(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】補強された箱及びかかる箱の製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 5/44 20060101AFI20231228BHJP
B65D 5/02 20060101ALI20231228BHJP
B31B 50/20 20170101ALI20231228BHJP
B31B 50/26 20170101ALI20231228BHJP
B31B 50/64 20170101ALI20231228BHJP
【FI】
B65D5/44 H
B65D5/02 Q
B31B50/20
B31B50/26
B31B50/64
(21)【出願番号】P 2019536195
(86)(22)【出願日】2017-12-28
(86)【国際出願番号】 IB2017058454
(87)【国際公開番号】W WO2018122756
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2020-10-12
(31)【優先権主張番号】102016000131802
(32)【優先日】2016-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519234110
【氏名又は名称】インターナショナル ボクセス エッセ.エッレ.エッレ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カポイア、ジュゼッペ
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公告第00481676(GB,A)
【文献】米国特許第04186834(US,A)
【文献】米国特許第06168074(US,B1)
【文献】特開2010-001066(JP,A)
【文献】米国特許第03099379(US,A)
【文献】米国特許第01697709(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/44
B65D 5/02
B31B 50/20
B31B 50/26
B31B 50/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装されるべき複数の物を収容するための補強された箱(1)であって、
底面壁(3)及び上面壁(4)と、
一対の第1の側面壁(5、5’)及び一対の第2の側面壁(6、6’)とを含み、
前記底面壁(3)、前記上面壁(4)及び前記一対の第1の側面壁(5、5’)は、前記箱が組み立てられていない状態にあるときに、長手方向軸(L)に沿って延び横断折り目線(9)が設けられているワンピースの長い要素(8)によって形成され、前記ワンピースの長い要素は、所定の横断幅(l)を有し、
前記一対の第2の側面壁(6、6’)は、2つの別々の端パネル(22、23)によって形成され、前記一対の第2の側面壁(6、6’)は所定の長手方向の幅(l)を有し、
折り目線(13)が、設けられ、前記底面壁(3)と前記上面壁(4)に、及び前記一対の第1の側面壁(5、5’)に、第1の側翼部(14、14’)を画定し、前記一対の第2の側面壁(6、6’)に第2の側翼部(15、15’)を画定する補強された箱(1)において、
前記一対の第1の側面壁(5、5’)は、第1の伸長線(y、y
1、・・・、y
n)をもつ波型(2’)を有し、前記一対の第2の側面壁(6、6’)は、第2の伸長線(x、x
1、・・・、x
n)をもつ波型(2)を有し、
前記一対の第2の側面壁(6、6’)
の波形(2)の前記第2の伸長線(x、x
1、・・・、x
n)は、前記箱が組み立てられた状態において、前記第1の伸長線(y、y
1、・・・、y
n)及び前記長手方向軸(L)に実質的に垂直であり、
前記一対の第2の側面壁(6、6’)を形成する前記別々の端パネル(22、23)は、前記箱が組み立てられていない状態にあるときに、前記上面壁(4)、前記底面壁(3)及び前記第1の側面壁(5、5’)を形成する前記ワンピースの長い要素(8)の前記横断幅(l)と同じ長手方向の幅(l)を有し、前記端パネル(22、23)及び前記ワンピースの長い要素(8)は、横方向において前記幅(l)を有する同じストリップ(21)の異なる部分であり、前記第2の側面壁(6、6’)は、前記底面壁(3)に重なるそれぞれの第2の側翼部(15)によって前記底面壁(3)に接着されてその長手方向の縁を補強することを特徴とする補強された箱(1)。
【請求項2】
