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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】急速衛星捕捉スキーム
(51)【国際特許分類】
   G01S 19/36 20100101AFI20231228BHJP
   G01S 19/28 20100101ALI20231228BHJP
   H01Q 3/26 20060101ALI20231228BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
G01S19/36
G01S19/28
H01Q3/26 Z
H01Q21/06
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017234821
(22)【出願日】2017-12-07
(65)【公開番号】P2018136303
(43)【公開日】2018-08-30
【審査請求日】2020-12-04
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-14
(31)【優先権主張番号】15/375,490
(32)【優先日】2016-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フェリア, イン ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ウィーラン, デーヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ラマヌジャム, パーザサラシー
【合議体】
【審判長】土居 仁士
【審判官】寺谷 大亮
【審判官】高野 洋
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-502226(JP,A)
【文献】特開2002-232335(JP,A)
【文献】特開2003-198441(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0093950(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S19/00-19/55
H01Q 3/00- 3/46
H01Q21/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星との通信を確立する方法であって、前記方法は、
複数のアンテナ素子(300)を有する再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)を含むユーザー端末(104)を提供することを含み、前記ユーザー端末(104)は、
複数の衛星(102)からの信号の受信(606)に先立って、前記フェーズドアレイアンテナで受信した信号のコヒーレンスを変える位相差を導入することによりビーム幅を広げるため、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の前記複数のアンテナ素子(300)の一又は複数に対して、位相及び振幅のうちの少なくとも1つを変化させることによって、無指向性ビームを使用すること(604)により、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の固定視野を広げる(604)ように、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)を使用して、前記固定視野内の複数の衛星(102)から信号を受信する(606)ように、
前記衛星(102)の各々に対して前記複数の衛星から受信した信号の一又は複数の属性を決定する(608)ように、
前記受信した信号の前記属性に基づいて通信するため、前記複数の衛星(102)から1つを選択する(608)ように、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の指向性モードに切り換える(612)ように、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)を使用して、選択された前記衛星(102)との通信を確立する(612)ように、且つ、
前記選択された衛星(102)を追跡する(614)ように動作可能な、方法。
【請求項2】
前記属性は、信号強度、信号品質、又は他の信号との近接性を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記固定視野を広げること(604)は、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の複数のアンテナ素子(300)の総数よりも少ない数を使用すること(604)を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のアンテナ素子(300)の総数よりも少ない数を使用すること(604)は更に、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の前記複数のアンテナ素子(300)から1つのアンテナ素子(300)を選択すること(604)、及び、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の前記複数のアンテナ素子(300)から2つ以上のアンテナ素子(300)のサブアレイを選択すること(604)
