(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20231228BHJP
【FI】
G16H20/00
(21)【出願番号】P 2021165448
(22)【出願日】2021-10-07
【審査請求日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】P 2021042083
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591184046
【氏名又は名称】株式会社アドイン研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】518053655
【氏名又は名称】株式会社ワングリット
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 伸治
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 浩二
(72)【発明者】
【氏名】金森 紀博
(72)【発明者】
【氏名】犬塚 岳史
(72)【発明者】
【氏名】馬奈木 俊介
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/189019(WO,A1)
【文献】特開2016-148997(JP,A)
【文献】特開2019-139773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが操作する情報処理端末と、前記ユーザとは異なる管理者が操作する管理装置と、前記ユーザおよび前記管理者とは異なる外部機関が管理する外部装置と、を備え、前記情報処理端末、前記管理装置および前記外部装置は、互いにネットワークを介してデータの送受信が可能な情報処理システムであって、
前記管理装置は、
前記ユーザに係る第一データの公表、開示、訂正又は利用する使用の要求を受け付ける受付部と、
前記第一データから前記ユーザを特定する情報である個人特定情報を削除して加工データを生成する加工部と、
前記加工データを前記外部装置に出力する、または、当該外部装置からの当該加工データへのアクセスを可能にする管理部と、
前記出力またはアクセスを可能にした後、前記加工データを監視する監視部と、を備え、
前記外部装置は、
前記加工データと、参加組織から提供される外部データを含む参照データと、に基づき、前記加工データに基づいて健康上の目標および嗜好を特定し、
前記目標と前記参照データの関連度を分析し、
前記関連度が高い参照データほど、大きな重みを付し、かつ、前記嗜好に応じて重み付けを行い、
前記加工データから前記ユーザのデータを抽出して前記個人特定情報を除いた状態で健康状態を分析して不足している栄養を特定した場合、特定された前記栄養に対して、前記外部データの栄養素を補うように生成する食生活リコメンド
または
前記加工データから前記ユーザのデータを抽出して前記個人特定情報を除いた状態で健康状態を分析して不足している運動を特定した場合、特定された前記運動に対して、前記運動の不足を補うように生成する運動リコメンドを含むリコメンドを前記重み付けによる重みが大きい順序で表示されるように生成し、
前記リコメンドを前記情報処理端末に送信するリコメンド生成装置を含み、
前記第一データは、前記ユーザの生体情報、医療機関受診データおよび健康診断結果データの少なくとも一つを含み、
前記参照データは、ネットワークに流通する医療および健康に係る最新のデータ、
前記栄養素を含む食事メニュー、若しくは、運動メニューを含む営業データ、又は、広告宣伝データを含み、
前記管理装置は、
前記情報処理端末が送信する前記第一データを取得する
情報処理システム。
【請求項2】
ユーザが操作する情報処理端末と、前記ユーザとは異なる管理者が操作する管理装置と、前記ユーザおよび前記管理者とは異なる外部機関が管理する外部装置と、を備え、前記情報処理端末、前記管理装置および前記外部装置は、互いにネットワークを介してデータの送受信が可能な情報処理システムであって、
前記管理装置は、
前記ユーザに係る第一データの公表、開示、訂正又は利用する使用の要求を受け付ける受付部と、
前記第一データから前記ユーザを特定する情報である個人特定情報を削除して加工データを生成する加工部と、
前記加工データを前記外部装置に出力する、または、当該外部装置からの当該加工データへのアクセスを可能にする管理部と、
前記出力またはアクセスを可能にした後、前記加工データを監視する監視部と、を備え、
前記外部装置は、前記加工データと、参加組織から提供される外部データを含む参照データと、に基づき、前記加工データに基づいて健康上の目標および嗜好を特定し、
前記参照データの更新日時および作成日時を分析し、
前記更新日時および前記作成日時のいずれかが新しい前記参照データほど、大きな重みを付すよう重み付けを行い、かつ、前記嗜好に応じて前記重み付けを行い、
前記加工データから前記ユーザのデータを抽出して前記個人特定情報を除いた状態で健康状態を分析して不足している栄養を特定した場合、特定された前記栄養に対して、前記外部データの栄養素を補うように生成する食生活リコメンド
または
前記加工データから前記ユーザのデータを抽出して前記個人特定情報を除いた状態で健康状態を分析して不足している運動を特定した場合、特定された前記運動に対して、前記運動の不足を補うように生成する運動リコメンドを含むリコメンドを前記重み付けによる重みが大きい順序で表示されるように生成し、
前記リコメンドを前記情報処理端末に送信するリコメンド生成装置を含み、
前記第一データは、前記ユーザの生体情報、医療機関受診データおよび健康診断結果データの少なくとも一つを含み、
前記参照データは、ネットワークに流通する医療および健康に係る最新のデータ、前記栄養素を含む食事メニュー、若しくは、運動メニューを含む営業データ、又は、広告宣伝データを含み、
前記管理装置は、
前記情報処理端末が送信する前記第一データを取得する
情報処理システム。
【請求項3】
ユーザが操作する情報処理端末と、前記ユーザとは異なる管理者が操作する管理装置と、前記ユーザおよび前記管理者とは異なる外部機関が管理する外部装置と、を備え、前記情報処理端末、前記管理装置および前記外部装置は、互いにネットワークを介してデータの送受信が可能な情報処理システムであって、
前記管理装置は、
前記ユーザに係る第一データの公表、開示、訂正又は利用する使用の要求を受け付ける受付部と、
前記第一データから前記ユーザを特定する情報である個人特定情報を削除して加工データを生成する加工部と、
前記加工データを前記外部装置に出力する、または、当該外部装置からの当該加工データへのアクセスを可能にする管理部と、
前記出力またはアクセスを可能にした後、前記加工データを監視する監視部と、を備え、
前記外部装置は、前記加工データと、参加組織から提供される外部データを含む参照データと、に基づき、前記加工データに基づいて健康上の目標および嗜好を特定し、
前記参照データの発行元に応じた信頼度を予め保持し、
前記信頼度が高い参照データほど、大きな重みを付すよう重み付けを行い、かつ、前記嗜好に応じて前記重み付けを行い、
前記加工データから前記ユーザのデータを抽出して前記個人特定情報を除いた状態で健康状態を分析して不足している栄養を特定した場合、特定された前記栄養に対して、前記外部データの栄養素を補うように生成する食生活リコメンド
または
前記加工データから前記ユーザのデータを抽出して前記個人特定情報を除いた状態で健康状態を分析して不足している運動を特定した場合、特定された前記運動に対して、前記運動の不足を補うように生成する運動リコメンドを含むリコメンドを前記重み付けによる重みが大きい順序で表示されるように生成し、
前記リコメンドを前記情報処理端末に送信するリコメンド生成装置を含み、
前記第一データは、前記ユーザの生体情報、医療機関受診データおよび健康診断結果データの少なくとも一つを含み、
前記参照データは、ネットワークに流通する医療および健康に係る最新のデータ、前記栄養素を含む食事メニュー、若しくは、運動メニューを含む営業データ、又は、広告宣伝データを含み、
前記管理装置は、
前記情報処理端末が送信する前記第一データを取得する
情報処理システム。
【請求項4】
ユーザが操作する情報処理端末と、前記ユーザとは異なる管理者が操作する管理装置と、前記ユーザおよび前記管理者とは異なる外部機関が管理する外部装置と、を備え、前記情報処理端末、前記管理装置および前記外部装置は、互いにネットワークを介してデータの送受信が可能な情報処理システムであって、
前記管理装置は、
前記ユーザに係る第一データの公表、開示、訂正又は利用する使用の要求を受け付ける受付部と、
前記第一データから前記ユーザを特定する情報である個人特定情報を削除して加工データを生成する加工部と、
前記加工データを前記外部装置に出力する、または、当該外部装置からの当該加工データへのアクセスを可能にする管理部と、
前記出力またはアクセスを可能にした後、前記加工データを監視する監視部と、を備え、
前記外部装置は、前記加工データと、参加組織から提供される外部データを含む参照データと、に基づき、前記加工データに基づいて健康上の目標および嗜好を特定し、
前記目標と前記参照データの関連度を分析し、
前記ユーザが操作する前記情報処理端末から、重視する項目の指定を受け付け、
指定された当該項目に前記関連度が高い参照データほど、大きな重みを付すよう重み付けを行い、かつ、前記嗜好に応じて前記重み付けを行い、
前記加工データから前記ユーザのデータを抽出して前記個人特定情報を除いた状態で健康状態を分析して不足している栄養を特定した場合、特定された前記栄養に対して、前記外部データの栄養素を補うように生成する食生活リコメンド
または
前記加工データから前記ユーザのデータを抽出して前記個人特定情報を除いた状態で健康状態を分析して不足している運動を特定した場合、特定された前記運動に対して、前記運動の不足を補うように生成する運動リコメンドを含むリコメンドを前記重み付けによる重みが大きい順序で表示されるように生成し、
前記リコメンドを前記情報処理端末に送信するリコメンド生成装置を含み、
前記第一データは、前記ユーザの生体情報、医療機関受診データおよび健康診断結果データの少なくとも一つを含み、
前記参照データは、ネットワークに流通する医療および健康に係る最新のデータ、前記栄養素を含む食事メニュー、若しくは、運動メニューを含む営業データ、又は、広告宣伝データを含み、
前記管理装置は、
前記情報処理端末が送信する前記第一データを取得する
情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記加工データは、前記ユーザの嗜好、病歴、持病、体質、属性、身体的特徴、運動履歴の少なくとも1つの特性情報を含み、
前記リコメンド生成装置は、前記目標を特定する際、前記加工データに含まれる前記特性情報に、予め定めた規則に従って、それぞれ重み付けを行う、情報処理システム。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか1項記載の情報処理システムであって、
前記リコメンド生成装置は、時間帯に応じて生成する前記リコメンドを変更し、
前記時間帯は、前記リコメンドを生成する時間、前記ユーザが操作する情報処理端末に前記リコメンドを送信する時間、および前記ユーザから指定された時間のいずれかである、情報処理システム。
【請求項7】
請求項1から
6のいずれか1項記載の情報処理システムであって、
前記リコメンド生成装置は、個々の前記加工データの元となる前記第一データの取得タイミングによる変化に応じて、前記リコメンドを使用するタイミングの当該ユーザの前記加工データを将来データとして予測し、前記将来データに応じた前記リコメンドを生成する、情報処理システム。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか1項記載の情報処理システムであって、
前記管理装置は、通知部をさらに備え、
前記参照データは、前記管理装置が管理する、前記ユーザとは異なる第二ユーザであって、前記ユーザと同じ属性の第二ユーザの前記加工データを含み、
前記通知部は、前記第二ユーザの前記加工データが前記ユーザのリコメンド生成に用いられた場合、当該第二ユーザに通知する、情報処理システム。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれか1項記載の情報処理システムであって、
前記リコメンド生成装置は、前記ユーザが操作する前記情報処理端末から現在位置の情報を受け取り、当該現在位置の情報を用いて、前記リコメンドを生成する、情報処理システム。
【請求項10】
請求項
9に記載の情報処理システムであって、
前記リコメンド生成装置は、前記参照データのうち、位置情報が含まれる参照データについて、前記現在位置から近い位置情報が含まれる参照データほど、大きな重みを付すよう前記重み付けを行う、情報処理システム。
【請求項11】
請求項
1に記載の情報処理システムであって、
前記リコメンド生成装置は、前記リコメンドとともに、特定した前記目標から生成した推奨理由を前記情報処理端末に送信する、情報処理システム。
【請求項12】
請求項1から
11のいずれか1項記載の情報処理システムであって、
前記リコメンド生成装置は、生成した前記リコメンドを、予め定めた外部装置に送信する、情報処理システム。
【請求項13】
ユーザが操作する情報処理端末と、前記ユーザとは異なる管理者が操作する管理装置と、前記ユーザおよび前記管理者とは異なる外部機関が管理する外部装置と、を備え、前記情報処理端末、前記管理装置および前記外部装置は、互いにネットワークを介してデータの送受信が可能な情報処理システムにおける情報処理方法であって、
前記管理装置が、前記ユーザに係る第一データの公表、開示、訂正又は利用する使用の要求を受け付ける受付ステップと、
前記管理装置が、前記第一データから前記ユーザを特定する情報である個人特定情報を削除して加工データを生成する加工ステップと、
前記管理装置が、前記加工データを前記外部装置に出力する、または、当該外部装置からの当該加工データへのアクセスを可能にする、管理ステップと、
前記管理装置が、前記出力またはアクセスを可能にした後、前記加工データを監視する監視ステップと、
前記外部装置が、
前記加工データと、参加組織から提供される外部データを含む参照データと、に基づき、前記加工データに基づいて健康上の目標および嗜好を特定し、
前記目標と前記参照データの関連度を分析し、
前記関連度が高い参照データほど、大きな重みを付し、かつ、前記嗜好に応じて重み付けを行い、
前記加工データから前記ユーザのデータを抽出して前記個人特定情報を除いた状態で健康状態を分析して不足している栄養を特定した場合、特定された前記栄養に対して、前記外部データの栄養素を補うように生成する食生活リコメンド
または
前記加工データから前記ユーザのデータを抽出して前記個人特定情報を除いた状態で健康状態を分析して不足している運動を特定した場合、特定された前記運動に対して、前記運動の不足を補うように生成する運動リコメンドを含むリコメンドを前記重み付けによる重みが大きい順序で表示されるように生成し、前記リコメンドを前記情報処理端末に送信するリコメンド生成ステップと、を備え、
前記第一データは、前記ユーザの生体情報、医療機関受診データおよび健康診断結果データの少なくとも一つをさらに含み
、
前記参照データは、ネットワークに流通する医療および健康に係る最新のデータ、
