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▶ スパイアカット ソシエテ アノニムの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】経皮的開放手技のための医療器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3205 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
A61B17/3205
【請求項の数】 37
(21)【出願番号】P 2020572397
(86)(22)【出願日】2019-07-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-04
(86)【国際出願番号】 IB2019055552
(87)【国際公開番号】W WO2020003263
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-05-11
(31)【優先権主張番号】18180894.0
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】18206119.2
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520503072
【氏名又は名称】スパイアカット ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】SPIRECUT SA
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】モンゴンド,ファビアン
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05282816(US,A)
【文献】米国特許第05431153(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0211201(US,A1)
【文献】特開平11-299800(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0113671(US,A1)
【文献】米国特許第05029573(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00-18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経皮的開放手技のための医療器具(1;10;1;10)において、外科医による前記医療器具(1;10;1;10)の取り扱い、方向付け及び操作を可能にするように設計されたハンドル部分(2;20)と、前記ハンドル部分(2;20)に固定され、且つ規定平面(P0)内において実質的に延びる細長いロッド部材(5;50;500;5;50)とを含み、
前記細長いロッド部材(5;50;500;5;50)の第1の部分は、前記ハンドル部分(2;20)から離れる方に前記規定平面(P0)内において第1の方向(a1;a1’)に沿って実質的に延び、
前記第1の部分の下流の前記細長いロッド部材(5;50;500;5;50)の第2の部分は、前記規定平面(P0)内で湾曲を付けられ且つ/又は曲げられ、
前記第2の部分の末端(5A;50A;500A;5A;50A)における前記細長いロッド部材(5;50;500;5;50)の自由端は、ベベル表面(6A;60A;600A、610A;6A;60A)を呈するベベル端部(6;60;600;6;60)として成形され、前記ベベル端部(6;60;600;6;60)は、症状の程度が重い組織に対する切断デバイスとして機能するように設計され、前記ベベル表面(6A;60A;600A、610A;6A;60A)は、前記規定平面(P0)に対して傾斜されることを特徴とする医療器具(1;10;1;10)。
【請求項2】
請求項1に記載の医療器具(1;10;1;10)において、前記規定平面(P0)に対する、前記ベベル表面(6A;60A;600A、610A;6A;60A)を含む平面(P;P’;P’’;P’’’;P;P**)の傾斜角(θ1;θ2;θ3、θ4;θ1;θ2)は、10°~40°のオーダーであることを特徴とする医療器具(1;10;1;10)。
【請求項3】
請求項2に記載の医療器具(1;10;1;10)において、前記傾斜角(θ1;θ2;θ3、θ4;θ1;θ2)は、15°~30°のオーダーであることを特徴とする医療器具(1;10;1;10)。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の医療器具において、前記ベベル端部(600)は、異なる傾斜角(θ3、θ4)を有する少なくとも2つのベベル表面(600A、610A)を呈することを特徴とする医療器具。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の医療器具(1;10)において、前記ベベル端部(600;6;60)の遠位端における前記ベベル端部(600;6;60)の前縁は、切れ刃(620A、620B;620A、620B;620A**、620B**)を画定する少なくとも1つのサイドベベル(615A、615B;615A;615B;615A**、615B**)を設けられることを特徴とする医療器具(1;10)。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の医療器具(1;10;1;10)において、前記細長いロッド部材(5;50;500;5;50)は、中実であり、且つ非中空であることを特徴とする医療器具(1;10;1;10)。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の医療器具(1;10;1;10)において、前記細長いロッド部材(5A;50A;500A;5A;50A)は、母線(GX)に沿って延び、前記第2の部分の前記末端(5A;50A;500A;5A;50A)を含む前記末端(5A;50A;500A;5A ;50A まで、前記母線(GX)に沿った任意の地点で測定される、前記細長いロッド部材(5A;50A;500A;5A;50A)の直径は、2mm以下であることを特徴とする医療器具(1;10;1;10)。
【請求項8】
経皮的開放手技のための医療器具(100;110)において、外科医による前記医療器具(100;110)の取り扱い、方向付け及び操作を可能にするように設計されたハンドル部分(200;200)と、前記ハンドル部分(200;200)に固定され、且つ規定平面(P0)内において実質的に延びる細長いロッド部材(105;150)とを含み、
前記細長いロッド部材(105;150)の第1の部分は、前記ハンドル部分(200;200)から離れる方に前記規定平面(P0)内において第1の方向(a1;a1’)に沿って実質的に延び、
前記第1の部分の下流の前記細長いロッド部材(105;150)の第2の部分は、前記規定平面(P0)内で湾曲を付けられ且つ/又は曲げられ、
前記第2の部分の末端(105A;150A)における前記細長いロッド部材(105;150)の自由端は、症状の程度が重い組織に対する切断デバイスとして機能するように設計された平坦化セクション(106;160)を形成するために平坦化され、前記平坦化セクション(106;160)は、前記規定平面(P0)に実質的に平行に延びることを特徴とする医療器具(100;110)。
【請求項9】
請求項8に記載の医療器具(100;110)において、前記平坦化セクション(106;160)は、前記規定平面(P0)内において実質的に延びることを特徴とする医療器具(100;110)。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の医療器具(100;110)において、前記平坦化セクション(106;160)は、切れ刃として機能するテーパ状の前縁(106A;160A)を呈するように構成されることを特徴とする医療器具(100;110)。
【請求項11】
請求項8乃至10の何れか1項に記載の医療器具(100;110)において、前記平坦化セクション(106;160)は、前記規定平面(P0)に対して垂直に測定されて0.5mm未満の厚さ(t1;t2)を呈することを特徴とする医療器具(100;110)。
【請求項12】
請求項8乃至11の何れか1項に記載の医療器具(100;110)において、前記平坦化セクション(106;160)は、前記規定平面(P0)で測定されて2.5mm以下の幅(w1;w2)を呈することを特徴とする医療器具(100;110)。
【請求項13】
請求項8乃至12の何れか1項に記載の医療器具(100;110)において、前記細長いロッド部材(105;150)は、母線(GX)に沿って延び、前記第2の部分の前記末端(105A;150A)までであるが、前記末端(105A;150A)を含まない、前記母線(GX)に沿った任意の地点で測定される、前記細長いロッド部材(105;150)の直径は、2mm以下であることを特徴とする医療器具(100;110)。
【請求項14】
請求項8乃至13の何れか1項に記載の医療器具(100;110)において、前記細長いロッド部材(105;150)は、中空管部材(105.1;150.1)を含み、前記平坦化セクション(106;160)は、前記中空管部材(105.1;150.1)の平坦化された自由端であることを特徴とする医療器具(100;110)。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか1項に記載の医療器具(1;10;1;10;100;110)において、前記第2の部分の前記末端(5A;50A;500A;5A;50A;105A;150A)における前記細長いロッド部材(5;50;500;5;50;105;150)の端部セクションは、前記第1の方向(a1;a1’)に対して実質的に垂直に延びることを特徴とする医療器具(1;10;1;10;100;110)。
【請求項16】
請求項15に記載の医療器具(1;10;1;10;100;110)において、前記細長いロッド部材(5;50;500;5;50;105;150)の前記端部セクションは、80°~120°に含まれる角度(α2;β4)を前記第1の方向(a1;a1’)に対して形成する第2の方向(a2;a2’)に沿って延びることを特徴とする医療器具(1;10;1;10;100;110)。
【請求項17】
請求項1乃至16の何れか1項に記載の医療器具(1;10;1;10;100;110)において、前記細長いロッド部材(5;50;500;5;50;105;150)の前記第1の部分は、実質的に直線状のセクションであることを特徴とする医療器具(1;10;1;10;100;110)。
【請求項18】
