(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G07F 7/12 20060101AFI20231228BHJP
G07F 9/02 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
G07F7/12 A
G07F9/02 102
(21)【出願番号】P 2023018519
(22)【出願日】2023-02-09
(62)【分割の表示】P 2018140233の分割
【原出願日】2018-07-26
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】501045881
【氏名又は名称】株式会社キーソフト
(73)【特許権者】
【識別番号】596165947
【氏名又は名称】鍵和田 芳光
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(72)【発明者】
【氏名】鍵和田 芳光
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-20586(JP,A)
【文献】実開昭59-147253(JP,U)
【文献】特開2001-109953(JP,A)
【文献】特開2017-134707(JP,A)
【文献】特開平8-263729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 5/00 - 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
品を提供するための電子機器であって、
提供している品の画像を表示する第1表示部と、
前記画像を選択するための入力を受け付ける第1入力部と、
前記第1入力部を介して選択された前記画像の品の提供を受ける者を特定することができる個人情報を入力するための
第2入力部と、
前記
第2入力部によって入力された
前記個人情報を表示する第2表示部と、を備える
、
電子機器。
【請求項2】
前記個人情報は、氏名及び住所に関する情報を含む、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記品は、前記電子機器を設置した自治体からの返礼品である、
請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1表示部の表示の中には、前記個人情報の入力を促す表示が含まれている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
提供している前記品のうち、内部に収容した品が前記第1入力部を介して選択された場合に、当該品を提供する品受取口をさらに備え、
提供している前記品のうち、内部に収容されていない品が前記第1入力部を介して選択された場合、前記個人情報の入力を受け付ける、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人情報の入力を受け付ける電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
個人情報を受け付ける電子機器の一つである自動販売機には、単に対価が支払われたことを条件に内部に収容した品物を提供するものだけでなく、利用者個人を特定して品物やサービスを提供するものがある。
【0003】
特許文献1は、商品購入者が携帯している非接触媒体に記憶された個人情報を読み取ることができる自動販売機を開示している。この自動販売機は、読み取った個人情報に基づいて、商品購入者に密着した情報を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の自動販売機は、商品購入者が非接触媒体を携帯していなければ、商品購入者の個人情報を取得することは不可能である。そのため、個人を特定しなければ提供することができない商品やサービスを取り扱うことができなかった。そのために、自動販売機に個人情報を入力するための入力手段を設けたとしても、周囲の者に入力しようとする個人情報が見られることを恐れ、安心して個人情報を入力できないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、個人情報を安心して入力することができる電子機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電子機器は、
品を提供するための電子機器であって、
提供している品の画像を表示する第1表示部と、
前記画像を選択するための入力を受け付ける第1入力部と、
前記第1入力部を介して選択された前記画像の品の提供を受ける者を特定することができる個人情報を入力するための第2入力部と、
前記第2入力部によって入力された前記個人情報を表示する第2表示部と、を備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、個人情報を安心して入力することができる電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る電子機器の一つである自動販売機の斜視図。
【
図2】
図1中の“II部”で示した個人情報入力部の拡大図であり、(a)は自動販売機本体に収容された第1位置にあるときの図、(b)は個人情報の入力を受け付ける第2位置にあるときの図。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る電子機器の一つである自動販売機の構成図。
【
図4】本発明の実施の形態2に係る電子機器の一つである自動販売機の個人情報入力部に着目した斜視図であり、(a)は自動販売機本体に収容された第1位置にあるときの図、(b)は個人情報の入力を受け付ける第2位置にあるときの図。
【
図5】本発明の実施の形態3に係る電子機器の一つである自動販売機の個人情報入力部に着目した斜視図であり、(a)~(c)は第1位置から第2位置までの変化の様子を示した図。
【
図6】本発明の実施の形態4に係る電子機器の一つである自動販売機の個人情報入力部に着目した斜視図であり、(a)、(b)は第1位置から第2位置までの変化の様子を示した図。
【
