(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】天井点検口
(51)【国際特許分類】
E04F 19/08 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
E04F19/08 101G
(21)【出願番号】P 2019236157
(22)【出願日】2019-12-26
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】田中 和靖
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雅弘
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-074181(JP,A)
【文献】特開2013-204397(JP,A)
【文献】登録実用新案第3170755(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0116994(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 19/08
E04B 9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井構造体に固定される外枠と、
前記外枠との連結部を支点として室内の側で開閉される内枠と、
前記外枠に設けられ、前記内枠に向けて突出する被係止部と、
前記内枠に設けられ、前記外枠に向けて突出する係止部を有する係止具と、
を備え、
前記係止具は、前記被係止部の鉛直方向の上方に前記係止部が位置する第1位置と、前記被係止部の鉛直方向の上方に前記係止部が位置しない第2位置との間で移動可能に前記内枠に保持されており、
前記係止具は、前記被係止部の一部と係合する爪部を有し、
前記爪部は、前記第1位置において前記係止部と前記被係止部とが接触しているときに前記被係止部の一部と係合することにより前記第1位置から前記第2位置への前記係止部の移動を妨げるロック状態となるとともに、
前記係止具が鉛直方向の上方に移動されることにより、前記爪部と前記被係止部の一部との係合が解除され、前記係止部の前記第1位置から前記第2位置への移動が可能であるロック解除状態となる、天井点検口。
【請求項2】
前記係止具は、前記ロック状態のときに、前記外枠よりも内側の空間に位置する、請求項1に記載の天井点検口。
【請求項3】
前記係止具は、前記室内に露出する操作部を有し、
前記被係止部の少なくとも一部は、前記ロック状態のときに、前記係止部と前記操作部との間に位置する、請求項1又は2に記載の天井点検口。
【請求項4】
前記内枠は、前記室内に面する蓋板を支持し、
前記係止具の一部と前記蓋板の一部とは、前記係止具の移動時の摺動面と平行で、かつ、前記係止具の前記第1位置と前記第2位置との間の移動方向とは垂直な方向で延伸する一軸上にある、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の天井点検口。
【請求項5】
前記内枠は、前記室内に面する下縁フランジを有し、
前記係止具は、前記第1位置と前記第2位置との間の移動方向に沿う溝部を有し、
前記溝部は、前記下縁フランジに係合する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の天井点検口。
【請求項6】
前記被係止部を有する被係止具を備え、
前記外枠は、前記被係止具を取り付ける取付孔を有する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の天井点検口。
【請求項7】
前記連結部の一部として、互いに同軸上の反対方向に突出する2つの回転軸と、
前記連結部の一部として、それぞれ、2つの前記回転軸のいずれか一方を回転自在に係合させる軸溝部を含む2つの軸受部と、を備え、
2つの前記回転軸は、前記内枠に設置され、
2つの前記軸受部は、前記外枠に設置される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の天井点検口。
【請求項8】
前記軸溝部は、
前記内枠の開閉時の前記回転軸の移動範囲を規定する第1軸溝と、
前記内枠の挿脱時の前記回転軸の移動範囲を規定する第2軸溝と、
前記第1軸溝での前記回転軸の移動方向とは異なる方向から前記第1軸溝と連通し、かつ、前記第2軸溝での前記回転軸の移動方向とは異なる方向から第2軸溝と連通する第3軸溝と、を含み、
前記第2軸溝での前記回転軸の前記移動範囲の一端は、外部に開放される、請求項7に記載の天井点検口。
【請求項9】
前記第1軸溝は、前記内枠が閉扉状態から開扉状態に移行するにつれて前記回転軸の鉛直方向での高さ位置が低くなり、前記内枠が開扉状態からへ閉扉状態に移行するにつれて前記回転軸の鉛直方向での高さ位置が高くなる方向に傾斜している、請求項8に記載の天井点検口。
【請求項10】
前記第2軸溝は、鉛直方向に沿っており、
前記第2軸溝での前記回転軸の前記移動範囲の一端は、鉛直方向の上方で外部に開放される、請求項8又は9に記載の天井点検口。
【請求項11】
前記軸受部は、それぞれ、前記軸溝部の穿設方向とは垂直な平面を主平面とする第1平板部材と第2平板部材とを重ね合わせて形成される、請求項7乃至10のいずれか1項に記載の天井点検口。
【請求項12】
前記外枠は、前記軸受部の一部を組み合わせる軸受部用孔を有し、
前記軸受部は、前記一部を前記軸受部用孔に貫通させた状態で、前記第1平板部材と前記第2平板部材とで前記
外枠の一部を挟み込むことで、前記外枠に取り付けられる、請求項11に記載の天井点検口。
【請求項13】
前記内枠は、それぞれ同一形状の4つの内枠条片を組み合わせて形成される、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の天井点検口。
【請求項14】
前記外枠は、それぞれ同一形状の4つの外枠条片を組み合わせて形成される、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の天井点検口。
【請求項15】
前記外枠は、それぞれ同一形状の4つの外枠条片を組み合わせて形成され、
前記外枠条片は、長手方向の中心を基準として互いに対称となる2組の前記軸受部用孔を有し、
前記軸受部は、4つの前記外枠条片に設けられているすべての前記軸受部用孔に設置される、請求項12に記載の天井点検口。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井点検口に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井裏に設置されている配線や配管等を室内側から点検する際に利用される天井点検口がある。一般に、天井点検口は、天井裏側にある天井構造体に固定される外枠体と、外枠体に対して開閉可能な内枠体とを備える。特許文献1は、内枠体側に支持されて天井面と平行な方向でスライド可能な係止具の一部が、外枠体側に設けられているフランジに噛み合うことでロック状態となり、内枠体が閉じられた閉扉状態となる天井点検口の掛止装置を開示している。係止具は、室内に露出する操作部を有する。作業者は、室内側から操作部をつまんで移動させることで、係止具をスライドさせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている掛止装置では、閉扉状態において、不用意に係止具がスライドしてロックが解除されないように、係止具に設けられている凹陥部と、内枠に設けられている隆起部とを係合させている。しかし、ロック状態のときに、不用意に天井面と平行な方向に沿った大きな力が操作部にかかると、凹陥部と隆起部との係合が解除され、内枠体が開くおそれがある。
【0005】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、不用意にロック状態からロック解除状態へと移行することを回避するのに有利な天井点検口を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の態様に係る天井点検口は、天井構造体に固定される外枠と、外枠との連結部を支点として室内の側で開閉される内枠と、外枠に設けられ、内枠に向けて突出する被係止部と、内枠に設けられ、外枠に向けて突出する係止部を有する係止具と、を備え、係止具は、被係止部の鉛直方向の上方に係止部が位置する第1位置と、被係止部の鉛直方向の上方に係止部が位置しない第2位置との間で移動可能に内枠に保持されており、係止具は、被係止部の一部と係合する爪部を有し、爪部は、第1位置において係止部と被係止部とが接触しているときに被係止部の一部と係合することにより第1位置から第2位置への係止部の移動を妨げるロック状態となるとともに、係止具が鉛直方向の上方に移動されることにより、爪部と被係止部の一部との係合が解除され、係止部の第1位置から第2位置への移動が可能であるロック解除状態となる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、不用意にロック状態からロック解除状態へと移行することを回避するのに有利な天井点検口を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る天井点検口を室内側から見た斜視図である。
【
図2】一実施形態に係る天井点検口を天井裏側から見た斜視図である。
【
図3】天井板に設置されていない状態の天井点検口の斜視図である。
【
図4】天井点検口に含まれる外枠体の斜視図である。
【
図6】天井点検口に含まれる内枠体の斜視図である。
【
図8】係止具及び被係止具の近傍で切断した天井点検口の断面図である。
【
図9】天井点検口に含まれる被係止具の斜視図である。
【
