、例えば、どれだけの種が必要かに関する情報が提供される。よって、リモートサーバは、ユーザの一般的な位置に基づいて、栽培可能な作物のタイプと、単位面積あたりの種まき割合と、に関する情報を提供することができる。その場合、スマートフォンのプロセッサは、耕地のサイズに関する知識に基づいて、耕地に必要な実際の種の量に関する情報を、農家に対して提供することができる。しかしながら、農家は、自分が栽培している具体的な作物を示すことができ、キーボードを介して情報を提供したり、あるいは、雑草、病気や害虫の画像や作物自体の画像などの他の情報に関する画像を撮影したり、することができる。この情報は、再びリモートサーバに対して送信され、農家に返される情報は、どの除草剤または農薬/殺虫剤(pesticide/insecticide)を使用するか、いつどのようにしてそれらを使用するか、また、それらの必要量などの情報を示す。この情報は、また、作物に水をやる時期と、作物を収穫する時期と、についても指定する。
【0040】
スマートフォンに十分なメモリがある場合には、リモートサーバを使用するのではなく、リモートサーバに保持されている情報のデータベースと、耕地を位置決めしたり、雑草/害虫等を決定したり、するために行われる処理とを、スマートフォン自体に常駐させる。この場合、情報をリモートサーバに対して送信する必要はないため、電話の通信範囲外の遠隔地であっても、農家に対して農業情報を提供することができる。
【0041】
他の好ましい実施形態においては、適切なシステム上において、上記の様々な実施形態のうちの1つの実施形態による方法における各工程を実行し得るように構成されていることを特徴とする、コンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム要素が提供される。
【0042】
したがって、コンピュータプログラム要素は、コンピュータユニットに格納されてもよく、これも、また、実施形態の一部であり得る。この演算ユニットは、上述した方法における工程の実行を遂行し得るようにあるいは誘導し得るように構成されてもよい。その上、上述した装置および/またはシステムの構成要素を駆動し得るように構成されてもよい。演算ユニットは、自動的に動作し得るように、および/または、ユーザの指令を実行し得るように、構成することができる。コンピュータプログラムは、データプロセッサのワーキングメモリ内にロードされ得る。よって、データプロセッサは、上記の様々な実施形態のうちの1つの実施形態による方法を実施し得るように装備されることができる。
【0043】
本発明のこの好ましい実施形態は、最初から本発明を使用するコンピュータプログラムと、更新によって既存のプログラムを本発明を使用するプログラムに変えるコンピュータプログラムと、の両方を対象とする。さらに、コンピュータプログラム要素は、上記の方法の好ましい実施形態の手順を実行するために必要なすべての工程を提供し得るものであってもよい。
【0044】
本発明の更なる好ましい実施形態によれば、CD-ROM、USBスティック、または同種のものといったコンピュータ可読媒体が提示され、コンピュータ可読媒体は、上記のセクションにおいて記載されたコンピュータプログラム要素を内部に格納している。
【0045】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒にあるいは他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体または固体媒体などの適切な媒体上に、格納および/または配布し得るけれども、インターネットを介してあるいは他の有線または無線の通信システム介してなどといったような、他の形式で配布することもできる。
【0046】
しかしながら、コンピュータプログラムは、また、ワールドワイドウェブのようなネットワークを介して提示することもでき、そのようなネットワークから、データプロセッサのワーキングメモリ内へと、ダウンロードすることができる。本発明の更なる好ましい実施形態によれば、コンピュータプログラム要素をダウンロード可能とするための媒体が提供され、コンピュータプログラム要素は、本発明の上述した様々な実施形態のうちの1つの実施形態による方法を実施し得るように構成されている。本発明の実施形態が、異なる主題を参照して説明されていることに留意されたい。特に、いくつかの実施形態は、方法タイプのクレームを参照して説明され、他の実施形態は、デバイスタイプのクレームを参照して説明されている。しかしながら、当業者は、上記の説明および以下の説明から、特に断りのない限り、1つのタイプの主題に属する複数の特徴点どうしの任意の組合せに加えて、異なる主題に関連する複数の特徴点どうしの間の任意の組合せも、本出願に関して開示されているものと見なされることを、推測するであろう。しかしながら、すべての特徴点を組み合わせることができ、これにより、特徴点どうしの単なる加算を超えた相乗効果を提供することができる。
【0047】
本発明につき、図面においておよび上記の説明において、詳細に図示して説明したけれども、そのような図示および説明は、図示的なものあるいは例示的なものと見なされ、限定的なものではない。本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示、および従属請求項の研究に基づいて、請求された発明を実施するに際して、当業者によって理解されて達成されることができる。
【0048】
請求項においては、「含む」(comprising)という用語は、他の要素または他のステップを除外するものではなく、不定冠詞“a”または“an”は、複数を除外するものではない。単一のプロセッサまたは他のユニットは、請求項に記載されている複数の項目の機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用できないことを示すものではない。請求項中における任意の参照符号は、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3