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特許7411284マシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ処理システム及びその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】マシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ処理システム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/15 20190101AFI20231228BHJP
   B01D 35/06 20060101ALI20231228BHJP
   B01D 61/56 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
C02F11/15
B01D35/06 P ZAB
B01D61/56
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022534384
(86)(22)【出願日】2021-01-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-07
(86)【国際出願番号】 KR2021000304
(87)【国際公開番号】W WO2021251580
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2022-06-06
(31)【優先権主張番号】10-2020-0069195
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0072443
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522224689
【氏名又は名称】コリア ウォーター テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】KOREA WATER TECHNOLOGY INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100225060
【弁理士】
【氏名又は名称】屋代 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ジョン セジョン
【審査官】石岡 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-051458(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1750062(KR,B1)
【文献】特開昭61-259709(JP,A)
【文献】特開2007-075736(JP,A)
【文献】特開2017-006887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F11/00-11/20
B01D35/06、43/00、53/22、57/00-57/02、61/00-71/82
C02F1/44
G06N20/00-20/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気浸透式スラッジ脱水装置のドラムユニットに投入されるスラッジの投入量と前記ドラムユニットから排出されるスラッジの排出量とを含むスラッジ条件データと、前記ドラムユニットに印加されるドラム電圧、前記ドラムユニットを回転させるドラム回転速度を含む制御データを収集するデータ収集段階と、
前記データ収集段階で収集された前記スラッジ条件データと前記制御データのうちの所定の項目入力変数とし、前記所定の項目以外の残りの項目出力変数として、マシンラーニングを行って、前記所定の項目が前記残りの項目に対応するマシンラーニングモデルを生成するモデル生成段階と、
前記モデル生成段階で生成された前記マシンラーニングモデル、前記所定の項目を入力して、前記残りの項目を制御変数として導出する制御変数導出段階と、
前記制御変数導出段階で導出された制御変数によって、前記スラッジの投入量、前記ドラム電圧及び前記ドラム回転速度のうち少なくとも1つを制御する制御段階と、
を含む、マシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ処理システムの制御方法。
【請求項2】
前記マシンラーニングモデルは、
前記スラッジ条件データのうちから前記スラッジの排出量と、前記制御データのうちから前記ドラム電圧と前記ドラム回転速度とを入力変数とし、
前記スラッジ条件データのうちから前記スラッジの投入量を出力変数として、マシンラーニングを行った第1マシンラーニングモデルを含む、請求項1に記載のマシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ処理システムの制御方法。
【請求項3】
前記マシンラーニングモデルは、
前記スラッジ条件データと、前記制御データのうちから前記ドラム電圧を入力変数とし、
前記制御データのうちから前記ドラム回転速度を出力変数として、マシンラーニングを行った第2マシンラーニングモデルを含む、請求項2に記載のマシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ処理システムの制御方法。
【請求項4】
前記マシンラーニングモデルは、
前記スラッジ条件データと、前記制御データのうちから前記ドラム回転速度を入力変数とし、
前記制御データのうちから前記ドラム電圧を出力変数として、マシンラーニングを行った第3マシンラーニングモデルを含む、求項3に記載のマシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ処理システムの制御方法。
【請求項5】
前記スラッジ条件データは、
前記ドラムユニットに投入されるスラッジの投入含水率と、前記ドラムユニットから排出されるスラッジの排出含水率、前記ドラムユニットに投入されるスラッジの投入温度、前記ドラムユニットに投入されるスラッジの電気伝導度のうち少なくとも一部をさらに含む、請求項1から請求項4のうち何れか一項に記載のマシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ処理システムの制御方法。
【請求項6】
前記制御データは、
前記ドラムユニットに印加されるドラム電流とドラム電力とのうち少なくとも1つをさらに含む、請求項1から請求項4のうち何れか一項に記載のマシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ処理システムの制御方法。
【請求項7】
前記制御変数導出段階で前記第2、3マシンラーニングモデルに入力される前記スラッジの投入量は、リアルタイムで測定された測定値、管理者が設定した設定値及び前記第1マシンラーニングモデルから導出された値のうち1つを使用し、
前記制御変数導出段階で前記第1、3マシンラーニングモデルに入力される前記ドラム回転速度は、
リアルタイムで測定された測定値、管理者が設定した設定値及び前記第2マシンラーニングモデルから導出された値のうち1つを使用し、
前記制御変数導出段階で前記第1、2マシンラーニングモデルに入力される前記ドラム電圧は、
リアルタイムで測定された測定値、管理者が設定した設定値及び前記第3マシンラーニングモデルから導出された値のうち1つを使用する、請求項4に記載のマシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ処理システムの制御方法。
【請求項8】
電気浸透式スラッジ脱水装置の電気脱水ユニットに投入されるスラッジの投入量と投入含水率とのうち少なくとも1つと前記電気脱水ユニットから排出されるスラッジの排出量と排出含水率とのうち少なくとも1つとを含むスラッジ条件データと、前記電気脱水ユニットに印加される電気脱水DC電圧、前記電気脱水ユニットに印加されるDC電流またはDC電力及び前記電気脱水ユニットの脱水時間を含む制御データを収集するデータ収集段階と、
前記データ収集段階で収集された前記スラッジ条件データを入力変数とし、前記制御データのうち、所定の項目入力変数とし、前記所定の項目以外の残りの項目出力変数として、マシンラーニングを行って、前記所定の項目が前記残りの項目に対応するマシンラーニングモデルを生成するモデル生成段階と、
前記モデル生成段階で生成された前記マシンラーニングモデルに前記スラッジ条件データと前記制御データのうち、前記所定の項目を入力して、前記残りの項目を制御変数として導出する制御変数導出段階と、
前記制御変数導出段階で導出された制御変数によって、前記電気脱水ユニットに印加される電気脱水DC電圧と前記電気脱水ユニットの脱水時間とのうち少なくとも1つを制御する制御段階と、を含み、
前記マシンラーニングモデルは、
前記スラッジ条件データと、前記制御データのうちから前記電気脱水DC電圧を入力変数とし、
前記電気脱水ユニットの電気脱水時間を出力変数として、マシンラーニングを行った第4マシンラーニングモデルと、
前記スラッジ条件データと、前記制御データのうちから前記電気脱水ユニットの電気脱水時間を入力変数とし、
前記電気脱水DC電圧を出力変数として、マシンラーニングを行った第5マシンラーニングモデルと、を含み、
前記スラッジ条件データは、
