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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】情報共有サポートシステム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/02 20220101AFI20231228BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20231228BHJP
【FI】
H04L67/02
G06Q50/10
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020068312
(22)【出願日】2020-04-06
(65)【公開番号】P2021165887
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】516182269
【氏名又は名称】株式会社ワンブリッジ
(74)【代理人】
【識別番号】100151367
【弁理士】
【氏名又は名称】柴 大介
(72)【発明者】
【氏名】定藤 浩一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勝美
(72)【発明者】
【氏名】手川 圭介
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/046395(WO,A1)
【文献】特開2006-099596(JP,A)
【文献】特開2010-182125(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0349720(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/02
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、ステップ1、ステップ2及びステップ3を実行させる情報処理プログラムとライブラリーを備える情報共有サポートシステムであって、
前記情報共有サポートシステムは、
情報共有者が課題解決情報に基づき前記情報共有者自らの課題を解決するために、情報提供者が前記情報共有者に対して前記課題解決情報を周知するためのものであり、
前記ステップ1は、情報提供者が、前記課題に関する課題解決情報を含む共有情報コンテンツを作成するための共有情報コンテンツ作成機能を作動させて、前記情報提供者に前記共有情報コンテンツを作成させるステップであり、
前記ステップ1において、前記共有情報コンテンツが、
前記課題解決情報を前記情報共有者が理解するための設問からなる設問情報を含み、
前記共有情報コンテンツを作成させるステップが、前記設問を作成するステップを含み、
前記ステップ2は、前記ステップ1で作成された前記共有情報コンテンツを前記ライブラリーに電子的に格納するステップであり、
前記ステップ3は、前記ライブラリーに格納された前記共有情報コンテンツを、情報共有者が理解するための学習サポート機能を作動させて、前記情報共有者に前記共有情報コンテンツを学習させるステップである情報共有サポートシステム。
【請求項2】
請求項1記載の情報共有サポートシステムで使用される、コンピュータに、前記ステップ1、前記ステップ2及び前記ステップ3を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供者が提供する所定の課題に関する共有情報コンテンツを、情報共有者が正確かつ迅速に理解して、当該共有情報コンテンツを情報提供者と情報共有者が理解を共有するための情報共有サポートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの営利企業、官公庁・NPO法人・大学法人等の非営利組織等のビジネス組織では、社長・理事長に代表される最高執行責任者から一般社員・職員までの管理ラインに沿った直線的な情報交換だけでなく、通常は、ビジネス組織が複数の事業・関連会社等の組織内組織を抱え、組織外では顧客と関係を持つため、例えば、事業毎・関連組織毎・顧客毎に、企画・営業・研究・販売・法務等の実行組織が構成され、管理ラインの構成員も含めて実務スタッフが専務・兼務して横断的な情報交換が行われる。
【0003】
これらの情報交換を最終的に一元化してビジネス組織の意思決定とするためには、情報交換の対象となる重要なコンテンツを、管理ラインと実務スタッフで構成される複雑かつ広範な組織の中で共有して共有情報コンテンツとすることが必要である。
【0004】
共有情報コンテンツは、複雑かつ広範な組織の下で、ビジネス組織の複数の事業テーマを達成するための、各事業テーマ毎にさらに細分化された個別事業テーマで発生した課題を解決するための付加価値のある一群の情報(以下「ナレッジ」)の集まりであり、各ナレッジは個別事業テーマに関係する組織内のライン・スタッフの関係者の間で共有されることが望まれる。
【0005】
上記したナレッジの関係組織内での共有は、定期的な会議、ドキュメントのメール回覧による周知、社内イントラネットを介した意見交換、定期的な社内研修、個別事業テーマに関する課題毎に作成された社内eラーニングシステムによる社員単位での研修などでなされてきた(例えば。特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2010-277202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、ビジネス組織の巨大化・複雑化・広域化・AI管理化が進む中で、個別事業テーマで発生した課題が、個別事業テーマの関係者だけでは対応できず、個別事業テーマを超えた複数の個別事業に跨る関係者によって正確かつ迅速に対応することが要求される場合がある。
【0008】
例えば、当該個別事業テーマで開発された顧客向け商品の機能に欠陥があることが発見された事案の場合、当該個別事業テーマとして商品機能を設計をした開発部門の責任者(商品機能に関する専門家)が情報提供者として、当該欠陥情報を、情報共有者としての広報部門、生産部門、各支店、顧客毎の営業部門等の関係者(商品機能に関する非専門家)に、事案背景、欠陥内容、原因、暫定対応、決定対応等の欠陥機能に関する課題解決のためのナレッジを正確かつ迅速に周知しなければならない場合がある。
