(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】出力制御装置
(51)【国際特許分類】
H02J 3/38 20060101AFI20231228BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20231228BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20231228BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
H02J3/38 130
H02J3/32
H02J13/00 301A
H02J7/35 K
(21)【出願番号】P 2020127919
(22)【出願日】2020-07-29
【審査請求日】2023-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】513256675
【氏名又は名称】ネクストエナジー・アンド・リソース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】西城 和幸
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-160610(JP,A)
【文献】国際公開第2014/196364(WO,A1)
【文献】特開2015-231317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/38
H02J 3/32
H02J 13/00
H02J 7/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光により発電する発電装置が発電した電力及び前記発電装置が発電した電力を蓄電する蓄電池から放電される電力の電力系統への出力を制御する出力制御装置であって、
前記発電装置により発電された発電電力を前記電力系統に供給できる場合に、前記発電電力を予め定められている第1範囲の周波数の交流電力に変換し、前記発電電力を前記電力系統に供給できない場合に、前記蓄電池に蓄積されている蓄電電力を前記第1範囲の周波数の下限値以下の第2範囲の周波数の交流電力に変換する変換部と、
前記変換部により周波数が変換された前記交流電力を前記電力系統に出力する出力部と、
を備える出力制御装置。
【請求項2】
前記蓄電池における蓄電量を特定する特定部をさらに備え、
前記変換部は、前記蓄電電力を前記電力系統に供給する場合に、前記特定部が特定した前記蓄電量に基づいて、前記蓄電電力から変換される交流電力の周波数を変化させる、
請求項1に記載の出力制御装置。
【請求項3】
前記変換部は、前記蓄電電力を前記電力系統に供給する場合に、前記蓄電電力から変換される交流電力の周波数を、時間の経過にしたがって低くする、
請求項2に記載の出力制御装置。
【請求項4】
前記変換部は、前記蓄電電力を前記電力系統に供給する場合に、前記蓄電電力から変換される交流電力の周波数を、前記電力系統において許容されている前記周波数の下限値まで低くする、
請求項3に記載の出力制御装置。
【請求項5】
前記発電装置における発電量を特定する特定部をさらに備え、
前記変換部は、前記発電電力を前記電力系統に供給する場合に、前記特定部が特定した前記発電量に基づいて、前記発電電力から変換される交流電力の周波数を変化させる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の出力制御装置。
【請求項6】
前記変換部は、前記発電電力を前記電力系統に供給する場合に、前記特定部が特定した発電量が高ければ高いほど、前記発電電力から変換される交流電力の周波数を高くする、
請求項5に記載の出力制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力系統への電力の出力を制御する出力制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光発電等の自然エネルギーによって発電された電力や蓄電池に蓄電した電力を売電することが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