前記栄養素を含む食事メニュー、若しくは、運動メニューを含む営業データ、又は、広告宣伝データを含み、
前記管理装置は、
前記情報処理端末が送信する前記第一データを取得する
情報処理方法。
【請求項14】
ユーザが操作する情報処理端末と、前記ユーザとは異なる管理者が操作する管理装置と、前記ユーザおよび前記管理者とは異なる外部機関が管理する外部装置と、を備え、前記情報処理端末、前記管理装置および前記外部装置は、互いにネットワークを介してデータの送受信が可能な情報処理システムであって、
前記管理装置が、
前記ユーザに係る第一データの公表、開示、訂正又は利用する使用の要求を受け付ける受付部と、
前記第一データから前記ユーザを特定する情報である個人特定情報を削除して加工データを生成する加工部と、
前記加工データを前記外部装置に出力する、または、当該外部装置からの当該加工データへのアクセスを可能にする管理部と、
前記出力またはアクセスを可能にした後、前記加工データを監視する監視部と、を備える情報処理システムにおいて、前記外部装置が備えるコンピュータを、
前記加工データに基づいて前記ユーザに関連するリコメンドを生成し、当該ユーザに提供するリコメンド生成手段として機能させるためのプログラムであって、
前記第一データは、前記ユーザの生体情報、医療機関受診データおよび健康診断結果データの少なくとも一つをさらに含み、
前記リコメンド生成手段は、
前記加工データと、参加組織から提供される外部データを含む参照データと、に基づき、前記加工データに基づいて健康上の目標および嗜好を特定し、
前記目標と前記参照データの関連度を分析し、
前記関連度が高い参照データほど、大きな重みを付し、かつ、前記嗜好に応じて重み付けを行い、
前記加工データから前記ユーザのデータを抽出して前記個人特定情報を除いた状態で健康状態を分析して不足している栄養を特定した場合、特定された前記栄養に対して、前記外部データの栄養素を補うように生成する食生活リコメンド
または
前記加工データから前記ユーザのデータを抽出して前記個人特定情報を除いた状態で健康状態を分析して不足している運動を特定した場合、特定された前記運動に対して、前記運動の不足を補うように生成する運動リコメンドを含む前記リコメンドを前記重み付けによる重みが大きい順序で表示されるように生成し、前記リコメンドを前記情報処理端末に送信し、
前記参照データは、ネットワークに流通する医療および健康に係る最新のデータ、
前記栄養素を含む食事メニュー、若しくは、運動メニューを含む営業データ、又は、広告宣伝データを含み、
前記管理装置は、
前記情報処理端末が送信する前記第一データを取得する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
個人情報等が不正な目的を持つ者等に漏洩するのを防ぐ技術がある。例えば、管理者が間に入り、個人情報のアクセス許可を管理および監視することで、個人情報の預け先の自由度を増大させる技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術によれば、個人情報を預ける先が信用できる組織であるか否かを気にすることなく、各個人(ユーザ)は、安心して個人情報を含むデータを預けることができる。そして、その情報処理システムへの各参加企業(参加組織)は、そのデータを活用し、顧客ひとりひとりに合わせたマーケティングであるOneToOneマーケティングを行うことができる。しかしながら、一旦、参加組織にデータの使用が許可された後は、監視を行うことしかできない。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ユーザの個人情報を含むデータについて、不正な目的を持つ者等に個人情報等が漏洩することを防ぎながら、参加組織がより活用可能な情報処理技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ユーザが操作する情報処理端末と、前記ユーザとは異なる管理者が操作する管理装置と、前記ユーザおよび前記管理者とは異なる外部機関が管理する外部装置と、を備え、前記情報処理端末、前記管理装置および前記外部装置は、互いにネットワークを介してデータの送受信が可能な情報処理システムであって、前記管理装置は、前記ユーザに係る第一データの公表、開示、訂正又は利用する使用の要求を受け付ける受付部と、前記第一データから前記ユーザを特定する情報である個人特定情報を削除して加工データを生成する加工部と、前記加工データを前記外部装置に出力する、または、当該外部装置からの当該加工データへのアクセスを可能にする管理部と、前記出力またはアクセスを可能にした後、前記加工データを監視する監視部と、を備え、前記外部装置は、前記加工データに基づいて前記ユーザに関連するリコメンドを生成し、当該ユーザに提供するリコメンド生成装置を含み、前記第一データは、前記ユーザの生体情報、医療機関受診データおよび健康診断結果データの少なくとも一つを含み、前記リコメンド生成装置は、前記加工データと、参照データと、に基づき、当該ユーザのヘルスケアに関する前記リコメンドを生成し、当該ユーザが操作する前記情報処理端末に送信し、前記参照データは、ネットワークに流通する医療および健康に係る最新のデータと、前記リコメンド生成装置以外の外部装置から提供されるデータと、を含み、前記リコメンド生成装置は、前記リコメンドを生成する際、前記加工データに基づいて複数の前記参照データに重み付けを行う、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
ユーザの個人情報を含むデータについて、不正な目的を持つ者等に個人情報等が漏洩することを防ぎながら、参加組織がより活用可能な情報処理技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第一実施形態の情報処理システムの全体構成例を示す概略図である。
【
図2】(a)~(c)は、それぞれ、第一実施形態の管理装置、外部装置および情報処理端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図3】(a)および(b)は、それぞれ、第一実施形態の管理装置および情報処理端末の機能構成例を示す機能ブロック図である。
【
図4】第一実施形態の情報処理システムによる全体処理例を示すシーケンス図である。
【
図5】(a)は、第一実施形態のユーザデータ例を、(b)および(c)は、第一実施形態の加工データ例を、それぞれ説明するための説明図である。
【
図6】第一実施形態のリコメンドエンジンの機能構成例を示す機能ブロック図である。
【
図7】第一実施形態のリコメンド生成処理の概要を説明するための説明図である。
【
図8】(a)および(b)は、第一実施形態のリコメンド例を説明するための説明図である。
【
図9】第二実施形態の情報処理端末の機能構成例を示す機能ブロック図である。
【
図10】(a)および(b)は、第二実施形態の要求指示画面例を説明するための説明図である。
【
図11】第二実施形態の情報処理システムによる全体処理例を示すシーケンス図である。
【
図12】第三実施形態の情報処理システムの全体構成例を示す概略図である。
【
図13】第三実施形態の管理装置の機能構成例を示す機能ブロック図である。
【
図14】第三実施形態の情報処理システムによる全体処理例を示すシーケンス図である。
【
図15】第四実施形態のリコメンド生成処理の概要を説明するための説明図である。
【
図16】第四実施形態のリコメンド生成処理のフローチャートである。
【
図17】第四実施形態の重み付けの具体例を説明するための説明図である。
【
図18】第四実施形態の変形例のリコメンド生成処理の概要を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<<第一実施形態>>
本発明の第一実施形態を説明する。本実施形態では、個人情報を含むユーザの情報を、管理者が管理する装置で一元管理する。そして、参加組織が操作する外部装置から使用要求があった場合、ユーザが開示したくない情報を加工して秘匿してから外部装置に提供する。
【0010】
[全体構成例]
まず、本実施形態の概要、全体構成を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム100の全体構成例を示す概略図である。例えば、情報処理システム100は、図示するように、情報処理端末110と、管理装置210と、外部装置510と、を備える。各装置は、ネットワーク等を介して接続され、ネットワーク等を用いることで相互にデータを送受信することができる。
【0011】
情報処理端末110は、ユーザ101が操作する情報処理装置である。また、管理装置210は、管理者201が操作する情報処理装置である。また、外部装置510は、本実施形態の情報処理システム100に参加する企業、役所、組織(以下、参加組織と総称する。)が保有する情報処理装置である。本実施形態において、リコメンドを生成するリコメンドエンジン501(リコメンド生成装置)は、外部装置510の1つである。
【0012】
ユーザ101は、いわゆる一般人である。また、管理者201は、情報の管理に長けた人物又は団体であるのが望ましい。例えば、管理者201は、弁護士又は弁護士事務所の所員等である。なお、管理者201は、弁護士に限られず、個人情報の保護に関する法律(平成15年5月30日法律第57号)等の情報に関する法律に長けた者等でもよい。
【0013】
ユーザ101は、情報処理端末110から、自身の情報を本人データ311として管理装置210に送信する。送信する本人データ311は、例えば、個人情報等の、ユーザ101が情報処理端末110を介して入力して登録する手動記録情報と、情報処理端末110のセンサ等で収集する自動記録情報と、を含む。
【0014】
手動記録情報は、例えば、個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成15年5月30日法律第57号)第2条1項に規定の「個人情報」である。)を含む。個人情報は、具体的には、住所等の連絡先、銀行口座の口座番号、生命保険・損害保険に係る内容、クレジットカードの番号、各種ポイントカードにおけるポイント(「マイル」等と呼ばれる場合も含む。)、会計情報、家計簿の情報、所有する車両に係る情報、ID(Identification)、パスワード、個人番号(いわゆる「マイナンバー」、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年5月31日法律第27号)第2条5項に規定の「個人番号」である。)等又はこれらの組み合わせ等の情報を含んでもよい。
【0015】
また、手動記録情報には、さらに、身長、体重、性別等の身体データや属性データ等が含まれてもよい。ユーザ101が食べた食事の記録が食事データ(摂取食事データ)として含まれてもよい。また、ブログやメモ等の、いわゆる、ライフログデータや、画像、音声等が含まれていてもよい。写真等を示す画像データ等でもよい。この場合には、本人データ311には、画像データに含まれるExif(登録商標)(Exchangeable image file format)情報及び画像データに含まれる位置データ等のデータがさらにあってもよい。
【0016】
自動記録情報は、情報処理端末110が備えるセンサ等のデバイスにより、自動的に記録される情報である。例えば、呼吸、心拍、体温、歩数又はこれらの組み合わせ等の生体情報(生体データ)等である。
【0017】
各参加組織は、外部装置510で収集した、ユーザ101に関する情報を、外部データ312として、外部装置510から管理装置210に送信する。ユーザ101に係るデータであれば、特に限定されないが、本実施形態では、一例として、ユーザ101の健康に関わる利用履歴データとする。
【0018】
例えば、参加組織がレストランであれば、外部データ312は、ユーザ101が食事したメニューデータ、当該メニューに使われている食材、各食材の量、栄養素等を含む食事データである。
【0019】
また、参加組織がコンビニエンスストア(以下、コンビニと呼ぶ。)であれば、外部データ312は、ユーザ101が購入した弁当、食材等のデータ、これらの食材等の分量、栄養素等を含む買い物データである。
【0020】
また、参加組織がフィットネスジムであれば、外部データ312は、ユーザ101が行った運動に関するデータ、当該運動の消費カロリー等を含む運動データである。
【0021】
また、参加組織が医療機関であれば、外部データ312は、医療情報、検診情報等、個人の医療データであるパーソナルヘルスレコード(PHR:Personal Health Record)を含む。具体的には、その医療機関における受診データ(医療機関受診データ)や、健康診断の結果である検診データ(健康診断結果データ)である。さらに、処方された調剤データであってもよい。
【0022】
なお、第一データ310内で、特定のユーザ101に関する本人データ311および外部データ312は、各ユーザ固有の識別情報(ユーザID)に対応づけて管理される。すなわち、情報処理端末110から送信される本人データ311および外部装置510から送信される外部データ312は、ユーザIDとともに送信される。
【0023】
例えば、ユーザIDがユーザ101の情報処理端末110に予め登録され、情報処理端末110から送信される本人データ311全てに付与される。
【0024】
また、参加組織では、例えば、ユーザ101が当該組織を利用する際、ユーザIDが登録され、外部装置510は、ユーザ101の利用履歴データに当該ユーザIDを対応づけて、外部データ312として送信する。ユーザIDは、例えば、バーコード等の形式で、ユーザ101の情報処理端末110に登録され、外部組織のサービスを利用する際、外部装置510で読み取る等の手段で登録される。
【0025】
なお、参加組織ごとに、一人のユーザ101に対し、異なるユーザIDが用いられてもよい。この場合は、予め管理装置210において、情報処理端末110に登録されるIDと、参加組織ごとの異なるユーザIDとを対応づけておく。
【0026】
管理装置210は、このようにして情報処理端末110から送信される本人データ311および外部装置510から送信される外部データ312を、ユーザ101毎に、ユーザデータ313として管理する。このユーザデータ313の集合体が第一データ310である。
【0027】
そして、本実施形態では、管理装置210は、外部装置510からの要求に応じて、管理する第一データ310を加工して、必要最小限の情報を提供する。例えば、管理装置210は、外部装置510に提供するデータを、ユーザ101を個人的に特定できないように加工し、提供する。
【0028】
なお、各参加組織は、ユーザ101に関連しない自組織の情報を管理装置210に送信し、登録してもよい。ユーザ101に関連しない自組織の情報は、営業時間、メニュー、診療科等の営業データや、広告、宣伝、キャンペーン情報等の広告宣伝データ等である。
【0029】
[管理装置]
以下、これを実現する管理装置210について説明する。まず、管理装置210のハードウェア構成を説明する。管理装置210のハードウェア構成を
図2(a)に示す。本図に示すように、管理装置210は、CPU(Central Processing Unit)211と、記憶装置212と、通信装置213と、データインタフェース(I/F)214と、入力装置215と、出力装置216と、を備える。
【0030】
CPU211は、演算装置及び制御装置の例であり、管理装置210全体の動作を制御する。
【0031】