図7】本発明の実施の形態5に係る電子機器の一つである自動販売機の個人情報入力部に着目した斜視図であり、(a)、(b)は第1位置から第2位置までの変化の様子を示した図。
【
図8】本発明の実施の形態6に係る電子機器の一つである自動販売機の個人情報入力部に着目した斜視図であり、(a)~(c)は第1位置から第2位置までの変化の様子を示した図。
【
図9】本発明の実施の形態7に係る電子機器の一つである自動販売機の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の好適な実施の形態に係る電子機器の一つである自動販売機を、図面を参照しながら説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電子機器の一つである自動販売機1の斜視図である。以下の説明において、発明の理解を容易にするために、
図1の手前方向を自動販売機1の前方、奥方向を自動販売機1の後方とし、自動販売機1を前方から見たときの上下左右方向をそのまま自動販売機1の上下左右方向として説明する。なお、自動販売機1は、例えば、この自動販売機1が設置されている自治体の土産物を購入することができる自動販売機である。利用者は、代金を自動販売機1に支払うことで、自動販売機1から土産物である商品を受け取ったり、後日自宅まで商品を配送してもらったりすることができる。自動販売機1は、旅行者や出張者を対象として、駅、空港、ホテル等に設置される。
【0012】
(自動販売機1の基本構成)
図1に示すように、自動販売機1は、直方体状に形成された金属製の自動販売機本体10を備えている。自動販売機本体10の前面10aには、タッチパネル20と、商品を受け取るための商品受取口30と、各種の方法で代金を支払うための支払部と、領収書を発行する領収書発行部46と、個人情報の入力を受け付ける個人情報入力部50とが配置されている。
【0013】
タッチパネル20は、第1表示部としてメインの表示部である液晶表示パネルと、入力部として画面が押圧された位置を検出する位置検出装置とを有している。タッチパネル20は、土産物である商品を表す6つの商品画像21a~21f(これらを区別しない場合には、単に商品画像21と記載する)を表示することで、販売する商品の一覧を表示している。商品画像21には、商品の他、商品の提供を受けるのに必要な代金が表記されている。また、タッチパネル20は、利用者が商品画像21を押圧すると商品の詳細を表示したり、代金を支払うまでの操作を案内したりするなど、代金を支払って商品を受け取るまでの種々の画像を表示する。このように、タッチパネル20は、自動販売機1の利用の際に供される種々の画像を表示する。なお、タッチパネル20が表示する画像は、静止画及び動画を含み、これらの画像に音声を伴わせてもよい。
【0014】
自動販売機1は、商品画像21a及び商品画像21bに表示された商品を内部に収容しており、商品を受け取るのに必要な額の代金の支払いが完了すると下部に設けられた商品受取口30から商品を提供する。一方、自動販売機1は、商品画像21c~21fに表示された商品を内部に収容していない。そのため、これらの商品が選択された場合には、後日商品を自宅等に郵便、宅配便等で配送する手続きを行う。
【0015】
自動販売機1は、支払部として、クレジットカード、電子マネー、及び現金での代金の支払いを受け付ける。クレジットカード読取機41は、クレジットカード挿入口41aを有し、挿入されたクレジットカードの情報を読み取り決済する。紙幣識別機42は、紙幣投入口42aを有し、投入された紙幣を識別する。硬貨識別機43は、硬貨投入口43aを有し、投入された硬貨を識別する。投入された紙幣及び硬貨の合計金額は、合計金額表示部44に表示される。近距離無線通信部45は、タッチされた外部のICチップと所定のプロトコルで通信する。近距離無線通信部45にタッチされたICカードに記録されている電子マネーの残高から代金を差し引くことで決済が完了する。
【0016】
個人情報入力部50は、代金を支払った者の氏名、住所等の個人情報の入力を受け付ける。個人情報入力部50に入力された個人情報は、代金を支払ったことを証明する証明書に記載されるとともに、作成された証明書を商品購入者に送付する際に用いられる。また、入力された個人情報は、自動販売機1に収容されていない商品が選択された場合に、後日商品を郵便、宅配便等で配送する際にも用いられる。
【0017】
図2は、
図1中の“II部”で示した個人情報入力部50の拡大図であり、(a)は自動販売機本体10に収容された第1位置にあるときの図、(b)は個人情報の入力を受け付ける第2位置にあるときの図である。
図2に示すように、個人情報入力部50は、タッチパネル51と、タッチパネル51を保持するタッチパネル保持部52とを備えている。
【0018】
タッチパネル51は、第2表示部としてサブの表示部である液晶表示パネルと、入力部として画面が押圧された位置を検出する位置検出装置とを有している。タッチパネル51は、ひらがな、数字、その他の文字を表示する。利用者がこれら表示された文字を押圧することで、氏名、住所、電話番号等の個人情報を入力することができる。サブの表示部を有するタッチパネル51は、メインの表示部を有するタッチパネル20より小さい。
【0019】
タッチパネル保持部52は、前後方向に移動可能に自動販売機本体10に設けられている。自動販売機本体10の前面には、タッチパネル保持部52の外形に合わせた開口10bが形成されている。タッチパネル保持部52は、開口10bを通って前後方向に移動する。タッチパネル保持部52は、断面が「コ」の字状に形成されており、底部52aと、底部52aの両縁から上方に延設された2つの遮蔽部52bとを有している。底部52aの上面には、
図2(b)に示すように凹部52cが形成されており、この凹部52cにタッチパネル51が収容され保持されている。
【0020】
タッチパネル保持部52の底部52aの前面には、利用者が指を引っ掛けてタッチパネル保持部52を前方へ引き出すための引掛部52dが形成されている。これにより、個人情報入力部50は、
図2(a)に示すように自動販売機本体10に収容された第1位置と、
図2(b)に示すように自動販売機本体10から突出した第2位置との間で移動する。個人情報入力部50が第1位置にある場合、