組み立てられた状態において、前記一対の第1の側面壁(5、5’)は、前記一対の第2の側面壁(6、6’)に垂直であることを特徴とする請求項1に記載の箱。
【請求項3】
組み立てられていない状態において、前記第1の伸長線(y、y
1、・・・、y
n)は、前記一対の第2の側面壁(6、6’)の前記第2の伸長線(x、x
1、・・・、x
n)に実質的に平行であり、前記長手方向軸(L)に実質的に垂直であることを特徴とする請求項2に記載の箱。
【請求項4】
前記一対の第2の側面壁(6、6’)の前記それぞれの第2の側翼部(15)は、前記底面壁(3)
の長手方向折り目線(13)に実質的に重なる前記長手方向折り目線(13)を用いて前記底面壁(3)に接着され、前記底面壁(3)の前記第1の側翼部(14、14’)は、前記第2の側面壁(6、6’)
の外表面(18)に接着されていることを特徴とする請求項1に記載の箱。
【請求項5】
前記箱(1)が組み立てられた状態にあるときに、前記底面壁(3)に接着されたものとは反対側の前記第2の側面壁(6、6’)のそれぞれの前記第2の側翼部(15’)は
、前記上面壁(4)
に接着され、前記上面壁(4)の前記第1の側翼部(14、14’)
は、前記第2の側面壁(6、6’)の外表面(18)に接着されることを特徴とする請求項1に記載の箱。
【請求項6】
前記第1の側面壁(5、5’)の前記第1の側翼部(14、14’)は、前記箱(1)が組み立てられた状態にあるときに、前記第2の側面壁(6、6’)
の内表面(20)に接着されていることを特徴とする請求項1に記載の箱。
【請求項7】
前記上面壁(4)は、組み立てられた状態において前記第1の側面壁(5)のうちの1つ
の外表面(12)に接着されている折れ曲がる翼部(11)を含むことを特徴とする請求項1に記載の箱。
【請求項8】
補強された構造を有する箱(1)を作製する方法であって、包装されるべき複数の物を収容するように適合され、
a)所定の長さのワンピースのシートを提供し、長手方向軸(L)を規定するステップと、
b)所定の横断幅(l)のストリップ(21)を得るように実質的に平行な一対の長手方向の線に沿って前記ワンピースのシートを切るステップと、
c)長い要素(8)及び2つの別々の端パネル(22、23)を画定するように一対の横断線に沿って前記ストリップ(21)を切るステップであって、前記端パネルは、前記ストリップ(21)の前記横断幅(l)と同じ所定の長手方向幅(l)を有する、前記切るステップと、
d)一対の第1の側面壁(5、5’)に対し互い違いになる底面壁(3)及び上面壁(4)を形成するように設計されている複数の連続するパネルを生成するための複数の横断折り目線(9)、及び前記パネル(3、4、5、5’)のそれぞれに一対の第1の側翼部(14、14’)を形成するための複数の長手方向折り目線(13)を用いて前記長い要素(8)を形成するステップと、
e)それぞれの第2の側翼部(15、15’)を形成するように長手方向折り目線(13)を用いて前記別々の端パネル(22、23)を形成するステップと、
f)前記上面壁(4)
の横断縁(10)に端翼部(11)を形成するステップと、
g)前記別々のパネル(22、23)の前記第2の側翼部(15)のうちの1つを、第2の一対の側面壁(6、6’)を画定するように重なっ
たそれぞれの長手方向折り目線(13)を用いて、前記底面壁(3)を形成するように設計された前記連続するパネルのうちの1つに接着するステップと、
h)前記第2の側面壁(6、6’)を、前記底面壁(3)に実質的に垂直となるように、それぞれの長手方向折り目線(13)に沿って直角に折り曲げるステップと、
i)前記第1の側面壁(5、5’)を、前記底面壁(3)及び前記第2の側面壁(6、6’)に実質的に垂直になるように、それぞれの横断折り目線(9)に沿って直角に折り曲げるステップと、
j)前記第1の
側面壁(5、5’)の前記第1の側翼部(14、14’)を、直角に折り曲げる及び前記第2の側面壁(6、6’)
の縁に接着するステップと、
k)前記上面壁(4)を、前記側面壁(5、5’、6、6’)
の上側縁に重なるように、直角に折る及び上面が開いた箱(1)を形成するステップと、
l)包装されるべき前記物で前記開いた箱を満たすステップと、
m)前記箱(1)を閉じるように、前記上面
壁(4)
の翼部(11、14、14’)を、前記側面
壁(5、6、6’)に接着するステップとを含む方法において、
前記一対の第1の側面壁(5、5’)は、前記箱が組み立てられていない状態にあるときに、前記一対の第2の側面壁(6、6’)の波型(2)の第2の伸長線(x、x
1、・・・、x
n)に実質的に平行な第1の伸長線(y、y
1、・・・、y