請求項17に記載の医療器具(1;10;1;10;100;110)において、前記細長いロッド部材(5;50;500;5;50;105;150)の前記第1の部分は、30~60mmのオーダーの長さを有することを特徴とする医療器具(1;10;1;10;100;110)。
【請求項19】
請求項1乃至18の何れか1項に記載の医療器具(1;10;1;10*;100;110)において、前記第2の部分は、30°を超える角度(α1;β1、β2、β3)にわたって延びる少なくとも1つの湾曲セクション(5a;50a、50b、50c;5a;50a、50b、50c;105a;150a、150b、150c)を含むことを特徴とする医療器具(1;10;1;10;100;110)。
【請求項20】
請求項19に記載の医療器具(1;1;100)において、前記第2の部分は、60°を超える角度(α1)にわたって延びる単一の湾曲セクション(5a;5a;105a)を含むことを特徴とする医療器具(1;1;100)。
【請求項21】
請求項20に記載の医療器具(1;1;100)において、前記湾曲セクション(5a;5a;105)の曲率半径(R1)は、30~45mmのオーダーであることを特徴とする医療器具(1;1;100)。
【請求項22】
請求項20又は21に記載の医療器具(1;1;100)において、前記第2の部分の前記末端(5A;5A;105A)における前記細長いロッド部材(5;5;105)の端部セクションは、前記第1の方向(a1)に対して垂直に第2の方向(a2)に沿って延びることを特徴とする医療器具(1;1;100)。
【請求項23】
請求項19に記載の医療器具(10;10;110)において、前記第2の部分は、それぞれ40°以下の角度(β1、β2、β3)にわたって延びる複数の湾曲セクション(50a、50b、50c;50a、50b、50c;150a、150b、150c)を含むことを特徴とする医療器具(10;10;110)。
【請求項24】
請求項23に記載の医療器具(10;10;110)において、前記第2の部分は、3つの湾曲セクション(50a、50b、50c;50a、50b、50c;150a、150b、150c)を含むことを特徴とする医療器具(10;10*;110)。
【請求項25】
請求項23又は24に記載の医療器具(10;10;110)において、前記複数の湾曲セクション(50a、50b、50c;50a、50b、50c;150a、150b、150c)は、実質的に直線状のセクションによって分離されることを特徴とする医療器具(10;10;110)。
【請求項26】
請求項25に記載の医療器具(10;10;110)において、前記複数の湾曲セクション(50a、50b、50c;50a、50b、50c;150a、150b、150c)を分離する前記直線状のセクションは、15~25mmのオーダーの長さ(L2’、L3’;L2**、L3**)を有することを特徴とする医療器具(10;10;110)。
【請求項27】
請求項1乃至26の何れか1項に記載の医療器具(1;10;1;10;100;110)において、前記細長いロッド部材(5;50;500;5;50;105)は、超音波検査下で識別可能であるように設計された複数のマーキング(7;70;7;70;700;700)を設けられることを特徴とする医療器具(1;10;1;10;100;110)。
【請求項28】
請求項27に記載の医療器具(1;10;1;10;100;110)において、前記マーキング(7;70;7;70;700;700)は、エンボスであることを特徴とする医療器具(1;10;1;10;100;110)。
【請求項29】
請求項27又は28に記載の医療器具(1;10;1;10;100;110)において、前記マーキング(7;70;7;70;700;700)は、前記細長いロッド部材(5;50;500;5;50;105;150)の前記第2の部分にわたって分布されることを特徴とする医療器具(1;10;1;10;100;110)。
【請求項30】
請求項27乃至29の何れか1項に記載の医療器具(1;10;1;10;100;110)において、前記細長いロッド部材(5;50;500;5;50;105;150)に沿った前記マーキング(7;70;7;70;700;700)の寸法及び/又は分布は、不均一であることを特徴とする医療器具(1;10;1;10;100;110)。
【請求項31】
請求項1乃至30の何れか1項に記載の医療器具(1;10;1;10;100;110)において、前記ハンドル部分(2;20;200;200)は、可視マーキング(3;300)を設けられることを特徴とする医療器具(1;10;1;10;100;110)。
【請求項32】
請求項31に記載の医療器具(1;10;1;10;100;110)において、前記可視マーキング(3;300)は、レーザーマーキングであることを特徴とする医療器具(1;10;1;10;100;110)。
【請求項33】
請求項31又は32に記載の医療器具(1;10;1;10;100;110)において、前記可視マーキング(3;300)は、前記細長いロッド部材(5;50;500;5;50;105;150)の前記第2の部分と同じ方向に向けられる前記ハンドル部分(2;20;200;200)の内面(2A;20A;200A;200A)に設けられることを特徴とする医療器具(1;10;1;10;100;110)。
【請求項34】
請求項1乃至33の何れか1項に記載の医療器具(1;10;1;10;100;110)において、前記細長いロッド部材(5;50;500;5;50;105;150)の断面積は、5mm以下であることを特徴とする医療器具(1;10;1;10;100;110)。
【請求項35】
請求項34に記載の医療器具(1;10;1;10;100;110)において、前記細長いロッド部材(5;50;500;5;50;105;150)の前記断面積は、2mm以下であることを特徴とする医療器具(1;10;1;10;100;110)。
【請求項36】
請求項1乃至35の何れか1項に記載の医療器具(1;10;1;10;100;110)において、前記末端(5A;50A;500A;5A;50A;105A;150A)の上流の前記細長いロッド部材(5;50;500;5;50;105;150)の直径(D1;D1’;D1;D1**)は、1~2mmのオーダーであることを特徴とする医療器具(1;10;1;10;100;110)。
【請求項37】
請求項1乃至36の何れか1項に記載の医療器具(1;10;1;10;100;110)において、前記細長いロッド部材(5;50;500;5;50;105;150)は、前記末端(5A;50A;500A;5A;50A;105A;150A)の上流に実質的に円形の断面を有することを特徴とする医療器具(1;10;1;10;100;110)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、経皮的開放手技、特に経皮的手根管開放及び経皮的A1プーリー開放などであるが、これらに限定されない、上肢又は下肢の経皮的開放手技のための医療器具に関する。本発明は、腱剥離術、腱切除、腱切除延長、腱膜切開、神経剥離及び神経切断などであるが、これらに限定されない他の開放手技にも適用可能である。
【背景技術】
【0002】
手根管症候群(CTS)及びばね指症候群(TFS)は、外科的開放手技によって好都合に治療することができる。これらの外科的開放手技は、通常、単純な穿刺針又はより複雑なフックナイフ若しくはプッシュナイフを使用して実行される。このような医療器具は、網羅的なリストではないが、モートン神経腫、足根管開放、ド・ケルバン症候群、上顆痛、肩の手術及び同様の開放手技の治療など、上肢又は下肢の他の外科的開放手技にも使用することができる。
【0003】
米国特許第5,507,800A号明細書は、手根管開放手術を行うための手根管トームを開示しており、このトームは、その上に一体的に形成されたヘッド部分又は切断ヘッドを有するステムに取り付けられたハンドル部分を含む。ヘッド部分は、鈍い隆起によって両側が境界付けられている切れ刃を有するブレードを含む。手根管開放手術中、この医療器具は、ブレードが実質的に垂直に載るような構成で保持され、その際、ブレードの下側及び上側の鈍い隆起が靭帯をまたぐ。次に、外科医は、医療器具をプッシュナイフとして使用して靭帯を徐々に切断する。前述の手根管トームの寸法及び構成は、手根管開放手術が、準備段階として、靭帯の一部を露出させるために、外科用開創器を使用して、患者の掌側に1~2cm程度の切開と鋭い解離とを必要とするようなものである。そうして初めて、外科用開創器によって露出が維持された状態で手根管トームを創傷に挿入し、靭帯を切断するように押すことができる。
【0004】
したがって、米国特許第5,507,800A号明細書に開示されている手根管トームの欠点は、関連する外科手術が厳密に経皮的ではなく、患者の掌側に比較的大きい切開を必要とし、この切開は、外科的手技後に閉鎖するために対応する縫合を必要とするという事実にある。
【0005】
米国特許第5,029,573A号明細書は、手根管開放手術を実施するために使用される内視鏡手術のためのシステムを開示している。この特許公開によれば、比較的大きい寸法のプローブナイフ、三角切断器具及び逆行性切断器具は、ガイド部材として機能するトロカール及びシースと組み合わせて使用され、トロカール及びシースは、最初に手根靭帯の下に挿入され、この挿入は、患者の手首と患者の掌側との両方で1~2cm程度の入口及び出口切開を必要とする。さらに、患者の手を過度に伸ばした位置に固定して、手根管を通してトロカール及びシースを完全に挿入できるようにするために特定のハンドレストが必要である。トロカール及びシースは、患者の手及び手根管を通して手首側から掌側に最初に挿入される。トロカール及びシースが完全に挿入されると、トロカールが引き抜かれ、内視鏡がシースの何れか1つの開放端に挿入される。次に、プローブナイフ、三角切断器具、逆行性ナイフを順番に使用し、シースの自由端から挿入して手根靭帯の開放を実施する。
【0006】
したがって、米国特許第5,029,573A号明細書に開示されている解決策の欠点は、関連する外科手術が同様に厳密に経皮的ではなく、トロカールの挿入を可能にするために患者の掌側及び手首に2つの比較的大きい切開を必要とし、外科的手技後に関連する切開を閉鎖するために対応する縫合を必要とするという事実にある。外科手術は、開放手技を完了するために複数の器具のセットを使用することをさらに必要とする。
【0007】
米国特許第8,603,124B1号明細書は、超音波により支援される手根管手術のための改良型手術用メスを開示しており、この改良型手術用メスは、手根管開放を実施するためにトロカールと組み合わせて使用される。
【0008】
経皮的開放手技は、単純な穿刺針を使用して実行することができる。しかしながら、開放手技は、実行が容易ではなく、隣接する構造物にとって潜在的に危険であるため、この解決策は、満足のいくものではない。
【0009】
