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特許7411248根管拡大用切削具、根管長測定器及び根管拡大装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】根管拡大用切削具、根管長測定器及び根管拡大装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 5/40 20170101AFI20231228BHJP
   A61C 5/42 20170101ALI20231228BHJP
   A61C 5/44 20170101ALI20231228BHJP
   A61C 19/04 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A61C5/40
A61C5/42
A61C5/44
A61C19/04 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021126917
(22)【出願日】2021-08-02
(65)【公開番号】P2023021818
(43)【公開日】2023-02-14
【審査請求日】2022-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】591065697
【氏名又は名称】藤栄電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚 正博
(72)【発明者】
【氏名】平井 順
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-115550(JP,A)
【文献】特開2011-135950(JP,A)
【文献】特表2014-505507(JP,A)
【文献】特表2017-524423(JP,A)
【文献】実開平3-15507(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 5/40
A61C 5/42
A61C 5/44
A61C 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯牙の根管を切削加工して拡大させるための刃部を有する根管拡大用切削具であって、
前記根管拡大用切削具は、前記刃部の先端部に側面視して三角形状あるいは鏃形状に尖って形成された切刃と、
前記切刃の基端部側に形成された棒状部と、を有し
前記刃部は、当該切刃の基端を前記棒状部に対して斜めに折り曲げて形成されて、
前記切刃の基端面は、前記棒状部に対する角度が鋭角になるように傾いていること
を特徴とする根管拡大用切削具。
【請求項2】
前記根管拡大用切削具は、当該根管拡大用切削具を把持するための柄と、
前記柄の一端側及び他端側に設けられた前記刃部と、を備え、
前記柄の一端側に設けられた前記刃部と、前記柄の他端側に設けられた前記刃部とは、形状が相違していること
を特徴とする請求項1に記載の根管拡大用切削具。
【請求項3】
前記切刃の基端部側には、前記刃部の先端部の尖った方向とは逆向きに尖ったかえしを有していること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の根管拡大用切削具。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の前記根管拡大用切削具を、歯牙の根管長を測定するための測定電極として使用した根管長測定器であって、
前記測定電極の先端部が、予め設定した根尖狭窄部から手前側の任意の設定位置より先に過ぎたときに、アラーム音によって、前記測定電極の先端部の位置が判断できるようにしたこと
を特徴とする根管長測定器。
【請求項5】
前記測定電極の先端部が前記根尖狭窄部に近づいた距離に応じて前記アラーム音の音色、あるいは、揺らぎを段階的に変えることによって、前記測定電極の先端部の位置を特定できるようにしたこと
を特徴とする請求項4に記載の根管長測定器。
【請求項6】
前記測定電極の先端部が前記根尖狭窄部よりも先の解剖学的根尖孔内に入り込んだ距離に応じて前記アラーム音の音色、あるいは、揺らぎを段階的に変えることによって、前記測定電極の先端部の位置を特定できるようにしたこと
を特徴とする請求項4または請求項5に記載の根管長測定器。
【請求項7】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の前記根管拡大用切削具と、
請求項4ないし請求項6のいずれか一項に記載の前記根管長測定器と、を備えていること