前記電気脱水ユニットに投入されるスラッジの投入温度、前記電気脱水ユニットに投入されるスラッジの電気伝導度をさらに含む、マシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ処理システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ処理システム及びその制御方法に係り、より詳細には、一定時間間隔で収集されたデータをマシンラーニングを用いて学習して、制御のためのマシンラーニングモデルを生成し、該生成されたモデルを用いてスラッジ脱水装置を制御するマシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ処理システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、下水処理過程から発生した下水スラッジは、窒素、リン、有機物のような肥料成分を豊かに含有しており、植物の生長に有用な元素を提供することができるので、非常に有用な資源になり、堆肥化された下水スラッジは、作物に栄養物質を供給し、土壌の肥沃度を増進させ、物理化学的性質を改善することができる。
【0003】
したがって、最近、下水スラッジのリサイクルに対する関心が高くなっており、これについての多くの研究が進められている。また、電気式脱水機を利用した下水スラッジ処理設備が開発されている。
【0004】
しかし、下水スラッジ処理場の特性上、作業環境が非常に劣悪であるために、現場で下水スラッジ処理設備を作業者が手動で操作するのに難点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、マシンラーニングを用いて電気浸透式スラッジ脱水装置を制御して、作業性及び処理効率を向上させるマシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ処理システム及びその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による電気浸透式スラッジ処理システムは、電気浸透式スラッジ脱水装置のドラムユニットに投入されるスラッジの投入量と前記ドラムユニットから排出されるスラッジの排出量とを含むスラッジ条件データと、前記ドラムユニットに印加されるドラム電圧、前記ドラムユニットを回転させるドラム回転速度を含む制御データを収集するデータ収集段階;前記データ収集段階で収集された前記スラッジ条件データと前記制御データのうち、一部の項目は、入力変数とし、残りの項目は、出力変数として、マシンラーニングを行ってマシンラーニングモデルを生成するモデル生成段階;前記モデル生成段階で生成された前記マシンラーニングモデルに前記スラッジ条件データと前記制御データのうち、一部の項目を入力して、前記マシンラーニングモデルから前記スラッジ条件データと前記制御データのうち、一部の項目に対応する前記制御データのうち、残りの項目を制御変数として導出する制御変数導出段階;前記制御変数導出段階で導出された制御変数によって、前記スラッジの投入量、前記ドラム電圧及び前記ドラム回転速度のうち少なくとも1つを制御する制御段階;を含む。
【0007】
前記マシンラーニングモデルは、前記スラッジ条件データのうちから前記スラッジの排出量と、前記制御データのうちから前記ドラム電圧と前記ドラム回転速度とを入力変数とし、前記スラッジ条件データのうちから前記スラッジの投入量を出力変数として、マシンラーニングを行った第1マシンラーニングモデルを含む。
【0008】
前記マシンラーニングモデルは、前記スラッジ条件データと、前記制御データのうちから前記ドラム電圧を入力変数とし、前記制御データのうちから前記ドラム回転速度を出力変数として、マシンラーニングを行った第2マシンラーニングモデルを含む。
【0009】
前記マシンラーニングモデルは、前記スラッジ条件データと、前記制御データのうちから前記ドラム回転速度を入力変数とし、前記制御データのうちから前記ドラム電圧を出力変数として、マシンラーニングを行った第3マシンラーニングモデルを含む。
【0010】
前記スラッジ条件データは、前記ドラムユニットに投入されるスラッジの投入含水率と、前記ドラムユニットから排出されるスラッジの排出含水率と、をさらに含む。
【0011】
前記スラッジ条件データは、前記ドラムユニットに投入されるスラッジの投入温度、前記ドラムユニットに投入されるスラッジの電気伝導度をさらに含む。
【0012】
前記スラッジ条件データは、前記ドラムユニットに投入されるスラッジの投入含水率と、前記ドラムユニットから排出されるスラッジの排出含水率と、をさらに含む。
【0013】
前記制御データは、前記ドラムユニットに印加されるドラム電流とドラム電力とのうち少なくとも1つをさらに含む。
【0014】
前記制御変数導出段階で前記マシンラーニングモデルに入力される入力変数は、リアルタイムで測定された測定値または管理者が設定した設定値を使用する。
【0015】
本発明の他の側面による電気浸透式スラッジ処理システムの制御方法は、電気浸透式スラッジ脱水装置のドラムユニットに投入されるスラッジの投入量、投入含水率、前記ドラムユニットから排出されるスラッジの排出量、排出含水率を含むスラッジ条件データと、前記ドラムユニットに印加されるドラム電圧、ドラム電流とドラム電力とのうち1つ、前記ドラムユニットを回転させるドラム回転速度を含む制御データを収集するデータ収集段階;前記データ収集段階で収集された前記スラッジ条件データと前記制御データのうち、一部の項目は、入力変数とし、残りの項目は、出力変数として、マシンラーニングを行ってマシンラーニングモデルを生成するモデル生成段階;前記モデル生成段階で生成された前記マシンラーニングモデルに前記スラッジ条件データと、前記制御データのうち、一部の項目を入力して、前記マシンラーニングモデルから前記スラッジ条件データと前記制御データのうち、一部の項目に対応する前記制御データのうち、残りの項目を制御変数として導出する制御変数導出段階;前記制御変数導出段階で導出された制御変数によって、前記スラッジの投入量、前記ドラム電圧及び前記ドラム回転速度のうち少なくとも1つを制御する制御段階;を含み、前記マシンラーニングモデルは、前記スラッジ条件データのうちから前記投入含水率、前記スラッジの排出量、前記排出含水率と、前記制御データのうちから前記ドラム電圧、前記ドラム電流と前記ドラム電力とのうち1つ、前記ドラム回転速度を入力変数とし、前記スラッジの投入量を出力変数として、マシンラーニングを行った第1マシンラーニングモデルと、前記スラッジ条件データと、前記制御データのうちから前記ドラム電圧、前記ドラム電流と前記ドラム電力とのうち1つを入力変数とし、前記ドラム回転速度を出力変数として、マシンラーニングを行った第2マシンラーニングモデルと、前記スラッジ条件データと、前記制御データのうちから前記ドラム電流と前記ドラム電力とのうち1つ、前記ドラム回転速度を入力変数とし、前記ドラム電圧を出力変数として、マシンラーニングを行った第3マシンラーニングモデルと、を含む。
【0016】
前記制御変数導出段階で前記第2、3マシンラーニングモデルに入力される前記スラッジの投入量は、リアルタイムで測定された測定値、管理者が設定した設定値及び前記第1マシンラーニングモデルから導出された値のうち1つを使用する。
【0017】
前記制御変数導出段階で前記第1、3マシンラーニングモデルに入力される前記ドラム回転速度は、リアルタイムで測定された測定値、管理者が設定した設定値及び前記第2マシンラーニングモデルから導出された値のうち1つを使用する。
【0018】
前記制御変数導出段階で前記第1、2マシンラーニングモデルに入力される前記ドラム電圧は、リアルタイムで測定された測定値、管理者が設定した設定値及び前記第3マシンラーニングモデルから導出された値のうち1つを使用する。
【0019】
本発明のさらに他の側面による電気浸透式スラッジ処理システムの制御方法は、電気浸透式スラッジ脱水装置の電気脱水ユニットに投入されるスラッジの投入量と投入含水率とのうち少なくとも1つと前記電気脱水ユニットから排出されるスラッジの排出量と排出含水率とのうち少なくとも1つとを含むスラッジ条件データと、前記電気脱水ユニットに印加される電気脱水DC電圧、前記電気脱水ユニットに印加されるDC電流またはDC電力及び前記電気脱水ユニットの脱水時間を含む制御データを収集するデータ収集段階;前記データ収集段階で収集された前記スラッジ条件データを入力変数とし、前記制御データのうち、一部の項目は、入力変数とし、残りの項目は、出力変数として、マシンラーニングを行ってマシンラーニングモデルを生成するモデル生成段階;前記モデル生成段階で生成された前記マシンラーニングモデルに前記スラッジ条件データと前記制御データのうち、一部の項目を入力して、前記マシンラーニングモデルから前記スラッジ条件データと前記制御データのうち、一部の項目に対応する前記制御データのうち、残りの項目を制御変数として導出する制御変数導出段階;前記制御変数導出段階で導出された制御変数によって、前記電気脱水ユニットに印加される電気脱水DC電圧と前記電気脱水ユニットの脱水時間とのうち少なくとも1つを制御する制御段階;を含む。
【0020】
前記マシンラーニングモデルは、前記スラッジ条件データと、前記制御データのうちから前記電気脱水DC電圧を入力変数とし、前記電気脱水ユニットの電気脱水時間を出力変数として、マシンラーニングを行った第4マシンラーニングモデルを含む。
【0021】
前記マシンラーニングモデルは、前記スラッジ条件データと、前記制御データのうちから前記電気脱水ユニットの電気脱水時間を入力変数とし、前記電気脱水DC電圧を出力変数として、マシンラーニングを行った第5マシンラーニングモデルを含む。
【0022】
前記スラッジ条件データは、前記電気脱水ユニットに投入されるスラッジの投入温度、前記電気脱水ユニットに投入されるスラッジの電気伝導度をさらに含む。