のうちの1つを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記無指向性ビームは、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)で前記複数の衛星から受信した信号のコヒーレンスを変える位相差を導入することによって生成される、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記選択された衛星(102)を追跡すること(614)は、前記ユーザー端末(104)の現在の地上位置又は空中位置に対する前記衛星(102)のエフェメリスデータに基づいて、方位角及び仰角からなる初期ポインティングベクトル、並びに、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)のための飛行経路からなる初期追跡ベクトルを決定すること(614)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)は、前記固定視野を選択する前には静止している、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)は、前記固定視野の選択に先立って、方位角及び仰角からなる初期ポインティングベクトルを確立するために回転されるが、前記固定視野が選択されると、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)は回転されない、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
信号源(102)との通信を確立するための装置であって、前記装置は、
複数のアンテナ素子(300)を有する再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)を備え、
前記装置は、
複数の信号源(102)からの信号の受信(606)に先立って、前記フェーズドアレイアンテナで受信した信号のコヒーレンスを変える位相差を導入することによりビーム幅を広げるため、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の前記複数のアンテナ素子(300)の一又は複数に対して、位相及び振幅のうちの少なくとも1つを変化させることによって、無指向性ビームを使用すること(604)により、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の固定視野げ(604)、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)を使用して、前記固定視野内の前記複数の信号源(102)から信号を受信し(606)、
前記複数の信号源(102)の各々に対して、前記複数の信号源(102)から受信した信号の一又は複数の属性を決定し(608)、
前記受信した信号の前記属性に基づいて通信するため、前記複数の信号源(102)から1つを選択し(608)、
前記選択された信号源(102)との通信を確立(612)し、前記選択された信号源(102)の追跡(612)を行う際に、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)指向性モードに切り換え(612)ように動作可能である、装置。
【請求項10】
前記固定視野は、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の前記複数のアンテナ素子(300)の総数よりも少ない数を使用すること(604)によって広げられる(604)、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記複数のアンテナ素子(300)の総数よりも少ない数を使用すること(604)は更に、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の前記複数のアンテナ素子(300)から1つのアンテナ素子(300)を選択すること(604)、及び、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の前記複数のアンテナ素子(300)から2つ以上のアンテナ素子(300)のサブアレイを選択すること(604)
のうちの1つを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記無指向性ビームは、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)で受信した信号のコヒーレンスを変える位相差を導入することによって生成される、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記選択された信号源(102)を追跡することは、ユーザー端末(104)の現在の地上位置又は空中位置に対する前記選択された信号源(102)のエフェメリスデータに基づいて、方位角及び仰角からなる初期ポインティングベクトル、並びに、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)のための飛行経路からなる初期追跡ベクトルを決定することを含む、請求項9から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)は、前記固定視野の選択に先立って、方位角及び仰角からなる初期ポインティングベクトルを確立するために回転されるが、前記固定視野が選択されると、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)は回転されない、請求項9から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記ユーザー端末(104)は、前記衛星(102)のエフェメリスデータを使用して、使用する次の衛星を選択するために衛星(102)間のハンドオフを実行するように更に構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衛星通信ネットワークに関し、具体的には衛星対応ユーザー端末のための急速(accelerated)衛星捕捉スキームに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信サービスの需要が高まってきている。静止軌道又は対地同期軌道(GEO)に加えて、低軌道(LEO)及び中軌道(MEO)で動作する衛星の利用を含む、様々な機能及びサービスがモバイルデバイスに組み込まれている。