米国特許第5,782,850A号明細書は、ばね指症候群(TFS)を治療するための医療器具(「HAKIナイフ」とも呼ばれる)を開示している。この医療器具は、前端で前方を指向する第1の先端を有する先細状の腱に向けられる前端と、第1の先端に対して後方を指向する第2の尖った先端と、第2の先端から下方及び後方にその全長に沿って延びているフック形状の切れ刃を有する横方向の溝状のくぼみとからなる操作部分を有する。A1プーリーの経皮的開放は、前述の医療器具により、すなわち入口地点での切開なしに実行可能であり、医療器具は、プーリーを徐々に切り開くためにプーリーの近位境界から遠位境界まで順行性の方法で使用される。
【0010】
米国特許第5,782,850A号明細書に開示されている医療器具の欠点は、その構成が依然として比較的複雑であるという事実にある。さらに、この医療器具の構成は、溝状のくぼみ及びその中に延びるフック形状の切れ刃が、特に医療器具を引き抜く間、周囲の組織及び構造に望ましくない損傷を引き起こす可能性があるようなものである。
【0011】
これらの医療器具は、ある程度満足のいくものであり得る。したがって、一方では、改善された解決策の必要性、特に低侵襲の外科的開放手技をすなわち真に経皮的な方法で実行することを可能にし、医療器具の挿入及び/又は引き抜き中の周囲の組織及び構造への望ましくない損傷の発生を防ぐような解決策の必要性が残っている。
【発明の概要】
【0012】
本発明の一般的な目的は、経皮的開放手技、特に経皮的手根管開放又は経皮的A1プーリー開放などの上肢又は下肢における経皮的開放手技及び例えば本記載の導入部分に記載されているような状態又は症候群の治療で使用される他の経皮的開放手技のための改良された医療器具を提供することである。
【0013】
この一般的な目的は、請求項1に定義された解決策、すなわち外科医による医療器具の取り扱い、方向付け及び操作を可能にするように設計されたハンドル部分と、ハンドル部分に固定され、且つ規定平面内において実質的に延びる細長いロッド部材とを含む、経皮的開放手技のための医療器具により、本発明の第1の態様に従って達成される。細長いロッド部材の第1の部分は、ハンドル部分から離れる方に規定平面内において第1の方向に実質的に沿って延び、及び第1の部分の下流の細長いロッド部材の第2の部分は、規定平面内で湾曲を付けられ且つ/又は曲げられる。さらに、第2の部分の末端における細長いロッド部材の自由端は、ベベル表面を呈するベベル端部として成形され、このベベル端部は、症状の程度が重い組織に対する切断デバイスとして機能するように設計され、前記ベベル表面は、規定平面に対して傾斜される。
【0014】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題を形成し、以下で考察される。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によれば、規定平面に対する、ベベル表面を含む平面の傾斜角は、10°~40°のオーダーである。さらにより好ましくは、傾斜角は、15°~30°のオーダーである。
【0016】
本発明のこの第1の態様の有利な実施形態によれば、ベベル端部は、異なる傾斜角を有する少なくとも2つのベベル表面を呈する。これらの少なくとも2つのベベル表面は、ベベル表面が異なる傾斜角のために異なる超音波エコー又はシグネチャを生成するため、超音波検査下での医療器具の末端の位置付け及び方向付けを促進する。
【0017】
本発明のこの第1の態様のさらなる実施形態によれば、ベベル端部の遠位端におけるベベル端部の前縁は、切れ刃を画定する少なくとも1つのサイドベベルを設けられる。
【0018】
前述に関連して、細長いロッド部材は、特に、中実であり、且つ非中空であり得る。
【0019】
本発明のこの第1の態様の特に好ましい実施形態によれば、細長いロッド部材は、母線に沿って延び、第2の部分の末端まで且つ末端を含めて、母線に沿った任意の地点で測定される、細長いロッド部材の横方向の幅は、2mm以下である。これは、周囲の組織及び構造に損傷を与えることなく、医療器具の挿入及び引き抜きに有利となる、特に薄い構成を有する細長いロッド部材をもたらす。
【0020】
前述の一般的な目的は、請求項8に定義された解決策、すなわち外科医による医療器具の取り扱い、方向付け及び操作を可能にするように設計されたハンドル部分と、ハンドル部分に固定され、且つ規定平面内において実質的に延びる細長いロッド部材とを含む、経皮的開放手技のための医療器具により、本発明の第2の態様によっても達成される。細長いロッド部材の第1の部分は、ハンドル部分から離れる方に規定平面内において第1の方向に沿って実質的に延び、及び第1の部分の下流の細長いロッド部材の第2の部分は、規定平面内で湾曲を付けられ且つ/又は曲げられる。さらに、第2の部分の末端における細長いロッド部材の自由端は、症状の程度が重い組織に対する切断デバイスとして機能するように設計された平坦化セクションを形成するために平坦化され、この平坦化セクションは、規定平面に実質的に平行に延びる。
【0021】
本発明のこの第2の態様の好ましい実施形態によれば、平坦化セクションは、規定平面内において実質的に延びる。
【0022】
好ましくは、平坦化セクションは、切れ刃として機能するテーパ状の前縁を呈するように構成される。
【0023】
平坦化セクションは、特に、規定平面に対して垂直に測定されて0.5mm未満の厚さを呈し得る。
【0024】
平坦化セクションは、規定平面で測定されて2.5mm以下の幅をさらに呈し得る。
【0025】
本発明のこの第2の態様の特に好ましい実施形態によれば、細長いロッド部材は、母線に沿って延び、第2の部分の末端までであるが、末端を含まない、母線に沿った任意の地点で測定される、細長いロッド部材の横方向の幅は、2mm以下である。これは、同様に、周囲の組織及び構造に損傷を与えることなく、医療器具の挿入及び引き抜きに有利となる、特に薄い構成を有する細長いロッド部材をもたらす。
【0026】
前述に関連して、細長いロッド部材は、好ましくは、中空管部材を含み、平坦化セクションは、中空管部材の平坦化された自由端である。
【0027】
本発明の前述の第1及び第2の態様の両方に関連して適用可能な本発明のさらなる実施形態は、追加の従属請求項の主題を形成し、以下で考察される。
【0028】
有利には、第2の部分の末端における細長いロッド部材の端部セクションは、第1の方向に対して実質的に垂直に延びる。細長いロッド部材の端部セクションは、特に、80°~120°に含まれる角度を第1の方向に対して形成する第2の方向に沿って延び得る。
【0029】
好ましくは、細長いロッド部材の第1の部分は、実質的に直線状のセクションである。細長いロッド部材の第1の部分は、特に、30~60mmのオーダーの長さを有し得る。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、第2の部分は、30°を超える角度にわたって延びる少なくとも1つの湾曲セクションを含む。この実施形態の第1の変形形態によれば、第2の部分は、60°を超える角度にわたって延びる単一の湾曲セクションを含み、及び湾曲セクションの曲率半径は、好ましくは、30~45mmのオーダーである。これに関連して、第2の部分の末端における細長いロッド部材の端部セクションは、特に、第1の方向に対して垂直に第2の方向に沿って延び得る。この実施形態の第2の変形形態によれば、第2の部分は、それぞれ40°以下の角度にわたって延びる複数の、特に3つの湾曲セクションを含む。これに関連して、複数の湾曲セクションは、特に、好ましくは15~25mmのオーダーの長さを有する実質的に直線状のセクションによって分離され得る。
【0031】
本発明の特に有利な実施形態によれば、細長いロッド部材は、超音波検査下で識別可能であるように設計されている、エンボスなどの複数のマーキングを設けられる。これらのマーキングは、好ましくは、細長いロッド部材の第2の部分にわたって分布される。さらに、細長いロッド部材に沿ったマーキングの寸法及び/又は分布は、有利には、不均一であり得る。
【0032】
有利には、医療器具のハンドル部分は、レーザーマーキングなどの可視マーキングを設けられ得、この可視マーキングは、好ましくは、細長いロッド部材の第2の部分と同じ方向に向けられるハンドル部分の内面に設けられる。
【0033】
好ましくは、細長いロッド部材の断面積は、5mm以下である。さらにより好ましくは、細長いロッド部材の断面積は、2mm以下である。末端の上流の細長いロッド部材の直径は、特に、1~2mmのオーダーであり得る。
【0034】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、細長いロッド部材は、末端の上流に実質的に円形の断面を有する。
【0035】
同様に特許請求されるのは、上肢又は下肢において経皮的開放手技を実行する目的のため、特に経皮的手根管開放を実行する目的のため又は経皮的A1プーリー開放を実行する目的のための、本発明の医療器具の使用である。
【0036】
好ましくは、本発明の医療器具は、経皮的開放手技を実行する目的のために使用され、経皮的開放手技は、超音波検査の支援下で実行される。同様に特許請求されるのは、超音波検査プローブとの組み合わせにおける、本発明の医療器具の使用である。これに関連して、医療器具は、特に、請求項27~30の何れか一項に記載の医療器具であり得、複数のマーキングは、経皮的開放手技中に医療器具を方向付ける目的のために利用される。その点において、医療器具の向きは、特に、超音波画像で自動的に検出され得る。有利には、医療器具の仮想表現は、超音波画像上にリアルタイムでさらに重ね合わされ得る。
【0037】
本発明の他の特徴及び利点は、非限定的な例としてのみ提示され、添付の図面によって示される本発明の実施形態の以下の詳細な記載を読むことからより明確に現れるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、本発明の第1の実施形態による医療器具の斜視図であり、この医療器具は、手根管症候群の治療における経皮的手根管開放に特に適している。
図2図2は、図1に再現されたデカルト座標系x-y-zのx軸に沿って見た図1の医療器具の側面図であり、医療器具の細長いロッド部材は、y軸及びz軸によって形成される垂直平面に平行である規定平面内において実質的に延びる。
図3図3は、x軸に沿って見た図1の医療器具の別の側面図である。
図4図4は、z軸に沿って見た図1の医療器具の上面図である。
図5図5は、y軸に沿って見た図1の医療器具の背面図である。
図6図6は、図5の詳細Aによって識別される、図1の医療器具の末端の拡大図である。
図7図7は、図1の医療器具のハンドル部分の斜視図である。
図8図8は、図7のハンドル部分の側面図であり、可視マーキングが提供されている。
図9図9は、異なる視野から取得された図7のハンドル部分の別の側面図である。
図10図10は、図7のハンドル部分の正面図であり、ハンドル部分は、医療器具の細長いロッド部材に固定されている。