【0023】
本発明による電気浸透式スラッジ処理システムは、スラッジを脱水させる電気浸透式スラッジ脱水装置;前記スラッジの含水率を自動で測定する自動含水率測定装置;を含み、前記自動含水率測定装置は、前記スラッジのうち、一部を抽出するスラッジ抽出装置;前記抽出されたスラッジを用いて前記スラッジの含水率を測定する含水率測定器;及び前記含水率測定が完了した前記スラッジを前記含水率測定器の外部に排出するスラッジ排出装置;を含む。
【0024】
前記スラッジ抽出装置は、前記スラッジ脱水装置を通過する前、または前記スラッジ脱水装置を通過した後のスラッジを抽出し、円筒状であり、内部に中空が形成されており、一側は、スラッジ脱水装置に移動するスラッジのうち、一部を抽出できるように開口されているスクリューケース;前記スクリューケースの他側に連結されるスクリューモータ;一側は、前記スクリューケースの開口された一側に配され、前記スクリューケースの中空に沿って延びながら、他側が前記スクリューモータと連結されるスクリュー軸;前記スクリューケースの内部に配されるが、前記スクリュー軸の外周面に複数個が離隔して設けられ、前記スクリューモータの動力を用いて前記スクリュー軸を中心に軸回転する移送スクリュー;及び前記スクリューケースの他側下部に設けられ、前記移送スクリューによって前記スクリューケースの他側方向に移送されるスラッジを前記含水率測定器に送るスクリューケース排出口;を含む。
【0025】
前記含水率測定器は、上部は、前記スクリューケース排出口と連結され、前記スクリューケース排出口から排出されるスラッジを収容するスラッジ収容部;前記スラッジ収容部の下部に連結されるように配され、前記スラッジ収容部に収容されたスラッジを載置させるスラッジ載置部;前記スラッジ載置部の下部に連結されるように配されて、前記スラッジ載置部に載置されているスラッジに熱を加える加熱装置;前記加熱装置の下部に連結されるように配されて、前記スラッジ載置部に載置されているスラッジの質量を測定する質量測定装置;前記スラッジ載置部に載置されたスラッジが、前記加熱装置によって加熱される前と後との質量を用いてスラッジ脱水装置を通過する前のスラッジの含水率を測定する制御部;を含む。
【0026】
前記スラッジ排出装置は、一側は、前記スラッジ載置部の一側と連結され、前記スラッジ載置部の一側から斜めに下側に傾いた構造を有し、前記含水率測定器から含水率測定が完了したスラッジを前記含水率測定器外に排出する。
【0027】
前記制御部は、前記自動含水率測定装置に抽出されるスラッジ投入量及び投入速度、前記自動含水率測定装置から排出されるスラッジの排出量及び排出速度、前記加熱装置の加熱温度及び加熱時間の変化によって、前記自動含水率測定装置から排出される乾燥されたスラッジの含水率変化値をあらかじめ保存しているデータベース(DB)を含む。
【0028】
本発明の他の側面による電気浸透式スラッジ処理システムは、スラッジを脱水させる電気浸透式スラッジ脱水装置;前記スラッジ脱水装置に投入されるスラッジのうち、一部を抽出して、前記スラッジの投入含水率である第1含水率を測定する第1自動含水率測定装置;前記スラッジ脱水装置から排出されるスラッジのうち、一部を抽出して、前記スラッジの排出含水率である第2含水率を測定する第2自動含水率測定装置;及び前記第1含水率及び前記第2含水率をネットワークを通じて受信される管理部;を含む。
【0029】
前記第1自動含水率測定装置は、前記スラッジ脱水装置に流入されるスラッジのうち、一部を第1抽出する第1スラッジ抽出装置と、前記第1抽出されたスラッジの第1含水率を測定する第1含水率測定器と、前記第1含水率測定が完了したスラッジを前記第1含水率測定器の外部に排出する第1スラッジ排出装置と、を含み、前記第2自動含水率測定装置は、前記スラッジ脱水装置から排出されるスラッジのうち、一部を第2抽出する第2スラッジ抽出装置と、前記第2抽出されたスラッジの第2含水率を測定する第2含水率測定器と、前記第2含水率測定が完了した前記スラッジを前記第2含水率測定器の外部に排出する第2スラッジ排出装置と、を含む。
【発明の効果】
【0030】
本発明によるマシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ処理システムの制御方法は、電気脱水ユニットに投入されるスラッジの投入量、投入含水率、電気脱水ユニットから排出されるスラッジの排出量、排出含水率、DC電流、DC電圧、電気脱水時間またはドラムの回転速度をパラメータとして設定し、マシンラーニングを行って、電気浸透式スラッジ脱水装置の制御のための制御変数を導出するマシンラーニングモデルを生成することができる。
【0031】
また、マシンラーニングを用いて、前記電気浸透式スラッジ脱水装置の作動を制御することにより、スラッジ条件や作動状態によるより迅速かつ効果的な制御が可能であるという利点がある。
【0032】
また、自動含水率測定装置を通じてスラッジの含水率を自動で測定することができる。
【0033】
また、移動するスラッジのうち、一部のみを抽出して、スラッジの含水率を導出することができる。
【0034】
また、スラッジ脱水装置に投入されるスラッジの投入含水率とスラッジ脱水装置から排出されるスラッジの排出含水率とをそれぞれ自動で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の第1実施形態によるマシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ処理システムを概略的に示す図面である。
図2】本発明の第1実施形態によるマシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ脱水装置の制御方法を示すフローチャートである。
図3】本発明の第1実施形態による第1マシンラーニングモデルからスラッジ投入量を導出する方法を概略的に示す図面である。
図4】本発明の第1実施形態による第2マシンラーニングモデルからドラム回転速度を導出する方法を概略的に示す図面である。
図5】本発明の第1実施形態による第3マシンラーニングモデルからドラム電圧を導出する方法を概略的に示す図面である。
図6】本発明の第2実施形態による第4マシンラーニングモデルから電気脱水ユニットの脱水時間を導出する方法を概略的に示す図面である。
図7】本発明の第2実施形態による第5マシンラーニングモデルから電気脱水ユニットのDC電圧を導出する方法を概略的に示す図面である。
図8】本発明の第3実施形態による電気浸透式スラッジ処理システムの自動含水率測定装置が示された模式図である。
図9図8に係るスラッジの自動含水率測定装置の第1含水率測定装置を具体的に示す模式図である。
図10図9に係る第1含水率測定装置の制御部に保存されている情報の具体例を示す模式図である。
図11】本発明の第4実施形態によるスラッジの自動含水率測定装置を通じて測定された含水率と要求される含水率との関係による管理部での措置例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明すれば、次の通りである。
【0037】
図1は、本発明の第1実施形態によるマシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ処理システムを概略的に示す図面である。
【0038】
図1を参照すれば、本発明の実施形態による電気浸透式スラッジ処理システム100は、スラッジ脱水装置110、150、コンベヤーベルト130、粉砕手段170及び制御部(図示せず)を含む。
【0039】
前記スラッジ脱水装置110、150は、1次脱水機110と2次脱水機150とを含む。
【0040】
以下、本実施形態では、前記1次脱水機110は、圧縮プレスなどで圧着して水分を除去する機械式スラッジ脱水装置であり、前記2次脱水機150は、電圧によって発生する電気浸透及び電気泳動現象などを用いて水分を除去する電気浸透式スラッジ脱水装置であるということを例として説明する。但し、これに限定されず、前記1次脱水機110と前記2次脱水機150が、いずれも電気浸透式脱水装置であることももちろん可能である。
【0041】
前記1次脱水機110は、前処理工程から発生した下水スラッジを供給されて、前記下水スラッジに含まれた水分の比率(以下、含水率)が第1設定含水率になるように、前記下水スラッジを脱水させる。本実施形態において、前記第1設定含水率は、75~85wt%に設定される。
【0042】
前記1次脱水機110によって1次脱水された前記下水スラッジは、前記コンベヤーベルト130に落下する。前記コンベヤーベルト130は、前記1次脱水機110と前記2次脱水機150とを連結するように設けられる。前記コンベヤーベルト130は、前記1次脱水機110から脱水されて落下した前記下水スラッジを前記2次脱水機150に移動させる。
【0043】
前記2次脱水機150は、前記1次脱水機から1次脱水された後、前記コンベヤーベルト130を通じて移送されて流入された前記下水スラッジを脱水させる。この際、前記2次脱水機150には、第2設定含水率が設定されており、前記2次脱水機150を通じて脱水された前記下水スラッジの含水率が、前記第2設定含水率まで低下する。前記第2設定含水率は、例示的に50~60wt%に設定され、前記2次脱水機150を通じて2次脱水された前記下水スラッジの含水率は、約55wt%になる。
【0044】
前記2次脱水機150は、印加される電圧によって発生する電気浸透及び電気泳動現象を用いて、前記下水スラッジ内の水分を除去する電気浸透式脱水機である。以下、本実施形態では、前記2次脱水機150は、ドラムユニット(図示せず)を含むということを例として説明する。
