(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】入力往復運動を一方向出力回転運動に変換することによる運動エネルギー伝達システム
(51)【国際特許分類】
F16H 35/00 20060101AFI20231228BHJP
F16H 31/00 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
F16H35/00 G
F16H31/00 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019207046
(22)【出願日】2019-11-15
【審査請求日】2022-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】519409268
【氏名又は名称】洪 仁 哲
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】洪 仁 哲
【審査官】鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-163953(JP,A)
【文献】特開平06-017887(JP,A)
【文献】特開2015-086939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 35/00
F16H 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
往復式アクチュエータ100と、前記往復式アクチュエータ100と接続された方向変換およびエネルギー出力機構200とを備える運動エネルギー変換システムであって、
メインハウジング20と、
前記メインハウジング20に回転可能に取り付けられた入力シャフト21であって、往復式アクチュエータ100からの入力往復運動を受け付けるため前記往復式アクチュエータ100と接続されたシャフト端を有する入力シャフト21と、
前記入力シャフト21に固定された入力ギア22と、
前記メインハウジング20に回転可能に取り付けられた中間ギア23と、
伝達シャフト21aに関して回転可能に取り付けられかつ前記中間ギア23に係合した二方向駆動ギア24であって、前記二方向駆動ギア24の第1(または正面)車輪表面242に環状に形成された複数の正回転ラチェット歯241を有し、かつ前記第1車輪表面242と反対の前記二方向駆動ギア24の第2(または背面)車輪表面244に環状に形成された複数の逆回転ラチェット歯243を有する二方向駆動ギア24と、
前記伝達シャフト21aに関して摺動可能に保持された正回転クラッチ25であって、前記二方向駆動ギア24により正回転(F)または駆動される前記二方向駆動ギア24の前記第1車輪表面242に形成された前記正回転ラチェット歯241と正常に係合される前記正回転クラッチ25の背面車輪表面252に環状に形成された複数の正回転ラチェット歯251を有する正回転クラッチ25と、
前記伝達シャフト21aに固定されかつ前記二方向駆動ギア24によって正方向に駆動(F)されるに従って前記正回転クラッチ25が正回転(F)されるときに前記伝達シャフト21aを正回転させるための前記正回転クラッチ25と摺動可能に係合した正面ギア26であって、回転運動エネルギーによって一方向回転運動を出力するための出力シャフト21bに固定された出力ギア21cと係合した正面ギア26と、
前記伝達シャフト21aに関して回転可能に取り付けられた逆回転クラッチ27であって、前記逆回転クラッチ27の正面回転表面272に環状に形成された複数の逆回転ラチェット歯271を有し、前記二方向駆動ギア24が逆回転(R)すると、前記二方向駆動ギア24によって駆動されるに従って前記逆回転クラッチ27を逆回転(R)させるように前記逆回転クラッチ27の前記逆回転ラチェット歯271が前記二方向駆動ギア24の前記第2車輪表面244に形成された前記逆回転ラチェット歯243と係合する逆回転クラッチ27と、
前記逆回転クラッチ27と前記伝達シャフト21aに固定された背面ギア29との間で係合した逆回転ギアセット28であって、前記二方向駆動ギア24が逆回転(R)すると、前記逆回転ギアセット28によって係合可能に駆動されるに従って前記背面ギア29と前記伝達シャフト21aとが正回転(F)され、前記正面ギア26と係合した前記出力ギア21cを介してかつ前記出力シャフト21bに固定された前記出力ギア21cを有する前記出力シャフト21bを介して回転運動エネルギーにより一方向回転運動を出力するための前記正面ギア26を正方向に駆動(F)し、前記伝達シャフト21aと前記出力シャフト21bとは各々前記メインハウジング20に回転可能に取り付けられている逆回転ギアセット28と、を備える運動エネルギー変換システム。