図11図11は、本発明の別の実施形態による医療器具の斜視図であり、この医療器具は、ばね指症候群の治療における経皮的A1プーリー開放に特に適している。
図12図12は、図11に再現されたデカルト座標系x-y-zのx軸に沿って見た図11の医療器具の側面図であり、医療器具の細長いロッド部材は、y軸及びz軸によって形成される垂直平面に平行である規定平面内において実質的に延びる。
図13図13は、x軸に沿って見た図11の医療器具の別の側面図である。
図14図14は、y軸に沿って見た図11の医療器具の正面図である。
図15図15は、図13の詳細Bによって識別される、図11の医療器具の末端の拡大図である。
図16図16は、図15で再現された断面C-Cに沿って取られた、図11の医療器具の末端の断面図である。
図17図17は、図11の医療器具のハンドル部分の斜視図である。
図18図18は、図17のハンドル部分の側面図である。
図19図19は、異なる視野から取得された図17のハンドル部分の別の側面図である。
図20図20は、図17のハンドル部分の正面図であり、ハンドル部分は、医療器具の細長いロッド部材に固定されている。
図21A図21Aは、本発明の別の実施形態による医療器具のベベル端部の構成を示す、医療器具の末端の上面図であり、この構成は、図1~20の医療器具に関連しても適用可能である。
図21B図21Bは、図21Aの医療器具のベベル端部の構成を示す側面図である。
図22A図22Aは、図21A及び21Bに再現された断面D-Dに沿って、ベベル端部の上流で取られた、図21A及び21Bの医療器具の細長いロッド部材の末端の断面図である。
図22B図22Bは、ベベル端部の第1の部分を通過する、図21A及び21Bに再現された断面E-Eに沿って取られた、図21A及び21Bの医療器具の細長いロッド部材の末端の断面図である。
図22C図22Cは、ベベル端部の第2の部分を通過する、図21A及び21Bで再現された断面F-Fに沿って取られた、図21A及び21Bの医療器具の細長いロッド部材の末端の断面図である。
図22D図22Dは、図21A及び21Bの医療器具の細長いロッド部材の末端の正面図である。
図23図23は、デカルト座標系x-y-zのx軸に沿って見た、図1~10の医療器具の変形形態の側面図であり、医療器具の細長いロッド部材は、y軸及びz軸によって形成される垂直面に平行な規定平面内において実質的に延びる。
図24図24は、z軸に沿って見た図23の医療器具の上面図である。
図25図25は、y軸に沿って見た図23の医療器具の背面図である。
図26図26は、x軸に沿って見た図23の医療器具の末端の拡大図である。
図27図27は、図26で再現された断面G-Gに沿って取られた、図23の医療器具の末端の断面図である。
図28図28は、デカルト座標系x-y-zのx軸に沿って見た、図11~20の医療器具の変形形態の側面図であり、医療器具の細長いロッド部材は、y軸及びz軸によって形成される垂直平面に平行な規定平面内において実質的に延びる。
図29図29は、y軸に沿って見た図28の医療器具の正面図である。
図30図30は、x軸に沿って見た図28の医療器具の末端の拡大図である。
図31図31は、図30に再現された断面H-Hに沿って取られた、図28の医療器具の末端の断面図である。
図32図32は、デカルト座標系x-y-zのx軸に沿って見た、本発明のさらなる実施形態による医療器具の側面図であり、医療器具の細長いロッド部材は、y軸及びz軸によって形成される垂直平面に平行な規定平面内において実質的に延びる。
図33図33は、z軸に沿って見た図32の医療器具の上面図である。
図34図34は、y軸に沿って見た図23及び24の医療器具の背面図である。
図35A図35Aは、その成形及び平坦化前の、図32~34の医療器具の細長いロッド部材の側面図である。
図35B図35Bは、図35Aの細長いロッド部材の上面図である。
図35C図35Cは、図35Bで再現された断面I-Iに沿って取られた、図35A及び35Bの細長いロッド部材の断面図である。
図36A図36Aは、図35A~35Cの細長いロッド部材の成形後及び細長いロッド部材の末端の平坦化前の側面図である。
図36B図36Bは、図36Aの細長いロッド部材の背面図である。
図37A図37Aは、細長いロッド部材の末端を平坦化した後の、図36A及び36Bの細長いロッド部材の側面図である。
図37B図37Bは、図37Aの細長いロッド部材の背面図である。
図37C図37Cは、図37Aの詳細Jによって識別される、図37Aの細長いロッド部材の平坦化された端部の拡大図である。
図38図38は、デカルト座標系x-y-zのx軸に沿って見た、本発明のさらに別の実施形態による医療器具の側面図であり、医療器具の細長いロッド部材は、y軸及びz軸によって形成された垂直平面に平行な規定平面内において実質的に延びる。
図39図39は、z軸に沿って見た図38の医療器具の上面図である。
図40図40は、y軸に沿って見た図38及び39の医療器具の背面図である。
図41A図41Aは、その成形及び平坦化前の、図38~40の医療器具の細長いロッド部材の側面図である。
図41B図41Bは、図41Aの細長いロッド部材の上面図である。
図42A図42Aは、図41A及び41Bの細長いロッド部材の成形後及び細長いロッド部材の末端の平坦化前の側面図である。
図42B図42Bは、図42Aの細長いロッド部材の背面図である。
図43A図43Aは、細長いロッド部材の末端を平坦化した後の、図42A及び42Bの細長いロッド部材の側面図である。
図43B図43Bは、図43Aの細長いロッド部材の背面図である。
図43C図43Cは、図43Aの詳細Kによって識別される、図43Aの細長いロッド部材の平坦化された端部の拡大図である。
図44A図44Aは、器具の挿入前に、横手根靭帯(TCL)の開放のために超音波検査ガイダンス下で使用されている図32~37A~Cの医療器具を示す概略図である。
図44B図44Bは、器具の挿入前に、横手根靭帯(TCL)の開放のために超音波検査ガイダンス下で使用されている図32~37A~Cの医療器具を示す概略図である。
図45A図45Aは、器具の挿入中の図32~37A~Cの医療器具を示す概略図である。
図45B図45Bは、器具の挿入中の図32~37A~Cの医療器具を示す概略図である。
図46A図46Aは、TCLの切開中の図32~37A~Cの医療器具を示す概略図である。
図46B図46Bは、TCLの切開中の図32~37A~Cの医療器具を示す概略図である。
図46C図46Cは、TCLの切開中の図32~37A~Cの医療器具を示す概略図である。
図47図47は、TCLの開放の完了後の図32~37A~Cの器具の引き抜きを示す概略図である。
図48A図48Aは、器具の挿入中の、A1プーリーの開放のために超音波検査ガイダンス下で使用されている図39~43A~Cの医療器具を示す概略図である。
図48B図48Bは、器具の挿入中の、A1プーリーの開放のために超音波検査ガイダンス下で使用されている図39~43A~Cの医療器具を示す概略図である。
図49A図49Aは、A1プーリーの切開中の図39~43A~Cの医療器具を示す概略図である。
図49B図49Bは、A1プーリーの切開中の図39~43A~Cの医療器具を示す概略図である。
図50図50は、A1プーリーの開放が完了した後の図39~43A~Cの器具の引き抜きを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明を様々な例示的な実施形態に関連して記載する。本発明の範囲は、本明細書に開示される医療器具の特徴のすべての組み合わせ及び下位組み合わせを包含することが理解されるべきである。
【0040】
本明細書に記載される際、2つ以上の部品又は構成要素が互いに接続、取り付け、固定又は結合されると記載される場合、それらは、互いに直接又は1つ若しくは複数の中間部品を介してそのように接続、取り付け、固定又は結合され得る。
【0041】
図1~10を参照すると、本発明による、参照番号1で示される医療器具の第1の実施形態が示され、この第1の実施形態は、手根管症候群(CTS)の治療における経皮的手根管開放に特に適している。参照番号1で示されるこの第1の実施形態の変形形態は、図23~27にさらに示されている。
【0042】
図11~20を参照すると、本発明による、参照番号10で示される医療器具の別の実施形態が示され、この他の実施形態は、ばね指症候群(TFS)の治療における経皮的A1プーリー開放に特に適している。参照番号10で示されるこの第2の実施形態の変形形態は、図28~31にさらに示されている。
【0043】
本発明のさらなる実施形態は、図32~43A~Cを参照して考察される。図32~37A~Cは、手根管症候群(CTS)の治療における経皮的手根管開放に特に適した医療器具100のさらなる実施形態を示し、図38~43A~Cは、ばね指症候群(TFS)の治療における経皮的A1プーリー開放に特に適した医療器具110の別の実施形態を示す。
【0044】
すべての実施形態は、外科医による医療器具の取り扱い、方向付け及び操作を可能にするように設計されたそれぞれのハンドル部分2、20、200、200と、それぞれのハンドル部分2、20、200、200に固定され、且つ参照記号P0で示された規定平面内において実質的に延びるそれぞれの細長いロッド部材5、50、5、50、105、150とを含むいくつかの共通の特徴を共有する。図面に再現されたデカルト座標系x-y-zを参照すると、この規定平面P0は、y軸及びz軸によって形成される垂直平面に平行な垂直平面であると想定される。
【0045】
図に示されているように(特に図3、13、23、28、32及び38を参照されたい)、それぞれの細長いロッド部材5、50、5、50、105、150の第1の部分は、実質的にそれぞれの第1の方向a1、a1’に沿って、規定平面P0内において、それぞれのハンドル部分2、20、200、200から離れる方に、すなわちy軸に平行に延びる。この第1の部分は、特に、実質的に直線状のセクションであり得る。加えて、第1の部分の下流のそれぞれの細長いロッド部材5、50、5、50、105、150の第2の部分は、規定平面P0内で湾曲を付けられ且つ/又は曲げられる。図中の参照記号GXは、それぞれの細長いロッド部材5、50、5、50、105、150がそれに沿って延びる母線を示す。
【0046】
さらに、図1~20及び28~31に示される実施形態に関して、第2の部分のそれぞれの末端5A、50A、5A、50Aにおけるそれぞれの細長いロッド部材5、50、5、50の自由端は、それぞれのベベル端部6、60、6、60として成形され、それぞれのベベル表面6A(図5及び6を参照されたい)、60A(図14~16を参照されたい)、6A図25~27を参照されたい)、60A図29~31を参照されたい)を呈する。このそれぞれのベベル端部6、60、6、60は、症状の程度が重い組織に対する切断デバイスとして機能するように設計され、それぞれのベベル表面6A、60A、6A、60Aは、規定平面P0に対して傾斜されている。