図10】天井点検口に含まれる係止具の斜視図である。
【
図11】ロック状態での係止具の第1位置を示す図である。
【
図12】ロック解除状態での係止具の第2位置を示す図である。
【
図13】天井点検口に含まれる軸受部の斜視図である。
【
図14】内枠の状態ごとの回転軸の移動範囲を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態に係る天井点検口について詳細に説明する。なお、本実施形態に示す寸法、材料、その他、具体的な数値や設置数等は例示にすぎず、特に断る場合を除き、本実施形態を限定するものではない。
【0010】
図1は、本実施形態に係る天井点検口1を室内側から見た斜視図である。
図2は、天井点検口1を天井裏側から見た斜視図である。
図1以下の各図では、一例として、鉛直方向に沿って下方から上方に向かう方向をZ方向と規定する。特に以下の説明では、鉛直方向の上方を「上」と表現し、それに対して、鉛直方向の下方を「下」と表現する場合がある。また、Z方向に垂直な水平面内において、X方向と、X方向に垂直なY方向とを規定する。
【0011】
天井点検口1は、天井板100に予め形成されている開口部103に設置される開閉装置である。天井点検口1は、例えば、天井裏に設置されている配線や配管等を室内側から点検する際に利用される。天井点検口1は、天井裏側にある不図示の天井構造体に固定される外枠体10(
図4参照)と、外枠体10に対して開閉可能な内枠体12(
図6参照)とを備える。内枠体12は、
図1に概略的に示すように、室内側の領域で開閉する。
【0012】
(天井板及び蓋板)
天井板100は、一例として、天井裏側に面する第1天井下地板101と、室内側に面する第1天井仕上板102とが互いに張り合わされて形成されている。天井板100は、
図1及び
図2では水平面上での外形が矩形であるものとして描画されているが、実際には室内の天井面全体を覆っている。開口部103の平面形状は、正方形である。
【0013】
一方、天井点検口1の内枠体12には、蓋板50(
図7参照)が保持される。蓋板50は、一例として、天井裏側に面する第2天井下地板51と、室内側に面する第2天井仕上板52とが互いに張り合わされて形成されている。蓋板50の平面形状は、開口部103の形状に合わせて正方形である。ただし、本実施形態では、第2天井仕上板52の平面形状の方が第2天井下地板51の平面形状よりも大きい。第1天井下地板101と第2天井下地板51とは、それぞれ同一材質であってもよい。第1天井仕上板102と第2天井仕上板52とは、それぞれ同一材質であってもよい。本実施形態では、第1天井下地板101と第2天井下地板51との厚さは互いに同一である。また、第1天井仕上板102と第2天井仕上板52との厚さは互いに同一である。
【0014】
(外枠体)
図3は、天井板100に設置されていない状態の天井点検口1の斜視図である。
図4は、
図3に示す状態の天井点検口1のうち外枠体10のみを示す斜視図である。
図5は、
図4に示す状態の外枠体10を個々の構成要素に分解した斜視図である。
図3~
図5は、すべて天井裏側から見た図である。
【0015】
外枠体10は、外形が矩形状となるように形成された外枠20を備える。外枠20は、第1外枠条片21と、第2外枠条片22と、第3外枠条片23と、第4外枠条片24との4つの外枠条片を組み合わせて形成される。以下、第1外枠条片21と第2外枠条片22とは、それぞれY方向に沿って配置され、互いにX方向で対向しているものとする。一方、第3外枠条片23と第4外枠条片24とは、それぞれX方向に沿って配置され、互いにY方向で対向しているものとする。本実施形態では、第1外枠条片21、第2外枠条片22、第3外枠条片23及び第4外枠条片24の各形状は、それぞれ同一である。
【0016】
第1外枠条片21は、例えばアルミニウム合金製の金属板に折り曲げや切削等の各種加工を施すことで形成される条片である。第1外枠条片21は、第1平板部21aと、第1上縁フランジ21bと、第1下縁フランジ21cと、2つの第1側板21dとを有する。
【0017】
第1平板部21aは、第1外枠条片21の本体部分である。本実施形態では、第1平板部21aは、YZ平面と平行となる姿勢に維持される。
【0018】
また、第1平板部21aは、以下のような複数種類の貫通部を有する。
【0019】
第1の貫通部として、第1平板部21aは、後述する被係止具80を取り付ける第1取付孔21eを有する。第1取付孔21eの開口形状は矩形である。本実施形態では、第1取付孔21eは、第1平板部21aの長手方向のおおよそ中心にある。なお、後述するが、その他の外枠条片である第2外枠条片22~第4外枠条片24も、それぞれ第1取付孔21eに対応する取付孔を有する。しかし、本実施形態では、実際に被係止具80の被取付部として用いられるのは、第1取付孔21eのみである。
【0020】
第2の貫通部として、第1平板部21aは、後述する第1天板押さえ25を取り付ける2つの第1スリット21fを有する。第1スリット21fは、鉛直方向であるZ方向を長手方向とする。本実施形態では、2つの第1スリット21fは、第1平板部21aの長手方向の中心を基準として対称な位置に配置される。
【0021】
第3の貫通部として、第1平板部21aは、後述する第1軸受部41又は第2軸受部42の取り付けに際して用いられる2つの第1配置溝21gを有する。このうち、1つの第1配置溝21gは、第1軸受部41が取り付けられる部位にあり、第1軸受部41において軸溝部41hを形成する軸溝壁41a
1を配置する。もう1つの第1配置溝21gは、第2軸受部42が取り付けられる部位にあり、第2軸受部42において軸溝部42hを形成する軸溝壁42a
1を配置する。なお、第1軸受部41及び第2軸受部42は、それぞれ、
図13及び
図14で例示する第8軸受部48と同一形状である。したがって、軸溝壁41a
1及び軸溝壁42a
1は、それぞれ不図示であるが、
図14に示す第8軸受部48における軸溝壁48a
1と同一部位かつ同一形状である。本実施形態では、第1配置溝21gの形状は、軸溝壁41a
1及び軸溝壁42a
1の形状に合わせている。第1配置溝21gの形状を軸溝壁41a
1等の形状に合わせることで、第1平板部21aに形成される溝の大きさを可能な限り小さくすることができるので、第1外枠条片21の剛性の低下を抑える点で有利となる。また、本実施形態では、2つの第1配置溝21gは、第1平板部21aの長手方向の中心を基準として互いに対称で、かつ、長手方向のいずれかの端部の近傍にある。
【0022】
第4の貫通部として、第1平板部21aは、さらに第1軸受部41又は第2軸受部42の取り付けに際して用いられる2組の第1配置孔21hを有する。このうち、1組の第1配置孔21hには、第1軸受部41に含まれる第1平板部材41a又は第2平板部41bの一部が貫通する。もう1組の第1配置孔21hには、第2軸受部42に含まれる第1平板部材42a又は第2平板部材42bの一部が貫通する。第1平板部材41a又は第2平板部41b、及び、第1平板部材42a又は第2平板部材42bは、それぞれ
図14に示す第1平板部材48a又は第2平板部材48bと同一部位かつ同一形状である。本実施形態では、2組の第1配置孔21hは、第1平板部21aの長手方向の中心を基準として対称な位置で、かつ、長手方向のいずれかの端部の近傍にある。なお、本実施形態では、
図5に示すように、1組には2つの第1配置孔21hが含まれるが、1つの軸受部の設置位置に対して1つずつ第1配置孔21hが設けられていてもよい。
【0023】
特に、上記の第1配置溝21g及び第1配置孔21hは、ともに、第1軸受部41又は第2軸受部42の取り付けに際して各軸受部の一部を組み合わせる軸受部用孔である。
【0024】
第1上縁フランジ21bは、第1平板部21aの上縁に、第1平板部21aの長手方向であるY方向に沿って設けられる。第1上縁フランジ21bは、第1平板部21aの上縁から、天井板100の取付側に向かうように折り曲げられている。
【0025】
第1下縁フランジ21cは、第1平板部21aの下縁に、長手方向に沿って設けられる。第1下縁フランジ21cは、第1平板部21aの下縁から、天井板100の取付側に向かうように折り曲げられている。
【0026】
ここで、第1外枠条片21は、第1上縁フランジ21b及び第1下縁フランジ21cが設けられることで、第1上縁フランジ21b及び第1下縁フランジ21cが設けられない場合よりも、例えば剛性を向上させる点で有利となる。また、第1下縁フランジ21cは、
図1に示すように室内に露出する。なお、第1下縁フランジ21cについては、
図8を用いた以下の説明でも触れる。
【0027】
2つの第1側板21dは、第1平板部21aの長手方向の両端部に1つずつ設けられる。一方の第1側板21dは、第1平板部21aの一方の端部から、第1外枠条片21と隣り合う一方の外枠条片である第3外枠条片23に向かうように折り曲げられている。この一方の第1側板21dは、第3外枠条片23の第3平板部23aに接続される。他方の第1側板21dは、第1平板部21aの他方の端部から、第1外枠条片21と隣り合う他方の外枠条片である第4外枠条片24に向かうように折り曲げられている。この他方の第1側板21dは、第4外枠条片24の第4平板部24aに接続される。第1側板21dと第3平板部23a又は第4平板部24aとの接続は、ネジ等の締結部材を用いて締結されてもよいし、溶接により接続されてもよい。また、2つの第1側板21dは、互いに異なる形状であってもよい。
【0028】
第2外枠条片22は、第2平板部22aと、第2上縁フランジ22bと、第2下縁フランジ22cと、2つの第2側板22dとを有する。第2平板部22aは、第2取付孔22eと、2つの第2スリット22fと、2つの第2配置溝22g、2組の第2配置孔22hとを有する。第2外枠条片22の形状は第1外枠条片21と同一であるので、これらの各部は、第1外枠条片21の各部に対応する。