太陽光発電による発電は天候により左右される。このため、同一の地域に設置されている多くの太陽光発電施設により発電された電力が電力系統に供給されている場合に、天候の変化に応じて、これらの発電施設から電力系統への電力供給量が急激に変動することがある。火力発電所等を有し、電力系統に電力を供給する既存の発電事業者は、電力系統における急激な電力変動に対応する必要があり負担が大きい。このため、既存の発電事業者において、太陽光発電による電力系統への電力供給量の変動を予測して、電力供給量の変動に対して予め準備できるようにすることが求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、太陽光発電による電力系統への電力供給量の変動予測を可能とする出力制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る出力制御装置は、太陽光により発電する発電装置が発電した電力及び前記発電装置が発電した電力を蓄電する蓄電池から放電される電力の電力系統への出力を制御する出力制御装置であって、前記発電装置により発電された発電電力を前記電力系統に供給できる場合に、前記発電電力を予め定められている第1範囲の周波数の交流電力に変換し、前記発電電力を前記電力系統に供給できない場合に、前記蓄電池に蓄積されている蓄電電力を前記第1範囲の周波数の下限値以下の第2範囲の周波数の交流電力に変換する変換部と、前記変換部により周波数が変換された前記交流電力を前記電力系統に出力する出力部と、を備える。
【0007】
前記出力制御装置は、前記蓄電池における蓄電量を特定する特定部をさらに備え、前記変換部は、前記蓄電電力を前記電力系統に供給する場合に、前記特定部が特定した前記蓄電量に基づいて、前記蓄電電力から変換される交流電力の周波数を変化させてもよい。
前記変換部は、前記蓄電電力を前記電力系統に供給する場合に、前記蓄電電力から変換される交流電力の周波数を、時間の経過にしたがって低くしてもよい。
【0008】
前記変換部は、前記蓄電電力を前記電力系統に供給する場合に、前記蓄電電力から変換される交流電力の周波数を、前記電力系統において許容されている前記周波数の下限値まで低くしてもよい。
【0009】
前記発電装置における発電量を特定する特定部をさらに備え、前記変換部は、前記発電電力を前記電力系統に供給する場合に、前記特定部が特定した前記発電量に基づいて、前記発電電力から変換される交流電力の周波数を変化させてもよい。
前記変換部は、前記発電電力を前記電力系統に供給する場合に、前記特定部が特定した発電量が高ければ高いほど、前記発電電力から変換される交流電力の周波数を高くしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、太陽光発電による電力系統への電力供給量の変動を予測することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る電力供給システムの概要を示す図である。
【
図2】本実施形態における出力制御装置の構成を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る蓄電電力から変換された交流電力の周波数の変化例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る出力制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[電力供給システムSの構成]
図1は、本実施形態に係る電力供給システムSの概要を示す図である。電力供給システムSは、発電装置1と、蓄電池2と、充放電制御装置3と、出力制御装置4と、電力計5とを備え、太陽光により発電した電力又は蓄電池2に蓄電されている電力を電力系統Pに供給するためのシステムである。なお、本実施形態では、電力供給システムSにおいて、負荷が接続されていないものとするが、これに限らない。例えば、出力制御装置4と、電力計5との間に一以上の負荷が接続されていてもよい。また、
図1では、電力系統Pには、1つの出力制御装置4が接続されているが、実際には、複数の発電装置1のそれぞれに対応する複数の出力制御装置4が電力系統Pに接続されているものとする。
【0013】
発電装置1は、太陽光により直流電力を発生する発電装置であり、例えば、太陽光パネルを有する発電設備である。発電装置1は、充放電制御装置3を介して蓄電池2に接続されているとともに、出力制御装置4に接続されている。発電装置1は、発電電力を蓄電池2及び出力制御装置4に出力する。
【0014】