【0047】
好ましくは、規定平面P0に対する、それぞれのベベル表面6A(図6を参照されたい)、60A(図16を参照されたい)、6A図27を参照されたい)、60A図31を参照されたい)を含むそれぞれの平面P、P’、P、P**のそれぞれの傾斜角θ1、θ2、θ1、θ2は、10°~40°のオーダーであり、さらにより好ましくは15°~30°のオーダーである。図1~20及び28~31の例では、傾斜角θ1、θ2及びθ2は、それぞれ30°のオーダーであるが、図23~27の例では、傾斜角θ1は、15°のオーダーである。
【0048】
図21A~B及び22A~Dは、本発明の別の実施形態による、医療器具の細長いロッド部材500の末端500Aにおけるベベル端部600の構成を示す。この構成は、図1~20に示されるような前述の医療器具に関連して特に適用可能である。
【0049】
それぞれのベベル端部6、60がそれぞれの単一のベベル表面6A、60Aを呈する、図1~20に示される実施形態とは対照的に、図21A~B及び22A~Dに示されるベベル端部600は、規定平面P0に対する異なる傾斜角θ3及びθ4を有する少なくとも2つのベベル表面600A、610Aを呈する(ここで、参照記号P’’及びP’’’は、それぞれベベル表面600A、610Aを含む関連する平面を指定する)。この構成は、ベベル表面600A、610Aが異なる傾斜角θ3、θ4のために異なる超音波エコー又はシグネチャを生成するため、超音波検査下で医療器具の末端500Aを位置決め及び方向付ける目的のために特に有利である。
【0050】
図21A~B及び22A~Dに示される構成に関連して、規定平面P0に対する、ベベル表面600Aを含む平面P’’の傾斜角θ3は、15°のオーダーであり、規定平面P0に対する、ベベル表面610Aを含む平面P’’’の傾斜角θ4は、30°のオーダーである。
【0051】
図21A~B及び22A~Dは、本発明のさらなる実施形態による別の有利な特徴をさらに示し、この特徴は、ベベル表面の数とは無関係に、図1~20に示される前述の医療器具に関連して同様に適用可能である。図21A~B及び22A~Dに示されるように、ベベル端部600の遠位端におけるベベル端部600の前縁は、対応する切れ刃620A、620Bを画定する少なくとも1つのサイドベベル615A、615Bを設けられている。図21A~B及び22A~Dの例では、2つのサイドベベル615A及び615Bがベベル端部600の前縁に提供され、これにより、2つの対応する切れ刃620A及び620Bが画定される。図22Cの断面図を見るとこれを理解できるように、サイドベベル615A、615Bの提供は、より鋭い切れ刃620A、620Bをもたらし、組織を切断する能力を改善する。図示のように両側ではなく、ベベル端部600の一方又は他方の側に1つのみのサイドベベルを設け得ることを理解されたい。
【0052】
図21A~B及び22A~Dの図では、サイドベベル615A、615Bは、細長いロッド部材500の末端500Aの長手方向軸に対して角度が付けられ、50°のオーダーの角度γ1を形成する。
【0053】
同様の特徴は、図23~27に示される変形形態において具体化され、ベベル端部6の遠位端にあるベベル端部6の前縁は、対応する切れ刃620A、620B図26を参照されたい)を画定する少なくとも1つのサイドベベル615A、615Bを設けられている。図23~27の例では、2つのサイドベベル615A及び615Bが同様にベベル端部6の前縁に提供され、これにより、2つの対応する切れ刃620A及び620Bが画定される。サイドベベル615A、615Bの提供は、より鋭い切れ刃620A、620Bを同様にもたらし、組織を切断する能力を改善する。サイドベベル615A、615Bは、細長いロッド部材5の末端5Aの長手方向軸に対して同様に角度が付けられ、50°のオーダーの角度γ1を形成する。
【0054】
図28~31は、前述の特徴のさらに別の実施形態を示し、ベベル端部60の遠位端にあるベベル端部60の前縁は、対応する切れ刃620A**、620B**図30を参照されたい)を画定する少なくとも1つのサイドベベル615A**、615B**を設けられている。図28~31の例では、2つのサイドベベル615A**及び615B**がベベル端部60の前縁に再び提供され、2つの対応する切れ刃620A**及び620B**を画定している。前の例とは対照的に、サイドベベル615A**及び615B**は、より顕著であり、結果として得られる切れ刃620A**、620B**のより角度のある構成をもたらし、これは、組織を切断する能力を同様に改善する。サイドベベル615A**、615B**及び結果として得られる切れ刃620A**、620B**は、細長いロッド部材50の末端50Aの長手方向軸に対して角度が付けられ、この他の例では90°のオーダーの角度γ2を形成する。
【0055】
図32~37A~C及び38~43A~Cに示される実施形態に関して、第2の部分のそれぞれの末端105A、150Aにおけるそれぞれの細長いロッド部材105、150の自由端は、症状の程度が重い組織に対する切断デバイスとして機能するように設計されたそれぞれの平坦化セクション106、160を形成するように平坦化される。このそれぞれの平坦化セクション106、160は、規定平面P0に実質的に平行に延びる。好ましくは、図33、34、37B、39、40及び43Bに示されるように、それぞれの平坦化セクション106、160は、規定平面P0内において実質的に延びる。
【0056】
図示の例では、それぞれの細長いロッド部材105、150は、有利には、それぞれの中空管部材105.1、150.1を含み、それぞれの平坦化セクション106、160は、それぞれの中空管部材105.1、150.1の自由端を平坦化する(例えば、押し潰す)ことによって形成される。
【0057】
図35A~Cは、図32~34及び37A~Cに示されるような細長いロッド部材105を形成するためのその成形及び平坦化前の細長いロッド部材105を示す。より具体的には、図示の例では、細長いロッド部材105は、中空管部材105.1の一部を通して挿入されるが、中空管部材105.1の自由端105.1Aを残して挿入される内部部材105.2(特に図35Cを参照されたい)をさらに含む。図35A~Cに示される状態では、細長いロッド部材105は、依然として実質的に直線状である。例として、この状態での(すなわち図36A~Bに示されるような湾曲した構成に成形する前の)細長いロッド部材105の全長Laは、110mmのオーダーである。続いて、細長いロッド部材105は、図36A~Bに示される湾曲した構成に成形され、次いで、中空管部材105.1の自由端105.1Aは、図37A~Cに示されるように、平坦化セクション106を形成するために押し潰される。
【0058】
好ましくは、中空管部材105.1の自由端105.1Aは、図35Aに示されるように、わずかに湾曲を付けられ、画定された傾斜角δ1を有するベベル端部を示すように最初に機械加工される。例として、ここで、傾斜角δ1は、9°のオーダーであるように選択されている。したがって、中空管部材105.1の自由端105.1Aの押し潰しは、図37A~Cに一般的に示されるような構成を有する平坦化セクション106の形成をもたらし、ここで、特徴的なテーパ状の前縁106Aが切れ刃として機能する。好ましくは、規定平面P0に対して垂直に測定された平坦化セクション106の厚さt1は、0.5mm未満に減少される一方、規定平面P0内で測定された平坦化セクション106の幅w1は、2.5以下である。例として、ここで、厚さt1及び幅w1は、それぞれ0.3mm及び2.3mmである。
【0059】
図41A~Bは、図38~40及び43A~Cに示されるような細長いロッド部材150を形成するためのその成形及び平坦化前の細長いロッド部材150を示す。これは、図示されていないが、細長いロッド部材150は、同様に、中空管部材150.1の一部を通して挿入された内部部材を含み得る。図41A~Bに示される状態では、細長いロッド部材150は、依然として実質的に直線状である。例として、この状態での(すなわち図42A~Bに示されるような湾曲状の曲がった構成に成形する前の)細長いロッド部材150の全長La**は、85mmのオーダーである。続いて、細長いロッド部材150は、図42A~Bに示される湾曲状の曲がった構成に成形され、次いで、中空管部材150.1の自由端150.1Aは、図43A~Cに示されるように、平坦化セクション160を形成するために押し潰される。
【0060】
好ましくは、中空管部材150.1の自由端150.1Aは、図41Aに示されるように画定された傾斜角δ1’を有するベベル端部を示すように最初に機械加工される。さらに、図41Bに示すように、角度δ2’を形成する2つのサイドベベル150.2A、150.2Bが中空管部材150.1の自由端150.1Aの前縁に形成され得る。例として、ここで、傾斜角δ1’は、17.5°のオーダーであるように選択される一方、サイドベベル150.2A、150.2Bによって形成される角度δ2’は、52°のオーダーである。したがって、中空管部材150.1の自由端150.1Aの押し潰しは、図43A~Cに一般的に示されるような構成を有する平坦化セクション160の形成をもたらし、ここで、特徴的なテーパ状の前縁160Aが切れ刃として機能する。好ましくは、規定平面P0に対して垂直に測定された平坦化セクション160の厚さt2は、同様に0.5mm未満に減少する一方、規定平面P0内で測定された平坦化セクション160の幅w2は、同様に2.5mm以下である。例として、ここで、厚さt2及び幅w2は、それぞれ0.4mm及び1.8mmである。
【0061】
図1~20、23~31及び32~43A~Cの図に戻ると、それぞれの細長いロッド部材5、50、5、50、105、150の湾曲した又は曲がった第2の部分の部分は、手術中に目的の組織の切断を促進するための支点として特に利用することができる。実際には、湾曲した又は曲がった第2の部分の部分は、下にある組織又はその目的のために挿入された追加の器具に載せるために適切に使用でき、それにより切断オペレーション中の医療器具の操作の支援を提供する。
【0062】
本発明の医療器具は、本質的に細長いロッド部材の断面に対応する最小の断面を有利に示し、これは、組織への貫入を大いに促進し、治療される領域内の医療器具の挿入中及びその引き抜き中の両方で干渉が最小であることも理解されるであろう。さらに、細長い部材の限定的な断面積(好ましくは5mm以下、さらにより好ましくは2mm未満である)は、これが医療器具のエントリーポイントでの切開を必要とせず、単に穿刺で済む真に経皮的な方法で手術を実施できるようなものであり、したがって静脈内注入のように患者に目立った傷跡を残すことなく治癒する。
【0063】