【0029】
第3外枠条片23は、第3平板部23aと、第3上縁フランジ23bと、第3下縁フランジ23cと、2つの第3側板23dとを有する。第3平板部23aは、第3取付孔23eと、2つの第3スリット23fと、2つの第3配置溝23g、2組の第3配置孔23hとを有する。第3外枠条片23の形状は第1外枠条片21と同一であるので、これらの各部は、第1外枠条片21の各部に対応する。
【0030】
第4外枠条片24は、第4平板部24aと、第4上縁フランジ24bと、第4下縁フランジ24cと、2つの第4側板24dとを有する。第4平板部24aは、第4取付孔24eと、2つの第2スリット24fと、2つの第4配置溝24g、2組の第4配置孔24hとを有する。第4外枠条片24の形状は第1外枠条片21と同一であるので、これらの各部は、第1外枠条片21の各部に対応する。
【0031】
また、外枠体10は、各外枠条片のそれぞれにいずれか1つが接続される4つの天板押さえと、複数の第1取付ネジ29とを備える。
【0032】
天板押さえは、天井板100に鉛直方向の上方から接触して、天井板100に対して天井点検口1の姿勢を安定させる。本実施形態では、4つの天板押さえのうち、第1外枠条片21に接続される第1天板押さえ25と、第2外枠条片22に接続させる第2天板押さえ26とは、互いに同一形状である。一方、第3外枠条片23に接続される第3天板押さえ27と、第4外枠条片24に接続させる第4天板押さえ28とは、互いに同一形状である。
【0033】
第1天板押さえ25は、例えば鋼製の金属板に折り曲げや切削等の各種加工を施すことで形成され、Y方向を長手方向とした金具である。第1天板押さえ25は、第1平板部25aと、第1上縁フランジ25bと、第1下縁フランジ25cとを有する。
【0034】
第1平板部25aは、第1天板押さえ25の本体部分である。第1天板押さえ25が第1外枠条片21に接続されたときには、第1平板部25aは、第1外枠条片21の第1平板部21aと平面同士で接触する。
【0035】
また、第1平板部25aは、以下のような複数種類の貫通部を有する。
【0036】
第1の貫通部として、第1平板部25aは、第1外枠条片21の第1取付孔21eに取り付けられている被係止具80との接触を回避するための第1回避孔25dを有する。ただし、第1回避孔25dの一部は、第1上縁フランジ25b又は第1下縁フランジ25cの一部に到達していてもよい。これにより、天井板100の厚さに合わせて第1天板押さえ25のZ方向の位置を調整したときに、被係止具80が第1上縁フランジ25b又は第1下縁フランジ25cと接触することを回避することができる。
【0037】
第2の貫通部として、第1平板部25aは、第1天板押さえ25が第1外枠条片21に接続されたときに、第1外枠条片21の2つの第1スリット21fに対向する2つの第1ネジ穴25eを有する。2つの第1取付ネジ29は、それぞれ、外枠20の内側から第1スリット21fを通り、対応する第1ネジ穴25eに締結されることで、第1天板押さえ25が第1外枠条片21に接続される。ここで、第1スリット21fは、Z方向を長手方向としているので、天井板100の厚さに合わせて第1天板押さえ25のZ方向の位置を調整し、適切な高さ位置で第1天板押さえ25を第1外枠条片21に接続させることができる。
【0038】
第1上縁フランジ25bは、第1平板部21aの上縁に、第1平板部21aの長手方向であるY方向に沿って設けられる。第1上縁フランジ25bは、第1平板部25aの上縁から、天井板100の取付側に向かうように折り曲げられている。
【0039】
第1下縁フランジ25cは、第1平板部25aの下縁に、長手方向に沿って設けられる。第1下縁フランジ25cは、第1平板部25aの下縁から、天井板100の取付側に向かうように折り曲げられている。第1下縁フランジ25cは、天井板100の平面と平行であり、天井板100の天井裏側の表面、すなわち、本実施形態では第1天井下地板101の天井裏側の表面と面接触する。
【0040】
ここで、第1天板押さえ25は、第1下縁フランジ25cに加えて第1上縁フランジ25bが設けられることで、第1上縁フランジ25bが設けられない場合よりも、例えば剛性を向上させる点で有利となる。
【0041】
また、上記の構成によれば、天井板100は、第1外枠条片21にある第1下縁フランジ21cと、第1天板押さえ25にある第1下縁フランジ25cとにより、Z方向で挟み込まれる(
図8参照)。ここで、例えば、天井板100の一部を、ボルト35等を用いて第1天板押さえ25に対して固定し、安定化させることで、第1外枠条片21にある第1下縁フランジ21cの第1幅W1を狭くしてもよい。このように第1幅W1を狭くすることは、室内側から天井点検口1を見たときに、第1下縁フランジ21cを目立たなくすることができるので、意匠性の観点から有利となる。
【0042】
第2天板押さえ26は、第2平板部26aと、第2上縁フランジ26bと、第2下縁フランジ26cとを有する。第2平板部26aは、第2回避孔26dと、2つの第2ネジ穴26eとを有する。第2天板押さえ26の形状は第1天板押さえ25と同一であるので、これらの各部は、第1天板押さえ26の各部に対応する。
【0043】
第3天板押さえ27は、第3平板部27aと、第3上縁フランジ27bと、第3下縁フランジ27cと、2つの第1吊り金具27fとを有する。第3平板部27aは、第3回避孔27dと、2つの第3ネジ穴27eとを有する。第3天板押さえ27の形状は、第3上縁フランジ27b以外は第1天板押さえ25と同一であるので、これらの各部のうち第3上縁フランジ27b以外は、第1天板押さえ26の各部に対応する。
【0044】
また、2つの第1吊り金具27fは、第3上縁フランジ27bの長手方向両端部それぞれから鉛直方向上方に設けられる。第1吊り金具27fは、第3上縁フランジ27bと連続する長板部であり、第1吊り金具27fの長手方向に沿った第1取付スリット27gを有する。2つの第1吊り金具27fは、それぞれ、例えば、第1取付スリット27gに通された蝶ボルト31を介して取付金具30を保持する。取付金具30は、ボルト等を介して不図示の天井構造体に天井点検口1を支持させる。なお、取付金具30の形状等は特に限定されるものではない。ここで、第1取付スリット27gは、Z方向を長手方向としているので、天井板100と天井構造体との間の距離に合わせて天井点検口1のZ方向の位置を調整し、適切な高さ位置で天井点検口1を天井構造体に支持させることができる。また、取付金具30は、作業者が直接回転させることができる蝶ボルト31を用いて第1吊り金具27fに保持されるので、天井構造体に対する取り付け作業の容易性が向上する。
【0045】
第4天板押さえ28は、第4平板部28aと、第4上縁フランジ28bと、第4下縁フランジ28cと、2つの第2吊り金具28fとを有する。第4平板部28aは、第4回避孔28dと、2つの第4ネジ穴28eとを有する。2つの第2吊り金具28fは、それぞれ第2取付スリット28gを有する。第4天板押さえ28の形状は第3天板押さえ27と同一であるので、これらの各部は、第3天板押さえ27の各部に対応する。
【0046】
なお、それぞれ外枠体10側に取り付けられる被係止具80及び第1軸受部41等の8つの軸受部については、それぞれ内枠体12側に取り付けられる係止具90及び第1回転軸71等の2つの回転軸と併せて、以下で詳説する。
【0047】
(内枠体)
図6は、
図3に示す状態の天井点検口1のうち内枠体12のみを示す斜視図である。
図7は、
図6に示す状態の内枠体12を個々の構成要素に分解した斜視図である。
図6及び
図7は、すべて天井裏側から見た図である。
【0048】
内枠体12は、外形が矩形状となるように形成された内枠60を備える。内枠60は、第1内枠条片61と、第2内枠条片62と、第3内枠条片63と、第4内枠条片64との4つの内枠条片を組み合わせて形成される。以下、第1内枠条片61と第2内枠条片62とは、閉扉状態では、それぞれY方向に沿って配置され、互いにX方向で対向しているものとする。一方、第3内枠条片63と第4内枠条片64とは、閉扉状態では、それぞれX方向に沿って配置され、互いにY方向で対向しているものとする。本実施形態では、第1内枠条片61、第2内枠条片62、第3内枠条片63及び第4内枠条片64の各形状は、それぞれ同一である。
【0049】
第1内枠条片61は、例えばアルミニウム合金製の金属板に折り曲げや切削等の各種加工を施すことで形成される条片である。第1内枠条片61は、第1上平板部61aと、第1上縁フランジ61bと、第1段部61cと、第1下平板部61dと、第1下縁フランジ61eと、2つの第1側板61fとを有する。
【0050】
第1上平板部61aは、第1内枠条片61の本体部分である。本実施形態では、第1上平板部61aは、閉扉状態のときにYZ平面と平行となる姿勢に維持される。
【0051】
また、第1上平板部61aは、以下のような複数種類の貫通部を有する。
【0052】
第1の貫通部として、第1上平板部61aは、後述する係止具90の一部である第2爪部97を貫通かつ係合させる第1係合孔61hを有する。第1係合孔61hの開口形状は、第1上平板部61aの長手方向であるY方向に沿って細長いスリット状である。本実施形態では、第1係合孔61hは、第1上平板部61aの長手方向のおおよそ中心にある。なお、その他の内枠条片である第2内枠条片62~第4内枠条片64も、それぞれ第1係合孔61hに対応する係合孔を有する。しかし、本実施形態では、実際に係止具90の被係合部として用いられるのは、第1係合孔61hのみである。
【0053】
第2の貫通部として、第1上平板部61aは、後述する第1蓋板押さえ65を取り付ける2つの第1スリット61iを有する。第1スリット61iは、閉扉状態では、鉛直方向であるZ方向を長手方向とする。本実施形態では、2つの第1スリット61iは、第1上平板部61aの長手方向の中心を基準として対称な位置に配置される。