【0003】
LEOは最も単純で最も安価な衛星配置で、通信サービスに高帯域幅と低遅延をもたらす。同様に、MEOにある衛星の最も一般的な利用法は通信サービスであるが、ナビゲーション及び測地/空間環境科学応用でもMEOを利用する。
【0004】
LEO及びMEOにある衛星は、GEO衛星と異なり、地球上の任意の地点から常に見えるわけではない、という点に問題がある。このようなLEO軌道及びMEO軌道は静止軌道ではないため、衛星のネットワーク又は構成(constellation)は連続的な通信サービスカバレージを提供することが必要となる。
【0005】
LEO衛星及びMEO衛星の双方に関して、現在の衛星信号捕捉技術は、ユーザー端末の全方向性アンテナ(omni-directional antenna)の使用に基づいており、ユーザー端末は固定視野(FoR)又は動眼視野(FoV)内にほとんどの衛星を捉えることができる。固定視野とは、アンテナによって捕捉することができる全領域のことで、一方、動眼視野とは、特定の時点にアンテナで感知可能な円錐(angular cone)のことである。固定視野は典型的には動眼視野よりも大幅に大きいが、静止アンテナでは固定視野と動眼視野は一致する。
【0006】
ユーザー端末がオンになっているときには、固定視野又は動眼視野内の多数の信号の中で最も強い衛星信号を捕捉することが必要となる。
【0007】
しかしながら、衛星広帯域通信の到来と共に、ユーザー端末のアンテナはより高いゲインを求めて指向性が必要となっている。特に、この機能は、通常の通信チャネル速度に利点をもたらすが、衛星信号の捕捉時には求められていない。
【0008】
必要とされていることは、信号捕捉時に使用される全方向性アンテナと、通常通信時の指向性アンテナである。本発明はこのニーズを満たす。
【発明の概要】
【0009】
上述の先行技術における制限を克服するため、また、本明細書を読み理解することで明らかになるその他の制限を克服するため、本発明は、複数のアンテナ素子を有する再構成可能なフェーズドアレイアンテナを含むユーザー端末を提供することによって、衛星との通信を確立するための方法及び装置を開示する。ユーザー端末は、再構成可能なフェーズドアレイアンテナの固定視野を広げるように、再構成可能なフェーズドアレイアンテナを使用して、固定視野内の複数の衛星から信号を受信するように、衛星の各々に対して受信信号の一又は複数の属性を決定するように、また、受信信号の属性に基づいて通信するため、複数の衛星から1つを選択するように、動作可能である。
【0010】
固定視野の選択に先立って、再構成可能なフェーズドアレイアンテナは静止している。別の態様では、再構成可能なフェーズドアレイアンテナは、固定視野の選択に先立って、方位角及び仰角からなる初期ポインティングベクトルを確立するために回転されるが、固定視野が選択されると、再構成可能なフェーズドアレイアンテナは回転されない。
【0011】
再構成可能なフェーズドアレイアンテナの複数のアンテナ素子の総数よりも少ない数を使用することによって、固定視野は広げられる。これは、再構成可能なフェーズドアレイアンテナの複数のアンテナ素子から1つのアンテナ素子を選択すること、又は、再構成可能なフェーズドアレイアンテナの複数のアンテナ素子から2つ以上のアンテナ素子のサブアレイを選択することを含む。
【0012】
固定視野はまた、ビーム幅を広げるため再構成可能なフェーズドアレイアンテナの複数のアンテナ素子の一又は複数に対して、位相及び振幅のうちの少なくとも1つを変化させることで、無指向性ビーム(spoiled beam)を使用することによって、広げられる。無指向性ビームは、再構成可能なフェーズドアレイアンテナで受信信号のコヒーレンスを変える位相差を導入することによって生成される。
【0013】
衛星の選択に使用される属性には、信号強度、信号品質、又は他の信号との近接性が含まれる。
【0014】
衛星が選択された後、ユーザー端末は、再構成可能なフェーズドアレイアンテナの指向性モードに切り換えるように、再構成可能なフェーズドアレイアンテナを使用して選択された衛星との通信を確立するように、また、選択された衛星を追跡するように動作可能である。
【0015】
選択された衛星を追跡するとき、ユーザー端末の現在の地上位置又は空中位置に対する前記衛星のエフェメリスデータに基づいて、方位角及び仰角からなる初期ポインティングベクトル、並びに、飛行経路からなる初期追跡ベクトルが決定される。
【0016】
ここで、図面を参照する。各図面を通じて、類似の参照番号は対応する部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施例による、例示的な通信システムを示す概略図。
図2】一実施例による衛星対応ユーザー端末のコンポーネントを示す。
図3A】一実施例により、ユーザー端末によって使用されるアンテナの代替的な実施例を示す。
図3B】一実施例により、ユーザー端末によって使用されるアンテナの代替的な実施例を示す。