記憶装置212は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)と、フラッシュメモリ、ストレージ等を備える。
【0032】
ROMには、オペレーティングシステムなどの基本動作プログラムやその他の動作プログラム(アプリケーション)が格納される。また、RAMは、基本動作プログラムやその他の動作プログラム実行時のワークエリアである。フラッシュメモリやストレージには、管理装置210の基本動作プログラムの設定値、本実施形態の各機能を実現するために必要な各種のプログラムや各種のデータが記憶される。
【0033】
なお、CPU211と記憶装置212とは一体構成であっても良い。また、記憶装置212に記憶された各動作プログラムは、ネットワーク上の各配信サーバからのダウンロード処理により更新および機能拡張することができる。
【0034】
通信装置213は、有線又は無線で外部の装置と通信を行う装置である。例えば、通信装置213は、ネットワークカード等である。
【0035】
データI/F214は、外部の装置とデータを送受信する装置である。例えば、データI/F214は、コネクタ等である。
【0036】
入力装置215は、操作入力を受け付ける装置である。例えば、入力装置215は、キーボード、マウス又はこれらの組み合わせ等である。
【0037】
出力装置216は、処理結果等を出力する装置である。例えば、出力装置216は、ディスプレイ、スピーカ、ランプ等である。
【0038】
次に、管理装置210の機能構成を説明する。ここでは、本実施形態に関連する機能についてのみ説明する。本実施形態の管理装置210は、
図3(a)に示すように、受付部221と、許可部222と、管理部223と、加工部224と、監視部225と、通知部226と、を備える。
【0039】
受付部221は、情報処理端末110または外部装置510から、第一データ310の公表、開示、訂正又は利用する前記データの使用の要求(使用要求REQ)を受け付ける。受付部221は、通信装置213又は入力装置215等によって実現される。
【0040】
許可部222は、受付部221が受け付けた使用要求REQが予め設定された許可条件を満たすと、その使用要求REQを許可する。例えば、許可部222は、通信装置213又は出力装置216等によって実現される。許可部222は、要求元の外部装置510が、第一データ310の使用を許可されているか否かを判別し、許可または不許可を決定する。
【0041】
許可条件は、アクセスを許可するか否かを設定する条件である。第一データ310として管理されるデータごとに、許可する相手を指定する。指定は、個々の外部装置510を用いる外部機関ごとであってもよい。また、業種等により指定してもよい。データについても、データの種類ごとに設定されてもよい。
【0042】
例えば、ヘルスケアに関連するデータについて、「役所」には、使用を「可」とし、かつ、「民間企業」には、使用を「不可」とあらかじめ設定される等である。このような条件の場合には、「役所」という業種に分類される機関が管理している外部装置510から、ヘルスケアに関するデータについて使用要求があった場合には、管理装置210は、条件を満たすと判断し、使用を許可する。一方、「民間企業」に分類される機関が管理している外部装置510から使用要求があった場合には、管理装置210は、条件を満たさないと判断し、使用を許可しない。
【0043】
なお、許可条件は、さらに、許可期間を指定してもよい。許可期間は、例えば、外部装置510を管理する外部機関が管理者201に対し使用許可を申請してから1年間、または、特定の日時まで、等である。
【0044】
なお、条件は、上記の項目以外でもよい。例えば、条件は、使用される目的によって許可するか否かを指定してもよい。目的は、例えば、宣伝又は市場調査等である。このような場合には、宣伝が目的な要求は、許可しない等のように、条件は設定されてもよい。このように、条件は、どういった項目にするかは選択できるとする。
【0045】
管理部223は、第一データ310を含む、記憶装置212に記憶される情報を管理する。本実施形態では、情報処理端末110から本人データ311が送信されると、第一データ310内のユーザデータ313として管理する。また、外部装置510から外部データ312が送信されると、本人データ311と対応づけて、ユーザデータ313(第一データ310)として管理する。また、許可部222が許可した使用要求REQに対し、加工部224に第一データ310の加工を指示する。そして、加工部224が第一データ310を加工することにより生成した加工データ315も、併せて管理する。管理には、加工データ315の外部への出力処理、または、外部からの加工データ315へのアクセスを可能にする処理も含まれる。例えば、管理部223は、CPU211等によって実現される。
【0046】
加工部224は、管理部223の指示により、予め定めた加工条件に従って、第一データ310を加工し、加工データ315を生成する。本実施形態では、第一データ310を、少なくとも、個人を特定可能な情報(個人特定情報)を有する項目を除いた構成に加工する。加工条件は、ユーザ毎、または、要求元の外部装置510を管理している外部機関ごとに、予め定められる。
【0047】
例えば、第一データ310は、「氏名」の情報と、「年齢」の情報と、「性別」の情報とで構成され、管理装置210には、要求元の業種について、「年齢」および「性別」の使用は、「可」、かつ、「氏名」の使用は、「不可」、とあらかじめ設定されるとする。加工部224は、氏名の第一データ310に管理されている「氏名」を削除し、「年齢」と「性別」とのみの加工データ315を生成する。
【0048】
なお、加工条件は、項目ごとに、開示可能なレベルを設定してもよい。加工部224は、加工条件に従って、当該項目のデータの値を算出する。例えば、「年齢」であれば、10の位まで、「住所」であれば、市町村まで、等と開示可能なレベルが設定されている場合、加工部224は、例えば、年齢に53才と登録されているデータに対し、切り捨て処理を行い、50代とした加工データを得る。
【0049】
なお、上述のように、生成された加工データ315は、外部装置510によって使用可能な状態となればよい。例えば、外部装置510は、加工データ315を閲覧できればよい場合等には、加工データ315は、外部装置510に、実際に送信されなくともよい。例えば、管理装置210は、外部装置510から加工データ315へのアクセスを可能にする等でもよい。そして、アクセス後、外部装置510は、管理装置210上にある加工データ315を使用する。
【0050】
監視部225は、許可部222が許可後の、外部装置510による第一データ310の使用を監視する。なお、監視は、定期的に行われるのが望ましい。例えば、リコメンドエンジン501以外の装置で使用されていないか、監視する。例えば、監視部225は、通信装置213等によって実現される。
【0051】
通知部226は、外部装置510による第一データ310の使用を、情報処理端末110に通知する。
【0052】
各機能は、CPU211が、記憶装置212に記憶されたプログラムを、メモリにロードして実行することにより実現される。また、各機能が使用するデータ、各機能が生成したデータは、記憶装置212に記憶される。
【0053】
管理装置210は、いわゆる不正アクセス等から管理するデータを保護できる装置であるのが望ましい。すなわち、管理装置210は、セキュリティ等が整っている装置であるのが望ましい。したがって、管理装置210には、不正にアクセスするのが難しく、管理者201がパスワードを入力する等をして適正にアクセスしないと、管理装置210における第一データ310を使用するのが難しい状態であるのが望ましい。ゆえに、第一データ310は、管理装置210で管理されているため、不正なアクセス等によって第一データ310から個人情報等が漏洩するのを少なくすることができる。
【0054】
なお、第一データ310は、管理装置210が集中して管理してもよいし、ブロックチェーン等で、分散したハードウェアで管理してもよい。
【0055】
本実施形態では、このように、個人情報を含むユーザデータ313を、管理装置210が管理することで、不正なアクセス等による漏洩を防ぐことができる。そして、外部装置に提供する際、個人情報等を削除や加工により秘匿して提供する。これにより、ユーザ101が公開したくない情報を、確実に秘匿できる。このため、健康状態に関する情報等の高度に個人的な情報であっても、ユーザ101は安心して管理装置210に預けることができるし、また、参加組織に対しても安心して提供を許可できる。
【0056】
以下、本実施形態の上記特徴を活かし、管理装置210が管理するユーザデータ313を用いて、外部装置510の1つであるリコメンドエンジン501がヘルスケアに関するリコメンドを生成し、ユーザに提供する使用法を例に、本実施形態を説明する。
【0057】
[情報処理端末]
情報処理端末110のハードウェア構成を、
図2(c)に示す。本図に示すように、情報処理端末110のハードウェア構成は、基本的に管理装置210のハードウェア構成と同じであり、CPU111と、記憶装置112と、通信装置113と、データI/F114と、入力装置115と、出力装置116と、を備える。これらは、管理装置210の同名の構成と同じ機能である。
【0058】
ただし、情報処理端末110は、ユーザ101の生体情報や位置情報等を取得するため、センサ117をさらに備える。センサ117は、情報処理端末110の状態を検出する。例えば、カメラ、GPS(Global Positioning System)受信器、ジャイロセンサ、地磁気センサ、加速度センサ、気圧センサ、圧力センサ、照度センサ、近接センサ等を備える。本実施形態では、これらのセンサ群とアプリケーションプログラムとにより、ユーザ101の生体情報を検出する。
【0059】
図3(b)は、情報処理端末110の機能ブロック図である。ここでは、本実施形態に関連する機能についてのみ説明する。本図に示すように、情報処理端末110は、データ収集部121と、データ送信部122と、データ受信部123と、出力部124と、を備える。
【0060】
データ収集部121は、本人データ311を収集する。本実施形態では、センサ117を介して生体情報を収集したり、入力装置215やデータI/F214を介してユーザ101が入力したデータを受け付けたりする。収集した本人データ311は、一時記憶部131に記憶する。
【0061】
データ収集部121は、センサ117とアプリケーションとを用いて、ユーザ101の生体情報を取得する。ここで、取得する生体情報は、例えば、脈拍、体温、血圧等である。また、情報処理端末110の入力装置115および出力装置116を用いて、データ入力のためのユーザインタフェース画面を生成し、ユーザからのデータ入力を受け付ける。
【0062】
入力されるデータは、例えば、センサ117等で収集できない本人データ311である。また、各データ項目の開示非開示の指定である。さらに、リコメンドを生成する指示を受け付けてもよい。
【0063】
センサ117等で収集できない本人データ311は、例えば、ユーザ101を特定する情報(氏名、性別、年齢、住所)、体重、体脂肪率、身長、嗜好、ヘルスケアに関する条件等である。ヘルスケアに関する情報は、例えば、ダイエット中である等、後述するリコメンドエンジン501が、ヘルスケアに関するリコメンドを作成する際に用いる情報である。この本人データ311として、さらに、食事データ等を受け付けてもよい。ユーザ101は、自宅で食べた食事に関するデータを本人データ311として入力する。
【0064】
開示非開示の指定は、管理装置210が第一データ310を加工する際に加工条件として用いられる情報である。指定する項目は、本人データ311の項目だけでなく、外部データ312の項目についても含めてもよい。項目ごとに、例えば、氏名は非開示、識別番号はさらに、開示レベルもして可能としてもよい。例えば、性別、体重は開示する、また、後述するように、開示先、使用目的に応じて、または、多段階に設定可能としてもよい。
【0065】
データ送信部122は、通信装置213を制御し、収集した本人データ311を、管理装置210に送信する。
【0066】
本実施形態では、例えば、データ送信部122は、データ収集部121が収集したデータを、ユーザ101の本人データ311として、管理装置210に送信する。送信は、所定の時間間隔で行ってもよいし、ユーザ101からの指示に応じて送信してもよい。また、入力装置215を介して入力された指示を、管理装置210に送信する。また、リコメンドエンジン501には、GPSにより取得した現在地情報を送信してもよい。送信する際は、送信元をネットワーク上で一意に特定するアドレスを送信データに必ず付加する。
【0067】
データ受信部123は、通信装置213を制御し、外部の装置からのデータを受信する。本実施形態では、例えば、外部装置510が生成した情報を受信する。
【0068】
出力部124は、情報処理端末110内のデータを出力する。例えば、外部装置510から受信した情報を、出力装置216を介してユーザに出力する。本実施形態では、受信部を介して受信したリコメンドをユーザに提示する。提示は、例えば、出力装置(ディスプレイ)116に表示する。また、スピーカから音声で出力してもよい。
【0069】
[外部装置]
図2(b)に外部装置510のハードウェア構成を示す。外部装置510のハードウェア構成も、基本的に管理装置210のハードウェア構成と同様である。すなわち、外部装置510は、CPU511と、記憶装置512と、通信装置513と、データインタフェース(I/F)514と、入力装置515と、出力装置516と、を備える。管理装置210と同名の構成は、同様の機能を有するため、ここでは、説明を省略する。なお、外部装置510は、入力装置115として、さらに、バーコード読み取り機を備えてもよい。
【0070】
情報処理端末110、管理装置210、外部装置510は、例えば、PC(Personal Computer)、サーバ、ノートPC、スマートフォン又はこれらの組み合わせ等である。情報処理端末110は、スマートフォン、スマートウォッチ等とする。
【0071】
なお、ハードウェア構成は、図示する構成に限られない。例えば、情報処理端末110、管理装置210、外部装置510は、異なるハードウェア構成でもよい。ほかにも、各情報処理装置のハードウェア構成は、情報処理装置の外部又は内部に複数あってもよい。
【0072】
[全体処理例]
次に、上記構成を有する本実施形態の情報処理システム100における全体処理例を説明する。ここでは、第一データ310の使用例として、上述のように、外部装置510の1つであるリコメンドエンジン501が、この第一データ310を用いて、リコメンドを生成し、ユーザ101の情報処理端末110に提供する場合を例にあげて説明する。以下では、一例として、ヘルスケアに関するリコメンドを生成する。
【0073】
本全体処理例を、各装置間のデータの流れに沿って説明する。
図4は、本実施形態の情報処理システム100によるシーケンス図である。
【0074】
まず、情報処理システム100では、「事前処理」を、後述する「運用」の各処理より前に行う。「事前処理」は、例えば、以下に説明するステップS1101~S1104を含む処理等である。なお、「事前処理」は、「運用」より前に行われていればよく、「事前処理」及び「運用」の処理は、連続して行われる必要はない。
【0075】
以下、外部装置510のうち、第一データ310を利用する外部装置510はリコメンドエンジン501とし、他の外部装置510は、外部データ312を提供するのみとする。
【0076】
[事前処理例]
