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特許7411403便座固定プレート及び便座固定プレートの施工方法
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  • 特許-便座固定プレート及び便座固定プレートの施工方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】便座固定プレート及び便座固定プレートの施工方法
(51)【国際特許分類】
   A47K 13/26 20060101AFI20231228BHJP
   A47K 13/28 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A47K13/26
A47K13/28
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019226198
(22)【出願日】2019-12-16
(65)【公開番号】P2021094130
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 文凱
(72)【発明者】
【氏名】香川 元輝
(72)【発明者】
【氏名】川原 渉
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-028200(JP,A)
【文献】特開2018-086069(JP,A)
【文献】特開2007-275348(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 13/00-17/02
E03D 9/00- 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボルトによって便器本体に固定されるベースプレートと、
前記ベースプレートに対して移動し、前記ボルトの取り付け位置を示すボルト取付部品と、
前記ベースプレートに設けられ、前記ボルト取付部品の移動を許容しつつ前記ボルト取付部品を調整した位置に保持する保持部と、
を備え
前記保持部は、弾性変形することによって前記ボルト取付部品の移動を許容する離脱防止部を備えている便座固定プレート。
【請求項2】
前記離脱防止部は、前記ボルト取付部品の一部に被さる形状である請求項1に記載の便座固定プレート。
【請求項3】
ボルトによって便器本体に固定されるベースプレートと、
前記ベースプレートに対して移動し、前記ボルトの取り付け位置を示すボルト取付部品と、
前記ベースプレートに設けられ、前記ボルト取付部品の移動を許容しつつ前記ボルト取付部品を調整した位置に保持する保持部と、
を備え、
前記保持部には、前記ボルト取付部品の移動方向の長さ寸法を示す目盛りが設けられている便座固定プレート。
【請求項4】
求項1から請求項3までの何れか一項に記載の便座固定プレートを便器本体に固定する便座固定プレートの施工方法であって、
前記ベースプレートに対して前記ボルト取付部品の取付位置を調整し、前記保持部によって前記ボルト取付部品を調整した位置に保持し、前記ベースプレートを前記便器本体に固定する便座固定プレートの施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、便座固定プレート及び便座固定プレートの施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、便器本体に固定され、便座装置が取り付けられる便座固定プレートが知られている。例えば下記特許文献1に記載された便座固定プレートは、ボルトによって便器本体の後部上面に固定される。ボルトは、便器本体の後部上面に設けられた取付孔に挿入される。ボルトは、便座固定プレートの裏面に形成された案内溝に沿って移動する。ボルトの頭部が案内溝に嵌め込まれていることによって、ボルトは便座固定プレートから脱落しないようになっている。便器本体の上面に固定された状態の便座固定プレートに便座装置を嵌合することによって、便器本体の上面に便座装置が取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-29347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような構成の便座固定プレートは、ボルトの位置を調整しながら、便座固定プレートを便器本体の上面に固定する。