【0009】
しかし、関係者は、欠陥機能のナレッジについて、必ずしも開発部門の責任者と同程度の理解力を有しないため、ナレッジの情報共有が十分になされず、かえって欠陥商品に対する顧客対応を誤り、結果としてビジネス組織全体の信用を低下させてしまうリスクがある。
【0010】
課題解決のためのナレッジは単純な業務連絡と違い、専門家の知識として正確かつ迅速に非専門家が共有する必要があるため、従来の情報共有システムである、定期的な会議、ドキュメントのメール回覧による周知、社内イントラネット・TV会議を介した意見交換、定期的な社内研修、個別事業テーマ毎に作成された社内eラーニングシステムによる社員単位での研修などでは、以下のような事情によりナレッジの正確かつ迅速な共有が妨げられ、課題解決を十分に行うことができない:
【0011】
(1)専門家が提供すべき複雑なナレッジを非専門家に理解し易いように迅速に作成することは容易ではない;
【0012】
(2)非専門家である管理ラインが集まっただけでは課題を実務的に解決できず、非専門家である実務スタッフの関係者が地域的に多岐に渡るような場合は、一か所に集まって会議をする時間がない;
【0013】
(3)メール回覧では、非専門家の各々によって理解が異なり課題を誤認識してしまう場合がある;
【0014】
(4)非専門家には、専門的知識を要する情報の理解に時間が掛かり、日常業務の合間に正確かつ迅速に理解することが難しく、eラーニングシステムや独学では時間がかかるため迅速な対応ができない。
【0015】
本発明は、情報提供者が提供する所定の課題に関する共有情報コンテンツを、情報提供者が迅速に作成・提供でき、複数の情報共有者が正確かつ迅速に理解して、当該共有情報コンテンツを情報提供者と情報共有者が共有理解するための情報共有サポートシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、
〔1〕コンピュータに、ステップ1、ステップ2及びステップ3を実行させる情報処理プログラムとライブラリーを備える情報共有サポートシステムであって、
前記ステップ1は、情報提供者が所定の課題に関する共有情報コンテンツを作成するための共有情報コンテンツ作成機能を作動させて、前記情報提供者に前記共有情報コンテンツを作成させるステップであり、
前記ステップ2は、前記ステップ1で作成された前記共有情報コンテンツを前記ライブラリーに電子的に格納するステップであり、
前記ステップ3は、前記ライブラリーに格納された前記共有情報コンテンツを、情報共有者が理解するための学習サポート機能を作動させて、前記情報共有者に前記共有情報コンテンツを学習させるステップである情報共有サポートシステムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、情報提供者が提供する所定の課題に関する共有情報コンテンツを、情報提供者が迅速に作成・提供でき、複数の情報共有者が正確かつ迅速に理解して、当該共有情報コンテンツを情報提供者と情報共有者が共有理解するための情報共有サポートシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明1の実施態様例1の模式図である。
図2】本発明1の実施態様例1のステップ3で、情報共有者の端末に表示される、情報共有者が共有情報コンテンツ作成機能を介してライブラリーにアクセスしてダウンロードした共有情報コンテンツの一例である。
図3】本発明1の実施態様例2のステップ1で、情報提供者の端末に表示される、設問情報の入力画面の一例である。
図4】本発明1の実施態様例2のステップ3で、情報共有者の端末に表示される、情報共有者が共有情報コンテンツ作成機能を介してライブラリーにアクセスしてダウンロードした共有情報コンテンツの一例である。
図5】本発明1の実施態様例2のステップ3で、情報共有者の端末に表示される、情報共有者が共有情報コンテンツ作成機能を介してライブラリーにアクセスしてダウンロードした共有情報コンテンツの一例である。
図6】本発明1の実施態様例2のステップ3で、情報共有者の端末に表示される、情報共有者が共有情報コンテンツ作成機能を介してライブラリーにアクセスしてダウンロードした共有情報コンテンツの一例である。
図7】本発明1の実施態様例2のステップ3で、情報共有者の端末に表示される、情報共有者が共有情報コンテンツ作成機能を介してライブラリーにアクセスしてダウンロードした共有情報コンテンツの一例である。
図8】本発明1の実施態様例1及び2の関係者及びその所属Groupが、ビジネス組織上の管轄権限の階層を形成している一例である。
図9】本発明1の実施態様例1及び2の関係者及びその所属Groupが、本発明1におけるライブラリーを介して情報共有ができる、本発明1のプラットフォーム機能の一例である。
図10】本発明1の実施態様例1及び2の関係者及びその所属Groupが、本発明1におけるライブラリーを介して情報共有ができる、本発明1のプラットフォーム機能の一例である。
図11】本発明1の実施態様例1及び2の関係者及びその所属Groupが、本発明1におけるライブラリーを介して情報共有ができる、本発明1のプラットフォーム機能の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
〔本発明1〕
《共有情報コンテンツ》
本発明における共有情報コンテンツ(以下「共有情報コンテンツ」)とは、例えば、複数の異なる部門に帰属する非専門家のように、帰属カテゴリーの異なる複数の情報共有者が正確かつ迅速に共有し理解する必要がある所定の課題に関するナレッジ(以下「ナレッジ」)を含む情報であり、典型的には、上述した商品の欠陥機能への対応策のような、個別事業テーマで発生した、正確かつ迅速に課題解決するためのナレッジを含む情報である。
【0020】
共有情報コンテンツに含まれるナレッジは、文章によって表現されるテキスト情報(以下「ナレッジテキスト情報」であることが好ましい。
【0021】
共有情報コンテンツは、ナレッジテキスト情報の他に、情報共有者がナレッジテキスト情報を正確かつ迅速に理解することを補うための、ナレッジテキスト情報に対応する画像、動画、音等の情報共有者が感覚的に理解できる情報(以下「五感知覚情報」)、ナレッジテキスト情報に対応する情報提供者から情報共有者へのコメントや設問を内容とするテキスト情報(以下「設問情報」)を含むことが好ましい。