情報処理端末110は、管理装置210に、開示条件を送信する(ステップS1101)。また、情報処理端末110は、管理装置210に、収集した本人データ311を送信する(ステップS1102)。
【0077】
なお、開示条件は、上述の加工条件として管理装置210で管理される。すなわち、第一データ310の項目ごとに、開示、非開示を設定したデータである。開示条件は、例えば、使用目的、使用する組織に応じて、設定が異なってもよい。
【0078】
例えば、飲食店に属するリコメンドエンジン501の場合は、性別と、年齢の一部と、過去の食事データと、のみを開示とする。また、独立系のヘルスケアに特化したリコメンドエンジン501の場合は、個人情報以外は、公開可とする、等である。
【0079】
また、事前処理として、外部装置510は、外部データ312を、管理装置210に送信する(ステップS1103)。送信する外部データ312は、ユーザ101に係るものだけでなく、参加している全ユーザのものを送信する。このとき、各データには、上述した、ユーザ101を特定可能なユーザIDを付与する。
【0080】
なお、外部装置510は、同じ外部装置510である、リコメンドエンジン501に、リコメンドを生成するために必要な営業情報やキャンペーン情報等を送信してもよい(ステップS1104)。業情報やキャンペーン情報は、例えば、広告、宣伝だけでなく、リコメンドを生成するために有用な各種の情報を含む。例えば、レストランであれば、営業時間、メニュー等であり、医療機関であれば、診療時間、診療科等の情報である。
【0081】
管理装置210は、ユーザから本人データ311と開示条件とを、また、外部装置510から、外部データ312を受け取ると、ユーザIDをキーに、ユーザ101毎に、第一データ310として管理する(ステップS1105)。
【0082】
ここで、第一データ310の中で、ユーザデータ313として管理されるデータの一例を
図5(a)に示す。本図に示すように、ユーザデータ313は、例えば、個人データ331と、生体データ332と、食事データ333と、運動データ334と、受診データ335と、調剤データ336と、検診データ337とを備える。
【0083】
個人データ331は、本人データ311に含まれる、主として、手動記録情報である。例えば、氏名、識別番号(ユーザID)、性別、年齢、住所、体重、連絡アドレス等を含む。さらに、ヘルスケア特有の、リコメンド生成条件(ユーザ条件)等を含んでもよい。この場合は、ダイエット中であることが登録されている例である。
【0084】
生体データ332は、脈拍、心拍、血圧、体温等のユーザ101の生体情報である。情報処理端末110から送信される。取得した日時に対応づけて蓄積される。
【0085】
食事データ333は、ユーザ101の食事の履歴情報である。情報処理端末110から送信されてもよいし、例えば、飲食店等の外部装置510から送信されてもよい。飲食店は、例えば、ユーザ101がメニューを注文したタイミング、支払いを行うタイミング等に、ユーザIDとともに取得したデータを送信する。食事データ333は、食事をした日時に対応づけて蓄積される。なお、飲食店では、ユーザIDは、例えば、ユーザが提示するバーコードを読み取る等の手段で取得する。その他、支払いに用いるカード、電子マネー等から取得してもよい。なお、ユーザIDの取得法は、他のデータについても同様である。
【0086】
運動データ334は、ユーザ101が行った運動の履歴情報である。例えば、フィットネスジム等の外部装置510から送信される。フィットネスジムは、例えば、ユーザ101がフィットネスプログラムを完了したタイミング、支払いを行ったタイミング等に収集したデータをユーザIDとともに送信する。運動データ334には、例えば、歩数等、情報処理端末110から送信されるデータが含まれてもよい。運動データ334は、運動を行った日時に対応づけて蓄積される。
【0087】
受診データ335は、ユーザ101の医療機関での受診履歴である。例えば、医療機関等の外部装置510から送信される。医療機関は、電子カルテに登録されたタイミング、支払いを行ったタイミング等にユーザIDとともにデータを送信する。受診データ335は、受診した日時に対応づけて蓄積される。
【0088】
調剤データ336は、ユーザ101に対する調剤履歴である。例えば、医療機関、薬局等の外部装置510から送信される。これらの外部装置510は、電子カルテ、お薬手帳等に登録、記録されたタイミング、支払いを行ったタイミング等にユーザIDとともにデータを送信する。調剤データ336は、調剤された日時に対応づけて蓄積される。
【0089】
検診データ337は、ユーザ101の健康診断の受診結果履歴である。例えば、医療機関等の外部装置510から送信される。医療機関等は、検診結果が得られたタイミング等にユーザIDとともにデータを送信する。検診データ337は、検診を受けた日時に対応づけて蓄積される。
【0090】
なお、管理装置210でユーザデータ313として管理されるデータの種類は、これらに限定されない。
【0091】
管理装置210の管理部223は、情報処理端末110から受信した本人データ311と、外部装置510から受信した外部データ312とを、例えば、ユーザIDキーとして、一人のユーザ101のユーザデータ313として第一データ310内で管理する。以降、管理装置210が第一データ310を管理する。これにより、ユーザ101は、管理者201に自分の個人情報等を預けた体制とする。
【0092】
なお、本人データ311および外部データ312は、1度に限られず、何度送信されてもよい。例えば、本人データ311にライフログデータ等が含まれる場合には、本人データ311は、定期的又は不定期に追加又は更新されてもよい。例えば、ライフログ等のデータは、情報処理端末110等が有するセンサ117又は周辺機器等によって、ユーザ101を計測することで定期的に発生する場合がある。このような場合には、データが発生するごとに、管理装置210に新しく発生したデータを送信して、管理装置210は、あらかじめ管理装置210で管理されている第一データ310を追加又は更新してもよい。
【0093】
[運用例]
次に、管理装置210で管理されている第一データ310の運用例を説明する。ここでは、外部装置510の一つであるリコメンドエンジン501が第一データ310と、ネットワーク上の専門的な情報とを用いて、ヘルスケアに関するリコメンドを生成する例を説明する。なお、特定のユーザ101が、予めリコメンドエンジン501に、所定の時間間隔で、リコメンドを生成するよう予め登録しておくものとする。
【0094】
リコメンドエンジン501は、指定時刻になると、管理装置210に対し、データの使用要求REQを行う(ステップS1201)。例えば、リコメンドエンジン501は、管理装置210に使用要求を示す信号(使用要求REQ)を送信する。使用要求REQには、要求元のリコメンドエンジン501を特定する情報(業種を含む)、使用期間、使用要求するデータ、使用要求するデータの項目(使用希望項目)等の情報が含まれる。なお、使用要求REQの伝達形式は、別の伝達形式でもよい。また、使用要求REQは、人による操作があってもよい。
【0095】
管理装置210の受付部221が、使用要求REQを受け付けると、許可部222は、使用要求REQを解析し、許可可能か否かを判別する(ステップS1202)。ここでは、許可条件に基づき、要求元が使用要求するデータの使用が許可された組織であるか否かを判別する。また、許可された組織である場合、次に、使用期間が、使用を許可された期間であるかを判別する。そして、許可期間である場合、管理部223にその旨通知する。
【0096】
管理部223は、まず、加工部224に許可項目のみ抽出した加工データ315を生成させる(ステップS1203)。
【0097】
加工部224は、使用要求REQを解析し、第一データ310の中から送信するデータ群を抽出し、加工を行い、加工データ315を生成する。ここでは、加工部224は、使用要求されたデータを抽出し、まず、個人特定情報を含む項目を削除する。その後、要求元の組織に対応付けられた第二条件と使用要求REQの使用希望項目とを参照し、使用希望項目のうち、要求元に許可されている項目を特定し、当該項目のみのデータを加工データ315として生成する。
【0098】
例えば、上記
図5(a)に示すユーザデータ313から生成される加工データ315の例を
図5(b)および
図5(c)に示す。
【0099】
図5(b)の例は、第二条件で、リコメンドエンジン501に対し、連絡先と、氏名、性別、年齢、体重、ユーザ条件と、食事データ、生体データ、運動データ、受診データ、調剤データ、検診データ等が許可されている場合の例である。本図に示すように、加工部224は、ユーザデータ313からこれらの項目のみを抽出した(これらの項目以外を削除した)加工データ315を生成する。
【0100】
図5(b)の例は、第二条件で、リコメンドエンジン501に対し、性別と、年齢と、食事データと、生体データと、運動データと、受診データと、検診データとが許可され、年齢については、10の位まで、と指定されている場合の例である。加工部224は、ユーザデータ313から、これらの項目を抽出し、年齢について、1の位を切り捨てたデータを加工データ315として生成する。例えば、年齢が50才から59才までのデータが全て50代、と纏められる。
【0101】
加工データ315が生成されると、管理部223は、その加工データ315を、要求元に送信する(ステップS1204)。ここでは、要求元のリコメンドエンジン501に送信する。なお、ここでいう送信には、使用可能な状態にすることも含む。
【0102】
その後、監視部225は、リコメンドエンジン501による加工データ315の使用を監視する(ステップS1205)。なお、監視は、定期的に行われるのが望ましい。例えば、加工データ315に、データが記憶されている位置等を発信するプログラム等を予め付し、使用する外部装置510を追跡可能とする。このようにすると、管理装置210は、許可した後、加工データがどのような外部装置510で使用されているかを追跡することができる。すなわち、監視は、いわゆるトレーサビリティ機能等によって実現される。なお、監視のためには、加工データ315がどこで使用されているかが分かればよいので、管理装置210には、例えば、加工データ315が示す情報が記載されているホームページのURL(Uniform Resource Locator)又は書類名等が伝えられるでもよい。なお、監視には、人による操作があってもよい。また、監視の対象となるデータは、加工データ315に限られず、加工データ315に基づいて生成されたデータ又は関連する内容を示すデータ等が含まれていてもよい。
【0103】
なお、加工データ315を受け取ったリコメンドエンジン501は、受信した加工データ315を用いて、リコメンドを生成する(ステップS1206)。そして、ユーザ101の情報処理端末110にリコメンドを送信する(ステップS1207)。例えば、加工データ315に含まれるアドレスにリコメンドを送信する。
【0104】
[リコメンドエンジン]
次に、リコメンドエンジン501による、リコメンド生成について説明する。まず、リコメンドエンジン501を説明する。リコメンドエンジン501のハードウェア構成は
図2(c)に示す外部装置510のハードウェア構成と同様である。
【0105】
リコメンドエンジン501の機能構成について説明する。ここでは、本実施形態に関連する機能についてのみ説明する。
【0106】
本実施形態では、リコメンドエンジン501は、健康を維持、改善するためのリコメンドを生成する。リコメンドエンジン501は、例えば、対象ユーザの加工データ315の時系列の変化から、対象ユーザの近い将来の数値を予測し、それに対応するリコメンドを生成する。
【0107】
リコメンドエンジン501は、例えば、対象ユーザの所定期間の、生体情報、食事データ、運動データ、受診データ、調剤データ、健診データ等から、対象ユーザの現時点での健康状態を特定する。例えば、血圧が高く、塩分多めの食事をしがちであり、運動不足である、等である。不足している栄養素、不足している運動内容等を具体的に特定する。
【0108】
そして、予め定めたアドバイス群、ネットワークから収集した最新の知見、他の同世代のユーザの加工データ315とから、対象ユーザの改善点を特定する。例えば、食生活を改善する、運動量を増やす等である。そして、リコメンドエンジン501は、現在の健康状態と、改善点と、提案とをアドバイス、リコメンドとして、ユーザ101に送信する。
【0109】
このとき、リコメンドエンジン501は、上記ステップS1104で参加組織(外部装置510)から提供された情報を用いてもよい。例えば、改善点を実現可能な企業、情報を特定する。例えば、より塩分の少ないメニューを提供する飲食店や、適当なフィットネスを提供するフィットネスジムの運動メニューを抽出する。その後、ユーザの食事データ、運動データ等を用いて、最適な食事、運動を、所定数抽出する。
【0110】
なお、例えば、ユーザ101のリコメンドを生成する際、ユーザ101から位置情報を取得し、最適な飲食店やフィットネスジムを抽出する際、その位置情報を用いてもよい。具体的には、現在地から最も近いものから所定数、抽出する等である。
【0111】
さらに、リコメンドエンジン501は、リコメンドを生成する際、ユーザ101の設定したユーザ情報も考慮してもよい。例えば、ダイエット中であれば、より低いカロリーを閾値として用いて、判定を行ったり、より低いカロリーのメニューをリコメンドするメニューとして抽出したりする。
【0112】
これを実現するため、リコメンドエンジン501は、
図6に示すように、データ収集部521と、データ抽出部522と、分析部523と、リコメンド生成部524と、出力部525と、を備える。また、リコメンド生成部524が使用する基準を格納する絞込基準格納部531を備える。
【0113】
データ収集部521は、リコメンド生成に必要なデータを収集する。収集は、管理装置210、外部装置510、情報処理端末110およびネットワーク上の各種のサーバ等から行う。管理装置210へは、使用要求REQを送信することにより行う。データ収集部521は、所定の時間間隔で、データを要求してもよいし、管理装置210からの指示に応じてデータ要求を行ってもよい。
【0114】
データ収集部521は、例えば、管理装置210から第一データ310を取得する、また、外部装置510から、リコメンド作成に必要な情報を収集する。これは、例えば、レストランの住所、メニュー、営業時間、医療機関の診療科、診療時間等である。また、情報処理端末110から、現在位置情報、あるいは、リコメンド生成に関する位置情報等を取得する。さらに、接続されるネットワークを介して、リコメンド作成に必要な情報を収集する。例えば、最新の医療情報、知見、等である。
【0115】
データ抽出部522は、リコメンドを生成するにあたり、必要なデータを、データ収集部521が収集したデータから抽出する。
【0116】
分析部523は、データ抽出部522が抽出したデータから、リコメンドを生成する対象のユーザ101(対象ユーザ)の、状態を分析する。分析には、現在の状態の分析と、近い将来の状態の分析とが含まれてもよい。
【0117】
リコメンド生成部524は、データ抽出部522が抽出したデータと、分析部523の分析結果と、に基づいて、対象ユーザに最適なリコメンドを生成する。リコメンド生成部524は、予め定めたルールに従って、リコメンドする内容を絞り込むルールベースフィルタリングや、行動履歴等に基づいて、統計的に最適な内容をリコメンドとして絞り込む協調フィルタリング等によりリコメンド内容を絞り込み、生成する。しかしながら、リコメンド生成処理は、これらの手法に限定されない。