【請求項2】
前記二方向駆動ギア24の前記第1車輪表面242に形成された前記正回転ラチェット歯241の各々は、歯の頭頂241rから前記第1車輪表面242に向かって左方向に傾いている少なくとも1つの歯勾配241sを備え、前記正回転方向Fから計測された前記第1車輪表面242となす鋭角241aを定義し、前記逆回転ラチェット歯243は、歯の頭頂243rから前記第2車輪表面244に向かって右方向に傾いている少なくとも1つの歯勾配243rを備え、前記逆回転方向Rから計測された前記第2車輪表面244となす鋭角243aを定義する、請求項1に記載の運動エネルギー変換システム。
【請求項3】
前記正回転クラッチ25の前記背面車輪表面252に形成された前記正回転ラチェット歯251の各々は、歯の頭頂251rから前記背面車輪表面252に向かって右方向に傾いている少なくとも1つの歯勾配251sを備え、前記正回転方向Fから計測された前記背面車輪表面252となす鈍角251aを定義し、前記二方向駆動ギア24が正回転Fすると、前記二方向駆動ギア24の前記正回転ラチェット歯241が前記正回転クラッチ25の前記正転ラチェット歯251と係合し、前記正転クラッチ25を正回転(F)させる、請求項1に記載の運動エネルギー変換システム。
【請求項4】
前記逆回転クラッチ27の前記正面車輪表面272に形成された前記逆回転ラチェット歯271の各々は、歯の頭頂271rから前記正面車輪表面272に向かって左方向に傾いている少なくとも1つの歯勾配271sを備え、前記逆回転方向Rから計測された前記正面車輪表面272となす鈍角271aを定義し、前記二方向駆動ギア24が逆回転Rすると、前記二方向駆動ギア24の前記逆回転ラチェット歯243が前記逆回転クラッチ27の前記逆回転ラチェット歯271と係合し、前記逆回転クラッチ27を逆回転(R)させる、請求項1に記載の運動エネルギー変換システム。
【請求項5】
前記正回転クラッチ25は前記クラッチ25に直径方向に形成された一対の突出キー253を備え、前記突出キー253の各々は中心クラッチ穴254と前記クラッチ25の外縁との間に配置されており、2つの前記突出キー253は前記クラッチ25の前面から正方向に突出しており、中心ギア穴260に関して配置されかつ前記正面ギア26の背面に形成された一対のエクステンション261に直径方向に後退する一対の摺動溝262と摺動可能に係合される、請求項1に記載の運動エネルギー変換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力往復運動を一方向出力回転運動に変換することによる運動エネルギー伝達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
US9,139,251は往復レバー動作を一方向回転動作に変換するための機構を開示している。しかし、これは以下の欠点を有する。
1.レバー15を往復駆動させるとき、ベルト26、27が牽引要素22により摩擦的に抵抗され多大なエネルギーを消耗し、その出力効率を減少させる。
2.全体の機構が、ベルト、車輪、ギア、キャプスタンを含む多くの要素を必要とし、生産およびメンテナンスコストを増大させる可能性があり、また、この機構を動作させるときに多大なエネルギーを浪費する可能性もある。
3.多くの要素を備える全体のシステムは極めて複雑で、大きな空間を占有する可能性があり、コンパクトなユニットまたは装置を作成することを困難にする。
【0003】
本発明者はこのような欠点を発見し、より経済的かつ効率的な方法で運動エネルギー伝達システムを発明した。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、スイングレバーを含む往復アクチュエータと、方向変換およびエネルギー出力機構とを備える運動エネルギー伝達システムを提供し、往復アクチュエータによる入力としての往復運動を一方向出力回転運動に変換して、効率性と経済的価値を増大させるための一方向出力回転運動による連続した運動エネルギーを出力することにある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】正回転で作動されるときの本願発明の平面図である。
