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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】物干装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 57/12 20060101AFI20231228BHJP
   E04B 1/00 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
D06F57/12 L
D06F57/12 H
E04B1/00 502K
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019189277
(22)【出願日】2019-10-16
(65)【公開番号】P2021062110
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-08-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519371714
【氏名又は名称】日▲高▼ 義仁
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】日▲高▼ 義仁
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-078325(JP,U)
【文献】特開平09-084994(JP,A)
【文献】特開2010-274088(JP,A)
【文献】特開平04-210095(JP,A)
【文献】実開昭54-057722(JP,U)
【文献】実開昭60-073496(JP,U)
【文献】特開2011-239902(JP,A)
【文献】実開平05-074495(JP,U)
【文献】特開平09-276596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 57/12
E04B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手摺支柱(2)と、該手摺支柱(2)に形成された取り付け穴(6)に固定されて、一部が該手摺支柱(2)の外側に位置する物干台座(3)と、該物干台座(3)に移動可能に設置された物干アーム(4)とを有し、
前記物干台座(3)は、2つの半体(3a,3b)から成り、前記手摺支柱(2)の外側において内方に突出した台座レール部(3f)を有し、該台座レール部(3f)の内側には、前記物干アーム(4)が該台座レール部(3f)に沿って移動するためのレール溝(15)が上下方向に形成される、ことを特徴とする物干装置(1)。
【請求項2】
前記物干アーム(4)の前記物干台座(3)内での移動範囲(30)は、前記物干アーム(4)が回動できる範囲である扇形部(3r)と、前記物干アーム(4)が直線的に移動できる範囲である直線部(3s)を有する、ことを特徴とする請求項に記載の物干装置(1)。
【請求項3】
前記物干台座(3)は、前記物干アーム(4)の横揺れを防止する振れ止め部材(60)を具備する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の物干装置(1)。
【請求項4】
前記振れ止め部材(60)は、前記物干台座(3)内で回動した前記物干アーム(4)の底部端部(4g)を収納するための収納溝(60b)を有する、ことを特徴とする請求項に記載の物干装置(1)。
【請求項5】
前記物干台座(3)は、前記物干アーム(4)の回動時の衝撃を吸収するクッション材(50)を有する、ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の物干装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物干装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ベランダの手摺などに物干装置を物干支柱を介して固定することが知られている。物干装置の椀杆(物干アーム)は物干支柱に固定された状態で回動でき、回動によって椀杆の角度を変更できる。よって、椀杆は使用者の好みに合わせて例えば2つの角度位置で使用でき、また上方に回動させてベランダ床面に対して垂直に収納することもできる。