を特徴とする根管拡大装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯牙の根管を切削加工するための根管拡大用切削具、根管長測定器及び根管拡大装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、歯牙は、虫歯になり、虫歯が歯髄に到達して歯髄炎、根尖性歯周炎等を起こして歯がしみたり痛み等が生じたりした場合、歯髄を除去する必要性がある。その歯牙の根管治療には、特許文献1に記載されているような、細菌に感染した歯質を切削形成して抜髄するリーマ、ファイル等の歯科用切削工具(1)が使用されている。その歯科用切削工具(1)は、螺旋状に形成された切刃と円柱形状の棒状部とから成る刃部と、手で直接把持したりハンドピースに固定したりするための把持部と、を有している。
【0003】
特許文献1に記載の歯科用切削工具(1)等で根管治療する場合は、根管長測定器で歯科用切削工具(1)の位置を測定しながら、歯科用切削工具(1)で根尖狭窄部(生理学的根尖孔)まで根管を切削する。歯科用切削工具(1)で切削して歯髄を取り除いた根管は、クラウン等の薬剤を被せることで、根管治療は終了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4224745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の根管長測定器は、歯科用切削工具(1)が根尖狭窄部に到達するとアラーム音を発生して、歯科用切削工具(1)が根尖狭窄部に到達したことを報知するものがある。しかしながら、根管長測定器は、根管を切削する歯科用切削工具(1)の先端が根尖狭窄部にどの程度近づいているのか判らないという問題点があった。このため、歯科用切削工具(1)で根管を根尖狭窄部まで正確に切削するのは、難しい。
【0006】
このようなことから歯科用切削工具(1)で根管治療した際、切刃の先端が根尖狭窄部を通過して解剖学的根尖まで到達し、解剖学的根尖内に切削加工した切屑が残留したり、虫歯を引き起こした虫歯菌が残留したりすることがある。その場合は、その後、歯が痛くなることがある。その痛みを治療する場合は、痛くなっている歯牙を抜歯、歯根端切除する治療方法が採られている。歯根端切除を行うことができない場合は、歯を失うことになる。
【0007】
このため、歯を失うことを未然に防ぐためには、根管治療する際に、解剖学的根尖内に切削加工した切屑等の異物を容易に掻き出すことができるようにして、根管内等をきれいにして、再治療を予防することが望まれている。
また、より良い根管治療を行えるようにするために、根尖狭窄部の位置を正確に検出して、歯科用切削工具(1)の先端が根尖狭窄部にどの程度近づいているのか判るようにすることが望まれている。
また、根尖狭窄部の位置が根尖狭窄部の先の解剖学的根尖内にあるときの状態を表示して正しく根管治療を行って再治療が不要になるようにすることが望まれている。
【0008】
そこで、本発明は、根管治療した歯牙が根管治療後に痛くならないようにすることが可能な根管拡大用切削具、根管長測定器及び根管拡大装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明は、歯牙の根管を切削加工して拡大させるための刃部を有する根管拡大用切削具であって、前記根管拡大用切削具は、前記刃部の先端部に側面視して三角形状あるいは鏃形状に尖って形成された切刃と、前記切刃の基端部側に形成された棒状部と、を有し、前記刃部は、当該切刃の基端を前記棒状部に対して斜めに折り曲げて形成されて、前記切刃の基端面は、前記棒状部に対する角度が鋭角になるように傾いていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記根管拡大用切削具を、歯牙の根管長を測定するための測定電極として使用した根管長測定器であって、前記測定電極の先端部が、予め設定した根尖狭窄部から手前側の任意の設定位置より先に過ぎたときに、アラーム音によって、前記測定電極の先端部の位置が判断できるようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る根管拡大装置は、前記根管拡大用切削具と、前記根管長測定器と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、根管治療した歯牙が根管治療後に痛くならないようにすることが可能な根管拡大用切削具、根管長測定器及び根管拡大装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る根管拡大用切削具、根管長測定器及び根管拡大装置の一例を示す説明図である。
図2】本発明の実施形態に係る根管拡大用切削具、根管長測定器及び根管拡大装置の一例を示す説明図である。
図3】根管拡大用切削具の刃部、及び、歯牙の要部概略断面図である。
図4】根管拡大用切削具を示す側面図である。
図5A図4のA部拡大図である。