好ましくは、図1~31に示される実施形態を参照すると、第2の部分のそれぞれの末端5A、50A、500A、5A、50Aを含むものまで、母線GXに沿った任意の地点で測定される、それぞれの細長いロッド部材5A、50A、500A、5A、50Aの横方向の幅は、2mm以下である。より具体的には、図示の例では、それぞれの細長いロッド部材5A、50A、500A、5A、50Aの横方向の幅は、それぞれの直径D1、D1’以下である。同様に、図32~43A~Cに示される実施形態を参照すると、第2の部分のそれぞれの末端105A、150Aまでであるが、それらを含まない、母線GXに沿った任意の地点で測定される、それぞれの細長いロッド部材105、150の横方向の幅は、好ましくは、2mm以下である。より具体的には、図示の例では、それぞれの平坦化セクション106、160までのそれぞれの細長いロッド部材105、150の横方向の幅は、それぞれの直径D1、D1**以下である。換言すれば、それぞれの細長いロッド部材5A、50A、500A、5A、50A、105、150は、特に、薄い構成であり、これは、周囲の組織及び構造に損傷を与えることなく、医療器具の挿入及び引き抜きに有利となる。
【0064】
以下の記載をさらに読むことからこれが理解されるように、本発明の医療器具は、単純な構造であり、したがって製造するのに経済的である。
【0065】
さらに特に図1~10の第1の実施形態、図23~27の変形形態及び図32~37A~Cの実施形態を参照すると、第2の部分のそれぞれの末端5A、5A、105Aにおけるそれぞれの細長いロッド部材5、5、105の端部セクションは、第1の方向a1に対して実質的に垂直に、すなわちz軸に平行な第2の方向a2に沿って延びることが認識され得る。換言すれば、図3、23及び32に示される角度α2は、実質的に90°である。
【0066】
図示の例では、それぞれの細長いロッド部材5、5、105の第2の部分は、60°を超える角度α1(図23~27の変形形態及び図32~37A~Cの実施形態に類推により適用される図2を参照されたい)にわたって延びるそれぞれの単一の湾曲セクション5a、5a、105aを含み、それぞれの湾曲セクション5a、5a、105aの曲率半径R1は、30~45mmのオーダーである。例として、角度α1及び曲率半径R1は、それぞれ約68°及び37mmに等しくなるように選択することができるが、これらの値は、本発明の範囲を限定すると見なされるべきではない。この例では、第2の部分のそれぞれの末端5A、5A、105Aにおけるそれぞれの細長いロッド部材5、5、105の端部セクションは、約20°の角度でそれぞれの湾曲セクション5a、5a、105aの端部に対して曲げられ、その結果、端部セクションは、第1の方向a1に対して実質的に垂直に延びることを理解することができる。
【0067】
図示された弧の形状は、手技全体にわたって器具のハンドル部分と超音波検査プローブとの間の干渉なしに、器具を、開放されるべき構造の下又は開放されるべき構造に対して導入して超音波検査フィールドに入れることを可能にする。この形状により、周囲の軟組織に不本意な損傷を引き起こすリスクなしに器具を引き抜くことも可能になる。
【0068】
さらなる例として、y軸に沿ったそれぞれのハンドル部分2、200の長さL0は、50mmのオーダーであり得る一方、y軸に沿ったそれぞれの細長いロッド部材5、5、105の全長L1は、90mmのオーダーであり得る。それぞれの細長いロッド部材5、5、105のそれぞれの末端5A、5A、105Aにおけるz軸に沿った端部セクションの長さL2は、5mm(以上)のオーダーであり得る。
【0069】
さらに特に図11~20、28~31及び38~43A~Cの他の実施形態を参照すると、それぞれの細長いロッド部材50、50、150の第2の部分は、複数の、すなわちそれぞれの3つの湾曲セクション50a、50b、50c;50a、50b、50c;150a、150b、150cを含み、それぞれは、40°以下のそれぞれの角度β1、β2、β3(図28~31の変形形態及び図39~43A~Cの実施形態に類推して適用される図12を参照されたい)にわたって延びることが認識され得る。例として、角度β1、β2及びβ3は、約35°に等しくなるように選択することができ、ここでも、この値は、本発明の範囲を限定するものとして見なされるべきでない。
【0070】
この他の実施形態によれば、それぞれの3つの湾曲セクション50a、50b、50c;50a、50b、50c;150a、150b、150cは、15~25mmのオーダーのそれぞれの長さL2’、L2**;L3’、L3**を有する2つの実質的に直線状のセクションによって分離される。例として、長さL2’、L2**及びL3’、L3**は、それぞれ22mm及び17mmである。
【0071】
さらなる例として、y軸に沿ったそれぞれのハンドル部分20、200の長さL0’は、25~35mmのオーダーであり得る一方、それぞれの細長いロッド部材50、50、150の第1の直線部分の長さL1’は、30mmのオーダーであり得る。それぞれの細長いロッド部材50、50、150のそれぞれの末端50A、50A、150Aにおける端部セクションの長さL4’、L4**は、同様に5mm(以下)のオーダーであり得る。図28~31の変形形態では、そのような長さL4’は、例えば、約2~3mmに縮小することができる。
【0072】
図11~20、28~31及び38~43A~Cの実施形態に関して、第2の部分のそれぞれの末端50A、50A、150Aにおけるそれぞれの細長いロッド部材50、50、150の端部セクションは、第2の方向a2’に沿って第1の方向a1’に対して実質的に垂直に延びるが、角度β4に関して、図13、28及び38に示されるように、これは、本例では約105°であることが認識され得る。
【0073】
図示された角度のある形状は、同様に、手技全体を通して器具のハンドル部分と超音波検査プローブとの間の干渉なしに、器具を、開放されるべき構造の下又は開放されるべき構造に対して導入して超音波検査フィールドに入れることを可能にする。この形状により、同様に、周囲の軟組織に不本意な損傷を引き起こすリスクなしに器具を引き抜くことが可能になる。
【0074】
好ましくは、細長いロッド部材は、超音波検査下で区別できるように設計された複数のマーキングを設けられる。そのようなマーキングは、例えば、図2~5、13、23~25、28、29及び32~43A~Cに示され、それぞれ参照番号7、70、7、70、700及び700によって識別される。これらのそれぞれのマーキング7、70、7、70、700、700は、特に、エンボスであり得、それぞれの細長いロッド部材5、50、5、50、105、150の第2の部分に好都合に分散させることができ、したがって、外科医は、超音波検査の支援下で経皮的開放手技を実行するとき、医療器具の位置を正確に監視することが可能になる。それぞれのマーキング7、70、7、70、700、700の整列は、特に、超音波検査プローブに関する超音波検査分野において、治療する領域で医療器具の適切且つ正確な向きを保証することを可能にする。それに関連して、特に関連するそれぞれのマーキング7、70、7、70、700、700を使用して、超音波画像内の医療器具の向きを自動的に特定して検出し、外科医に視覚的な支援を提供することが想定され得る。この視覚的支援には、必要に応じて、超音波画像への医療器具の仮想表現のリアルタイムでの重ね合わせをさらに含めることができる。
【0075】
好ましくは、図23~25、28、29及び32~43A~Cに概略的に示されているように、それぞれの細長いロッド部材5、50、105、150に沿ったそれぞれのマーキング7、70、700、700の寸法及び/又は分布は、超音波検査下での医療器具の関連する向きの識別を容易にするために不均一であり得る。
【0076】
有利には、図1~10に示されるように(図23~27も参照されたい)、外科手術を行うときに同様に医療器具の向きを識別するために、可視マーキング3(レーザーマーキングなど)をハンドル部分2に設けることができる。図32~37A~Cの実施形態に関連して、同様の視覚的マーキング300が提供される。このそれぞれの可視マーキング3、300は、特に、それぞれの細長いロッド部材5、5、105の第2の部分と同じ方向に向けられるそれぞれのハンドル部分2、200のそれぞれの内面2A、200Aに提供され得る。図11~20、28~31及び38~43A~Cには具体的に示されていないが、同様の可視マーキングは、それぞれの医療器具10、10、110のそれぞれのハンドル部分20、200のそれぞれの内面20A、200Aに提供され得る。
【0077】
好ましくは、それぞれの細長いロッド部材5、50、500、5、50、105、150は、それぞれの末端5A、50A、500A、5A、50A、105A、150Aの上流に実質的に円形の断面を有する。それぞれの細長いロッド部材5、50、500、5、50、105、150のそれぞれの直径D1、D1’、D1、D1**は、特に、1~2mmのオーダーであり得る。例として、それぞれの細長いロッド部材5、5、105のそれぞれの直径D1、D1は、1.5mmのオーダーである一方、それぞれの細長いロッド部材50、50、150のそれぞれの直径D1’、D1**は、1.3mmのオーダーである。
【0078】
図1~31の図では、それぞれの細長いロッド部材5、50、500、5、50は、中実であり、且つ非中空として示されていることが理解され得る。しかしながら、(図32~43A~Cを参照して考察した実施形態と同様に)代わりに中空ロッド部材を使用することを場合により考え得、中空ロッド部材は、血管の損傷の場合、関連するロッドキャビティを通る起こり得る出血を検出する能力を提供し、且つ/又は関連するロッドキャビティに挿入された専用の注射器を使用して局所麻酔薬を注入する能力を提供するであろう。この場合、例えば局所麻酔薬の注射を許可するためにロッドキャビティと通信する対応するキャビティを同様に呈するように、医療器具のハンドルをさらに適合させることが有利である。しかしながら、中実であり且つ非中空のロッド部材の使用は、医療器具がより単純でより費用効率が高く製造できるという点において、図1~31を参照して考察した実施形態に関連して特に有利なままである。
【0079】
図32~43A~Cの実施形態に関連して、それぞれの細長いロッド部材105、150は、好ましくは、上述のような中空管部材を含み、中空管部材は、それぞれの平坦化セクション106、160の形成を容易にし、そのような平坦化セクションは、それぞれの中空管部材105.1、150.1の自由端を押し潰すことによって簡単に製造することができる。それにも関わらず、中実であり且つ非中空のロッド部材を依然として企図することができる。
【0080】
本発明の医療器具は、特に、超音波検査の支援下で上肢又は下肢に経皮的開放手技を実行する目的のために特に使用することができる。しかしながら、他の用途も考えられる。
【0081】
例えば、上述のような医療器具1、1又は100を使用する横手根靭帯(TCL)の外科的開放は、本質的に次のように実行される。
【0082】
1.患者の設置