【0003】
特許文献1では、十分な強度を有する物干装置を低コストで提供するために、腕杆5を取り付けた支持具2を支柱1の上部から挿入し、支持具2の上板10が支柱1の上端部に当接させると共に、支持具2の下端部が支柱1の切欠部7の下端部に当接させて、ねじ28・28で固定して、支持具2を支柱1に取り付けることを教示している。
【0004】
しかしながら、このような物干装置は物干装置用の支柱を必要とし、この支柱をベランダ手摺に取り付ける必要がある。よって、ベランダ手摺が完成した後に、物干装置の支柱を改めて固定する必要があり、作業工程の増加とコストの増大を招いている。
【0005】
また、特に都市部のマンションのベランダでは、室内から室外へ向かう外側方向に十分なスペースを設けられない中で、物干支柱によって支柱の厚みの分だけ外側方向のスペースがさらに奪われるため、使用者のベランダでの移動スペースや洗濯物を干すスペースがさらに狭くなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-239902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、取り付け工程及びコストの減少と、ベランダなどの利用スペース拡大とを可能にする物干装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、手摺支柱と、該手摺支柱に形成された取り付け穴に固定されて、一部が該手摺支柱の外側に位置する物干台座と、該物干台座に移動可能に設置された物干アームとを有し、前記物干台座は、2つの半体から成り、前記手摺支柱の外側において内方に突出した台座レール部を有し、該台座レール部の内側には、前記物干アームが該台座レール部に沿って移動するためのレール溝が上下方向に形成される物干装置によって解決される。
【発明の効果】
【0009】
物干装置の取り付け工程及びコストが減少するとともに、ベランダの利用スペースが拡大される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る物干装置の概略図である。
図2】本発明の実施形態に係る手摺支柱と物干台座の概略図である。
図3】本発明の実施形態に係る物干台座の半体を示す概略図である。
図4】本発明の実施形態に係る物干台座3の半体3aと半体3a,3bに係合した物干アーム4を示す概略図である。
図5】本発明の実施形態に係る物干台座3の半体3aと半体3a,3bに係合した物干アーム4を示す概略図である。
図6】本発明の実施形態に係る物干台座の別な半体を示す概略図である。
図7】本発明の実施形態に係る物干アームを示す概略図である。
図8】本発明の実施形態に係る振れ止め部材を示す概略図である。
図9】本発明の実施形態に係るクッション材を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る物干装置の概略図である。
図1(a)は、物干装置の概略側面図であり、図1(b)は、図1(a)において収納位置Yにある物干装置のA方向矢視図である。
物干装置1は、手摺支柱2と、該手摺支柱2に内装された物干台座3と、物干台座3に移動可能に設置された物干アーム4とを有する。物干台座3は、その大部分が手摺支柱2に形成された取り付け穴6に入り込んだ状態で手摺支柱2に固定されている。図1(a)において一点鎖線で示すように、物干アーム4の使用状態では、物干アーム4の底部が物干台座3の上部において固定され、物干アーム4の先端部は室内に向かって延びている。このとき、物干アーム4は使用位置Xに位置している。これにより、使用者は物干アーム4の物干穴4eに挿入した物干竿に洗濯物を掛けることができる。一方、物干アーム4を使用位置Xから上方に回動させて一旦垂直位置に移動させた後、物干アーム4を下方にスライドさせることで、物干アーム4をベランダ床10に対して垂直な収納位置Yに収納させることができる。
【0012】
したがって、本発明の実施形態によれば、手摺支柱2と、該手摺支柱2に内装された物干台座3と、物干台座3に移動可能に設置された物干アーム4とを有する物干装置1を予め組み立ててから、これをベランダなどに設置することができる。これにより、現地において工事業者が物干装置1を取り付ける作業を省略でき、よって物干装置1のコストを減少させることができる。さらには、物干台座3が手摺支柱2に内装されていること、従来の物干支柱を省くことができるため物干支柱の設置スペースを省略できることにより、ベランダの利用スペースを拡大することができる。