【0054】
第3の貫通部として、第1上平板部61aは、2つの第1貫通孔61jを有する。本実施形態では、2つの第1貫通孔61jは、第1上平板部61aの長手方向の中心を基準として対称な位置に配置され、かつ、長手方向のいずれかの端部の近傍にある。
【0055】
なお、第2内枠条片62~第4内枠条片64も、それぞれ第1貫通孔61jに対応する貫通孔を有する。ここで、本実施形態では、第3内枠条片63にある2つの第3貫通孔63jのうち、X方向マイナス側に相当する第1内枠条片61から遠い側の第3貫通孔63jに、第1回転軸71が設置される。また、第4内枠条片64にある2つの第4貫通孔64jのうち、第1内枠条片61から遠い側の第4貫通孔64jに、第2回転軸72が設置される。一方、第3内枠条片63にある2つの第3貫通孔63jのうち、X方向プラス側に相当する第1内枠条片61に近い側の第3貫通孔63jに、第1内枠押さえ75が設置される。第4内枠条片64にある2つの第4貫通孔64jのうち、第1内枠条片61に近い側の第4貫通孔64jに、第2内枠押さえ76が設置される。つまり、本実施形態では、実際には、2つの第1貫通孔61jにはなんら部材が取り付けられていない。
【0056】
第1上縁フランジ61bは、第1上平板部61aの上縁に、第1上平板部61aの長手方向であるY方向に沿って設けられる。第1上縁フランジ61bは、第1上平板部61aの上縁から、近接する第1外枠条片21側に向かうように折り曲げられている。
【0057】
また、第1上縁フランジ61bは、係止具90の一部である上部突起部96を貫通させる第1案内孔61gを有する。ただし、第1案内孔61gの一部は、第1上平板部61aの一部に到達していてもよい。第1案内孔61gの開口形状は、第1上平板部61aの長手方向であるY方向に沿って細長いスリット状である。本実施形態では、第1案内孔61gは、第1上平板部61aの長手方向のおおよそ中心にある。第1案内孔61gは、第1内枠条片61に対して係止具90のY方向での移動範囲を規定する。なお、第2内枠条片62~第4内枠条片64も、それぞれ第1案内孔61gに対応する案内孔を有する。しかし、本実施形態では、実際に係止具90の案内部として用いられるのは、第1案内孔61gのみである。
【0058】
第1段部61cは、第1上平板部61aと第1下平板部61dとの間にあり、第1上平板部61aに対して、第1下平板部61dを第1外枠条片21側に近接させる。第1段部61cは、第1上平板部61a及び第1下平板部61dに対して直交する平板部であってもよい。
【0059】
第1下平板部61dは、第1上平板部61aと平行であり、閉扉状態では、第1上平板部61aよりも室内側に位置する。本実施形態では、第1下平板部61dと、第2内枠条片62~第4内枠条片64に含まれる各下平板部とで囲まれる領域に第2天井仕上板52が保持される。
【0060】
第1下縁フランジ61eは、第1上平板部61aの下縁に、長手方向に沿って設けられる。第1下縁フランジ61eは、第1上平板部61aの下縁から、近接する第1外枠条片21側に向かうように折り曲げられている。第1内枠条片61は、第1上縁フランジ61b及び第1下縁フランジ61eが設けられることで、第1上縁フランジ61b及び第1下縁フランジ61eが設けられない場合よりも、例えば剛性を向上させる点で有利となる。また、第1下縁フランジ61eは、
図1に示すように室内に露出する。なお、第1下縁フランジ61eについては、
図8を用いた以下の説明でも触れる。
【0061】
2つの第1側板61fは、第1上平板部61aの長手方向の両端部に1つずつ設けられる。一方の第1側板61fは、第1上平板部61aの一方の端部から、第1内枠条片61と隣り合う一方の内枠条片である第3内枠条片63に向かうように折り曲げられている。この一方の第1側板61fは、第3内枠条片63の第3上平板部63aに接続される。他方の第1側板61fは、第1上平板部61aの他方の端部から、第1内枠条片61と隣り合う他方の内枠条片である第4内枠条片64に向かうように折り曲げられている。この他方の第1側板61fは、第4内枠条片64の第4上平板部64aに接続される。第1側板61fと第3上平板部63a又は第4上平板部64aとの接続は、ネジ等の締結部材を用いて締結されてもよいし、溶接により接続されてもよい。また、2つの第1側板61fは、互いに異なる形状であってもよい。
【0062】
第2内枠条片62は、第2上平板部62aと、第2上縁フランジ62bと、第2段部62cと、第2下平板部62dと、第2下縁フランジ62eと、2つの第2側板62fとを有する。第2上平板部62aは、第2係合孔62hと、2つの第2スリット62iと、第2貫通孔62jとを有する。第2上縁フランジ62bは、第2案内孔62gを有する。第2内枠条片62の形状は第1内枠条片61と同一であるので、これらの各部は、第1内枠条片61の各部に対応する。
【0063】
第3内枠条片63は、第3上平板部63aと、第3上縁フランジ63bと、第3段部63cと、第3下平板部63dと、第3下縁フランジ63eと、2つの第3側板63fとを有する。第3上平板部63aは、第3係合孔63hと、2つの第3スリット63iと、第3貫通孔63jとを有する。第3上縁フランジ63bは、第3案内孔63gを有する。第3内枠条片63の形状は第1内枠条片61と同一であるので、これらの各部は、第1内枠条片61の各部に対応する。
【0064】
第4内枠条片64は、第4上平板部64aと、第4上縁フランジ64bと、第4段部64cと、第4下平板部64dと、第4下縁フランジ64eと、2つの第4側板64fとを有する。第4上平板部64aは、第4係合孔64hと、2つの第4スリット64iと、第4貫通孔64jとを有する。第4上縁フランジ64bは、第4案内孔64gを有する。第4内枠条片64の形状は第1内枠条片61と同一であるので、これらの各部は、第1内枠条片61の各部に対応する。
【0065】
また、内枠体12は、各内枠条片のそれぞれにいずれか1つが接続される4つの蓋板押さえと、複数の第2取付ピン69とを備える。
【0066】
蓋板押さえは、蓋板50に鉛直方向の上方から接触して蓋板50を保持する。つまり、内枠60は、4つの蓋板押さえを介して蓋板50を支持する。蓋板押さえは、蓋板50を接着で保持してもよいし、不図示のボルトを用いて締結することで保持してもよい。4つの蓋板押さえは、第1内枠条片61に接続される第1蓋板押さえ65、第2内枠条片62に接続させる第2蓋板押さえ66、第3内枠条片63に接続される第3蓋板押さえ67、及び、第4内枠条片64に接続させる第4蓋板押さえ64である。本実施形態では、これらの蓋板押さえは互いに同一形状である。
【0067】
第1蓋板押さえ65は、例えば鋼製の金属板に折り曲げや切削等の各種加工を施すことで形成され、Y方向を長手方向とした金具である。第1蓋板押さえ65は、第1平板部65aと、第1上縁フランジ65bと、第1下縁フランジ65cとを有する。
【0068】
第1平板部65aは、第1蓋板押さえ65の本体部分である。第1蓋板押さえ65が第1内枠条片61に接続されたときには、第1平板部65aは、第1内枠条片61の第1上平板部61aと平面同士で接触する。
【0069】
また、第1平板部65aは、以下のような複数種類の貫通部を有する。
【0070】
第1の貫通部として、第1平板部65aは、第1内枠条片61に保持されている係止具90との接触を回避するための第1回避孔65dを有する。ただし、第1回避孔65dの一部は、第1下縁フランジ65cの一部に到達していてもよい。これにより、第1内枠条片61の第1係合孔61hから貫通又は係合されている係止具90の第2爪部97が第1下縁フランジ65cと接触することを回避することができる。
【0071】
第2の貫通部として、第1平板部65aは、第1蓋板押さえ65が第1内枠条片61に接続されたときに、第1内枠条片61の2つの第1スリット61iに対向する2組の第1ピン穴65eを有する。2つの第2取付ピン69は、それぞれ、内枠60の外側から第1スリット61iを通り、対応するいずれかの第1ピン穴65eに係合されることで、第1蓋板押さえ65が第1内枠条片61に固定される。ここで、第1スリット61iは、閉扉状態では、Z方向を長手方向としているので、蓋板50の厚さに合わせて第1蓋板押さえ65のZ方向の位置を調整し、適切な高さ位置で第1蓋板押さえ65を第1内枠条片61に固定させることができる。また、本実施形態では、1組の第1ピン穴65eには、2つの第1ピン穴65eが鉛直方向に沿って並列されている。したがって、第2取付ピン69を1組の第1ピン穴65eのうちのいずれに係合させるかを選択することによっても、適切な高さ位置で第1蓋板押さえ65を第1内枠条片61に固定させることができる。
【0072】
第1上縁フランジ65bは、第1平板部65aの上縁に、第1平板部65aの長手方向であるY方向に沿って設けられる。第1上縁フランジ65bは、第1平板部65aの上縁から、蓋板50の取付側に向かうように折り曲げられている。
【0073】
第1下縁フランジ65cは、第1平板部65aの下縁に、長手方向に沿って設けられる。第1下縁フランジ65cは、第1平板部65aの下縁から、蓋板50の取付側に向かうように折り曲げられている。第1下縁フランジ65cは、蓋板50の平面と平行であり、蓋板50の天井裏側の表面、すなわち、本実施形態では第2天井下地板51の天井裏側の表面と面接触する。
【0074】
ここで、第1蓋板押さえ65は、第1下縁フランジ65cに加えて第1上縁フランジ65bが設けられることで、第1上縁フランジ65bが設けられない場合よりも、例えば剛性を向上させる点で有利となる。
【0075】
第2蓋板押さえ66は、第2平板部66aと、第2上縁フランジ66bと、第2下縁フランジ66cとを有する。第2平板部66aは、第2回避孔66dと、2組の第2ピン穴66eとを有する。第2蓋板押さえ66の形状は第1蓋板押さえ65と同一であるので、これらの各部は、第1蓋板押さえ65の各部に対応する。