【0022】
五感知覚情報及び設問情報は、必要に応じて、ナレッジテキスト情報を構成する用語、センテンス、パラグラフ、チャプター等の意味のあるまとまり毎に対応していると情報共有者のナレッジテキスト情報の理解をより補うことができ、ナレッジテキスト情報を正確かつ迅速に理解することに寄与する。
【0023】
《本発明1の利用者》
本発明1の情報共有サポートシステム(以下「本システム」)の利用者は、ビジネス組織における所定の課題の関係者であり、
所定の課題に関して、例えば専門的知識を有し、共有情報コンテンツを作成して提供する情報提供者、及び、
当該共有情報コンテンツを共有して理解する必要がある、例えば専門的知識を有さない情報共有者であり、
必要に応じて、本システムのシステム管理者を含む。
【0024】
本システムの利用者は、コンピュータで作動するパソコン・携帯端末等の情報処理装置(以下まとめて「端末」)を操作して(以下「電子的に」ともいう)、本システムにアクセスして、本システムを電子的に利用することができる。
【0025】
情報提供者は、当該課題に対して対応策を共有情報コンテンツとして作成し提供できる程度に専門性を有する者(以下「専門家」ともいう)であり、所定の課題の管理についての、ビジネス組織の担当社員・顧問、ビジネス組織からを委託された委託先組織の担当社員、ビジネス組織から業務を委託された専門家等であってよい。
【0026】
情報共有者は、当該課題に対して対応策を共有情報コンテンツとして作成し提供できる程度の専門性を有しない者(以下「非専門家」ともいう)であり、情報提供者が提供する共有情報コンテンツに基づき、対応策をそれぞれの立場で正確かつ迅速に実施できる程度に、当該共有情報コンテンツを正確かつ正確かつ迅速に理解することが求められる。
【0027】
システム管理者は、本システムのアップグレードに伴うサポート機能の必要な調整や、利用者と通信して、本システムが提供するサポート機能に蓄積された利用者の作業履歴(例えば、作業時間、作業段階、設問に対する回答、作業進捗率、作業履歴の解析結果等)の電子的表示等による提供、利用者によるサポート機能へのリクエスト(例えば「画像・動画による作業進捗率の説明」「作業締め切りまでの残り時間の通知」等)に対して、本システムの調整可能な範囲で対応を行う。
【0028】
《情報共有サポートシステム》
(本システムの利用者)
本発明1の利用者は、Internet(インターネット)、Intranet(イントラネット)、LAN(限定区域内ネットワーク)、WAN(広域ネットワーク)等の電子ネットワークを介して、例えば、本発明1の利用者がインターネットを介して電子的にアクセスすることができるクラウド(インターネットを経由して利用できるサーバー)上で本システムを電子的に利用できる。
【0029】
電子ネットワーク上で、本システムを利用者に提供する者(以下「本システム提供業者」)が本システムを提供・管理しても、利用者(例えば、本発明1の利用者が所属するビジネス組織)が本システムを構築・管理してもよい。
【0030】
(プラットフォーム)
本システムは、特定の課題の共有情報コンテンツを作成する情報提供者と当該共有情報コンテンツを理解しなければならない情報共有者の関係が固定されている必要はない。
【0031】
本システムの利用者の操作する端末を使用して、共有情報コンテンツ作成機能、ライブラリー及び学習サポート機能の全てを利用できるようになっていれば、例えば、
課題A(i=1,2,・・・n)(nは利用者の数)に対して専門性を有する利用者Pが対応している場合、課題Aについては、
が情報提供者として共有情報コンテンツ作成機能を介して共有情報コンテンツCIを作成し、共有情報コンテンツCIをライブラリーに格納し、
以外の利用者が学習サポート機能を介して共有情報コンテンツCIを理解し、
課題Aについては、
が情報提供者として共有情報コンテンツ作成機能を介して共有情報コンテンツCIを作成し、共有情報コンテンツCIをライブラリーに格納し、
以外の利用者が学習サポート機能を介して共有情報コンテンツCIを理解し、
・・・
課題Aについては、Pが情報提供者として共有情報コンテンツ作成機能を介して共有情報コンテンツCIを作成し、共有情報コンテンツCIをライブラリーに格納し、
以外の利用者が学習サポート機能を介して共有情報コンテンツCIを理解し、
とすることができる。
【0032】
言い換えると、課題A(i=1,2,・・・n)については、
が情報提供者として共有情報コンテンツ作成機能を介して共有情報コンテンツCIを作成し、共有情報コンテンツCI をライブラリーに格納し、
以外の利用者が学習サポート機能を介して共有情報コンテンツCI を理解することができる。
【0033】
なお、課題は、例えばAとAとを同時に取り扱う場合は、
とAとが結合した課題Ai+jを1課題として扱い、それに伴い、
とPとを一組にして情報提供者Pi+jとし、
CIとCIとを一組にして共有情報コンテンツCIi+jとして取り扱ってよい。
【0034】
即ち、本発明1は、利用者が本システムを介してライブラリーを電子的に共同利用できるので、結果として、本システムは、ビジネス組織を個別事業にどのようにも切り分けても、個別事業の課題に対するナレッジについて、関係者が正確かつ正確かつ迅速に共有して理解できるプラットフォームを提供することができる。
【0035】
(情報処理プログラムとライブラリー)
本システムは、コンピュータに、ステップ1、ステップ2及びステップ3を実行させるを備える。
【0036】
ステップ1は、情報提供者が所定の課題に関する共有情報コンテンツを作成するための共有情報コンテンツ作成機能を作動させて、情報提供者に共有情報コンテンツを作成させるステップであり、
ステップ2は、ステップ1で作成された共有情報コンテンツをライブラリーに電子的に格納するステップであり、
ステップ3は、ライブラリーに格納された共有情報コンテンツを、情報共有者が理解するための学習サポート機能を作動させて、情報共有者に共有情報コンテンツを正確かつ迅速に理解させるステップである。
【0037】
ステップ2でライブラリーに電子的に格納するとは、例えば、