この作業は、ボルトの位置を視認しにくく、ボルトが案内溝に沿って移動するため、手間がかかった。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、便器本体に容易に固定できる便座固定プレート及び便座固定プレートの施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の便座固定プレートは、ボルトによって便器本体に固定されるベースプレートと、前記ベースプレートに対して移動し、前記ボルトの取り付け位置を示すボルト取付部品と、前記ベースプレートに設けられ、前記ボルト取付部品の移動を許容しつつ前記ボルト取付部品を調整した位置に保持する保持部と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】便座固定プレートを便器本体に固定する様子を示す斜視図
図2】便器本体に固定された状態の便座固定プレートを示す断面図
図3】便座固定プレートに便座装置を取り付ける様子を示す平面図
図4】下面プレート及びボルト取付部品を示す分解斜視図
図5】下面プレート及びボルト取付部品を示す平面図
図6図5の矢視A-A断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
便座固定プレートPは、図1に示すように、便器本体10の後部上面11に固定される。以下、各構成部材において、便器本体10の便座に着座した状態の人から見て便器本体10の設置状態における上側(図1のZ軸正方向側)を上側、下側(図1のZ軸負方向側)を下側、便器本体10の便座に着座した状態の人から見て前側(図1のX軸正方向側)を前側、後側(図1のX軸負方向側)を後側、右側(図1のY軸正方向側)を右側、左側(図1のY軸負方向側)を左側として説明する。
【0009】
便器本体10の後部上面11には、2つの取付穴12が設けられている。2つの取付穴12は、所定間隔を有して左右に並んでいる。
【0010】
便器本体10に固定された状態の便座固定プレートPには、図3に示すように、便座装置20が取り付けられる。便座装置20は、便座(図示せず)、便蓋21及び装置本体22を備えている。装置本体22は、便座及び便蓋21を回転自在に支持する。装置本体22は、局部洗浄ノズルなどを収納している。
【0011】
便座装置20は、便座固定プレートPの固定位置を前後方向に調整することによって、前後方向の寸法が異なる便器本体10に取り付けることができる。前後方向の寸法とは、左右の取付孔の中心を結んだ線から便器本体10の前端までの寸法である。
【0012】
便座固定プレートPは、図1に示すように、上面プレート30、下面プレート40、ボルト50及びボルト取付部品60を備えている。下面プレート40はベースプレートに対応する。上面プレート30は下面プレート40に対して上昇及び下降する。便座固定プレートPは、便座装置20をリフトアップする機構を有している。
【0013】
ボルト50は、図2に示すように、軸部材51、筒部材52、及びバネ部材53を有している。ボルト50は、固定ネジ31及び固定プレート32によって、上面プレート30に固定されている(図1参照)。
【0014】
軸部材51は、図2に示すように、筒部材52の内側に挿入されている。軸部材51は円柱状をなしている。軸部材51は、上軸部材51Aと下軸部材51Bとを連結したものである。軸部材51(上軸部材51A)の上端には、固定ネジ31がねじ込まれるネジ穴54が形成されている。
【0015】
筒部材52は、胴部55及び頭部56を有している。胴部55は円筒状をなしている。胴部55の外周面にはネジ山が形成されている。胴部55の下端は、下端部材57によって塞がれている。頭部56は、後述するボルト取付部品60の凹部68に嵌合する略方形の平板状をなしている。
【0016】
バネ部材53は、圧縮コイルバネである。バネ部材53は、胴部55の下端部材57と軸部材51の下端との間に収納されている。バネ部材53は、軸部材51に対し上向きの弾性力を付与する。
【0017】
上面プレート30には、図3に示すように、便座装置20を取り付け状態にロックするロック部33が設けられている。ロック部33は、前端が自由端の片持ち状をなしている。
【0018】
上面プレート30には、固定ネジ31の軸部が挿入される挿入孔34が設けられている。挿入孔34は、左右に一対設けられている。挿入孔34は、前後方向に長く延びている。
【0019】