【
図2】本願発明の往復アクチュエータを示す正面図である。
【
図3】本願発明のいくつかのギアまたはパーツの部分拡大平面図である。
【
図4】本願発明の正回転クラッチを示す平面図である。
【
図5】
図4から見た正回転クラッチの正面図である。
【
図8】本願発明の正面ギアを備えた正回転クラッチの係合の平面図である。
【
図9】逆回転で作動されたときの本願発明の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図面で示したように、本願発明は往復アクチュエータ100と方向変換エネルギー出力機構200を備える。
【0007】
図1および2に示すように、往復アクチュエータ100は、スイングレバー11、アクチュエータハウジング10に枢動可能に取り付けられかつスイングレバー11のレバー端に接続されたレバーシャフト12、アクチュエータレバー11に固定された扇形ギア13、扇形ギア13と係合した中間作動ギア14、および中間作動ギア14と係合しかつ方向変換およびエネルギー出力機構200の入力シャフト21の外側(または正面)端に固定された軸駆動ギア15を備える。
【0008】
中間作動ギア14は扇形ギア13と係合した小ギア141および小ギア141と同軸に固定された大ギア142を含み、両ギア141、142はギアシャフト140に固定されている。大ギア142は軸駆動ギア15と係合している。アクチュエータハウジング10は、アクチュエータハウジング10内部にギア13、14、15を取り付けるため、方向変換およびエネルギー出力機構200のメインハウジング20の前面部に形成されている。スイングレバー11は手動で往復されてもよいし機械的または物質的に往復されてもよい。
【0009】
方向変換およびエネルギー出力機構200は、関連するギアを格納するメインハウジング20、メインハウジング20に回転可能に取り付けられた入力シャフト21であって、前記往復アクチュエータ100からの入力往復運動を受け付けるため往復アクチュエータ100の軸駆動ギア15に固定されたシャフト端を有する入力シャフト21、入力シャフトに固定された入力ギア22、メインハウジング20に回転可能に取り付けられた中間シャフト230に関して回転可能に取り付けられた中間ギア23、伝達シャフト21aに関して回転可能に取り付けられかつ中間ギア23と係合した二方向駆動ギア24であって、二方向駆動ギア24の第1(または正面)車輪表面242に環状に形成された複数の正回転ラチェット歯241を有し、かつ第1車輪表面242と反対の二方向駆動ギア24の第2(または背面)車輪表面244に環状に形成された複数の逆回転ラチェット歯243を有する二方向駆動ギア24、伝達シャフト21aに関して摺動可能に保持され、二方向駆動ギア24によって正方向(F)に回転または駆動されるべき二方向駆動ギア24の第1車輪表面242に形成された正回転ラチェット歯241と正常に係合される正回転クラッチ25の背面車輪表面252に環状に形成された複数の正回転ラチェット歯251を有する正回転クラッチ25、伝達シャフト21aに固定され、二方向駆動ギア24(
図1)によって正方向(F)に駆動されるに従って正回転クラッチ25が正回転(F)したときに伝達シャフト21aを正回転させるための正回転クラッチ25と摺動可能に係合したフロントギア26であって、回転運動エネルギーにより一方向回転運動を出力するための出力シャフト21bに固定された出力ギア21cと係合したフロントギア26と、伝達シャフト21aに関して回転可能に取り付けられ、逆回転クラッチ27の前面車輪表面272に環状に形成された複数の逆回転ラチェット歯271を有する逆回転クラッチ27であって、二方向駆動ギア24が逆回転(R)すると、二方向駆動ギア24によって駆動されるに従って逆回転クラッチ27を逆回転(R)させるように、逆回転クラッチ27上の逆回転ラチェット歯271が二方向駆動ギア24の第2車輪表面244に形成された逆回転ラチェット歯273に係合するようにする逆回転クラッチ27と、逆回転クラッチ27と伝達シャフト21aに固定された背面ギア29との間で係合する逆回転ギアセット28であって、二方向駆動ギア24が逆回転(R)すると、逆回転ギアセット28によって係合可能に駆動されるに従って