【0045】
前記制御部(図示せず)は、前記ドラムユニットに印加される電流または電力、前記ドラムユニットに印加される電圧、前記ドラムユニットの回転速度を制御する。前記ドラムユニットに印加される電流、前記ドラムユニットに印加される電圧、前記ドラムユニットの回転速度は、前記電気浸透式スラッジ脱水装置の制御変数に該当し、前記制御変数は、後述するマシンラーニング技法を通じて導出される。前記電圧は、DC電圧であり、前記電流は、DC電流であり、前記電力は、DC電力である。
【0046】
前記制御部(図示せず)は、前記スラッジ処理システムに備えられたことも可能であり、前記スラッジ処理システムと有線または無線で通信する中央サーバに備えられたことも可能である。
【0047】
前記粉砕手段170は、前記2次脱水機150と連結されており、前記2次脱水機150から吐き出されたシート状の前記下水スラッジが流入されれば、前記下水スラッジを粉砕しながら移送させて乾燥用袋180に排出する。
【0048】
また、前記電気浸透式スラッジ処理システム100には、複数のセンサー部(図示せず)が備えられる。
【0049】
前記センサー部(図示せず)は、前記スラッジ脱水装置の前記ドラムユニットに投入されるスラッジの投入量と投入含水率、前記ドラムユニットから排出されるスラッジの排出量と排出含水率とをそれぞれ測定して、前記制御部(図示せず)に伝送する自動含水率測定装置(図示せず)を含む。
【0050】
但し、これに限定されず、常時センサー部(図示せず)は、前記スラッジの投入温度、前記ドラムユニットに投入されるスラッジの電気伝導度を測定することをさらに含みうる。
【0051】
一方、図2は、本発明の第1実施形態によるマシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ脱水装置の制御方法を示すフローチャートである。
【0052】
本発明の実施形態において、マシンラーニングを行い、マシンラーニングモデルから制御変数を導出する主体は、前記制御部(図示せず)であるということを例として説明する。
【0053】
図2を参照すれば、本発明の実施形態によるマシンラーニングを利用した電気浸透式スラッジ脱水装置の制御方法は、データ収集段階(ステップS1)、モデル生成段階(ステップS2)、制御変数導出段階(ステップS3)及び制御段階(ステップS4)を含む。
【0054】
前記データ収集段階(ステップS1)では、前記電気浸透式スラッジ処理システムが作動する間に、スラッジの状態を示すスラッジ条件データと、前記ドラムユニットの作動を示す制御データを収集する。
【0055】
前記スラッジ条件データは、前記ドラムユニットに投入されるスラッジの投入量(P1)、投入含水率(P2)、前記ドラムユニットから排出されるスラッジの排出量(P3)、排出含水率(P4)を含むパラメータである。
【0056】
前記投入含水率(P2)と前記排出含水率(P4)は、前記自動含水率測定装置を通じて測定される。
【0057】
但し、これに限定されず、前記スラッジ条件データは、前記スラッジの投入温度、前記スラッジの電気伝導度をさらに含みうる。
【0058】
前記制御データは、前記ドラムユニットに印加されるドラム電流(P5)またはドラム電力、前記ドラムユニットに印加されるドラム電圧(P6)、前記ドラムユニットを回転させるドラム回転速度(P7)を含むパラメータである。以下、本実施形態では、ドラム電流(P5)とドラム電力とのうち、ドラム電流(P5)を使用することを例として説明する。
【0059】
ここで、前記ドラム回転速度(P7)は、電気脱水時間と関連したパラメータなので、前記ドラム回転速度(P7)は、前記スラッジが前記ドラムユニットに入ってから出るまでの電気脱水時間に代替しうる。
【0060】
前記データ収集段階(ステップS1)では、リアルタイムまたは一定時間間隔でデータを収集する。
【0061】
前記モデル生成段階(ステップS2)では、前記データ収集段階(ステップS1)で収集されたデータをマシンラーニングしてマシンラーニングモデルを生成する。
【0062】
この際、前記スラッジ条件データと前記制御データのうち、一部の項目は、前記入力変数とし、残りの項目は、前記出力変数として、マシンラーニングを行ってマシンラーニングモデルを生成する。
【0063】
前記マシンラーニングモデルは、総3個の第1、2、3マシンラーニングモデル(M1、M2、M3)を含む。
【0064】
前記第1マシンラーニングモデル(M1)は、入力変数は、前記スラッジ条件データのうちから前記投入含水率(P2)、前記スラッジの排出量(P3)、前記排出含水率(P4)、前記制御データのうちから前記ドラム電流(P5)、前記ドラム電圧(P6)及び前記ドラム回転速度(P7)であり、前記第1マシンラーニングモデル(M1)の出力変数は、前記スラッジ投入量(P1)として、マシンラーニングを行ったモデルである。
【0065】
すなわち、前記第1マシンラーニングモデル(M1)を学習させるための学習用入力変数は、前記投入含水率(P2)、前記スラッジの排出量(P3)、前記排出含水率(P4)、前記ドラム電流(P5)、前記ドラム電圧(P6)及び前記ドラム回転速度(P7)である。
【0066】
前記第1マシンラーニングモデル(M1)を学習させるための学習用出力変数は、前記スラッジ投入量(P1)である。
【0067】
したがって、前記第1マシンラーニングモデル(M1)は、前記スラッジ投入量(P1)を制御変数として導出するために学習されたモデルである。
【0068】
前記第2マシンラーニングモデル(M2)は、入力変数は、前記スラッジ条件データと、前記制御データのうちから前記ドラム電流(P5)、前記ドラム電圧(P6)を含み、出力変数は、前記ドラム回転速度(P7)として、マシンラーニングを行ったモデルである。
【0069】
すなわち、前記第2マシンラーニングモデル(M2)を学習させるための学習用入力変数は、前記スラッジの投入量(P1)、前記投入含水率(P2)、前記スラッジの排出量(P3)、前記排出含水率(P4)、前記ドラム電流(P5)及び前記ドラム電圧(P6)である。
【0070】
前記第2マシンラーニングモデル(M2)を学習させるための学習用出力変数は、前記ドラム回転速度(P7)である。
【0071】
したがって、前記第2マシンラーニングモデル(M2)は、前記ドラム回転速度(P7)を制御変数として導出するために学習されたモデルである。
【0072】
前記第3マシンラーニングモデル(M3)は、入力変数は、前記スラッジ条件データと、前記制御データのうちから前記ドラム電流(P5)、前記ドラム回転速度(P7)を含み、出力変数は、前記ドラム電圧(P6)として、マシンラーニングを行ったモデルである。
【0073】
すなわち、前記第3マシンラーニングモデル(M3)を学習させるための学習用入力変数は、前記スラッジの投入量(P1)、前記投入含水率(P2)、前記スラッジの排出量(P3)、前記排出含水率(P4)、前記ドラム電流(P5)、前記ドラム回転速度(P7)である。
【0074】
前記第3マシンラーニングモデル(M3)を学習させるための学習用出力変数は、前記ドラム電圧(P6)である。
【0075】
したがって、前記第3マシンラーニングモデル(M3)は、前記ドラム電圧(P6)を制御変数として導出するために学習されたモデルである。
【0076】
前記のように、前記モデル生成段階(ステップS2)では、前記スラッジ投入量(P1)、前記ドラム回転速度(P7)、前記ドラム電圧(P6)をそれぞれ導出することができる3個の第1、2、3マシンラーニングモデル(M1、M2、M3)を生成することができる。
【0077】
前記第1、2、3マシンラーニングモデル(M1、M2、M3)は、前記データ収集段階(ステップS1)で収集されたデータの変化によってマシンラーニングを繰り返して行って、更新される。
【0078】
前記制御変数導出段階(ステップS3)では、前記電気浸透式スラッジ脱水装置の作動時に、前記モデル生成段階(ステップS2)で生成された前記マシンラーニングモデルを用いて、前記電気浸透式スラッジ脱水装置の作動を制御するための制御変数を導出することができる。
【0079】
図3は、本発明の第1実施形態による第1マシンラーニングモデルからスラッジ投入量を導出する方法を概略的に示す図面である。
【0080】
図3を参照すれば、前記第1マシンラーニングモデル(M1)に前記投入含水率(P2)、前記スラッジの排出量(P3)、前記排出含水率(P4)、前記ドラム電流(P5)、前記ドラム電圧(P6)及び前記ドラム回転速度(P7)を入力すれば、前記第1マシンラーニングモデル(M1)から前記スラッジ投入量(P1)が出力される。
【0081】
ここで、前記第1マシンラーニングモデル(M1)に入力される実戦用入力変数は、前記データ収集段階(ステップS1)でリアルタイムまたは一定時間間隔で測定された測定値のうちから最も最近値を使用することを例として説明する。前記制御部(図示せず)は、前記センサー部(図示せず)から前記測定値を伝送される。
【0082】
但し、これに限定されず、前記第1マシンラーニングモデル(M1)に入力される実戦用入力変数のうち少なくとも一部は、管理者が設定した設定値を使用することも可能である。前記設定値は、管理者が要求する値であって、管理者が別途の入力部を通じて入力した値である。例えば、管理者は、目標とする前記排出含水率(P4)を設定して入力すれば、前記排出含水率(P4)に到達することができる前記スラッジ投入量(P1)を導出することもできる。
【0083】
また、前記第1マシンラーニングモデル(M1)に入力される実戦用入力変数のうちから前記ドラム電圧(P6)と前記ドラム回転速度(P7)は、前記第2、3マシンラーニングモデル(M2、M3)からそれぞれ最近に導出された値を使用することも可能である。