共有情報コンテンツ作成機能を介してステップ1で作成した共有情報コンテンツをライブラリーにアップロードして、
ステップ3で、情報共有者が学習サポート機能を介してライブラリーにアクセスして共有情報コンテンツをダウロードできる状態にすることをいう。
【0038】
(ステップ1)
本システムにおけるステップ1は、情報提供者が所定の課題に関する共有情報コンテンツを作成するための共有情報コンテンツ作成機能を作動させて、情報提供者に共有情報コンテンツを作成させるステップである。
【0039】
本システムでは、コンピュータが実行するステップ1に共有情報コンテンツ作成機能が組み込まれており、所定の課題に関するナレッジを情報共有者に正確かつ迅速に周知できるように、情報提供者が、ナレッジを理解し易いような学習ステップで構成された共有情報コンテンツを、情報提供者自身が迅速かつ容易に作成できるように、以下のような特徴を有する。
【0040】
(1)本システムは、Internet Explorer、Microsoft Edge、Mozilla Firefox、Google Chrome、Opera、Safari等のブラウザ上で直接作動するようにしており、本システムを作動するための独自のサーバーシステムを、ブラウザ上に組み込むための当該サーバーシステムに応じたプログラムを作成する必要がない。
【0041】
(2)ステップ1では、情報提供者が共有情報コンテンツを迅速に作成・提供できる観点から、ナレッジテキスト情報は、報告書や論文のような長文の入力に対応できる書類作成ソフト、表形式の書類作成ソフト、テキストと画像・動画等のレイアウト作成ソフトで作成される複雑な構成の文章等ではなく、専ら短文のテキストによる表現で、メールを作成するような態様で文字入力ができることが好ましい。
【0042】
(3)ステップ1では、情報提供者が共有情報コンテンツを迅速に作成・提供できる観点から、情報提供者が、HTML、CSS、JavaScriptのようなプログラム言語を扱うことなく、例えば、タイトルを記載する→本文を記載する→本文中にURLを貼り付ける→ファイルを添付する等のメールを作成するのと同等の使用感と労力で共有情報コンテンツを作成できるようにすることが好ましい。
【0043】
(4)ステップ1では、情報提供者が共有情報コンテンツを迅速に作成・提供できる観点から、本システムの外部に電子的に存在するファイル・画像・動画等の情報は、ファイル名・URL(Uniform Resource Locator)等の情報の所在を示す記号を指定すれば共有情報コンテンツに取り込むことができるようにすることが好ましい。
【0044】
(5)情報共有コンテンツは、情報提供者が共有情報コンテンツを迅速に作成・提供できる観点から、以下のステップを経て作成できるようにしてよい。
【0045】
(5-1)ナレッジテキスト情報作成ステップ
情報提供者が、ナレッジテキスト情報を内容とするテキストを作成するステップである。
ナレッジテキスト情報は、情報共有者がテキストを正確かつ迅速に読み取ることができるように、例えば、センテンス毎にツイートのような(例えば、情報共有者とのテキストによる会話・討議を想定した)短文(日本語の場合は200字以内が好ましく、150字以内がより好ましく、100字以内が更に好ましく、50字以内が更に好ましく、英語の場合は400字以内が好ましく、300字以内がより好ましく、200字以内が更に好ましく、100字以内が更に好ましい)で入力するように、所定の字数を超えて入力することができないようにしておくことがましい。
【0046】
(5-2)五感知覚情報設定ステップ
ナレッジテキスト情報に対応する五感知覚情報を設定する
ナレッジテキスト情報に置かれる用語、センテンス、パラグラフ、チャプター等の意味のあるまとまり毎に、必要に応じて、対応する五感知覚情報を設定できるようにしてよい。
【0047】
(5-3)設問情報設定ステップ
情報共有者がテキストを正確かつ迅速に読み取ることができるように、意味のあるまとまり毎に、必要に応じて、情報提供者に当該意味のあるまとまりの内容を確認する設問を設定できるようにしてよい。
【0048】
(5-4)索引情報設定ステップ
情報提供者は、共有情報コンテンツを構成する用語、五感知覚情報等の各情報を、後述するステップ3で、情報共有者が検索できるように、情報共有コンテンツに対応する索引情報として入力できるようにしてよい。
【0049】
(ステップ2)
本システムにおけるステップ2は、ステップ1で作成された共有情報コンテンツをライブラリーに電子的に格納するステップである。
【0050】
情報共有者は、本システムのステップ3に組み込まれている学習サポート機能を操作して、ライブラリーに電子的にアクセスして、情報提供者が作成した共有情報コンテンツの内容を理解することができる。
【0051】
本システムにおけるライブラリーは、共有情報コンテンツを、情報提供者が迅速かつ容易に格納でき、情報共有者が容易にアクセスできるように、例えば、以下のような態様で構成されていることが好ましい:
【0052】
(1)電子ネットワークを介して、例えば、インターネットを介して電子的にアクセスすることができるクラウド等のサーバー上で、
情報提供者がライブラリーにアクセスして、作成した共有情報コンテンツをライブラリーにアップロードして電子的に利用できるようにし、
情報共有者が当該ライブラリーにアクセスして、アップロードされた共有情報コンテンツの情報を端末で直接閲覧できるようにしても、端末にダウンロードして閲覧できるようにしてもよい;
【0053】
(2)ライブラリーが格納されるサーバーは、本システムが格納されるサーバーと同一のサーバーでも、異なる別のサーバーであってもよい;
【0054】
(3)情報提供者が、ライブラリーに格納された共有情報コンテンツを強制的に情報共有者の端末に表示できるようにしてもよく、当該表示に伴い、情報提供者から情報共有者に共有情報コンテンツの共有依頼等の連絡メールが自動送信されるようにしてもよい;
【0055】
(4)ステップ2では、本システムのシステム管理者が、情報提供者によってライブラリーにアップロードされた情報共有コンテンツに対する、情報共有者によるアクセスの可否を管理できるようしておいてもよい。
【0056】