図9に示すように伝達シャフト21aが正方向に回転する(F)ようにし、それによって前面ギア26と係合する出力ギア21cを介してかつ出力シャフト21bに固定された出力ギア21cを有する出力シャフト21bを介して回転運動エネルギーによる一方向回転運動を出力するための前面ギア26を正方向に駆動(F)する逆回転ギアセット28とを備える。伝達シャフト21aと出力シャフト21bはそれぞれメインハウジング20に回転可能に取り付けられている。
【0010】
張力スプリング250は前面ギア26と正回転クラッチ25との間に設けられており、二方向駆動ギア24によって逆方向に駆動されるに従い、
図1に示すように正方向(F)用の二方向駆動ギア24と正回転クラッチ25を係合するために二方向駆動ギア24に向けて正回転クラッチ25を正常に引っ張る。
【0011】
他の張力スプリング270は背面ギア29と逆回転クラッチ27との間に設けられており、二方向駆動ギア24によって逆方向に駆動されるに従い、
図9に示すように逆方向(R)用の二方向駆動ギア24と逆回転クラッチ27とを係合するために二方向駆動ギア24に向けて逆回転クラッチ27を正常に引っ張る。
【0012】
逆回転ギアセット28は、逆回転クラッチ27と係合しかつ中間シャフト230に固定された第1ギア281と、第1ギア281の後部に位置しかつ中間シャフト230に固定された第2ギア282と、第2ギアと背面ギア29との間に係合された第3ギア283とを備え、逆回転クラッチ27の逆回転時(R)に、背面ギア29と伝達シャフト21aは正方向に回転(F)するようにする。
【0013】
中間ギア23は、入力ギアと係合した小ギア231と、小ギア231と同軸に固定されかつ二方向駆動ギア24と係合した大ギア232を備え、駆動ギア24の回転速度を速めるため小ギア231は大ギア232よりも小さい。
【0014】
出力ギア21bは、往復入力運動エネルギーを一方向回転出力エネルギーに変換することにより正回転運動エネルギーを出力する任意の回転機械または装置と接続されてもよい。
【0015】
特に
図3に示されたように、二方向駆動ギア24の第1車輪表面242に形成された各正回転ラチェット歯241は、歯の頭頂241rから第1車輪表面242に向かって左方向に傾いている少なくとも1つの歯勾配241sを備え、正回転方向Fから計測された第1車輪表面242となす鋭角241aを定義し、各逆回転ラチェット歯243は、歯の頭頂243rから第2車輪表面244に向かって右方向に傾いている少なくとも1つの歯勾配243sを備え、逆回転方向Rから計測された第2車輪表面244となす鋭角243aを定義する。
【0016】
正回転クラッチ25の背面車輪表面252に形成された各正回転ラチェット歯251は、歯の頭頂251rから背面車輪表面252に向かって右方向に傾いている少なくとも1つの歯勾配251sを備え、正回転方向Fから計測された背面車輪表面252となす鈍角251aを定義し、これにより
図1に示すように、二方向駆動ギア24が正回転Fすると、二方向駆動ギア24の正回転ラチェット歯241が正回転クラッチ25の正転ラチェット歯251と係合し、正転クラッチ25を正回転(F)させる。
【0017】
逆回転クラッチ27の正面車輪表面272に形成された各逆回転ラチェット歯271は、歯の頭頂271rから正面車輪表面272に向かって左方向に傾いている少なくとも1つの歯勾配271sを備え、逆回転方向Rから計測された正面車輪表面272となす鈍角271aを定義し、これにより
図9に示すように、二方向駆動ギア24が逆回転Rすると、二方向駆動ギア24の逆回転ラチェット歯243が逆回転クラッチ27の逆回転歯271と係合し、逆回転クラッチ27を逆回転(R)させる。
【0018】
図4、5、6、7に示したように、正回転クラッチ25は中心クラッチ穴254とクラッチ25の外縁との間に突出キー253の各々が配置された一対の突出キー253を有しており、この2つの突出キー253はクラッチ25の前面から正方向に突出しており、中心ギアに関して配置されかつ正面ギア26の背面に形成された一対のエクステンション261に直径方向に後退する一対の摺動溝262と摺動可能に係合され、これにより、二方向駆動ギア24が正回転Fすると、正回転クラッチ25が二方向駆動ギア24によって正方向に回転され、前面ギア26を協調的に正回転(F)させる。これは、
図8に示すように、2つの突出キー253が2つの摺動溝262に係合し、伝達シャフト21aを回転させ、それによって回転運動エネルギーを出力するための出力ギア21cおよび出力シャフト21bを回転させるからである。
【0019】