図5B図4のA部拡大図であって、根管拡大用切削具の切刃の変形例である。
図6】本発明の実施形態に係る根管拡大用切削具の変形例を示す側面図である。
図7図6のB部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、図1図5Bを参照して、本発明の実施形態に係る根管拡大用切削具3、根管長測定器4及び根管拡大装置1を説明する。
なお、本実施形態では、図1に示す根管拡大装置1において、ハンドピース2に取り付けた接続クリップ61側を前方向、接続クリップ61を取り付けていない側を後方向、歯牙a側を下方向として説明する。また、以下の説明において、同一の構成のものは、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0015】
≪根管拡大装置≫
図1に示すように、根管拡大装置1は、歯牙a(被検査歯)の根管bを、根管長を測定するための測定電極30である根管拡大用切削具3(以下、適宜「切削具3」という。)の切刃3bによって切削して拡大させる切削装置である。根管拡大装置1は、電極となる切削具3の刃部3aと、その対極となるアース電極60との間に電流を流し、電気回路内に流れる電流の変化から根管b、解剖学的根尖孔i内の刃部3aの位置を測定し、その結果を根管長測定器4の報知部40で報知する機能を有する。
また、根管拡大装置1は、切削具3(測定電極30)の先端部が、予め設定した根尖狭窄部cから手前側の任意の設定位置より先に挿入されると、アラーム音の音色、あるいは、揺らぎが段階的に変化する。このため、根管拡大装置1は、切削具3の先端部の位置が根尖狭窄部cに対してどのような位置なのか判断できるようになっている。
根管拡大装置1は、歯牙aの根管長を測定するための測定電極30として使用する根管拡大用切削具3と、後記する根管長測定器4と、を主に備えて構成されている。
【0016】
≪根管拡大用切削具≫
図1に示すように、切削具3(根管拡大用切削具)は、歯牙aの根管bを切削加工して拡大させるための刃部3aを有する切削手段であって、根管拡大装置1及び根管長測定器4の測定電極30として使用されるものである。切削具3は、刃部3aの先端部に側面視して三角形状に尖って形成された切刃3b(図5A参照)、あるいは、鏃形状に尖って形成された切刃3Ab(図5B参照)を有するものであれば、その形状、種類等は特に限定されない。
【0017】
つまり、切削具3は、根管拡大装置1に使用する場合、図5A及び図5Bに示すように、少なくとも刃部3aの先端部に切刃3b,3Abを有し、根管長を測定するための測定電極30の機能を有していれば、形状等は適宜変更しても構わない。例えば、切削具3は、刃部3aの先端部に切刃3b,3Abを有するファイルであってもよい。
以下、切削具3の一例として、図4に示すように、柄33と、柄33の左右両側に刃部3aを有するものを例に挙げて説明する。
【0018】
切削具3は、中央部に配置された柄33と、柄33の左右両端部に設けられたキャップ34と、キャップ34によって柄33に連結される刃部3aと、を有している。
【0019】
図2または図3に示すように、刃部3aは、測定電極30の機能も果たす部材である。刃部3aは、棒状部3dと、テーパ部3eと、曲部3fと、接続部3gと、切刃3bと、かえし3c,3Ac(図5A及び図5B参照)と、を有して成る。また、刃部3aは、導電性金属31と、絶縁膜32と、を備えている。
【0020】
棒状部3dは、円柱形状に形成された部位である。棒状部3dは、刃部3aのキャップ34側寄りの位置に形成されて、基端部がキャップ34によって柄33に固定されている。
テーパ部3eは、棒状部3dから先端側に向かって先細状の円錐形状に形成された部位である。
【0021】
曲部3fは、棒状部3dとテーパ部3eとの間に略90度に曲げて形成された部位である。このため、刃部3aは、刃部3aの先端部を、根管b、解剖学的根尖孔i内に挿入して行くと、曲部3fが歯牙aの上部の測定基準点gに当接して、解剖学的根尖孔i内に所定以上挿入できないように形成されている。
【0022】
図2に示すように、接続部3gは、接続具6の接続クリップ61を取り付ける部位であり、導電性金属31が露出した状態になっている。接続部3gは、テーパ部3eを垂直に配置したときに、斜め上方向に延びるように配置されている。
【0023】
切刃3bは、根管b内を切削加工する部位である。切刃3bは、テーパ部3eの先端に形成されている。図5Aまたは図5Bに示すように、切刃3b,3Abは、、三角形状または鏃形状に尖って形成されている。切刃3b,3Abの基端部側には、刃部3aの先端部の尖った方向とは逆向きに尖ったかえし3c,3Acを有している。
【0024】