図2(a)に示すように、タッチパネル51の画面に触れることができず、個人情報を入力することができない。一方、個人情報入力部50が第2位置にある場合、
図2(b)に示すように、タッチパネル51の画面は露出した状態にあり、画面にタッチしてタッチパネル51を操作することが可能である。利用者は、個人情報を入力する場合、個人情報入力部50を引き出して第2位置に移動させる。なお、タッチパネル51は第2表示部と入力部とを構成要素として有していることから、タッチパネル51が移動すると第2表示部と入力部とは連動する。
【0021】
なお、個人情報入力部50が第2位置にある場合、タッチパネル51の両サイドには遮蔽板である遮蔽部52bが上方に起立した状態にある。これにより、タッチパネル51の画面が周囲の者から視認しづらくなり、個人情報が他人の目に触れることを抑制することができる。また、タッチパネル51は、タッチパネル20よりも小さく、自動販売機1の前方に立つ利用者の体で隠れてしまう。そのため、利用者は安心して個人情報を入力することができる。
【0022】
また、個人情報入力部50の直下には、自動販売機本体10から突出した支持部55が形成されている。支持部55の上面は、前方に引き出された個人情報入力部の下面と当接する。これにより、自動販売機本体10から突出した個人情報入力部50を下方から支持し、タッチパネル51をぐらつかせることなく安定させた状態で入力作業を行うことができる。
【0023】
図3は、本発明の実施の形態1に係る電子機器の一つである自動販売機の構成図である。自動販売機1は、前述したタッチパネル20、タッチパネル51、近距離無線通信部45、クレジットカード読取機41、紙幣識別機42、硬貨識別機43、及び領収書発行部46を備える他、処理部60、記憶部61、ネットワーク通信部62、及び内蔵商品提供機構63を備えている。
【0024】
タッチパネル20及びタッチパネル51は、ユーザから操作の入力を受け付けるとともに、ユーザに情報を表示する。近距離無線通信部45は、この近距離無線通信部45にタッチした外部のICチップと所定のプロトコルで通信する。クレジットカード読取機41は、挿入されたクレジットカードの情報を読み取り決済する。紙幣識別機42及び硬貨識別機43は、利用者により投入された現金の検知と、投入された現金の収納を行う。領収書発行部46は、代金が支払われたことを証明する領収書を発行する。処理部60は、プログラムの実行により種々の機能を実現するプロセッサを備えている。記憶部61は、ハードディスク等の記憶装置の記憶領域である。ネットワーク通信部62は、コンピュータネットワークを通じて外部のコンピュータと通信する。内蔵商品提供機構63は、自動販売機1に収容されている商品が選択された場合に、当該商品を商品受取口30(
図1)へと導く。
【0025】
記憶部61は、提供する商品のレコードを商品ごとに記憶する。商品のレコードの構造は、商品ごとに固有の商品識別子と、商品紹介情報と、商品代金情報と、商品付加情報と、欠品情報とを関連付ける。商品紹介情報は、商品画像と商品説明とを含む。商品代金情報は、商品の提供を受けるのに必要な代金を示す。商品付加情報は、配送地域、おすすめ商品、収容商品又は配送商品の別の情報を含む。
【0026】
(自動販売機の動作について)
次に、自動販売機1の動作について説明する。
【0027】
(商品の表示、選択)
処理部60は、収容商品及び配送商品の一覧をタッチパネル20に表示する。利用者は、タッチパネル20に表示された商品の一覧から、購入したい商品を選択する。
【0028】
(商品の受取方法)
選択した商品が配送商品であれば、その商品は自宅等の指定した住所に配送して受け取る。
【0029】
(個人情報の入力)
続いて処理部60は、個人情報入力部50(
図1)を引き出してタッチパネル51に個人情報を入力する旨の表示をタッチパネル20に行う。例えば、タッチパネル20に「右側のタッチパネル51を引き出してご入力ください」と表示する。処理部60は、タッチパネル51に、氏名、住所、電話番号を入力する旨の表示を行うとともに、ひらがな、数字、その他の文字を表示するなど、個人情報を入力するための画像を表示する。利用者がこれら表示された文字を押圧することで、氏名、住所、電話番号等の個人情報を入力することができる。タッチパネル51に個人情報が入力され、入力に誤りがないことの確認の操作がなされると、処理部60は、個人情報入力部(
図1)を押し戻して元の第1位置まで戻すことを促す表示をタッチパネル20に行う。
【0030】
続いて処理部60は、メインの表示部を有するタッチパネル20に、商品、金額、及び入力された個人情報を確認するための画面を表示する。ただし、入力された個人情報は、周囲の者に視認される恐れもあることから、一部だけを表示するようにしてもよい。あるいは、サブの表示部を有するタッチパネル51で確認済みであることから、タッチパネル20での個人情報の表示を省略してもよい。これにより、個人情報が周囲の者に見られ難く、利用者は安心して自動販売機1の操作を続けることができる。なお、商品、及び金額の確認も、サブの表示部を有するタッチパネル51で行うようにして、メインの表示部を有するタッチパネル20でこれらを行わないようにしてもよい。
【0031】
(代金の支払い)
利用者は、現金、電子マネー、あるいはクレジットカードなどで決済する。
【0032】
(配送による商品の受取)
処理部60は、配送により受け取る商品の注文をネットワーク通信部62を通じて販売者のシステムに送信し、販売者は商品を発送する。
【0033】
(領収書の発行)
処理部60は、代金の支払いが完了した後に、代金を支払ったことを証明する領収書を領収書発行部46から発行する。領収書には、代金、選択した商品、及び商品の受取方法が記載されている。
【0034】
(本発明の効果)
上記で説明した実施の形態1に係る電子機器の一つである自動販売機1は、自動販売機本体10の前面に設けられたメインの表示部を有するタッチパネル20とは別に、氏名や住所等の個人情報を入力するためのサブの表示部を有するタッチパネル51を備えている。サブの表示部を有するタッチパネル51は、メインの表示部を有するタッチパネル20よりも小さく、自動販売機1の前方に立つ利用者の体で隠すことができる。そのため、利用者は安心してタッチパネル51に個人情報を入力することができる。
【0035】