n)をもつ波型(2’)を有し、前記長手方向軸(L)に垂直であり、前記第1の側面壁(5、5’)は、より大きな安定性並びに曲げ及び圧縮強さを前記箱(1)に与えるために、前記箱(1)が組み立てられた状態において、前記第2の伸長線(x、x
1、・・・、x
n)に実質的に垂直な前記第1の伸長線(y、y
1、・・・、y
n)を有するように設計されていることを特徴とする方法。
【請求項9】
前記上面壁(4)を折り曲げる前記ステップj)を行う前に、前記底面壁(3)に接着されていない、前記第2の側面壁(6、6’)の前記第2の側翼部(15’)は、前記上面壁(4)に接着されるように内側に直角に折り曲げられることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記接着するステップは、ホットメルト接着剤を用いて行われることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、包装の分野における応用性を見出し、詳細には、補強された構造を有する箱に関連する。
【0002】
本発明は、また、補強された構造を有するかかる箱を作製する方法に関連する。
【背景技術】
【0003】
箱は、包装の分野において長い間知られており、適切に形成された板紙シートから、折り目線に沿って折り曲げられて得られる。
【0004】
すなわち、板紙シートは、一般的に、平面図において、それぞれの長手方向の又は横断折り目線に沿って複数の側面壁につながった底面壁をもつ、十字形状を有する。
【0005】
側面壁は、共に折り曲げられて箱を形成し、その上面において蓋又は上面壁によって閉じられ、側面壁のうちの1つにつながっている。
【0006】
かかる配列の第1の欠点は、ワンピースのシートを形成するために、その大きな部分が、除かれなければならず、一般的に再使用されることはできないことである。
【0007】
これらの配列の更なる欠点は、箱が閉じられたとき、それらは、安定性に乏しく、特に輸送又は移動の間乏しい。
【0008】
そのような欠点を少なくとも部分的に取り除くことを考慮して、別々のパネルを接着することによって形成された板紙シートから作製される、箱構造が開発された。
【0009】
WO2013128359は、別々の、以前に切られたパネルを接着することによって形成された板紙シートから目的に合った箱を作製する方法を開示する。
【0010】
すなわち、パネルは、板紙のワンピースのストリップを切ることによって得られ、それから箱の側面壁を形成するように設計されたパネルが折り目をつけられ、底面壁を形成するためにパネルの長手方向縁及び横断縁に接着され、折り曲げられて閉じた箱を形成する。
【0011】
それにもかかわらず、上述した方法を用いて形成された箱は、不十分に安定な構造を有し、時間とともに、特に通常の移動や輸送の間に、曲がり、つぶれてしまうおそれがある。
【0012】
米国特許第8323165号は、箱の側面壁を形成するように設計された2つのパネルが、箱の底面壁の役目をするパネルにおいて長い板紙要素に接着される、箱を作製する方法を開示する。
【0013】
すなわち、底面壁は、その長手方向の縁に一対の翼部であって、折り曲げられて側面パネルの外表面に接着されるように適合され、側面パネルは予め配置されて箱の底を支持し補強するように接着される、一対の翼部を含む。
【0014】
それにもかかわらず、そのようにして得られた箱の上面壁は、側面パネルに対し底面壁ほど安定な支持をもたらさない。従って、この種の箱もまた、時間とともに、主としてその上面部分において、変形するおそれがある。
【0015】
更なる欠点は、かかる箱を製造する間、特にパネルを形成する及び切る間、かなりの材料の無駄が発生し、結果的にたいへん高い全体の製造コストとなることである。
【0016】
米国特許第1684725号、米国特許第1743703号、米国特許第6168074号及び米国特許第4186834号は、請求項1のプリアンブルに規定されたすべての特徴をもつ板紙箱を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】WO2013128359
【文献】米国特許第8323165号
【文献】米国特許第1684725号
【文献】米国特許第1743703号
【文献】米国特許第6168074号
【文献】米国特許第4186834号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