蓄電池2は、発電装置1が発電した電力を蓄電する装置であり、例えばバッテリーである。蓄電池2は、充放電制御装置3の制御に応じて発電装置1から出力された発電電力を蓄電するとともに、蓄電された電力を出力制御装置4に放電する。
【0015】
充放電制御装置3は、発電装置1と蓄電池2との間に設けられており、発電装置1における発電状況に基づいて、発電装置1が発電した発電電力を蓄電池2に蓄電させるとともに、蓄電池2に蓄電されている蓄電電力を出力制御装置4に出力させる。
【0016】
出力制御装置4は、発電装置1が発生した発電電力及び蓄電池2に蓄電されている蓄電電力を交流電力に変換する装置であり、例えばパワーコンディショナである。出力制御装置4は、直流電力から変換した交流電力を、電力計5を介して電力系統Pに供給する。
【0017】
出力制御装置4は、発電装置1により発電された発電電力又は蓄電池2に蓄電された蓄電電力を電力系統Pに供給できる場合に、発電装置1における発電量及び蓄電池2における蓄電量に基づいて、発電電力及び蓄電電力を、電力系統Pにおいて許容される所定範囲の周波数に変換して出力する。このようにすることで、電力系統Pの周波数が発電装置1における発電量及び蓄電池2における蓄電量によって変動する。その結果、電力系統Pに電力を供給する既存の発電事業者は、電力系統Pにおける交流電力の周波数変動に基づいて、発電装置1による電力系統Pへの電力供給量の変動を予測することができる。
【0018】
電力計5は、出力制御装置4と電力系統Pとの間に設けられており、出力制御装置4から電力系統Pに出力された交流電力の量を測定する。電力計5が設けられていることにより、電力供給システムSから電力系統Pに供給された電力の量を容易に特定することができる。
【0019】
[出力制御装置4の構成]
続いて、出力制御装置4の構成について説明する。
図2は、本実施形態における出力制御装置4の構成を示す図である。
図2に示すように、出力制御装置4は、通信部41と、入力部42と、変換部43と、出力部44と、記憶部45と、制御部46とを備える。
【0020】
通信部41は、例えば、発電装置1における発電量を測定するための電力計(不図示)、蓄電池2に入出力する電流を測定するための電流計(不図示)、及び充放電制御装置3と通信を行うための通信インタフェースである。
【0021】
入力部42は、発電装置1及び蓄電池2から出力される直流電力の入力を受け付ける入力端子である。
変換部43は、例えば入力部42に入力された直流電力を交流電力に変換するインバータである。
出力部44は、変換部43により変換された交流電力を出力する出力端子である。出力部44は、変換部43により周波数が変換された交流電力を、電力計5を介して電力系統Pに出力する。
【0022】
記憶部45は、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部45は、制御部46が実行するプログラムを記憶している。例えば、記憶部45は、制御部46を、特定部461及び出力制御部462として機能させる出力制御プログラムを記憶している。
【0023】
制御部46は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部46は、記憶部45に記憶された出力制御プログラムを実行することにより、特定部461及び出力制御部462として機能する。
【0024】
特定部461は、発電装置1における発電量を特定する。例えば、特定部461は、発電装置1に設けられている電力計(不図示)から、当該電力系が測定した発電装置1における発電量を示す情報を取得することにより、発電装置1における発電量を特定する。
【0025】
また、特定部461は、蓄電池2における蓄電量を特定する。例えば、特定部461は、蓄電池2と充放電制御装置3との間に設けられている電流計(不図示)が測定した、蓄電池2に充電が行われる場合の電流値、及び蓄電池2から放電が行われる場合の電流値を示す情報を取得する。特定部461は、取得した情報に基づいて、蓄電池2に充電が行われる場合の電流積算値と、蓄電池2から放電が行われる場合の電流積算値とを算出する。そして、特定部461は、算出した電流積算値と、蓄電池2の放電容量とに基づいて、SOC(State Of Charge)を、蓄電量を示す情報として特定する。
【0026】