図4A】一実施例により、アンテナのビームパターンの差異を捕捉モードと追跡モードとの対比で示す、シータ(度)対振幅(dB)のグラフである。
図4B】一実施例により、アンテナのビームパターンの差異を捕捉モードと追跡モードとの対比で示す、シータ(度)対振幅(dB)のグラフである。
図4C】一実施例により、アンテナのビームパターンの差異を捕捉モードと追跡モードとの対比で示す、シータ(度)対振幅(dB)のグラフである。
図5A】一実施例により、アンテナのビームパターンの差異を捕捉モードと追跡モードとの対比で示すダイアグラム(度)である。
図5B】一実施例により、アンテナのビームパターンの差異を捕捉モードと追跡モードとの対比で示すダイアグラム(度)である。
図5C】一実施例により、アンテナのビームパターンの差異を捕捉モードと追跡モードとの対比で示すダイアグラム(度)である。
図6】一実施例により、ネットワーク、衛星及びユーザー端末で実行されるステップを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
望ましい実施例の以下の説明では、本願の一部である添付図面を参照する。これらの添付図面は、本発明が実施されうる具体的な実施例を例示する目的で示されている。他の実施例も利用可能であること、及び、本発明の範囲を逸脱することなく構造的な変更が加えられてよいことを理解されたい。
【0019】
システムの概要
図1は、一実施例による、例示的な通信システムを示すダイアグラムである。通信システムは、一又は複数の衛星102を含む衛星ネットワークを含み、一又は複数の衛星対応ユーザー端末104が提供され、衛星102との通信のため、これらのユーザー端末はまた、図1では地上ユーザー端末104及び空中ユーザー端末104と標識されている。
【0020】
また、図1の実施例では、衛星ネットワーク100は、衛星102との間でデータを送受信するための地上局106を含む。衛星ネットワーク100はまた、一又は複数の他の衛星、地上ネットワーク及び/又は空中ネットワーク(図示せず)、例えば、セルラ又はパーソナル通信システム(PCS)ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、或いは他のネットワークとインターフェース接続されうる。ユーザー端末104はまた、他の衛星、地上ネットワーク及び/又は空中ネットワークと共に動作しうる。
【0021】
衛星ネットワーク100の利用には多数の利点がある。利点の1つは、地上ネットワークに対する代替的なネットワークオプションとしての、衛星ネットワーク100の遍在的なカバレージである。衛星ネットワーク100のもう1つの利点は、地上ネットワークの輻輳を克服するサージ容量(surge capacity)である。衛星ネットワーク100はまた、地上ネットワークの停電を乗り越える。
【0022】
ユーザー端末
図2は、一実施例による、例示的なユーザー端末104のコンポーネントを示す。ユーザー端末104は、端末104の動作を制御するためのマイクロプロセッサ200、マイクロプロセッサ200に連結された一又は複数の入出力コンポーネント、マイクロプロセッサ200によって指示されたようにデータを入出力するためのオーディオ204及びキーパッド206、マイクロプロセッサ200によって指示されたように複数の通信ネットワークと通信するためのマイクロプロセッサ200に連結された複数の送受信コンポーネントを含み、送受信コンポーネントは、衛星ネットワーク100と通信するための衛星送受信機208、セルラ/PCSネットワークとの通信のためのセルラ/PCS送受信機210、他のWLAN/PANエレメントと通信するためのWLAN/PAN送受信機212に加えて、他のネットワークと通信するための送受信コンポーネント(図示せず)、並びに、様々な通信ネットワークと通信するための送受信機208、210及び212などの送受信コンポーネントに連結された一体型アンテナ218を含む。
【0023】
フェーズドアレイアンテナ
図3A及び図3Bは、一実施例による、ユーザー端末104によって使用されるアンテナ218の例示的な代替実施例を示している。両実施例において、アンテナ218は、信号捕捉時の使用では全方向性で、通常の通信時の使用では指向性のある、再構成可能なフェーズドアレイアンテナ218を備える。特に、フェーズドアレイアンテナ218は、固定視野内の信号の中から最も強い衛星102の信号を捕捉するため、全方向性になるように構成されるが、フェーズドアレイアンテナ218は通常の通信時には、最高のゲインを提供するため指向性になるように構成されている。このように、ユーザー端末104は衛星102の信号捕捉プロセスを最適化する。
【0024】
図3A及び図3Bに示したように、フェーズドアレイアンテナ218は、基板302上に形成された放射素子300のアレイからなる。各素子300は正方形の外観で示されているが、パッチ、双極子、スロット、又は他の種類のアンテナ素子300を含みうる。基板302は円形の外観で示されているが、任意の形状を含みうる。
【0025】
素子300に供給される位相及び/又は振幅を変更して、アンテナ218に所望の放射パターンを生成するため、素子300はユーザー端末104によって個別に選択可能である。所望の信号を構築する、及び/又は干渉をなくすため、各素子300に供給される信号の位相及び/又は振幅を順次シフトすることによって、所望の放射パターンの結果として得られるビームは形成され、誘導される。
【0026】
