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特許7411404媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/06 20060101AFI20231228BHJP
   B65H 7/14 20060101ALI20231228BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
B65H7/06
B65H7/14
H04N1/12 Z
H04N1/04 106A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019229644
(22)【出願日】2019-12-19
(65)【公開番号】P2021098555
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】北野 浩行
(72)【発明者】
【氏名】舟木 健
(72)【発明者】
【氏名】庭田 智行
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-194703(JP,A)
【文献】特開2017-098614(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0142289(US,A1)
【文献】特開2003-348301(JP,A)
【文献】特開2016-204107(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0243382(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00- 3/68
B65H 7/00- 7/20
B65H 43/00-43/08
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搬送する搬送部と、
撮像部と、
対向面を有する裏当てと、
前記裏当てを、前記対向面が前記撮像部と対向する対向位置と、前記対向面が前記対向位置から外れた非対向位置との間で切り替える駆動部と、
媒体搬送方向において前記撮像部より上流側に配置された媒体センサと、
前記搬送部による媒体の搬送を制御する制御部と、
前記制御部による媒体の搬送制御中に前記搬送部により搬送される媒体の先端が前記媒体センサの位置を通過した後に、前記対向面を前記対向位置に配置して撮像した第1画像と、前記対向面を前記非対向位置に配置して撮像した第2画像とを取得する画像取得部と、
前記第1画像及び前記第2画像に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する判定部と、
を有することを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記画像取得部は、前記搬送部により搬送される媒体の先端が前記媒体センサの位置を通過してから所定時間が経過するまで、前記裏当てを切り替えずに撮像した複数のライン画像を取得し、
前記判定部は、前記複数のライン画像に媒体が含まれるか否かを判定し、前記複数のライン画像に媒体が含まれないと判定した場合に限り、前記第1画像及び前記第2画像に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記第1画像及び前記第2画像に基づいて媒体の搬送異常が発生していないと判定した場合、以後に搬送される媒体については前記第1画像及び前記第2画像に基づいて媒体の搬送異常が発生したか否かを判定しない、請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記判定部は、媒体搬送方向と直交する方向において前記媒体センサが配置された位置に対応する前記第1画像及び前記第2画像内の画素の階調値に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する、請求項1~3の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
媒体を搬送する搬送部と、撮像部と、対向面を有する裏当てと、前記裏当てを、前記対向面が前記撮像部と対向する対向位置と、前記対向面が前記対向位置から外れた非対向位置との間で切り替える駆動部と、媒体搬送方向において前記撮像部より上流側に配置された媒体センサと、を有する媒体搬送装置の制御方法であって、
前記搬送部による媒体の搬送を制御し、
媒体の搬送制御中に前記搬送部により搬送される媒体の先端が前記媒体センサの位置を通過した後に、前記対向面を前記対向位置に配置して撮像した第1画像と、前記対向面を前記非対向位置に配置して撮像した第2画像とを取得し、
前記第1画像及び前記第2画像に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項6】
媒体を搬送する搬送部と、撮像部と、対向面を有する裏当てと、前記裏当てを、前記対向面が前記撮像部と対向する対向位置と、前記対向面が前記対向位置から外れた非対向位置との間で切り替える駆動部と、媒体搬送方向において前記撮像部より上流側に配置された媒体センサと、を有する媒体搬送装置の制御プログラムであって、
前記搬送部による媒体の搬送を制御し、
媒体の搬送制御中に前記搬送部により搬送される媒体の先端が前記媒体センサの位置を通過した後に、前記対向面を前記対向位置に配置して撮像した第1画像と、前記対向面を前記非対向位置に配置して撮像した第2画像とを取得し、
前記第1画像及び前記第2画像に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する、
ことを前記媒体搬送装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムに関し、特に、媒体の搬送異常が発生しているか否かを判定する媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナ等の媒体搬送装置では、媒体が搬送路を移動する際にジャム(紙詰まり)等の搬送異常が発生する場合がある。媒体搬送装置では、媒体の搬送異常が発生した場合に媒体の搬送を停止して媒体の損傷を防止できるように、媒体の搬送異常が発生しているか否かを精度良く判定する必要がある。
【0003】
画像読取部にて読み取られた画像データの変化に基づいてジャムの判別を行う原稿読取装置が開示されている(特許文献1を参照)。この原稿読取装置は、前後の画像データ同士を比較し、画像データに変化がない場合や、画像データの画素値の差が所定の値以下の場合等に、ジャムが発生したと判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-186716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
媒体搬送装置では、媒体の搬送異常が発生したか否かをより精度良く判定できることが望まれている。
【0006】
本発明の目的は、媒体の搬送異常が発生したか否かをより精度良く判定することが可能な媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る媒体搬送装置は、媒体を搬送する搬送部と、撮像部と、対向面を有する裏当てと、裏当てを、対向面が撮像部と対向する対向位置と、対向面が対向位置から外れた非対向位置との間で切り替える駆動部と、媒体搬送方向において撮像部より上流側に配置された媒体センサと、搬送部により搬送される媒体の先端が媒体センサの位置を通過した後に、対向面を対向位置に配置して撮像した第1画像と、対向面を非対向位置に配置して撮像した第2画像とを取得する画像取得部と、第1画像及び第2画像に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する判定部と、を有する。