挿入孔34の縁部には、図3に示すように、固定プレート32が載置される。固定プレート32は、略方形の板状をなしている。固定プレート32は、上面プレート30に設けられた位置決め部35によって前後方向の位置が決められる。位置決め部35は、前後方向に凹凸が並んだ歯状をなしている。各凹凸は、上側から見ると、三角形状をなしている。固定プレート32には、調整した任意の位置で位置決め部35に嵌合する突部が設けられている。
【0020】
固定ネジ31は、図2に示すように、固定プレート32の貫通孔32H及び上面プレート30の挿入孔34を貫通してボルト50のネジ穴54にねじ込まれる。これによって、ボルト50は、上面プレート30から垂下した状態で固定される。
【0021】
上面プレート30には、下面プレート40の係止片38に係止する係止部材36が備えられている(図2参照)。係止部材36は、左右方向に移動自在である。係止部材36には、図示しない圧縮コイルバネによって、係止片38との係止状態を維持する方向に弾性力が付与されている。これによって、上面プレート30と下面プレート40とは組み付け状態に保持される。
【0022】
上面プレート30には、上面プレート30と下面プレート40とを分離する際に操作する突起部分37が設けられている(図1参照)。突起部分37を操作することによって、係止部材36は係止片38との係止が解除される方向に移動する。これによって、上面プレート30と下面プレート40とが分離される。
【0023】
ボルト取付部品60は、図5に示すように、エラストマーなどからなる弾性体である。ボルト取付部品60は、下面プレート40に対して前後方向に移動する。
【0024】
ボルト取付部品60は、上側から見ると、方形状をなす本体部61を有している。本体部61の外縁は、前後方向に延びる一対の第1縁部63と、左右方向に延びる一対の第2縁部64とを備えている。
【0025】
本体部61には、ボルト50の胴部55を上下方向に通す通し穴62が形成されている。これによって、ボルト取付部品60は、下面プレート40におけるボルト50の取り付け位置を示す。通し穴62は、上側から見ると前後方向に長い形状をなしている。
【0026】
本体部61には、後述する下面プレート40の位置決め部45に嵌合する嵌合部65が設けられている(図4参照)。嵌合部65は、第1縁部63に設けられている。嵌合部65は、1つの突部である。
【0027】
本体部61には、図6に示すように、下面プレート40の上面に係止する係止部66が設けられている。係止部66は、本体部61から左方及び右方に突出している。係止部66は、第1縁部63の前端から後端まで続いている。
【0028】
左右の係止部66のうち第1係止部66は、下面プレート40の上面に沿う板状をなしている。第1係止部66Fは、図5に示すように、上側から見ると、前後方向に長い方形状をなしている。第1係止部66Fは、後述する離脱防止部46の下側に配置される。
【0029】
第1係止部66Fには、図4に示すように、リブ67が設けられている。リブ67は、係止部66から下向きに突出している。リブ67は、前後方向に延びている。リブ67は、下面プレート40の溝部43に差し込まれる。これによって、ボルト取付部品60は、左右方向における中央側への移動が制限される。
【0030】
左右の係止部66のうち第2係止部66Sは、下面プレート40の開口部41の周縁に係止する爪状をなしている。
【0031】
本体部61の上面は、図6に示すように、第1係止部66F及び第2係止部66Sの上面よりも一段下がった位置に形成されている。これによって、本体部61の上面には、第1係止部66F及び第2係止部66Sによって区画された凹部68が形成されている。凹部68には、ボルト50の頭部56が嵌合する。
【0032】
下面プレート40は、一枚の金属板を加工して形成されている。下面プレート40の上面には、上面プレート30が係止する係止片38が設けられている。
【0033】
下面プレート40には、図4に示すように、ボルト取付部品60が嵌合する開口部41が形成されている。開口部41は、左右に一対設けられている。左右の開口部41の中心線の間隔は、便器本体10の取付穴12の中心の間隔と同じ間隔で形成されている。
【0034】
開口部41は、前後方向に長い方形状をなしている。開口部41の前後方向の寸法は、ボルト取付部品60の前後方向の寸法よりも大きい。これによって、ボルト取付部品60は、下面プレート40に対して、前後方向に位置を変えることができる。ボルト取付部品60の移動する範囲は、便座及び便蓋21の前端を便器本体10の前端よりわずかに前方へ突出するように調整できる範囲である。