衛星102の信号の捕捉中には、固定視野を広げるため、また、高められた信号対ノイズ比(SNR)に対して受信エリアを広げるため、素子300を1つだけ使用することによって、或いは、広げられた固定視野に素子300の一部又はすべてで「無指向性ビーム」を使用することによって、フェーズドアレイアンテナ218は再構成される。図3Aは1つの実施例を示す。網掛けパターンで示したように、フェーズドアレイアンテナ218の素子300の1つだけが受信のためオンにされており、この1つの素子300は、可能な限り多くの衛星102を見ることができるように、広げられた固定視野を望む更に幅の広いビームを有する。図3Bは別の実施例を示している。固定視野を広げるため、網掛けパターンで示したように、無指向性ビームは素子300の一部又はすべてを使用して形成されている。但し、信号対ノイズ比を高めるため、高いアンテナ218指向性を有する。
【0027】
一又は複数の衛星102から受信した信号の属性はユーザー端末104によって解析され、次に、信号の属性に基づいて、好ましい衛星102がユーザー端末104によって選択される。衛星102が選択された後、選択された衛星102との通常の通信中には、より高いゲインを提供するため、フェーズドアレイアンテナ218は選択された衛星に向かって指向性を有するように再構成される。特に、最も強い衛星信号が捕捉されると、フェーズドアレイアンテナ218は、衛星102に向けられるビームを形成するためのビーム形成モードに再構成される。
【0028】
一実施例では、信号が捕捉された後、選択された衛星102の追跡を続けるため、衛星102によって一斉送信されるエフェメリスデータは、アンテナ218及びそのビームを回転して/向きを変えて、選択された衛星102に合わせるために使用される。エフェメリスデータは、特定の時点での配置にある衛星102の場所を含み、低データ速度パイロット信号で、各衛星102によって一斉送信される。
【0029】
衛星102によって一斉送信されるエフェメリスデータはまた、特定の配置にある衛星102間でハンドオフを実行するため、ユーザー端末104によって使用される。特に、ユーザー端末104は、現在の衛星102との通信を終了する前に、使用する次の衛星102を選択するため、衛星102によって一斉送信されたエフェメリスデータを用いて、「メイクビフォアブレーク」のシームレスな衛星間ハンドオーバーを実行する。衛星102によって一斉送信されたエフェメリスデータを用いて、ユーザー端末104は、特定の配置にある衛星102の位置を知り、ワイドビーム(例えば、全方向性ビーム又は無指向性ビーム)或いは、衛星間ハンドオーバーのため次の衛星102を指す別の高ゲインビーム(例えば、指向性ビーム)によって、次の衛星102からの信号を捕捉する。
【0030】
ビームパターン
図4A図4B及び図4Cは、アンテナ218のビームパターンの差異を捕捉モードと追跡モードとの対比で示す、シータ(度)対振幅(dB)のグラフである。
【0031】
図4Aは、捕捉モードにあるアンテナ218に対するアレイビームパターンを示しており、アンテナ218が固定視野内でできる限り多くの衛星102の信号を「見る」ことができる、低ゲインの広いビーム幅用のアンテナ218の素子300の1つを使用する。特に、図4Aは、(ピークから-3dB~-5dB低い)±10度のビーム幅で捕捉に使用される1つの素子300のビームの断面を示す。
【0032】
図4Bは、追跡モードにあるアンテナ218に対するアレイビームパターンを示しており、アンテナ218が選択された衛星102により大きな帯域幅を提供することができる、高ゲインの狭いビーム幅用のアンテナ218の素子300のすべて(又は、大部分)を使用する。特に、図4Bは、(ピークから-3dB低い)±0.5度のビーム幅で、追跡用の全素子300の狭いビームの断面を示す。
【0033】
図4Cは、捕捉モードにあるアンテナ218に対するアレイビームパターンを示しており、アンテナ218が固定視野内でできる限り多くの衛星102信号を「見る」ことができる、低ゲインの広いビーム幅用の「無指向性ビーム」を使用する。特に、図4Cは、(ピークから-3dB低い)±3度のビーム幅で、捕捉用の全素子300の無指向性ビームの断面を示す。図4Cに示した無指向性ビームは、図4Aに示した単一素子ビームの場合(~15.9dBi)よりも高いエッジ指向性(±10度のビーム幅内で~18.0dBi)を有することに留意されたい。
【0034】
図5A図5B及び図5Cは、アンテナ218のビームパターンの差異を捕捉モードと追跡モードとの対比で示すダイアグラム(度単位)である。
【0035】
図5Aは、捕捉モードで使用される単一素子300のビームの輪郭プロットである。この実施例では、捕捉モードのアンテナ218は、(図5Bと比較して)低ゲインで広いビームによる、単一素子300の放射パターンを使用する。図5Aに示した3つの輪郭は、ビームピークから-2dB下(500)、ビームピークから-4dB下(502)、及びビームピークから-6dB下(504)にある。また、直径20度の円も示している。
【0036】
図5Bは、追跡モードで使用される全素子300のビームの輪郭プロットである。この実施例では、追跡モードのアンテナ218は、10度のスキャン角に対して(図5A及び図5Bと比較して)高ゲインで狭いビームによる、1015の素子300の放射パターンを使用する。3つのビームは、0度でスキャンされる第1のビーム506、約9度の仰角でスキャンされる第2のビーム508、及び約9度の方位角でスキャンされる第3のビーム510である。輪郭はビームピークから-3dB及び-10dB下にある。
【0037】
図5Cは、捕捉モードに対して使用された全素子300の無指向性ビームの輪郭プロットである。この実施例では、捕捉モードのアンテナ218は、(図5Bと比較して)低ゲインで幅広い「無指向性ビーム」による、1015個の素子300の放射パターンを使用し、無指向性ビームに対しては17dBi及び16.0dBiの輪郭を伴う。
【0038】
処理フロー図