【0008】
また、本発明の一側面に係る制御方法は、媒体を搬送する搬送部と、撮像部と、対向面を有する裏当てと、裏当てを、対向面が撮像部と対向する対向位置と、対向面が対向位置から外れた非対向位置との間で切り替える駆動部と、媒体搬送方向において撮像部より上流側に配置された媒体センサと、を有する媒体搬送装置の制御方法であって、搬送部により搬送される媒体の先端が媒体センサの位置を通過した後に、対向面を対向位置に配置して撮像した第1画像と、対向面を非対向位置に配置して撮像した第2画像とを取得し、第1画像及び第2画像に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する。
【0009】
また、本発明の一側面に係る制御プログラムは、媒体を搬送する搬送部と、撮像部と、対向面を有する裏当てと、裏当てを、対向面が撮像部と対向する対向位置と、対向面が対向位置から外れた非対向位置との間で切り替える駆動部と、媒体搬送方向において撮像部より上流側に配置された媒体センサと、を有する媒体搬送装置の制御プログラムであって、搬送部により搬送される媒体の先端が媒体センサの位置を通過した後に、対向面を対向位置に配置して撮像した第1画像と、対向面を非対向位置に配置して撮像した第2画像とを取得し、第1画像及び第2画像に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定することを媒体搬送装置に実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムは、媒体の搬送異常が発生したか否かをより精度良く判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る媒体搬送装置100を示す斜視図である。
図2】媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
図3】撮像装置118について説明するための図である。
図4】撮像装置118について説明するための図である。
図5】第3センサ117等について説明するための模式図である。
図6】媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
図7】記憶装置160及び処理回路170の概略構成を示す図である。
図8】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図9】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図10】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図11】他の撮像装置218について説明するための図である。
図12】他の撮像装置218について説明するための図である。
図13】他の処理回路270の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一側面に係る媒体搬送装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0013】
図1は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置100を示す斜視図である。媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、厚紙、カード、冊子又はパスポート等である。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、搬送される媒体は、原稿でなく印刷対象物等でもよく、媒体搬送装置100はプリンタ等でもよい。
【0014】
媒体搬送装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103、排出台104、操作装置105及び表示装置106等を備える。
【0015】
上側筐体102は、媒体搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、媒体つまり時、媒体搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体101に係合している。
【0016】
載置台103は、搬送される媒体を載置可能に下側筐体101に係合している。排出台104は、排出された媒体を保持可能に下側筐体101に係合している。
【0017】
操作装置105は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。表示装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0018】
図2は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0019】
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、第1センサ111、給送ローラ112、ブレーキローラ113、第2センサ114、第1搬送ローラ115、第2搬送ローラ116、第3センサ117、第1撮像装置118a、第2撮像装置118b、第3搬送ローラ119及び第4搬送ローラ120等を有している。なお、各ローラの数は一つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ複数でもよい。以下では、第1撮像装置118a及び第2撮像装置118bを総じて撮像装置118と称する場合がある。
【0020】
下側筐体101の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド107aを形成し、上側筐体102の下面は、媒体の搬送路の上側ガイド107bを形成する。図2において矢印A1は媒体搬送方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。
【0021】
第1センサ111は、給送ローラ112及びブレーキローラ113の上流側に配置される。第1センサ111は、接触検出センサを有し、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。第1センサ111は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第1媒体信号を生成して出力する。
【0022】
給送ローラ112は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に給送する。ブレーキローラ113は、上側筐体102に設けられ、給送ローラ112に対向して配置される。
【0023】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ112が図2の矢印A2の方向、即ち媒体給送方向に回転することによって、下側ガイド107aと上側ガイド107bの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。ブレーキローラ113は、媒体搬送時、矢印A3の方向、即ち媒体給送方向の反対方向に回転する。給送ローラ112及びブレーキローラ113の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ112と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限されるように動作する(重送の防止)。
【0024】