患者は、仰臥位で腕を横のテーブルに置く。腕を消毒した後、指先から肘に向かって滅菌ドレープを配置する。超音波検査プローブのための滅菌超音波ゲル及びカバーを使用する。手技は、超音波検査プローブを患者の手の手首に一番近い部分に配置することにより開始される。様々な解剖学的構造が冠状面及び矢状面において識別される:屈筋腱、橈骨動脈、尺骨動脈、浅掌動脈弓、正中神経及び尺骨神経、正中運動枝及び存在する場合にはベレッティーニ枝。屈筋支帯(横手根靭帯-TCL)も識別される。経皮的開放を禁忌とする可能性のあるすべての潜在的な構造は、除外される(管内腫瘤、異所性筋肉又は動脈等)。
【0083】
2.局所麻酔
超音波検査のガイダンス下において、18ゲージの針を尺骨動脈と正中神経との間の掌側手首のしわの1cm近位に導入する。尺骨管に入らないように注意を払う。3mlのキシロカインを超音波検査のガイダンス下で手根管に注入し、さらに3mlのキシロカインをTCL上でその近位境界から遠位境界まで皮下に注入する。後者の注入は、わずかに痛みを伴い得る。
【0084】
3.器具のエントリーポイントの形成
14ゲージの針を、矢状面において35°の傾斜角で同じ皮膚エントリーポイントから、尺骨動脈と正中神経との間で手根管まで掌側手根靭帯を通して導入する。手根管に入ると、ベベルをわずかに回転させることにより、針の先端は、正確に識別される。
【0085】
次に、14ゲージの針を引き抜き、丸いエンドプローブを手根管へのエントリーポイントを介して導入する。プローブは、TCLを近位境界から遠位境界まで触診することを可能にし、将来の切開の経路を定める。プローブを有鈎骨のフックのすぐ横に配置する。プローブは、手根管から皮下面まで通過できない。このステップ中、超音波検査プローブを長手方向及び横方向に交互に配置して、長い軸方向の眺めを取得する。
【0086】
4.エントリーポイントを介した器具の挿入
長手方向の眺めを維持しながら、丸いエンドプローブを引き抜き、前述の医療器具(手根管開放術ソノインスツルメント又はCTrSIとも呼ばれる)を超音波検査の制御下でエントリーポイントを介して導入する。図44A及び44Bに示される図示の例では、医療器具100を使用し、最初に平坦化セクション106を掌側に向け、前縁106AをTCL平面に実質的に平行に向けた状態で導入する。
【0087】
医療器具100の先端が掌側手根靭帯を通過すると、器具100の時計回りの90°回転が実行され、この間、図45A及び45Bに概略的に示されているように、TCL平面に対して実質的に垂直な矢状面に器具100の平坦化セクション106及び前縁106Aを回転することが許容される。
【0088】
5.横手根靭帯(TCL)の切開
掌側手根靭帯の近位部分が最初に対処され、順行性の方法で徐々に切断される。1ミリメートルごとに、前縁106Aの先端は、かぎ針編みの動きをしながら腱とTCLとの間に導入される。次に、図46A~46Cに概略的に示されるように、TCLを、器具100の取り扱いによって同じ順行性の方法で徐々に切断し、TCLの背側から掌側部分へのその前縁106Aへの振動運動を誘発する。
【0089】
TCLの剛性に依存して、TCL開放の開始時に亀裂音が聞こえる場合がある。開放は、有鈎骨のフックのすぐ横に位置するセーフゾーンレベルで実行され、尺骨動脈の位置及び正中神経をそれぞれ内側及び外側に超音波で常に制御する。TCLの切開は、背側から掌側及び内側から外側に向かってかなり斜めに実行される。手技全体を通して、器具100の位置を制御するために短い軸方向の眺めが定期的に実行される。TCLの遠位境界は、超音波プローブで器具の先端及び動脈弓を正確に識別することにより、掌側浅手根動脈弓の近接のために細心の注意を払って開放される。手技の終わりに、器具100の先端は、開放の完了を評価するためのフックとして使用される。図47は、TCLの開放の完了後の器具100の引き抜きを概略的に示す。
【0090】
6.開放が完了したことの確認
器具100を引き抜き、丸い端部プローブを再び導入して、TCLの残部を触診し、開放が完了したことを確認する。これは、プローブが手根管から皮下平面に抵抗なく移動できることを観察することによって確認することができる。
【0091】
7.術後ケア
導入部位に且つ手根管上に圧迫を伴って包帯を巻く。この包帯は、手技の12時間後に完全に除去され、それ以上の包帯は、必要ない。患者は、手技の翌日、一切の制限なしにすべての日常の活動を行うことができる。手技後の最初の10日間にわたり、患者は、手を使用しないときには腕つりを着用し、指の腫れ及び複合性局所疼痛症候群(CRPS)の可能性を防ぐために指を積極的に動かすことを助言される。
【0092】
例えば、上述の医療器具10、10又は110を使用するA1プーリーの外科的開放は、本質的に以下のように実行される。
【0093】
1.患者の設置
患者は、仰臥位で腕を横のテーブルに置く。腕を消毒した後、指先から肘に向かって滅菌ドレープを配置する。超音波検査プローブのための滅菌超音波ゲル及びカバーを使用する。手技は、超音波検査プローブを中手指節(MCP)関節のすぐ近位の掌に配置することにより始まる。様々な解剖学的構造が冠状面及び矢状面において識別される:屈筋腱、指側副神経及び動脈、指プーリー。特に、A1プーリーが識別され、その厚さが測定される。
【0094】
2.局所麻酔
22ゲージの曲がった針をMCPの皮膚のしわのすぐ遠位に導入し、2~3mlのキシロカインを超音波検査のガイダンス下でA1プーリーの上及び指管内に注入する。次に、ばね現象、腱の滑走及び指の関節可動域(ROM)を観察するために、指を完全に曲げるように患者に求める。痛みがなくなると、患者に麻酔をかけない場合と比較して、ばね現象及び不規則な腱の滑走をよりよく観察することがよくある。
【0095】
3.器具のエントリーポイントの形成
14ゲージの針を、同じ皮膚のエントリーポイント及び指管を介してA1プーリーのすぐ遠位に導入する。針の先端は、ベベルをわずかに回転させることで正確に識別される。
【0096】
4.エントリーポイントを介した器具の挿入
14ゲージの針を引き抜き、前述の医療器具(ばね指開放ソノインスツルメント又はTFrSIとも呼ばれる)を、超音波検査の制御下で同じエントリーポイントを介して導入する。図48Aに示される図示の例では、医療器具110を使用し、最初に平坦化セクション160を掌側に向け、前縁160Aをプーリーの掌側平面に実質的に平行に向けた状態で導入する。
【0097】
器具110の先端がA1プーリーに対向した状態で到達すると、器具110の時計回りの90°回転が実行され、この間、図48Bに概略的に示されているように、A1プーリーの掌側平面に対して実質的に垂直な矢状面において器具110の平坦化セクション160及び前縁160Aを回転させることが許容される。
【0098】
5.A1プーリーの切開
1ミリメートルごとに、前縁160Aの先端を腱とプーリーとの間に導入し、切開をかぎ針編みの動きによって実行する。図49A及び49Bに概略的に示されるように、A1プーリーは、器具110の取り扱いによって逆行的に徐々に切断され、A1プーリーの背側から掌側部分へのその前縁160Aへの振動運動を誘発する。開放は、冠状面のプーリーの頂点に位置するセーフゾーンレベルで実行される。手技全体を通して、器具110の位置を制御するために短い軸方向の眺めが定期的に実行される。手順の最後に、器具110の先端は、A1プーリー全体が完全に開放されたことを確認するためのフックとして使用される。
【0099】
6.開放が完了したことの確認
器具110を引き抜き、ばね現象が消えたことを確認するために指を完全に曲げるように患者に求める。図50は、A1プーリーの開放が完了した後の器具110の引き抜きを概略的に示す。
【0100】
7.術後ケア
圧迫を伴って包帯が巻かれ、手技の12時間後に完全に除去される。これ以上包帯を巻く必要はない。患者は、手技の翌日、一切の制限なしにすべての日常の活動を行うことができる。受動的近位指節間(PIP)過伸展運動エクササイズがPIPの術後の可動性の損失を防ぐために助言される。
【0101】
外科的開放手技は、ド・ケルバン腱障害(区画間中隔の切開を含む)及びテニス肘(外側上顆炎)など、一般的に上肢に影響を与える状態の治療と非常によく類似している。
【0102】
添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対する様々な修正形態及び/又は改善形態がなされ得る。特に、本発明の実施形態は、経皮的手根管開放及び経皮的A1プーリー開放を実施する目的のために記載されているが、本発明は、上肢若しくは下肢であろうと、又は首若しくは背骨などの体の他の部分であろうと、何れの経皮的開放手技にも広く適用可能である。
【0103】
さらに、図1~31の実施形態は、ベベル端部が1つ又は複数の厳密に平面のベベル表面を呈する医療器具を示すが、特許請求の範囲は、各ベベル表面が実質的に平面であろうと、又はそれがわずかな凹面若しくは凸面であろうと、わずかな湾曲を呈するすべての変形形態を包含すると解釈されるべきである。慣例として、ベベル表面の平面は、一般に、ベベル表面に最もよく近似する平面として定義され得る。
【0104】
本発明の医療器具は、単回使用のために特別に設計することができる。その点において且つ医療器具の再利用を防ぐために、ハンドル部分は、例えば、熱可塑性材料を使用することにより、再滅菌の場合に溶融するように特別に設計することができる。
【符号の説明】
【0105】
1 本発明による医療器具(第1の実施形態)
2 それぞれの医療器具1、1のハンドル部分
2A ハンドル部分2の内面
2B (例えば、機械的圧入挿入及び/又は接着によって)それぞれの細長いロッド部材5、5を固定するためにハンドル部分2に設けられた取り付け穴
3 ハンドル部分2の内面2A上のマーキング(例えば、レーザーマーキング)
5 規定平面P0内において延びる医療器具1の細長いロッド部材
5a 細長いロッド部材5の(単一)湾曲セクション
5A 細長いロッド部材5(の第2の部分)の末端
6 症状の程度が重い組織に対する切断デバイスとして機能するように設計された、細長いロッド部材5の末端5Aにあるベベル端部
6A ベベル端部6のベベル表面
7 超音波検査下で区別できるように設計された、細長いロッド部材5に沿って設けられたマーキング(例えば、エンボス)
本発明による医療器具(第1の実施形態の変形形態)
規定平面P0内において延びる医療器具1の細長いロッド部材
5a 細長いロッド部材5の(単一)湾曲セクション
5A 細長いロッド部材5(の第2の部分)の末端
症状の程度が重い組織に対する切断デバイスとして機能するように設計された、細長いロッド部材5の末端5Aにあるベベル端部
6A ベベル端部6のベベル表面
超音波検査下で区別できるように設計された、細長いロッド部材5に沿って設けられたマーキング(例えば、エンボス)
100 本発明による医療器具(平坦な端部セクションを有する実施形態)
200 医療器具100のハンドル部分
200A ハンドル部分2の内面
300 ハンドル部分200の内面200A上のマーキング(例えば、レーザーマーキング)