【0084】
前記第1マシンラーニングモデル(M1)から出力された前記スラッジ投入量(P1)は、前記スラッジ投入含水率(P2)、前記スラッジの排出量(P3)、前記スラッジ排出含水率(P4)、前記ドラム電流(P5)、前記ドラム電圧(P6)及び前記ドラム回転速度(P7)に対応する最適の値である。
【0085】
図4は、本発明の第1実施形態による第2マシンラーニングモデルからドラム回転速度を導出する方法を概略的に示す図面である。
【0086】
図4を参照すれば、前記第2マシンラーニングモデル(M2)に前記スラッジの投入量(P1)、前記投入含水率(P2)、前記スラッジの排出量(P3)、前記排出含水率(P4)、前記ドラム電流(P5)、前記ドラム電圧(P6)を入力すれば、前記第2マシンラーニングモデル(M2)から前記ドラム回転速度(P7)が出力される。
【0087】
ここで、前記第2マシンラーニングモデル(M2)に入力される実戦用入力変数は、前記データ収集段階(ステップS1)でリアルタイムまたは一定時間間隔で測定された測定値のうちから最も最近値を使用することを例として説明する。前記制御部(図示せず)は、前記センサー部(図示せず)から前記測定値を伝送される。
【0088】
但し、これに限定されず、前記第2マシンラーニングモデル(M2)に入力される実戦用入力変数のうち少なくとも一部は、管理者が設定した設定値を使用することも可能である。前記設定値は、管理者が要求する値であって、管理者が別途の入力部を通じて入力した値である。例えば、管理者は、目標とする前記排出含水率(P4)を設定して入力すれば、前記排出含水率(P4)に到達することができる前記ドラム回転速度(P7)を導出することもできる。
【0089】
また、前記第2マシンラーニングモデル(M2)に入力される実戦用入力変数のうちから前記スラッジ投入量(P1)と前記ドラム電圧(P6)は、前記第1、3マシンラーニングモデル(M1、M3)からそれぞれ最近に導出された値を使用することも可能である。
【0090】
前記第2マシンラーニングモデル(M2)から出力された前記ドラム回転速度(P7)は、前記スラッジの投入量(P1)、前記投入含水率(P2)、前記スラッジの排出量(P3)、前記排出含水率(P4)、前記ドラム電流(P5)、前記ドラム電圧(P6)に対応する最適の値である。
【0091】
また、図5は、本発明の第1実施形態による第3マシンラーニングモデルからドラム電圧を導出する方法を概略的に示す図面である。
【0092】
図5を参照すれば、前記第1マシンラーニングモデル(M3)に前記スラッジの投入量(P1)、前記投入含水率(P2)、前記スラッジの排出量(P3)、前記排出含水率(P4)、前記ドラム電流(P5)、前記ドラム回転速度(P7)を入力すれば、前記第3マシンラーニングモデル(M3)から前記ドラム電圧(P6)が出力される。
【0093】
ここで、前記第3マシンラーニングモデル(M3)に入力される実戦用入力変数は、前記データ収集段階(ステップS1)でリアルタイムまたは一定時間間隔で測定された測定値のうちから最も最近値を使用することを例として説明する。前記制御部(図示せず)は、前記センサー部(図示せず)から前記測定値を伝送される。
【0094】
但し、これに限定されず、前記第3マシンラーニングモデル(M3)に入力される実戦用入力変数のうち少なくとも一部は、管理者が設定した設定値を使用することも可能である。前記設定値は、管理者が要求する値であって、管理者が別途の入力部を通じて入力した値である。例えば、管理者は、目標とする前記排出含水率(P4)を設定して入力すれば、前記排出含水率(P4)に到達することができる前記ドラム電圧(P6)を導出することもできる。
【0095】
また、前記第3マシンラーニングモデル(M3)に入力される実戦用入力変数のうちから前記スラッジ投入量(P1)と前記ドラム回転速度(P7)は、前記第1、2マシンラーニングモデル(M1、M2)からそれぞれ最近に導出された値を使用することも可能である。
【0096】
前記第3マシンラーニングモデル(M3)から出力された前記ドラム電圧(P6)は、前記スラッジの投入量(P1)、前記スラッジ投入含水率(P2)、前記スラッジの排出量(P3)、前記スラッジ排出含水率(P4)、前記ドラム電流(P5)、前記ドラム回転速度(P7)に対応する最適の値である。
【0097】
但し、これに限定されず、前記スラッジ条件データは、前記スラッジの投入温度、前記ドラムユニットに投入されるスラッジの電気伝導度をさらに含み、前記第1、2、3マシンラーニングモデル(M1、M2、M3)の学習時に、入力変数として前記スラッジの投入温度と前記スラッジの電気伝導度とのうち少なくとも1つを含ませることも可能である。
【0098】
前記制御段階(ステップS4)では、前記制御変数導出段階(ステップS3)で導出された制御変数によって、前記スラッジ投入量(P1)、前記ドラム電圧(P6)、前記ドラム回転速度(P7)をそれぞれ制御することができる。
【0099】
前記のように、マシンラーニングを用いて、前記電気浸透式スラッジ脱水装置の作動を制御することにより、作動状態によるより迅速かつ効果的な制御が可能であるという利点がある。
【0100】
一方、図6は、本発明の第2実施形態による第4マシンラーニングモデルから電気脱水ユニットの脱水時間を導出する方法を概略的に示す図面である。図7は、本発明の第2実施形態による第5マシンラーニングモデルから電気脱水ユニットのDC電圧を導出する方法を概略的に示す図面である。
【0101】
図6及び図7を参照すれば、本発明の第2実施形態による電気浸透式スラッジ処理システムは、前記2次脱水機150がドラムユニットではない電気脱水ユニットであることが前記一実施形態と異なる。
【0102】
また、本発明の第2実施形態による電気浸透式スラッジ処理システムの制御方法では、データ収集段階、モデル生成段階、制御変数導出段階及び制御段階を含むが、前記データ収集段階で収集されるスラッジ条件データは、スラッジの投入量(P1)とスラッジの排出量(P3)またはスラッジの投入含水率(P2)とスラッジの排出含水率(P4)とのうち少なくとも1つであり、制御データは、前記電気脱水ユニットに印加されるDC電流(P5)またはDC電力、前記電気脱水ユニットに印加される電気脱水DC電圧(P6)、前記電気脱水ユニットの脱水時間(P7)を含むことが、前記一実施形態と異なり、その他の残りの構成及び作用は、類似しているので、異なる構成を中心に詳しく説明する。
【0103】
前記電気脱水ユニットの脱水時間(P7)は、前記電気脱水ユニットの脱水速度に関連したパラメータであり、前記電気脱水ユニットの脱水速度に代替可能である。
【0104】
前記モデル生成段階では、前記データ収集段階で収集された前記スラッジ条件データ、前記制御データのうち、一部の項目は、入力変数とし、前記制御データのうち、残りの項目は、出力変数として、マシンラーニングを行ってマシンラーニングモデルを生成する。
【0105】
本実施形態では、前記マシンラーニングモデルは、2個の第4マシンラーニングモデル(M4)と第5マシンラーニングモデル(M5)とを含むということを例として説明する。
【0106】
前記第4マシンラーニングモデル(M4)は、入力変数を、前記スラッジの投入量(P1)、前記投入含水率(P2)、前記スラッジの排出量(P3)、前記排出含水率(P4)、前記電気脱水DC電流(P5)、前記電気脱水DC電圧(P6)とし、出力変数は、前記電気脱水ユニットの脱水時間(P7)として、学習されたモデルである。
【0107】
前記第5マシンラーニングモデル(M5)は、入力変数を、前記スラッジの投入量(P1)、前記投入含水率(P2)、前記スラッジの排出量(P3)、前記排出含水率(P4)、前記電気脱水DC電流(P5)、前記電気脱水ユニットの脱水時間(P7)とし、出力変数は、前記電気脱水DC電圧(P6)として、学習されたモデルである。
【0108】
但し、これに限定されず、前記スラッジ条件データは、前記スラッジの投入温度、前記ドラムユニットに投入されるスラッジの電気伝導度をさらに含み、前記第4、5マシンラーニングモデル(M4、M5)の学習時に、入力変数として前記スラッジの投入温度と前記スラッジの電気伝導度とのうち少なくとも1つを含ませることも可能である。
【0109】
一方、図8は、本発明の第3実施形態による電気浸透式スラッジ処理システムの自動含水率測定装置が示された模式図である。図9は、図8に係るスラッジの自動含水率測定装置の第1含水率測定装置を具体的に示す模式図である。図10は、図9に係る第1含水率測定装置の制御部に保存されている情報の具体例を示す模式図である。
【0110】
図8ないし図10を参照すれば、本発明の第3実施形態による電気浸透式スラッジ処理システム1000は、スラッジ脱水装置、自動含水率測定装置1100、1200及び管理部300を含む。
【0111】
前記スラッジ脱水装置は、前記第1実施形態の2次脱水機150であるということを例として説明する。
【0112】
前記自動含水率測定装置1100、1200は、第1自動含水率測定装置1100と第2自動含水率測定装置1200とを含む。
【0113】
前記第1自動含水率測定装置1100は、スラッジ供給装置(図示せず)から前記スラッジ脱水装置に移動するスラッジのうち、一部を第1抽出して、前記スラッジの投入含水率である第1含水率を測定する役割を果たす。
【0114】