【0013】
さらには、本発明の実施形態によれば、工事業者などの技術者不足にも対応することができ、工期短縮も可能になる。
【0014】
図2は、本発明の実施形態に係る手摺支柱と物干台座の概略図である。
図2(a)は、手摺支柱2と物干台座3の部分の側面断面図、図2(b)は、図2(a)のB方向矢視図であり、図2(c)は、図2(a)のC方向矢視図である。
図2(b)に示すように、手摺支柱2の断面は正方形である。しかしながら、手摺支柱2の断面は長方形であってもよい。手摺支柱2は、物干台座3を挿入するための取り付け穴6を有し、取り付け穴6に挿入された物干台座3はその上下端部の4箇所でねじ12によって手摺支柱2に固定されている。挿入時には、物干台座3はその大部分が手摺支柱2内に収まるため、物干台座3は外部からは殆ど視認できない。
【0015】
図2(b)及び2(c)に示すように、物干台座3は2つの半体3a,3bから成り、図2(a)に示すように、物干台座3の半体3a,3bはそれぞれ、取り付け穴6の内部に収まる略台形状の本体部3dと、本体部3dよりも外側に形成された外側部3cを有する。外側部3cの内側面3eが手摺支柱2の外面に接触することで、外側部3cは手摺支柱2の外側に位置する。よって、物干台座3はこの接触位置よりも深く取り付け穴6に入り込むことは無く、この接触位置でねじ12によって手摺支柱2に固定される。
【0016】
図2(b)に示すように、物干台座3の半体3a,3bの外側部3cには、内方に突出した台座レール部3fが形成されている。これにより、台座レール部3fの内側には、物干アーム4が台座レール部3fに沿って移動するためのレール溝15が形成されている。図2では物干アーム4は示されていないが、より具体的には、レール溝15内に収容された物干アーム4の第1レール部4a及び第2レール部4bが台座レール部3fによって支承されることで、物干アーム4は物干台座3から外れない(図7参照)。図2(b)に示すように、レール溝15は上下方向に延びており、物干アーム4もレール溝15内を上下方向に移動できる。しかしながら、後述するように、物干アーム4は物干台座3内において回動することもできる。
【0017】
図3は、本発明の実施形態に係る物干台座3の半体3aを示す概略図である。
図3(a)は半体3aの内面を示す図、図3(b)は図3(a)のD方向矢視図、図3(c)は半体3aの外面を示す図である。図4及び図5は、本発明の実施形態に係る物干台座3の半体3aと半体3a,3bに係合した物干アーム4を示す概略図である。
物干台座3は、略同形状に構成された半体3aと半体3bを組み合わせることで構成される。
【0018】
図3(a)及び図3(b)から分かるように、半体3aは、外枠3k、外枠3kの内側に位置する底面3g、底面3gから上方に延びた物干レール回動部3h、物干レール回動部3hよりも上方に延びた台座レール部3f、底面3gから上方に延びた物干レール回動ガイド部3i、物干レール回動ガイド部3iに隣接して外枠3kと平行に真っ直ぐ延びるガイド部3n、底面3gから上方に延びたねじ留め部3p、底面3gから上方に延びた突起部3jなどを有する。物干レール回動ガイド部3iに隣接する2つのねじ留め部3pの間には、クッション材50(図9参照)を設けるための設置部3mが形成されている。ねじ留め部3pには、半体3a,3bのねじ留め用のねじ穴が形成されている。
【0019】
図3(b)から分かるように、各部分の高さに関して、底面3g<突起部3j<物干レール回動部3h=物干レール回動ガイド部3i=ガイド部3n<台座レール部3f<外枠3k<ねじ留め部3p、が当てはまる。
【0020】
図3(a)において、物干レール回動ガイド部3iは、物干レール回動部3hの内面3haの近傍に位置する点を中心点とする円弧状に形成されているため、物干アーム4の回動時に、物干アーム4の第2レール部4bの第1端部4ba(図4参照)をガイドすることができる。
【0021】