出力制御部462は、発電装置1により発電された発電電力及び蓄電池2に蓄電された蓄電電力を、電力系統Pにおいて許容される所定範囲の周波数に変換して出力する。まず、出力制御部462は、特定部461が特定した発電装置1における発電量及び蓄電池2における蓄電量に基づいて、発電電力を電力系統Pに供給できるか、蓄電電力を電力系統Pに供給できるか、発電電力及び蓄電電力を電力系統Pに供給できないかを判定する。ここで、出力制御部462は、蓄電池2における蓄電量が所定の蓄電量以上であるとともに、発電装置1における発電量が所定の発電量以上である場合に、発電電力を電力系統Pに供給できると判定する。
【0027】
出力制御部462は、発電装置1により発電された発電電力を電力系統Pに供給できる場合に、変換部43を制御することにより、変換部43に、当該発電電力を予め定められている第1範囲の周波数の交流電力に変換させる。
【0028】
具体的には、出力制御部462は、発電電力を電力系統Pに供給する場合に、変換部43に、当該発電電力を、電力系統Pにおいて予め定められている基準周波数以上の第1範囲の周波数の交流電力に変換させる。ここで、基準周波数は、例えば50.0Hzである。また、第1範囲の上限値は、例えば50.3Hzであり、電力系統Pにおいて許容されている周波数の上限値である。また、第1範囲の下限値は、50.0Hzである。
【0029】
出力制御部462は、発電電力を電力系統Pに供給できる場合に、特定部461が特定した発電装置1における発電量に基づいて、変換部43に、発電電力から変換される交流電力の周波数を変化させる。例えば、出力制御部462は、変換部43を制御することにより、発電装置1における発電量の増加に応じて、交流電力の周波数が高くなるように交流電力の周波数を変化させる。
【0030】
例えば、好天により、複数の発電装置1における発電電力が相対的に多くなると、これらの発電装置1に接続されている複数の出力制御装置4は、基準周波数よりも高い周波数の交流電力を電力系統Pに出力する。例えば、同一の地域に複数の発電装置1が設置されており、これらの発電装置1における発電電力が電力系統Pに与える影響が大きい場合、複数の出力制御装置4が、基準周波数よりも高い周波数の交流電力を電力系統Pに出力することにより、電力系統Pにおける電力の周波数が高くなる。これにより、電力系統Pに電力を供給する既存の発電事業者において、電力系統Pに対する電力供給量が多いことを把握することができる。これにより、当該発電事業者は、火力発電所等における電力の出力を抑制する準備を行う等の対応を早期に行うことができる。
【0031】
また、出力制御部462は、発電電力を電力系統Pに供給できず、蓄電池2に蓄電されている蓄電電力を電力系統Pに供給できる場合に、変換部43を制御することにより、変換部43に、当該蓄電電力を、第1範囲の周波数の下限値以下の第2範囲の周波数の交流電力に変換させる。
【0032】
具体的には、出力制御部462は、発電電力を電力系統Pに供給できず、蓄電電力を電力系統Pに供給できる場合に、変換部43に、蓄電電力を、電力系統Pにおいて予め定められている基準周波数以下の第2範囲の周波数の交流電力に変換させる。ここで、第2範囲の上限値は、例えば50.0Hzである。また、第2範囲の下限値は、例えば、49.7Hzであり、電力系統Pにおいて許容されている周波数の下限値である。
【0033】
出力制御部462は、蓄電電力を電力系統Pに供給する場合に、特定部461が特定した蓄電池2の蓄電量に基づいて、変換部43に、蓄電電力から変換される交流電力の周波数を変化させる。
【0034】
図3は、本実施形態に係る蓄電電力から変換された交流電力の周波数の変化例を示す図である。ここで、
図3に示す横軸は時刻を示し、縦軸は交流電力の周波数を示している。例えば、出力制御部462は、発電電力を電力系統Pに供給できるとともに、蓄電電力を電力系統Pに供給できる場合に、晴天から曇天又は雨天に変化する等により、発電電力を電力系統Pに供給できない状態に変化すると、変換部43を制御することにより、蓄電電力の交流電力への変換を開始する。
【0035】
図3に示す時刻T0において、蓄電電力から変換される交流電力の周波数は、第2範囲の上限値、すなわち、50.0Hzである。その後、出力制御部462は、蓄電電力を電力系統Pに供給する場合に、変換部43を制御することにより、蓄電電力から変換される交流電力の周波数を、時間の経過にしたがって低くさせる。そして、変換部43は、蓄電電力を電力系統Pに供給する場合に、蓄電電力から変換される交流電力の周波数を、最終的に、電力系統Pにおいて許容されている周波数の下限値(49.7Hz)まで低くする。