媒体は、下側ガイド107aと上側ガイド107bによりガイドされながら、第1搬送ローラ115と第2搬送ローラ116の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ116がそれぞれ矢印A4及び矢印A5の方向に回転することによって、第1撮像装置118aと第2撮像装置118bの間に送り込まれる。第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ116は、給送ローラ112により給送された媒体を撮像装置118に搬送する搬送部の一例である。撮像装置118により読み取られた媒体は、第3搬送ローラ119及び第4搬送ローラ120がそれぞれ矢印A6及び矢印A7の方向に回転することによって排出台104上に排出される。
【0025】
図3及び図4は、撮像装置118について説明するための図である。
【0026】
図3及び図4に示すように、第2撮像装置118bは、第1撮像装置118aと対向して第1撮像装置118aの上方に配置される。第1撮像装置118aは、第1光透過部材121a、第1光源122a、第1撮像センサ123a、第1裏当て部材124a及び第1壁部材125a等を有する。第2撮像装置118bは、第2光透過部材121b、第2光源122b、第2撮像センサ123b、第2裏当て部材124b及び第2壁部材125b等を有する。
【0027】
第1光透過部材121a及び第2光透過部材121bは、透明のガラスにより形成される。なお、第1光透過部材121a及び第2光透過部材121bは、透明のプラスチック等により形成されてもよい。
【0028】
第1光源122aは、第1光透過部材121a及び第2光透過部材121bを挟んで第2裏当て部材124bの反対側に設けられる。第1光源122aは、LED(Light Emitting Diode)を有する。第1光源122aは、撮像装置118の位置に搬送された媒体の表面(媒体が搬送されていない場合は対向する第2撮像装置118bの第2裏当て部材124b又は第2壁部材125b)に向けて光を照射する。
【0029】
同様に、第2光源122bは、第2光透過部材121b及び第1光透過部材121aを挟んで第1裏当て部材124aの反対側に設けられる。第2光源122bは、LEDを有する。第2光源122bは、撮像装置118の位置に搬送された媒体の裏面(媒体が搬送されていない場合は対向する第1撮像装置118aの第1裏当て部材124a又は第1壁部材125a)に向けて光を照射する。
【0030】
第1撮像センサ123aは、撮像部の一例であり、第1光透過部材121a及び第2光透過部材121bを挟んで第2裏当て部材124bの反対側に設けられる。第1撮像センサ123aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像センサ123aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像センサ123aは、撮像位置L1において、搬送された媒体の表面及び媒体の周囲を撮像する。第1撮像センサ123aは、一定間隔毎に、搬送されている媒体のラインセンサと対向する領域を撮像したライン画像を順次生成して出力する。即ち、ライン画像の垂直方向(副走査方向)の画素数は1であり、水平方向(主走査方向)の画素数は複数である。
【0031】
同様に、第2撮像センサ123bは、撮像部の一例であり、第1光透過部材121a及び第2光透過部材121bを挟んで第1裏当て部材124aの反対側に設けられる。第2撮像センサ123bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像センサ123bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル変換するA/D変換器とを有する。第2撮像センサ123bは、撮像位置L2において、搬送された媒体の裏面及び媒体の周囲を撮像する。第2撮像センサ123bは、一定間隔毎に、搬送されている媒体のラインセンサと対向する領域を撮像したライン画像を順次生成して出力する。
【0032】
なお、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。また、第1光源122a、第1撮像センサ123a、第2裏当て部材124b及び第2壁部材125bのセット、又は、第2光源122b、第2撮像センサ123b、第1裏当て部材124a及び第1壁部材125aのセットの内の何れか一方は省略されてもよい。
【0033】
第1裏当て部材124aは、第1光透過部材121aの下方に且つ第2光源122b及び第2撮像センサ123bと対向する位置に設けられる。第1裏当て部材124aは、第2撮像センサ123bと対向する第1対向面131aを有する。第1対向面131aは、例えば白色を有し、第1対向面131aが撮像された画像信号に基づいてシェーディング等の画像の補正を行うための白基準部材として機能する。なお、第1対向面131aは、黒色以外の色を有していればよく、白色以外の色を有していてもよい。第1裏当て部材124aは、第1支持部材132aにより回転可能に支持され、後述する第2駆動装置からの駆動力によって回転する。第1裏当て部材124aは、第2駆動装置からの駆動力によって、第1対向面131aが第2撮像センサ123bと対向する対向位置(図3に示す位置)と、第1対向面131aが対向位置から外れた非対向位置(図4に示す位置)との間で切り替えられる。
【0034】
同様に、第2裏当て部材124bは、第2光透過部材121bの上方に且つ第1光源122a及び第1撮像センサ123aと対向する位置に設けられる。第2裏当て部材124bは、第1撮像センサ123aと対向する第2対向面131bを有している。第2対向面131bは、例えば白色を有し、第2対向面131bが撮像された画像信号に基づいてシェーディング等の画像の補正を行うための白基準部材として機能する。なお、第2対向面131bは、黒色以外の色を有していればよく、白色以外の色を有していてもよい。第2裏当て部材124bは、第2支持部材132bにより回転可能に支持され、第2駆動装置からの駆動力によって回転する。第2裏当て部材124bは、第2駆動装置からの駆動力によって、第2対向面131bが第1撮像センサ123aと対向する対向位置(図3に示す位置)と、第2対向面131bが対向位置から外れた非対向位置(図4に示す位置)との間で切り替えられる。
【0035】
第1壁部材125aは、第1裏当て部材124aが非対向位置に配置されたときに、第2撮像センサ123bと対向する位置に設けられる。第1壁部材125aの第2撮像センサ123bと対向する面は、黒色等の第1対向面131aと異なる色を有する。
【0036】
同様に、第2壁部材125bは、第2裏当て部材124bが非対向位置に配置されたときに、第1撮像センサ123aと対向する位置に設けられる。第2壁部材125bの第1撮像センサ123aと対向する面は、黒色等の第2対向面131bと異なる色を有する。
【0037】
以下では、第1光透過部材121a及び第2光透過部材121bを総じて光透過部材121と称する場合がある。また、第1光源122a及び第2光源122bを総じて光源122と称する場合がある。第1撮像センサ123a及び第2撮像センサ123bを総じて撮像センサ123と称する場合がある。また、第1裏当て部材124a及び第2裏当て部材124bを総じて裏当て部材124と称する場合がある。また、第1壁部材125a及び第2壁部材125bを総じて壁部材125と称する場合がある。また、第1対向面131a及び第2対向面131bを総じて対向面131と称する場合がある。
【0038】
図3に示すように裏当て部材124が対向位置に配置された場合、光源122から放射された光は、媒体が存在しない領域において、裏当て部材124の対向面131で反射し、撮像センサ123に結像する。この際に生成される画像信号に基づく画像において、媒体が存在しない領域に対応する画素は白色を有する。一方、図4に示すように裏当て部材124が非対向位置に配置された場合、光源122から放射された光は、壁部材125で反射し、撮像センサ123に結像する。この際に生成される画像信号に基づく画像において、媒体が存在しない領域に対応する画素は黒色を有する。
【0039】
図5は、第2センサ114及び第3センサ117について説明するための模式図である。図5は、上側筐体102を取り外した状態で下側筐体101を上方から見た模式図である。