105 規定平面P0内において延びる医療器具100の細長いロッド部材
105.1 中空管部材
105.1A 平坦化前の中空管部材105.1の末端
105.2 中空管部材105.1の一部の内側に挿入された内部部材
105a 細長いロッド部材105の(単一)湾曲セクション
105A 細長いロッド部材105(の第2の部分)の末端
106 症状の程度が重い組織に対する切断デバイスとして機能するように設計された、細長いロッド部材105の末端105Aにある細長いロッド部材105の自由端の平坦化セクション
106A 平坦化セクション106のテーパ状前縁(切れ刃)
700 超音波検査下で区別できるように設計された、細長いロッド部材105に沿って設けられたマーキング(例えば、エンボス)
D1 (例えば、1.5mmのオーダーの)それぞれの末端5A、5Aの上流のそれぞれの細長いロッド部材5、5の直径
L0 y軸に沿ったハンドル部分2の長さ
L1 y軸に沿った細長いロッド部材5の全長
L2 z軸に沿った細長いロッド部材5の末端5Aの端部セクションの長さ
D1 (例えば、1.5mmのオーダーの)末端105Aの上流の細長いロッド部材105の外径
La 成形前の中空管部材105.1の全長
Lb 平坦化前のz軸に沿った中空管部材105.1の末端105.1Aの端部セクションの長さ
R1 それぞれの湾曲セクション5a、5a、105aの曲率半径
a1 それぞれの細長いロッド部材5、5、105の第1の部分の一般的な延び方向(「第1の方向」)
a2 それぞれの細長い部材5、5、105のそれぞれの末端5A、5A、105Aにある端部セクションの一般的な延び方向。(「第2の方向」)
α1 それぞれの湾曲セクション5a、5a、105aの角度
α2 それぞれの細長いロッド部材5、5、105の合計湾曲角度/第1の方向a1と第2の方向a2との間に形成される角度(例えば、約90°)
θ1 規定平面P0に対するベベル表面6Aの角度
θ1 規定平面P0に対するベベル表面6Aの角度
δ1 成形及び平坦化前の中空管部材105.1の末端105.1Aにおける表面の角度
w1 平面P0で測定された平坦化セクション106の幅(2.5mm未満、例えば2.3mm)
t1 平面P0に対して垂直に測定された平坦化セクション106の厚さ(0.5mm未満、例えば0.3mm)
10 本発明による医療器具(第2の実施形態)
20 それぞれの医療器具10、10のハンドル部分
20A ハンドル部分20の内面
20B (例えば、機械的圧入挿入及び/又は接着によって)それぞれの細長いロッド部材50、50を固定するためのハンドル部分20に設けられた取り付け穴
50 規定平面P0内において延びる医療器具10の細長いロッド部材
50a 細長いロッド部材50の(第1の)湾曲セクション
50b 細長いロッド部材50の(第2の)湾曲セクション
50c 細長いロッド部材50の(第3の)湾曲セクション
50A 細長いロッド部材50(の第2の部分)の末端
60 症状の程度が重い組織に対する切断デバイスとして機能するように設計された、細長いロッド部材50の末端50Aにあるベベル端部
60A ベベル端部60のベベル表面
70 超音波検査下で区別できるように設計された、細長いロッド部材50に沿って設けられたマーキング(例えば、エンボス)
10 本発明による医療器具(第2の実施形態の変形形態)
50 規定平面P0内において延びる医療器具10の細長いロッド部材
50a 細長いロッド部材50の(第1の)湾曲セクション
50b 細長いロッド部材50の(第2の)湾曲セクション
50c 細長いロッド部材50の(第3の)湾曲セクション
50A 細長いロッド部材50(の第2の部分)の末端
60 症状の程度が重い組織に対する切断デバイスとして機能するように設計された、細長いロッド部材50の末端50Aにあるベベル端部
60A ベベル端部60のベベル表面
70 超音波検査下で区別できるように設計された、細長いロッド部材50に沿って設けられたマーキング(例えば、エンボス)
110 本発明による医療器具(平坦化された端部セクションを有するさらなる実施形態)
200 医療器具110のハンドル部分
200A ハンドル部分200の内面
150 規定平面P0内において延びる医療器具110の細長いロッド部材
150.1 中空管部材
150.1A 平坦化前の中空管部材150.1の末端
150.2A 平坦化前の中空管部材150.1の末端150.1Aの前縁に設けられた(第1の)サイドベベル
150.2B 平坦化前の中空管部材150.1の末端150.1Aの前縁に設けられた(第2の)サイドベベル
150a 細長いロッド部材150の(第1の)湾曲セクション
150b 細長いロッド部材150の(第2の)湾曲セクション
150c 細長いロッド部材150の(第3の)湾曲セクション
150A 細長いロッド部材150(の第2の部分)の末端
160 症状の程度が重い組織に対する切断デバイスとして機能するように設計された、細長いロッド部材150の末端150Aにある細長いロッド部材150の自由端の平坦化セクション
160A 平坦化セクション160のテーパ状前縁(切れ刃)
700 超音波検査下で区別できるように設計された、細長いロッド部材150に沿って設けられたマーキング(例えば、エンボス)
D1’ (例えば、1.3mmのオーダーの)それぞれの末端50A、50Aの上流のそれぞれの細長いロッド部材50、50の直径
L0’ y軸に沿ったハンドル部分20の長さ
L1’ y軸に沿ったそれぞれの細長いロッド部材50、50の第1の部分の長さ
L2’ それぞれの第1及び第2の湾曲セクション50a、50b;50a、50b間の直線セクションの長さ
L3’ それぞれの第2及び第3の湾曲セクション50b、50c;50b、50c間の直線セクションの長さ
L4’ それぞれの細長いロッド部材50、50のそれぞれの末端50A、50Aにおける端部セクションの長さ
D1** (例えば、1.3mmのオーダーの)末端150Aの上流の細長いロッド部材150の外径
D2** (例えば、0.9mmのオーダーの)末端150Aの上流の細長いロッド部材150の内径
La** 成形前の中空管部材150.1の全長
L1** y軸に沿った細長いロッド部材150の第1の部分の長さ
L2** 第1及び第2の湾曲セクション150a、150b間の直線セクションの長さ
L3** 第2及び第3の湾曲セクション150b、150c間の直線セクションの長さ
L4** 細長いロッド部材150の末端150Aの端部セクションの長さ
a1’ それぞれの細長いロッド部材50、50、150の第1の部分の一般的な延び方向(「第1の方向」)
a2’ それぞれの細長い部材50、50、150の末端50A、50A、150Aにおける端部セクションの一般的な延び方向(「第2の方向」)
β1 それぞれの第1の湾曲セクション50a、50a、150aの角度
β2 それぞれの第2の湾曲セクション50b、50b、150bの角度
β3 それぞれの第3の湾曲セクション50c、50c、150cの角度
β4 それぞれの細長いロッド部材50、50、150の合計湾曲角度/第1及び第2の方向a1’及びa2’間に形成される角度(例えば、約105°)
θ2 規定平面P0に対するベベル表面60Aの角度
θ2 規定平面P0に対するベベル表面60Aの角度
δ1’ 成形及び平坦化前の中空管部材150.1の末端150.1Aにおける表面角度
δ2’ サイドベベル150.2A、150.2Bによって形成される角度
w2 平面P0で測定した平坦化セクション160の幅(2.5mm未満、例えば1.8mm)
t2 平面P0に対して垂直に測定された平坦化セクション160の厚さ(0.5mm未満、例えば0.4mm)
500 規定平面P0内において延びる医療器具の細長いロッド部材
500A 細長いロッド部材500(の第2の部分)の末端
600 症状の程度が重い組織に対する切断デバイスとして機能するように設計された、細長いロッド部材500の末端500Aにあるベベル端部
600A ベベル端部600の(第1の)ベベル表面
610A ベベル端部600の(第2の)ベベル表面
615A ベベル端部600の前縁に設けられ、対応する(第1の)切れ刃620Aを画定する(第1の)サイドベベル
615B ベベル端部600の前縁に設けられ、対応する(第2の)切れ刃620Bを画定する(第2の)サイドベベル
620A ベベル端部600の前縁にある(第1の)切れ刃
620B ベベル端部600の前縁にある(第2の)切れ刃
γ1 サイドベベル615A、615Bによって形成された角度
θ3 規定平面P0に対するベベル表面600Aの角度
θ4 規定平面P0に対するベベル表面610Aの角度
615A ベベル端部6の前縁に設けられ、対応する(第1の)切れ刃620Aを画定する(第1の)サイドベベル
615B ベベル端部6の前縁に設けられ、対応する(第2の)切れ刃620Bを画定する(第2の)サイドベベル
620A ベベル端部6の前縁の(第1の)切れ刃
620B ベベル端部6の前縁の(第2の)の切れ刃
γ1 サイドベベル615A、615Bによって形成された角度
615A** ベベル端部60の前縁に設けられ、対応する(第1の)切れ刃620A**を画定する(第1の)サイドベベル
615B** ベベル端部60の前縁に設けられ、対応する(第2の)切れ刃620B**を画定する(第2の)サイドベベル
620A** ベベル端部60の前縁の(第1の)切れ刃
620B** ベベル端部60の前縁の(第2の)切れ刃
γ2 切れ刃620A**、620B**によって形成された角度
1000 超音波検査プローブ
x、y、z デカルト座標系
GX それぞれの細長いロッド部材5、50、5、50、500、105、150がそれに沿って延びる母線
P0 それぞれの細長いロッド部材5、50、5、50、500、105、150が延びる規定平面
P ベベル表面6Aの平面
P’ ベベル表面60Aの平面
P’’、P’’’ それぞれのベベル表面600A、610Aの平面
ベベル表面6Aの平面
** ベベル表面60Aの平面
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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図21A
図21B
図22A-22D】
図23
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図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
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図35A-35C】
図36A
図36B
図37A
図37B
図37C
図38
図39
図40
図41A
図41B
図42A
図42B
図43A
図43B
図43C
図44A
図44B
図45A
図45B
図46A
図46B
図46C
図47
図48A
図48B
図49A
図49B
図50