図3(a)において、物干アーム4の第2レール部4b(図4参照)が、底面3gのうちドットで示された移動範囲30内を移動することができる。物干アーム4の回動時に、物干アーム4の底面4d(図7参照)が、物干レール回動ガイド部3iに対向する、ねじ留め部3pの側面及び/又はクッション材50の側面50aに接触したとき、物干アーム4はこの角度で固定される(図1(a)、図4参照)。物干アーム4を物干台座3内で回動させるとき、物干アーム4の第2レール部4bの第2端部4bb(図4図5参照)は、物干レール回動部3hのアール状の内面3haに接触しながら又は内面3haの近傍で回動し、同時に物干アーム4の第2レール部4bの第1端部4baは、物干レール回動ガイド部3iに沿って移動する。
【0022】
図3(a)において、物干アーム4の物干台座3内での移動範囲30は、物干アーム4の第2レール部4bが回動できる、すなわち物干アーム4が回動できる範囲である扇形部3rと、第2レール部4bがガイド部3nに支えて回動できず上下方向にのみ直線的に移動できる範囲である直線部3sを有する。物干アーム4は、図4に示す位置(使用位置X)と図5に示す垂直位置の間で物干台座3内で回動できる。物干アーム4が、図5に示す垂直位置から下方へスライドしてその第2レール部4bが、台座レール部3fとガイド部3nの間の直線部3s内に進入すると、物干アーム4の第1レール部4a及び第2レール部4bは、真っ直ぐ平行に形成された台座レール部3f及びガイド部3nに沿って上下方向にのみ移動することができる。
【0023】
その後、図1に示すように、物干アーム4の第1レール部4a上に形成されたストッパ4cが物干レール回動部3hの外面に接触したとき、物干アーム4は収納位置Yに達し、この位置が物干アーム4の最下位置となる。一方、図4及び図5に示すように、物干アーム4の第2レール部4bの第2端部4bbが物干レール回動部3hの内面3haに接触したとき、物干アーム4は回動可能となり、この位置が物干アーム4の最上位置となる。
【0024】
図3(a)において、物干レール回動部3hの内面3haの角度をγとすると、水平面に対する物干アーム4の使用位置Xでの固定角度は(90-γ)°で近似することができ、これは例えば35°~40°であるが、この範囲に限られない。例えば、γ=90°となるように物干台座3の半体3a,3bの外枠3kを構成することで、物干アーム4の固定角度を0°、すなわち手摺支柱2に対して直角とすることができる。
【0025】
図6は、本発明の実施形態に係る物干台座3の半体3bを示す概略図である。
図6(a)は半体3bの外面を示す図、図6(b)は図6(a)のE方向矢視図、図6(c)は半体3bの内面を示す図である。原則として、半体3bの構成要素のうち半体3aと同じ部分については参照番号の表示を省略している。
【0026】
図6(c)において、半体3bは半体3aと略同形状に構成されているが、ねじ留め部3pbの高さは外枠3kの高さよりも低い。これにより、半体3bと半体3aを組み合わせて物干台座3を構成したとき、半体3bのねじ留め部3pbの上面と半体3aのねじ留め部3pの上面が接触する又は近づく。また図6(c)に示すように、ねじ留め部3pbにはねじ穴3qが形成されており、図6(a)に示すように、ねじ穴3qは半体3bの本体部3dの表面まで通じている。よって、半体3bと半体3aの内面同士を対向させて組み合わせたうえで、半体3bの本体部3dの表面からねじを差し込むことで、半体3bと半体3aを固定することができる。
【0027】
図7は、本発明の実施形態に係る物干アームを示す概略図である。
図7(a)は物干アーム4の概略正面図であり、図7(b)は図7(a)のF方向矢視図である。
物干アーム4は、細長い本体4f、本体4fに形成された物干穴4e、本体4fの外周において本体4fから紙面垂直方向に上方に突出した第1レール部4a、底部において第1レール部4aよりもさらに紙面垂直方向に上方に突出した第2レール部4b、先端部において第1レール部4aよりもさらに紙面垂直方向に上方に突出したストッパ4cなどを有する。第1レール部4a及び第2レール部4bが、物干台座3の半体3a,3bの台座レール部3fの内側に係合するため、物干アーム4は物干台座3から落下しない。使用者は物干竿を物干穴4eに挿入することができる。
【0028】
図7(b)に示すように、第2レール部4bとストッパ4cは同じ高さを有する。したがって、各部分の高さに関して、本体4f<第1レール部4a<第2レール部4b=ストッパ4c、が当てはまる。
【0029】