なお、かえし3c及び切刃3bを有する刃部3aは、柄33の一端側に設け、かえし3Ac及び切刃3Abを有する刃部3aは、柄33の他端側に設けてもよい。このようにすることで、切削具3は、柄33の一端側の刃部3aと、他端側の刃部3aとが相違しているので、種々の異物を掻き出し易くすることができるため、根管治療を行い易くすることができる。
【0025】
かえし3c,3Acは、解剖学的根尖孔i(図3参照)内、及び、根管b(図3参照)内の切屑等の異物を掻き出すための部位である。かえし3c,3Acは、切刃3b,3Bbの基端に外周方向に尖った状態に形成されている。
【0026】
図2及び図3に示すように、導電性金属31は、切削具本体を形成する金属である。導電性金属31は、ステンレス鋼、超硬鋼、ニッケル・チタン合金(NiTi)等から成る。なお、導電性金属31は、導電性の金属から成るものであればよく、特に限定されない。
【0027】
絶縁膜32は、少なくとも根管b内に挿入される部分の導電性金属31の表面の一部を覆う絶縁性の絶縁材料の薄膜から成る。絶縁膜32は、根管bを拡大可能な切削硬度を有した絶縁材料によって形成されている。その絶縁材料は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、セラミックコーティング等から成る。絶縁材料は、具体例を挙げると、窒化チタン(TiN)、炭窒化チタン(TiCN)、窒化チタンアルミ(TiAIN)、窒化クロム(CrN)等の硬質皮膜のPVDコーティング(physical Vapor Deposition:物理的蒸着法)や、チタンコーティングが好ましい。なお、絶縁材料としては、窒化チタン(TiN)が最も適している。
【0028】
図4に示すように、柄33は、術者が手で把持するグリップ部である。柄33の外周部は、樹脂材料によって形成されている。
キャップ34は、当該キャップ34に挿入した刃部3aを柄33に固定するための保持部材である。キャップ34は、柄33の左右両端部に配置されている。
【0029】
<接続具>
図1に示すように、接続具6は、根管長測定器4の各リード線91,92の先端部に取り付けられた電気接続用の電気接続具(測定器接続手段)である。接続具6は、根管拡大装置1において、アース電極60と、接続クリップ61と、を備えて成る。
【0030】
アース電極60は、例えば、電極端子5と、接続クリップ60aと、を備えて構成されている。
電極端子5は、歯肉dに掛けるようにして取り付けられる口角クリップ等から成る電気接続用端子である。電極端子5は、歯肉dに掛ける使い方に限定されず、被検者が握り易い形状にして被検者に握ってもらって使用してもよい。従って、電極端子5の接触位置は、口腔内表面の歯肉dに限定されず、被検者の身体の一部であればよい。
接続クリップ60aは、電極端子5に着脱自在に接続可能なワニクリップ等から成る電気接続具である。この接続クリップ60aは、電極端子5にリード線92を直接接続した場合、無くてもよい。
【0031】
図2に示すように、接続クリップ61は、測定電極30の接続部3gに着脱自在に接続可能なワニクリップ等から成る電気接続具である。
リード線91,92は、このようにして接続具6が設けられていることで、測定電極30と根管長測定器4との間に電気的に接続される電線である。リード線91は、一端が基板に接続され、他端が接続クリップ61を介して測定電極30に接続されている。リード線92は、一端が基板に接続され、他端が接続クリップ60a、電極端子5を介して歯肉dに接続されている。
【0032】
≪根管長測定器≫
図1に示すように、根管長測定器4は、歯牙a(被検査歯)の根管b及び解剖学的根尖孔iを治療する際に、根管b及び解剖学的根尖孔iへの刃部3aの挿入長さを計測して表示する測定表示装置である。根管長測定器4は、電源7と、信号切換部11と、整合部12と、増幅部13と、変換部14と、データ処理部15と、記憶部16と、報知部40と、表示部41と、制御部8と、アース電極60、接続クリップ61及びリード線91,92を有する接続具6と、を備えている。根管長測定器4は、被検査歯の根管b内及び解剖学的根尖孔i内に挿入した測定電極としての切削具3の先端位置を検出して、表示部41に表示するように構成されている。
【0033】
また、根管長測定器4は、測定電極30の先端部が根尖狭窄部cに近づいた距離L1(図3参照)に応じて、連続音のアラーム音の音色、あるいは、揺らぎを段階的に変えることによって、測定電極30の先端部の位置を特定できるように構成されている。
また、根管長測定器4は、測定電極30の先端部が根尖狭窄部cよりも先の解剖学的根尖孔i内に入り込んだ距離L2(図3参照)に応じて、連続音のアラーム音の音色、あるいは、揺らぎを段階的に変えることによって、測定電極30の先端部の位置を特定できるように構成されている。