【0035】
開口部41の周縁は、図5に示すように、前後方向に延びる一対の第1開口縁部42Fと、左右方向に延びる一対の第2開口縁部42Sとを有している。
【0036】
一対の第1開口縁部42Fは、平行である。一対の第1開口縁部42Fは、直線状に延びている。一対の第1開口縁部42Fには、ボルト取付部品60の一対の第1縁部63が近接する。近接した結果、接触してもよい。これによって、ボルト取付部品60は左右方向の移動が制限される。
【0037】
下面プレート40には、図4に示すように、前後方向に長い溝部43が形成されている。溝部43は、開口部41の左側および右側の何れかに並んで設けられている。溝部43の前後方向の寸法は、ボルト取付部品60の前後方向の寸法よりも大きい。溝部43には、ボルト取付部品60のリブ67が差し入れられる。
【0038】
下面プレート40には、図5に示すように、ボルト取付部品60の移動を許容しつつボルト取付部品60を調整した位置に保持する保持部44が備えられている。保持部44は、位置決め部45と離脱防止部46とを有している。位置決め部45は、ボルト取付部品60の前後方向の位置決めをする。離脱防止部46は、ボルト取付部品60の離脱を防止する。
【0039】
位置決め部45は、一対の第1開口縁部42Fのうちの一方に設けられている。位置決め部45は、前後方向に凹凸が並んだ歯状をなしている。各凹凸は、上側から見ると、三角形状をなしている。位置決め部45の任意の位置に、ボルト取付部品60の嵌合部65が嵌合する。これによって、ボルト取付部品60は前後方向の移動が制限される。
【0040】
離脱防止部46は、エラストマーなどからなる弾性体である。離脱防止部46は、ボルト取付部品60の第1係止部66Fに被さるブリッジ形状をなしている。離脱防止部46は、図6に示すように、下面プレート40の上面に載置された第1係止部66Fの上側に被さることによってボルト取付部品60の離脱を防ぐ。離脱防止部46は、上側に弾性変形することによって、ボルト取付部品60の移動を許容する。
【0041】
離脱防止部46は、図5に示すように、前後方向に長い。離脱防止部46の前後方向の寸法は、開口部41の前後方向の寸法と同等の寸法である。離脱防止部46には、前後方向の長さ寸法を示す目盛りが記されている。
【0042】
離脱防止部46は、図4に示すように、本体部46Aと、固定部46Bとを備えている。固定部46Bは、離脱防止部46の前後方向における両端部に設けられている。固定部46Bには、ネジSが挿通される切欠部47が設けられている。前側の固定部46Bの切欠部47は、前側が開放されている。後側の固定部46Bの切欠部47は、後側が開放されている。ネジSは、切欠部47の周縁に上側から係止し、下面プレート40の貫通孔48にねじ込まれる。これによって、離脱防止部46は、下面プレート40に固定される。
【0043】
本体部46Aは、図6に示すように、固定部46Bよりも一段上側に位置する。本体部46Aは、下面プレート40の上面と平行に配置される。本体部46Aの外縁は、図5に示すように、前後方向に延びる一対の外縁部49を有している。一対の外縁部49は、直線状に延びている。一対の外縁部49のうちの一方は、上側から見ると、第1開口縁部42Fに沿っている。
【0044】
便座固定プレートPを用いて便器本体10に便座装置20を取り付ける作業の一例を説明する。既存の便座装置を便座装置20に取り替える場合は、既存の便座装置を便器本体10から取り外す。
【0045】
最初に、便座固定プレートPの便器本体10における取付位置を確認する。図示しないメジャーを用いて、便器本体10の取付穴12から便器本体10の前端までの長さ寸法を測り、便座固定プレートPの取付位置を決定する。
【0046】
次に、便座固定プレートPにおいてボルト50の位置を調整する。まず、便座固定プレートPを便器本体10の後部上面11に仮置きし、上面プレート30の突起部分37を操作して、上面プレート30と下面プレート40とを分離する。
【0047】
分離した上面プレート30から固定ネジ31、固定プレート32、及びボルト50を取り外す。この取り外し作業は左右のボルト50に対して行う。その後、上面プレート30に対しボルト50の取付位置を調整する。具体的には、上面プレート30の固定プレート32を設定位置に移動し、固定プレート32の突部を上面プレート30の位置決め部45に嵌合する。このとき、左右の固定プレート32の位置を揃える。その後、固定ネジ31によって、固定プレート32の下側にボルト50を固定する。