先行技術を鑑みて、本発明によって扱われる技術的課題は、特に輸送の間、たいへん安定である、補強された構造を有する箱を提供すること、及び板紙の無駄を制限することができる、その箱を作製する方法にある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の目的は、たいへん効率的且つ相対的に費用効果の高い補強された構造を有する箱を提供することによって、上述の欠点を取り除くことである。
【0020】
本発明の特別な目的は、特に輸送及び移動の間、たいへん安定である補強された構造を有する箱を提供することである。
【0021】
本発明の更なる目的は、高い圧縮強さ及び曲げ強さをもつ補強された構造を有する箱を提供することである。
【0022】
本発明の他の目的は、包装されるべき物で満たされたとき底面壁の崩壊を避ける補強された構造を有する箱を提供することである。
【0023】
本発明の更なる目的は、接着テープを用いることなしに閉じられることができる補強された構造を有する箱を提供することである。
【0024】
本発明のまた更なる目的は、板紙の無駄を制限することができる補強された構造を有する箱を作製する方法を提供することである。
【0025】
これらの及び他の目的は、以下により分かりやすく説明されるように、底面壁、上面壁、一対の第1の側面壁及び一対の第2の側面壁を含む、請求項1に請求された補強された構造を有する箱によって、満たされる。
【0026】
底面壁、上面壁及び第1の側面壁は、横断折り目線を用いて形成されたワンピースの長い要素からなり、一方、第2の側面壁は、2つの別々の板紙パネルからなる。
【0027】
またさらに、すべての壁は、一対の側翼部を画定するように適合されている長手方向折り目線で形成されており、第2の側面壁は、底面壁に重なってその長手方向の縁を補強する、1つのそれぞれの摺動翼部を用いて、底面壁に接着される。
【0028】
更なる態様において、本発明は、請求項9に規定された補強された構造を有する箱を作製する方法に関連する。
【0029】
方法は、先ず、板紙のストリップを提供すること及びワンピースの長い板紙要素及び一対の別々のパネルを得るように板紙のストリップを一対の横断線に沿って切ることを含む。
【0030】
これらは、後に、横断折り目線を用いて予め形成された底面壁において長い要素に接着され、折り返されて閉じた箱を形成する。
【0031】
本発明の有利な実施例は、従属請求項によって得られる。
【0032】
本発明の更なる特徴及び利点は、以下の図面の助けによって非限定的な実例として説明される、本発明による補強された構造を有する箱の好ましい非排他的な実施例の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】組み立てられた状態における本発明の箱の斜視図である。
【
図2】組み立てられていない状態における
図1の箱の上面図である。
【
図4】組み立てられていない状態における
図2の箱の正面断面図である。
【
図5A】本発明の箱を作製する方法のステップの斜視図である。
【
図5B】本発明の箱を作製する方法のステップの斜視図である。
【
図5C】本発明の箱を作製する方法のステップの斜視図である。
【
図5D】本発明の箱を作製する方法のステップの斜視図である。
【
図5E】本発明の箱を作製する方法のステップの斜視図である。
【
図5F】本発明の箱を作製する方法のステップの斜視図である。
【
図5G】本発明の箱を作製する方法のステップの斜視図である。
【
図5H】本発明の箱を作製する方法のステップの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
特に上述の図面を参照すると、数字1によって全般的に指示されている、補強された構造を有する箱が示され、箱は示されていない包装されるべき複数の物を収容するように適合されている。
【0035】
箱1は、目的に合った種類のものであり、これは、それがそれに収容されることになる物の大きさ及び量に応じてその大きさ及び形状が選択的に変更されることもできることを、意味する。
【0036】
有利にも、箱1は、複数の波型2を有する内層を収める一対の外層を有する、板紙などの、堅いシート材料で作製される。
【0037】
図面の実施例において、箱1は、底面壁3及び上面壁4、一対の第1の側面壁5、5’及び一対の第2の側面壁6、6’を含む。
【0038】
組み立てられた状態において、
図1に示されているように、第1の側面壁5、5’及び第2の側面壁6、6’は、互いに直角であり、底面壁3によって底面において閉じられている、包装されるべき物を収容するための区画7を画定する。
【0039】
底面壁3、上面壁4及び一対の第1の側面壁5、5’は、箱1が組み立てられていない状態に示されている、