本実施形態において、前記第1自動含水率測定装置1100は、前記スラッジ移送装置を用いて前記スラッジ脱水装置にスラッジを供給する前記スラッジ供給装置(図示せず)と前記スラッジ脱水装置との間に配されることを例として挙げる。しかし、本発明は、これに限定されず、前記第1自動含水率測定装置1100が、前記スラッジ供給装置(図示せず)からスラッジを抽出することができる位置であれば、いくらでも配置場所は変更が可能である。また、本実施形態では、スラッジが前記スラッジ脱水装置に移動するもののうち、一部を抽出することを例として挙げるが、本発明は、これに限定されず、前記スラッジが移動しているならば、移動している方向は問題にならない。
【0115】
本実施形態では、前記第1自動含水率測定装置1100、前記第2自動含水率測定装置1200及び前記管理部1300をいずれも含むことを例として挙げるが、これに限定されず、前記第1自動含水率測定装置1100及び前記第2自動含水率測定装置1200うち何れか1つのみ備えられることもある。この場合、前記管理部1300に保存されている情報及び前記管理部1300が行うメカニズムを、前記第1自動含水率測定装置1100または前記第2自動含水率測定装置1200がそれぞれ保存しており、行う。具体的には、後述する前記第1含水率測定装置1100の第1制御部1125及び前記第2含水率測定装置1200の第2制御部(図示せず)でそれぞれ前記管理部1300に保存されている情報と同じ情報を保存することができる。
【0116】
前記第1自動含水率測定装置1100は、第1スラッジ抽出装置1110、第1含水率測定器1120及び第1スラッジ排出装置1130を含む。
【0117】
前記第1スラッジ抽出装置1110は、前記スラッジ脱水装置に移動するスラッジのうち、一部を抽出して、前記第1含水率測定器1120に送る役割を果たす。前記第1スラッジ抽出装置1110は、第1スクリューケース1111、第1移送スクリュー1112、第1スクリュー軸1113、第1スクリューケース排出口1114及び第1スクリューモータ1115を含む。
【0118】
前記第1スクリューケース1111は、円筒状が長く形成され、内部に中空が形成されている。本実施形態において、前記第1スクリューケース1110の一側は、前記スラッジ脱水装置に移動するスラッジのうち、一部を抽出できるように開口されている。もちろん、前記第1スクリューケース1110の一側は、開閉可能な蓋によって開/閉構造で形成されうる。また、本実施形態において、前記第1スクリューケース1111は、一側から他側方向に斜めに上側に傾いた構造を有する。もちろん、前記第1スクリューケース1111の配置構造は、いくらでも変更が可能である。
【0119】
また、本実施形態において、前記第1スクリューケース1111は、前記第1含水率測定器1120を軸で回転することができる。すなわち、前記第1スクリューケース1111は、スラッジを抽出する時は前記スラッジ移送装置上に配され、スラッジ抽出が完了すれば、前記スラッジ移送装置上で移動するスラッジの移動を妨害しないために回転して、前記スラッジ移送装置から離隔した位置に配されてもよい。
【0120】
前記第1スクリューモータ1115は、前記第1スクリューケース1111の他側に連結されている。前記第1スクリューモータ1115は、前記第1移送スクリュー1112が回転することができる動力を伝達する役割を果たす。もちろん、前記第1スクリューモータ1115は、前記第1移送スクリュー1112に動力を伝達することができるならば、配される位置は、いくらでも変更可能である。
【0121】
前記第1スクリュー軸1113は、一側は、前記第1スクリューケース1111の開口された一側に配され、前記第1スクリューケース1111の中空に沿って延びながら、他側が前記第1スクリューモータ1115と連結されている。したがって、前記第1スクリュー軸1113は、前記第1スクリューモータ1115から伝達される動力を受けて回転する。
【0122】
前記第1移送スクリュー1112は、前記第1スクリューケース1111の内部に配されるが、前記第1スクリュー軸1113の外周面に複数個が離隔して設けられる。すなわち、前記第1移送スクリュー1112は、前記第1スクリューケース1111の内部中空に沿って延びている前記第1スクリュー軸1113の延びた外周面に沿って離隔して複数個が設けられている。前記第1移送スクリュー1112は、前記第1スクリュー軸1113が前記第1スクリューモータ1115から動力を受けて回転すれば、その回転力によって、前記第1スクリュー軸1113を中心に軸回転する。前記第1移送スクリュー1112は、回転しながら前記第1抽出されたスラッジを前記第1スクリューケース排出口1114に移動させる。
【0123】
前記第1スクリューケース排出口1114は、前記第1スクリューケース1111の他側下部に形成される。すなわち、前記第1スクリューケース排出口1114は、前記第1スクリューケース1111の他側端部から設定間隔離隔した位置の下部に形成される。前記第1スクリューケース排出口1114は、前記第1移送スクリューによって前記第1スクリューケース1111の他側方向に移送されるスラッジを前記第1含水率測定器1120に送り出す役割を果たす。前記第1スクリューケース排出口1114は、内部に中空が形成されている円筒状を有する。但し、本実施形態において、前記第1スクリューケース排出口1114は、前記第1スクリューケース1111の斜めの下面に符合して結合できるように上部が前記第1スクリューケース1111のように斜めの形態に形成される。もちろん、前記第1スクリューケース排出口1114の形状は、前記第1スクリューケース1111と符合するならば、いくらでも変更可能である。
【0124】
本実施形態において、前記第1スラッジ抽出装置1110は、前記スラッジ脱水装置に移動するスラッジのうち、一部を抽出する時、前記第1スクリュー軸1113が前記第1スクリューケース1111一側の開口された部分を通じて伸びてスラッジを抽出した後、再び引っ張られながら、前記抽出されたスラッジを前記第1スクリューケース1111の内部に移動させることを例として挙げる。もちろん、本発明は、前記第1スクリューケース1111自体を前記スラッジ移送装置上に配置して直接スラッジを抽出することもできる。そして、本実施形態において、前記第1スラッジ抽出装置1110standard pitch screwであるということを例として挙げる。しかし、本発明は、これに限定されず、前記第1スラッジ抽出装置1110をshort pitch screw、long pitch screw、double pitch screw、double short pitch screw、stepped pitch screwのうち何れか1つに変更可能である。
【0125】
そして、前記第1スラッジ抽出装置1110がスクリュータイプの以外にも、ロボットアームまたは往復動形態のバー、その他の多様な抽出装置を用いて、前記スラッジ脱水装置に移動するスラッジのうち、一部を抽出することもできる。この際、前記ロボットアーム(図示せず)は、一側がロボット本体(図示せず)の末端に結合される胴体部(図示せず)、前記胴体部の他側に結合され、スラッジを把持することができる把持部(図示せず)及び前記管理部1300とネットワークで連結される制御モジュール(図示せず)とを含む。もちろん、前記制御モジュール(図示せず)は、前記第1制御部1125ともネットワークで連結されている。前記ロボットアーム(図示せず)は、前記制御モジュール(図示せず)が前記管理部1300や前記第1制御部1125から得る情報を用いて、前記スラッジ脱水装置に移動するスラッジの抽出メカニズムを調節する。
【0126】
また、前記制御モジュール(図示せず)は、前記把持部(図示せず)に把持されたスラッジの重量を感知して、前記把持部(図示せず)の握力を自動で調節する。すなわち、前記制御モジュール(図示せず)は、前記把持部(図示せず)に把持されたスラッジの重量が軽い場合よりも重い場合に前記把持されたスラッジをさらに強い握力で把持して、前記把持されたスラッジが前記把持部からの離脱を防止する。
【0127】
前記第1含水率測定器1120は、前記第1スラッジ抽出装置1110から前記第1抽出されたスラッジを供給されて、前記供給されたスラッジの第1含水率を測定する。
【0128】
前記第1含水率測定器1120は、第1スラッジ収容部1121、第1スラッジ載置部1122、第1加熱装置1123、第1質量測定装置1124、第1制御部1125及び第1含水率測定器ケース1126を含む。
【0129】
前記第1スラッジ収容部1121は、上部は、前記第1スクリューケース排出口1114と連結され、前記第1スクリューケース排出口1114から排出されるスラッジを収容する役割を果たす。前記第1スラッジ収容部1121の上面は、前記第1スクリューケース排出口1114の下面と符合する形状を有し、前記第1スクリューケース排出口1114よりも幅がさらに広い中空を有する。これは、前記第1スクリューケース排出口1114から前記第1スラッジ収容部1121に排出されるスラッジが、前記第1スラッジ収容部1121外への離脱を防止するためである。しかし、本発明は、これに限定されず、前記第1スラッジ収容部1121の構造をいくらでも変更可能である。
【0130】
前記第1スラッジ載置部1122は、前記第1スラッジ収容部1121の下部に連結されるように配される。本実施形態において、前記第1スラッジ載置部1122は、前記第1スラッジ収容部1121を通じて伝達されるスラッジが載置されるように平らな構造を有する。もちろん、前記第1スラッジ載置部1122は、前記第1スラッジ収容部1121から伝達されるスラッジを内部に保存できるように内部空間が形成されているケース構造やその他の異なる構造にいくらでも構造変更が可能である。
【0131】