【0076】
第3蓋板押さえ67は、第3平板部67aと、第3上縁フランジ67bと、第3下縁フランジ67cとを有する。第3平板部67aは、第3回避孔67dと、2組の第3ピン穴67eとを有する。第3蓋板押さえ67の形状は第1蓋板押さえ65と同一であるので、これらの各部は、第1蓋板押さえ65の各部に対応するので、詳細説明を省略する。
【0077】
第4蓋板押さえ68は、第4平板部68aと、第4上縁フランジ68bと、第4下縁フランジ68cとを有する。第4平板部68aは、第4回避孔68dと、2組の第4ピン穴68eとを有する。第4蓋板押さえ68の形状は第1蓋板押さえ65と同一であるので、これらの各部は、第1蓋板押さえ65の各部に対応する。
【0078】
さらに、内枠体12は、第1回転軸71と第2回転軸72との2つの回転軸と、第1内枠押さえ75と第2内枠押さえ76との2つの内枠押さえとを備える。
【0079】
第1回転軸71及び第2回転軸72は、それぞれ、外枠20と内枠60との連結部の一部であり、以下で詳説する軸受部に係合する。なお、本実施形態における連結部は、内枠体12の開閉時には回転軸を中心に軸受部側が旋回することになるので、ヒンジ部とも表現される。第1回転軸71及び第2回転軸72は、例えば、ねじ切り部の先端が円柱状に加工されたボルトである。
【0080】
第1回転軸71と第2回転軸72とは、互いに同軸上の反対方向に突出するように内枠60に設置される。本実施形態では、第1回転軸71は、上記の通り、第3内枠条片63にある2つの第3貫通孔63jのうち、第1内枠条片61から遠い側の第3貫通孔63jに設置される。このとき、第1回転軸71は、先端が第3内枠条片63の内側から外側に向かうように第3貫通孔63jに貫通された後、ナット73及び座金74により締結されることで、第3内枠条片63に固定される。同様に、第2回転軸72は、上記の通り、第4内枠条片64にある2つの第4貫通孔64jのうち、第1内枠条片61から遠い側の第4貫通孔64jに設置される。このとき、第2回転軸72は、先端が第4内枠条片64の内側から外側に向かうように第4貫通孔64jに貫通された後、ナット73及び座金74により締結されることで、第4内枠条片64に固定される。ここで、第3内枠条片63と第4内枠条片64とは、互いに同一形状であり、かつ、互いに対向している。したがって、第1回転軸71と第2回転軸72とは、それぞれ上記のように設置されることで、Y方向に沿って延伸する同一軸上に存在することになる。
【0081】
第1内枠押さえ75及び第2内枠押さえ76は、内枠体12の開閉時に外枠20に内枠60が直接的に接触することを回避させるための保護部材である。第1内枠押さえ75及び第2内枠押さえ76は、樹脂製であってもよい。本実施形態では、第1内枠押さえ75は、上記の通り、第3内枠条片63にある2つの第3貫通孔63jのうち、閉扉状態のときに第1内枠条片61に近い側の第3貫通孔63jに、第3内枠条片63の外側から設置される。同様に、第2内枠押さえ76は、上記の通り、第4内枠条片64にある2つの第4貫通孔64jのうち、閉扉状態のときに第1内枠条片61に近い側の第4貫通孔64jに、第4内枠条片64の外側から設置される。
【0082】
なお、内枠体12側に取り付けられる係止具90については、被係止具80と併せて、以下で詳説する。
【0083】
(係止機構)
図8は、
図2に示すVIII-VIII部に対応した、係止具90及び被係止具80の近傍で切断した天井点検口1の部分断面図である。
【0084】
係止機構は、天井点検口1の閉扉状態と開扉状態とを切り替える機構であり、特に閉扉状態のときには、外枠体10に対して内枠体12を保持させる。本実施形態における係止機構は、外枠体10側に設置される被係止具80と、内枠体12側に保持される係止具90との組み合わせである。被係止具80及び係止具90は、樹脂製又は金属製であってもよい。
【0085】
図9は、被係止具80の形状を示す斜視図である。
図9(a)は、内枠体12側から見た図である。
図9(b)は、天井板100側から見た図である。
【0086】
被係止具80は、本体81に各種の面や爪部が設けられたブロック状部材である。被係止具80は、第1外枠条片21の第1取付孔21eに設置される。以下、被係止具80が第1取付孔21eに設置されている状態を想定して、被係止具80の形状について説明する。
【0087】
被係止具80では、第1外枠条片21の第1平板部21aに対して平行なZ方向とY方向との長さに対して、第1平板部21aに対して垂直なX方向の厚さが小さい。被係止具80は、本体81のうち、少なくとも、第1取付孔21eから外枠20の内側に向けて突出する部分に、被係止面81aを有する。被係止面81aは、鉛直方向であるZ方向の上方に向かう水平面である。なお、被係止具80では、被係止面81aを有する突出部が被係止部となる。
【0088】
また、被係止具80は、Z方向の下方に、第1平板部21aの一部を挟み込む、第1爪部83と第2爪部84との組み合わせを有する。第1爪部83は、第1平板部21aの内側に位置し、第2爪部84は、第1平板部21aの外側に位置する。本実施形態では、第1爪部83は、Y方向に沿って2つある。第2爪部84は、Y方向に沿って2つの第1爪部83の間にある。被係止具80が第1取付孔21eに設置されている状態では、第1爪部83にある第1爪面83aと第2爪部84にある第2爪面84aとが、
図8に示すように、X方向で第1平板部21aの一部を挟んで対向する。
【0089】
また、被係止具80は、Z方向の上方に、第1平板部21aの外側に位置する上壁部82を有する。上壁部82は、第1平板部21aの外側からX方向で第1平板部21aの外面側と対向する上壁面82aを有する。一方、第1爪部83にある第1爪面83aは、第2爪部84の第2爪面84aと対向する高さよりも、さらに上方に延伸し、第1平板部21aの内側からX方向で第1平板部21aの内面側と対向する。上壁部82のY方向の幅は、2つの第1爪部83のY方向での最外端同士を結んだ幅よりも小さい。
【0090】
この場合、被係止面81aと、第1爪部83又は第2爪部84の先端部とをZ方向に沿って結んだ長さは、第1取付孔21eのZ方向の開口幅よりも長い。被係止面81aと、第1爪部83又は第2爪部84の底部とをZ方向に沿って結んだ長さは、第1取付孔21eのZ方向の開口幅よりも短い。一方、2つの第1爪部83のY方向での最外端同士を結んだ長さは、第1取付孔21eのY方向の開口幅よりも長い。上壁部82のY方向の幅は、第1取付孔21eのY方向の開口幅よりも短い。
【0091】
被係止具80は、上記のような条件を満たすように形成されることで、被係止面81aの少なくとも一部を第1取付孔21eから外枠20の内側に向けて突出させることができる。また、被係止具80は、第1取付孔21eに対してXYZの各方向で移動が規制されるので、第1取付孔21eからの脱落が抑止される。特に、閉扉状態において、被係止面81aにZ方向の下方に向かう力が加わっても、上壁部82が第1平板部21aの外面側に当接するので、被係止具80の脱落は、より抑止される。
【0092】
また、第2爪部84は、弾性変形によりZ方向に変位できる材質及び形状で構成されている。これにより、作業者は、第1取付孔21eに対してワンタッチで被係止具80を取り付けることができる。
【0093】
図10は、係止具90の形状を示す斜視図である。
図10(a)は、外枠体10側から見た図である。
図10(b)は、蓋板50側から見た図である。
【0094】
係止具90は、2つの平板状部が互いにおおよそ平行となるように組み合わされた平板状部材である。係止具90は、第1内枠条片61の外面に沿った姿勢で第1内枠条片61に保持され、閉扉状態のときに、第1外枠条片21と第1内枠条片61とに挟まれる空間に位置するように配置される。以下、係止具90が第1内枠条片61に保持されている状態を想定して、係止具90の形状について説明する。
【0095】
係止具90は、Z方向の上方にある第1平板状部91と、下方にある第2平板状部92とを組み合わせた概略形状を有する。このうち、第1平板状部91は、
図8に示すように、第1内枠条片61の第1上平板部61aと平行となる状態で対向する。第2平板状部92は、第1内枠条片61の第1下平板部61dと平行となる状態で対向する。つまり、閉扉状態では、第1内枠条片61から第1外枠条片21に向かうX方向では、第2平板状部92は、第1平板状部91よりも第1外枠条片21に近い位置にある。
【0096】
第1平板状部91は、上面91aに上部突起部96を有する。上部突起部96は、上記の通り、第1内枠条片61に形成されている第1案内孔61gに貫通される。第1平板状部91は、上面91aと対向する位置に下面91bを有する。下面91bは、第1内枠条片61の第1段部61cと対向する。
【0097】
第2平板状部92の上端は、下面91bの側方から第1平板状部91の下端に連続している。第2平板状部92の下端は、操作部93である。
【0098】
操作部93は、室内側にいる作業者が内枠体12を開閉させるときに、係止具90を移動させるためにつまむ部分である。したがって、操作部93は、
図8に示すように、閉扉状態でも室内に露出する。また、係止具90は、第1内枠条片61の第1下縁フランジ61eの端部に対向し、Y方向に沿って延伸する溝部93aを有する。溝部93aは、第1下縁フランジ61eに係合する。
【0099】
第1平板状部91は、閉扉状態のときに第1外枠条片21に向かう側に係止部94を有する。係止部94は、閉扉状態のときに鉛直方向であるZ方向の下方に向かう水平面である係止面94a(
図8参照)を有する。係止面94aは、閉扉状態のときに被係止具80の被係止面81aに当接する。
【0100】