図2に示されているように、長手方向の軸Lを規定するワンピースの長い要素8から形成され、横断折り目線9を用いて形成されている。
【0040】
すなわち、第1の側面壁5、5’は、長手方向に上面壁4と底面壁3からオフセットし上面壁4と底面壁3に互い違いに長い要素8上に配置され、横断折り目線9において上面壁4と底面壁3につなげられている。
【0041】
さらにまた、折れ曲がる端翼部が、上面壁4の横断端縁10に形成されており、箱1が閉じられると、第1の側面壁5のうちの1つの外表面12に接着されることになるように設計されている。
【0042】
第2の側面壁6、6’は、上面壁4及び底面壁3と同じ、並びに第1の側面壁5、5’と同じ、従って長い要素8と同じ幅lを有する2つの別々の板紙パネルからなる。
【0043】
図2から
図5Hに示されているように、底面壁3、上面壁4における及び第1の側面壁5、5’における一対の第1の横方向翼部14、14’、並びに第2の側面壁6、6’における一対の第2の側翼部15、15’を画定する、長手方向折り目線13が、設けられている。さらにまた、折り目線13は、それぞれの中央本体16、17の範囲を定める。
【0044】
有利にも、
図2に最もよく示されているように、第2の側面壁6、6’の第2の側翼部15、15’は、他の壁3、4、5、5’の第1の側翼部14、14’の横断幅l
2より大きな横断幅l
1を有することができる。
【0045】
本発明の特別の態様によれば、第2の一対の側面壁6、6’は、それに重なってその長手方向の縁を補強するそれぞれの第2の側翼部15によって、底面壁3に接着される。
【0046】
特に、第2の側面壁6、6’は、底面壁3の折り目線13に実質的に重なるそれぞれの第2の翼部15の折り目線13を用いて底面壁3に接着され、これによって平面図において十字形状を画定する。
【0047】
この構成において、
図2に最もよく示されているように、第2の側面壁6、6’のそれぞれの第2の翼部15は、底面壁3の中央本体16に重なり、一方、底面壁3の第1の側翼部14、14’は、それぞれの第2の側面壁6、6’の中央本体17に重なる。
【0048】
底面壁3の第1の側翼部14、14’は、第2の側面壁6、6’の外表面18にその中央本体17において接着される。
【0049】
さらにまた、底面壁3につながっているものとは反対を向いている各第2の側面壁6、6’の第2の上側の側翼部15’は、組み立てられた状態において、上面壁4の内表面19に接着される。
【0050】
好都合なことに、上面壁4の第1の側翼部14、14’は、底面壁3について上述したのと同様の仕方で、共に折り曲げられて、第2の側面壁6、6’の外表面18に接着される。
【0051】
このようにして、各第2の側面壁6、6’は、上面壁4及び底面壁3の第1の側翼部14、14’によって、その上面部分において及びその底面部分において、保持され、この構成は、箱1に対しより大きな安定性を確保する。
【0052】
翼部14、14’、15、15’並びに第2の側面壁6、6’及び長い要素8上に形成された他の壁3、4、5、5’の両方の寸法は、また、本発明の範囲から逸脱することなく、箱1の所望の堅さに応じて変更されることができる。
【0053】
第1の側面壁5、5’の第1の翼部14、14’は、箱1が組み立てられた状態にあるときに、第2の側面壁6、6’の内表面20に接着されるように設計される。
【0054】
処分の問題を伴うことになる接着テープを用いることなく、ホットメルト接着材を用いて、第2の側面壁6、6’は、底面壁3に接着され、上面壁4の第1の側翼部14、14’は、第2の側面壁6、6’の外表面18に接着され、第1の側面壁5、5’の第1の側翼部14、14’は、第2の側面壁6、6’の内表面20に接着される。
【0055】
接着材の層は、第2の側面壁6、6’の第2の翼部15、15’の外表面18にばかりでなく、底面壁3及び上面壁4並びに第1の側面壁5、5’の第1の側翼部14、14’に、上面壁4の横断翼部11上にも、加えられてもよい。
【0056】
より大きな曲げ及び圧縮強さばかりでなく追加の安定性を箱1に与えるために、
図1に示されているように、箱1が組み立てられた状態で、第1の側面壁5、5’は、一対の第2の側面壁6、6’の波型2の第2の伸長線x、x
1、・・・、x
nに実質的に垂直な第1の伸長線y、y
1、・・・、y
nをもつ波型2’を有する。
【0057】
さらにまた、
図2に示されているように、箱1が組み立てられていない状態にあるときに、第1の伸長線y、y
1、・・・、y
nは、第2の側面壁6、6’の第2の伸長線x、x
1、・・・、x
nに実質的に平行であり、長手方向の軸Lに垂直である。