また、タッチパネル51の両サイドに、遮蔽部52bを上方に起立させている。これにより、タッチパネル51の画面が周囲の者から視認しづらくなり、個人情報が他人の目に触れることを抑制することができる。そのため、利用者は安心して個人情報を入力することができる。
【0036】
また、タッチパネル51を有する個人情報入力部50は、不使用時には自動販売機本体10に収容された第1位置にある。そのため、使用しないときに個人情報入力部50が邪魔になることがなく、自動販売機1に表示された商品を快適に選択することができる。
【0037】
また、個人情報入力部50は、タッチパネル51の両サイドに遮蔽部52bが立設した状態のまま、第1位置と第2位置との間を移動する。そのため、個人情報入力部50を引き出したときには、必ず、タッチパネル51の両サイドに遮蔽部52bが立設された状態となり、入力した個人情報が周囲の者から見られることを抑制することができる。
【0038】
また、個人情報入力部50の直下には、引き出された個人情報入力部50を下方から支持する支持部55が形成されている。これにより、個人情報入力部50をぐらつかせることなく安定させた状態で入力作業を行うことができる。
【0039】
また、個人情報を入力するタイミングで、メインの表示部を有するタッチパネル20に、個人情報入力部50(
図1)を引き出してタッチパネル51に個人情報を入力する旨の表示を行う。これにより、利用者は、タッチパネル51で個人情報を入力すべきであることを理解することができ、入力作業をスムーズに実行することができる。
【0040】
また、入力した個人情報の確認作業を、サブの表示部を有するタッチパネル51で行うことができる。これにより、個人情報が周囲の者に見られ難く、安心して自動販売機1の操作を続けることができる。さらに、タッチパネル20を操作することで購入した商品や、その商品の購入額といった私的な事項の確認もタッチパネル51で行うことができ、利用者のプライバシーを保護することができる。すなわち、タッチパネル51で、タッチパネル20にされた操作に対応する内容を確認することができる。
【0041】
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記の形態では、個人情報入力部50は前後方向に移動することで、自動販売機本体10に収容された第1位置と、自動販売機本体10から突出して個人情報を入力可能な第2位置との間で移動すると説明した。しかしながら、個人情報入力部50の動作は前後方向の移動に限定されない。次に、実施の形態2として、回動させることで第1位置と第2位置との間で移動する個人情報入力部を備えた自動販売機について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、上記実施の形態1の構成と同様の構成を多く有している。そのため、以下の実施の形態の説明では、異なる構成を中心に説明し、同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する場合があるものとする。
【0042】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係る電子機器の一つである自動販売機の個人情報入力部150に着目した斜視図であり、(a)は自動販売機本体110に収容された第1位置にあるときの図、(b)は個人情報の入力を受け付ける第2位置にあるときの図である。
【0043】
図4に示すように、個人情報入力部150は、タッチパネル51と、タッチパネル51を保持するタッチパネル保持部152とを備えている。なお、タッチパネル51の構成は、上記実施の形態1と同様であるため、同一の符号を付している。
【0044】
タッチパネル保持部152は、回動軸Rを中心に回動するように自動販売機本体110に取り付けられている。自動販売機本体110の前面には、タッチパネル保持部152の底部152aを収容するための凹部である第1収容部110aと、タッチパネル保持部152の遮蔽部152bを収容するための凹部である第2収容部110bとが形成されている。タッチパネル保持部152は、断面が「コ」の字状に形成されており、底部152aと、底部152aの両縁から立設された2つの遮蔽部152bとを有している。底部152aには凹部152cが形成されており、この凹部152cにタッチパネル51が収容され保持されている。
【0045】
タッチパネル保持部152の底部152aには、利用者が指を引っ掛けてタッチパネル保持部152を回動させるための引掛部152dが形成されている。これにより、個人情報入力部150は、
図4(a)に示すように自動販売機本体110に収容された第1位置と、
図4(b)に示すように自動販売機本体110に対して垂直な第2位置との間で移動することができる。個人情報入力部150が第2位置にある場合、
図4(b)に示すように、タッチパネル51の画面は露出した状態にあり、画面にタッチしてタッチパネル51を操作することができる。利用者は、個人情報入力部150を回動させて第2位置とすることで、個人情報を入力することができる。
【0046】
なお、タッチパネル51の両サイドに設けられた遮蔽板である遮蔽部152bについては、実施の形態1における遮蔽部52bと同様である。
【0047】
なお、タッチパネル保持部152の底部152aには、回動するタッチパネル保持部152を所定位置で停止させるための2つの支持部155が形成されている。
図4(a)に示すように、2つの支持部155は、それぞれ当接面155aを有している。この当接面155aが自動販売機本体110の前面に当接することで、タッチパネル保持部152の回動が停止する。そして、
図4(b)に示すように個人情報入力部150が、支持部155により支持され第2位置にある状態が保持される。これにより、タッチパネル51をぐらつかせることなく安定させた状態で入力作業を行うことができる。このようにして第2位置に移動してきた個人情報入力部150の重心位置は、第1位置にある個人情報入力部150の重心位置よりも前方に位置している。すなわち、個人情報入力部150は、
図4(a)から
図4(b)に示す回動をすることによって、前方へと移動する。なお、タッチパネル保持部152の回動を停止させる方法としては、上記に限定されない。例えば、タッチパネル保持部152の左右に金属製の扇型の支えを取り付け、タッチパネル保持部152が水平の状態にまで開いたときに支えが伸びきって停止させる方法を採用してもよい。