本実施形態では、第1平板状部91は、閉扉状態のときに第1外枠条片21に向かう側が一部くり抜かれた形状を有する。係止部94は、係止面94aと平行な平板部である。そして、係止部94の上面と、第1平板状部91のくり抜き側の残存とが、互いに形状が異なる第1補強版98と第2補強版99とで補強されている。これにより、係止部94の剛性を維持しつつ、係止具90の軽量化を図ることができる。
【0101】
第1平板状部91は、係止部94のY方向の一方の端部に、閉扉状態のときに係止面94aよりもさらにZ方向の下方に向かう第1爪部95を有する。第1爪部95の一部の面である第1爪面95aは、係止面94aと被係止面81aとが接触している状態では、Y方向で、被係止具80の一部と対向する。なお、第1爪面95aが具体的に向いている方向については、以下で例示する係止機構の動作と併せて説明する。
【0102】
また、第1平板状部91は、第1内枠条片61の第1上平板部61aに向かって突出する第2爪部97を有する。第2爪部97は、上記の通り、第1内枠条片61に形成されている第1係合孔61hに貫通して係合する。第2爪部97の第2爪面97aの少なくとも一部は、係止具90が第1内枠条片61に保持されている状態では、第1上平板部61aの内面と対向する。なお、第1平板状部91には、第2爪部97の形成に合わせて、開口部91cが設けられていてもよい。
【0103】
係止具90は、上記のような条件を満たすように形成されることで、Y方向に沿って、第1内枠条片61の外面上をスライド移動することができる。このとき、係止具90の上部突起部96が第1内枠条片61の第1案内孔61gに貫通され、同時に、係止具90の下面91bが、第1内枠条片61の第1段部61cと対向している。これにより、第1上平板部61aと平行で、かつ、Y方向とは垂直となる方向での係止具90の移動が一定範囲に規制される。同時に、係止具90の第2爪部97が、第1内枠条片61の第1係合孔61hに係合しているので、係止具90が第1内枠条片61から脱落することが抑えられる。
【0104】
また、第1案内孔61g又は第1係合孔61hのY方向の幅を予め規定することで、係止具90のY方向での移動範囲を規定することができる。また、係止具90の溝部93aは、第1内枠条片61の第1下縁フランジ61eに係合しているので、係止具90の移動範囲を溝部93aの範囲に規制することができる。さらに、溝部93aは、係止具90の上方にある上部突起部96とは反対側の係止具90の下方に位置するので、上部突起部96の摺動と溝部93aの摺動とにより、係止具90の移動時の動きを安定化させることができる。
【0105】
また、第2爪部97は、第1上平板部61aへの取り付け時に一部変形可能な形状を有する。これにより、作業者は、第1係合孔61hに対してワンタッチで係止具90を取り付けることができる。
【0106】
次に、内枠体12の開閉時における係止機構の動作上の作用について説明する。
【0107】
図11は、閉扉状態における、被係止具80に対するロック状態での係止具90の第1位置を示す図である。
図12は、閉扉状態における、被係止具80に対するロック解除状態での係止具90の第2位置を示す図である。
図11及び
図12は、互いに対応しており、それぞれ内枠体12の係止具90が保持されている部分をX方向プラス側からマイナス側に向かって見た図である。加えて、
図11及び
図12では、第1外枠条片21に設置されている被係止具80の位置を二点鎖線で示している。
【0108】
図11に示す第1位置では、閉扉状態において、被係止具80のZ方向の上方に係止部94が位置する。このとき、作業者が操作部93から手を離すと、内枠体12の自重により、係止具90の係止部94にある係止面94aは、被係止具80の被係止面81aに当接する。すなわち、内枠体12は、それ以上、下方に移動することができなくなる。これが、天井点検口1の完全な閉扉状態である。
【0109】
第1位置は、第1案内孔61g又は第1係合孔61hのY方向のプラス側の端部位置によって規定される。つまり、係止具90は、第1位置よりもさらにY方向プラス側に移動することができない。
【0110】
また、上記のとおり、係止具90の係止部94には、第1爪部95が設けられている。具体的には、第1爪部95は、第1位置において係止部94と被係止具80とが接触している閉扉状態のときに、第1位置から第2位置に向かう方向で被係止部の一部と係合するように設けられている。したがって、
図11に示す状態では、第1爪面95aは、Y方向のプラス側からマイナス側に向かって、被係止具80の本体81の側面と対向している。なお、
図11では、第1爪面95aが本体81と対向している第1爪部95の高さ値をh1と表記している。つまり、係止具90は、
図11に示す状態からそのままY方向マイナス側に移動しようとしても、第1爪面95aが被係止具80に当接してしまい、それ以上、移動し続けることはできない。すなわち、係止部94と被係止具80との係止状態が解除できないロック状態となる。また、係止具90がY方向に移動可能な状態をロック解除状態と呼ぶ。
【0111】
図11では、第1位置に至るまでの係止具90の移動方向を白抜きの矢印で示している。第1爪部95には、第1爪面95aのY方向の反対側に傾斜面95bが形成されている。後述する
図12に示す第2位置を始点として係止具90がY方向に沿って第1位置に向けて移動を開始すると、いずれ、傾斜面95bが被係止具80の本体81の側面に当接する。引き続き、係止具90がそのままY方向に沿って移動すると、傾斜面95bの傾斜に案内されて、同時に係止具90がZ方向の上方に移動する。ここで、係止具90が上方に移動するときは、併せて内枠体12全体が上方に移動することになる。引き続き、第1爪部95の先端が被係止面81a上を摺動しながら係止具90は移動する。そして、第1爪部95が当初接触した被係止具80の本体81の側面とは反対側の側面に到達すると、第1爪部95がZ方向の下方に落下して、係止具90は
図11に示すロック状態となる。
【0112】
一方、
図12に示す第2位置では、閉扉状態において、被係止具80のZ方向の上方に係止部94が位置しない。このとき、作業者が内枠体12を支えている力を緩めていくと、係止具90の下方には係止具90を受け止める部位又は部材が存在しないので、内枠体12は自重により室内側に開き、天井点検口1は開扉状態となる。
【0113】
第2位置は、第1案内孔61g又は第1係合孔61hのY方向のマイナス側の端部位置によって規定される。つまり、係止具90は、第2位置よりもさらにY方向マイナス側に移動することができない。
【0114】
図12では、第2位置に至るまでの係止具90の移動方向を白抜きの矢印で示している。例えば、
図11に示す第1位置を始点として係止具90が単にY方向に沿って第2位置に向けて移動を開始しても、上記の通り、第1爪部95の作用により、一定以上、移動し続けることができない。そこで、本実施形態では、係止具90は、鉛直方向とは反対の方向に向かう外力が加えられたときに、閉扉状態の高さ位置から、第1爪部95の高さ値h1以上、Z方向の上方に移動する。例えば、作業者が、このように係止具90を高さ値h1以上持ち上げると、第1爪面95aは被係止具80の本体81とは対向しなくなる。したがって、作業者は、係止具90の高さ状態をそのまま維持しつつ、係止具90をY方向に沿って移動させれば、ロック解除状態となり、係止具90を第2位置にまで移動させることができる。なお、
図12では、係止具90が第1位置から第2位置に移動している間に一旦Z方向の上方に移動している状態を、二点鎖線で例示している。
【0115】
(軸受部)
図13は、第8軸受部48の形状を示す斜視図である。
図13(a)は、一方の表面側から見た図である。
図13(b)は、他方の表面側から見た図である。本実施形態では、外枠20には、すべて同一形状である第1軸受部41から第8軸受部48までの8つの軸受部が設置されている。このうち、実際に連結部として回転軸を支持するのは、第6軸受部46及び第8軸受部48である。そこで、
図13及び以下の
図14では、第8軸受部48を代表例として詳説する。
【0116】
第8軸受部48は、内枠60に設置されている第2回転軸72を回転自在に係合させる軸溝部48hを含む平板状部材である。第8軸受部48は、軸溝部48hの穿設方向とは垂直な平面を主平面とする第1平板部材48aと第2平板部材48bとを重ね合わせて形成される。第8軸受部48は、一部を外枠20の軸受部用孔に貫通させた状態で、第1平板部材48aと第2平板部材48bとで内枠60の一部を挟み込むことで、外枠20に取り付けられる。ここで、第8軸受部48に対応する軸受部用孔は、第4外枠条片24に形成されている、第2外枠条片22に近い側の第4配置溝24g及び第4配置孔24hである。
【0117】
本実施形態では、第1平板部材48aは、軸溝部48hを形成する軸溝壁48a1を有する。一方、第2平板部材48bは、軸溝壁48a1の外形に合わせた収容溝48b1を有する。また、第2平板部材48bは、主平面の四隅に、それぞれ、第1平板部材48a側に突出し、第1平板部材48aと係合する4つの突出部を有する。4つの突出部は、軸溝部48hの開放端側にある第1突出部48c及び第2突出部48dと、これらの突出部とは反対側にある第3突出部48e及び第4突出部48fである。この場合、第8軸受部48が第4外枠条片24に取り付けられたとき、第3突出部48e及び第4突出部48fは、1組の第4配置孔24hを貫通し、第1平板部材48aと係合する。一方、第1突出部48c及び第2突出部48dは、第4外枠条片24の外縁側から第1平板部材48aと係合する。このような係合により、第8軸受部48は、第4外枠条片24に安定して取り付けられる。
【0118】
図14は、軸溝部48hの形状と、内枠60の状態ごとの第2回転軸72の移動範囲を示す図である。
図14(a)は、内枠60の開閉時における第2回転軸72の動きを示している。