【0040】
図5に示すように、第2センサ114は、媒体搬送方向A1において給送ローラ112及びブレーキ-ローラ113より下流側且つ第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ116より上流側に、媒体搬送方向と直交する方向A8において略中央部に配置される。第2センサ114は、媒体搬送路に対して一方の側(下側筐体101)に設けられた第2発光器114a及び第2受光器114bを含む。また、第2センサ114は、媒体搬送路を挟んで第2発光器114a及び第2受光器114bと対向する位置(上側筐体102)に設けられたミラー等の第2反射部材(不図示)を含む。第2発光器114aは、媒体搬送路に向けて光を照射する。一方、第2受光器114bは、第2発光器114aにより照射され、第2反射部材により反射された光を受光し、受光した光の強度に応じた電気信号である第2媒体信号を生成して出力する。
【0041】
第3センサ117は、媒体センサの一例であり、媒体搬送方向A1において第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ116より下流側且つ撮像装置118より上流側に、媒体搬送方向と直交する方向A8において略中央部に配置される。第3センサ117は、媒体搬送路に対して一方の側(下側筐体101)に設けられた第3発光器117a及び第3受光器117bを含む。また、第3センサ117は、媒体搬送路を挟んで第3発光器117a及び第3受光器117bと対向する位置(上側筐体102)に設けられたミラー等の第3反射部材(不図示)を含む。第3発光器117aは、媒体搬送路に向けて光を照射する。一方、第3受光器117bは、第3発光器117aにより照射され、第2反射部材により反射された光を受光し、受光した光の強度に応じた電気信号である第3媒体信号を生成して出力する。
【0042】
第2センサ114及び第3センサ117の各位置に媒体が存在する場合、各センサの発光器により照射された光はその媒体により遮光される。そのため、各センサの位置に媒体が存在する状態と存在しない状態とで各センサにより生成される信号の信号値は変化する。これにより、第2センサ114及び第3センサ117は、その位置に媒体が存在するか否かを検出して、給送された媒体を検出する。なお、各センサの発光器及び受光器は、搬送路を挟んで相互に対向する位置に設けられ、反射部材は省略されてもよい。
【0043】
図6は、媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0044】
媒体搬送装置100は、前述した構成に加えて、第1駆動装置151、第2駆動装置152、インタフェース装置153、記憶装置160及び処理回路170等をさらに有する。
【0045】
第1駆動装置151は、一又は複数のモータを有し、処理回路170からの制御信号によって、給送ローラ112、ブレーキローラ113及び第1~第4搬送ローラ115、116、119、120を回転させて媒体を搬送させる。
【0046】
第2駆動装置152は、駆動部の一例であり、一又は複数のモータを有し、処理回路170からの制御信号によって、裏当て部材124を対向位置と非対向位置との間で切り替える。
【0047】
インタフェース装置153は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して入力画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置153の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース装置とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。
【0048】
記憶装置160は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置160には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置160にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。
【0049】
処理回路170は、予め記憶装置160に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。処理回路170として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0050】
処理回路170は、操作装置105、表示装置106、第1センサ111、第2センサ114、第3センサ117、撮像装置118、第1駆動装置151、第2駆動装置152、インタフェース装置153及び記憶装置160等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路170は、第1駆動装置151及び第2駆動装置152の駆動制御、撮像装置118の撮像制御等を行い、入力画像を生成し、インタフェース装置153を介して情報処理装置に送信する。また、処理回路170は、第3センサ117及び撮像装置118により生成される信号に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定し、判定結果に基づいて媒体の搬送を制御する。
【0051】
図7は、記憶装置160及び処理回路170の概略構成を示す図である。
【0052】
図7に示すように、記憶装置160には、制御プログラム161、判定プログラム162及び画像取得プログラム163等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路170は、記憶装置160に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、処理回路170は、制御部171、判定部172及び画像取得部173として機能する。
【0053】
図8図10は、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0054】
以下、図8図10に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置160に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路170により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。図8図10に示す動作のフローは、定期的に実行される。図8図10に示す動作のフローが実行される前に、裏当て部材124の対向面131は、対向位置又は非対向位置の内、利用者により予め設定された初期設定位置に配置される。
【0055】
最初に、制御部171は、利用者により操作装置105を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を操作装置105から受信するまで待機する(ステップS101)。
【0056】
次に、制御部171は、第1センサ111から第1媒体信号を取得し、取得した第1媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS102)。
【0057】
載置台103に媒体が載置されていない場合、制御部171は、ステップS101へ処理を戻し、操作装置105から新たに操作信号を受信するまで待機する。
【0058】
一方、載置台103に媒体が載置されている場合、制御部171は、第1駆動装置151を駆動する。制御部171は、給送ローラ112、ブレーキローラ113、第1~第4搬送ローラ115、116、119及び120を回転させて、媒体を給送及び搬送させる(ステップS103)。
【0059】