【0048】
このように、個人情報を入力しない場合には、第1収容部110aと第2収容部110bとに個人情報入力部150を収容することができる。そのため、使用しないときに個人情報入力部150が邪魔になることがなく、自動販売機に表示された商品を快適に選択することができる。
【0049】
また、個人情報を入力する場合には、引掛部152dに指を引っ掛けて個人情報入力部150を回動させるだけでよく、個人情報入力部150を第1位置から第2位置へ容易に移動させることができる。その他の効果についても、上記実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0050】
(実施の形態3)
上記実施の形態では、自動販売機本体に個人情報入力部の収容部を形成している場合について説明した。しかしながら、自動販売機本体にこのような収容部を設けることなく、個人情報入力部を自動販売機本体の表面に取り付ける態様としてもよい。
図5は、本発明の実施の形態3に係る電子機器の一つである自動販売機の個人情報入力部に着目した斜視図であり、(a)~(c)は第1位置から第2位置までの変化の様子を示した図である。
【0051】
図5に示すように、個人情報入力部250は、タッチパネル51と、タッチパネル51を保持するタッチパネル保持部252と、タッチパネル保持部252に回動可能に取り付けられた遮蔽板253、254とを備えている。タッチパネル51の構成は、上記したタッチパネルの構成と同様である。
【0052】
タッチパネル保持部252は、ピン260を介して取付プレート261、262に回動可能に支持されている。なお、取付プレート261、262は、自動販売機本体210の前面に取り付けられている。これによりタッチパネル51は、
図5(a)に示すように自動販売機本体210の表面に接した起立した状態と、
図5(b)に示すように自動販売機本体210に対して垂直な状態との間で変化する。
【0053】
遮蔽板253、254は、例えば不透明な合成樹脂から形成されており、3cm~5cmの幅Wを有している。遮蔽板253、254は、タッチパネル保持部252の左右両サイドに回動可能に取り付けられている。これにより、遮蔽板253、254は、
図5(b)に示すようにタッチパネル51上に倒れ込んだ状態と、
図5(c)に示すようにタッチパネル51の両サイドで起立した状態との間で変化する。
【0054】
個人情報入力部250の直下には、自動販売機本体210から突出した支持部255が形成されている。支持部255の上面は、倒れてきた個人情報入力部250の下面と当接する。これにより、個人情報入力部250をぐらつかせることなく安定させた状態で入力作業を行うことができる。
【0055】
個人情報入力部250は、個人情報を入力しないとき、
図5(a)に示すように自動販売機本体210の表面を覆う起立した状態にされる。個人情報を入力するとき、利用者は、個人情報入力部250を矢印Y1の方向に
図5(b)に示す位置まで回動させる。そして、遮蔽板253を矢印Y2の方向に回動させて起立させるととともに、遮蔽板254を矢印Y3の方向に回動させて起立させる。これにより、
図5(c)に示すように、タッチパネル51の両サイドに、Wの高さを有する遮蔽板253、254を起立させることができる。なお、遮蔽板253、254は、不透明な材料から形成されていることから、左右の者からタッチパネル51の画面を視認させづらくすることができる。その他の効果についても上記の形態と同様である。
【0056】
(実施の形態4)
上記実施の形態3において、遮蔽板253、254は、回動可能な構成とされ個人情報を入力しない時にはタッチパネル51上に倒れた状態にあった。しかしながら、遮蔽板は、回動可能な構成とせずに常に起立した状態とすることもできる。
図6は、本発明の実施の形態4に係る電子機器の一つである自動販売機の個人情報入力部に着目した斜視図であり、(a)、(b)は第1位置から第2位置までの変化の様子を示した図である。なお、支持部255は、
図5に示す支持部255と同様の構成であるため、同じ符号を付している。
【0057】
図6(a)、(b)に示すように、個人情報入力部350は、遮蔽板353、354をタッチパネル保持部352から起立させた状態のまま、第1位置(
図6(a))と第2位置(
図6(b))との間を回動する。利用者は、個人情報を入力するときに、個人情報入力部350を矢印Y4の方向に回動させて、
図6(b)に示す水平となる位置まで移動させる。これにより、
図6(b)に示すように、タッチパネル51の両サイドに、Wの高さを有する遮蔽板353、354が起立し、左右の者からタッチパネル51の画面を視認させづらくすることができる。
【0058】
なお、
図6(a)に示すように、個人情報入力部350が第1位置にある場合、後方に向けて遮蔽板353、354が起立した状態にあるため、タッチパネル51の画面は遮蔽板353、354の幅W以上、自動販売機本体310の表面から離間する。すなわち、
図6(a)に示す個人情報入力部350は、遮蔽板253、254が倒れた状態にある
図5(a)に示す個人情報入力部250よりも前方に位置することになる。そのため、個人情報入力部350を回動可能に支持する取付プレート361、362は、
図5に示す取付プレート261、262よりも大きく前方に突出するように形成される。例えば、
図6に示すものよりも幅の大きな遮蔽板を採用する場合には、取付プレート361、362をより長くして、自動販売機本体310の表面から前方に大きく突出させるようにすればよい。
【0059】
(実施の形態5)
上記において、遮蔽板は、タッチパネル保持部に取りつけられて、タッチパネル保持部とともに移動する形態について説明した。しかしながら、遮蔽板を、タッチパネル保持部と物理的に分離させて一緒に動作させない構成を採用することもできる。
図7は、本発明の実施の形態5に係る電子機器の一つである自動販売機の個人情報入力部に着目した斜視図であり、(a)、(b)は第1位置から第2位置までの変化の様子を示した図である。
【0060】