前記第1加熱装置1123は、前記第1スラッジ載置部1122の下部に連結されるように配される。前記第1加熱装置1123は、前記第1スラッジ載置部1122に載置されているスラッジに熱を加える役割を果たす。前記第1加熱装置1123は、第1ヒーター1123a及び第1ヒーターファン1123bを含む。
【0132】
前記第1ヒーター1123aは、前記第1スラッジ載置部1122の下部に密着されるように配される。そして、前記第1ヒーターファン1123bは、前記第1ヒーター1123aの下部に連結されるように配される。本実施形態において、前記第1ヒーター1123aは、電気抵抗式であるということを例として挙げる。もちろん、前記第1ヒーター1123aの種類は、いくらでも変更が可能である。
【0133】
前記第1ヒーター1123aから熱が発生すれば、前記ヒーターファン1123bから生成される風によって、前記熱が前記第1スラッジ載置部1122に伝達される。すなわち、前記第1ヒーター1123aから発生した熱が前記ヒーターファン1123bによって、前記第1スラッジ載置部1122に載置されているスラッジを加熱するものである。本実施形態において、前記第1ヒーター1123aは、前記第1スラッジ載置部1122の下部のみに設けられることを例としたが、前記第1スラッジ載置部1122がケースの形態に形成される時は、前記第1スラッジ載置部1122の側面にも設けられる。
【0134】
前記第1質量測定装置1124は、前記第1加熱装置の下部に連結されるように配される。前記第1質量測定装置1124は、前記第1スラッジ載置部1122に載置されているスラッジの質量を測定する役割を果たす。前記第1制御部1125には、前記第1スラッジ載置部1122に載置されているスラッジの質量外の前記第1含水率測定器1120を構成するそれぞれの構成に対する質量がいずれも保存されている。したがって、前記第1スラッジ載置部1122に載置されるスラッジを含む質量を測定すれば、前記第1スラッジ載置部1122に載置されているスラッジの質量が分かる。
【0135】
この際、前記第1加熱装置1123で前記第1スラッジ載置部1122に載置されているスラッジを加熱する前に質量を一回測定し、前記第1加熱装置1123で加熱した後の質量をもう一度測定する。このように2回測定された質量を利用すれば、前記第1スラッジ載置部1122に載置されているスラッジを前記第1加熱装置1123で加熱する前と後との質量の差が分かり、これを通じて前記第1スラッジ載置部1122に載置されているスラッジを前記第1加熱装置1123を用いて乾燥させた後の第1含水率を測定することができる。この際、前記第1スラッジ載置部1122に載置されているスラッジの含水率は、前記第1加熱装置1123によって乾燥された後の質量を乾燥される前の質量で割ったものと定義する。すなわち、含水率は、前記移動するスラッジが前記第1自動含水率測定装置1100に流入される以前の質量に対する前記第1自動含水率測定装置1100から一部の水分が除去された以後の質量に対する比率である。このような含水率の定義は、前記第2自動含水率測定装置1200でも同様に適用される。前記第1加熱装置1123によって測定された質量は、いずれも前記第1制御部1125に保存される。
【0136】
本実施形態において、前記第1制御部1125は、前記第1質量測定装置1124の下部に配されることを例として挙げる。前記第1制御部1125は、前記測定された第1含水率を用いて前記スラッジ脱水装置を通過する前のスラッジの含水率を導出する。本実施形態において、前記スラッジ脱水装置を通過する前のスラッジの含水率は、前記測定された第1含水率自体をそのまま利用する。しかし、本発明は、これに限定されず、前記第1自動含水率測定装置1100を用いて第1含水率を複数回測定した後、前記測定された複数回の第1含水率を平均してスラッジ脱水装置を通過する前のスラッジに対する含水率を導出することもできる。
【0137】
そして、前記第1制御部1125は、前記第1自動含水率測定装置1100で第1抽出されるスラッジの投入量及び投入速度、前記第1自動含水率測定装置1100から排出されるスラッジの排出量及び排出速度、前記第1加熱装置1123の加熱温度及び加熱時間の変化による前記乾燥されたスラッジの変化される含水率をあらかじめ保存しているデータベース(DB)を含む。また、前記第1制御部1125は、前記第1自動含水率測定装置1100に含まれているあらゆる構成とネットワークで連結されている。したがって、前記第1自動含水率測定装置1100に含まれている他の構成を作動させるか、前記他の構成から情報を収集することもできる。また、前記第1制御部1125は、前記スラッジ脱水装置を通過する前及び前記スラッジ脱水装置を通過した後、スラッジに要求される含水率についての情報を保存している。
【0138】
前記第1含水率測定器ケース1126は、内部に保存空間が形成されており、前記内部保存空間に前記第1スラッジ載置部1122、前記第1加熱装置1123、前記第1質量測定装置1124が配される。前記第1含水率測定器ケース1126は、前記第1スラッジ載置部1122、前記第1加熱装置1123、前記第1質量測定装置1124を保護する役割を果たす。本実施形態において、前記第1制御部1125は、前記第1含水率測定器ケース1126の下部に配されることを例として挙げるが、前記第1制御部1125も、前記第1含水率測定器ケース1126の内部に含まれる。
【0139】
前記第1スラッジ排出装置1130は、前記第1含水率測定器1120で含水率測定が完了したスラッジを前記第1含水率測定器1120外に排出する通路の役割を果たす。前記第1スラッジ排出装置1130の一側は、前記第1スラッジ載置部1122の一側と連結され、前記第1スラッジ載置部1122の一側から斜めに下側に傾いた構造を有する。すなわち、前記第1スラッジ排出装置1130は、前記第1含水率測定器1120で含水率測定が完了したスラッジが重力によって容易に排出されるように、前記第1スラッジ載置部1122の一側から下向きに斜めに連結されている。この際、前記第1スラッジ載置部1122に載置されて第1含水率測定が完了したスラッジを前記第1スラッジ排出装置1130に送って重力によって排出させるために、前記第1スラッジ載置部1122は、他側が一側よりも高くなりながら前記第1スラッジ載置部1122に載置されたスラッジが前記第1スラッジ排出装置1130方向に流れ出すようにする。また、前記第1スラッジ載置部1122に載置されたスラッジを前記第1スラッジ排出装置1130に押して流れ出すようにするためのプッシュ部材(図示せず)がさらに設けられても良い。
【0140】
前記第2自動含水率測定装置1200は、前記スラッジ脱水装置を通過するスラッジの一部を第2抽出して、前記スラッジの排出含水率である第2含水率を測定する役割を果たす。
【0141】
本実施形態において、前記第2自動含水率測定装置1200は、前記スラッジ脱水装置後に配されることを例として挙げる。しかし、本発明は、これに限定されず、前記第2自動含水率測定装置1200が前記スラッジ脱水装置を通過したスラッジを抽出することができる位置であれば、いくらでも配置場所は変更が可能である。前記第2自動含水率測定装置1200は、第2スラッジ抽出装置(図示せず)、第2含水率測定装置(図示せず)及び第2スラッジ排出装置(図示せず)を含む。そして、前記第2自動含水率測定装置1200は、前記管理部1300と連結される。
【0142】
前記第2スラッジ抽出装置(図示せず)、前記第2含水率測定装置(図示せず)及び前記第2スラッジ排出装置(図示せず)は、図2による前記第1スラッジ抽出装置1110、前記第1含水率測定器1120及び前記第1スラッジ排出装置1130とそれぞれ類似しているので、具体的な説明は省略する。但し、前記第2自動含水率測定装置1200によって抽出されるスラッジは、前記第1自動含水率測定装置1100によって抽出されるスラッジよりも水分含量が少ない。したがって、前記第2スラッジ抽出装置(図示せず)は、前記第1スラッジ抽出装置1110よりも抽出容量がさらに少ないものを利用することができ、前記第2含水率測定装置(図示せず)は、前記第1含水率測定器1120よりもスラッジを載置することができる空間が小さいものを利用することができ、加熱温度がさらに低い加熱装置を利用することができ、質量測定最大値がさらに小さな質量測定装置を利用できる。これにより、製作コストやサイズを減らしうる。
【0143】
前記のように構成された自動含水率測定装置から測定されたスラッジの投入含水率と排出含水率は、前記第1実施形態に記載のスラッジ条件データとして使われる。
【0144】
一方、図11は、本発明の第4実施形態によるスラッジの自動含水率測定装置を通じて測定された含水率と要求される含水率との関係による管理部での措置例を示す模式図である。
【0145】
図11を参照すれば、本発明の第4実施形態は、前記含水率測定器から測定されたスラッジの含水率と要求される含水率とを比較し、比較の結果によって多様な作動を行うことが、前記第1実施形態と異なり、その他の残りの構成及び作用は、類似しているので、以下、異なる点を中心に詳しく説明する。
【0146】
前記管理部1300は、一側は、前記第1自動含水率測定装置1100と連結され、他側は、前記第2自動含水率測定装置1200と連結される。
【0147】
前記管理部1300は、前記スラッジ脱水装置を通過したスラッジが要求される含水率を有することができない時、前記第1自動含水率測定装置1100及び前記第2自動含水率測定装置1200にそれぞれ含まれているデータベースに保存されている情報を用いて、前記スラッジ脱水装置を通過したスラッジを要求される含水率を有するように多様な作動を行う。
【0148】