【0058】
第2の側面壁6、6’の第2の波型2の第2の伸長線x、x1、・・・、xnは、底面壁3及び上面壁4の波型2’’の第3の伸長線z、z1、・・・、znに垂直になることになる。
【0059】
更なる態様によれば、本発明は、そのステップのいくつかが
図5Aから
図5Hに示されている、包装されるべき複数の物を収容するための補強された構造を有する箱1を作製する方法に関連する。
【0060】
その最も基本的な実施例では、本方法は、所定の長さの、図示されていない、ワンピースの板紙シートを提供するステップa)、及び長手方向軸Lを規定する所定の幅lのストリップ21を得るように一対の長手方向の線に沿ってシートを切るステップb)を含む。
【0061】
後に、
図5Aに示されているように、上述したように長い要素8及び2つの別々の端パネル22、23を画定するように一対の横断線に沿ってストリップ21を切るステップc)が設けられる。
【0062】
ステップd)の間、複数の横断折り目線9が、一対の第1の側面壁5、5’に対して互い違いにされた底面壁3及び上面壁4を形成するように設計されている複数の連続するパネルを生成するように、長い要素8上に形成される。
【0063】
さらにまた、それぞれの長手方向折り目線13が、各壁3、4、5、5’について一対の第1の側翼部14、14’を生成するように、形成される。
【0064】
方法は、
図5B及び
図5Cに示されているように、ステップd)において説明したのと同じ仕方で、それぞれの第2の側翼部15、15’を形成するように別々の端パネル22、23上に長手方向折り目線13を形成するステップe)、上面壁4の横断縁10上に端翼部11を形成するステップf)及び長い要素8としての底面壁3に端パネル22、23を接着するステップg)を含む。
【0065】
端パネル22、23は、組み立てられた状態における箱1の第2の側面壁6、6を画定するように適合され、折り目線13が重なって、それらの第2の側翼部15のうちの1つにおいて底面壁3に接着される。
【0066】
続くステップは、
図5Fに示されているように、第2の側面壁6、6’を、それらが底面壁3に垂直になるように、それらのそれぞれの長手方向折り目線13に沿って直角に折り曲げるステップh)、及び
図5Eに示されているように、第1の側面壁5、5’を、それらが底面壁3及び第2の側面壁6、6’に垂直になるように、それらのそれぞれの横断折り目線9に沿って折り曲げるステップi)である。
【0067】
すなわち、ステップh)の間、それらのそれぞれの第2の側面壁6、6’に以前に接着されている、底面壁3の第1の側翼部14、14’もまた、それらのそれぞれの長手方向折り目線13に沿って直角に折り曲げられる。
【0068】
本方法は、
図5Hに示されているように、第1の側面壁5、5’の第1の側翼部14、14’を折り曲げること及びそれらを第2の側面壁6、6’の内縁に接着するステップj)、及び、第1の側面パネル5、5’と第2の側面パネル6、6’の上側縁に重なり、上面が開いた箱1を形成するように、上面壁4を直角に折り曲げるステップk)をさらに含む。
【0069】
上面壁4を折り曲げるステップk)を実行する前に、第2の側面壁6、6’の第2の上側の長手方向の翼部15’は、内部に向けて直角に折り曲げられて上面壁4に、特にその内表面19に、接着される。
【0070】
開いている箱を包装されるべき物で満たすステップl)、及び、箱1が満たされたなら箱1を閉じるように、上面壁4の第1の側翼部14、14’を第2の側面壁6、6’の外表面18に、折り曲げられる翼部11を第1の側面パネル5の外表面12に接着するステップm)が設けられる。
【0071】
すべての接着するステップは、壁の角の接続領域において接着テープを用いずに、ホットメルト接着材などを用いて行われる。
【0072】
第1の側面壁5、5’は、箱1が組み立てられていない状態にあるときに、一対の第2の側面壁6、6’の波型2の第2の伸長線x、x1、・・・、xnに実質的に平行な第1の伸長線y、y1、・・・、ynをもつ波型2’を有するように設計される。
【0073】
さらにまた、第1の側面壁5、5’は、箱1に対してより大きな安定性並びに曲げ及び圧縮強さを与えるために、箱1が組み立てられた状態にあるときに、第2の伸長線x、x1、・・・、xnに実質的に垂直な第1の伸長線y、y1、・・・、ynを有するような位置に設けられる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、シート材を包装材に処理するための工場における産業スケールで製造されることができるので、産業における応用を見出すことができる。