図7に示すように、個人情報入力部450は、タッチパネル51と、タッチパネル51を保持するタッチパネル保持部452とを備えている。タッチパネル保持部452の左右両サイドには、遮蔽板453、454が配置されている。遮蔽板453、454は、矩形状のプレートからなり、一端が自動販売機本体410に固定されている。遮蔽板453、454にはピン460が設けられており、遮蔽板453、454はピン460を介してタッチパネル保持部452を回動可能に支持している。
【0061】
個人情報入力部450は、個人情報を入力しないとき、
図7(a)に示すように自動販売機本体410の表面を覆う起立した第1位置にある状態にされる。個人情報を入力するとき、利用者は、個人情報入力部450を矢印Y5の方向に回動させ、
図7(b)に示す第2位置まで移動させる。これにより、個人情報入力部450の両サイドに、遮蔽板453、454を起立させた状態とすることができる。このように、遮蔽板453、454は、第2位置まで移動してきた個人情報入力部450の両サイドに起立する位置に予め配置されている。これにより、個人情報を入力する際に、個人情報入力部450の両サイドに必ず遮蔽板453、454を起立することになるので、利用者は安心して個人情報を入力することができる。
【0062】
(実施の形態6)
上記実施の形態5においては、自動販売機本体に固定されて動かない遮蔽板について説明した。しかしながら、個人情報入力部から分離した遮蔽板を独立で動作させる構成を採用することもできる。
図8は、本発明の実施の形態6に係る電子機器の一つである自動販売機の個人情報入力部に着目した斜視図であり、(a)~(c)は第1位置から第2位置までの変化の様子を示した図である。
【0063】
図8に示すように、個人情報入力部550は、タッチパネル51と、タッチパネル51を保持するタッチパネル保持部552とを備えている。また、タッチパネル保持部552の左右両サイドには、遮蔽板553、554が配置されている。遮蔽板553、554は、矩形状のプレートからなる。
【0064】
タッチパネル保持部552及び遮蔽板553、554は、それぞれが独立して回動可能なようにピン560を介して取付プレート561、562に支持されている。取付プレート561、562は、自動販売機本体510の前面に取り付けられて不動である。
【0065】
個人情報入力部550は、個人情報を入力しないとき、
図8(a)に示すように自動販売機本体510の表面を覆う起立した第1位置にある。同様に、遮蔽板553、554も起立した状態にされる。そして個人情報を入力するとき、利用者は、個人情報入力部550を矢印Y6の方向に回動させ
図8(b)に示す第2位置まで移動させる。続いて、利用者は、遮蔽板553を矢印Y7の方向に回動させるとともに、遮蔽板554を矢印Y8の方向に回動させる。回動させた遮蔽板553、554は、やがて支持部255に当接して、
図8(c)に示す位置で停止する。これにより、個人情報を入力する際に、個人情報入力部550の両サイドに遮蔽板553、554を起立させることができるので、利用者は安心して個人情報を入力することができる。
【0066】
上記実施の形態3~6(
図5~8を用いて説明)においては、個人情報入力部を自動販売機本体の外側に取り付けた電子機器について説明した。しかしながら、第1位置にある個人情報入力部及び遮蔽板を、
図4に示すように、自動販売機本体に形成された凹部である収容部に収容する形態を採用してもよい。この場合、実施の形態4(
図6)及び実施の形態6(
図8)においては、
図4に示す形態と同様に、タッチパネル保持部用の収容部と遮蔽板用の収容部とを設ければよい。一方、実施の形態3(
図5)においては、個人情報入力部が第1位置にある場合に遮蔽板は倒れた状態にあるため、遮蔽板用の収容部を別途設ける必要がない。また、実施の形態5(
図7)においても、遮蔽板は自動販売機本体から突出した状態で不動であるため、遮蔽板用の収容部を自動販売機本体に別途設ける必要がない。
【0067】
また、個人情報入力部の移動態様は、上記実施の形態1~6で説明した形態に限定されない。例えば、個人情報入力部が第1位置にある場合に、操作画面は前方(利用者側)を向くように自動販売機本体に取り付け、個人情報入力部の下方を手前側に引き上げて操作画面が上方を向くように移動させることで、個人情報入力部を第2位置へ移動させる構成であってもよい。この構成により、個人情報入力部の下部を引き上げて第2位置へ移動させることで前方へと移動する。このように、個人情報入力部は、個人情報の入力を受けつけない第1位置にある状況では、画面を前方に向けて周囲の者から視認しやすい状態にある。個人情報入力部がこのような状態にある場合、メインの表示部を有するタッチパネルに商品を紹介する画像を表示するようにしてもよい。一方、個人情報の入力を受け付ける第2位置にある個人情報入力部は、サブの表示部を有するタッチパネルの画面が利用者の視線を向くように上方に向けられている。そのため、利用者はタッチパネルの画面を視認しやすい一方で、周囲の者はタッチパネルの画面は視認しづらい。そのため、利用者は安心してタッチパネルに個人情報を入力することができる。さらに、タッチパネルの画面に視野角を制限するフィルムを貼付することで、左右の者から画面を視認しづらくしてもよい。また、広視野角表示と狭視野角表示とを切り替えることができるタッチパネルを採用して、個人情報を入力する際にはソフトウェアのプログラムによって狭視野角表示となるように表示を切り替えるようにしてもよい。
【0068】
また、上記実施の形態2~6では、個人情報を入力しない場合に操作画面が自動販売機本体側を向くように配置し、個人情報を入力するときに個人情報入力部の上部を手前に引いて操作画面が上方を向くように移動させた。しかしながら、操作画面とは反対の面が自動販売機本体の表面に接する状態で個人情報入力部を取り付け、下部を手前に引き上げることで個人情報入力部を第2位置へ移動させる構成であってもよい。
【0069】
また、上記実施の形態1~6では、タッチパネルがタッチパネル保持部を介して自動販売機本体に移動可能に取り付けられている場合について説明した。しかしながら、タッチパネルの取り付け方はこのような形態に限定されるものではなく、例えばタッチパネルが直接自動販売機本体に移動可能に取り付けられた形態であってもよい。この場合、タッチパネルを第2位置で停止させるストッパは、タッチパネルの背面に直接設置すればよい。このような構成を採用する場合、タッチパネルそのものが、個人情報入力部を構成することになる。