また、根管長測定器4は、測定電極30の先端部が、根尖狭窄部cの手前側の予め設定した位置(例えば、根尖狭窄部cから0.5mmの位置)になると表示部41のアイコンと、報知部40のアラーム音の変化する連続音と、で報知するように構成されている。
【0034】
<電源、信号切換部>
図1に示す電源7は、1つまたは複数の異なる周波数の測定用信号Pnを出力する。その一例を挙げると、電源7は、500Hzと、2KHzとの2つの周波数の測定用信号Pnを出力する。なお、電源7は、根管長測定器4内に配置された電池、または、家庭用電源から成る。
信号切換部11は、制御部8の指示に従って、500Hzまたは2KHzの周波数の測定用信号Pnを選択、または、切り換えて順次、整合部12へ送る。
【0035】
<整合部>
整合部12は、根尖狭窄部cの位置検出用の測定電極30に送る測定用信号Pnを、測定に適した電圧に変換し、増幅部13に送る。また、整合部12は、測定電極30に送る測定用信号Pnを、安全な電圧に変換する。
【0036】
<増幅部>
増幅部13は、被検査歯である歯牙aの歯肉dに配置した電極端子5(口腔電極)から得られる測定データ(測定された測定電流In)を変換された電圧Vnに変換し増幅する。
【0037】
<変換部、制御部>
変換部14は、測定された測定電流Inを直流電圧Vdcに変換する。
制御部8は、根管拡大装置1の各要素の制御をつかさどり、処理する。制御部8は、電源7、データ処理部15、報知部40及び表示部41に電気的に接続されている。
【0038】
<報知部>
報知部40は、制御部8の指示に従い、直流電圧Vdcに基づいた測定結果のアラーム音を発する。報知部40は、図3に示すように、測定電極30の先端部が根尖狭窄部cに近づいた距離L1に応じてアラーム音の音色、あるいは、揺らぎを段階的に変える発生することで、測定電極30の先端部の位置を特定できるようにして、術者が正しく施術が行えるようにしている。
また、報知部40(図1参照)は、測定電極30の先端部が根尖狭窄部cよりも先の解剖学的根尖孔i内に入り込んだ距離L2に応じてアラーム音の音色、あるいは、揺らぎを段階的に変えて発生することで、測定電極30の先端部の位置を特定できるようにして、術者が正しく施術が行えるようにしている。
【0039】
なお、アラーム音の音色は、音の波の周期に現れる細かな波形の揺れを、測定電極30の先端部が根尖狭窄部cに近づくに応じて変えることで、アラーム音の音色を変えることができる。また、アラーム音の揺らぎは、音の周波数と振幅とを、測定電極30の先端部が根尖狭窄部cに近づくに応じて変えることで、アラーム音の揺らぎを変えることができる。
【0040】
根管長測定器4は、術者が根管治療の施術する際に、根尖狭窄部cの手前の予め設定した距離L1(例えば、0.5mm)に測定電極30の先端が到達すると、報知部40のアラーム音の断続音と、表示部41の表示と、によって知らせる。さらに測定電極30の先端が根尖狭窄部cの手前0.5mm以下に接近すると、アラーム音が連続音になると共に、アラーム音の音色、あるいは、揺らぎを接近距離に応じて段階的に変わるので、切刃3bが危険ゾーンにあることを知らせることができる。報知部40(図1参照)は、切刃3bがある位置を、アラーム音を変えることで、術者に知らせることで、術者は表示部41の表示を視認しなくても施術を行うことができる。
【0041】
<表示部>
表示部41は、制御部8の指示に従い、直流電圧Vdcに基づいた測定結果を表示する。表示部41は、データ処理部15で出力したデータを選択的に、または、一括して表示することができる。なお、表示部41の表示については、さらに、後で詳述する。
【0042】
<データ処理部>
データ処理部15は、直流電圧Vdcに対して報知部40に送信するアラーム発生用データ、及び、表示部41に送信する表示用データを作成する。電源7から測定電極30(切削具3)に、例えば、500Hzまたは2KHzの各周波数の測定用信号Pnを印加すると、測定電極30と電極端子5間から各周波数毎の2種類の測定データ(In500HzとIn2KHz)が測定される。この2種類の測定データ(In500Hz,In2KHz)は、測定電極30を根管b内で解剖学的根尖孔iに向かって挿入して行く過程で、順次測定される。
【0043】
根尖位置検出機構15aは、根尖狭窄部cの位置を検出する装置である。電極位置検出機構15bは、測定電極30の先端の位置を検出する装置である。データ処理部15は、それらの検出機構15a,15bを選択的に切り替えることができる。データ処理部15に切替機構を設け、この切替機構により、これらの検出機構15a,15bを切り替えてもよい。
【0044】
<記憶部>
図1に示す記憶部16は、複数のモデル歯根尖位置測定データグループと、複数のモデル歯位置測定データグループと、を記憶している。各モデル歯根尖位置測定データグループは、測定電極30の先端が各々のモデル歯の根尖位置に配置された状態における、電極端子5から出力される複数の測定された信号(測定電流In、測定電流Inを増幅し変換した電圧Vn、または、電圧Vnを変換した直流電圧Vdc)から構成されている。