次に、判定部172は、媒体の先端が第2センサ114の位置を通過したか否かを判定する(ステップS104)。判定部172は、第2センサ114から定期的に第2媒体信号を取得し、取得した第2媒体信号に基づいて、第2センサ114の位置に媒体が存在するか否かを判定する。判定部172は、第2媒体信号の信号値が、媒体が存在しないことを示す値から媒体が存在することを示す値に変化したときに、媒体の先端が第2センサ114の位置を通過したと判定する。
【0060】
媒体の先端が第2センサ114の位置を通過していない場合、判定部172は、媒体の給送を開始してから第1所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS105)。第1所定時間は、事前の実験により、媒体の給送を開始してから媒体の先端が第2センサ114の位置を通過するまでに要する時間にマージンを加えた時間に設定される。媒体の給送を開始してから第1所定時間が経過していない場合、判定部172は、処理をステップS104へ戻し、ステップS104~S105の処理を繰り返す。
【0061】
一方、媒体の給送を開始してから第1所定時間が経過した場合、判定部172は、媒体のジャム(紙詰まり)又はスリップによる搬送停止等の搬送異常が発生したと判定する(ステップS106)。
【0062】
次に、制御部171は、第1駆動装置151を停止して媒体の給送及び搬送を停止し(ステップS107)、一連のステップを終了する。
【0063】
一方、ステップS104において、媒体の先端が第2センサ114の位置を通過した場合、判定部172は、媒体の先端が第3センサ117の位置を通過したか否かを判定する(ステップS108)。判定部172は、第3センサ117から定期的に第3媒体信号を取得し、取得した第3媒体信号に基づいて、第3センサ117の位置に媒体が存在するか否かを判定する。判定部172は、第3媒体信号の信号値が、媒体が存在しないことを示す値から媒体が存在することを示す値に変化したときに、媒体の先端が第3センサ117の位置を通過したと判定する。
【0064】
媒体の先端が第3センサ117の位置を通過していない場合、判定部172は、媒体の先端が第2センサ114の位置を通過してから第2所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS109)。第2所定時間は、事前の実験により、媒体の先端が第2センサ114の位置を通過してから第3センサ117の位置を通過するまでに要する時間にマージンを加えた時間に設定される。媒体の先端が第2センサ114の位置を通過してから第2所定時間が経過していない場合、判定部172は、処理をステップS108へ戻し、ステップS108~S109の処理を繰り返す。
【0065】
一方、媒体の先端が第2センサ114の位置を通過してから第2所定時間が経過した場合、判定部172は、媒体のジャム又はスリップによる搬送停止等の搬送異常が発生したと判定する(ステップS110)。
【0066】
次に、制御部171は、第1駆動装置151を停止して媒体の給送及び搬送を停止し(ステップS111)、一連のステップを終了する。
【0067】
一方、ステップS108において、媒体の先端が第3センサ117の位置を通過した場合、画像取得部173は、撮像装置118に撮像を開始させる(ステップS201)。
【0068】
次に、判定部172は、判定フラグが有効に設定されているか無効に設定されているかを判定する(ステップS202)。判定フラグは、二枚目以降に搬送される媒体について、第1ライン画像及び第2ライン画像に基づいて媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する判定処理を実行するためのフラグである。判定フラグは、媒体読取処理の開始時に有効に設定され、ステップS203~S214における判定処理において搬送異常が発生していないと判定された場合に無効に設定される。判定フラグが無効に設定されている場合、判定部172は、ステップS203~S214の処理を実行せずに、処理をステップS215へ移行させる。この場合、判定部172は、媒体の搬送異常が発生しておらず、搬送は正常であると判定する。
【0069】
一方、判定フラグが有効に設定されている場合、画像取得部173は、撮像装置118から第1ライン画像を取得する(ステップS203)。即ち、画像取得部173は、第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ116により搬送される媒体の先端が第3センサ117の位置を通過した後に、第1ライン画像を取得する。第1ライン画像は、裏当て部材124の対向面131を対向位置又は非対向位置の内の初期設定位置に配置して撮像したライン画像である。対向位置が初期設定位置として設定されている場合、第1ライン画像は対向面131を対向位置に配置して撮像した第1画像の一例である。一方、非対向位置が初期設定位置として設定されている場合、第1ライン画像は対向面131を非対向位置に配置して撮像した第2画像の一例である。
【0070】
次に、判定部172は、第1ライン画像に媒体が含まれるか否かを判定する(ステップS204)。判定部172は、媒体搬送方向と直交する方向A8において第3センサ117が配置された位置に対応する第1ライン画像内の画素の階調値に基づいて、第1ライン画像に媒体が含まれるか否かを判定する。判定部172は、最新の第1ライン画像と、直前に取得した第1ライン画像のそれぞれについて、媒体搬送方向と直交する方向A8において第3センサ117が配置された位置に対応する画素の階調値の平均値を算出する。判定部172は、最新の第1ライン画像から算出した平均値と、直前の第1ライン画像から算出した平均値との差の絶対値が第1閾値以上である場合、最新の第1ライン画像に媒体が含まれると判定する。一方、判定部172は、その差の絶対値が第1閾値未満である場合、最新の第1ライン画像に媒体が含まれないと判定する。階調値は、輝度値又は色値(R値、G値又はB値)である。第1閾値は、例えば、人が画像上の輝度又は色の違いを目視により判別可能な階調値の差(例えば20)に設定される。
【0071】
なお、判定部172は、第1ライン画像から算出した平均値と第1基準値との差の絶対値が第1閾値以上である場合、第1ライン画像に媒体が含まれると判定し、その絶対値が第1閾値未満である場合、第1ライン画像に媒体が含まれないと判定してもよい。初期設定位置として対向位置が設定されている場合の第1基準値は、事前の実験により、対向面131を対向位置に配置して対向面131を撮像した画素の階調値に設定される。一方、初期設定位置として非対向位置が設定されている場合の第1基準値は、事前の実験により、対向面131を非対向位置に配置して壁部材125を撮像した画素の階調値に設定される。
【0072】
また、判定部172は、最新の第1ライン画像と、直前に取得した第1ライン画像との対応する画素毎に、各画素の階調値の差の絶対値を算出し、絶対値が第1閾値を超える画素を媒体に対応する媒体画素として抽出してもよい。判定部172は、第1ライン画像から抽出した媒体画素の総数又は連続数を算出する。判定部172は、媒体画素の総数又は連続数が第1所定数以上である場合、最新の第1ライン画像に媒体が含まれると判定し、媒体画素の総数又は連続数が第1所定数未満である場合、最新の第1ライン画像に媒体が含まれないと判定する。第1所定数は、第3センサ117が配置された位置に対応する画素数からマージンを減じた画素数に設定される。
【0073】
また、判定部172は、第1ライン画像内の画素毎に、各画素の階調値と第1基準値との差の絶対値を算出し、絶対値が第1閾値を超える画素を媒体画素として抽出してもよい。
【0074】