図6は、一実施例による、衛星102との通信を確立する方法で、ネットワーク100、衛星102及びユーザー端末104によって実行されるステップのフロー図である。
【0039】
ブロック600は、衛星エフェメリスデータを衛星102に送信するネットワーク100を表わす。
【0040】
ブロック602は、衛星エフェメリスデータをユーザー端末104に一斉送信する衛星102を表わす。
【0041】
ブロック604は、電源投入後、捕捉モードにあって、複数のアンテナ素子300を有する再構成可能なフェーズドアレイアンテナ218の固定視野を広げるユーザー端末を表わす。広げられた固定視野は、より低いゲインのより広いビーム幅をもたらし、これにより、アンテナ218は可能な限り多数の信号源、例えば、衛星102を「見る」ことができる。
【0042】
一実施例では、ユーザー端末104が捕捉モードにあるとき、再構成可能なフェーズドアレイアンテナ218は静止している(回転しない)。別の実施例では、再構成可能なフェーズドアレイアンテナ218は、固定視野内の複数の衛星102からのパイロット信号の捕捉に先立って、方位角及び仰角からなる初期ポインティングベクトルを確立するために回転されるが、固定視野が選択されると、再構成可能なフェーズドアレイアンテナ218は回転されない。
【0043】
一実施例では、ユーザー端末104は、再構成可能なフェーズドアレイアンテナ218の複数のアンテナ素子300の総数よりも少ない数を使用することによって、固定視野を広げる。これは更に、再構成可能なフェーズドアレイアンテナ218の複数のアンテナ素子300から1つのアンテナ素子300を選択することを含み(例えば、アンテナ素子300の任意の1つは冗長性及び耐障害性を提供するために選択されうる)、或いは、これは更に、再構成可能なフェーズドアレイアンテナ218の複数のアンテナ素子300から2つ以上のアンテナ素子300のサブアレイを選択することを含む。
【0044】
別の実施例では、ユーザー端末104は、ビーム幅を広げるために再構成可能なフェーズドアレイアンテナ218の複数のアンテナ素子300の(各々又は隣接する)素子に対して位相及び振幅のうちの少なくとも1つを変更することにより、無指向性ビームを使用して固定視野を広げる。無指向性ビームは、再構成可能なフェーズドアレイアンテナ218で受信した信号のコヒーレンスを変える位相差を導入することによって生成される。
【0045】
ブロック606は、再構成可能なフェーズドアレイアンテナ218を使用して、固定視野内の複数の衛星102からパイロット信号を受信するユーザー端末104を表わす。
【0046】
ブロック608は、衛星102の各々から受信したパイロット信号の一又は複数の属性を決定し、受信した信号の属性に基づいて再構成可能なフェーズドアレイアンテナとの通信のために複数の衛星102のうちの1つを選択するユーザー端末104を表わす。一実施例では、一又は複数の属性は、信号強度、信号品質、他の信号との近接性を含む。
【0047】
ブロック610は、衛星エフェメリスデータに加えて、他の一斉送信システム情報を選択された衛星102から取得するユーザー端末104を表わす。
【0048】
ブロック612は、追跡モードにあって、選択された衛星102に向けられた狭いビームを形成し、再構成可能なフェーズドアレイアンテナ218を使用して、選択された衛星102との通信を確立するアンテナ218の素子300によって、再構成可能なフェーズドアレイアンテナ218の指向性(高ゲイン、ビーム形成)モードに切り換えるユーザー端末104を表わす。その後、ユーザー端末104は、再構成可能なフェーズドアレイアンテナ218によって形成されたビームを配置するため、エフェメリスデータを使用して選択された衛星102を追跡し、ユーザー端末104及び再構成可能なフェーズドアレイアンテナ218の現在の地上位置又は空中位置に対する衛星102のエフェメリスデータに基づいて、方位角及び仰角からなる初期ポインティングベクトル、及び飛行経路からなる初期追跡ベクトルが決定される。
【0049】
ブロック614は、通常の通信、すなわち、消費者通信、商業通信、軍事通信、衛星テレビ、衛星ラジオ、及びインターネットアクセスを含む、選択された衛星102との送信及び/又は受信を実行するユーザー端末104を表わす。
【0050】
ブロック616は、ユーザー端末104との通常のやりとりを送信及び/又は受信する衛星102を表わす。
【0051】
ブロック618は、衛星102との通常のやりとりを送信及び/又は受信するネットワーク100を表わす。
【0052】
更に、本開示は以下の条項による実施例を含む。
【0053】
条項1. 衛星との通信を確立する方法であって、前記方法は、
複数のアンテナ素子(300)を有する再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)を含むユーザー端末(104)を提供することを含み、前記ユーザー端末(104)は、
前期再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の固定視野を広げる(604)ように、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)を使用して、前記固定視野内の複数の衛星(102)から信号を受信する(606)ように、
前記衛星(102)の各々に対して前記受信信号の一又は複数の属性を決定する(608)ように、また、
前記受信信号の前記属性に基づいて通信するため、前記複数の衛星(102)から1つを選択する(608)ように動作可能な、方法。
【0054】
条項2. 前記属性は、信号強度、信号品質、又は他の信号との近接性を含む、条項1に記載の方法。
【0055】