【0070】
また、上記実施の形態1~6では、個人情報を入力するための装置としてタッチパネルを有していると説明したが、その他の装置を採用することもできる。例えば、キーボードと、キーボードの入力内容を確認することができる表示装置とを備えた個人情報入力装置を採用してもよい。この場合においても、キーボードと表示装置とを連動させて、第1位置と第2位置との間で移動させればよい。
【0071】
また、上記実施の形態1~6では、個人情報入力部は手動で第1位置と第2位置との間を移動させていたが、別途個人情報入力部を移動させる駆動部を設けてもよい。これにより、個人情報を入力するタイミングで個人情報入力部が自動で動くために、動作する個人情報入力部に気づき、次にやるべき操作が個人情報を入力する操作であると認識させることができる。そのため、個人情報の入力手続きをスムーズに実行させることができる。また、個人情報の入力が完了した後は、駆動部により個人情報入力部を自動で第2位置から第1位置へと移動させる。また、
図5に示す遮蔽板253、254の動作も、手動に限定されず、遮蔽板253、254を動作させる駆動部を設けて、個人情報を入力するタイミングに合わせて自動で遮蔽板253、254を動作させてもよい。
【0072】
また、上記実施の形態1~6において、個人情報を入力するタイミングでは、メインの操作画面を有するタッチパネル20に、個人情報の入力を促す画像を表示してもよい。一例として、タッチパネル20に、「氏名、住所、電話番号を入力してください」という文字を表示し、それと同時にあるいはその後に、個人情報入力部を第1位置から第2位置へ自動で移動させてもよい。また、手入力、ICカード、あるいは携帯アプリ等で入力した個人情報に誤りがあり、タッチパネル20において個人情報を修正する旨の操作がなされると、個人情報入力部を第1位置から第2位置へ自動で移動させるようにしてもよい。また、サブの表示部を有するタッチパネルで、商品、金額、及び入力された個人情報を確認する場合においても、メインの表示部を有するタッチパネルに、確認を促す画像や映像を表示してもよい。一例として、タッチパネルに「右側のタッチパネル51をご確認ください」という文字を表示し、それと同時にあるいはその後に、個人情報入力部を第1位置から第2位置へ自動で移動させてもよい。また、利用者による確認が完了した場合には、個人情報入力部を第2位置から第1位置へ自動で移動させてもよい。
【0073】
また、タッチパネルの両サイドに設けた遮蔽部のそれぞれは、一枚のプレート状の遮蔽板であると説明したが、他の形態のものであってもよい。例えば、遮蔽部を互いにスライド可能な複数枚のプレートから構成し、個人情報入力部が第2位置にある時に、重なり合ったプレートをスライドさせて上方に向けて延設させる構成であってもよい。
【0074】
また、タッチパネルの両サイドに設けた遮蔽部において、その前後方向の長さはタッチパネルの前後方向の長さ以上に設定されており、タッチパネルの両サイド全域が遮蔽部に覆われていた。しかしながら、遮蔽部は、このような態様に限定されず、例えば、タッチパネルの文字等を入力する入力部を覆うことなく、表示部に対応する奥側の範囲のみ(例えば、奥側半分だけ)に設置する態様であってもよい。これにより、入力部への入力作業が遮蔽部に邪魔されることなく容易に行うことができる。
【0075】
また、自動販売機の右側が壁面に密着して設置される場合、右方からタッチパネルの表示部が視認される恐れはない。このような場合、右側の遮蔽部を省略することができる。同様に、左方からタッチパネルの表示部が視認される恐れがない場合には、左側の遮蔽部を省略することができる。さらに、自動販売機がカーテンで覆われていたり、利用者の後方に人が入れないような位置に自動販売機が配置されたりする場合、タッチパネルの表示部が視認される恐れがないことから、左右の遮蔽部を省略することができる。
【0076】
また、上記実施の形態1に係る電子機器の一つである自動販売機1の自動販売機本体10には、「コ」の字状のタッチパネル保持部52の形状に合わせた開口10bが形成されていると説明した。すなわち、開口10bも「コ」の字状に形成されていた。しかしながら、自動販売機本体10に形成する開口の形状は任意であり、例えば、矩形状の開口を形成するようにしてもよい。こうすることで、個人情報入力部50が自動販売機本体10に収容された第1位置にあったとしても、開口を通してタッチパネル51を視認することができる。これにより、個人情報を入力する際、スムーズにタッチパネル51をみつけて個人情報を入力することができる。なお、自動販売機本体10に形成した開口に、開閉可能な蓋を設置してもよい。これにより、開口からの塵や埃の進入を抑制することができる。個人情報を入力するときには、蓋を開いて個人情報入力部50を引き出すようにすればよい。なお、このように設置する蓋を透明な材料から形成してよい。これにより、蓋が閉じた状態にあったとしてもタッチパネル51を視認することができ、スムーズに個人情報の入力を行うことができる。
【0077】
また、個人情報入力部を下方から支持する支持部は、
図2に示す支持部55や、
図4に示す支持部155の態様に限定されない。例えば、2本の金具が回転可能に接続された支持部であって、互いに平行な状態から一方の金具を90°回転させてL字状をなす状態に変化させることが可能な支持部を採用してもよい。この場合、一方の金具を自動販売機本体に取り付け、他方の金具に個人情報入力部を取り付ければよい。これにより、個人情報入力部の下方を引き上げて、2本の金具をL字状をなす状態で固定することで、操作画面が上方を向いた姿勢で個人情報入力部を固定することができる。これにより、個人情報入力部を支持部によって支持することができる。
【0078】
また、上記実施の形態1~6では、個人情報を入力するためのタッチパネルが第2位置にある場合、画面は上方に向けられるものとして説明した。しかしながら、第2位置にある時のタッチパネルの画面が向く方向は任意であり、以下で前方に画面を向けた状態で個人情報を入力する自動販売機について説明する。
【0079】
(実施の形態7)
図9は、本発明の実施の形態7に係る電子機器の一つである自動販売機の概略図である。なお、