【0045】
複数のモデル歯位置測定データグループは、測定電極30の先端がモデル歯の各々の根管b内における複数の所定位置の各々に配置された状態における、電極端子5から出力される複数の測定された信号(In、VnまたはVdc)、及び、根尖位置から測定電極30の先端までの距離を表示する指示値の組から構成されている。各モデル歯位置測定データグループは、モデル歯毎に異なる。各モデル歯位置測定データグループは、根尖狭窄部cがあり、各モデル歯で測定された測定データである。複数のモデル歯根尖位置測定データグループと、複数のモデル歯位置測定データグループは、根尖狭窄部cの検出前に、予め記憶部16に記憶されている。
【0046】
また、記憶部16は、測定電極30が根管b内及び解剖学的根尖孔i内に挿入されるのに従って変化する、レントゲン的根尖jの位置から測定電極30の先端までの距離を表示する指示値が凸状に示した際の複数の測定された信号(In、VnまたはVdc)及び指示値を記憶する。
【0047】
<表示部>
図2に示すように、前記した表示部41は、根管長測定器4の測定結果等の所定の情報を表示するモニタである。表示部41は、例えば、液晶パネルから成る。術者は、表示部41の表示の観察と、前記した報知部40のアラーム音とにより、測定電極30の先端が根尖狭窄部cの位置に近づいて行く状況や、根尖狭窄部cを過ぎて解剖学的根尖孔i内に入り込んだ状況を正確に把握することができる。表示部41は、制御部8(図1参照)の指示に従い、直流電圧Vdcに基づいた測定結果を表示し、及び、アラーム音を発する。
電源7がON時の表示部41には、例えば、報知表示部41aと、電源マーク41bと、被検査歯表示部42と、根管表示部43と、距離表示目盛部44と、横じま表示部45と、が表示される。
【0048】
報知表示部41aは、報知部40を示すアイコンである。
電源マーク41bは、電源7の作動状態を示すアイコンである。
被検査歯表示部42は、検査する歯牙a(被検査歯)を概略的に描いたアイコンである。被検査歯表示部42には、レントゲン的根尖jの位置からの距離を表示するための距離表示目盛部44を表すスケールが描かれている。
【0049】
根管表示部43は、一般的な根管bの形状を模式的に表示したアイコンである。根管bの部分には、横じま表示部45が描かれている。測定電極30を解剖学的根尖孔iの位置に向かって挿入して行くのに従って、横じま表示部45の最下部45aが下降して、測定電極30の先端位置を表示する。図2に示す表示部41は、一例として、測定電極30の先端が根尖位置の3mm手前に位置している場合を表示している。このように、根管長測定器4は、測定電極30が根管b内及び解剖学的根尖孔i内に挿入されて行くときの測定電極30の先端の位置を測定する機構を備えている。
【0050】
レントゲン的根尖jの位置からの距離を示すための距離表示目盛部44は、計測したレントゲン的根尖jの位置からの距離をミリ(mm)単位で表すための目盛である。
横じま表示部45は、計測した根管bの計測したレントゲン的根尖jの位置からの距離を、所定間隔で表示するアイコンである。
【0051】
≪作用≫
次に、図1図5Bを参照して本実施形態に係る根管拡大用切削具3、根管長測定器4及び根管拡大装置1の作用を説明する。
【0052】
根管拡大装置1で根管bを根管治療する場合は、まず、図1に示すように、被検者の口腔粘膜(口唇)等に電極端子5を引っ掛けるようにして取り付ける。或いは、被検者の身体の一部に電極端子5を接触させる。その電極端子5には、根管長測定器4にリード線91,92を介して接続されている接続具6を取り付ける。
【0053】
次に、電源スイッチ(図示省略)、及び、根管長測定器4のスイッチ(図示省略)を操作して、電源7及び根管長測定器4をONさせる。これにより、電源7がONして、リード線92,91及び接続具6を介して電極端子5に電気が供給される。また、根管b内に挿入した切削具3の挿入深さから根管長の測定や、挿入位置による根尖狭窄部cやレントゲン的根尖jの位置が検出可能な状態となる。
【0054】
切削具3を、歯牙aの根管b内に挿入する。切削具3を、歯牙aの根管b内に挿入して行くと、表示部41の横じま表示部45の最下部45aも、根尖位置に向かって下降して行く。このとき、報知部40は、アラーム音を断続的に発生する。
【0055】
測定電極30は、根管b内に挿入して行き、横じま表示部45が数値1を指す位置(予め設定した根尖狭窄部cから手前側の任意の設定位置)よりも先まで測定電極30を挿入すると、アラーム音が距離L1(数値1~0.5)に応じて音色あるいは揺らぎが変化する連続音となって鳴る。このため、術者は、測定電極30の先端が設定位置を過ぎて根尖狭窄部cの位置に近づいていることを確認することができる。