図5に示したように、第3センサ117の第3発光器117a及び第3受光器117bは、媒体搬送方向と直交する方向A8において略中央部に配置される。先端が第3センサ117により検知された媒体は、媒体搬送方向と直交する方向において第3発光器117aと第3受光器117bの間を通過している。そのため、第1ライン画像内で、第3発光器117aが配置された位置に対応する画素と、第3受光器117bが配置された位置に対応する画素との間に、その媒体が含まれる可能性が高い。したがって、判定部172は、画像内の全画素の階調値に基づくのでなく、第3センサ117が配置された位置に対応する画素の階調値のみに基づくことにより、第1ライン画像に媒体が含まれるか否かをより短時間に且つより精度良く判定できる。
【0075】
なお、判定部172は、媒体搬送方向と直交する方向A8において第3センサ117が配置された位置に対応する画素だけでなく、全ての画素の階調値に基づいて、第1ライン画像に媒体が含まれるか否かを判定してもよい。その場合、第1所定数は、例えば媒体搬送装置100がサポートする最小の媒体サイズに対応する画素数に設定される。
【0076】
また、判定部172は、全ての画素の階調値に基づいて、第1ライン画像に媒体が含まれるか否かを判定する場合、第1ライン画像からエッジ画素を抽出してもよい。その場合、判定部172は、第1ライン画像内の各画素の水平方向の両隣の画素の階調値の差の絶対値(以下、隣接差分値と称する)を算出し、隣接差分値が第1閾値を越える場合、その画素をエッジ画素として抽出する。なお、判定部172は、第1ライン画像内の各画素から所定距離だけ離れた二つの画素の階調値の差の絶対値を隣接差分値として算出してもよい。また、判定部172は、ライン画像の階調値を閾値と比較することによりエッジ画素を抽出してもよい。例えば、判定部172は、特定の画素の階調値が閾値未満であり、その特定の画素に隣接する画素又はその特定の画素から所定距離だけ離れた画素の階調値が閾値以上である場合、その特定の画素をエッジ画素とする。判定部172は、第1ライン画像から抽出したエッジ画素の内、最も左端側に位置するエッジ画素と、最も右端側に位置するエッジ画素とを特定し、特定したエッジ画素の間の距離(画素数)を検出する。判定部172は、検出した距離が所定距離以上である場合、第1ライン画像に媒体が含まれると判定する。
【0077】
第1ライン画像に媒体が含まれると判定した場合、判定部172は、ステップS205~S214の処理を実行せずに、処理をステップS215へ移行させる。この場合、判定部172は、媒体の搬送異常が発生しておらず、搬送は正常であると判定する。
【0078】
一方、第1ライン画像に媒体が含まれないと判定した場合、判定部172は、媒体の先端が第3センサ117の位置を通過してから第3所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS205)。第3所定時間は、所定時間の一例であり、事前の実験により、媒体の先端が第3センサ117の位置を通過してから撮像装置118の撮像位置L1、L2を通過するまでに要する時間にマージンを加えた時間に設定される。媒体の先端が第3センサ117の位置を通過してから第3所定時間が経過していない場合、判定部172は、処理をステップS203へ戻し、ステップS203~S205の処理を繰り返す。即ち、画像取得部173は、第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ116により搬送される媒体の先端が第3センサ117の位置を通過してから第3所定時間が経過するまで、裏当て部材124を切り替えずに撮像した複数のライン画像を取得する。そして、判定部172は、複数のライン画像のそれぞれに媒体が含まれるか否かを判定する。
【0079】
媒体の先端が第3センサ117の位置を通過してから第3所定時間が経過した場合、画像取得部173は、一端、第1駆動装置151を停止して媒体の給送及び搬送を停止する(ステップS206)。
【0080】
次に、画像取得部173は、第2駆動装置152を駆動して、裏当て部材124を対向位置と非対向位置との間で切り替える(ステップS207)。画像取得部173は、裏当て部材124の初期設定位置が対向位置である場合、裏当て部材124を非対向位置に切り替え、裏当て部材124の初期設定位置が非対向位置である場合、裏当て部材124を対向位置に切り替える。
【0081】
次に、画像取得部173は、撮像装置118から第2ライン画像を取得する(ステップS208)。即ち、画像取得部173は、第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ116により搬送される媒体の先端が第3センサ117の位置を通過した後に、第2ライン画像を取得する。第2ライン画像は、裏当て部材124の対向面131を対向位置又は非対向位置の内の初期設定位置でない方の位置に配置して撮像したライン画像である。初期設定位置として対向位置が設定されている場合、第2ライン画像は対向面131を非対向位置に配置して撮像した第2画像の一例である。一方、初期設定位置として非対向位置が設定されている場合、第2ライン画像は対向面131を対向位置に配置して撮像した第1画像の一例である。なお、画像取得部173は、ステップS206で撮像装置118に撮像を停止させておいて、ステップS208において撮像装置118に第2ライン画像を撮像させてもよい。これにより、画像取得部173は、裏当て部材124がより確実に切り替えられて撮像された第2ライン画像を取得することができる。
【0082】
次に、判定部172は、第2ライン画像に媒体が含まれるか否かを判定する(ステップS209)。判定部172は、媒体搬送方向と直交する方向A8において第3センサ117が配置された位置に対応する第2ライン画像内の画素の階調値に基づいて、第2ライン画像に媒体が含まれるか否かを判定する。判定部172は、媒体搬送方向と直交する方向A8において第3センサ117が配置された位置に対応する第2ライン画像内の画素の階調値の平均値を算出する。判定部172は、第2ライン画像から算出した平均値と第2基準値との差の絶対値が第2閾値以上である場合、第2ライン画像に媒体が含まれると判定し、その絶対値が第2閾値未満である場合、第2ライン画像に媒体が含まれないと判定する。初期設定位置として対向位置が設定されている場合の第2基準値は、事前の実験により、対向面131を非対向位置に配置して壁部材125を撮像した画素の階調値に設定される。一方、初期設定位置として非対向位置が設定されている場合の第2基準値は、事前の実験により、対向面131を対向位置に配置して対向面131を撮像した画素の階調値に設定される。第2閾値は、例えば、人が画像上の輝度又は色の違いを目視により判別可能な階調値の差(例えば20)に設定される。
【0083】
なお、判定部172は、第1ライン画像と第2ライン画像とを比較することにより、第1ライン画像及び第2ライン画像に媒体が含まれるか否かを判定してもよい。判定部172は、第1ライン画像と、第2ライン画像のそれぞれについて、媒体搬送方向と直交する方向A8において第3センサ117が配置された位置に対応する画素の階調値の平均値を算出する。判定部172は、第1ライン画像から算出した平均値と、第2ライン画像から算出した平均値との差の絶対値が第3閾値未満である場合、第1ライン画像及び第2ライン画像に媒体が含まれると判定する。一方、判定部172は、その差の絶対値が第3閾値以上である場合、第1ライン画像及び第2ライン画像に媒体が含まれないと判定する。第3閾値は、例えば、人が画像上の輝度又は色の違いを目視により判別可能な階調値の差(例えば20)に設定される。
【0084】
また、判定部172は、第2ライン画像内の画素毎に、各画素の階調値と第2基準値との差の絶対値を算出し、絶対値が第2閾値を超える画素を媒体画素として抽出してもよい。判定部172は、第2ライン画像から抽出した媒体画素の総数又は連続数を算出する。判定部172は、媒体画素の総数又は連続数が第2所定数以上である場合、第2ライン画像に媒体が含まれると判定し、媒体画素の総数又は連続数が第2所定数未満である場合、第2ライン画像に媒体が含まれないと判定する。第2所定数は、第3センサ117が配置された位置に対応する画素数からマージンを減じた画素数に設定される。