図9に示す自動販売機600は、発明の理解を容易にするために、メインの表示部を有するタッチパネル620と、サブの表示部を有するタッチパネル650とを図示し、それ以外の構成については図示を省略している。
【0080】
図9に示すように、自動販売機本体610の前面610aには、タッチパネル620とタッチパネル650とが並んで配置されている。タッチパネル620とタッチパネル650は、前面610aに固定されているため不動である。そのため、タッチパネル650は、画面を前方に向けたまま個人情報が入力される。
【0081】
タッチパネル650の両サイドには、前面610aから立設した遮蔽板651、652が設けられている。この遮蔽板651、652は、前面610aから立設された状態で固定されたものであってもよいし、通常時には自動販売機本体610に収容され個人情報を入力する際には引き出して用いられるものであってもよい。これにより、タッチパネル650の両サイドに遮蔽板651、652を立設させた状態で、個人情報を入力することができる。
【0082】
このように遮蔽板651、652を設けることで、自動販売機600の左右の方向にいる者からタッチパネル650に入力された内容を視認されにくくすることができる。また、サブの表示部を有するタッチパネル650は、小さいために自動販売機600の前方に立つ利用者の体によって前方が覆われる。そのため、自動販売機600の前方にいる者からも、個人情報が入力されるタッチパネル650を視認することができない。これにより、利用者は安心してタッチパネル650に個人情報を入力することができる。なお、タッチパネル650が前方にいる利用者の体によって十分に隠れることで、左右の者からも視認されにくい場合には、遮蔽板651、652を省略することができる。また、タッチパネル650の画面に視野角を制限するフィルムを貼付することで、左右の者から画面を視認しづらくしてもよい。また、広視野角表示と狭視野角表示とを切り替えることができるタッチパネル650を採用して、個人情報を入力する際にはソフトウェアのプログラムによって狭視野角表示に表示を切り替えるようにしてもよい。このようにすることで、周囲の者からタッチパネル650の画面を視認しにくくすることができ、利用者は安心して個人情報を入力することができる。
【0083】
なお、遮蔽板は、タッチパネル650の左右のみに設けたが、タッチパネル650の上方に設けてもよい。また、タッチパネル650をタッチパネル620の右側に配置した例について説明したが、タッチパネル650の配置は任意である。例えば、タッチパネル620の下方に設けてもよい。この場合、タッチパネル650が上方から覗かれやすくなることから、遮蔽板をタッチパネル650の上方に設けるようにすればよい。
【0084】
また、上記実施の形態1~7において、個人情報を入力するための装置は、電子機器の一つである自動販売機に備えられているものとして説明したが、このような態様に限定されるものではない。例えば、個人情報を入力する場面で、自動販売機に無線あるいは有線の通信で繋げた利用者のスマートフォンあるいはタブレット型端末(以下、これらの総称としてモバイル端末と記載する)に個人情報の入力画面を表示するようにしてもよい。利用者は、モバイル端末に個人情報を入力し送信することにより、個人情報を自動販売機のシステムに登録することができる。このようにして自動販売機に登録された個人情報を、メインの表示部を有するタッチパネルに表示してもよい。これにより、利用者は入力した個人情報に誤りがないか確認することができる。なお、メインの表示部を有するタッチパネルに表示する個人情報は、周囲の者に視認される恐れもあることから、一部だけを表示するようにしてもよい。
【0085】
あるいは、モバイル端末にインストールしたアプリを用いて個人情報を入力してもよい。入力した個人情報はサーバーに送られ、サーバーから自動販売機あるいは自動販売機のバックヤードシステムに送信される。
【0086】
あるいは、個人情報を入力する場面で、メインの表示部を有するタッチパネルに、個人情報を入力する画面のアドレスを含んだ二次元コードを表示してもよい。利用者は、モバイル端末で表示された二次元コードを読み込み、個人情報入力システムにアクセスしたモバイル端末から個人情報を入力することができる。
【0087】
このように、利用者が有するモバイル端末を用いることで、利用者は安心して個人情報を入力することができる。なお、モバイル端末で個人情報を入力する手段を設けたとしても、モバイル端末を持っていない者に配慮して上述した個人情報を入力するための装置を自動販売機が備えるようにしてもよい。
【0088】
また、上記実施の形態1~7に係る電子機器の一つである自動販売機は、金銭の支払いを受けて選択された商品を商品受取口から提供したり、あるいは配送によって商品を提供したりするためのものであると説明したが、その他の用途にも用いることができる。例えば、自動販売機が設置された自治体に対する税金の支払いを受け付けるとともに、税金の支払いに対する返礼品を提供する自動販売機として用いてもよい。この場合、タッチパネルに表示される商品画像には、返礼品の画像と、その返礼品を受けるのに必要な納税額とが表示される。
【0089】
また、個人情報入力部の構成は、自動販売機への適用のみに限定されず、個人情報を入力する各種の電子機器に適用することができる。例えば、公共の場に設置されたデジタルサイネージに個人情報入力部を適用してもよいし、現金自動預け払い機に適用してもよいし、空港に設置された自動チェックイン機に適用してもよいし、飲食店に設置された順番待ちの受付機に適用してもよい。これらの各種機器が公共の場に設置されていたとしても、他人の目に触れることなく個人情報を入力することができる。
【0090】
以上、実施の形態1~7の電子機器の様々な特徴について説明してきたが、これらの特徴を適宜組み合わせて電子機器を構成してもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 自動販売機、10 自動販売機本体、20 タッチパネル、21 商品画像、41クレジットカード読取機、42 紙幣識別機、43 硬貨識別機、45 近距離無線通信部、46 領収書発行部、50 個人情報入力部、51 タッチパネル、52 タッチパネル保持部、52b 遮蔽部、55 支持部、60 処理部、61 記憶部