システム管理者が情報共有コンテンツのアクセスの可否を管理する場合、例えば、情報提供者が情報共有コンテンツをライブラリーにアップロードする作業は、システム管理者に対して当該情報共有コンテンツが管理対象であることを電子的に通知することを意味する(以下「情報共有コンテンツを登録する」ともいう)ようにし、システム管理者が登録された当該情報共有コンテンツが所与の条件を具備する場合のみ当該情報共有コンテンツが情報共有者にアクセスできるようにする(以下「公開する」ともいう)構成であってよい。
【0057】
例えば、情報提供者が作成した情報共有コンテンツを登録しようとする場合、情報提供者の端末に当該情報共有コンテンツ名と共に「公開申請」ボタンが表示され、、情報提供者が「公開申請」ボタンをクリックすれば、当該情報共有コンテンツが登録され、システム管理者の端末にその旨が表示され、システム管理者は当該情報共有コンテンツを公開するか否かを審査して、所与の条件を具備すれば公開し、具備しなければ、職権でシステム管理者が修正して公開し、あるいは、情報提供者に公開できない旨を電子的に通知して、通知を受けた情報提供者はが該情報共有コンテンツが所与の条件を具備するように修正して、登録及び審査の過程を繰り返し、システム管理者は、当該情報共有コンテンツを、最終的に。所与の条件を具備すればは公開し、具備しなければ公開しないようにすることになる。
(4)ライブラリーにアップロードされた情報共有コンテンツは、情報提供者による情報提供者又はシステム管理者の指定によって、当該情報共有コンテンツにアクセスできる、又はできない者又は範囲を指定して情報提供者を特定できるようにしてよい。
【0058】
(ステップ3)
本システムにおけるステップ3は、ライブラリーに格納された共有情報コンテンツを、情報共有者が理解するための学習サポート機能を作動させて、情報共有者に共有情報コンテンツを学習させるステップである。
【0059】
ステップ3に組み込まれている学習サポート機能とは、所定の課題を情報共有コンテンツに基づいて理解しなければならない情報共有者が、端末を操作して、当該課題を理解するのに適した、電子的に利用できる共有情報コンテンツにアクセスして当該共有情報コンテンツを理解するために必要な様々なサポート機能を実行させる情報処理機能である。
【0060】
情報共有者は、例えば、クラウドに電子的に接続する端末の表示を介して学習サポート機能の指示に従って学習サポート機能を電子的に利用して(以下「学習サポート機能を介して」)、以下のような様々な作業をすることができる。
【0061】
情報共有者は、サポート機能を介して、1以上の課題を選択し、ライブラリー内の1以上の共有情報コンテンツを電子的に利用できる。
【0062】
ライブラリー内には、少なくとも情報共有者が作成した共有情報コンテンツが格納されるが、共有情報コンテンツが参照する、アクセス可能なネット空間に電子的に存在する電子情報から選択して格納された参照情報コンテンツが格納されていてもよい
【0063】
共有情報コンテンツは、課題毎に対応する情報提供者のそれぞれが単独で創作・選択(創作・選択した電子情報をさらに改変・編集・(例えばテーマ毎に階層化して)セット化してもよい)(以下「創作・選択等」)して格納できるが、複数の情報提供者が共同で創作・選択等して格納してもよい。
【0064】
例えば、共有情報コンテンツが、ナレッジテキスト情報、五感知覚情報及び設問情報を含む場合、学習サポート機能は、情報共有者が共有情報コンテンツを迅速かつ正確に理解でるように、例えば、以下のような態様で構成されていることが好ましい。
【0065】
(1)ステップ3において、情報提供者が、学習サポート機能を介して、ステップ1で作成された共有情報コンテンツにアクセスして、学習サポート機能を作動させると、ナレッジテキスト情報、五感知覚情報及び設問情報が、情報共有者が正確かつ迅速に理解できるようなレイアウト(例えば、設問情報の各設問とその情報共有者による回答が交互に配置された会話形式)で配置して表示され、情報共有者は、表示されたナレッジテキスト情報、五感知覚情報及び設問情報を読んだり、見たり、聞いたり、設問に回答入力しながら、共有情報コンテンツを正確かつ迅速に理解できるようにすることが好ましい。
【0066】
ステップ3において、情報提供者が、学習サポート機能の誘導に従って、共有情報コンテンツを理解していく作業を、以下では「共有情報コンテンツを履修する」ともいう。
【0067】
(2)学習サポート機能は、情報共有者に提供される情報共有コンテンツを構成するナレッジテキスト情報、五感知覚情報及び設問情報等の各情報を、情報共有者の目的に応じて分類・表示する、又は、自動的に分類・表示する等の整理してその結果を表示する機能を備えていることが好ましく、例えば、以下のような整理ができることが好ましい。
【0068】
(2-1)情報共有者が指定する検索語に対応する情報共有コンテンツに含まれる情報を検索できるようにする;
【0069】
(2-2)情報提供者が情報共有コンテンツ作成時に付与した索引情報により情報共有コンテンツに含まれる情報を自動分類できるようにする;
【0070】
(2-3)各情報共有コンテンツで表示される設問情報を一覧表示できるようにする;
【0071】
(2-4)情報共有コンテンツが意味のあるまとまり毎に階層化されて、例えば、タイトル/チャプター/セクションの3階層で表示され、情報共有者は表示された任意の階層にアクセスして当該意味のあるまとまり毎に表示できるようにする。
【0072】
学習サポート機能の検索・分類等の整理機能は、情報共有者の端末に蓄積された過去の複数の情報共有コンテンツについて、各情報共有コンテンツで必要とされる特定の作業を情報共有者が行うための作業マニュアル、ナレッジデータベースとして利用することができる。
【0073】
(3)学習サポート機能は、情報共有者の共有情報コンテンツの履修状況を管理する機能を有していてよい。例えば、以下のような管理機能を有してよい。
【0074】
(3-1)情報共有者が履修途中で学習サポート機能からログアウトした場合に、そこまでの履修状況が記録され、次回履修時にログアウトしたセクション(又は最初)から自動で再開する;
【0075】
(3-2)情報共有者の設問情報への回答状況(回答漏れ・正答率等)を数値化やグラフ化して表示する;
【0076】