【0056】
測定電極30は、さらに根管b内に挿入して行き、横じま表示部45が数値0.5を指す位置まで測定電極30を挿入することで、測定電極30の先端を根尖狭窄部cの位置に正確に配置することができるので、根管治療を正しく行うことが可能となる。また、根管長測定器4は、測定電極30の先端部が根尖狭窄部cの手前の0.5mmの位置までは、アラーム音が変化する連続音で術者に知らせる。このため、術者は、根管b内の測定電極30の先端の位置が分かるので、根管b内を正確に切削加工することができる。
【0057】
測定電極30は、さらに根管b内に挿入して行き、横じま表示部45が数値0を指す位置まで測定電極30を挿入することで、測定電極30の先端をレントゲン的根尖jの位置に配置することができる。
根管長測定器4は、測定電極30の先端部が根尖狭窄部cよりも先の解剖学的根尖孔i内に入り込んだ距離L2(数値0.5~0)に応じて、連続音のアラーム音の音色、あるいは、揺らぎを段階的に変化する。このため、術者は、解剖学的根尖孔i内にある測定電極30の先端部の位置を特定できるので、解剖学的根尖孔i内にある切屑等の異物を容易に掻き出すことができる。
【0058】
このように、根管長測定器4における測定電極30の先端部の位置を測定する機構は、根尖狭窄部cの位置や、解剖学的根尖孔i内の測定電極30の先端部の位置を測定し、表示すると共に、アラーム音の音色や、揺るぎを変えて発生させることができる。このため、術者は、根管b内及び解剖学的根尖孔i内を正確に切削加工して、その中の切屑等の異物を容易に掻き出してきれいにすることができるので、再治療を予防して、根管治療後に抜歯、歯根端切除の治療を行うことになることを解消することが可能となる。
【0059】
図3図5Aあるいは図5B示すように、本発明は、歯牙aの根管bを切削加工して拡大させるための刃部3aを有する切削具3(根管拡大用切削具)であって、根管拡大用切削具3は、刃部3aの先端部に側面視して三角形状あるいは鏃形状に尖って形成された切刃3b,3Abを有している。
【0060】
かかる構成によれば、切削具3は、刃部3aの先端部に側面視して三角形状あるいは鏃形状に尖って形成された切刃3b,3Abを有することで、根管b及び解剖学的根尖孔i内の切屑や細菌等の異物を切刃3b,3Abのかえし3c,3Acによって掻き出すことができる。このため、本発明の切削具3は、根管治療した歯牙aが根管治療後に痛くならないようにすることが可能である。
【0061】
また、図5Bに示すように、切刃3Abの基端部側には、刃部3aの先端部の尖った方向とは逆向きに尖ったかえし3Acを有している。
【0062】
かかる構成によれば、切刃3Abは、基端部側に刃部3aの先端部の尖った方向とは逆向きに尖ったかえし3Acを有していることで、解剖学的根尖孔i内の切屑、細菌等の異物や、歯髄・汚染された象牙質をかえし3Acによって、さらに掻き出し易くすることができる。根管b内外から汚染された切屑等の異物を取り除くことによって、再治療を予防することができる。
また、再治療の根管治療は、すでに根管b内に薬剤等の充填剤が充填されているので、充填剤をすべて除去する必要がある。その充填剤をすべて取り除くには、充填剤の先端よりも先から手前側に掻き出すことができるかえし3Acを有する切削具3が最適である。
【0063】
また、図1図2あるいは図3に示すように、本発明は、切削具3(根管拡大用切削具)を、歯牙aの根管長を測定するための測定電極30として使用した根管長測定器4であって、測定電極30の先端部が、予め設定した根尖狭窄部cから手前側の任意の設定位置より先に過ぎたときに、アラーム音によって、測定電極30の先端部の位置が判断できるようにした。
【0064】
かかる構成によれば、根管長測定器4は、切削具3の先端部が、予め設定した根尖狭窄部cから手前側の設定位置を過ぎると、アラーム音が鳴って測定電極30の先端部の位置が判断できる。このため、根管長測定器4を使用しながら切削具3で根管治療する場合は、切削具3の先端部が根尖狭窄部cに近づいたことが分かるので、根管b内を正確に切削加工することができる。その結果、本発明の根管長測定器4は、切削具3によって根管b内に切屑や細菌等の異物が残留しないようにきれいに切削加工することができる。このため、根管治療後に歯牙aが痛くなり、再治療したり、抜歯したりするのを解消することが可能となる。
【0065】
また、図3に示すように、根管長測定器4は、測定電極30の先端部が根尖狭窄部cに近づいた距離L1に応じてアラーム音の音色、あるいは、揺らぎを段階的に変えることによって、測定電極30の先端部の位置を特定できるようにした。
【0066】