【0118】
出力部525は、リコメンド生成部524で生成したリコメンドを、対象ユーザが管理する情報処理端末110に送信する。
【0119】
これらの各部は、CPU511が、記憶装置512に格納されたプログラムをメモリにロードして実行することにより実現される。
【0120】
以下、具体例でリコメンド生成処理を説明する。ここでは、所定の時間間隔で、契約している対象ユーザに、ヘルスケアに関連するリコメンドを生成するものとする。
【0121】
図7に示すように、リコメンドエンジン501は、管理装置210から、各ユーザ101の、連絡先を含む個人データと、所定期間の生体情報と、所定期間の食事データと、所定期間の運動データと、所定期間の受診データと、所定期間の調剤データと、所定期間の検診データと、を加工データ315として受け取る。
【0122】
また、リコメンドエンジン501は、各外部装置510から、営業データ、広告宣伝データ等を受け取る。また、ネットワークを探索し、ヘルスケアに関する論文、ニュース、専門家の意見等、最新の知見情報を収集する。さらに、リコメンドエンジン501は、情報処理端末110から、位置情報を受け取ってもよい。
【0123】
そして、リコメンドエンジン501は、これらの情報を用いて、ユーザ101毎に、リコメンドとして、健康を維持、改善するためのアドバイス、摂取すべき栄養素を含む、おすすめメニュー、おすすめの運動等を、を生成し、送信する。
【0124】
例えば、データ抽出部522は、データ収集部521が収集した加工データ315の中から、対象ユーザのデータを抽出する。抽出されるデータは、例えば、対象ユーザの年齢、性別、身体データ、ダイエット中であるか否かのユーザ情報、直近1週間の、生体データ、食事データ、運動データ、また、直近1年の受診データ、調剤データ、検診データ等である。
【0125】
また、データ抽出部522は、比較対象として、予め定めた同じ属性の他のユーザ101のデータも併せて抽出してもよい。同じ属性として、例えば、同性で同年代が設定されているとすると、同性かつ同年代のユーザ101の、同じく直近1週間の生体データ、食事データ、運動データ、受診データ、調剤データ、検診データを抽出する。
【0126】
分析部523は、抽出した対象ユーザの上記データから、対象ユーザの現在の健康状態を分析する。例えば、直近1週間の摂取栄養素、摂取カロリー、直近1週間の運動量、現在の健康状態、病歴、服薬状況等を分析する。そして、予め定めた基準との差を算出し、摂取すべき栄養、行うべき運動、必要な検査等を特定する。
【0127】
なお、例えば、このとき、ダイエット中である等のユーザ情報を考慮する。すなわち、ユーザがダイエット中である場合は、カロリーがオーバーしているか否かを判別する際に用いる閾値を同世代の推奨値より予め定めた値だけ小さくしたものを用いる。
【0128】
ここで用いる基準の値等は、予め専門家が設定してもよい。また、ネットワークを介して取得した最新知見を採用してもよい。採用する際に、専門家が採否を判定してもよい。また、予め専門家が設定した値を、最新の知見で更新してもよい。さらに、同じ属性のデータから、決定してもよい。すなわち、同じ属性のデータの中で、健康体と判断できる数値を有するデータを抽出し、これらのデータから、必要な数値を統計的に得る。
【0129】
リコメンド生成部524は、分析結果と、予め設定された各種のリコメンド情報とに基づいて、具体的なリコメンド情報を生成する。本実施形態では、リコメンドとして、食生活リコメンド、運動リコメンド、注意事項リコメンド等を含む。
【0130】
リコメンドとしては、例えば、ユーザの1週間分の食事やそれまでの健診データに基づき、不足している栄養素を割り出し、それに見合った食事を提供するレストランを近隣から探してリコメンドしたり、外食でない場合は料理メニューを提案したりする。
【0131】
食生活リコメンドは、食生活に関するアドバイスを含む。また、具体的な推奨メニューを含んでもよい。例えば、直近1週間の摂取栄養素のデータから、Aという栄養素が不足していると分析された場合、Aを補うことができるメニューを特定し、リコメンドとする。また、摂取カロリーが推奨値を超えていると分析された場合は、カロリー抑え目のメニューを特定し、リコメンドとする。
【0132】
このとき、当該メニューを提供する飲食店を、営業データ等から抽出し、併せて示してもよい。さらに、対象ユーザから位置情報を受信している場合は、ユーザの現在位置から所定の半径内の飲食店のみを示す、または、よりユーザの現在位置に近い飲食店から順に示す等、位置情報に基づいたフィルタリングを行ってもよい。また、前後の食事履歴から、重複しないメニューを選択し、提示してもよい。さらに、ユーザ101が予め予算を登録している場合、価格でフィルタリングしてもよい。また、リコメンドに至った理由や、リコメンドする食事等により得られる効果もリコメンドに含めてもよい。
【0133】
さらに、検診データにおいて、医療機関が行った判定が「異常なし」である場合は、バランスのよい食事となるようなアドバイスを行う。一方、判定に「要再検査」等の指摘がある場合は、指摘に応じて、体重や体脂肪を減らす食事メニュー、コレステロール値、血圧、血糖値、骨密度、貧血等を改善する食事メニュー、骨密度を高める食事メニュー、塩分の少ないメニュー等の提示を行う。
【0134】
生成され、情報処理端末110のディスプレイに表示されるリコメンド例を
図8(a)に示す。本図に示すように、リコメンドするレストラン、メニューが複数、予め定めた順序で表示され、さらに、これらをリコメンドとして選択した理由、アドバイス等が表示される。
【0135】
運動リコメンドは、日常生活で行うべき運動に関するアドバイスを含む。また、具体的な推奨運動メニューを含んでもよい。推奨運動は、例えば、有酸素運動(ウォーキング、ジョギング等)、ストレッチ、筋肉トレーニング等である。
【0136】
例えば、直近1週間の運動データにおいて、運動量が不足していると判別された場合は、リコメンド生成部524は、これらの運動を行う時間帯、実行時間等も併せてリコメンドとして生成してもよい。また、検診データに基づいて、例えば、体脂肪を燃焼させたり、血圧を下げたりすべき場合は、そのような効果が得られる有酸素運動をリコメンドとして生成する。
【0137】
このとき、当該運動メニューを提供するフィットネスジムを、営業データ等から抽出し、併せて示してもよい。さらに、対象ユーザから位置情報を受信している場合は、近傍のフィットネスジムから順に示す等、位置情報に基づいたフィルタリングを行ってもよい。また、運動の場合は、近傍の運動可能な公園等を示してもよい。また、リコメンドに至った理由や、リコメンドする運動等により得られる効果もリコメンドに含めてもよい。
【0138】
生成され、情報処理端末110のディスプレイに表示されるリコメンド例を
図8(b)に示す。本図に示すように、リコメンドするフィットネスジムや、運動等が予め定めた順序で表示され、さらに、これらをリコメンドとして選択した理由、アドバイス等が表示される。
【0139】
また、リコメンドの生成に他の同じ属性のユーザのデータを用いてもよい。例えば、他のユーザ101のデータを分析し、過去に、対象ユーザの分析結果と類似の特徴を有し、改善されたデータを特定する。そして、そのユーザの、改善に至るまでの食生活、運動等を、提案してもよい。同じ属性は、例えば、同じ性別で同じ世代、また、同じ地域に在中、同じ職業等適宜定められる。
【0140】
なお、リコメンド生成部524は、リコメンドする食生活や運動について、予め定めたルールに従って、絞り込む手法を用いているが、これに限定されない。例えば、知識ベースと推論エンジンとからなる、エキスパートシステム等の人工知能を用いてもよい。
【0141】
[使用の通知例]
なお、上記実施形態では、リコメンドを生成する対象ユーザの場合、リコメンドを受け取るため、ユーザデータ313が使用されたことを把握できる。しかしながら、他のユーザが対象データの場合、自分のデータが使用されたことを知ることができない。このため、外部装置510は、受信した加工データ315を使用する際は、ユーザ101に通知を行うのが望ましい。
【0142】
例えば、ユーザ101は、加工データ315が使用された場合には、使用された形態を知らせるようにあらかじめ設定できる。このような設定がされると、例えば、加工データ315に基づいて生成したデータ等を情報処理端末110に送信する。このようにすると、ユーザ101は、加工データが具体的にどのように使用されるかを知ることができる。したがって、このような通知によって、例えば、リコメンドエンジン501を管理する企業が条件とは異なる使用の仕方をした場合等を早期に発見できる。
【0143】
このように、管理装置210には、使用された形態を情報処理端末110等に通知させるようにあらかじめ設定が行われる。使用する形態は、あらかじめ契約等で定まるため、ユーザ101は、使用開始の日時等が最低限あれば、加工データ315の具体的な使用の形態は把握できる。つまり、管理装置210には、リコメンドエンジン501が加工データ315を使用する旨を管理装置210に通知すると、この通知をトリガに、管理装置210は、あらかじめ設定された通知データ等を情報処理端末110に通知する。このような通知を受けると、ユーザ101は、第一データ310があらかじめ設定されたように第一データ310が使用された日時等を知ることができる。なお、通知方法、管理装置210による処理及び通知するメッセージ等は、様々な組み合わせが可能である。
【0144】
ただし、管理装置210は、ユーザ101に契約内容等を思い出してもらうため、情報処理端末110に契約内容等を示すデータを送ってもよい。また、ユーザ101は、契約通りに実際に使用しているか確認したい場合もある。そこで、リコメンドエンジン501に使用した結果を示すデータを送らせてもよいし、ホームページ等で公開して使用している場合には、使用先を示すアドレス等をリコメンドエンジン501に送らせてもよい。
【0145】
なお、リコメンドエンジン501が管理装置210に送る使用の通知は、第一データ310の位置を示すデータが兼ねてもよい。すなわち、第一データ310の位置を示すデータが送られると、第一データ310が使用されていることを示す構成でもよい。
【0146】
第一データ310の位置を示すデータは、例えば、物理的な位置を示すデータでもよいし、IPアドレスのようにネットワーク上でサーバを特定するようなデータでもよい。
【0147】
なお、第一データ310の使用方法は、図示する形態に限られない。すなわち、参加組織等は、複数のデータベースを持ち、それぞれのデータベースで第一データ310を複製等して使用してもよい。また、参加組織等は、外部装置510を複数運用してもよい。さらに、参加組織等は、複数の企業等で1つのデータベースを共同して運用してもよい。
【0148】
なお、第一データ310の使用は、特定のユーザ101のユーザデータ313が他人のユーザデータ313等と一緒に使用されたり、データ形式が変更されたりする場合を含む。
【0149】
以上説明したように、本実施形態の情報処理システム100は、ユーザ101が操作する情報処理端末110と、ユーザ101とは異なる管理者201が操作する管理装置210と、ユーザ101および管理者201とは異なる外部機関が管理する外部装置510と、を備える。そして、管理装置210は、ユーザ101に係る第一データ310の公表、開示、訂正又は利用する使用の要求を受け付ける受付部221と、第一データ310を予め定めた加工条件に従って加工して加工データ315を生成する加工部224と、加工データ315を外部装置510に出力する、または、当該外部装置510からの当該加工データ315へのアクセスを可能にする、管理部223と、出力またはアクセスを可能にした後、加工データ315を監視する監視部225と、を備える。例えば、第一データ310は、個人を特定する情報である個人特定情報を含み、加工部224は、個人特定情報を削除してもよい。また、第一データ310は、ユーザの直近1週間の摂取食事データを含み、ヘルスケアに関するリコメンドは、外部装置510のうち、飲食店が管理する外部装置において、その飲食店が提供するメニューから選択したユーザに適するメニューであってもよい。
【0150】
[効果]
このように、本実施形態によれば、管理装置210が個人情報等の大事な情報を含む第一データ310を管理するため、不正なアクセス等による漏洩を防ぐことができる。また、管理する第一データ310を外部装置510に使用させる際は、個人を特定可能な情報(個人特定情報)等を削除した加工データ315を生成し、その加工データ315を公開する。これにより、さらに安全性を高めることができる。また、安全性が高いため、個人は、安心して管理装置210にデータを預けることができる。
【0151】
一方で、本実施形態の情報処理システム100に参加する組織等は、管理装置210に対して使用要求REQを送信すれば、条件を満たすと、許可を受けて第一データ310の加工データ315を使用することができる。このようにすると、参加組織等は、容易に個人情報を含むユーザのデータ等を収集することができる。また、収集するユーザのデータには、個人を特定可能な情報は含まれないため、管理の負担も少ない。よって、個人などに関するデータの使用が促進されやすい。
【0152】
このため、加工データ315送信後の監視において、例えば、許可した範囲以外のデータが公表又は開示されていないかをチェックしたり、又は、許可した期間を超過してデータを利用していないかをチェックしたりする必要がない。
【0153】
例えば、情報処理端末110で第一データ310を管理すると、ユーザ101が管理することになり、ユーザ101にデータ管理の負荷が発生する。一方で、本実施形態のような構成では、個人情報等を管理者201に預ける構成にできる。これにより、個人情報等は、不正に使用しようとする者がいたとしても、本実施形態のような管理者201が間に入り、管理でき、情報漏洩等を防ぐことができる。しかも、従来のように、ある程度、個人情報を預ける先が信用できる組織である必要はない。よって、参加組織等を広く募ることができる。これにより、データを多数収集できるため、第一データ310は、より、利用価値の高いデータとなる。例えば、この第一データ310の加工データ315を用いてリコメンドを作成する場合、より、品質の高いリコメンドを作成できる。
【0154】
<変形例1>
上記実施形態では、食生活リコメンド、運動リコメンドを送信している。しかしながら、リコメンドエンジン501は、リコメンドを提供するタイミングや時刻に応じて、提供するリコメンド内容を変えてもよい。例えば、昼食時間、夕食時間であれば、食事に関するリコメンドを提供し、午前中、午後等の時間帯であれば、必要な運動に関するリコメンドを提供する。あるいは、リコメンドする優先順位を変えてもよい。時間帯と提供リコメンド内容については、予め定めておく。
【0155】
また、上記処理により、リコメンドエンジン501に第一データ310の使用が許可された後は、情報処理端末110において新しい本人データ311が発生するごとに、情報処理端末110から当該リコメンドエンジン501に直接データを送信してもよい。
【0156】
また、管理装置210は、ユーザ101、第一データ310、外部装置510、第一データ310の使用を許可した期間(以下「使用期間」という。)及び外部装置510に対して許可した内容等を対応付けして記憶する。そして、管理装置210は、使用期間中、定期的にメッセージMES等を情報処理端末110に通知してもよい。