【0048】
次に、下面プレート40に対しボルト取付部品60の取付位置を調整する。具体的には、まず、ボルト取付部品60を浮かせて、嵌合部65を位置決め部45から離脱させる。これによって、ボルト取付部品60を前後方向に移動できる。離脱防止部46は、上方に弾性変位し、ボルト取付部品60を抑えている。よって、離脱防止部46は、下面プレート40から離脱することが防止される。その後、ボルト取付部品60を所定の位置に配置し、嵌合部65を位置決め部45に嵌合させる。これによって、ボルト取付部品60は、調整した位置に保持される。
【0049】
次に、下面プレート40を便器本体10の後部上面11に仮置きする。具体的には、ボルト取付部品60が便器本体10の取付穴12の上側に位置するように下面プレート40を配置する。
【0050】
次に、上面プレート30を下面プレート40に組み付ける。上面プレート30のボルト50を、下面プレート40のボルト取付部品60に通して、上面プレート30を上から押す。係止部材36が係止片38に係止し、上面プレート30と下面プレート40とが組み付け状態になる。ボルト50の頭部56は、ボルト取付部品60の凹部68に嵌合する。
【0051】
その後、便座固定プレートPを便器本体10に固定する。具体的には、図2に示すように、便器本体10の取付穴12を貫通したボルト50の先端部に、パッキン13及びナット14を取り付けて固定する。
【0052】
次に、図3に示すように、便座固定プレートPに便座装置20を取り付ける。具体的には、便座固定プレートPの前側の便器本体10の上面に便座装置20を置き、便座装置20を後側にスライドさせる。この作業は、便座固定プレートPの中心と便座装置20の左右方向の中心とを位置あわせして行う。便座固定プレートPが見えなくなるまで便座装置20を押すことによって、ロック部33が便座装置20を固定状態にロックする。以上により、便器本体10に便座装置20を取り付ける作業が完了する。
【0053】
上記のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。便座固定プレートPは、下面プレート40と、ボルト取付部品60と、保持部44と、を備えている。下面プレート40は、ボルト50によって便器本体10に固定される。ボルト取付部品60は、下面プレート40に対して移動し、ボルト50の取り付け位置を示す。保持部44は、下面プレート40に設けられている。保持部44は、ボルト取付部品60の移動を許容しつつボルト取付部品60を調整した位置に保持する。
【0054】
この構成によれば、下面プレート40に対してボルト取付部品60の位置を調整し、調整した位置にボルト取付部品60を保持させて下面プレート40を便器本体10の上面に載置し、便器本体10に固定できる。施工時にボルト取付部品が離脱し、紛失等することを防ぐことができるから、固定作業が容易である。
【0055】
保持部44は、弾性変形することによってボルト取付部品60の移動を許容する離脱防止部46を備えている。この構成によれば、離脱防止部46を弾性変形させてボルト取付部品60を移動できる。
【0056】
離脱防止部46は、ボルト取付部品60の一部に被さる形状である。この構成によれば、ボルト取付部品60の一部に被さることによってボルト取付部品60の離脱を防止できる。
【0057】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、ボルト取付部品60に通し穴62が形成されている。これに限らず、ボルト取付部品は、下面プレートにおけるボルトの位置を示すものであればよいから、通し穴が形成されていなくてもよい。
(2)上記実施形態では、便座固定プレートPは、便座装置20をリフトアップする機構を有している。これに限らず、便座固定プレートは、リフトアップ機構を有していなくてもよい。
(3)上記実施形態では、位置決め部45は前後方向に凹凸が並んだ歯状をなしている。これに限らず、位置決め部の形状は変更できる。
(4)上記実施形態では、離脱防止部46の構成を具体的に例示した。これに限らず、離脱防止部の構成は変更できる。
【符号の説明】
【0058】
P…便座固定プレート、10…便器本体、40…下面プレート(ベースプレート)、44…保持部、46…離脱防止部、50…ボルト、60…ボルト取付部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6