(4)情報提供者が、情報共有者により適切なサポートを行う観点から、ステップ3において、情報共有者が情報共有コンテンツの履修の終了を意味する入力をすると、情報共有者が情報共有者の履修状況をリアルタイムに把握できように、学習サポート機能は管理情報が情報提供者の端末に自動送信する(情報提供者は管理状況を把握して、必要に応じて、情報共有者により適切なサポートを行うことができる);
【0077】
(5)情報提供者が提供した情報共有コンテンツを、情報共有者が履修する過程で又は履修後に、情報共有者が任意にアレンジが可能でより、情報共有者自身が、情報共有者に適した内容にアップデートする事ができるようにする。
【0078】
〔実施態様例〕
《実施態様例1》
ナレッジが、商品の欠陥機能に対して正確かつ迅速な解決策である場合における本発明1について説明する。
【0079】
情報共有者は、欠陥機能に関する、正確かつ迅速な解決策に関する多くの情報が含まれるナレッジの説明を平板な文字情報だけ詳細に説明されてもポイントが掴めず、正確かつ迅速さを要請される中、当該ナレッジを情報提供者と十分に共有できない状況に陥る場合がある。
【0080】
本システムにおける共有情報コンテンツ作成機能では、情報共有者は、多くの情報が含まれるナレッジの説明を、情報共有者に、
例えば、事案背景、欠陥内容、原因、暫定対応、決定対応、・・・等の欠陥機能に関する課題解決のためのナレッジを分説して、表示装置に順次表示する表示ステップによって表示して、
【0081】
重要なポイント(情報共有者が確実に理解しておかなければならない事項)について、情報共有者に確認を促す確認ステップを、表示ステップの間に挿入して学習ステップを構成することで、
【0082】
情報提供者は、共有情報コンテンツの作成を正確かつ迅速に行うことができ、
情報共有者は、かかる確認ステップがあることで、当該ナレッジのポイントを、正確かつ迅速さを要請される中で、冷静に理解することが可能となる。
【0083】
本システムの共有情報コンテンツ作成機能における表示ステップにより学習サポート機能で実行される表示は、視覚的な表示だけでなく、聴覚的・触覚的・臭覚的な表示を含む。
【0084】
本システムにおける共有情報コンテンツ作成機能は、ナレッジの説明を情報共有者に正確かつ迅速に理解できるようにするために、学習サポート機能での表示・確認ステップを会話形式で実行できるように、迅速かつ簡易に作成できることが好ましい。
【0085】
本システムにおける共有情報コンテンツ作成機能は、情報提供者が迅速かつ容易に作成でき、情報共有者に正確かつ迅速に理解できるように、例えば、以下のような態様の表示・作成ステップを学習サポート機能で実行できるように作成できることが好ましい:
【0086】
(1)課題A
ビジネス組織である甲社が、米国に本社を置く乙社にシステム管理を委託しているインターネットを利用したイントラネットシステムが、WebブラウザとWebサーバの間のセキュリティプログラムであるSSL(Secure Sockets Layer)に脆弱性があり、甲社の本店S、支店S及び支店Sで、甲社のコンピュータシステムを制御するためのソフトウェアであるFW(firmware)のクラッシュ・再起動が繰り返され、イントラネットシステムが使用不能になる事態となった。
【0087】
乙社は米国本社から、甲社に、原因の説明と二段階の対策として暫定措置の提案と決定措置として修正プログラムの送付を行う旨を連絡した。
【0088】
乙社の米国本社からの英語書面による暫定措置の提案は、SSL機能を一部停止するという内容だったので、甲社は、乙社の決定措置が実施されるまでの間、暫定措置を検討することになった(課題A)。
【0089】
甲社では、イントラネットシステムにおけるSSL機能の一部停止は、各支店毎に設置される中継システムのSSL機能を一部停止しなければならず、その対応は、本店Sではイントラネットシステムに精通したシステム管理担当者P、支店Sでは総務担当者P、支店Sでは総務担当者Pが行うことになった。
【0090】
システム管理担当者Pは、事件の緊急性から、一人で各支店の中継システムのSSL機能の一部停止の措置を実施し、その実施に伴い新たな不具合の発生(デグレーション)の発生によって当該FWへのアクセスが不可となる事態を防ぐため、P及びPに、暫定措置の対策を周知させて、実作業は関係する技術担当者が各支店の中継システムに出向いて(オンサイトにて)行うこととなった。
【0091】
は、イントラネットシステムに発生した障害、イントラネットシステムにおけるSSL機能の意義、暫定措置としてのSSL機能の一部停止、暫定措置を実施する際の留意事項、決定措置としての修正プログラムの送付及び関連するスケジュールを課題Aに関するナレッジNとしてまとめ、本システムを使用してP及びPにナレッジの性格かつ迅速な理解を徹底した上で、P及びPに暫定措置を実施させることとした。
【0092】
本システムは、イントラネットとは別回線でアクセスできる甲社が管理するクラウド上に、P、PおよびPが電子的に利用できるように本システムが構成されている。
【0093】
、PおよびPは、それぞれが利用できる端末を介して、本システムのサポート機能を電子的に利用できる。
【0094】
各利用者の端末には、各利用者だけが利用できる共有情報コンテンツ作成機能、ライブラリーアクセス機能、学習サポート機能が表示される電子ファイルがメニュー画面として表示され、メニュー画面に表示されるガイドに従って利用者は本システムを操作することになる。(図1参照)
【0095】
(2)ステップ1
は、課題Aを解決するための上記ナレッジを、本システムの共有情報コンテンツ作成機能を介して、以下のような共有情報コンテンツを作成した。
【0096】
(2-1)ナレッジテキスト情報作成ステップ
情報提供者は、端末上の操作で、表示された以下の欄:
ナレッジN1の名称を入力するためのナレッジタイトル欄;
チャプターの名称を入力するためのチャプタータイトル欄;
各チャプターを構成する具体的なナレッジの内容を入力するためのコメント欄に、
所定の情報を入力する(表1参照:所定の情報のダミー(アルファベットの並び)が入力されている)。
【表1】
【0097】
(2-2)五感知覚情報設定ステップ
必要に応じて、コメント内容に関係するイラスト、写真、動画等の五感知覚情報を、ファイル名・URL等の情報の所在先を示す記号を入力する(表1参照)。
【0098】
(2-3)設問情報設定ステップ
必要に応じて、コメント内容の内容を確認・試験等するための設問を入力する(表1参照)。