【0157】
なお、メッセージMESは、メール又はメッセージ等のテキスト形式でもよい。又は、メッセージMESは、音声等を電話で伝える形式でもよい。
【0158】
また、管理装置210は、使用期間、第一データ310を送付する。すなわち、使用期間が経過した後は、管理装置210は、第一データ310の送付を終了する等によって、使用期間経過後に第一データ310が使用できないようにする。
【0159】
<<第二実施形態>>
次に、本発明の第二実施形態を説明する。第一実施形態では、外部装置510が、管理装置210に使用要求REQを行い、第一データ310の使用が開始されている。一方、本実施形態では、ユーザ101が、情報処理端末110を介して、管理装置210に要求を行う。
【0160】
以下、本実施形態について、第一実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。
【0161】
本実施形態の情報処理システム100の全体構成は、第一実施形態同様、情報処理端末110と、管理装置210と、外部装置510と、を備える。各装置は、ネットワーク等を介して接続され、ネットワーク等を用いることで相互にデータを送受信することができる。各装置のハードウェア構成は、第一実施形態と同様である。
【0162】
本実施形態では、情報処理端末110から管理装置210に対し、第一データ310に対する要求を行う。ここで行う要求は、第一データ310の所定のデータ項目を、特定の外部装置510に使用させる要求である。
【0163】
このため、本実施形態の情報処理端末110は、
図9に示すように、第一実施形態の構成に、要求部125をさらに備える。要求部125は、例えば、ネットワークあるいは管理装置210等から提供されるアプリケーションプログラムを、情報処理端末110にダウンロードしてインストールすることにより実現される。
【0164】
要求部125は、管理装置210に対し、ヘルスケアに関するリコメンド生成要求(生成要求REQ2)を行う。要求部125は、ユーザインタフェース画面として、要求指示画面を生成し、ユーザ101からの指示を受け付ける。要求指示画面140の一例を、
図10(a)に示す。要求指示画面140は、リコメンド要求の意思を受け付ける要求領域141を備える。
【0165】
要求部125は、要求領域141を介してユーザ101によるリコメンド生成要求を受け付けると、管理装置210に対し、生成要求REQ2を行う。このように、本実施形態では、ユーザ101は、要求指示画面140において、ヘルスケアリコメンドを希望することのみ指示すればよい。
【0166】
この場合、リコメンドを生成するリコメンドエンジン501、すなわち、データ提供先の外部装置510は、予め、例えば、アプリケーションにおいて定められているものとする。そして、その外部装置510(リコメンドエンジン501)を特定する情報は、送信される生成要求REQ2に含まれる。
【0167】
なお、
図10(b)に示すように、ユーザ101がリコメンド生成要求を行う際、各種の指定を行うことが可能なように構成してもよい。
【0168】
ここでは、位置情報の提供手法を指示する位置情報設定領域142、リコメンドエンジン501に使用を許可するデータ項目を指定する使用許可項目設定領域143と、リコメンドの種類を設定するリコメンド種類設定領域144と、をさらに備えてもよい。なお、これらは、一例であり、全て備えなくてもよいし、また、他の項目を設定可能であってもよい。
【0169】
本図の例では、例えば、ユーザ101は、位置情報設定領域142を介して、位置情報として、GPSの情報を用いるか、手動入力された住所データを用いるか、等の設定ができる。
【0170】
また、使用許可項目設定領域143を介して、リコメンドエンジン501に使用を許可するデータ項目を指定する。本実施形態では、ここで許可と設定されたデータ項目が管理装置210で加工データ315を生成する際、優先的に用いられる。
【0171】
ユーザ101は、リコメンド種類設定領域144を介して、生成するリコメンドの種類を指定する。例えば、食生活に関するリコメンド、推奨する運動に関するリコメンド等である。なお、一般的なヘルスケアリコメンドを要求するものである場合、指定しなくてもよい。
【0172】
生成要求REQ2には、リコメンド種類設定領域144を介して受け付けた希望のリコメンドが含まれる。なお、リコメンドの種類に応じて、リコメンドエンジン501が異なる場合、管理装置210では、この希望のリコメンドを生成可能なリコメンドエンジン501を特定し、当該リコメンドエンジン501にリコメンドを生成するよう指示してもよい。
【0173】
以下、本実施形態の全体処理例を、ユーザ101が、所望のリコメンドを要求する場合を例にあげて説明する。
図11は、本実施形態の情報処理システム100による全体処理のシーケンス図である。
【0174】
基本的に第一実施形態のデータの流れと同様である。事前処理は、第一実施形態と同じである。運用時は、第一実施形態では、外部装置510(リコメンドエンジン501)から使用要求REQが送信されるが、本実施形態では、情報処理端末110から生成要求REQ2が送信される(ステップS2101)。
【0175】
そして、管理装置210では、許可部222が、生成要求REQ2を受け付けると、データ提供先の外部装置510を決定する(ステップS2102)。決定は、生成要求REQ2内の情報に従って行われる。なお、生成要求REQ2内の、希望するリコメンドの種類に応じてリコメンドエンジン501が決定されてもよい。このとき、許可部222は、許可条件による判断は行わない。
【0176】
その後、管理部223は、加工部224に加工データ315を生成させる(ステップS1203)。加工部224は、本実施形態においても、第一実施形態同様、第二条件に基づいて、加工データ315を生成する。
【0177】
なお、本実施形態では、生成要求REQ2に許可項目が含まれている場合、要求元の情報処理端末110を使用するユーザ101のユーザデータ313については、第二条件より、許可項目を優先する。一方、他のユーザ101のユーザデータ313については、第一実施形態同様、第二条件に基づいて加工する。
【0178】
以降の処理は、第一実施形態と同じである。リコメンド生成についても、第一実施形態と同じである。
【0179】
[効果]
以上説明したように、本実施形態の情報処理システム100においても、管理装置210が個人情報等を含む第一データ310を管理し、また、外部装置510に提供する際、必要最低限の項目のみに加工して提供するため、第一実施形態と同様の効果が得られる。
【0180】
また、本実施形態では、ユーザ101が、リコメンドを受けたい内容、種類を指定するとともに、開示、非開示も指定する。よって、より的確なリコメンドを受けることができる。
【0181】
さらに、本実施形態では、ユーザ101からリコメンドの生成を要求する。このとき、リコメンドの要求を詳細に設定可能とすることにより、より、ユーザ101に特化したリコメンドを、提供できる。また、ユーザ101からの要求に応じてリコメンドを生成するため、タイムリーに提供できる。
【0182】
例えば、運動に関するリコメンドを要求する場合、ユーザは、例えば、体重の目標を指定してもよい。リコメンドエンジン501は、その目標に至る減量プランをリコメンドとして提供する。
【0183】
<<第三実施形態>>
次に、本発明の第三実施形態について説明する。本実施形態では、ユーザ101が情報を開示する対価として、予め定めた価値を与え、ユーザ101が情報を取得することにより、対価を減額する。これらの対価は、管理装置210が管理する。
【0184】
以下、本実施形態について、第二実施形態をベースに説明する。第二実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。
【0185】
図12は、本実施形態に係る情報処理システム100の全体構成例を示す概略図である。本実施形態も、第一、第二実施形態同様、情報処理端末110と、管理装置210と、外部装置510とを備え、各装置は、ネットワーク等を介して相互にデータを送受信できる。
【0186】
情報処理端末110と、外部装置510との構成は、基本的に上記各実施形態と同様である。
【0187】
本実施形態では、例えば、ユーザ101が、外部装置510が使用可能な本人データ311を管理装置210に登録すると、対価としてコインが付与される。また、ユーザ101がリコメンドを要求すると、費用としてコインが減額される。なお、各ユーザ101のコインの増減は、管理装置210が管理する。具体的には、管理装置210が各ユーザのウォレット320を管理する。
【0188】
これを実現する管理装置210を説明する。管理装置210のハードウェア構成は、基本的に第一実施形態、第二実施形態と同様である。一方、管理装置210の機能構成は、
図13に示すように、第一、第二実施形態の構成に、さらに、ウォレット320を管理するウォレット管理部227(価値管理部)を備える。
【0189】
管理部223は、第一データ310にデータが登録されたり、受付部221を介して使用要求REQまたは生成要求REQ2を受け付けたりするとウォレット管理部227に通知する。ウォレット管理部227は、管理部223からの通知を受け、ウォレットの該当ユーザ101のコインを増減させる。イベントごとに、増減させるコインの量は予め定めておく。
【0190】
情報処理端末110から本人データ311が送信されると、当該本人データ311に対応づけられたウォレット320のコインを所定量増加させる。また、情報処理端末110から生成要求REQ2が送信されると、生成要求REQ2の要求元に対応づけられたウォレット320のコインを所定量減らす。
【0191】
次に、全体処理例を説明する。ここでは、第二実施形態をベースに説明する。本実施形態の全体処理のシーケンスを
図14に示す。本図に示すように、基本的に第二実施形態の運用例と同じである。ただし、ユーザ101が本人データ311を送信すると、ウォレット管理部227は、当該ユーザ101のウォレットにコインを付与する(ステップS3101)。
【0192】
また、ユーザ101から、情報処理端末110を介して生成要求REQ2があると、当該ユーザ101のウォレットからコインを減額する(ステップS3102)。
【0193】
さらに、リコメンドエンジン501は、リコメンドを生成し、情報処理端末110に送信すると、それを、管理装置210にも通知する(ステップS3103)。なお、管理装置210は、コインの減額を、実際にリコメンドがユーザの情報処理端末110に通知されたことを契機に行ってもよい。
【0194】
なお、ここでは、ユーザ101が生成要求REQ2を送信したことを契機にリコメンドを生成する第二実施形態をベースに説明したが、第一実施形態でも同様に適用可能である。
【0195】
この場合、上記同様、事前処理において、ユーザ101が本人データ311を送信すると、ウォレット管理部227は、当該ユーザ101のウォレットにコインを付与する。一方、運用時は、例えば、管理装置210は、リコメンドエンジン501からリコメンド送信通知を受信すると、ユーザ101のコインを減額する。
【0196】
なお、コインの減額のタイミングはこれに限定されない。例えば、月会費のように、毎月、定額減額するようにしてもよい。
【0197】
なお、本実施形態では、外部装置510に開示する条件は、使用を「有償」とするか「無償」とするか指定してもよい。なお、「有償」は、使用が許可された場合には、当該外部装置510(を管理する参加組織)からユーザ101に、第一データ310の使用料として所定のコインが支払われる条件である。一方で、「無償」は、使用が許可された場合には、当該外部装置510(を管理する参加組織)からユーザ101に、特に第一データ310の使用料が支払われない条件である。
【0198】
外部装置510からユーザ101に対する使用料の支払いは、管理装置210がウォレット320で管理してもよい。また、参加組織独自のシステムで管理してもよい。また、料金は、例えば、ポイント等の金銭以外の対価でもよい。
【0199】
例えば、管理装置210に、「有償」の使用要求であれば、使用を許可するとあらかじめ設定されているとする。このような条件の場合には、「有償」の使用要求があった場合には、管理装置210は、条件を満たすと判断し、使用を許可する。一方で、「無償」の使用要求があった場合には、管理装置210は、条件を満たさないと判断し、使用を許可しない。
【0200】
なお、コインの増減量は、ユーザ101が、要求指示画面140で指示した内容によって変えてもよい。例えば、許可項目が多ければ多いほど、付与するコインの量を増やす。これは、開示のインセンティブを与えるためである。一方、要求するリコメンドの種類の指定が多ければ多いほど、減額するコインの量を大きくする。このように、コインの付与量、減額量は、任意に設定可能である。
【0201】
また、ウォレット管理部227は、ユーザデータ313(本人データ311および外部データ312)の変化に応じて付与するコインの単位を変化させてもよい。すなわち、提供されたリコメンドに応じて、ユーザ101の行動が改善された場合、その後のデータ登録や許可等の際に付与するコインの単位を増加させる。なお、行動が改善された場合、コインを付与してもよい。
【0202】
例えば、ウォレット管理部227は、登録されるユーザデータ313を、時系列で監視する。また、ユーザ101に提供されるリコメンドも時間に対応づけて監視する。そして、リコメンドが送信された後、リコメンド内容に関するユーザデータ313の項目の値が改善された場合、付与単位を予め定めた量、増加させる。逆に、リコメンド後、所定期間経過しても、対応するユーザデータ313の項目の値が改善しない場合は、付与単位を低減させてもよい。
【0203】
リコメンド内容ごとの変化監視項目は、予め定められる。また、増加分、低減分も予め定められる。これらは、例えば、管理装置210で管理される。
【0204】
以上説明したように、本実施形態の情報処理システム100では、第一実施形態または第二実施形態の構成に加え、管理装置210は、ユーザ101が本人データ311(ユーザデータ)を登録すると、予め定めた価値をユーザに付与する価値管理部として機能するウォレット管理部227をさらに備える。ウォレット管理部227は、リコメンド送信後に受信した第一データ310がリコメンドに応じて改善されている場合、付与する価値を増大させてもよい。
【0205】
[効果]
このように、本実施形態の情報処理システム100においても、管理装置210が個人情報等を含む第一データ310を管理し、また、外部装置510に提供する際、必要最低限の項目のみに加工して提供するため、第一実施形態と同様の効果が得られる。
【0206】
さらに、本実施形態では、ユーザ101がデータを登録する毎にコインを与える。これにより、ユーザ101にデータを登録するインセンティブが増大し、さらに、多くのユーザデータを収集、管理できる。
【0207】
<<第四実施形態>>
次に、本発明の第四実施形態を説明する。本実施形態の情報処理システム100の全体構成は、基本的に上記各実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、リコメンドエンジン501によるリコメンドの生成において、予めユーザが登録しているユーザ情報に基づいて、採用する情報に軽重をつける。
【0208】
本実施形態では、例えば、ユーザの現状や今後の目標(例えば、糖尿病体質を改善する、少し太っているのを絞る、痩せているので筋肉をつける、高血圧を改善するなど)をベースに、標準的なリコメンドだけではなく、その嗜好や目標と距離が近い論文や知見に重み付けを大きくした上でリコメンドを生成する。