条項3. 前記固定視野を広げること(604)は、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の複数のアンテナ素子(300)の総数よりも少ない数を使用すること(604)、及び
ビーム幅を広げるため、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の前記複数のアンテナ素子(300)の一又は複数に対して、位相及び振幅のうちの少なくとも1つを変化させることによって、無指向性ビームを使用すること(604)
のうちの少なくとも1つを含む、条項1に記載の方法。
【0056】
条項4. 前記複数のアンテナ素子(300)の総数よりも少ない数を使用すること(604)は更に、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の前記複数のアンテナ素子(300)から1つのアンテナ素子(300)を選択すること(604)、及び、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の前記複数のアンテナ素子(300)から2つ以上のアンテナ素子(300)のサブアレイを選択すること(604)
のうちの1つを含む、条項3に記載の方法。
【0057】
条項5. 前記無指向性ビームは、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)での前記受信信号のコヒーレンスを変える位相差を導入することによって生成される、条項3に記載の方法。
【0058】
条項6. 前記衛星(102)が選択された後、前記ユーザー端末(104)は、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の指向性モードに切り換える(612)ように、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)を使用して、前記選択された衛星(102)との通信を確立する(612)ように、また、
前記選択された衛星(102)を追跡する(614)ように
動作可能な、条項1に記載の方法。
【0059】
条項7. 前記選択された衛星(102)を追跡すること(614)は、前記ユーザー端末(104)の現在の地上位置又は空中位置に対する前記衛星(102)のエフェメリス(ephemeris)データに基づいて、方位角及び仰角からなる初期ポインティングベクトル、並びに、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)のための飛行経路からなる初期追跡ベクトルを決定すること(614)を含む、条項6に記載の方法。
【0060】
条項8. 前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)は、前記固定視野を選択する前には静止している、条項1に記載の方法。
【0061】
条項9. 前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)は、前記固定視野の選択に先立って、方位角及び仰角からなる初期ポインティングベクトルを確立するために回転されるが、前記固定視野が選択されると、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)は回転されない、条項1に記載の方法。
【0062】
条項10. 衛星との通信を確立する装置であって、前記装置は、
複数のアンテナ素子(300)を有する再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)を含むユーザー端末(104)を備え、前記ユーザー端末(104)は、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の固定視野を広げる(604)ように、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)を使用して、前記固定視野内の複数の衛星(102)から信号を受信する(606)ように、
前記衛星(102)の各々に対して前記受信信号の一又は複数の属性を決定する(608)ように、また、
前記受信信号の前記属性に基づいて通信するため、前記複数の衛星(102)から1つを選択する(608)ように動作可能な、装置。
【0063】
条項11. 前記属性は、信号強度、信号品質、又は他の信号との近接性を含む、条項10に記載の装置。
【0064】
条項12. 前記固定視野を広げること(604)は、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の複数のアンテナ素子(300)の総数よりも少ない数を使用すること(604)、及び
ビーム幅を広げるため、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の前記複数のアンテナ素子(300)の一又は複数に対して、位相及び振幅のうちの少なくとも1つを変化させることによって、無指向性ビームを使用すること(604)
のうちの少なくとも1つを含む、条項10に記載の装置。
【0065】
条項13. 前記複数のアンテナ素子(300)の総数よりも少ない数を使用すること(604)は更に、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の前記複数のアンテナ素子(300)から1つのアンテナ素子(300)を選択すること(604)、及び、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の前記複数のアンテナ素子(300)から2つ以上のアンテナ素子(300)のサブアレイを選択すること(604)
のうちの1つを含む、条項12に記載の装置。
【0066】