図14(b)は、内枠60の挿脱時における第2回転軸72の動きを示している。
【0119】
軸溝部48hは、それぞれ延伸形状が異なる、第1軸溝48h1と、第2軸溝48h2と、第3軸溝48h3とを含む。
【0120】
第1軸溝48h1は、内枠60の開閉時の第2回転軸72の移動範囲を規定する軸溝である。第1軸溝48h1は、水平面に対して一定の方向に傾斜している。具体的には、第1軸溝48h1では、内枠60が閉扉状態から開扉状態に移行するにつれて第2回転軸72のZ方向での高さ位置が低くなり、内枠60が開扉状態からへ閉扉状態に移行するにつれて第2回転軸72のZ方向での高さ位置が高くなる。第1軸溝48h1では、軸溝部48hの最も先端にある第1内壁48h4と、その対向側にある第2内壁48h5とにより、第1軸溝48h1における第2回転軸72の移動範囲が限定されることになる。
【0121】
第2軸溝48h2は、内枠60の挿脱時の第2回転軸72の移動範囲を規定する軸溝である。第2軸溝48h2は、Z方向に沿っている。第2軸溝48h2での第2回転軸72の移動範囲の一端は、Z方向の上方で外部に開放される。一方、第2軸溝48h2の開放端の反対側には、第3内壁48h6が存在する。第2軸溝48h2は、第3内壁48h6の側から、後述する第3軸溝48h3と連通する。つまり、第2軸溝48h2における第2回転軸72の移動範囲の一方は、第3内壁48h6で限定されることになる。
【0122】
第3軸溝48h3は、第1軸溝48h1と第2軸溝48h2とを互いに連通させる軸溝である。第3軸溝48h3は、第1軸溝48h1に対しては、第2内壁48h5の側に、第1軸溝48h1での第2回転軸72の移動方向とは異なる方向から連通する。一方、第3軸溝48h3は、第2軸溝48h2に対しては、第3内壁48h6の側に、第2軸溝48h2での第2回転軸72の移動方向とは異なる方向から連通する。
【0123】
なお、第2回転軸72とは軸方向で反対側にある第1回転軸71を支持する第6軸受部46は、第8軸受部48とY方向で同一姿勢となるように、第3外枠条片23に配置される。
【0124】
次に、本実施形態に係る天井点検口1の効果について説明する。
【0125】
まず、天井点検口1は、天井構造体に固定される外枠20と、外枠20との連結部を支点として室内の側で開閉される内枠60とを備える。天井点検口1は、外枠20に設けられ、内枠60に向けて突出する被係止部と、内枠60に設けられ、外枠20に向けて突出する係止部94を有する係止具90とを備える。係止具90は、被係止部の鉛直方向の上方に係止部94が位置する第1位置と、被係止部の鉛直方向の上方に係止部94が位置しない第2位置との間で移動可能に内枠60に保持されている。係止具90は、被係止部の一部と係合する第1爪部95を有する。第1爪部95は、第1位置において係止部94と被係止部とが接触しているときに被係止部の一部と係合することにより第1位置から第2位置への係止部94の移動を妨げるロック状態となる。また、第1爪部95は、係止具90が鉛直方向の上方に移動されることにより、第1爪部95と被係止部の一部との係合が解除され、係止部94の第1位置から第2位置への移動が可能であるロック解除状態となる。
【0126】
ここで、被係止部は、上記の例示では、被係止具80における被係止面81aが形成されている本体81に相当する。ただし、ここでは必ずしも被係止具80を利用した形態に限らず、例えば、被係止具80に代えて、第1外枠条片21自体に、被係止面81aを有する本体81と同等の形状を有する被係止部が形成されていてもよい。
【0127】
図11に示すように、天井点検口1が、係止具90側にある係止面94aと、被係止具80側にある被係止面81aとが接触している閉扉状態にあると想定する。そして、例えば、室内における何らかの作業中に、誤操作により、係止具90に対しておおよそ第1位置から第2位置に向かう水平方向の外力が加えられたとする。このとき、係止具90は、単に第1位置から第2位置に向かおうとしても、第1爪部95が例えば被係止具80ある被係止部に当接することでロック状態が維持されるので、それ以上の第1位置から第2位置への移動が阻害される。つまり、係止具90は、このような誤操作では第2位置に到達できないため、天井点検口1は開扉状態に移行することができず、結果として、誤って内枠60が室内側に開くことが抑止される。
【0128】
これに対して、作業者は、天井点検口1を開扉状態にしようとするときには、係止具90を鉛直方向の上方へ、少なくとも第1爪部95の高さ値h1分持ち上げ、引き続き持ち上げた状態で、係止具90を第1位置から第2位置に向かわせればよい。これにより、係止具90がロック解除状態となり、作業者は、容易に天井点検口1を開扉状態にすることができる。
【0129】
以上のように、本実施形態によれば、不用意にロック状態からロック解除状態へと移行することを回避するのに有利な天井点検口1を提供することができる。
【0130】
一方、従来、内枠の開閉に利用される係止具は、室内側に向かって大きく露出する場合がある。また、室内に面する内枠側又は外枠側の下縁フランジの幅も大きくなる場合がある。このように、天井点検口において、室内に面する係止具の一部や枠部が大きいことは、意匠性の観点から望ましくない。そこで、本実施形態では、上記説明した構成や形状から、以下のような効果を奏する。
【0131】
まず、天井点検口1では、係止具90は、ロック状態のときに、外枠20よりも内側の空間に位置してもよい。
【0132】
ここで、外枠20よりも内側の空間とは、内枠60が収容される、外枠20に囲まれた空間をいう。
図8を参照してもわかる通り、このような天井点検口1によれば、外枠20としての第1外枠条片21よりも天井板100側には、係止具90の一部も進入しない。したがって、室内側から天井点検口1を見たとき、少なくとも、視認される係止具90の大きさが従来よりも小さくなるので、係止具90が目立たなくなり、意匠性の観点から有利となる。
【0133】
また、天井点検口1では、係止具90は、室内に露出する操作部93を有してもよい。このとき、被係止部の少なくとも一部は、ロック状態のときに、係止部94と操作部93との間に位置してもよい。
【0134】
図8を参照すると、係止部94と操作部93とは、Z方向でおおよそ一列に並んで対向する。これに対して、係止部94の一部である係止面94aと接触する被係止部の少なくとも一部は、ロック状態のときに、係止部94と操作部93との間に入り込む形になる。したがって、このような天井点検口1によれば、特にX方向に関して、係止具90と被係止部とを含む係止機構全体の厚みを小さくすることができる。
【0135】
このことは、第1に、例えば、第1外枠条片21では、室内に面する第1下縁フランジ21cの第1幅W1をより狭くするのに有利となる。また、第2に、外枠20と内枠60との間の空間をより狭くすることができる。これにより、外枠20側の第1下縁フランジ21cと、内枠60側の第1下縁フランジ61eとを含む、室内に面する枠全体の第2幅W2をより狭くすることができる。このように第1幅W1又は第2幅W2を狭くすることは、室内側から天井点検口1を見たときに、第1下縁フランジ21c又は第1下縁フランジ61eを目立たなくすることができるので、意匠性の観点から有利となる。
【0136】
また、天井点検口1では、内枠60は、室内に面する蓋板50を支持してもよい。このとき、係止具90の一部と蓋板50の一部とは、係止具90の移動時の摺動面と平行で、かつ、係止具90の第1位置と第2位置との間の移動方向とは垂直な方向で延伸する一軸上にあってもよい。
【0137】
ここで、一軸は、例えば、
図8に示す仮想軸Axに相当する。また、摺動面は、係止具90の第1平板状部91において、第1内枠条片61の第1上平板部61aと対向する面に相当する。
【0138】
仮想軸Axに沿って見ると、係止具90の一部は、蓋板50の一部である第2天井仕上板52の上方にある。このとき、X方向で見ると、室内に面する第2天井仕上板52が、天井板100側に向かって、係止具90の下方に入り込む形となる。したがって、このような天井点検口1によれば、例えば第2天井仕上げ板52を大きくすることができ、これに伴い、上記例示した第2幅W2をより狭くすることができる。つまり、この場合においても、室内側から天井点検口1を見たときに、第1下縁フランジ21c又は第1下縁フランジ61eを目立たなくすることができるので、意匠性の観点から有利となる。
【0139】
また、天井点検口1では、内枠60は、室内に面する第1下縁フランジ61eを有してもよい。係止具90は、第1位置と第2位置との間の移動方向に沿う溝部93aを有してもよい。このとき、溝部93aは、第1下縁フランジ61eに係合してもよい。
【0140】
このような天井点検口1によれば、溝部93aにより、係止具90の移動範囲を所望の範囲に規制することができる。また、上記のとおり、溝部93aは、係止具90の移動時には第1下縁フランジ61eに案内されるので、係止具90の移動時の動きを安定化させるのに有利となる。さらに、係止具90の移動の動きが安定化されることで、例えば、操作部93を外枠20側で安定させる必要がなくなる。
【0141】
また、天井点検口1は、被係止部を有する被係止具80を備えてもよい。このとき、外枠20は、被係止具80を取り付ける第1取付孔21eを有してもよい。
【0142】
このような天井点検口1によれば、例えば、被係止部に損傷が生じても、容易に交換することができる。
【0143】
また、天井点検口1は、連結部の一部として、互いに同軸上の反対方向に突出する2つの回転軸を備えてもよい。天井点検口1は、連結部の一部として、それぞれ、2つの回転軸のいずれか一方を回転自在に係合させる軸溝部を含む2つの軸受部を備えてもよい。このとき、2つの回転軸は、内枠60に設置され、2つの軸受部は、外枠20に設置されてもよい。
【0144】