具体的に、前記第2自動含水率測定装置1200から測定された第2含水率が、前記要求される含水率よりも非常に大きい場合、具体的には、前記スラッジ脱水装置の作動を変更することのみでは、前記スラッジ脱水装置を通過した後のスラッジの含水率を前記要求される含水率に符合することが困難な場合には、前記スラッジ脱水装置を通過したスラッジの含水率を減少させるための別途の追加的な措置が必要である。すなわち、前記スラッジ供給装置(図示せず)から供給されるスラッジをさらに小さく粉砕して表面積が広がったスラッジを前記スラッジ脱水装置からさらに容易に脱水させるものような脱水前処理過程が必要である。この際は、前記管理部1300がネットワーク上で連結されている前記スラッジ供給装置(図示せず)またはスラッジ粉砕装置(図示せず)に前記スラッジをさらに小さく粉砕するように信号を伝達することができる。
【0149】
もちろん、前記第2自動含水率測定装置1200から測定された第2含水率が、前記要求される含水率よりも少し大きい場合、すなわち、前記スラッジ脱水装置の調節を通じて要求される含水率に到達することができる場合には、前記スラッジ脱水装置を調節する過程が必要である。すなわち、この際、前記管理部1300は、例えば、前記スラッジ脱水装置に供給されるスラッジの投入量及びスラッジの投入速度、前記スラッジ脱水装置から前記スラッジ移送装置に排出されるスラッジの排出量及びスラッジの排出速度を減少させるか、前記スラッジ脱水装置の内部の温度及び脱水時間を増加させるように、前記第2自動含水率測定装置1200に信号を伝達する。このようなメカニズムは、前記スラッジの投入量及び投入速度、前記スラッジの排出量及び排出速度を減少させるか、スラッジ脱水装置の内部の温度及び脱水時間を増加させることにより、さらに少量のスラッジをさらに長時間高温で脱水してスラッジの含水率を減少させるためである。本実施形態では、前記さまざまな調節過程をいずれも施行することを例として挙げるが、何れか1つの調節過程のみを行ってもよい。
【0150】
そして、前記第2自動含水率測定装置1200から測定された第2含水率が、前記要求される含水率よりも非常に小さい場合、具体的には、前記スラッジ脱水装置の作動を変更することのみでは、前記スラッジ脱水装置を通過した後のスラッジの含水率を前記要求される含水率に符合することが困難な場合には、前記スラッジ脱水装置を通過したスラッジの含水率を増加させるための別途の追加的な措置が必要である。すなわち、前記スラッジ供給装置(図示せず)から供給されるスラッジをさらに大きく粉砕して表面積が小さなスラッジが前記スラッジ脱水装置からさらに容易に脱水されないようにすることのような脱水前処理過程を行うことができる。この際は、前記管理部1300がネットワーク上で連結されている前記スラッジ供給装置(図示せず)またはスラッジ粉砕装置(図示せず)に前記スラッジをさらに大きく粉砕するように信号を伝達することができる。
【0151】
もちろん、前記第2自動含水率測定装置1200から測定された第2含水率が、前記要求される含水率よりも少し小さい場合、すなわち、前記スラッジ脱水装置の調節を通じて要求される含水率に到達することができる場合には、前記スラッジ脱水装置を調節する過程が必要である。すなわち、この際は、前記スラッジ脱水装置に供給されるスラッジの投入量及びスラッジの投入速度、前記スラッジ脱水装置から前記スラッジ移送装置に排出されるスラッジの排出量及びスラッジの排出速度を増加させるか、前記スラッジ脱水装置の内部の温度及び脱水時間を減少させるように、前記第2自動含水率測定装置1200に信号を伝達する。このようなメカニズムは、前記スラッジの投入量及び投入速度、前記スラッジの排出量及び排出速度を増加させるか、スラッジ脱水装置の内部の温度及び脱水時間を減少させることにより、さらに多量のスラッジをさらに短時間低温で脱水してスラッジの含水率を増加させるためである。本実施形態では、前記さまざまな調節過程をいずれも施行することを例として挙げるが、何れか1つの調節過程のみを行ってもよい。
【0152】
また、前記第2自動含水率測定装置1200から測定された第2含水率が、前記要求される含水率よりも非常に小さい場合や、少し小さい場合には、少なくとも前記第2含水率が前記要求される含水率よりは小さいために、別途の措置を取らず、その状態をそのまま保持することもできる。但し、このような場合、スラッジの脱水前処理過程や脱水過程で過度なエネルギー消耗が起こると見られるので、エネルギー効率性は低下するために、エネルギー最適化のために、前記のような措置を取ることが有利である。
【0153】
本実施形態によるスラッジ処理システム1000において、前記第1抽出されたスラッジは、前記スラッジ移送装置に再び送り返すことができる。そして、前記第1自動含水率測定装置1100は、前記第1抽出されたスラッジに第1抽出如何に係わる表示を可能にする装置をさらに含みうる。前記第1抽出如何に係わる表示は、視覚的に、または光学的に感知可能なものなど様々である。また、前記第2自動含水率測定装置1200は、前記第2抽出されたスラッジが前記第1抽出されたスラッジであるか否か、すなわち、前記第1抽出されたスラッジになっている表示を感知することができる装置をさらに含みうる。また、前記管理部1300には、前記スラッジ脱水装置に供給されるスラッジの含水率と前記スラッジ脱水装置を通過した後のスラッジの含水率とについての情報が、前記管理部1300にあらかじめ保存されている。これを通じて、本実施形態によるスラッジ処理システム1000は、あるスラッジが、前記第1抽出及び前記第2抽出がいずれもなされた場合、前記第1抽出されたスラッジの含水率と前記第2抽出されたスラッジの含水率とを、前記管理部1300にあらかじめ保存されている情報と比較して、前記スラッジ脱水装置が正常に作動しているか、すなわち、前記スラッジ脱水装置の性能評価も可能である。
【0154】
本実施形態において、前記第2自動含水率測定装置1200には、第2制御部(図示せず)が含まれており、前記第2制御部(図示せず)は、前記第1自動含水率測定装置1100に含まれた第1制御部1125に保存されている情報と類似した情報が保存されている。また、前記第2制御部(図示せず)は、前記第1制御部1125が行うメカニズムと類似した方法で前記測定された第2含水率を用いてスラッジ脱水装置を通過したスラッジの含水率を導出する。
【0155】
本実施形態において、前記第1制御部1125、前記第2制御部(図示せず)及び前記管理部1300は、それぞれ連結されているが、それぞれの役割が異なることを例として挙げる。しかし、本発明は、これに限定されず、前記第1制御部1125、前記第2制御部(図示せず)及び前記管理部1300が、それぞれ行うメカニズムを共有することもできる。すなわち、前記第1制御部1125及び前記第2制御部(図示せず)は、前記管理部1300と連結されて互いに情報を共有する。前記第1制御部1125、前記第2制御部(図示せず)及び前記管理部1300に保存されている情報は、互いに共有が可能であり、前記管理部1300が、前記第1制御部1125及び前記第2制御部(図示せず)が行うメカニズムを、前記第1制御部1125及び前記第2制御部(図示せず)にそれぞれ指示して行っても、前記第1制御部1125または前記第2制御部(図示せず)が、前記管理部1300から情報を提供されて、前記管理部1300が行うメカニズムで行ってもよい。
【0156】
もちろん、前述したように、前記管理部1300がなしに前記第1自動含水率測定装置1100と前記第2自動含水率測定装置1200とのうち何れか1つのみ備えられているか、両方とも備えられるが、前記管理部1300は備えられていない。この際、前記第1自動含水率測定装置1100と前記第2自動含水率測定装置1200とがいずれも備えられていれば、両者はネットワークを通じて連結されて情報を共有し、それぞれが前記管理部1300が行うメカニズムを行うか、前記管理部1300に保存されている情報を保存しており、一方が他方に作動メカニズムを指示することもできる。また、前記第1自動含水率測定装置1100と前記第2自動含水率測定装置1200とのうち何れか1つのみ備えられている時は、前記第1自動含水率測定装置1100の第1制御部1125または前記第2自動含水率測定装置1200の第2制御部(図示せず)が前記管理部1300の役割を果たす。
【0157】
以下、図11による制御方法を簡略に説明する。
【0158】
まず、前記第1自動含水率測定装置1100を用いて前記スラッジ脱水装置に移動するスラッジのうち、一部を第1抽出して、前記第1抽出されたスラッジの第1含水率を自動で測定する。
【0159】
次いで、前記第2自動含水率測定装置1200を用いて前記スラッジ脱水装置を通過したスラッジのうち、一部を第2抽出して、前記第2抽出されたスラッジの第2含水率を自動で測定する。
【0160】
付加的に、前記管理部1300は、要求される含水率と前記第2含水率とを比較し、前記第2含水率が前記要求される含水率と符合しない時には、前記スラッジ脱水装置に供給される前記スラッジに対する前処理過程または前記スラッジ脱水装置での処理過程を調節して、前記第2含水率を前記要求される含水率に符合させうる。
【0161】
本発明は、図面に示された実施形態を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されるべきである。
【産業上利用可能性】
【0162】
本発明によれば、スラッジ脱水装置の作動をより迅速かつ効果的に制御することができる電気浸透式スラッジ処理システムを具現することができる。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
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図10
図11