かかる構成によれば、根管長測定器4は、測定電極30の先端部が根尖狭窄部cに近づくに応じてアラーム音の音色、あるいは、揺らぎを段階的に変えることで、測定電極30の先端部の位置を特定可能にするできる。このため、術者は、切削具3の先端部の位置が根尖狭窄部cに近づいている度合いを正確に特定できるので、さらに正確に根尖狭窄部cの位置を知ることができるため、根管b内を正確に切削加工することができる。
【0067】
また、根管長測定器4は、測定電極30の先端部が根尖狭窄部cよりも先の解剖学的根尖孔i内に入り込んだ距離L2に応じてアラーム音の音色、あるいは、揺らぎを段階的に変えることによって、測定電極30の先端部の位置を特定できるようにした。
【0068】
かかる構成によれば、根管長測定器4は、測定電極30の先端部が根尖狭窄部cよりも先の解剖学的根尖孔i内に入り込んだ距離L2に応じてアラーム音の音色、あるいは、揺らぎを段階的に変えることで、測定電極30の先端部が根尖狭窄部cより出た位置を正確に知らせることができる。これにより、術者は、より良い根管治療を行うことができる。
【0069】
また、本発明の実施形態に係る根管拡大装置1は、根管拡大用切削具3と、根管長測定器4と、を備えている。
【0070】
かかる構成によれば、根管拡大装置1は、根管b内を正確に切削加工できて測定電極30として使用できる切削具3(根管拡大用切削具)と、切削具3の先端部が根尖狭窄部cに近づいたことが分かるの根管長測定器4と、を備えている。このため、本発明の根管拡大装置1は、根管b内に切屑や細菌等の異物が残留しないようにきれいに切削加工できるので、根管治療後に歯牙aが痛くなり、再治療したり、抜歯したりするのを解消することが可能となる。
【0071】
[変形例]
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものでは無く、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
図6は、本発明の実施形態に係る根管拡大用切削具3の変形例を示す側面図である。図7は、図6のB部拡大図である。
【0072】
前記実施形態で説明した切削具3は、図4に示すような柄33の左右両側に刃部3aを有するものに限定されるものではない。切削具3Bは、柄33Bの左右方向の一方にのみ刃部3Baを有する片側タイプのものであってもよい。
【0073】
また、刃部3Baには、根管b内に挿入する切削具3Bの挿入量を規制するための板状のストッパ34Bを設けてもよい。ストッパ34Bは、切削具3Bに上端部寄りの位置に移動可能に固定されている。ストッパ34Bは、切削具3Bを歯牙a(被検査歯)に固定できる大きさであればよく、歯牙aよりも小さくてよい。また、刃部3Baにストッパ34Bの位置を設定するために、刃部3Baの棒状部3Bdには、目盛を付けてもよいし、目盛の代わりに棒状部3Bdを色分けしてもよい。
【0074】
また、図7に示すように、刃部3Baは、切刃3Bbの基端部3Bfを斜めに折り曲げて形成したものであってもよい。
この場合、側面視して三角形に形成された切刃3Bbは、棒状部3Bdに対して角度θ1折り曲げて傾いて形成されている。
【0075】
かかる構成によれば、刃部3Baは、切刃3Bbの基端部3Bfを斜めに折り曲げて形成していることで、切刃3Bbの基端部3Bfの上側部位は、棒状部3Bdに対する角度θ2が鋭角となる。このため、切刃3Bbは、その鋭角な部位によって、根管治療の際に、解剖学的根尖孔i(図3参照)内にある切屑等の異物を掻き出し易くすることができる。その結果、切刃3Bbは、かえし3Bcによって、解剖学的根尖孔i(図3参照)内にある切屑や細菌等の異物をきれいに掻き出して根管bにクラウン等の薬剤を被せることができるので、根管治療後に歯牙aが痛くなり、再治療したり、抜歯したりするのを解消することが可能となる。
【0076】
[その他の変形例]
前記実施形態では、測定電極30の先端部が根尖狭窄部cに近づいた距離L1、または、測定電極30の先端部が根尖狭窄部cよりも先の解剖学的根尖孔i内に入り込んだ距離L2に応じてアラーム音の音色、あるいは、揺らぎを段階的に変えることを説明したがこれに限定されるものではない。アラーム音は、距離L1,L2に応じて段階的に音の強さや、音の大きさや、音の高さを変えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 根管拡大装置
3,3B 根管拡大用切削具(切削具)
3a,3Ba 刃部
3b,3Ab,3Bb 切刃
3c,3Ac,3Bc かえし
4 根管長測定器
30 測定電極
a 歯牙(被検査歯)
b 根管
c 根尖狭窄部(生理学的根尖孔)
i 解剖学的根尖孔
j レントゲン的根尖
L1 測定電極の先端部が尖狭窄部に近づいた距離
L2 測定電極の先端部が尖狭窄部から解剖学的根尖孔内に入り込んだ距離
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7