ここで、上記の例示では、2つの回転軸は、第1回転軸71及び第2回転軸72に相当する。2つの軸受部は、第6軸受部46及び第8軸受部48に相当する。なお、以下の効果の説明では、いずれかの回転軸又は軸受部に言及する場合、便宜上、上記の例示に準じて、回転軸が第2回転軸72であり、軸受部が第8軸受部48であるものと想定する。
【0145】
このような天井点検口1によれば、回転軸は内枠60に形成されているものではなく、予め別途形成された回転軸が内枠60に取り付けられることになる。同様に、軸受部は外枠20に形成されているものではなく、予め別途形成された軸受部が外枠20に取り付けられることになる。したがって、例えば、回転軸及び軸受部に損傷が生じても、容易に交換することができる。
【0146】
また、天井点検口1では、例えば軸溝部48hは、内枠60の開閉時の第2回転軸72の移動範囲を規定する第1軸溝48h1と、内枠60の挿脱時の第2回転軸72の移動範囲を規定する第2軸溝48h2とを含んでもよい。また、軸溝部48hは、第1軸溝48h1での第2回転軸72の移動方向とは異なる方向から第1軸溝48h1と連通し、かつ、第2軸溝48h2での第2回転軸72の移動方向とは異なる方向から第2軸溝48h2と連通する第3軸溝48h3を含んでもよい。このとき、第2軸溝48h2での第2回転軸72の移動範囲の一端は、外部に開放されてもよい。
【0147】
このような天井点検口1によれば、軸溝部48hでは、内枠60の開閉時の第2回転軸72の移動範囲と、内枠60の挿脱時の第2回転軸72の移動範囲とが、互いに独立している。また、第1軸溝48h1と第2軸溝48h2との間を第2回転軸72が移動するときには、移動方向が第1軸溝48h1とも第2軸溝48h2とも異なる第3軸溝48h3を介さなければならない。したがって、例えば、第2回転軸72が第1軸溝48h1にあり、作業者が内枠60を開こうとしたときに、第2回転軸72が、外部に一端が開放されている第2軸溝48h2に移動しづらくなる。結果的に、作業者が内枠60を開こうとしたときの誤操作で内枠60が外枠20から外れてしまうことを予め回避させることができる。
【0148】
また、天井点検口1では、第1軸溝48h1は、内枠60が閉扉状態から開扉状態に移行するにつれて第2回転軸72の鉛直方向での高さ位置が低くなり、開扉状態からへ閉扉状態に移行するにつれて高さ位置が高くなる方向に傾斜していてもよい。
【0149】
このような天井点検口1によれば、第2回転軸72を支点として、内枠が天井裏の側で開閉されるものではなく、本実施形態のように内枠60が室内の側で開閉される場合に、軸溝部48hの上記の溝形状が特に有効となる。
【0150】
また、天井点検口1では、第2軸溝48h2は、鉛直方向に沿っており、第2軸溝48h2での第2回転軸72の移動範囲の一端は、鉛直方向の上方で外部に開放されてもよい。
【0151】
このような天井点検口1によれば、上記のように内枠60の開閉時に内枠60が外枠20から外れづらい溝形状としたとしても、内枠60の挿脱時の容易性が維持される。
【0152】
また、天井点検口1では、例えば第8軸受部48は、それぞれ、軸溝部48hの穿設方向とは垂直な平面を主平面とする第1平板部材48aと第2平板部材48bとを重ね合わせて形成されてもよい。
【0153】
このような天井点検口1によれば、第8軸受部48を内枠60に取り付ける際の容易性と、第8軸受部48を内枠60に配置した後のコンパクト性とを両立させることができる。
【0154】
また、天井点検口1では、外枠20は、第8軸受部48の一部を組み合わせる軸受部用孔を有してもよい。このとき、第8軸受部48は、一部を軸受部用孔に貫通させた状態で、第1平板部材48aと第2平板部材48bとで内枠60の一部を挟み込むことで、外枠20に取り付けられてもよい。
【0155】
ここで、軸受部用孔は、上記の例示では、第4外枠条片24に形成されている、第2外枠条片22に近い側の第4配置溝24g及び第4配置孔24hに相当する。
【0156】
このような天井点検口1によれば、第8軸受部48を、外枠20に対して安定して取り付けることができる。
【0157】
また、天井点検口1では、内枠60は、それぞれ同一形状の4つの内枠条片を組み合わせて形成されてもよい。
【0158】
ここで、4つの内枠条片は、上記の例示では、第1内枠条片61と、第2内枠条片62と、第3内枠条片63と、第4内枠条片64とに相当する。
【0159】
このような天井点検口1によれば、構成部品の統一化を図ることができるので、製造コストを低減させるのに有利となる。
【0160】
また、4つの内枠条片の形状が互いに同一であるので、係止具90、第1回転軸71若しくは第2回転軸72、又は、第1内枠押さえ75若しくは第2内枠押さえ76をそれぞれ設置する内枠条片を、別の内枠条片に変更することができる。
【0161】
上記の例示では、係止具90が第1内枠条片61に形成されている第1案内孔61g及び第1係合孔61hに係合するように設置されている。これに対して、係止具90を、例えば、第2内枠条片62に形成されている第2案内孔62g及び第2係合孔62hに係合するように設置させてもよい。
【0162】
また、上記の例示では、第1回転軸71及び第1内枠押さえ75が第3内枠条片63に形成されている2つの第3貫通孔63jに設置されている。同様に、上記の例示では、第2回転軸72及び第2内枠押さえ76が第4内枠条片64に形成されている2つの第4貫通孔64jに設置されている。これに対して、第2内枠条片62に係止具90の設置位置を変更したのに合わせるとすれば、第1回転軸71及び第1内枠押さえ75を、第2内枠条片62に形成されている2つの第2貫通孔62jに設置させてもよい。同様に、第2回転軸72及び第2内枠押さえ76を、第1内枠条片61に形成されている2つの第1貫通孔61jに設置させてもよい。
【0163】
また、天井点検口1では、外枠20は、それぞれ同一形状の4つの外枠条片を組み合わせて形成されてもよい。
【0164】
ここで、4つの外枠条片は、上記の例示では、第1外枠条片21と、第2外枠条片22と、第3外枠条片23と、第4外枠条片24とに相当する。
【0165】
このような天井点検口1によれば、構成部品の統一化を図ることができるので、製造コストを低減させるのに有利となる。
【0166】
また、4つの外枠条片の形状が互いに同一であるので、被係止具80、又は、実際に連結部として利用される第6軸受部46若しくは第8軸受部48をそれぞれ設置する外枠条片を、別の外枠条片に変更することができる。
【0167】
上記の例示では、被係止具80が第1外枠条片21に形成されている第1取付孔21eに取り付けられる。これに対して、被係止具80を、例えば、第3内枠条片63に形成されている第3取付孔23eに取り付けられてもよい。
【0168】
また、上記の例示では、第6軸受部46が、第3内枠条片63に形成されている、第2外枠条片22に近い側の第3配置溝23g及び第3配置孔23hに設置されている。同様に、上記の例示では、第8軸受部48が、第4内枠条片64に形成されている、第2外枠条片22に近い側の第4配置溝24g及び第4配置孔24hに設置されている。これに対して、第3外枠条片23に被係止具80の設置位置を変更したのに合わせるとすれば、第6軸受部46を、第2内枠条片62に形成されている、第4外枠条片24に近い側の第2配置溝22g及び第2配置孔22hに設置させてもよい。同様に、第8軸受部48を、第1内枠条片61に形成されている、第4外枠条片24に近い側の第1配置溝21g及び第1配置孔21hに設置させてもよい。
【0169】
また、天井点検口1では、外枠20がそれぞれ同一形状の4つの外枠条片を組み合わせて形成されるとき、外枠条片は、長手方向の中心を基準として互いに対称となる2組の軸受部用孔を有してもよい。また、軸受部は、4つの外枠条片に設けられているすべての軸受部用孔に設置されてもよい。
【0170】
上記の例示では、このように4つの外枠条片のすべてに2組の軸受部用孔があり、それらすべての軸受部用孔に予め軸受部が設置されている。そのため、被係止具80を、第1外枠条片21の第1取付孔21eから、別の外枠条片にある取付孔に付け替えることで、内枠60が開閉される方向を容易に変更することができる。
【0171】
例えば、被係止具80が、第1外枠条片21の第1取付孔21eから、第2外枠条片22にある第2取付孔22eに付け替えられたとする。このとき、作業者は、外枠20から内枠60を一旦取り外す。その後、作業者は、第1回転軸71を、第2外枠条片22に設置されている、第4外枠条片24に近い側の第4軸受部44に係合させる。同時に、作業者は、第2回転軸72を、第1外枠条片21に設置されている、第4外枠条片24に近い側の第1軸受部41に係合させる。これにより、内枠60は、当初、X方向のマイナス側を連結部としてX方向のプラス側が開閉する状態にあったのに対して、Y方向のプラス側を連結部としてY方向のマイナス側が開閉する状態となる。
【0172】
以上、本実施形態の内容を説明したが、本実施形態はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
【符号の説明】
【0173】
1 天井点検口
20 外枠
21 第1外枠条片
21e 第1取付孔
22 第2外枠条片
23 第3外枠条片
23g 第3配置溝
23h 第3配置孔
24 第4外枠条片
24g 第4配置溝
24h 第4配置孔
46 第6軸受部
48 第8軸受部
48a 第1平板部材
48b 第2平板部材
48h 軸溝部
48h1 第1軸溝
48h2 第2軸溝
48h3 第3軸溝
60 内枠
61 第1内枠条片
61e 第1下縁フランジ
62 第2内枠条片
63 第3内枠条片
64 第4内枠条片
71 第1回転軸
72 第2回転軸
80 被係止具
90 係止具
93 操作部
93a 溝部
94 係止部
95 第1爪部
h1 高さ値