【0036】
その後、出力制御部462は、出力制御装置4から電力系統Pに電力を出力しないように制御する。
図3に示す例では、時刻T1において、蓄電電力から変換される交流電力の周波数が、49.7Hzまで低下し、その後、電力の供給が停止していることが確認できる。
【0037】
例えば、好天から曇天又は雨天に変化し、複数の発電装置1における発電電力が想定よりも少なくなると予想されると、これらの発電装置1に接続されている複数の出力制御装置4は、基準周波数よりも低い周波数の交流電力を出力する。例えば、同一の地域に複数の発電装置1が設置されており、これらの発電装置1における発電電力が電力系統Pに与える影響が大きい場合、複数の出力制御装置4が、基準周波数よりも低い周波数の交流電力を電力系統Pに出力することにより、電力系統Pにおける電力の周波数が低くなる。これにより、電力系統Pに電力を供給する既存の発電事業者において、電力系統Pに対する電力供給量が低いことを把握することができる。これにより、当該発電事業者は、火力発電所等における電力の出力を増加させる準備を行う等の対応を早期に行うことができる。
【0038】
なお、出力制御部462は、発電電力を電力系統Pに供給できないとともに、蓄電電力を電力系統Pに供給できる場合から、発電電力を電力系統Pに供給できる状態に変化すると、再び、発電電力の蓄電電力の交流電力への変換を開始してもよい。この場合、出力制御部462は、発電電力から変換される交流電力の周波数を、発電電力から交流電力への変換を開始する直前において出力されていた交流電力の周波数としてもよい。
【0039】
[出力制御装置4における処理の流れ]
続いて、出力制御装置4における処理の流れについて説明する。
図4は、本実施形態に係る出力制御装置4における処理の流れを示すフローチャートである。
【0040】
まず、特定部461は、発電装置1における発電量及び蓄電池2の蓄電量を特定する(S1)。
続いて、出力制御部462は、特定部461が特定した発電量及び蓄電量に基づいて、発電装置1が発電した発電電力を電力系統Pに出力可能か否かを判定する(S2)。出力制御部462は、発電電力を電力系統Pに出力可能であると判定すると、S3に処理を移し、発電電力を電力系統Pに出力可能ではないと判定すると、S4に処理を移す。
【0041】
S3において、出力制御部462は、特定部461が特定した発電量に基づいて、変換部43に、発電電力を第1範囲の周波数の交流電力に変換させて、電力系統Pに出力させる。出力制御部462は、S3の処理が終了すると、S1に処理を移す。
【0042】
S4において、出力制御部462は、特定部461が特定した蓄電量に基づいて、蓄電池2に蓄電されている蓄電電力を電力系統Pに出力可能か否かを判定する。出力制御部462は、蓄電電力を電力系統Pに出力可能であると判定すると、S5に処理を移し、発電電力を電力系統Pに出力可能ではないと判定すると、S1に処理を移す。
【0043】
S5において、出力制御部462は、特定部461が特定した蓄電量に基づいて、変換部43に、蓄電電力を第2範囲の周波数の交流電力に変換させて、電力系統Pに出力させる。出力制御部462は、S5の処理が終了すると、S1に処理を移す。
【0044】
[本実施形態における効果]
以上説明したように、本実施形態に係る出力制御装置4は、発電装置1により発電された発電電力を電力系統Pに供給できる場合に、当該発電電力を予め定められている第1範囲の周波数の交流電力に変換し、当該発電電力を電力系統Pに供給できない場合に、蓄電池2に蓄積されている蓄電電力を第1範囲の周波数の下限以下の第2範囲の周波数の交流電力に変換し、当該交流電力を電力系統Pに出力する。このようにすることで、電力系統Pの周波数が発電装置1における発電量及び蓄電池2における蓄電量によって変動する。これにより、電力系統Pに電力を供給する他の発電事業者等は、太陽光発電を行う発電装置1による電力系統への電力供給量の変動を予測させることができる。
【0045】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0046】
1・・・発電装置、2・・・蓄電池、3・・・充放電制御装置、4・・・出力制御装置、41・・・通信部、42・・・入力部、43・・・変換部、44・・・出力部、45・・・記憶部、46・・・制御部、461・・・特定部、462・・・出力制御部、5・・・電力計、P・・・電力系統