【0099】
(3)ステップ2
は、共有情報コンテンツ作成機能を介してライブラリーにアクセスして、作成した共有情報コンテンツをライブラリーにアップロードした。
【0100】
(4)ステップ3
及びPは、各自の端末から学習サポート機能を介してライブラリーにアクセスして、ライブラリーにアップロードされている共有情報コンテンツをダウンロードした。
【0101】
ダウンロードされた共有情報コンテンツは、端末のディスプレイ上で、ナレッジテキスト情報、五感知覚情報、設問情報が配置されたレイアウトで表示される(図2参照)。
【0102】
及びPは、学習サポート機能を介して、表示された共有情報コンテンツに誘導されて課題Aを解決するためのナレッジを学習して暫定措置を理解した。
【0103】
、P及びPは、それぞれ担当する中継システムのSSL機能の一部停止を実施した。
【0104】
(5)システム管理者
本システムには、必要に応じてシステム管理者Pが、例えば、
学習サポート機能で予め定められたルールに基づいて、Pは、作成した共有情報コンテンツや参照情報コンテンツのルール適格性を判断し、適格と判断したコンテンツだけをライブラリーにアップロードできるようにするコンテンツの登録申請し、
に、登録申請できる内容にするための修正を指示する差戻指令;又は、
登録を許可しても公開は許可しない非公開指令等をPに電子的に伝えることができるようにしてもよい(図1参照)。
【0105】
以上の実施態様例では、課題Aを解決するためのナレッジを、
課題Aに対して専門性を有するPを情報提供者、
課題Aに対して専門性を有さないP及びPを情報共有者として説明したが、
課題Aとは異なる課題Aについては、Pが専門性を有する場合、
を情報提供者、
課題Aに対して専門性を有さないP及びPを情報共有者としても同様に成立する。
【0106】
《実施態様例2》
ナレッジが、市販PDFソフトを介したパソコンハッキング攻撃への対応策である場合における本発明1について説明する。
【0107】
(1)課題A
ビジネス組織である甲社は、支店及びサテライトオフィス(中~小規模拠点)を含むグループ全体で市販PDFソフトを利用していたところ、市販PDFソフトメーカーから、当該ソフトの最新バージョンに関するセキュリティ脆弱性についての情報が公表された。
【0108】
甲社のシステム管理担当者Pが、公表された当該ソフトのセキュリティ脆弱性を確認したところ、最新バージョンに対して攻撃された場合に顧客情報の流出等の致命的な事態に繋がる懸念があることが判明した。
【0109】
当該脆弱性情報では、OS毎の脆弱性対策情報も同時に公開されており、Pは具体的な対処方法については把握することができた。
【0110】
脆弱性対策情報は最新バージョンをさらにバージョンアップするものであったが、
当該ソフトのバージョンは一元管理されておらず各端末毎に当該脆弱性情報に該当するバージョンか否かを確認する必要があった。
は万全を期すために、全端末で一律にバージョンアップする措置を実施する方向で検討することになった。(課題A
【0111】
は、甲社の端末のOSの使用状況を整理して、各OS毎に以下の対応が適当であると考えた。
【0112】
甲社の本店S及び支店S及びSは、X社のOS端末を使用しており、管理すべきシステム要素の所在情報(ドメイン)が統一されているため、ネットワーク上の資源とその所在や属性、設定などの情報を収集・記録し、検索できるようにしたシステムを提供するサーバー(アクティブ・ディリクトリイ・サーバー)のログオン時における自動的制御(ログオンスクリプト)、さらに、その際に同一ドメイン内の端末に対して特定の自動制御をする機能(グループポリシー)などを利用して、本店S及び支店S及びSの複数端末に存在する当該ソフトのバージョンアップによる脆弱性対応を、Pが行うことになった。
【0113】
甲社のサテライトオフィスは、X社以外のOS端末が混在し、本店S及び支店S及びSとはドメインが異なるため、本店S及び支店S及びSと共にログオンスクリプトやグループポリシー等を利用して一元・一律の脆弱性対応を実施することが困難であるため、
端末台数が数台のサテライトオフィスSは総務担当者Pが、端末台数が数十台のサテライトオフィスSは端末の利用社員P5~20が、それぞれ手動で対応することになった。
【0114】
は、脆弱性を攻撃された際のリスク、当該PDFソフトの業務における位置づけ、脆弱性対策情報によるバージョンアップ対応を実施する際の留意事項、関連するスケジュールを課題Aに関するナレッジNとしてまとめ、本システムを使用してP及びP5~20にナレッジの正確かつ迅速な理解を徹底した上で、P及びP5~20に暫定措置を実施させることとした。
【0115】
本システムは、イントラネットとは別回線でアクセスできる甲社が管理するクラウド上に、P、PおよびP5~20が電子的に利用できるように本システムが構成されている。
【0116】
、PおよびP5~20は、それぞれが利用できる端末を介して、本システムのサポート機能を電子的に利用できる。
【0117】
各利用者の端末には、各利用者だけが利用できる共有情報コンテンツ作成機能、ライブラリーアクセス機能、学習サポート機能が表示される電子ファイルがメニュー画面として表示され、メニュー画面に表示されるガイドに従って利用者は本システムを操作することになる。
【0118】
(2)ステップ1
は、課題Aを解決するための上記ナレッジを、本システムの共有情報コンテンツ作成機能を介して、以下のような共有情報コンテンツを作成した。
【0119】
(2-1)ナレッジテキスト情報作成ステップ
情報提供者は、端末上の操作で、表示された以下の欄:
ナレッジN1の名称を入力するためのナレッジタイトル欄;
チャプターの名称を入力するためのチャプタータイトル欄;
各チャプターを構成する具体的なナレッジの内容を入力するためのコメント欄に、
所定の情報を入力する(表2参照:所定の情報のダミー(アルファベットの並び等)が入力されている)。
【0120】
【表2】
【0121】
(2-2)五感知覚情報設定ステップ
必要に応じて、コメント内容に関係するイラスト、写真、動画等の五感知覚情報を、ファイル名・URL等の情報の所在先を示す記号を入力する(表2参照)。
【0122】
(2-3)設問情報設定ステップ
必要に応じて、コメント内容の内容を確認・試験等するための設問を入力する.