【0209】
本実施形態においても、
図15に示すように、リコメンドエンジン501は、管理装置210から、各ユーザの加工データ315を、各外部装置510から営業データ、広告宣伝データ等を、受け取り、ネットワーク610を介して、ヘルスケア等に関する論文、ニュース、専門家の意見等、最新の知見情報を収集する。そして、第一実施形態と同様に、リコメンドエンジン501は、健康を維持、改善するためのリコメンドを生成する。
【0210】
本実施形態のリコメンドエンジン501は、第一実施形態同様に、加工データ315として受け取る、対象ユーザの、所定期間の、生体情報、食事データ、運動データ、受診データ、調剤データ、健診データ等から、対象ユーザの現時点での健康状態および/または嗜好を特定する。そして、リコメンドを使用するタイミングの、対象ユーザの健康状態を予測する。
【0211】
予測は、例えば、対象ユーザの加工データ315の元となる第一データの取得タイミングによる(時系列の)変化に基づいて行う。予測する健康状態は、例えば、血圧が高く、塩分多めの食事をしがちであり、運動不足である、等である。不足している栄養素、不足している運動内容等を具体的に特定する。使用タイミングは、ユーザが指定してもよいし、リコメンドエンジン501側で決定してもよい。
【0212】
そして、リコメンドエンジン501は、特定した健康状態と、予め定めたアドバイス群、ネットワークから収集した最新の知見、参加組織(外部装置510)から提供された情報、および他の同世代のユーザの加工データ315との少なくとも1つを用いて、対象ユーザの改善点を目標として特定する。例えば、食生活を改善する、運動量を増やす等である。なお、目標は、対象ユーザが直接設定してもよい。すなわち、情報処理端末110から、リコメンドエンジン501にリコメンドの生成要求とともに送信する。
【0213】
リコメンドエンジン501は、目標を達成するための提案、アドバイスをリコメンドとして生成する。このとき、本実施形態では、リコメンドエンジン501は、リコメンド生成に使用する各データに、上述のように、対象ユーザの嗜好や目標に応じて重み付けを行う。
【0214】
そして、リコメンドエンジン501は、生成されたリコメンドと、特定された健康状態とを、ユーザ101の情報処理端末110に送信する。
【0215】
すなわち、本実施形態のリコメンドエンジン501は、リコメンドを使用するタイミング(使用タイミング)に最適なリコメンドを、関連度に応じて重み付けしたデータを用いて生成する。
【0216】
なお、このとき、特定した目標も、リコメンドとともにユーザ101の情報処理端末110に送信してもよい。また、特定した目標の表現を改め、推奨理由として、リコメンドとともにユーザ101の情報処理端末110に送信してもよい。これにより、ユーザ101は、最終結果のリコメンドだけでなく、そのリコメンドに至る理由を把握することができる。
【0217】
なお、リコメンドエンジン501は、予め定めたアドバイス群、ネットワークから収集した最新の知見、参加組織(外部装置510)から提供された情報、および他の同世代のユーザの加工データ315とから、AI等を用いて、リコメンドを生成してもよい。また、ネットワークから収集した最新の知見等の情報に予め定めた規則(目標および/または嗜好)に従って重み付けを行い、学習データとして用いて規則毎の最適なAIエンジンを生成し、目標や嗜好に応じたAIエンジンを用いて、リコメンドを生成してもよい。
【0218】
これらを実現するため、本実施形態においても、リコメンドエンジン501は、第一の実施形態同様、
図6に示すように、データ収集部521と、データ抽出部522と、分析部523と、リコメンド生成部524と、出力部525と、を備える。
【0219】
上述のように、リコメンドエンジン501は、リコメンドを生成する際、例えば、各参加組織(外部装置510)から受け取る、営業データ、広告宣伝データ等や、ネットワーク610を探索し収集した、ヘルスケアに関する論文、ニュース、専門家の意見等、最新の知見情報等を用いる。以下、データ収集部521がリコメンドを生成する際に用いるこれらのデータを、参照データと呼ぶ。
【0220】
外部装置510から提供される情報は、例えば、改善点を実現可能な企業、情報を特定するために用いられる。例えば、より塩分の少ないメニューを提供する飲食店や、適当なフィットネスを提供するフィットネスジムの運動メニューを抽出する。その後、ユーザの食事データ、運動データ等を用いて、最適な食事、運動を、所定数抽出する。
【0221】
ネットワーク610から収集する情報については、例えば、ヘルスケアに関する論文や最新の知見等であり、情報源の信頼度を判定する等、AI等を用いて総合的に判断し、信頼性の高い情報のみを採用する。例えば、ヘルスケアに関する論文等は、4大医学誌のサイトや、WHO(World Health Organization)や、国際的に承認されている機関、国際的に知名度の高い研究機関、大学等のサイト等から収集する。収集先のアドレス情報等は、予め特定し、記憶しておく。または、一般的な検索サイトからAI等を用いて取捨選択してもよい。
【0222】
本実施形態では、上述のように、リコメンド生成にあたり、リコメンドエンジン501は、ユーザの嗜好や目標(例えば、糖尿病体質を改善する、少し太っているため脂肪を落とす、痩せているため筋肉をつける、高血圧を改善する、など)をベースに、その嗜好や目標に関連性の高い情報(論文、知見)に、より大きな重み付けを行い、リコメンドを生成する。このとき、併せて、重み付けを行わないで対照用として第二リコメンドも生成してもよい。
【0223】
このように、リコメンドエンジン501は、ユーザ101の加工データ315と参照データとを用いて、ユーザ101毎に、リコメンドとして、健康を維持、改善するためのアドバイス、摂取すべき栄養素を含む、おすすめメニュー、おすすめの運動等を、を生成し、ユーザ101の情報処理端末110に送信する。
【0224】
本実施形態で生成するリコメンドは、食生活リコメンド、運動リコメンド、注意事項リコメンド等を含む。リコメンドの詳細は、上記実施形態と同様である。また、本実施形態においても、
図8(a)および
図8(b)に示すように、リコメンドするレストラン、メニューが複数、予め定めた順序で表示され、さらに、これらをリコメンドとして選択した理由、アドバイス等が表示される。このとき、第二リコメンドも対照用に合わせて表示させてもよい。
【0225】
[リコメンド生成処理]
以下、具体例を参照しながら、本実施形態のリコメンド生成処理を説明する。
図16は、本実施形態のリコメンド生成処理の処理フローである。ここでは、所定の時間間隔で、契約している対象ユーザに、ヘルスケアに関連するリコメンドを生成するものとする。また、リコメンドを生成する対象のユーザ101を、本実施形態においても、対象ユーザと呼ぶ。
【0226】
まず、リコメンドエンジン501のデータ収集部521は、管理装置210から、各ユーザ101の、連絡先を含む個人データと、所定期間の生体情報と、所定期間の食事データと、所定期間の運動データと、所定期間の受診データと、所定期間の調剤データと、所定期間の検診データと、を加工データ315として受け取る(ステップS4101)。
【0227】
データ抽出部522は、データ収集部521が収集した加工データ315の中から、対象ユーザのデータを抽出する(ステップS4102)。抽出されるデータ(抽出データ)は、例えば、対象ユーザの連絡先、年齢、性別、身体データ、ダイエット中であるか否かのユーザ情報、直近1週間の、生体データ、食事データ、運動データ、また、直近1年の受診データ、調剤データ、検診データ等である。すなわち、抽出データは、対象ユーザの連絡先、食事データ、運動データ、生体情報、医療機関受診データおよび健康診断結果データの少なくとも一つを含めばよい。後述の分析部523が、抽出データから、ユーザの嗜好、病歴、持病、体質、属性、身体的特徴、運動履歴等の特性情報を特定できればよい。
【0228】
分析部523は、抽出した対象ユーザの加工データ315に基づき、リコメンド生成に用いる重み付けを決定する。ここでは、各参照データに付す重みを決定する。分析部523は、例えば、抽出データと参照データの一部とを用いて、対象ユーザの目標および/または嗜好を特定し、これらに近い、すなわち、関連度の高い参照データに対して、より大きな重みを付す。
【0229】
まず、分析部523は、まず、目標を特定する(ステップS4103)。また、このとき、併せて嗜好も特定してもよい。上述のように、現在のユーザの健康状態等に基づき、リコメンド使用時のユーザの健康状態を推定し、それに応じた目標を設定する。目標の特定には、ユーザと類似の属性を有する他のユーザの加工データを学習データとした学習結果を用いてもよい。嗜好は、過去の食事データおよび/または運動データに基づいて特定する。
【0230】
その後、分析部523は、目標(および/または嗜好)に応じて、各参照データに付与する重み付けを決定する(ステップS4104)。
【0231】
分析部523は、収集した参照データを、例えば、ディープラーニング技術を利用して総合的に解析し、関連度の度合いを特定する。そして、関連度の高いものに関し、より大きな重みを決定する。
【0232】
例えば、分析部523は、抽出データのうち、健康診断結果を分析し、対象ユーザが糖尿病体質と判定した場合、糖尿病体質を改善することを目標と特定する。この場合、収集した参照データの中で、糖尿病改善に関連する参照データに対し、より大きな重みを決定する。このとき、対象ユーザの嗜好として、「運動嫌い」が特定された場合、運動に関するデータには、比較的小さな重みを決定する。
【0233】
例えば、
図17に示すように、高血圧予防情報、脂質異常改善情報、糖尿病情報、脳血管障害予防情報、心疾患予防情報、食事療法、栄養食生活情報、肥満と健康情報、高血圧と食生活情報、糖尿病の食事、メタボリックシンドローム予防の食事、食事バランスガイド、内蔵脂肪減少のための運動、高血圧症改善のための運動、糖尿病改善のための運動、歯科口腔関連情報、体質改善情報等の情報を、参照データとして収集した場合であって、重みを1~5の5段階で付す場合、分析部523は、糖尿病情報、栄養食生活情報、糖尿病の食事、等の参照データに重み5を付し、糖尿病改善のための運動等の参照データに重み4を付し、食事療法、肥満と健康、食事バランスガイド、体質改善情報等の参照データに重み3を付し、その他の参照データに重み1を付す等とする。
【0234】
これにより、リコメンドとして、例えば、主として食事療法、食事内容を改善するリコメンドが得られ、付随的に運動に関するリコメンドが得られる。逆に、対象ユーザの嗜好として「運動好き」が特定された場合は、それに応じて参照データに重み付けがなされ、リコメンドとして、主として運動内容のリコメンドが算出される。
【0235】
また、分析の結果、対象ユーザが高血圧と判定された場合、高血圧症状を改善、治癒することを目標とする。この場合、収集した参照データの中で、高血圧症状改善、治癒に関連する参照データに対し、より大きな重みを決定する。このとき、対象ユーザの嗜好として、「運動嫌い」が特定された場合、運動に関するデータには、比較的小さな重みを決定する。
【0236】
例えば、上記参照データの場合、分析部523は、例えば、高血圧予防情報、栄養食生活情報高血圧と食生活等の参照データに重み5を付し、高血圧症改善のための運動の参照データに重み4を付し、脂質異常改善情報、脳血管障害予防情報、心疾患予防情報、肥満と健康、メタボリックシンドロームを予防する食事、食事バランスガイド、体質改善情報等の参照データに重み3を付し、脂質異常症改善のための運動等の参照データに重み2を付し、その他の参照データに重み1を付す等とする。
【0237】
また、分析の結果、対象ユーザが同じ属性の人物に比べ、肥満気味(体重が重い、体脂肪率が高い)と判定した場合、体重を減らす、体脂肪率を低減する、ことを目標と特定する。この場合、収集した参照データの中で、体重を減らす、体脂肪率を低減することに関連する参照データに対し、より大きな重みを決定する。逆に、対象ユーザが痩せ気味(筋肉が少ない)と判定した場合、筋肉をつけることに関連する参照データに対し、より大きな重みを決定する。
【0238】
例えば、上記参照データの場合、分析部523は、例えば、食事療法、栄養食生活情報、肥満と健康、メタボリックシンドロームを予防する食事、内蔵脂肪減少のための運動、体質改善情報等の参照データに対し、重み5を、高血圧予防情報等に重み3を付す。
【0239】
また、分析の結果、対象ユーザに、健康上、特に問題が見当たらない場合、健康を維持することを目標と特定する。この場合、収集した参照データの中で、健康を維持することに関連する参照データに対し、より大きな重みを決定する。例えば、歯磨き、糸ようじ等を用いた歯垢の除去、舌磨き、水分摂取量、排泄(状態、色、硬さ)、血糖値を上げないための食べる順序、運動量、等に関連する参照データに対し、より大きな重みを決定する。
【0240】
また、例えば、健康上、特に問題が見当たらないが、直近一週間の食事データを分析した結果、対象ユーザが甘いものが好き、辛いものが好き、麺類が好き、和食好き、等の嗜好を有すると判定した場合、当該嗜好に関連する参照データに対し、より大きな重みを決定する。
【0241】
また、例えば、直近一週間の食事データ、運動データおよび対象ユーザと同じ属性の人物の一般的な運動量や摂取カロリーを示す情報等を分析した結果、対象ユーザに摂取カロリーを抑えるか、運動量を増やす等の必要性があると判定した場合、当該必要性に関連する参照データに対し、より大きな重みを決定する。
【0242】
また、加工データ315を分析した結果、対象ユーザが所定の運動競技の選手と分析された場合は、その競技に関連する参照データに対し、より大きな重みを決定する。これにより、その競技特有の運動、食事のバランスを考慮した推奨メニュー等をリコメンドとして提供できる。
【0243】
リコメンド生成部524は、参照データに、分析部523が決定した重みを付し、対象ユーザに最適なリコメンドを生成する(ステップS4105)。例えば、リコメンドとして、推奨する食事メニュー、推奨する運動等を生成する。
【0244】
このとき、推奨する情報が掲載されている参照データを、リコメンドとして提示してもよい。また、リコメンド生成部524は、収集した参照データの掲載サイト情報を、リコメンドとして生成する。例えば、1日8000歩相当の運動量が必要であることを示すサイトの情報等をリコメンドとして生成する。
【0245】
なお、AI等を用いて、対象ユーザの加工データから、目標設定処理、重み付け処理を行う場合は、上記ステップS4103,4104の処理は行わなくてもよい。
【0246】
これにより、より関連度の高い文献の記載内容を反映したリコメンドを生成することができ、より、ユーザにとって、有用なリコメンドを生成することができる。
【0247】
なお、生成するリコメンドは、
図8(a)および
図8(b)に示すように、外部装置510から提供されたメニュー、診療科目等に応じて、各外部装置510を管理する参加組織名を特定したものであってもよい。例えば、リコメンドで生成した推奨食事メニューを、当該食事メニューを提供可能な参加組織(レストラン)名とともに対象ユーザの情報処理端末110に送信する。
【0248】
情報処理システム100の管理者等は、このような広告宣伝データの対価を各参加組織から徴収してもよい。
【0249】
<変形例4-1>