第2レール部4bは、物干アーム4の底部端部4gの近傍に形成されており、物干アーム4の底部端部4gは三角形状に構成されている。その物干アーム4の底部端部4gの先端の角度はβである。物干アーム4の第2レール部4bの第1端部4ba及び第2端部4bbは円弧状の曲面として形成されている。同様に、ストッパ4cの端部も円弧状の曲面として形成されている。よって、第2レール部4bの第2端部4bbを支点とする、物干アーム4の物干台座3内での回動はスムーズに行われるとともに、ストッパ4cが物干台座3に接触しても、騒音や物干台座3の損傷が生じない。
【0030】
図8は、本発明の実施形態に係る振れ止め部材を示す概略図である。
図8(b)は振れ止め部材60の概略側面図であり、図8(a)は図8(b)のG方向矢視図であって振れ止め部材60の概略平面図であり、図8(c)は図8(b)のH方向矢視図であって振れ止め部材60の概略正面図である。
本発明の実施形態に係る物干装置1の物干台座3は、物干アーム4の横揺れを防止する振れ止め部材60を有してもよい。図8(b)において、振れ止め部材60はL字形状の部材であるが、その屈曲角αは90°より大きい。振れ止め部材60の側面には溝60aが形成されており、溝60aは半体3a,3bの底面3gから上方に延びた突起部3j(図3(a)、図6(c)参照)と係合する。係合時には、振れ止め部材60は半体3a,3bの外枠3kの内側に位置し、半体3a,3bを組み合わせたときには半体3a,3bの内部に収容されるため、振れ止め部材60は外部からは視認できない。半体3a,3bを組み合わせたとき、溝60aと半体3a,3bに形成された突起部3jとの係合により、振れ止め部材60は物干台座3内で固定される。
【0031】
図8(a)及び図8(c)に示すように、振れ止め部材60の幅方向中央部には、物干台座3内で回動した物干アーム4の底部端部4g(図7(a)参照)を収納するための収納溝60bが形成されている。前述したように、物干アーム4の第2レール部4bの第1端部4baが物干レール回動ガイド部3iに沿って移動し、物干アーム4の底面4d(図7参照)が、物干レール回動ガイド部3iに対向する、ねじ留め部3pの側面及び/又はクッション材50の側面に接触したとき、物干アーム4の底部端部4gは収納溝60bにぴったり収納され、特に、物干アーム4の底部端部4gの接触面4gaが収納溝60bの底部60baに接触する。よって、振れ止め部材60は、物干アーム4の図7における紙面垂直方向における移動・ガタつきを妨げ、物干アーム4が強風などによって横揺れして騒音を発生したり、損傷したりすることを防止する。
【0032】
収納溝60bの幅は、物干アーム4の底部端部4gの厚みよりも僅かに大きい。これにより、物干アーム4の横揺れを確実に防止することができる。
図8(b)において点線で示すように、収納溝60bの屈曲角は振れ止め部材60の屈曲角αに等しい。このとき好ましくは、物干アーム4の底部端部4gの先端の角度β(図7(a)参照)は振れ止め部材60の収納溝60bの屈曲角αと等しい。これにより、物干アーム4の底部端部4gの接触面4gaが振れ止め部材60にぴったり接触するため、物干アーム4を回動方向により確実に固定することができる。
【0033】
図9は、本発明の実施形態に係るクッション材を示す概略図である。
図9(a)は、クッション材50の正面図、図9(b)は、図9(a)のI方向矢視図であってクッション材50の平面図である。
本発明の実施形態に係る物干装置1の物干台座3は、物干アーム4の回動時の衝撃を吸収するクッション材50を有してもよい。図示のように、クッション材50は直方体の基本形状を有する。クッション材50は、物干台座3の半体3a,3bの設置部3mに接着剤などを用いて固定される。クッション材50の側面50aは平坦に形成されているため、物干アーム4の底面4dが回動によりクッション材50の側面50aに接触したときの衝撃・騒音を吸収することができる。
【0034】
好ましくは、クッション材50の側面50aはねじ留め部3pの側面と略同じ平面内に位置するか、物干レール回動ガイド部3iに向かってねじ留め部3pの側面よりも僅かに突出する。
【0035】
本発明の実施形態に係る物干装置1の物干台座3及び物干アーム4は樹脂製であってもよい。これにより、物干台座3と物干アーム4が接触することで生じる騒音を低減することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 物干装置
2 手摺支柱
3 物干台座
4 物干アーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9