入力欄は表形式でも(表2)、設問情報を設定し易いような、設問情報の各要素(例えば、「問題」「画像ファイル名」「解答形式」「正解コメント」等)を入力できるようにした専用の頁を設けてもよい(図3参照)。
【0123】
(3)ステップ2
は、共有情報コンテンツ作成機能を介してライブラリーにアクセスして、作成した共有情報コンテンツをライブラリーにアップロードした。
【0124】
(4)ステップ3
及びP5~20は、各自の端末から学習サポート機能を介してライブラリーにアクセスして、ライブラリーにアップロードされている共有情報コンテンツをダウンロードした。
【0125】
ダウンロードされた共有情報コンテンツは、端末のディスプレイ上で図4~7のように、ナレッジテキスト情報、五感知覚情報、設問情報が配置されたレイアウトで表示される。
【0126】
及びP5~20は、学習サポート機能を介して、表示された共有情報コンテンツに誘導されて課題Aを解決するためのナレッジを学習して暫定措置を理解して実施した。
【0127】
(4)システム管理者
本システムには、必要に応じてシステム管理者Pが、例えば、
学習サポート機能で予め定められたルールに基づいて、Pは、作成した共有情報コンテンツや参照情報コンテンツのルール適格性を判断し、適格と判断したコンテンツだけをライブラリーにアップロードできるようにするコンテンツの登録申請し、
に、登録申請できる内容にするための修正を指示する差戻指令;又は、
登録を許可しても公開は許可しない非公開指令等をPに電子的に伝えることができるようにしてもよい。
【0128】
以上の実施態様例では、課題Aを解決するためのナレッジを、
課題Aに対して専門性を有するPを情報提供者、
課題Aに対して専門性を有さないP及びP、又はP及びP5~20を情報共有者として説明したが、
課題Aとは異なる課題Aについては、Pが専門性を有する場合、
を情報提供者、
課題Aに対して専門性を有さないP及びP、又はP及びP5~20を情報共有者としても同様に成立する。
【0129】
(5)プラットフォーム
本システムは、特定の課題の共有情報コンテンツを作成する情報提供者と当該共有情報コンテンツを理解しなければならない情報共有者の関係が固定されている必要はない。
【0130】
例えば、甲社が、ナレッジNについて、情報管理階層がある場合、例えば、
第1層(Group1(Pが属する全社統括管理部門));
第2層(Group1が直轄管理するGroup2-1及びGroup2-2);
第3層(Group2-1が直轄管理するGroup3-1及びGroup3-2);及び
第3層(Group2-1が直轄管理するGroup3-3及びGroup3-4)で構成されているとする(図8参照)。この場合、例えば、
がコンテンツ利用者A、Pがコンテンツ利用者B、Pがコンテンツ利用者C、
がコンテンツ利用者D、Pがコンテンツ利用者E、Pがコンテンツ利用者E、
がコンテンツ利用者F、Pがコンテンツ利用者Gである。
【0131】
(5-1)情報共有態様1
第1層を情報提供者として作成された共有情報コンテンツを、本システムのライブラリーに、全階層で閲覧可能な状態にして公開すると、共有情報コンテンツは全階層で共有される(図9参照)。
【0132】
(5-2)情報共有態様2
第2層のGroup2-1のPが情報提供者として作成された共有情報コンテンツC2-1
第2層のGroup2-2のPが情報提供者として作成された共有情報コンテンツC2-2を、
ライブラリーに、
Group2-1のPは、Group1、Group3-1、Goroup3-2が閲覧可能な状態で公開し、
Group2-2のPは、Group1、Group3-3、Goroup3-4が閲覧可能な状態で公開すると、
共有情報コンテンツC2-1は、
Group1のP、Group3-1のP、Goroup3-2のPで共有されるが、
Group2-2のP、Group3-3のP、Goroup3-4のPで共有されず、
共有情報コンテンツC2-2は、
Group1のP、Group3-3のP、Goroup3-4のPで共有されるが、
Group2-1のP、Group3-1のP、Goroup3-2のPで共有されない(図10参照)。
【0133】
(5-3)情報共有態様3
第3層のGroup3-1のPが情報提供者として作成された共有情報コンテンツC3-1
第3層のGroup3-2がのP情報提供者として作成された共有情報コンテンツC3-2
第3層のGroup3-3のPが情報提供者として作成された共有情報コンテンツC3-3
第3層のGroup3-4のPが情報提供者として作成された共有情報コンテンツC3-4を、
ライブラリーに、
Group3-1のP及びGroup3-2のPは、Group1のP、Group2-1のPが閲覧可能な状態で公開し、
Group3-3のP及びGroup3-4のPは、GroupのP1、Group2-2のPが閲覧可能な状態で公開すると、
共有情報コンテンツC3-1は、Group1のP、Group2-1のPで共有され、
共有情報コンテンツC3-2は、Group1のP、Group2-1のPで共有され、
共有情報コンテンツC3-4は、Group1のP、Group2-2のPで共有され、
共有情報コンテンツC3-5は、Group1のP、Group2-2のPで共有され、
それ以外の下位Groupでは共有されないことになる(図11参照)。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11