なお、本実施形態においても、上記第一実施形態同様、データ抽出部522は、比較対象として、予め定めた同じ属性の他のユーザ101(第二ユーザ)の加工データ315も併せて抽出してもよい。同じ属性とは、例えば、同世代、同性、同職種、同地域在住、等である。例えば、同性で同年代が、抽出対象として設定されている場合、同性かつ同年代のユーザ101の、同じく直近1週間の生体データ、食事データ、運動データ、受診データ、調剤データ、検診データを抽出する。
【0250】
この場合、分析部523は、抽出した対象ユーザの上記データから、対象ユーザの現在の健康状態を分析する。例えば、直近1週間の摂取栄養素、摂取カロリー、直近1週間の運動量、現在の健康状態、病歴、服薬状況等を分析する。そして、予め定めた基準との差を算出し、摂取すべき栄養、行うべき運動、必要な検査等を特定する。
【0251】
具体的には、例えば、分析部523が、対象ユーザの健康状態と、第二ユーザの健康状態とを比較し、目標を設定する。この場合、同カテゴリに属する他のユーザのうち、健康と判断されるユーザの加工データのみを用いてもよい。健康との判断は、加工データ315の各項目について、予め、健康と判断する、各数値範囲等を定めておくことにより行う。
【0252】
ここで、判断に用いる基準の値等は、予め専門家が設定してもよい。また、ネットワークを介して取得した最新知見を採用してもよい。採用する際に、専門家が採否を判定してもよい。また、予め専門家が設定した値を、最新の知見で更新してもよい。さらに、同じ属性のデータから、決定してもよい。すなわち、同じ属性のデータの中で、健康体と判断できる数値を有するデータを抽出し、これらのデータから、必要な数値を統計的に得る。
【0253】
また、分析部523が、同カテゴリに属する他のユーザのうち、健康と判断されるユーザの加工データ315から、同カテゴリの各健康状態を表すデータの平均値、目標値を類推してもよい。さらに、リコメンド生成部524が、第二ユーザの加工データ315を、リコメンドを生成する際の参照データとしてもよい。
【0254】
なお、本実施形態においても、対象ユーザのリコメンド生成に、他のユーザの加工データ315を用いた場合、当該他のユーザに、その旨を通知してもよい。
【0255】
<変形例4-2>
なお、本実施形態においても、リコメンド生成部524は、予め定めた時間に応じて、リコメンド内容を変化させてもよい。例えば、食事時間の直前であれば、食事メニューをリコメンドとして生成する、その他の時間帯であれば、運動メニューをリコメンドとして生成する、等、リコメンド生成部524がリコメンドを生成する時間帯、または、生成したリコメンドをユーザの情報処理端末110に送信する時間帯に応じて変化させる。なお、リコメンドを使用する時間帯について、ユーザ101から、情報処理端末110を介して指定を受け付けてもよい。
【0256】
<変形例4-3>
本実施形態においても、第一の実施形態同様、リコメンド生成部524は、リコメンド生成において、位置情報を加味してもよい。すなわち、第一実施形態同様、例えば、
図7に示すように、ユーザ101のリコメンドを生成する際、ユーザ101から位置情報を取得し、最適な飲食店やフィットネスジムを抽出する際、その位置情報を用いてもよい。具体的には、現在地から最も近いものから所定数、抽出する等である。
【0257】
このとき、分析部523は、ユーザの現在位置情報を考慮して、参照データに重みを付してもよい。ユーザ101のリコメンドを生成する際、ユーザ101の現在位置情報を取得する。参照データのうち、店舗等で位置情報が含まれるデータについて、この現在位置情報から距離的に近いものに、より大きな重みを付す。
【0258】
<変形例4-4>
参照データの関連度の度合いの特定にあたり、キーワードを用いてもよい。分析部523は、抽出データの分析結果とともに、キーワードを抽出し、参照データそのもの、あるいは、そのアブストラクトに、抽出したキーワードがより多く出現する参照データを関連度が高いと判断し、より大きな重みを付すよう決定してもよい。
【0259】
例えば、糖尿病体質と判定した場合、糖尿病に関連する用語、糖尿病、血糖値、インスリン、グリコアルブミン、HbA1c等をキーワードとして抽出する。高血圧と判定した場合、血圧、140mmHg,コレステロール、塩分、等をキーワードとして抽出する。これらのキーワードは、リコメンドエンジン501が、病名、症状名等に対応づけて、予め保持しておく。
【0260】
なお、関連度の高さの判断手法は、これらに限定されない。例えば、
図18(b)に示すように、ユーザ101が、情報処理端末110を介して、重視する事項をさらに指示するよう構成してもよい。例えば、ユーザ101が、運動に関するリコメンドを重視するとの指示をした場合、分析部523は、各参照データについて、運動に関連する参照データに、より大きな重みを付す。また、食事に関するリコメンドを重視するとの指示をした場合、分析部523は、食事に関連する参照データにより大きな重みを付す。
【0261】
このとき、ユーザによる重視する項目の指定は、リコメンド生成を要求する際に行われてもよいし、ユーザ毎に予め登録されていてもよい。このとき、重視する事項を予め複数定めておき、それぞれについて、リコメンドを生成してもよい。例えば、重視する事項を運動および食事とすると、リコメンド生成部524は、運動に関連する参照データにより大きな重みを付して生成したリコメンドと、食事に関連する参照データにより大きな重みを付して生成したリコメンドとの2種のリコメンドを生成する。
【0262】
そして、出力部525は、生成した全てのリコメンドを表示させる。このとき、表示には、それぞれ、重視した事項も併せて表示する。
【0263】
なお、分析部523は、関連度の度合いの特定にあたり、内容だけでなく、対象ユーザの年齢、性別等の属性(特性)も考慮してもよい。内容の関連度が同じであれば、より、対象ユーザの年齢に近い世代を対象とする文献に、より大きな重みを付す。また、関連度が同じであれば、対象ユーザと同じ性別を対象とする文献に、より大きな重みを付す。
【0264】
例えば、特性として、スポーツ選手等の場合、加工データ315および参照データを用いて、その競技特有の運動、食事等のバランスを考慮した推奨メニュー、運動を提供することを目標として特定してもよい。
【0265】
<変形例4-5>
なお、重み付けは、関連度以外も考慮して付してもよい。例えば、同じ関連度であれば、新しい情報に、より大きな重み付けを付してもよい。情報の新しさは、例えば、当該情報の更新日時、作成日時等で判別する。
【0266】
また、発行元の信頼度を考慮して重みを付してもよい。すなわち、リコメンドエンジン501は、情報の発行元に応じて信頼度を予め保持しておく。そして、参照データに関し、より信頼度の高い発行元が発行した参照データについては、より大きな重みを付す。なお、信頼度が保持されていない発行元が生成した情報については、最小の信頼度を付してもよい。
【0267】
これらの重み付けの基準は、任意に組み合わせて用いてもよい。また、異なる重み付けでそれぞれリコメンドを生成し、重視した項目とともに、リコメンドを複数、ユーザ101の情報処理端末110に送信してもよい。
【0268】
<変形例4-6>
また、目標の設定にあたり、重み付けを行ってもよい。この場合、分析部523は、さらに、加工データ315に重み付けを行う。検診データ、健康情報、食事データ、運動データ、生体情報データ等のうち、ユーザが指定するものに、重みを付し、目標を特定する。
【0269】
例えば、運動データに重みを付した場合、運動に関する目標を設定し、食事データに重みを付した場合、食事に関する目標を設定する、等である。
【0270】
<変形例4-7>
また、上記実施形態では、分析部523が対象ユーザの加工データ315を分析することにより、ユーザの嗜好、現状および今後の目標を特定しているが、これに限定されない。目標等は、ユーザが入力してもよいし、予め個人データ331として、登録してもよい。例えば、ユーザがダイエット中と登録する。そして、リコメンドエンジン501は、例えば、ダイエット中であれば、より低いカロリーを閾値として用いて、判定を行ったり、より低いカロリーのメニューをリコメンドするメニューとして抽出したりする。
【0271】
<変形例4-8>
また、上記実施形態では、リコメンドエンジン501は、生成したリコメンドを、ユーザ101の情報処理端末110に表示させているが、これに限定されない。
図18に示すように、ユーザ101、および/または、予め定めた外部装置510に提供するように構成してもよい。例えば、対象ユーザ101が食事をするレストラン、運動をするフィットネスジム、医療機関等の参加組織が備える外部装置510に送信する。
【0272】
具体的には、対象ユーザ101が貧困層の子供の場合、子供食堂を運営するレストランの外部装置510にリコメンドを提供する。このとき、リコメンドエンジン501は、対象ユーザ101の加工データ315から、栄養バランスの取れたメニューを提供することを目標として特定し、リコメンドを生成する。これにより、このレストランは、対象ユーザ101に、栄養のバランスが取れた食事を提供できる。
【0273】
また、対象ユーザ101が、特定の競技の運動選手の場合、ジムや併設のレストランの外部装置510にリコメンドを提供する。このとき、リコメンドエンジン501は、競技特有の運動、食事のバランスを考慮した推奨メニュー等を、それぞれ、リコメンドとして生成する。
【0274】
このとき、リコメンドエンジン501は、生成したリコメンドとともに、リコメンド送信先の情報処理端末110のアクセス情報(送信先アドレス)を外部装置510に提供してもよい。これを利用し、参加組織(外部装置510)は、例えば、当該送信先アドレスに、提供可能なメニュー、提供可能な医療検査、検診等の広告宣伝データを送信することができる。
【0275】
これにより、参加組織は、各ユーザの医療データや食事、運動データ等の高度にパーソナルな情報を扱うこと無しに、そのパーソナルな情報に基づくリコメンドを得ることができ、このリコメンドを用いて対象ユーザのニーズにマッチした広告宣伝データを、その対象ユーザに送信することができる。ユーザ側では、リコメンドの提供を受け、実際にそのリコメンドに応じた行動をとることが可能な参加組織の情報を得ることができる。
【0276】
さらに、リコメンドエンジン501は、対象ユーザ101の位置情報に応じて、送信先の外部装置510を限定してもよい。予め定めた範囲内にある外部装置510にのみ送信する。例えば、リコメンドが食事のメニューであり、外部装置510がレストランの場合、対象ユーザの現在地の近傍のレストランから、リコメンドに関連するメニューの広告を対象ユーザに送信できる。なお、この場合、リコメンドエンジン501が対象ユーザの位置情報を提供するようにしてもよい。この場合、各外部装置510を有するレストラン側で、広告を送信するか否かを判断する。
【0277】
さらに、対象ユーザは、送信先の外部装置510の種別、参加組織名等の指定を予め管理装置210に対して設定してもよい。この設定は、加工データ315に含め、リコメンドエンジン501に送信する。リコメンドエンジン501は、この設定に従って、リコメンドを送信する外部装置510を決定する。これにより、対象ユーザは、所望の参加組織からのみ、広告宣伝データを得ることができる。
【0278】
なお、リコメンドエンジン501は、対象ユーザの嗜好、行動履歴を解析し、その結果に応じて、送信する外部装置510を制限してもよい。これにより、対象ユーザは、予め設定を行うといった処理なしで、所望の参加組織からのみ、広告宣伝データを得ることができる。
【0279】
なお、上記説明では、第一実施形態をベースに記載したが、本実施形態は、第二実施形態および第三実施形態と組み合わせてもよい。
【0280】
<その他の実施形態>
なお、各装置は、1台の装置で実現されなくともよい。すなわち、各装置は、複数の装置で構成されてもよい。例えば、各装置は、複数の情報処理装置を有し、各処理を分散、並列又は冗長して行ってもよい。
【0281】
また、本発明に係る各処理の全部又は一部は、アセンブラ等の低水準言語又はオブジェクト指向言語等の高水準言語で記述され、コンピュータに情報処理方法を実行させるためのプログラムによって実現されてもよい。すなわち、プログラムは、情報処理装置又は情報処理システム等のコンピュータに各処理を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【0282】
したがって、プログラムに基づいて情報処理方法が実行されると、コンピュータが有する演算装置及び制御装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて演算及び制御を行う。また、コンピュータが有する記憶装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて、処理に用いられるデータを記憶する。
【0283】
また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されて頒布することができる。なお、記録媒体は、磁気テープ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク又は磁気ディスク等のメディアである。さらに、プログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
【0284】
また、全部または一部の機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(field-programmable gate array)などのハードウェア、回路等によって実現されてもよい。
【0285】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上記に説明した実施形態等に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、実施形態は、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0286】
100:情報処理システム、101:ユーザ、110:情報処理端末、111:CPU、112:記憶装置、113:通信装置、114:データI/F、115:入力装置、116:出力装置、117:センサ、121:データ収集部、122:データ送信部、123:データ受信部、124:出力部、125:要求部、131:一時記憶部、140:要求指示画面、141:要求領域、142:位置情報設定領域、143:使用許可項目設定領域、144:リコメンド種類設定領域、
201:管理者、210:管理装置、211:CPU、212:記憶装置、213:通信装置、214:データI/F、215:入力装置、216:出力装置、221:受付部、222:許可部、223:管理部、224:加工部、225:監視部、226:通知部、227:ウォレット管理部、
310:第一データ、311:本人データ、312:外部データ、313:ユーザデータ、315:加工データ、320:ウォレット、331:個人データ、332:生体データ、333:食事データ、334:運動データ、335:受診データ、336:調剤データ、337:検診データ、
501:リコメンドエンジン、510:外部装置、511:CPU、512:記憶装置、513:通信装置、514:データI/F、515:入力装置、516:出力装置、521:データ収集部、522:データ抽出部、523:分析部、524:リコメンド生成部、525:出力部、531:絞込基準格納部、