【0085】
また、判定部172は、第1ライン画像と、第2ライン画像との対応する画素毎に、各画素の階調値の差の絶対値を算出し、絶対値が第3閾値未満である画素を媒体画素として抽出してもよい。判定部172は、抽出した媒体画素の総数又は連続数を算出する。判定部172は、媒体画素の総数又は連続数が第2所定数以上である場合、第1ライン画像及び第2ライン画像に媒体が含まれると判定し、媒体画素の総数又は連続数が第2所定数未満である場合、第1ライン画像及び第2ライン画像に媒体が含まれないと判定する。
【0086】
上記したように、判定部172は、画像内の全画素の階調値に基づくのでなく、第3センサ117が配置された位置に対応する画素の階調値のみに基づくことにより、第2ライン画像に媒体が含まれるか否かをより短時間に且つより精度良く判定できる。
【0087】
なお、判定部172は、媒体搬送方向と直交する方向A8において第3センサ117が配置された位置に対応する画素だけでなく、全ての画素の階調値に基づいて、第2ライン画像に媒体が含まれるか否かを判定してもよい。その場合、第2所定数は、例えば媒体搬送装置100がサポートする最小の媒体サイズに対応する画素数に設定される。
【0088】
また、判定部172は、全ての画素の階調値に基づいて、第2ライン画像に媒体が含まれるか否かを判定する場合、第2ライン画像からエッジ画素を抽出してもよい。その場合、判定部172は、第2ライン画像から抽出したエッジ画素の内、最も左端側に位置するエッジ画素と、最も右端側に位置するエッジ画素とを特定し、特定したエッジ画素の間の距離(画素数)を検出する。判定部172は、検出した距離が所定距離以上である場合、第2ライン画像に媒体が含まれると判定する。
【0089】
第2ライン画像に媒体が含まれないと判定した場合、即ち第1ライン画像及び第2ライン画像の両方に媒体が含まれないと判定した場合、判定部172は、媒体のジャム又はスリップによる搬送停止等の搬送異常が発生したと判定する(ステップS210)。
【0090】
次に、制御部171は、第1駆動装置151を停止して媒体の給送及び搬送を停止し(ステップS211)、一連のステップを終了する。
【0091】
一方、判定部172が第2画像に媒体が含まれると判定した場合、画像取得部173は、第2駆動装置152を駆動して、裏当て部材124を対向位置と非対向位置との間で切り替える(ステップS212)。画像取得部173は、裏当て部材124の初期設定位置が対向位置である場合、裏当て部材124を対向位置に戻し、裏当て部材124の初期設定位置が非対向位置である場合、裏当て部材124を非対向位置に戻す。
【0092】
次に、判定部172は、判定フラグを無効に設定する(ステップS212)。これにより、判定部172は、第1ライン画像及び第2ライン画像に基づいて媒体の搬送異常が発生していないと判定した場合、以後に搬送される媒体については第1ライン画像及び第2ライン画像に基づいて媒体の搬送異常が発生したか否かを判定しない。第1ライン画像に媒体が含まれないと判定され、且つ、第1ライン画像と第2ライン画像において所定数以上の媒体画素が抽出された場合、媒体の色と初期設定位置に対応する背景(対向面131又は壁部材125)の色とが類似している可能性が高い。また、まとめて載置台103に載置されて搬送される媒体の色は同一である可能性が高い。したがって、以後に搬送される媒体についても、ステップS204において第1ライン画像に媒体が含まれないと判定され、ステップS209において第1ライン画像及び第2ライン画像に媒体が含まれると判定される可能性が高い。判定部172は、以後に搬送される媒体については第1ライン画像及び第2ライン画像に基づいて媒体の搬送異常が発生したか否かを判定しないことにより、媒体読取処理の処理時間が増大することを抑制できる。
【0093】
次に、制御部171は、第1駆動装置151を駆動して、媒体の給送及び搬送を再開させる(ステップS214)。
【0094】
次に、判定部172は、媒体の搬送異常が発生しておらず、媒体の搬送が正常であると判定する(ステップS215)。このように、判定部172は、第1ライン画像及び第2ライン画像に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する。搬送される媒体の色と初期設定位置に対応する背景(対向面131又は壁部材125)の色とが類似している場合、第1ライン画像から媒体が正しく検出されない可能性がある。その場合、媒体の搬送が正常であるにも関わらず、媒体の搬送を停止させてしまい、利用者の手をわずらわせる可能性がある。
【0095】
判定部172は、第1ライン画像及び第2ライン画像の両方について、媒体が含まれるか否かを判定する。搬送される媒体の色と初期設定位置に対応する背景(対向面131又は壁部材125)の色とが類似している場合、第1ライン画像から媒体が正しく検出されない可能性がある。その場合、搬送される媒体の色と初期設定位置に対応しない方の背景の色とは異なるため、第2ライン画像からは媒体が正しく検出される可能性が高い。したがって、判定部172は、第1ライン画像及び第2ライン画像の両方に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定することにより、媒体の搬送異常が発生したか否かを精度良く判定することができる。
【0096】
また、媒体が正常に搬送されている場合、第1ライン画像及び第2ライン画像の両方に媒体が含まれる。一方、搬送異常が発生して媒体が停止している場合、第1ライン画像及び第2ライン画像の両方において媒体が含まれず、第1ライン画像及び第2ライン画像には相互に異なる色を有する背景(対向面131又は壁部材125)が含まれる。したがって、判定部172は、第1ライン画像及び第2ライン画像を比較して、相互に対応する画素の階調値が類似するか異なるかを判定することによっても、媒体の搬送異常が発生したか否かを正確に判定することができる。
【0097】
また、判定部172は、ステップS204において、複数のライン画像に媒体が含まれないと判定した場合に限り、第1ライン画像及び第2ライン画像に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する。これにより、判定部172は、搬送される媒体の色と初期設定位置に対応する背景(対向面131又は壁部材125)の色とが異なる場合に、裏当て部材124を切り替えることなく、媒体の搬送が正常であることを判定できる。したがって、判定部172は、媒体読取処理の処理時間が不要に増大することを抑制できる。
【0098】
次に、画像取得部173は、撮像装置118から第1ライン画像を取得する(ステップS301)。
【0099】
次に、画像取得部173は、搬送される媒体全体が撮像装置118により撮像されたか否かを判定する(ステップS302)。画像取得部173は、第3センサ117から定期的に第3媒体信号を取得し、取得した第3媒体信号に基づいて、第3センサ117の位置に媒体が存在するか否かを判定する。画像取得部173は、第3媒体信号の信号値が、媒体が存在することを示す値から媒体が存在しないことを示す値に変化したときに、媒体の後端が第3センサ117の位置を通過したと判定する。画像取得部173は、媒体の後端が第3センサ117の位置を通過したと判定してから第4所定時間が経過したときに、媒体全体が撮像されたと判定する。まだ媒体全体が撮像されていない場合、画像取得部173は、処理をステップS301へ戻し、ステップS301~S302の処理を繰り返す。
【0100】
一方、媒体全体が撮像された場合、画像取得部173は、取得した全ての第1ライン画像を合成して入力画像を生成する(ステップS303)。
【0101】
次に、画像取得部173は、入力画像を、インタフェース装置153を介して情報処理装置へ送信する(ステップS304)。なお、情報処理装置と接続されていない場合、画像取得部173は、入力画像を記憶装置160に記憶しておく。