二方向駆動ギア24と逆回転クラッチ27は伝達シャフト21aに関して各々回転可能に(完全に固定されず)取り付けられている。二方向駆動ギア24が正回転(F)すると、二方向駆動ギア24の背面車輪表面244に形成された逆回転ラチェット歯243は逆回転クラッチ27の逆回転ラチェット歯241を斜め方向に押し出し、逆回転ラチェット歯271を逆回転ラチェット歯243から分離し(
図1)、これにより二方向駆動ギア24から逆回転クラッチ27を分離する。このとき、逆回転クラッチ27は伝達シャフト21aに関して完全に固定されることなく回転可能に取り付けられているため、逆回転クラッチ27は正方向に駆動されることはない。
【0020】
これは、二方向駆動ギア24が正回転Fする間、逆回転クラッチ27が正回転(F)にする二方向駆動ギア24によって影響されることなく、正回転する伝達シャフト21aと衝突することもないことを意味する。
【0021】
本願発明を動作させる際、
図2に示すDのようにスイングレバー11が下方向に押下されると、中間作動ギア14と係合したセクターギア13が軸駆動ギア15を駆動し正方向Fに回転する。入力シャフト21と入力シャフト21に固定された入力ギア22は、正方向Fに駆動および回転されて中間ギア23および中間ギア23と係合する二方向駆動ギア24を駆動し、
図1に示すように正方向Fに回転する。二方向駆動ギア24のラチェット歯241は正方向回転クラッチ25のラチェット歯241と係合しているため、クラッチ25は正方向Fに駆動するので、正面ギア26と伝達シャフト21aは正方向Fに正回転し、これにより出力ギア21cおよび出力シャフト21bを介して回転運動エネルギーを出力する。
【0022】
図2に示すようにスイングレバー11を上方向Uに持ち上げると、中間作動ギア14と係合しているセクターギア13は、入力ギア22だけでなく軸駆動ギア15および入力シャフト21を駆動し、逆回転方向Rに回転する。そして、中間ギア23と係合している二方向駆動ギア24は、今度は入力ギア22と係合し、
図9に示すように逆回転方向Rに回転するよう駆動される。二方向駆動ギア24のラチェット歯243は、逆回転クラッチ27のラチェット歯271と係合し、逆回転方向Rに逆回転クラッチ27を回転させる。同時に、ラチェット歯241はラチェット歯251を斜めに押し出し、正回転クラッチ25を二方向駆動ギア24から分離する。逆回転ギアセット28と係合した逆回転クラッチ27は背面ギア29を正方向Fに正回転させ、背面ギア29が固定されている伝達シャフト21aを正回転方向Fに回転させる。
【0023】
よって、入力ギア22を正回転(F)させるためのレバー11の下方動作(D)または入力ギア22を逆回転(R)させるためのレバー11の上方動作(U)にかかわらず、本願発明の二方向駆動ギア24、正方向回転クラッチ25、および逆回転クラッチ27を含む機構200は、伝達シャフト21aの正方向回転Fを常に保証し、回転運動エネルギーを連続的に出力する。
【0024】
逆回転クラッチ27が逆回転方向Rに回転されているとき(
図9)、逆回転クラッチ27と係合した逆回転ギアセット28の第1ギア281は正回転し、第1ギア281の後ろの第2ギア282は同調的に正回転する。第2ギアと係合した第3ギア283は逆回転する。第3ギアと係合した背面ギア29は、伝達シャフト21aを正回転(F)させるように正回転(F)される。
【0025】
出力シャフト21bと接続された任意の回転機械または運動エネルギー出力装置は本願発明に限定されない。往復式アクチュエータ100は本願発明に往復運動を入力するための任意の往復式または揺動式のシステムまたは装置と接続されていてもよく、しかもこれらに限定されない。本願発明の図で示したように、各ラチェット歯241、243、251、271は2つの歯勾配241s、243s、251s、271sを有していてもよい。各鋭角241a、243aまたは各鈍角251a,271aの角度は本願発明で限定されない。
【0026】
本願発明は従来技術に比して以下の利点で優れている。
1.本願発明のギアセットまたはシステムは、大きな空間や体積を占有することなくコンパクトなユニットになるように配置または構築できる。
2.エネルギー入力および出力過程を検証すると、このシステムは非常に円滑に動作でき、摩擦損失を最小化しかつエネルギー出力効率を増大する。
3.システムの要素は複雑または冗長でなく、動作の簡便性を増大しかつメンテナンスの問題を減少させる。
【0027】
本願発明は、本願発明の精神および範囲から逸脱することなく変更することができる。