条項14. 前記無指向性ビームは、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)での前記受信信号のコヒーレンスを変える位相差を導入することによって生成される、条項12に記載の装置。
【0067】
条項15. 前記衛星(102)が選択された後、前記ユーザー端末(104)は、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の指向性モードに切り換える(612)ように、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)を使用して、前記選択された衛星(102)との通信を確立する(612)ように、また、
前記選択された衛星(102)を追跡する(612)ように
動作可能な、条項10に記載の装置。
【0068】
条項16. 前記選択された衛星(102)を追跡することは、前記ユーザー端末(104)の現在の地上位置又は空中位置に対する前記衛星(102)のエフェメリスデータに基づいて、方位角及び仰角からなる初期ポインティングベクトル、並びに、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)のための飛行経路からなる初期追跡ベクトルを決定することを含む、条項15に記載の装置。
【0069】
条項17. 前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)は、前記固定視野を選択する前には静止している、条項10に記載の装置。
【0070】
条項18. 前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)は、前記固定視野の選択に先立って、方位角及び仰角からなる初期ポインティングベクトルを確立するために回転されるが、前記固定視野が選択されると、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)は回転されない、条項10に記載の装置。
【0071】
条項19. 信号源(102)との通信を確立するための装置であって、前記装置は、
複数のアンテナ素子(300)を有する再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)を備え、
前記信号源(102)からの信号の受信(606)に先立って、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の固定視野は広げられ(604)、
前記信号源(102)との通信を確立(612)し、前記信号源(102)追跡(612)を行う際に、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)は指向性モードに切り換え(612)られる、装置。
【0072】
条項20. 前記固定視野は、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の前記複数のアンテナ素子(300)の総数よりも少ない数を使用すること(604)、及び、
ビーム幅を広げるため、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の前記複数のアンテナ素子(300))の一又は複数に対して、位相及び振幅のうちの少なくとも1つを変化させることによって、無指向性ビームを使用すること(604)
のうちの少なくとも1つによって広げられる(604)、条項19に記載の装置。
【0073】
条項21. 前記複数のアンテナ素子(300)の総数よりも少ない数を使用すること(604)は更に、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の前記複数のアンテナ素子(300)から1つのアンテナ素子(300)を選択すること(604)、及び、
前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)の前記複数のアンテナ素子(300)から2つ以上のアンテナ素子(300)のサブアレイを選択すること(604)
のうちの1つを含む、条項20に記載の装置。
【0074】
条項22. 前記無指向性ビームは、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)での前記受信信号のコヒーレンスを変える位相差を導入することによって生成される、条項20に記載の装置。
【0075】
条項23. 前記信号源(102)を追跡することは、ユーザー端末(104)の現在の地上位置又は空中位置に対する前記信号源(102)のエフェメリスデータに基づいて、方位角及び仰角からなる初期ポインティングベクトル、並びに、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)のための飛行経路からなる初期追跡ベクトルを決定することを含む、条項19に記載の装置。
【0076】
条項24. 前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)は、前記固定視野を選択する前には静止している、条項19に記載の装置。
【0077】
条項25. 前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)は、前記固定視野の選択に先立って、方位角及び仰角からなる初期ポインティングベクトルを確立するために回転されるが、前記固定視野が選択されると、前記再構成可能なフェーズドアレイアンテナ(214)は回転されない、条項19に記載の装置。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6