【0102】
次に、制御部171は、第1センサ111から取得する媒体検出信号に基づいて載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS305)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部171は、ステップS104へ処理を戻し、ステップS104~S305の処理を繰り返す。
【0103】
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部171は、第1駆動装置151を停止する(ステップS306)。
【0104】
次に、制御部171は、判定フラグを有効に設定し(ステップS307)、一連のステップを終了する。
【0105】
なお、ステップS202の処理が省略され、判定部172は、全ての媒体について第1ライン画像及び第2ライン画像に基づいて媒体の搬送異常が発生したか否かを判定してもよい。また、判定部172は、媒体の先端が第3センサ117の位置を通過してから第3所定時間が経過した時にのみ、ステップS203~S204の処理を実行してもよい。その場合、判定部172は、複数の第1ライン画像について媒体が含まれるか否かを判定することなく、第1ライン画像及び第2ライン画像に基づいて媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する。
【0106】
また、ステップS105、S109、S205及びS302において、判定部172及び画像取得部173は、第1~第4所定時間が経過したか否かを判定する代わりに、第1駆動装置151を各所定時間に対応する所定量だけ駆動させたか否かを判定してもよい。
【0107】
以上詳述したように、媒体搬送装置100は、裏当て部材124を切り替えて撮像した2つの画像に基づいて、撮像装置118の位置に媒体が存在するか否かを判定し、媒体の搬送異常が発生しているか否かを判定する。これにより、媒体搬送装置100は、媒体の搬送異常が発生したか否かをより精度良く判定することが可能となった。
【0108】
特に、媒体搬送装置100は、撮像装置118の手前で発生する搬送異常をより精度良く検出することが可能となった。また、媒体搬送装置100は、撮像装置118により撮像された画像を詳細に解析することなく、第1ライン画像及び第2ライン画像の各画素の階調値を相互に又は基準値と単純に比較することにより、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する。これにより、媒体搬送装置100は、媒体の搬送異常が発生したことを短時間で検出し、媒体の損傷が増大することを抑制することが可能となった。
【0109】
図11及び図12は、他の実施形態に係る媒体搬送装置における撮像装置218について説明するための図である。
【0110】
図11及び図12に示すように、第1撮像装置218aは、第1裏当て部材124aの代わりに第1裏当て部材224aを有し、第2撮像装置218bは、第2裏当て部材124bの代わりに第2裏当て部材224bを有している。
【0111】
第1裏当て部材224aは、第1光透過部材121aの下方に且つ第2光源122b及び第2撮像センサ123bと対向する位置に設けられる。第1裏当て部材224aは、第2撮像センサ123bと対向する第1対向面231aと、第1対向面231aの裏面側に配置された第3対向面233aを有する。第1対向面231aは、例えば白色を有し、第1対向面231aが撮像された画像信号に基づいてシェーディング等の画像の補正を行うための白基準部材として機能する。第3対向面233aは、黒色等の第1対向面231aと異なる色を有する。第1裏当て部材224aは、第1支持部材232aにより180°回転可能に支持され、第2駆動装置152からの駆動力によって回転する。第1裏当て部材224aは、第1対向面231aが第2撮像センサ123bと対向する対向位置(図11に示す位置)と、第1対向面231aが対向位置から外れた非対向位置(図12に示す位置)との間で切り替えられる。非対向位置では、第3対向面233aが第2撮像センサ123bと対向する。
【0112】
第2裏当て部材224bは、第2光透過部材121bの上方に且つ第1光源122a及び第1撮像センサ123aと対向する位置に設けられる。第2裏当て部材224bは、第1撮像センサ123aと対向する第2対向面231bと、第2対向面231bの裏面側に配置された第4対向面233bを有する。第2対向面231bは、例えば白色を有し、第2対向面231bが撮像された画像信号に基づいてシェーディング等の画像の補正を行うための白基準部材として機能する。第4対向面233bは、黒色等の第2対向面231bと異なる色を有する。第2裏当て部材224bは、第2支持部材232bにより180°回転可能に支持され、第2駆動装置152からの駆動力によって回転する。第2裏当て部材224bは、第2対向面231bが第1撮像センサ123aと対向する対向位置(図11に示す位置)と、第2対向面231bが対向位置から外れた非対向位置(図12に示す位置)との間で切り替えられる。非対向位置では、第4対向面233bが第1撮像センサ123aと対向する。
【0113】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、撮像装置218を用いる場合においても、媒体の搬送異常が発生したか否かをより精度良く判定することが可能となった。
【0114】
図13は、他の実施形態に係る媒体搬送装置における処理回路270の概略構成を示す図である。処理回路270は、媒体搬送装置100の処理回路170の代わりに使用され、処理回路170の代わりに、媒体読取処理等を実行する。処理回路270は、制御回路271、判定回路272及び画像取得回路273等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0115】
制御回路271は、制御部の一例であり、制御部171と同様の機能を有する。制御回路271は、操作装置105から操作信号を、第1センサ111から第1媒体信号を、判定回路272から媒体の搬送異常の判定結果を受信する。制御回路271は、受信した各信号に応じて第1駆動装置151を駆動するとともに、媒体の搬送異常が検出された場合、第1駆動装置151を停止させる。
【0116】
判定回路272は、判定部の一例であり、判定部172と同様の機能を有する。判定回路272は、第2センサ114から第2媒体信号を、第3センサ117から第3媒体信号を、記憶装置160から第1ライン画像及び第2ライン画像を受信する。判定回路272は、受信した各信号及び画像に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定し、判定結果を制御回路271に出力する。
【0117】
画像取得回路273は、画像取得部の一例であり、画像取得部173と同様の機能を有する。画像取得回路273は、第2駆動装置152を駆動するとともに、第3センサ117から第3媒体信号を、撮像装置118から第1ライン画像及び第2ライン画像を受信する。画像取得回路273は、第1ライン画像及び第2ライン画像を記憶装置160に記憶するとともに、第1ライン画像から入力画像を生成し、インタフェース装置153を介して情報処理装置へ送信する。
【0118】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、処理回路270を用いる場合においても、媒体の搬送異常が発生したか否かをより精度良く判定することが可能となった。
【符号の説明】
【0119】
100 媒体搬送装置
115 第1搬送ローラ
116 第2搬送ローラ
117 第3センサ
123 撮像センサ
124 裏当て部材
152 第2駆動装置
172 判定部
173 画像取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12
図13